特許第6189328号(P6189328)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6189328
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】シリコーンイオノマー組成物
(51)【国際特許分類】
   C08G 77/04 20060101AFI20170821BHJP
   A61K 8/899 20060101ALI20170821BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20170821BHJP
   A61Q 19/08 20060101ALI20170821BHJP
   A61Q 11/00 20060101ALI20170821BHJP
   A61Q 13/00 20060101ALI20170821BHJP
   A61Q 17/02 20060101ALI20170821BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20170821BHJP
   A61Q 15/00 20060101ALI20170821BHJP
   A61Q 9/02 20060101ALI20170821BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20170821BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20170821BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20170821BHJP
   A61Q 5/10 20060101ALI20170821BHJP
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   A61Q 3/04 20060101ALI20170821BHJP
   A61Q 1/04 20060101ALI20170821BHJP
   A61Q 1/12 20060101ALI20170821BHJP
   A61Q 1/10 20060101ALI20170821BHJP
   A61Q 1/08 20060101ALI20170821BHJP
   A61Q 9/04 20060101ALI20170821BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20170821BHJP
   A61K 9/70 20060101ALI20170821BHJP
   A61L 15/00 20060101ALI20170821BHJP
   A61L 27/14 20060101ALI20170821BHJP
   C09D 183/08 20060101ALI20170821BHJP
   A01N 25/10 20060101ALI20170821BHJP
   A01P 7/00 20060101ALI20170821BHJP
   A01P 11/00 20060101ALI20170821BHJP
   A01P 13/00 20060101ALI20170821BHJP
【FI】
   C08G77/04
   A61K8/899
   A61Q19/00
   A61Q19/08
   A61Q11/00
   A61Q13/00 102
   A61Q17/02
   A61Q17/04
   A61Q15/00
   A61Q9/02
   A61Q19/10
   A61Q5/02
   A61Q5/12
   A61Q5/10
   A61Q5/06
   A61Q3/02
   A61Q3/04
   A61Q1/04
   A61Q1/12
   A61Q1/10
   A61Q1/08
   A61Q9/04
   A61K47/34
   A61K9/70
   A61L15/00
   A61L27/14
   C09D183/08
   A01N25/10
   A01P7/00
   A01P11/00
   A01P13/00
【請求項の数】33
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2014-551256(P2014-551256)
(86)(22)【出願日】2012年12月14日
(65)【公表番号】特表2015-505334(P2015-505334A)
(43)【公表日】2015年2月19日
(86)【国際出願番号】US2012069685
(87)【国際公開番号】WO2013103496
(87)【国際公開日】20130711
【審査請求日】2015年9月3日
(31)【優先権主張番号】13/343,188
(32)【優先日】2012年1月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508229301
【氏名又は名称】モメンティブ パフォーマンス マテリアルズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100121061
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 清春
(72)【発明者】
【氏名】サクゼナ,アヌバフ
(72)【発明者】
【氏名】サーカル,アロク
(72)【発明者】
【氏名】ティワリ,サンディプ
【審査官】 小森 勇
(56)【参考文献】
【文献】 特開平6−25369(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 77/04
A01N 25/10
A01P 7/00
A01P 11/00
A01P 13/00
A61K 8/899
A61K 9/70
A61K 47/34
A61L 15/00
A61L 27/14
A61Q 1/04
A61Q 1/08
A61Q 1/10
A61Q 1/12
A61Q 3/02
A61Q 3/04
A61Q 5/02
A61Q 5/06
A61Q 5/10
A61Q 5/12
A61Q 9/02
A61Q 9/04
A61Q 11/00
A61Q 13/00
A61Q 15/00
A61Q 17/02
A61Q 17/04
A61Q 19/00
A61Q 19/08
A61Q 19/10
C09D 183/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
(I)
(式中:
=RSiO1/2
=RSiO1/2
=RSiO1/2
=R1011SiO2/2
=R1213SiO2/2
=R1415SiO2/2
=R16SiO3/2
=R17SiO3/2
=R18SiO3/2
Q=SiO4/2
(式中、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R13、R15、R16は、脂肪族、芳香族、またはフッ素含有の、1〜およそ60の炭素原子を有する一価の炭化水素ラジカルであって、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2,2,4−トリメチルペンチル、ノニル、デシル、シクロアルキルラジカル、およびアリール基からなる群より独立して選択される一価の炭化水素ラジカルであり;
、R12およびR17は、イオン対を有し、そして式(II):
−A−Ix−y+; (II)
(式中、Aは、二価の炭化水素基またはヒドロカルボノキシ基より選択される少なくとも一つの離間原子を有する離間基であり、
Iは、スルホン酸−SO、硫酸−OSO2−、カルボン酸−COO、ホスホン酸−PO2−、リン酸基−OPO2−等のイオン基であり、
Mは、水素、またはアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、金属、金属複合体、第四級アンモニウム基およびホスホニウム基、有機カチオン、アルキルカチオン、カチオン性炭化水素、およびカチオン性バイオポリマーから独立して選択されるカチオン;または、
式(III):
−R’−NR’’−R’’’−I (III)
(式中、R’が、1〜およそ20の炭素原子を含有する二価の炭化水素ラジカルであり、R’’が、1〜およそ20の炭素原子を含有する一価の炭化水素ラジカルであり、そして
R’’’が、2〜およそ20の炭素原子を含有する二価の炭化水素ラジカルであり;
Iが、上記定義の通りである)を有する双性イオンであり、そして
上付き文字xおよびyは、独立して、1〜6であり、xは、nとyの積である)であり;
、R14およびR18の各々が、式(I)〜(XI)
【化1】



(式中、R21、R26、R29、R30、R33、R34、R40、R46、R47、R52、R63は、−H、−OH、−R66、および1〜およそ60の炭素原子を有する脂肪族/芳香族の一価の炭化水素から独立して選択され、
22、R23、R24、R25、R27、R28、R31、R32、R35、R36、R37、R38、R39、R41、R42、R43、R44、R45、R48、R51、R53、R56、R57、R59、R60、R61、R62は、水素、1〜およそ60の炭素原子を有する脂肪族/芳香族の一価の炭化水素から独立して選択され、
58は、2〜およそ60の炭素原子を有する脂肪族/芳香族の一価の炭化水素であり、
49、R50、R54、R55は、−H、−C2tOH、および1〜およそ60の炭素原子を有する脂肪族/芳香族の一価の炭化水素から独立して選択され、
式中、tは、正の整数であり、
Lは、ハロゲン、OR64、−CO(O)R65、−N=CR66、−NCO、−NC(O)R67、−C≡N、−N≡Nおよび−NR68(式中、R64、R65、R66、R67、R68は、水素、および1〜およそ60の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、シクロアルキルおよびアリールからなる群より独立して選択される)から独立して選択される一価のラジカルであり、
Zは、ハロゲン、OR64A、−CO(O)R65、−N=CR66、−NCO、−NC(O)R67、−C≡N、−N≡Nおよび−NR68A(式中、R65、R66、R67は、水素、および1〜およそ60の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、シクロアルキルおよびアリールからなる群より独立して選択され、そしてR64Aは、2〜およそ60の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、シクロアルキルおよびアリールからなる群より選択され、そしてR68Aは、2〜およそ60の炭素原子を有するアルケニル、シクロアルキルおよびアリールからなる群より選択される)から選択される一価のラジカルであり、
Xは、−CHR65−、−O−、−NR65−、および−S−結合から選択される二価のラジカルであり、
YおよびBは、1〜およそ60の炭素原子を含有する、直鎖、分枝状、環状炭化水素ラジカル、またはアラルキルラジカルから選択される二価のラジカルであり;
69は、水素、または1〜およそ20の炭素原子またはヘテロ原子を有する一価のアルキルラジカルであり、
下付き文字nは、0、または0〜およそ60の範囲の値を有する正の整数であり、
下付き文字oは、正の整数であり、そして1〜およそ60の範囲の値を有し、下付き文字p、qおよびrは、0または正数であり、そして0〜およそ100の範囲の値から独立して選択され、但し、p+q+rが1以上の制限を受け、そしてsは、0、または0〜2の値を有する正の整数であり、t、u、vおよびxは、0、またはt+u+v+xが1以上の制限を受ける正の整数であり、そしてwは、正の整数である)
の基から選択される一価の炭化水素ラジカルである)であり;
下付き文字a、b、c、d、e、f、g、h、iおよびjは、0または正の整数であり、但し、以下の制限を受ける:
a+b+c+d+e+f+g+h+i+jの合計は、2以上であって、そして6000以下であり、b+e+hは、0を超え、そしてc+f+iは、0を超える)を有する、官能化イオン性シリコーン。
【請求項2】
、R12およびR17が、イオン対を有し、そして式(II):
−A−Ix−y+ (II)
を有する一価のラジカルである、請求項1に記載の官能化イオン性シリコーン。
【請求項3】
、R12、R17が、式(III):
−R’−NR’’−R’’’−I (III)
(式中、Iが、スルホン酸−SO、カルボン酸−COO、ホスホン酸−PO2−、−OPO2−リン酸基等のイオン基である)
を有する双性イオンである、請求項1に記載の官能化イオン性シリコーン。
【請求項4】
シクロアルキルラジカルが、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびメチルシクロヘキシルラジカルからなる群より独立して選択される、請求項1に記載の官能化イオン性シリコーン。
【請求項5】
アリールラジカルが、フェニル、ナフチル;o−、m−およびp−トリル、キシリル、エチルフェニル、およびベンジルからなる群より独立して選択される、請求項1に記載の官能化イオン性シリコーン。
