特許第6189487号(P6189487)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6189487複数のオンラインデバイスにリンクしたプロファイルに基づくターゲットテレビ広告
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6189487
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】複数のオンラインデバイスにリンクしたプロファイルに基づくターゲットテレビ広告
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20170821BHJP
【FI】
   G06Q30/02 398
【請求項の数】11
【全頁数】42
(21)【出願番号】特願2016-122615(P2016-122615)
(22)【出願日】2016年6月21日
(62)【分割の表示】特願2014-524134(P2014-524134)の分割
【原出願日】2012年8月3日
(65)【公開番号】特開2016-192225(P2016-192225A)
(43)【公開日】2016年11月10日
【審査請求日】2016年6月21日
(31)【優先権主張番号】61/514,840
(32)【優先日】2011年8月3日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514029968
【氏名又は名称】インテント アイキュー エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】INTENT IQ,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100068618
【弁理士】
【氏名又は名称】萼 経夫
(74)【代理人】
【識別番号】100104145
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 嘉夫
(74)【代理人】
【識別番号】100135035
【弁理士】
【氏名又は名称】田上 明夫
(74)【代理人】
【識別番号】100131266
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼ 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】シュケディ,ロイ
(72)【発明者】
【氏名】ベン−イシャイ,ドロール
【審査官】 青柳 光代
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−527524(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/149129(WO,A2)
【文献】 特表2011−525730(JP,A)
【文献】 国際公開第2003/079701(WO,A1)
【文献】 特開2008−217177(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プログラムを実装したハードウェアコンピュータシステムを用いて実行する方法であって、
(a)前記コンピュータシステムを用いて、(i)第1の選択した時間枠の間に、第1の共有IPアドレス又はその一部を用いて、各々までネットワークトラフィックがルーティングされた、複数の認識された第1のオンラインデバイスと、(ii)認識されたオンラインデバイスではない付加的な装置と、を含む装置の組の中で、関連付けを決定する関連付け工程と、
(b)その後の第2の時間枠の間に、関連付けされた装置の組の中の、複数の前記第1のオンラインデバイスのうち、選択した最小数のデバイスまで、前記第1の共有IPアドレス又はその一部と異なる、第2の共有IPアドレス又はその一部を用いて、ネットワークトラフィックがルーティングされていることを、前記コンピュータシステムを用いて判断する判断工程と、
(c)前記第2の共有IPアドレス又はその一部を用いて、ネットワークトラフィックがルーティングされた、第2のオンラインデバイスに関連するプロファイル情報の、少なくとも一部に基づいて、前記付加的な装置へ送信するための広告を選択する選択工程と、を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第2のオンラインデバイスが、複数の前記第1のオンラインデバイスのうちの1台であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記第2のオンラインデバイスが、前記第1の時間枠の間に関連付けされた組を構成していない、追加されたオンラインデバイスであることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記第1の時間枠は、継続時間を選択できることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記第1の時間枠は、1番目のネットワークトラフィックが、前記第1の共有IPアドレス又はその一部を用いて、複数の前記第1のオンラインデバイスのうちの1台までルーティングされた時点で始まり、同じ共有IPアドレス又はその一部を用いて、複数の前記第1のオンラインデバイスのうちの前記1台以外の、複数の前記第1のオンラインデバイスの各々まで、他のネットワークトラフィックがルーティングされた後に、2番目のネットワークトラフィックが、同じ共有IPアドレス又はその一部を用いて、複数の前記第1のオンラインデバイスのうちの前記1台までルーティングされるまで、少なくとも継続することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項6】
複数の前記第1のオンラインデバイスの各々を、対応するクッキー、タグ、又は、装置のフィンガープリントにより識別することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項7】
更に、前記選択工程(c)における、前記付加的な装置へ送信するための広告の選択を、前記コンピュータシステムを用いて行うことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記選択工程(c)において、前記付加的な装置へ送信するための広告の選択を、前記第2のオンラインデバイスのユーザに関するプロファイル情報の、少なくとも一部に基づいて行うことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記選択工程(c)において、前記付加的な装置へ送信するための広告の選択を、前記第2のオンラインデバイスで行われたオンライン行動から取得したプロファイル情報の、少なくとも一部に基づいて行うことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項10】
求項1〜9のいずれか1項記載の方法を実行するように、インターネットへ接続及びプログラムされたことを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項11】
コンピュータシステムに適用されたときに、請求項1〜9のいずれか1項記載の方法を実行するように、前記コンピュータシステムに対して命令をする、コンピュータプログラムを含むことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、参照することにより全体が記載されているかのように本明細書に組み込まれる、2011年8月3日出願の仮出願番号第61/514,840号の利点を主張するものである。
【0002】
本発明の分野は、オンラインデバイス(デスクトップコンピュータ、ポータブルコンピュータ、タブレット、携帯電話、或いは、スマートフォン等;以下、「ODs」と示す)とセットトップボックス(以下、「STBs」と示す)とに関する、相互の又は対象を定めた行動(action)や活動(activity)である。特に、複数のオンラインデバイス(このうちの1つだけはセットトップボックスと直接関連付けされている必要がある)から生じるユーザプロファイル情報に基づいて、特定のセットトップボックスへ配信するテレビ広告の対象を定めることができる方法を開示する。
【背景技術】
【0003】
本明細書に開示するシステムや方法は、下記明細書で開示されている内容に関連させることができる。
・2000年6月14日出願の米国非仮出願番号第09/593,993号(現米国特許第6,925,440号)
・2005年4月6日出願の米国非仮出願番号第11/099,861号(現米国特許第7,428,493号)
・2007年4月17日出願の米国非仮出願番号第11/736,544号(現米国特許第7,861 ,260号)
・2007年12月31日出願の米国非仮出願番号第11/968,117号(米国特許公開第2009/0172728 A1号)
・2008年6月2日出願の米国非仮出願番号第12/131 ,798号(米国特許公開第2009/0300675 A1号)
・2008年6月2日出願の米国非仮出願番号第12/131 ,824号(米国特許公開第2009/0299843 A1号)
・2008年8月6日出願の米国非仮出願番号第12/186,918号(米国特許公開第2008/0313194 A1号)
・2008年10月23日出願の米国非仮出願番号第12/257,386号(米国特許公開第2009/0049468 A1号)
・2010年1月15日出願の米国非仮出願番号第12/688,731号(現米国特許第7,890,609号)
・2010年8月20日出願の米国非仮出願番号第12/860,666号(米国特許公開第2010/0325659 A1号)
・2010年10月15日出願の米国非仮出願番号第12/906,007号(公開前)
・2010年10月15日出願の米国仮出願番号第61/393,834号
・2010年12月30日出願の米国非仮出願番号第12/981 ,925号(米国特許公開第2011/0099576 A1号)
【0004】
上に列挙した出願及び公開明細書の各々は、参照により本明細書に組み込まれる。列挙した出願明細書は同様の専門用語を用いているが、それらの出願明細書で用いられている専門用語と、本明細書で用いている専門用語とに、多少の違いがある。一致しない場合は、本明細書で開示する定義又は説明を適用することとする。
【0005】
本明細書で用いるいくつかの用語について、以下のように定義する。
【0006】
「テレビジョンプロバイダ(TVP)」:任意の適切な伝送媒体を介して、契約者やユーザにテレビサービスを提供する事業者をいう。この伝送媒体には、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ネットワークケーブル、電話線、衛星通信、無線通信、3G通信、4G通信、WiMax通信、WiFi通信、その他のIEEE 802準拠通信、VHF通信、又は、UHF通信が含まれるが、これらに限定されるものではない。当技術では一般的なように、いくつかの文脈において、TVPの引用は、事業者自体ではなく、事業者によって制御されるコンピュータシステムや他の装置を示すこともある。
【0007】
「インターネットサービスプロバイダ(ISP)」、又は、同等の意味で使用される「オンラインアクセスプロバイダ」:任意の適切な伝送媒体を介して、契約者又はユーザにオンラインアクセスを提供する事業者をいう。この伝送媒体には、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ネットワークケーブル、電話線、衛星通信、無線通信(例えば、3G、4G、WiMax、WiFi、その他のIEEE 802無線プロトコル等)、VHF通信、又は、UHF通信が含まれるが、これらに限定されるものではない。契約者は、オンラインアクセスによって、インターネット及びその無数のオンラインサイトへのアクセス、又は、インターネットの後継となる将来のネットワークへのアクセスが可能になる。当技術では一般的なように、いくつかの文脈において、ISPの引用は、事業者自体ではなく、事業者によって制御されるコンピュータシステムや他の装置を示すこともある。
【0008】
「ISP/TVP」:場合によっては、単独の事業者が、1人以上の契約者やユーザに、テレビサービスとオンラインアクセスとの双方を提供することもある。本明細書では、このような事業者を「ISP/TVP」という。ISPとTVPとは、図面の中で個別のラベルが付けられた箱によって概略的に表わされているかもしれないが、図面は、共同のISP/TVPが両方のサービスを提供する他の場合と同様に、ISPとTVPとが独立した事業者である場合も包含するように意図されている。
【0009】
「セットトップボックス(STB)」:テレビと信号源とを接続する装置である。当業者には認識されているように、「テレビ」は、視聴者やユーザにテレビコンテンツを提供することが可能な、当技術の中で周知又は今後開発される任意の装置であり、例えば、CRTや平面パネルテレビセット、ホームシアターシステム、コンピュータ用モニタ、タブレット型コンピュータ装置、或いは、携帯電話やその他の携帯装置である。STBsのいくつかを例示すると、ケーブルボックス(大抵はパーソナルビデオレコーダを兼備する)、オンライン接続のゲーム機器、コンピュータ用モニタを駆動できるように適切に構成されたコンピュータシステム、コンテンツを提供可能な携帯電話システムのモジュール等が含まれる。STBは、入力信号を受信し、受信信号からコンテンツを抽出し、抽出したコンテンツをテレビに伝送して、このコンテンツが視聴者に表示される。
【0010】
信号源は、コンピュータネットワークケーブル(例えば、Ethernetやその他の伝送速度のケーブル)、衛星放送受信アンテナ、ケーブルテレビシステムに接続された同軸ケーブル、電話線又はデジタル加入者線(DSL)、無線ネットワーク接続(例えば、移動電話網、WiFi、他の無線接続等による)、アンテナ(VHF、UHF、デジタル、その他)、或いは、他の適切な信号源のうちの、1つ以上とすることができる。コンテンツには、動画(大抵は音声も含んでいる)、音声、インターネットウェブページ、双方向型ゲーム、或いは、その他のコンテンツが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0011】
その名称にかかわらず、STBは、文字通りテレビセットの上に物理的に配置される必要はない。又、現在の技術では、STBは、テレビセット付近(例えば、メディア用キャビネット等の中)に物理的に配置されることが多いが、このようにテレビセットに近接して配置する必要もない。更に、STBは、文字通り「箱」である必要もない。むしろ、STBは、例えば、回路板、集積回路、複数の集積回路一式、テレビのような別の「箱」に組み込まれたソフトウェア、ケーブルや他の接続部材、コンピュータ、携帯電話、建築設備や配線接続箱として実装されていてもよい。すなわち、STBは、他の機能を有していてもよく、或いは、何ら「箱」内に収容されていなくてもよい。
【0012】
「オンライン・ユーザインタフェースデバイス」、又は、同等の意味で使用される「オンラインデバイス」や「OD」:インターネットのようなリモートネットワークに、少なくとも断続的にアクセスするために使用される、コンピュータ化された任意の装置であり、スマートフォンや移動端末、携帯情報端末(PDA)、ゲーム装置、ネットワークに接続されたコンピュータ(デスクトップ、ワークステーション、ノートブック、ラップトップ等)が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0013】
「オンラインアクセスデバイス」:オンライン・ユーザインタフェースデバイスを、インターネットのようなリモートネットワークに接続するために使用される、任意の装置であり、モデム、有線又は無線ルータ、無線アクセスポイント、有線ネットワークアダプタ(例えば、Ethernetアダプタ)、無線ネットワークアダプタ(例えば、WiFi、IEEE 802.11準拠の他のもの、WiMax、ED−VO、EDGE、HSPA、CDMA、GSM等)、或いは、光ファイバー用ネットワークアダプタ(例えば、ネットワークインタフェースユニットや光ネットワーク終端装置)が含まれるが、これらに限定されるものではない。相異なる種類のオンラインアクセスデバイスを、単一の装置(例えば、LAN用のルータとしても機能するモデム)に統合することも可能であり、このようにする場合もある。オンライン・ユーザインタフェースデバイスとオンラインアクセスデバイスとを、単一の装置(例えば、Ethrenetアダプタ、無線アダプタ、又はモデムが組み込まれたコンピュータ、或いは、オンラインアクセスに使用可能な携帯電話)に統合することも可能であり、このようにする場合もある。
【0014】
一般的に、各オンラインアクセスデバイスは、インターネット上でインターネットプロトコルアドレス(すなわち、IPアドレスである。現在、IPv4の下で、IPアドレスは、各々が0〜255に及ぶ4つの数字シーケンス、つまり32ビットのアドレスで構成される。IPv6の下で、IPアドレスは、128ビットのアドレスで構成される。他に、将来開発されるIPアドレスプロトコルが、本明細書や添付のクレームの範囲内にあるものとする。)により識別される。インターネット上のデータのあらゆる送信は、意図した送信先に送信データを届けることができるように、送信先IPアドレスを含んでいる。ある事例では、オンラインアクセスデバイスが静的なIPアドレスを有しており、その一方で、より一般的な事例では、オンラインアクセスデバイスが動的で都度変更されるIPアドレスを有している。IPアドレスは、インターネットを通じて送信したデータを、その意図した送信先に届けることが可能になる点について、本明細書に引用されているが、この用語は、インターネット或いは将来の任意の後継ネットワークを通じて、そのような送信データを意図した送信先へ送るために使用される、どんな機能的に等価なオンラインアクセスデバイス識別子も包含するように意図されている。
【0015】
「装置識別子(例えば、オンラインデバイス識別子やセットトップボックス識別子)」:一般的に、オンラインデバイスやセットトップボックスは、1つ以上の装置識別子で表されている。このような識別子には、適切な任意の種類があり、例えば、適切な任意のIPアドレスプロトコルに適合するように割り当てられたIPアドレス、装置に実装又は認識されるタグやクッキー、装置を介してプロバイダ業者により、或いは、装置の全体又は一部の製造業者により割り当てられる識別子が含まれる。後の例には、例えば、TVPにより割り当てられるSTB識別子、ISPにより割り当てられるモデムやルータの識別子、装置の製造業者により割り当てられるMACアドレスやシリアルナンバー、或いは、携帯電話の番号(MSISDN)、サービス契約者のキー(IMSIやSIM識別子)、電子シリアルナンバー(ESN)、装置識別番号(MEID)、国際移動体装置識別番号(IMEI)といったスマートフォンの識別子が含まれる。ある事例において、装置識別子は、装置に割り当てられ、実際の装置識別子の代わりとして使用される別称(pseudonym)であってもよい。装置識別子は、装置に局所的に格納してもよく、関係事業者のサーバに遠隔的に格納してもよく、或いは、局所的及び遠隔的に双方に格納してもよい。同一装置の異なる識別子は、一般的には遠隔サーバ上のデータベースや、装置が実装するクッキー又はタグに関連している。
【0016】
「装置のフィンガープリント」:ある事例において、オンラインデバイスやセットトップボックスは、装置や装置にインストールされたソフトウェアを表すパラメータの組み合わせによって、単一的に識別することができる。このようなパラメータの組み合わせは、装置の「フィンガープリント」として参照可能であり、装置の識別子として利用できる。装置のフィンガープリントに用いられる典型的なパラメータの例には、IPアドレス、装置の構成やハードウェア、装置ディスプレイの種類や解像度、オペレーティングシステムのソフトウェア、ブラウザのソフトウェア、ブラウザのプラグインやアドオンのソフトウェア、他のインストールされたソフトウェア、ユーザが選択した(複数の)フォント、ユーザが選択した(複数の)言語、タイムゾーン、或いは、地理的位置情報の、1つ以上が含まれる。任意のオペレーティングシステムやソフトウェアを、プログラムのバージョン情報と同様に、プログラム認証(program identity)によっても特定することができる。
