(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
ゴム化合物としての改善された作業性、溶融強度、および物理学的性質を備えた新規エチレン/アルファオレフィン/非共役ポリエン共重合体、ならびに製造エネルギーコストを節約するため、およびスループットを高めるために、この共重合体をより高い温度で作る新規重合方法に対するニーズがある。
【0003】
国際公開第WO2011/002998号は、低レベルの全体不飽和度のエチレンポリマーを開示している。このようなエチレンポリマーを使った組成物およびこれらから作った製造物品も開示されている。
【0004】
国際公開第WO2007/136497号は、かさ高い平面状芳香族または置換芳香族基を含む1つまたは複数の多機能性ルイス塩基リガンドの金属錯体を含む触媒組成物、およびこれを使った重合方法、特に、高触媒効率での1つまたは複数のα−オレフィンの連続溶液重合を開示している。
【0005】
国際公開第WO2007/136494号では、多価アリールオキシエーテルのジルコニウム錯体を含む触媒組成物、ならびに改善された加工特性を有する共重合体を調製するための、エチレン、1つまたは複数のC
3−30オレフィン、および共役または非共役ジエンの連続溶液重合でのその触媒の使用が開示されている。
【0006】
国際公開第WO2007/136496号は、立体配置的にかさ高い置換基で適宜置換された多価アリールオキシエーテルの金属錯体を開示しており、この錯体は、脂肪族および脂環式炭化水素中での高められた溶解度を有し、および/またはエチレン/α−オレフィン共重合体の重合触媒成分として採用すると、低下したI
10/I
2値を有する生成物を作り出す。
【0007】
国際公開第WO2011/002986号は、低レベルの長鎖分岐のエチレンポリマーを開示している。これらのポリマーから作られた薄膜および塗膜層は、広い温度範囲にわたり、良好なホットタック強度を持ち、パッケージング用途向けの良い材料となっている。
【0008】
国際公開第WO2009/067337号は、(A)少なくとも60重量パーセント(wt%)のプロピレン由来のユニット、および(B)0超〜40wt%のエチレン由来のユニットを含む実質的にアイソタクチックなプロピレン共重合体を開示している。プロピレン共重合体は、さらに、(1)共重合体数平均分子量(Mn)で測定して、1未満のg’比、(2)50%未満の相対組成変動、および(3)少なくとも70モルパーセントの鎖アイソタクチシティ・トリアドインデックスを有するプロピレン鎖セグメント、の特性の内の少なくとも1つを特徴とする。
【0009】
国際公開第WO2006/020624号は、付加重合可能なモノマーの重合に使用して高分子量ポリマーを形成する担持不均一触媒組成物を開示している。この触媒は、1)微粒子化され、表面改質された高表面積の固形無機酸化物を含む担体、2)ビス(ヒドロキシアリールアリールオキシ)リガンドの4族金属錯体;および任意選択で、3)金属錯体用の活性化共触媒、を含む。
【0010】
国際公開第WO2007/136493号は、プロピレン、任意選択のエチレン、およびさらなる任意選択の1つまたは複数のC
4−30α−オレフィンおよび/または1つまたは複数の共役または非共役ジエンを用いて、連続溶液重合条件下で、高分子量ポリマーまたは共重合体を調製する重合方法を開示している。この方法は、多価アリールオキシエーテルのハフニウム錯体を含む触媒組成物の存在下で重合を行うことを含む。
【0011】
国際公開第WO2007/136495号は、多価アリールオキシエーテルのジルコニウム錯体、およびアルモキサンを含む触媒組成物、ならびに共触媒副産物含量を低減した共重合体を調製するための、この触媒を採用した重合方法、特に、エチレンおよび1つまたは複数のC
3−30オレフィンまたはジオレフィンの連続溶液重合方法を開示している。
【0012】
国際公開第WO2007/136506号は、多価アリールオキシエーテルのジルコニウム錯体を含む触媒組成物、および加工特性を改善した共重合体を調製するための、この触媒を採用した重合方法、特に、エチレンおよび1つまたは複数のC
3−30オレフィンまたはジオレフィンの連続溶液重合方法を開示している。
【0013】
国際公開第WO/2011/008837号は、第1の組成物を含む組成物を開示しており、第1の組成物は、A)重合エチレン、α−オレフィンおよび非共役ポリエンを含む第1の共重合体、B)重合エチレン、α−オレフィンおよび非共役ポリエンを含む第2の共重合体、を含む。第1の組成物は、0.429モル/gを超える[(ML(1+4,125℃))/Mw(conv)]*1000を有する。また、この発明は、第1の組成物を含む組成物を提供し、第1の組成物は、A)重合エチレン、α−オレフィンおよび非共役ポリエンを含む第1の共重合体、B)重合エチレン、α−オレフィンおよび非共役ポリエンを含む第2の共重合体を含み、第1の組成物は、70以上のムーニー粘度(ML,1+4、125℃)を有し、100,000Pa・秒以下の低いせん断粘度(0.1rad/秒でのη)を有する。また、この発明は、第1の組成物を含む組成物を提供し、第1の組成物は、A)重合エチレン、α−オレフィンおよび非共役ポリエンを含む第1の共重合体、B)重合エチレン、α−オレフィン、および非共役ポリエンを含む第2の共重合体を含み、第1の組成物は、70以上のムーニー粘度(ML(l+4,125℃))、および1.2未満の[Mw(abs)]/[Mw(conv)]を有する。
【0014】
国際公開第WO/2010/033601号は、エチレン/α−オレフィン/非共役ジエン共重合体を含む組成物を開示しており、この組成物は、1.35を超えるM
z(abs)/M
z(Conv)値、1.6を超えるM
Z(BB)/M
w(abs)値、および合計共重合体重量をベースに10重量パーセント未満の非共役ジエン含量の特性を有する。また、この発明は、架橋組成物を形成する方法を提供し、この方法は、(a)(A)1.3未満のM
z(abs)/M
z(Conv)値、1.6を超え、2.5未満のM
Z(BB)/M
w(abs)値、および350,000g/モル未満のM
w(abs)値の特性を有するエチレン/α−オレフィン/非共役ジエン共重合体、ならびに(B)結合量の(i)少なくとも1つのポリ(スルホニルアジ化物)または(ii)少なくとも1つの過酸化物、を少なくとも含む高分子混合物を形成すること、および(b)得られた混合物を温度少なくとも架橋剤の分解温度に加熱することを含む。
【0015】
しかし、上記で考察のように、改善された特性を備えた新規エチレン/アルファ−オレフィン/非共役ポリエン共重合体、およびこれを形成する新規重合方法に対するニーズがまだ存在する。また、より高い温度で機能し、より高分子量のポリマーのより低い反応器内粘度での製造を可能とする方法に対するさらなるニーズがある。これらのニーズは、次の発明により、かなえられている。
【発明を実施するための形態】
【0018】
上記で考察のように、本発明は、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体を形成する溶液重合法を提供し、前記方法は、エチレン、α−オレフィン、非共役ポリエンを、少なくとも1つの反応器中、式I:
【化2】
から選択される金属−リガンド錯体(触媒)の存在下で、重合することを含み、
置換基は、上述の通りであり、
重合は、連続プロセスで行われ、さらに、共重合体は、20以上のレオロジー比(動的力学スペクトル測定法により190℃で測定してV0.1/V100)を有する。
【0020】
本発明の方法は、2つ以上の本明細書記載の実施形態の組み合わせを含んでもよい。
【0021】
金属−リガンド錯体は、2つ以上の本明細書記載の実施形態の組み合わせを含んでもよい。
【0022】
一実施形態では、共重合体は、30以上のレオロジー比(190℃でのV0.1/V100)を有する。さらなる実施形態では、共重合体は、40以上のレオロジー比(190℃でのV0.1/V100)を有する。
【0023】
一実施形態では、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体は、エチレン/α−オレフィン/ジエン共重合体である。さらなる実施形態では、共重合体は、EPDMである。さらなる実施形態では、ジエンは、ENBである。
【0024】
一実施形態では、Mは、元素の周期表4〜5族のいずれか1つの金属である。
【0025】
一実施形態では、Mは、元素の周期表4族のいずれか1つの金属である。さらなる実施形態では、金属は、Zr、TiまたはHfである。さらなる実施形態では、金属は、TiまたはHfである。さらなる実施形態では、金属は、Hfである。
【0026】
一実施形態では、各Zは、Oである。さらなる実施形態では、式(I)の金属−リガンド錯体は、式(Ia):
【化3】
の金属−リガンド錯体であり、
R
7cおよびR
7dは、それぞれ独立に、(C
4−C
40)ヒドロカルビルである。式中のM、L、X、n、R
3a、R
4a、R
3b、R
4b、R
5c、R
5f、R
5ccおよびR
5ffは、それぞれ上記で定義されている。さらなる実施形態では、式(I)の金属−リガンド錯体は、式(Ia−1):
【化4】
の金属−リガンド錯体であり、
R
7cおよびR
7dは、それぞれ独立に、(C
4−C
40)ヒドロカルビルである。式中のM、L、X、n、R
3a、R
3b、R
5c、R
5f、R
5ccおよびR
5ffそれぞれ上記で定義されている。
【0027】
一実施形態では、本明細書記載の金属−リガンド錯体において、それぞれR
5c、R
5f、R
5cc、およびR
5ffは、独立に、(C
1−C
40)ヒドロカルビルである。さらなる実施形態では、それぞれR
5c、R
5f、R
5ccおよびR
5ffは、独立に、(C
1−C
20)ヒドロカルビルである。さらなる実施形態では、それぞれR
5c、R
5f、R
5cc、およびR
5ffは、独立に、(C
1−C
10)ヒドロカルビルである。さらなる実施形態では、それぞれR
5c、R
5f、R
5cc、およびR
5ffは、独立に(C
4−C
8)アルキルまたはフェニルである。
【0028】
