特許第6189534号(P6189534)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6189534回転機械加工デバイスと共に使用するための軸受アセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6189534
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】回転機械加工デバイスと共に使用するための軸受アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   F16C 19/08 20060101AFI20170821BHJP
【FI】
   F16C19/08
【請求項の数】14
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2016-522046(P2016-522046)
(86)(22)【出願日】2014年10月9日
(65)【公表番号】特表2016-532832(P2016-532832A)
(43)【公表日】2016年10月20日
(86)【国際出願番号】US2014059875
(87)【国際公開番号】WO2015054479
(87)【国際公開日】20150416
【審査請求日】2016年6月13日
(31)【優先権主張番号】61/889,735
(32)【優先日】2013年10月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】399020784
【氏名又は名称】ティーアールアイ・トゥール・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜飼 健
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】ウォールトン、ジョエル
(72)【発明者】
【氏名】ホアン、ビン
【審査官】 中村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2013/0014937(US,A1)
【文献】 米国特許第05549024(US,A)
【文献】 特開2013−029116(JP,A)
【文献】 米国特許第03795429(US,A)
【文献】 独国特許出願公開第10327641(DE,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第01741940(EP,A1)
【文献】 独国特許出願公開第102012002203(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 19/08
F16C 29/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工物上に載置するように配設された支持筐体(102)であって、2つの区分に分けられた支持筐体(102)と、
前記支持筐体(102)上に載置されると共に軸(128)を中心として前記支持筐体(102)に対して回転可能である主軸台(104)であって、2つの区分に分けられた主軸台(104)と、
前記主軸台(104)と前記支持筐体(102)との間に配置された少なくとも1つの軸受アセンブリ(158)と、を備え、
前記少なくとも1つの軸受アセンブリ(158)が、前記主軸台(104)の第1の部分(133)に動的に接触するように、及び第1の方向に前記少なくとも1つの軸受アセンブリ(158)内で再循環するように配設された、第1の組の軸受要素(166)を含む第1のレース(162)と、前記主軸台(104)の第2の部分(125)に動的に接触するように、及び前記少なくとも1つの軸受アセンブリ(158)に加えられた荷重の分配を促進するよう前記第1の方向とは反対の第2の方向に前記少なくとも1つの軸受アセンブリ(158)内で再循環するように配設された、第2の組の軸受要素(168)を含む第2のレース(164)と、を含むことを特徴とする、回転機械加工デバイス(100)。
【請求項2】
前記第1の組の軸受要素(166)が、前記少なくとも1つの軸受アセンブリ(158)の内径側上で前記主軸台(104)の前記第1の部分(133)に動的に接触し、前記第2の組の軸受要素(168)が、前記少なくとも1つの軸受アセンブリ(158)の外径側上で前記主軸台(104)の前記第2の部分(125)に動的に接触することを特徴とする、請求項1に記載の回転機械加工デバイス(100)
【請求項3】
前記第1の組の軸受要素(166)が、第1の速度で前記少なくとも1つの軸受アセンブリ(158)内で再循環し、前記第2の組の軸受要素(168)が、前記第1の速度とは異なる第2の速度で前記少なくとも1つの軸受アセンブリ(158)内で再循環することを特徴とする、請求項1または2に記載の回転機械加工デバイス(100)。
【請求項4】
前記第1のレース(162)が、前記第1の組の軸受要素(166)に接触するように、及び前記主軸台(104)の前記第1の部分(133)からの荷重を前記第1の組の軸受要素(166)経由で前記支持筐体(102)に伝達するように配設された、荷重軸受部分(111)と、前記第1の組の軸受要素(166)からの熱放散を促進するように前記第1の組の軸受要素(166)を少なくとも部分的に荷重軽減するように配設された、帰還部分(113)と、2つの転回部分(115)と、を備える円弧状の第1の軸受軌道(109)を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の回転機械加工デバイス(100)。
【請求項5】
前記第1のレース(162)の上部側(198)に取り外し可能に取り付けられた保持器カバー(172)を更に備えることを特徴とし、前記保持器カバー(172)が、前記回転機械加工デバイス(100)が前記回転機械加工デバイス(100)の分割線(108)に沿って直径方向に分割されるときに、前記少なくとも1つの軸受アセンブリ(158)内に前記第1の組の軸受要素(166)及び前記第2の組の軸受要素(168)を少なくとも部分的に保持する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の回転機械加工デバイス(100)。
【請求項6】
前記保持器カバー(172)が、前記第1のレース(162)の前記上部側(198)に取り付けられた上部壁(119)及び前記上部壁(119)から下向きに延出する外径壁(121)を含む、円弧部材を備えることを特徴とする、請求項5に記載の回転機械加工デバイス(100)。
【請求項7】
前記第1のレース(162)または前記第2のレース(164)の端部表面に取り付けられた一対の軸受保持器端部蓋(170)を更に備えることを特徴とし、前記軸受保持器端部蓋(170)が、前記回転機械加工デバイス(100)が前記回転機械加工デバイス(100)の分割線(108)に沿って直径方向に分割されるときに、前記少なくとも1つの軸受アセンブリ(158)内に前記第1の組の軸受要素(166)及び前記第2の組の軸受要素(168)を少なくとも部分的に保持する、請求項5に記載の回転機械加工デバイス(100)。
【請求項8】
前記主軸台(104)が前記支持筐体(102)から取り外されるときに、前記保持器カバー(172)及び前記軸受保持器端部蓋(170)が、前記少なくとも1つの軸受アセンブリ(158)内に前記第1の組の軸受要素(166)及び前記第2の組の軸受要素(168)を保持することを特徴とする、請求項7に記載の回転機械加工デバイス(100)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの軸受アセンブリ(158)が、前記主軸台(104)の第1の半部(154)内に実質的に収まる円弧形状を有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の回転機械加工デバイス(100)。
