特許第6189544号(P6189544)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6189544酸素含有化合物から低級オレフィンを製造する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6189544
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】酸素含有化合物から低級オレフィンを製造する方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 1/20 20060101AFI20170821BHJP
   C07C 11/02 20060101ALI20170821BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20170821BHJP
【FI】
   C07C1/20
   C07C11/02
   !C07B61/00 300
【請求項の数】11
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-535725(P2016-535725)
(86)(22)【出願日】2013年12月3日
(65)【公表番号】特表2017-501987(P2017-501987A)
(43)【公表日】2017年1月19日
(86)【国際出願番号】CN2013088398
(87)【国際公開番号】WO2015081489
(87)【国際公開日】20150611
【審査請求日】2016年6月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】503190796
【氏名又は名称】中国科学院大▲連▼化学物理研究所
【氏名又は名称原語表記】DALIAN INSTITUTE OF CHEMICAL PHYSICS,CHINESE ACADEMY OF SCIENCES
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100120617
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100126099
【弁理士】
【氏名又は名称】反町 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100206265
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 逸子
(72)【発明者】
【氏名】リウ、ゾンミン
(72)【発明者】
【氏名】イエ、マオ
(72)【発明者】
【氏名】チャン、タオ
(72)【発明者】
【氏名】ヘ、チャンキン
(72)【発明者】
【氏名】ワン、シエンガオ
(72)【発明者】
【氏名】ザオ、インフェン
【審査官】 三原 健治
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0331596(US,A1)
【文献】 国際公開第2012/152258(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)C4以上の炭化水素がk個の予備炭素析出ゾーン供給バイパスラインから濃厚相流動化床反応器におけるk個の下位予備炭素析出ゾーンに並列に送り込まれ、再生済み及び/又は新鮮な触媒と接触して、低級オレフィン生成物を含む流れに転化されるとともに、予備炭素析出触媒が生成される工程と、
(但し、前記触媒は、第1乃至第kの下位予備炭素析出ゾーンを順次、通過して、炭素含有量が次第に増加する。前記濃厚相流動化床反応器は、物質流動制御器によって予備炭素析出ゾーンと反応ゾーンに仕切られている。前記濃厚相流動化床反応器の予備炭素析出ゾーンは、物質流動制御器によってk個の下位予備炭素析出ゾーンに仕切られ、第1乃至第kの下位予備炭素析出ゾーンが順に接続されている。)
b)酸素含有化合物を含む原料がn個の反応ゾーン供給バイパスラインから濃厚相流動化床反応器におけるn個の下位反応ゾーンに並列に送り込まれ、前記予備炭素析出触媒と接触して、低級オレフィン生成物を含む流れ及び再生すべき触媒が生成される工程と、
(但し、前記第kの下位予備炭素析出ゾーンから流入した予備炭素析出触媒は、第1乃至第nの下位反応ゾーンを順次、通過して、炭素含有量が次第に増加する。前記濃厚相流動化床反応器の反応ゾーンが物質流動制御器によってn個の下位反応ゾーンに仕切られ、第1乃至第nの下位反応ゾーンが順に接続され、第1の下位反応ゾーンが第kの下位予備炭素析出ゾーンの下流に接続されている。)
c)前記予備炭素析出ゾーンと反応ゾーンから流出した前記低級オレフィン生成物を含む流れから、それに同伴する再生すべき触媒を分離し、分離された再生すべき触媒が第nの下位反応ゾーンに入り、前記低級オレフィン生成物を含む流れが生成物分離区画に入って分離・精製により低級オレフィン生成物が得られ、分離区画で得られたC4以上の炭化水素副生成物が前記濃厚相流動化床反応器における予備炭素析出ゾーンに返送される工程と、
d)第nの下位反応ゾーンから流出した再生すべき触媒が、ストリッピング、リフトを経て濃厚相流動化床再生器に送り込まれ再生される工程と、
(但し、前記再生すべき触媒は、第1乃至第mの下位再生ゾーンを順次、通過。再生用媒体は、m個の再生ゾーン供給バイパスラインから第1乃至第mの下位再生ゾーンに並列に送り込まれ、前記再生すべき触媒は、前記再生用媒体と接触して炭素含有量が次第に減少する。再生済みの触媒は、続いて、ストリッピング、リフトを経て第1の下位予備炭素析出ゾーンに返送される。前記濃厚相流動化床再生器は、物質流動制御器によってm個の下位再生ゾーンに仕切られ、第1乃至第下位再生ゾーンが順に接続されている。)を含む、但し、k≧1、n≧1、m≧2である、酸素含有化合物から低級オレフィンを製造する方法。
【請求項2】
