(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1の実施形態に係る半導体装置の概略的な平面図である。
【
図3】同半導体装置の製造方法を示す概略的な平面図である。
【
図4】同半導体装置の製造方法を示す概略的な側面図である。
【
図5】同半導体装置の製造方法を示す概略的な平面図である。
【
図6】同半導体装置の製造方法を示す概略的な側面図である。
【
図7】同半導体装置の製造方法を示す概略的な平面図である。
【
図8】同半導体装置の製造方法を示す概略的な側面図である。
【
図9】同半導体装置の製造方法を示す概略的な平面図である。
【
図10】同半導体装置の製造方法を示す概略的な側面図である。
【
図11】同半導体装置の製造方法を示す概略的な平面図である。
【
図12】同半導体装置の製造方法を示す概略的な側面図である。
【
図13】同半導体装置の製造方法を示す概略的な平面図である。
【
図14】同半導体装置の製造方法を示す概略的な側面図である。
【
図15】第2の実施形態に係る半導体装置の概略的な平面図である。
【
図17】同半導体装置の製造方法を示す概略的な平面図である。
【
図18】同半導体装置の製造方法を示す概略的な側面図である。
【
図19】同半導体装置の製造方法を示す概略的な平面図である。
【
図20】同半導体装置の製造方法を示す概略的な側面図である。
【
図21】同半導体装置の製造方法を示す概略的な平面図である。
【
図22】同半導体装置の製造方法を示す概略的な側面図である。
【
図23】第3の実施形態に係る半導体装置の概略的な平面図である。
【
図25】同半導体装置の製造方法を示す概略的な平面図である。
【
図26】同半導体装置の製造方法を示す概略的な側面図である。
【
図27】同半導体装置の製造方法を示す概略的な平面図である。
【
図28】同半導体装置の製造方法を示す概略的な側面図である。
【
図29】同半導体装置の製造方法を示す概略的な平面図である。
【
図30】同半導体装置の製造方法を示す概略的な側面図である。
【
図31】第4の実施形態に係る半導体装置の概略的な側面図である。
【
図32】同半導体装置の製造方法を示す概略的な平面図である。
【
図33】同半導体装置の製造方法を示す概略的な側面図である。
【
図34】同半導体装置の製造方法を示す概略的な平面図である。
【
図35】同半導体装置の製造方法を示す概略的な側面図である。
【
図36】同半導体装置の製造方法を示す概略的な平面図である。
【
図37】同半導体装置の製造方法を示す概略的な側面図である。
【
図38】同半導体装置の製造方法を示す概略的な平面図である。
【
図39】同半導体装置の製造方法を示す概略的な側面図である。
【
図40】同半導体装置の製造方法を示す概略的な平面図である。
【
図41】同半導体装置の製造方法を示す概略的な側面図である。
【
図42】同半導体装置の製造方法を示す概略的な平面図である。
【
図43】同半導体装置の製造方法を示す概略的な側面図である。
【
図44】他の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す概略的な平面図を示す。
【
図45】同半導体装置の製造方法を示す概略的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して、実施形態に係る半導体装置について説明する。尚、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なる。説明中の上下等の方向を示す用語は、後述する半導体チップの回路形成面側を上とした場合の相対的な方向を指し示し、重力加速度方向を基準とした現実の方向と異なる場合がある。
【0008】
[第1の実施の形態に係る半導体装置の構成]
先ず、
図1及び
図2を参照して、第1の実施形態に係る半導体装置の構成について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る半導体装置の概略的な平面図であり、
図2(a)は、
図1のI−I′切断断面図、
図2(b)は、同じくII−II′切断断面図である。
【0009】
図1及び
