特許第6189510号(P6189510)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6189510
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】マイクロ波焼灼発生器制御システム
(51)【国際特許分類】
   A61N 5/02 20060101AFI20170821BHJP
   A61B 18/18 20060101ALI20170821BHJP
【FI】
   A61N5/02
   A61B18/18 100
【請求項の数】17
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-191400(P2016-191400)
(22)【出願日】2016年9月29日
(62)【分割の表示】特願2015-500454(P2015-500454)の分割
【原出願日】2013年2月28日
(65)【公開番号】特開2017-47222(P2017-47222A)
(43)【公開日】2017年3月9日
【審査請求日】2016年9月29日
(31)【優先権主張番号】13/419,981
(32)【優先日】2012年3月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ ディー. ブラナン
(72)【発明者】
【氏名】カイル アール. リック
(72)【発明者】
【氏名】マノジャ ワイス
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア シー. グラジール
【審査官】 石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5565825(JP,B2)
【文献】 特許第5258772(JP,B2)
【文献】 特許第5094132(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 5/02
A61B 18/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ波エネルギー送達デバイスであって、前記マイクロ波エネルギー送達デバイスは、
筐体と、
前記筐体に結合されているマイクロ波アンテナであって、マイクロ波エネルギー信号を伝送するように構成されているマイクロ波アンテナと、
前記筐体内に配置されており、かつ、前記マイクロ波アンテナに結合されている遠隔RFセンサであって、前記遠隔RFセンサは、
遠隔方向性結合器、第1の混合器、第2の混合器であって、前記遠隔方向性結合器は、順方向電力測定信号を前記第1の混合器に提供し、逆方向電力測定信号を前記第2の混合器に提供するように構成されている、遠隔方向性結合器、第1の混合器、第2の混合器と、
前記順方向電力測定信号または前記逆方向電力測定信号のうちの少なくとも1つをマイクロ波発生器に伝送するように構成されている遠隔感知インターフェースと
を含む、遠隔RFセンサと
を含む、マイクロ波エネルギー送達デバイス。
【請求項2】
前記遠隔感知インターフェースは、前記マイクロ波エネルギー送達デバイスをマイクロ波発生器に結合している少なくとも1つの導体を含む、請求項1に記載のマイクロ波エネルギー送達デバイス。
【請求項3】
前記遠隔感知インターフェースは、前記順方向電力測定信号または前記逆方向電力測定信号のうちの少なくとも一方をマイクロ波発生器に伝送するように構成されている無線送受信機を含む、請求項1に記載のマイクロ波エネルギー送達デバイス。
【請求項4】
前記遠隔RFセンサは、搬送波信号を搬送波信号周波数において発生させるように構成されている発振器をさらに含み、
前記第1の混合器は、前記搬送波信号および前記順方向電力測定信号を混合することにより中間順方向信号を発生させるように構成されており、
前記第2の混合器は、前記搬送波信号および前記逆方向電力測定信号を混合することにより中間逆方向信号を発生させるように構成されている、請求項1に記載のマイクロ波エネルギー送達デバイス。
【請求項5】
前記遠隔方向性結合器は、
スルー信号内側導体と前記スルー信号内側導体の上に同心に配置されているスルー信号外側導体とを含むスルー信号同軸ケーブルと、
結合されている内側導体と前記結合されている内側導体の上に同心に配置されている結合されている外側導体とを含む結合されている同軸ケーブルと
を含む、請求項1に記載のマイクロ波エネルギー送達デバイス。
【請求項6】
前記スルー信号同軸ケーブルおよび前記結合されている同軸ケーブルの各々は、第1のスロットおよび第2のスロットを画定し、前記スルー信号同軸ケーブルおよび前記結合されている同軸ケーブルの前記第1のスロットおよび前記第2のスロットのそれぞれは、互に接触し、前記スルー信号同軸ケーブルと前記結合されている同軸ケーブルとを互に動作可能に結合している、請求項5に記載のマイクロ波エネルギー送達デバイス。
【請求項7】
前記スルー信号同軸ケーブルおよび前記結合されている同軸ケーブルの前記第1のスロットおよび前記第2のスロットのそれぞれは、前記スルー信号同軸ケーブルを通して伝送される前記マイクロ波エネルギー信号の波長の約4分の1(λ/4)によって分離されている、請求項6に記載のマイクロ波エネルギー送達デバイス。
【請求項8】
マイクロ波エネルギー送達システムであって、前記マイクロ波エネルギー送達システムは、
マイクロ波エネルギー信号を発生させるように構成されているマイクロ波発生器であって、前記マイクロ波発生器は、前記マイクロ波エネルギー信号を制御するように構成されている処理ユニットを含む、マイクロ波発生器と、
前記マイクロ波発生器に結合されているマイクロ波エネルギー送達デバイスと
を含み、
前記マイクロ波エネルギー送達デバイスは、
筐体と、
前記筐体に結合されているマイクロ波アンテナであって、前記マイクロ波エネルギー信号を伝送するように構成されているマイクロ波アンテナと、
前記筐体内に配置されており、かつ、前記マイクロ波アンテナに結合されている遠隔RFセンサであって、前記遠隔RFセンサは、
遠隔方向性結合器、第1の混合器、第2の混合器であって、前記遠隔方向性結合器は、順方向電力測定信号を前記第1の混合器に提供し、逆方向電力測定信号を前記第2の混合器に提供するように構成されている、遠隔方向性結合器、第1の混合器、第2の混合器と、