【請求項6】
二価の炭化水素基が、−(CHR’)(CH−、−CHCH(R1R’)(CH−、および−CHCH(R’)(CHR’’−(式中、R’は、水素、またはRで定義され、R’’は、具体的におよそ1〜およそ20の炭素原子の一価のラジカル、硫黄原子(単数又は複数)、窒素原子(単数又は複数)、酸素原子(単数又は複数)、または上記の原子の組み合わせを含有するラジカルであり、lは、0〜20の値を有し、そしてkは、0〜20の値を有する)からなる群より選択されるアリーレン基である、請求項1に記載の官能化イオン性シリコーン。
【請求項7】
二価の炭化水素基が、式−(CHR19−(式中、mは、1〜およそ20の値を有し、そしてR19は、水素、またはRである)のアルキレン基である、請求項1に記載の官能化イオン性シリコーン。
【請求項8】
二価のヒドロカルボノキシ基が、−(CHR19−(O−(CH(R19)CH−O)m’−(CH(式中、R19は、水素、またはR1であり、lは、1〜20の値を有し、そしてmは、0〜20の値を有し、そしてm’は、0〜50の値を有する)からなる群より選択される、請求項1に記載の官能化イオン性シリコーン。
【請求項9】
式(II)において、Mが、Li、Na、K、Cs、Mg、Ca、Ba、Zn、Cu、Fe、Ni、Ga、Al、Mn、Cr、Ag、Au、Pt、Pd、Pb、Sb、Sn、RuおよびRh、またはその多価形状から独立して選択されるが、限定されない、請求項1に記載の官能化イオン性シリコーン。
【請求項10】
69が、1〜およそ10の炭素原子を含有する一価のアルキルラジカル、またはアシル基である、請求項1に記載の官能化イオン性シリコーン。
【請求項11】
69が、1〜およそ8の炭素原子を含有する一価のアルキルラジカル、またはアシル基である、請求項1に記載の官能化イオン性シリコーン。
【請求項12】
69が、エポキシ基、またはラジカルを含有するアミンである、請求項1に記載の官能化イオン性シリコーン。
【請求項13】
イオン基が、スルホン酸基である、請求項1に記載の官能化イオン性シリコーン。
【請求項14】
イオン基が、カルボン酸基である、請求項1に記載の官能化イオン性シリコーン。
【請求項15】
イオン基が、リン酸基である、請求項2に記載の官能化イオン性シリコーン。
【請求項16】
式(I)のシリコーンが、末端エポキシエーテル基を有するスルホン酸塩官能性ポリオルガノシロキサン、ペンダントエポキシエーテル基を有するスルホン酸塩官能性ポリオルガノシロキサン、ペンダントアルコキシシラン基を有するスルホン酸塩官能性ポリオルガノシロキサン、末端アルコキシシラン基を有するスルホン酸塩官能性ポリオルガノシロキサン、末端ビニル基を有するスルホン酸塩官能性ポリオルガノシロキサン、末端ポリエーテル基を有するスルホン酸塩官能性ポリオルガノシロキサン、末端水素化ケイ素基を有するスルホン酸塩官能性ポリオルガノシロキサン、および末端アクリレート基を有するスルホン酸塩官能性ポリオルガノシロキサンからなる群より選択される、請求項1に記載の官能化イオン性シリコーン。
【請求項17】
式(I)のシリコーンが、末端エポキシエーテル基、ペンダントエポキシエーテル基、ペンダントアルコキシシラン基、末端アルコキシシラン基、末端ビニル基、ペンダントビニル基、末端ポリエーテル基、ペンダントポリエーテル基、末端水素化ケイ素基、ペンダント水素化ケイ素基、末端アクリレート基、およびペンダントアクリレート基からなる群より選択される、二つまたはそれ以上の官能基の組み合わせを有する、スルホン酸塩官能性ポリオルガノシロキサンである、請求項1に記載の官能化イオン性シリコーン。
【請求項18】
組成物が、エラストマー、コポリマー、ゲル、およびエマルジョンからなる群より選択される形状である、請求項1に記載の官能化イオン性シリコーン。
【請求項19】
組成物が、酸触媒開環重合、縮合反応、および付加反応の触媒として有用である、請求項1に記載の官能化イオン性シリコーン。
【請求項20】
組成物が、原子移動ラジカル重合および可逆的付加開裂連鎖移動重合反応のマクロ開始剤として有用であり、そして官能化イオン性シリコーンを一つまたはそれ以上のブロックとして含有するブロックコポリマー組成物を提供し得る、請求項1に記載の官能化イオン性シリコーン。
【請求項21】
請求項1に記載の官能化イオン性シリコーン、およびヘルスケア剤を含有する、ヘルスケア組成物。
【請求項22】
ヘルスケア剤が、金属、金属イオン、生物活性剤、抗にきび剤、アンチエイジング剤、虫歯予防剤、抗真菌剤、抗菌剤、抗酸化剤、抗癌剤、抗ウィルス剤、抗炎症剤、抗凝固剤、止血剤、エクスフォリアント、ホルモン、ホルモン類似物質、酵素、タンパク質およびペプチド、医薬品化合物、バイオサイド、外用鎮痛薬、オーラルケア剤、オーラルケア薬品、酸化剤、還元剤、皮膚保護薬、精油、防虫剤、紫外線吸収剤、ソーラーフィルター、顔料、水和剤、ビタミン、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される一つまたはそれ以上の添加剤を含有する、請求項21に記載のヘルスケア組成物。
【請求項23】
一つまたはそれ以上のドラッグデリバリーシステム、経皮パッチ、創傷治療パッチ、創傷包帯パッチ、傷跡削減用パッチ、経皮イオントフォレーシス、組織工学の基盤、抗菌デバイス、創傷管理デバイス、眼科用デバイス、生体挿入物、人工装具、または体内埋め込み物を更に含有する、請求項1に記載の官能化イオン性シリコーンを含有するヘルスケア製品。
【請求項24】
一つまたはそれ以上の界面活性剤、乳化剤、溶媒、皮膚軟化剤、モイスチャー、保湿剤、顔料、着色料、香料、バイオサイド、保存料、キレート剤、抗酸化剤、抗菌剤、抗真菌剤、制汗剤、エクスフォリアント、ホルモン、ホルモン類似物質、酵素、タンパク質およびペプチド、医薬品化合物、ビタミン、α−ヒドロキシ酸、β−ヒドロキシ酸、レチノール、ナイアシンアミド、スキンライトニング剤、塩、電解質、アルコール、ポリオール、紫外線吸収剤、植物抽出物、有機油、ワックス、増粘剤、粒状充填剤、シリコーン、粘土、可塑剤、閉塞剤、感覚向上剤、エステル、樹脂、膜形成剤、膜形成剤または高屈折率材料を更に含有する、請求項1に記載の官能化イオン性シリコーンを含有するパーソナルケア製品。
【請求項25】
一つまたはそれ以上のスプレー、スティックおよびロールオン式製品を含む、制汗/デオドラント、シェービング製品、スキンローション、保湿剤、化粧水、バス製品、洗浄剤製品、シャンプー、コンディショナー、一体化シャンプー/コンディショナー、ムース、スタイリングジェル、ヘアスプレー、毛髪染料、ヘアカラー製品、ヘアブリーチ、ウェーブ製品、ヘアストレートナー、マニキュア液、マニキュアの除光液、ネイルクリームおよびローション、甘皮柔軟剤、日焼止め、防虫剤、アンチエイジング製品、口紅、ファンデーション、フェイスパウダー、アイライナー、アイシャドー、ほお紅、化粧品、マスカラ、保湿製剤、ファンデーション、身体および手用製剤、スキンケア製剤、顔および首用製剤、トニック、整髪料、整髪補助剤、エアロゾル固定剤、香料製剤、アフターシェーブローション、化粧品製剤、ぼかし用途、夜用/昼用スキンケア製剤、カラーリングのないヘア製剤、日焼け製剤、合成または非合成固形せっけん、液体ハンドソープ、毛穴パック、パーソナルケア用の不織布の応用、ベビーローション、ベビーバスおよびシャンプー、ベビーコンディショナー、髭剃り用剤、きゅうりの薄切り、スキンパッド、化粧落とし、洗顔製品、コールドクリーム、日焼け止め製品、ムース、スプリッツ、ペーストパックおよび泥、フェイスマスク、コロンおよび化粧水、ヘアキューティクルコート、シャワージェル、洗顔料およびボディソープ、洗い流すパーソナルケア製品、ジェル、フォームバス、スクラブ洗顔剤、収斂剤、ネイルコンディショナー、アイシャドースティック、フェイスまたはアイパウダー、リップクリーム、リップグロス、ヘアケアポンプスプレーおよび他の非エアロゾルスプレー、縮毛調整ジェル、ヘアリーブインコンディショナー、ヘアポマード、髪の絡みをほぐす製品、ヘア固定剤、ヘアブリーチ製品、スキンローション、プレシェーブローションおよび電気シェーバープレローション、無水型クリームおよびローション、油/水、水/油、多重、およびマクロおよびマイクロエマルジョン、耐水性クリームおよびローション、抗にきび製剤、マウスウォッシュ、マッサージオイル、歯磨き粉、クリアジェルおよびスティック、軟膏基剤、局所創傷治療製品、エアロゾルタルク、バリアスプレー、ビタミンおよびアンチエイジング製剤、ハーブ抽出製剤、バスソルト、バスおよびボディミルク、ヘアスタイリング補助剤、髪、目、ツメ、および肌への柔らかい固体の塗布、放出制御パーソナルケア製品、ヘアコンディショニングミスト、スキンケア保湿ミスト、肌用拭き取りティッシュ(繊維)、毛穴用拭き取り繊維、毛穴洗浄剤、シミ消し、スキンエクスフォリエーター、皮膚の落屑の促進剤、肌用ウェットティッシュおよびクロス、脱毛製剤、パーソナルケア潤滑剤、ネイルカラー製剤、日焼け止め、化粧品、ヘアケア製品、スキンケア製品、歯磨き粉、皮膚に塗布する医薬組成物の局所適用のドラッグデリバリーシステム、および上記の製品の少なくとも一つを含有する組み合わせを含有する、請求項1に記載の官能化イオン性シリコーンを含有するパーソナルケア製品。
【請求項26】
請求項1に記載の官能化イオン性シリコーン、および防汚剤を含有する、防汚製品。
【請求項27】
防汚剤が、一つまたはそれ以上のカチオン性防汚剤、金属イオン、有機金属錯体、4,5−ジクロロ−2−オクチル−2H−イソチアゾール−3−オン、塩化ベンザルコニウム、またはZinebを含有する、請求項26に記載の防汚製品。
【請求項28】
塗料、構造的コーティング、石材コーティング、または船舶用塗装を含有する、請求項26に記載の防汚製品。
【請求項29】
請求項1に記載のポリオルガノシロキサン、一つまたはそれ以上の肥料、微量栄養素、殺虫剤、除草剤、殺鼠剤およびダニ殺虫剤を含有する群より選択される農業用物質を含有する、農業用製品。
【請求項30】
肥料用コーティングを含有する、請求項29に記載の農業用製品。
【請求項31】
請求項29に記載の農業用製品を含有する、種子コーティング。
【請求項32】
請求項1に記載の官能化イオン性シリコーンを含有する、農業用物質のスーパースプレッダー。
【請求項33】
石油・ガス製造において使用する炭化水素流体用の、0.01%〜100%の請求項1に記載の官能化イオン性シリコーンを含有する、流動添加剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イオン性シリコーン組成物に関する。本発明はまた、該イオン性シリコーン組成物を含む用途に関する。特に、特に、本発明は、官能化イオン性シリコーン組成物に関する。
【発明の背景】
【0002】
イオン性シリコーンは、イオン基を有するシロキサンポリマーである。イオン基を含有するシロキサンポリマーは作られてきたが、市場では、種々の用途において更に使用されるイオン性シリコーンに対する更なる需要がある。
【発明の概要】
【0003】
本発明の一つの目的は、式(I):
(I)
(式中:
=RSiO1/2
=RSiO1/2
=RSiO1/2
=R1011SiO2/2
=R1213SiO2/2
=R1415SiO2/2
=R16SiO3/2
=R17SiO3/2
=R18SiO3/2
Q=SiO4/2
(式中、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R13、R15、R16は、脂肪族、芳香族、またはフッ素含有の、1〜およそ60の炭素原子を有する一価の炭化水素ラジカルであり;
、R12およびR17は、イオン対を有し、そして式(II):
−A−Ix−y+; (II)
(式中、Aは、二価の炭化水素基またはヒドロカルボノキシ基より選択される少なくとも二つの離間原子を有する離間基であり、
Iは、スルホン酸−SO、硫酸−OSO2−、カルボン酸−COO、ホスホン酸−PO2−、リン酸基−OPO2−等のイオン基であり、
Mは、水素、またはアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、金属、金属複合体、第四級アンモニウム基およびホスホニウム基、有機カチオン、アルキルカチオン、カチオン性炭化水素、およびカチオン性バイオポリマーから独立して選択されるカチオン;または、
式(III):
−R’−NR’’−R’’’−I (III)
(式中、R’が、1〜およそ20の炭素原子を含有する二価の炭化水素ラジカルであり、R’’が、1〜およそ20の炭素原子を含有する一価の炭化水素ラジカルであり、そして
R’’’が、2〜およそ20の炭素原子を含有する二価の炭化水素ラジカルであり;
Iが、スルホン酸−SO、硫酸−OSO2−、カルボン酸−COO、ホスホン酸−PO2−、リン酸基−OPO2−等のイオン基である)を有する双性イオンであり、そして
、R18は、独立して、OR20、水素、不飽和の一価のラジカルまたは一価のエポキシ基含有ラジカル、一価の硫黄原子含有ラジカル、および一価のオルガノシラン基から選択され、
14は、独立して、OR20、不飽和の一価のラジカルまたは一価のエポキシ基含有ラジカル、一価の硫黄原子含有ラジカル、および一価のオルガノシラン基から選択され、