一実施形態では、本明細書記載の金属−リガンド錯体において、それぞれR7
cおよびR
7dは、独立に、(C
4−C
10)ヒドロカルビルである。さらなる実施形態では、それぞれR7
cおよびR
7dは、独立に、(C
4−C
8)アルキルである。
【0029】
一実施形態では、本明細書記載の金属−リガンド錯体において、それぞれR
3aおよびR
3bは、独立に、(C
1−C
6)アルキル、(C
1−C
6)アルキル−O−、(C
1−C
6)アルキル)
2−N−、(C
3−C
6)シクロアルキル、フッ素原子、または塩素原子である。さらなる実施形態では、それぞれR
3aおよびR
3bは、独立に、フッ素原子または塩素原子である。
【0030】
一実施形態では、本明細書記載の金属−リガンド錯体において、R
3a、R
3b、R
5c、R
5f、R
5cc、R
5ff、R
7c、およびR
7dは、水素原子ではなく、R
3aおよびR
3bは相互に同じであり、R
7cおよびR
7dは相互に同じであり、また、R
5cおよびR
5fは、それぞれ、R
5ccおよびR
5ffと同じである。
【0031】
一実施形態では、Lは、式(I)のZ原子に連結する1炭素原子〜6炭素原子リンカー主鎖を含む部分を有する(C
1−C
40)ヒドロカルビレンである。さらなる実施形態では、Lは、−CH
2CH
2CH
2−である。
【0032】
一実施形態では、本明細書記載の金属−リガンド錯体において、Lは、(C
1−C
20)ヒドロカルビレン、さらには、(C
1−C
10)ヒドロカルビレン、さらには、(C
1−C
5)ヒドロカルビレンである。さらなる実施形態では、Lは、−CH
2CH
2CH
2−である。ヒドロカルビレンは、炭化水素から2つの水素原子を除去して形成される。
【0033】
一実施形態では、本明細書記載の金属−リガンド錯体において、各Xは、独立に、(C
1−C
8)アルキル、(C
1−C
6)アルキル、(C
1−C
4)アルキル、または(C
1−C
3)アルキル、さらには(C
1−C
4)アルキルまたは(C
1−C
3)アルキル、および、さらには(C
1−C
3)アルキルである。
【0034】
一実施形態では、明細書記載の金属−リガンド錯体において、Mは、元素の周期表の4族の金属であり、4族の金属は、ハフニウム、ジルコニウム、またはチタニウムである。さらなる実施形態では、Mは、ハフニウムであり、さらに、ハフニウムは、+4の形式的酸化状態であり、nは、2または3である。さらなる実施形態では、各Xは、独立に、(C
1−C
8)アルキレン、(C
1−C
6)アルキレン、(C
1−C
4)アルキレン、または(C
1−C
3)アルキレンである。さらなる実施形態では、Lは、−CH
2CH
2CH
2−である。
【0035】
一実施形態では、式(I)の金属−リガンド錯体は、式(Ia−1):
【化5】
の金属−リガンド錯体であり、
それぞれR
5c、R
5f、R
5cc、およびR
5ffは、独立に、(C
1−C
40)ヒドロカルビル、さらには、(C
1−C
20)ヒドロカルビル、さらには、(C
1−C
10)ヒドロカルビルであり、さらに、それぞれR
5c、R
5f、R
5cc、およびR
5ffは、独立に、(C
4−C
8)アルキルまたはフェニルであり、
それぞれR
7cおよびR
7dは、独立に、(C
4−C
10)ヒドロカルビルであり、さらに、それぞれR
7cおよびR
7dは、独立に、(C
4−C
8)アルキルであり、
それぞれR
3aおよびR
3bは、独立に、(C
1−C
6)アルキル、(C
1−C
6)アルキル−O−、(C
1−C
6)アルキル)
2−N−、(C
3−C
6)シクロアルキル、フッ素原子、または塩素原子であり、さらに、それぞれR
3aおよびR
3bは、独立に、フッ素原子または塩素原子であり、さらに、それぞれは、フッ素原子であり、
Lは、(C
1−C
20)ヒドロカルビレン、さらには、(C
1−C
10)ヒドロカルビレン、さらには、(C
1−C
5)ヒドロカルビレン、また、さらには、Lは、−CH
2CH
2CH
2−であり、
Mは、元素の周期表の4族の金属である、4族の金属は、ハフニウム、ジルコニウム、またはチタニウムであり、さらに、Mは、ハフニウムであり、nは、2または3であり、さらには、nは、2であり、および
各Xは、独立に、(C
1−C
8)アルキル、(C
1−C
6)アルキル、(C
1−C
4)アルキル、または(C
1−C
3)アルキルであり、さらには、(C
1−C
4)アルキル、または(C
1−C
3)アルキルであり、さらには、(C
1−C
3)アルキルであり、さらには、メチルである。
【0036】
一実施形態では、式(I)の金属−リガンド錯体は、(2’,2”−(プロパン−l,3−ジイルビス(オキシ))ビス(3−(3,6−ジ−tert−ブチル−9H−カルバゾール−9−イル)−5’−フルオロ−5−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)ビフェニル−2−オール)ジメチルハフニウム、(1)である。
【0037】
一実施形態では、式(I)の金属−リガンド錯体は、[[2’、2”’−[1,3−プロパンジイルビス(オキシ−kO)]ビス[3−[3,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)−9H−カルバゾール−9−イル]−5’−フルオロ−5−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)[1,1’−ビフェニル]−2−オラト−kO]](2−)]−ハフニウムジメチルである。
【0038】
一実施形態では、重合は、80℃〜220℃の重合温度で起こる。さらなる実施形態では、重合は、90℃〜200℃の重合温度で起こる。
【0039】
一実施形態では、重合は、100℃〜200℃の重合温度で起こる。さらなる実施形態では、重合は、120℃〜190℃の重合温度で起こる。さらなる実施形態では、重合は、140℃〜190℃の重合温度で起こる。
【0040】
一実施形態では、反応器中でのポリマー濃度は、反応器への合計供給量をベースにして、5wt%超、好ましくは、10wt%超、また、さらに好ましくは、15wt%超である。
【0041】
一実施形態では、重合は、2つの反応器中で順次起こる。さらなる実施形態では、第2の反応器温度は、150℃より高く、さらなる実施形態では、160℃より高い。
【0042】
一実施形態では、第1の反応器温度は、90℃〜160℃であり、第2の反応器温度は、150℃〜200℃である。
【0043】
また、本発明は、本明細書記載のいずれかの実施形態の方法により形成されるエチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体を提供する。さらなる実施形態では、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体は、エチレン/α−オレフィン/ジエン共重合体である。さらなる実施形態では、共重合体は、EPDMである。さらなる実施形態では、ジエンは、ENBである。
【0044】
一実施形態では、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体は、
13C NMRで測定して、19.5ppm〜22.0ppmの合計積分面積の3パーセントより大きい「21.3ppm〜21.8ppmのピーク面積」を有する。さらなる実施形態では、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体は、エチレン/α−オレフィン/ジエン共重合体である。さらなる実施形態では、共重合体は、EPDMである。さらなる実施形態では、ジエンは、ENBである。
【0045】
一実施形態では、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体は、
13C NMRで測定して、19.5ppm〜22.0ppmの合計積分面積の3.5パーセントより大きい、さらには、5.0パーセント以上の「21.3ppm〜21.8ppmのピーク面積」を有する。さらなる実施形態では、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体は、エチレン/α−オレフィン/ジエン共重合体である。さらなる実施形態では、共重合体は、EPDMである。さらなる実施形態では、ジエンは、ENBである。
【0046】
一実施形態では、共重合体は、均一的に分岐した、実質的に直鎖エチレン/α−オレフィン共重合体である。
【0047】
一実施形態では、共重合体は、70/30〜40/60の「エチレン/α−オレフィン」モル比を有する。
【0048】
一実施形態では、共重合体は、85/15〜65/35の「エチレン/α−オレフィン」モル比を有する。
【0049】
一実施形態では、共重合体は、合計共重合体重量をベースにして、0.1〜15wt%、好ましくは、0.4〜10wt%のポリエン重量%含量を有する。
【0050】
また、本発明は、20以上のレオロジー比(190℃のV0.1/V100)、および
13C NMRで測定して、19.5ppm〜22.0ppmの合計積分面積の3パーセントより大きい、さらには、3.5パーセントより大きい、さらには、5.0パーセント以上の「21.3ppm〜21.8ppmのピーク面積」を有するエチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体を提供する。さらなる実施形態では、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体は、エチレン/α−オレフィン/ジエン共重合体である。さらなる実施形態では、共重合体は、EPDMである。さらなる実施形態では、ジエンは、ENBである。
【0051】
一実施形態では、共重合体は、30以上のレオロジー比(190℃のV0.1/V100)を有する。さらなる実施形態では、共重合体は、40以上のレオロジー比(190℃のV0.1/V100)を有する。さらなる実施形態では、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体は、エチレン/α−オレフィン/ジエン共重合体である。さらなる実施形態では、共重合体は、EPDMである。さらなる実施形態では、ジエンは、ENBである。
