(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6189383
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】多地点PUCCHアタッチメント
(51)【国際特許分類】
H04W 24/10 20090101AFI20170821BHJP
【FI】
H04W24/10
【請求項の数】20
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2015-172706(P2015-172706)
(22)【出願日】2015年9月2日
(62)【分割の表示】特願2014-527305(P2014-527305)の分割
【原出願日】2012年8月23日
(65)【公開番号】特開2016-7063(P2016-7063A)
(43)【公開日】2016年1月14日
【審査請求日】2015年10月1日
(31)【優先権主張番号】61/527,551
(32)【優先日】2011年8月25日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/592,194
(32)【優先日】2012年8月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100194814
【弁理士】
【氏名又は名称】奥村 元宏
(72)【発明者】
【氏名】アラン・バルビエリ
(72)【発明者】
【氏名】ティンファン・ジ
(72)【発明者】
【氏名】ハオ・シュ
(72)【発明者】
【氏名】ワンシ・チェン
【審査官】
深津 始
(56)【参考文献】
【文献】
特表2014−524717(JP,A)
【文献】
特開2012−235352(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/126025(WO,A1)
【文献】
特表2011−522470(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 −H04B 7/26
H04W 4/00 −H04W 99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス通信の方法であって、
ユーザ機器(UE)が、第2の基地局からのダウンリンク信号に干渉している第1の基地局を識別することと、
前記UEが前記第2の基地局から、前記第1の基地局に第1のチャネル状態情報(CSI)報告を送信するための前記第1の基地局の第1のパラメータと、前記第2の基地局に第2のCSI報告を送信するための前記第2の基地局の第2のパラメータと、を示す信号を受信することと、ここにおいて、前記第1の基地局の前記第1のパラメータは、前記第2の基地局の前記第2のパラメータとは異なる、
前記UEが、前記第1の基地局の前記第1のパラメータに少なくとも部分的に基づいて前記第1の基地局に前記第1のCSI報告を送信することと、ここにおいて、前記第1のCSI報告は、前記第1の基地局からの干渉を識別することに応答して周期的に送信される、
前記UEが、前記第2の基地局の前記第2のパラメータに少なくとも部分的に基づいて前記第2の基地局に前記第2のCSI報告を送信することと
を備える、方法。
【請求項2】
前記第1の基地局の前記第1のパラメータは、周期性報告要求、非周期的報告要求、オフセットパラメータ、タイミングアドバンスコマンド、または電力制御コマンドのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基地局の前記第1のパラメータは、バックホールを介して前記第2の基地局に提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のCSI報告は、前記第1の基地局に関連する情報を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のCSI報告は、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)上で周期的に送信される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のCSI報告は、前記第1の基地局によってトリガされかつ前記第2の基地局からオーバーエアで受信された信号に応答して、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)上で非周期的に送信される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ワイヤレス通信の方法であって、
第1の基地局において、ユーザ機器(UE)から前記第1の基地局に第1のチャネル状態情報(CSI)報告を送信するための第1の報告パラメータを決定することと、ここにおいて、前記第1の報告パラメータは、前記UEにサービスする第2の基地局に第2のチャネル状態情報(CSI)報告を送信するために使用される第2の報告パラメータとは異なり、前記第1の報告パラメータは、前記第2の基地局を介して前記UEに通信される、
前記第1の基地局において、前記第1の報告パラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記第1の基地局によってサービスされていない前記UEからオーバーエアで前記第1のCSI報告を受信することと、
を備える方法。
【請求項8】
前記第1の報告パラメータは、周期性、非周期的報告要求、オフセットパラメータ、タイミングアドバンスコマンド、電力制御コマンド、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のCSI報告は、前記第2の基地局によって受信されない、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の基地局において、前記第2の基地局を対象とする前記第2のCSI報告をインターセプトすることをさらに備える、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
ワイヤレス通信のための装置であって、
ユーザ機器(UE)のプロセッサにおいて、第2の基地局からのダウンリンク信号に干渉している第1の基地局を識別するための手段と、
前記UEにおいて前記第2の基地局から、前記第1の基地局に第1のチャネル状態情報(CSI)報告を送信するための第1のパラメータと、前記第2の基地局に第2のCSI報告を送信するための第2のパラメータと、を示す信号を受信するための手段と、ここにおいて、前記第1の基地局の前記第1のパラメータは、前記第2の基地局の前記第2のパラメータとは異なる、
前記UEによって、前記第1の基地局の前記第1のパラメータに少なくとも部分的に基づいて前記第1の基地局に前記第1のCSI報告を送信するための手段と、ここにおいて、前記第1のCSI報告は、前記第1の基地局からの干渉を識別することに応答して周期的に送信される、
前記UEによって、前記第2の基地局の前記第2のパラメータに少なくとも部分的に基づいて前記第2の基地局に前記第2のCSI報告を送信するための手段と
を備える、装置。
【請求項12】
ワイヤレス通信のための装置であって、
第1の基地局のプロセッサにおいて、ユーザ機器(UE)から前記第1の基地局に第1のチャネル状態情報(CSI)報告を送信するための第1の報告パラメータを決定するための手段と、ここにおいて、前記第1の報告パラメータは、前記UEにサービスする第2の基地局に第2のチャネル状態情報(CSI)報告を送信するために使用される第2の報告パラメータとは異なり、前記第1の報告パラメータは、前記第2の基地局を介して前記UEに通信される、
前記第1の基地局において、前記第1の報告パラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記第1の基地局によってサービスされていない前記UEからオーバーエアで前記第1のCSI報告を受信するための手段と、
を備える装置。
【請求項13】
プログラムコードを備えるワイヤレス通信のためのコンピュータプログラムであって、前記プログラムコードが、
ユーザ機器(UE)において、第2の基地局からのダウンリンク信号に干渉している第1の基地局を識別するためのプログラムコードと、
前記UEにおいて前記第2の基地局から、前記第1の基地局に第1のチャネル状態情報(CSI)報告を送信するための第1のパラメータと、前記第2の基地局に第2のCSI報告を送信するための第2のパラメータと、を示す信号を受信するためのプログラムコードと、ここにおいて、前記第1のパラメータは、前記UEにサービスする第2の基地局に第2のチャネル状態情報(CSI)報告を送信するために使用される前記第2のパラメータとは異なる、
前記UEにおいて、前記第1の基地局の前記第1のパラメータに少なくとも部分的に基づいて前記第1の基地局に前記第1のCSI報告を送信するためのプログラムコードと、ここにおいて、前記第1のCSI報告は、前記第1の基地局からの干渉を識別することに応答して周期的に送信される、
前記UEにおいて、前記第2の基地局の前記第2のパラメータに少なくとも部分的に基づいて前記第2の基地局に前記第2のCSI報告を送信するためのプログラムコードと
を含む、コンピュータプログラム。
【請求項14】
プログラムコードを備えるワイヤレス通信のためのコンピュータプログラムであって、前記プログラムコードが、
第1の基地局において、ユーザ機器(UE)から前記第1の基地局に第1のチャネル状態情報(CSI)報告を送信するための第1の報告パラメータを決定するためのプログラムコードと、ここにおいて、前記第1の報告パラメータは、前記UEにサービスする第2の基地局に第2のチャネル状態情報(CSI)報告を送信するために使用される第2の報告パラメータとは異なり、前記第1の報告パラメータは、前記第2の基地局を介して前記UEに通信される、
前記第1の基地局において、前記第1の報告パラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記第1の基地局によってサービスされていない前記UEからオーバーエアで前記第1のCSI報告を受信するためのプログラムコードと、
を含む、コンピュータプログラム。
【請求項15】
ワイヤレス通信のためのユーザ機器(UE)であって、
メモリと、
前記メモリに結合された少なくとも1つのプロセッサとを備えており、前記少なくとも1つのプロセッサは、
第2の基地局からのダウンリンク信号に干渉している第1の基地局を識別することと、
前記第2の基地局から、前記第1の基地局に第1のチャネル状態情報(CSI)報告を送信するための第1のパラメータと、前記第2の基地局に第2のCSI報告を送信するための第2のパラメータと、を示す信号を受信することと、ここにおいて、前記第1の基地局の前記第1のパラメータは、前記第2の基地局の前記第2のパラメータとは異なる、
前記第1の基地局の前記第1のパラメータに少なくとも部分的に基づいて前記第1の基地局に前記第1のCSI報告を送信することと、ここにおいて、前記第1のCSI報告は、前記第1の基地局からの干渉を識別することに応答して周期的に送信される、
前記第2の基地局の前記第2のパラメータに少なくとも部分的に基づいて前記第2の基地局に前記第2のCSI報告を送信することと
を行うように構成されている、ユーザ機器(UE)。
【請求項16】
前記送信することは、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)上で周期的に行われる、請求項15に記載のUE。
【請求項17】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第1の基地局によってトリガされかつ前記第2の基地局からオーバーエアで受信された物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)上で前記第1のCSI報告を非周期的に送信するようにさらに構成される、請求項15に記載のUE。
【請求項18】
ワイヤレス通信のための第1の基地局であって、
メモリと、
前記メモリに結合された少なくとも1つのプロセッサとを備えており、前記少なくとも1つのプロセッサは、
ユーザ機器(UE)から前記第1の基地局に第1のチャネル状態情報(CSI)報告を送信するための第1の報告パラメータを決定することと、ここにおいて、前記第1の報告パラメータは、前記UEにサービスする第2の基地局に第2のチャネル状態情報(CSI)報告を送信するために使用される第2の報告パラメータとは異なり、前記第1の報告パラメータは、前記第2の基地局を介して前記UEに通信される、