イオン基が、上記式(III)であらわされる双性イオンである場合、R20は、1〜およそ60の炭素原子の一価の炭化水素ラジカルであり、
さもなければ、R20は、水素、1〜およそ60の炭素原子の一価の炭化水素ラジカルであり、
上付き文字nおよびyは、独立して、1〜6であり、xは、nとyの積である)であり;
下付き文字a、c、d、e、f、g、h、iおよびjは、0または正数であり、但し、以下の制限を受ける:
a+b+c+d+e+f+g+h+i+jの合計は、2以上であって、そして6000以下であり、b+e+hは、0を超え、そしてc+f+iは、0を超える)のシリコーンを含有する官能化イオン性シリコーン組成物を提供する。
【0004】
本発明を下記詳細な説明により、さらに詳しく説明する。
【発明の詳細な説明】
【0005】
ここで、発明者らは、それらの骨格の一部として、イオンおよび少なくとも一つの官能基を含有するシリコーンイオノマーポリオルガノシロキサンを発見した。本発明の官能基は、パーソナルケア、ヘルスケア、家事、塗料、コーティング、自動車、洗濯洗剤、布地処理、石油・ガス、燃料電池、電子応用、農業、膜、接着剤、封止剤、射出成形用および圧縮成形用ゴムおよびプラスチック、および種々のシリコーン系樹脂を含む様々な用途において、それらが非常に有用になる、エラストマー、コポリマー、ゲル、およびエマルジョンの形状でシリコーンイオノマーを作製するために、種々の選択的物理化学転移/修飾を受ける。イオン基以外の好適な官能基は、アルコキシ、不飽和の一価のラジカル、エポキシ基を含有するラジカル、硫黄原子(単数又は複数)、窒素原子(単数又は複数)、酸素原子(単数又は複数)を含有するラジカル、上記原子の組み合わせを含有するラジカル、またはオルガノシラン基を含有するラジカルが挙げられる。
【0006】
本願の明細書および特許請求の範囲において、下記用語および表現は以下に示す通りに理解される。
【0007】
文脈が別途明確に指示しない限り、明細書および添付特許請求の範囲において使用される単数形「a」、「an」、および「the」は、複数を含み、そして特定の数値への参照は、少なくとも該特定の数値を含む。
【0008】
範囲は、「約」または「およそ」一つの特定の数値から、および/または、「約」または「およそ」他の特定の数値までとして、ここに表現される。そのような範囲が表現される場合、他の実施態様は、上記一つの特定の数値から、および/または、上記他の特定の数値までを含む。同様に、数値が近似値で表現される場合、先行詞「約」を用いることにより、該特定の数値が他の実施態様を形成すると理解される。
【0009】
ここで記載される全ての方法は、ここで別段の指示が無い限り、または別段明らかに文脈に矛盾しない限り、あらゆる好適な順序で行ってよい。ここで使用されるありとあらゆる例示、または例示的な言語(例えば、「等」)は、発明をより明確にする意図に過ぎず、別段請求されない限り、発明の範囲を限定するものではない。明細書中のいかなる記述も、特許特許請求の範囲にない要素が本発明の実施に本質的であることを示すものとして理解されるべきではない。
【0010】
ここで使用されるような「含む(comprising)」、「含む(including)」、「含む(containing)」、「〜を特徴とする」、およびそれらと文法的に同等なものは、追加の、記載されていない要素または方法ステップを排除しない、包括的または非限定の用語であるが、しかしまた、より限定的な用語「〜のみからなる」および「本質的に〜のみからなる」を含むと理解される。
【0011】
実施例以外、または別段の指示がなければ、材料の量、反応条件、継続時間、材料の定量化された性質等を表す、明細書および請求の範囲に記載の全ての数は、いかなる場合にも、用語「約」によって修飾されていると理解される。
【0012】
また、ここで記載されるあらゆる数値範囲は、その範囲のあらゆる部分範囲、および該範囲または部分範囲の様々な終点のあらゆる組合せを含有すると理解される。
【0013】
更に、明細書中に明示的にまたは非明示的に開示されるおよび/または構造的、組成的および/または機能的に関連する化合物、材料または物質の群に属するものとして請求の範囲に記載されるあらゆる化合物、材料または物質は、その群の個々の代表例およびそれらのあらゆる組合せを含有すると理解される。
【0014】
表現「脂肪族炭化水素」は、1またはそれ以上の水素原子が除かれたあらゆる炭化水素基を意味し、アルキル、アルケニル、アルキニル、環状アルキル、環状アルケニル、環状アルキニル、アリール、アラルキルおよびアレニルを含み、そしてヘテロ原子を含有してもよい。
【0015】
用語「アルキル」は、あらゆる一価の飽和直鎖、分枝または環状炭化水素基を意味し;用語「アルケニル」は、一つまたはそれ以上の炭素−炭素二重結合を含有する、あらゆる一価の直鎖、分枝または環状炭化水素基を意味し、そのアルケニルにおいて結合部位が炭素−炭素二重結合またはその他の部位のいずれであってもよく;そして、用語「アルキニル」は、一つまたはそれ以上の炭素−炭素三重結合、および任意で一つまたはそれ以上の炭素−炭素二重結合を含有する、あらゆる一価の直鎖、分枝または環状炭化水素基を意味し、そのアルキニルにおいて結合部位が炭素−炭素三重結合またはその他の部位のいずれであってもよい。アルキルの例示は、メチル、エチル、プロピルおよびイソブチルを含む。アルケニルの例示は、ビニル、プロペニル、アリル、メタリル、エチリデニルノルボルナン、エチリデンノルボルニル、エチリデニルノルボルネンおよびエチリデンノルボルネニルを含む。アルキニルの例示は、アセチレニル、プロパルギルおよびメチルアセチレニルを含む。
【0016】
表現「環状アルキル」、「環状アルケニル」および「環状アルキニル」は、二環式、三環式およびそれ以上の環式構造だけでなく、アルキル、アルケニルおよび/またはアルキニル基で更に置換された前記の環状構造をも含む。代表的な例示は、ノルボルニル、ノルボルネニル、エチルノルボルニル、エチルノルボルネニル、シクロヘキシル、エチルシクロヘキシル、エチルシクロヘキセニル、シクロヘキシルシクロヘキシルおよびシクロドデカトリエニルを含む。
【0017】
用語「アリール」は、あらゆる一価の芳香族炭化水素基を意味し;用語「アラルキル」は、一つまたはそれ以上の水素原子が同数の同様のおよび/または異なるアリール(ここで定義される)基で置換された、あらゆるアルキル基(ここで定義される)を意味し;そして、用語「アレニル」は、一つまたはそれ以上の水素原子が同数の同様のおよび/または異なるアルキル基(ここで定義される)で置換された、あらゆるアリール基(ここで定義される)を意味する。アリールの例示は、フェニルおよびナフタレニルを含む。アラルキルの例示は、ベンジルおよびフェネチルを含む。アレニルの例示は、トリルおよびキシリルを含む。
【0018】
本願における粘度の全ての測定値は、特記しない限り、25℃で得られると理解される。
【0019】
本開示に従って、一つまたはそれ以上の他の物質、成分、または材料と、最初に接触する、in situで形成する、配合する、または混合する直前に存在する、物質、成分、または材料について述べる。反応生成物、得られる混合物等として参照される物質、成分または材料は、本開示に従って、当業者(例えば、化学者)の常識および通常技術を適用して行われるならば、接触、in situでの形成、配合、または混合操作の過程における化学反応または転換を通して固有性、特性、または特徴を獲得する。化学反応体または出発物質の化学製品または最終物質への転換は、発生する速度に関わらず、絶えず進行する過程である。従って、このような転換過程が進行中である場合、出発および最終物質が混ざり合っている可能性があるだけでなく、通常の当業者に知られた現行の分析技術で検出するのが容易または困難な中間体種が速度論的寿命に応じて存在する可能性もある。
【0020】
本発明の一つの非限定的な実施態様において、式(I):
(I)
(式中:
=RSiO1/2
=RSiO1/2
=RSiO1/2
=R1011SiO2/2
=R1213SiO2/2
=R1415SiO2/2
=R16SiO3/2
=R17SiO3/2
=R18SiO3/2
Q=SiO4/2
(式中、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R13、R15、R16は、脂肪族、芳香族、またはフッ素含有の、1〜およそ60の炭素原子、具体的には1〜およそ20の炭素原子、更に具体的には1〜およそ8の炭素原子、を有する一価の炭化水素ラジカルであり;
、R12およびR17は、イオン対を有し、そして式(II):
−A−Ix−y+; (II)
(式中、Aは、二価の炭化水素基またはヒドロカルボノキシ基より選択される少なくとも一つの離間原子を有する離間基であり、
Iは、スルホン酸−SO、硫酸−OSO2−、カルボン酸−COO、ホスホン酸−PO2−、リン酸基−OPO2−等のイオン基、具体的にはスルホン酸−SOであり、
Mは、水素、またはアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、金属、金属複合体、第四級アンモニウム基およびホスホニウム基から独立して選択されるカチオン;または、
式(III):
−R’−NR’’−R’’’−I (III)
(式中、R’が、1〜およそ60の炭素原子、具体的には1〜およそ20の炭素原子、更に具体的には1〜およそ8の炭素原子を含有する二価の炭化水素ラジカルであり、R’’が、1〜およそ60の炭素原子、具体的には1〜およそ20の炭素原子、更に具体的には1〜およそ8の炭素原子を含有する一価の炭化水素ラジカルであり、そして
R’’’が、2〜およそ20の炭素原子、具体的には2〜およそ8の炭素原子、更に具体的には2〜およそ4の炭素原子を含有する二価の炭化水素ラジカルであり;
Iが、スルホン酸−SO、硫酸−OSO2−、カルボン酸−COO、ホスホン酸−PO2−、リン酸基−OPO2−等のイオン基である)を有する双性イオンであり、そして
、R18は、独立して、水素、OR20、不飽和の一価のラジカルまたは一価のエポキシ基含有ラジカル、一価の硫黄原子含有ラジカル、および一価のオルガノシラン基から選択され、
14は、独立して、OR20、不飽和の一価のラジカルまたは一価のエポキシ基含有ラジカル、一価の硫黄原子含有ラジカル、および一価のオルガノシラン基から選択され、
イオン基が、上記式(III)であらわされる双性イオンである場合、R20は、1〜およそ60の炭素原子、具体的には1〜およそ20の炭素原子、更に具体的には1〜およそ8の炭素原子の一価の炭化水素ラジカルであり、
さもなければ、R20は、水素、2 1〜およそ60の炭素原子、具体的には1〜およそ20の炭素原子、更に具体的には1〜およそ8の炭素原子の一価の炭化水素ラジカルであり、
上付き文字nおよびyは、独立して、1〜6であり、xは、nとyの積である)であり;
下付き文字a、c、d、e、f、g、h、iおよびjは、0または正数であり、但し、以下の制限を受ける:
a+b+c+d+e+f+g+h+i+jは、2以上であって、そして6000以下であり、具体的にはa+b+c+d+e+f+g+h+i+jは、2以上であって、そして4000以下であり、更に具体的にはa+b+c+d+e+f+g+h+i+jは、2000以下であり、b+e+hは、0を超え、そしてc+f+iは、0を超える)のシリコーンを含有する官能化イオン性シリコーン組成物を提供する。
【0021】
ここで、一つの実施態様において、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R13、R15およびR16の一価の炭化水素ラジカルは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル;n−ヘキシル基等のヘキシル;n−ヘプチル基等のヘプチル;n−オクチル、イソオクチル基等のオクチル、および2,2,4−トリメチルペンチル基;n−ノニル基等のノニル;n−デシル基等のデシル;シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、メチルシクロヘキシル等のシクロアルキルラジカル、およびフェニル、ナフチル;o−、m−およびp−トリル、キシリル、エチルフェニル、ベンジル等のアリール基からなる群より、独立して選択される。
【0022】
ここで、一つの他の実施態様において、式(II)におけるAの二価の炭化水素基は、−(CHR’)(CH、−CHCH(R’)(CH−、および−CHCH(R’)(CHR’’−(式中、R’は、水素またはRで定義され、R’’は、具体的におよそ1〜およそ20の炭素原子、更に具体的には、およそ1〜およそ8の炭素原子の一価のラジカル、硫黄原子(単数又は複数)、窒素原子(単数又は複数)、酸素原子(単数又は複数)、または上記の原子の組み合わせを含むラジカルであり、lは、0〜20の値を有し、そしてkは、0〜20、具体的には0〜およそ10の値を有する)からなる群より選択されるアリーレン基である。
【0023】
他の実施例において、式(II)におけるAの二価の炭化水素基は、式−(CHR19−(式中、mは、1〜20、具体的には1〜およそ10の値を有し、そしてR19は、水素またはRである)のアルキレン基である。
【0024】
