特許第6189430号(P6189430)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6189430接地抵抗を測定する装置及びそのような装置を有する車載充電器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6189430
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】接地抵抗を測定する装置及びそのような装置を有する車載充電器
(51)【国際特許分類】
   G01R 27/20 20060101AFI20170821BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20170821BHJP
   B60L 3/00 20060101ALN20170821BHJP
   B60L 11/18 20060101ALN20170821BHJP
【FI】
   G01R27/20
   H02J7/00 P
   !B60L3/00 S
   !B60L11/18 C
【請求項の数】11
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-517822(P2015-517822)
(86)(22)【出願日】2013年6月6日
(65)【公表番号】特表2015-535333(P2015-535333A)
(43)【公表日】2015年12月10日
(86)【国際出願番号】FR2013051293
(87)【国際公開番号】WO2013190207
(87)【国際公開日】20131227
【審査請求日】2016年6月3日
(31)【優先権主張番号】1255793
(32)【優先日】2012年6月20日
(33)【優先権主張国】FR
(31)【優先権主張番号】61/663,013
(32)【優先日】2012年6月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100101199
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義教
(72)【発明者】
【氏名】リポル, クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】コナテ, クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】キュイエール, エティエンヌ
【審査官】 永井 皓喜
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭63−231276(JP,A)
【文献】 特開昭53−93072(JP,A)
【文献】 特開平7−83976(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0298466(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 27/20
G01R 31/36
H02J 7/00
B60L 3/00
B60L 11/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器の接地抵抗(24)を測定する装置(26)であって、
電源回路網(3)の相(5)を機器のアース(19)と接続するための第1の電気分路(21)に電流源(8)及び電流計(9)が配置され、
電源回路網(3)の中性線(4)を機器のアース(19)と接続するための第2の電気分路(22)に第1の抵抗(13)及び第1の抵抗(13)と直列な第1のコンデンサ(10)が配置され、第1の抵抗(13)の両端には電圧計(14)が接続され、
電源回路網の中性線(4)を機器のアース(19)と接続するための第3の電気分路(23)を設け、第3電気分路(23)は、第1のコンデンサ(10)及び第1の抵抗(13)と並列に第2のコンデンサ(20)を備え、第2のコンデンサ(20)は第1のコンデンサ(10)よりも高い値を有することを特徴とする、装置(26)。
【請求項2】
第1の抵抗(13)及び第1のコンデンサ(10)とは直列に、第2のコンデンサ(20)とは並列にインダクタ(11)が配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
