特許第6189453号(P6189453)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6189453-ダウンリンク通信 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6189453
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】ダウンリンク通信
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/04 20090101AFI20170821BHJP
   H04W 74/08 20090101ALI20170821BHJP
【FI】
   H04W72/04 136
   H04W72/04 131
   H04W74/08
【請求項の数】14
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-553016(P2015-553016)
(86)(22)【出願日】2013年12月19日
(65)【公表番号】特表2016-507982(P2016-507982A)
(43)【公表日】2016年3月10日
(86)【国際出願番号】EP2013003850
(87)【国際公開番号】WO2014111117
(87)【国際公開日】20140724
【審査請求日】2015年9月14日
(31)【優先権主張番号】13305046.8
(32)【優先日】2013年1月16日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120363
【弁理士】
【氏名又は名称】久保田 智樹
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(72)【発明者】
【氏名】ウォン,シン ホーン
(72)【発明者】
【氏名】ベイカー,マシュー
【審査官】 三枝 保裕
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−336500(JP,A)
【文献】 特開2012−195960(JP,A)
【文献】 CATT,Analysis of coverage improvement for low-cost MTC LTE Ues[online],3GPP TSG-RAN WG1#71 R1-125247,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_71/Docs/R1-125247.zip>,2012年11月15日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
劣悪なカバレッジ領域でのランダム・アクセスのために設計された蓄積セットのRACHリソースを所期のユーザ機器が使用することの検出に基づいて、前記ユーザ機器が劣悪な受信エリア内にあることを基地局が判定するステップと、
前記判定するステップに応答して、ダウンリンク制御チャネル内で、前記ユーザ機器のための同一の反復する構成メッセージを前記基地局が符号化するステップであって、前記構成メッセージは、前記ユーザ機器がトラフィック・チャネルを介してトラフィックにアクセスできるようにするための構成情報を提供し、前記構成メッセージは、一定の回数だけ、前記ダウンリンク制御チャネルの、相当する個数のサブフレーム内で反復される、ステップとを含む無線遠隔通信方法。
【請求項2】
前記トラフィックを、前記相当する個数のサブフレームに関係する少なくとも1つのサブフレームの中で前記基地局が送信するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記トラフィックを、前記相当する個数のサブフレームのうちの最後の1つの中で前記基地局が送信するステップを含む、請求項1乃至2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項4】
前記判定するステップは、RACHプロシージャを前記ユーザ機器と完了できなかったことに応じて行われ、次いで、前記ユーザ機器が前記蓄積セットからのRACHリソースを使用する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記相当する個数のサブフレームの中で符号化される構成メッセージに適用されるアグリゲーションを前記基地局が増加させるステップを含む、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記アグリゲーションを、事前構成されたアグリゲーション・レベルまで前記基地局が増加させるステップを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記アグリゲーションは、前記ダウンリンク構成メッセージの周波数領域アグリゲーションを含む、請求項5乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