特許第6189465号(P6189465)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6189465インプラントおよび人工関節置換システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6189465
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】インプラントおよび人工関節置換システム
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/42 20060101AFI20170821BHJP
【FI】
   A61F2/42
【請求項の数】15
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-58449(P2016-58449)
(22)【出願日】2016年3月23日
(65)【公開番号】特開2017-38912(P2017-38912A)
(43)【公開日】2017年2月23日
【審査請求日】2016年5月19日
(31)【優先権主張番号】14/828,988
(32)【優先日】2015年8月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504154126
【氏名又は名称】ライト メディカル テクノロジー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Wright Medical Technology, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブラハム・ケイ・ディロン
(72)【発明者】
【氏名】ショーン・イー・マッギンレー
【審査官】 松浦 陽
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2005/0288792(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0082875(US,A1)
【文献】 国際公開第2015/084791(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0124995(US,A1)
【文献】 特表2008−537689(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0245701(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/28−2/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨接触面と前記骨接触面の反対側に位置する接合面とを含み、前記骨接触面から本体内に延びる空洞と、前記接合面から前記空洞に延び、ロックファスナーを収容するようにサイズ設定され構成されるロック孔とを定義する本体と、
ヘッドと、前記ヘッドに所定の角度で結合した縦方向のシャフトとを含むステムとを含み、
前記ヘッドは、前記空洞内に収容されるようにサイズ設定され構成され、前記本体に対して少なくともつの軸で回転自在である、インプラント。
【請求項2】
前記ステムは、前記ステムのヘッドの中心軸に対して回転自在である、請求項1に記載のインプラント。
【請求項3】
前記ステムは、前記縦方向のシャフトと前記本体の骨接触面との間の角度が調節できるように回転自在である、請求項1に記載のインプラント。
【請求項4】
前記ロックファスナーは、少なくとも1つの方向への前記ステムの移動を防止するように構成される、請求項に記載のインプラント。
【請求項5】
前記空洞はソケットを含み、前記ステムのヘッドは前記ソケット内に収容されるようにサイズ設定され構成されるボールを含む、請求項1に記載のインプラント。
【請求項6】
前記ステムは、前記骨に対する前記ステムの移動を防止するために、前記骨に形成された孔の壁と結合するように構成される1つ以上の特徴を含む、請求項1に記載のインプラント。
【請求項7】
前記1つ以上の特徴は、前記ステム上に形成された1つ以上のスプラインを含む、請求項に記載のインプラント。
【請求項8】
前記1つ以上の特徴は、前記ステム上に形成された1つ以上の溝を含む、請求項に記載のインプラント。
【請求項9】
前記1つ以上の特徴は、前記ステム上に形成された摩擦コーティングを含む、請求項に記載のインプラント。