第2のコンデンサ(20)は、第1のコンデンサ(10)よりも少なくとも5倍大きい、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
第2のコンデンサ(20)は、10から100nF(ナノファラッド)の間の値を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
第2のコンデンサ(20)は、20から300nFの間の値を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
インダクタ(11)は、1から10mH(ミリヘンリー)の間の値を有する、請求項2からのいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
請求項1からのいずれか一項に記載の装置(26)を含む、自動車用バッテリのための充電器(1)。
【請求項8】
第2の電気分路(22)を、充電器(1)の電源の第1の接続端子(6)と、第1の接続端子とは異なる、充電器の電源の第2の接続端子(7)とに、交互に接続することができるリレー(17)を含むとともに、接地端子(32)と第2の接続端子(7)との間に接続される第2の電圧計(15)を含んで、第2の接続端子(7)はリレーによって切断されることができ、さらに、接地端子(32)と第1の接続端子(6)との間に接続される第3の電圧計(30)を含んで、第1の接続端子(6)はリレーによって切断されることができる、請求項に記載の充電器。
【請求項9】
前記接続端子(6、7)が電源回路網(3)に接続される場合に、リレー(17)をスイッチングするように構成される電気制御ユニット(16)をさらに含み、リレー(17)のスイッチングにより、2つの接続端子(6、7)のうち、第2のコンデンサ(20)の端子測定電圧が低くなる方の接続端子に、第2の電気分路(22)が接続される、請求項に記載の充電器。
【請求項10】
電気制御ユニット(16)は、第1の抵抗(13)の端子測定電圧がリレー(17)の作動後に閾値電圧よりも高い状態を維持する場合に、電源回路網(3)に接続する試みに後続するバッテリの充電を防止するように構成される、請求項に記載の充電器。
【請求項11】
電流計(9)及び第1の電圧計(14)の測定値から計算された接地抵抗(24)が閾値抵抗よりも大きいか等しい場合に、バッテリの充電を防止するように構成される電気制御ユニット(16)を備える、請求項から10のいずれか一項に記載の充電器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、接地抵抗を測定する装置に関し、特に、車載のバッテリ充電器に組み込まれる接地抵抗測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車を推進させるためのバッテリの充電に使用される電流の強度は、特に高い。
【0003】
したがって、安全上の理由から、バッテリの充電を開始する前に、乗り物に接触しようとする人を守るために、充電器のアースが十分に有効であるか確認することが必要となる。
【0004】
接地抵抗を測定する装置は存在する。そのような装置は、典型的には、定電流源及び電流計が配置された第1の電気分路を含み、この分路は、電気回路網の相(phase)に接続される。そのような装置はさらに、コンデンサ及び抵抗が配置された第2の分路を含み、抵抗には電圧計が設けられ、分路は電気回路網の中性線に接続される。
【0005】
接地抵抗の測定は、通常、接地を測定する装置以外の電気器具が、回路網に接続されないようにして行われる。別の器具が回路網に接続された状態では、電流ループ干渉が生じて測定の結果を変えてしまう可能性がある。
【0006】
本発明の目的は、高い測定精度を確保するとともに、使用する電源回路網に接続され得る器具によって干渉電流が生じた場合でも、干渉電流に対する感度を抑制した接地抵抗測定装置を提供することである。
【0007】
この目的に対して、本発明は、以下のものを含む、機器の接地抵抗を測定する装置を提供する、すなわち、
‐ 電源回路網の相を機器のアースと接続するために、第1の分路が設けられ、これに電流源及び電流計が配置される、
‐ 電源回路網の中性線を機器のアースと接続するために、第2の分路が設けられ、この分路は、抵抗及びこの抵抗と直列な第1のコンデンサを備え、抵抗の両端には電圧計が接続される。
【0008】
装置は、回路網の中性線を機器のアースと接続するために第3の分路を備え、これは第2のコンデンサを備え、この第2のコンデンサは、第1のコンデンサ及び第1の抵抗と並列に配置され、第1のコンデンサよりも高い値を有する。
