(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0017】
本実施形態では、洋品店において試着室の順番待ちを管理する場合を例に説明するが、本発明は、レストラン、病院、銀行、役所、アミューズメント施設、ショッピングモール、デパート、映画館など、施設利用者の順番待ちの管理を行うあらゆる施設に適用可能である。
【0018】
図1は、本実施形態に係る順番管理システム1000の概略構成を示す図である。
図1に示すように、順番管理システム1000は、管理センター等に設置された順番管理サーバ100と、各施設に設置された順番管理端末200と、施設利用者が所有するユーザ端末300を含んでいる。順番管理サーバ100は、順番管理端末200およびユーザ端末(携帯端末)300と通信ネットワークNを介して接続されている。
【0019】
順番管理サーバ100は、順番管理端末200またはユーザ端末300を介して登録される順番待ちを施設毎に管理する。順番管理サーバ100は、汎用的なコンピュータによって構成され、そのコンピュータにおいて所定のサーバ用プログラムが動作することにより、サーバ機能を実現するものである。順番管理サーバ100を構成するコンピュータは、必ずしも1台である必要はなく、通信ネットワークN上に分散する複数のコンピュータから構成されてもよい。
【0020】
順番管理サーバ100は、施設ごとに順番管理端末200を管理するための管理データベース(記憶部)110と、プロセッサ(機能付加部、通知部)120と、を備えている。管理データベース110は、クライアント管理テーブルTA1と、ステータス管理テーブルTA2を備えている。
【0021】
クライアント管理テーブルTA1には、施設毎に、順番管理端末200に対して付与されている固有のIDとパスコード(アカウント)、施設が所属するグループのグループID、および一括登録の可否を示す情報(フラグ等)が登録されている。例えば、「洋品店A」のレコードは、「ID:A1・・・」、「パスコード:AA2・・・」が設定されている。これらの情報は、例えば、システム導入の際に各施設で順番待ちの管理を行う管理者(例えば、店舗のオーナーなど)によって設定される。なお、本実施形態では、1施設で1台の順番管理端末200を利用する場合を想定するが、1施設で複数の順番管理端末200を利用しても良い。1施設で複数の順番管理端末200を利用する場合には、同一のIDとパスコードを利用しても良いが、例えば所定の条件に従い、複数のIDとパスワードを使い分けるようにしてもよい。
【0022】
ステータス管理テーブルTA2には、各施設での順番待ちリストが登録されている。この順番待ちリストは、順番待ちをしている者(順番待ち組)の一覧と、各々の順番待ち組の待ち状況をあらわす情報(ステータス情報)が含まれる。例えば洋品店Aについては、順番待ちリストの1レコードに、受付番号「1」、受付時刻「13:03」、受付時に指定された試着する服の数「3着」、サイズ「M」、ステータス「待ち中」、店員呼出しフラグ「0」等の情報が含まれている。
【0023】
ステータスには、順番到来前の状態(利用者が試着室が空くのを待っている状態)である「待ち中」、順番が来たことを知らせた状態(試着室が空き、順番が来たことを知らせた状態)である「呼出中」、順番が来た利用者を案内し、対応中の状態(利用者を試着室に案内し、試着や商品の交換等に対応している状態)である「対応中」、対応が完了した状態(試着室の利用を終了した状態)である「対応完了」、さらに順番待ちをキャンセルした状態である「取消済」等が含まれる。ステータスとしてどのような項目を設定するかは各施設の管理者等が適宜設定および変更可能となっている。
【0024】
服の数は、利用者が試着の際に持ち込んだ服の数であり、サイズは試着室に持ち込んだ服のサイズの情報である。また、店員呼出しフラグは、後述するように、利用者が試着室利用中に店員の呼出しを行った場合に値が「1」となるフラグである。
【0025】
なお、順番待ちリストに含める情報は、各施設の管理者等が適宜設定および変更可能となっている。順番待ちリストの内容は、順番管理端末200やユーザ端末300から送信される順番待ちリストへの新規登録情報、またはステータスの更新情報(詳細は後述)に基づいて更新される。