【0017】
「ルータ」:ネットワーク間やネットワーク中でデータをバッファリング又は転送するための、複数のネットワーク間の接続点として機能する任意の装置である。例えば、ルータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)をインターネットに接続するために使用することができ、これにより、LANに接続された複数のオンライン・ユーザインタフェースデバイスが、ルータを介してインターネットへの接続を共有できる。ルータは、LAN上の装置からデータを受信して、受信したデータを、様々な送信先に向けてインターネットへ転送し、又、インターネットからデータを受信して、受信したデータを、LAN上の対応する装置に送信する。
【0018】
「モデム」:オンラインアクセスプロバイダのネットワーク伝送システムと、ユーザのコンピュータ又は他のオンライン・ユーザインタフェースデバイスとの間の、インタフェースとして機能することによって、ユーザのオンラインアクセスを可能にする装置である。モデムには、プロバイダのネットワーク伝送システムの種類に応じて、様々なものがある。モデムの種類を特に明示しない限り、「モデム」という用語は、電話回線用モデム、ケーブルモデム、DSLモデム、無線モデム、衛星モデム、又は、任意の他の適切なネットワーク伝送システムへのオンラインアクセスを提供するモデムを含むものとする。
【0019】
「ユーザ」、又は、同等の意味で使用される「契約者」、「視聴者」:「ユーザ」という用語は、配信の末端(典型的には、家庭、オフィス、店舗(business)、或いは、オンラインアクセスプロバイダやTVPが提供する他のサイトや開設物(establishment)に配置される)において、オンラインアクセス或いはテレビサービスを受ける個人を想到するものとして、解釈されることとする。1つの家庭、オフィス、店舗、その他の場所には、大抵複数のユーザがいる。ある事例において、複数の物理的な区画を有する店舗は、オンラインサービスやテレビサービスを分けて受けることもあるが、別の事例において、店舗は、提供されたサービスを複数の物理的区画まで拡張する、内部LANやWANを有することもある。更に、オンライン・ユーザインタフェースデバイス及びテレビには、携帯可能なものもあり、遠隔位置からサービスにアクセス可能である。従って、「ユーザ」という用語は、そのような事例における固定や単一の位置を要するものではない。いくつかの文脈における「ユーザ」という参照は、事実上、「ユーザ」と呼ばれる個々の人物により操作されると考えられる装置(例えば、テレビ、電話、ラップトップ、又は、位置固定のコンピュータ)に関して行われた、コンピュータ制御の機能(モニタリング、広告配信等)を示している。しかしながら、特定の装置は、家庭や店舗の異なる一員といった複数の人物により、異なる時間に操作される可能性があると考えられる。従って、当技術では通例のように、いくつかの文脈では、「ユーザ」という参照は、人間ではなく、コンピュータ、装置、或いは、他の設備を指し得るものである。
【0020】
「行動ターゲティング」:ユーザに対して特定の広告を配信することであり、この広告は、これらに限定されるものではないが、オンラインやテレビをベースにユーザが行った検索、オンラインやテレビ上でユーザが閲覧又は他の方法でアクセスしたコンテンツ、ユーザが閲覧、クリック、相互通信、又は他の方法でアクセスしたオンライン広告やテレビ広告、オンラインやテレビを介してユーザが行った買い物や購入、及び、その他の任意の形での、オンラインやテレビでの契約者の以前の行動を含む、ユーザの行動(通常は、最近の行動)に基づいて選択されるものである。
【0021】
「中央広告サーバ(CAS)」:(テレビ又はオンライン)広告の配信を管理するコンピュータサーバ(装置)である。ローカル広告サーバは、通常、単一のオンラインサイト運営者によって運営され、運営者の、1つ以上のウェブサイトの訪問者や、テレビ番組の視聴者に対して広告を配信するか、或いは、単一の広告主によって運営され、広告主が様々なウェブサイトやテレビ番組上に獲得した広告スペースに広告を配信する。サードパーティの広告サーバやリモート広告サーバは、通常、遠隔地に配置され、複数の運営者の、ウェブサイトの訪問者や番組の視聴者に対して、様々な広告主の広告を配信する。リモート広告サーバは、広告配信のための中央ルートとして機能するものであり、広告主及び運営者が、彼らのオンライン広告又はテレビ広告の配信を追跡し、又、インターネットやテレビシステムにわたる彼らの広告の切替及び配信を、一箇所から管理することを可能にするものである。ローカル広告サーバ又はリモート広告サーバの何れか一方は、CASとみなすことができる。広告は、後の配信のためにCAS上に保存してもよく、CASに送信した後に広告の要求を受けてCASから配信してもよく、又は、CASが受信及びルーティングした広告の要求に応答して別の配信源から配信してもよい。サードパーティの広告サーバの例には、ダブルクリック(DoubleClick)社の「DART for Publishers」中央広告サーバ(DFPとして知られる)、及び、ダブルクリック社の「DART for Advertisers」中央広告サーバ(DFAとして知られる)が含まれる。いくつかのケースにおいて、CASは、TVP、ISP、STBプロバイダやモデムプロバイダ、オンラインコンテンツのプロバイダ、プロファイルの集約業者(aggregator)、プロファイルの配布業者(distributor)、広告ブローカ、広告ネットワーク業者、広告取引業者、広告代理店、オンライン広告の業者、テレビ広告の業者、テレビの広告スペースの所有者、テレビコンテンツのプロバイダ、それらのあらゆる事業者の代表的な業者や代理業者、或いは、他の業者により、所有又は使用される。ある事例では、CASがISPやTVPと無関係に動作する。
【0022】
「プロファイルプロバイダ(PP)」:ターゲット広告に利用されるプロファイル情報を所有又は収集する事業者をいう。本明細書の文脈において、プロファイルプロバイダは、CASを制御する又はCASと連携しており、CASは、テレビ広告やオンライン広告の対象者の特定に利用するために、プロファイルプロバイダからプロファイル情報の全体又は一部を受け渡される。オンラインやテレビでの行動から得られるユーザプロファイル情報には、例えば、インターネットにアクセスしたユーザの観察されたオンライン行動(例えば、オンラインコンテンツの閲覧やアクセス、オンライン検索の実行、オンライン購入の実行、又はそれらが行われた日時)、テレビ視聴者の観察された視聴や相互通信(interaction)の行動(例えば、テレビ番組やテレビ広告の視聴、相互通信の番組や広告への応答、又はそれらが行われた日時)、或いは、インターネットユーザやテレビ視聴者から収集される人口統計学的情報が含まれる。
【0023】
プロファイルプロバイダの例には、(1)訪問されたインターネットサイトのサーバ、(2)コンテンツ、画像、音声、動画、テキスト、或いは、オンラインアクセスデバイス(モデムやルータ等)を介して、直接的又は間接的の何れか(例えばリダイレクトにより)にオンライン・ユーザインタフェースデバイス(コンピュータ又は他のオンラインインタフェースデバイス等)に送信される任意の組合せ、を配信するサーバ、(3)コンテンツ、画像、音声、動画、テキスト、或いは、STB(TVPにより間接的に、又は、そのIPアドレスがSTBに対応していることを認識する必要はなく、STBのIPアドレスにより直接的に)を介してテレビに送信される任意の組合せ、を配信するサーバ、(4)広告主又は広告ネットワークのために、オンラインアクセスデバイスを介してオンライン・ユーザインタフェースデバイスに広告を配信するサーバ、(5)広告主又は広告ネットワークのために、STB(TVPにより間接的に、又は、そのIPアドレスがSTBに対応していることを認識する必要はなく、STBのIPアドレスにより直接的に)を介してテレビにテレビ広告を配信するサーバ、(6)広告又は広告へのリンクのクリック、広告の閲覧、特定コンテンツへのリンクのクリック、検索、商品情報の要求、特定コンテンツの受信、商品の購入、電話発信、或いは、他の任意の選択され定義可能なユーザの行動といった、オンライン・ユーザインタフェースデバイスを通じて実行される行動を記録するサーバ、或いは、(7)インスタントメッセージ、又は、ユーザの行動における任意の他の種類の通信手段を使用可能にするサーバを、所有、管理、又は使用する事業者が含まれるが、これに限定されるものではない。
【0024】
プロファイルプロバイダの別の例は、(8)ブラウザのツールバーやデスクトップ検索ソフトウェアのような、ユーザのコンピュータ又は他のオンライン・ユーザインタフェースデバイス上に存在して、(ユーザの許可の下に)ユーザのオンライン行動が観察できるソフトウェアプログラムに対して出資し、かつそのプログラムへのアクセス権を有する会社である。又、プロファイルプロバイダは、広義には、(9)事業者がプロファイル情報を、ユーザのコンピュータへの接触を介して直接的に、或いは、この定義で列挙したような他の事業者から間接的に収集したか否かに関わらず、典型的には、プロファイル情報が観察又は収集された際に利用される装置識別子(例えば、オンライン・ユーザインタフェースデバイスの識別子)と、プロファイル情報が観察又は収集された日時とを含む、行動プロファイル(例えば、観察されたオンライン行動)や、(ユーザから提供される)人口統計学的プロファイルを収集できる、任意の事業者ということもできる。あるケースでは、ユーザのオンライン行動は、オンライン・ユーザインタフェースデバイス(オンラインアクセスデバイスを介して)と、プロファイルプロバイダとの間の、直接的な交信を生じることとなり、例えば、プロファイルプロバイダがオンラインコマースである場合、ユーザがそのサイトで購入すると、オンラインコマースサイトがそのユーザについてのプロファイルを発行する。別の事例では、プロファイルプロバイダとユーザとの間に直接的な交信がない場合もあり、例えば、ユーザがオンラインコマースサイトで購入すると、逐次、ユーザに関する情報がプロファイルプロバイダへ報告される。更に、ある状況では、プロファイルプロバイダは、CASを所有してもよく、或いは、所有していなくとも制御してよく、この場合に、CASは、事業者間のデータ伝送を要することなく、直ちにユーザプロファイルを利用することが可能となる。
【0025】
プロファイルプロバイダによってCASに提供されるプロファイル又は部分プロファイルには、任意の量のプロファイル情報、一例として、適正なオンラインアクセスIPアドレス、STBのIPアドレス(このように識別される必要はない)、STBの識別子、或いは、装置の別称(pseudonym)を含めることができる。プロファイルには、例えば、プロファイル識別子やプロファイル名、ユーザの名称、ログインID、又は他のオンライン・ユーザインタフェースデバイス識別子を含めることができ、プロファイルは、ユーザのオンライン・ユーザインタフェースデバイス上に格納されるクッキーやタグにより参照してもよく、又はそれらに含ませてもよい。IPアドレスは、プロファイルプロバイダ自身が提供するものであってもよく、或いは、ユーザが、何らかのオンライン行動を行うか又は人口統計学的情報の1つを提供して、プロファイルプロバイダによりCASにリダイレクトされた時に、CASにより獲得されるものであってもよい。別の例では、プロファイルは、より広範囲にわたるものであってもよく、広範な閲覧履歴、買い物や購入の履歴、オンラインで閲覧されたコンテンツや番組、及び、ユーザの特徴やユーザの行動に関連する他の情報といった、人口統計学的情報又はオンライン行動情報を含めてもよい。プロファイルがPII(一般的にはユーザにより提供される)を含む場合もあり、含まない場合もある。
【0026】
プロファイルは、1つの場所に格納される必要はない。単一のユーザプロファイルを一纏めにして示すプロファイル情報は、1台以上のサーバ上の1つ以上のデータベース、1台以上のユーザインタフェースデバイス上に保存されるタグやクッキー、或いは、それらの場所を組み合わせて格納することができる。上記の複数の段落で言及したプロファイルプロバイダは、事業者を指すものではあるが、プロファイルプロバイダに帰する多くの又は大部分の動作は、実際には、コンピュータ、サーバ、これらのコンピュータやサーバ上で実行されるソフトウェア、ネットワーク接続用のハードウェアやソフトウェア、或いは、その他の設備といった、プロファイルプロバイダの管理制御下にある設備によって実行されるものである。それでも、このような動作を、その実行が自動的、半自動的、又は、手動の何れであるかに関わらず、「プロファイルプロバイダによって」実行されるとみなす場合もある。従って、当技術では一般的なように、いくつかの文脈において、プロファイルプロバイダへの言及は、事業者自体ではなく、事業者により制御される複数のコンピュータや他の設備を示す場合もある。
【0027】
「個人識別情報(PII)」:特定の個人を識別するために使用可能な情報であり、名前、社会保障番号(SSN)、誕生日、住所、電子メールアドレス、静的IPアドレス(存在する場合)、電話番号(家庭、職場、無線)、金融口座番号(銀行口座、クレジット口座、または任意の他の金融データ)、運転免許証番号、車両登録番号、車両許可番号、顔写真、指紋、筆跡又は署名、或いは、特定の個人の識別に役立つ任意の他の情報が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0028】
「非個人識別情報(non−PII)」:その使用によって通常は特定の個人を識別できない個人情報であり、居住する都市、州、又は国、年齢、性別、人種、民族、学校又は職場(それらが十分に大きい場合)、給与又は収入、趣味、動的に割り当てられたIPアドレス、訪問したオンラインサイト、実行したオンライン検索、或いは、人物を知るためには役立つが、それだけでは特定の個人を識別する情報を得ることができない他の情報が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0029】
「クッキー」:ブラウザソフトウェアを利用してユーザのコンピュータへ任意の種類のコンテンツを配信する、任意のサーバによって、ユーザのコンピュータ上に保存されるテキストファイルである。このコンテンツには、例えば、ウェブページ全体、ウェブページの一部のみ、1つ以上の画像、或いは、1つのピクセルでさえも含めることができる。ユーザは、そのようなコンテンツを配信する何れのサーバをも把握する必要はなく、把握していない場合が多い(例えば、サーバが1つのピクセル画像のみを配信する場合)。クッキーは、通常、そのクッキーを最初に保存したサーバと同じインターネットドメインの下で動作するサーバのみによって、読み取りまたは上書き可能なものである。クッキーファイルは、同じドメインと既に交信したことのあるコンピュータを識別するために使用することができ(例えば、オンライン・ユーザインタフェースデバイスの識別子の役目をする)、又、そのコンピュータのユーザに関する個人識別情報(PII)や非個人識別情報(non−PII)を保存するために使用することもできる。一例では、クッキーには、コンピュータのユーザが、そのサイトで以前に実行した検索や、そのサイトで閲覧又は訪問したページといった、non−PIIを保存することができる。別の例では、サイトにアクセスするためにユーザが使用したユーザ名、ユーザのカスタム設定、又は、PIIの様々な構成要素を保存するために、クッキーを使用することができる。更に、クッキーファイルは、ユーザのコンピュータ上のソフトウェアによって作成、変更、又は削除することも可能である。
【0030】
「テレビ広告(TV ad)」:全画面動画広告、部分画面動画広告、バナー広告、テキスト広告、音声広告、或いは、(テレビコンテンツを配信するための任意の装置を含む)テレビへの配信及びテレビによる視覚的又は聴覚的な提示のために好適な、任意の他の形式の広告をいう(上記で定義したような)。テレビ広告は、テレビ番組と空間的に並べるか、又はテレビ番組上に重ねることができ(例えばバナー広告)、或いは、テレビ番組に一時的に割り込ませることができる(例えば、従来の15、30、60秒のスポット広告)。
【0031】
「リダイレクト」又は「URLリダイレクト」又は「URL転送」:コンピュータ上で実行されたブラウザやアプリケーションに命じて、異なる位置から要求された特定の情報(例えば、ウェブページ全体又は一部)を取得するための、サーバのプロセスであり、(1)主要サーバがブラウザやアプリケーションにURLを提供し、(2)コンピュータが受け渡されたURLを利用してそのURLアドレスに電子的に通信することによって実行する。多くの方法、例えば、HTMLページやコンテンツへのピクセル(1×1のイメージタグ)の埋め込み、インラインフレームや他のフレームのリダイレクト、Javaスクリプト、コンピュータから主要サーバが受けた要求に応じた302 HTTPステータスコード(HTTPプロトコル内の、又は他の3xxステータスコード)、リダイレクトサービス、或いは、電子メールによって、URLをコンピュータに渡すことができる。一例では、コンピュータが任意の方法で主要サーバと交信状態になった後、例えば、コンピュータが主要サーバにアクセスしてコンテンツを受け取った後に、URLをコンピュータに送信することができる。別の例では、HTML形式の電子メールによって、主要サーバからコンピュータへ、URLを渡すことができる(この例では、コンピュータが主要サーバと交信状態になることなく、URLが送信される)。
【0032】
現在、ユーザ/視聴者/顧客の行動に基づいたターゲティング広告のための、様々なシステムや方法が使用されている。これらのいくつかは、PIIの収集に基づくことにより、ある行動を示した個人と、その個人を対象者とする広告との関係付けを可能とするものであり、他方では、PIIを収集することなく、広告の対象を設定できる。後者の例は、大抵は、行動の媒体と広告の媒体とが同一であるケースである。例えば、多くの食料雑貨品店では、PIIと関連付ける必要がない所謂「会員カード」を配布している。買い物客は、様々な割引サービスを受けるためにレジにてこのカードを提示し、それによって、店側は、購入品目のリストとカードとを関連付けることができる。そして、システムが買い物客の購入嗜好を「学習」すると、このシステムは、買い物客の以前の購入や過去の購入に基づいてシステムが予測した、買い物客が望むであろう購入に合わせて、クーポン券の発行を開始する。
【0033】
別の例では、オンライン広告は、インターネットユーザのオンライン行動に基づいて、PIIを使用することなく、対象者を容易に定めることができる。広告サーバは、クッキーを使用することによって、その広告サーバから以前に広告が配信された、或いは、その広告サーバにリンクされたサイトで検索やコンテンツへのアクセスを行った、インターネットサイトの訪問者を識別することができ、このような機能を可能にするために、クッキーがPIIを含んでいる必要がない。広告サーバは、以前の行動に基づいて、サイト訪問者に対して将来配信する広告を特定することができる。例えば、オンライン旅行サイトで南カリフォルニアへの航空券を検索したユーザの場合、後に、恐らくは他のいくつかのサイトを訪問している間に、オンライン旅行サイトからユーザの検索情報を収集した広告サーバから、ユーザのコンピュータに対して配信された、ディズニーランドのターゲットオンライン広告を受信することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0034】