図2に示す通り、本実施形態に係る半導体装置は、基板1と、この基板1の上に絶縁性を有する第1の接着材2を介して貼り付けられた下部シールド板3と、この下部シールド板3の上に絶縁性を有する第2の接着材4を介して搭載された半導体チップ5と、この半導体チップ5の上面に絶縁性を有する第3の接着材6を介して貼り付けられた上部シールド板7と、下部シールド板3及び上部シールド板7を側部で結合する側部シールド材8とを備える。また、これら第1の接着材2、下部シールド板3、第2の接着材4、半導体チップ5、第3の接着材6、上部シールド板7および側部シールド材8の少なくとも一部は絶縁性樹脂9によって埋め込まれている。尚、
図1においては、説明のために、絶縁性樹脂9を省略して図示している。
【0010】
本実施形態において、基板1にはセラミック、樹脂、表面が酸化されたシリコン(Si)等の絶縁材を用いる。基板1の表面には、図示しない配線及びこの配線に接続されたコンタクト部11(第1のコンタクト部)が形成されている。配線及びコンタクト部11は、銅等の金属を用いて印刷、蒸着、その他の方法により形成されている。コンタクト部11は、半導体チップ5に接続されるボンディング用パッドで、下部シールド板3の両側面に沿って下部シールド板3の延びる方向(以下、「第1の方向」と呼ぶ。)に所定ピッチで配列されている。
【0011】
下部シールド板3は、下面に第1の接着材2が貼り付けられ、第1の方向を長手方向とする長方形である。第1の方向の長さは半導体チップ5の第1の方向の長さよりも長い。また、下部シールド板3の第1の方向と直交する方向(以下、「第2の方向」と呼ぶ。)の幅はコンタクト部11同士の間隔よりも狭く、半導体チップ5の第2方向における幅とほぼ同じである。また、下部シールド板3には透磁率の高い材料を用いる。本実施形態においてはPCパーマロイ(Ni−Mo,Cu−Fe)等の鉄を含む磁性合金を用いる。尚、本実施形態において下部シールド板3の厚みは、50μm〜150μm程度である。
【0012】
半導体チップ5は、集積回路を含んでおり、本実施形態においては複数のデータを磁気によって記憶する記憶デバイスが搭載されている。この記憶デバイスは、例えばスピンの注入によってデータの書き込みを行い、トンネル磁気抵抗効果による抵抗の変化によって書き込まれたデータの判別を行うものでも良い。但し、半導体チップ5として異なる記憶デバイスを搭載することも可能であるし、記憶デバイス以外のデバイスを搭載することも可能である。
【0013】
半導体チップ5は、下面に第2の接着材4が貼り付けられ、上面の第2の方向の両側にコンタクト部12(第2のコンタクト部)を有する。コンタクト部12は複数の接続材であるボンディングワイヤ51を介してコンタクト部11と電気的に接続されている。
【0014】
上部シールド板7は、下面に第3の接着材6が貼り付けられ、第1の方向を長手方向とする長方形である。第2の方向における幅はコンタクト部12の第2の方向の幅よりも狭い。第1の方向の長さは下部シールド板3と同じである。また、上部シールド板7には、下部シールド板3と同様に透磁率の高い材料を用いる。本実施形態においては、PCパーマロイ(Ni−Mo,Cu−Fe)等の鉄を含む磁性合金を用いる。上部シールド板7の厚みは、本実施形態においては50μm〜150μm程度である。
【0015】
側部シールド材8は、下部シールド板3及び上部シールド板7と共に、半導体チップ5を外部磁場から保護する磁気シールドとして機能する。側部シールド材8は、第1の方向から下部シールド板3及び上部シールド板7に接する。下部シールド板3及び上部シールド板7と同様に、側部シールド材8にも透磁率の高い材料を用いる。本実施形態において、側部シールド材8にはメッキや磁性体を含有する樹脂等を用いる。
【0016】
側部シールド材8の第1の方向における幅は適宜調整可能である。従って、例えば下部シールド板3及び上部シールド板7と、側部シールド材8との透磁率の違いを相殺する様に側部シールド材8の第1の方向における幅を調整することも可能である。更に、当該幅を下部シールド板3及び上部シールド板7よりも大きくすることによって、シールド機能を高めることも考えられる。
【0017】