【0026】
プロセッサ120は、算術演算、論理演算、ビット演算等を処理する算術論理演算ユニット(CPUなど)および各種レジスタから構成され、ROM等の記憶手段に格納されている各種プログラムを実行することで順番管理サーバ100の各部を中枢的に制御する。また、プロセッサ120は、順番管理端末200と連携して順番待ちを管理するためのコンピュータプログラム(順番管理アプリケーション)も実行する。
【0027】
通信ネットワークNは、順番管理サーバ100と、順番管理端末200およびユーザ端末300との間で相互に情報を送受信可能な通信網を含む。通信ネットワークNは、例えば、インターネット、LAN、専用線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(Wireless Fidelity)、その他の通信回線、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0028】
順番管理端末200は、サービスを提供する各施設内に設置され、利用者による順番待ちの登録受付の他、施設の従業者(店員)による順番待ち状況の確認や更新操作を受け付ける。洋品店Aでは、例えば店員が待機するカウンター付近等に設置される。なお、
図1の例では、1つの順番管理端末200のみを図示しているが、実際には、多数の施設に設置される順番管理端末200が順番管理サーバ100によって管理されている。
【0029】
順番管理端末200には、タブレット端末や、パーソナルコンピュータ(PC)、ノートPC、スマートフォン、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)など、通信ネットワークNを介して順番管理サーバ100とデータの授受が可能なあらゆる端末装置を利用することができる。
【0030】
図2は、順番管理端末200の主要構成を示すブロック図である。順番管理端末200は、プロセッサ(一括登録受付部)210と、入力装置215と、表示装置216と、通信インタフェース220と、記憶資源230とを備える。順番管理端末200は、利用者が直接タッチパネルなどの入力装置215を操作することで、順番待ちリストへの受付や消込み等の入力を受け付ける。ここで、利用者としては、来店者の他、従業者等が想定される。例えば、来店者は順番待ちリストに新たに順番待ちの登録をするための入力を行い、従業者等は順番待ちリストに登録されている情報のステータスを更新するための入力を行う。なお、ここでは、施設の管理者や店員などを従業者等と総称する。
【0031】
プロセッサ210は、算術演算、論理演算、ビット演算等を処理する算術論理演算ユニット(CPUなど)および各種レジスタから構成され、記憶資源230に格納されている各種プログラムを実行することで順番管理端末200の各部を中枢的に制御する。各種レジスタは、例えば、プログラムカウンタ、データレジスタ、命令レジスタ、汎用レジスタ等である。
【0032】
入力装置215は、順番待ちリストへの受付や順番待ちリストからの消込み等の入力を受け付けるための各種操作ボタンやタッチパネル215aを備えている。
【0033】
表示装置216は、順番待ちリストや受付ボタン等を含む受付画面や待受画面を表示するための装置であり、例えば液晶ディスプレイにより構成される。
【0034】
通信インタフェース220は、通信ネットワークNに接続し、通信ネットワークN上の他の端末と通信をするためのハードウェアモジュールである。通信インタフェース220は、例えば、ISDNモデム、ADSLモデム、ケーブルモデム、光モデム、ソフトモデム等の変調復調装置である。
【0035】
記憶資源230は、例えば、物理デバイスの記憶領域が提供する論理デバイスである。物理デバイスは、例えば、ディスクドライブまたは半導体メモリ(ROM、RAMなど)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。記憶資源230は、複数の物理デバイスを1つの論理デバイスにマッピングして構築してもよいし、1つの物理デバイスを複数の論理デバイスにマッピングして構築してもよい。