他の実施例において、式(II)におけるAの二価の炭化水素基は、−(CHR19−(O−CH(R19)CH−O)m’−(CH−(式中、lは、1〜20、具体的には1〜およそ10の値を有し、mは、0〜50の値を有し、そしてm’は、0〜50の値を有する)から選択される。
【0025】
他の一つの実施態様において、式(II)におけるMは、Li、Na、K、Cs、Mg、Ca、Ba、Zn、Cu、Fe、Ni、Ga、Al、Mn、Cr、Ag、Au、Pt、Pd、Pb、Sb、Ru、SnおよびRhから独立して選択されるカチオンであってよい。当業者は、カチオンは上記のものに限定されず、多価形状、例えば、M2+およびM3+で存在してもよい。
【0026】
他の実施態様において、式(III)において、R、R14およびR18は、式(I)〜(IX):
【化1】



(式中、R21、R26、R29、R30、R33、R34、R40、R46、R47、R52、R63は、−H、−OH、−R66、および1〜およそ60の炭素原子を有する脂肪族/芳香族の一価の炭化水素から独立して選択され、
22、R23、R24、R25、R27、R28、R31、R32、R35、R36、R37、R38、R39、R41、R42、R43、R44、R45、R48、R51、R53、R56、R57、R59、R60、R61、R62は、水素、1〜およそ60の炭素原子、具体的には1〜およそ20の炭素原子、更に具体的には1〜およそ8の炭素原子を有する脂肪族/芳香族の一価の炭化水素から独立して選択され、
58は、2〜およそ60の炭素原子、具体的には2〜およそ20の炭素原子、更に具体的には2〜およそ8の炭素原子を有する脂肪族/芳香族の一価の炭化水素であり、
49、R50、R54、R55は、−H、−C2tOH、および1〜60の炭素原子、具体的には1〜およそ20の炭素原子、更に具体的には1〜およそ8の炭素原子を有する脂肪族/芳香族の一価の炭化水素から独立して選択され、
式中、tは、正の整数であり、具体的にはおよそ1〜およそ20であり、
Lは、ハロゲン、OR64、−CO(O)R65、−N=CR66、−NCO、−NC(O)R67、−C≡N、−N≡Nおよび−NR68(式中、R64、R65、R66、R67、R68は、水素、および1〜およそ60の炭素原子、具体的には1〜およそ20の炭素原子、更に具体的には1〜およそ8の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、シクロアルキルおよびアリールからなる群より独立して選択される)から独立して選択される一価のラジカルであり、
Zは、ハロゲン、OR64A、−CO(O)R65、−N=CR66、−NCO、−NC(O)R67、−C≡N、−N≡Nおよび−NR68A(式中、R65、R66、R67は、水素、および1〜およそ60の炭素原子、具体的には1〜およそ20の炭素原子、更に具体的には1〜およそ8の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、シクロアルキルおよびアリールからなる群より独立して選択され、そしてR64Aは、水素原子、または1〜およそ60の炭素原子、具体的には1〜およそ20の炭素原子、更に具体的には1〜およそ8の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、シクロアルキルおよびアリールからなる群より選択され、そしてR68Aは、1〜およそ60の炭素原子、具体的には1〜およそ20の炭素原子、更に具体的には1〜およそ8の炭素原子を有するアルケニル、シクロアルキルおよびアリールからなる群より選択される)から選択される一価のラジカルであり、
Xは、−CHR65−、−O−、−NR65−、および−S−結合から選択される二価のラジカルであり、
YおよびBは、1〜およそ60の炭素原子、具体的には1〜およそ20の炭素原子、更に具体的には1〜およそ8の炭素原子を含有する、直鎖、分枝状、環状炭化水素ラジカル、またはアラルキルラジカルから選択される二価のラジカルであり;
69は、水素、または2〜およそ20の炭素原子またはヘテロ原子を有する一価のアルキルラジカルであり、
下付き文字nは、0、または0〜およそ60の範囲の値を有する正の整数であり、
下付き文字oは、正の整数であり、そして1〜およそ60の範囲の値を有し、下付き文字p、qおよびrは、0または正数であり、そして0〜およそ100の範囲の値から独立して選択され、但し、p+q+r≧1の制限を受け、そしてsは、0、または0〜2の値を有する正の整数であり、t、u、vおよびxは、0、またはt+u+v+xが1以上の制限を受ける正の整数であり、そしてwは、正の整数である)
の基から選択される一価の炭化水素ラジカルである。
【0027】
ここで、一つの他の特定の実施形態において、式(I)のシリコーンは、末端エポキシエーテル基を有するスルホン酸塩官能性ポリオルガノシロキサン、ペンダントエポキシエーテル基を有するスルホン酸塩官能性ポリオルガノシロキサン、ペンダントアルコキシシラン基を有するスルホン酸塩官能性ポリオルガノシロキサン、末端アルコキシシラン基を有するスルホン酸塩官能性ポリオルガノシロキサン、末端ビニル基を有するスルホン酸塩官能性ポリオルガノシロキサン、末端ポリエーテル基を有するスルホン酸塩官能性ポリオルガノシロキサン、末端水素化ケイ素基を有するスルホン酸塩官能性ポリオルガノシロキサン、および末端アクリレート基を有するスルホン酸塩官能性ポリオルガノシロキサンからなる群より選択される。
【0028】
ここで、更に他の具体的な実施態様において、式(I)のシリコーンは、末端エポキシエーテル基、ペンダントエポキシエーテル基、ペンダントアルコキシシラン基、末端アルコキシシラン基、末端ビニル基、末端ポリエーテル基、ペンダントポリエーテル基、末端水素化ケイ素基、ペンダント水素化ケイ素基、末端アクリレート基、およびペンダントアクリレート基からなる群より選択される二つまたはそれ以上の官能基のあらゆる組み合わせを有するスルホン酸塩官能性ポリオルガノシロキサンである。
【0029】
ここで、一つの他の実施態様において、シリコーン組成物は、エラストマー、コポリマー、ゲル、およびエマルジョンからなる群より選択される形状である。
【0030】
ここで、更に具体的な実施態様において、ここで述べる官能化イオン性シリコーン組成物を含有する用途を提供し、具体的には、該用途は、パーソナルケア、ヘルスケア、家事、塗料、自動車、コーティング、洗濯洗剤、布地処理、石油・ガス、燃料電池、電子応用、農業、膜、接着剤、封止剤、射出成形用および圧縮成形用ゴムおよびプラスチック、および種々のシリコーン系樹脂からなる群より選択される。
【0031】
イオン基の、式(I)の官能化イオン性シリコーンへの配合濃度は、用いられる具体的な用途によって大きく変わるが、一般的には、官能化イオン性シリコーン組成物の総重量の0モル%を少し上回る〜およそ100モル%、より具体的にはおよそ0.01モル%〜およそ20モル%、そして最も具体的にはおよそ0.01モル%〜およそ5モル%の範囲である。
【0032】
官能化シリコーン組成物は、当業者に知られる他の添加剤および任意の成分を、官能化シリコーン組成物が用いられる具体的な用途に従って含有してよい。
【0033】
ここで、官能化シリコーン組成物は、官能化シリコーン組成物が使用される特有の用途によって、式(I)のシリコーンと、当業者に知られるいずれか他の成分とを組み合わせることによって形成される。そのような組み合わせは、バラバラにまたは同時に起きる。
【0034】
更に、ここで述べる官能化シリコーン組成物は、バッチ、セミバッチ、または連続式の製造モードのいずれかを用いて(結合)作製され得る。好ましくは、成分、すなわち、式(I)のシリコーンおよびいずれかの他の任意成分は、官能化シリコーン組成物を製造するために、連続コンパウンディング押出し機、または配合機または混合機で結合される。連続コンパウンディング押出機は、二軸Werner−Pfleiderer/Coperion押出し機、Buss、またはP.B.Kokneader押出し機、Banbury混合機、Planetary混合機(例えば、Ross)、或いは当業者によく知られているいずれか同様の装置等のいずれかの連続コンパウンディング押出し機でであってよい。
【0035】
本発明の最も広い概念において、あらゆる成分が連続コンパウンディング押出し機で混合されてよい。連続式であるそのようなプロセスにおいて、押出し機は、およそ室温〜およそ150℃、より好ましくはおよそ60℃〜およそ80℃の範囲で操作され、そして更に好ましくは、押出し機は、混合プロセスの間にあらゆる揮発性物質を除去するために、部分真空で操作される。
【0036】
本発明の官能化イオン性シリコーンは、シリコーンの既知の有利な特性、およびイオン基からもたらされる特性が重要である多くの用途に好適であり、好ましくはヘルスケア、パーソナルケア、農業、自動車、電子/電気、航空宇宙、燃料電池、屋内電気器具の製造、機械および機器の設置、コーティング、膜、および接着剤の分野である。
【0037】
高い酸素透過性、より優れた滑らかさ、そして使用者により良い快適さを提供することが出来るシリコーンは、その特有の膜形成能力ゆえに、ヘルスケア用途において広く使用されてきた。しかしながら、シリコーンの親水性および吸水特性の欠落により、その創傷ケアにおける用途は、非常に限られる(例えば、低浸出の創傷および傷跡の管理におけるバッキング層として)。創傷ケア分野において、創傷に対して物理的保護および最適な湿度環境を提供することを超える機能を有する創傷用包帯の開発への関心の高まりがある。この目的を達成するために、スルホン化トリブロックポリマーに基づく包帯材料が報告されている。このスルホン化ポリマーは、結合に適しているイオン交換能、および種々の治療剤の制御された放出を有し、そして創傷用包帯として使用される既存の市販のヒドロゲルに勝るいくつかの長所を提供する。これらは:(1)優れた膜形成特性、(2)スルホン化レベルに比例する親水性、(3)織物でサポートされている包帯(例えば、ポリエステル、綿、ナイロン)の容易な作製、(4)水和した場合の材料の優れた機械的完全性、および(5)種々の殺菌方法に対する安定性を含む。しかしながら、有機部分からなる合成ポリマーは、常に動いている皮膚の表面に適用するために要求される可撓性または可塑性の度合いにしばしば欠ける。官能化イオン性シリコーン由来の材料は、高い酸素透過性および高い透湿に伴う快適さ、創傷ケア用途における活性剤、例えば、銀、抗生物質、成長因子、ペプチド、タンパク質、およびヘパリンのような多糖類の制御された放出等のシリコーン特有の利点をもたらす。
【0038】
更に、官能化イオン性シリコーンは、ドラッグデリバリー用途にも用いられ得る。シリコーンは、経皮(抗炎症剤、鎮痛剤、ステロイド、ホルモン伝達用のシリコーンゲルおよび接着フィルム、および禁煙道具として)、粘膜(避妊薬、抗ウィルス剤、抗真菌剤の経膣伝達用のエラストマーリングおよびプラグ)等、種々の投与ルートを介したドラッグデリバリーに用いられてきたという長い伝統がある。しかしながら、比較的疎水性の薬物だけがシリコーンマトリックスを通して伝達される。親水性活性剤は、ゆっくりと結晶化することが見出され、それがその活性を低下させ、そしてデバイスのデリバリープロファイルを変更する。本発明の官能化イオン性シリコーンは、その親水性を理由に、薬物のこの望ましくない結晶化を防ぐことが出来る。更に、多くの薬物は、シリコーン内のイオン部分に結合するように担持され、その結晶化および不活化の可能性を更に低下させ、それにより保存性が改善する。組成物に含有され得る薬学的活性成分の例は、生物活性剤、抗にきび剤、アンチエイジング剤、虫歯予防剤、抗真菌剤、抗菌剤、抗酸化剤、抗癌剤、抗ウィルス剤、抗炎症剤、抗凝固剤、止血剤、エクスフォリアント、ホルモン、ホルモン類似物質、酵素、タンパク質およびペプチド、医薬品化合物、バイオサイド、外用鎮痛薬、オーラルケア剤、オーラルケア薬品、酸化剤、還元剤、皮膚保護薬、精油、防虫剤、紫外線吸収剤、ソーラーフィルター、顔料、水和剤、ビタミン、およびそれらの組み合わせを含有するが、それらに限定されない。
【0039】
上記の成分を含有する組成物は、ドラッグデリバリーシステム、経皮パッチ、創傷治療パッチ、創傷包帯パッチ、傷跡削減用パッチ、経皮イオントフォレーシス、組織工学の基盤、抗菌デバイス、創傷管理デバイス、眼科用デバイス、生体挿入物、人工装具、および体内埋め込み物を含有する多数のヘルスケア用とに利用され得る。
【0040】