前記順方向電力測定信号または前記逆方向電力測定信号のうちの少なくとも1つを前記マイクロ波発生器に伝送するように構成されている遠隔感知インターフェースと
を含む、遠隔RFセンサと
を含む、マイクロ波エネルギー送達システム。
【請求項9】
前記処理ユニットは、前記順方向電力測定信号または前記逆方向電力測定信号のうちの少なくとも1つに基づいて、前記マイクロ波エネルギー信号のパラメータを調節するように構成されている、請求項8に記載のマイクロ波エネルギー送達システム。
【請求項10】
前記処理ユニットは、前記マイクロ波エネルギー信号の一部分、前記順方向電力測定信号、または、前記逆方向電力測定信号のうちの少なくとも1つを比較するように構成されている比較器をさらに含む、請求項8に記載のマイクロ波エネルギー送達システム。
【請求項11】
前記処理ユニットは、発生器処理ユニットおよび遠隔電力結合器処理ユニットを含み、前記発生器処理ユニットは、前記マイクロ波エネルギー信号の発生および送達を制御するように構成されており、前記遠隔電力結合器処理ユニットは、前記マイクロ波エネルギー信号の一部分、前記順方向電力測定信号、または、前記逆方向電力測定信号のうちの少なくとも1つを受信し、前記マイクロ波エネルギー信号の一部分、前記順方向電力測定信号、または、前記逆方向電力測定信号のうちの少なくとも1つを前記発生器処理ユニットに提供するように構成されている、請求項8に記載のマイクロ波エネルギー送達システム。
【請求項12】
前記遠隔感知インターフェースは、前記マイクロ波エネルギー送達デバイスを前記マイクロ波発生器に結合している少なくとも1つの導体を含む、請求項8に記載のマイクロ波エネルギー送達システム。
【請求項13】
前記遠隔感知インターフェースは、前記順方向電力測定信号または前記逆方向電力測定信号のうちの少なくとも一方を前記マイクロ波発生器に伝送するように構成されている無線送受信機を含む、請求項8に記載のマイクロ波エネルギー送達システム。
【請求項14】
前記遠隔RFセンサは、搬送波信号を搬送波信号周波数において発生させるように構成されている発振器をさらに含み、
前記第1の混合器は、前記搬送波信号および前記順方向電力測定信号を混合することにより中間順方向信号を発生させるように構成されており、
前記第2の混合器は、前記搬送波信号および前記逆方向電力測定信号を混合することにより中間逆方向信号を発生させるように構成されている、請求項8に記載のマイクロ波エネルギー送達システム。
【請求項15】
前記遠隔方向性結合器は、
スルー信号内側導体と前記スルー信号内側導体の上に同心に配置されているスルー信号外側導体とを含むスルー信号同軸ケーブルと、
結合されている内側導体と前記結合されている内側導体の上に同心に配置されている結合されている外側導体とを含む結合されている同軸ケーブルと
を含む、請求項8に記載のマイクロ波エネルギー送達システム。
【請求項16】
前記スルー信号同軸ケーブルおよび前記結合されている同軸ケーブルの各々は、第1のスロットおよび第2のスロットを画定し、前記スルー信号同軸ケーブルおよび前記結合されている同軸ケーブルの前記第1のスロットおよび前記第2のスロットのそれぞれは、互に接触し、前記スルー信号同軸ケーブルと前記結合されている同軸ケーブルとを互に動作可能に結合している、請求項15に記載のマイクロ波エネルギー送達システム。
【請求項17】
前記スルー信号同軸ケーブルおよび前記結合されている同軸ケーブルの前記第1のスロットおよび前記第2のスロットのそれぞれは、前記スルー信号同軸ケーブルを通して伝送される前記マイクロ波エネルギー信号の波長の約4分の1(λ/4)によって分離されている、請求項16に記載のマイクロ波エネルギー送達システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療手技を行なうためのシステム、デバイス、および方法に関し、システム、装置、および方法は、マイクロ波エネルギー送達デバイスのハンドピースに送達されるマイクロ波エネルギーに関連する少なくとも1つのパラメータの測定を含む。
【背景技術】
【0002】
マイクロ波焼灼手技の間、マイクロ波エネルギー送達システム(例えば、発生器、マイクロ波エネルギー送達デバイス、発生器からデバイスのハンドピースにマイクロ波エネルギー信号を送達するように構成されている導波路、およびアンテナを含む、システム)の電気性能は、焼灼治療の過程全体を通して変化する。性能の変化は、送達デバイスの変化、組織特性の変化、または送達経路の変化により得る。これらの変化を示すパラメータを観察するための能力は、マイクロ波エネルギーの送達のより優れた制御を提供する。
【0003】
例えば、アンテナインピーダンスの測定は、アンテナ性能および/またはアンテナ特性の変化を決定するための一般的方法である。マイクロ波システムは、典型的には、例えば、50オーム等の特性インピーダンスに設計され、発生器、送達システム、焼灼デバイス、および組織のインピーダンスは、特性インピーダンスにほぼ等しい。エネルギー送達の効率は、システムの任意の部分のインピーダンスが変化するとき減少する。
【0004】
低周波数RFシステムでは、インピーダンスは、既知の電圧で送達された電流を測定すること、および周知のアルゴリズムを用いて組織インピーダンスを算出することにより容易に決定され得る。マイクロ波周波数における組織インピーダンスの正確な測定を得ることは、回路がマイクロ波周波数で異なって挙動するのでより困難である。例えば、RFシステムにおける電極とは異なり、マイクロ波システムにおけるアンテナは、電流を組織に伝導しない。さらに、マイクロ波システム中のその他の構成要素は、アンテナのようにエネルギーを伝送または放射し得るか、または構成要素は、エネルギーを発生器に反射させ得る。したがって、マイクロ波発生器によって生成されたエネルギーの何%が組織に実際に送達されているかを決定することは困難であり、そして組織インピーダンスのための従来のアルゴリズムは、典型的には、不正確である。
【0005】
したがって、インピーダンスを測定する他の方法が、典型的には、マイクロ波システムにおいて使用される。1つの周知の方法は、順方向電力および逆方向電力の測定を用いる間接法である。これは、一般に認められた方法ではあるが、本方法はまた、成分損失を考慮せず、インピーダンスを計算するために、例えば、方向性結合器からの順方向および逆方向電力測定等の間接測定に依存するので不正確であることが分かっている。加えて、本方法は、アンテナインピーダンスを決定するために重要な構成要素である位相に関連する情報を提供しない。
