(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6189318
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】回生制動する車両の電源装置
(51)【国際特許分類】
B60L 11/18 20060101AFI20170821BHJP
H01M 2/10 20060101ALI20170821BHJP
H01M 2/20 20060101ALI20170821BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20170821BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20170821BHJP
H01M 10/647 20140101ALI20170821BHJP
H01M 10/6554 20140101ALI20170821BHJP
H01M 10/6551 20140101ALI20170821BHJP
H01M 10/6553 20140101ALI20170821BHJP
H01M 2/30 20060101ALI20170821BHJP
B60R 16/04 20060101ALI20170821BHJP
B60L 7/10 20060101ALI20170821BHJP
【FI】
B60L11/18 Z
H01M2/10 S
H01M2/20 A
H01M10/613
H01M10/625
H01M10/647
H01M10/6554
H01M2/10 M
H01M10/6551
H01M10/6553
H01M2/30 B
B60R16/04 B
B60L7/10
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-544263(P2014-544263)
(86)(22)【出願日】2013年10月24日
(86)【国際出願番号】JP2013006297
(87)【国際公開番号】WO2014068919
(87)【国際公開日】20140508
【審査請求日】2016年10月7日
(31)【優先権主張番号】特願2012-238123(P2012-238123)
(32)【優先日】2012年10月29日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074354
【弁理士】
【氏名又は名称】豊栖 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100104949
【弁理士】
【氏名又は名称】豊栖 康司
(72)【発明者】
【氏名】坂田 英樹
(72)【発明者】
【氏名】大隅 信幸
(72)【発明者】
【氏名】中島 薫
(72)【発明者】
【氏名】常定 昭伸
【審査官】
笹岡 友陽
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−164930(JP,A)
【文献】
特開2010−113888(JP,A)
【文献】
特開2009−59474(JP,A)
【文献】
特開2011−54366(JP,A)
【文献】
特開平4−340328(JP,A)
【文献】
実開平6−73860(JP,U)
【文献】
特開2002−42764(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00− 3/12
B60L 7/00−13/00
B60L 15/00−15/42
B60R 16/04
H01M 2/10
H01M 2/20
H01M 2/30
H01M 10/613
H01M 10/625
H01M 10/647
H01M 10/6551
H01M 10/6553
H01M 10/6554
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の対向壁と一対の端面壁が四角形の底面プレートの周囲に設けてなる直方体のバッテリケース内に、複数のセルが配置された鉛バッテリと、この鉛バッテリと並列に接続してなる蓄電器とを備える回生制動する車両の電源装置であって、
前記蓄電器の回生制動の蓄電量が鉛バッテリよりも大きく、
