特許第6189458号(P6189458)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6189458
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】集塵装置浄化用ノズルおよび集塵装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 46/04 20060101AFI20170821BHJP
   B03C 3/47 20060101ALI20170821BHJP
   B03C 3/80 20060101ALI20170821BHJP
   B05B 1/14 20060101ALI20170821BHJP
   B08B 5/02 20060101ALI20170821BHJP
【FI】
   B01D46/04 103
   B03C3/47
   B03C3/80
   B05B1/14 Z
   B08B5/02 Z
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-556684(P2015-556684)
(86)(22)【出願日】2014年1月10日
(86)【国際出願番号】JP2014050292
(87)【国際公開番号】WO2015104827
(87)【国際公開日】20150716
【審査請求日】2016年5月13日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】315016723
【氏名又は名称】三菱日立パワーシステムズ環境ソリューション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 勝久
(72)【発明者】
【氏名】小松 由尚
(72)【発明者】
【氏名】三宅 一明
【審査官】 中村 泰三
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭63−120139(JP,A)
【文献】 特開昭50−037067(JP,A)
【文献】 特開昭49−089961(JP,A)
【文献】 特開昭56−113318(JP,A)
【文献】 特開昭59−186625(JP,A)
【文献】 特開2008−115847(JP,A)
【文献】 米国特許第03216653(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 46/04
B03C 3/47
B03C 3/80
B05B 1/14
B08B 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮空気が流れる圧縮空気流路を形成する母管と、
前記圧縮空気流路を貫通するように配置される内側ノズルと、
外側ノズルとを備え、
前記内側ノズルは、
前記母管の外側から清浄ガスが流れ込む連行流流路と、
前記連行流流路に接続される連行流出口とが形成され、
前記清浄ガスを前記連行流流路に取り込む連行流取り込み口に前記内側ノズルの内側の面と前記母管の外側の面とを緩やかに繋げる曲面が形成され、
前記外側ノズルと前記内側ノズルとの間には、
前記圧縮空気流路に接続される噴流流路と、
前記連行流出口を囲むように配置される噴射口とが形成され
前記母管を流れる前記圧縮空気の流れの下流側ほど前記連行流出口の面積と前記噴射口の面積とが大きく、
前記母管は、前記圧縮空気の流れの下流側ほど細くされている集塵装置浄化用ノズル。
【請求項2】
前記圧縮空気流路を貫通するように配置される他の内側ノズルをさらに備え、
前記他の内側ノズルは、
前記清浄ガスが流れる他の連行流流路と、
前記他の連行流流路に接続される他の連行流出口とが形成され、
前記噴流流路と前記噴射口とは、前記外側ノズルと前記内側ノズルと前記他の内側ノズルとに囲まれる領域に形成される請求項1に記載される集塵装置浄化用ノズル。
【請求項3】
請求項1または2に記載される集塵装置浄化用ノズルと、