前記第1の基地局において、前記第1の報告パラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記第1の基地局によってサービスされていない前記UEからオーバーエアで前記第1のCSI報告を受信することと
を行うように構成されている、第1の基地局。
【請求項19】
前記第1のCSI報告は、前記第2の基地局によって受信されない、請求項18に記載の第1の基地局。
【請求項20】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第2の基地局を対象とする前記第2のCSI報告をインターセプトするようにさらに構成される、請求項18に記載の第1の基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その開示全体が参照により本明細書に明確に組み込まれる、2011年8月25日に出願された「MULTI-POINT PUCCH ATTACHMENT」と題する米国仮特許出願第61/527,551号の米国特許法第119条(e)項に基づく利益を主張する。
【0002】
本開示の態様は、一般にワイヤレス通信システムに関し、より詳細には、PUCCHを介して多地点アタッチメントを送信することに関する。
【背景技術】
【0003】
ワイヤレス通信システムは、電話、ビデオ、データ、メッセージング、およびブロードキャストなどの様々な電気通信サービスを提供するために広く展開されている。典型的なワイヤレス通信システムは、利用可能なシステムリソース(たとえば、帯域幅、送信電力)を共有することによって複数のユーザとの通信をサポートすることが可能な多元接続技術を採用し得る。そのような多元接続技術の例には、符号分割多元接続(CDMA)システム、時分割多元接続(TDMA)システム、周波数分割多元接続(FDMA)システム、直交周波数分割多元接続(OFDMA)システム、シングルキャリア周波数分割多元接続(SC−FDMA)システム、および時分割同期符号分割多元接続(TD−SCDMA)システムがある。
【0004】
これらの多元接続技術は、異なるワイヤレスデバイスが都市、国家、地域、さらには地球規模で通信することを可能にする共通プロトコルを与えるために様々な電気通信規格において採用されている。新生の電気通信規格の一例は、ロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)である。LTEは、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP:Third Generation Partnership Project)によって公表されたユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム(UMTS:Universal Mobile Telecommunications System)モバイル規格の拡張セットである。LTEは、スペクトル効率を改善することによってモバイルブロードバンドインターネットアクセスをより良くサポートし、コストを下げ、サービスを改善し、新しいスペクトルを利用し、また、ダウンリンク(DL)上ではOFDMAを使用し、アップリンク(UL)上ではSC−FDMAを使用し、多入力多出力(MIMO)アンテナ技術を使用して他のオープン規格とより良く統合するように設計されている。しかしながら、モバイルブロードバンドアクセスに対する需要が増加し続けているので、LTE技術のさらなる改善が必要である。好ましくは、これらの改善は、他の多元接続技術と、これらの技術を採用する電気通信規格とに適用可能であるべきである。
【0005】
ここでは、以下の詳細な説明がより良く理解されるように、本開示の特徴および技術的利点についてやや広く概説した。以下で、本開示の追加の特徴および利点について説明する。本開示は、本開示の同じ目的を実行するための他の構造を変更または設計するための基礎として容易に利用され得ることを、当業者は諒解されたい。また、そのような等価な構成は、添付の特許請求の範囲に記載の本開示の教示から逸脱しないことを、当業者は了解されたい。さらなる目的および利点とともに、本開示の編成と動作の方法の両方に関して、本開示を特徴づけると考えられる新規の特徴は、添付の図に関連して以下の説明を検討するとより良く理解されよう。ただし、図の各々は、例示および説明のみの目的で与えたものであり、本開示の限界を定めるものではないことを明確に理解されたい。
【発明の概要】
【0006】
本開示の様々な態様は、制御チャネル多地点アタッチメントを介したサービングセルと1つまたは複数の非サービングセルとへの周期的なオーバージエアチャネル状態情報(CSI:channel state information)報告を対象とする。チャネル状態情報報告は、非サービングセルにチャネル状態情報報告をどのように送信すべきかを示す情報に基づいて送信され得る。チャネル状態情報報告をどのように送信すべきかを示す情報は、サービングeNodeBによって提供される。さらに、その情報は、周期性、オフセットパラメータ、タイミングアドバンスコマンド、電力制御コマンド、および/または非周期的報告要求を含み得る。
【0007】
本開示の他の態様は、非サーブドユーザ機器(UE)(non-served user equipment)によって送信されるべきチャネル状態情報報告についての報告パラメータをネゴシエートすることと、非サーブドUEからオーバーエアでチャネル状態情報報告を受信することとを対象とする。報告パラメータは、非サーブドUEのサービングセルを介して非サーブドUEに通信され得る。さらに、報告パラメータは、電力制御コマンド、タイミングアドバンスコマンド、および/または非周期的報告要求を含み得る。
【0008】
本開示の一態様によれば、ワイヤレス通信の方法が提示される。本方法は、サービングeNodeBからのダウンリンク信号に干渉しているアグレッサeNodeBを識別することを含む。本方法は、また、アグレッサeNodeBにチャネル状態情報報告を送信することも含む。
【0009】
別の態様によれば、ワイヤレス通信の方法が提示される。本方法は、非サーブドUEによって送信されるべきチャネル状態情報報告についての報告パラメータを決定することを含む。本方法は、また、非サーブドUEからオーバーエアでチャネル状態情報報告を受信することも含む。
【0010】
また別の態様によれば、ワイヤレス通信のための装置が提示される。本装置は、サービングeNodeBからのダウンリンク信号に干渉しているアグレッサeNodeBを識別するための手段を含む。本装置は、また、アグレッサeNodeBにチャネル状態情報報告を送信するための手段も含む。
【0011】
さらに別の態様によれば、ワイヤレス通信のための装置が提示される。本装置は、非サーブドUEによって送信されるべきチャネル状態情報報告についての報告パラメータを決定するための手段を含む。本装置は、また、非サーブドUEからオーバーエアでチャネル状態情報報告を受信するための手段も含む。
【0012】
一態様によれば、ワイヤレス通信のためのコンピュータプログラム製品が提示される。本コンピュータプログラム製品は、(1つまたは複数の)プロセッサによって実行されたとき、(1つまたは複数の)プロセッサに、サービングeNodeBからのダウンリンク信号に干渉しているアグレッサeNodeBを識別する動作を実行することを行わせる、プログラムコードを記録した非一時的コンピュータ可読媒体を含む。プログラムコードは、また、(1つまたは複数の)プロセッサに、アグレッサeNodeBにチャネル状態情報報告を送信することも行わせる。
【0013】
また別の態様によれば、ワイヤレス通信のためのコンピュータプログラム製品が提示される。本コンピュータプログラム製品は、(1つまたは複数の)プロセッサによって実行されたとき、(1つまたは複数の)プロセッサに、非サーブドUEによって送信されるべきチャネル状態情報報告についての報告パラメータを決定する動作を実行することを行わせる、プログラムコードを記録した非一時的コンピュータ可読媒体を含む。プログラムコードは、また、(1つまたは複数の)プロセッサに、非サーブドUEからオーバーエアでCSI報告を受信することも行わせる。
【0014】
さらに別の態様によれば、ワイヤレス通信のための装置が提示される。本装置は、メモリと、メモリに結合された少なくとも1つのプロセッサとを含む。(1つまたは複数の)プロセッサは、サービングeNodeBからのダウンリンク信号に干渉しているアグレッサeNodeBを識別するように構成される。(1つまたは複数の)プロセッサは、また、アグレッサeNodeBにチャネル状態情報報告を送信するように構成される。
【0015】
さらに別の態様によれば、ワイヤレス通信のための装置が提示される。本装置は、メモリと、メモリに結合された少なくとも1つのプロセッサとを含む。(1つまたは複数の)プロセッサは、非サーブドUEによって送信されるべきチャネル状態情報報告についての報告パラメータを決定するように構成される。(1つまたは複数の)プロセッサは、また、非サーブドUEからオーバーエアでCSI報告を受信するように構成される。
【0016】
以下で、本開示の追加の特徴および利点について説明する。本開示は、本開示の同じ目的を実行するための他の構造を変更または設計するための基礎として容易に利用され得ることを、当業者は諒解されたい。また、そのような等価な構成は、添付の特許請求の範囲に記載の本開示の教示から逸脱しないことを、当業者は了解されたい。さらなる目的および利点とともに、本開示の編成と動作の方法の両方に関して、本開示を特徴づけると考えられる新規の特徴は、添付の図に関連して以下の説明を検討するとより良く理解されよう。ただし、図の各々は、例示および説明のみの目的で与えたものであり、本開示の限界を定めるものではないことを明確に理解されたい。
【0017】
本開示の特徴、特性、および利点は、全体を通じて同様の参照符号が同様のものを指す図面とともに以下の詳細な説明を読めば、より明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】ネットワークアーキテクチャの一例を示す図。
【
図3】LTEにおけるダウンリンクフレーム構造の一例を示す図。
【
図4】LTEにおけるアップリンクフレーム構造の一例を示す図。
【
図5】ユーザプレーンおよび制御プレーンのための無線プロトコルアーキテクチャの一例を示す図。
【
図6】アクセスネットワーク中の発展型NodeBおよびユーザ機器の一例を示す図。
【
図7】本開示の一態様による、異種ネットワークにおける適応リソースパーティショニングを概念的に示すブロック図。
【
図8】多地点協調(CoMP:coordinated multi point)ネットワークを概念的に示すブロック図。
【
図9】チャネル状態情報がサービングセルに送信され得る従来のネットワークを示すブロック図。
【
図10】本開示の一態様による、チャネル状態情報がサービングセルに送信され、非サービングセルにも送信され得る、ネットワークを示すブロック図。
【
図11】多地点PUCCHアタッチメントのための方法を示すブロック図。
【
図12】例示的な装置中の異なるモジュール/手段/コンポーネント間のデータフローを示す概念データフロー図。
【
図13】例示的な装置中の異なるモジュール/手段/コンポーネントを示すブロック図。
【
図14】多地点PUCCHアタッチメントのための方法を示すブロック図。
【
図15】例示的な装置中の異なるモジュール/手段/コンポーネント間のデータフローを示す概念データフロー図。
【
図16】例示的な装置中の異なるモジュール/手段/コンポーネントを示すブロック図。
【0019】
添付の図面に関して以下に示す詳細な説明は、様々な構成を説明するものであって、本明細書で説明する概念が実施され得る唯一の構成を表すものではない。以下の詳細な説明は、様々な概念の完全な理解を与えるための具体的な詳細を含む。ただし、これらの概念はこれらの具体的な詳細なしに実施され得ることが当業者には明らかであろう。いくつかの例では、そのような概念を不明瞭にしないように、よく知られている構造およびコンポーネントをブロック図の形式で示す。
【0020】