【請求項10】
前記支持筐体(102)を通って延出すると共に、前記支持筐体(102)によって前記少なくとも1つの軸受アセンブリ(158)に及ぼされる圧力量を調整するように前記少なくとも1つの軸受アセンブリ(158)を前記支持筐体(102)の中に選択的に引き戻すように配設された、複数のボルト部材(184A)を更に備えることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の回転機械加工デバイス(100)。
【請求項11】
前記第1の組の軸受要素(166)が軸方向荷重及び径方向荷重の両方を支持できるように、前記第1のレース(162)が、前記主軸台(104)の前記第1の部分(133)から軸方向にオフセットされた内部レースウェイ表面(131)を含むことを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の回転機械加工デバイス(100)。
【請求項12】
前記第2のレース(164)を通って延出すると共に、前記第1のレース(162)と前記第2のレース(164)との間の空間的関係を調整するように配設された1つ以上の組のねじ(184)を更に備えることを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載の回転機械加工デバイス(100)。
【請求項13】
前記第1の組の軸受要素(166)が、前記軸(128)から第1の距離を置いて前記主軸台(104)の前記第1の部分(133)に接触し、再循環する前記第2の組の軸受要素(168)が、前記軸(128)から前記第1の距離より大きな第2の距離を置いて前記主軸台(104)の前記第2の部分(125)に接触し、その結果、前記第2の組の軸受要素(168)が、前記第1の組の軸受要素(166)より速い速度で前記少なくとも1つの軸受アセンブリ(158)内で再循環することを特徴とする、請求項1〜12のいずれかに記載の回転機械加工デバイス(100)。
【請求項14】
前記主軸台(104)が、前記主軸台(104)の底面側(130)に形成されると共に外部周辺壁(117)によって境界を付けられた環状凹部(106)を含み、前記環状凹部(106)が、前記少なくとも1つの軸受アセンブリ(158)のための受け入れ空間を提供することを特徴とする、請求項1に記載の回転機械加工デバイス(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、回転機械加工デバイスと共に使用するための軸受アセンブリに関するものである。
【背景技術】
【0002】
クラムシェル型パイプ旋盤は、一般に、機械加工予定のパイプを取り囲んで接合されるように設計された第1及び第2の半円形の半部を備える。結果として生じる環状アセンブリは、パイプに締着されることになる固定リング部分と、同心円状に露出した(concentrically disclosed)パイプを中心として回転するための、固定リング部分に取り付けられたギアリングを含む当接した回転可能部分と、を含む。モータが、アセンブリに動作可能に結合され、旋盤の回転可能部分上でギアリングと噛合するように設計されたギア駆動装置を含む。軸受アセンブリは、典型的に、固定リング部分と回転可能部分との間に配置される。クラムシェル型パイプ旋盤に使用される1つの従来の軸受システムは、V溝誘導軸受システムである。これらの軸受システムは、固定軸上で回転すると共に荷重を旋盤の回転可能部分から固定部分に伝達する小さな玉軸受を保持する、自給式ユニットである。
【0003】
V溝誘導軸受によってとられるサイズ及び空間は、実際の軸受サイズと比較して、不均衡であり、パイプ旋盤の中に収まり得る軸受ユニット及び/または要素の数を制限する。V溝誘導軸受システムでは、各軸受ユニットまたは要素が、独立して調整可能である。軸受ユニットまたは要素の全てが適切に調整されない場合、軸受ユニットまたは要素のうちのいくつかが、システム内で適切に接触しない可能性があり、軸受支持及び切断性能を低下させる。更に、V溝誘導軸受は、それらが径方向荷重に耐えることのみを意図されるので、重い軸方向荷重について限定された耐荷能力を有する。加えて、V溝誘導軸受は、回転部分によって引き起こされるパイプ表面における望ましくないを形成する傾向があり、2つの半部が接合する分割線における固定軸受要素位置と直接及び繰り返し接触するようになる。
【0004】
クラムシェル型パイプ旋盤に使用される別の種類の従来の軸受システムは、調整可能な滑動軸受である。このシステムは、大きな径方向及び軸方向推力荷重ならびに優れた表面仕上げを提供する。しかしながら、このシステムは、大型のパイプサイズに拡大することができないので限定され、滑動表面によって発生される過剰な熱に起因してより遅い速度で動作する必要がある。この過剰な熱は、材料のサイズを変更させ、それは、軸受表面間の空隙を変化させる。更に、過熱問題を克服するために、これらの従来の滑動軸受システムに対する設計の修正が、追加の重量及びサイズを結果としてもたらしており、それは、パイプ旋盤を使用することをより困難にさせ、より高価にさせる。加えて、この軸受設計は、V字形誘導軸受設計と同様に、構成要素の配置をそれらの近接する固定リング内に収容するのに専用のかなりの領域を必要とし、それ故、構造全体の全体的な締着強度を低下させる。
【発明の概要】
【0005】
種々の構成に適合可能な、パイプ旋盤における軸受アセンブリが記載され、それは様々な特徴を有する。この関連において記載されているが、これらの特徴は、例となるパイプ旋盤以外の他の種類の回転機械加工デバイスに適合されてもよい。
【0006】
ある特定の特徴は、複数組の軸受要素、軸受要素保持器配設、レース配設、及びパイプ旋盤作業者の安全性を向上すると共に軸受性能を高めるための他の役立つ特徴を含む。
【0007】
軸受アセンブリの実施形態は、パイプ旋盤の一部分内に、かつ主軸台と支持筐体との間に配置されるように配設された、第1のレース及び第2のレースを含むことができる。第1のレースは、主軸台の第1の部分に接触するように、及び軸受アセンブリ内で再び円運動するように配設された、第1の組の軸受要素を含むことができる。第2のレースは、主軸台の第2の部分に接触するように、及び軸受アセンブリ内で再循環するように配設された、第2の組の軸受要素を含むことができる。軸受アセンブリは、主軸台の異なる部分に接触する複数組の軸受要素を含むので、軸受アセンブリは、摩擦を減らすことができ、先行技術におけるものよりも小型で効率的な手法で主軸台のより滑らかで簡単な回転を容易にすることができる。更に、軸受アセンブリに適合され得る軸受要素の数は、先行技術におけるものよりも多く、それは、軸受アセンブリの耐荷能力を増やすことができる。
【0008】
第1の組の軸受要素は、第1の組の軸受要素と主軸台の第1の部分との間の接触点が動的である(例えば、瞬間的で常に変化する)ように第1のレース上で回転して転がり得、第2の組の軸受要素は、第2の組の軸受要素と主軸台の第2の部分との間の接触点が動的であるように第2のレース上で回転して転がり得、2つの軸受要素が、パイプ旋盤の分割線に同時に接触することを減らす。これは、2つの軸受要素が分割線に同時に接触し得る場合、または起伏として次いで被加工物に伝達し得る跳躍部または遮断部が作り出され得るので、有利である。
【0009】
または起伏は、被加工物の機械加工表面において可視線として現われ得、固定筐体内に載置された伝統的な固定V字形誘導軸受(複数可)配設と交差する分割線によって悪化する。の深さ及び程度は、回転要素が摩耗するにつれて時間及び機械寿命と共に悪化する。伝統的なV字形誘導軸受の固定接触点とは対照的に、この軸受アセンブリは、それらが分割線と交差するときに2つ以上の軸受要素の複数の動的接触位置を提供し、を低減または排除し、それは、優れた表面仕上げを可能にする。
【0010】