【0052】
一実施形態では、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体は、エチレン/α−オレフィン/ジエン共重合体である。さらなる実施形態では、共重合体は、EPDMである。さらなる実施形態では、ジエンは、ENBである。
【0053】
一実施形態では、共重合体は、均一的に分岐した、実質的に直鎖エチレン/α−オレフィン共重合体である。
【0054】
一実施形態では、共重合体は、70/30〜40/60の「エチレン対α−オレフィン」モル比を有する。
【0055】
一実施形態では、共重合体は、85/15〜65/35の「エチレン対α−オレフィン」モル比を有する。
【0056】
一実施形態では、共重合体は、合計共重合体重量をベースにして、0.1〜15wt%、好ましくは、0.4〜10wt%のポリエン重量%含量を有する。
【0057】
発明のエチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体は、2つ以上の本明細書記載の実施形態の組み合わせを含んでもよい。
【0058】
また、本発明は、本明細書記載の実施形態のいずれかのエチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体を含む組成物を提供する。さらなる実施形態では、組成物は、少なくとも1つの添加剤を含む。
【0059】
一実施形態では、組成物は、組成物の重量をベースにして、40重量パーセント以上の、または50重量パーセント以上の、または60重量パーセント以上の共重合体を含む。
【0060】
一実施形態では、組成物は、組成物の重量をベースにして、80重量パーセント以上の、または90重量パーセント以上の、または95重量パーセント以上の共重合体を含む。
【0061】
一実施形態では、組成物は、少なくとも1種のフィラーを含む。さらなる実施形態では、フィラーは、カーボンブラック、CaCO
3、シリカ、およびこれらの組み合わせ、からなる群より選択される。さらなる実施形態では、フィラーは、カーボンブラック、CaCO
3、およびこれらの組み合わせ、からなる群より選択される。
【0062】
一実施形態では、組成物は、少なくとも1種のフィラーを含む。さらなる実施形態では、組成物は、組成物の重量をベースにして、70重量パーセント未満の、または60重量パーセント未満の、または50重量パーセント未満のフィラーを含む。さらなる実施形態では、フィラーは、カーボンブラックである。
【0063】
一実施形態では、組成物は、少なくとも1種のフィラーを含む。さらなる実施形態では、組成物は、組成物の重量をベースにして、20重量パーセントを超える、または25重量パーセントを超える、または30重量パーセントを超えるフィラーを含む。さらなる実施形態では、フィラーは、カーボンブラックである。
【0064】
また、本発明は、発明組成物から形成される架橋組成物を提供する。
【0065】
また、本発明は、発明組成物から形成された少なくとも1つの部品を含む物品を提供する。一実施形態では、物品は、発泡体である。さらなる実施形態では、物品は、自動車部品である。別の実施形態では、物品は、建物外形部品である。
【0066】
また、本発明は、発明の架橋組成物から形成される少なくとも1つの部品を含む物品を提供する。一実施形態では、物品は、発泡体である。さらなる実施形態では、物品は、自動車部品である。別の実施形態では、物品は、建物外形部品である。
【0067】
発明の方法は、2つ以上の本明細書記載の実施形態の組み合わせを含んでもよい。
【0068】
式(I)の金属−リガンド錯体は、2つ以上の本明細書記載の実施形態の組み合わせを含んでもよい。
【0069】
式(Ia)の金属−リガンド錯体は、2つ以上の本明細書記載の実施形態の組み合わせを含んでもよい。
【0070】
(Ia−1)の金属−リガンド錯体は、2つ以上の本明細書記載の実施形態の組み合わせを含んでもよい。
【0071】
発明のエチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体は、2つ以上の本明細書記載の実施形態の組み合わせを含んでもよい。
【0072】
発明の組成物は、2つ以上の本明細書記載の実施形態の組み合わせを含んでもよい。
【0073】
発明の架橋組成物は、2つ以上の本明細書記載の実施形態の組み合わせを含んでもよい。
【0074】
発明の物品は、2つ以上の本明細書記載の実施形態の組み合わせを含んでもよい。
【0075】
本明細書記載の発明の重合は、分子量がより大きく、より長いレベルの長鎖分岐、およびより高いレベルのENB組み込みを含むEPDMを生成することが明らかになった。ポリマー中のより長いレベルの長鎖分岐は、EPDMポリマーの、良好な溶融強度を必要とするプロセス、例えば、カレンダー法およびスポンジ発泡法での使用を可能とする。高分子量、高長鎖分岐、および高ENBレベルのポリマーとの組み合わせは、典型的な例では、自動車用プライマリドアシールに使われるものなどの目詰めスポンジに使われる。
【0076】
エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体
エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体は、エチレン、α−オレフィン、非共役ポリエンを重合形態で含む。α−オレフィンの好適例には、C
3−C
10α−オレフィン、および、好ましくは、プロピレンが含まれる。適切な非共役ポリエンには、非共役ジエンが含まれる。非共役ジエンの好適例には、C
4−C
40非共役ジエンが含まれる。
【0077】
α−オレフィンは、脂肪族化合物であっても、または芳香族化合物であってもよい。α−オレフィンは、好ましくは、C
3−C
20脂肪族化合物、好ましくは、C
3−C
16脂肪族化合物、より好ましくは、C
3−C
10脂肪族化合物である。好ましくは、C
3−C
10脂肪族α−オレフィンは、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセンおよび1−オクテン、からなる群より選択され、より好ましくは、プロピレンである。好ましい実施形態では、共重合体は、エチレン/プロピレン/ジエン(EPDM)ターポリマーである。さらなる実施形態では、ジエンは、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)である。
【0078】
非共役ポリエンの実例には、1,4−ヘキサジエンおよび1,5−ヘプタジエンなどの直鎖非環式ジエン;5−メチル−1,4−ヘキサジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン、3,7−ジメチル−1,7−オクタジエン、5,7−ジメチル−1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン、およびジヒドロミルセン混合異性体などの分岐鎖非環式ジエン;1,4−シクロヘキサジエン、1,5−シクロオクタジエンおよび1,5−シクロドデカジエンなどの単環脂環式ジエン;テトラヒドロインデン、メチルテトラヒドロインデンなどの多重環脂環式縮合および架橋環ジエン;アルケニル、アルキリデン、5−メチレン−2−ノルボルネン(MNB)、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−プロペニル−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−(4−シクロペンテニル)−2−ノルボルネン、および5−シクロヘキシリデン−2−ノルボルネンなどのシクロアルケニルおよびシクロアルキリデンノルボルネン、が含まれる。ジエンは、好ましくは、ENB、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエンからなる群より選択される非共役ジエン、および好ましくは、ENB、ジシクロペンタジエンおよび1,4−ヘキサジエンからなる群より選択される非共役ジエン、より好ましくは、ENBおよびジシクロペンタジエンからなる群より選択される非共役ジエン、およびさらにより好ましくは、ENBである。
【0079】
一実施形態では、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体は、共重合体の重量をベースにして、大部分の量の重合エチレンを含む。さらなる実施形態では、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体は、エチレン/α−オレフィン/ジエン共重合体である。さらなる実施形態では、共重合体は、EPDMである。さらなる実施形態では、ジエンは、ENBである。
【0080】
一実施形態では、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体は、1.5〜3.5、または1.8〜3.0、または2.0〜2.5の分子量分布(Mw/Mn)を有する。さらなる実施形態では、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体は、エチレン/α−オレフィン/ジエン共重合体である。さらなる実施形態では、共重合体は、EPDMである。さらなる実施形態では、ジエンは、ENBである。
【0081】
一実施形態では、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体は、15以上、または30以上、または50以上、または70以上の125℃のムーニー粘度:ML(1+4)を有する。さらなる実施形態では、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体は、エチレン/α−オレフィン/ジエン共重合体である。さらなる実施形態では、共重合体は、EPDMである。さらなる実施形態では、ジエンは、ENBである。
【0082】