電気通信システムの諸態様を、様々な装置および方法に関連して提示する。これらの装置および方法について、以下の詳細な説明において説明し、(「要素」と総称される)様々なブロック、モジュール、コンポーネント、回路、ステップ、プロセス、アルゴリズムなどによって添付の図面に示す。これらの要素は、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはそれらの任意の組合せを使用して実装され得る。そのような要素をハードウェアとして実装するか、ソフトウェアとして実装するかは、具体的な適用例および全体的なシステムに課された設計制約に依存する。
【0021】
例として、要素、または要素の任意の部分、または要素の任意の組合せは、1つまたは複数のプロセッサを含む「処理システム」を用いて実装され得る。プロセッサの例には、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、状態機械、ゲート論理、個別ハードウェア回路、および本開示全体にわたって説明する様々な機能を実行するように構成された他の好適なハードウェアがある。処理システム中の1つまたは複数のプロセッサはソフトウェアを実行し得る。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語などの名称にかかわらず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行ファイル、実行スレッド、プロシージャ、関数などを意味すると広く解釈されたい。
【0022】
したがって、1つまたは複数の例示的な実施形態では、説明する機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実装され得る。ソフトウェアで実装される場合、機能は、コンピュータ可読媒体上に記憶されるか、あるいはコンピュータ可読媒体上に1つまたは複数の命令またはコードとして符号化され得る。コンピュータ可読媒体はコンピュータ記憶媒体を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM(登録商標)、CD−ROMまたは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気ストレージデバイス、あるいは命令またはデータ構造の形態の所望のプログラムコードを搬送または記憶するために使用され得、コンピュータによってアクセスされ得る、任意の他の媒体を備えることができる。本明細書で使用するディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザーディスク(登録商標)(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)およびBlu−ray(登録商標)ディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、データをレーザーで光学的に再生する。上記の組合せもコンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0023】
図1は、LTEネットワークアーキテクチャ100を示す図である。LTEネットワークアーキテクチャ100は発展型パケットシステム(EPS:Evolved Packet System)100と呼ばれることがある。EPS100は、1つまたは複数のユーザ機器(UE)102と、発展型UMTS地上波無線アクセスネットワーク(E−UTRAN:Evolved UMTS Terrestrial Radio Access Network)104と、発展型パケットコア(EPC:Evolved Packet Core)110と、ホーム加入者サーバ(HSS:Home Subscriber Server)120と、事業者のIPサービス122とを含み得る。EPSは他のアクセスネットワークと相互接続することができるが、簡単のために、それらのエンティティ/インターフェースは図示していない。図示のように、EPSはパケット交換サービスを提供するが、当業者なら容易に諒解するように、本開示全体にわたって提示する様々な概念は、回線交換サービスを提供するネットワークに拡張され得る。
【0024】
E−UTRANは、発展型NodeB(eNodeB)106と他のeNodeB108とを含む。eNodeB106は、UE102に対してユーザプレーンプロトコル終端と制御プレーンプロトコル終端とを与える。eNodeB106は、バックホール(たとえば、X2インターフェース)を介して他のeNodeB108に接続され得る。eNodeB106は、また、基地局、送受信基地局、無線基地局、無線トランシーバ、トランシーバ機能、基本サービスセット(BSS:basic service set)、拡張サービスセット(ESS:extended service set)、または何らかの他の好適な用語で呼ばれることもある。eNodeB106は、UE102にEPC110へのアクセスポイントを与える。UE102の例には、セルラーフォン、スマートフォン、セッション開始プロトコル(SIP:session initiation protocol)電話、ラップトップ、携帯情報端末(PDA)、衛星無線、全地球測位システム、マルチメディアデバイス、ビデオデバイス、デジタルオーディオプレーヤ(たとえば、MP3プレーヤ)、カメラ、ゲーム機、または任意の他の同様の機能デバイスがある。UE102は、また、当業者によって、移動局、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、または何らかの他の好適な用語で呼ばれることもある。
【0025】
eNodeB106は、たとえば、S1インターフェースを介して、EPC110に接続される。EPC110は、モビリティ管理エンティティ(MME:Mobility Management Entity)112と、他のMME114と、サービングゲートウェイ116と、パケットデータネットワーク(PDN:Packet Data Network)ゲートウェイ118とを含む。MME112は、UE102とEPC110との間のシグナリングを処理する制御ノードである。概して、MME112はベアラおよび接続管理を提供する。すべてのユーザIPパケットはサービングゲートウェイ116を通して転送され、サービングゲートウェイ116自体はPDNゲートウェイ118に接続される。PDNゲートウェイ118はUEのIPアドレス割振りならびに他の機能を与える。PDNゲートウェイ118は事業者のIPサービス122に接続される。事業者のIPサービス122は、インターネットと、イントラネットと、IPマルチメディアサブシステム(IMS:IP Multimedia Subsystem)と、PSストリーミングサービス(PSS:PS Streaming Service)とを含み得る。
【0026】
図2は、LTEネットワークアーキテクチャにおけるアクセスネットワーク200の一例を示す図である。この例では、アクセスネットワーク200は、いくつかのセルラー領域(セル)202に分割される。1つまたは複数のより低い電力クラスのeNodeB208は、セル202のうちの1つまたは複数とオーバーラップするセルラー領域210を有し得る。より低い電力クラスのeNodeB208は、リモートラジオヘッド(RRH:remote radio head)、フェムトセル(たとえば、ホームeNodeB(HeNodeB:home eNodeB))、ピコセル、またはマイクロセルであり得る。各マクロeNodeB204は、それぞれのセル202に割り当てられ、セル202中のすべてのUE206にEPC110へのアクセスポイントを与えるように構成される。アクセスネットワーク200のこの例には集中コントローラはないが、代替構成では集中コントローラが使用され得る。eNodeB204は、無線ベアラ制御、承認制御、モビリティ制御、スケジューリング、セキュリティ、およびサービングゲートウェイ116への接続性を含む、すべての無線関係機能を担当する。
【0027】
アクセスネットワーク200によって採用される変調および多元接続スキームは、展開されている具体的な電気通信規格に応じて異なり得る。LTE適用例では、周波数分割複信(FDD:frequency division duplexing)と時分割複信(TDD:time division duplexing)の両方をサポートするために、OFDMがダウンリンク上で使用され、SC−FDMAがアップリンク上で使用される。当業者なら以下の詳細な説明から容易に諒解するように、本明細書で提示する様々な概念は、LTE適用例に好適である。ただし、これらの概念は、他の変調および多元接続技法を採用する他の電気通信規格に容易に拡張され得る。例として、これらの概念は、エボリューションデータ・オプティマイズド(EV−DO:Evolution-Data Optimized)またはウルトラモバイルブロードバンド(UMB:Ultra Mobile Broadband)に拡張され得る。EV−DOおよびUMBは、CDMA2000規格ファミリーの一部として第3世代パートナーシッププロジェクト2(3GPP2:3rd Generation Partnership Project 2)によって公表されたエアインターフェース規格であり、CDMAを利用して移動局にブロードバンドインターネットアクセスを提供する。これらの概念はまた、広帯域CDMA(W−CDMA(登録商標))と、TD−SCDMAなど、CDMAの他の変形態とを採用する、ユニバーサル地上無線アクセス(UTRA:Universal Terrestrial Radio Access)、TDMAを採用するモバイル通信用グローバルシステム(GSM(登録商標):Global System for Mobile Communications)、ならびに、OFDMAを採用する、発展型UTRA(E−UTRA:Evolved UTRA)、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB:Ultra Mobile Broadband)、IEEE802.11(Wi−Fi(登録商標))、IEEE802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE802.20、およびFlash−OFDMに拡張され得る。UTRA、E−UTRA、UMTS、LTEおよびGSMは、3GPP団体からの文書に記載されている。CDMA2000およびUMBは、3GPP2団体からの文書に記載されている。採用される実際のワイヤレス通信規格および多元接続技術は、具体的な適用例およびシステムに課された全体的な設計制約に依存することになる。
【0028】
eNodeB204は、MIMO技術をサポートする複数のアンテナを有し得る。MIMO技術の使用により、eNodeB204は、空間多重化、ビームフォーミング、および送信ダイバーシティをサポートするために空間領域を活用することが可能になる。空間多重化は、データの異なるストリームを同じ周波数上で同時に送信するために使用され得る。データストリームは、データレートを増加させるために単一のUE206に送信されるか、または全体的なシステム容量を増加させるために複数のUE206に送信され得る。これは、各データストリームを空間的にプリコーディングし(すなわち、振幅および位相のスケーリングを適用し)、次いでダウンリンク上で複数の送信アンテナを通して空間的にプリコーディングされた各ストリームを送信することによって達成される。空間的にプリコーディングされたデータストリームは、異なる空間シグナチャとともに(1つまたは複数の)UE206に到着し、これにより、(1つまたは複数の)UE206の各々がそのUE206に宛てられた1つまたは複数のデータストリームを復元することが可能になる。アップリンク上で、各UE206は、空間的にプリコーディングされたデータストリームを送信し、これにより、eNodeB204は、空間的にプリコーディングされた各データストリームのソースを識別することが可能になる。
【0029】
空間多重化は、概して、チャネル状態が良好であるときに使用される。チャネル状態があまり良好でないときには、送信エネルギーを1つまたは複数の方向に集中させるためにビームフォーミングが使用され得る。これは、複数のアンテナを通して送信するためのデータを空間的にプリコーディングすることによって達成され得る。セルのエッジにおいて良好なカバレージを達成するために、送信ダイバーシティと組み合わせてシングルストリームビームフォーミング送信が使用され得る。
【0030】