記相当する個数のサブフレーム内で前記構成メッセージを符号化するステップに次いで、前記所期のユーザ機器のための、追加的な相当する一定複数個のサブフレームで送信される、追加的な反復する構成メッセージを前記基地局が符号化するステップを含み、前記追加的な構成メッセージは、異なるアグリゲーション・レベルを有する、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記追加的な相当する一定複数個のサブフレームは、前記相当する一定複数個のサブフレームを越える、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ユーザ機器のために識別されたサブフレーム内で、前記構成メッセージの符号化を前記基地局が開始するステップを含む、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
ダウンリンク制御チャネル内で、所期のユーザ機器のための同一の反復する構成メッセージを符号化するように動作可能な符号化論理であって、前記構成メッセージは、前記ユーザ機器がトラフィック・チャネルを介してトラフィックにアクセスできるようにするための構成情報を提供し、前記構成メッセージは、一定の回数だけ、前記ダウンリンク制御チャネルの、相当する個数のサブフレーム内で反復される、符号化論理と、
前記ユーザ機器が劣悪な受信エリア内にあることを判定するように動作可能な判定論理であって、前記符号化論理は、前記判定論理によって提供される指示に応答して前記構成メッセージを符号化するように動作可能であり、前記判定論理は、劣悪なカバレッジ領域でのランダム・アクセスのために設計された蓄積セットのRACHリソースを所期のユーザ機器が使用することの検出に応答して前記ユーザ機器が前記劣悪な受信エリア内にあることを判定するように動作可能である、判定論理とを含む基地局。
【請求項12】
ユーザ機器が劣悪な受信エリア内にあると判定することに応答して、劣悪なカバレッジ領域でのランダム・アクセスのために設計された蓄積セットのRACHリソースを前記ユーザ機器が使用するステップと、
ダウンリンク制御チャネル内で、同一の反復する構成メッセージを前記ユーザ機器が復号するステップであって、それぞれの構成メッセージは、前記ユーザ機器がトラフィック・チャネルを介してトラフィックにアクセスできるようにするための構成情報を提供し、前記構成メッセージは、一定の回数だけ、前記ダウンリンク制御チャネルの、相当する個数のサブフレーム内で反復されるステップとを含む無線遠隔通信方法。
【請求項13】
ユーザ機器が劣悪な受信エリア内にあることを判定するように動作可能であり、劣悪なカバレッジ領域でのランダム・アクセスのために設計された蓄積セットのRACHリソースを使用するように前記ユーザ機器を制御するように動作可能な判定論理と、
ダウンリンク制御チャネル内で、同一の反復する構成メッセージを復号するように動作可能な復号論理であって、それぞれの構成メッセージは、前記ユーザ機器がトラフィック・チャネルを介してトラフィックにアクセスできるようにするための構成情報を提供し、前記構成メッセージは、一定の回数だけ、前記ダウンリンク制御チャネルの、相当する個数のサブフレーム内で反復される、復号論理とを含むユーザ機器。
【請求項14】
コンピュータ上で実行されたときに、請求項1乃至10または12のいずれか1項に記載の方法ステップを実行するように動作可能なコンピュータ・プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線遠隔通信方法、コンピュータ・プログラム製品およびネットワーク・ノードに関する。
【背景技術】
【0002】
無線遠隔通信システムが知られている。セルラーシステムでは、無線カバレッジは、たとえば携帯電話などのユーザ機器へ、セルと呼ばれるエリアによって提供される。基地局は、無線カバレッジを提供するために、それぞれのセルに配置される。それぞれのセルのユーザ機器は、情報およびデータを基地局から受信し、情報およびデータを基地局へ送信する。
【0003】
基地局によってユーザ機器へ送信される情報およびデータは、ダウンリンク・チャネルと呼ばれる、無線キャリアのチャネル上に現れる。ユーザ機器によって基地局へ送信される情報およびデータは、アップリンク・チャネルと呼ばれる、無線キャリアのチャネル上に現れる。基地局の配置は、ネットワーク・オペレータによって大部分は管理できるが、ユーザ機器の配置はそうでない。ネットワーク内のユーザ機器の配置は、想定外の結果を引き起こすことがある。
【0004】
したがって、ユーザ機器と通信するための、改善された技法を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
第1の態様によれば、ダウンリンク制御チャネル内で、所期のユーザ機器のための同一の反復する構成メッセージを符号化するステップを含む無線遠隔通信方法が提供され、構成メッセージは、ユーザ機器がトラフィック・チャネルを介してトラフィックにアクセスできるようにするための構成情報を提供し、ダウンリンク構成メッセージは、一定の回数だけ、ダウンリンク制御チャネルの、相当する個数のサブフレーム内で反復される。