【0009】
インダクタを、抵抗及び第1のコンデンサとは直列で、第2のコンデンサとは並列に配置してよい。
【0010】
有利には、第2のコンデンサは、第1のコンデンサよりも少なくとも5倍の大きさとし、好ましくは、第1のコンデンサよりも少なくとも10倍の大きさとする。
【0011】
第2のコンデンサは、10から100nF(ナノファラッド)の間の値とし、好ましくは、20から300nFの間の値とする。
【0012】
インダクタは、1から10mH(ミリヘンリー)の間の値とする。
【0013】
本発明はまた、説明した接地測定装置を含む、自動車のバッテリのための充電器を提供する。
【0014】
充電器は、第2の分路を、充電器電源の第1の接続端子、及び第1の接続端子とは異なる充電器電源の第2の接続端子に、交互に接続することが可能なリレーを含む。また、充電器に、接地端子と第2の端子との間に接続される第2の電圧計(15)を含めて、第2の端子をリレーによって切断できるようにし、また、接地端子と第1の端子との間に接続される第3の電圧計を含めて、第1の端子をリレーによって切断できるようにしてもよい。
【0015】
好ましい実施形態において、第1の分路及び第2の分路を、装置の第1の入力端子及び第2の入力端子にそれぞれ接続し、又は反対に、第2及び第1の入力端子にそれぞれ接続するようにしてもよく、それは接続端子の側部か又は第1及び第2の電気分路の端部にスプリット接続を備える同じ機械的なスイッチを使用して行われ、その1つは第1のスプリット端部から第2のスプリット端部へと、他方は第2のスプリット端部から第1のスプリット端部へと、各々同時にスイッチングすることが可能である。
【0016】
充電器は電気制御ユニットを含み、この電気制御ユニットは、端子を電源回路網に接続する際にリレーをスイッチングし、このリレーのスイッチングにより、2つの接続端子のうち、第2のコンデンサの端子測定電圧が低くなる方の接続端子に、第2の分路が接続される。
【0017】
電気制御ユニットは、抵抗の端子測定電圧がリレーの起動の後に閾値電圧よりも高い状態を維持する場合に、電源回路網に接続する試みに続くバッテリの充電を防止するように構成される。
【0018】
電気制御ユニットは、電流計及び第1の電圧計の読みから計算された接地抵抗が閾値抵抗よりも大きいか等しい場合に、バッテリの充電を防止するように構成される。
【0019】
本発明の他の目的、特徴、及び利点は、単なる非限定的な具体例及び添付の図面を参照してなされる以下の説明を読むことによって理解することができるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、先行技術による、接地抵抗を測定する装置の概略図である。
図2図2は、本発明による、接地抵抗を測定する装置の概略図である。
図3図3は、本発明による、接地抵抗を測定するための別の装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1に図示されるように、車載バッテリ充電器1は、接地抵抗2を測定する装置を含む。充電器1は、第1の接続端子6及び第2の接続端子7を含み、第1の接続端子は、電気回路網3の相線5に接続される電源出力プラグに挿入され、第2の接続端子は、同じ電気回路網の中性線4に接続されるプラグに挿入されるように構成されている。
【0022】
電気回路網は、ここでは電圧源3の記号で概略的に表されている。
【0023】
充電器1はまた、電気回路網のアース線19と電気的に接触するように配置される接地端子32を含む。
【0024】
測定装置2は、第1の端子6及び接地端子32を接続する、第1の電気分路21を含む。この分路21には、電流計9とダイオード29に直列に取り付けられる定電流源8が配置され、ダイオード29は、回路網の電流が定電流源8による電流と同じ方向にのみ流れるように構成されている。
【0025】
接地抵抗2を測定する装置はさらに、第2の接続端子7を接地端子32と接続する、第2の電気分路22を含む。この第2の分路と直列に配置されるのは、第1のコンデンサ10及び抵抗13であり、抵抗の両端には第1の電圧計14が接続される。電気制御ユニット16は、電圧計及び電流計の測定値を収集できるように、電圧計14及び電流計9に接続されている。電気制御ユニット16はまた、電流を測定装置2の第1の分路21に注入することができるように、定電流源8に接続されている。
【0026】