PIIが利用されるか否かに関わらず、別の媒体での行動に基づく、ある媒体でのターゲット広告の配信や、別の型の装置での行動に基づく、ある型の装置での広告配信は、問題になる虞がある。現在、例えば、視聴者のオンライン行動に基づいてテレビ広告の対象者を定めるために、PIIを使用する様々なスキームが、実施され、開発中であり、検討されている。それらのスキームのうちのいくつかは、TVPs、オンラインアクセスプロバイダ、オンライン検索ポータル、又は、オンラインサイト間での、協定や提携を含んでいる。通常は各々へのアクセスに異なる装置が用いられるため、異なる媒体間の接続を確立するためには、通常、PIIが必要となる。
【0035】
様々な法律、条例、又はオンライン環境中のユーザプライバシーに関連するポリシーを満たすためには、ユーザのオンライン行動のプロファイル情報(例えば、サイトの訪問、コンテンツの閲覧、検索要求、又は購入製品)から、そのユーザのPII(異なる媒体の装置間の連携を確立するために使用される又は使用されない)を分けておくことが主要な目的である。更に、プライバシーの観点から、(i)ユーザのオンラインプロファイル情報と、(ii)特定のテレビ視聴行動や特定のSTBにリンクしたプロファイルの、情報やデータ(この視聴データはPIIを構成しないかもしれないが)とを、同様に分けておくことが望ましいと考えられている。
【0036】
(例えば、上記で列挙した1つ以上の用途で明らかにしたような)いくつかの提案されたスキームは、上記のPIIの分離が維持されている間や、PIIを全く使用しない場合に、観察されたオンライン行動に基づいて、テレビ広告の対象者を定めることができる。PIIが使用されるか否か、そしてその使用方法に関わらず、例えばオンラインアクセスを可能にするために、広く行われている動的な装置アドレスの使用は、広告のクロスメディア・ターゲティングにとっての、著しい技術的な障害を引き起こすものである。
【0037】
プライバシーの理由により、特定のSTBを用いて何れのテレビ番組やテレビチャンネルが視聴されたのかを、報告しないようにすることが望ましい。他方では、対象とされた視聴者に対して配信された広告の正確な数と、結果として広告主が支払う総額とを、広告主へ報告するために、かつ、広告の配信に使用された商品の量と、結果として支払われる総額とを、テレビ広告スペースの販売業者へ報告するために、何れの選択された又はそのままのテレビ広告が、そのテレビ番組内やそのテレビチャンネル上に配信されたのか、というSTBの初期レポートを、作成(又は保存)することが望ましい。明らかに矛盾するこれらの目的は、クロスメディアの柔軟な広告配信システムに対し、技術的な障害を引き起こすものである。
【0038】
別の媒体において観察された行動を受けて、ある媒体におけるユーザの行動を記録や追跡することも、望ましい目的である。このようなスキルにより、広告主は、特別な広告や広告キャンペーンの有効性を評価するために、或いは、他の目的のために、将来の広告の対象者をより正確に定めることが可能となる。しかしながら、クロスメディア・ターゲティングのために処理しなければならないのと同じ問題(例えば、PIIの使用の有無、オンライン行動プロファイル情報からのPIIの分離、又は動的な装置アドレスの使用)を、クロスメディアの追跡や関連付けのために、同様に処理しなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0039】
本方法は、インターネットに接続され、1台以上のサーバを含むコンピュータシステムを用いて、プロファイルプロバイダ(PP)事業者により実行されるものであり、以下のように要約できる。第1に、第1のオンラインデバイス(OD1)を、セットトップボックス(STB)と関連付ける(任意の適切な方法で)。第2に、ある時点(例えば、STBとの関連付けを確立する前、確立と同時、又は、確立した後)でのOD1の位置が、STBの「近く」であるかを推定する。STBの「近く」であるかを推定した時点のOD1の位置は、後のステップにおいて、STBの位置の代用として利用する。第3に、1台以上の第2のオンラインデバイス(OD2s)が、STBの代用位置(すなわち、STBの「近く」であるかを推定した時のOD1の位置)に「近い」位置であるかを観察し、これに伴い、OD2sをSTBと関連付ける。第4に、システムにより、STBに送信することとなるテレビ広告の選択を指示し、この際、関連付けされたOD2sの1つにリンクしたプロファイル情報の、少なくとも一部に基づいて選択する。以下のセクションでは、これらの作業の各々を、変更及び選択を含み更に詳細に説明している。開示した方法は、任意の適切な接続を有する、任意の適切なSTBへ用いることができる。しかしながら、開示した方法は、STBが何れのコンピュータネットワークにも接続されていない状況、STBがOD1やOD2と同じローカルエリアネットワークに常に接続されていない状況、或いは、テレビサービス(STBで利用される)とオンラインアクセス(OD1及びOD2sで利用される)とが異なるサービスプロバイダにより提供されている状況で、特に有益になり得るものである。
【0040】
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。
(1)プログラムを実装したハードウェアコンピュータシステムを用いて実行する方法であって、(a)前記コンピュータシステムを用いて、セットトップボックスに送信するテレビ広告を選択し、この際、ユーザ自身に関する、又は、前記セットトップボックスと関連付けされた第2のオンラインデバイスを用いて行われたオンライン行動に関する、プロファイル情報の少なくとも一部に基づいて、前記テレビ広告を選択することと、(b)前記第2のオンラインデバイスと前記セットトップボックスとの関連付けを、(i)第1のオンラインデバイスが、前記セットトップボックスと共有する地理的位置にあったと推定される時点の、前記第1のオンラインデバイスの位置である、前記セットトップボックスの代用位置に係る、保存された電子情報と、(ii)前記第2のオンラインデバイスが、少なくとも一時的に前記セットトップボックスの前記代用位置にあったと推定されることを示す、保存された電子情報と、により示すことと、を含む方法。
【0041】
(2)上記(1)項において、更に、前記コンピュータシステムを用いて、前記セットトップボックスと共有する地理的位置にあったと推定されるオンラインデバイスを、前記第1のオンラインデバイスとして認識し、前記セットトップボックスの代用位置に係る前記電子情報を保存することを含む方法。
(3)上記(1)項において、更に、前記コンピュータシステムを用いて、前記セットトップボックスの前記代用位置に、少なくとも一時的に配置されていたと推定される、1台以上の前記第2のオンラインデバイスを認識し、前記セットトップボックスと、認識した1台以上の前記第2のオンラインデバイスの各々との間の、通信の関連付けに係る前記電子情報を保存することを含む方法。
【0042】
(4)上記(3)項において、更に、前記コンピュータシステムを用いて、前記セットトップボックスと、認識した1台以上の前記第2のオンラインデバイスのうちの、少なくとも一時的に前記代用位置に配置されていたと推定された後の所定時間内に、前記セットトップボックスの前記代用位置に配置されていたと推定されなかった1台との間の、通信の関連付けに係る前記電子情報を、削除又は無視することを含む方法。
(5)上記(1)項において、前記セットトップボックスが、オンラインアクセスしない方法。
(6)上記(1)項において、前記セットトップボックスを、前記第2のオンラインデバイスへ無線接続しない方法。
【0043】
(7)上記(1)項において、前記セットトップボックスの前記代用位置に係る、保存された前記電子情報は、前記第1のオンラインデバイスが、前記セットトップボックスと共有する地理的位置にあったと推定される時点の、前記第1のオンラインデバイスまでのネットワークトラフィックのルーティングに用いられるIPアドレスの、少なくとも一部を示すデータを含む方法。
(8)上記(1)項において、前記セットトップボックスの前記代用位置に係る、保存された前記電子情報は、前記第1のオンラインデバイスが、前記セットトップボックスと共有する地理的位置にあったと推定される時点の、前記第1のオンラインデバイスの推定された地理的位置の近傍を示すデータを含む方法。
(9)上記(1)項において、前記プロファイル情報が、前記第2のオンラインデバイスにより行われたオンライン行動の履歴を含む方法。
【0044】
(10)上記(1)項において、更に、前記コンピュータシステムを用いて、前記第2のオンラインデバイスが前記セットトップボックスの前記代用位置にあると推定される間の、時間枠にわたって提示するために、選択した前記テレビ広告を前記セットトップボックスへ送信することを含む方法。
(11)上記(10)項において、(i)前記第1のオンラインデバイスが、前記セットトップボックスと共有する地理的位置にあったと推定される時点の、前記第1のオンラインデバイスまでのネットワークトラフィックのルーティングに用いられるIPアドレスの少なくとも一部により、前記セットトップボックスの前記代用位置を示し、(ii)前記第2のオンラインデバイスまでのネットワークトラフィックのルーティングに用いられ、前記セットトップボックスの前記代用位置を示す前記IPアドレスの少なくとも一部と一致するIPアドレスの、少なくとも一部に基づいて、前記第2のオンラインデバイスが前記代用位置にあることを推定する方法。
【0045】
(12)上記(1)項において、更に、前記コンピュータシステムを用いて、(i)選択した時間枠の間に前記セットトップボックスを介して表示されるテレビ番組又はチャンネルと、(ii)前記プロファイル情報の少なくとも一部との間の、観察された相関性に基づいて選択した時間枠にわたって提示するために、選択した前記テレビ広告を前記セットトップボックスへ送信することを含む方法。
(13)上記(1)項において、更に、前記コンピュータシステムを用いて、(i)選択した時間枠と、(ii)前記第2のオンラインデバイスが前記セットトップボックスの前記代用位置にあったと推定される間の以前の時間枠との間の、観察された相関性に基づいて選択した時間枠にわたって提示するために、選択した前記テレビ広告を前記セットトップボックスへ送信することを含む方法。
【0046】
(14)セットトップボックス及び第2のオンラインデバイスを所有するユーザのオンライン行動を取り扱う、コンピュータで実行する方法であって、(a)コンピュータで通知を受信し、該通知は、(i)セットトップボックスの識別子を含む又は参照するものであり、かつ、(ii)前記セットトップボックスの識別子に対応する前記セットトップボックスを用いて提示されているテレビ広告に由来し、該テレビ広告を示すものである、受信工程と、(b)前記第2のオンラインデバイスを介したオンライン行動に対して実行する、前記テレビ広告を提示した後の動作を、前記通知に基づいて、前記コンピュータで自動的に行い、この際の第2のオンラインデバイスは、前記動作の時点で、第2のオンラインデバイスの識別子に対応するものである動作実行工程と、(c)該第2のオンラインデバイスの識別子を、前記セットトップボックスの識別子と関連付けし、該関連付けは、(i)第1のオンラインデバイスが、前記セットトップボックスと共有する地位的位置にあったと推定される時点の、前記第1のオンラインデバイスの位置である、前記セットトップボックスの代用位置に係る、保存された電子情報と、(ii)前記第2のオンラインデバイスが、少なくとも一時的に前記セットトップボックスの前記代用位置にあったと推定されることを示す、保存された電子情報と、により示される関連付け工程と、を含む方法。
【0047】
(15)上記(14)項において、更に、(i)前記動作実行工程(b)における動作と、(ii)提示された前記テレビ広告と、を示す電子情報を、データベースにおいてリンクさせることを含む方法。
(16)上記(14)項において、前記動作実行工程(b)は、選択したオンライン広告を、前記第2のオンラインデバイスへ送信することを含む方法。
(17)上記(14)項において、前記動作実行工程(b)は、テレビ広告の提示の後に実行する、選択したオンライン行動の記録を含み、この際のオンライン行動を、前記第2のオンラインデバイスから追跡する方法。
【0048】
(18)上記(14)項において、更に、コンピュータシステムを用いて、前記セットトップボックスと共有する地理的位置にあったと推定されるオンラインデバイスを、前記第1のオンラインデバイスとして認識し、前記セットトップボックスの代用位置に係る前記電子情報を保存することを含む方法。
(19)上記(14)項において、更に、コンピュータシステムを用いて、前記セットトップボックスの前記代用位置に、少なくとも一時的に配置されていたと推定される、1台以上の前記第2のオンラインデバイスを認識し、前記セットトップボックスと、認識した1台以上の前記第2のオンラインデバイスの各々との間の、通信の関連付けに係る前記電子情報を保存することを含む方法。
【0049】
(20)上記(19)項において、更に、コンピュータシステムを用いて、前記セットトップボックスと、認識した1台以上の前記第2のオンラインデバイスのうちの、少なくとも一時的に前記代用位置に配置されていたと推定された後の所定時間内に、前記セットトップボックスの前記代用位置に配置されていたと推定されなかった1台との間の、通信の関連付けに係る前記電子情報を、削除又は無視することを含む方法。
(21)上記(14)項において、前記セットトップボックスが、オンラインアクセスしない方法。
(22)上記(14)項において、前記セットトップボックスを、前記第2のオンラインデバイスへ無線接続しない方法。
【0050】
(23)上記(14)項において、前記セットトップボックスの前記代用位置に係る、保存された前記電子情報は、前記第1のオンラインデバイスが、前記セットトップボックスと共有する地理的位置にあったと推定される時点の、前記第1のオンラインデバイスまでのネットワークトラフィックのルーティングに用いられるIPアドレスの、少なくとも一部を示すデータを含む方法。
(24)上記(14)項において、前記セットトップボックスの前記代用位置に係る、保存された前記電子情報は、前記第1のオンラインデバイスが、前記セットトップボックスと共有する地理的位置にあったと推定される時点の、前記第1のオンラインデバイスの推定された地理的位置を示すデータを含む方法。
【0051】
(25)上記(14)項において、プロファイル情報が、前記第2のオンラインデバイスにより行われたオンライン行動の履歴を含む方法。
(26)上記(14)項において、更に、コンピュータシステムを用いて、前記第2のオンラインデバイスが前記セットトップボックスの前記代用位置にあると推定される間の、時間枠にわたって提示するために、選択した前記テレビ広告を前記セットトップボックスへ送信することを含む方法。
(27)上記(26)項において、(i)前記第1のオンラインデバイスが、前記セットトップボックスと共有する地理的位置にあったと推定される時点の、前記第1のオンラインデバイスまでのネットワークトラフィックのルーティングに用いられるIPアドレスの少なくとも一部により、前記セットトップボックスの前記代用位置を示し、(ii)前記第2のオンラインデバイスまでのネットワークトラフィックのルーティングに用いられ、前記セットトップボックスの前記代用位置を示す前記IPアドレスの少なくとも一部と一致するIPアドレスの、少なくとも一部に基づいて、前記第2のオンラインデバイスが前記代用位置にあることを推定する方法。
【0052】
(28)上記(14)項において、更に、コンピュータシステムを用いて、(i)選択した時間枠の間に前記セットトップボックスを介して表示されるテレビ番組又はチャンネルと、(ii)プロファイル情報の少なくとも一部との間の、観察された相関性に基づいて選択した時間枠にわたって提示するために、選択した前記テレビ広告を前記セットトップボックスへ送信することを含む方法。
(29)上記(14)項において、更に、コンピュータシステムを用いて、(i)選択した時間枠と、(ii)前記第2のオンラインデバイスが前記セットトップボックスの前記代用位置にあったと推定される間の以前の時間枠との間の、観察された相関性に基づいて選択した時間枠にわたって提示するために、選択した前記テレビ広告を前記セットトップボックスへ送信することを含む方法。
【0053】
(30)装置を構成するハ−ドウェアコンピュータシステムであって、(a)セットトップボックスに送信するテレビ広告を選択し、この際、ユーザ自身に関する、又は、前記セットトップボックスと関連付けされた第2のオンラインデバイスを用いて行われたオンライン行動に関する、プロファイル情報の少なくとも一部に基づいて、前記テレビ広告を選択することと、(b)前記第2のオンラインデバイスと前記セットトップボックスとの関連付けを、(i)第1のオンラインデバイスが、前記セットトップボックスと共有する地理的位置にあったと推定される時点の、前記第1のオンラインデバイスの位置である、前記セットトップボックスの代用位置に係る、保存された電子情報と、(ii)前記第2のオンラインデバイスが、少なくとも一時的に前記セットトップボックスの前記代用位置にあったと推定されることを示す、保存された電子情報と、により示すことと、を含む方法を実行するように、接続及びプログラムされたシステム。
【0054】
(31)上記(30)項において、更に、前記方法は、当該コンピュータシステムを用いて、前記セットトップボックスと共有する地理的位置にあったと推定されるオンラインデバイスを、前記第1のオンラインデバイスとして認識し、前記セットトップボックスの代用位置に係る前記電子情報を保存することを含むシステム。
(32)上記(30)項において、更に、前記方法は、当該コンピュータシステムを用いて、前記セットトップボックスの前記代用位置に、少なくとも一時的に配置されていたと推定される、1台以上の前記第2のオンラインデバイスを認識し、前記セットトップボックスと、認識した1台以上の前記第2のオンラインデバイスの各々との間の、通信の関連付けに係る前記電子情報を保存すること含むシステム。
【0055】
(33)上記(32)項において、更に、前記方法は、当該コンピュータシステムを用いて、前記セットトップボックスと、認識した1台以上の前記第2のオンラインデバイスのうちの、少なくとも一時的に前記代用位置に配置されていたと推定された後の所定時間内に、前記セットトップボックスの前記代用位置に配置されていたと推定されなかった1台との間の、通信の関連付けに係る前記電子情報を、削除又は無視することを含むシステム。
(34)上記(30)項において、前記セットトップボックスが、オンラインアクセスしないシステム。
(35)上記(30)項において、前記セットトップボックスが、前記第2のオンラインデバイスへ無線接続しないものであるシステム。
【0056】
(36)上記(30)項において、前記セットトップボックスの前記代用位置に係る、保存された前記電子情報は、前記第1のオンラインデバイスが、前記セットトップボックスと共有する地理的位置にあったと推定される時点の、前記第1のオンラインデバイスまでのネットワークトラフィックのルーティングに用いられるIPアドレスの、少なくとも一部を示すデータを含むシステム。
(37)上記(30)項において、前記セットトップボックスの前記代用位置に係る、保存された前記電子情報は、前記第1のオンラインデバイスが、前記セットトップボックスと共有する地理的位置にあったと推定される時点の、前記第1のオンラインデバイスの推定された地理的位置の近傍を示すデータを含むシステム。
(38)上記(30)項において、前記プロファイル情報が、前記第2のオンラインデバイスにより行われたオンライン行動の履歴を含むシステム。
【0057】
(39)上記(30)項において、更に、前記方法は、当該コンピュータシステムを用いて、前記第2のオンラインデバイスが前記セットトップボックスの前記代用位置にあると推定される間の、時間枠にわたって提示するために、選択した前記テレビ広告を前記セットトップボックスへ送信することを含むシステム。
(40)上記(39)項において、(i)前記第1のオンラインデバイスが、前記セットトップボックスと共有する地理的位置にあったと推定される時点の、前記第1のオンラインデバイスまでのネットワークトラフィックのルーティングに用いられるIPアドレスの少なくとも一部により、前記セットトップボックスの前記代用位置を示し、(ii)前記第2のオンラインデバイスまでのネットワークトラフィックのルーティングに用いられ、前記セットトップボックスの前記代用位置を示す前記IPアドレスの少なくとも一部と一致するIPアドレスの、少なくとも一部に基づいて、前記第2のオンラインデバイスが前記代用位置にあることを推定するシステム。