【0006】
第1の態様は、ユーザ機器の配置に対してますます増加する問題が、ユーザ機器が大きい減衰を受けるエリアに配置される場合があるということであると認識する。この大きい減衰により、ユーザ機器が、適切なトラフィックにアクセスできるために必須である構成情報を、復号できなくなってしまう場合がある。これは、こうした減衰の大きいエリアに配置された場合、ユーザ機器が、トラフィックを送信し、また基地局からトラフィックを受信することが、事実上不可能であることを意味する。第1の態様はまた、既存の規格は、この構成情報を減衰の大きい配置に提供するための適切な技法を提供できないと認識し、このことは、それらの規格を実装するユーザ機器が、そのような配置内のネットワークと通信することができないことを意味する。第1の態様はさらに、これら減衰の大きいエリアに配置された場合は一部のユーザ機器にとって不都合である一方、ユーザ機器が減衰のより小さいエリアへ移動した場合にカバレッジは回復されること、しかしいったん取り付けられると動かない新たに出現した種類のユーザ機器(たとえばスマートメータなどの、マシンタイプの通信装置など)があることを認識する。それらのユーザ機器に対して、ネットワーク・カバレッジは提供されない。
【0007】
したがって、無線遠隔通信方法が提供される。この方法は、同一の反復する構成メッセージを、ダウンリンク制御チャネル内で符号化するステップを含むことができる。この構成メッセージは、対応するアップリンクもしくはダウンリンク・トラフィック・チャネルまたはブロードキャスト・チャネルを介して送信されるアップリンクもしくはダウンリンク・トラフィック、またはブロードキャスト・トラフィックにアクセスするときのために、構成情報をユーザ機器に提供することができる。構成メッセージは、一定化、事前構成、または事前設定された回数だけ反復することができ、反復のそれぞれは、ダウンリンク制御チャネルの対応するサブフレーム内で行うことができる。複数のサブフレーム内で構成メッセージを反復することにより、ユーザ機器は、構成メッセージが復号され得る可能性を増大させるために、連続する反復からのエネルギーを合成することができる。したがって、このような反復によって、減衰の大きいエリアで提供されるカバレッジが増大することが理解されよう。
【0008】
一実施形態では、この方法は、相当する個数のサブフレームに関係する少なくとも1つのサブフレームの中で、トラフィックを送信または受信するステップを含む。したがって、構成メッセージに関連付けられたトラフィックは、構成メッセージが反復されるサブフレームに関係する1つまたは複数のサブフレームで、送信または受信することができる。
【0009】
一実施形態では、この方法は、相当する個数のサブフレームのうちの最後の1つの中で、トラフィックを送信または受信するステップを含む。したがって、トラフィックは、構成メッセージが反復されるサブフレームのうちの1つまたは複数の中で、送信または受信することができる。
【0010】
一実施形態では、この方法は、所期のユーザ機器が劣悪な受信エリア内にあることを判定するステップを含み、この判定に応じて符号化が行われる。したがって、このような反復は、ユーザ機器が劣悪なカバレッジ・エリア内にあることが判定された場合のみ、行われることができる。そうでない場合、制御情報を送信するための既存のプロシージャを使用することができる。既存の技法を使用して通信を確立できないことを通じてなど、ユーザ機器が劣悪なカバレッジ・エリア内にあるかどうかを判定するための様々な技法があることが理解されよう。
【0011】
一実施形態では、この判定は、無線アクセス・チャネルのRACHプロシージャをユーザ機器と完了できなかったことに応じて行われる。したがって、RACHプロシージャが完了できなかった場合、ユーザ機器が劣悪なカバレッジ・エリア内にあることを判定することができる。
【0012】
一実施形態では、この方法は、相当する個数のサブフレームの中で符号化される構成メッセージに適用されるアグリゲーション(aggregation)を、増加させるステップを含む。増加されたアグリゲーション・レベルを構成メッセージに適用することにより、合成可能なエネルギーの量が増大し、それにより、劣悪なカバレッジ・エリア内でこれらのメッセージを復号する能力が改善される。
【0013】
一実施形態では、この方法は、アグリゲーションを、事前構成されたアグリゲーション・レベルまで増加させるステップを含む。したがって、メッセージを送信するネットワーク・ノードおよびメッセージを受信するネットワーク・ノードの両方が、使用されるアグリゲーション・レベルを認識するように、適用されるアグリゲーションは、事前設定、事前定義、事前構成、または一定化することができる。
【0014】
一実施形態では、アグリゲーションは、構成メッセージの周波数領域アグリゲーションを含む。
【0015】