以下の詳細な説明では、ダウンリンク上でOFDMをサポートするMIMOシステムを参照しながらアクセスネットワークの様々な態様について説明する。OFDMは、OFDMシンボル内のいくつかのサブキャリアを介してデータを変調するスペクトル拡散技法である。サブキャリアは、精密な周波数で離間している。離間は、受信機がサブキャリアからデータを復元することを可能にする「直交性(orthogonality)」を与える。時間領域では、OFDMシンボル間干渉に取り組むために、ガードインターバル(たとえば、サイクリックプレフィックス)が各OFDMシンボルに追加され得る。アップリンクは、高いピーク対平均電力比(PAPR:peak-to-average power ratio)を補償するために、SC−FDMAをDFT拡散OFDM信号の形態で使用し得る。
【0031】
図3は、LTEにおけるダウンリンクフレーム構造の一例を示す
図300である。フレーム(10ms)は、等しいサイズの10個のサブフレームに分割され得る。各サブフレームは、2つの連続するタイムスロットを含み得る。2つのタイムスロットを表すためにリソースグリッドが使用され得、各タイムスロットはリソースブロックを含む。リソースグリッドは複数のリソース要素に分割される。LTEでは、リソースブロックは、周波数領域中に12個の連続サブキャリアを含んでおり、各OFDMシンボル中のノーマルサイクリックプレフィックスについて、時間領域中に7個の連続OFDMシンボル、または84個のリソース要素を含んでいる。拡張サイクリックプレフィックスについて、リソースブロックは、時間領域中に6個の連続OFDMシンボルを含んでおり、72個のリソース要素を有する。R302、304として示されるリソース要素のいくつかはダウンリンク基準信号(DL−RS:downlink reference signal)を含む。DL−RSは、(共通RSと呼ばれることもある)セル固有RS(CRS:Cell-specific RS)302と、UE固有RS(UE−RS:UE-specific RS)304とを含む。UE−RS304は、対応する物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH:physical downlink shared channel)がマッピングされるリソースブロック上でのみ送信される。各リソース要素によって搬送されるビット数は変調スキームに依存する。したがって、UEが受信するリソースブロックが多いほど、また変調スキームが高いほど、UEのデータレートは高くなる。
【0032】
図4は、LTEにおけるアップリンクフレーム構造の一例を示す
図400である。アップリンクのために利用可能なリソースブロックは、データセクションと制御セクションとにパーティショニングされ得る。制御セクションは、システム帯域幅の2つのエッジのところに形成され得、設定可能なサイズを有し得る。制御セクション中のリソースブロックは、制御情報を送信するためにUEに割り当てられ得る。データセクションは、制御セクション中に含まれないすべてのリソースブロックを含み得る。アップリンクフレーム構造は、データセクション中の連続するサブキャリアのすべてを単一のUEに割り当てることを可能にし得る連続サブキャリアを含むデータセクションを生じる。
【0033】
UEには、eNodeBに制御情報を送信するために、制御セクション中のリソースブロック410a、410bが割り当てられ得る。UEには、eNodeBにデータを送信するために、データセクション中のリソースブロック420a、420bも割り当てられ得る。UEは、制御セクション中の割り当てられたリソースブロック上の物理アップリンク制御チャネル(PUCCH:physical uplink control channel)中で制御情報を送信し得る。UEは、データセクション中の割り当てられたリソースブロック上の物理アップリンク共有チャネル(PUSCH:physical uplink shared channel)中でデータのみまたはデータと制御情報の両方を送信し得る。アップリンク送信は、サブフレームの両方のスロットにわたり得、周波数上でホッピングし得る。
【0034】
初期システムアクセスを実行し、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH:physical random access channel)430中でアップリンク同期を達成するために、リソースブロックのセットが使用され得る。PRACH430は、ランダムシーケンスを搬送し、アップリンクデータ/シグナリングは搬送することができない。各ランダムアクセスプリアンブルは、6つの連続するリソースブロックに対応する帯域幅を占有する。開始周波数はネットワークによって指定される。すなわち、ランダムアクセスプリアンブルの送信は、ある特定の時間リソースおよび周波数リソースに制限される。周波数ホッピングはPRACHにはない。PRACH試行は、単一のサブフレーム(1ms)中でまたは少数の連続サブフレームのシーケンス中で搬送され、UEは、フレーム(10ms)ごとに単一のPRACH試行だけを行うことができる。
【0035】
図5は、LTEにおけるユーザプレーンおよび制御プレーンのための無線プロトコルアーキテクチャの一例を示す
図500である。UEおよびeNodeBのための無線プロトコルアーキテクチャは、レイヤ1と、レイヤ2と、レイヤ3との3つのレイヤとともに示されている。レイヤ1(L1レイヤ)は最下位レイヤであり、様々な物理レイヤ信号処理機能を実装する。L1レイヤを本明細書では物理レイヤ506と呼ぶ。レイヤ2(L2レイヤ)508は、物理レイヤ506の上にあり、物理レイヤ506を介したUEとeNodeBとの間のリンクを担当する。
【0036】
ユーザプレーンでは、L2レイヤ508は、ネットワーク側のeNodeBにおいて終端される、媒体アクセス制御(MAC:media access control)サブレイヤ510と、無線リンク制御(RLC:radio link control)サブレイヤ512と、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP:packet data convergence protocol)514サブレイヤとを含む。図示されていないが、UEは、ネットワーク側のPDNゲートウェイ118において終端されるネットワークレイヤ(たとえば、IPレイヤ)と、接続の他端(たとえば、ファーエンドUE、サーバなど)において終端されるアプリケーションレイヤとを含めてL2レイヤ508の上にいくつかの上位レイヤを有し得る。
【0037】
PDCPサブレイヤ514は、異なる無線ベアラと論理チャネルとの間で多重化を行う。PDCPサブレイヤ514はまた、無線送信オーバーヘッドを低減するための上位レイヤデータパケットのヘッダ圧縮と、データパケットを暗号化することによるセキュリティと、eNodeB間のUEに対するハンドオーバサポートとを行う。RLCサブレイヤ512は、上位レイヤデータパケットのセグメンテーションおよび再統合と、紛失データパケットの再送信と、ハイブリッド自動再送要求(HARQ:hybrid automatic repeat request)による、順が狂った受信を補正するデータパケットの並べ替えとを行う。MACサブレイヤ510は、論理チャネルとトランスポートチャネルとの間の多重化を行う。MACサブレイヤ510はまた、UEの間で1つのセル内の様々な無線リソース(たとえば、リソースブロック)を割り振ることを担当する。MACサブレイヤ510はまたHARQ動作を担当する。
【0038】
制御プレーンでは、UEおよびeNodeBのための無線プロトコルアーキテクチャは、制御プレーンのためのヘッダ圧縮機能がないことを除いて、物理レイヤ506およびL2レイヤ508について実質的に同じである。制御プレーンはまた、レイヤ3(L3レイヤ)中に無線リソース制御(RRC:radio resource control)サブレイヤ516を含む。RRCサブレイヤ516は、無線リソース(すなわち、無線ベアラ)を取得することと、eNodeBとUEとの間のRRCシグナリングを使用して下位レイヤを構成することとを担当する。
【0039】
図6は、アクセスネットワーク中でUE650と通信しているeNodeB610のブロック図である。ダウンリンクでは、コアネットワークからの上位レイヤパケットが、コントローラ/プロセッサ675に与えられる。コントローラ/プロセッサ675は、L2レイヤの機能を実装する。ダウンリンクでは、コントローラ/プロセッサ675は、様々な優先度メトリックに基づいてヘッダ圧縮と、暗号化と、パケットのセグメント化および並べ替えと、論理チャネルとトランスポートチャネルとの間の多重化と、UE650への無線リソース割振りとを行う。コントローラ/プロセッサ675はまた、HARQ動作と、紛失パケットの再送信と、UE650へのシグナリングとを担当する。
【0040】
TXプロセッサ616は、L1レイヤ(すなわち、物理レイヤ)のための様々な信号処理機能を実装する。信号処理機能は、UE650における前方誤り訂正(FEC:forward error correction)と、様々な変調スキーム(たとえば、2位相シフトキーイング(BPSK:binary phase-shift keying)、4位相シフトキーイング(QPSK:quadrature phase-shift keying)、M位相シフトキーイング(M−PSK:M-phase-shift keying)、多値直交振幅変調(M−QAM:M-quadrature amplitude modulation))に基づいた信号コンスタレーションへのマッピングとを可能にするために、コーディングとインターリービングとを含む。次いで、符号化され変調されたシンボルは並列ストリームに分割される。各ストリームは、次いでOFDMサブキャリアにマッピングされ、時間領域および/または周波数領域中で基準信号(たとえば、パイロット)と多重化され、次いで逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)を使用して互いに合成されて、時間領域OFDMシンボルストリームを搬送する物理チャネルを生成する。OFDMストリームは、複数の空間ストリームを生成するために空間的にプリコーディングされる。チャネル推定器674からのチャネル推定値は、符号化および変調スキームを決定するために、ならびに空間処理のために使用され得る。チャネル推定値は、UE650によって送信される基準信号および/またはチャネル状態フィードバックから導出され得る。次いで、各空間ストリームは、別個の送信機618TXを介して異なるアンテナ620に与えられる。各送信機618TXは、送信のためにそれぞれの空間ストリームでRFキャリアを変調する。
【0041】
UE650において、各受信機654RXは、それのそれぞれのアンテナ652を通して信号を受信する。各受信機654RXは、RFキャリア上に変調された情報を復元し、受信機(RX)プロセッサ656に情報を与える。RXプロセッサ656は、L1レイヤの様々な信号処理機能を実装する。RXプロセッサ656は、UE650に宛てられた任意の空間ストリームを復元するために、情報に対して空間処理を実行する。複数の空間ストリームがUE650に宛てられた場合、それらはRXプロセッサ656によって単一のOFDMシンボルストリームに合成され得る。RXプロセッサ656は、次いで高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)を使用してOFDMシンボルストリームを時間領域から周波数領域に変換する。周波数領域信号は、OFDM信号のサブキャリアごとに別々のOFDMシンボルストリームを備える。各サブキャリア上のシンボルと基準信号とは、eNodeB610によって送信される、可能性が最も高い信号のコンスタレーションポイントを決定することによって復元され、復調される。これらの軟判定は、チャネル推定器658によって計算されるチャネル推定値に基づき得る。軟判定は、次いで、物理チャネル上でeNodeB610によって最初に送信されたデータおよび制御信号を復元するために復号され、デインターリーブされる。データおよび制御信号は、次いでコントローラ/プロセッサ659に与えられる。
【0042】