複数のろ布、金網、若しくはフィルタ、又は電気集塵装置の集塵とされたダスト捕集機構部とを備え、
前記集塵装置浄化用ノズルは、前記ダスト捕集機構部に噴射されるように配置される集塵装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集塵装置浄化用ノズルおよび集塵装置に関し、特に、排ガスからダストを除去する集塵装置を浄化するときに利用される集塵装置浄化用ノズルおよび集塵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
排ガスからダストを除去する集塵装置が知られている。集塵装置には多数の方式があり、代表的なものとしてフィルタ、電気集塵装置等が挙げられる。フィルタの内、バグフィルタは袋状に形成されたろ布を複数備え、ろ布が排ガスをろ過することにより、排ガスからダストを除去している(特許文献1〜6参照。)。バグフィルタは、パルスジェット状の空気をろ布に噴射し、ろ布の表面に堆積したダストを払い落として逆洗をすることにより、ダストの堆積による圧力損失上昇を防止している(特許文献2〜6参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−58948号公報
【特許文献2】特許第3078772号公報
【特許文献3】特開平04−90817号公報
【特許文献4】特開2007−90222号公報
【特許文献5】特公昭59−9206号公報
【特許文献6】特開2013−116466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バグフィルタは、ろ布を長尺化することにより、設置スペースを低減し、コストを低減することができる。長尺のろ布は、逆洗されるときに、多くの逆洗用空気が噴射される必要がある。バグフィルタは、長尺のろ布を適切に逆洗することが望まれ、ろ布を逆洗する逆洗用空気の流量を低コストで高効率に増加させることが望まれている。
また、他のフィルタ及び電気集塵装置においても、金網、フィルタ、板等のダスト捕集機構部に排ガスから除去したダストが堆積して、経時的な圧力損失の上昇またはダスト除去効率の低下が生じるため、低コストで高効率に浄化できることが望まれる。
【0005】
本発明の課題は、噴流の流量を低コストで高効率に増加させる集塵装置浄化用ノズルを提供することにある。
本発明の他の課題は、排ガスからダストを除去するろ布、金網、フィルタ,板等のダスト捕集機構部を適切に浄化する上記ノズルを備えた集塵装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による集塵装置浄化用ノズルは、圧縮空気が流れる圧縮空気流路を形成する母管を貫通するように配置される内側ノズルと、外側ノズルとを備えている。前記内側ノズルは、前記母管の外側から清浄ガスが流れ込む連行流流路と、前記連行流流路に接続される連行流出口とが形成され、前記清浄ガスを前記連行流流路に取り込む連行流取り込み口に前記内側ノズルの内側の面と前記母管の外側の面とを緩やかに繋げる曲面が形成されている。前記外側ノズルと前記内側ノズルとの間には、前記圧縮空気流路に接続される噴流流路と、前記連行流出口を囲むように配置される噴射口とが形成され、前記母管を流れる前記圧縮空気の流れの下流側ほど前記連行流出口の面積と前記噴射口の面積とが大きく、前記母管は、前記圧縮空気の流れの下流側ほど細くされている。
このような集塵装置浄化用ノズルは、噴射口から噴射される噴流が、連行流出口から吐出される清浄ガスを取り込むことにより、噴射口から噴射される噴流の流量より大きい流量の洗浄用噴流を生成することができる。このため、このような集塵装置浄化用ノズルは、母管を流れる圧縮空気の流量を増加させることなく、生成される洗浄用噴流の流量を低コストに増加させることができる。