一実施形態では、この方法は、相当する個数のサブフレーム内の構成メッセージを符号化するステップに次いで、所期のユーザ機器のための、追加的な相当する一定複数個のサブフレームで送信される、追加的な反復する構成メッセージを符号化するステップを含み、追加的な構成メッセージは、減少されたアグリゲーション・レベルを有する。したがって、いったん反復するメッセージが送信されると、適用されたアグリゲーションは、他のメッセージにとって利用可能なリソースを増大させるために、減少させることができる。
【0016】
一実施形態では、追加的な相当する一定複数個のサブフレームは、相当する一定複数個のサブフレームを越える。
【0017】
一実施形態では、この方法は、ユーザ機器のために識別されたサブフレーム内の構成メッセージの符号化を開始するステップを含む。したがって、第1の反復するメッセージの送信のために、特定のサブフレームを指定することができる。この第1のサブフレームは、ユーザ機器が適切な第1のサブフレームで復号を開始できるように、ユーザ機器に関連付けられ、かつユーザ機器に知られることができる。これにより、第1の送信が行われるサブフレームを識別するためのスライディング・ウィンドウを提供するために、本来なら必要となるリソースが削減されることが理解されよう。これはまた、異なるユーザ機器への送信を、無線フレーム内の異なるサブフレームにわたって分散させる助けとなる。
【0018】
第2の態様によれば、ダウンリンク制御チャネル内で、所期のユーザ機器のための同一の反復する構成メッセージを符号化するように動作可能な符号化論理を含む基地局が提供され、構成メッセージは、ユーザ機器がトラフィック・チャネルを介してトラフィックにアクセスできるようにするための構成情報を提供し、構成メッセージは、一定の回数だけ、ダウンリンク制御チャネルの、相当する個数のサブフレーム内で反復される。
【0019】
一実施形態では、この基地局は、相当する個数のサブフレームに関係する少なくとも1つのサブフレームの中で、トラフィックを送信または受信するように動作可能な論理を含む。
【0020】
一実施形態では、論理は、相当する個数のサブフレームのうちの最後の1つの中で、トラフィックを送信または受信するように動作可能である。
【0021】
一実施形態では、基地局は、所期のユーザ機器が劣悪な受信エリア内にあることを判定するように動作可能な判定論理を含み、符号化論理は、判定論理によって提供される指示に応じて、構成メッセージを符号化するように動作可能である。
【0022】
一実施形態では、判定論理は、所期のユーザ機器が劣悪な受信エリア内であることを、RACHプロシージャをユーザ機器と完了できなかったことに応じて、判定するように動作可能である。
【0023】
一実施形態では、符号化論理は、相当する個数のサブフレームの中で符号化される構成メッセージに適用されるアグリゲーションを、増加させるように動作可能である。
【0024】
一実施形態では、符号化論理は、アグリゲーションを、事前構成されたアグリゲーション・レベルまで増加させるように動作可能である。
【0025】
一実施形態では、符号化論理は、構成メッセージの周波数領域アグリゲーションを実行するように動作可能である。
【0026】
一実施形態では、符号化論理は、相当する個数のサブフレーム内の構成メッセージを符号化するステップに次いで、所期のユーザ機器のための、追加的な相当する一定複数個のサブフレームで送信される、追加的な反復する構成メッセージを符号化するように動作可能であり、追加的な構成メッセージは、減少されたアグリゲーション・レベルを有する。
【0027】
一実施形態では、追加的な相当する一定複数個のサブフレームは、相当する一定複数個のサブフレームを越える。
【0028】
一実施形態では、符号化論理は、ユーザ機器のために識別されたサブフレーム内の構成メッセージの符号化を開始するように動作可能である。
【0029】
第3の態様によれば、ダウンリンク制御チャネル内で、同一の反復する構成メッセージを復号するステップを含む無線遠隔通信方法が提供され、それぞれの構成メッセージは、ユーザ機器がトラフィック・チャネルを介してトラフィックにアクセスできるようにするための構成情報を提供し、構成メッセージは、一定の回数だけ、ダウンリンク制御チャネルの、相当する個数のサブフレーム内で反復される。
【0030】
一実施形態では、この方法は、相当する個数のサブフレームに関係する少なくとも1つのサブフレームの中で、トラフィックを受信または送信するステップを含む。
【0031】
一実施形態では、この方法は、相当する個数のサブフレームのうちの最後の1つの中で、トラフィックを受信または送信するステップを含む。
【0032】
一実施形態では、この方法は、ユーザ機器が劣悪な受信エリア内にあることを判定するステップを含み、復号は、その判定に応じて行われる。
【0033】
一実施形態では、この判定は、RACHプロシージャを完了できなかったことに応じて行われる。
【0034】
一実施形態では、この方法は、相当する個数のサブフレームの中で、増加されたアグリゲーション・レベルで符号化された構成メッセージを復号するステップを含む。