【請求項10】
切除された脛骨に結合するようにサイズ設定され構成された脛骨インプラントと、
切除された距骨に結合するようにサイズ設定され構成された距骨インプラントとを含み、
前記距骨インプラントは、
骨接触面と前記骨接触面の反対側に位置する接合面とを含み、前記骨接触面から前記本体内に延びる空洞と、前記接合面から前記空洞に延びるロック孔とを定義する本体を含み
前記ロック孔は、ロックファスナーを収容するようにサイズ設定され構成され、前記ロックファスナーは、少なくとも1つの方向への前記ステムの移動を防止するように構成され、前記距骨インプラントは、さらに、
ヘッドと、前記ヘッドに所定の角度で結合した縦方向のシャフトとを含むステムを含み、
前記ヘッドは、前記骨接触面によって定義される前記空洞内に収容されるようにサイズ設定され構成され、ソケット内で少なくとも1つの軸で回転自在である、人工関節置換システム。
【請求項11】
前記空洞はソケットを含み、前記ステムのヘッドは前記ソケット内に収容されるようにサイズ設定され構成されるボールを含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記ステムは、前記骨に対する前記ステムの移動を防止するために、前記骨に形成された前記孔の壁と結合するように構成される1つ以上の特徴を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記1つ以上の特徴は、前記ステム上に形成されたスプライン、溝、又は摩擦コーティングのうち少なくとも1つを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
骨接触面と前記骨接触面の反対側に位置する接合面とを含み、前記骨接触面から前記本体内に延びるソケットと前記接合面から前記ソケットに延びるロック孔とを定義する本体と、
ヘッドと、前記ヘッドに角度をもって結合する縦方向のシャフトとを含むステムとを含み、
前記ロック孔は、ロックファスナーを収容するようにサイズ設定され構成され、
前記ヘッドは、前記縦方向のシャフトが少なくとも1つの軸で回転自在なように、前記骨接触面によって定義される前記ソケット内に収容されるようにサイズ設定され構成されるボールを定義する、インプラント。
【請求項15】
前記ステムは、前記骨に対する前記ステムの移動を防止するために、前記骨に形成された孔の壁と結合するように構成される1つ以上の特徴を含む、請求項14に記載のインプラント。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
足関節は、関節炎、以前の足関節手術、骨折、骨関節炎及び/又は1つ以上のさらなる疾病のため、激しく損傷し痛みを伴うようになり得る。損傷した足首を治療するための選択事項としては、消炎剤である鎮痛剤、ブレース、理学療法、関節固定及び人工足関節置換術を含む。
【0002】
人工足関節置換術は、一般に2つの部品−脛骨インプラント及び距骨インプラントを含む。インプラントは、足関節の動作範囲を模倣するようにサイズ設定され構成された接合面を含む。例えば、距骨インプラントは、距骨円蓋を模倣するようにサイズ設定され構成されたインプラントを含んでもよく、脛骨インプラントは、脛骨の接合を模倣するようにサイズ設定され構成された接合面を含んでもよい。接合部品は、距骨インプラントと脛骨インプラントとの間に位置し得る。
【0003】
人工足関節置換術の取付は、1つ以上の孔又は切開を骨内に形成する段階を含み得る。例えば、孔は、距骨を通って脛骨内に穿孔することができ、脛骨ステムを挿入するためのチャンネルを形成する。一部の取り付け例において、さらなる骨が距骨から除去され、距骨部から延びる距骨ステムのための空間を作る。
【発明の概要】
【0004】
様々な実施例においてインプラントが開示されている。インプラントは、骨接触面と骨接触面の反対側に位置する接合面とを含む本体を含む。本体は、骨接触面から本体内に延びる空洞を定義する。ヘッドと縦方向のシャフトとを含むステムは、ヘッドに所定の角度で結合する。ヘッドは、骨接触面によって定義されるソケット内に収容されるようにサイズ設定され構成される。ヘッドは、本体に対して少なくとも1つの軸で回転自在である。
【0005】