【0058】
(41)上記(30)項において、更に、前記方法は、当該コンピュータシステムを用いて、(i)選択した時間枠の間に前記セットトップボックスを介して表示されるテレビ番組又はチャンネルと、(ii)前記プロファイル情報の少なくとも一部との間の、観察された相関性に基づいて選択した時間枠にわたって提示するために、選択した前記テレビ広告を前記セットトップボックスへ送信することを含むシステム。
(42)上記(30)項において、更に、前記方法は、当該コンピュータシステムを用いて、(i)選択した時間枠と、(ii)前記第2のオンラインデバイスが前記セットトップボックスの前記代用位置にあったと推定される間の以前の時間枠との間の、観察された相関性に基づいて選択した時間枠にわたって提示するために、選択した前記テレビ広告を前記セットトップボックスへ送信することを含むシステム。
【0059】
(43)コンピュータシステムに適用されたときに、(a)セットトップボックスに送信するテレビ広告を選択し、この際、ユーザ自身に関する、又は、前記セットトップボックスと関連付けされた第2のオンラインデバイスを用いて行われたオンライン行動に関する、プロファイル情報の少なくとも一部に基づいて、前記テレビ広告を選択することと、(b)前記第2のオンラインデバイスと前記セットトップボックスとの関連付けを、(i)第1のオンラインデバイスが、前記セットトップボックスと共有する地理的位置にあったと推定される時点の、前記第1のオンラインデバイスの位置である、前記セットトップボックスの代用位置に係る、保存された電子情報と、(ii)前記第2のオンラインデバイスが、少なくとも一時的に前記セットトップボックスの前記代用位置にあったと推定されることを示す、保存された電子情報と、により示すことと、を含む方法を実行するように、前記コンピュータシステムに対して命令をする、コンピュータ読み取り可能にコード化された指示を含む、有形の媒体を含むことを特徴とする物品。
【0060】
(44)上記(43)項において、更に、前記方法は、前記コンピュータシステムを用いて、前記セットトップボックスと共有する地理的位置にあったと推定されるオンラインデバイスを、前記第1のオンラインデバイスとして認識し、前記セットトップボックスの代用位置に係る前記電子情報を保存することを含む物品。
(45)上記(43)項において、更に、前記方法は、前記コンピュータシステムを用いて、前記セットトップボックスの前記代用位置に、少なくとも一時的に配置されていたと推定される、1台以上の前記第2のオンラインデバイスを認識し、前記セットトップボックスと、認識した1台以上の前記第2のオンラインデバイスの各々との間の、通信の関連付けに係る前記電子情報を保存すること含む物品。
【0061】
(46)上記(45)項において、更に、前記方法は、前記コンピュータシステムを用いて、前記セットトップボックスと、認識した1台以上の前記第2のオンラインデバイスのうちの、少なくとも一時的に前記代用位置に配置されていたと推定された後の所定時間内に、前記セットトップボックスの前記代用位置に配置されていたと推定されなかった1台との間の、通信の関連付けに係る前記電子情報を、削除又は無視すること含む物品。
(47)上記(43)項において、前記セットトップボックスが、オンラインアクセスしない物品。
(48)上記(43)項において、前記セットトップボックスが、前記第2のオンラインデバイスへ無線接続しないものである物品。
【0062】
(49)上記(43)項において、前記セットトップボックスの前記代用位置に係る、保存された前記電子情報は、前記第1のオンラインデバイスが、前記セットトップボックスと共有する地理的位置にあったと推定される時点の、前記第1のオンラインデバイスまでのネットワークトラフィックのルーティングに用いられるIPアドレスの、少なくとも一部を示すデータを含む物品。
(50)上記(43)項において、前記セットトップボックスの前記代用位置に係る、保存された前記電子情報は、前記第1のオンラインデバイスが、前記セットトップボックスと共有する地理的位置にあったと推定される時点の、前記第1のオンラインデバイスの推定された地理的位置の近傍を示すデータを含む物品。
(51)上記(43)項において、前記プロファイル情報が、前記第2のオンラインデバイスにより行われたオンライン行動の履歴を含む物品。
【0063】
(52)上記(43)項において、更に、前記方法は、前記コンピュータシステムを用いて、前記第2のオンラインデバイスが前記セットトップボックスの前記代用位置にあると推定される間の、時間枠にわたって提示するために、選択した前記テレビ広告を前記セットトップボックスへ送信することを含む物品。
(53)上記(52)項において、(i)前記第1のオンラインデバイスが、前記セットトップボックスと共有する地理的位置にあったと推定される時点の、前記第1のオンラインデバイスまでのネットワークトラフィックのルーティングに用いられるIPアドレスの少なくとも一部により、前記セットトップボックスの前記代用位置を示し、(ii)前記第2のオンラインデバイスまでのネットワークトラフィックのルーティングに用いられ、前記セットトップボックスの前記代用位置を示す前記IPアドレスの少なくとも一部と一致するIPアドレスの、少なくとも一部に基づいて、前記第2のオンラインデバイスが前記代用位置にあることを推定する物品。
【0064】
(54)上記(43)項において、更に、前記方法は、前記コンピュータシステムを用いて、(i)選択した時間枠の間に前記セットトップボックスを介して表示されるテレビ番組又はチャンネルと、(ii)前記プロファイル情報の少なくとも一部との間の、観察された相関性に基づいて選択した時間枠にわたって提示するために、選択した前記テレビ広告を前記セットトップボックスへ送信することを含む物品。
(55)上記(43)項において、更に、前記方法は、前記コンピュータシステムを用いて、(i)選択した時間枠と、(ii)前記第2のオンラインデバイスが前記セットトップボックスの前記代用位置にあったと推定される間の以前の時間枠との間の、観察された相関性に基づいて選択した時間枠にわたって提示するために、選択した前記テレビ広告を前記セットトップボックスへ送信することを含む物品。
【0065】
(56)装置を構成するハ−ドウェアコンピュータシステムであって、セットトップボックスと第2のオンラインデバイスとを所有するユーザの、オンライン行動を取り扱う方法を実行するように接続及びプログラムされ、前記方法は、(a)当該コンピュータシステムで通知を受信し、該通知は、(i)セットトップボックスの識別子を含む又は参照するものであり、かつ、(ii)前記セットトップボックスの識別子に対応する前記セットトップボックスを用いて提示されているテレビ広告に由来し、該テレビ広告を示すものである、受信工程と、(b)前記第2のオンラインデバイスを介したオンライン行動に対して実行する、前記テレビ広告を提示した後の動作を、前記通知に基づいて、当該コンピュータシステムで自動的に行い、この際の第2のオンラインデバイスは、前記動作の時点で、第2のオンラインデバイスの識別子に対応するものである動作実行工程と、(c)該第2のオンラインデバイスの識別子を、前記セットトップボックスの識別子と関連付けし、該関連付けは、(i)第1のオンラインデバイスが、前記セットトップボックスと共有する地理的位置にあったと推定される時点の、前記第1のオンラインデバイスの位置である、前記セットトップボックスの代用位置に係る、保存された電子情報と、(ii)前記第2のオンラインデバイスが、少なくとも一時的に前記セットトップボックスの前記代用位置にあったと推定されることを示す、保存された電子情報と、により示される関連付け工程と、を含むシステム。
【0066】
(57)上記(56)項において、更に、前記方法は、(i)前記動作実行工程(b)における動作と、(ii)提示された前記テレビ広告と、を示す電子情報を、データベースにおいてリンクさせることを含むシステム。
(58)上記(56)項において、前記動作実行工程(b)は、選択したオンライン広告を、前記第2のオンラインデバイスへ送信することを含むシステム。
(59)上記(56)項において、前記動作実行工程(b)は、テレビ広告の提示の後に実行する、選択したオンライン行動の記録を含み、この際のオンライン行動を、前記第2のオンラインデバイスから追跡するシステム。
【0067】
(60)上記(56)項において、更に、前記方法は、当該コンピュータシステムを用いて、前記セットトップボックスと共有する地理的位置にあったと推定されるオンラインデバイスを、前記第1のオンラインデバイスとして認識し、前記セットトップボックスの代用位置に係る前記電子情報を保存することを含むシステム。
(61)上記(56)項において、更に、前記方法は、当該コンピュータシステムを用いて、前記セットトップボックスの前記代用位置に、少なくとも一時的に配置されていたと推定される、1台以上の前記第2のオンラインデバイスを認識し、前記セットトップボックスと、認識した1台以上の前記第2のオンラインデバイスの各々との間の、通信の関連付けに係る前記電子情報を保存することを含むシステム。
【0068】
(62)上記(61)項において、更に、前記方法は、当該コンピュータシステムを用いて、前記セットトップボックスと、認識した1台以上の前記第2のオンラインデバイスのうちの、少なくとも一時的に前記代用位置に配置されていたと推定された後の所定時間内に、前記セットトップボックスの前記代用位置に配置されていたと推定されなかった1台との間の、通信の関連付けに係る前記電子情報を、削除又は無視することを含むシステム。
(63)上記(56)項において、前記セットトップボックスが、オンラインアクセスしないシステム。
(64)上記(56)項において、前記セットトップボックスを、前記第2のオンラインデバイスへ無線接続しないシステム。
【0069】
(65)上記(56)項において、前記セットトップボックスの前記代用位置に係る、保存された前記電子情報は、前記第1のオンラインデバイスが、前記セットトップボックスと共有する地理的位置にあったと推定される時点の、前記第1のオンラインデバイスまでのネットワークトラフィックのルーティングに用いられるIPアドレスの、少なくとも一部を示すデータを含むシステム。
(66)上記(56)項において、前記セットトップボックスの前記代用位置に係る、保存された前記電子情報は、前記第1のオンラインデバイスが、前記セットトップボックスと共有する地理的位置にあったと推定される時点の、前記第1のオンラインデバイスの推定された地理的位置を示すデータを含むシステム。
(67)上記(56)項において、プロファイル情報が、前記第2のオンラインデバイスにより行われたオンライン行動の履歴を含むシステム。
【0070】
(68)上記(56)項において、更に、前記方法は、当該コンピュータシステムを用いて、前記第2のオンラインデバイスが前記セットトップボックスの前記代用位置にあると推定される間の、時間枠にわたって提示するために、選択した前記テレビ広告を前記セットトップボックスへ送信することを含むシステム。
(69)上記(68)項において、(i)前記第1のオンラインデバイスが、前記セットトップボックスと共有する地理的位置にあったと推定される時点の、前記第1のオンラインデバイスまでのネットワークトラフィックのルーティングに用いられるIPアドレスの少なくとも一部により、前記セットトップボックスの前記代用位置を示し、(ii)前記第2のオンラインデバイスまでのネットワークトラフィックのルーティングに用いられ、前記セットトップボックスの前記代用位置を示す前記IPアドレスの少なくとも一部と一致するIPアドレスの、少なくとも一部に基づいて、前記第2のオンラインデバイスが前記代用位置にあることを推定するシステム。
【0071】
(70)上記(56)項において、更に、前記方法は、当該コンピュータシステムを用いて、(i)選択した時間枠の間に前記セットトップボックスを介して表示されるテレビ番組又はチャンネルと、(ii)プロファイル情報の少なくとも一部との間の、観察された相関性に基づいて選択した時間枠にわたって提示するために、選択した前記テレビ広告を前記セットトップボックスへ送信することを含むシステム。
(71)上記(56)項において、更に、前記方法は、当該コンピュータシステムを用いて、(i)選択した時間枠と、(ii)前記第2のオンラインデバイスが前記セットトップボックスの前記代用位置にあったと推定される間の以前の時間枠との間の、観察された相関性に基づいて選択した時間枠にわたって提示するために、選択した前記テレビ広告を前記セットトップボックスへ送信することを含むシステム。
【0072】
(72)コンピュータシステムに適用されたときに、セットトップボックスと第2のオンラインデバイスとを所有するユーザの、オンライン行動を取り扱う方法を実行するように、前記コンピュータシステムに対して命令をする、コンピュータ読み取り可能にコード化された指示を含む、有形の媒体を含む物品であって、前記方法は、(a)前記コンピュータシステムで通知を受信し、該通知は、(i)セットトップボックスの識別子を含む又は参照するものであり、かつ、(ii)前記セットトップボックスの識別子に対応する前記セットトップボックスを用いて提示されているテレビ広告に由来し、該テレビ広告を示すものである、受信工程と、(b)前記第2のオンラインデバイスを介したオンライン行動に対して実行する、前記テレビ広告を提示した後の動作を、前記通知に基づいて、前記コンピュータシステムで自動的に行い、この際の第2のオンラインデバイスは、前記動作の時点で、第2のオンラインデバイスの識別子に対応するものである動作実行工程と、(c)該第2のオンラインデバイスの識別子を、前記セットトップボックスの識別子と関連付けし、該関連付けは、(i)第1のオンラインデバイスが、前記セットトップボックスと共有する地理的位置にあったと推定される時点の、前記第1のオンラインデバイスの位置である、前記セットトップボックスの代用位置に係る、保存された電子情報と、(ii)前記第2のオンラインデバイスが、少なくとも一時的に前記セットトップボックスの前記代用位置にあったと推定されることを示す、保存された電子情報と、により示される関連付け工程と、を含む物品。
【0073】
(73)上記(72)項において、更に、前記方法は、(i)前記動作実行工程(b)における動作と、(ii)提示された前記テレビ広告と、を示す電子情報を、データベースにおいてリンクさせることを含む物品。
(74)上記(72)項において、前記動作実行工程(b)は、選択したオンライン広告を、前記第2のオンラインデバイスへ送信することを含む物品。
(75)上記(72)項において、前記動作実行工程(b)は、テレビ広告の提示の後に実行する、選択したオンライン行動の記録を含み、この際のオンライン行動を、前記第2のオンラインデバイスから追跡する物品。
【0074】
(76)上記(72)項において、更に、前記方法は、前記コンピュータシステムを用いて、前記セットトップボックスと共有する地理的位置にあったと推定されるオンラインデバイスを、前記第1のオンラインデバイスとして認識し、前記セットトップボックスの代用位置に係る前記電子情報を保存することを含む物品。
(77)上記(72)項において、更に、前記方法は、前記コンピュータシステムを用いて、前記セットトップボックスの前記代用位置に、少なくとも一時的に配置されていたと推定される、1台以上の前記第2のオンラインデバイスを認識し、前記セットトップボックスと、認識した1台以上の前記第2のオンラインデバイスの各々との間の、通信の関連付けに係る前記電子情報を保存することを含む物品。
【0075】
(78)上記(77)項において、更に、前記方法は、前記コンピュータシステムを用いて、前記セットトップボックスと、認識した1台以上の前記第2のオンラインデバイスのうちの、少なくとも一時的に前記代用位置に配置されていたと推定された後の所定時間内に、前記セットトップボックスの前記代用位置に配置されていたと推定されなかった1台との間の、通信の関連付けに係る前記電子情報を、削除又は無視することを含む物品。
(79)上記(72)項において、前記セットトップボックスが、オンラインアクセスしない物品。
(80)上記(72)項において、前記セットトップボックスを、前記第2のオンラインデバイスへ無線接続しない物品。
【0076】
(81)上記(72)項において、前記セットトップボックスの前記代用位置に係る、保存された前記電子情報は、前記第1のオンラインデバイスが、前記セットトップボックスと共有する地理的位置にあったと推定される時点の、前記第1のオンラインデバイスまでのネットワークトラフィックのルーティングに用いられるIPアドレスの、少なくとも一部を示すデータを含む物品。
(82)上記(72)項において、前記セットトップボックスの前記代用位置に係る、保存された前記電子情報は、前記第1のオンラインデバイスが、前記セットトップボックスと共有する地理的位置にあったと推定される時点の、前記第1のオンラインデバイスの推定された地理的位置を示すデータを含む物品。
(83)上記(72)項において、プロファイル情報が、前記第2のオンラインデバイスにより行われたオンライン行動の履歴を含む物品。
【0077】
(84)上記(72)項において、更に、前記方法は、前記コンピュータシステムを用いて、前記第2のオンラインデバイスが前記セットトップボックスの前記代用位置にあると推定される間の、時間枠にわたって提示するために、選択した前記テレビ広告を前記セットトップボックスへ送信することを含む物品。
(85)上記(84)項において、(i)前記第1のオンラインデバイスが、前記セットトップボックスと共有する地理的位置にあったと推定される時点の、前記第1のオンラインデバイスまでのネットワークトラフィックのルーティングに用いられるIPアドレスの少なくとも一部により、前記セットトップボックスの前記代用位置を示し、(ii)前記第2のオンラインデバイスまでのネットワークトラフィックのルーティングに用いられ、前記セットトップボックスの前記代用位置を示す前記IPアドレスの少なくとも一部と一致するIPアドレスの、少なくとも一部に基づいて、前記第2のオンラインデバイスが前記代用位置にあることを推定する物品。
【0078】
(86)上記(72)項において、更に、前記方法は、前記コンピュータシステムを用いて、(i)選択した時間枠の間に前記セットトップボックスを介して表示されるテレビ番組又はチャンネルと、(ii)プロファイル情報の少なくとも一部との間の、観察された相関性に基づいて選択した時間枠にわたって提示するために、選択した前記テレビ広告を前記セットトップボックスへ送信することを含む物品。
(87)上記(72)項において、更に、前記方法は、前記コンピュータシステムを用いて、(i)選択した時間枠と、(ii)前記第2のオンラインデバイスが前記セットトップボックスの前記代用位置にあったと推定される間の以前の時間枠との間の、観察された相関性に基づいて選択した時間枠にわたって提示するために、選択した前記テレビ広告を前記セットトップボックスへ送信することを含む物品。
【0079】
(88)プログラムを実装したハードウェアコンピュータシステムを用いて実行する方法であって、(a)前記コンピュータシステムを用いて、(i)第1の選択した時間枠の間に、第1の共有IPアドレス又はその一部を用いて、各々までネットワークトラフィックがルーティングされた、複数の認識された第1のオンラインデバイスと、(ii)認識されたオンラインデバイスではない付加的な装置と、を含む装置の組の中で、関連付けを決定する関連付け工程と、(b)その後の第2の時間枠の間に、関連付けされた装置の組の中の、複数の前記第1のオンラインデバイスのうち、選択した最小数のデバイスまで、前記第1の共有IPアドレス又はその一部と異なる、第2の共有IPアドレス又はその一部を用いて、ネットワークトラフィックがルーティングされていることを、前記コンピュータシステムを用いて判断する判断工程と、(c)前記第2の共有IPアドレス又はその一部を用いて、ネットワークトラフィックがルーティングされた、第2のオンラインデバイスに関連するプロファイル情報の、少なくとも一部に基づいて、前記付加的な装置へ送信するための広告を選択する選択工程と、を含む方法。