電流源8による第2の分路への電流注入は、接地端子32を介して、電気回路網3及び抵抗13を通過する並流ループの中性線4への反流をもたらす。
【0027】
電気抵抗24は、接地線19及び回路網の中性線4の間の電流の流れに応じて測定される。この抵抗24は、装置2を使用して測定される接地抵抗である。
【0028】
既知の測定手順は、電気制御ユニット16が、電流計9及び電圧計14から与えられる値に基づいて、接地抵抗24の値を推定することを可能にする。例えば、一次近似として、接地抵抗24は、RTという値を有すると考えられる。
ここで、RT=V/Aであり、Vは第1の電圧計14によって測定された電圧であり、Aは電流計9によって同時に測定された電流の強度であり、特に、そのように決定されるRTの値が抵抗13の値よりも実質的に小さい場合はそうである。
【0029】
しかしながら、同じ電気回路網3に、干渉源である電気器具12が接続された状態で測定が行われる場合、この干渉する電気器具12は寄生電流を接地線19に送るとともに、寄生電流ループ25を発生する。このループは、太線と電流の流れを示す矢印とにより図1の中において表わしている。この寄生電流ループ25は、抵抗13を通過して、電気制御ユニット16によって実行された接地抵抗測定の結果を変更する。
【0030】
図2は、本発明による、抵抗を測定する装置26が組み込まれた充電器1を描いたものである。
【0031】
図2に示すいくつかの要素は、接地抵抗2を測定する図1の装置と共通であって、同じ要素には同じ参照符号を付してある。
【0032】
測定装置26は第3の分路23を備え、これにより第2の端子7と接地端子32とを接続する。
【0033】
この分路に置かれるコンデンサ20は、コンデンサ10よりも値が大きい。第2の電圧計15は、接地端子32と、充電器の第1の接続端子6との間に接続される。第3の電圧計30は、接地端子32と、充電器の第2の接続端子7との間に接続される。
【0034】
第2の分路22は、図1の装置2について説明したものと同一のままであってよく、あるいは、第1のコンデンサ10と直列にインダクタ11を備えてもよい。
【0035】
コンデンサ20の値は、第2の分路のコンデンサ10よりも実質的に大きく、例えば10倍大きくなるように選ばれる。このようにすれば、干渉源12によって発生する寄生電流は、接地抵抗の測定に使用する周波数よりも概して高い周波数であって、電気回路網の周波数よりも概して高い周波数となるため、コンデンサ20のレベルに応じて、第2の分路のインピーダンスより低いインピーダンスを「見る」ことになる。このインピーダンスの差異により、寄生電流ループ25は第3の分路側に転流して、寄生電流は装置26の第2の分路に流れる測定電流とは干渉しないようになる。
【0036】
電気回路網が伝送するのが50ヘルツであるのに対して、家庭電化製品から発生する干渉電流の周波数は、典型的には、キロヘルツのオーダーである。インダクタ11を使用することにより、装置26の第2の分路22の寄生電流から「見える」インピーダンスを増加することができる。
【0037】
そのような電流の周波数に対して、コンデンサは、10から100nF(ナノファラッド)の間の値が有利であり、好ましくは、20から300nFの間の値が選ばれる。
【0038】
インダクタは、1から10mH(ミリヘンリー)の間の値であってよい。なお、インダクタの値は、変形的な実施形態において、付加的なインダクタンスを有することなしに、ゼロとなり得る。
【0039】
電気制御ユニット16によって実行される接地抵抗の測定の手順は、実質的に変わらないままである。
【0040】
接地抵抗を測定する装置26はさらに、接続端子6及び7に係わるリレーシステムを備えてよく、それによって、第1の分路と回路網の相線5との適切な接続を確保でき、第2の分路22と回路網3の中性線4との適切な接続確保できる。
【0041】
例えば、第1のリレー17は、第1の物理端子6と第2の物理端子7とに対して、交互に第2の分路22の接続をスイッチングするように構成される。
【0042】
第2のリレー18は、第1の物理端子6と第2の物理端子7とに対して、交互に第1の分路21の接続をスイッチングするように構成される。
【0043】
電圧計15及び30の測定結果は、中性線4の状態確認に使用できることから、これらの測定の実行後に、第2の分路22及び第3の分路23を中性線4に接続し、第1の分路21を相5に接続することができる。
【0044】