【0035】
一実施形態では、この方法は、相当する個数のサブフレームの中で、増加され事前構成されたアグリゲーション・レベルで符号化された構成メッセージを復号するステップを含む。
【0036】
一実施形態では、アグリゲーションは、構成メッセージの周波数領域アグリゲーションを含む。
【0037】
一実施形態では、この方法は、相当する個数のサブフレーム内の構成メッセージを復号するステップに次いで、追加的な相当する一定複数個のサブフレームで送信される追加的な反復する構成メッセージを復号するステップを含み、追加的な構成メッセージは減少されたアグリゲーション・レベルを有する。
【0038】
一実施形態では、追加的な相当する一定複数個のサブフレームは、相当する一定複数個のサブフレームを越える。
【0039】
一実施形態では、この方法は、ユーザ機器のために識別されたサブフレーム内の構成メッセージの復号を開始するステップを含む。
【0040】
第4の態様によれば、ダウンリンク制御チャネル内で、同一の反復する構成メッセージを復号するように動作可能な復号論理を含むユーザ機器が提供され、それぞれの構成メッセージは、ユーザ機器がトラフィック・チャネルを介してトラフィックにアクセスできるようにするための構成情報を提供し、構成メッセージは、一定の回数だけ、ダウンリンク制御チャネルの、相当する個数のサブフレーム内で反復される。
【0041】
一実施形態では、ユーザ機器は、相当する個数のサブフレームに関係する少なくとも1つのサブフレームの中で、トラフィックを受信または送信するように動作可能な論理を含む。
【0042】
一実施形態では、論理は、相当する個数のサブフレームのうちの最後の1つの中で、トラフィックを受信または送信するように動作可能である。
【0043】
一実施形態では、ユーザ機器は、ユーザ機器が劣悪な受信エリア内にあることを判定するように動作可能な判定論理を含み、復号論理は、ユーザ機器が劣悪な受信エリアにあるという判定論理からの指示に応じて動作可能である。
【0044】
一実施形態では、判定論理は、ユーザ機器が劣悪な受信エリア内にあることを、RACHプロシージャを完了できなかったことに応じて、判定するように動作可能である。
【0045】
一実施形態では、復号論理は、相当する個数のサブフレームの中で、増加されたアグリゲーション・レベルで符号化された構成メッセージを復号するように動作可能である。
【0046】
一実施形態では、復号論理は、相当する個数のサブフレームの中で、増加され事前構成されたアグリゲーション・レベルで符号化された構成メッセージを復号するように動作可能である。
【0047】
一実施形態では、アグリゲーションは、構成メッセージの周波数領域アグリゲーションを含む。
【0048】
一実施形態では、復号論理は、相当する個数のサブフレーム内の構成メッセージを復号するステップに次いで、追加的な相当する一定複数個のサブフレームで送信される追加的な反復する構成メッセージを復号するように動作可能であり、追加的な構成メッセージは、減少されたアグリゲーション・レベルを有する。
【0049】
一実施形態では、追加的な相当する一定複数個のサブフレームは、相当する一定複数個のサブフレームを越える。
【0050】
一実施形態では、復号論理は、ユーザ機器のため識別されたサブフレーム内で、構成メッセージを復号するように動作可能である。
【0051】
第5の態様によれば、コンピュータ上で実行されたときに、第1または第3の態様の方法ステップを実行するように動作可能なコンピュータ・プログラム製品が提供される。
【0052】
さらに詳細で好ましい態様が、添付される独立および従属の特許請求の範囲に述べられる。従属の特許請求の範囲の特徴は、独立の特許請求の範囲の特徴と必要に応じて組み合わされてよく、特許請求の範囲で明示的に述べられたもの以外とも組み合わされる。
【0053】
装置の特徴が、ある機能を提供するように動作可能であると述べられる場合、その機能を提供し、またはその機能を提供するように適合または構成される、装置の特徴を含むことが理解されよう。
【0054】
次に、本発明の諸実施形態を、添付図面を参照して、さらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1】一実施形態による、ユーザ機器が劣悪なカバレッジ・エリア内にあることを判定した後の、それらユーザ機器の初期アクセスのためのPDCCHでの例示的な符号化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
概要
実施形態をより詳細に述べる前に、まず概要を説明する。上述のように、一部のタイプのユーザ機器の配置に対する難しさは、ユーザ機器が、たとえば、建物内のそれらの位置による大きい透過損失などの、大きい損失を受けるエリアに配置され、したがって、ユーザ機器がネットワークと通信することが困難であることである。このようなユーザ機器の一例が、たとえば、スマート需給計器(smart utility meter)などの機械によって使用される、マシンタイプの通信装置である。スマート需給計器には、地階または無線信号の大きい減衰を受ける他のエリアに配置されるものがあり、これらの装置のカバレッジを20db拡張することが望ましい。