第1及び第2の組の軸受要素と主軸台との間の動的接触はまた、従来のV字形誘導及び滑動軸受システムよりも少ない熱と摩擦を発生させ得、パイプ旋盤がより低い動作温度で動作することを可能にして、送電効率を上げる。
【0011】
ある変形形態によれば、第1の組の軸受要素及び第2の組の軸受要素が、先行技術におけるように径方向または軸方向荷重のみに耐えるのではなくて、径方向及び軸方向荷重の両方に耐えるように配設され得、軸受アセンブリの多用性及び動作上の性能を実質的に高めて、それによりパイプ旋盤の性能を高める。
【0012】
ある変形形態によれば、第1の組の軸受要素は、第2の組の軸受要素とは異なる速度で移動することができる。第1の組の軸受要素と第2の組の軸受要素との間のこの移動速度差は、2つの軸受要素が分割線に接触することを減らすことができ、それは、被加工物上のを低減する。
【0013】
ある変形形態によれば、第1の組の軸受要素及び第2の組の軸受要素は、異なる方向に軸受アセンブリを巡って循環するまたは移動するように配設され得る。これは、2つの軸受要素が分割線に同時に接触することを減らすという効果がある。これはまた、先行技術よりも有利に熱を放散すると共に軸受アセンブリの全体にわたって加えられる荷重をより効率的に分配し、軸受アセンブリ及びパイプ旋盤の動作上の寿命を増やす。
【0014】
軸受アセンブリの実施形態は、軸受アセンブリをその各部分内に保持されたままにして、パイプ旋盤が1つ以上の分割線に沿って異なる部分に分解され得るか分割され得るように、パイプ旋盤の一部分のみ内において動作可能であると共に配置可能であるよう配設され得る。これは、軸受アセンブリの軸受要素が、分解の間にパイプ旋盤から落ちることを低減または排除するという効果があり、パイプ旋盤の分解を作業者にとってより簡単かつ安全にさせる。
【0015】
軸受アセンブリの実施形態の多数の利点、特徴、及び機能が、以下の記載及び添付図面を考慮して容易に明らかになり、より良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本開示のこれらの及び他の特徴、態様、ならびに利点は、以下の記載、添付の特許請求の範囲、及び添付図面に関してより良く理解されるであろう。
図1】ある実施形態に係るパイプ旋盤の等角図である。
図2図1に示されるパイプ旋盤の分解図である。
図3】ある実施形態に係る軸受アセンブリの等角図である。
図4】ある実施形態に係る図3に示される軸受アセンブリから取り外された下部レースの下部等角図である。
図5図3に示される軸受アセンブリの底面図である。
図6】ある実施形態に係る図3に示される軸受アセンブリから取り外された上部レースの上部等角図である。
図7】ある実施形態に係る保持器カバーが取り外された図3に示される軸受アセンブリの上面図である。
図8図3に示される軸受アセンブリの正面図である。
図9】ある実施形態に係る図1に示される軸受アセンブリを示すパイプ旋盤の部分断面図である。
図10】パイプ旋盤の別の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示の異なる実施形態のより良い理解は、添付図面と共に読まれる以下の記載から得られ得、これらの図面において同じ参照記号は同じ要素を指す。
【0018】
本開示は、様々な修正及び代替の構成が可能であるが、ある特定の例示的な実施形態が、図面にあり、以下に記載される。しかしながら、本開示を開示された実施形態に限定する意図は存在せず、反対に、その意図は、開示の趣旨及び範囲内にある全ての修正、代替の構成、組み合わせ、ならびに均等物を包含することを理解されたい。
【0019】
パイプ旋盤100を備える回転機械加工デバイスの例となる実施形態が、図1及び2に示される。パイプ旋盤100は、支持筐体102、主軸台104、及び複数の軸受アセンブリ158、160を含むことができる(図2に示す)。支持筐体102と主軸台104の両方は、区分され得(例えば、2つ以上の部分に分割され得)、機械加工予定の被加工物(例えば、パイプ)の周りに完全なアセンブリを形成するように共に結合されるように配設され得る。被加工物は、主軸台104の回転軸128に対してパイプ旋盤100によって同心円状に支持される。
【0020】
パイプ旋盤100は、取り外し可能に締結される2つの円弧または半円形の半部で、分割線108に沿って直径方向に分割され得る。パイプ旋盤100が2つの半部を含むように示されるが、パイプ旋盤100は、被加工物の周りに接合され得る4つまたは任意の他の適切な数の区分として構築され得る。パイプ旋盤100が被加工物の外周上に載置されることが記載されるが、他の実施形態では、パイプ旋盤100が、被加工物の内部周辺または内周上で利用され得る。また、パイプ旋盤100は略円形状を有することが図示されるが、パイプ旋盤100は、長円形状、楕円形状、先細り構成、それらの組み合わせ、または任意の他の適切な形状を有してもよいことが認識されるであろう。
【0021】
支持筐体102は、被加工物を中心として同心円状に締着されるように配設された略環状部材とすることができる。支持筐体102は、任意の適切な構成を呈し得る。支持筐体102は、共に取り外し可能に結合された(図2に示される)2つの区分112、114を含むことができる。支持筐体102の第1の半部112として図示され記載された第1の区分112は、被加工物の周辺の第1の部分の周りまたは第1の部分内に延出するように配設され得る。支持筐体102の第2の半部114として図示され記載された第2の区分114は、被加工物の周辺の第2の部分の周りにまたは第2の部分内に延出するように配設され得る。支持筐体102が2つの半部を備えることが図示されるが、支持筐体102は、被加工物を中心として接合され得る3つ、4つ、または任意の適切な数の区分として構築され得る。
【0022】
支持筐体102は、任意の適切な材料で形成され得る。ある実施形態において、支持筐体102は、アルミニウムまたは他の適切な金属を含むことができる。支持筐体102は、(図9に示される)底面側120と、支持筐体102の底面側120の反対側に配置された上部側122とを含むことができる。支持筐体102の上部側122は、以下に記載されるギアリングに空間及び支持領域を提供する外部環状肩部124を含むことができる。支持筐体102の上部側122はまた、軸受アセンブリ158、160に空間及び支持領域を提供する内部環状肩部126を含むことができる。適切な調心のために、(図1に示される)複数のスペーサ116(例えば、脚部またはパッド)が、支持筐体102の内壁表面内の辺りに位置付けられ得、1つ以上のボルト118によって適所に保持され得る。
【0023】
主軸台104は、支持筐体102上に軸128を中心とする回転のために載置され得る。主軸台104は、任意の適切な構成を呈し得る。主軸台104は、底面側130(図9)を含むことができ、その底面側は、支持筐体102の上部側122に向き、上部側132は、主軸台104の底面側130の反対側に配置される。支持筐体102と同様に、主軸台104は、第1の区分154と第2の区分156に区分され得る。主軸台104の底面側130は、外周壁117(図9)によって境界を付けられた(図9に示される)環状凹部106を含むことができ、その結果、凹部106の上面が、壁117の底面側の上方に(底面側内で凹んで)あり、軸受アセンブリ158、160に空間を提供する。壁117の底面側130はまた、以下に記載されるギアリングに支持領域を提供するように配設され得る。
【0024】
主軸台104は、任意の適切な材料で形成され得る。主軸台104は、中炭素合金鋼、炭素鋼、ステンレス鋼、炭化タングステン、それらの組み合わせ、または別の適切な材料で形成され得る。
【0025】