コントローラ/プロセッサ659はL2レイヤを実装する。コントローラ/プロセッサは、プログラムコードとデータとを記憶するメモリ660に関連し得る。メモリ660はコンピュータ可読媒体と呼ばれることがある。アップリンクでは、コントローラ/プロセッサ659は、コアネットワークからの上位レイヤパケットを復元するために、トランスポートチャネルと論理チャネルとの間の多重分離(demultiplexing)と、パケットリアセンブリと、復号(deciphering)と、ヘッダ復元(header decompression)と、制御信号処理とを行う。上位レイヤパケットは、次いで、L2レイヤの上のすべてのプロトコルレイヤを表すデータシンク662に与えられる。また、様々な制御信号がL3処理のためにデータシンク662に与えられ得る。コントローラ/プロセッサ659はまた、HARQ動作をサポートするために肯定応答(ACK)および/または否定応答(NACK)プロトコルを使用した誤り検出を担当する。
【0043】
アップリンクでは、データソース667は、コントローラ/プロセッサ659に上位レイヤパケットを与えるために使用される。データソース667は、L2レイヤの上のすべてのプロトコルレイヤを表す。eNodeB610によるダウンリンク送信に関して説明した機能と同様に、コントローラ/プロセッサ659は、ヘッダ圧縮と、暗号化と、パケットのセグメント化および並べ替えと、eNodeB610による無線リソース割振りに基づいた論理チャネルとトランスポートチャネルとの間の多重化とを行うことによって、ユーザプレーンおよび制御プレーンのためのL2レイヤを実装する。コントローラ/プロセッサ659はまた、HARQ動作と、紛失パケットの再送信と、eNodeB610へのシグナリングとを担当する。
【0044】
eNodeB610によって送信される基準信号またはフィードバックからの、チャネル推定器658によって導出されるチャネル推定値は、適切な符号化および変調スキームを選択することと、空間処理を可能にすることとを行うために、TXプロセッサ668によって使用され得る。TXプロセッサ668によって生成される空間ストリームは、別個の送信機654TXを介して異なるアンテナ652に与えられる。各送信機654TXは、送信のためにそれぞれの空間ストリームでRFキャリアを変調する。
【0045】
アップリンク送信は、UE650における受信機機能に関して説明した方法と同様の方法でeNodeB610において処理される。各受信機618RXは、それのそれぞれのアンテナ620を通して信号を受信する。各受信機618RXは、RFキャリア上で変調された情報を復元し、RXプロセッサ670に情報を与える。RXプロセッサ670はL1レイヤを実装し得る。
【0046】
コントローラ/プロセッサ675はL2レイヤを実装する。コントローラ/プロセッサ675は、プログラムコードとデータとを記憶するメモリ676に関連し得る。メモリ676はコンピュータ可読媒体と呼ばれることがある。アップリンクでは、コントローラ/プロセッサ675は、UE650からの上位レイヤパケットを復元するために、トランスポートチャネルと論理チャネルとの間の多重分離と、パケットリアセンブリと、復号(deciphering)と、ヘッダ復元と、制御信号処理とを行う。コントローラ/プロセッサ675からの上位レイヤパケットはコアネットワークに与えられ得る。コントローラ/プロセッサ675はまた、HARQ動作をサポートするためにACKおよび/またはNACKプロトコルを使用した誤り検出を担当する。
【0047】
図7は、本開示の一態様による、異種ネットワークにおけるTDMパーティショニングを示すブロック図である。ブロックの第1の行はフェムトeNodeBのためのサブフレーム割当てを示し、ブロックの第2の行はマクロeNodeBのためのサブフレーム割当てを示している。eNodeBの各々が静的保護サブフレームを有し、その間、他方のeNodeBは静的禁止サブフレームを有する。たとえば、フェムトeNodeBは、サブフレーム0中の禁止サブフレーム(Nサブフレーム)に対応するサブフレーム0中の保護サブフレーム(Uサブフレーム)を有する。同様に、マクロeNodeBは、サブフレーム7中の禁止サブフレーム(Nサブフレーム)に対応するサブフレーム7中の保護サブフレーム(Uサブフレーム)を有する。サブフレーム1〜6は、保護サブフレーム(AU)、禁止サブフレーム(AN)、および共通サブフレーム(AC)のいずれかとして動的に割り当てられる。動的に割り当てられたサブフレーム(AU/AN/AC)を本明細書ではまとめて「X」サブフレームと呼ぶ。サブフレーム5および6中の動的に割り当てられた共通サブフレーム(AC)の期間中に、フェムトeNodeBとマクロeNodeBの両方がデータを送信し得る。
【0048】
保護サブフレーム(U/AUサブフレームなど)では、アグレッサeNodeBが送信を禁止されるので、干渉が低減され、チャネル品質が高い。禁止サブフレーム(N/ANサブフレームなど)では、ビクティムeNodeBが低い干渉レベルでデータを送信できるように、データを送信しない。共通サブフレーム(C/ACサブフレームなど)では、チャネル品質は、データを送信するネイバーeNodeBの数に依存する。たとえば、ネイバーeNodeBが共通サブフレーム上でデータを送信している場合、共通サブフレームのチャネル品質は、保護サブフレームよりも低くなり得る。共通サブフレーム上のチャネル品質はまた、アグレッサeNodeBによって強く影響を及ぼされるセル範囲拡大エリア(CRE:cell range expansion area)UEについてより低くなり得る。CRE UEは、第1のeNodeBに属するが、また、第2のeNodeBのカバレージエリア中にも位置し得る。たとえば、フェムトeNodeBカバレージの範囲限界の近くにあるマクロeNodeBと通信しているUEは、CRE UEである。
【0049】
LTE/−Aにおいて採用され得る別の例示的な干渉管理スキームは、低速適応(slowly-adaptive)干渉管理である。この手法を干渉管理に使用すると、スケジューリング間隔よりもはるかにより大きい時間スケールにわたってリソースがネゴシエートされ、割り振られる。本スキームの目的は、ネットワークの総ユーティリティを最大にする、時間または周波数リソースのすべてにわたる、送信eNodeBおよびUEのすべてのための送信電力の組合せを発見することである。「ユーティリティ」は、ユーザデータレート、サービス品質(QoS)フローの遅延、および公平性メトリックに応じて定義され得る。そのようなアルゴリズムは、最適化を解決するために使用される情報のすべてにアクセスでき、たとえばネットワークコントローラなどの送信エンティティのすべてを制御する、中央エンティティによって計算され得る。この中央エンティティは、常に実際的であるとは限らず、さらには望ましいとは限らないことがある。したがって、代替的な態様では、ノードのある特定のセットからのチャネル情報に基づいてリソース使用の決定を行う分散アルゴリズムが使用され得る。したがって、低速適応干渉アルゴリズムは、中央エンティティを使用して、またはネットワーク中のノード/エンティティの様々なセットにわたってアルゴリズムを分散させることによって、展開され得る。
【0050】
ワイヤレスネットワーク100など、異種ネットワークの展開では、UEは、UEが1つまたは複数の干渉eNodeBからの高い干渉を観測し得る支配的干渉シナリオにおいて動作し得る。支配的干渉シナリオは、制限された関連付けに起因して発生し得る。たとえば、
図1では、UE120yは、フェムトeNodeB110yに近接し得、eNodeB110yについて高い受信電力を有し得る。しかしながら、UE120yは、制限された関連付けに起因してフェムトeNodeB110yにアクセスすることができないことがあり、そして、(
図1に示される)マクロeNodeB110cに、または(
図1には示されていない)同じくより低い受信電力をもつフェムトeNodeB110zに接続し得る。その場合、UE120yは、ダウンリンク上でフェムトeNodeB110yからの高い干渉を観測し得、また、アップリンク上でeNodeB110yに高い干渉を引き起こし得る。協調干渉管理を使用すると、eNodeB110cとフェムトeNodeB110yとは、リソースをネゴシエートするためにバックホールを介して通信し得る。ネゴシエーションにおいて、フェムトeNodeB110yは、それのチャネルリソースのうちの1つの上での送信を中止することに同意し、それにより、UE120yは、UE120yがその同じチャネルを介してeNodeB110cと通信するときほどに多くのフェムトeNodeB110yからの干渉を受けないことになる。
【0051】
そのような支配的干渉シナリオでは、UEと複数のeNodeBとの間の距離が異なるので、同期システムにおいてさえも、UEにおいて観測される信号電力の相違に加えて、UEによってダウンリンク信号のタイミング遅延がまた観測され得る。同期システム中のeNodeBは、推定的に、システムにわたって同期される。しかしながら、たとえば、マクロeNodeBから5kmの距離にあるUEについて考えると、そのマクロeNodeBから受信されるダウンリンク信号の伝搬遅延は、約16.67μs(5km÷3×108、すなわち、光速「c」)遅延されることになる。マクロeNodeBからのそのダウンリンク信号を、はるかに近いフェムトeNodeBからのダウンリンク信号と比較すると、タイミング差は、時間トラッキングループ(TTL:time tracking loop)エラーのレベルに接近し得る。
【0052】
さらに、そのようなタイミング差は、UEにおける干渉除去に影響を及ぼし得る。干渉除去は、同じ信号の複数のバージョンの組合せ間の相互相関特性をしばしば使用する。同じ信号の複数のコピーを組み合わせることによって、信号の各コピー上には干渉がある可能性が高いが、それは同じロケーションにはない可能性が高いので、干渉はより容易に識別され得る。組み合わされた信号の相互相関を使用すると、実際の信号部分が決定され、干渉とは区別され得、したがって干渉を除去することが可能になる。
【0053】
LTEネットワークは、また、多地点協調(CoMP)送信特徴を含み得る。CoMPは、全体的な通信性能を改善するための干渉緩和技法を与える。詳細には、基地局としても知られる複数のeNodeBは、それらのeNodeBが、1つまたは複数のUEに並列に同じ情報を同時に送信し得るように、互いに協調して働く。その同時送信は全体的な通信性能を改善する。
【0054】
図8に、複数のeNodeB 810a、810b、810c、810dがユーザ機器820に送信する、例示的な多地点協調(CoMP)ネットワーク800を示す。複数のeNodeB 810a、810b、810c、810dは互いに通信し得る。すなわち、各eNodeBは、他のeNodeBのいずれとも通信し得る。たとえば、eNodeB 810aなど、特定のeNodeBが、eNodeB 810b、810c、および/または810dなど、他のeNodeBと通信し得る。
【0055】
一例では、CoMP送信は、受信信号対干渉雑音比(SINR)を改善するために使用され得る。それに応じて、改善されたSINRは、また、複数のeNodeBによる協調動作を通じて拡張された空間多重化または干渉低減によって、データレートを改善し得る。そのような協調は、一般に、協調しているeNodeBの間の増加した同期およびメッセージ交換を指定する。
【0056】
ダウンリンクCoMPのサポートのためのフィードバック技法は、明示的フィードバック、暗黙的フィードバック、および/またはサウンディング基準信号(SRS:sounding reference signal)のUE送信のいずれかとして特徴づけられ得る。明示的フィードバックでは、いかなる送信機または受信機処理をも仮定することなしに、受信機によって観測された情報が送信機に返送される。暗黙的フィードバックでは、異なる送信および/または受信処理の仮定を使用する情報が送信機に返送される(たとえば、チャネル品質インジケーション(CQI:channel quality indication)、プリコーダ行列インジケーション(PMI:precoder matrix indication)、およびランクインジケーション(RI:rank indication))。サウンディング基準信号のユーザ機器送信は、チャネル相反性を利用したeNodeBにおけるチャネル状態情報(CSI)推定のために使用され得る。
【0057】
CoMP送信は、協調スケジューリング/ビームフォーミング(CS/CB:coordinated scheduling/beamforming)、動的セル選択(DCS:dynamic cell selection)、およびジョイント送信(JT:joint transmission)として特徴づけられ得る。協調スケジューリング/ビームフォーミングでは、データがサービングセルにおいてのみ利用可能であるが、ユーザスケジューリング/ビームフォーミング決定は、CoMP協働セット(CCS:CoMP cooperating set)に対応するセル間の協調とともに行われる。動的セル選択およびジョイント送信は、ジョイント処理のタイプである。動的セル選択(DCS)では、PDSCHは、CoMP協働セット内で一度に1つの地点から送信される。ジョイント送信では、PDSCHは一度に複数の地点から送信される。より詳細には、データは、複数の送信地点から単一のUEに同時に送信される。