【0006】
本開示は、マイクロ波エネルギー送達デバイスのハンドピースに送達されるエネルギーに関連する少なくとも1つのパラメータを測定するように構成されている、マイクロ波エネルギー送達デバイスを含む、マイクロ波エネルギー送達システムについて説明する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、医療手技を行なうためのマイクロ波発生器およびマイクロ波エネルギー送達デバイスを含む、マイクロ波エネルギー送達および測定システムに関する。本発明の一側面では、マイクロ波エネルギー送達および測定システムは、マイクロ波エネルギー信号の送達のためのマイクロ波発生器と、マイクロ波エネルギー信号を受信するように構成されている、マイクロ波エネルギー送達デバイスとを含む。マイクロ波発生器は、所定のマイクロ波周波数におけるマイクロ波エネルギー信号の発生および送達を制御するように構成され、マイクロ波エネルギー送達デバイスから、マイクロ波エネルギー信号に関連する1つ以上の測定信号を受信するように構成されている、処理ユニットを含む。マイクロ波発生器はまた、マイクロ波エネルギー信号の順方向電力および/または逆方向電力に関連する1つ以上の発生器測定信号をマイクロ波発生器において発生し、処理ユニットに提供するように構成されている、方向性結合器を含む。マイクロ波エネルギー送達デバイスは、筐体と、筐体に結合され、マイクロ波エネルギー信号を受信し、所定のマイクロ波周波数で共振するように構成されている、マイクロ波アンテナと、遠隔RFセンサと、遠隔感知インターフェースとを含む。遠隔RFセンサは、筐体内に配置され、マイクロ波アンテナに結合され、1つ以上の遠隔測定信号を発生させ、提供するように構成されている。遠隔感知インターフェースは、マイクロ波発生器の処理ユニットと遠隔RFセンサとの間に結合される。遠隔感知インターフェースは、1つ以上の遠隔測定信号を遠隔RFセンサから受信し、遠隔測定信号を処理ユニットに提供するように構成されている。
【0008】
本開示の他の側面では、遠隔RFセンサは、遠隔方向性結合器を含み得る。さらに、遠隔感知インターフェースからの遠隔測定信号は、遠隔方向性結合器におけるマイクロ波エネルギー信号の順方向電力および/または逆方向電力に関連し得る。
【0009】
本開示の他の側面では、遠隔感知インターフェースは、マイクロ波エネルギー送達デバイスとマイクロ波発生器との間に結合された1つ以上の導体を含み得、または遠隔感知インターフェースは、マイクロ波エネルギー送達デバイスとマイクロ波発生器との間に無線接続を発生させ得る。
【0010】
本開示の他の側面では、処理ユニットは、発生器測定信号および/または遠隔測定信号の特性に基づいて、マイクロ波エネルギー信号に関連するパラメータを調節するように構成され得る。処理ユニットは、発生器測定信号および遠隔測定信号の比較に関連する比較器信号を発生させるように構成されている、比較器を含み得る。発生器測定信号および/または遠隔測定信号は、順方向電力および/または逆方向電力に関連し得る。
【0011】
本開示の他の側面では、遠隔RFセンサは、遠隔方向性結合器および遠隔方向性結合器に接続された中間周波数発生器を含み得る。遠隔方向性結合器は、マイクロ波エネルギー信号に関連する所定の周波数において、無調整測定信号を発生させるように構成され得る。遠隔方向性結合器に接続された中間周波数発生器は、無調整測定信号の各々を搬送波信号と混合し、それによって、遠隔方向性結合器によって発生された各測定信号に関連する中間測定信号を発生させるように構成されている。
【0012】
本開示の他の側面では、中間周波数発生器は、発振器および電力混合器を含み得る。発振器は、搬送波信号周波数において、搬送波信号を発生させるように構成され得る。電力混合器は、遠隔方向性結合器によって発生される搬送波信号および無調整測定信号を混合することによって、中間測定信号を発生させるように構成され得る。遠隔RFセンサインターフェースによってマイクロ波発生器に提供される遠隔測定信号は、電力混合器によって発生される中間測定信号を含み得る。
【0013】
本開示の他の側面では、処理ユニットは、電気外科手術発生器処理ユニットおよび遠隔電力結合器処理ユニットを含み得る。電気外科手術発生器処理ユニットは、所定のマイクロ波周波数におけるマイクロ波エネルギー信号の発生および送達を制御するように構成され得る。遠隔電力結合器処理ユニットは、マイクロ波エネルギー信号に関連する遠隔測定信号を受信するように構成され、遠隔測定信号を電気外科手術発生器処理ユニットに提供するように構成され得る。本開示の一側面では、遠隔電力結合器処理ユニットは、電気外科手術発生器内に組み込まれるアドオンデバイスである。
【0014】
本開示の側面は、マイクロ波エネルギー信号の特性を測定するための軽量方向性結合器を含み得る。軽量方向性結合器は、スルー信号同軸ケーブルおよび結合された同軸ケーブルを含み得、各々、同軸関係において形成された内側導体および外側導体を含み、その長さに沿って互に当接し、平行である。スルー信号同軸ケーブルおよび結合された同軸ケーブルの各々は、第1の長さを有する第1のスロットおよび第2の長さを有する第2のスロットをその中に画定する。第1および第2のスロットは、互に隣接し、スルー信号同軸ケーブルおよび結合された同軸ケーブルを互に動作可能に結合する。
【0015】
本開示の他の側面では、各スロットは、外側導体の一部を除去し、それによって、各スロットに半円筒開口部を形成することによって形成され得る。第1のスロットおよび第2のスロットの各々のスロット長は、等しくてもよく、長さに沿った第1のスロットと第2のスロットとの間の間隔も、等しくてもよい。第1のスロットと第2のスロットとの間の間隔は、スルー信号同軸ケーブルに提供されるマイクロ波エネルギー信号の波長の4分の1(λ/4)に等しくてもよい。第1のスロット長および第2のスロット長は、13mm〜15mmであり得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本開示の種々の側面は、図面を参照して、本明細書に後述される。
図1図1は、本開示のある実施形態による、マイクロ波エネルギー送達システムの斜視図である。
図2図2は、典型的電気外科手術発生器の制御回路電気ブロック図である。
図3図3は、本開示のある実施形態による、マイクロ波エネルギー送達システムの制御回路電気ブロック図である。