4≧k≧2、8≧n≧3、8≧m≧3であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記濃厚相流動化床反応器において、物質流動制御器におけるガス見掛け線速度が触媒の最小流動化速度以下であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記濃厚相流動化床再生器において、物質流動制御器におけるガス見掛け線速度が触媒の最小流動化速度以下であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記触媒はSAPO−34分子篩を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記濃厚相流動化床反応器の反応条件は、前記予備炭素析出ゾーンと反応ゾーンのガス見掛け線速度が0.1−1.5m/sであり、前記予備炭素析出ゾーンの反応温度が500−650℃であり、前記反応ゾーンの温度が400−550℃であり、前記濃厚相流動化床反応器の層密度が200−1200kg/mであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記濃厚相流動化床反応器において、第1の下位予備炭素析出ゾーン乃至第nの下位反応ゾーン内における触媒の平均炭素析出量が順番に増加し、第kの下位予備炭素析出ゾーン内における触媒の平均炭素析出量が0.5−3wt%であり、第nの下位反応ゾーン内における触媒の平均炭素析出量が7−10wt%であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記濃厚相流動化床の再生ゾーンの反応条件は、ガス見掛け線速度が0.1−1.5m/sであり、反応温度が500−700℃であり、層密度が200−1200kg/mであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記濃厚相流動化床の再生ゾーンにおいて、第1乃至第mの下位再生ゾーン内における触媒の平均炭素析出量が順番に減少し、第1の下位再生ゾーン内における触媒の平均炭素析出量が2−10wt%であり、第mの下位再生ゾーン内における触媒の平均炭素析出量が0−0.1wt%であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記酸素含有化合物がメタノール及び/又はジメチルエーテルであり、前記低級オレフィンがエチレン、プロピレン又はブテンから選ばれる何れか1種又は複数種の混合物であり、前記C4以上の炭化水素がナフサ、ガソリン、コンデンセート油、軽油、水素化テール油又はケロシンから選ばれる何れか1種又は複数種の混合物であり、前記再生用媒体が空気、貧酸素空気又は水蒸気から選ばれる何れか1種又は複数種の混合物であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
工程d)における再生済みの触媒が、続いて、ストリッピング、リフトを経て濃厚相流動化床の第1の下位予備炭素析出ゾーンに返送され、前記リフト工程におけるリフトガスとして、水蒸気、C4以上の炭化水素、ナフサ、ガソリン、コンデンセート油、軽油、水素化テール油又はケロシンから選ばれる何れか1種又は複数種の混合物が用いられることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低級オレフィンの収率を向上させる、低級オレフィンを製造するプロセス方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
低級オレフィンであるエチレン及びプロピレンは、二種類の重要かつ基礎的な化学工業原料であり、その需要量がだんだん増えている。通常、エチレン及びプロピレンが石油ルートにより生産されるものだが、石油資源の限られた供給量及び高い価格のため、石油資源からエチレンやプロピレンを生産するコストが増えている。近年、代替原料をエチレンやプロピレンに転化させる技術の開発が盛んに進んでいる。メタノールをオレフィン(MTO)に転化させるプロセスが多く注目されてきて、100万トンレベルの生産規模が既に実現された。世界経済の発展に伴って、低級オレフィン、特にプロピレンの需要量が日々に増えている。CMAI社の分析によれば、2016年の前に、エチレンの需要量が年当たり平均4.3%の速度で増加し、プロピレンの需要量が年当たり平均4.4%の速度で増加すると予測される。わが国の経済が高い速度で成長しているので、わが国では、エチレンもプロピレンも需要量の年成長率が世界の平均レベルを超えている。
【0003】
20世紀80年代初めに、UCC会社がSAPOシリーズ分子篩の開発に成功した。中でも、SAPO−34分子篩触媒がMTO反応に用いられる際に優れた触媒性能を示し、高い低級オレフィンの選択率を有し、且つ活性が高いが、一定の時期使用した後、触媒が炭素析出のせいで失活するようになる。SAPO−34分子篩触媒は、使用中に明らかな誘導期が存在する。誘導期の内で、オレフィンの選択率が低く、アルカンの選択率が高いが、反応時間の延長につれて、低級オレフィンの選択率がしだいに上昇する。誘導期完了後から一定の期間内で触媒が高い選択率及び高い活性を保持するが、反応時間が延長され続けると、触媒の活性が素早く下がるようになる。
【0004】
US6166282には、メタノールを低級オレフィンに転化させる技術及び反応器が開示されている。快速流動化床反応器によって、気速が低い濃厚相反応ゾーンで気相を反応させてから、内径が急遽に小さくなる快速分離ゾーンに上昇させた後、特殊な気固分離装置を用いて、巻き込まれた触媒の大部を初歩的に分離させる。反応後に生産物の気体と触媒とが迅速に分離されることで、二次反応の発生を有効に防止した。模擬計算によれば、伝統的なバブリング流動化床反応器と比べて、該快速流動化床反応器の内径も触媒の需用量も大幅減少する。しかし、この方法では、低級オレフィンの炭素収率が全て77%程度であることが一般的であるので、低級オレフィンの収率が低いという問題がある。
【0005】
CN101402538Bには、低級オレフィン収率を向上させる方法が開示されている。この方法では、第1の反応ゾーンの排出口からの生成物気体の第2の反応ゾーン内における滞留時間を増加させて、未反応のメタノール、生成したジメチルエーテル及びC4以上の炭化水素を引き続き反応させて、低級オレフィンの収率を向上させる目的に達するように、メタノールを低級オレフィンに転化させる第1の反応ゾーンの上部に、直径が第1の反応ゾーンよりも大きい第2の反応ゾーンを設置することが採用されている。この方法は、低級オレフィンの収率をある程度に向上させることができるが、第1の反応ゾーンから出た触媒には既に炭素析出が多く持たれ、且つC4以上の炭化水素の分解には高い触媒活性が要求されるため、この方法では、第2の反応ゾーン内におけるC4以上の炭化水素の転化効率が依然として比較に低いので、低級オレフィンの収率が比較に低い問題を招来する。
【0006】
CN102276406Aには、プロピレンを増産する生産方法が開示されている。その技術では、反応ゾーンが三つ設置される。第1の快速床反応ゾーンは、メタノールをオレフィンに転化させるために用いられ、ライザー反応ゾーンと第2の快速床反応ゾーンとは、直列に接続され、エチレン、C4以上の炭化水素及び未反応のメタノール又はジメチルエーテルの転化に用いられる。この特許出願では、C4以上の炭化水素などの物質は、ライザー反応ゾーン及び第2の快速床反応ゾーンにおける滞留時間が短く、転化効率が比較に低いことで、プロピレンの収率が比較に低い問題を招来する。
【0007】