肥料の放出制御用途において、イオン性および共有架橋ポリマーのコーティングが肥料の水溶性成分に対するバリアとして働き、水溶性環境への早期の放出からそれらを長期間保護することが確立されてきた。これらのコーティングの使用により得られる利点は、労力節約、作物収穫量の増加、窒素利用効率の向上、および時間節約が挙げられる。この点で、イオン性および共有架橋スルホン化ポリスチレンおよび共重合体複合体に基づくコーティング材料は、数日〜何ヶ月もの範囲の期間を通して肥料の水溶性成分を徐放させることが報告されている。しかしながら、スルホン化ポリスチレン等の有機スルホン化ポリマーは、本来非常に脆く、そのようなポリマーを含有する膜は、しばしばクラックを生じ、それが肥料成分の好ましくない浸出をもたらす。本発明のイオン性ポリシロキサンは、これらの材料が、いずれかの欠点やクラックも有しない可撓性の高い弾性膜を形成し得るので、優れた代替である。イオン性シリコーン膜に配合され得る肥料および農業用材料の例は:尿素、尿素アンモニウム窒素、硫酸亜鉛、硫酸鉄、チオ硫酸アンモニウム、硫酸カリウム、リン酸モノアンモニウム、リン酸尿素、硝酸カルシウム、リン酸、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、多硫化カルシウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、リン酸ジアンモニウム、リン酸二ナトリウム、リン酸モノアンモニウム、リン酸モノカリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸四カリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、Zn、Mn、Fe、Cu、Mgの酸化物/硫酸塩、ホウ素、ホウ酸、ホウ酸のカリウムおよびナトリウム塩、およびモリブデン酸ナトリウムを含むが、これらに限定されない。
【0041】
有効成分を種子に保持するために、農薬、防かび剤、または他の有効成分、および膜形成ポリマーを通常含有する種子コーティングは、種々の微生物および殺虫活性から保護するために、一般的に、種子の表面に適用される。種子コーティングにおいて用いられるポリマーの望ましい特性は:(a)均一なコーティングを提供しながら、種子表面に効果的に接着する、(b)高度の引き裂き抵抗、および耐摩耗性を有する、可撓性および非粘着性のコーティングをもたらす、(c)コーティングを水分、酸素、可視光、二酸化炭素透過性にする、および(d)膜に、種々の活性成分を長期に渡って保持および放出させることである。種子コーティング用途の従来技術において、膜形成剤として用いられた種々の従来の架橋有機ポリマーは、主に、アクリル、変性ポリアクリルアミド、およびビニルアクリル樹脂の架橋有機ポリマー、またはポリ酢酸ビニル、メチルセルロースのコポリマー等を主に含む。しかしながら、これらのコーティングの殆どは、次の欠点を抱える:(a)気体透過性が無い、(b)成分の放出速度を管理する能力が低い、そして(c)低い温度(特に冬季において)で、コーティングは、クラッキングおよびフレーキングを示す不連続膜を形成する傾向がある。官能化イオン性シリコーンを含有する種子コーティングは、従来の有機コーティングに関連している多くの問題に対処する。しかしながら、シリコーンポリマーの強い疎水性性質により、本来は大概親水性である活性成分は膜との相溶性がなく、従って膜から簡単に分離され得る。しかしながら、イオン基の存在により、ここで提供される官能化イオン性シリコーン組成物は、活性の徐放と共にシリコーンの独特な膜形成利益をもたらし得る。イオン性シリコーンは、制御可能な程度の親水性を有するシリコーン特有の利点を示し、そして種子コーティング用途に使用され得る、新種の材料である。故に、種子コーティングに配合し得るある種の物質の例は、農薬を含有する。農薬という用語は、有害生物を駆除するのに使用されるあらゆる化合物を意味し、例えば殺鼠剤、殺虫剤、殺ダニ剤、防かび剤、および除草剤である。使用され得る農薬の説明に役立つ例は、成長調整剤、光合成阻害剤、色素阻害剤、有糸分裂かく乱物質、脂質生合成阻害剤、細胞壁阻害剤、および細胞膜かく乱物質を含むが、これらに限定されない。本発明の組成物に使用される農薬の量は、使用される農薬の種類によって変化する。本発明の組成物と共に使用され得る農薬化合物のより具体的な例は、フェノキシ酢酸、フェノキシプロピオン酸、フェノキシ酪酸、安息香酸、トリアジンおよびs−トリアジン、置換尿素、ウラシル、ベンタゾン、デスメジファム、メタゾール、フェンメジファム、ピリダート、アミトロール、クロマゾン、フルリドン、ノルフルラゾン、ジニトロアニリン、イソプロパリン、オリザリン、ペンジメタリン、プロジアミン、トリフルラリン、グリホサート、グルホシネート、スルホニル尿素、イミダゾリノン、クレトジム、ジクロホップ−メチル、フェノキサプロップ−エチル、フルアジホップ−p−ブチル、ハロキシホップ−メチル、キザロホップ、セトキシジム、ジクロベニル、イソキサベン、ビピリジリウム等の除草剤および成長調整剤であるが、これらに限定されない。本発明と共に使用され得る防カビ剤組成物は、アリジモルフ、トリデモルフ、ドデモルフ、ジメトモルフ;フルシラゾール、アザコナゾール、シプロコナゾール、エポキシコナゾール、フルコナゾール、プロピコナゾール、テブコナゾールなど;イマザリル、チオファネート、ベノミル カルベンダジム、クロロチアロニル、ジクロラン、トリフロキシストロビン、フロキシストロビン、ジモキシストロビン、アゾキシストロビン、フルカラニル、プロクロラズ、フルスルファミド、ファモキサドン、カプタン、マネブ、マンコゼブ、ドジシン、ドジン、およびメタラキシルを含むが、これらに限定されない。本発明の組成物と共に使用され得る殺虫剤、幼虫駆除剤、ダニ殺虫剤および殺卵剤化合物は、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)、スピノサド、アバメクチン、ドラメクチン、レピメクチン、ピレトリン、カルバリル、ピリミカーブ、アルディカーブ、メトミル、アミトラズ、ホウ酸、クロロジメフォルム、ノバルロン、ビストリフルロン、トリフルムロン、ジフルベンズロン、イミダクロプリド、ジアジノン、アセフェート、エンドスルファン、ケレバン、ジメトエート、アジンホスエチル、アジンホスメチル、イゾキサチオン、クロルピリホス、クロフェンテジン、ラムダ−シハロトリン、ペルメトリン、ビフェントリン、シペルメトリン等を含むが、これらに限定されない。
【0042】
スルホン酸、硫酸、カルボン酸、リン酸基等の陰イオン基で官能化されたポリマーは、塩基性窒素含有バイオサイドをイオン結合させ得、そしてこれらのポリマー−バイオサイド結合は、殆ど負荷逆であり、また、非極性溶媒中で非常に安定である。しかしながら、水中では、相互作用がより弱く、そしてより大きな可逆性の度合いを示す。故に、これらのポリマーフィルムが水に曝される場合、表面層のバイオサイド分子解離し、そしてポリマーから脱離する。特性のこの特有の組み合わせにより、これらの材料は、バイオサイド成分の徐放性が必須要件となる防汚塗料用途にとって、非常に魅力的となる。近年、異なる陰イオン基で官能化された有機ポリマーが、塗料マトリックスにおけるバイオサイドの分布および固化の点で向上した性能を示す防汚塗料用途において使用されてきた。一方で、シリコーン系塗料は、有機ポリマー系塗料からは得られない、耐熱および耐候性、撥水性、優れた滑らかさ等を含むいくつかの利点を示す。しかしながら、本発明のイオンで修飾されたシリコーン組成物の使用は、シリコーンの利点を保ちながら、塗料中のバイオサイドの優れた分布および固化を実現する。組成物に配合し得る防汚剤の例は、銅、銀、亜鉛、錫、有機錫化合物等の金属イオン、クロロヘキシジン、ポリ(ヘキサメチレンビグアニド)、トラロピリル、ジンクピリチオン、チオシアン酸銅、酸化銅(I)、ジクロフルアニド、カッパーピリチオン、4,5−ジクロロ−2−オクチル−2H−イソチアゾール−3−オン、塩化ベンザルコニウム、Zineb等のカチオン性剤を含むが、限定されない。
【0043】
本発明の官能化イオン性シリコーン組成物はまた、耐移り性、保湿、および種々のパーソナルケア成分の制御伝達を提供する、パーソナルケアにおいて使用され得る。
【0044】
本発明のイオン基は、本来は親水性であり、そしてこれらの組成物から形成される膜は、(組成物が)ポリオルガノシロキサンであることにより、高い柔軟性を有する。この特性の特有の組み合わせにより、これらの組成物は、高い耐移り性、つや、心地よさ、および有効成分の伝達制御という利点に沿って、パーソナルケア処方剤の開発に柔軟性を提供し得る。
【0045】
本発明の組成物を含有するパーソナルケア処方剤は、界面活性剤、乳化剤、溶媒、皮膚軟化剤、モイスチャーライザー、湿潤剤、顔料、着色料、香料、バイオサイド、保存料、キレート剤、抗酸化剤、抗菌剤、抗真菌剤、制汗剤、エクスフォリアント、ホルモン、ホルモン類似物質、酵素、タンパク質並びにペプチド、医薬品化合物、ビタミン、α−ヒドロキシ酸、β−ヒドロキシ酸、レチノール、ナイアシンアミド、スキンライトニング剤、塩、電解質、アルコール、ポリオール、紫外線吸収剤、植物抽出物、有機油、ワックス、増粘剤、粒状充填剤、シリコーン、粘土、可塑剤、閉塞剤、感覚向上剤、エステル、樹脂、膜形成剤、膜形成乳化剤、高屈折率材料、およびそれらの組み合わせを含んでよい。
【0046】
更に、本発明からなるパーソナルケア組成物は、スプレー、スティックおよびロールオン式製品を含む、制汗/デオドラント、シェービング製品、スキンローション、保湿剤、化粧水、バス製品、洗浄剤製品、シャンプー、コンディショナー、一体化シャンプー/コンディショナー、ムース、スタイリングジェル、ヘアスプレー、毛髪染料、ヘアカラー製品、ヘアブリーチ、ウェーブ製品、ヘアストレートナー、マニキュア液、マニキュアの除光液、ネイルクリームおよびローション、甘皮柔軟剤、日焼止め、防虫剤、アンチエイジング製品、口紅、ファンデーション、フェイスパウダー、アイライナー、アイシャドー、ほお紅、化粧品、マスカラ、保湿製剤、ファンデーション、身体および手用製剤、スキンケア製剤、顔および首用製剤、トニック、整髪料、整髪補助剤、エアロゾル固定剤、香料製剤、アフターシェーブローション、化粧品製剤、ぼかし用途、夜用/昼用スキンケア製剤、カラーリングのないヘア製剤、日焼け製剤、合成または非合成固形せっけん、液体ハンドソープ、毛穴パック、パーソナルケア用の不織布の応用、ベビーローション、ベビーバスおよびシャンプー、ベビーコンディショナー、髭剃り用剤、きゅうりの薄切り、スキンパッド、化粧落とし、洗顔製品、コールドクリーム、日焼け止め製品、ムース、スプリッツ、ペーストパックおよび泥、フェイスマスク、コロンおよび化粧水、ヘアキューティクルコート、シャワージェル、洗顔料およびボディソープ、洗い流すパーソナルケア製品、ジェル、フォームバス、スクラブ洗顔剤、収斂剤、ネイルコンディショナー、アイシャドースティック、フェイスまたはアイパウダー、リップクリーム、リップグロス、ヘアケアポンプスプレーおよび他の非エアロゾルスプレー、縮毛調整ジェル、ヘアリーブインコンディショナー、ヘアポマード、髪の絡みをほぐす製品、ヘア固定剤、ヘアブリーチ製品、スキンローション、プレシェーブローションおよび電気シェーバープレローション、無水型クリームおよびローション、油/水、水/油、多重、およびマクロおよびマイクロエマルジョン、耐水性クリームおよびローション、抗にきび製剤、マウスウォッシュ、マッサージオイル、歯磨き粉、クリアジェルおよびスティック、軟膏基剤、局所創傷治療製品、エアロゾルタルク、バリアスプレー、ビタミンおよびアンチエイジング製剤、ハーブ抽出製剤、バスソルト、バスおよびボディミルク、ヘアスタイリング補助剤、髪、目、ツメ、および肌への柔らかい固体の塗布、放出制御パーソナルケア製品、ヘアコンディショニングミスト、スキンケア保湿ミスト、肌用拭き取りティッシュ(繊維)、毛穴用拭き取り繊維、毛穴洗浄剤、シミ消し、スキンエクスフォリエーター、皮膚の落屑の促進剤、肌用ウェットティッシュおよびクロス、脱毛製剤、パーソナルケア潤滑剤、ネイルカラー製剤、日焼け止め、化粧品、ヘアケア製品、スキンケア製品、歯磨き粉、皮膚に塗布する医薬組成物の局所適用のドラッグデリバリーシステム、および上記の用途の少なくとも一つを含有する組み合わせとしての用途がある。
【実施例】
【0047】
本発明の説明の目的で、以下の実施例を提供する。全ての実施例において、生成物および中間体の構造は、プロトンおよび29Si NMRによって確認した。
実施例1.スルホン酸官能化テトラメチルジシロキサン
【0048】
三つ口の500ミリリットルのフラスコに、18.16グラム(154.0ミリモル)のα−メチルスチレン、および27.2×10−5グラムの白金触媒を入れた。得られた混合物の温度を115℃にした後、ヒドロシリル化反応の完了まで、9.40グラム(70.0ミリモル)のl,l,3,3−テトラメチルジシロキサンを滴下し、連続攪拌した。H NMRにおける水素化ケイ素のピークの消失によってヒドロシリル化の完了が示された。得られた混合物を150℃で2時間油浴に入れることによるバキュームストリッピングで未反応のα−メチルスチレンを除き、23.2グラムのアラルキレン置換ジシロキサンを得た(収率:90%)。
このアラルキレン置換ジシロキサン(23.2グラム、62.4ミリモル)に、混合物を室温で攪拌しながら、29.6グラム(252.8ミリモル)のクロロスルホン酸を30分間かけて滴下した。得られた混合物を更に30分間連続攪拌した。反応の完了は、パラ置換芳香族プロトンピークの消失によって示される、芳香族環の総スルホン化を以って、H NMRによって特定された。反応混合物を低圧でバキュームストリッピングし、33.0グラムのスルホン化ジシロキサンを茶色の粘性油として得た。
H NMR:(ppm)0.02(s,12H),1.07(d,4H),1.31(d,6H),3.02(q,2H),7.36(d,4H),7.75(d,4H). 29Si NMR:(ppm)6.9.