図4A図4Aは、コンパクトな遠隔方向性結合器を含む、マイクロ波エネルギー送達デバイスの斜視図である。
図4B図4Bは、図4Aのコンパクトな遠隔方向性結合器を含む、マイクロ波エネルギー送達デバイスの分解図である。
図5図5は、本開示のある実施形態による、遠隔方向性結合器の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示の詳細な実施形態が、本明細書に説明される。しかしながら、開示される実施形態は、単に、例示であり、種々の形態で具現化され得ることを理解されたい。したがって、本明細書に開示される具体的構造および機能詳細は、限定ではなく、単に、請求項の基礎として、かつ事実上任意の適切に詳細な構造に本開示を採用するために、当業者に教示するための代表的基礎として解釈されたい。
【0018】
以下の図面および説明において、用語「近位」は、従来通り、ユーザにより近い端部を指す一方、用語「遠位」は、ユーザからより遠い端部を指すであろう。
【0019】
次に、図1を参照すると、本開示のある実施形態による、マイクロ波療法のためのマイクロ波エネルギーを供給するためのシステムが、10として示される。マイクロ波エネルギー送達システム10は、制御回路22を伴う電気外科手術発生器20であって、制御回路22は、電気外科手術発生器20の動作を制御する、電気外科手術発生器20と、伝送ライン34を介して電気外科手術発生器20に結合されたマイクロ波エネルギー送達デバイス30とを含む。
【0020】
伝送ライン34は、同軸ケーブル34a(すなわち、導波路)および補助ケーブル34bを含む。同軸ケーブル34aは、電気外科手術発生器20とマイクロ波エネルギー送達デバイス30のハンドピース36との間にマイクロ波エネルギー信号を送達するように構成される。補助ケーブル34bは、ハンドピース36と電気外科手術発生器20との間に1つ以上の信号を送達するように構成される。ハンドピース36と電気外科手術発生器20との間で送達される1つ以上の信号は、ハンドピース36内の回路に給電するためのDC電力信号と、ハンドピース36、シャフト38(ハンドピース36から延在する)、および/またはそこから治療用エネルギーを放射するアンテナ32(マイクロ波エネルギー送達デバイス30の遠位端上)におけるマイクロ波エネルギー信号の状態および/または品質に関連するリアルタイムまたは履歴情報を含む情報信号とを含み得る。
【0021】
伝送ライン34の近位端上に配置される伝送ラインコネクタ24は、電気外科手術発生器20上の伝送ライン受信機46に接続する。伝送ライン34の遠位端は、マイクロ波エネルギー送達デバイス30に接続する。
【0022】
電気外科手術発生器20は、電気外科手術発生器20、マイクロ波エネルギー送達デバイス10に関連するパラメータ、および/またはマイクロ波エネルギーの送達に関連するパラメータを入力するためのキーパッド42を有する、オペレータインターフェース40を含み得る。ディスプレイ44は、マイクロ波エネルギーの送達に関連する1つ以上のパラメータおよび/またはマイクロ波発生器20、伝送ライン34、および/またはマイクロ波エネルギー送達デバイス10に関連する1つ以上のパラメータを表示あるいはグラフ化し得る。
【0023】
マイクロ波エネルギー送達デバイス30は、ハンドピース36、シャフト38、およびシャフト38の遠位端上に形成されるアンテナ32を含む。好適なマイクロ波エネルギー送達デバイス30の1つは、図1に図示されるように、商標名EvidentTM Microwave Ablation Surgical Antennasの下、Covidienによって販売される組織透過マイクロ波エネルギー送達デバイス30であるが、本明細書に説明される実施形態は、マイクロ波エネルギー等を送達可能な任意のデバイスに好適であり得る。本明細書に説明される実施形態はまた、以下により詳細に説明されるように、任意の好適なエネルギー送達デバイスに適用され得る。
【0024】
図2を参照すると、典型的電気外科手術発生器20の制御回路電気ブロック図が、概して、制御回路100として指定されて示される。明確にするために、電気外科手術発生器20の制御回路100は、典型的マイクロ波発生器20の制御回路の一般的機能性のみを提供し、マイクロ波発生器20の全側面を含まない。個々の構成要素の機能性は、組み合わせられるか、または1つ以上の構成要素内に含まれ得、種々の構成要素は、好適なケーブルおよび/またはコネクタを用いて相互接続される。
【0025】
制御回路100は、高周波マイクロ波信号を発生させ、増幅器110に供給可能な信号発生器105を含む。信号発生器105は、単一周波数発生器であり得るか、可変周波数能力を含み得るか、または2つ以上の関連周波数を含む信号を提供する能力を含み得、その場合、マイクロ波エネルギー送達デバイス30(図1参照)は、2つ以上の関連または非関連周波数において共振するように構成される。
【0026】
増幅器110は、信号発生器105からの高周波マイクロ波信号を受信し、望ましいエネルギーレベルに増幅する。増幅器110は、単一段階または多段階増幅器を含み得、1つ以上の信号調整回路、あるいは、例えば、低域通過フィルタ回路、高域通過フィルタ回路、または帯域通過フィルタ回路等のフィルタ(図示せず)を含み得る。増幅器110の利得は、固定であり得るか、または、例えば、監視制御システム(図示せず)、中央処理ユニット120(CPU)内の制御アルゴリズム等の好適なコントローラによって制御され得るか、あるいは増幅器110の利得は、キーパッド42(図1参照)を通して、臨床医によって手動で調節され得る。
【0027】
増幅器110は、継続な増幅マイクロ波信号をホットスイッチリレー125に供給する。ホットスイッチリレー125は、CPU120によって制御され、増幅マイクロ波信号を増幅器バーンオフ負荷抵抗器130およびサーキュレータ135のうちの1つにスイッチするように構成される。例えば、位置Aでは、ホットスイッチリレー125は、エネルギーをバーンオフ負荷抵抗器130に送達し、位置Bでは、エネルギーをサーキュレータ135に送達する。
【0028】