また、このような集塵装置浄化用ノズルは、連行流取り込み口が所謂ベルマウス形状に形成されることにより、連行流取り込み口を介して清浄ガスが内側管に流入するときのエネルギー損失を低減することができ、連行流出口から清浄ガスを高効率に吐出すことができる。このような集塵装置浄化用ノズルは、連行流出口から清浄ガスを高効率に吐出すことにより、噴射口から噴射される噴流の流量より大きい流量の洗浄用噴流を高効率に生成することができる。
【0008】
本発明による集塵装置浄化用ノズルは、前記圧縮空気流路を貫通するように配置される他の内側ノズルをさらに備えている。前記他の内側ノズルは、前記清浄ガスが流れる他の連行流流路と、前記他の連行流流路に接続される他の連行流出口とが形成されている。前記噴流流路と前記噴射口とは、前記外側ノズルと前記内側ノズルと前記他の内側ノズルとに囲まれる領域に形成されている。
このような集塵装置浄化用ノズルは、複数の内側ノズルを備えることにより、噴射口から噴射される噴流が、複数の連行流出口から吐出される清浄ガスを高効率に取り込むことができ、噴射口から噴射される噴流の流量より大きい流量の洗浄用噴流を高効率に生成することができる。
【0009】
本発明による集塵装置は、本発明による集塵装置浄化用ノズルと、複数のろ布、金網、若しくはフィルタ、又は電気集塵装置の集塵とされたダスト捕集機構部とを備えている。前記集塵装置浄化用ノズルは、前記ダスト捕集機構部に噴射されるように配置されている。
このような集塵装置は、集塵装置浄化用ノズルが洗浄用噴流を大きい流量で噴射することができることにより、ろ布、金網、若しくはフィルタ、又は電気集塵装置の集塵とされたダスト捕集機構部を長尺化または大型化した場合でも、母管を流れる空気の流量を増加させることなく、ダスト捕集機構部を適切に浄化することができ、排ガスからダストを適切に除去することができる。あるいは、母管を流れる空気の流量を増加させることなく、ダスト捕集機構部を浄化する効果を上昇することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明による集塵装置浄化用ノズルは、噴射口から噴射される噴流が、連行流出口から吐出される清浄ガスを取り込むことにより、母管を流れる圧縮空気の流量を増加させることなく、生成される噴流の流量を低コストに増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】バグフィルタを示す横断面図である。
図2】バグフィルタを示す縦断面図である。
図3】集塵装置浄化用ノズルの一部を示す斜視図である。
図4】集塵装置浄化用ノズルの一部を示す斜視断面図である。
図5】集塵装置浄化用ノズルの一部を示す断面図である。
図6】集塵装置浄化用ノズルの一部を示す底面図である。
図7】他の集塵装置浄化用ノズルの一部を示す断面図である。
図8】さらに他の集塵装置浄化用ノズルの一部を示す断面図である。
図9】さらに他の集塵装置浄化用ノズルの一部を示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
排ガスからダストを除去する集塵装置の内、代表的なものとしてバルフィルタを例に以下に説明を実施する。バグフィルタの図面を参照して、集塵装置浄化用ノズルの実施の形態が以下に記載される。その集塵装置浄化用ノズルが適用されるバグフィルタ10は、図1に示されているように、ハウジング1と分離板2と複数のろ布3とを備えている。ハウジング1は、容器に形成されている。分離板2は、平坦な板状に形成されている。分離板2は、水平面に沿うように、ハウジング1の内部空間に配置され、ハウジング1の内部空間を排ガス領域5と清浄ガス領域6とに分離している。このとき、清浄ガス領域6は、排ガス領域5の上方に配置されている。
【0013】
ハウジング1は、さらに、排ガス入口7と排ガス出口8とが形成されている。排ガス入口7は、排ガス領域5をハウジング1の外部に接続している。排ガス出口8は、清浄ガス領域6をハウジング1の外部に接続している。複数のろ布3は、それぞれ、袋状に形成されたろ布から構成されている。複数のろ布3は、それぞれ、排ガス領域5に配置されている。
【0014】