本実施形態に係る半導体装置によれば、半導体チップ5の下面を下部シールド板3で覆い、上面を上部シールド板7で覆い、側面を側部シールド材8で覆うようにしている。しかも、下部シールド板3の第2の方向における幅は半導体チップ5の幅と同程度に形成され、上部シールド板7の第2方向の幅は半導体チップ5の幅よりも少し小さく形成されてはいるが、半導体チップ5の主要部分を好適に外部磁場から保護している。そして、下部シールド板3及び上部シールド板7の幅は、半導体チップ5から引き出されたボンディングワイヤ51及びコンタクト部11,12と各シールド板3,7との接触を防止可能な幅に設定されている。これにより、本実施形態に係る半導体装置は、半導体デバイス5の下面をも外部磁場から保護することが可能であり、良好な動作を行う事が可能となる。尚、下部シールド板3の第2の方向の幅は、半導体チップ5の主要部分が保護されるのであれば、上部シールド板7の第2の方向における幅と同程度としても良い。
【0018】
[第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法]
次に、本実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。
図3、
図5、
図7、
図9、
図11及び
図13は、本実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面図であり、
図4、
図6、
図8、
図10、
図12及び
図14はそれらの断面図である。
【0019】
本実施形態に係る半導体装置の製造方法においては、先ず
図3及び
図4に示す通り、図示しない配線及びコンタクト部11が形成された基板1を用意する。基板1は、第1の方向を長手方向、第2の方向を幅方向とする長方形で、長手方向に4つ分、幅方向に2つ分の計8個の半導体装置を製造可能なように、8組分の配線及びコンタクト部11が形成されている。各コンタクト部11は、幅方向に所定のスペースを空けて、長手方向に沿って形成されている。この基板1のコンタクト部11の幅方向に形成された2列分のスペースに、第1の方向に延びる2枚の下部シールド板3を平行に配置して第1の接着材2によって貼着する。
【0020】
本実施形態においては、第1の接着材2を下部シールド板3の裏面に貼着又は塗布した状態で下部シールド板3を基板1上に配置する。但し、例えば基板1側に第1の接着材2を塗布しておいても良い。
【0021】
次に、
図5及び
図6に示す通り、下部シールド板3上に、第1の方向及び第2の方向に所定間隔で8個の半導体チップ5を搭載する。半導体チップ5は、上面に形成されたコンタクト部12が、基板1に形成されたコンタクト部11と対応するように下部シールド板3上に配置される。本実施形態においては、半導体チップ5の下面に第2の接着材4を貼着又は塗布し、半導体チップ5を、下部シールド板3に配置する。但し、例えば下部シールド板3上に第2の接着材4を貼着又は塗布し、その上に半導体デバイス5を配置することも可能である。
【0022】
次に、半導体チップ5のコンタクト部12と基板1のコンタクト部11との間をボンディングワイヤ51で電気的に接続する。尚、本実施形態においては、半導体チップ5の第2の方向における幅は下部シールド板3の第2の方向における幅と同程度に形成されている。従って、半導体チップ5から引き出されたボンディングワイヤ51と下部シールド板3との接触を防止することが可能である。
【0023】
次に、
図7及び8に示す通り、半導体チップ5上に、第1の方向に延びる上部シールド板7を、第3の接着材6によって貼着する。上部シールド板7は、半導体チップ5の上面のコンタクト部12の間のスペースに配置される。
【0024】
本実施形態においては、上部シールド板7の下面に第3の接着材6を貼着又は塗布し、上部シールド板7を、半導体チップ5の上面に配置する。但し、例えば半導体チップ5上に第3の接着材6を貼着又は塗布し、その上に上部シールド板7を配置することも可能である。尚、本実施形態においては上部シールド板7の第2の方向における幅は、半導体チップ5の第2の方向における幅及び下部シールド板3の第2の方向における幅よりも小さく形成されている。従って、ボンディングワイヤ51と上部シールド板7との接触を好適に防止することが可能である。