図1に見られるように、1つ以上の器具モジュール134が、主軸台104の上部側132に接続され得る。各器具モジュール134は、被加工物を機械加工する(例えば、面取りする、溝付けする、切断する、及び/または他の動作の)ためのいくつかの器具を載置するように配設され得る。2つの器具モジュール134が、一般に、主軸台104の反対側(例えば、直径方向に反対側)上に配置される。これは、中間の切断力を生成するのに役立つという効果があり、それによって、パイプ旋盤100の拘束またはねじれが、一般に回避され得るか最小限にされ得る。パイプ旋盤100はまた、器具モジュール134の器具を被加工物の方へ動作可能に前進させるのを助ける取り外しアセンブリを含むことができる。パイプ旋盤100は、任意の適切な器具モジュール及び/または取り外しアセンブリを含むことができる。
【0026】
図1及び9に最も良く見られるように、別個のギアリング136が、底面側138と、ギアリング136の底面側138の反対側に配置された上部側140とを含むことができる。ギアリング136の上部側140は、主軸台104の底面側に向くように配設される。ギアリング136は、ギアリング136を主軸台104の底面側130に締結するための複数の締結具を受け入れるための複数の開口部(図示しない)を更に含むことができる。より具体的には、締結具は、ギアリング136の上部側140を主軸台104の壁117の底面に締結するように構成され得る。
【0027】
ギアリング136は主軸台104と共に、ただしそれと独立せずに回転する。ギアリング136が複数の区分を含むことが認識されるであろう。例示された実施形態では、ギアリング136は、第1の区分及び第2の区分を含むが、3つ以上の区分(図示しない)を有し得ることを認識されたい。ギアリング136が主軸台104とは別個であるように図示され記載されるが、他の実施形態では、ギアリング136が主軸台104に一体化されてもよい。
【0028】
ギアリング136は、(図9に示される)複数の歯144を含むことができ、歯144は、ギアリング136の内径表面上に形成される。歯144は、(図1に示される)モータ148によって駆動される(図1に示される)駆動ギア146と協働することができ、モータ148は、支持筐体102の底面側120上に載置される。より具体的には、駆動ギア146が、ギアリング136上の歯144と噛合するか協働し、駆動ギア146がモータ148によって駆動されるときに、ギアリング136及び主軸台104が回転する。使用されるモータ148は、空気で駆動されてもよいし、液体で駆動してもよいし、あるいは電気的に駆動されてもよい。パイプ旋盤100は、任意の適切な駆動ギア146、歯144、及び/またはギアリング136を含むことができる。
【0029】
複数の軸受アセンブリ158、160が、支持筐体102と主軸台104との間に配置され得、主軸台104を支持筐体102に可動式に結合する。第1の軸受アセンブリ158は、主軸台104の第1の区分154と支持筐体102の第1の区分112との間に配置されるように配設され得る。第2の軸受アセンブリ160は、主軸台104の第2の区分156と支持筐体102の第2の区分114との間に配置されるように配設され得る。
【0030】
軸受アセンブリ158、160が、支持筐体102の内径肩部126上に支持され得、(図6に示される)壁117によって主軸台104の凹部内で境界付けられ得る。軸受アセンブリ158及び160は、互いに独立するように配設される。有利なことには、これは、パイプ旋盤100が別個の半部に分解され(例えば、分割線108で分割され)、軸受アセンブリ158、160がそれらの各半部内に保持されたままにすることを可能にし、それは、軸受アセンブリ158、160がパイプ旋盤100から落ちることを排除する。
【0031】
パイプ旋盤100が、第1の軸受アセンブリ158及び第2の軸受アセンブリ160を含むことが記載されるが、パイプ旋盤100は、本開示から逸脱することな無く、3つ、4つ、または任意の適切な数の軸受アセンブリを有し得ることが認識されるであろう。パイプ旋盤100は、円の4分の1をそれぞれ形成する、4つの軸受アセンブリを含んでもよい。
【0032】
例示の簡潔さと開示の節約のために、ただ1つの軸受アセンブリ158が更に詳細に記載される。しかしながら、他の軸受アセンブリ160が、好適には、必ずしも実質的に同様ではないことが認識されるであろう。軸受アセンブリ158は、任意の適切な構成を呈し得る。
【0033】
図2及び3に示されるように、軸受アセンブリ158は、第1のレースまたは上部レース162、上部レース162に固定された第2のレースまたは下部レース164、上部レース162上に配設された第1の複数の上部軸受要素166、下部レース164上に配設された第2の複数の下部軸受要素168、軸受保持器端部蓋170、及び軸受保持器カバー172を含む、再循環式軸受アセンブリとすることができる。
【0034】
図4は、参照の容易さのために、ある実施形態に係る軸受アセンブリ158から取り外された下部レース164を例示する。下部レース164は、任意の適切な材料から作製され得る。下部レース164は、炭素鋼、ステンレス鋼、炭化タングステン、それらの組み合わせ、または別の適切な材料を備え得る。下部レース164は、底面側174と、下部レース164の底面側174の反対側の上部側176とを含む円弧または実質的に半円形の部材とすることができる。下部レース164の底面側174は、(図2に示される)支持筐体102の上部側122に向くように配設され得る。下部レース164は、複数の開口部194を含むことができ、それらの少なくとも一部分が、(図2に示される)複数の締結具184を受け入れるように配設され、それらの締結具は、下部レース164が支持筐体102に固定して取り付けられるように下部レース164を支持筐体102に締結する。
【0035】
下部レース164は、外径表面178、内径表面180、及び外径表面178と内径表面180との間に延出する一対の端部表面182を含むことができる。下部軸受軌道186は、凹状表面を含むと共に、下部レース164の外径表面178、内径表面180、及び端部表面182の周りに延出する下部レース164上に形成され得る。
【0036】
図5は、ある実施形態に係る下部レース164上の下部軸受要素168の配設を示す軸受アセンブリ158の底面図である。下部軸受要素168は、下部軸受軌道186の凹状表面上に配置され得る。下部軸受軌道186は、荷重軸受部分188及び帰還部分190を含むことができる。下部軸受軌道186は、下部軸受要素が荷重軸受部分188と帰還部分190との間で約180度回ることを可能にする2つの転回部192を含むことができる。これは、下部軸受要素168が下部軸受軌道186の周りに自由に循環することを可能にする。
【0037】
下部軸受軌道186の凹状表面は、実質的に連続的であり得る。下部軸受軌道186の凹状表面は変動し得る。外径表面178に形成された凹状表面の一部分は、湾曲部の第1の半径を有し得、内径表面180に形成された凹状表面の別の部分は、湾曲部の第1の半径とは異なる湾曲部の第2の半径を有し得る。
【0038】
図6は、参照の容易さのために、軸受アセンブリ158から取り外された上部レース162を例示する。上部レース162は、底面側196と底面側196の反対側の上部側198を含む円弧または実質的に半円形の部材とすることができる。上部レース162の底面側196は、下部レース164の上部側176に向くように配設され得る。下部レース164と同様に、上部レース162は、複数の開口部101を含むことができる。開口部101のうちの少なくともいくつかは、上部レース162を下部レース164に締結するための1つ以上の締結具を受け入れることができる。開口部101のうちの少なくともいくつかは、上部レース162と下部レース164との間の空間的関係を調整するための1つ以上の締結具184部材を受け入れることができる。
【0039】