【0057】
ユーザ機器は、ネットワークへアクセスすることが可能となる前に、ダウンリンク構成情報を含むダウンリンク制御チャネルを読み取ることができる必要がある。このようなダウンリンク制御チャネルの一例が、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)または拡張物理ダウンリンク制御チャネル(EPDCCH)であり、これらは、メッセージをユーザ機器へ転送するために使用されるリソースを、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)および/または物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)に割り当てるために使用される。PDCCHまたはEPDCCHを検出および復号できないユーザ機器は、いかなるメッセージも、ネットワークから受信し、またはネットワークへ送信することができないはずである。
【0058】
既存の技法は、アグリゲーションされた制御チャネル要素(CCE)またはアグリゲーションされた拡張制御チャネル要素(eCCE)の個数に相当するアグリゲーション・レベルを利用し、これらの制御チャネル要素は通常、所与のサブフレームの周波数領域でアグリゲーションされる。アグリゲーション・レベルが高くなればなるほど、より多くの制御チャネル要素が制御メッセージの送信のために使用され、したがって、メッセージは受信にとってより頑強となる。これにより、メッセージを減衰の大きいエリア内で受信できるようになり、そのためカバレッジ・エリアが増大する。しかし、PDCCHまたはEPDCCHを送信するためのこの手法は、大きい透過損失のエリア内のユーザ機器にとって不十分である。
【0059】
したがって、諸実施形態は、アグリゲーションされたメッセージが、ダウンリンク制御チャネル内のサブフレームの中で、複数回数だけ反復される技法を提供する。通常、たとえば、無線リソース・コネクション設定メッセージおよびコモン・メッセージのスケジューリングのためなどの初期アクセスに対して、制御チャネル・メッセージは、多数の連続するサブフレームの中で、時間および周波数での一定のアグリゲーション・レベルで反復される。すなわち、反復されるメッセージの位置および数は、周波数アグリゲーションのレベルとともに、一定化、事前設定、または事前構成される。というのも、基地局がユーザ機器に、これらのメッセージのフォーマッティングを通知する他の機会がないからである。メッセージを復号できるようにこれらのメッセージの信号エネルギーを合成可能にするために、サブフレーム内で反復され周波数領域の全域でアグリゲーションされるメッセージは同一である。いったんこのメッセージが正しく復号されると、ユーザ機器がPDCCHおよび/またはEPDCHで送信されるメッセージにアクセスして、ダウンリンク・トラフィックを受信可能にしたりアップリンク・トラフィックを送信可能にしたりすることが可能となり、ダウンリンク・トラフィックは通常、ダウンリンク構成メッセージの最後の反復のサブフレームに配置される。異なるサブフレームでトラフィックを送信できるが、これには、ユーザ機器にどのサブフレームがそのトラフィックを含んでいるかを教えるための、いくらかの追加の情報を要するはずであることが理解されよう。次いで、PDCCHおよび/またはEPDCCHのための時間および周波数でのアグリゲーションは、リソース上の負荷を削減するために、初期アクセスの後で他の値に再構成することができる。したがって、構成メッセージが、ダウンリンク構成メッセージおよび/またはアップリンク構成メッセージであってよいことが理解されよう。
【0060】
活動化
通常、構成メッセージの反復は、ユーザ機器が劣悪なカバレッジ・エリア内にあることが検出された場合にのみ、活動化される。なぜなら、この手法は比較的大量のリソースを消費し、ユーザ機器のための無線状態が余分な反復を求めない場合にこの手法を使用する必要がないからである。たとえば、ユーザ機器が最初にランダム・アクセス・チャネル(RACH)リソースを使用してネットワークへアクセスすることを試み、ネットワークへアクセスすることに失敗した場合に、広範囲の劣悪なカバレッジ領域でのランダム・アクセスのために設計された異なるセット(蓄積セット(accumulative set)と呼ばれることもある)からのRACHリソースを使用することを検出することにより、ユーザ機器が劣悪なカバレッジ・エリア内にあることを検出できる。ユーザ機器が、通常のRACHリソースを使用してネットワークにアクセスすることに失敗し、その代わり、蓄積セットのリソースを使用する場合、これはユーザ機器が劣悪な、または広範囲のカバレッジ領域内にあることを意味し、そのため、PDCCHおよび/またはEPDCCHを介して送信される信号のために、一定の時間および周波数アグリゲーション・レベルが使用される。同様に、ユーザ機器が拡張物理ブロードキャスト・チャネル・フォーマットを使用する必要がある場合も、ユーザ機器が広範囲のカバレッジ領域にありそうに思われ、コモン・メッセージのためにPDCCHおよびEPDCCHの時間および周波数での反復が行われる。