【0025】
次に、
図9及び
図10に示す通り、基板1上の下部シールド板3、半導体チップ5及び上部シールド板7を、絶縁性樹脂9によって埋め込み、ブロック体10を形成する。続いて、このブロック体10に、第2の方向に延びる第1の溝1aを形成する。第1の溝1aは、第1の方向の左から1番目と2番目の半導体チップ5の間、及び3番目と4番目の半導体チップ5の間に形成される。第1の溝1aは、下部シールド板3、第1の接着材2、第3の接着材6及び上部シールド板7を第1の方向に切断する。
【0026】
次に、
図11及び
図12に示す通り、第1の溝1aに側部シールド材8を形成する。側部シールド材8の形成は、例えば第1の溝1aにメッキを行う事によって行っても良いし、第1の溝に磁性体を含有する樹脂ペースト材等を充填することによって行っても良い。また、例えば磁性体金属を第1の溝に挿入し、この磁性体金属と第1の溝側面との空隙にメッキを行い、又は磁性体を含有する樹脂等を充填することも考えられる。
【0027】
尚、磁性体を含有する樹脂等、流動性を有する材料を用いる場合、その材料が基板1上から流れ出してしまう事を防止するため、第1の溝1aの開始地点と終了地点に壁を設けることが考えられる。
【0028】
次に、
図13及び
図14に示す通り、各半導体チップ5の間に、第2の方向に延びる第2の溝1bと第1の方向に延びる第3の溝1cとを形成して、半導体装置を個片化する。また、この第2の溝1b及び第3の溝1cによって、半導体装置に含まれない基板1や絶縁性樹脂9等の余剰部分を切り離す。第2の溝1bは、第1の溝1aよりも幅が狭い。これにより、第2の溝1bでブロック体10を切断して得た半導体装置には、側部シールド材8が残り、下部シールド板3及び上部シールド板7を側部シールド材8が結合する構成の半導体装置が製造される。
【0029】
尚、
図13中、コンタクト部11a、これに接続されたボンディングワイヤ51及びコンタクト部12は、個片化された各半導体装置において、同様の機能を有する。更に、
図13中、左から1列目及び3列目に位置する半導体装置において、同一の位置にあるコンタクト部11a、これに接続されたボンディングワイヤ51及びコンタクト部12は、同一の機能を有している。また、
図13中、左から2列目及び4列目に位置する半導体装置を第1の方向及び第2の方向からなる面内において180°回転させた場合、左から1列目及び3列目に位置する半導体装置と同一の位置にあるコンタクト部11a、これに接続されたボンディングワイヤ51及びコンタクト部12は、これら半導体装置における機能と同一の機能を有している。
【0030】
本実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、複数の半導体装置を同時に製造することが可能であり、製造コストを低減することが可能である。また、簡便なプロセスによって下部シールド板3、上部シールド板7及び側部シールド材8の形成を行う事が可能である。
【0031】
[第2の実施形態に係る半導体装置]
次に、第2の実施形態に係る半導体装置の構成について説明する。
図15は、第2の実施形態に係る半導体装置の概略的な構成を示す平面図であり、
図16は、その断面図である。本実施形態に係る半導体装置は、基本的に第1の実施形態に係る半導体装置とほぼ同様に構成されているが、
図15及び
図16に示す通り、側部シールド材8を2つ備えている。2つの側部シールド材8は、それぞれ第1の方向の両側から下部シールド板3及び上部シールド板7に接する。
【0032】
本実施形態においては、2つの側部シールド材8、下部シールド板3及び上部シールド板7は、対向する一対の側面にのみ壁を有しない箱型の磁気シールドとして機能する。本実施形態に係る半導体装置は、下部シールド板3で受けた磁場を上部シールド板7へ、又は上部シールド板7で受けた磁場を下部シールド板3へ伝える経路が増加する。従って、第1の実施形態に係る半導体装置と比較してシールド性を高めることが可能であると考えられる。
【0033】
次に、第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。
図17、
図19及び