CN102875289Aには、内部にライザー反応器が設置された、低級オレフィンの収率を向上させるための流動化床反応装置が開示されている。第1の原料が流動化床の反応ゾーンに入り触媒と接触して、低級オレフィンを含む生成物が生成するとともに再生すべき触媒が生成する。再生すべき触媒は、一部が再生器に入り再生されて再生触媒を生成し、一部が出口端の反応ゾーンの内部に位置するライザーに入り第2の原料と接触し、再生すべき触媒が反応ゾーン内にリフトアップされ、再生触媒が流動化床反応器の反応ゾーンに返送される。この特許出願に開示の反応装置にはストリッピング部分がないので、再生すべき触媒が生成物気体の一部を取り込んで再生器に入り、酸素ガスと燃焼し、低級オレフィンの収量が低下するようになる。
【0008】
CN102875296Aに開示のメタノールからオレフィンを製造する技術では、快速床、ダウナー及びライザーのような3つの反応ゾーンが設置された。触媒が再生器、快速床、ライザー及びダウナーの間で循環するので、流れ方向がかなり複雑で、流量配分及び制御が非常に困難であり、触媒の活性変動が大きい。
【0009】
この分野において周知されているように、低級オレフィンの選択率は、触媒上の炭素析出量に密接な関係を持つので、高い低級オレフィンの選択率を確保するために、SAPO−34触媒には一定量の炭素析出が必要である。現在では、MTOプロセスに用いられている主な反応器は、完全混合流れ反応器に近い流動化床である。触媒における炭素析出の分布が広く、低級オレフィンの選択率の向上には不利である。MTOプロセスにおける溶媒・アルコール比が小さく、コークス生成率が低いことから、比較的に高く且つ制御しやすい触媒循環量を実現するために、反応ゾーン内における触媒上の炭素析出量や炭素含有量の均一性を制御することを目的として、再生ゾーンにおいて触媒上の炭素析出量や炭素含有量の均一性を一定のレベルに制御する必要がある。従って、反応ゾーン内における触媒の炭素析出量や炭素含有量の均一性をあるレベルに制御することは、MTOプロセスにおける肝心な技術である。
【0010】
また、メタノールから低級オレフィンを製造する過程において、C4以上の炭化水素などの副生産物が発生することが不可避になり、且つC4以上の炭化水素の炭素選択率が一般的に10wt%程度である。これらの副生産物を更に目的生産物に転化させると、低級オレフィンの収率及びプロセスの経済性を向上させるようになる。本発明者などの研究から分かるように、炭素を含まないSAPO−34分子篩触媒が、C4以上の炭化水素を低級オレフィンに転化させることには、良好な効果を持っており、且つSAPO−34分子篩触媒における予めの炭素析出が実現でき、その低級オレフィンの選択率を向上させることができる。反応温度などのプロセスパラメータに対する低級オレフィンの感度が高い。
例えば、再生触媒の温度は、一般的に550℃よりも高く、反応ゾーンの温度よりも遥かに高い。再生触媒の入口における局所的な過温が炭素析出オレフィンの選択率を降下させることになる。
【0011】
触媒炭素析出の分布の不均一、炭素含有量の制御の困難、反応温度の変動が大きいことなどが、低級オレフィンの収率を向上させることには不利である。上記した問題を解決するために、ある研究者らは、流動化床において、上下2つの反応ゾーンの設置、2つの流動化床の直列、及び流動化床とライザー、ダウナーとの直列などの技術を提案し、一定の有益な効果が得られた。しかし、同時にMTOプロセスの複雑性が増大し、制御の難しさが増加した。本発明は、複数の下位反応ゾーン(再生ゾーン)が形成するように濃厚相流動化床の中で内置部材を設置する様態を提供することで、低級オレフィンの収率を向上させることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明が解决しようとする技術課題は、従来技術に存在する低級オレフィンの収率の低下という課題であり、新規な、低級オレフィンの収率を向上させる方法を提供することを目的とする。該方法が低級オレフィンの生産に用いられる場合、触媒炭素析出の均一性に優れ、低級オレフィンの収率が高く、低級オレフィンの生産プロセスが経済的であるというメリットがある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記した目的を実現するためには、本発明は、
a)C4以上の炭化水素がk個の予備炭素析出ゾーン供給バイパスラインから濃厚相流動化床反応器におけるk個の下位予備炭素析出ゾーンに並列に送り込まれ、再生済み及び/又は新鮮な触媒と接触して、低級オレフィン生成物を含む流れに転化されるとともに、予備炭素析出触媒が生成される工程と、
(但し、前記触媒は、第1乃至第kの下位予備炭素析出ゾーンを順次、通過して、炭素含有量が次第に増加する。前記濃厚相流動化床反応器は、物質流動制御器によって予備炭素析出ゾーンと反応ゾーンに仕切られている。前記濃厚相流動化床反応器の予備炭素析出ゾーンは、物質流動制御器によってk個の下位予備炭素析出ゾーンに仕切られ、第1乃至第kの下位予備炭素析出ゾーンが順に接続されている。)
b)酸素含有化合物を含む原料がn個の反応ゾーン供給バイパスラインから濃厚相流動化床反応器におけるn個の下位反応ゾーンに並列に送り込まれ、前記予備炭素析出触媒と接触して、低級オレフィン生成物を含む流れ及び再生すべき触媒が生成される工程と、
(但し、前記第kの下位予備炭素析出ゾーンから流入した予備炭素析出触媒は、第1乃至第nの下位反応ゾーンを順次、通過して、炭素含有量が次第に増加する。前記濃厚相流動化床反応器の反応ゾーンが物質流動制御器によってn個の下位反応ゾーンに仕切られ、第1乃至第nの下位反応ゾーンが順に接続され、第1の下位反応ゾーンが第kの下位予備炭素析出ゾーンの下流に接続されている。)
c)前記予備炭素析出ゾーンと反応ゾーンから流出した前記低級オレフィン生成物を含む流れから、それに同伴する再生すべき触媒を分離し、分離された再生すべき触媒が第nの下位反応ゾーンに入り、前記低級オレフィン生成物を含む流れが生成物分離区画に入って分離・精製により低級オレフィン生成物が得られ、分離区画で得られたC4以上の炭化水素副生成物が前記濃厚相流動化床反応器における予備炭素析出ゾーンに返送される工程と、
d)第nの下位反応ゾーンから流出した再生すべき触媒が、ストリッピング、リフトを経て濃厚相流動化床再生器に送り込まれ再生される工程と、
(但し、前記再生すべき触媒は、第1乃至第mの下位再生ゾーンを順次、通過。再生用媒体は、m個の再生ゾーン供給バイパスラインから第1乃至第mの下位再生ゾーンに並列に送り込まれ、前記再生すべき触媒は、前記再生用媒体と接触して炭素含有量が次第に減少する。再生済みの触媒は、続いて、ストリッピング、リフトを経て第1の下位予備炭素析出ゾーンに返送される。前記濃厚相流動化床再生器は、物質流動制御器によってm個の下位再生ゾーンに仕切られ、第1乃至第下位再生ゾーンが順に接続されている。)を含む、但し、k≧1、n≧1、m≧2であり、さらに好ましく4≧k≧2、8≧n≧3、8≧m≧3である、酸素含有化合物から低級オレフィンを製造する方法を提供するものである。