多地点PUCCHアタッチメント
上述のCoMP送信は、UEからのチャネル状態情報フィードバックを指定する。従来のCoMPネットワークでは、UEは、サービングeNodeBにチャネル状態情報を送信し、サービングeNodeBは、X2インターフェースなど、バックホールを介して干渉eNodeBにチャネル状態情報を送信する。
【0058】
図9に、従来のCoMPネットワーク900を示す。
図9に示すように、ネットワーク900は、マクロセル910、ピコセル912、およびUE914を含む。一例として、UE914は、ピコセル912(たとえば、サービングセル)によってサービスされ、マクロセル910(たとえば、アグレッサセル)からの信号が干渉として扱われ得る。
【0059】
UEは、ピコセル912(たとえば、サービングセル)に、PUCCHなどの制御チャネルを介してチャネル状態情報を周期的に報告し得る。CoMPネットワークでは、UE914は、マクロセル910など、他のセルのためのチャネル状態情報(CSI)を報告するように要求され得る。チャネル状態情報は、一般にUEからサービングセルに送信されるだけである。したがって、ピコセル912は、UE914から制御チャネル上で送信を受信し、受信された制御チャネルからチャネル状態情報を抽出し得る。ピコセル912は、バックホール920(たとえば、X2)を介してマクロセル910に抽出されたチャネル状態情報を送信し得る。本開示では、セルという用語はeNodeBを指すこともある。
【0060】
チャネル状態情報のバックホール交換によるレイテンシを低減するチャネル状態情報報告スキームを提供することが望まれる。本開示の態様は、制御チャネル多地点アタッチメントを介したサービングセルと1つまたは複数の非サービングセルとへの周期的オーバージエアチャネル状態情報報告のためのものである。
【0061】
本開示の一態様によれば、UEが、サービングセルと非サービングセルとに制御チャネルを介してチャネル状態情報を直接送信し得る。すなわち、UEは、制御チャネルを介してサービングセルと非サービングセルの両方にチャネル状態情報を周期的に送信し得る。
【0062】
一態様によれば、CSI/PMI報告パラメータの2つのセットが与えられ得る。CSI/PMIパラメータの1つのセットはサービングセルのためのものであり得、CSI/PMIパラメータの第2のセットはアグレッサセルのためのものであり得る。場合によっては、2つのセット間の潜在的衝突を緩和するために、タイブレークルールが使用され得る。
【0063】
図10に、本開示の一態様によるCoMPネットワーク1000を示す。
図10に示すように、ネットワーク1000は、マクロセル1010と、ピコセル1012と、UE1014とを含む。マクロセル1010とピコセル1012は、バックホール1020を介して通信し得る。一例として、UE1014は、ピコセル1012(たとえば、サービングセル)のカバレージエリア1022中にあり、ピコセル1012によってサービスされる。さらに、UEは、マクロセル1010(たとえば、アグレッサセル)を、ピコセル1012からのダウンリンク信号に干渉しているセルとして識別し得る。一態様によれば、マクロセル1010をアグレッサとして識別した後に、UEは、ピコセル1012とマクロセル1010の両方に、PUCCHなどの制御チャネルを介してチャネル状態情報を周期的に報告し得る。
【0064】
別の態様によれば、サービングセルは、特定のUEが制御チャネル上でアグレッサセルにチャネル状態情報報告を送信するようにスケジュールされたときに、該特定のUEのための共有チャネル上での送信をスケジュールしない。すなわち、サービングセル中のアップリンクスケジューラが、アグレッサセルのためのチャネル状態情報報告に気づいていることがある。いくつかの態様では、サービングセルは、チャネル状態情報報告を送信している特定のUEのための共有チャネル送信を制限するだけであり、他のUEは、特定のUEが制御チャネル上でチャネル状態情報報告を送信している間、依然として共有チャネル上で送信し得る。
【0065】
場合によっては、送信は、スケジュールされた送信間のタイミング差に応じて、チャネル状態情報報告が予想される前または後のサブフレームにおいてスケジュールされないことがある。詳細には、アグレッサセルへの制御チャネル上でのチャネル状態情報報告送信が、サービングセルの2つ以上のサブフレームとオーバーラップする場合、サービングセルは、オーバーラップするサブフレーム上で、PUSCHなどの共有チャネルをスケジュールするのを控え得る。
【0066】
たとえば、共有チャネル送信がサブフレーム1〜3についてスケジュールされた場合、共有チャネル送信は、アグレッサセルのためのチャネル状態情報報告がサブフレーム1、2、または3のいずれかの間にスケジュールされた場合、遅延され得る。別の態様では、タイブレークルールが、異なるチャネル状態情報報告(すなわち、アグレッサ報告およびサービングセル報告)のために相互排他的なリソース(たとえば、サブフレーム)を割り当て得る。すなわち、各チャネル状態情報報告について、周期性は異なり得、および/または実際の割り当てられたリソースは異なり得る。
【0067】
一態様によれば、アグレッサセルは、非サーブドUEのためのフルUEコンテキストを維持しない。すなわち、アグレッサセルは、低減された状態のUEコンテキストを使用し得る。UEコンテキストは、最も一般的にはサービングセルについて指定された、UEに関連付けられた変数を指す。したがって、アグレッサセルは、チャネル状態情報を取得するために、UEからの特定の、より限られた情報を使用するだけであり得る。その特定の情報は、報告のタイプ、UEアイデンティティ、および制御チャネルのための送信サブフレーム/リソースブロックを含み得る。さらに、アグレッサセルによる復号を容易にするために、UEは、チャネル状態情報報告を準備するときに、アグレッサセルのセルIDを使用し得る。
【0068】
一態様によれば、UEとサービングセルとの間の、およびUEと各アグレッサセルとの間の、遅延および/または経路損失を補償するために、2つ以上のタイミングアドバンスおよび制御チャネル電力制御ループが使用され得る。すなわち、サービングセルは、関連付けられたUEが、サービングセルとアグレッサセルとにチャネル状態情報を報告するときに異なるタイミング基準を使用し得るように、そのUEのためのアップリンクタイミングおよびアップリンク電力を制御し得る。
【0069】
たとえば、サービングセルに関する伝搬遅延とアグレッサセルに関する伝搬遅延との差が大きいことがあり、したがって、アグレッサセルおよびサービングセルからUEに対して異なるタイミングアドバンスおよび電力制御コマンドが指定され得る。それらのタイミングアドバンスおよび/または電力制御ループは、サービングセルとアグレッサセルとの間で時間および/または周波数を同期させるために使用され得る。場合によっては、アグレッサセルは、UEからの伝搬遅延および/または経路損失を計算し得、バックホール(たとえば、X2)を介してサービングセルにタイミングアドバンスおよび/または電力制御コマンドを与える。サービングセルは、受信されたコマンドをUEに送信し得る。一態様によれば、受信されたコマンドは、無線リソース制御(RRC)情報要素を介してUEに送信され得る。
【0070】
UEは、制御チャネルのペイロードタイプについて異なる構成を使用し得る。一態様によれば、制御チャネルは同じペイロードを含み、その結果、制御チャネルのコンテンツは、ペイロードを受信しているセルにかかわらず同じである。すなわち、UEは、制御チャネル上で両方のセル(たとえば、アグレッサおよびサービング)に同じチャネル状態情報報告を送信する。一態様によれば、制御チャネルは、チャネル状態情報が、複数仮定チャネル状態情報、またはCoMPのために調整された他のチャネル状態情報スキームに基づく場合、両方のセルのためのチャネル状態情報を含む。
【0071】
別の態様によれば、制御チャネルは、宛先セルに応じて異なるペイロードを含み得る。たとえば、各セルが、その特定のセルを対象とするチャネル状態情報に関して通知され得る。この態様は、チャネル状態情報のための独立した推定と報告とを使用するCoMPチャネル状態情報スキームのために使用され得る(たとえば、複数のリリース8フィードバック)。
【0072】
さらに別の態様によれば、非周期的チャネル状態情報報告が共有チャネルを介して送信され得る。非周期的報告は、アグレッサセルによってトリガされ得る。すなわち、アグレッサセルは、バックホールを介してサービングセルに要求を送信することによって、UEに非周期的チャネル状態情報報告を要求し得る。サービングセルは、次いで、UEに、PDCCHなどのダウンリンク制御チャネルを介して要求を送信し得る。チャネル状態情報要求は、非サービングセル(たとえば、アグレッサセル)にチャネル状態情報を報告するようにUEに命令するためのフラグを含み得る。場合によっては、複数のセルのための非周期的チャネル状態情報報告を要求するために、マルチキャリアシグナリングスキームが再利用され得る。
【0073】
別の態様によれば、チャネル状態情報は、ダウンリンク/アップリンクサブフレームパーティショニングが実現された場合、TDDにおいて複数のセルに報告され得る。すなわち、サービングセルとアグレッサセルが異なるアップリンク/ダウンリンクパーティショニングを有する場合、チャネル状態情報は、両方のパーティションに共通のアップリンクサブフレーム上で送信され得る。サービングセルとアグレッサセルの両方が、UEからのほぼ同じペイロードおよび伝搬遅延を有する場合、両方のセルは同じ報告を復号し得る。すなわち、各セルについて異なるチャネル状態情報報告が指定されないことがある。本態様では、干渉セルが、サービングセルの物理セルID(PCI:physical cell ID)を使用して制御チャネルまたは共有チャネルを復号し得る。
【0074】
上記で説明したように、サービングセルとアグレッサセルは、X2インターフェースなど、バックホールメッセージ交換を介してメッセージを交換し得る。バックホールメッセージは、周期的チャネル状態情報報告パラメータ、制御チャネルリソース、タイミングアドバンスおよび電力制御情報および/または電力制御コマンド、ならびに/あるいはUEの状態(たとえば、UEがアイドルやハンドオーバに移行することなど)など、情報を含み得る。
【0075】
別の実施形態によれば、UEは、サービングセルにチャネル状態情報を報告するだけであり、アグレッサセルは、チャネル状態情報報告をインターセプトし得る。詳細には、アグレッサセルは、制御チャネルのサブフレームおよび/またはリソースブロック、またさらにサービングセルのセルIDなど、周期的チャネル状態情報報告パラメータのバックホール通信を介して通知される。アグレッサセルは、該アグレッサセルが該アグレッサセルを対象とするチャネル状態情報を取得し得るように、サービングセルに関連付けられたチャネル状態情報を除外するためにCoMPタイプチャネル状態情報分析を使用し得る。
【0076】
別の態様によれば、アグレッサセルは、制御チャネルがアグレッサセルのタイミングとアラインしないことがあり、UEがアグレッサセルへの送信を改善しないので、改善された制御チャネル復号アルゴリズムを使用し得る。たとえば、UEは、該UEがチャネル状態情報のアグレッサセルのインターセプションに気づいていないので、異なる電力制御スキームまたは異なるタイミングアドバンスを使用しないことがある。
【0077】
別の態様によれば、アグレッサセルは、潜在的アップリンク干渉を低減するために、および潜在的アップリンク干渉を低減することによってメッセージをインターセプトする可能性を改善するために、アグレッサセルに関連付けられたUEの共有チャネル送信をスケジュールすることを回避し得る。さらに、サービングセルは、周期的チャネル状態情報報告が予想されるときに、共有チャネル上での送信をスケジュールすることを回避し得る。この態様では、単一のタイミングアドバンスおよび電力制御ループが使用され得る。
【0078】