図21は、同製造方法を説明するための概略的な平面図であり、
図18、
図20及び
図22は、同側面図である。
【0034】
第2の実施形態に係る半導体装置は、基本的に第1の実施形態に係る半導体装置とほぼ同様に製造されるが、本実施形態においては、
図17及び
図18に示す通り、第1の溝1aを、各半導体チップ5の両側に形成する。次に、
図19及び
図20に示す通り、全ての第1の溝1aに側部シールド材8を形成し、更に
図21及び
図22に示す通り、全ての第2の溝1b及び第3の溝1cによってブロック体10を第1の方向及び第2の方向に切断して半導体装置を個片化する。これにより、本実施形態に係る半導体装置を形成することが可能となる。
【0035】
[第3の実施形態に係る半導体装置]
次に、第3の実施形態に係る半導体装置の構成について説明する。
図23は、本実施形態に係る半導体装置の構成を説明するための概略的な平面図であり、
図24は、その断面図である。第3の実施形態に係る半導体装置は、基本的には第1の実施形態に係る半導体装置と同様に構成されているが、本実施形態においては、側部シールド材8が下部シールド板3及び上部シールド板7と同様の材料で構成されている。従って、側部シールド材8の透磁率を高め、これによってシールド性を高めることが可能である。また、当該側部シールド材8は、絶縁性樹脂9′によって埋め込まれている。
【0036】
次に、第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。
図25、
図27及び
図29は、同製造方法を説明するための概略的な平面図であり、
図26、
図28及び
図30は、それらの断面図である。
【0037】
本実施形態に係る半導体装置の製造方法は第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法とほぼ同様であるが、本実施形態においては、
図25及び
図26に示す通り、ブロック体10に第2の方向に延びる第1の溝1aを形成する。次に、第1の溝1aに、第2の方向に延びる側部シールド材8を、それぞれ下部シールド板3及び上部シールド板7に当接する様に複数配置する。
【0038】
次に、
図27及び
図28に示す通り、これら2つの側部シールド材8の間に絶縁性樹脂9′を充填し、この充填による圧力によって2つの側部シールド材8を下部シールド板3及び上部シールド板7に密着させる。
【0039】
次に、
図29及び
図30に示す通り、各半導体チップ5の間に、第2の方向に延びる第2の溝1bと第1の方向に延びる第3の溝1cとを形成して、半導体装置を個片化する。第2の溝1bは、第1の溝1aよりも幅が狭い。これにより、第2の溝1bでブロック体10を切断して得た半導体装置には、側部シールド材8及び絶縁性樹脂9′が残り、下部シールド板3及び上部シールド板7を側部シールド材8が結合する構成の半導体装置が製造される。
【0040】
尚、絶縁性樹脂9′は、絶縁性樹脂9と一体化する。従って、第2の溝1bの形成後においては、側部シールド材8は、絶縁性樹脂9′の内部応力によって下部シールド板3及び上部シールド板7に当接する。従って、絶縁性樹脂9′の第1の方向における幅は、当該応力を確保するために充分な厚みを有する様にすることも考えられる。
【0041】
[第4の実施形態に係る半導体装置]
次に、第4の実施形態に係る半導体装置の構成について説明する。
図31は、本実施形態に係る半導体装置の構成を説明するための概略的な断面図である。第4の実施形態に係る半導体装置は、基本的には第1の実施形態に係る半導体装置と同様に構成されているが、本実施形態においては、第1の接着材2及び下部シールド板3の一部に穴21及び31が穿たれており、基板1の、当該穴によって露出した部分にはコンタクト部11が更に形成されており、半導体チップ5からは第1の方向にもボンディングワイヤ51が引き出され、第1の接着材2及び下部シールド板3に穿たれた穴を介してコンタクト部11に接続されている点において異なっている。本実施形態に係る半導体装置によれば、仮に半導体チップ5から引き出すボンディングワイヤ51の数がある程度以上増加した場合にも、容易にコンタクトを行う事が可能である。尚、本実施形態においては第1の接着材2及び下部シールド板3の一部に穴21及び31を設けているが、第3の接着材6及び上部シールド板7にも穴を穿つことも可能である。