様々な実施例において人工関節置換システムが開示されている。人工関節置換システムは、切除された脛骨に結合するようにサイズ設定され構成された脛骨インプラントと、切除された距骨に結合するようにサイズ設定され構成された距骨インプラントとを含む。距骨インプラントは、骨接触面と骨接触面の反対側に位置する接合面とを含む本体を含む。本体は、骨接触面から本体内に延びる空洞を定義する。ヘッドと縦方向のシャフトとを含むステムは、ヘッドに所定の角度で結合する。ヘッドは、骨接触面によって定義されるソケット内に収容されるようにサイズ設定され構成される。ヘッドは、ソケット内で少なくとも1つの軸で回転自在である。
【0006】
様々な実施例においてインプラントが開示されている。インプラントは、骨接触面と骨接触面の反対側に位置する接合面とを含む本体を含む。本体は、骨接触面から本体内に延びるソケットと、接合面からソケットに延びるロック孔とを定義する。ロック孔は、ロックファスナーを収容するようにサイズ設定され構成される。ヘッドと縦方向のシャフトとを含むステムは、ヘッドに角度をもって結合する。縦方向のシャフトが本体に対して少なくとも1つの軸に移動可能なよう、ヘッドは、骨接触面によって定義されるソケット内に収容されるようにサイズ設定され構成されるボールを定義する。
【0007】
本発明のこのような特徴及び効果は、後述する本発明の好ましい実施例でさらに詳しく記載されたり明確になり、本発明は、同様の番号が同様の部分を指している添付図面とともに考慮されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】足関節の解剖図を示す。
図2】人工足関節置換システムを有する足関節の一実施例を示す。
図3】インプラントに回転自在に結合するように構成されたヘッドを有するアンカーステムの一実施例を示す。
図4図3のステムのヘッドを収容するようにサイズ設定され構成された空洞を含むインプラントの一実施例を示す。
図5】止めねじによって図4のインプラントに固定された図3のステムの一実施例を示す。
図6図3のステムと図4のインプラントの多様な位置関係を示す。
図7A】その上に形成される移動防止機構を有するステムの様々な実施例を示す。
図7B】その上に形成される移動防止機構を有するステムの様々な実施例を示す。
図7C】その上に形成される移動防止機構を有するステムの様々な実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
かかる例示的な実施例の説明は、全体の記述内容の一部と見なされる添付図面と共に理解されるように意図されている。本明細書において、「下方」、「上方」、「水平」、「垂直」、「近位」、「遠位」、「上」、「下」、「上に」、「下に」、「上部」及び「下部」のような相対語だけでなく、その派生語(例えば、「水平に」、「下方に」、「上方に」等)は、その後に説明されていたり論議中の図面に示されているように、配向を指すものと解釈されるべきである。前記相対語は、説明の便宜性のためのものであり、装置が特定の配向で構成されたり操作されることを必要としない。「連結された」及び「相互連結された」のようなカップリング及び取付等に関する用語は、関係が明確に説明されていない限り、移動可能または堅固な取付だけでなく、介在する構造物を通じて構造物が互いに直接または間接に固定されたり取り付けられる関係を称する。
【0010】
様々な実施例において、本開示は、人工足関節置換システムとともに用いるための距骨インプラントを一般に提供する。距骨インプラントは、インプラントの骨接触側に形成された切開又は空洞を含む。空洞は、アンカーステムのヘッドを収容するようにサイズ設定され構成される。ステムの縦方向のシャフトは、角度をもってヘッドから延びる。ステムの縦方向のシャフトがインプラントの中心軸に対して所定の範囲内で任意の好ましい角度で回転できるように、空洞及びヘッドは回転自在に結合する。
【0011】
図1は、足関節2の解剖図を図示している。足関節2は、脛骨6及び腓骨8に接触する距骨4を含む。踵骨10は、距骨4に隣接して位置する。人工足関節置換術において、距骨4及び脛骨6は、距骨インプラントと脛骨インプラントとが挿入できるように切除又は切断され得る。図2は、その中に挿入される人工足関節置換システム12を有する図1の足関節2を図示している。
【0012】