【0036】
記憶資源230には、オペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、各種データ等が格納される。ドライバプログラムとしては、例えば、通信インタフェース220を制御するための通信インタフェースドライバプログラム等がある。また、記憶資源230には、これら各種プログラムや各種データのほか、プロセッサ210が実行することにより、順番管理サーバ100と連携して順番待ちを管理するためのコンピュータプログラム(順番管理アプリケーション)AP1が記憶されている。
【0037】
ユーザ端末300は、サービスの利用者が所有する、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、ウェアラブルデバイスなどの端末である。ユーザ端末300は、プロセッサ310、各種操作ボタンやタッチパネルなどの入力装置320、液晶ディスプレイなどの表示装置330、通信ネットワークNに接続するための通信インタフェース340、ディスクドライブまたは半導体メモリ(ROM、RAMなど)などの記憶資源350を備えている。記憶資源350には、これら各種プログラムや各種データのほか、プロセッサが実行することにより、順番管理サーバ100と連携して順番待ちを管理するためのコンピュータプログラム(順番管理アプリケーション)が記憶されている。利用者は、ユーザ端末300にインストールされているウェブブラウザ又はその他のアプリケーションを介して、各施設への順番待ちを登録することができる。なお、ユーザ端末300の各要素のハードウェア構成は、順番管理端末200の対応する要素と同様であるため、これ以上の詳細な説明は省略する。
【0038】
次に、本実施形態における順番管理システム1000の動作について説明する。
順番管理システム1000の利用者としては、施設の利用者や従業者等が想定される。利用者は、施設に設置されている順番管理端末200を操作して、順番待ちを登録することができる。また、所有するユーザ端末300を用いて予約用のウェブサイトに接続し、順番待ちの登録を行うこともできる。
【0039】
(順番待ちリストへの順番待ち登録)
図3は、順番管理システム1000における順番待ちの登録受付処理の流れを示すフローチャートである。ここでは、来店した利用者が、順番管理端末200を用いて洋品店Aで試着室を利用するための順番待ち登録を行う場合を例に説明する。
【0040】
順番管理端末200は通信インタフェース220を介して、順番管理サーバ100からステータス管理テーブルTA2に登録されている順番待ちリストに含まれる情報を受信する(ステップS11)。
【0041】
次に、順番管理端末200は、
図4に例示するような、順番待ちの受付をするための受付画面を表示装置216に表示させる(ステップS12)。
【0042】
図4は、順番管理端末200の表示装置216に表示される受付画面を例示した図である。
図4に示すように、受付画面では、順番管理サーバ100のステータス管理テーブルTA2に登録されている順番待ちリストの少なくとも一部、例えば、順番待ちをしている者の受付番号と現在のステータスが、受付をした順番に時系列に並べられた一覧が表示される。また、現在順番待ちをしている待ち組数も表示される。さらに、待ち時間の目安や、順番待ちリストへの受け付け操作を促すメッセージや受付ボタン等が表示装置216に表示される。待ち時間の目安は、現在の待ち組数に平均的な1組当たりの待ち時間を掛けて算出した値などを用いることができる。なお、受付画面に表示される項目は、各施設の管理者等の意向に応じて決定することができる。
【0043】
順番管理端末200は、表示された受付画面に対して、利用者によるタッチパネル215aなどの入力装置215を介した操作入力が行われたか否かを検知する(ステップS13)。例えば、タッチパネル215aへの操作が検知され、入力が受け付けられると(ステップS13:YES)、
図5に例示されるような、試着する服の数やサイズの情報を入力する試着情報入力画面が表示される(ステップS14)。