上部レース162は、任意の適切な材料から作製され得る。上部レース162は、外径表面103、内径表面105、及び外径表面103と内径表面105との間に延出する一対の端部表面107を含むことができる。第1のまたは上部軸受軌道109は、凹状表面を含むと共に、上部レース162の外径表面103、内径表面105、及び端部表面107の周りに延出する上部レース162上に形成され得る。上部軸受軌道109は円弧とすることができる。
【0040】
図7は、ある実施形態に係る上部レース162上の上部軸受要素166の配設を示す軸受アセンブリ158の上面図である。上部軸受要素166は、上部軸受軌道109の凹状表面上に配置され得る。上部軸受軌道109は、荷重軸受部分111及び帰還部分113を含むことができる。上部軸受軌道109は、上部軸受要素166が荷重軸受部分111と帰還部分113との間で約180度回ることを可能にする2つの転回部分115を含むことができる。これは、上部軸受要素166が上部軸受軌道109を巡って自由に循環することを可能にするという効果がある。下部軸受軌道186の凹状表面と同様に、上部軸受軌道109の凹状表面は、実質的に連続的であり得るか、あるいは可変であってもよい。
【0041】
軸受アセンブリ158は、主軸台の異なる部分に接触する再循環式軸受要素の上部及び下部の組を含むので、軸受アセンブリ158は、摩擦を減らすことができ、先行技術におけるものよりも小型で効率的な手法で主軸台104の滑らかで簡単な回転を容易にすることができる。軸受アセンブリ158に適合される軸受要素の数は、先行技術におけるものよりも大きく、それは、軸受アセンブリ158の耐荷能力を増やす。
【0042】
下部軸受要素168及び上部軸受要素166は、実質的に同様の玉軸受要素とすることができる。しかしながら、他の実施形態において、下部軸受要素168及び上部軸受要素166が異なってもよいことが認識されるであろう。ある実施形態において、下部軸受要素168は、上部軸受要素166よりも大きくまたは小さくすることができる。下部軸受要素168及び上部軸受要素166は、異なる材料で形成されてもよい。上部軸受要素166は、炭素鋼で形成され得、下部軸受要素168は、炭化タングステンで形成され得る。軸受アセンブリ158は、異なる軸受要素を含むことができる。下部軸受要素168及び/または上部軸受要素166は、一般に、円筒形軸受要素または任意の他の軸受要素とすることができる。
【0043】
図3及び8に見られるように、軸受保持器端部蓋170が、下部レース164の端部表面182または上部レース162の端部表面107のうちの少なくとも1つに取り付けられ得る。これは、軸受要素が軸受アセンブリ158から落ちることを防ぐという効果がある。例えば、パイプ旋盤100が分割線108に沿って直径方向に分割されるとき、軸受保持器端部蓋170が、支持筐体102の各区分と主軸台104との間で軸受アセンブリ158の上部軸受要素166及び下部軸受要素168を保持し、それは、各区分がある方向に配向されない場合に軸受要素が従来の軸受アセンブリから落ち得る先行技術よりも、パイプ旋盤100の組み立て及び/または分解を容易かつ安全にさせる。
【0044】
軸受保持器端部蓋170が、任意の適切な手法で取り付けられ得、任意の適切な構成を呈し得る。軸受保持器端部蓋170のうちの少なくとも1つが、ねじ式締結具によって下部レース164の端部表面182に取り付けられ得る。軸受保持器端部蓋170のうちの少なくとも1つは、上部レース162及び下部レース164の端部表面に向く凹状またはU形状転回溝を含むことができる。U形状溝は、上部軸受軌道109及び下部軸受軌道186の荷重軸受部分と帰還部分とを接続することができる。軸受保持器端部蓋170は、上部軸受軌道109及び下部軸受軌道186内で下部軸受要素と上部軸受要素とを整列させるのに役立ち得る。
【0045】
保持器カバー172は、任意の適切な構成を有することができる。例えば、保持器カバー172は、上部壁119と上部壁119から下向きに延出する外径壁121を含む円弧または略半円形の部材とすることができる。図3及び9に見られるように、保持器カバー172の上部壁119の底面側は、上部レース162の上部側198に取り外し可能に取り付けることができ得る。保持器カバー172の外径壁121の内部表面は、上部レース162の外径表面103及び下部レース164の外径表面178の少なくとも一部分と境界を付け得る。
【0046】
保持器カバー172は、上部軸受軌道109の荷重部分及び帰還部分における上部軸受要素166と、下部軸受軌道186の荷重軸受部分188における下部軸受要素168とを少なくとも部分的に保持することができる。主軸台104が支持筐体102から取り外される場合、保持器カバー172は、軸受アセンブリ158内に軸受要素を保持するのに役立つことができる。これは、軸受保持器端部蓋170と組み合わせて、パイプ旋盤100が別個の半部に分割されるとき及び主軸台104が支持筐体102から取り外されるときに、軸受要素を軸受アセンブリ158内に保持したままにすることを可能にする。更に、保持器カバー172は、主軸台104から上部軸受要素166及び下部軸受要素168のうちの一部分を分離して整列させるように機能することができる。
【0047】
任意選択的に、軸受アセンブリ158は、調整可能であり得る。例えば、軸受アセンブリ158は、軸受要素、上部レース162及び下部レース164、ならびに主軸台104間で予荷重調整を可能にする1つ以上の特徴を含むことができる。軸受アセンブリは、径方向に内側及び/または外側に調整可能であり得、ギアリング136と駆動ギア146との間の適切な接続を維持する。複数の締結具184は、下部レース164を通って延出して上部レース162に押し付けることができる複数組のねじを含むことができる。これらのねじの組は、所定距離に2つのレース162及び164を分離するように調整され得る。
【0048】
1つ以上のボルト部材184Aは、下部レース164を通って延出して上部レース162に取り付けることができる。ボルト部材184Aは、レースに予荷重圧力を提供しながら軸受アセンブリ158を支持筐体102に固定する固定位置に2つのレース162及び164を保持することができる。ボルト部材184Aは、調整可能であり得る。ボルト部材184Aは、軸受アセンブリ158を支持筐体102の中に引き戻し、軸受アセンブリ158を単一ユニットとして共に保持するように配設され得、振動が、ねじの組の調整を取り壊すことを防ぐのに役立つ。この配設はまた、ユーザに、上部レース162及び上部軸受要素166と下部レース164及び下部軸受要素168に及ぼされる圧力を動かすならびに/または調整する能力を提供する。この圧力調整は、軸受予荷重を提供して寸法上の緩みを取ることができる。この圧力調整はまた、分解または掃除のために主軸台104と支持筐体102との間の寸法上の間隙を調整することができる。
【0049】
主軸台104の第1の区分154と支持筐体102の第1の区分112との間の軸受アセンブリ158の配設が、次に、図9に関してより詳細に記載される。軸受アセンブリ158は、支持筐体102上に支持され得、主軸台104の凹部106内に受け入れられ得る。より具体的には、下部レース164の底面側174が、支持筐体102の内部環状肩部126に形成された径方向スロット内に位置付けられ得る。下部レース164の上部側176は、上部レース162の底面側196上で対応する径方向突起を受け入れる径方向スロットを含むことができ、軸受アセンブリ158のアラインメントを維持するのに役立つ。
【0050】
保持器カバー172は、上部レース162の上部側198と、上部レース162及び下部レース164の外径表面とを覆うことができる。保持器カバー172の外部表面は、凹部106の上面及び支持筐体102の壁117の内部表面に向く。支持筐体102の外径表面の一部分は、上部レース162及び下部レース164の内径表面に向く。
【0051】