【0080】
(89)上記(88)項において、前記第2のオンラインデバイスが、複数の前記第1のオンラインデバイスのうちの1台である方法。
(90)上記(88)項において、前記第2のオンラインデバイスが、前記第1の時間枠の間に関連付けされた組を構成していない、追加されたオンラインデバイスである方法。
(91)上記(88)項において、前記第1の時間枠は、継続時間を選択できる方法。
【0081】
(92)上記(88)項において、前記第1の時間枠は、1番目のネットワークトラフィックが、前記第1の共有IPアドレス又はその一部を用いて、複数の前記第1のオンラインデバイスのうちの1台までルーティングされた時点で始まり、同じ共有IPアドレス又はその一部を用いて、複数の前記第1のオンラインデバイスのうちの前記1台以外の、複数の前記第1のオンラインデバイスの各々まで、他のネットワークトラフィックがルーティングされた後に、2番目のネットワークトラフィックが、同じ共有IPアドレス又はその一部を用いて、複数の前記第1のオンラインデバイスのうちの前記1台までルーティングされるまで、少なくとも継続する方法。
(93)上記(88)項において、複数の前記第1のオンラインデバイスの各々を、対応するクッキー、タグ、又は、装置のフィンガープリントにより識別する方法。
【0082】
(94)上記(88)項において、更に、前記選択工程(c)における、前記付加的な装置へ送信するための広告の選択を、前記コンピュータシステムを用いて行う方法。
(95)上記(88)項において、前記選択工程(c)において、前記付加的な装置へ送信するための広告の選択を、前記第2のオンラインデバイスのユーザに関するプロファイル情報の、少なくとも一部に基づいて行う方法。
(96)上記(88)項において、前記選択工程(c)において、前記付加的な装置へ送信するための広告の選択を、前記第2のオンラインデバイスで行われたオンライン行動から取得したプロファイル情報の、少なくとも一部に基づいて行う方法。
【0083】
(97)装置を構成するハ−ドウェアコンピュータシステムであって、セットトップボックスと第2のオンラインデバイスとを所有するユーザの、オンライン行動を取り扱う方法を実行するように接続及びプログラムされ、前記方法は、(a)当該コンピュータシステムを用いて、(i)第1の選択した時間枠の間に、第1の共有IPアドレス又はその一部を用いて、各々までネットワークトラフィックがルーティングされた、複数の認識された第1のオンラインデバイスと、(ii)認識されたオンラインデバイスではない付加的な装置と、を含む装置の組の中で、関連付けを決定する関連付け工程と、(b)その後の第2の時間枠の間に、関連付けされた装置の組の中の、複数の前記第1のオンラインデバイスのうち、選択した最小数のデバイスまで、前記第1の共有IPアドレス又はその一部と異なる、第2の共有IPアドレス又はその一部を用いて、ネットワークトラフィックがルーティングされていることを、当該コンピュータシステムを用いて判断する判断工程と、(c)前記第2の共有IPアドレス又はその一部を用いて、ネットワークトラフィックがルーティングされた、第2のオンラインデバイスに関連するプロファイル情報の、少なくとも一部に基づいて、前記付加的な装置へ送信するための広告を選択する選択工程と、を含むシステム。
【0084】
(98)上記(97)項において、前記第2のオンラインデバイスが、複数の前記第1のオンラインデバイスのうちの1台であるシステム。
(99)上記(97)項において、前記第2のオンラインデバイスが、前記第1の時間枠の間に関連付けされた組を構成していない、追加されたオンラインデバイスであるシステム。
(100)上記(97)項において、前記第1の時間枠は、継続時間を選択できるシステム。
【0085】
(101)上記(97)項において、前記第1の時間枠は、1番目のネットワークトラフィックが、前記第1の共有IPアドレス又はその一部を用いて、複数の前記第1のオンラインデバイスのうちの1台までルーティングされた時点で始まり、同じ共有IPアドレス又はその一部を用いて、複数の前記第1のオンラインデバイスのうちの前記1台以外の、複数の前記第1のオンラインデバイスの各々まで、他のネットワークトラフィックがルーティングされた後に、2番目のネットワークトラフィックが、同じ共有IPアドレス又はその一部を用いて、複数の前記第1のオンラインデバイスのうちの前記1台までルーティングされるまで、少なくとも継続するシステム。
(102)上記(97)項において、複数の前記第1のオンラインデバイスの各々を、対応するクッキー、タグ、又は、装置のフィンガープリントにより識別するシステム。
【0086】
(103)上記(97)項において、更に、前記選択工程(c)における、前記付加的な装置へ送信するための広告の選択を、当該コンピュータシステムを用いて行うシステム。
(104)上記(97)項において、前記選択工程(c)において、前記付加的な装置へ送信するための広告の選択を、前記第2のオンラインデバイスのユーザに関するプロファイル情報の、少なくとも一部に基づいて行うシステム。
(105)上記(97)項において、前記選択工程(c)において、前記付加的な装置へ送信するための広告の選択を、前記第2のオンラインデバイスで行われたオンライン行動から取得したプロファイル情報の、少なくとも一部に基づいて行うシステム。
【0087】
(106)コンピュータシステムに適用されたときに、セットトップボックスと第2のオンラインデバイスとを所有するユーザの、オンライン行動を取り扱う方法を実行するように、前記コンピュータシステムに対して命令をする、コンピュータ読み取り可能にコード化された指示を含む、有形の媒体を含む物品であって、前記方法は、(a)前記コンピュータシステムを用いて、(i)第1の選択した時間枠の間に、第1の共有IPアドレス又はその一部を用いて、各々までネットワークトラフィックがルーティングされた、複数の認識された第1のオンラインデバイスと、(ii)認識されたオンラインデバイスではない付加的な装置と、を含む装置の組の中で、関連付けを決定する関連付け工程と、(b)その後の第2の時間枠の間に、関連付けされた装置の組の中の、複数の前記第1のオンラインデバイスのうち、選択した最小数のデバイスまで、前記第1の共有IPアドレス又はその一部と異なる、第2の共有IPアドレス又はその一部を用いて、ネットワークトラフィックがルーティングされていることを、前記コンピュータシステムを用いて判断する判断工程と、(c)前記第2の共有IPアドレス又はその一部を用いて、ネットワークトラフィックがルーティングされた、第2のオンラインデバイスに関連するプロファイル情報の、少なくとも一部に基づいて、前記付加的な装置へ送信するための広告を選択する選択工程と、を含む物品。
【0088】
(107)上記(106)項において、前記第2のオンラインデバイスが、複数の前記第1のオンラインデバイスのうちの1台である物品。
(108)上記(106)項において、前記第2のオンラインデバイスが、前記第1の時間枠の間に関連付けされた組を構成していない、追加されたオンラインデバイスである物品。
(109)上記(106)項において、前記第1の時間枠は、継続時間を選択できる物品。
【0089】
(110)上記(106)項において、前記第1の時間枠は、1番目のネットワークトラフィックが、前記第1の共有IPアドレス又はその一部を用いて、複数の前記第1のオンラインデバイスのうちの1台までルーティングされた時点で始まり、同じ共有IPアドレス又はその一部を用いて、複数の前記第1のオンラインデバイスのうちの前記1台以外の、複数の前記第1のオンラインデバイスの各々まで、他のネットワークトラフィックがルーティングされた後に、2番目のネットワークトラフィックが、同じ共有IPアドレス又はその一部を用いて、複数の前記第1のオンラインデバイスのうちの前記1台までルーティングされるまで、少なくとも継続する物品。
(111)上記(106)項において、複数の前記第1のオンラインデバイスの各々を、対応するクッキー、タグ、又は、装置のフィンガープリントにより識別する物品。
【0090】
(112)上記(106)項において、更に、前記選択工程(c)における、前記付加的な装置へ送信するための広告の選択を、前記コンピュータシステムを用いて行う物品。
(113)上記(106)項において、前記選択工程(c)において、前記付加的な装置へ送信するための広告の選択を、前記第2のオンラインデバイスのユーザに関するプロファイル情報の、少なくとも一部に基づいて行う物品。
(114)上記(106)項において、前記選択工程(c)において、前記付加的な装置へ送信するための広告の選択を、前記第2のオンラインデバイスで行われたオンライン行動から取得したプロファイル情報の、少なくとも一部に基づいて行う物品。
【発明を実施するための形態】
【0091】
第1のオンラインデバイス(OD1)とセットトップボックス(STB)との関連付け
【0092】
第1のオンラインデバイス(OD1)を、セットトップボックス(STB)に(任意の適切な方法で)直接的に関連付けする。「直接的」は、STBとOD1との間の関連付けが明確に確立できることを、単に示している。このような明確な関連付けを確立又は認知するための、様々な適切な方法は、上記で引用した特許査定された出願或いは係争中の出願に開示されている。それらの例のいくつかにおいて、TVP/ISPは、通常は既知の単一場所(例えば住宅や店舗)の契約者に対して、オンラインアクセスとテレビサービスとの双方を提供する。そのサービス位置で(TVP/ISPにより)オンラインアクセスを提供されたオンラインデバイスは、OD1としてSTBと関連付けされる。別の例では、契約者のOD1とSTBとを、双方が共有のLAN(ローカルエリアネットワーク)に接続されていることに基づいて関連付けすることができる。この共有接続は、インターネットトラフィックが、共通のIPアドレスやその一部を介して、OD1とSTBとの双方にルーティングされたことの検出、或いは、OD1とSTBとの双方が同じルータに接続されていることの検出といった、様々な方法で検出可能である。
【0093】
引用した特許や出願の文献に開示されていない別の例において、TVPは、契約者に対して、契約者や契約者のSTBを識別する電子認証(electronic indicia)を含む電子メールを送信することができる。このような識別には、任意のデータを表す別称も利用することができる。認証は、例えば、1×1ピクセルのリダイレクトとしてHTML形式の電子メール内へ、又は、任意の別の適切な方法で組み込むことができる。契約者がTVPの電子メールを開く際、電子メールの開封に利用されるオンラインデバイスは、STBの識別子や契約者の識別子(又は別称)と共に、TVPのサーバやTVPのコンピュータシステムへリダイレクトされる。これに代えて、又はこれに加えて、TVPのサーバやコンピュータシステムは、契約者のオンラインデバイスと、契約者がTVPのウェブサイトやアプリケーション(例えば、携帯装置やタブレットがSTBに対する遠隔制御装置の役目をすることを可能にするアプリケーションソフトウェア)にログインした際の、或いは、契約者のPIIと共にオンラインデバイスをTVPのサーバへダイレクト処理又はリダイレクトする、サードパーティのウェブサイトやアプリケーションに契約者がログインした際の、彼/彼女のログインデータとへの、アクセス権を得ることができる。電子メールの開封やログインの際に契約者により用いられるオンラインデバイス(以後、「起動オンラインデバイス」という)は、後述するように、OD1として契約者のSTBと関連付けてもよく、又は関連付けなくてもよい。リダイレクトやログインを受けて、起動オンラインデバイスにアクセスするTVPのサーバやコンピュータシステムは、このようにすることを選択した場合に、起動オンラインデバイスにより提供されるPIIを利用して契約者のSTB識別子を引用する、或いは、起動オンラインデバイスにより提供されるSTBの識別別称を利用して、TVPシステムが起動オンラインデバイスとSTBとを関連付けることを可能にする。TVPシステムは、起動オンラインデバイスのオンラインデバイス識別子と、契約者のSTBの識別子やSTBの別称とを関連付けることができる。
【0094】
他の例では、TVPがテレビ画面上に個人専用のバーコードを表示する。このバーコードは、契約者のSTBを識別する認証と共に、テレビ画面上のバーコードの写真を撮るカメラを備えた携帯装置をオンラインサーバへリダイレクトする指示を、コード化するという点で個別化される。携帯装置は、PPのサーバ、或いは、TVPや次にPPのサーバにリダイレクトする他のサーバ(直接的に又は1つ以上の中継サーバを介して)へリダイレクトすることができる。その後、PPは、STBの識別子や別称と、携帯装置の識別子とを、関連付けすることができる。又、例えばSTBの地理的な位置といった契約者やSTBに関連する追加情報を、個人専用のバーコードへコード化することができる。一例として、2次元QR(「quick response」)コード等のバーコードがテレビ画面上に表示され、ユーザに対して彼/彼女のスマートフォンでバーコードを撮影することが求められる(例えば、テレビ番組のウェブサイトを訪問した場合)。スマートフォンのバーコードリーダのソフトウェアは、スマートフォンのブラウザソフトウェアによって利用可能な統一資源位置指定子(URL)をコード化したバーコードを解読する。このURLは、オンラインサイトを指し示しており、更に、テレビサービス契約者のSTBについての識別子や別称を含んでいる。コード化されたURLにより示されたオンラインサイトをスマートフォンで訪問すると、オンラインサイトのサーバは、STBの識別子や別称を見つけ出し、それをPPのサーバへのリダイレクト中に含めることができる。PPは、ユーザのSTBの識別子や別称を含めるか又は参照するために、それ自体のクッキーやユーザのスマートフォン上の他の識別子を、採用、修正、或いは承認し、これによって、スマートフォン(起動オンラインデバイス)とSTBとの間の電子的な関連付けを確立する。この例では、夫々のSTBを識別する個別専用の異なるバーコードを、異なるテレビサービス契約者のもとへ送ることができる。
【0095】
第1のオンラインデバイスOD1として機能するように、起動オンラインデバイスは、(i)STBの位置にある固定のオンラインデバイス(例えば、デスクトップコンピュータやワークステーション)、或いは、(ii)少なくとも一時的にSTBの位置に配置される移動オンラインデバイス(例えば、ラップトップコンピュータ、タブレット、又はスマートフォン)でなければならない。既定の起動オンラインデバイスが、第1のオンラインデバイスOD1として適切に機能可能か否かの判断について、以下に説明する。TVPは、通常、契約者のSTBの位置を把握しており、その情報の全てや一部を使用又は提供して、後のステップを実行又は補助することができる。
【0096】
上述した後半の例(例えば、TVPの電子メール、TVPのサイトやアプリケーションへのログイン、又はバーコードの利用)において、TVPは、通常、起動オンラインデバイスと契約者のSTBとに関連する情報を、プロファイルプロバイダ事業者(PP)に伝えるか、若しくはPPに伝わるようにする。このようなPP事業者の例は、上記の通りである。上記の例のいくつかにおいて、起動オンラインデバイスは、例えば、TVPの電子メールからTVPのサーバや次にPPのサーバへリダイレクトする別のサーバへURLをリダイレクトした後に、或いは、TVPのサーバや次にPPのサーバへリダイレクトする別のサーバへ初期バーコード(barcode-initiated)を送信した後に、TVPサイトを提供している、又はソフトウェアアプリケーションと通信しているサーバから、PPのサーバやコンピュータシステム(直接的に又は1つ以上の中継サーバを介して)へリダイレクトされる。このようなURLのリダイレクトは、通常、契約者のSTBの識別子や別称、及び、契約者に関連する付加的な追加情報についての電子認証を通過するURLアドレス(又は他のデータ通過技術)を含んでいる。
【0097】
或いは、電子メールやバーコードの例では、例えば、電子メールのリダイレクトの場合に、又は、オンラインデバイスがPPのサーバに接触して契約者のSTBの識別子をPPのサーバへ伝える指示を、バーコードが含む場合に、起動オンラインデバイスを、TVPのサーバやコンピュータシステムと接触させることなく、PPのサーバやコンピュータシステムへダイレクト処理又はリダイレクト(直接的に又は1つ以上の中継サーバを介して)することができる。この種の例では、TVPが契約者に電子メールやバーコードを送信した後、契約者のSTBの識別子や別称と、起動オンラインデバイスの識別子との関連付けを、TVPの更なる関与なしで確立することができる。上述した異なる何れのリダイレクトの結果としても、PPのサーバは、起動オンラインデバイス上のクッキーを、採用、修正、或いは承認することができ、このクッキーはオンラインデバイスの識別子として機能することが可能である。PPは、STBの識別子や別称の認証を含む受信した情報を、クッキー内や、クッキーを記録ロケータとして利用する中央データベース内に、保存することができる。
【0098】
これに加えて、又はこれに代えて、TVPは、起動オンラインデバイス上にある自体のクッキーを、採用、修正、又は承認することができ、クッキーのログやデータベース、或いは、オンラインデバイスの他の識別子(オンラインデバイスのフィンガープリント等)と、多数の契約者について関連付けされたSTBの識別子とを保持する。このようなログやデータベースは、周期的に、断続的に、或いは継続中の形態で、直接PPに送信することができる。PPは、受信したログを使用して、又は他のあらゆる適切な方法で、それ自体のデータベースを更新することができる。一例では、PPは、受信した装置のフィンガープリントを利用して、(i)そのオンラインデバイスに後に接する場合及び時に、起動オンラインデバイスを認識する、或いは、(ii)以前に収集した、既定のオンラインデバイスについての位置情報やプロファイル情報を引き出す。別の例では、PP及びTVPは、クッキーシンクを利用して、クッキーを同期させる。PPは、TVPのログファイルを受信した際に、TVPのクッキーIDを利用して、関連付けされたPPのクッキーIDを探し出し、STBの認証をPPのデータベース内の関連するPPのクッキーIDに関連付け、更にSTBの認証をPPのクッキー内へ保存する場合もある。クッキーシンクについての一例では、TVPは、契約者のオンラインデバイスを、対応するTVPのクッキー識別子と共に、PPのサーバへリダイレクトする。又、PPのサーバは、TVPのクッキー識別子と、対応するPPのクッキー識別子とを関連付ける。その後、TVPは、TVPのクッキー識別子と関連するプロファイル情報(STBの認証や地理的位置等)とを含むファイルを、PPに対して提供できる。又、PPは、TVPのクッキー識別子を利用して、(要求されたような中央データベース内又はクッキー内の)受信したプロファイル情報を、何れのPPのクッキー識別子に加えるのかを、決定することができる。
【0099】
どんな方法でPPに情報が伝えられても、その情報により、PPは、起動オンラインデバイスを介して実行されたオンライン行動に関するオンラインプロファイル情報を、従来のように、契約者のSTBの識別子に関連付けすることできる。
【0100】
起動オンラインデバイス又は第1のオンラインデバイスがSTBの「近く」にあることの推定
【0101】