【0014】
一つの好ましい実施形態では、前記濃厚相流動化床反応器において、物質流動制御器におけるガス見掛け線速度が触媒の最小流動化速度以下である。
【0015】
一つの好ましい実施形態では、前記濃厚相流動化床再生器において、物質流動制御器におけるガス見掛け線速度が触媒の最小流動化速度以下である。
【0016】
一つの好ましい実施形態では、前記触媒はSAPO−34分子篩を含む。
【0017】
一つの好ましい実施形態では、前記濃厚相流動化床反応器の反応条件は、前記予備炭素析出ゾーンと反応ゾーンのガス見掛け線速度が0.1−1.5m/sであり、前記予備炭素析出ゾーンの反応温度が500−650℃であり、前記反応ゾーンの反応温度が400−550℃であり、前記濃厚相流動化床反応器の層密度(bed density)が200−1200kg/mである。
【0018】
一つの好ましい実施形態では、前記濃厚相流動化床反応器において、第1の下位予備炭素析出ゾーン乃至第nの下位反応ゾーン内における触媒の平均炭素析出量が順番に増加し、第kの下位予備炭素析出ゾーン内における触媒の平均炭素析出量が0.5−3wt%であり、第nの下位反応ゾーン内における触媒の平均炭素析出量が7−10wt%である。
【0019】
一つの好ましい実施形態では、前記濃厚相流動化床の再生ゾーンの反応条件は、ガス見掛け線速度が0.1−1.5m/sであり、反応温度が500−700℃であり、層密度が200−1200kg/mである。
【0020】
一つの好ましい実施形態では、前記濃厚相流動化床の再生ゾーンにおいて、第1乃至第mの下位再生ゾーン内における触媒の平均炭素析出量が順番に減少し、第1の下位再生ゾーン内における触媒の平均炭素析出量が2−10wt%であり、第mの下位再生ゾーン内における触媒の平均炭素析出量が0−0.1wt%である。
【0021】
一つの好ましい実施形態では、前記酸素含有化合物がメタノール及び/又はジメチルエーテルであり、前記低級オレフィンがエチレン、プロピレン又はブテンから選ばれる何れか1種又は複数種の混合物であり、前記C4以上の炭化水素がナフサ、ガソリン、コンデンセート油、軽油(light diesel oil)、水素化テール油(hydrogenation tail oil)又はケロシンから選ばれる何れか1種又は複数種の混合物であり、前記再生用媒体が空気、貧酸素空気又は水蒸気から選ばれる何れか1種又は複数種の混合物である。
【0022】
一つの好ましい実施形態では、工程d)における再生済みの触媒が、続いて、ストリッピング、リフトを経て濃厚相流動化床の第1の下位予備炭素析出ゾーンに返送される。前記リフト工程におけるリフトガスとして、水蒸気、C4以上の炭化水素、ナフサ、ガソリン、コンデンセート油、軽油、水素化テール油又はケロシンから選ばれる何れか1種又は複数種の混合物が用いられる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の前記方法を用いることによって、目的とする生産物である低級オレフィンの収率を効果的に向上させ、エネルギーの配分と利用とを最適化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明に記載の方法のフローの概略図である。
図2】本発明に記載の、2つの下位予備炭素析出ゾーン及び2つの下位反応ゾーンが含まれている濃厚相流動化床の構造概略図である。中でも、A−A断面図における矢印は、下位予備炭素析出ゾーン及び下位反応ゾーンの間での触媒流動方向を示す。
図3】本発明に記載の下位再生ゾーンが4つ含まれている濃厚相流動化床の構造概略図である。中でも、B−B断面図における矢印は、下位再生ゾーン同士の間での触媒流動方向を示す。
図4】本発明に記載のストリッパーの構造概略図である。
図5】本発明に記載の物質流動制御器の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
酸素含有化合物から低級オレフィンを製造するプロセスにおける低級オレフィンの収率を向上させるためには、本発明が、
a)C4以上の炭化水素がk個の予備炭素析出ゾーン供給バイパスラインから濃厚相流動化床反応器におけるk個の下位予備炭素析出ゾーンに並列に送り込まれ、再生済み及び/又は新鮮な触媒と接触して、低級オレフィン生成物を含む流れに転化されるとともに、予備炭素析出触媒が生成される工程と、
(但し、前記触媒は、第1乃至第kの下位予備炭素析出ゾーンを順次、通過して、炭素含有量が次第に増加する。前記濃厚相流動化床反応器は、物質流動制御器によって予備炭素析出ゾーンと反応ゾーンに仕切られている。前記濃厚相流動化床反応器の予備炭素析出ゾーンは、物質流動制御器によってk個の下位予備炭素析出ゾーンに仕切られ、第1乃至第kの下位予備炭素析出ゾーンが順に接続されている。)
b)酸素含有化合物を含む原料がn個の反応ゾーン供給バイパスラインから濃厚相流動化床反応器におけるn個の下位反応ゾーンに並列に送り込まれ、前記予備炭素析出触媒と接触して、低級オレフィン生成物を含む流れ及び再生すべき触媒が生成される工程と、
(但し、前記第kの下位予備炭素析出ゾーンから流入した予備炭素析出触媒は、第1乃至第nの下位反応ゾーンを順次、通過して、炭素含有量が次第に増加する。前記濃厚相流動化床反応器の反応ゾーンが物質流動制御器によってn個の下位反応ゾーンに仕切られ、第1乃至第nの下位反応ゾーンが順に接続され、第1の下位反応ゾーンが第kの下位予備炭素析出ゾーンの下流に接続されている。)
c)前記予備炭素析出ゾーンと反応ゾーンから流出した前記低級オレフィン生成物を含む流れから、それに同伴する再生すべき触媒を分離し、分離された再生すべき触媒が第nの下位反応ゾーンに入り、前記低級オレフィン生成物を含む流れが生成物分離区画に入って分離・精製により低級オレフィン生成物が得られ、分離区画で得られたC4以上の炭化水素副生成物が前記濃厚相流動化床反応器における予備炭素析出ゾーンに返送される工程と、
d)第nの下位反応ゾーンから流出した再生すべき触媒が、ストリッピング、リフトを経て濃厚相流動化床再生器に送り込まれ再生される工程と、
(但し、前記再生すべき触媒は、順に第1乃至第mの下位再生ゾーンを順次、通過。再生用媒体は、m個の再生ゾーン供給バイパスラインから第1乃至第mの下位再生ゾーンに並列に送り込まれ、前記再生すべき触媒は、前記再生用媒体と接触して炭素含有量が次第に減少する。再生済みの触媒は、続いて、ストリッピング、リフトを経て第1の下位予備炭素析出ゾーンに返送される。前記濃厚相流動化床再生器は、物質流動制御器によってm個の下位再生ゾーンに仕切られ、第1乃至第下位再生ゾーンが順に接続されている。)を含む、酸素含有化合物から低級オレフィンを製造する方法を提供するものである。