分離板2は、図2に示されるように、さらに、複数のろ布3に対応する複数の貫通孔が形成されている。複数のろ布3のうちのある貫通孔に対応するろ布は、ろ布の袋の口がその貫通孔を塞ぐように、分離板2に接合されている。すなわち、排ガス領域5と清浄ガス領域6とは、分離板2と複数のろ布3とにより、隔離されている。
【0015】
バグフィルタ10は、さらに、図1に示されているように、集塵装置浄化用ノズル11と母管12と回転用モータ13を備えている。母管12は、棒状に形成されている。母管12は、鉛直方向に垂直である直線に沿うように、分離板2の上側に、すなわち、清浄ガス領域6に配置されている。母管12は、さらに、鉛直方向に平行である回転軸14を中心に回転可能にハウジング1に支持されている。回転用モータ13は、回転軸14を中心に母管12を回転させる。
【0016】
バグフィルタ10は、さらに、逆洗空気源15と逆洗空気配管16とダイヤフラム弁17とを備えている。逆洗空気源15は、空気を圧縮することにより、圧縮空気を生成する。逆洗空気配管16は、逆洗空気源15と母管12とを接続する流路を形成し、逆洗空気源15により生成された圧縮空気を母管12に供給する。ダイヤフラム弁17は、逆洗空気配管16の途中に設けられている。ダイヤフラム弁17は、逆洗空気源15により生成された圧縮空気が母管12に間欠的に供給されるように、逆洗空気配管16が形成する流路を開閉する。
【0017】
集塵装置浄化用ノズル11は、図3に示されるように、母管12にノズル部21が設けられている。母管12は、管状に形成され、内部に圧縮空気流路24が形成されている。母管12は、回転軸14の近傍に形成される口を介して、逆洗空気配管16から圧縮空気流路24に圧縮空気が供給される。
【0018】
集塵装置浄化用ノズル11に設けられている複数のノズル部の任意のノズル部21は、外側ノズル22と内側ノズル23とを備えている。外側ノズル22は、管状に形成されている。外側ノズル22は、鉛直線に沿うように配置され、母管12の鉛直下側に接合されている。
【0019】
内側ノズル23は、管状に形成されている。内側ノズル23は、図4に示されるように、鉛直線に沿うように、かつ、圧縮空気流路24を貫通するように、かつ、下端が外側ノズル22の内側に配置されるように、配置されている。内側ノズル23は、さらに、上端が母管12に接合されることにより、母管12に固定されている。内側ノズル23は、さらに、下端が外側ノズル22の下端に揃うように、配置されている。すなわち、内側ノズル23の下端をある鉛直線に正射影した点の位置は、外側ノズル22の下端をその鉛直線に正射影した点の位置に概ね等しい。
【0020】
ノズル部21は、噴流流路25と連行流流路26とが形成されている。噴流流路25は、外側ノズル22と内側ノズル23との間に形成されている。噴流流路25は、上端が母管12の圧縮空気流路24に接続されている。連行流流路26は、内側ノズル23の内側に形成されている。
【0021】
ノズル部21は、さらに、連行流取り込み口27と連行流出口28と噴射口29とが形成されている。連行流取り込み口27は、図5に示されるように、連行流流路26の上端に形成され、内側ノズル23の上端に形成されている。連行流出口28は、連行流流路26の下端に形成され、内側ノズル23の下端に形成されている。噴射口29は、圧縮空気流路24の下端に形成され、外側ノズル22の下端と内側ノズル23の下端との間に形成されている。噴射口29は、図6に示されるように、連行流出口28を囲むように形成されている。
【0022】
複数のノズル部は、さらに、母管12のうちの逆洗空気配管16から圧縮空気が供給される口から遠いノズル部ほど連行流出口28の面積と噴射口29の面積とが大きくなるように、すなわち、回転軸14から遠いノズル部ほど連行流出口28の面積と噴射口29の面積とが大きくなるように、形成されている。
【0023】
母管12は、さらに、圧縮空気流路24のうちの圧縮空気が供給される口から遠い部分ほど細くなるように、すなわち、圧縮空気流路24のうちの回転軸14から遠い部分ほど細くなるように、形成されている。