オンラインデバイスを介して行われたオンライン行動の過程では、時折、オンラインデバイスがPPのサーバと電子的に接触する場合がある。このような各接触の間、PPのサーバは、そのオンラインデバイスの位置を推定して、その位置情報を保存(例えば、ログ、履歴、データベース内、又は、起動オンラインデバイス上のクッキー内へ)することができる。PPのコンピュータシステムが、起動オンラインデバイスの識別子と契約者のSTBの識別子との電子認証を受信すると、PPのサーバは、(i)過去のいつかの時点で、起動オンラインデバイスが契約者のSTBの「近く」にあったか否かの推定(例えば、起動オンラインデバイスについての過去のあらゆる位置データをPPが所有している場合)、(ii)現在、起動オンラインデバイスが契約者のSTBの「近く」にあるか否かの推定(例えば、起動オンラインデバイスのリダイレクトによりPPが電子認証を受信していた場合)を実行することができる。或いは、PPのサーバは、(iii)連続的ではなくても、起動オンラインデバイスの位置を監視し、後に、起動オンラインデバイスが契約者のSTBの「近く」にあったか否かを「把握(notice)」(推定)してもよい(例えば、後に、起動オンラインデバイスとPPのサーバとの間で電子的な接触が行われた際に、起動オンラインデバイスの位置をチェックすることにより)。
【0102】
「近く」は様々な方法で定義可能であり、推定は様々な方法で実行できる。推定の信頼度(すなわち、OD1と契約者のSTBとの間に不適当な関連付けが確立される公算)は、「近く」がどのように定義及び推定されるかに依存して、本質的に変わる場合がある。上述したバーコードの例では、テレビ画面上のバーコード画像を保存するスマートフォンが、画像を保存する際にSTBの位置にあると考えることができるため、OD1として機能することを正確に推定することができる。
【0103】
初めの例では、TVPによってPPへ伝えられる(例えば、直接的な送信やリダイレクトを介することにより)情報が、契約者のSTBの位置を示している。プライバシーの制限は、そのような情報の精度を制限する(例えば、都市、郵便番号、近隣、或いは、通りに制限される)場合があるが、許可されれば、全アドレスや正確な地理座標を提供することができる。起動オンラインデバイスに接する際、PPは、その位置を推定し、それをSTBの位置と比較することができる。PPは、例えば、IPアドレスの逆のルックアップ(例えば、IPアドレス及び地理的位置を含むデータベースにおいて、このようなデータベースの精度は、大都市圏から正確な通りの住所まで、或いは、任意の中間レベルの精度へと、変化させることができる)、装置のGPS座標や座標範囲、或いは、装置により検出された近くのWiFiトランスミッタや携帯電話基地局の相対的な信号強度を利用することにより、起動オンラインデバイスの位置を推定できる。利用可能な位置データ(典型的には、しかし常ではなく、STBの位置よりオンラインデバイスの位置の方がより正確)の精度に依存して、起動オンラインデバイスと契約者のSTBとが、互いに「近く」にあるか否かの推定についての、適切な基準(1つの要素やいくつかの要素の組み合わせを利用する)を確立してもよい。この基準は、OD1と契約者のSTBとの間の関連付けが正確に確立されたという確実性が所望のレベルになるように、選択することができる。この基準を満たし、起動オンラインデバイスが第1のオンラインデバイスOD1とみなされる場合は、契約者のSTBの「近く」にあるときのその位置を、続く処理においてSTBの位置の代わりに利用することができる。
【0104】
別の例では、位置又は距離の何れかの基準や閾値をチェックすることなく、オンラインデバイスとSTBとが、互いに「近く」にあることを必然的に推定できる。例えば、起動オンラインデバイス上のソフトウェアアプリケーションを利用してSTBを制御する場合に、起動オンラインデバイスは、位置又は距離の何れかの基準をチェックすることなく、STBの「近く」であると必然的に仮定することができる。他の例では、起動オンラインデバイスを利用して深夜にTVPからの電子メールを開く場合、及び、関連付けされたSTBが住宅のSTBであることを把握している場合(例えば、住宅のSTBに関係する情報のみを、TVPがPPへ提供しているという理由により)に、STBやオンラインデバイスについての何らかの位置情報無しで、起動オンラインデバイスがSTBの「近く」であると必然的に仮定してもよい(契約者が深夜には彼/彼女の家にいるという仮定に基づいて)。別の例では、STBが住宅にあることを把握している場合(例えば、住宅のSTBに関係する情報のみを、TVPがPPへ提供しているという理由により)、及び、起動オンラインデバイスの位置が住宅にあることをPPが確認している場合(例えば、サードパーティのデータベースから返された起動オンラインデバイスのIPアドレスのルックアップが、IPアドレスが住宅のIPアドレスであることを同定しているという理由により)に、PPは、STBやオンラインデバイスについての何らかの位置情報無しで、起動オンラインデバイスが住宅のSTBの位置にあると必然的に仮定してもよい。変化した例では、PPは、その位置にある起動オンラインデバイスに一定期間中に接した回数に基づいて、起動オンラインデバイスの位置を契約者のSTBがある住宅位置と認めてもよく、或いは、STBがある住宅位置の以前の認識を取り消してもよい(例えば、友人の住宅のIPアドレスで契約者のオンラインデバイスを検出することで、契約者のオンラインデバイスと友人の住宅のSTBとを誤って関連付ける可能性を減少するために)。
【0105】
他の例において、STBが住宅位置(住宅の実際の住所(actual address)は既知又は未知)に配置されているが、IPアドレスが店舗に割り当てられたか、或いは、住宅に割り当てられたかを、識別するデータベースが存在しない場合では、起動オンラインデバイスが2つの異なるIPアドレスで使用されることを観察してもよく、そして、IPアドレスの一方が契約者の仕事場に該当し、他方が契約者の住宅に該当しそうである、と仮定してもよい。仕事場と住宅との位置を、それらの位置で共有のLANに接続されているオンラインデバイスの数に基づいて区別してもよい。例えば、IPv4の構成において、IPアドレスの1つが異なる10台のオンラインデバイスに共有され、別のIPアドレスが異なる3台のオンラインデバイスのみに共有されている場合は、住宅よりも仕事場の方に多くのオンラインデバイスがあると考えることが合理的であるため、恐らくは1つ目のIPアドレスが仕事場のアドレスであり、2つ目のIPアドレスが住宅のアドレスである。同様に、IPv6の構成におけるいくつかの例では、あるIPアドレスのプレフィックスが、別の9台のオンラインデバイスのIPアドレスのプレフィックスと同一である場合、及び、別のIPアドレスのプレフィックスが、別の2台のオンラインデバイスのみのIPアドレスのプレフィックスと同一である場合は、恐らくは1つ目のIPアドレスが仕事場に該当し、2つ目のIPアドレスが住宅に該当する。より典型的には、あるオンラインデバイスと共に、共有のLANに接続されている他のオンラインデバイスの数が、そのオンラインデバイスの位置が住宅であるか仕事場であるかを示唆している場合がある。
【0106】
更に、別の例において、テレビ契約者が同じプロバイダ(TVP/ISP)からテレビサービスとオンラインアクセスサービスとの双方を受ける場合に、PPは、起動オンラインデバイスにより使用されるIPアドレスの所有権を判断して、起動オンラインデバイスがSTBの位置(契約者がテレビサービスを受ける位置)にあるかどうかを判断することができる。このような例では、テレビ契約者が、仕事場や他の場所(コーヒーショップや友人の家等)における契約者のオンラインアクセスのプロバイダとは異なるプロバイダから、家でのオンラインアクセスサービスを受けることが考えられ、他には、契約者のSTBが仕事場に位置していると誤って推測される虞がある。このような誤りの可能性は、起動オンラインデバイスがPPと通信したときの時刻及び曜日を更に考慮することで、減少させることができる。週末には、その時刻に関わらず、IPアドレスが契約者のTVP/ISPにより所有されている場合は、契約者が家にいることが多い。平日(月曜日〜金曜日)で勤務時間の間は、契約者が仕事場にいることが多く、勤務日の早朝、夜、深夜には、契約者が家にいることが多い。同様に、独立的に時刻を利用することも可能である(ISPの同一性に関わらず)。夜遅い場合に、PPは、起動オンラインデバイスが家にあると高い確率で仮定することもある。
【0107】
より一般的には、起動オンラインデバイスの位置をSTBの位置として認識する際の、誤りを低減する典型的な解決法は、特定の位置でオンラインアクセスのために共通のIPアドレスを共有している(すなわち、同じLANを共有している)、オンライン・ユーザインタフェースデバイスの数をチェックすることである。例えば、この数が10以上である場合は、起動オンラインデバイスが、仕事場、或いは、コーヒーショップや空港といった公共の場所で利用されている可能性が高く、住宅で利用されている可能性は低い(時刻に関わらず)。このような状況の下では、その位置がSTBの位置であると推測すべきではなく、或いは、後のステップでそういうものを使用すべきではない。
【0108】
更に、別の例では、テレビ契約者とそのTVPとのデータベースを有するサードパーティから、PPがSTBの地理的位置を受信することができる。ある代替例では、テレビ契約者の個人識別情報(PII)を有するそのようなサードパーティが、例えば契約者がサードパーティのサーバにログインした後に、契約者のオンラインデバイスを、PPにより制御されるサーバやコンピュータシステムへリダイレクトしてもよい。このリダイレクトは、契約者のSTBの地理的位置を伝達できる(必要や要求に応じて、PIIと共に又はPII無しで)。別の代替例では、起動オンラインデバイスを住宅や店舗の住所(許可されれば正確な住宅の住所、又は、プライバシポリシーやプライバシー規定が要求された場合には郵便番号といった精度が低い住所の情報)と共にPPのサーバへリダイレクト可能な、サードパーティのデータプロバイダから、PPが、起動オンラインデバイスがある住宅や店舗の住所を受信してもよい。このようなリダイレクトは、PII(住所の情報以外)を含まない場合が多い。
【0109】
別の例では、住宅の中でSTBが使用されていることをPPが把握する(TVPによって通知されるので明示的に、或いは、住宅にある契約者のオンラインデバイスのみをTVPがリダイレクトするので暗示的に)と、契約者の住宅の住所(サードパーティから得た)が契約者のSTBの位置であると、PPが仮定してもよい。別の代替例では、PPのサーバが起動オンラインデバイスと通信した際に、装置のIPアドレスの逆ルックアップを行い、その地理的位置を見つけてもよい。
【0110】
PPがオンラインデバイスの地理的位置及びSTBの地理的位置へのアクセス権を得る方法に関わらず、それらの位置は比較可能である。それらが一致、又は十分に近接している場合には、起動オンラインデバイスがSTBの位置にあると推定できる。
【0111】
いくつかの例(上述した例のいくつかを含む)では、TVPによりPPへ伝えられる(例えば直接的な送信やリダイレクトを介して)情報が、契約者のSTBについて、住宅用の位置又は業務用の位置の何れか一方を示している。携帯される起動オンラインデバイスは、時間経過と共に、異なる位置で観察される。それらの位置が業務用又は住宅用の何れであるかを、時刻(例えば、昼間の位置は業務用と推測し、夜/深夜/早朝の位置は住宅用と推測する)やIPアドレスの種類(例えば、静的なIPアドレスは業務用と推測し、動的なIPアドレスは住宅用と推測する)に基づいて推測してもよい。起動オンラインデバイスは、第1のオンラインデバイスOD1として適切に関連していると推測され、そして、OD1が接触された時刻に、或いは、契約者のSTB位置の種類と矛盾しないIPアドレスから推定された、OD1の位置を、STBの代用位置にすることができる。いくつかのケース(上述した例のいくつかを含む)では、TVPがPPに対して住宅のSTBについての情報のみを提供してもよい。特定のSTBの位置や位置の種類に関する情報をTVPから受信しないにも関わらず(恐らくは、特定のSTBの識別子認証のみを受信する)、PPは、いくつかの事例において、上記の方法(例えば時刻や位置の種類)を利用して、いつOD1が住宅位置(そして今後はSTBの位置)に配置されたのかを把握することができる。
【0112】
起動オンラインデバイスが、いつ契約者のSTBの「近く」にあるのかを、決して検出できない事例があり得ることに注意されたい。この状況は、例えば、起動オンラインデバイスが固定装置であり、契約者のSTBから離れた位置に存在する場合や、起動オンラインデバイスが携帯装置であり、契約者のSTBの「近く」に決して配置されない(又は配置されたことに気付かない)場合に起こり得る。契約者のSTBの「近く」にならない起動オンラインデバイスは、通常、第1のオンラインデバイスOD1とみなされることはなく、又、その位置は、STBの代用位置として使用されず、更に、後のステップが、その起動オンラインデバイスの位置に基づいて実行されることはない。
【0113】
しかしながら、いくつかの例では、契約者のSTBの「近く」にならない起動オンラインデバイスに基づいて、所謂「2段階(two-step)」の関連付けを確立することができる。携帯オンラインデバイスが、様々な時間に一時的に起動オンラインデバイスの「近く」にあることが観察され(若しくは、携帯オンラインデバイスと起動オンラインデバイスとの双方が、同一の証明書を使用した、同一のウェブサイトやアプリケーションへのログインに利用された場合)、更に、別の時間に一時的に契約者のSTBの「近く」にあることが観察された場合に、その携帯オンラインデバイスは、第1のオンラインデバイスOD1として機能することが可能であり、その位置(STBに「近い」と観察されたときの)は、STBの代用位置として利用可能である。STBへのこのような2段階の関連付けの利用により認定されたOD1は、関連付けの確立において誤る確率が高いため、より直接的な上記の関連付けよりも、望ましくない場合がある。
【0114】
(複数の)第2のオンラインデバイス(OD2s)がSTBの代用位置の「近く」にあることの観察
【0115】
時間の経過と共に、1台以上の第2のオンラインデバイス(OD2s)が、STBの代用位置(すなわち、契約者のSTBに「近い」と推定されたときのOD1の位置)の「近く」に配置されていることが観察される。結果として、1台以上のOD2sは、契約者のSTBへ間接的に関連付けされる。「間接的」とは、更に後に説明するように、STBとOD2sとの間の関連付けが、OD1を利用して定めたSTBの代用位置を用いて確立されることを、単に示しているに過ぎない。
【0116】
本明細書は、既知の従来技術にわたる意義のある長所を申し出るものであり、既知の従来技術では、OD2sとSTBとの間の接続が確立できていないため、例えば、契約者のSTBがコンピュータネットワークに接続されておらず、TVPが契約者にオンラインアクセスを提供しないケースにおいて、OD1により確立されたSTBの代用位置は、OD2sと契約者のSTBとの間のあらゆる接続を確立する唯一の方法かもしれない。例えば、OD1を使用する家族のオンラインプロファイルに基づいたターゲットテレビ広告に加えて、他の家族が使用するオンラインデバイス(OD2s)のオンラインプロファイルに基づいて、STBへターゲットテレビ広告を配信することは、可能であれば有益である。
【0117】
1台以上のオンラインデバイス(OD1やOD2s)は携帯可能であるため、それらの位置は時間と共に変化する。OD2とSTBとの間の関連付けは、OD1とSTBとの関連付けが確立されてSTBの代用位置が推定される(例えば、ログ、履歴、データベース内で探索される、又はOD2上のクッキー内に記録される)前の時点で、或いは、OD1とSTBとの関連付けが確立されてSTBの代用位置が推定された(例えば、PPのサーバとの、後の通信の結果として)後の時点で、STBの代用位置の「近く」にあるOD2に基づいて確立することができる。
【0118】
ある例では、OD2がSTBの代用位置の「近く」に配置されていることを、OD1及びOD2が共用している共有のLAN(少なくとも一時的に)によって推定することができる。この例の1つのケースでは、関連付けされた住宅のSTBに、OD1が「近い」ことが推定され(上述したあらゆる方法で)、推定の時点でOD1により使用されるIPアドレス(又は、IPアドレスのプレフィックスといったIPアドレスの一部)が、STBの位置の代用として利用される。一致又は部分的に一致するIPアドレスを介して、インターネットトラフィックがルーティングされた他のオンラインデバイス(OD2s)は、OD1と同一のLANに接続されていること、同じ位置にあること(それらはLANに接続されているため)、更に、STBと同じ位置にあることが推定される。従って、OD2sは、STBに関連付けられていると認定される。OD2がSTBの位置又はその近くにあるという推定は、OD1がSTBの位置又はその近くにある間に行う必要はない。他の例では、OD2のGPS座標を、OD1がSTBの「近く」にあると推定されたときの、OD1の位置と比較することができる。OD2のGPS座標が十分に近い(任意の適切な基準に基づいて)場合に、OD2がSTBに関連付けされる。更に、OD2がSTBの位置に十分に近いことの推定は、OD1がSTBの位置に近い間に行う必要はない。
【0119】
いくつかの例において、STBとオンラインデバイスOD2との間の関連付けは、信頼できる環境下のPPのサーバにより取り消すことができる。STBに関連付けされているOD1と共有のLANを共用している故に、STBに関連付けされたOD2が、1週間以上(又は他の適切な期間)にわたって、共有のLANをOD1と再び共用しないことを、PPが把握した場合は、STBとOD2との関連付けが正しくなかったと推測することができる(例えば、STBの位置への稀な訪問者がOD2を所有していたと考えられる)。
【0120】
OD2のプロファイルに基づくテレビ広告の選択/提示
【0121】
オンラインデバイスOD2が、1つ以上のOD2sの組の1つとして、STBに関連付けされた後に、OD2に関するプロファイル情報、例えば、(i)OD2のユーザの履歴の閲覧や検索といったオンライン行動のプロファイル情報、(ii)OD2のユーザに関する人口統計学的情報、(iii)OD1のユーザやOD2のユーザに関連し、TVPの助力により取得した、オフラインプロファイル情報、或いは、(iv)OD2のユーザに関連し、例えば、上記で引用した米国特許第7,890,609号の教示に従って獲得した、オフラインプロファイル情報の、少なくとも一部に基づいて、ターゲットテレビ広告を選択できる。このように選択したテレビ広告は、提示のためにSTBへ送信することができる。
【0122】
テレビ広告を提示する時間や方法は、様々な方法で決定することができる。開示されたいくつかの典型的な方法では、OD2のユーザが、特定のテレビ番組/チャンネルを視聴する、或いは、特定の時間/日付にテレビを見る可能性に基づいて、ターゲットテレビ広告を選択又は提示してもよく、このような可能性は、(i)OD2のユーザのプロファイル情報と特定の番組/チャンネルとの相関関係(引用したいくつかの参考文献で説明されているように)と、(ii)OD2がSTBに近いという推定との、一方又は双方に基づくものであり、そして、特定の時間/日付にOD2がSTBに近いという推定に基づく(上述したように)、又は、特定の時間/日付におけるOD2の位置履歴に基づく(後述するように)、OD2のユーザが提示されてテレビを見るという推定によるものである。
【0123】
開示されたいくつかの典型的な方法では、OD1や1台以上のOD2sに関連するプロファイル情報に基づいて、ターゲットテレビ広告を選択してもよい。こうして選択した広告は、格納して(例えばDVRの中へ)後に提示するために、予めSTBへ送信してもよく、或いは、必要であればリアルタイムや「オンデマンド」で送信してもよい。選択した広告は、例えば、上記で参照した米国特許公開第2009/0300675号、米国特許公開第2009/0299843号、又は、出願番号第61/393,843号の教示に従い、特定のテレビ番組/チャンネル内や、特定の時間/日付に提示してもよい。テレビ広告は、OD2のユーザが、それら特定のテレビ番組/チャンネルを、それら特定の時間/日付(それらの時間/日付に、OD2がSTBの「近く」にあると推定されるか否かに関わらず)に視聴するであろうという予想に基づいて、選択/提示してもよい。
【0124】