【0043】
本実施形態に係る半導体装置の製造方法は第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法とほぼ同様であるが、
図32及び
図33に示す通り、下部シールド板3に第1の方向の所定の間隔で穴21及び31が形成されている点、基板1の穴21及び31に対応する個所にコンタクト部11が形成されている点及び基板1上に第1の接着材2及び下部シールド板3を形成する前に、下部シールド板3の裏面に第1の接着材2を塗布し、穴21及び31を形成し、穴21及び31が形成された第1の接着材2及び下部シールド板3を基板1上に配置する点において異なっている。尚、例えば基板1上に穴21が設けられるように第1の接着材2を塗布し、その後で穴31が形成された下部シールド板3を配置することも可能である。
【0044】
次に、
図34及び
図35に示す通り、第1の実施形態と同様に、下部シールド板3上に半導体チップ5を搭載する。次に、半導体チップ5のコンタクト部12と基板1のコンタクト部11との間をボンディングワイヤ51で電気的に接続する。尚、本実施形態においては半導体チップ5の上面の、穴21及び31に近接する部分にもコンタクト部12が形成されている。
【0045】
次に、
図36及び
図37に示す通り、半導体チップ5上に、第1の方向に延びる上部シールド板7を、第3の接着材6によって貼付する。当該工程は、基本的には
図7及び
図8を使用して説明した工程と同様であるが、本実施形態においては上部シールド板7が穴21及び31の範囲内に設けられたコンタクト部11に接続されたボンディングワイヤ51を避ける様に形成される。本実施形態においては、複数の上部シールド板7を貼りつけることによって当該構成を実現しているが、例えば第3の接着材6及び上部シールド板7に穴を穿つことによっても当該構成を実現可能である。
【0046】
次に、
図38及び
図39に示す通り、基板1上の下部シールド板3、半導体チップ5及び上部シールド板7を、絶縁性樹脂9によって埋め込み、ブロック体10を形成する。続いて、このブロック体10に、第2の方向に延びる第1の溝1aを形成する。第1の溝1aは、半導体チップ5の、ボンディングワイヤ51が接続されていない方向に設けられる。尚、本実施形態においては第1の溝1aは第1の実施形態と同様に形成されるが、第3の実施形態と同様に形成することも可能である。
【0047】
次に、
図40及び
図41に示す通り、第1の溝1aに側部シールド材8を形成する。側部シールド材8の形成は、第1の実施形態又は第3の実施形態と同様に行う事が可能である。
【0048】
次に、
図42及び
図43に示す通り、各半導体チップ5の間に、第2の方向に延びる第2の溝1bと第1の方向に延びる第3の溝1cとを形成して、半導体装置を個片化する。第2の溝1bは、第1の溝1aよりも幅が狭い。これにより、第2の溝1bでブロック体10を切断して得た半導体装置には、側部シールド材8が残り、下部シールド板3及び上部シールド板7を側部シールド材8が結合する構成の半導体装置が製造される。
【0049】
また、第2の溝1bは、穴21及び31の間に形成されたコンタクト部11の間を通る。従って、第2の溝1bは、ボンディングワイヤ51を切断しない。換言すれば、穴21及び31の間に形成されたコンタクト部11は、第2の溝1bによって切断されない為の間隔を空けて配置される。
【0050】
[その他の実施形態に係る半導体装置]
上記第1〜第4の実施形態においては、第2の方向に延びる第1の溝1aによって絶縁性樹脂9が第1の方向に分断されていた。しかしながら、
図44に示す通り、第1の溝1aを、第2の方向に延びる閉塞穴(凹部)として形成しても良い。この場合には、絶縁性樹脂9の幅及び第1の溝1aの幅を調整し、
図45に示す通り、第2の溝1b及び第3の溝1cによって半導体装置が個片化された際に、半導体装置にその第1の溝1aの始点及び終点が現れない様にする事が考えられる。
【0051】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。