かつ前記蓄電器は、前記鉛バッテリの対向壁に熱結合状態に配置してなる放熱プレートのある外装ケースを有し、この放熱プレートが、前記鉛バッテリの対向壁に熱結合状態に配置されてなる回生制動する車両の電源装置。
【請求項2】
前記蓄電器が、外装ケースに複数の二次電池を水平姿勢で上下に多段に配置して、各二次電池を金属板のバスバーで接続しており、
さらに、前記蓄電器は、前記外装ケースの上面に、前記二次電池の電極端子に接続してなる出力端子を有し、この出力端子が、前記鉛バッテリの上面設けてなる電極端子に金属板の接続プレートを介して並列に接続されてなる請求項1に記載される回生制動する車両の電源装置。
【請求項3】
前記二次電池がニッケル水素電池である請求項2に記載される回生制動する車両の電源装置。
【請求項4】
前記二次電池がリチウムイオン二次電池とリチウムポリマー電池のいずれかである請求項2に記載される回生制動する車両の電源装置。
【請求項5】
前記蓄電器がコンデンサーである請求項1に記載される回生制動する車両の電源装置。
【請求項6】
前記鉛バッテリと前記蓄電器とが接続プレートを介して並列に接続され、この接続プレートが放熱フィンを有する請求項1ないし5のいずれかに記載される回生制動する車両の電源装置。
【請求項7】
前記接続プレートが、前記蓄電器の外装ケースとの対向面積よりも、前記鉛バッテリのバッテリケースとの対向面積を大きくしてなる請求項2または6に記載される回生制動する車両の電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の減速時に回生制動して燃費効率を改善する車両用の電源装置に関し、とくに、鉛バッテリと並列に二次電池やコンデンサーなどの蓄電器を並列に接続して、回生発電電力の充電効率を改善して優れた燃費効率を実現する車両用の電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両を回生制動してバッテリを充電して制動する車両は、走行している車両の運動のエネルギーを鉛バッテリに蓄える。回生発電する車両は、減速するときに車両の運動のエネルギーでオルタネータを駆動して鉛バッテリを充電する。鉛バッテリは、充電時の内部抵抗、すなわち充電抵抗が大きいので、回生発電電力を効率よく充電できない欠点がある。また、回生制動時に鉛バッテリを充電する電流は100A以上と極めて大きいので、車両を制動する度に、頻繁に回生発電して大電流で充電されることで、鉛バッテリの寿命は著しく短くなる欠点がある。
【0003】
この欠点を解消するために、鉛バッテリと並列にサブバッテリを接続する電源装置が開発されている。(特許文献1及び2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−208599号公報
【特許文献2】特開2003−254208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これ等の公報の電源装置は、鉛バッテリと並列にリチウムイオン二次電池を接続している。鉛バッテリにリチウムイオン二次電池を並列に接続する電源装置は、回生発電電力で効率よく充電され、また、回生制動時には、鉛バッテリからリチウムイオン二次電池に大電流を分流して充電するので、鉛バッテリの充電電流を減少して、鉛バッテリの劣化を少なくできる。
【0006】
鉛バッテリと並列にリチウムイオン二次電池などのサブバッテリを並列に接続する電源装置は、サブバッテリの充電時の内部抵抗である充電抵抗を鉛バッテリよりも小さくして、回生制動時におけるサブバッテリの充電電流を大きくできる。サブバッテリの充電電流を大きくすることは、鉛バッテリの回生制動時の充電電流を小さくして、鉛バッテリの劣化を少なくすることにも効果がある。しかしながら、この電源装置は、信号待ち等で車両を停止して回生制動する毎に、鉛バッテリとサブバッテリとを大電流で充電するので、鉛バッテリとサブバッテリがジュール熱で発熱して温度が上昇する。とくに、回生制動時に鉛バッテリの充電電流をより小さくするために、サブバッテリの充電抵抗を小さくして、サブバッテリの充電電流を大きくする電源装置は、充電電流の大きいサブバッテリの温度がより高くなる。サブバッテリは、温度が上昇すると充電抵抗が小さくなって、ますます回生制動の充電電流が増加してジュール熱による発熱量が増加する。サブバッテリの温度上昇は、鉛バッテリの充電電流を減少させて劣化を少なくする効果はある。しかしながら、サブバッテリも、温度が異常に高くなると安全に使用できなくなる弊害がある。また、サブバッテリは、ニッケル水素電池やリチウムイオン二次電池、あるいは電気二重層コンデンサーなど、鉛バッテリよりも高価なバッテリやコンデンサーを使用するので、鉛バッテリの寿命のみでなく、サブバッテリの異常な劣化を防止することも大切である。