下部軸受軌道186の荷重軸受部分188における下部軸受要素168は、内部レースウェイ表面123と接触して協働するように配設され得る。内部レースウェイ表面123は、下部軸受軌道186上の凹状表面の一部分を含むことができ、外部レースウェイ表面125は、主軸台104の第2の部分または径方向に内側に延出する主軸台104の壁117の一部分に形成された凹状表面を備える。レースウェイ表面は、その表面上で軸受要素が転がる及び/または往復運動する表面のことを意味する。
【0052】
主軸台104上の外部レースウェイ表面125が回転する際、それは、荷重軸受部分188における下部軸受要素168を回転させる。下部軸受要素168が下部軸受軌道186の周りに循環し得るので、下部軸受要素168が下部軸受軌道186の荷重軸受部分188内で回転して転がる。下部軸受要素168と内部レースウェイ表面123及び外部レースウェイ表面125との間の接触点は動的であり、以下により詳細に記載されるように被加工物におけるの形成を低減または排除する。
【0053】
図9及び10に最も良く見られるように、内部レースウェイ表面123及び外部レースウェイ表面125は、軸128に対して互いに関して変位され得る。それらは、組み合わされた荷重に適応し得、その荷重を支持し得、すなわち、径方向及び軸方向荷重に同時に作用する。軸受アセンブリ158の荷重分配が強化される。軸受アセンブリ158は、(図2に示される)軸受アセンブリ160とは独立して、軸方向及び径方向荷重の両方を引き受けることができる。
【0054】
下部軸受軌道186の帰還部分190における下部軸受要素168は、内部レースウェイ表面127と接触し協働するように配設され得る。内部レースウェイ表面127は、下部軸受軌道186の凹状表面を含むことができ、外部レースウェイ表面129は、内部環状肩部126と支持筐体102の径方向に向く部分との間に延出する支持筐体102上に凹状表面を備える。内部レースウェイ表面127及び外部レースウェイ表面129が互いに対して動かないので、帰還部分190における下部軸受要素168が、少なくとも部分的に荷重軽減され得る。主軸台104の回転は、帰還部分190における下部軸受要素168を直接的に循環させない。むしろ、荷重軸受部分188における下部軸受要素168の循環は、帰還部分における下部軸受要素168を下部軸受軌道186の周りに回転する、転がす及び/または循環するように駆動するかそのようにさせる。
【0055】
下部軸受軌道186のこの帰還部分190は、下部軸受要素168と支持筐体102との間に空隙を与えるように配設され、下部軸受要素168が循環することを可能にすることが認識されるであろう。荷重軸受部分188における下部軸受要素168と同様に、下部軸受要素168と内部レースウェイ表面127及び外部レースウェイ表面129との間の接触点は、動的であり得、瞬間的であり得る。これは、以下により詳細に記載されるように被加工物におけるの形成を低減または排除するという効果がある。
【0056】
更に、下部軸受要素168は動作の間の一部の時間のみに荷重をかけられるので、下部軸受要素168の動作上の寿命は、軸受要素がパイプ旋盤の動作の間に常に荷重をかけられるパイプ旋盤に使用される従来の軸受アセンブリと比較して、増え得る。これは下部軸受要素168からの熱放散を増やすという効果がある。これはまた、支持筐体102と主軸台104との間で生成される摩擦及び熱を減らすのに役立ち、パイプ旋盤100の送電効率を上げる。
【0057】
上部軸受軌道109の荷重軸受部分111における上部軸受要素166は、内部レースウェイ表面131と接触し協働するように配設され得る。内部レースウェイ表面131は、上部軸受軌道109上の凹状表面の一部分を含むことができ、外部レースウェイ表面133は、主軸台104の第1の部分または主軸台104上に形成された凹状表面を備える。内部レースウェイ表面131及び外部レースウェイ表面133は、オフセットされ得、荷重軸受部分111が、組み合わされた荷重を支持することを可能にする。主軸台104上の外部レースウェイ表面133が回転する際、それは、荷重軸受部分111における上部軸受要素166も同様に回転させる。荷重軸受部分188における下部軸受要素168と同様に、上部軸受要素166と内部レースウェイ表面131及び外部レースウェイ表面133との間の接触点は、動的であり得、瞬間的であり得る。
【0058】
上部軸受要素166は、軸受アセンブリ158の内径側上の主軸台104に接触することができ、下部軸受要素168は、軸受アセンブリ158の外径側上の主軸台104に接触する。主軸台104が軸128を中心として回転する際、上部軸受要素166及び下部軸受要素168が、反対方向に軸受アセンブリ158を巡って循環する。これは、主軸台104及び/または軸受アセンブリ158の全体にわたって熱を放散するならびに/あるいは荷重を分配するという効果があり、軸受の故障を減らす。
【0059】
軸受アセンブリ158及び軸受アセンブリ160は独立して動作するので、主軸台及び旋盤の全体にわたって荷重がより均等に分配される。主軸台104の第1の区分における荷重は軸受アセンブリ158によって分配され、主軸台104の第2の区分における荷重は軸受アセンブリ160によって分配され、軸受アセンブリの1つに荷重をかけ過ぎる可能性を減らし、それは、軸受アセンブリの動作上の寿命を増やす。
【0060】
上部軸受軌道109の帰還部分113における上部軸受要素166は、内部レースウェイ表面135と接触し協働するように配設され得る。内部レースウェイ表面135は、上部軸受軌道109における凹状表面の一部分を含むことができ、外部レースウェイ表面137は、保持器カバー172の外径壁121の内部表面及び保持器カバー172の上部壁119の底面側を備える。例示された実施形態では、帰還部分113における上部軸受要素が、3つのレースウェイ表面に接触する。しかしながら、上部軸受要素は、2つまたは任意の他の適切な数の接触点を作り出すように構成され得ることが認識されるであろう。
【0061】
帰還部分190における下部軸受要素168と同様に、帰還部分113は、下部軸受要素168が通過し得るようにかつパイプ旋盤100の動作の間の一部の時間のみに荷重をかけられるように、上部軸受要素166と保持器カバー172との間に空隙を与えるように寸法を定められ構成され、上部軸受要素166の動作寿命を増やす。
【0062】
図10に見られるように、軸受アセンブリ158の幾何形状は、軸受アセンブリ158の動作に影響を及ぼすように配設され得る。推力荷重を支持するための軸受アセンブリ158の容量は、接触角αを増やすことによって増大し得る。逆に、径方向荷重を支持するための軸受アセンブリ158の容量は、接触角αを減らすことによって増大し得る。接触角αは、軸受要素168及びレースウェイ表面(例えば、127、129)の接触の線接合点であって、それに沿って、荷重が1つのレースウェイ表面から別のレースウェイ表面に伝達される線接合点と、軸128に垂直な線との間の角度である。ある実施形態において、軸受要素の接触角αは、約10度〜約45度、約12度〜約30度、または約15度〜約22.5度の間にあり得る。他の実施形態において、軸受要素の接触角αは、より大きくてもよいし、または小さくてもよい。
【0063】
上部レース162及び下部レース164上に形成されたレースウェイ表面と、主軸台104と、支持筐体102及び/またはレースウェイの湾曲部との間の変位に起因して、軸受アセンブリ158は、動作の間にいくらかのミスアラインメントまたは歪みを可能にさせ得る。パイプ旋盤の温度変化は、支持筐体及び軸受要素のサイズならびに形状を変え得、それは、パイプ旋盤の安定性及び精密さに悪影響を与え得る。
【0064】
レースウェイ表面は、支持筐体及び/または軸受要素のサイズならびに形状における変化に起因するある程度のミスアラインメントに耐えることができるので、従来のパイプ旋盤に対してパイプ旋盤100の安定性及び精密さが改善され得る。これは、軸受アセンブリ158が、被加工物における欠陥またはパイプ旋盤100の動作の間に存在し得る他の衝撃荷重に耐えることを可能にする。パイプ旋盤100は、軸受アセンブリ158、160を潤滑するための任意の適切な手段を含んでもよいことが認識されるであろう。更に、1つ以上の封止材141が、軸受アセンブリ158、160及び/またはギアリング136の中への汚染の侵入を防ぐためにパイプ旋盤100内に提供されてもよい。封止材141は、任意の適切な封止材を含むことができる。