ホットスイッチリレー125は、高出力マイクロ波エネルギー信号をスイッチすることが可能な任意の適切な固体高出力スイッチであり得る。ホットスイッチリレー125は、信号発生器105および増幅器110から高出力マイクロ波エネルギー信号を受信し、信号発生器105または増幅器110をパワーダウンすることなく信号を増幅器バーンオフ負荷抵抗器130またはサーキュレータ135のうちの1つに通す。使用時、ホットスイッチリレー125は、電気外科手術発生器20が、電力信号発生器105または増幅器110を出力ダウンする必要性を排除することによって増幅器過渡状態を作ることなく、ほぼ瞬時の電力を提供することを可能にする(例えば、超高速オン/オフ能力を伴う、ほぼ継続的電力を提供することができる)。
【0029】
増幅器バーンオフ負荷抵抗器130は、マイクロ波エネルギーを放散する一方、信号発生器105の帯域幅にわたって、最小量の電圧定在波比(VSWR)または反射エネルギーを発生させることが可能である任意の好適な同軸ターミネータであり得る。
【0030】
サーキュレータ135は、ホットスイッチリレー125と方向性結合器145との間の定在波を排除する、受動3ポートデバイスである。サーキュレータ135は、ポートAで受信された信号をポートBに通し、ポートBで受信された信号をポートCに通し、ポートCで受信された信号をポートAに通す。ホットスイッチリレー125が位置Aにあるとき、マイクロ波エネルギー信号は、サーキュレータ135のポートAからポートBに接続された方向性結合器145に通される。ポートBで受信した方向性結合器145(例えば、伝送ライン134およびマイクロ波エネルギー送達デバイス130に接続された伝送ライン受信機146)から反射されたエネルギーは、ポートCに通され、逆方向エネルギーバーンオフ負荷抵抗器142を通して放散される。逆方向エネルギーバーンオフ負荷抵抗器142は、本明細書で前述されたように、増幅器バーンオフ負荷抵抗器130と機能が同様である。
【0031】
方向性結合器145は、利用可能な当技術分野において公知のほとんどの従来の方向性結合器と同様に動作するように構成され得る。方向性結合器145は、ポート1で受信した高出力マイクロ波エネルギー信号をポート2に最小の挿入損失を伴って通す。エネルギーは、伝送ライン受信機46を通して反射され(伝送ライン134およびマイクロ波エネルギー送達デバイス30から)、方向性結合器145のポート2で受信され、方向性結合器145を通して、方向性結合器145のポート1からサーキュレータ135のポートBに通される。サーキュレータ135は、ポートBを通して受信されたエネルギーをサーキュレータ135のポートCに通し、エネルギーは、逆方向エネルギーバーンオフ負荷抵抗器142によって放散される。
【0032】
方向性結合器145は、ポート1およびポート2で受信された信号の各々のわずかな部分をサンプリングし、各信号のわずかな部分をポート3および4にそれぞれ通す。ポート3および4における信号は、それぞれ、順方向および逆方向電力に比例し、CPU120に提供される。
【0033】
方向性結合器145からの順方向および逆方向電力信号は、信号のサンプルを取得するように構成される、測定システム(例えば、CPU120内に含まれる)によって測定される。測定は、継続的または周期的に行なわれ、それによって、送達されたエネルギー(すなわち、順方向電力)および反射されたエネルギー(逆方向電力)の間接測定を提供する。マイクロ波発生器20内に位置付けられる方向性結合器145からのこれらの電力測定は、伝送ライン受信機146に供給されるマイクロ波エネルギー信号の特性に限定され、マイクロ波エネルギー送達デバイス30によって受信されるマイクロ波エネルギー信号の同一の特性ではなく、必ずしも、アンテナ32によって患者組織に送達されるマイクロ波エネルギー信号の同一の特性ではない。
【0034】
図3は、本開示のある実施形態による、マイクロ波エネルギー送達システムの制御回路ブロック図であり、概して、200として指定される。明確にするために、電気外科手術発生器20の制御回路ブロック図200は、一般的機能性のみを提供し、マイクロ波発生器20の全側面を含まない。個々の構成要素の機能性は、組み合わせられ、または1つ以上の構成要素内に含まれ得、種々の構成要素は、好適なケーブルおよび/またはコネクタを用いて相互接続される。
【0035】
制御回路ブロック図200は、電気外科手術発生器220内の構成要素と、伝送ライン234を通して接続されたマイクロ波エネルギー送達デバイス230内の構成とを含む。伝送ライン234の近位端上の伝送ラインコネクタ224は、電気外科手術発生器220上の伝送ライン受信機246に接続し、伝送ライン234上の遠位端は、マイクロ波エネルギー送達デバイス230に接続する。伝送ライン234は、マイクロ波発生器220とマイクロ波エネルギー送達デバイス230との間にマイクロ波エネルギー信号を伝送するための同軸ケーブル234a、および補助ケーブル234bを含む。補助ケーブル234bは、遠隔RF電力ケーブル(DC電力)と、順方向測定信号ケーブルと、逆方向測定信号ケーブルと、マイクロ波エネルギー送達デバイス230内のマイクロ波信号の状態および/または品質に関連するリアルタイムまたは履歴情報を伝送するための情報信号ケーブルとを含み得る。
【0036】
マイクロ波発生器220は、所定のマイクロ波周波数におけるマイクロ波エネルギー信号の発生および送達を制御するように構成されている、処理ユニット(CPU120)を含む。CPU120はさらに、マイクロ波エネルギー送達システム内の種々の場所におけるマイクロ波エネルギー信号に関連する測定信号を受信するように構成される。例えば、CPU120は、マイクロ波発生器220内に格納された二重方向性結合器145から、マイクロ波発生器220内のマイクロ波エネルギー信号に関連する測定信号を受信し、また、遠隔RFセンサ260bから、マイクロ波エネルギー送達デバイス230内のマイクロ波エネルギー信号に関連する測定信号を受信する。CPU120は、送達経路内の種々の場所におけるマイクロ波エネルギーに関連する情報を受信することによって、システム内の種々の場所におけるエネルギー損失を決定可能であり、受信された情報に基づいて、マイクロ波エネルギー信号に調節を行ない得る。方向性結合器145および遠隔RFセンサ260bによって発生された測定信号は、以下に詳細に論じられるように、順方向電力、逆方向電力、順方向および逆方向電力に関連し得る。
【0037】