図11に、ワイヤレス通信のための方法1100を示す。ブロック1102において、UEが、サービングeNodeBからのダウンリンク信号に干渉しているアグレッサeNodeBを識別する。アグレッサeNodeBは、ピコセルであり得、UEがマクロセルに接続されたときにアグレッサとして検出され得る。干渉は、RAT間(inter-RAT)またはRAT内(intra-RAT)干渉であり得る。
【0079】
ブロック1104において、一態様によれば、UEは、アップリンクチャネル上でアグレッサeNodeBのためのチャネル状態情報報告をどのように送信すべきかを示す信号を受信し、該信号はサービングeNodeBによって与えられる。いくつかの態様では、どのように送信すべきかを示す信号は、周期性、オフセットパラメータ、タイミングアドバンスコマンド、電力制御コマンド、および/または非周期的報告要求を含む。さらに、いくつかの態様では、上記信号はサービングeNodeBを介してアグレッサeNodeBから受信される。
【0080】
最後に、UEは、ブロック1106において、アグレッサeNodeBにチャネル状態情報報告を送信する。一態様によれば、チャネル状態情報報告は、制御チャネルを介して周期的に送信され得る。さらに、いくつかの態様では、チャネル状態情報報告は、アグレッサeNodeBのための情報のみを含み得る。代替的に、チャネル状態情報報告は、アグレッサeNodeBとサービングeNodeBの両方のための情報を含み得る。
【0081】
一構成では、UE650は、ワイヤレス通信のために構成され、識別するための手段と、受信するための手段と、送信するための手段とを含む。一態様では、上記識別手段、受信手段、および/または送信手段は、上記識別手段、受信手段、および/または送信手段によって記述された機能を実行するように構成された、コントローラ/プロセッサ659およびメモリ660、受信プロセッサ656、TXプロセッサ668、変調器654、アンテナ652であり得る。別の態様では、上述の手段は、上述の手段によって記述された機能を実行するように構成された任意のモジュールまたは任意の装置であり得る。
【0082】
図12は、例示的な装置1200中の異なるモジュール/手段/コンポーネント間のデータフローを示す概念データフロー図である。装置1200は、サービングeNodeBからのダウンリンク信号に干渉しているアグレッサeNodeBを識別する干渉モジュール1202を含む。干渉モジュール1202は、受信モジュール1206において受信された信号1210から検出された干渉を介してアグレッサeNodeBを決定し、識別し得る。装置1200は、アップリンクチャネル上でアグレッサeNodeBのためのチャネル状態情報報告をどのように送信すべきかを示す信号を受信する報告モジュール1204をさらに含む。報告モジュールは、上記信号をサービングeNodeBから受信し得る。サービングeNodeBから送信された信号は、受信モジュールにおいて受信され、報告モジュールに送信され得る。干渉モジュール1202は、報告モジュールに検出された干渉を報告し得る。報告モジュール1204は、さらに、アグレッサeNodeBにチャネル状態情報報告を送信するように送信モジュール1208を制御し得る。その送信は、送信モジュール1208から送信された信号1212を介して送られ得る。本装置は、上述のフローチャート
図11中のアルゴリズムのステップの各々を実行する追加のモジュールを含み得る。したがって、上述のフローチャート
図11中の各ステップは1つのモジュールによって実行され得、本装置は、それらのモジュールのうちの1つまたは複数を含み得る。それらのモジュールは、述べられたプロセス/アルゴリズムを行うように特に構成された1つまたは複数のハードウェアコンポーネントであるか、述べられたプロセス/アルゴリズムを実行するように構成されたプロセッサによって実装されるか、プロセッサによる実装のためにコンピュータ可読媒体内に記憶されるか、またはそれらの何らかの組合せであり得る。
【0083】
図13は、処理システム1314を採用する装置1300のためのハードウェア実装形態の一例を示す図である。処理システム1314は、バス1324によって概略的に表されるバスアーキテクチャを用いて実装され得る。バス1324は、処理システム1314の具体的な適用例および全体的な設計制約に応じて、任意の数の相互接続バスおよびブリッジを含み得る。バス1324は、プロセッサ1322によって表される1つまたは複数のプロセッサおよび/またはハードウェアモジュールと、モジュール1302、1304、1306と、コンピュータ可読媒体1326とを含む様々な回路を互いにリンクする。バス1324はまた、タイミングソース、周辺機器、電圧調整器、および電力管理回路など、様々な他の回路をリンクし得るが、これらの回路は当該技術分野においてよく知られており、したがって、これ以上説明しない。
【0084】
本装置は、トランシーバ1330に結合された処理システム1314を含む。トランシーバ1330は、1つまたは複数のアンテナ1320に結合される。トランシーバ1330は、伝送媒体を介して様々な他の装置と通信することを可能にする。処理システム1314は、コンピュータ可読媒体1326に結合されたプロセッサ1322を含む。プロセッサ1322は、コンピュータ可読媒体1326に記憶されたソフトウェアの実行を含む一般的な処理を担当する。ソフトウェアは、プロセッサ1322によって実行されたとき、処理システム1314に、いずれかの特定の装置について説明される様々な機能を実行させる。コンピュータ可読媒体1326はまた、ソフトウェアを実行するときにプロセッサ1322によって操作されるデータを記憶するために使用され得る。
【0085】
処理システム1314は、サービングeNodeBからのダウンリンク信号に干渉しているアグレッサeNodeBを識別するための干渉モジュール1302を含む。処理システム1314は、アップリンクチャネル上でアグレッサeNodeBのためのCSI報告をどのように送信すべきかを示す信号を受信するための受信モジュール1304であって、該信号がサービングeNodeBによって与えられる、受信モジュール1304を含む。処理システム1314は、アグレッサeNodeBにチャネル状態情報(CSI)報告を送信するための送信モジュール1306をさらに含む。それらのモジュールは、プロセッサ1322中で動作する、コンピュータ可読媒体1326中に存在する/記憶されたソフトウェアモジュールであるか、プロセッサ1322に結合された1つまたは複数のハードウェアモジュールであるか、またはそれらの何らかの組合せであり得る。処理システム1314は、UE650のコンポーネントであり得、メモリ660および/またはコントローラ/プロセッサ659を含み得る。
【0086】
図14に、ワイヤレス通信のための方法1400を示す。ブロック1402において、eNodeBが、非サーブドUEによって送信されるべきCSI報告についての報告パラメータを決定する。いくつかの態様では、そのパラメータは、周期性、オフセットパラメータ、タイミングアドバンスコマンド、電力制御コマンド、および/または非周期的報告要求を含む。
【0087】
ブロック1404において、一態様によれば、eNodeBは、非サーブドUEのサービングeNodeBを介して非サーブドUEに報告パラメータを通信する。eNodeBは、X2インターフェースなど、バックホールを介してサービングeNodeBに、電力制御コマンド、タイミングアドバンスコマンド、および/または非周期的報告要求など、情報を送信し得る。
【0088】
最後に、eNodeBは、ブロック1406において、非サーブドUEからオーバーエアでCSI報告を受信する。一態様によれば、チャネル状態情報報告は、制御チャネルを介して周期的に送信され得る。さらに、いくつかの態様では、チャネル状態情報報告は、アグレッサeNodeBのための情報のみを含み得る。代替的に、チャネル状態情報報告は、アグレッサeNodeBとサービングeNodeBの両方のための情報を含み得る。
【0089】
一構成では、eNodeB610は、ワイヤレス通信のために構成され、決定するための手段と、通信するための手段と、受信するための手段とを含む。一態様では、上記決定手段、通信手段、および/または受信手段は、上記決定手段、通信手段、および/または受信手段によって記述された機能を実行するように構成された、コントローラ/プロセッサ675、送信プロセッサ616、RXプロセッサ670、アンテナ620、変調器618、およびメモリ676であり得る。別の態様では、上述の手段は、上述の手段によって記述された機能を実行するように構成された任意のモジュールまたは任意の装置であり得る。
【0090】
図15は、例示的な装置1500中の異なるモジュール/手段/コンポーネント間のデータフローを示す概念データフロー図である。装置1500は、非サーブドUEによって送信されるべきCSI報告についての報告パラメータを決定する決定モジュール1502を含む。装置1500は、また、非サーブドUEのサービングeNodeBを介して非サーブドUEに報告パラメータを通信する通信モジュール1504を含む。通信モジュールは、送信モジュール1508を介して報告パラメータを送信する。送信モジュール1508は、バックホール上で送られた信号1512を介して報告パラメータを送信し得る。装置1500は、非サーブドUEによって送信された信号1510からCSI報告を受信する受信モジュール1506をさらに含み得る。本装置は、上述のフローチャート
図14中のアルゴリズムのステップの各々を実行する追加のモジュールを含み得る。したがって、上述のフローチャート
図14中の各ステップは、1つのモジュールによって実行され得、本装置は、それらのモジュールのうちの1つまたは複数を含み得る。それらのモジュールは、述べられたプロセス/アルゴリズムを行うように特に構成された1つまたは複数のハードウェアコンポーネントであるか、述べられたプロセス/アルゴリズムを実行するように構成されたプロセッサによって実装されるか、プロセッサによる実装のためにコンピュータ可読媒体内に記憶されるか、またはそれらの何らかの組合せであり得る。
【0091】
図16は、処理システム1614を採用する装置1600のためのハードウェア実装形態の一例を示す図である。処理システム1614は、バス1624によって概略的に表されるバスアーキテクチャを用いて実装され得る。バス1624は、処理システム1614の具体的な適用例および全体的な設計制約に応じて、任意の数の相互接続バスおよびブリッジを含み得る。バス1624は、プロセッサ1622によって表される1つまたは複数のプロセッサおよび/またはハードウェアモジュールと、モジュール1602、1604、1606と、コンピュータ可読媒体1626とを含む様々な回路を互いにリンクする。バス1624はまた、タイミングソース、周辺機器、電圧調整器、および電力管理回路など、様々な他の回路をリンクし得るが、これらの回路は当該技術分野においてよく知られており、したがって、これ以上説明しない。
【0092】
本装置は、トランシーバ1630に結合された処理システム1614を含む。トランシーバ1630は、1つまたは複数のアンテナ1620に結合される。トランシーバ1630は、伝送媒体を介して様々な他の装置と通信することを可能にする。処理システム1614は、コンピュータ可読媒体1626に結合されたプロセッサ1622を含む。プロセッサ1622は、コンピュータ可読媒体1626に記憶されたソフトウェアの実行を含む一般的な処理を担当する。ソフトウェアは、プロセッサ1622によって実行されたとき、処理システム1614に、いずれかの特定の装置について説明される様々な機能を実行させる。コンピュータ可読媒体1626はまた、ソフトウェアを実行するときにプロセッサ1622によって操作されるデータを記憶するために使用され得る。
【0093】
処理システム1614は、非サーブドユーザ機器によって送信されるべきCSI報告についての報告パラメータを決定するための決定モジュール1602を含む。処理システム1614は、また、非サーブドUEのサービングeNodeBを介して非サーブドUEに報告パラメータを通信するための通信モジュール1604を含む。処理システム1614は、非サーブドUEからオーバーエアでCSI報告を受信するための受信モジュール1606をさらに含み得る。それらのモジュールは、プロセッサ1622中で動作する、コンピュータ可読媒体1626中に存在する/記憶された、ソフトウェアモジュールであるか、プロセッサ1622に結合された1つまたは複数のハードウェアモジュールであるか、またはそれらの何らかの組合せであり得る。処理システム614は、UE650のコンポーネントであり得、メモリ660および/またはコントローラ/プロセッサ659を含み得る。
【0094】