人工足関節置換システム12は、距骨インプラント14及び脛骨インプラント18を含む。距骨インプラント14は、距骨接合面16(又は距骨円蓋)を定義する本体を含む。ステム22は、距骨4内に延びて距骨インプラント14を距骨4に固定する。脛骨インプラント18は、脛骨6内の取り付けのためにサイズ設定され構成される。脛骨インプラント18は、接合面20を有する本体と、脛骨6内に延びて脛骨インプラント18を支える脛骨ステム24とを含む。距骨関節面16と脛骨関節面20とが接合するように相互サイズ設定され構成される。関節面16,20は、自然な関節を模倣する動作範囲を回復するために、除去される自然な足関節面を代替する。脛骨インプラント18又は距骨インプラント12を挿入する前又は挿入する間、脛骨及び/又は距骨内に1つ以上の孔が形成され得る。例えば、一部の実施例において、孔は、距骨の下部から始まって距骨を通って脛骨内に延びて穿孔される。孔は、例えば、脛骨インプラント18のステム24を収容するように構成された6mmの孔を含み得る。
【0013】
関節面16,20は、例えば、ポリエチレン、高分子量ポリエチレン(HMWPE)、ゴム、チタン、チタン合金、クロムコバルト、手術用スチール、及び/若しくは任意の他の好適な金属、セラミック、焼結ガラス、人工骨、並びに/又はこれらの任意の組み合わせなどの様々な物質から作られ得る。関節面16,20は別の物質を含み得る。例えば、脛骨関節面20はプラスチック又は他の非金属物質を含んでもよく、距骨関節面16は金属面を含んでもよい。当業者は、物質の任意の好適な組み合わせが用いられ得るということを認知するであろう。
【0014】
一部の実施例において、例えば、距骨インプラント14などのインプラントは、ステムによって距骨に結合し得る。図3は、アンカーステム102の一実施例を図示している。ステム102は、ヘッド104と縦方向のシャフト106とを含む。縦方向のシャフト106は、曲線部108によってヘッド104に結合する。曲線部108は、ヘッド104に対して固定した角度で縦方向のシャフト106を保持する。ステム102の縦方向のシャフト106がインプラント102に対して回転できるように、ステム102は、例えば、図4に示したインプラント110などのインプラントと結合するように構成される。例えば、図示されている実施例において、ヘッド104は、インプラント110によって定義されたソケット内で回転するように構成されたボール型ヘッドを含む。
【0015】
図4は、アンカーステム102のヘッド104を収容するための空洞118を定義するインプラント110の一実施例の断面図を示している。インプラント110は、接合面114と接合面114の反対側に骨接触面116とを有する本体112を含む。空洞118は本体112に形成され、所定の距離で骨接触面116から本体112内に延びる。所定の距離は、接合面114と骨接触面116との間の距離よりも短い。ステム102を空洞118内で回転自在にしてインプラント102の中心軸に対してステム102の縦方向のシャフト106の位置を調節するために、空洞118はステム102のヘッド104を収容するようにサイズ設定され構成される。
【0016】
一部の実施例において、ロック孔120は、インプラント110に形成される。ロック孔120は、本体112を通って接合面114から空洞118内に延びる。ロック孔120は、例えば、止めねじ及び/又は他のロック装置などのロックファスナー124を収容するようにサイズ設定され構成される。一部の実施例において、ロック孔120は、ロックファスナー124に結合するようにサイズ設定され構成された複数の内部ねじ山122を含む(図5)。ロックファスナー124は、選択された角度でステム102をロックするためにロック孔120に挿入される。一部の実施例において、ロックファスナー124がロック位置にあるとき、接合面114がロック孔120にわたって連続するよう、ロックファスナー124はロック位置で接合面114と面一になるようにサイズ設定され構成される。他の実施例において、接合面114に滑らかで連続する表面を提供し、潜在的な摩擦又はロック孔120によってもたらされる他の問題を防止するために、キャップ(未図示)はロック孔120の近位端に挿入される。
【0017】
図5は、互いに対をなす図3のステム102と図4のインプラント110の一実施例の断面図を示している。図5に示しているように、ステム102のヘッド104は、インプラント110の本体112によって定義される空洞118内に嵌合するようにサイズ設定され構成される。一部の実施例において、空洞118は、ヘッド104の全径よりも小さく、ヘッド104の直径の半分より大きい深さを有する。他の実施例において、空洞118は、例えば、ヘッド104の直径と同じ深さ、ヘッド104の直径より大きい深さ、及び/又は他の好適な深さのようなさらに大きい若しくはさらに小さい深さを有してもよい。