図5に示すように、試着情報入力画面には、試着する服の数やサイズの入力操作を促すメッセージや、それらを入力するためのボタン等が表示される。
【0044】
順番管理端末200は、試着情報入力画面に対して、利用者による操作入力が行われたことを検知すると(ステップS15:YES)、
図6に例示するような受付完了画面を表示する(ステップS16)。
図6に示すように、受付完了画面には、受付番号(待ち番号)や、現時点での待ち時間等が表示される。また、順番券を受け取るよう促すメッセージが表示され、利用者は、順番管理端末200に接続されたプリンタ(図示せず)から印刷される順番券を受け取ることができる。
【0045】
順番券には、例えば二次元コードが印刷されている。利用者は、自身のユーザ端末300を利用して順番券に印刷された二次元コードを読み取る。二次元コードを読み取ることで、ユーザ端末300の表示装置330には現在の順番待ち状況(現状の待ち組数や待ち時間など)が表示される。さらに、後述するように、順番が到来して試着室に案内されると、コミュニケーション用のボタンが表示される。また、自身の順番が近づくと、呼出のためのリマインドメールが届くようにしてもよい。例えば、利用者が、二次元コードを読み込んだときに表示される案内にしたがってメールアドレスを入力することにより、リマインドメールを受信することができるようにしてもよい。
【0046】
確定した新規登録情報は、順番管理端末200から通信ネットワークNを介して順番管理サーバ100に送信される(ステップS17)。順番管理サーバ100は、ある施設(ここでは、洋品店A)から新規登録情報を受信すると、受信した新規登録情報に基づいて、順番待ちリストに順番待ちを1組新たに追加する処理を行い、ステータス管理テーブルTA2を更新する(ステップS18)。
【0047】
なお、上記の例では、利用者は順番管理端末200を用いて順番待ちの登録を行っているが、自身の所有するユーザ端末300を用いてウェブサイト経由で順番待ちの登録をすることもできる。この場合には、利用者は、まずユーザ端末300を操作して順番管理システム1000のウェブサイトにアクセスし、表示装置330に順番待ちの登録を行う店舗(洋品店A)のウェブサイト用受付画面を表示させる。その後は、順番管理端末200を用いて登録する場合と同様の手順で行うことができる。
【0048】
(順番待ちリストの更新)
各施設の順番待ちリストの各レコードの内容は、施設の従業者等が順番管理端末200を用いて「取消」、「変更」、「呼出」、「案内」、「完了」等の操作を行った際に更新される。「取消」は、順番待ちをキャンセルすることを意味し、「変更」は、いったん入力された順番待ちの内容を変更することを意味する。また、「呼出」は、順番が来た者を口頭で呼出したり、電話やメールなどで知らせた状態であることを意味し、「案内」は、順番が来た者を実際に試着室に案内した状態であることを意味し、「完了」は、試着室での対応が完了したことを意味する。
【0049】
図7は、順番管理システム1000における順番待ちリストの更新処理の流れを示すフローチャートである。まず、従業者等が、順番管理端末200を操作し、表示装置216にステータス管理画面を表示させる(ステップS21)。
【0050】
図8は、ステータス管理画面を例示した図である。
図8に示すように、ステータス管理画面には、順番待ちリストに登録されている順番待ち組のステータス情報が受付をした順番に表示される。具体的には、順番待ち組の「受付番号」、「試着情報(服の数、サイズ等)」、「ステータス」等が表示される。
【0051】
従業者等が、ステータス管理画面に表示された順番待ちリストの中から、順番待ち状況の更新対象を特定し、その順番待ち組(例えば受付番号「1」)の行をスワイプすると(ステップS22)、指定した順番待ち組に対して「呼出」、「案内」、「完了」、「取消」、「変更」のいずれかの操作を行うための操作ボタンが表示される(ステップS23)。
【0052】