本バグフィルタの構造は一例を示すものであり、集塵装置浄化用ノズルおよび母管が固定され、同一の大きさのものでも構わず、バグフィルタの構造に限定されるものではない。
【0024】
バグフィルタ10は、外部設備から排気された排ガスからダストを除去することに利用される。バグフィルタ10は、排ガス入口7を介して、外部設備から排気された排ガスが排ガス領域5に供給される。排ガス領域5に供給された排ガスは、複数のろ布3を通過することにより、ろ過され、ダストが除去される。複数のろ布3を通過した清浄排ガスは、清浄ガス領域6に供給され、排ガス出口8を介して次工程の外部設備に供給される。
【0025】
複数のろ布3は、排ガスをろ過することにより、排ガス領域5に露出された面にダストが堆積する。複数のろ布3は、ダストが堆積することにより、圧力損失が上昇する。
【0026】
回転用モータ13は、バグフィルタ10が排ガスからダストを除去している最中に、回転軸14を中心に母管12を所定の角速度で回転させる。逆洗空気源15は、空気を圧縮することにより、圧縮空気を生成する。ダイヤフラム弁17は、逆洗空気配管16の流路を開閉することにより、母管12に圧縮空気を間欠的に供給する。
【0027】
集塵装置浄化用ノズル11は、圧縮空気が母管12に供給されることにより、複数のノズル部の噴射口29から圧縮空気を噴射する。噴射口29から噴射された噴流は、噴射口29の外側に配置された空気と連行流流路26に配置された空気とを取り込み、洗浄用噴流を生成する。洗浄用噴流の流量は、噴射口29から噴射された噴流が噴射口29の外側に配置された空気と連行流流路26に配置された空気とを取り込んで生成されることにより、噴射口29から噴射された噴流の流量より大きい。
【0028】
集塵装置浄化用ノズル11は、複数のノズル部によりそれぞれ生成された複数の洗浄用噴流を複数のろ布3に向けて噴射する。複数のろ布3の各々は、洗浄用噴流が噴射されることにより、洗浄用噴流が袋の内部に供給され、洗浄用噴流が袋の内部から排ガス領域5へろ布を通過していく。複数のろ布3は、洗浄用噴流がろ布を排ガス領域5に通過する際にろ布が変形し、排ガス領域5に露出された面に堆積したダストが払い落とされて逆洗される。
【0029】
このとき、複数のノズルは、集塵装置浄化用ノズル11が回転しているときに、複数のろ布3の全部に洗浄用噴流が噴射されるように、洗浄用噴流を間欠的に生成する。すなわち、ダイヤフラム弁17は、集塵装置浄化用ノズル11が回転しているときに、複数のろ布3の全部に洗浄用噴流が噴射されるように、逆洗空気配管16の流路を開閉する。複数のろ布3の全部に洗浄用噴流が噴射されるように逆洗空気配管16の流路を開閉する間隔としては、ランダムに変化する間隔が例示される。
【0030】
複数のろ布3は、逆洗されることにより、目詰まりが低減し、排ガスを適切にろ過することができる。バグフィルタ10は、複数のろ布3が排ガスを適切にろ過することにより、排ガスからダストを適切に除去することができる。
【0031】
ノズル部21は、連行流流路26と連行流出口28とが形成されていることにより、噴射口29から噴射される噴流の流量より大きい流量の洗浄用噴流を生成することができる。このため、集塵装置浄化用ノズル11は、逆洗空気源15から供給される圧縮空気のみから形成される洗浄用噴流を複数のろ布3に噴射する他の集塵装置浄化用ノズルに比較して、より大きい流量の洗浄用噴流を複数のろ布3に噴射することができる。
【0032】
バグフィルタ10は、集塵装置浄化用ノズル11を備えることにより、逆洗空気源15の能力を増加させることなく、複数のろ布3を逆洗する洗浄用噴流の流量を低コストで増加させることができる。このため、バグフィルタ10は、複数のろ布3を逆洗する洗浄用噴流の流量を増加させることにより、複数のろ布3が長尺化された場合でも、複数のろ布3の袋の奥まで噴流を供給することができ、複数のろ布3を適切に逆洗することができる。バグフィルタ10は、さらに、複数のろ布3を長尺化することにより、複数のろ布3によりろ過される排ガスの流量を向上させることができ、排ガスからダストを低圧力損失で高効率に除去することができる。