一実施形態では、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体は、200未満、または150以下、または100以下の125℃のムーニー粘度:ML(1+4)を有する。さらなる実施形態では、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体は、エチレン/α−オレフィン/ジエン共重合体である。さらなる実施形態では、共重合体は、EPDMである。さらなる実施形態では、ジエンは、ENBである。
【0083】
一実施形態では、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体は、15〜200、または50〜150、または70〜100の125℃のムーニー粘度:ML(1+4)を有する。さらなる実施形態では、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体は、エチレン/α−オレフィン/ジエン共重合体である。さらなる実施形態では、共重合体は、EPDMである。さらなる実施形態では、ジエンは、ENBである。
【0084】
ムーニー粘度は、純粋な共重合体の粘度(または、カーボンブラックなどのフィラー、および/またはオイルを含むポリマーに対する、純粋なポリマーの計算粘度)である。純粋なポリマーは、フィラーなしで、オイルなしのポリマーを意味する。
【0085】
エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体は、2つ以上の本明細書記載の実施形態の組み合わせを含んでもよい。
【0086】
エチレン/アルファオレフィン/ジエン共重合体は、2つ以上の本明細書記載の実施形態の組み合わせを含んでもよい。
【0087】
EPDMターポリマーは、2つ以上の本明細書記載の実施形態の組み合わせを含んでもよい。
【0088】
添加物
発明組成物は、1つまたは複数の添加物を含んでもよい。適切な添加物には、限定されないが、フィラー、抗酸化剤、UV安定剤、難燃剤、可塑剤またはオイル、架橋剤、着色剤または顔料、およびこれらの組み合わせ、が含まれる。
【0089】
フィラーには、限定されないが、カーボンブラック;アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウムのケイ酸塩およびこれらの混合物;カルシウム、マグネシウムの炭酸塩およびこれらの混合物;シリコン、カルシウム、亜鉛、鉄、チタニウム、およびアルミニウムの酸化物;カルシウム、バリウム、および鉛の炭酸塩;アルミナ三水和物;マグネシウム水酸化物;フェノールホルムアルデヒド、ポリスチレン、およびポリ(アルファメチル)−スチレン樹脂、天然繊維、合成繊維、などが含まれる。
【0090】
可塑剤には、限定されないが、芳香族およびナフテンオイルなどの石油;ポリアルキルベンゼンオイル;有機酸モノエステル、アルキルおよびアルコキシアルキルオレイン酸塩およびステアリン酸塩;ジアルキル、ジアルコキシアルキル、およびアルキルアリールフタル酸塩、テレフタル酸塩、セバシン酸塩、アジピン酸塩、およびグルタル酸塩、などの有機酸ジエステル;グリコールジエステル、トリ、テトラ、ポリエチレングリコールジアルカン酸;トリメリト酸トリアルキル;トリアルキル、トリアルコキシアルキル、アルキルジアリール、およびトリアリールリン酸塩;塩素化パラフィンオイル;クマロンインデン樹脂;松脂油;ヒマシ油、トールオイル、菜種油、および大豆油などの植物油、ならびにエステルおよびこれらのエポキシ化誘導体;などが含まれる。
【0091】
抗酸化剤およびオゾン劣化防止剤には、限定されないが、立体障害フェノール、ビスフェノール、およびチオビスフェノール;置換ヒドロキノン;トリス(アルキルフェニル)亜リン酸塩;ジアルキルチオ二プロピオン酸塩;フェニルナフチルアミン;置換ジフェニルアミン;ジアルキル、アルキルアリール、およびジアリール置換p−フェニレンジアミン;単量体および重合体ジヒドロキノリン;2−(4−ヒドロキシ−3,5−t−ブチルアニリン)−4,6−ビス(オクチルチオ)1,3,5−トリアジン、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリス−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル−s−トリアジン、2,4,6−トリス(n−1,4−ジメチルペンチルフェニレン−ジアミノ)−1,3,5−トリアジン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌル酸塩、ニッケルジブチルジチオカルバミン酸塩、2−メルカプトトリルイミダゾールおよびその亜鉛塩、石油ろう、などが含まれる。
【0092】
架橋剤には、限定されないが、有機過酸化物などの過酸化物が含まれる。過酸化物の例には、限定されないが、α、α’−ビス(t−ブチルペルオキシ)−ジイソプロピルベンゼンを含む一連の加硫剤および重合剤が含まれ、これらはHercules、Inc.からVULCUPの商品名で入手可能である。また、過酸化ジクミルを含む一連の薬剤は、Hercules、Inc.からDI−CUPの商品名で入手可能であり、さらに、Elf Atochem、North Americaにより作られたLUPERSOL過酸化物またはAkzo Nobelにより作られたTRIGONOX有機過酸化物として入手可能である。LUPERSOL過酸化物には、LUPERSOL101(2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン)、LUPERSOL130(2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3)およびLUPERSOL575(t−アミルペルオキシ−2−エチルヘキソナート)が含まれる。他の適切な過酸化物には、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジ−(t−アミル)ペルオキシド、2,5−ジ(t−アミルペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン、2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)−2,5−ジフェニルヘキサン、ビス(アルファ−メチルベンジル)ペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルベンゾアート、3,6,9−トリエチル−3,6,9−トリメチル−1,4,7−トリペルオキソナンおよび、ビス(t−ブチルペルオキシ)−ジイソプロピルベンゼン、が含まれる。
【0093】
一実施形態では、組成物は、少なくとも1つのオイルをさらに含む。さらなる実施形態では、オイルは、組成物の重量をベースにして、10重量パーセント超、または15重量パーセント超、または20重量パーセント超の量で存在する。
【0094】
一実施形態では、オイルは、組成物の重量をベースにして、60重量パーセント未満、または50重量パーセント未満、または40重量パーセント未満の量で存在する。
【0095】
用途
本発明の組成物を使って、種々の物品もしくは製品、またはそれらの構成部品または複数部分を調製できる。本発明の組成物は、いくつかの従来の方法および装置の内のいずれか1つにより、最終製品にすることができる。方法の例には、限定されないが、押出法、カレンダー法、圧縮成形法、他の熱硬化材料成形法が含まれる。例えば、物品は、押出、押出後の追加の熱処理、低圧成形、圧縮成形、などで調製できる。
【0096】
本発明は、発明組成物から形成される少なくとも1つの部品を含む物品を提供する。
【0097】
物品には、限定されないが、シート、発泡成形品、および押出部品が含まれる。さらなる物品には、自動車部品、目詰め、ベルト、ホース、建物外形部品、ワイヤとケーブル外被、床張り材、ガスケット、タイヤとタイヤ部品、コンピュータ部品、建築材料および履き物部品が含まれる。当業者なら、必要以上の実験をしなくても、このリストを容易に増やすことができる。
【0098】
定義
そうでないとの記述がない限り、内容から、暗に意味された、または当技術分野で習慣的に使われる全ての部およびパーセントは、重量ベースであり、全ての試験方法は、本開示の出願日現在のものである。
【0099】
連続重合法は、連続原料供給および生成物の連続取り出しを伴う定常状態で行われるプロセスである。このようなプロセスには、限定されないが、1つまたは複数の十分に混合されたループ反応器、および/または攪拌タンク型反応器、および/またはプラグ流反応器が含まれ、これらの場合、複数の反応器を、直列に、および/または並列に操作できる。
【0100】
バッチ法は、例えば、反応物とモノマーが一度に加えられ、その後、反応の間に部分的または全部が消費されるような、バッチ式で行われるプロセスである。バッチ反応器は、反応物が時間と共に消費されるので、非定常状態で操作される。
【0101】
半バッチ法は、連続的およびバッチ入力および出力の両方で操作される。1種の化学反応物が反応容器に投入され、第2の化学薬品がゆっくり(時間をかけて)添加される。例えば、エチレンおよびプロピレンが連続的に重合に供給され、一方、溶媒とターモノマーは、反応の最初にだけ添加される。半バッチ反応器は、反応物の一部が時間と共に消費されるので、非定常状態で操作される。
【0102】
本明細書で使われる用語の「ヒドロカルビル」は、炭化水素基(炭素と水素原子のみを含む化学基)から水素原子を除いて形成される一価の基を意味する。
【0103】
本明細書で使われる用語の「組成物」は、組成物を構成する材料、ならびに組成物の材料から形成される反応生成物および分解生成物の混合物を含む。通常、何らかの反応生成物または分解生成物が、痕跡量または残余量として存在する。
【0104】
本明細書で使われる用語の「ポリマー」は、タイプが同じか、異なるかにかかわらずモノマーの重合により調製された重合化合物を意味する。従って、一般的な用語のポリマーは、用語のホモポリマー(痕跡量の不純物がポリマー構造中に取り込まれうるという理解を含め、ただ1つのタイプのモノマーから調製されたポリマーを意味するのに用いられる)および後程定義される用語の共重合体を含む。触媒残渣などの痕跡量の不純物は、ポリマー中に、および/またはその内部に取り込むことができる。