【0007】
本発明は、サブバッテリを構成する蓄電器の異常な温度上昇を防止することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、回生制動する車両に搭載されて、鉛バッテリの劣化を少なくしてその寿命を長くしながら、強制冷却などの複雑な冷却機構を設けることなく、蓄電器の異常な温度上昇をも防止できる回生制動する車両の電源装置を提供することにある。
【0008】
本発明の回生制動する車両の電源装置は、一対の対向壁12と一対の端面壁13が四角形の底面プレート14の周囲に設けてなる直方体のバッテリケース10内に、複数のセル1Aが配置された鉛バッテリ1と、この鉛バッテリ1と並列に接続してなる蓄電器2とを備えている。蓄電器2は、回生制動の蓄電量が鉛バッテリ1よりも大きく、鉛バッテリ1の対向壁12に熱結合状態に配置してなる放熱プレート22のある外装ケース20を有しており、この放熱プレート22が、鉛バッテリ1の対向壁12に熱結合状態に配置されている。
【0009】
以上の電源装置は、回生制動する車両に搭載されて、鉛バッテリの劣化を少なくして寿命を長くでき、さらに、冷却ファンなどの複雑な冷却機構を設けることなく、蓄電器の異常な温度上昇を防止できる特徴がある。とくに、以上の電源装置は、蓄電器の回生制動における蓄電量を鉛バッテリよりも大きくするので、蓄電器の蓄電量を多くして、鉛バッテリの蓄電量を少なくする。このため、蓄電器によって、回生制動時の鉛バッテリの充電電流が小さくなり、鉛バッテリの過大電流による劣化をより少なくできる。鉛バッテリよりも蓄電量の大きい蓄電器は、回生制動時の充電電流が大きくなって発熱量は大きくなる。しかしながら、以上の電源装置は、独特の放熱構造によって、発熱量の多い蓄電器を効率よく放熱して、異常な温度上昇を防止できる。それは、以上の電源装置が、鉛バッテリの対向壁に、蓄電器の放熱プレートを熱結合状態に配置し、さらに放熱プレートを、鉛バッテリの複数のセルに熱結合状態に配置することで、蓄電器の発熱を放熱プレートから複数のセルに放熱するからである。とくに、蓄電器の発熱を、鉛バッテリの複数のセルにバランスよく放熱することで、蓄電器をより効果的に放熱する。それは、鉛バッテリの各々のセルに蓄えている電解液と電極板に、蓄電器の発熱をバランスよく放熱できるからである。仮に、蓄電器の放熱プレートが鉛バッテリの端面壁に熱結合状態に配置されると、蓄電器の発熱はひとつのセルにのみ放熱されて、効率よく放熱できなくなる。
【0010】
本発明の回生制動する車両の電源装置は、蓄電器2が、外装ケース20に複数の二次電池2Aを水平姿勢で上下に多段に配置して、各二次電池2Aを金属板のバスバー25で接続することができる。さらに、蓄電器2は、外装ケース20の上面に、二次電池2Aの電極端子に接続してなる出力端子29を有して、この出力端子29を、鉛バッテリ1の上面に設けてなる電極端子19に金属板の接続プレート3を介して並列に接続することができる。
【0011】
以上の電源装置は、蓄電器に内蔵する二次電池をよりバランスよく放熱できる特徴がある。それは、温度が高くなる上段の二次電池をより効率よく放熱できるからである。温度が高くなる上段の二次電池の発熱は、出力端子と接続プレートとを介して鉛バッテリの電極端子に伝導されて鉛バッテリで効果的に放熱される。
【0012】
本発明の回生制動する車両の電源装置は、二次電池2Aをニッケル水素電池とすることができる。
この電源装置は、ニッケル水素電池の定格電圧と、鉛バッテリのひとつのセルの定格電圧とが等しいので、ニッケル水素電池を直列に接続する個数を調整して、蓄電器の定格電圧を鉛バッテリの定格電圧に等しくできる。このため、ニッケル水素電池と蓄電器とをDC/DCコンバータなどの電圧調整回路を設けることなく、直接に並列接続できる。このため、鉛バッテリと蓄電器とを簡単な回路構成で並列に接続して、バランスよく充放電できる。