実施例2.スルホン酸官能化テトラメチルテトラシクロシロキサン
三つ口の500ミリリットルのフラスコに、70.08グラム(60.0ミリモル)のα−メチルスチレン、および10.0×10−4グラムの白金触媒を入れた。得られた混合物の温度を115℃まで上げ、その後、30.0グラム(120.5ミリモル)の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンを滴下し、連続攪拌した。反応の進行をH NMRで監視した。12時間の反応後、水素化ケイ素の変換の完了がH NMRによって示された。その後、反応混合物を150℃で2時間バキュームストリッピングし、未反応のα−メチルスチレンを除き、80.5グラムのアラルキレン置換シクロテトラシロキサンを得た(収率:95%)。
14.24グラム(20.0ミリモル)の上記のアラルキレン置換シクロテトラシロキサンに、4.0ミリリットルのジクロロメタンに溶解した18.64グラム(160.0ミリモル)のクロロスルホン酸を、混合物を室温で攪拌しながら、30分間掛けて滴下した。得られた混合物を更に30分間攪拌した。反応の完了は、パラ置換芳香族プロトンピークの消失によって示される、芳香族環の総スルホン化を以って、H NMRによって示された。反応混合物を低圧でバキュームストリッピングし、20.6グラムのスルホン酸官能性シクロテトラシロキサンを茶色の粘性ゴムとして得た。
H NMR:(ppm)−0.08(s,12H),1.05(m,8H),1.32(m,12H),3.03(m,4H),7.36(d,8H),7.76(d,8H). 29Si NMR:(ppm)−23.0,−20.5.
実施例3.末端ヒドリド基を有するスルホン酸のナトリウム塩官能性ポリオルガノシロキサン
実施例2で得られたスルホン酸官能性シクロテトラシロキサン20.6グラム(20.0ミリモル)に、587.26グラム(1980.0ミリモル)のオクタメチルテトラシクロシロキサン、および3.54グラム(26.4ミリモル)のl,l,3,3−テトラメチルジシロキサンを添加し、室温で連続攪拌した。直鎖シロキサンの約87重量%の平衡に達した後、反応混合物を、26.9(320.0ミリモル)の湿らせた重炭酸ナトリウムを使用して70℃で中和した。反応混合物の低圧でのバキュームストリッピングにより、542.0グラム(85%)の生成物を粘性ゴムとして得た。生成物のNMR分析により、ポリマーは、末端基を有するスルホン酸のナトリウム塩官能性ポリジメチルシロキサンであることが示された。ポリマーは、HAAKEレオメーターで20℃にて測定した際、せん断速度10rad/sで47.5Pasの粘度を有した。
実施例4.末端エポキシエーテル基を有するスルホン酸のナトリウム塩官能性ポリオルガノシロキサン
実施例3で得られたヒドリド末端スルホン化ポリジメチルシロキサン118.4グラム(5.0ミリモル)に、100.0ミリリットルのトルエン、1.48グラム(13.0ミリモル)アリルグリシジルエーテル、および1.20×10−3グラムの白金触媒を添加し、100℃で12時間連続還流した。この時点で、水素化ケイ素結合とアリルグリシジルエーテル分子との反応の完了がH NMRによって示された。反応混合物の低圧でのバキュームストリッピングにより、119.5グラムの生成物を粘性ゴムとして得た。生成物のNMR分析により、ポリマーは、末端エポキシエーテル基を有するスルホン酸のナトリウム塩官能性ポリジメチルシロキサンであることが示された。ポリマーは、HAAKEレオメーターで20℃にて測定した際、せん断速度10rad/sで201.5Pasの粘度を有した。
実施例5.末端エポキシ基を有するスルホン酸のナトリウム塩官能性ポリオルガノシロキサン
実施例3で得られたヒドリド末端スルホン化ポリジメチルシロキサン11.8グラム(0.5ミリモル)に、20.0ミリリットルのトルエン、0.16グラム(1.3ミリモル)の1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキセン、および1.20×10−3グラムの白金触媒を添加し、100℃で12時間連続還流した。この時点で、水素化ケイ素結合とビニルシクロヘキシルエポキシド分子との反応の完了がH NMRによって示された。反応混合物の低圧でのバキュームストリッピングにより、11.9グラムの生成物を粘性ゴムとして得た。生成物のNMR分析により、ポリマーは、末端エポキシ基を有するスルホン酸のナトリウム塩官能性ポリジメチルシロキサンであることが示された。ポリマーは、HAAKEレオメーターで20℃にて測定した際、せん断速度10rad/sで70.0Pasの粘度を有した。
実施例6.ペンダントエポキシエーテル基を有するスルホン酸のナトリウム塩官能性ポリオルガノシロキサン
実施例1で得られたスルホン酸官能性ジシロキサン8.38グラム(15.8ミリモル)に、468.63グラム(1580.0ミリモル)のオクタメチルテトラシクロシロキサン、および3.72グラム(15.8ミリモル)の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンを添加し、室温で連続攪拌した。直鎖シロキサンの約87重量%の平衡に達した後、反応混合物を、10.6(126.0ミリモル)の湿らせた重炭酸ナトリウムを使用して70℃で中和した。反応混合物の低圧でのバキュームストリッピングにより、541.4グラムの生成物を粘性ゴムとして得た。生成物のNMR分析により、ポリマーは、ペンダントヒドリド基を有するスルホン酸のナトリウム塩官能性ポリジメチルシロキサンであることが示された。
上記生成物の29.6グラム(1.0ミリモル)に、50.0ミリリットルのトルエン、0.59グラム(5.2ミリモル)アリルグリシジルエーテル、および4.0×10−4グラムの白金触媒を添加し、100℃で12時間連続還流した。反応混合物の低圧でのバキュームストリッピングにより、29.9グラムの生成物を粘性ゴムとして得た。生成物のNMR分析により、ポリマーは、ペンダントエポキシエーテル基を有するスルホン酸のナトリウム塩官能性ポリジメチルシロキサンであることが示された。
実施例7.ペンダントヒドリドおよびエポキシエーテル基をするスルホン酸のナトリウム塩官能性ポリオルガノシロキサン
実施例1で得られたスルホン酸官能性ジシロキサン8.38グラム(15.8ミリモル)に、468.63グラム(1580.0ミリモル)のオクタメチルテトラシクロシロキサン、および3.72グラム(15.8ミリモル)の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンを添加し、室温で連続攪拌した。直鎖シロキサンの約87重量%の平衡に達した後、反応混合物を、10.6(126.0ミリモル)の湿らせた重炭酸ナトリウムを使用して70℃で中和した。反応混合物の低圧でのバキュームストリッピングにより、541.4グラムの生成物を粘性ゴムとして得た。生成物のNMR分析により、ポリマーは、ペンダントヒドリド基を有するスルホン酸のナトリウム塩官能性ポリジメチルシロキサンであることが示された。
上記生成物の29.6グラム(1.0ミリモル)に、50.0ミリリットルのトルエン、0.22グラム(2.0ミリモル)アリルグリシジルエーテル、および4.0×10−4グラムの白金触媒を添加し、100℃で12時間連続還流した。反応混合物の低圧でのバキュームストリッピングにより、29.8グラムの生成物を粘性ゴムとして得た。生成物のNMR分析により、ポリマーは、ペンダントヒドリドおよびエポキシエーテル基を有するスルホン酸のナトリウム塩官能性ポリジメチルシロキサンであることが示された。
実施例8.ペンダントアルコキシシラン基を有するスルホン酸のナトリウム塩官能性ポリオルガノシロキサン
実施例1で得られたスルホン酸官能性ジシロキサン8.38グラム(15.8ミリモル)に、468.63グラム(1580.0ミリモル)のオクタメチルテトラシクロシロキサン、および3.72グラム(15.8ミリモル)の1,3,5,7−テトラメチルシクロシロキサンを添加し、室温で連続攪拌した。直鎖シロキサンの約87重量%の平衡に達した後、反応混合物を、10.6(126.0ミリモル)の湿らせた重炭酸ナトリウムを使用して70℃で中和した。反応混合物の低圧でのバキュームストリッピングにより、541.4グラムの生成物を粘性ゴムとして得た。生成物のNMR分析により、ポリマーは、ペンダントヒドリド基を有するスルホン酸のナトリウム塩官能性ポリジメチルシロキサンであることが示された。
上記生成物の29.6グラム(1.0ミリモル)に、50.0ミリリットルのトルエン、0.85グラム(5.2ミリモル)アリルトリメトキシシラン、および4.0×10−4グラムの白金触媒を添加し、100℃で12時間連続還流した。反応混合物の低圧でのバキュームストリッピングにより、30.3グラムの生成物を粘性ゴムとして得た。生成物のNMR分析により、ポリマーは、ペンダントトリメトキシシラン基を有するスルホン酸のナトリウム塩官能性ポリジメチルシロキサンであることが示された。
実施例9.ペンダントヒドリドおよびアルコキシシラン基を有するスルホン酸のナトリウム塩官能性ポリオルガノシロキサン
実施例1で得られたスルホン酸官能性ジシロキサン8.38グラム(15.8ミリモル)に、468.63グラム(1580.0ミリモル)のオクタメチルテトラシクロシロキサン、および3.72グラム(15.8ミリモル)の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンを添加し、室温で連続攪拌した。直鎖シロキサンの約87重量%の平衡に達した後、反応混合物を、10.6(126.0ミリモル)の湿らせた重炭酸ナトリウムを使用して70℃で中和した。反応混合物の低圧でのバキュームストリッピングにより、541.4グラムの生成物を粘性ゴムとして得た。生成物のNMR分析により、ポリマーは、ペンダントヒドリド基を有するスルホン酸のナトリウム塩官能性ポリジメチルシロキサンであることが示された。
上記生成物の29.6グラム(1.0ミリモル)に、50.0ミリリットルのトルエン、0.32グラム(2.0ミリモル)アリルトリメトキシシラン、および4.0×10−4グラムの白金触媒を添加し、100℃で12時間連続還流した。反応混合物の低圧でのバキュームストリッピングにより、29.9グラムの生成物を粘性ゴムとして得た。生成物のNMR分析により、ポリマーは、ペンダントヒドリドおよびトリメトキシシラン基を有するスルホン酸のナトリウム塩官能性ポリジメチルシロキサンであることが示された。
実施例10.末端アルコキシシラン基を有するスルホン化官能性ポリオルガノシロキサンのナトリウム塩
実施例3で得られた、末端ヒドリド基を有するスルホン酸塩官能性ポリジメチルシロキサン59.2グラム(2.5ミリモル)に、50.0ミリリットルのトルエン、1.24グラム(6.5ミリモル)ビニルトリエトキシシラン、8.0×10−4グラムの白金触媒を添加し、12時間連続還流した。この時点で、水素化ケイ素結合とビニルエトキシシランとの反応の完了がNMRによって示された。反応混合物の低圧でのバキュームストリッピングにより、65.3グラムの生成物を粘性ゴムとして得た。生成物のNMR分析により、ポリマーは、末端トリエトキシシラン基を有するスルホン酸官能性ポリジメチルシロキサンのナトリウム塩であることが示された。
実施例11.末端ポリエーテル基を有するスルホン酸官能性ポリオルガノシロキサンのナトリウム塩
実施例6で得られたヒドリド末端スルホン化ポリジメチルシロキサン11.8グラム(0.5ミリモル)に、20.0ミリリットルのトルエン、0.32グラム(1.3ミリモル)アリルポリエーテル(PEG AM250)、および1.20×10−4グラムの白金触媒を添加し、100℃で12時間連続還流した。この時点で、水素化ケイ素結合とアリルポリエーテル分子との反応の完了がH NMRによって示された。反応混合物の低圧でのバキュームストリッピングにより、12.1グラムの生成物をワックス状固体として得た。生成物のNMR分析により、ポリマーは、末端ポリエーテル基を有するスルホン酸官能性ポリジメチルシロキサンのナトリウム塩であることが示された。ポリマーは、HAAKEレオメーターで20℃にて測定した際、せん断速度10rad/sで169.3Pasの粘度を有した。
実施例12.末端ビニル基を有するスルホン酸官能性ポリオルガノシロキサンのナトリウム塩
実施例2で得られたスルホン酸官能性シクロテトラシロキサン8.26グラム(8.0ミリモル)に、474.7グラム(1600.0ミリモル)オクタメチルテトラシクロシロキサン、および1.48グラム(8.0ミリモル)1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサンを添加し、室温で連続攪拌した。直鎖シロキサンの約87重量%の平衡に達した後、反応混合物を、10.8(128.0ミリモル)の湿らせた重炭酸ナトリウムを使用して70℃で中和した。反応混合物の低圧でのバキュームストリッピングにより、411.0グラムの生成物を粘性ゴムとして得た。生成物のNMR分析により、ポリマーは、末端ビニル基を有するスルホン酸官能性ポリジメチルシロキサンのナトリウム塩であることが示された。ポリマーは、HAAKEレオメーターで20℃にて測定した際、せん断速度10rad/sで5.4Pasの粘度を有した。