【0105】
本明細書で使われる用語の「共重合体」は、少なくとも2種の異なるタイプのモノマーの重合により調製されるポリマーを意味する。従って、用語の共重合体は、用語の共重合体(2種の異なるタイプのモノマーから調製されるポリマーの意味で用いられる)および3種以上の異なるタイプのモノマーから調製されるポリマーを含む。
【0106】
本明細書で使われる用語の「エチレンベースポリマー」は、重合された形態で、大部分の重量パーセント(ポリマーの重量をベースに)のエチレンを含むポリマーを意味し、さらに任意選択で、1種または複数のコモノマーを含んでもよい。
【0107】
本明細書で使われる用語の「エチレンベース共重合体」は、重合された形態で、大部分の重量パーセント(共重合体の重量をベースに)のエチレンおよび少なくとも1種のコモノマーを含むポリマーを意味する。
【0108】
本明細書で使われる用語の「エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体」は、重合形態のエチレン、α−オレフィン、および非共役ポリエンを含むポリマーを意味する。一実施形態では、「エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体」は、大部分の重量パーセント(共重合体の重量をベースに)のエチレンを含む。
【0109】
本明細書で使われる用語の「エチレン/α−オレフィン/ジエン共重合体」は、重合形態のエチレン、α−オレフィン、およびジエンを含むポリマーを意味する。一実施形態では、「エチレン/α−オレフィン/ジエン共重合体」は、大部分の重量パーセント(共重合体の重量をベースに)のエチレンを含む。
【0110】
本明細書で使われる用語の「エチレン/α−オレフィン共重合体」は、重合された形態の大部分の量(共重合体の重量をベースに)のエチレンモノマー、およびα−オレフィンを、2種のみのモノマータイプとして含む共重合体を意味する。
【0111】
用語「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」およびそれらの派生語は、何らかの追加的成分、ステップまたは方法の存在を、それらが特異的に開示されているか否かに関わらず、排除する意図はない。全ての不確かさを避けるために、用語の「含む(comprising)」の使用により請求される全組成物は、重合体であっても、そうでなくても、そうでないとの記述がない限り、任意の追加の添加物、アジュバント、または化合物を含んでもよい。対照的に、用語の「から本質的になる(consisting essentially of)」は、全てのその後に続く記載の範囲から、実現にとって絶対必要であるもの以外の、全ての他の成分、ステップまたは方法を除外する。用語の「からなる(consisting of)」は、特に明確化または列挙されていない全ての成分、ステップまたは方法を除外する。
【0112】
試験方法
EPDM組成物分析用FTIR法
エチレン、プロピレン、およびエチリデンノルボルネンを含むターポリマーの、エチレン含量をASTM D9300を使って、およびエチリデンノルボルネンまたはジシクロペンタジエン含量をASTM D6047を使って、分析した。
【0113】
EPDM組成物分析用
13C NMR法
約「0.025Mのクロムアセチルアセトネート(緩和剤)を含む2.6gのテトラクロロエタン−d2/オルトジクロロベンゼンの50/50混合物」を「10mm」NMRチューブ中の「0.2g試料」に加えて、試料を調製した。チューブとその含有物を150℃に加熱して、試料を溶解し、ホモジナイズした。Bruker Dual DUL high−temperature CryoProbeを備えたBruker 400MHz分光計を使ってデータを集めた。120℃の試料温度で、データファイル当たり160スキャン、6秒パルス繰り返し遅延を使ってデータを取得した。25,000Hzのスペクトル幅および32Kデータポイントのファイルサイズを使って取り込みを行った。
【0114】
次の分析方法を使って、実施例の組成物のNMRスペクトル解析を行った。EPDM中に存在するモノマーの定量は、以下の式(1〜9)を使って計算できる。
【0115】
モルエチレンの計算では、スペクトル帯域を55.0〜5.0ppmから1000積分単位に正規化する。正規化積分面積下の寄与のみが、ENB炭素中の7個に相当する。高温では、二重結合が反応している可能性があるという懸念があるため、111および147ppmのENBジエンピークは、計算から除外される。
【数1】
【0116】
一部の発明共重合体のさらなるNMRスペクトル解析は、19.5ppm〜22.0ppmの合計積分面積の3%を超える21.3ppm〜21.8ppmのピーク面積を示す。比較例での類似のスペクトル解析は、19.5ppm〜22.0ppmの合計積分面積の3%未満の面積を示す(
図1参照)。スペクトルデータは、30ppmのEEE主鎖を標準にしている。この領域のピーク応答は、通常、ポリマーに取り込まれたプロピレンのタクティシティーの差異に関連している。
【0117】
動的力学スペクトル測定法(DMS)
小角振動せん断測定(メルトDMS)を、25mm平行プレートを備えたTA Instruments ARESを使って窒素パージ下で行った。全試料の試料装填と試験開始の間の時間を、5分に設定した。0.1〜100rad/sの振動数範囲の間で190℃で実験を行った。試料の応答に基づいて、歪み振幅を1〜3%に調整した。応力応答を振幅および相に関して分析した。これらから、貯蔵弾性率(G’)、損失弾性率(G”)、動的粘度η
*およびタンデルタを計算した。動的力学スペクトル測定法用の試料は、10MPa成形圧力下、180℃で5分間成形し、その後、冷却プレート(15〜20℃)の間で2分間急冷して形成した「25mm直径x3.3mm厚さ」圧縮成形ディスクである。レオロジー比:0.1rad/sで測定した複素粘度の、100rad/sで測定した複素粘度に対する比率(190℃で測定したV0.1/V100;「RR」とも呼ぶ)を記録した。直鎖分子(検出可能な長鎖分岐のない)は、通常、8以下のRRである。
【0118】
ムーニー粘度
共重合体(フィラーとオイル不含EPDM)ムーニー粘度(125℃でのML1+4)を、ASTM1646−04に従って、1分の予熱時間および4分のローター回転時間で測定した。装置は、Alpha Technologies Rheometer MDR2000である。
【0119】
二重反応器による逐次重合に対し、第2の反応器の成分のムーニー粘度を次の式により測定する:logML=n(A)logML(A)+n(B)logML(B);式中、MLは最終反応器の生成物のムーニー粘度、ML(A)は第1の反応器のポリマーのムーニー粘度、ML(B)は第2の反応器のポリマーのムーニー粘度、n(A)は第1の反応器のポリマーの重量比率、およびn(B)は第2の反応器のポリマーの重量比率である。それぞれの測定ムーニー粘度は、上で考察のように測定される。第2の反応器のポリマーの重量比率は、次のように測定される:n(B)=1−n(A);式中、n(A)は、第2の反応器に移された既知の量の第1のポリマーにより測定される。
【0120】
ゲル浸透クロマトグラフィー
クロマトグラフィー系は、Polymer Laboratories Model PL−210、またはPolymer Laboratories Model PL−220から構成された。カラムおよびカルーセルコンパートメントを140℃で操作した。カラムは、3個のPolymer Laboratoriesの10−ミクロンMixed−Bカラムを使った。溶媒には、1,2,4−トリクロロベンゼンを使った。試料を「50ミリリットルの溶媒中の0.1グラムのポリマー」の濃度で調製した。試料調製に使った溶媒には、200ppmのブチルヒドロキシトルエン(BHT)を含めた。160℃で2時間、軽く攪拌して、試料を調製した。注入容量は、100マイクロリットルで、流量は、1.0ミリリットル/分とした。
【0121】
設定したGPCカラムセットの較正は、個別分子量の間の少なくとも1桁の分離を有する6つの「混液」混合物中に導入された580〜8,400,000の範囲の分子量の21種の狭い分子量分布のポリスチレン標準を使って行った。標準は、Polymer Laboratories(Shropshire、UK)から購入した。ポリスチレン標準を、1,000kg/モル以上の分子量に対しては、「50ミリリットルの溶媒中の0.025グラム」の濃度、および1,000kg/モル未満の分子量に対しては、「50ミリリットルの溶媒中の0.05グラム」の濃度で調製した。ポリスチレン標準をゆっくり撹拌しながら、30分間、80℃で溶解した。分解を最小限にするために、狭い標準混合物を最初に実行し、次に、最大分子量成分が減少する順に実行した。次の式を使って、ポリスチレン標準ピーク分子量をポリエチレン分子量に変換した:M
ポリエチレン=A x(M
ポリスチレン)
B、式中、Mは分子量、Aは0.431の値であり、Bは1.0に等しい。ポリエチレン等価分子量計算を、Viscotek TriSECソフトウェア、バージョン3.0を使って行った。
【0122】
メルトインデックス測定
エチレンベースポリマーのメルトインデックス(I2)をASTM D−1238に従って、190℃/2.16kgの条件下で測定する。エチレンベースポリマーのメルトインデックス(I5)をASTM D−1238に従って、190℃/5.0kgの条件下で測定する。エチレンベースポリマーのメルトインデックス(I10)をASTM D−1238に従って、190℃/10.0kgの条件下で測定する。エチレンベースポリマーの高荷重メルトインデックス(I21)をASTM D−1238に従って、190℃/21.0kgの条件下で測定する。
【0123】
ポリマー密度
ポリマー密度をASTM D−792に従って測定する。
【0124】
実験
半バッチ反応器中でのエチレン/プロピレン/ENB三元共重合