【0026】
好ましくは、工程d)における再生済みの触媒が、続いて、ストリッピング、リフトを経て濃厚相流動化床の第1の下位予備炭素析出ゾーンに返送される。
【0027】
前記リフト工程におけるリフトガスとして、水蒸気、C4以上の炭化水素、ナフサ、ガソリン、コンデンセート油、軽油、水素化テール油又はケロシンから選ばれる何れか1種又は複数種の混合物が用いられる。
【0028】
好ましくは、k≧1、n≧1、m≧2である。好ましくは、4≧k≧2、8≧n≧3、8≧m≧3である。
【0029】
好ましくは、濃厚相流動化床反応器において、物質流動制御器におけるガス見掛け線速度が触媒の最小流動化速度以下である。
【0030】
好ましくは、濃厚相流動化床再生器において、物質流動制御器におけるガス見掛け線速度が触媒の最小流動化速度以下である。
【0031】
好ましくは、前記触媒はSAPO−34分子篩を含む。
【0032】
好ましくは、前記濃厚相流動化床反応器の反応条件は、予備炭素析出ゾーンと反応ゾーンのガス見掛け線速度が0.1−1.5m/sであり、予備炭素析出ゾーンの反応温度が500−650℃であり、反応ゾーンの反応温度が400−550℃であり、層密度が200−1200kg/mである。好ましくは、前記濃厚相流動化床反応器において、第1の下位予備炭素析出ゾーン乃至第nの下位反応ゾーン内における触媒の平均炭素析出量が順番に増加し、第kの下位予備炭素析出ゾーン内における触媒の平均炭素析出量が0.5−3wt%であり、第nの下位反応ゾーン内における触媒の平均炭素析出量が7−10wt%である。
【0033】
好ましくは、前記濃厚相流動化床の再生ゾーンの反応条件は、ガス見掛け線速度が0.1−1.5m/sであり、反応温度が500−700℃であり、層密度が200−1200kg/mである。
【0034】
好ましくは、前記濃厚相流動化床の再生ゾーンにおいて、第1乃至第mの下位再生ゾーン内における触媒の平均炭素析出量が順番に減少し、第1の下位再生ゾーン内における触媒の平均炭素析出量が2−10wt%であり、第mの下位再生ゾーン内における触媒の平均炭素析出量が0−0.1wt%である。
【0035】
好ましくは、前記酸素含有化合物がメタノール及び/又はジメチルエーテルであり、前記低級オレフィンがエチレン、プロピレン又はブテンから選ばれる何れか1種又は複数種の混合物であり、前記C4以上の炭化水素がナフサ、ガソリン、コンデンセート油、軽油、水素化テール油又はケロシンから選ばれる何れか1種又は複数種の混合物であってもい。
【0036】
本発明が提供する技術案には更に以下の点が含まれる。
(1)予備炭素析出ゾーン、反応ゾーン、気固分離ゾーン、及び、ストリッピングゾーンを含む濃厚相流動化床反応器であって、予備炭素析出ゾーンと反応ゾーンが物質流動制御器によって仕切られる濃厚相流動化床反応器を提供する。但し、予備炭素析出ゾーンが物質流動制御器によってk個の下位予備炭素析出ゾーンに仕切られ、k≧1であり、反応ゾーンが物質流動制御器によってn個の下位反応ゾーンに仕切られ、n≧1であり、各下位予備炭素析出ゾーン及び各下位反応ゾーンのいずれかにも独立に供給することができる。
(2)再生ゾーン、気固分離ゾーン、及び、ストリッピングゾーンを含む濃厚相流動化床再生器であって、再生ゾーンが物質流動制御器によってm個の下位再生ゾーンに仕切られ、m≧2である濃厚相流動化床再生器を提供する。但し、下位再生ゾーンのいずれかにも独立に供給することができる。
【0037】
好ましくは、C4以上の炭化水素などが濃厚相流動化床反応器におけるk個の下位予備炭素析出ゾーンに並列に送り込まれ、再生済みの触媒と接触して、低級オレフィン生成物を含む流れに転化されるとともに、触媒が第1乃至第kの下位予備炭素析出ゾーンを順次、通過して、炭素析出の量が一定の値に達することにより生成された予備炭素析出触媒が反応ゾーンに入る。
【0038】
好ましくは、酸素含有化合物を含む原料が、濃厚相流動化床反応器における第nの下位反応ゾーンに並列に送り込まれ、予備炭素析出触媒と接触して、低級オレフィン生成物を含む流れと再生すべき触媒が生成されるとともに、予備炭素析出触媒は、第1乃至第nの下位反応ゾーンを順次、通過して、炭素含有量が次第に増加する。
【0039】
好ましくは、第nの下位反応ゾーンから流出した再生すべき触媒が、ストリッピング、リフトを経て濃厚相流動化床再生器に送り込まれ再生される。再生すべき触媒は、第1乃至第mの下位再生ゾーンを順次、通過して、再生用媒体と接触して、炭素含有量がしだいに減少してゼロに近くなり、その後、ストリッピング、リフトを経て第1の下位予備炭素析出ゾーンに返送される。
好ましくは、前記低級オレフィン生成物の流れは、巻き込まれた再生すべき触媒が分離された後に、分離区画に入って、分離された再生すべき触媒が第nの下位反応ゾーンに入る。
【0040】
好ましくは、分離区画で得られたC4以上の炭化水素副生成物が、濃厚相流動化床反応器における予備炭素析出ゾーンに返送される。
【0041】
一つの好ましい実施形態において、本発明に記載の、酸素含有化合物から低級オレフィンを製造する技術における低級オレフィンの収率を向上させるフローの概略図が図1のように示される。C4以上の炭化水素は、予備炭素析出ゾーン供給バイパスライン(1−1、1−2)から濃厚相流動化床反応器(2)における下位予備炭素析出ゾーン(2−1、2−2)に並列に送り込まれ、SAPO−34分子篩を含む触媒と接触して、気相生成物の流れ及び予備炭素析出触媒が形成される。酸素含有化合物を含む原料は、反応ゾーン供給バイパスライン(1−3、1−4)から濃厚相流動化床反応器(2)における下位反応ゾーン(2−3、2−4)に並列に送り込まれ、予備炭素析出触媒と接触して、気相生成物の流れ及び再生すべき触媒が形成される。予備炭素析出ゾーンと反応ゾーンの気相生成物の流れ及び巻き込まれた触媒は、サイクロン(3)に入る。気相生成物の流れは、サイクロンの排出口、生成物配管(4)を流れて以降の分離区画に入る。巻き込まれた触媒は、サイクロンのデッィプレッグを経て第2の下位反応ゾーン(2−4)に入る。濃厚相流動化床再生器(10)からの再生触媒は、ストリッパー(13)、ライザー(15)を経て濃厚相流動化床反応器(2)に入る。但し、ストリッパー(13)の底部には水蒸気配管(14)が接続され、ライザー(15)の底部にはリフトガス配管(16)が接続されている。濃厚相流動化床反応器(2)において、再生触媒は、第1の下位予備炭素析出ゾーン乃至第2の下位反応ゾーン(2−1、……、2−4)を順次、通過して、炭素析出後、再生すべき触媒が生成される。再生用媒体は、再生器供給配管(9)及びそのバイパスライン(9−1、……、9−4)を経て濃厚相流動化床再生器(10)における下位再生ゾーン(10−1、……、10−4)に並列に送り込まれ、再生すべき触媒と接触して、炭素燃焼後、排ガス及び再生触媒が生成される。排ガス及び巻き込まれた再生触媒は、サイクロン(11)に入る。排ガスは、サイクロンの排出口、排出ガス配管(12)を経て排ガス処理区画に入り、処理後、排出される。巻き込まれた再生触媒は、サイクロンのディプレッグを経て第4の下位再生ゾーン(10−4)に入る。濃厚相流動化床反応器(2)からの再生すべき触媒は、ストリッパー(5)、ライザー(7)を経て濃厚相流動化床再生器(10)に入る。但し、ストリッパー(5)の底部には水蒸気配管(6)が接続され、ライザー(7)の底部にはリフトガス配管(8)が接続されている。濃厚相流動化床再生器(10)において再生すべき触媒は、第1乃至第4の下位再生ゾーン(10−1、……、10−4)を順次、通過し、炭素燃焼後、再生触媒が生成される。ライザー(7)におけるリフトガスには、水蒸気、C4以上の炭化水素、ナフサ、ガソリン、コンデンセート油、軽油、水素化テール油又はケロシンから選ばれる何れか1種又は複数種の混合物が用いられる。