したがって、第2の分路22を回路網3の中性線4に確実に接続することができる。その後、電気制御ユニット16は、第2のリレー18を、端子7及び端子6のいずれにも接触していない位置からスイッチングして、第1のリレー17によって利用可能に残されている端子と接触するように配置することができる。
【0045】
図3は、図2の充電器を変形したものである。この変形実施形態において、第1及び第2の分路の回路網に対する接続は、二重作動スイッチにより行われるようになっていて、この二重作動スイッチには、電気制御ユニット16によって同時に作動する第1の接触器27及び第2の接触器28が含まれる。充電器1の端子6及び端子7は、それぞれ分割され、端子6の場合は2つの接点6a、6bに、端子7の場合は2つの接点7a、7bに分割される。例えば、接点6a、6bは、接点7a、7bの外側に配置される。第1の分路21に接続される第1の接触器27は、接点6aから接点7aにスイッチングすることができ、これと同時に、第2の接触器は、接点7bから接点6bにスイッチングすることができる。
【0046】
第1の接触器27が接点6aに接触した状態では、第2の接触器28は接点7bと接触する。これは、図1において、端子6が回路網の相に接続され、端子7が回路網の中性線4に接続される場合に相当する。
【0047】
ここで、端子6を回路網の中性線に接続し端子7を回路網の相に接続する場合(図示されていない構成)には、電気制御ユニット16により、接触器27をスイッチングして接点7aと接触させる。一方、接触器28は、例えば、2つの接触器を連結する機械的なリンクにより、同時にスイッチングして接点6bと接触する。このようにして、第1の分路21は相5に接続され、第2の分路22は中性線4に接続される。
【0048】
変形的な実施形態において、接続は、接続端子6及び7側で分割する代わりに、第1(21)及び第2(22)の電気分路側で分割してもよい。図2の実施形態と同様に、接触器の上流側に配置される2つの電圧計15及び30を介して、電気制御ユニット16は、第1の分路21を回路網の相5に接続可能であり、第2の分路22を回路網の中性線4に接続可能である。
【0049】
電気制御ユニット16は、第1及び第2の分路をそれぞれ回路網の相及び中性線に適切に接続する試みの後に、電圧計14の測定電圧が所定の閾値よりも高いままである場合、充電器の使用を防止するように構成される。例えば、この異常な電圧は、接触器17、18又は27、28のシステムの故障によるものである。すなわち、システムは、充電器14を回路網3に接続するために使用される電気プラグの幾何学的形状に関して望ましいものとは逆の構成になっている。
【0050】
電気制御ユニット16はまた、接地抵抗が所定の閾値よりも高い場合、例えば、100オームよりも高い場合、又は200オームよりも高い場合、充電器の使用を防止するように構成される。
【0051】
本発明による接地抵抗を測定する装置は、機器の接地抵抗値を確実に監視することによって安全性を高めるとともに、装置の相線及び中性線がスイッチングされる場合に、相線が装置の第3の分路にダイレクトに接続されないようにして、望ましくない強度の電流が乗り物のアースに流れる危険性を防止する。
【0052】
本発明は、説明した実施形態の例に限られるものではなく、かつ多くの変形例が可能である。
【0053】
接地を測定する装置26は、相及び中性線をスイッチングするために使用できる可変形状との接続を欠いていてもよい。
【0054】
装置は、少なくとも1つの相線、中性線、及びアースのための対応する線を備える限りにおいて、単相、2相、又は3相の回路網のいずれにも接続されるように設計可能である。
【0055】
ここに、装置は、相線のうちの1つと中性線との間に接続することができるものである。
【0056】
装置は、インダクタ11を備えなくてもよいし、第2の電圧計15若しくは第3の電圧計30を備えなくてもよい。第1及び第2のコンデンサに対して採用される値は、回路網の電流の周波数の範囲や、回路網上の想定される干渉源の電流の周波数の範囲に応じて変更できる。定電流源8から注入する電流周波数は、干渉源12により発生する寄生電流について見込まれる周波数から離れた周波数とする。想定される干渉源12が、定電流源8の使用周波数よりも実質的に低い周波数領域で作動する場合、第3の分路のコンデンサ20は、例えば、1から10mHの間の値などの、低い値のインダクタに置き代えることができる。
【0057】
装置には、既述の構成要素に加えて、他の抵抗、コンデンサ、インダクタを追加してもよい。
図1
図2
図3