CAT−37[[2’,2”’−[1,3−プロパンジイルビス(オキシ−kO)]ビス[3−[3,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)−9H−カルバゾール−9−イル]−5’−フルオロ−5−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)[1,1’−ビフェニル]−2−オラト−kO]](2−)]−ハフニウムジメチル(本発明の重合で使用)。
【0125】
CAT−01[N−(1,1−ジメチルエチル)−1,1−ジメチル−1−[(1,2,3,3a,8a−η)−1,5,6,7−テトラヒドロ−2−メチル−s−インダセン−1−イル]シランアミナト(2−)−kN][(1,2,3,4−η)−1,3−ペンタジエン]−チタニウム(比較重合)。
【0126】
CAT−37およびCAT−01を半バッチ反応器中で使って、5種の異なる反応条件でEPDMポリマーを製造した。表1に示したこれらの条件は、温度が175℃〜95℃に変動する間、重合が起こるときの液相中の各モノマーの濃度がほぼ一定に保たれるように選択された。各触媒で製造された各試料に対し、最初、1ガロンの攪拌オートクレーブ反応器に、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ISOPAR−E(混合アルカン)溶媒、およびプロピレンの量を装填した(表1参照)。その後、反応器を所望の温度に加熱し、その間に、水素(20mmol)を装填した。最終的に、適切な量のエチレンを加え、全体圧力を表1の所望の値にした。
【0127】
CAT−37の場合、100当量のトリイソブチルアルミニウム変性アルモキサン(MMAO−3A)、1.2当量の触媒活性化因子(ビス(水素添加牛脂アルキル)メチルアミン)、および1当量の触媒を、追加の溶媒と共に、ドライボックス中、不活性雰囲気下で混合して、約10mLの全容積を得ることにより触媒組成物を調製した。CAT−01の場合、10当量のMMAO−3Aを、3当量の触媒活性化因子(トリス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)ボラン)、1当量の触媒、および追加の溶媒と混合し、約10mLの全容積を得ることにより調製した。活性化触媒混合物を、ポンプ系を使って4分かけて、または触媒シリンダーを通して急速に反応器に注入した。重合の間エチレンを供給し、必要に応じ、反応器を冷却することにより、反応器の圧力および温度を一定に保持した。10分後、エチレン供給を停止し、溶液を、窒素パージした樹脂反応がまに移した。
【0128】
リン安定剤およびフェノール抗酸化剤(トルエン中の「2:1の重量比率」のIRGAFOS168およびIGANOX1010)を含む添加溶液を加えて、ポリマー中の約0.1wt%の全添加物含量とする。ポリマーを真空オーブン中で完全に乾燥する。重合の間に、加熱ISOPAR−Eを使って反応器を完全に洗浄する。
【0129】
表2は、各バッチ反応器試料に対する反応器への投入触媒量、ならびに観察触媒効率を示す。各温度で使った反応条件を表1に示す。各試料の数平均(Mn)および重量平均(Mw)分子量を、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を使って測定し、最終ターポリマー中の各モノマーの重量比率を
13C NMRを使って測定した。ガラス転移温度を示差走査熱量測定で測定した。
【表1】
【表2】
【0130】
CAT−37およびCAT−01を連続重合法で使用し、同じエチレン、プロピレン、およびENB組成のEPDMポリマーを製造した。
【0131】
一般論として、米国特許第5,977,251号および同第6,545,088号、ならびにその中の参考文献で説明されている条件下で本発明のポリマーを製造することが望ましい。ポリマー生成物を、連続混合ループ反応器を使って溶液重合法で製造した。
【0132】
エチレンを、ISOPAREの溶媒(Exxon Mobilから入手可能なC
8−C
10飽和炭化水素の混合物)、プロピレンおよび5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)の混合物中に導入し、反応器供給流を形成した。触媒を、別に、反応器に供給し、共触媒1(ビス(水素添加牛脂アルキル)メチルアミン)および共触媒2(トリイソブチルアルミニウム変性アルモキサン(MMAO−3A))を使って、系内で活性化した。その結果として、反応器の出口は、ポリマー、溶媒、および減少した量の初期モノマー流の混合物となった。ポリマーの分子量は、反応器温度、モノマー転換の調節、および/または水素などの連鎖停止剤の添加により制御できる。定常状態条件下、すなわち、一定の反応物濃度、ならびに溶媒、モノマー、および触媒の連続的投入と未反応モノマー、溶媒およびポリマーの連続取り出し条件の下、重合反応を行った。反応器系を冷却し、加圧して気相の形成を防いだ。
【0133】
重合後、触媒不活化のために反応器出口流に少量の水を導入し、反応器出口流をフラッシュ槽内に導入した。少なくとも100パーセントまでこの槽内で固形物濃度が高められた。次に、未反応モノマーの一部、すなわち、ENB、エチレン、およびプロピレン、および未使用希釈剤を集め、必要に応じて、反応器供給原料として戻して再利用した。通常は、揮発分除去の前に、リン安定剤およびフェノール抗酸化剤(「2:1重量比率の」IRGAFOS168およびIGANOX1010)を含む添加物溶液を加え、ポリマー中の約0.1wt%の全添加剤含量になる。
【0134】
表3aおよび3bは、CAT−37およびCAT−01を、それぞれ、162℃と94℃でエチレン/プロピレンおよびENBの三元共重合に使った重合条件を示す。表4は、得られたポリマー生成物の特性を示す。
【0135】
これらの2種の重合からのデータを比較すると、顕著に高い温度(162℃対94℃)で重合されたにもかかわらず、発明の実施例は、比較例に類似の触媒効率(1.3MM lbポリマー/lb金属)を示す。
【0136】
162℃で重合された発明の実施例2は、160,881g/モルの重量平均分子量であり、70.6重量パーセントのエチレン、21.8重量パーセントのプロピレンおよび7.6重量パーセントのENBを取り込んだ。94℃で重合された比較例Bは、221,870g/モルの重量平均分子量で、70.3重量パーセントのエチレン、25.0重量パーセントのプロピレンおよび4.7重量パーセントのENBを取り込んだ。実施例2のレオロジー比が48.5であり、一方、実施例B
*のレオロジー比が30.3である点は、注目すべきである。
【0137】
別の特異的特徴は、本発明の実施例2のムーニー粘度が80(ML 1+4,125℃)で十分に高く、その分子量および長鎖分岐の結果として粘度が高いことを示していることである。比較例Bのムーニー粘度は、134(ML 1+4,125℃)で、粘度は高いが、30のレオロジー比から、長鎖分岐レベルが本発明の実施例の場合よりかなり低いことが推察できることを示している。これらの2種のポリマーの間での分子量の差異にもかかわらず(しかし、両ポリマーは、2.3の多分散度(Mw/Mn)を有している)、低い分子量の本発明のポリマーは、著しく、より高いレオロジー比(190℃でのV0.1/V100)を有することが明らかになった。ポリマーの分子量が増加すると、レオロジーがわずかに増加することが予期されるが、発明例および比較例に対する分子量とレオロジー比を比較した場合に示されるほど、劇的には増加しない。
【0138】
また、本発明の実施例の高いレオロジー比(190℃でのV0.1/V100)は、ポリマーは、高度に分岐しており、低および高せん断速度の両方で、せん断粘度に影響を与えることを示している。低せん断速度での高粘度は、ポリマー溶融強度および化合物の生強度にとって重要であり、さらに、高せん断速度での低粘度は、EPDM化合物の配合に使われる成分の混合と分散にとって、重大な意味を持つ。従って、高「レオロジー比のEPDM」は、より優れた作業性とより高い溶融強度を与えることができ、これらの特性は、スポンジ吹き込み成形と発泡成形および異形材押出などの用途に特に必要である。他の利点には、カーボンブラック、オイル、硬化剤、および他の添加物などの他の成分と一緒に行うポリマーの、より速いおよびより容易な混合および分散が含まれる。より速いおよびより容易な混合は、ミキサーや設備に対し、より少ないトルクおよび電力消費をもたらす。化合物中へ容易に分散されるEPDMポリマーは、改善された表面品質により、より良い外観の物品を与えることができる(押出目詰め異形材にとって重要である)。
【0139】
また、連続重合操作により、単一および二重反応器法の両方でCAT−37を使って製造された実施例のEPDM01−R1、EPDM01、EPDM02、およびEPDM03も、本発明の特徴を示す。EPDM01は、2つの連続ループ反応器を使って調製された(第1の反応器:ループ;第2の(最後の)反応器:ループ)。EPDM02およびEPDM03は、それぞれ、ループ反応器と、それに続く、連続攪拌タンク型反応器(CSTR)を使って調製された(第1の反応器:ループ;第2の(最後の)反応器:CSTR)。「−R1」と名付けられた実施例は、第1の反応器から採取された材料のものであり、第2の反応器に供給されたポリマー組成物の代表例である。実施例EPDM01−R1、およびEPDM01ポリマーは、それぞれ、147℃と175℃の高温で製造された。実施例2に比べて、これらのポリマーは、それぞれ、40.5ムーニー単位および21.5ムーニー単位の低いムーニー粘度である。低いムーニー粘度にも関わらず、これらのポリマーのレオロジー比(V0.1/V100)は、65.5および37.7の値で特異的に高い。EPDM01は、第2の反応器から出たポリマーの組成物で、第1および第2の反応器の両方で製造されたポリマー組成物を含む。これらのポリマー組成物が、高レベルの長鎖分岐を含むことも考慮に入れることができる。
【0140】
EPDM02−R1、EPDM02、およびEPDM03−R1、EPDM03は、第1の反応器では90℃、第2の反応器では130〜140℃の間、のより低い温度で製造された実施例を示す。EPDM02およびEPDM03実施例の最終ムーニー粘度は、それぞれ、76.0ムーニー単位および73.9ムーニー単位であった。これらの二重反応器ポリマー:EPDM02およびEPDM03ポリマーのレオロジー比(V0.1/V100)も、非常に高く、29.4および26.2の値であった。