【0033】
複数のノズル部は、回転軸14から遠いノズル部ほど逆洗する複数のろ布3の個数が多い。集塵装置浄化用ノズル11は、回転軸14から遠いノズル部ほど連行流出口と噴射口29との面積が大きいことにより、回転軸14から遠いノズル部ほど多量のろ布に洗浄用噴流を噴射することができ、複数のろ布3に適切に洗浄用噴流を噴射することができる。バグフィルタ10は、複数のろ布3に適切に洗浄用噴流が噴射されることにより、複数のろ布3を適切に逆洗することができ、排ガスからダストを適切に除去することができる。
【0034】
集塵装置浄化用ノズル11は、圧縮空気流路24のうちの圧縮空気が供給される口から遠い部分ほど細くなるように母管12が形成されていることにより、圧縮空気流路24を流れる圧縮空気の静圧を一様にすることができる。集塵装置浄化用ノズル11は、圧縮空気流路24を流れる圧縮空気の静圧を一様にすることにより、複数のノズル部の噴流流路25に一様に圧縮空気を供給することができる。複数のノズル部は、噴流流路25に均一に圧縮空気が供給されることにより、互いに同様に、洗浄用噴流を生成することができ、複数のろ布3の全部に適切に洗浄用噴流を噴射することができる。バグフィルタ10は、複数のろ布3の全部に適切に洗浄用噴流が噴射されることにより、複数のろ布3の全部を適切に逆洗することができ、排ガスからダストを適切に除去することができる。
【0035】
集塵装置浄化用ノズルの実施の他の形態は、既述の実施の形態におけるノズル部21の連行流取り込み口27の形状が異なっている。すなわち、内側ノズル23は、図7に示されるように、上端に曲面42が形成されている。曲面42は、いわゆるベルマウス形状に形成され、緩やかに屈曲する面から形成され、さらに、内側ノズル23の内側の面になだらかに繋がるように、かつ、母管12の外側の面になだらかに繋がるように、形成されている。
【0036】
曲面42が形成されたノズル部41は、既述の実施の形態におけるノズル部21と同様にして、逆洗空気源15の能力を増加させることなく、複数のろ布3に噴射される洗浄用噴流の流量を容易に増加させることができる。このため、このようなノズル部を備えるバグフィルタは、既述の実施の形態におけるバグフィルタ10と同様にして、複数のろ布3を長尺化された場合でも、複数のろ布3を適切に逆洗することができ、排ガスからダストを高効率に除去することができる。
【0037】
このようなノズル部は、連行流取り込み口27を囲む曲面42がベルマウス形状に形成されていることにより、連行流取り込み口27を介して清浄排ガスが清浄排ガス領域6から連行流流路26に取り込まれやすく、連行流流路26に配置された空気をより多く洗浄用噴流に取り込むことができる。このため、このようなノズル部を備える集塵装置浄化用ノズルは、既述の集塵装置浄化用ノズル11に比較して、より大きい流量の洗浄用噴流を複数のろ布3に噴射することができ、複数のろ布3を適切に逆洗することができる。
【0038】
集塵装置浄化用ノズルの実施のさらに他の形態は、図8に示されるように、既述の実施の形態におけるノズル部21の内側ノズル23が複数の内側ノズル51に置換されている。複数の内側ノズル51は、それぞれ、管状に形成されている。複数の内側ノズル51は、それぞれ、鉛直線に沿うように、かつ、圧縮空気流路24を貫通するように、かつ、下端が外側ノズル22の内側に配置されるように、配置されている。複数の内側ノズル51は、さらに、それぞれ、上端が母管12に接合されることにより、母管12に固定されている。複数の内側ノズル51は、さらに、下端が外側ノズル22の下端に揃うように、配置されている。
【0039】
複数の内側ノズル51を備えたノズル部52は、噴流流路55と複数の連行流流路56とが形成されている。噴流流路55は、外側ノズル22の内側のうちの複数の内側ノズル51の外側に形成されている。噴流流路55は、上端が母管12の圧縮空気流路24に接続されている。複数の連行流流路56は、複数の内側ノズル51の内側にそれぞれ形成されている。