実施例13.末端アクリレート基を有するスルホン酸官能性ポリオルガノシロキサンのナトリウム塩
実施例5で得られたエポキシ末端スルホン化ポリジメチルシロキサン38.8グラム(1.5ミリモル)に、50.0ミリリットルのトルエン、4.2×10−3グラムのTi(OPr触媒、および3.93×10−5グラムの4−水酸化TEMPOを添加した。得られた混合物を115℃まで加熱した後、0.43グラムのアクリル酸を滴下した。得られた混合物を115℃で48時間連続攪拌した。反応混合物の低圧でのバキュームストリッピングにより、39.0グラムの生成物を粘性ゴムとして得た。生成物のNMR分析により、ポリマーは、末端アクリレート基を有するスルホン酸官能性ポリジメチルシロキサンのナトリウム塩であることが示された。ポリマーは、HAAKEレオメーターで20℃にて測定した際、せん断速度10rad/sで156.9Pasの粘度を有した。
実施例14.ペンダントヒドリドおよびポリエーテル基を有するスルホン酸官能性ポリオルガノシロキサンのナトリウム塩
実施例1で得られたスルホン酸官能性ジシロキサン8.38グラム(15.8ミリモル)に、468.63グラム(1580.0ミリモル)のオクタメチルテトラシクロシロキサン、および3.72グラム(15.8ミリモル)の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンを添加し、室温で連続攪拌した。直鎖シロキサンの約87重量%の平衡に達した後、反応混合物を、10.6(126.0ミリモル)の湿らせた重炭酸ナトリウムを使用して70℃で中和した。反応混合物の低圧でのバキュームストリッピングにより、541.4グラムの生成物を粘性ゴムとして得た。生成物のNMR分析により、ポリマーは、ペンダントヒドリド基を有するスルホン酸官能性ポリジメチルシロキサンのナトリウム塩であることが示された。
上記生成物の14.8グラム(0.5ミリモル)に、20.0ミリリットルのトルエン、0.45グラム(1.0ミリモル)アリルポリエーテル(PEG AM450)、および1.20×10−4グラムの白金触媒を添加し、100℃で12時間連続還流した。反応混合物の低圧でのバキュームストリッピングにより、15.1グラムの生成物をワックス状固体として得た。生成物のNMR分析により、ポリマーは、ペンダントヒドリドおよびポリエーテル基を有するスルホン酸官能性ポリジメチルシロキサンのナトリウム塩であることが示された。
実施例15.ペンダントポリエーテルおよびエポキシ基を有するスルホン酸官能性ポリオルガノシロキサンのナトリウム塩
実施例1で得られたスルホン酸官能性ジシロキサン8.38グラム(15.8ミリモル)に、468.63グラム(1580.0ミリモル)のオクタメチルテトラシクロシロキサン、および3.72グラム(15.8ミリモル)の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンを添加し、室温で連続攪拌した。直鎖シロキサンの約87重量%の平衡に達した後、反応混合物を、10.6(126.0ミリモル)の湿らせた重炭酸ナトリウムを使用して70℃で中和した。反応混合物の低圧でのバキュームストリッピングにより、541.4グラムの生成物を粘性ゴムとして得た。生成物のNMR分析により、ポリマーは、ペンダントヒドリド基を有するスルホン酸官能性ポリジメチルシロキサンのナトリウム塩であることが示された。
上記生成物の14.8グラム(0.5ミリモル)に、20.0ミリリットルのトルエン、0.45グラム(1.0ミリモル)アリルポリエーテル(PEG AM450)、および1.20×10−4グラムの白金触媒を添加し、100℃で12時間連続還流した。反応混合物の低圧でのバキュームストリッピングにより、15.2グラムの生成物をワックス状固体として得た。生成物のNMR分析により、ポリマーは、ペンダントヒドリドおよびポリエーテル基を有するスルホン酸官能性ポリジメチルシロキサンのナトリウム塩であることが示された。
上記生成物の15.2グラム(0.5ミリモル)に、20.0ミリリットルのトルエン、0.12グラム(1.0ミリモル)の1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキセン、および1.20×10−4グラムの白金触媒を添加し、100℃で12時間連続還流した。反応混合物の低圧でのバキュームストリッピングにより、15.3グラムの生成物をワックス状固体として得た。生成物のNMR分析により、ポリマーは、ペンダントポリエーテルおよびエポキシ基を有するスルホン酸官能性ポリジメチルシロキサンのナトリウム塩であることが示された。
実施例16.ペンダントヒドリドおよびエポキシ基を有するスルホン酸官能性ポリオルガノシロキサンのナトリウム塩
実施例1で得られたスルホン酸官能性ジシロキサン8.38グラム(15.8ミリモル)に、468.63グラム(1580.0ミリモル)のオクタメチルテトラシクロシロキサン、および3.72グラム(15.8ミリモル)の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンを添加し、室温で連続攪拌した。直鎖シロキサンの約87重量%の平衡に達した後、反応混合物を、10.6(126.0ミリモル)の湿らせた重炭酸ナトリウムを使用して70℃で中和した。反応混合物の低圧でのバキュームストリッピングにより、541.4グラムの生成物を粘性ゴムとして得た。生成物のNMR分析により、ポリマーは、ペンダントヒドリド基を有するスルホン酸官能性ポリジメチルシロキサンのナトリウム塩であることが示された。
上記生成物の14.8グラム(0.5ミリモル)に、20.0ミリリットルのトルエン、0.12グラム(1.0ミリモル)の1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキセン、および1.20×10−4グラムの白金触媒を添加し、100℃で12時間連続還流した。反応混合物の低圧でのバキュームストリッピングにより、14.9グラムの生成物をワックス状固体として得た。生成物のNMR分析により、ポリマーは、ペンダントヒドリドおよびエポキシ基を有するスルホン酸官能性ポリジメチルシロキサンのナトリウム塩であることが示された。
実施例17.末端ビニル基を有するカルボン酸官能性ポリオルガノシロキサンのナトリウム塩
三つ口の500ミリリットルの丸底フラスコに、55.5グラム(0.99M)の水酸化カリウム、および200ミリリットルの水を入れた。溶液を60℃まで加熱し、そして攪拌しながら、49.26グラム(0.3M)のオイゲノールを添加し、そして温度を100℃まで上げた。上記の溶液に、50ミリリットルの水に溶解した45.3グラム(0.48M)のクロロ酢酸を1時間掛けて添加した。溶液を100〜105℃で3時間、更に攪拌した。この時点で、反応混合物のpHは、80℃の温度で希塩酸(約5M)の添加によっておよそ2.0にされた。反応混合物を更に10℃まで冷却し、カルボン酸官能性オイゲノールを白色析出物として得た。該析出物を回収し、洗浄し、そしてNMRにより特徴づけた。
三つ口の500ミリリットルの丸底フラスコに、8.88グラム(0.04M)の上記生成物、17グラム(0.1M)のヨードプロパン、100ミリリットルのトルエン、および14.8グラム(0.08M)のトリブチルアミンを入れた。溶液を90〜95℃まで加熱し、そしてこの温度で6時間攪拌した。形成した固体を反応混合物から濾別した。濾液を回収し、そして希塩酸(1N)で十分に洗浄した後、脱イオン化水で洗浄した。溶液の低圧でのバキュームストリッピングにより、カルボン酸官能性オイゲノールのエステル誘導体を得た。
三つ口の500ミリリットルの丸底フラスコに、11.0グラム(0.041M)の上記生成物、および0.001グラムの白金触媒を入れ、溶液を90℃に加熱した。2.4グラム(0.01M)のテトラメチルシクロテトラシロキサンを10分間で滴下し、そして溶液を16時間連続攪拌し、カルボン酸エステル官能化テトラメチルシクロテトラシロキサンを得た。
三つ口の500ミリリットルの丸底フラスコに、6.5グラム(0.005M)の上記生成物、および25ミリリットルのエタノールを入れ、連続攪拌した。この溶液に、5ミリリットルの水に溶解した0.8グラム(0.02M)の水酸化ナトリウムを添加し、そして溶液を80〜85℃まで加熱し、そしてこの温度で3時間連続攪拌した。6N塩酸により、溶液を酸性にした後、100ミリリットルの水に注いだ。その後、生成物を100ミリリットルの酢酸エチルで抽出し、水で洗浄し、そして低圧でバキュームストリッピングし、カルボン酸官能性テトラメチルシクロテトラシロキサンを得た(収率:80%)。
三つ口の500ミリリットルの丸底フラスコに、1.4グラム(0.00125M)の上記生成物、74グラム(0.25M)のオクタメチルシクロテトラシロキサン、0.46グラム(0.0025M)の1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、および1.0グラムの硫酸を入れた。溶液を60℃まで加熱し、そして60〜65℃で16時間攪拌した。50℃まで冷却し、そして200ミリリットルのヘキサン、および10グラムの湿らせた重炭酸ナトリウムを添加した。得られたスラリーを6時間、50〜55℃で攪拌した。溶液を濾過し、ヘキサンで洗浄し、そして濾液を低圧でバキュームストリッピングし、末端ビニル基を有するカルボン酸塩官能性ポリジメチルシロキサンを得た。
実施例18.ペンダントビニル基を有するスルホン酸官能性ポリオルガノシロキサンのナトリウム塩
実施例1で得られたスルホン酸官能性ジシロキサン4.17グラム(7.9ミリモル)に、234.3グラム(790.0ミリモル)のオクタメチルテトラシクロシロキサン、および5.4グラム(15.8ミリモル)の1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7テトラビニルシクロテトラシロキサンを添加し、室温で連続攪拌した。約87重量%の平衡に達した後、反応混合物を、5.3(63.0ミリモル)の湿らせた重炭酸ナトリウムを使用して70℃で中和した。反応混合物の低圧でのバキュームストリッピングにより、215.0グラムの生成物を粘性ゴムとして得た。生成物のNMR分析により、ポリマーは、ペンダントビニル基を有するスルホン酸官能性ポリジメチルシロキサンのナトリウム塩であることが示された。ポリマーは、HAAKEレオメーターで20℃にて測定した際、せん断速度10rad/sで19.3Pasの粘度を有した。
実施例19.末端ヒドリド基を有するカルボン酸官能性ポリオルガノシロキサンのナトリウム塩
三つ口の500ミリリットルの丸底フラスコに、55.5グラム(0.99M)の水酸化カリウム、および200ミリリットルの水を入れた。溶液を60℃まで加熱し、そして攪拌しながら、49.26グラム(0.3M)のオイゲノールを添加し、そして温度を100℃まで上げた。上記の溶液に、50ミリリットルの水に溶解した45.3グラム(0.48M)のクロロ酢酸を1時間掛けて添加した。溶液を100〜105℃で3時間、更に攪拌した。この時点で、反応混合物のpHは、80℃の温度で希塩酸(約5M)の添加によっておよそ2.0にされた。反応混合物を更に10℃まで冷却し、カルボン酸官能性オイゲノールを白色析出物として得た。該析出物を回収し、洗浄し、そしてNMRにより特徴づけた。
H NMR:(ppm)3.25(d,2H)、3.63(s,3H)、4.25(s,2H)、5.15(d,2H)、5.90(m,1H)、6.45−6.70(m,3H)
三つ口の500ミリリットルの丸底フラスコに、8.88グラム(0.04M)の上記生成物、17グラム(0.1M)のヨードプロパン、100ミリリットルのトルエン、および14.8グラム(0.08M)のトリブチルアミンを入れた。溶液を90〜95℃まで加熱し、そしてこの温度で6時間攪拌した。形成した固体を反応混合物から濾別した。濾液を回収し、そして希塩酸(1N)で十分に洗浄した後、脱イオン化水で洗浄した。溶液の低圧でのバキュームストリッピングにより、カルボン酸官能性オイゲノールのエステル誘導体を得た。
H NMR:(ppm)0.92(m,3H)、1.70(m,2H)、3.38(m,2H)、3.90(s,3H)、4.19(s,2H)、4.70(s,2H)、5.10(d,2H)、5.95(m,1H)、6.65−6.85(m,3H)
三つ口の500ミリリットルの丸底フラスコに、11.0グラム(0.041M)の上記生成物、および0.001グラム(50ppm)の白金触媒を入れ、溶液を90℃に加熱した。2.4グラム(0.01M)のテトラメチルシクロテトラシロキサンを10分間で滴下し、そして溶液を16時間連続攪拌し、カルボン酸エステル官能化テトラメチルシクロテトラシロキサンを得た。