【表3a】
【表3b】
【表4】
【0141】
上記で考察のように、
図1は、発明の共重合体は、実施例2と同様に、比較例B*(19.5ppm〜22.0ppmの領域中で2%のパーセントの面積)に比べて、19.5ppm〜22.0ppmの領域中で、より高いパーセントの面積を示す(21.4ppmおよび21.6ppmの2つのピークに対し7%)。ベースホモポリマーおよび共重合体などの他のポリマーでは、これらの2つの異なる21.6と21.4ppmのピークは、通常、ポリマーに取り込まれているプロピレン配列のタクティシティーの差異に関連する。表4は、実施例に対する、21.3〜21.8ppmのNMRピーク面積%を示す。図からわかるように、本発明の実施例は全て、3.5%より大きく、また、比較例B(2.0wt%)より大きい%NMRピーク面積を示す。ポリマーに70wt%C2を含む実施例では、%NMRピーク面積は、5.0〜8.0パーセントであり、一方、ポリマー中に50wt%C2を含む実施例では、NMRピーク面積は、約18パーセントである。
【0142】
発明実施例は、上で考察のバッチ法で製造された共重合体に比べて、高温(150℃を超える)で非常に高いレオロジー比を有することが明らかになった。CAT−37は、連続プロセスで使用する場合に極めて高いレオロジー比を有する(高長鎖分岐を示す)ポリマーを生成する一方で、重合の間、高触媒活性を維持することが明らかになった。
なお、本発明には以下の実施形態が包含される。
[1]エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体を形成する溶液重合法であって、エチレン、α−オレフィン、および非共役ポリエンを、少なくとも1つの反応器中で、式I:
【化1】
から選択される金属−リガンド錯体の存在下、重合することを含み、
式中、
Mは、元素の周期表の3〜6族のいずれか1つの(例えば、4族の)金属である、前記金属Mは、+2、+3、+4、+5、または+6の形式的酸化状態であり、nは、0〜5の整数で、nが0の場合には、Xは存在せず(すなわち、(X)nが存在せず)、
各Xは、独立に、中性、モノアニオン性、ジアニオン性、トリアニオン性、またはテトラアニオン性の一座配位リガンドであるか、または2つのXをまとめて、中性、モノアニオン性、またはジアニオン性の二座配位リガンドを形成し、Xとnは、式(I)の前記金属−リガンド錯体が全体で中性となるように選択され、
各Zは、独立に、O、S、N(C1−C40)ヒドロカルビル、またはP(C1−C40)ヒドロカルビルであり、
Lは、(C1−C40)ヒドロカルビレンまたは(C1−C40)ヘテロヒドロカルビレンであり、(C1−C40)ヒドロカルビレンは、式(I)中の前記Z原子(このZ原子にLが結合される)を連結する1炭素原子〜18炭素原子リンカー主鎖、好ましくは、1炭素原子〜12炭素原子リンカーを含む部分を有し、および前記(C1−C40)ヘテロヒドロカルビレンは、式(I)の前記Z原子を連結する1原子〜18原子リンカー主鎖、好ましくは、1炭素原子〜12炭素原子リンカー鎖を含む部分を有し、前記(C1−C40)ヘテロヒドロカルビレンの前記1原子〜18原子リンカー主鎖のそれぞれ前記1〜18原子は、独立に、炭素原子またはヘテロ原子であり、各ヘテロ原子は、独立に、O、S、S(O)、S(O)2、Si(RC)2、P(RP)、またはN(RN)であり、各RCは、独立に、置換または未置換(C1−C18)ヒドロカルビル、(C1−C18)ヘテロヒドロカルビルであり、各RPは、独立に、置換または未置換(C1−C18)ヒドロカルビル、(C1−C18)ヘテロヒドロカルビルであり、および各RNは、独立に、置換または未置換(C1−C18)ヒドロカルビル、(C1−C18)ヘテロヒドロカルビルであるか、もしくは存在せず(例えば、RNが−N=として結合される場合のN)、
それぞれR3a、R4a、R3bおよびR4bは、独立に、水素原子、(C1−C40)ヒドロカルビル、(C1−C40)ヘテロヒドロカルビル、Si(RC)3、O(RC)、S(RC)、N(RN)2、P(RP)2またはハロゲン原子であり、RC、RNおよびRPは、上記で定義され、
R6c、R7c、およびR8cの少なくとも1つ、ならびにR6d、R7d、およびR8dの少なくとも1つは、独立に、(C2−C40)ヒドロカルビル;Si(Rc)3であり、およびR6c、R7c、R8c、R6d、R7d、およびR8dの残りのそれぞれは、独立に、水素原子、(C1−C40)ヒドロカルビル、(C1−C40)ヘテロヒドロカルビル、Si(RC)3;O(RC)、S(RC)、N(RN)2、P(RP)2、またはハロゲン原子であり、RC、RNおよびRPは、上記で定義され、および
任意選択で、2つ以上のR基(R3a〜R8d)は、1つまたは複数の環構造に組み合わせることができ、この環構造は、環中に水素原子を除く3〜50原子を有し、
R5cおよびR5fの少なくとも1つは、独立に、(C1−C40)ヒドロカルビル、(C1−C40)ヘテロヒドロカルビル、Si(RC)3、O(RC)、S(RC)、N(RN)2、P(RP)2、またはハロゲン原子であり、R5cおよびR5fのその他は、独立に、水素原子、(C1−C40)ヒドロカルビル、(C1−C40)ヘテロヒドロカルビル、Si(RC)3、O(RC)、S(RC)、N(RN)2、P(RP)2またはハロゲン原子であり、RC、RNおよびRPは、上記で定義され、
R5ccおよびR5ffの少なくとも1つは、独立に、(C1−C40)ヒドロカルビル、(C1−C40)ヘテロヒドロカルビル、Si(RC)3、O(RC)、S(RC)、N(RN)2、P(RP)2またはハロゲン原子であり、R5ccおよびR5ffのその他は、独立に、水素原子、(C1−C40)ヒドロカルビル、(C1−C40)ヘテロヒドロカルビル、Si(RC)3、O(RC)、S(RC)、N(RN)2、P(RP)2、またはハロゲン原子であり、RC、RNおよびRPは、上記で定義され、
それぞれR9a、R10a、R11a、R9b、R10b、R11b、R9aa、R10aa、R11aa、R9bb、R10bbおよびR11bbは、独立に、水素原子、(C1−C40)ヒドロカルビル、(C1−C40)ヘテロヒドロカルビル、Si(RC)3、O(RC)、S(RC)、N(RN)2、P(RP)2、またはハロゲン原子であり、RC、RNおよびRPは、上記で定義され、さらに
任意選択で、2つ以上のカルバゾールR基(例えば、R9a、R10a、R5a、R11a、R9b、R10b、R5f、R11b)は、1つまたは複数の環構造に組み合わせることができ、この環構造は、環中に水素原子を除く3〜50原子を有し、;
それぞれ上述のヒドロカルビル(例えば、RC、RN、RP、(C1−C40)ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル(例えば、(C1−C40)ヘテロヒドロカルビル)、ヒドロカルビレン(例えば、(C1−C40)ヒドロカルビレン)、およびヘテロヒドロカルビレン(例えば、(C1−C40)ヘテロヒドロカルビレン)基は、独立に、未置換であるか、または少なくとも1つの置換基Rsで置換(Rsによる過置換まで)され、
R5c+R5f+R7cの炭素原子の合計は、5炭素原子を超えるか、またはR5cc+R5ff+R7dの炭素原子の前記合計は、5炭素原子を超え、さらに
各Rsは、独立に、ハロゲン原子、ポリフルオロ置換(少なくとも1つの置換基Rsの1つが少なくとも2つのフルオロ置換基を表し、これは、形式上、未置換の場合の前記置換基の少なくとも2つの水素原子を置換する)、パーフルオロ置換(すなわち、1つのRsが、それにより置換される未置換の場合の前記置換基の水素原子と同数のフルオロ置換基を表す)、未置換(C1−C18)アルキル、F3C−、FCH2O−、F2HCO−、F3CO−、R3Si−、RO−、RS−、RS(O)−、RS(O)2−、R2P−、R2N−、R2C=N−、NC−、RC(O)O−、ROC(O)−、RC(O)N(R)−、もしくはR2NC(O)−であるか、または前記Rsの2つをまとめて未置換(C1−C18)アルキレンを形成し、各Rは、独立に、未置換(C1−C18)アルキルであり、
また、前記重合は、連続プロセスで行われ、さらに、共重合体は、20以上のレオロジー比(190℃でのV0.1/V100)を有する方法。
[2]各ZがOである[1]に記載の方法。
[3]式(I)の前記金属−リガンド錯体が、式(Ia):
【化2】
の金属−リガンド錯体であり、
式中、
R7cおよびR7dは、それぞれ独立に、(C4−C40)ヒドロカルビルであり、
Mは、元素の周期表の3〜6族のいずれか1つの(例えば、4族の)金属であり、金属Mは、+2、+3、+4、+5、または+6の形式的酸化状態であり、nは、0〜5の整数で、nが0の場合には、Xは存在せず(すなわち、(X)nが存在せず)、
各Xは、独立に、中性、モノアニオン性、ジアニオン性、トリアニオン性、またはテトラアニオン性の一座配位リガンドであるか、または2つのXをまとめて、中性、モノアニオン性、またはジアニオン性の二座配位リガンドを形成し、Xとnは、式(I)の金属−リガンド錯体が全体で中性となるように選択され、
Lは、(C1−C40)ヒドロカルビレンまたは(C1−C40)ヘテロヒドロカルビレンであり、前記(C1−C40)ヒドロカルビレンは、式(I)中の前記Z原子(このZ原子にLが結合される)を連結する1炭素原子〜18炭素原子リンカー主鎖、好ましくは、1炭素原子〜12炭素原子リンカーを含む部分を有し、および前記(C1−C40)ヘテロヒドロカルビレンは、式(I)の前記Z原子を連結する1原子〜18原子リンカー主鎖、好ましくは、1炭素原子〜12炭素原子リンカー鎖を含む部分を有し、(C1−C40)ヘテロヒドロカルビレンの前記1原子〜18原子リンカー主鎖のそれぞれ前記1〜18原子は、独立に、炭素原子またはヘテロ原子であり、各ヘテロ原子は、独立に、O、S、S(O)、S(O)2、Si(RC)2、P(RP)、またはN(RN)であり、独立に、各RCは、独立に、置換または未置換(C1−C18)ヒドロカルビル、(C1−C18)ヘテロヒドロカルビルであり、各RPは、独立に、置換または未置換(C1−C18)ヒドロカルビル、(C1−C18)ヘテロヒドロカルビルであり、および各RNは、独立に、置換または未置換(C1−C18)ヒドロカルビル、(C1−C18)ヘテロヒドロカルビルであるか、もしくは存在せず(例えば、RNが−N=として結合される場合のN)、