さらに、本明細書の開示に関して説明した様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組合せとして実装され得ることを、当業者は諒解されよう。ハードウェアとソフトウェアのこの互換性を明確に示すために、様々な例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、およびステップについて、上記では概してそれらの機能に関して説明した。そのような機能をハードウェアとして実装するか、ソフトウェアとして実装するかは、具体的な適用例および全体的なシステムに課された設計制約に依存する。当業者は、説明した機能を具体的な適用例ごとに様々な方法で実装し得るが、そのような実装の決定は、本開示の範囲からの逸脱を生じるものと解釈されるべきではない。
【0095】
本明細書の開示に関して説明した様々な例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートまたはトランジスタ論理、個別ハードウェアコンポーネント、あるいは本明細書で説明した機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを用いて実装または実行され得る。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであり得るが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンであり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは任意の他のそのような構成として実装され得る。
【0096】
本明細書の開示に関して説明した方法またはアルゴリズムのステップは、直接ハードウェアで実施されるか、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで実施されるか、またはその2つの組合せで実施され得る。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM、または当該技術分野で知られている任意の他の形態の記憶媒体中に存在し得る。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合される。代替として、記憶媒体はプロセッサに一体化され得る。プロセッサおよび記憶媒体はASIC中に存在し得る。ASICはユーザ端末中に存在し得る。代替として、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末中に個別コンポーネントとして存在し得る。
【0097】
1つまたは複数の例示的な設計では、説明した機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実装され得る。ソフトウェアで実装される場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとしてコンピュータ可読媒体上に記憶されるか、あるいはコンピュータ可読媒体を介して送信され得る。コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を可能にする任意の媒体を含む、コンピュータ記憶媒体と通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、汎用または専用コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMまたは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気ストレージデバイス、あるいは命令またはデータ構造の形態の所望のプログラムコード手段を搬送または記憶するために使用され得、汎用もしくは専用コンピュータ、または汎用もしくは専用プロセッサによってアクセスされ得る、任意の他の媒体を備えることができる。また、いかなる接続もコンピュータ可読媒体と適切に呼ばれる。たとえば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用するディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザーディスク(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピーディスク(disk)およびblu−rayディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、データをレーザーで光学的に再生する。上記の組合せもコンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0098】
本開示についての以上の説明は、いかなる当業者も本開示を作成または使用することができるように与えたものである。本開示への様々な修正は当業者には容易に明らかとなり、本明細書で定義した一般原理は、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく他の変形形態に適用され得る。したがって、本開示は、本明細書で説明した例および設計に限定されるものではなく、本明細書で開示した原理および新規の特徴に合致する最も広い範囲を与えられるべきである。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1] サービングeNodeBからのダウンリンク信号に干渉しているアグレッサeNodeBを識別することと、
前記アグレッサeNodeBにチャネル状態情報(CSI)報告を送信することと
を含む、ワイヤレス通信の方法。
[C2] アップリンクチャネル上で前記アグレッサeNodeBのための前記CSI報告をどのように送信すべきかを示す信号を受信することであって、前記信号が前記サービングeNodeBによって提供される、受信すること
をさらに含む、C1に記載の方法。
[C3] 前記信号が、少なくとも周期性、オフセットパラメータ、タイミングアドバンスコマンド、電力制御コマンド、および/または非周期的報告要求を含む、C2に記載の方法。
[C4] 前記信号が、バックホールを介して前記アグレッサeNodeBから前記サービングeNodeBに送信される、C3に記載の方法。
[C5] 前記CSI報告が、前記アグレッサeNodeBに関連する情報のみを含む、C1に記載の方法。
[C6] 前記CSI報告が、前記アグレッサeNodeBに関連する情報と、前記サービングeNodeBに関連する情報とを含む、C1に記載の方法。
[C7] 前記送信することが、PUCCHチャネル上で周期的に行われる、C1に記載の方法。
[C8] 前記送信することが、前記アグレッサeNodeBによってトリガされた信号であって、前記サービングeNodeBからオーバーエアで受信された信号に応答して、PUSCHチャネル上で非周期的に行われる、C1に記載の方法。
[C9] 非サーブドユーザ機器(UE)によって送信されるべきチャネル状態情報(CSI)報告についての報告パラメータを決定することと、
前記非サーブドUEからオーバーエアでCSI報告を受信することと
を含む、ワイヤレス通信の方法。
[C10] 前記受信することが、非サービングeNodeBにおいて実行される、C9に記載の方法。
[C11] 前記CSI報告がまたサービングeNodeBによっても受信される、C10に記載の方法。
[C12] 前記CSI報告がサービングeNodeBによって受信されない、C10に記載の方法。
[C13] 前記受信することが、サービングeNodeBを対象とするCSI報告をインターセプトすることを含む、C10に記載の方法。
[C14] 前記非サーブドUEのサービングeNodeBを介して前記非サーブドUEに前記報告パラメータを通信することであって、前記報告パラメータが、少なくとも電力制御コマンド、タイミングアドバンスコマンド、および/または非周期的報告要求を含む、通信することをさらに含む、C9に記載の方法。
[C15] サービングeNodeBからのダウンリンク信号に干渉しているアグレッサeNodeBを識別するための手段と、
前記アグレッサeNodeBにチャネル状態情報(CSI)報告を送信するための手段と
を含む、ワイヤレス通信のための装置。
[C16] 非サーブドユーザ機器(UE)によって送信されるべきチャネル状態情報(CSI)報告についての報告パラメータを決定するための手段と、
前記非サーブドUEからオーバーエアでCSI報告を受信するための手段と
を含む、ワイヤレス通信のための装置。
[C17] プログラムコードを記録した非一時的コンピュータ可読媒体を含む、ワイヤレス通信のためのコンピュータプログラム製品であって、前記プログラムコードが、
サービングeNodeBからのダウンリンク信号に干渉しているアグレッサeNodeBを識別するためのプログラムコードと、
前記アグレッサeNodeBにチャネル状態情報(CSI)報告を送信するためのプログラムコードと、を含む、
コンピュータプログラム製品。
[C18] プログラムコードを記録した非一時的コンピュータ可読媒体を含む、ワイヤレス通信のためのコンピュータプログラム製品であって、前記プログラムコードが、
非サーブドユーザ機器(UE)によって送信されるべきチャネル状態情報(CSI)報告についての報告パラメータを決定するためのプログラムコードと、
前記非サーブドUEからオーバーエアでCSI報告を決定受信するためのプログラムコードと、を含む、
コンピュータプログラム製品。
[C19] メモリと、
前記メモリに結合された少なくとも1つのプロセッサであって、
サービングeNodeBからのダウンリンク信号に干渉しているアグレッサeNodeBを識別することと、
前記アグレッサeNodeBにチャネル状態情報(CSI)報告を送信することと
を行うように構成された少なくとも1つのプロセッサと
を含む、ワイヤレス通信のための装置。
[C20] 前記少なくとも1つのプロセッサは、アップリンクチャネル上で前記アグレッサeNodeBのための前記CSI報告をどのように送信すべきかを示す信号を受信することであって、前記信号が前記サービングeNodeBによって提供される、受信することを行うようにさらに構成された、C19に記載の装置。
[C21] 前記信号が、少なくとも周期性、オフセットパラメータ、タイミングアドバンスコマンド、電力制御コマンド、および/または非周期的報告要求を含む、C20に記載の装置。
[C22] 前記信号が、バックホールを介して前記アグレッサeNodeBから前記サービングeNodeBに送信される、C21に記載の装置。
[C23] 前記CSI報告が、前記アグレッサeNodeBに関連する情報のみを含む、C19に記載の装置。
[C24] 前記CSI報告が、前記アグレッサeNodeBに関連する情報と、前記サービングeNodeBに関連する情報とを含む、C19に記載の装置。
[C25] 前記送信することが、PUCCHチャネル上で周期的に行われる、C19に記載の装置。
[C26] 前記送信することが、前記アグレッサeNodeBによってトリガされた信号であって、前記サービングeNodeBからオーバーエアで受信された信号に応答して、PUSCHチャネル上で非周期的に行われる、C19に記載の装置。
[C27] メモリと、
前記メモリに結合された少なくとも1つのプロセッサであって、
非サーブドユーザ機器(UE)によって送信されるべきチャネル状態情報(CSI)報告についての報告パラメータを決定することと、
前記非サーブドUEからオーバーエアでCSI報告を受信することと
を行うように構成された少なくとも1つのプロセッサと
を含む、ワイヤレス通信のための装置。
[C28] 前記受信することが、非サービングeNodeBにおいて実行される、C27に記載の装置。
[C29] 前記CSI報告がまたサービングeNodeBによっても受信される、C28に記載の装置。
[C30] 前記CSI報告がサービングeNodeBによって受信されない、C28に記載の装置。
[C31] 前記受信することが、サービングeNodeBを対象とするCSI報告をインターセプトすることを含む、C28に記載の装置。
[C32] 前記少なくとも1つのプロセッサは、前記非サーブドUEのサービングeNodeBを介して前記非サーブドUEに前記報告パラメータを通信することであって、前記報告パラメータが、少なくとも電力制御コマンド、タイミングアドバンスコマンド、および/または非周期的報告要求を含む、通信することを行うようにさらに構成された、C27に記載の装置。