H NMR:(ppm)0.05(m,12H)、0.59(m,8H)、0.95(m,12H)、1.65(m,16H)、2.59(m,8H)、3.85(m,12H)、4.15(m,8H)、4.65(s,8H)、6.60−6.85(m,12H)
三つ口の500ミリリットルの丸底フラスコに、6.5グラム(0.005M)の上記生成物、および25ミリリットルのエタノールを入れ、連続攪拌した。この溶液に、5ミリリットルの水に溶解した0.8グラム(0.02M)の水酸化ナトリウムを添加し、そして溶液を80〜85℃まで加熱し、そしてこの温度で3時間連続攪拌した。6N HClにより、溶液を酸性にした後、100ミリリットルの水に注いだ。その後、生成物を100ミリリットルの酢酸エチルで抽出し、水で洗浄し、そして低圧でバキュームストリッピングし、カルボン酸官能性テトラメチルシクロテトラシロキサンを得た(収率:80%)。
H NMR:(ppm)0.05(m,12H)、0.59(m、8H)、1.30(m、8H)、2.55(m、8H)、3.83(s、12H)、4.65(s、8H)、6.60−6.85(m、12H)
三つ口の500ミリリットルの丸底フラスコに、1.4グラム(0.00125M)の上記生成物、74グラム(0.25M)のオクタメチルシクロテトラシロキサン、0.33グラム(0.0025M)の1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、および1.0グラムの硫酸を入れた。溶液を60℃まで加熱し、そして60〜65℃で16時間攪拌した。50℃まで冷却し、そして200ミリリットルのヘキサン、および10グラムの湿らせた重炭酸ナトリウムを添加した。得られたスラリーを6時間、50〜55℃で攪拌した。溶液を濾過し、ヘキサンで洗浄し、そして濾液を低圧でバキュームストリッピングし、末端ヒドリド基を有するカルボン酸塩官能性ポリジメチルシロキサンを得た。ポリマーは、HAAKEレオメーターで20℃にて測定した際、せん断速度10rad/sで19.7Pasの粘度を有した。
実施例20.末端トリエトキシシリル基を有するカルボン酸官能性ポリオルガノシロキサンのナトリウム塩
三つ口の500ミリリットルの丸底フラスコに、6グラム(0.196mM)の生成物(実施例19由来の)、0.3グラム(1.576mM)のビニルトリエトキシシラン、および0.001グラムの塩化白金酸を入れた。溶液を80℃まで加熱し、そしてこの80〜90℃で16時間攪拌し、末端トリエトキシシリル基を有するカルボン酸塩官能性ポリジメチルシロキサンを得た。ポリマーは、HAAKEレオメーターで20℃にて測定した際、せん断速度10rad/sで27.3Pasの粘度を有した。
実施例21.末端ポリエーテル基を有するカルボン酸官能性ポリオルガノシロキサンのナトリウム塩
三つ口の500ミリリットルの丸底フラスコに、6グラム(0.196mM)の生成物(実施例19由来の)、0.2グラム(0.5mM)のアリル末端ポリエーテル(Clariant製、AM450 PEG)、および0.001グラムの塩化白金酸を入れた。溶液を80℃まで加熱し、そしてこの80〜90℃で16時間攪拌し、末端ポリエーテル基を有するカルボン酸塩官能性ポリジメチルシロキサンを得た。ポリマーは、HAAKEレオメーターで20℃にて測定した際、せん断速度10rad/sで21.7Pasの粘度を有した。
実施例22.末端ビニル基を有するリン酸塩官能性ポリオルガノシロキサン
三つ口の500ミリリットルの丸底フラスコに、24.0グラム(0.1M)の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、68.0グラム(0.41M)のオイゲノール、および0.001グラムの白金触媒を入れた。溶液を60℃まで加熱し、そして6時間攪拌した。溶液を90から100℃でもう6時間更に攪拌し、オイゲノール官能化シクロテトラシロキサン誘導体を得た。
三つ口の500ミリリットルの丸底フラスコに、17.9グラム(0.02M)の上記生成物、および100ミリリットルの水に溶解した4.5グラム(0.08M)の水酸化カリウムを入れた。溶液を90〜95℃まで加熱し、そして溶解するまでこの温度でおよそ2時間攪拌した。溶液を水の除去が完了するまで減圧濃縮した。150ミリリットルのトルエンを添加し、そして微量の水を除くため、50ミリリットルのトルエンを蒸留した。15.5グラム(0.08M)のクロロリン酸ジエチルを15分間で滴下する間、溶液を80℃に維持した。溶液を80〜90℃で6時間攪拌した。形成した固体を反応混合物から濾別した。濾液を2%の重炭酸ナトリウムで、次いで水で洗浄した。溶液の低圧でのバキュームストリッピングにより、テトラメチルシクロテトラシロキサンのリン酸エステル誘導体を得た。
三つ口の250ミリリットルの丸底フラスコに、14グラム(0.01M)の上記生成物、および50ミリリットルの6M HClを入れた。溶液を90℃に加熱し、6時間攪拌した。溶液を室温まで冷却し、そして粘着性状の生成物から水を除いた。生成物を水で洗浄し、酢酸エチルに溶解し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を低圧でバキュームストリッピングし、テトラメチルシクロテトラシロキサンのリン酸誘導体(70%エステルおよび30%酸の混合物)を得た。
三つ口の500ミリリットルの丸底フラスコに、1.6グラム(0.00125M)の上記生成物、74グラム(0.25M)のオクタメチルシクロテトラシロキサン、0.4グラム(0.0025M)の1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、および1.0グラムの硫酸を入れた。溶液を60℃まで加熱し、そして60〜65℃で16時間攪拌した。50℃まで冷却し、そして200ミリリットルのヘキサン、および10グラムの湿らせた重炭酸ナトリウムを添加した。得られたスラリーを6時間、50〜55℃で攪拌した。溶液を濾過し、ヘキサンで洗浄し、そして濾液を低圧でバキュームストリッピングし、末端ビニル基を有するリン酸塩官能性ポリジメチルシロキサンを得た。ポリマーは、HAAKEレオメーターで20℃にて測定した際、せん断速度10rad/sで27.1Pasの粘度を有した。
実施例23.末端ヒドリド基を有するリン酸塩官能性ポリオルガノシロキサン
三つ口の500ミリリットルの丸底フラスコに、24.0グラム(0.1M)の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、68.0グラム(0.41M)のオイゲノール、および0.001グラムの白金触媒を入れた。溶液を60℃まで加熱し、そして6時間攪拌した。溶液を90から100℃でもう6時間更に攪拌し、オイゲノール官能化シクロテトラシロキサン誘導体を得た。
三つ口の500ミリリットルの丸底フラスコに、17.9グラム(0.02M)の上記生成物、および100ミリリットルの水に溶解した4.5グラム(0.08M)の水酸化カリウムを入れた。溶液を90〜95℃まで加熱し、そして溶解するまでこの温度でおよそ2時間攪拌した。溶液を水の除去が完了するまで減圧濃縮した。150ミリリットルのトルエンを添加し、そして微量の水を除くため、50ミリリットルのトルエンを蒸留した。15.5グラム(0.08M)のクロロリン酸ジエチルを15分間で滴下する間、溶液を80℃に維持した。溶液を80〜90℃で6時間攪拌した。形成した固体を反応混合物から濾別した。濾液を2%の重炭酸ナトリウムで、次いで水で洗浄した。溶液の低圧でのバキュームストリッピングにより、テトラメチルシクロテトラシロキサンのリン酸エステル誘導体を得た。
三つ口の250ミリリットルの丸底フラスコに、14グラム(0.01M)の上記生成物、および50ミリリットルの6M HClを入れた。溶液を90℃に加熱し、6時間攪拌した。溶液を室温まで冷却し、そして粘着性状の生成物から水を除いた。生成物を水で洗浄し、酢酸エチルに溶解し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を低圧でバキュームストリッピングし、テトラメチルシクロテトラシロキサンのリン酸誘導体(70%エステルおよび30%酸の混合物)を得た。
三つ口の500ミリリットルの丸底フラスコに、1.6グラム(0.00125M)の上記生成物、74グラム(0.25M)のオクタメチルシクロテトラシロキサン、0.33グラム(0.0025M)の1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、および1.0グラムの硫酸を入れた。溶液を60℃まで加熱し、そして60〜65℃で16時間攪拌した。50℃まで冷却し、そして200ミリリットルのヘキサン、および10グラムの湿らせた重炭酸ナトリウムを添加した。得られたスラリーを6時間、50〜55℃で攪拌した。溶液を濾過し、ヘキサンで洗浄し、そして濾液を低圧でバキュームストリッピングし、末端ヒドリド基を有するリン酸塩官能性ポリジメチルシロキサンを得た。ポリマーは、HAAKEレオメーターで20℃にて測定した際、せん断速度10rad/sで37.6Pasの粘度を有した。
実施例24.末端トリエトキシシリル基を有するリン酸塩官能性ポリオルガノシロキサン
三つ口の500mlの丸底フラスコに、6グラム(0.2mM)の生成物(実施例23由来の)、0.075グラム(0.4mM)ビニルトリエトキシシラン、および0.001グラムの塩化白金酸を入れた。溶液を80℃まで加熱し、そして80〜90℃で16時間攪拌し、末端トリエトキシシリル基を有するリン酸塩官能性ポリジメチルシロキサンを得た。
実施例25.末端ポリエーテル基を有するリン酸塩官能性ポリオルガノシロキサン
三つ口の500mlの丸底フラスコに、6グラム(0.2mM)の生成物(実施例23由来の)、0.18グラム(0.4mM)アリル末端ポリエーテル(Clariant製、AM450 PEG)、および0.001グラムの塩化白金酸を入れた。溶液を80℃まで加熱し、そして80〜90℃で16時間攪拌し、末端ポリエーテル基を有するリン酸塩官能性ポリジメチルシロキサンを得た。ポリマーは、HAAKEレオメーターで20℃にて測定した際、せん断速度10rad/sで21.7Pasの粘度を有した。
実施例26.末端ビニル基を有するスルホン酸官能性ポリオルガノシロキサン
実施例2で得られたスルホン酸官能性シクロテトラシロキサン8.26グラム(8.0ミリモル)に、474.5グラム(1600.0ミリモル)のオクタメチルテトラシクロシロキサン、および1.48グラム(8.0ミリモル)の1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサンを添加し、室温で連続攪拌した。6時間後、直鎖シロキサンの約87重量%が平衡に達し、末端ビニル基を有するスルホン酸官能性ポリジメチルシロキサンが得られた。ポリマーは、HAAKEレオメーターで20℃にて測定した際、せん断速度10rad/sで29.7Pasの粘度を有した。
実施例27.末端ビニル基を有するスルホン酸官能性ポリオルガノシロキサンの銀塩
実施例24で得られたスルホン酸官能性ポリジメチルシロキサン10.00グラム(0.3ミリモル)に、0.28グラム(1.2ミリモル)の湿らせた酸化銀を添加し、そして70℃で6時間連続攪拌し、末端ビニル基を有するスルホン酸官能性ポリオルガノシロキサンの銀塩を粘性ゴムとして得た。ポリマーは、HAAKEレオメーターで20℃にて測定した際、せん断速度10rad/sで55.8Pasの粘度を有した。
実施例28.末端ビニル基を有するスルホン酸官能性ポリオルガノシロキサンのマグネシウム塩
実施例24で得られたスルホン酸官能性ポリジメチルシロキサン10.00グラム(0.3ミリモル)に、0.03グラム(0.6ミリモル)の湿らせた酸化マグネシウムを添加し、そして70℃で6時間連続攪拌し、末端ビニル基を有するスルホン酸官能性ポリジメチルシロキサンのマグネシウム塩を粘性ゴムとして得た。ポリマーは、HAAKEレオメーターで20℃にて測定した際、せん断速度10rad/sで508.6Pasの粘度を有した。
実施例29.末端ビニル基を有するスルホン酸官能性ポリオルガノシロキサンのリチウム塩
実施例24で得られたスルホン酸官能性ポリジメチルシロキサン10.00グラム(0.3ミリモル)に、0.03グラム(1.2ミリモル)の湿らせた水酸化リチウムを添加し、そして70℃で6時間連続攪拌し、末端ビニル基を有するスルホン酸官能性ポリジメチルシロキサンのリチウム塩を粘性ゴムとして得た。ポリマーは、HAAKEレオメーターで20℃にて測定した際、せん断速度10rad/sで10.6Pasの粘度を有した。
実施例30.末端ビニル基を有するスルホン酸官能性ポリオルガノシロキサンのトリエチルアンモニウム塩
実施例で得られたスルホン酸官能性ポリジメチルシロキサン10.00グラム(0.3ミリモル)に、0.12グラム(1.2ミリモル)トリエチルアミンを添加し、そして室温で6時間連続攪拌し、末端ビニル基を有するスルホン酸官能性ポリジメチルシロキサンのトリエチルアンモニウム塩を粘性ゴムとして得た。ポリマーは、HAAKEレオメーターで20℃にて測定した際、せん断速度10rad/sで5.6Pasの粘度を有した。