従業者等は、所望の操作ボタン(例えば「案内」)をタップすることで、ステータスの更新操作を行う(ステップS24)。かかる操作がなされると、ステータスの更新指示をあらわすステータスの更新情報が、順番管理端末200から通信ネットワークNを介して順番管理サーバ100にアップロードされる(ステップS25)。ステータスの更新情報には、更新対象のレコードを特定する情報と(例えば受付番号「1」)、更新操作内容(例えば「案内」)が含まれる。
【0053】
順番管理サーバ100は、受信したステータスの更新情報に基づき、当該施設の順番待ちリストを更新する(ステップS26)。例えば、受付番号「1」に対して「案内」操作を行った場合には、受付番号「1」の順番待ち組のステータスが「対応中」に更新される。
【0054】
(対応中のステータスでの機能)
次に、特定のステータスの間にのみ利用者が利用できる機能について説明する。ここでは、ステータスが対応中の間にのみ利用できる機能について、
図9のシーケンス図を用いて説明する。
【0055】
利用者の順番が到来して試着室に案内されると、当該利用者の順番待ちリストにおけるステータスが「対応中」に変更される(ステップS31)。ステータスが「対応中」になると、利用者のユーザ端末300の表示装置330には、
図10に示すようにコミュニケーションボタンCBが表示される(ステップS32)。
【0056】
利用者がコミュニケーションボタンCBを操作すると、店員呼出し情報が、通信ネットワークNを介して順番管理サーバ100に送信される(ステップS33)。店員呼出し情報には、送信元を順番待ちリスト上で特定する情報(例えば、順番待ちの受付番号)が含まれる。
【0057】
順番管理サーバ100は、店員呼出し情報を受信すると、受信した受付番号に基づき、順番待ちリストの該当するレコードを特定し、店員呼出しフラグを「1」に更新する(ステップS34)。例えば、受付番号「1」の利用者から店員呼出し情報を受信した場合には、受付番号「1」のレコードの店員呼出しフラグが「1」に更新される。
【0058】
店員呼出しフラグが「1」に更新されると、店員が閲覧する順番管理端末200には、ステータス管理画面に表示される順番待ちリストの該当する順番待ち組の行に、店員呼出しがされたことを示す印が表示される(ステップS35)。例えば
図11に示すように、該当する行に「呼出」ボタンB1を表示し、「呼出」ボタンを操作すると、使用している試着室の番号が表示されるようにしてもよい。なお、試着室の番号は、利用者を試着室に案内した際に、案内した店員が順番管理端末200を操作して試着室の番号を登録し、順番管理サーバ100において、登録された試着室の番号を受付番号に紐づけて記録するようにしてもよい。また、各試着室にビーコン発信機を設置し、ビーコンに各試着室の番号の情報を含めるようにしてもよい。利用者のユーザ端末300はビーコンを受信し、店員呼出し情報に試着室の番号も含めて送信するようにしてもよい。これにより、順番管理サーバ100において、受付番号に紐づけて試着室の番号を記録することができる。
【0059】
また、店員が閲覧している順番管理端末200に、呼出しをしている利用者(順番待ちリストの店員呼出しフラグを「1」になっている利用者)の試着室の番号を呼出し順に並べたリストを表示するようにしてもよい。また、順番管理サーバ100が店員呼出し情報を受信した際に、順番管理端末200の表示装置216に、呼出しをした試着室の番号をポップアップ等で表示するようにしてもよい。
【0060】
呼出しをしている試着室への対応が終了すると、対応した店員が順番管理端末200を用いて対応終了の操作をすることにより(ステップS36)、順番管理サーバ100において、順番待ちリストの店員呼出しフラグが「0」に更新される(ステップS37)。
【0061】
さらに、試着室の利用が終了すると、店員が順番管理端末200を用いて、ステータスを「対応中」から「対応完了」に変更する操作を行うことにより(ステップS38)、順番管理サーバ100において、順番待ちリストのステータスが「対応完了」に変更される(ステップS39)。ステータスが「対応完了」に変更されると、利用者のユーザ端末300には、コミュニケーションボタンCBが表示されなくなる(ステップS40)。
【0062】