【0061】
反復
反復すなわち時間でのアグリゲーションのレベルは、その中でメッセージが最初に送信され、同じフォーマット(たとえば、変調、符号化、内容など)を伴う第1のサブフレームで使用されたものと同じインデックスを伴うCCEまたはeCCEを使用して、PDCCHおよび/またはEPDCCHを介して送信される構成メッセージを、時間で反復することにより実施される。すなわち、同一のメッセージが、連続するサブフレームにわたって反復される。これらの連続するサブフレームは通常、以下でより詳細に説明するように、直接隣接するサブフレームである。しかし、反復は、メッセージを運ばないサブフレームが間にあっても行われることができることが理解されよう。このような時間での反復によって、ユーザ機器が、それぞれのサブフレームで反復されるメッセージからの信号エネルギーを合成して、このメッセージの改善された復号を提供できるようになる。
【0062】
アグリゲーション
通常、低い周波数領域アグリゲーション・レベル(たとえば、アグリゲーション・レベル1および2−これはサブフレーム内のCCEの数を表す)は、劣悪なカバレッジ・エリア内にあると識別されるユーザ機器の、初期アクセスまたはコモン・メッセージに使用されない。その代わり、諸実施形態は、より高いアグリゲーション・レベル(たとえば、8、16、32、またはそれ以上)を使用する。これにより、ユーザ機器によってPDCCHおよび/またはEPDCCHを復号するために使用される探索空間が削減される。通常、送信する基地局および受信するユーザ機器の両方が、使用されるアグリゲーションのレベルを知るように、使用されるアグリゲーションのレベルは一定化、事前設定、または事前構成される。
【0063】
メッセージの開始
いくつかの実施形態では、反復される制御メッセージが最初に送信されるサブフレームの位置は、ユーザ機器ごとに指定される。すなわち、ある決まったサブフレームでのみ制御チャネル・メッセージが開始できるように、PDCCH/EPDCCHを介して送信されるメッセージの時間領域反復の境界が指定され、こうしたサブフレームは通常、周期的に現れる。たとえば、反復のこの境界は、RACHリソース(たとえば、初期アクセスまたはSI−RNTI(コモン・メッセージの場合)を送信するために使用される蓄積セット)に応じて指定可能である。この境界は、ユーザ機器に、第1の反復の時間領域の位置を指定する。
【0064】
ダウンリンク・トラフィックの防止
以前の技法は、ダウンリンク・トラフィックの送信のためのリソースを、ダウンリンク構成情報が送信される同じサブフレーム内に割り当てる。たとえば、リソースは、PDCCHおよび/またはEPDCCHでメッセージを運ぶサブフレームと同じサブフレーム内でのデータ送信のために、PDSCHまたはPUSCHに割り当てられる。諸実施形態では、メッセージは、反復されたメッセージの最後の反復が行われるサブフレーム内の、PDCCHおよび/またはEPDCCHで送信されるメッセージで示されるPDSCHおよび/またはPUSCHリソースを使用して送信される。これにより、ダウンリンク・トラフィックがスケジュールされているサブフレームを示すために、ダウンリンク制御メッセージ(DCIメッセージなど)に追加の情報を含める必要が回避される。また、すべてのメッセージ反復のために、サブフレームにリソースを予約する必要が回避される。
【0065】
ユーザ機器の符号化の例
図1は、ユーザ機器が劣悪なカバレッジ・エリア内にあることを判定した後の、そのユーザ機器の初期アクセスのためのPDCCHの例示的な符号化を示している。ユーザ機器および基地局の両方は、以下の符号化パラメータを前提とするように事前構成される。すなわち、周波数領域アグリゲーション・レベル16または32が適用され、メッセージが10個の連続するサブフレーム(すなわち、10反復)で反復され、第1の反復が行われるサブフレーム(すなわち、PDCCHの時間反復の境界)は使用される蓄積セットに比例する。すなわち、第1の反復を含むサブフレームは、N Mod 10であり、ここでNは、成功したRACH送信のためにユーザ機器によって使用されたN番目の蓄積セットである。
【0066】
MTC1およびMTC2がセル縁部の地階に配置されている2つのユーザ機器であるので、その両方が、拡張されたダウンリンク符号化を必要とすることが判定され、MTC1はランダムに蓄積セット5を選択し、一方、MTC2はランダムに蓄積セット2を選択する。
【0067】
したがって、MTC1の送信はサブフレーム5で発生し、一方、MTC2の送信はサブフレーム2で開始する。MTC1は、サブフレーム5で開始する10個の連続したサブフレームからのPDCCH信号を合成し、次いで、これらを周波数領域アグリゲーション・レベル16および32でブラインド復号(blind decode)する。同様に、MTC2は、サブフレーム2で開始する10個の連続したサブフレームからのPDCCH信号を合成し、次いで、これらを周波数領域アグリゲーション・レベル16および32でブラインド復号する。