ステム102は空洞118内で回転自在であり、ステム102の縦方向のシャフト106がインプラント110の中心軸に対して選択された角度で位置することを可能とする。一部の実施例において、ヘッド104が空洞118に挿入された後、ロックファスナー124はロック孔120内に押し込まれ、複数のねじ山122に接触する。ロックファスナー124は、ロック孔120内の遠位の位置に押し込まれる。ロックファスナー124は、距骨円蓋110で固定された位置にボール型ヘッド104を保持する。一部の実施例において、ロックファスナー124は、例えば、ヘッド104の側面移動のような第2方向への移動は防止するが、例えば、ヘッド104の回転のような第1方向への移動はできるように構成される。
【0018】
図示されている実施例において、ステム102のボール型ヘッド104と距骨円蓋110の空洞118との間のボール−ソケットの連結は、ステム102が任意の選択された角度で位置することを可能とする。図6は、距骨円蓋110に対するステム102の様々な位置を図示している。図6に示されているように、ステム102はヘッド104によって定義される中心点に対して回転し得る。例えば、ステム102は、最初の位置126に縦方向のシャフト106とともに図示されている。ステム102は、インプラント110の中心軸に対して様々な角度で縦方向のシャフト106の位置を回転させ得る。例えば、2つのさらなる位置126a,126bは、図6の仮想線で示される。一部の実施例において、ステム102は360°連続して回転し得る。他の実施例において、ステム102は360°より小さい回転の範囲を有してもよい。一部の実施例において、ステム102は、例えば、ロックファスナー124によって回転の特定角度で位置してロックされる。他の実施例において、ステム102は、例えば、距骨などの骨に形成される孔に挿入されると、回転の特定角度でロックされる。
【0019】
一部の実施例において、ヘッド104及び空洞118は、縦方向のシャフト106とインプラント110の骨接触面114との間の間隔を調節するために、ステム102が角度を有することを可能とする。例えば、図に示されているように、縦方向のシャフト106は、骨接触面114に対する角度130を含む。一部の実施例において、角度130は調節可能である。角度130がセットされた後、ロックファスナー124は固定した角度及び/又は固定した回転でステム102を保持するように締め付けが可能である。一部の実施例において、インプラント110が、例えば、距骨などの骨に結合するとき、角度130が決定される。
【0020】
一部の実施例において、縦方向のステム106は、骨に形成された孔からステム102が抜け出すことを防止するように構成される。例えば、縦方向のステム106は、ステムを孔の内壁に結合させる1つ以上の特徴を含むことができ、縦方向のステム106が孔内で動かないようにする。様々な実施例において、縦方向のステム106は、スプラインが形成されたステム、溝が形成されたステム、コーティングされたステム、及び/又は任意の他の好適な特徴を含むことができ、ステム102が孔から抜け出さないようにする。一部の実施例において、縦方向のステム106は、骨内に縦方向のステム106が容易に挿入され得るように、図に示されている距離H以下分延びる。一部の実施例において、縦方向のステム106は、距離Hよりも長く延びる。
【0021】
様々な実施例において、ステム102のヘッド104及び空洞118は、インプラント110の骨接触面116に対して縦方向のシャフト106が多方向に自由に動くことを可能とする。例えば、図示されている実施例において、ヘッド104及びインプラント110のボール−ソケットの連結は、縦方向のシャフト106が自由な回転及び角度で動けるようにする。縦方向のシャフト106は、インプラント110に対して任意の有利な角度及び/又は回転位置で位置し得る。ボール−ソケットの連結によって提供される動きの自由度は、インプラント110を埋め込んでアンカーする間、外科医によってインプラント110が任意の角度/回転で位置することを可能とする。ボール−ソケットの連結によって提供される動きの自由度はまた、再度穴を広げる及び/又はさらなる孔を開ける必要なく、埋め込む間に骨に形成された孔の角度/位置における変化の補償を可能とする。
【0022】