【0065】
動作中、主軸台104が軸128を中心として回転される際、上部軸受軌道109の荷重軸受部分111における上部軸受要素166が、外部レースウェイ表面133と内部レースウェイ表面131との間で第1の方向に回転させられ動かされる。上部軸受要素166が、荷重軸受部分111を通して往復運動または移動する際、軸方向及び/または径方向荷重が、主軸台104から上部軸受要素166及び上部レース162経由で支持筐体102に伝達される。上部軸受要素166は、次いで、荷重軸受部分111から出て、上部軸受要素166が動いて約180度曲がる転回部143のうちの1つの中に入って通過する。実質的に荷重が軽減された状態にある、上部軸受要素166が、次いで、それらが内部レースウェイ表面135と外部レースウェイ表面137との間で第2の方向に回転して動く帰還部分113の中に入る。第2の方向は、一般に、第1の方向とは反対である。
【0066】
帰還部分113から、上部軸受要素166は、上部軸受要素166が約180度曲がる他の転回部143に入り、それらが第1の方向に再び回転させられ動かされる荷重軸受部分111に帰還する。上部軸受要素166のこの再循環は、主軸台104の回転運動の間に続けられる。上部軸受要素166は、主軸台104が逆方向に回転されるときに逆方向に再循環されることが認識されるであろう。
【0067】
次に下部軸受軌道186を参照すると、主軸台104が軸128を中心として回転される際、荷重軸受部分188における下部軸受要素168が、外部レースウェイ表面125と内部レースウェイ表面123との間で第1の方向に回転させられ動かされる。下部軸受要素168及び上部軸受要素166が、反対方向に下部軸受軌道186及び上部軸受軌道109を巡って循環する。
【0068】
下部軸受要素168が荷重軸受部分188を通って移動または往復運動する際、軸方向及び/または径方向荷重が、主軸台104から下部軸受要素168及び下部レース164経由で支持筐体102に伝達される。下部軸受要素168は、次いで、荷重軸受部分188から出て、下部軸受要素168が約180度曲がる転回部192のうちの1つを通過する。下部軸受要素168は、次いで、それらが内部レースウェイ表面127と外部レースウェイ表面129との間で第2の方向に循環して動く帰還部分190の中に入る。帰還部分190から、下部軸受要素168は、下部軸受要素168が約180度曲がる他の転回部192に入り、それらが第2の方向に再び回転させられ動かされる荷重軸受部分188に帰還する。下部軸受要素168のこの再循環は、主軸台104の回転運動の間に続けられる。下部軸受要素168は、主軸台104が逆方向に回転されるときに逆方向に再循環されることが認識されるであろう。
【0069】
パイプ旋盤100の動作の間に、上部軸受要素166及び/または下部軸受要素168は、多くの従来のパイプ旋盤において見られる滑動する接触軸受要素の摩擦係数よりも低い摩擦係数を有し得る。上部軸受要素166及び下部軸受要素168は、より少ない熱を作り出し得、それによって、軸受アセンブリ158及び/またはパイプ旋盤100の他の構成要素内の熱変形の度合いを制限する。加えて、上部軸受要素166及び下部軸受要素168は、主軸台104が回転している時間の一部のみに荷重をかけられる(すなわち、軸受要素は、帰還部分または転回部において荷重をかけられない)。
【0070】
上部軸受要素166及び下部軸受要素168からの熱放散は、軸受要素が帰還部分及び転回部内に残るので増大され得る。そのような構成は、パイプ旋盤100が、少ない熱の発生に起因してより速い切断速度で動作することを可能にし得る。更に、軸受アセンブリ158は、パイプ旋盤100がより低い動作温度で動作するのに役立つことができる。軸受アセンブリ158内の軸受要素の配設は、支持筐体102と主軸台104との間で生成される摩擦及び熱を低減するのに役立ち、パイプ旋盤100の送電効率を上げる。
【0071】
更に、上部軸受要素166及び下部軸受要素168は回転して転がっているので、主軸台104上の軸受要素と内部レースウェイ表面123及び外部レースウェイ表面133との間の接触点は、瞬間的であり、常に変化し、2つの軸受要素が分割線108に同時に接触することを減らす。2つの軸受要素が分割線108に同時に接触することができる場合、または起伏として次いで被加工物に伝達することができる跳躍部または遮断部が作り出され得るので、これは有利である。
【0072】
そのようなまたは起伏は、被加工物の機械加工された表面において可視線として現われ得、固定筐体内に載置された伝統的な固定V字形誘導軸受(複数可)配設と交差する分割線によって悪化する。更に、の深さ及び程度は、回転要素が摩耗するので、時間及び機械寿命を経て悪化する。伝統的なV字形誘導軸受の固定接触点とは対照的に、軸受アセンブリ158は、2つ以上の軸受要素の複数の動的接触位置を、それらが分割線108と交差するように提供し、を実質的に低減または排除する。
【0073】
軸受アセンブリ158は、2つの軸受要素が分割線108に同時に接触することを減らすのに役立つ他の特徴を更に含むことができる。上部軸受要素166は、(図1に示される)軸128から下部軸受要素168とは異なる直径または距離において主軸台104に接触することができる。同時に、荷重軸受部分188における下部軸受要素168が、荷重軸受部分111における上部軸受要素166より長い距離を軸128の周りに移動する。上部軸受要素166及び下部軸受要素168が、異なる速度で移動する。上部軸受要素166と下部軸受要素168の移動速度差が原因で、2つの軸受要素が分割線108に同時に接触する可能性が減らされる。更に、上部軸受要素166及び下部軸受要素168が、異なる方向に軸受アセンブリ158の周りに循環するので、2つの軸受要素が同時に分割線108に接触する可能性が減らされる。
【0074】
軸受アセンブリの任意の適切な数及び/または配設が可能であるので、記載された軸受アセンブリの数及び配設は、単に例となるものである。軸受アセンブリのうちの少なくとも1つは、第1のレースウェイを有する上部レース及び第2のレースウェイを含む下部レースを含む再循環式軸受アセンブリを備え得る。第1のレースウェイは、第1の荷重軸受部分を含み得、第2のレースウェイは、第2の荷重軸受部分を含み得る。第1及び第2の荷重軸受部分における軸受要素は、回転軸128から実質的に同じ距離において主軸台104に接触し得る。
【0075】
あるいは、軸受アセンブリのうちの少なくとも1つは、第1のレースウェイを有する上部レース及び第2のレースウェイを含む下部レースを含む再循環式軸受アセンブリを備えてもよい。第1のレースウェイは、第1の荷重軸受部分を含み得、第2のレースウェイは、第2の荷重軸受部分を含み得る。第1及び第2の荷重軸受部分における軸受要素は、回転軸128から実質的に同じ距離において主軸台104に接触し得る。
【0076】
他の実施形態において、第1の荷重軸受部分における軸受要素が、第1の直径を有してもよく、第2の荷重軸受部分における軸受要素が、第1の直径とは異なる第2の直径を有してもよい。パイプ旋盤が記載されたが、本明細書に記載された軸受アセンブリが、任意の適切な種類の装置または機械類と共に利用され得ることが認識されるであろう。支持筐体102及び主軸台104の任意の適切な配設ならびに/または構成が可能であるので、本明細書に記載された支持筐体102及び主軸台104の構成ならびに配設は、単なる例となるものとして見なされる。軸受アセンブリ158及び160がパイプ旋盤内に配置されることが記載されるが、軸受アセンブリ158及び160が、限定されるものではないが、旋盤、多軸スピンドル、ミリング機、及び/または穴あけ機を含む、任意の適切な種類の回転機械加工デバイス内に配置され得ることが認識されるであろう。