OD2に関するプロファイル情報(オンライン又はオフラインのプロファイル情報)に基づいて、テレビ広告が選択され(PPの方針により又はPPの方針で)、上述したようにOD2に関連付けされたSTBへ送信される。広告を選択する際に、STBでどのテレビ番組やチャンネルが視聴されるか、又は視聴される傾向にあるか、そして上述したような、OD2のユーザがそのテレビ番組/チャンネルを視聴している可能性(例えば、米国特許公開第2009/0300675号、米国特許公開第2009/0299843号、又は、出願番号第61/393,843号で開示されているような、OD2のユーザのプロファイル情報とテレビ番組/チャンネルとの相関関係に基づいて)といった、付加的なパラメータを考慮してもよい。
【0125】
他のいくつかの典型的な方法では、選択したテレビ広告が、OD2がSTBに「近い」と推定されたときのみに提示される。OD2sの1つがSTBの代用位置の「近く」に配置されていると推定された(任意の適切な方法で)、特定の時点でのみ、STBに対するターゲットテレビ広告の表示に係る、システム処理が開始され、そのターゲット広告は、その近くのOD2に関するプロファイル情報に基づいて選択される。換言すれば、特定の時点でOD2がSTBに「近い」という推定は、OD2のユーザがその時間にテレビを見ていること、そしてOD2のユーザを対象としたテレビ広告を表示すべきであることの、推測に用いられる。OD2がSTBの代用位置に「近い」か否かは、OD2とSTBとの関連付けの確立について先に説明した、あらゆる様々な方法で推定してもよく、或いは、過去にOD2がSTBの「近く」にあった履歴やログに基づいて推定してもよい(更に後に説明する)。テレビ広告は、上述した如何なる方法及び如何なる時間に、選択及びSTBに配信することができる(例えば、選択及びSTBへの配信を前もって行う、選択や配信をリアルタイム又はオンデマンドで行う、或いは、これらの方法を変化させて行う)。
【0126】
どのテレビ広告が選択されるか、或いは、選択された広告の配信がどの番組/チャンネルや時間/日付に決定されるかに関わらず、任意の適切な方法で、広告を配信又は提示することができる。いくつかの例では、STBの識別子や別称(すなわち、OD1と関連付けされ、STBの位置にあると推定されたOD2に、後に関連付けされるものとして、TVPから受信したSTBの識別子や別称)、又、広告が提示されるときや提示されている間の、番組、チャンネル、時間、又は日付を示すものと共に、選択したテレビ広告(又はその識別子)が、PPによりTVPへ送信される。TVPは、その情報を利用して、適切な時点でSTBへテレビ広告が提示されるように、準備することができる。PPは、通常、選択したテレビ広告又はその識別子を、契約者のSTBの識別子と共に、TVPにより制御されるCASへ送信することができる。OD2に関するプロファイル情報(オンライン又はオフライン)を、TVPに伝える必要はない。いくつかの例において、PPは、OD2において観察されたオンライン行動と、OD2に関連付けされたSTBへ配信又は配信されると推定される、選択したターゲットテレビ広告とを、関連させることができ、オンライン行動については、選択したターゲットテレビ広告のSTBへの提示が予想又は報告された後に、OD2で行われるものである(例えば、上で参照した米国特許公開第2009/0172728号や出願番号第12/906,007号で開示されているように)。
【0127】
いくつかの例では、テレビ広告は、広告サーバや他のサーバ、又は別の装置において、STBと関連付けされた1台以上のOD2sに関するプロファイルに基づいて選択可能であり、その後STBに格納するために送信される。保存されたテレビ広告は、電子的な命令に従い、適切な時点でのみ提示される。いくつかのケースでは、保存されたテレビ広告が、適切なチャンネルが視聴されているときや、適切なテレビ番組である間にのみ表示される。他のケースでは、OD2sの1つがSTBに「近い」と推定された場合(STB、PP、TVP、又はサードパーティによって)に限り、対応する格納されたテレビ広告が提示される。いくつかのケースでは、STBに格納した命令により、STBに対して、OD2に「近い」ことをSTBが検出した場合に、格納した広告を提示させ、或いは、そのOD2の位置履歴に基づいてSTBがOD2に「近い」と推測された場合に、格納した広告を提示させ、或いは、PP、TVP、又はサードパーティによりOD2に「近い」と検出された後に、格納した広告を提示させる。別のケースでは、広告サーバに格納された、又は広告サーバが受信した、広告サーバに格納された広告を提示するという命令に従い、選択したテレビ広告を提示してもよい。異なる時間に異なるOD2sがSTBの代用位置の近くに配置されているという推定を当てにして、それらの異なる時間に異なるテレビ広告を提示してもよい。
【0128】
追加の特徴又は実施例
【0129】
オンラインデバイスの配置を、関連付けされたSTBの「近く」にそのオンラインデバイスがあったという履歴やログに基づいて推測する事例において、そのような履歴やログは、オンラインデバイスがSTBの位置に現れる先の時間(従って、オンラインデバイスのユーザが現れてテレビを見ると推測される時間)を予測するために解析される。例えば、過去3週にわたって毎週火曜日の夜7時以降に、同じIPアドレスでオンラインデバイスがインターネットに接続された場合は、そのオンラインデバイスがその同じIPアドレスで、次の火曜日の夜7時以降にインターネットに接続されるであろうと推定してもよい。そのオンラインデバイスが(前記のIPアドレスでインターネットにアクセスしているときに)特定のSTBに関連付けされた場合は、オンラインデバイスに関するプロファイル情報に基づいて対象を定めたテレビ広告を、次の火曜日の夜7時以降に提示するために、STBに送信してもよい。STBの近くにオンラインデバイスが現れるという、先の推定のためのこのような技術を、上述した方法の文脈にあるOD2に関するプロファイル情報に基づいて対象を定めた、テレビ広告を提示する(すなわち、OD2がSTBに近いと予測される先の時間に、OD2に関連付けされるSTBを介して、OD2を対象とした広告を提示する)時間の選択に用いてもよい。更に、この技術を、OD1に関するプロファイル情報に基づいて対象を定めた、テレビ広告を提示する(すなわち、OD1がSTBに近いと予測される先の時間に、OD1に関連付けされるSTBを介して、OD1を対象とした広告を提示する)時間の選択に用いてもよい。
【0130】
上述した特定の時間のパターン(火曜日の夜7時以降)は、単に典型的なものに過ぎず、関連付けされたSTBに「近い」と推定されたオンラインデバイスの、認識される如何なる時間のパターンも、関連付けされたオンラインデバイス及びSTBの、先の接近を予測する根拠として利用することができる。更に、上述した「近さ」についての特定の基準(特定のIPアドレスの使用)も、単に典型的なものに過ぎない。OD1とSTBとの間、又はOD2とSTBとの間の関連付けの確立について、既に上記で説明したことを含み、近さについての如何なる適切な基準も、関連付けされたSTBに近いことのオンランデバイスの履歴をロギングや記録するための、及び、関連付けされたオンラインデバイス及びSTBの、先の接近を予測するための、根拠として利用することができる。同様に、関連付けされたSTBにオンラインデバイスが将来接近することの予測を、オンラインデバイスの過去の位置に係る、地理的座標、通りの住所、又は他の任意の適切な指標に基づいて行ってもよい。
【0131】
多くのケースにおいてオンラインデバイスがオンラインアクセスのために利用するIPアドレスは、静的ではなく動的である。これは、IPアドレス(又は、LANのルータにより共用されるIPアドレスのプレフィックスといった、その一部)がSTBの代用位置として利用された場合に、問題を生じる虞がある。前記の例のオンラインデバイス(例えばOD2)は、そのIPアドレスが、ある火曜日の夜から次に変わる場合であっても、関連付けされたSTBに近いと推定される虞がある。同じグループのOD2s(例えば、固有のクッキー、タグ、或いは装置のフィンガープリントにより、各々が認識されている)が、毎週火曜日の夜7時以降に共有のLANに接続されたことが検出された場合は、インターネットトラフィックを受信するためのIPアドレスが、日毎に又は週毎に変わる場合でさえ、それらのOD2sが毎週火曜日の夜7時以降に同じ位置に配置されていると推定される虞がある。一時的なそれらのIPアドレスの1つが、特定のSTBに「近い」と推定されていた場合、或いは、LANに接続されたグループ中の1つのオンラインデバイスが、そのオンラインデバイスがLANに接続されていたときに、特定のSTBと関連付けされていた場合に、OD2sのグループ全体が、STBと関連付けされることがある。このOD2sのグループが将来接続されるLANは、同様に、STBの位置を示すと推測されることがある。オンラインデバイスがインターネットトラフィックを受信するためのIPアドレスが変化しているにも関わらず、OD2sの1つが、先の火曜日の夜に、そのSTBの位置になるであろうと予測される虞がある。換言すれば、共有のLANに接続された複数のオンラインデバイスの、認識可能な組み合わせ(combination)の検出は、関連付けされたSTBの位置の代用を務める場合がある。更に、グループの他のオンラインデバイスと同じLANに接続されている、と認識された任意のオンラインデバイスが、同一のSTBに関連付けされる場合がある。
【0132】
装置のグループ(例えば、共有のLANに接続された、複数のオンラインデバイスかつ/又はSTB)によるLANの共用は、別の技術を用いて見分けることができる。一例として、IPv4の構成のLANを共用している複数のオンラインデバイスは、同一のIPアドレス(すなわち、LANをインターネットへ接続しているモデムのIPアドレス)を有する複数のオンラインデバイスと通信しているウェブサーバにより見分けることができる。ウェブサーバは、この共有のIPアドレスに基づいて、複数のオンラインデバイスがLANを共用していることを推測することができる。別の例では、IPv6の構成のLANを共用している複数のオンラインデバイスを、部分的に一致するIPアドレス(例えば、複数のオンラインデバイスがサブネット(LAN)を共用していることで、それらのIPアドレスのプレフィックスが等しくなっている)を有する複数のオンラインデバイスと通信しているウェブサーバにより見分けることができる。IPアドレスの一部を共用していることを踏まえて、ウェブサーバは、複数のオンラインデバイスがLANを共用していることを推測できる。更に別の例では、LAN(例えば、IPv6の構成)を共用している複数のオンラインデバイスを、下記の方法を利用して、複数のオンラインデバイスのIPアドレスへのアクセス権を有するウェブサーバにより見分けてもよい。サーバは、例えば、Windows(登録商標)オペレーティングシステムの「tracert」といったコマンドを使用して、サーバ(起点)から各オンラインデバイス(終点)までの、インターネットを通るルートを追跡可能である。サーバは、各オンラインデバイスでルートが終了する1「ホップ」手前にあるルータが、グループの全てのオンラインデバイスのルータと同一であると、認識することができる。結果として、サーバは、そのルータを介してインターネットトラフィックを受信している複数のオンラインデバイスが、共有のLANに接続されていると推測することができる。(サーバは、IPアドレスによってルータを認識することができ、任意で、サードパーティのデータベースを利用して、ルータのIPアドレスが、住宅用のIPアドレスか業務用のIPアドレスかを判定することができる。)更に一般的に言及すると、LANがSTBの代用位置を務めることができる。LANは、種々の方法で識別可能である。これらの方法には、(a)IPv4の構成で、LANをインターネットへ接続しているモデムのIPアドレス、(b)LANに接続された装置やLANのルータの、IPv6アドレスのプレフィックス、或いは、(c)LANのルータのIPアドレスが含まれが、これらに限定されるものではない。
【0133】
複数のオンラインデバイスが共有している位置を推定するために、任意の適切な基準が利用可能である。例えば、5台のオンラインデバイスで成るグループの3台以上が、共有のLANへ接続されることが度々検出される(上述した方法を含む任意の適切な方法で)場合に、共有のLANに接続され、異なるIPアドレス(又はその一部)により特徴付けられた、それら5台のオンラインデバイスのうちの3台の、2時間又は他の適切な時間をおいて後に行う検出は、異なるIPアドレス(又はその一部)が、関連付けされたSTBの位置に対応することを推定するための、適切な基準になることがある。いくつかの例では、同じLANに接続された複数のオンラインデバイスのうち、2台以上を検出すれば十分かもしれず、一方、他の例では、同じLANに接続された4台以上のオンラインデバイスを検出することが、複数のオンラインデバイスがそれらに関連付けされたSTBに接近しているという、確かな推定のために必要かもしれない。
【0134】
STBに「近い」OD2の位置を判定する方法の追加の例には、関連付けされたSTBを制御するための、OD2上のソフトウェアアプリケーションの利用、後にその動画がSTBから引き出されて視聴されることとなる動画を、インスタントキューに追加する(所定の時間内に)ためのOD2の利用、STBに接続されたテレビ画面上の個人専用のバーコードの、OD2を利用した写真撮影(例えば、家の電話への入電を受けることを意図して、テレビ上に広告された製品について学ぶため、或いは、広告された製品のウェブサイトをスマートフォンの画面上で視聴可能にするため)を、認識することが含まれる。更に、このような方法は、起動オンラインデバイスがSTBの「近く」にあり、OD1として機能することが正確に推定可能であるか、という推定に利用することができる。
【0135】
別の例では、携帯電話の位置といった携帯装置の位置を、ユーザの位置の指標として利用してもよい。例えば、ユーザのラップトップ(OD2)がユーザの携帯電話(別のOD2)に関連付けされ、携帯電話のユーザは携帯電話と共に家にいて、ラップトップは職場に置いてある場合に、ラップトップが家になくても、携帯電話が家にあることが認識されれば、ラップトップでのオンライン行動に基づいて、家のSTBを広告の対象にすることができる。
【0136】
他の変化例では、STBを広告の対象に定める前の所定時間(例えば30分)内に、オンラインデバイスの位置が記録され、その記録された位置がSTBの「近く」か「近く」でないか判定されると、オンラインデバイスがSTBの「近く」か、或いは、STBに「近く」ないかが検討される。
【0137】
PPは、独立したサードパーティであってもよいが、あるケースでは、テレビプロバイダや、STBへの広告の送信に関与する別の事業者により、所有されるものであってもよい。ある状況では、PPが、別の事業者により制御されるCASを用いて作業するものであってもよい。他のケースでは、CASがPPにより所有又は制御されてもよい。更に、他の組み合わせも可能である。
【0138】
別の例では、STBの位置情報を、TVPが全く共用しない。PPは、デバイスを同定する異なる位置に、起動オンラインデバイスを関連させる(「位置」は、上述した様々な方法の何れの中でも定義されている)。このような関連位置の各々について、更にPPは、その位置を訪問した際に、起動オンラインデバイスを、PPにより同定される他の装置に関連させる。更に、各装置が位置で同定された日時を記録してもよい。PPは、起動オンラインデバイスにより訪問される異なる位置に関連させた、異なるオンラインデバイスに関するプロファイル情報に基づいて対象を定めた、異なるテレビ広告を選択する。PPは、異なるオンラインデバイスを対象とするテレビ広告を、それらの各位置の指標と共に(可能であれば、その位置でそれらが識別された日時も)、TVPに提供する。STBの位置情報へのアクセス権を有するが、その情報を共用しないTVPは、その異なる位置をSTBの位置と比較し、それらのオンラインデバイスのうちSTBの位置に検出されたもののみについての、STBに対して、OD2のプロファイルに基づいて選択した広告を配信する。
【0139】
所定のOD2に関連し、OD2のユーザを対象とするテレビ広告の選択に利用されるプロファイル情報は、様々な情報源から作ることができる。一例として、上記で参照した米国特許第6,925,440号、米国特許第7,428,493号、又は米国特許公開第2008/0313194号に開示されているように、例えば、PPにより、OD2のユーザのオンライン行動に基づいて、人口統計学や行動についてのプロファイル情報を収集してもよい。他の例として、例えば、上記で参照した米国特許第7,890,609号に開示されているように、OD2のユーザに対してオンラインアクセスを提供するISPの契約者である、OD2のユーザに関するオフラインプロファイルデータを、PPにより取得してもよい。別の例では、OD1のユーザ(すなわち、TVPのテレビ契約者)に関するオフラインプロファイルデータを、PPにより取得してもよい。このオフラインデータは、TVPから、或いは、このようなオフラインデータのサードパーティのプロバイダから取得可能である(通常はTVPにより便宜が図られる)オフラインデータは、通常、OD1のユーザについてのプロファイルに追加される。しかしながら、そのようなオフラインプロファイル情報のプロバイダ(例えば、興信所やダイレクトメールのマーケティング会社)は、通常、家庭を経由して莫大な情報とリンクしている。例えば、同一の住所に住む夫と妻とについての、そのようなオフラインデータは、通常、互いにリンクしている。従って、OD2に関するプロファイル(OD1のユーザについて取得したオフラインデータ)へ更にリンクしていることは、PPにとって好ましいことである。OD1及びOD2のユーザが同じ家族の一員である場合は、OD1のユーザについて取得したオフラインデータの大部分が、OD2のユーザに関連するものとなる。OD1に関するそのオフラインデータ(TVPにより便宜が図られる)は、OD2がSTBの位置の「近く」にあることが一時的であったとしても、OD2に関連させることができる。従って、OD2に関するオフラインデータは、関連付けされたSTBへ、OD2のユーザに対して配信することとなる、テレビ広告の選択に利用することができ、更に、このオフラインデータは、OD2に配信することとなるオンライン広告の選択にも利用可能である。
【0140】
TVPは、任意の適切な方法で、PPに対するオフラインプロファイル情報の送信、或いは、サードパーティプロバイダからの、PPに対するそのような情報の送信の補助を行うことができる。例えば、第1のオンラインデバイスOD1とSTBとを関連付けするために、TVPにより利用されるいくつかの方法(例えば、TVPの電子メール、TVPのサイトやアプリケーションへのログイン、又は個人専用のバーコードが用いられる)では、TVPが、PPに対して、テレビ契約者(すなわち、OD1のユーザ)に関するオフラインプロファイルデータを送信することができる。このオフラインデータは、TVP自体が収集した情報を含んでいてもよく、或いは、TVPがサードパーティプロバイダから収集した情報を含んでいてもよい。このオフラインデータは、STBの識別子や別称をPPへ伝達することについて説明した上記の方法を含み、任意の適切な方法で送信することができる。STBの識別子や別称とオフラインデータとは、共にTVPによりPPへ送信してもよく、或いは、PPがオフラインデータを、STB又はSTBに関連付けされた任意のOD1やOD2へリンクできるように、オフラインデータを後に送信して、STBの識別子や別称にラベル付けしてもよい。他の例では、TVPが、サードパーティであるオフラインデータのプロバイダに対して、テレビ契約者の名前(これはOD1のユーザの名前でもある)と、対応するSTBの識別子や別称(この識別子や別称は、STB及びOD1と関連させるためにPPに対しても送信される)とを送信してもよい。サードパーティのデータプロバイダは、関連するオフラインデータを順次検索し、それをSTBの識別子や別称と共にPPへ送信することができ、これにより、PPは、送信されたオフラインデータを、OD1のプロファイルへ、更に、必要であれば任意の関連するOD2のプロファイルへも、リンクすることが可能となる。この例では、TVPにより利用されるSTBの実際の識別子を把握することとなる、事業者の数を制限するために、STBの別称を利用した方が好ましいかもしれない。上述した如何なる例に関わる契約者のプライバシーに対処するために、PPへ送信するオフラインデータには、PIIを含めない(又は制限したPPIのみを含める)方が好ましいかもしれない。