【0068】
MTC1のPDSCHリソースは、次の無線フレームの4番目のサブフレーム(最後のPDCCH反復を含むサブフレーム)に割り当てられる。同様に、MTC2のPDSCHリソースは、次の無線フレームの1番目のサブフレーム(最後のPDCCH反復を含むサブフレームである)に割り当てられる。
【0069】
このフォーマットの初期アクセス・メッセージ(たとえば、無線リソース・コネクション設定メッセージ)をネットワークから受信した後、ネットワークは、ユーザ機器のアグリゲーションを他の値に再構成することができる。たとえば、ネットワークはRRCコネクション設定メッセージを使用して、ユーザ機器が、たとえば、15反復およびより低い範囲の周波数領域アグリゲーション(たとえば、アグリゲーション・レベル2と16の間)を復号するように再構成することができる。
【0070】
したがって、諸実施形態によって、PDCCH/EPDCCHチャネルが、たとえば、セル縁部における建物の地階に配置されているユーザ機器を賄うように拡張できることが理解され得る。
【0071】
当業者であれば、上述した様々な方法のステップが、プログラムされたコンピュータにより実行可能であることを容易に理解するはずである。本明細書では、いくつかの実施形態はまた、たとえば、デジタルデータ記憶媒体など、機械またはコンピュータで読取り可能であり、機械実行可能またはコンピュータ実行可能な、命令のプログラムを符号化するプログラム記憶装置を包含することを意図しており、ここで、前記命令は、前記上述した方法のステップの一部または全部を実行する。プログラム記憶装置は、たとえば、デジタルメモリ、磁気ディスクおよび磁気テープなどの磁気記憶媒体、ハードドライブ、または光学的に読取り可能なデジタルデータ記憶媒体でよい。諸実施形態はまた、上述した方法の前記ステップを実行するようにプログラムされたコンピュータを包含することを意図している。
【0072】
諸図に示される様々な要素の機能は、「プロセッサ」または「論理」とラベル付けされた任意の機能ブロックを含め、専用ハードウェア、および適切なソフトウェアと共同してソフトウェアを実行できるハードウェアの利用を通じて、提供されてもよい。プロセッサによって提供される場合、機能は、単一の専用プロセッサによって、単一の共用プロセッサによって、またはそれらの一部が共用可能な複数の個別プロセッサによって、提供されてもよい。さらに、「プロセッサ」または「コントローラ」または「論理」という用語の明示的な使用は、ソフトウェアを実行できるハードウェアを排他的に指すと解釈されるべきでなく、それだけに限らないが、デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)ハードウェア、ネットワーク・プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、ソフトウェアを記憶するためのリード・オンリ・メモリ(ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、および不揮発性記憶装置を、暗示的に含むことができる。通常の、および/またはカスタムの他のハードウェアも含まれてよい。同様に、諸図に示す任意のスイッチは、単に概念的なものである。それらの機能は、プログラム論理の操作を通じて、専用論理を通じて、プログラム制御および専用論理の相互作用を通じて、または手動でも実施されることができ、個別の技法は、文脈からより詳細に理解されるように、実施者により選択可能である。
【0073】
本明細書の任意のブロック図は、本発明の原理を具体化する例示的な回路の概念図を表していることが、当業者により理解されるべきである。同様に、任意のフローチャート、流れ図、状態遷移図、擬似コードなどは、様々なプロセスを表し、それらのプロセスは、コンピュータ可読媒体で実質的に表現できるので、そのようなコンピュータまたはプロセッサが明示的に示されているか否かにかかわらず、コンピュータまたはプロセッサによって実行可能であることが理解されよう。
【0074】
記述および図は、単に本発明の原理を示すものである。したがって、本明細書に明示的に記述または図示していないが、本発明の原理を具体化し、本発明の趣旨および範囲に含まれる様々な構成を、当業者であれば考案することが理解されるであろう。さらに、本明細書に詳述したすべての例は、原則として、読者が本発明の原理およびその技術を推進する発明者によって提供された概念を理解するのを支援するために、教育のみを目的とすることを明確に意図するものであり、そのような具体的に詳述された例および条件に限定しないものとして解釈するべきである。さらに、本発明の原理、態様および実施形態を述べる本明細書のすべての記述、およびそれらの具体例は、それらの均等物を包含することを意図している。
図1