図7A乃至図7Cは、その上に形成される移動防止機構240を有する縦方向のシャフト(206a〜206c)の様々な実施例を示している。図7Aに示されているように、移動防止機構240は、縦方向のシャフト206aの少なくとも一部に形成される。移動防止機構240は、例えば、摩擦抵抗などの抵抗を骨に形成された孔内の縦方向のシャフト206aの後方に提供する。様々な実施例において、移動防止機構240は、スプライン(図7A)、溝(図7B)、摩擦コーティング(図7C)、及び/又は任意の他の好適な移動防止機構240を含み得る。移動防止機構240は、縦方向のシャフト206a〜206cの全周に配置されているように図示されているが、例えば、遠位端及び/又は近位端などの縦方向のシャフト206a〜206cの特定の部分に限定されてもよいということが認識されるであろう。
【0023】
様々な実施例においてインプラントが開示されている。インプラントは、骨接触面と骨接触面の反対側に位置する接合面とを含む本体を含む。本体は、骨接触面から本体内に延びる空洞を定義する。ヘッドと縦方向のシャフトとを含むステムは、ヘッドに所定の角度で結合する。ヘッドは、骨接触面によって定義されるソケット内に収容されるようにサイズ設定され構成される。ヘッドは、本体に対して少なくとも1つの軸で回転自在である。
【0024】
一部の実施例において、ステムは、ステムのヘッドの中心軸に対して回転自在である。一部の実施例において、ステムは、縦方向のシャフトと本体の骨接触面との間の角度が調節できるように回転自在である。本体は、接合面から空洞に延びるロック孔を定義できる。ロック孔は、ロックファスナーを収容するようにサイズ設定され構成される。ロックファスナーは、少なくとも1つの方向へのステムの移動を防止するように構成されている。
【0025】
一部の実施例において、空洞はソケットを含む。ステムのヘッドは、ソケット内に収容されるようにサイズ設定され構成されたボールを含む。一部の実施例において、ステムは、骨に対するステムの移動を防止するように構成された1つ以上の移動防止機構を含む。移動防止機構は、ステム上に形成されたスプライン、溝、及び/又は摩擦コーティングを含むことができる。
【0026】
一部の実施例において、ステムは第1距離分延びる。骨接触面と接合面との間の距離は第2距離を含む。第1距離は第2距離よりも短い。
【0027】
様々な実施例において人工関節置換システムが開示されている。人工関節置換システムは、切除された脛骨に結合するようにサイズ設定され構成された脛骨インプラントと、切除された距骨に結合するようにサイズ設定され構成された距骨インプラントとを含む。距骨インプラントは、骨接触面と骨接触面の反対側に位置する接合面とを含む本体を含む。本体は、骨接触面から本体内に延びる空洞を定義する。ヘッドと縦方向のシャフトとを含むステムは、ヘッドに所定の角度で結合する。ヘッドは、骨接触面によって定義されるソケット内に収容されるようにサイズ設定され構成される。ヘッドは、ソケット内で少なくとも1つの軸で回転自在である。
【0028】
一部の実施例において、本体は接合面から空洞に延びるロック孔を定義する。ロック孔は、ロックファスナーを収容するようにサイズ設定され構成される。ロックファスナーは、少なくとも1つの方向へのステムの移動を防止するように構成されている。
【0029】
一部の実施例において、空洞はソケットを含み、ステムのヘッドはソケット内に収容されるようにサイズ設定され構成されたボールを含む。一部の実施例において、ステムは1つ以上の移動防止機構を含み、骨に対するステムの移動を防止する。1つ以上の移動防止機構は、ステム上に形成されたスプライン、溝、及び/又は摩擦コーティングのうち少なくとも1つを含むことができる。
【0030】
様々な実施例においてインプラントが開示されている。インプラントは骨接触面と骨接触面の反対側に位置する接合面とを含む本体を含む。本体は、骨接触面から本体内に延びるソケットと接合面からソケットに延びるロック孔とを定義する。ロック孔は、ロックファスナーを収容するようにサイズ設定され構成される。ヘッドと縦方向のシャフトとを含むステムは、ヘッドに角度をもって結合する。縦方向のシャフトが本体に対して少なくとも1つの軸に移動可能なよう、ヘッドは骨接触面によって定義されるソケット内に収容されるようにサイズ設定され構成されたボールを定義する。一部の実施例において、ステムは1つ以上の移動防止機構を含み、骨に対するステムの移動を防止する。
【0031】
本発明は、例示的な実施例の観点から記載されているが、それに制限されるわけではない。むしろ、添付の請求項は当業者によって行われ得る様々な変形と実施例とを含んで広義に解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C