遠隔電力結合器システム260の機能ブロックは、電力結合器プロセッサ260aおよび遠隔RFセンサ260bを含む。遠隔RFセンサ260bは、マイクロ波エネルギー送達デバイス230内に格納され、遠隔方向性結合器245、遠隔発振器265、遠隔電力スプリッタ266、遠隔順方向および逆方向電力混合器263、264、遠隔順方向および逆方向中間信号送信機268、269、ならびに順方向および逆方向電力コンバータ268、269を含む。遠隔RFセンサ260bの個々の構成要素およびその機能性は、単一デバイスまたは構成要素によって行なわれ得る。遠隔RFセンサ260bは、伝送ライン234とアンテナ232との間に位置付けられ、ハンドピース336内に格納され(図4aに図示されるように)、またはシャフト238内に格納され得る。
【0038】
遠隔電力結合器プロセッサ260aは、電気外科手術発生器220内に格納され、および/または直接それに接続され、遠隔RFセンサ260bに結合される。遠隔RFセンサ260bは、遠隔RFセンサ260bを通過するマイクロ波エネルギー信号に関連する1つ以上の信号を発生させる。遠隔RFセンサ260bによって発生される信号は、直接または間接的に、遠隔電力結合器プロセッサ260aに提供される(例えば、無線で伝送され、または遠隔感知インターフェースケーブル234b内の1つ以上の導体を介して伝送される)。遠隔電力結合器プロセッサ260aは、遠隔RFセンサ260bからの信号および/またはデータを処理し、測定されたマイクロ波エネルギー信号(例えば、遠隔RFセンサ260bに提供される信号)に関連する特性、信号、および/または値を電気外科手術発生器220内のCPU120に提供する。
【0039】
一実施形態では、遠隔電力結合器プロセッサ260aは、電気外科手術発生器220内に組み込まれ得る、内部あるいは外部プラグインカードおよび/またはアドオンデバイスである。例えば、遠隔電力結合器プロセッサ260aは、例えば、シリアルデータポート、通信ポート、または直接バス接続ポート等のポートに除去可能に接続され得る。別の実施形態では、遠隔電力結合器プロセッサ260aの機能性は、電気外科手術発生器220のCPU120内に組み込まれる。
【0040】
遠隔方向性結合器245は、電気外科手術発生器220によって発生され、ポート1に提供される順方向電力マイクロ波エネルギー信号をポート3における無調整順方向電力測定信号とポート2における順方向マイクロ波エネルギー信号との間で比例的に分割する。ポート3における順方向電力測定信号は、順方向電力混合器263に提供され、ポート2における順方向エネルギー信号は、アンテナ232に提供される。無調整順方向電力測定信号は、本明細書で後述されるように、変換、調整され、遠隔電力結合器プロセッサ260aに提供される。
【0041】
ポート2からの順方向マイクロ波エネルギー信号の少なくとも一部は、ポート2および/またはアンテナ232間の伝送経路から反射される。反射されたエネルギー(例えば、逆方向信号)は、ポート2に提供され、逆方向信号の一部は、ポート4における無調整逆方向電力測定信号とポート1における逆方向マイクロ波エネルギー信号との間で比例的に分割される。ポート4における無調整逆方向電力測定信号は、本明細書で後述されるように、順方向電力混合器264に提供され、変換、調整され、遠隔電力結合器プロセッサ260aに提供される。
【0042】
順方向および逆方向電力混合器263および264は、発振器265によって発生され、電力スプリッタ266によって分割された搬送波信号を受信する。順方向および逆方向電力混合器263および264はまた、それぞれの無調整順方向および逆方向電力測定信号を遠隔方向性結合器245から受信する。順方向および逆方向電力混合器263、264の各々は、搬送波信号とそれぞれの無調整順方向および逆方向電力測定信号を混合し、それによって、無調整順方向および逆方向測定信号をkHz範囲内の順方向および逆方向中間周波数IF信号にダウンコンバートする。例えば、図3に図示されるように、遠隔RFセンサ260bは、915MHzの搬送波信号を使用して、無調整順方向および逆方向測定信号を915MHzから100kHzのIF信号周波数にダウンコンバートするように構成され得る。
【0043】
混合器263および264からの順方向および逆方向IF信号は、それぞれ、順方向および逆方向電力送信機268および269に提供され、遠隔電力結合器プロセッサ260aに伝送される。信号は、遠隔感知インターフェースケーブル234b内の1つ以上の導体を介して伝送され得るか、または信号は、順方向および逆方向電力送信機によってデジタル化され、遠隔電力結合器プロセッサ260aに無線で伝送され得る。電力送信機268、289は、伝送に先立って、順方向および逆方向IF信号をフィルタ処理および/または増幅することによって、順方向および逆方向IF信号を調整し得る。電力送信機268、289は、順方向および逆方向IF信号に関連する情報(例えば、利得値および搬送波信号に関連する情報)を遠隔電力結合器プロセッサ260aに伝送するように構成され得る。電力送信機268、289からの情報は、補助ケーブル234bの一部として含まれる別個の情報信号ケーブルを通して伝達される、順方向および逆方向IF信号に追加されるか、または遠隔電力結合器プロセッサ260aに無線で伝送され得る。
【0044】
遠隔電力結合器プロセッサ260aは、順方向および逆方向IF信号をデジタル信号に変換し、情報をデジタル信号および/または伝達された情報から抽出し、抽出された情報を電気外科手術発生器20のCPU120に提供する。抽出される情報は、信号振幅、位相情報、位相関係情報(例えば、順方向信号と反射された信号との間の位相関係)、および/または反射係数を含み得る。
【0045】
一実施形態では、患者組織へのエネルギーの送達に先立って、測定前較正手技によって遠隔方向性結合器245を較正する。測定前較正手技は、種々の負荷および/または無負荷状態(例えば、短絡、開放、および整合負荷状態)下、測定を行なうことを含み得る。測定前較正手技の間の一方または両方の方向性結合器145、245からの測定は、電気外科手術エネルギー送達アルゴリズムおよび/または制御アルゴリズムにおいて使用され得る。代替として、別の実施形態では、遠隔方向性結合器245の較正は、電気外科手術発生器220内の方向性結合器145が、一時的に、バイパスおよび/または排除されることを可能にし得る。
【0046】
さらに別の実施形態では、遠隔方向性結合器245を較正(または、再較正)する、較正手技は、エネルギー送達手技の間に行われるか、あるいは電気外科手術エネルギー送達制御アルゴリズムおよび/または制御アルゴリズム内のステップとして行なわれる。
【0047】