【0013】
本発明の回生制動する車両の電源装置は、二次電池2Aをリチウムイオン二次電池とリチウムポリマー電池のいずれかとすることができる。
以上の電源装置は、蓄電器の容量と重量に対する容量を大きくできる特徴がある。
【0014】
本発明の回生制動する車両の電源装置は、蓄電器をコンデンサーとすることができる。
以上の電源装置は、回生制動を開始する最初に極めて大きな電流で蓄電器を蓄電して、鉛バッテリの大電流による劣化を少なくできる。
【0015】
本発明の回生制動する車両の電源装置は、鉛バッテリ1と蓄電器2とを接続プレート3を介して並列に接続して、この接続プレート3が放熱フィン5を有することができる。
以上の電源装置は、蓄電器の発熱を接続プレートを介して効率よく放熱できる特徴がある。
【0016】
本発明の回生制動する車両の電源装置は、接続プレート3が、蓄電器2の外装ケース20との対向面積よりも、鉛バッテリ1のバッテリケース10との対向面積を大きくすることができる。
以上の電源装置は、蓄電器の発熱を、接続プレートでもってより効率よく放熱できる。それは、接続プレートが温度の低い鉛バッテリとの対向面積を広くして、この領域の放熱量を大きくできるからである。接続プレートが低温の鉛バッテリと対向する領域は、鉛バッテリとの対流や輻射熱による加温が少なく、蓄電器から伝導される熱エネルギーを効率よく放熱する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施例にかかる電源装置を回生制動する車両に搭載する状態を示すブロック図である。
【
図2】本発明の一実施の形態にかかる電源装置の概略斜視図である。
【
図4】
図2に示す電源装置の蓄電器の垂直縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための回生制動する車両用の電源装置を例示するものであって、本発明は電源装置を以下のものには特定しない。さらに、この明細書は、請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。
【0019】
図1のブロック図に示す電源装置は、回生制動する車両に搭載される。さらに好ましくは、回生制動とアイドリングストップする車両に搭載される。この電源装置は、鉛バッテリ1と蓄電器2とを備える。鉛バッテリ1と蓄電器2は、並列に接続されて、車両のオルタネータ33でもって、回生発電電力で充電される。回生発電電力は、鉛バッテリ1と蓄電器2の両方に蓄電される。アイドリングストップする車両に搭載される電源装置は、鉛バッテリ1と蓄電器2の両方からスターターモータ32に電力を供給し、あるいは鉛バッテリ1のみからスターターモータ32に電力を供給する。
【0020】
回生制動する車両は、減速するときの運動のエネルギーでオルタネータ33を回転する。回生制動状態において、車輪34がエンジン31を回転し、エンジン31がオルタネータ33を回転する。オルタネータ33の回転トルクは、エンジン31を介して車両を制動して減速する。オルタネータ33が回生制動して発電する電力は、車両の運動のエネルギーに比例して大きくなる。車両の運動のエネルギーは、車両の重量と速度の自乗の積に比例して大きくなる。たとえば、60Km/時で走行する1トンの車両は、約40Whの運動のエネルギーを有する。運動のエネルギーの50%の効率でバッテリを充電できると仮定すれば、60Km/時で走行している普通車は、1回の信号待ちで停止する毎に、20Whもの電力でバッテリを充電できる。したがって、仮に60Km/時で走行している車両が、たとえば、20秒で停止して、一定の電流で12Vのバッテリを充電するとすれば、回生制動時のオルタネータ33の出力電流は300Aと極めて大きくなる。
【0021】
以上のように、回生制動は、車両が停止するまでの極めて短い時間において、オルタネータ33の出力電流が極めて大きな電流となることから、回生制動で発電するオルタネータ33の出力をいかに効率よく蓄電できるかが大切である。
図1の電源装置は、回生発電電力効率よく蓄電するために、鉛バッテリ1と並列に蓄電器2を接続している。
【0022】