【0141】
契約者のPIIとオンライン行動の情報とを分離しておくことが、望ましい、求められる、或いは、必要であるかもしれない。上述した方法では、OD1やOD2を介して行われたオンライン行動に関する、如何なるオンラインプロファイル情報も、PPがTVPに対して伝達する必要がない。逆に言えば、TVP(又はサードパーティのオフラインデータプロバイダ)は、PPに対して、可能であれば契約者のSTBについての位置情報を除き、契約者のPIIを伝える必要がない。この位置情報は、契約者のプライバシーの保守と、必要な又は好ましい正確度を有する、STB/OD1/OD2の関連付けの確立との間の、好ましいバランスを維持するように、必要や要求に応じて、精密に又は非精密に作成してよいものである。
【0142】
開示した何れの方法も、PPに対する契約者のPIIの送信を必ず要求するものではなく、PIIとオンラインプロファイル情報との、そのような併合を不可能にする必要があるものでもない。PIIとオンライン行動のプロファイル情報との併合には、消費者に対して、オプトインとデータの併合への同意とを要求することが必要となる。オンライン行動の情報からPIIを分けることは、オプトアウトを基本とする(opt-out-based)ものとなり、消費者へ同意を要求する必要がなくなり、又、選択すればオプトアウトが可能になる。オプトインを基本とする(opt-in-based)解決策は、通常、規模が限定された展開となるが、オプトアウトを基本とする解決策は、大規模な展開を可能にするため、多くの例において、本明細書で開示したオプトアウト形態(契約者のPIIを彼/彼女のオンライン行動のプロファイル情報から分けておく)の方法を実行することが好ましい。
【0143】
PPのコンピュータシステムの1台以上のサーバは、複数のオンラインデバイスとの各通信についての、ログ、履歴、タグやデータベースの時間、日付、そして位置データを記録するように、プログラム及び接続される。位置データには、装置のGPS座標、サラウンディングWiFiネットワークや携帯電話基地局の識別子及び装置に記録されたそれらの相対的な信号強度、IPアドレス、LANのプロキシ(例えば、LANをインターネットへ接続しているモデムのIPアドレスや、LANのルータのIPアドレス又はIPアドレスのプレフィックス)、実アドレス、或いは、コンピュータシステムによるオンラインデバイスの位置の判定、推定、又は推測を、直接的又は間接的に可能にする他のデータを含めることができる。更に、TVPの契約者により使用される起動オンラインデバイスに関するデータと、その契約者のSTBの識別子とを受信し、それらのデータをログ、履歴、タグ、又はデータベースに格納するように、1台以上のPPのサーバをプログラム及び接続してもよい。更に、STBの位置の「近く」や別のオンラインデバイスの位置の「近く」にあり得るオンラインデバイスの位置を探すために、検索、バッチ、オンデマンド、或いは、そのようなログ、履歴、又はデータベースに基づいて実行中の処理を実行するように、1台以上のPPのサーバをプログラム及び接続してもよい。上述した方法の種々のステップを、そのような一対の近接した装置の位置を検索する際の、応答として実行してもよい。又、上述した方法の種々のステップを、データの新たな部位を収集する際(例えば、オンラインデバイスとの接触の際、TVPのサーバから又は他のPPのサーバからのURLリダイレクトの後、1日のうちの特定の時間、或いは、特定の位置や位置の種類から等)の、応答として実行してもよい。
【0144】
ターゲットオンライン広告やターゲットテレビ広告の配信を含むあらゆる例では、広く多様な発信源や事業者により広告を提供することができ、更に、広く多様な方法で収益を創出及び配分することができる。上記で参照した1つ以上の出願文書において、そのような例が開示されている。いくつかの例では、オンライン広告の対象を定める(テレビ広告の実際の視聴や推定に基づいて)だけではなく、テレビ広告の対象を定める(オンラインプロファイル情報に基づいて)ことができるように、PPを補うことが可能である。別の例では、テレビ広告の効果を評価する際に利用する情報を提供することについて、PPを補うことが可能である。
【0145】
例えば、STBにおける日産ムラーノ(登録商標)(SUV)のテレビ広告の視聴を推定した後に、関連付けされたオンライン・ユーザインタフェースデバイスが、cars.com(車のレビューサイト)での日産ムラーノの調査に利用され、cars.com上で日産ムラーノのレビューを見た全ての訪問者のコンピュータを、cars.comがCASへリダイレクトした場合に、リダイレクトに続く処理として、CASは、日産ムラーノのテレビ広告の視聴が推定されたSTBに関連付けされた、オンラインインタフェースデバイスからの訪問を認識することができる。このような情報は、広告主にとって大変価値があるものである。広告主や代理の広告主(広告代理店等)、或いは、オンライン行動の追跡の結果として広告主のテレビ広告の効果を評価するサービスを広告主に提供する事業者は、cars.comの日産ムラーノのレビュー欄を訪問したそれらのコンピュータを、cars.comがCASへリダイレクトすることを、補うことができる。
【0146】
別の例では、OD2をオンライン広告の対象とする際の、オフラインデータの利用について、或いは、OD2のユーザを、OD2に関連付けされたSTB上でのテレビ広告の対象とする際の、オフラインデータの利用について、PPが補われる(ここで、双方のケースでは、TVPによる便宜の後に、オフラインデータがPPにより受信される)。
【0147】
PPの要求でSTBsへ送信されるテレビ広告は、様々な発信源から送ることが可能である。同様に、オンライン・ユーザインタフェースデバイスへ送信されるオンライン広告は、様々な発信源から送ることができる。一例として、所定のPPは、PP自体(例えば、PPが広告主サイトであり、そのオンラインサイトを訪れた人々に対するテレビ広告の配信に関与する場合)から(又はPPの代わりに)、或いは、広告主に広告スペースを販売する別の事業者(このうちのいくつかは、PPのサイトの推定された閲覧者に対して広告を表示することを望むかもしれない)から、ユーザのSTBやオンライン・ユーザインタフェースデバイスへ広告を送信するように、CASに要求してもよい。この例では、ターゲット広告の配信の中継役としての、CASの所有者が、PPから報酬を受けることができる。CASの所有者は、委託として収益の割り当てを維持することができ、TVPに広告スペースに対する支払いを行う(CASの所有者が広告スペースを所有している場合を除く)。配信されたテレビ広告内のテレビ広告スペースをTVPが所有する場合に、CASの所有者による支払い額の全額をTVPが保有してもよく、或いは、TVPが広告スペースを所有しない場合に、テレビ放送局といった別の事業者に対するCASの所有者による支払い額の、一部又は全額をTVPが支払ってもよい。
【0148】
他の例では、オンライン・ユーザインタフェースデバイスとSTBとの電子的な関連付けについての支払いをTVPに対して、テレビ広告スペースについての支払いをテレビ広告スペースの販売業者に対して、更に、テレビ広告の対象を定める際に使用したそのプロファイルデータについての支払いをオンラインサイト(又はプロファイルの集約業者)に対して、CASが行ってもよい(但し、オンラインサイトがテレビ広告を販売した場合やその配信を依頼した場合を除く)。
【0149】
又、別の例では、どの事業者が何の支払いついての権利を有するかをCASが記録し、このCASの記録に基づいて、テレビ広告スペースの販売業者やテレビ広告主から、権利を有する個々の事業者に対し、直接支払いを行ってもよい。
【0150】
又、TVP以外のサードパーティ(Tivoのようなサービスプロバイダ)によりSTBが提供されている例において、STBプロバイダは、ターゲットテレビ広告が許可された場合に、サービスプロバイダのSTBsが放送されるテレビ広告をターゲットテレビ広告に置き換えるように、コンテンツの所有者(テレビ放送局等)と協定してもよく、更に、サービスプロバイダとテレビ放送局とは、上述したようなCASの所有者と収益を分配してもよい。あるケースでは、TVP、ISP、STBプロバイダ、オンラインサイト、広告主、広告代理店、代理の広告主、オンライン広告スペースの販売業者、テレビ広告スペースの所有者、或いは、テレビコンテンツのプロバイダにより、CASが所有されてもよく、この場合には、夫々の役目に従って支払額が分けられることとなる。一般的には、テレビ広告主からの支払額は、テレビ広告スペースの所有者とターゲットテレビ広告の配信を便宜する事業者とに対する支払いに使用される。
【0151】
別の例において、オンラインサイトや他のPPは、オンラインサイト自体がテレビ広告スペースを販売する相手として選択する別の広告主から、テレビ広告がユーザのSTBに送信されること、或いは、PP自体がオンライン広告スペースを販売する相手として選択する別の広告主から、オンライン広告がユーザのオンライン・ユーザインタフェースデバイスに送信されることを要求してもよい。この例において、PPやオンラインサイトは、サイトに選択された広告主により提供される(複数の)広告の、配信の便宜を図る助けの見返りとして、CAS、ISP、TVP、ISP/TVP、又は(複数の)広告スペースの所有者に対して支払いをすると共に、サイトに選択された広告主から収益を集めることができる。
【0152】
別の例では、(1)提供されたプロファイル(行動又は人口統計学のデータを含む或いは含まない)をテレビ広告の配信に利用する際は常に、(2)提供されたプロファイルを利用して配信されたテレビ広告が収益を生み出す場合に、(3)提供されたプロファイル(行動又は人口統計学のデータを含む或いは含まない)をオンライン広告の配信に利用する際は常に、(4)提供されたプロファイルを利用して配信されたオンライン広告が収益を生み出す場合に、或いは、(5)どの程度の頻度で、又はどの程度効果的に利用されるか否かに関わらず、単にプロファイルの配信の課金として、行われる支払いと引き換えに、PPプロバイダがCASに対してプロファイルを提供する。
【0153】
CAS、ISP、TVP、ISP/TVP、STBプロバイダ、テレビ広告スペースの所有者、或いは、広告スペースの所有者やPPsを代理して広告主へ販売を行う、再販業者や会社(firm)といった任意のサードパーティが、テレビ広告又はオンライン広告自体を販売してもよい。この例において、PPは、PPにより提供されたプロファイルに基づいてテレビ広告又はオンライン広告を配信し、それによって利益を得るあらゆる事業者(広告スペースの所有者、STBプロバイダ、CAS、ISP、TVP、ISP/TVP、或いは、ターゲット広告のスペースを販売するサードパーティを含む)から、収益を集めることができる。更に、PP、再販業者、又は他の広告主は、STBへ広告を送信する見返りとして、CAS、ISP、TVP、又はISP/TVPに対して、収益を支払ってもよい。
【0154】
一例において、TVPの便宜を補助するオフラインデータをPPへ提供する、サードパーティのオフラインデータプロバイダは、PPから、或いは、OD2のユーザを広告(これらの広告はOD2へのオンライン広告か、又は、OD2に関連付けされたSTBへのテレビ広告)の対象者とする際にオフラインデータを利用することにより利益を得る任意の別の事業者から、支払いを受けてもよい。別の例では、オフラインデータをデバイスOD2に関連させることに対して、オフラインデータプロバイダがPPに支払いを行い、これにより、OD2をオンライン広告の対象とする際に、或いは、OD2のユーザをOD2に関連付けされたSTB上へのテレビ広告の対象とする際に、オフラインデータを利用することが可能となる。サードパーティのオフラインデータプロバイダは、データがターゲット広告に利用される際に、データを使用して対象とされた広告が、任意の応答(販売を含む)、それらの支払い方法の任意の組み合わせ、或いは、任意の他の代償方法を来す場合に、上記の関連させることについてPPに支払いをしてもよい。
【0155】
本明細書に開示されているシステムや方法は、本明細書に与えられた例に限定されることなく、本明細書や添付のクレームの範囲内に含まれる、様々な方法で様々な関係事業者に利益を生み出すように利用可能である。「支払い(pay)」、「収集(collect)」、「受ける(receive)」、及びその他の、収益に言及する際の用語は、資金の実際のやり取りを意味していてもよく、或いは、コンピュータ追跡とコンピュータアクセス可能な1つ以上のデータベースへの情報の格納とにより実行される自動支払いを含むかもしれない、クレジットやデビットの電子会計を意味していてもよいものである。これらの用語は、支払いが、報酬、ロイヤルティ、紹介料、支払保留、上乗せ手数料、買取再販、或いは、最終的に広告収入を分割する上述したような任意の他の対価協定とみなされた場合でも、適用することができるものである。支払いは、手動又は自動で、少額決済の振替を経由する等して即時に、或いは、日毎、週毎、月毎、又は総計が許容額を越えた複数の取引からの、支払いの累積により定期的に、発生するものであってよい。本明細書に開示されているシステムや方法は、資金のそのような支払いや受領を追跡するための、任意の適切な会計モジュールやサブシステムを用いて行うことができる。
【0156】
本明細書において特定の事業者により実行されるとものとされた様々な行動や方法のステップは、通常は、それらの事業者の管理下にあり、又、所有物又はレンタル物であり、更に、事業者の施設か遠隔地にある、1台以上のコンピュータやコンピュータシステムにより自動的に実行される。本明細書に開示されている方法は、通常、これらの1台以上がインターネットに接続された1台以上のコンピュータ上で実行される、任意の適切な種類のソフトウェアを用いて実行される。このソフトウェアは、単一のコンピュータが実装しているものでもよく、複数のコンピュータにある複製したものであってもよく、或いは、異なるコンピュータ上の異なる部位やモジュールに分散されたものであってもよい。又、このソフトウェアは、1台以上のサーバで実行するものであってもよく、或いは、このソフトウェア(又はその一部)が、電子訪問者(electronic visitor)により使用されるオンライン・ユーザインタフェースデバイス(例えば、デスクトップや移動コンピュータ、無線端末や「スマートフォン」や他の無線装置、携帯情報端末(PDA)や他の携帯装置、テレビやSTB)によって実行されるものであってもよい。訪問者のオンライン・ユーザインタフェースデバイス上で実行されるソフトウェアは、Java(商標登録)のクライアントソフトウェアや、アドウェアと呼ばれるものを含んでいてよい。いくつかの方法は、電子訪問者のオンライン・ユーザインタフェースデバイスに対する、そのようなソフトウェアのダウンロードを含み、そこで本明細書に開示されている1つ以上の方法を実行するものであってもよい。
【0157】
説明したプロファイル情報は、訪問者の装置上に保存されるタグやクッキーの一部として含まれていてもよく、或いは、別の場所(例えば、プロファイルの所有者のサーバ、プロファイルの提供者のサーバ、又はメディア所有者のサーバの、データベース内)に保存される訪問者のプロファイルに関連する識別子を、タグやクッキーが単に含んでいてもよい。このプロファイル情報は、単一の場所に保存する必要や、単一の事業者の管理下にある必要がなく、又、プロファイル情報の制御や使用を、単一の場所や単一の事業者の管理下で行う必要もない。
【0158】
本明細書に開示されているシステムや方法は、汎用又は専用の、コンピュータ、サーバ、又はソフトウェアを介してプログラムされるプログラム可能な他のハードウェア装置として、或いは、固定配線(hard wiring)を介して「プログラム」されたハードウェアや装置として、又は2つを組み合わせて、実行されるものであってよい。「コンピュータ」(例えば、「サーバ」やオンライン・ユーザインタフェースデバイス)は、単一の機器や演算装置を含んでいてもよく、相互に作用する複数の機器や演算装置(単一の位置又は互いに離れた複数の位置に配置される)を含んでいてもよい。1台以上のコンピュータによりそのプログラムを実行することで、1台以上のコンピュータが本明細書に開示された1つ以上の方法を実行できるように、コンピュータで読み取り可能な媒体をコンピュータプログラムでコード化してもよい。適切な媒体には、ネットワークベースやインターネットベースや他のものをベースに分散され、共に動作するソフトウェアモジュールの記憶装置、RAM、ROM、CD ROM、CD−R、CD−R/W、DVD ROM、DVD±R、DVD±R/W、ハードドライブ、サムドライブ、フラッシュメモリ、光学式媒体、磁気媒体、半導体媒体、或いは、代替となる任意の将来の記憶装置といった、一時的な又は常設の記憶装置や置き換え可能な媒体を含むことができる。このような媒体は、上述したように情報を記録するデータベースにも利用可能なものである。
【0159】
開示した典型的な実施例と方法とに同等なものが、本明細書や添付のクレームの範囲内に含まれるべきであることを意図している。又、開示した典型的な実施例及び方法と、更にそれらに同等なものとが、本明細書や添付のクレームの範囲から逸脱することなく、変更可能であることを意図している。
【0160】
上述した詳細な説明では、開示内容を合理化する目的で、様々な特徴をいくつかの典型的な実施形態や実施例にまとめている場合がある。しかしながら、独創的な内容は、開示した単一の典型的な実施形態の全ての特徴より少ないことがある。特徴を、その効果への明確な関連性が欠けた「不可欠な」又は「必要な」ものと考えるべきではない。更に、本明細書は、本明細書で言及した組み合わせでは明確に開示していない場合がある特徴や実施例の組み合わせを含む、本明細書に記載された、開示された特徴や実施例の任意の適切な組み合わせ(すなわち、不適合又は互いに排他的なものではない、特徴や実施例の組み合わせ)を有する、任意の実施形態を暗に開示していると解釈されるべきである。
【0161】
本明細書における意図として、「又は」「或いは」「〜や」(or)という接続詞は、包括的な意味(例えば、「犬又は(或いは、や)猫」は、「犬、猫、又は両方」を意味することとなり、例えば、「犬、猫、又は(或いは)鼠」は、「犬、猫、鼠、任意の2匹、又は3匹全て」を意味することとなる)に解釈されるものであり、例外は、(i)例えば、「〜又は(或いは、や)〜の何れか一方(either ... or)」、「〜のうちの1つだけ(only one of)」、又は類似した文法といった、明確に異なる方法で記載されているもの、或いは、(ii)特定の文脈において、選択肢のうちの2つ以上が互いに排他的であり、この場合の「又は(或いは、や)」が、互いに排他的でない選択肢を含む組み合わせのみを包含するものである。又、本明細書における意図として、「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」、及びこれらの用語から派生する用語は、これらが記載された何れの場合においても、非限定的な用語として解釈されるべきものであり、これらの各用語の後に「少なくとも(at least)」という表現を付加した場合と同じ意味を有するものである。
【0162】
本明細書に係る任意の装置クレームにおいて、米国特許法第112条第6段落の規定を呼び出すことが求められた場合は、その装置クレームに、「手段(means)」という用語が記載されることとなる。方法クレームにおいてこれらの規定を呼び出すことが求められた場合は、その方法クレームに、「〜のためのステップ(a step for)」という用語が記載されることとなる。逆に言えば、「手段(means)」や「〜のためのステップ(a step for)」という用語がクレーム内に記載されていない場合は、そのクレームに対して米国特許法第112条第6段落の規定を呼び出すことを意図していない。