【0042】
一つの具体的な実施形態において、本発明の2つの下位予備炭素析出ゾーン及び2つの下位反応ゾーンが含まれている濃厚相流動化床反応器の構造概略図が図2のように示される。3つの物質流動制御器(17)及び1つのバッフルを鉛直に配置することによって、2つの下位予備炭素析出ゾーン及び2つの下位反応ゾーンに仕切られている。触媒は、第1の下位予備炭素析出ゾーン、第2の下位予備炭素析出ゾーン、第1の下位反応ゾーン、第2の下位反応ゾーンを順次、通過してストリッパーに入る。
【0043】
一つの具体的な実施形態において、本発明の下位再生ゾーンが4つ含まれている濃厚相流動化床再生器の構造概略図は、図3のように示される。3つの物質流動制御器(17)及び1つのバッフルを鉛直に配置することによって、再生ゾーンは、4つの下位再生ゾーンに仕切られている。触媒は、順に第1乃至第4の下位再生ゾーンを順次、通過してストリッパーに入る。
【0044】
一つの具体的な実施形態において、本発明に記載のストリッパーの構造概略図は図4のように示される。ストリッパーの上部の管壁に開口を開け、第nの下位反応ゾーン(又は、第mの下位再生ゾーン)とストリッパーとの間の物質オーバーフロー口(18)としている。
【0045】
一つの具体的な実施形態において、本発明の物質流動制御器の構造概略図が図5のように示される。物質流動制御器(17)は、セパレータ(19)、オリフィス(20)、物質ダウンフロー管(21)、底部バッフル(22)及び受熱部材(23)から構成される。触媒は、ダウンフロー管の上方から物質ダウンフロー管に入る。但し、ガス見掛け線速度が最小流動化速度以下であり、物質ダウンフロー管内における触媒が濃厚相集積状態となり、物質流動付勢力が形成される。触媒が付勢されオリフィスを経てその後の下位予備炭素析出ゾーン(又は反応ゾーン、又は再生ゾーン)に流れ込む。受熱部材は、コイル構造を採用して、セパレータに固定されることができる。
【0046】
好ましくは、前記濃厚相流動化床反応器において、予備炭素析出ゾーンと反応ゾーンにおけるガス見掛け線速度が0.1−1.5m/sであり、前記濃厚相流動化床の再生ゾーンにおけるガス見掛け線速度が0.1−1.5m/sであり、前記物質流動制御器におけるガス見掛け線速度が触媒の最小流動化速度以下である。前記触媒はSAPO−34分子篩を含む。前記予備炭素析出ゾーンの底部には供給口がk個設置され、供給される物質は、C4以上の炭化水素、ナフサ、ガソリンなどを含む。前記反応ゾーンの底部には供給口がn個設置され、供給される物質は、メタノール、ジメチルエーテルなどを含む。前記ストリッピングゾーンのストリッピング用媒体は水蒸気を含む。前記再生ゾーンの底部には再生用媒体の入口が設置され、再生用媒体は、空気、貧酸素空気、水蒸気などが含まれる。前記予備炭素析出ゾーンの反応温度が500−650℃であり、反応ゾーンの反応温度が400−550℃であり、予備炭素析出ゾーンと反応ゾーンの層密度が200−1200kg/mである。第1の下位予備炭素析出ゾーン乃至第nの下位反応ゾーン内における触媒の平均炭素析出量が順番に増加し、第kの下位予備炭素析出ゾーンの平均炭素析出量が0.5−3wt%であり、第nの下位反応ゾーンの平均炭素析出量が7−10wt%である。前記再生ゾーンの反応温度が500−700℃であり、層密度が200−1200kg/mであり、第1乃至第mの下位再生ゾーン内における触媒の平均炭素析出量が順番に減少し、第1の下位再生ゾーンの平均炭素析出量が2−10wt%であり、第mの下位再生ゾーンの平均炭素析出量が0−0.1wt%である。
【0047】
好ましくは、本発明では、C4以上の炭化水素の代わりに、ナフサ、ガソリン、コンデンセート油、軽油、水素化テール油又は/及びケロシンを、濃厚相流動化床反応器における予備炭素析出ゾーンの原料として用いることもできる。これらの炭化水素類は、同様に、再生触媒の温度を低減させ、再生触媒に予備炭素析出する作用を有する。
【0048】
好ましくは、ライザー(15)におけるリフトガスが、水蒸気、C4以上の炭化水素、ナフサ、ガソリン、コンデンセート油、軽油、水素化テール油又は/及びケロシンを用いることができる。本発明の方法によれば、触媒の炭素析出量を制御し、炭素含有量の均一性を改善し、且つ低級オレフィンの収率を向上させる目的を達成でき、大きな技術優位性を有し、低級オレフィンの工業生産に用いられることができる。
【0049】
本発明の有益な効果は、以下の点を含む。
(1)濃厚相流動化床が高い層密度を有し、触媒の速度が低く、摩耗が低い。
(2)物質流動制御器における物質ダウンフロー管における気相の速度が触媒の最小流動化速度以下であり、触媒が濃厚相集積状態となり、触媒の一方向濃厚相移送流が形成するので、隣接する下位反応ゾーン(又は隣接する下位再生ゾーン)同士の間に触媒の逆混合を防ぐことができ、滞留時間の分布が狭くなる。
(3)物質流動制御器における受熱部材が反応ゾーンの温度を制御する作用を有する。
(4)物質流動制御器によって、濃厚相流動化床反応器が予備炭素析出ゾーンと反応ゾーンに仕切られ、且つ、予備炭素析出ゾーンが下位予備炭素析出ゾーンにk個仕切られ、反応ゾーンが下位反応ゾーンにn個仕切られている。触媒は、第1の下位予備炭素析出ゾーン乃至第nの下位反応ゾーンを順次、通過して、滞留時間分布が狭くなり、予備炭素析出触媒と再生すべき触媒の炭素含有量の均一性が大幅に向上する。
(5)活性も温度も高い再生触媒が第1の下位予備炭素析出ゾーンに返送されることが、C4以上の炭化水素から低級オレフィンへ転化することには有利である。反応後、再生触媒での炭素析出量が一定の値に達するとともに、MTO反応における低級オレフィンの選択率も向上する。
(6)予備炭素析出ゾーン内で発生したC4以上の炭化水素から低級オレフィンへの転化反応が吸熱反応であり、再生触媒の温度を低下させ、反応ゾーンでの受熱負担を緩和させ、熱量を効果的に利用するとともに、高温触媒と酸素含有化合物との接触を避けることができる。