蓄電器2は、二次電池2A又はコンデンサーである。蓄電器2は、回生制動の蓄電量を鉛バッテリ1よりも大きくしている。二次電池2Aの蓄電器2は、蓄電量を鉛バッテリ1よりも大きくするために、鉛バッテリ1よりも充電抵抗を小さくしている。この二次電池2Aはニッケル水素電池である。ニッケル水素電池は、定格電圧を1.2Vとするので、これを10個直列に接続して、蓄電器2の定格電圧を12Vにできる。ニッケル水素電池の蓄電器2は、定格電圧を鉛バッテリ1の定格電圧と同じにできるので、DC/DCコンバータなどの電圧を調整する回路を介在することなく、鉛バッテリ1と並列に接続できる。ただ、蓄電器の二次電池には、鉛バッテリよりも充電抵抗の小さいリチウムイオン二次電池やリチウムポリマー電池等の非水系電解液二次電池も使用できる。ニッケル水素電池は、充電抵抗が極めて小さく、優れた大電流の充電特性を有し、リチウムイオン二次電池などの非水系電解液二次電池は、軽くて充放電容量を大きくできる。
【0023】
充電抵抗が鉛バッテリ1の充電抵抗よりも小さい二次電池2Aの蓄電器2は、鉛バッテリ1と並列に接続されて、回生発電時の充電電流を鉛バッテリ1よりも大きくして、蓄電量を鉛バッテリ1よりも大きくする。この電源装置は、回生制動時の蓄電器2の充電電流を大きく、鉛バッテリ1の充電電流を小さくして、鉛バッテリ1の大電流充電による劣化を少なくできる。
【0024】
蓄電器2に使用されるコンデンサーは、静電容量の大きい電気二重層コンデンサーである。コンデンサーの蓄電器2は、充電抵抗を極めて小さくして、回生制動時の蓄電量を鉛バッテリ1よりも大きくできる。また、放電抵抗も小さいので、鉛バッテリ1と並列に接続されて、スターターモータ32に電力を供給できる。ただ、コンデンサーは、蓄電量、すなわち蓄電される電荷によって電圧が変化するので、双方向性DC/DCコンバータを介して鉛バッテリ1に接続される。
【0025】
図2の斜視図と
図3の平面図は、互いに並列に接続される鉛バッテリ1と蓄電器2とを示している。これらの図の電源装置は、接続プレート3を介して鉛バッテリ1と蓄電器2とを並列に接続している。蓄電器をコンデンサーとする電源装置は、図示しないが、鉛バッテリと蓄電器のプラス側に接続される接続プレートの中間に双方向性DC/DCコンバータを接続する。
【0026】
図3の鉛バッテリ1は、バッテリケース10内で区画された各セル1Aに、図示しないが、正負の電極板をセパレータで絶縁状態に積層して配置し、さらに所定の液面レベルまで電解液を充電している。バッテリケース10は、四角形とする底面プレート14の周囲に、一対の対向壁12と一対の端面壁13を設けて、上面を上面プレート11で閉塞している。鉛バッテリ1のセル電圧は2Vであるから、定格電圧を12Vとする鉛バッテリ1は、バッテリケース10を6セルに区画して、各セル1Aに配置する電極板を直列に接続している。バッテリケース10を6セルに区画する区画壁15は、端面壁13と平行な姿勢に配置されてその両側縁を対向壁12の内面に連結している。バッテリケース10は、絶縁プラスチックであるABS樹脂などで、上方を開口し、かつ区画壁13で複数のセル1Aに区画される形状に成形して製作される。バッテリケース10の上方開口部は、上面プレート11で水密に閉塞される。この鉛バッテリ1は、上面プレート11に、正負の電極端子19を固定している。
【0027】
蓄電器2は、
図3と
図4に示すように、外装ケース20に二次電池2A又はコンデンサーを収納している。外装ケース20は、垂直面内にあって、互いに対向して配置してなる一対の放熱プレート22を有する方形状で、一対の放熱プレート22の間に二次電池2A又はコンデンサーを配置している。外装ケース20は放熱プレート22の両端に端部プレート23を連結して四角形とし、上方開口部を出力端子29のある上面プレート21で、下方開口部を底面プレート24で閉塞している。
【0028】
外装ケース20は、一方の放熱プレート22を、バッテリケース10の対向壁12に熱結合状態に配置して、蓄電器2の発熱を鉛バッテリ1に放熱する。さらに、放熱プレート22は、鉛バッテリ1の複数のセル1Aに放熱するように、鉛バッテリ1の複数のセル1Aを対向壁12に熱結合状態に配置している。
図2の蓄電器2は、鉛バッテリ1の6セルの対向壁12に放熱プレート22を熱結合状態に配置して、蓄電器2の発熱を鉛バッテリ1の6セルに放熱している。放熱プレート22は、鉛バッテリ1の対向壁12との間に、熱伝導シート4を挟み、あるいは熱伝導ペーストを設けて、理想的な熱結合状態に配置される。ただ、対向壁と放熱プレートとを互いに密着できる平面状に加工して、直接に密着させて熱結合状態に配置することもできる。