それぞれR3a、R4a、R3bおよびR4bは、独立に、水素原子、(C1−C40)ヒドロカルビル、(C1−C40)ヘテロヒドロカルビル、Si(RC)3、O(RC)、S(RC)、N(RN)2、P(RP)2またはハロゲン原子であり、RC、RNおよびRPは、上記で定義され、
R5cおよびR5fの少なくとも1つは、独立に、(C1−C40)ヒドロカルビル、(C1−C40)ヘテロヒドロカルビル、Si(RC)3、O(RC)、S(RC)、N(RN)2、P(RP)2、またはハロゲン原子であり、R5cおよびR5fのその他は、独立に、水素原子、(C1−C40)ヒドロカルビル、(C1−C40)ヘテロヒドロカルビル、Si(RC)3、O(RC)、S(RC)、N(RN)2、P(RP)2またはハロゲン原子であり、RC、RNおよびRPは、上記で定義され、
R5ccおよびR5ffの少なくとも1つは、独立に、(C1−C40)ヒドロカルビル、(C1−C40)ヘテロヒドロカルビル、Si(RC)3、O(RC)、S(RC)、N(RN)2、P(RP)2またはハロゲン原子であり、R5ccおよびR5ffのその他は、独立に、水素原子、(C1−C40)ヒドロカルビル、(C1−C40)ヘテロヒドロカルビル、Si(RC)3、O(RC)、S(RC)、N(RN)2、P(RP)2、またはハロゲン原子であり、RC、RNおよびRPは、上記で定義され、
それぞれ前記上述のヒドロカルビル(例えば、RC、RN、RP、(C1−C40)ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル(例えば、(C1−C40)ヘテロヒドロカルビル)、ヒドロカルビレン(例えば、(C1−C40)ヒドロカルビレン)、およびヘテロヒドロカルビレン(例えば、(C1−C40)ヘテロヒドロカルビレン)基は、独立に、未置換であるか、または少なくとも1つの置換基Rsで置換(Rsによる過置換まで)され、
R5c+R5f+R7cの炭素原子の合計は、5炭素原子を超えるか、またはR5cc+R5ff+R7dの炭素原子合計は、5炭素原子を超え、さらに
各Rsは、独立に、ハロゲン原子、ポリフルオロ置換(前記少なくとも1つの置換基Rsの1つが少なくとも2つのフルオロ置換基を表し、これは、形式上、未置換の場合の前記置換基の少なくとも2つの水素原子を置換する)、パーフルオロ置換(すなわち、前記1つのRsが、それにより置換される未置換の場合の前記置換基の水素原子と同数のフルオロ置換基を表す)、未置換(C1−C18)アルキル、F3C−、FCH2O−、F2HCO−、F3CO−、R3Si−、RO−、RS−、RS(O)−、RS(O)2−、R2P−、R2N−、R2C=N−、NC−、RC(O)O−、ROC(O)−、RC(O)N(R)−、もしくはR2NC(O)−であるか、またはRsの2つをまとめて未置換(C1−C18)アルキレンを形成し、各Rは、独立に、未置換(C1−C18)アルキルである[2]に記載の方法。
[4]式(I)の前記金属−リガンド錯体が、式(Ia−1):
【化3】
の金属−リガンド錯体であり、
式中、
R7cおよびR7dは、それぞれ独立に、(C4−C40)ヒドロカルビルであり、
Mは、元素の周期表の3〜6族のいずれか1つの(例えば、4族の)金属であり、金属Mは、+2、+3、+4、+5、または+6の形式的酸化状態であり、nは、0〜5の整数で、nが0の場合には、Xは存在せず(すなわち、(X)nが存在せず)、
各Xは、独立に、中性、モノアニオン性、ジアニオン性、トリアニオン性、またはテトラアニオン性の一座配位リガンドであるか、または2つのXをまとめて、中性、モノアニオン性、またはジアニオン性の二座配位リガンドを形成し、Xとnは、式(I)の金属−リガンド錯体が全体で中性となるように選択され、
Lは、(C1−C40)ヒドロカルビレンまたは(C1−C40)ヘテロヒドロカルビレンであり、前記(C1−C40)ヒドロカルビレンは、式(I)中の前記Z原子(このZ原子にLが結合される)を連結する1炭素原子〜18炭素原子リンカー主鎖、好ましくは、1炭素原子〜12炭素原子リンカーを含む部分を有し、および前記(C1−C40)ヘテロヒドロカルビレンは、式(I)の前記Z原子を連結する1原子〜18原子リンカー主鎖、好ましくは、1炭素原子〜12炭素原子リンカー鎖を含む部分を有し、(C1−C40)ヘテロヒドロカルビレンの前記1原子〜18原子リンカー主鎖のそれぞれ前記1〜18原子は、独立に、炭素原子またはヘテロ原子であり、各ヘテロ原子は、独立に、O、S、S(O)、S(O)2、Si(RC)2、P(RP)、またはN(RN)であり、各RCは、独立に、置換または未置換(C1−C18)ヒドロカルビル、(C1−C18)ヘテロヒドロカルビルであり、各RPは、独立に、置換または未置換(C1−C18)ヒドロカルビル、(C1−C18)ヘテロヒドロカルビルであり、および各RNは、独立に、置換または未置換(C1−C18)ヒドロカルビル、(C1−C18)ヘテロヒドロカルビルであるか、もしくは存在せず(例えば、RNが−N=として結合される場合のN)、
それぞれR3aおよびR3bは、独立に、水素原子、(C1−C40)ヒドロカルビル、(C1−C40)ヘテロヒドロカルビル、Si(RC)3、O(RC)、S(RC)、N(RN)2、P(RP)2またはハロゲン原子であり、RC、RNおよびRPは、上記で定義され、
R5cおよびR5fの少なくとも1つは、独立に、(C1−C40)ヒドロカルビル、(C1−C40)ヘテロヒドロカルビル、Si(RC)3、O(RC)、S(RC)、N(RN)2、P(RP)2、またはハロゲン原子であり、R5cおよびR5fのその他は、独立に、水素原子、(C1−C40)ヒドロカルビル、(C1−C40)ヘテロヒドロカルビル、Si(RC)3、O(RC)、S(RC)、N(RN)2、P(RP)2またはハロゲン原子であり、RC、RNおよびRPは、上記で定義され、
R5ccおよびR5ffの少なくとも1つは、独立に、(C1−C40)ヒドロカルビル、(C1−C40)ヘテロヒドロカルビル、Si(RC)3、O(RC)、S(RC)、N(RN)2、P(RP)2またはハロゲン原子であり、R5ccおよびR5ffのその他は、独立に、水素原子、(C1−C40)ヒドロカルビル、(C1−C40)ヘテロヒドロカルビル、Si(RC)3、O(RC)、S(RC)、N(RN)2、P(RP)2、またはハロゲン原子であり、RC、RNおよびRPは、上記で定義され、
それぞれ上述のヒドロカルビル(例えば、RC、RN、RP、(C1−C40)ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル(例えば、(C1−C40)ヘテロヒドロカルビル)、ヒドロカルビレン(例えば、(C1−C40)ヒドロカルビレン)、およびヘテロヒドロカルビレン(例えば、(C1−C40)ヘテロヒドロカルビレン)基は、独立に、未置換であるか、または少なくとも1つの置換基Rsで置換(Rsによる過置換まで)され、
R5c+R5f+R7cの炭素原子の合計は、5炭素原子を超えるか、またはR5cc+R5ff+R7dの炭素原子合計は、5炭素原子を超え、さらに
各Rsは、独立に、ハロゲン原子、ポリフルオロ置換(前記少なくとも1つの置換基Rsの1つが少なくとも2つのフルオロ置換基を表し、これは、形式上、未置換の場合の前記置換基の少なくとも2つの水素原子を置換する)、パーフルオロ置換(すなわち、前記1つのRsが、それにより置換される未置換の場合の前記置換基の水素原子と同数のフルオロ置換基を表す)、未置換(C1−C18)アルキル、F3C−、FCH2O−、F2HCO−、F3CO−、R3Si−、RO−、RS−、RS(O)−、RS(O)2−、R2P−、R2N−、R2C=N−、NC−、RC(O)O−、ROC(O)−、RC(O)N(R)−、もしくはR2NC(O)−であるか、またはRsの2つをまとめて未置換(C1−C18)アルキレンを形成し、各Rは、独立に、未置換(C1−C18)アルキルである[3]に記載の方法。
[5]それぞれR5c、R5f、R5cc、およびR5ffが独立に、(C1−C40)ヒドロカルビルである[1]〜[4]のいずれか1項に記載の方法。
[6]それぞれR7cおよびR7dが独立に、(C4−C10)ヒドロカルビルである[1]〜[5]のいずれか1項に記載の方法。
[7]それぞれR3aおよびR3bが独立に、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルキル−O−、((C1−C6)アルキル)2−N−、(C3−C6)シクロアルキル、フッ素原子、または塩素原子である[1]〜[6]のいずれか1項に記載の方法。
[8]Lが、式(I)の前記Z原子に連結する1炭素原子〜6炭素原子リンカー主鎖を含む部分を有する前記(C1−C40)ヒドロカルビレンである[1]〜[7]のいずれか1項に記載の方法。
[9]反応器中の前記ポリマー濃度が、反応器への合計供給材料をベースにして、5wt%より大きい[1]〜[8]のいずれか1項に記載の方法。
[10]前記重合が、2つの反応器中で順次起こる[1]〜[9]のいずれか1項に記載の方法。
[11]前記第1の反応器温度が、90℃〜160℃であり、前記第2の反応器温度が、150℃〜200℃である[10]に記載の方法。
[12][1]〜[11]のいずれか1項に記載の方法により形成されたエチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体。
[13]13C NMRで測定して、19.5ppm〜22.0ppmの合計積分面積の3パーセントより多い「21.3ppm〜21.8ppmのピーク面積」を有する[12]に記載のエチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体。
[14][12]または[13]に記載のエチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体を含む組成物。
[15][14]に記載の組成物から形成された少なくとも1つの部品を含む物品。