(7)物質流動制御器によって、再生ゾーンがm個の下位再生ゾーンに仕切られている。
触媒は、第1乃至第mの下位再生ゾーンを順番に通して、滞留時間分布が狭くなり、炭素燃焼後、得られた再生触媒の炭素析出量がセロに近づくなる。
(8)k個の下位予備炭素析出ゾーン、n個の下位反応ゾーン及びm個の下位再生ゾーンのいずれかにも、独立に供給することができるので、操作の自由度が強くなる。
(9)再生触媒及び再生すべき触媒の炭素含有量を精度よく制御することが実現され、且つ炭素含有量の分布が均一となり、低級オレフィンの選択率が向上し、必要により炭素含有量をコントロールすることによってプロピレン/エチレンの比率を最適化することができる。
(10)触媒の炭素含有量の分布が均一となることで、反応ゾーンに必要な触媒の収納量が低くなる。
(11)複数の下位予備炭素析出ゾーン、反応ゾーン、再生ゾーンの構造が反応器の大型化には有利である。
【0050】
以下は、典型的な実施例を上げて本発明を詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0051】
<実施例>
実施例1
濃厚相流動化床反応器内には、1つの下位予備炭素析出ゾーン及び3つの下位反応ゾーンが設置され、濃厚相流動化床再生器内には4つの下位再生ゾーンが設置されている。C4以上の炭化水素などは、濃厚相流動化床反応器における第1の下位予備炭素析出ゾーンに入り、再生済みの触媒と接触して、低級オレフィンを含む生成物に転化されるとともに、触媒上の炭素析出量が一定の値に達することにより生成された予備炭素析出触媒が反応ゾーンに入った。酸素含有化合物を含む原料は、濃厚相流動化床反応器における第1乃至第3の下位反応ゾーンに並列に入るとともに、予備炭素析出触媒が第1乃至第3の下位反応ゾーンを順次、通過して、酸素含有化合物を含む原料が予備炭素析出触媒と接触して、低級オレフィンを含む生成物及び失活した再生すべき触媒が生成された。低級オレフィンを含む気相生成物の流れ及び巻き込まれた再生すべき触媒がサイクロンに入り、気相生成物の流れがサイクロンの排出口を経て以降の分離区画に入り、巻き込まれた再生すべき触媒がサイクロンのデッィプレッグを経て第3の下位反応ゾーンに入った。再生すべき触媒は、第3の下位反応ゾーンからストリッパー、ライザーを経て濃厚相流動化床再生器に入り、且つ順に第1乃至第4の下位再生ゾーンを順次、通過して、再生用媒体と接触し反応した後、再生触媒が生成された。再生触媒がストリッパー、ライザーを経て再度濃厚相流動化床再生器に入り、且つ第1の下位予備炭素析出ゾーン、第1の下位反応ゾーン乃至第4の下位反応ゾーンを順次、通過した。分離区画で得られたC4以上の炭化水素副生成物が濃厚相流動化床反応器における第1の下位予備炭素析出ゾーンに返送された。ライザー15におけるリフトガスとして、C4以上の炭化水素が用いられた。濃厚相流動化床反応器の反応条件は、第1の下位予備炭素析出ゾーン温度が500℃であり、第1乃至第3の下位反応ゾーン温度が400℃であり、気相線速度が0.3m/sであり、層密度が1000kg/mであり、第1の下位予備炭素析出ゾーンの平均炭素析出量が1wt%であり、第1の下位反応ゾーンの平均炭素析出量が5wt%であり、第2の下位反応ゾーンの平均炭素析出量が8wt%であり、第3の下位反応ゾーンの平均炭素析出量が10wt%であった。濃厚相流動化床再生器の反応条件は、反応温度が550℃であり、気相線速度が0.3m/sであり、層密度が1000kg/mであり、第1の下位再生ゾーンの平均炭素析出量が5wt%であり、第2の下位再生ゾーンの平均炭素析出量が2wt%であり、第3の下位再生ゾーンの平均炭素析出量が0.5wt%であり、第4の下位再生ゾーンの平均炭素析出量が0.02wt%であった。反応生成物がオンラインガスクロマトグラフィーにより分析された。低級オレフィンの炭素収率が91.9wt%であった。
【0052】
実施例2
濃厚相流動化床反応器内には、1つの下位予備炭素析出ゾーン及び2つの下位反応ゾーンが設置され、濃厚相流動化床再生器内には2つの下位再生ゾーンが設置されている。C4以上の炭化水素などは、濃厚相流動化床反応器における第1の下位予備炭素析出ゾーンに入り、再生済みの触媒と接触して、低級オレフィンを含む生成物に転化されるとともに、触媒上の炭素析出量が一定の値に達することにより生成された予備炭素析出触媒が、反応ゾーンに入った。酸素含有化合物を含む原料は、濃厚相流動化床反応器における第1乃至第2の下位反応ゾーンに並列に入るとともに、予備炭素析出触媒が第1乃至第2の下位反応ゾーンを順次、通過して、酸素含有化合物を含む原料が予備炭素析出触媒と接触して、低級オレフィンを含む生成物及び失活した再生すべき触媒が生成された。低級オレフィンを含む気相生成物の流れ及び巻き込まれた再生すべき触媒は、サイクロンに入り、気相生成物の流れがサイクロンの排出口を経て以降の分離区画に入り、巻き込まれた再生すべき触媒がサイクロンのデッィプレッグを経て第2の下位反応ゾーンに入った。再生すべき触媒は、第2の下位反応ゾーンからストリッパー、ライザーを経て濃厚相流動化床再生器に入り、且つ第1乃至第2の下位再生ゾーンを順次、通過して、再生用媒体と接触し反応した後、再生触媒が生成された。再生触媒は、ストリッパー、ライザーを経て再度濃厚相流動化床再生器に入り、且つ順に第1の下位予備炭素析出ゾーン、第1の下位反応ゾーン及び第2の下位反応ゾーンを順次、通過した。分離区画で得られたC4以上の炭化水素副生成物は、濃厚相流動化床反応器における第1の下位予備炭素析出ゾーンに返送された。ライザー15におけるリフトガスとして、ガソリンが用いられた。濃厚相流動化床反応器の反応条件は、第1の下位予備炭素析出ゾーン温度が550℃であり、第1乃至第2の下位反応ゾーン温度が450℃であり、気相線速度が0.5m/sであり、層密度が900kg/mであり、第1の下位予備炭素析出ゾーンの平均炭素析出量が2wt%であり、第1の下位反応ゾーンの平均炭素析出量が6wt%であり、第2の下位反応ゾーンの平均炭素析出量が8wt%であった。濃厚相流動化床再生器の反応条件は、反応温度が600℃であり、気相線速度が0.7m/sであり、層密度が700kg/mであり、第1の下位再生ゾーンの平均炭素析出量が3wt%であり、第2の下位再生ゾーンの平均炭素析出量が0.1wt%であった。反応生成物は、オンラインガスクロマトグラフィーにより分析された。低級オレフィンの炭素収率が91.2wt%であった。
【0053】
実施例3