【0029】
図4の蓄電器2は、外装ケース20内に複数の二次電池2Aを水平姿勢で上下に多段に配置して、各二次電池2Aを金属板のバスバー25で直列に接続している。この図の蓄電器2は、二次電池2Aを円筒形電池のニッケル水素電池として、二次電池2Aを5段2列に配置し、各二次電池2Aを直列に接続して、定格電圧を鉛バッテリ1に等しくしている。上下に配置される5個の二次電池2Aは直列に接続され、さらに、2列の二次電池2Aも直列に接続されて、10個の二次電池2Aを直列に接続している。最上段の二次電池2Aの電極は、金属板のリード板26を介して出力端子29に接続している。
図4の蓄電器2は、円筒形電池を水平姿勢で多段に配置するが、蓄電器は、円筒形電池に代わって、複数のコンデンサーを水平姿勢で多段に配置することもできる。
【0030】
二次電池2Aを多段に配置する蓄電器2は、上段の二次電池2Aの温度が下段の二次電池2Aよりも高くなる。二次電池2Aで加温された空気が外装ケース20内で上昇するからである。上段の二次電池2Aは、熱エネルギーをリード板26を介して出力端子29に伝導する。出力端子29に伝導された熱エネルギーは、出力端子29を鉛バッテリ1の電極端子19に接続している接続プレート3で放熱され、さらに鉛バッテリ1の電極端子19に伝導して放熱される。
【0031】
接続プレート3は、蓄電器2の出力端子29を鉛バッテリ1の電極端子19に接続して、鉛バッテリ1と並列に接続する。
図2と
図3の電源装置は、鉛バッテリ1の上面に電極端子19を、蓄電器2の上面に出力端子29を設けているので、接続プレート3はバッテリケース10と外装ケース20の上面に配置される。接続プレート3は、所定の幅と厚さを有し、かつ上面に放熱フィン5を設けた金属板である。接続プレート3は、蓄電器2の出力端子29から伝導される熱を放熱する。
図2と
図3の接続プレート3は、蓄電器2の外装ケース20との対向面積よりも、バッテリケース10との対向面積を大きくして、より効率よく放熱できるようにしている。接続プレート3は、周囲温度を低くしてより効果的に放熱できるので、温度が低くなるバッテリケース10との対向面積を、温度が高くなる蓄電器2の外装ケース20との対向面積よりも大きくして、より効率よく放熱できる。
【0032】
以上の電源装置は、回生制動時には、オルタネータ33の発電電力を鉛バッテリ1と蓄電器2とに蓄電する。蓄電された電力は、エンジン31の再始動に使用され、また車両の電装機器30を動作させる電力として供給される。回生制動によって蓄電器2と鉛バッテリ1とは発熱するが、蓄電量の大きい蓄電器2の発熱量が鉛バッテリ1よりも大きくなる。このため、車両を走行させる状態、すなわち車両のメインスイッチであるイグニッションスイッチのオン状態において、蓄電器2の温度が鉛バッテリ1よりも高くなる。温度上昇した蓄電器2の発熱エネルギーは、外装ケース20の放熱プレート22から、熱結合状態にある鉛バッテリ1の対向壁12に伝導される。放熱プレート22は複数セルの対向壁12に熱結合状態にあるので、複数のセル1Aに伝導される。さらに、蓄電器2の発熱エネルギーは、出力端子29を介して接続プレート3に伝導されて、接続プレート3からも放熱される。さらに、接続プレート3は、鉛バッテリ1の電極端子19に接続されるので、接続プレート3から電極端子19に伝導されて、鉛バッテリ1からも放熱される。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の電源装置は、回生制動する車両に搭載されて燃費効率を改善し、かつ回生発電電力を蓄電する蓄電器の異常な温度上昇を防止しながら安全に利用できる。
【符号の説明】
【0034】
1…鉛バッテリ 1A…セル
2…蓄電器 2A…二次電池
3…接続プレート
4…熱伝導シート
5…放熱フィン
10…バッテリケース
11…上面プレート
12…対向壁
13…端面壁
14…底面プレート
15…区画壁
19…電極端子
20…外装ケース
21…上面プレート
22…放熱プレート
23…端部プレート
24…底面プレート
25…バスバー
26…リード板
29…出力端子
30…電装機器
31…エンジン
32…スターターモータ
33…オルタネータ
34…車輪