【0040】
ノズル部52は、さらに、複数の連行流取り込み口57と複数の連行流出口58と噴射口59とが形成されている。複数の連行流取り込み口57は、複数の連行流流路56の上端に形成され、複数の内側ノズル51の上端にそれぞれ形成されている。複数の連行流出口58は、複数の連行流流路56の下端に形成され、複数の内側ノズル51の下端に形成されている。噴射口59は、圧縮空気流路24の下端に形成され、外側ノズル22の下端と複数の内側ノズル51の下端との間に形成されている。複数の連行流出口58は、図9に示されるように、噴射口59に囲まれるように、形成されている。
【0041】
ノズル部52は、既述の実施の形態におけるノズル部21と同様にして、噴射口59から噴射される噴流が複数の連行流流路56に配置される清浄排ガスを取り込むことにより、逆洗空気源15の能力を増加させることなく、複数のろ布3に噴射される洗浄用噴流の流量を容易に増加させることができる。このため、ノズル部52を備えるバグフィルタは、既述の実施の形態におけるバグフィルタ10と同様にして、複数のろ布3を長尺化された場合でも、複数のろ布3を適切に逆洗することができ、排ガスからダストを高効率に除去することができる。
【0042】
ノズル部52は、複数の連行流流路56が形成されていることにより、複数の連行流流路56を介して清浄排ガスが洗浄用噴流に取り込まれやすく、清浄排ガスをより多く洗浄用噴流に取り込むことができる。このため、ノズル部52を備える集塵装置浄化用ノズルは、既述の集塵装置浄化用ノズル11に比較して、より大きい流量の洗浄用噴流を複数のろ布3に噴射することができ、複数のろ布3を適切に逆洗することができる。
【0043】
なお、外側ノズル22は、長方形と異なる断面形状に形成されることもできる。さらに、連行流出口28と複数の連行流出口58とも、長方形と異なる断面形状に形成されることができる。その断面形状としては、円が例示される。この場合も、集塵装置浄化用ノズルは、より大きい流量の洗浄用噴流を複数のろ布3に噴射することができ、集塵装置浄化用ノズルを備えるバグフィルタは、複数のろ布3が長尺化された場合でも、逆洗空気源15の能力を増加させることなく、複数のろ布3を適切に逆洗することができ、排ガスからダストを適切に除去することができる。
【0044】
外側ノズル22は、複数のろ布3に近づくにつれ断面積が変化する形状に形成される他の外側ノズルに置換されることができる。集塵装置浄化用ノズルは、噴流流路25を流れる圧縮空気の流速に基づいてその形状が設計されることにより、噴射口29から噴流を適切に噴射することができ、複数のろ布3を適切に逆洗することができる。
【0045】
集塵装置浄化用ノズルは、複数のろ布3を逆洗することに利用されることに限らず、排ガスからダストを除去する他のフィルタや電気集塵装置を浄化することに利用することもできる。他のフィルタとしては、金網、空気清浄用フィルタ、セラミックフィルタが例示される。このようなフィルタや電気集塵装置に対しても、複数のろ布3と同様にして、集塵装置浄化用ノズルにより適切に浄化されることができる。
【符号の説明】
【0046】
1 :ハウジング
2 :分離板
3 :複数のろ布
5 :排ガス領域
6 :ガス領域
7 :排ガス入口
8 :排ガス出口
10:バグフィルタ
11:集塵装置浄化用ノズル
12:母管
13:回転用モータ
14:回転軸
15:逆洗空気源
16:逆洗空気配管
17:ダイヤフラム弁
21:ノズル部
22:外側ノズル
23:内側ノズル
24:圧縮空気流路
25:噴流流路
26:連行流流路
27:連行流取り込み口
28:連行流出口
29:噴射口
41:ノズル部
42:曲面
51:複数の内側ノズル
52:ノズル部
55:噴流流路
56:複数の連行流流路
57:複数の連行流取り込み口
58:複数の連行流出口
59:噴射口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9