電気外科手術発生器220は、遠隔電力結合器システム260からの1つ以上の測定または値が閾値を超えるか、1つ以上の値間の差異が閾値を超えるか、あるいは値の変化が閾値を超える場合、エネルギー送達を修正、一時停止、もしくは終了させ得る。別の実施形態では、電気外科手術発生器220は、例えば、ケーブル334の実行可能性、マイクロ波エネルギー送達デバイス330の実行可能性、および/またはその1つ以上の構成要素の実行可能性等、電気外科手術システムの1つ以上の構成要素の実行可能性(例えば、有用寿命および/または予想寿命)を決定する。
【0048】
別の実施形態では、CPU120は、遠隔電力結合器システム260(電力結合器プロセッサ260aおよび/または遠隔RFセンサ260b)からの測定、データ、または信号を利用して、エネルギー送達経路の状態の変化および/または標的組織の状態の変化を決定する。例えば、CPU120は、変化が1つ以上のパラメータにおいて生じたことを決定し得、またはCPU120は、変化率の変化が1つ以上のパラメータにおいて生じたことを決定し得る。変化は、状態を示し得、組織の変化を示し得、組織特性の変化を示し得、および/または状態を事前決定あるいは予測するために使用され得る。CPU120は、計算された変化または計算された変化率を使用して、動作パラメータを修正し、エネルギー送達パラメータを修正し、および/または電気外科手術システムの1つ以上の構成要素の実行可能性を決定し得る。
【0049】
別の実施形態では、パラメータの変化、パラメータの変化率、および/または方向性結合器145および/または遠隔RFセンサ260bにおけるパラメータの変化および/または変化率の比較の使用は、遠隔方向性結合器245を較正する必要性を排除し得る。なぜなら、実際の値は関係なく、実際の値は変化が生じたかどうかを決定するためにのみ使用されるからである。例えば、エネルギー送達が開始されると、CPU120は、マイクロ波エネルギー信号の初期スナップショット(例えば、マイクロ波エネルギー信号に関連する種々のパラメータ)を方向性結合器145および遠隔RFセンサ260bに記録し得る。初期スナップショットは、エネルギー送達ベースラインとして使用され、送達されたエネルギーの任意の変化またはエネルギー送達経路の任意の変化を決定し得る。
【0050】
別の実施形態では、CPU120は、方向性結合器145において測定された順方向電力の変化と、遠隔RFセンサ260bにおける順方向電力の変化を比較し、電気外科手術発生器220における電力損失または電力損失率が、遠隔RFセンサ260bにおける測定から変動しているかどうかを決定する。CPU120はまた、方向性結合器145において測定された逆方向電力の計算された変化と、遠隔RFセンサ260bにおいて測定された逆方向電力の計算された変化を比較し得る。比較は、方向性結合器145における反射された電力の変化が、遠隔RFセンサ260bにおける反射された電力の変化から変動しているかどうかを決定し得る。
【0051】
別の実施形態では、CPU120は、遠隔方向性結合器245における逆方向電力測定の計算された変化率と、遠隔RFセンサ260bにおける順方向電力測定の計算された変化率を比較し、組織特性の変化等の急変事象を測定する。組織特性の変化は、方向性結合器145および245の両方における反射された電力の変化を通して観察されるであろう。比較はまた、状態を予測し、予測に基づいて、エネルギー送達を制御するために使用され得る。変化または変化率を使用することによって、測定の相対的精度は、変化の測定または変化率の測定に関連しない。
【0052】
別の実施形態では、CPU120は、遠隔方向性結合器245における順方向電力測定と、方向性結合器145における順方向電力測定を比較し、ケーブル234a内の順方向電力損失を決定し、またはケーブル234a内の順方向電力損失の変化を決定する。加えて、または代替として、CPUは、遠隔方向性結合器245における逆方向電力測定と、方向性結合器145における逆方向電力測定を比較し、ケーブル234a内の逆方向電力損失を決定し、またはケーブル234a内の逆方向電力損失の変化を決定し得る。
【0053】
本開示の別の実施形態は、マイクロ波エネルギー送達デバイス230のハンドピース336内に配置し、使用するために好適な軽量同軸結合器である。MECA Electronics(Denville,NJ)によって製造および販売されている、一般に使用される同軸結合器は、最大電力500Wに定格され、方向性25dBおよび結合性30dBを有し、重量約1ポンドである。したがって、この一般に使用される同軸結合器は、遠隔方向性結合器のための所望の機能性を提供するが、マイクロ波エネルギー送達デバイス230に加わるであろう、一般に使用される同軸結合器の追加のかつ過剰な重量のため、商業的に成功しそうにない。
【0054】
図4Aは、本開示の別の実施形態による、軽量遠隔方向性結合器345を含む、マイクロ波エネルギー送達デバイス330の斜視図であり、図4Bは、分解図である。前述の遠隔電力結合器システム260の一部である、軽量遠隔方向性結合器345は、ハンドピース336内に統合される。軽量遠隔方向性結合器345の空間要件は、ハンドピース336の拡大をわずかしか、または全く要求せず、マイクロ波エネルギー送達デバイス330の全体的重量に約100グラムを追加し、それによって、本明細書で前述される説明される遠隔電力結合器システム260の追加を任意のマイクロ波エネルギー送達システムへの実行可能な追加にする。
【0055】
図4Bに図示されるように、軽量遠隔方向性結合器345は、スルー信号同軸ケーブル345aおよび結合された同軸ケーブル345bを含む。スルー信号同軸ケーブル345aは、シャフト338の一部であるか、またはそれに接続し、マイクロ波エネルギー信号を伝送ライン334の同軸ケーブル334aから受信する。結合された同軸ケーブル345bは、遠隔順方向および逆方向混合器363、364に接続する。遠隔順方向および逆方向電力混合器363、364は、遠隔電力スプリッタ366に接続し、遠隔発振器365によって発生される搬送波信号をそこから受信する。使用時、軽量遠隔方向性結合器345は、順方向電力測定信号および逆方向電力測定信号をそれぞれの混合器363および364に提供する。混合器363および364は、搬送波信号を使用して、それぞれの測定信号をダウンコンバートし、ダウンコンバートされた信号は、本明細書で前述されたように、順方向および逆方向電力コンバータ368、369によって、補助ケーブル334aに提供される。