なお、コミュニケーションボタンCBの機能は、上記のように店員呼出し情報を送信するだけに限られない。例えば、コミュニケーションボタンCBをタップすると、メニュー画面が表示され、店員に依頼したい内容(依頼事項)を選択できるようにしてもよい。例えば、服のサイズ変更(例えば、MサイズからLサイズへの変更)や、色の変更(例えば、白から黒への変更)、裾上げの依頼等を選択できるようにしてもよい。選択した内容は店員呼出し情報と共に送信され、順番待ちリストの受付番号に紐づけて記録される。店員は、順番管理端末200で依頼内容を予め確認することができ、利用者の要求に合わせて代わりの服を用意するなどの対応をすることができる。
【0063】
また、メニューの中に、店員とのメール、通話、チャット等を用いたコミュニケーションの実行機能を含めるようにしてもよい。これらの手段により、利用者はより詳細な依頼事項を予め店員に伝えることができる。
【0064】
さらに、ステータスだけでなく順番待ち組数も考慮して、コミュニケーションボタンCBを表示するかどうかを決定するようにしてもよい。例えば、ステータスが「対応中」であっても、ステータスが「待ち中」(試着室が空くのを待っている状態)の順番待ち組が一定数以上(例えば3組以上)存在する場合には、「対応中」の利用者のユーザ端末300にコミュニケーションボタンCBを表示しないようにしてもよい。また、ステータスが「待ち中」の順番待ち組が一定数以上存在する場合には、コミュニケーションボタンCBの機能を限定するようにしてもよい。例えば、選択できる依頼事項を限定するようにしてもよい(例えば、サイズや色の変更は不可、裾上げ依頼は可。)。
【0065】
(稼働率の分析)
次に、試着室の稼働率(試着室での対応時間)の分析について説明する。
順番管理サーバ100は、洋品店Aの試着室の稼働率の計算を定期的(例えば、営業日毎)に行う。具体的には、順番待ちリストに登録されている全レコードについて、コミュニケーションボタンCBにより店員の呼出しが行われた時間(順番待ちリストの店員呼出しフラグが「1」になっていた期間)を合計し、営業時間全体に対する割合を算出し、試着室の稼働率とする。コミュニケーションボタンCBにより店員の呼出しが行われた時間は、例えば各レコードについて、店員呼出しフラグが「0」から「1」に更新された時刻と「1」から「0」に更新された時刻を記録しておき、時刻の差分を計算することにより取得できる。
【0066】
以上のように、本実施形態によれば、利用者が所有するユーザ端末300に、特定のステータス(対応中)の間のみ利用できる、店員とのコミュニケーションボタンを表示するようにしたので、利用者が、順番待ちのステータスに応じて利用できる特定の機能を提供することができる。特に、本実施形態によれば、試着室からコミュニケーションボタンを使って店員を呼出すことができるので、利用者にとって利便性の高い機能を提供することができる。
【0067】
また、店員を呼出すと同時に、サイズ変更や裾上げなどの依頼事項も伝えられるようにすることで、利用者にとっての利便性をさらに高くすることができる。
【0068】
また、利用者によってコミュニケーションボタンCBが使用されると、店員が閲覧する順番管理端末200上に、呼出しを行った利用者の試着室の番号のリストを表示したり、ポップアップで通知するようにしたので、店員はコミュニケーションボタンCBによる呼出しを確実に把握することができる。
【0069】
さらに、ステータスが「対応中」であっても、ステータスが「待ち中」の順番待ち組が一定数以上存在する場合には、「対応中」の利用者のユーザ端末300にコミュニケーションボタンCBを表示しないようにしたり、コミュニケーションボタンCBの機能を限定するようにしたので、「待ち中」の利用者の待ち時間が長時間になることを避けることができる。
【0070】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、または並列に実行することができる。
【解決手段】施設における利用者の順番待ちを管理する順番管理システムであって、各施設における利用者のステータスの情報を保持する順番待ちリストを記憶する記憶部と、利用者が所有する携帯端末に、特定のステータスの間にのみ利用可能な機能を付加する機能付加部とを備える。