以下に、出願時の特許請求の範囲の記載事項を付記する。
[1] 被加工物上に載置するように配設された区分型支持筐体(102)と、
前記支持筐体(102)上に載置されると共に軸(128)を中心として前記支持筐体(102)に対して回転可能である区分型主軸台(104)と、
前記主軸台(104)と前記支持筐体との間に配置された少なくとも1つの軸受アセンブリ(158)と、を備え、
前記少なくとも1つの軸受アセンブリ(158)が、前記主軸台(104)の第1の部分(133)に動的に接触するように、及び第1の方向に前記少なくとも1つの軸受アセンブリ(158)内で再循環するように配設された、第1の組の軸受要素(166)を含む第1のレース(162)と、前記主軸台(104)の第2の部分(125)に動的に接触するように、及び前記少なくとも1つの軸受アセンブリ(158)に加えられた荷重の分配を促進するよう前記第1の方向とは反対の第2の方向に前記少なくとも1つの軸受アセンブリ(158)内で再循環するように配設された、第2の組の軸受要素(168)を含む第2のレース(164)と、を含むことを特徴とする、回転機械加工デバイス(100)。
[2] 前記第1の軸受要素(166)が、前記少なくとも1つの軸受アセンブリ(158)の内径側上で前記主軸台(104)の前記第1の部分(133)に動的に接触し、前記第2の軸受要素(168)が、前記少なくとも1つの軸受アセンブリ(158)の外径側上で前記主軸台(104)の前記第2の部分(125)に動的に接触することを特徴とする、[1]に記載の前記回転機械加工(100)デバイス。
[3] 前記被加工物上の傷の可能性を低減するように、前記第1の軸受要素(166)が、第1の速度で前記少なくとも1つの軸受アセンブリ(158)内で再循環し、前記第2の軸受要素(168)が、前記第1の速度とは異なる第2の速度で前記少なくとも1つの軸受アセンブリ(158)内で再循環することを特徴とする、[1]または[2]に記載の前記回転機械加工デバイス(100)。
[4] 前記第1のレース(162)が、前記第1の軸受要素(166)に接触するように、及び前記主軸台(104)の前記第1の部分(133)からの荷重を前記第1の軸受要素(166)経由で前記支持筐体(102)に伝達するように配設された、荷重軸受部分(111)と、前記第1の軸受要素(166)からの熱放散を促進するように前記第1の軸受要素(166)を少なくとも部分的に荷重軽減するように配設された、帰還部分(113)と、2つの転回部分(115)と、を備える円弧状の第1の軸受軌道(109)を含むことを特徴とする、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の前記回転機械加工デバイス(100)。
[5] 前記第1のレース(162)の上部側(198)に取り外し可能に取り付けられた保持器カバー(172)を更に備えることを特徴とし、前記保持器カバー(172)が、前記回転機械加工デバイス(100)が前記回転機械加工デバイス(100)の分割線(108)に沿って直径方向に分割されるときに、前記少なくとも1つの軸受アセンブリ(158)内に前記第1の軸受要素(166)及び前記第2の軸受要素(168)を少なくとも部分的に保持する、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の前記回転機械加工デバイス(100)。
[6] 前記保持器カバー(172)が、前記第1のレース(162)の前記上部側(192)に取り付けられた上部壁(119)及び前記上部壁(119)から下向きに延出する外径壁(121)を含む、円弧部材を備えることを特徴とする、[5]に記載の前記回転機械加工(100)。
[7] 前記第1のレース(162)または前記第2のレース(164)の端部表面に取り付けられた一対の軸受保持器端部蓋(170)を更に備えることを特徴とし、前記軸受保持器端部蓋(170)が、前記回転機械加工デバイス(100)が前記回転機械加工デバイス(100)の分割線(108)に沿って直径方向に分割されるときに、前記少なくとも1つの軸受アセンブリ(158)内に前記第1の軸受要素(166)及び前記第2の軸受要素(168)を少なくとも部分的に保持する、[1]〜[6]のいずれか一項に記載の前記回転機械加工デバイス(100)。
[8] 前記主軸台(104)が前記支持筐体(102)から取り外されるときに、前記保持器カバー(172)及び前記軸受保持器端部蓋(170)が、前記少なくとも1つの軸受アセンブリ(158)内に前記第1の軸受要素(166)及び前記第2の軸受要素(168)を保持することを特徴とする、[6]及び[7]に記載の前記回転機械加工デバイス(100)。
[9] 前記少なくとも1つの軸受アセンブリ(158)が、前記主軸台(104)の第1の半部(154)内に実質的に収まる円弧形状を有することを特徴とする、[1]〜[8]のいずれかに記載の前記回転機械加工デバイス(100)。
[10] 前記支持筐体(102)を通って延出すると共に、前記支持筐体(102)によって前記少なくとも1つの軸受アセンブリ(158)に及ぼされる圧力量を調整するように前記少なくとも1つの軸受アセンブリ(158)を前記支持筐体(102)の中に選択的に引き戻すように配設された、複数のボルト部材(184A)を更に備えることを特徴とする、[1]〜[9]のいずれかに記載の前記回転機械加工デバイス(100)。
[11] 前記第1の軸受要素(166)が軸方向荷重及び径方向荷重の両方を支持できるように、前記第1のレース(162)が、前記主軸台(104)の前記第1の部分(133)から軸方向にオフセットされた内部レースウェイ表面(131)を含むことを特徴とする、[1]〜[10]のいずれかに記載の前記回転機械加工デバイス(100)。
[12] 前記第2のレース(164)を通って延出すると共に、前記第1のレース(162)と前記第2のレース(164)との間の空間的関係を調整するように配設された1つ以上の組のねじ(184)を更に備えることを特徴とする、[1]〜[11]のいずれかに記載の前記回転機械加工デバイス(100)。
[13] 前記第1の軸受要素(166)が、前記軸(128)から第1の距離を置いて前記主軸台(104)の前記第1の部分(133)に接触し、再循環する前記第2の軸受要素(168)が、前記軸(128)から前記第1の距離より大きな第2の距離を置いて前記主軸台(104)の前記第2の部分(125)に接触し、その結果、第2の軸受要素(168)が、前記第1の軸受要素(166)より速い速度で前記少なくとも1つの軸受アセンブリ(158)内で再循環することを特徴とする、[1]〜[12]のいずれかに記載の前記回転機械加工デバイス(100)。
[14] 前記主軸台(104)が、前記主軸台(104)の底面側(130)に形成されると共に外部周辺壁(117)によって境界を付けられた環状凹部(106)を含み、前記環状凹部(106)が、前記少なくとも1つの軸受アセンブリ(158)のための受け入れ空間を提供することを特徴とする、[14]に記載の前記回転機械加工デバイス(100)。
[15] 前記前記第1の軸受要素(166)のうちの1つ及び前記第2の軸受要素(168)のうちの1つが前記回転機械加工デバイス(100)の分割線(108)に同時に接触する可能性が減らされるように、前記第1の軸受要素(166)と前記主軸台(104)の前記第1の部分(133)の間の接触点が動的であり、かつ前記第2の軸受要素(168)と前記主軸台の前記第2の部分(125)との間の接触点が動的であることを特徴とする、[1]に記載の前記回転機械加工デバイス(100)。
図1
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