【0056】
図5は、本開示のある実施形態による、軽量遠隔方向性結合器345の機能ブロック図である。軽量遠隔方向性結合器345は、マイクロ波エネルギー信号の1つ以上の特性を測定し、スルー信号同軸ケーブル345aと結合された同軸ケーブル345bとを含み、各々は、それぞれ、それらの間で同軸関係において形成された内側導体344a、344bおよび外側導体342a、342bを含む。スルー信号同軸ケーブル345aおよび結合された同軸ケーブル345bの外側導体342a、342bの各々は、その中に形成された第1のスロット346aおよび第2のスロット346bを含む。第1および第2のスロット346a、346bは、2つのケーブル345a、345b間の結合を可能にするために形成される。
【0057】
各ケーブル345a、345b上に提供されるラベルは、ポート1として示される入力信号、ポート2として示されるスルー信号、ポート3として示される順方向結合信号、およびポート4として示される逆方向結合信号を伴う、方向性結合器のための標準的マークに対応する。したがって、スルー信号同軸ケーブル345aは、ポート1における伝送ライン334の同軸ケーブル334aとポート2におけるアンテナ332とに接続し、結合された同軸ケーブル345bは、ポート3における遠隔順方向混合器363(順方向結合信号をそこに提供する)とポート4における遠隔逆方向混合器364(逆方向結合信号をそこに提供する)と に接続する。
【0058】
一実施形態では、スロット346a、346bが、各ケーブル345a、345b上の外側導体342a、342bの一部を取り除くことによって生成される。各スロット346a、346bに対して、外側導体342a、342bの半分が、除去され、それによって、半円筒開口部を各スロット346a、346bに形成する。図5に図示されるように、各スロット346a、346bの長さは、スロット長「SL」によって示され、スロット346a、346b間の間隔は、スロット間隔「SS」によって示される。
【0059】
軽量遠隔方向性結合器345の性能および/または動作パラメータは、スロット間隔「SS」およびスロット長「SL」の関数である。スロット間隔SSは、各スロット346a、346bの内側縁間の距離であり、スロット長「SL」は、各スロット346a、346bの開口部幅である。スロット間隔「SS」は、マイクロ波信号波長の4分の1の長さに関連する。スロット間隔「SS」を変動させ、かつスロット長「SL」を変動させながら行なわれたシミュレーションは、スロット間隔「SS」の修正が方向性における大きな変動をもたらすことを決定した。例えば、あるシミュレーションでは、わずか0.5mmのスロット間隔「SS」の修正でも、方向性の変化をもたらした。ケーブル345a、345bの、いかなる屈曲または位置の再位置付けも防止するために、第1および第2のスロット346a、346bを含む区画は、相互およびハンドピース336に対して固定される。
【0060】
図5に図示されるように、スロット346a、346bは、波長の約4分の1(λ/4)離れて位置付けられ(例えば、標準的RG58ケーブルを使用して915MHzで5.5cm)、順方向電力信号が、ポート3に同相で加わり、ポート4に位相を異にして加わることを可能にする。同様に、逆方向電力信号は、ポート4に同相で加わり、ポート3に位相を異にして加わるであろう。したがって、順方向結合信号のみ、ポート3に留まり、逆方向結合信号は、ポート4に留まる。
【0061】
スロット長SLを変動させながら行なわれたシミュレーションは、スロット長約13mm〜15mmに伴って、25dB〜42dBの方向性をもたらした。明らかに、スロット間隔「SS」およびスロット長「SL」の変動は、他の変動も提供し得、本開示の範囲内である。
【0062】
図4Bに戻ると、内側導体344aおよび344bを暴露させることは、本明細書で前述されたように、ハンドピース336から望ましくない放射の放出をもたらし得る。したがって、少なくとも、第1および第2のスロット346a、346bを包囲するように構成される、金属遮蔽体370が、ハンドピース336から放出される、いかなる望ましくない放射も低減および/または排除するように追加され得る。一実施形態では、金属遮蔽体370は、一緒に接続し、管状の金属遮蔽体370を形成する、第1の遮蔽部材370aと第2の遮蔽部材370bとから形成される。
【0063】
金属遮蔽体370を用いて行なわれたシミュレーションは、約25dBの方向性の低減、およびスルー信号同軸ケーブル345aと結合された同軸ケーブル345bとの間の結合係数の低下をもたらした。
【0064】
別の実施形態では、図3、4B、および4Bに図示され、前述された遠隔RFセンサ260bの少なくとも一部は、マイクロストリップまたはストリップライン構造とともに形成される。構造は、誘電基板によって分離された伝導性ストリップおよび接地平面を含み得る。マイクロストリップは、遠隔方向性結合器245、発振器265、電力スプリッタ266、混合器263、264、および電力コンバータ268、269のうちの任意の1つ以上を含む、本明細書に説明される遠隔RFセンサ260b、361の任意の部分を含み得る。
【0065】
マイクロストリップまたはストリップライン構造に作製された方向性結合器の一実施例は、分岐ライン結合器である。分岐ライン結合器は、2つの二次的または分岐ラインによって分流接続された2つの主要伝送ラインによって形成され得る。2つの主要伝送ラインおよび2つの二次的ラインは、4つのポートが、2つの主要伝送ラインの2つの入力ポートと2つの出力ポートとの間に90度位相差を有するような幾何学形状を形成する。
【0066】
一実施形態では、ハンドピース336内に格納された回路は、マイクロストリップ回路から形成され、伝送ケーブル334は、マイクロストリップ回路の近位端に形成された第1の同軸コネクタに接続し、シャフト338は、マイクロストリップ回路の遠位端に形成された第2の同軸コネクタに接続する。
【0067】
種々の変更が、本開示の範囲から逸脱することなく上述の構成になされ得るため、上述に含まれるすべての事項は、例示として解釈され、限定的な意味で解釈されないことが意図されている。以下の請求項の範囲によって定義されるように、本開示のいくつかの目的が達成され、かつ他の有利な結果が達成されることが分かる。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5