濃厚相流動化床反応器内には1つの下位予備炭素析出ゾーン及び5つの下位反応ゾーンが設置され、濃厚相流動化床再生器内には5つの下位再生ゾーンが設置されている。ナフサとC4以上の炭化水素とは、混合された後、濃厚相流動化床反応器における第1の下位予備炭素析出ゾーンに入り、再生済みの触媒と接触して、低級オレフィンを含む生成物に転化されるとともに、触媒上の炭素析出量が一定の値に達することにより生成された予備炭素析出触媒が反応ゾーンに入った。酸素含有化合物を含む原料は、濃厚相流動化床反応器における第1乃至第5の下位反応ゾーンに並列に入るとともに、予備炭素析出触媒が第1乃至第5の下位反応ゾーンを順次、通過して、酸素含有化合物を含む原料が予備炭素析出触媒と接触して、低級オレフィンを含む生成物及び失活した再生すべき触媒が生成された。低級オレフィンを含む気相生成物の流れ及び巻き込まれた再生すべき触媒は、サイクロンに入り、気相生成物の流れがサイクロンの排出口を経て以降の分離区画に入り、巻き込まれた再生すべき触媒がサイクロンのデッィプレッグを経て第5の下位反応ゾーンに入った。再生すべき触媒は、第5の下位反応からゾーンストリッパー、ライザーを経て濃厚相流動化床再生器に入り、且つ第1乃至第5の下位再生ゾーンを順次、通過して、再生用媒体と接触し反応した後、再生触媒が生成された。再生触媒は、ストリッパー、ライザーを経て再度濃厚相流動化床再生器に入り、且つ第1の下位予備炭素析出ゾーン、第1の下位反応ゾーン乃至第5の下位反応ゾーンを順次、通過した。分離区画で得られたC4以上の炭化水素副生成物は、濃厚相流動化床反応器における第1の下位予備炭素析出ゾーンに返送された。ライザー15におけるリフトガスとしてC4以上の炭化水素が用いられた。濃厚相流動化床反応器の反応条件は、第1の下位予備炭素析出ゾーン温度が650℃であり、第1乃至第5の下位反応ゾーン温度が550℃であり、気相線速度が0.7m/sであり、層密度が700kg/mであり、第1の下位予備炭素析出ゾーンの平均炭素析出量が0.5wt%であり、第1の下位反応ゾーンの平均炭素析出量が2.5wt%であり、第2の下位反応ゾーンの平均炭素析出量が4wt%であり、第3の下位反応ゾーンの平均炭素析出量が5wt%であり、第4の下位反応ゾーンの平均炭素析出量が6wt%であり、第5の下位反応ゾーンの平均炭素析出量が7wt%であった。濃厚相流動化床再生器の反応条件は、反応温度が700℃であり、気相線速度が1.0m/sであり、層密度が500kg/mであり、第1の下位再生ゾーンの平均炭素析出量が5wt%であり、第2の下位再生ゾーンの平均炭素析出量が3wt%であり、第3の下位再生ゾーンの平均炭素析出量が1.5wt%であり、第4の下位再生ゾーンの平均炭素析出量が0.05wt%であり、第5の下位再生ゾーンの平均炭素析出量が0.01wt%であった。反応生成物がオンラインガスクロマトグラフィーにより分析された。低級オレフィンの炭素収率が92.5wt%であった。
【0054】
実施例4
濃厚相流動化床反応器内には2つの下位予備炭素析出ゾーン及び4つの下位反応ゾーンが設置され、濃厚相流動化床再生器内には4つの下位再生ゾーンが設置されている。C4以上の炭化水素は、濃厚相流動化床反応器における第1の下位予備炭素析出ゾーン及び第2の下位予備炭素析出ゾーンに並列に送り込まれ、再生済みの触媒と接触して、低級オレフィンを含む生成物に転化されるとともに、触媒が第1の下位予備炭素析出ゾーン及び第2の下位予備炭素析出ゾーンを順次、通過して、炭素析出の量が一定の値に達することにより生成された予備炭素析出触媒が反応ゾーンに入った。酸素含有化合物を含む原料が濃厚相流動化床反応器における第1乃至第4の下位反応ゾーンに並列に入るとともに、予備炭素析出触媒が第1乃至第4の下位反応ゾーンを順次、通過して、酸素含有化合物を含む原料が予備炭素析出触媒と接触して、低級オレフィンを含む生成物及び失活した再生すべき触媒が生成された。低級オレフィンを含む気相生成物の流れ及び巻き込まれた再生すべき触媒は、サイクロンに入り、気相生成物の流れがサイクロンの排出口を経て以降の分離区画に入り、巻き込まれた再生すべき触媒がサイクロンのデッィプレッグを経て第4の下位反応ゾーンに入った。再生すべき触媒は、第4の下位反応ゾーンからストリッパー、ライザーを経て濃厚相流動化床再生器に入り、且つ順に第1乃至第4の下位再生ゾーンを順次、通過して、再生用媒体と接触し反応した後、再生触媒が生成された。再生触媒は、ストリッパー、ライザーを経て再度濃厚相流動化床再生器に入り、且つ第1の下位予備炭素析出ゾーン、第2の下位予備炭素析出ゾーン、第1の下位反応ゾーン乃至第4の下位反応ゾーンを順次、通過した。分離区画で得られたC4以上の炭化水素副生成物が濃厚相流動化床反応器における第1の下位予備炭素析出ゾーン及び第2の下位予備炭素析出ゾーンに返送された。ライザー15におけるリフトガスとしてC4以上の炭化水素が用いられた。
濃厚相流動化床反応器の反応条件は、第1の下位予備炭素析出ゾーン及び第2の下位予備炭素析出ゾーン温度が650℃であり、第1乃至第4の下位反応ゾーン温度が500℃であり、気相線速度が1.0m/sであり、層密度が500kg/mであり、第1の下位予備炭素析出ゾーンの平均炭素析出量が1.5wt%であり、第2の下位予備炭素析出ゾーンの平均炭素析出量が3.0wt%であり、第1の下位反応ゾーンの平均炭素析出量が4.5wt%であり、第2の下位反応ゾーンの平均炭素析出量が6.0wt%であり、第3の下位反応ゾーンの平均炭素析出量が7.0wt%であり、第4の下位反応ゾーンの平均炭素析出量が8.0wt%であった。濃厚相流動化床再生器の反応条件は、反応温度が700℃であり、気相線速度が1.0m/sであり、層密度が500kg/mであり、第1の下位再生ゾーンの平均炭素析出量が5.5wt%であり、第2の下位再生ゾーンの平均炭素析出量が3wt%であり、第3の下位再生ゾーンの平均炭素析出量が1.2wt%であり、第4の下位再生ゾーンの平均炭素析出量が0.02wt%であった。反応生成物がオンラインガスクロマトグラフィーにより分析された。低級オレフィンの炭素収率が93.2wt%であった。
【0055】
実施例5
濃厚相流動化床反応器内には、2つの下位予備炭素析出ゾーン及び2つの下位反応ゾーンが設置され、濃厚相流動化床再生器内には4つの下位再生ゾーンが設置されている。C4以上の炭化水素は、濃厚相流動化床反応器における第1の下位予備炭素析出ゾーン及び第2の下位予備炭素析出ゾーンに並列に送り込まれ、再生済みの触媒と接触して、低級オレフィンを含む生成物に転化されるとともに、触媒が第1の下位予備炭素析出ゾーン及び第2の下位予備炭素析出ゾーンを順次、通過して、炭素析出の量が一定の値に達することにより生成された予備炭素析出触媒が反応ゾーンに入った。酸素含有化合物を含む原料は、濃厚相流動化床反応器における第1乃至第2の下位反応ゾーンに並列に入るとともに、予備炭素析出触媒が順に第1乃至第2の下位反応ゾーンを順次、通過して、酸素含有化合物を含む原料は、予備炭素析出触媒と接触して、低級オレフィンを含む生成物及び失活した再生すべき触媒が生成された。低級オレフィンを含む気相生成物の流れ及び巻き込まれた再生すべき触媒は、サイクロンに入り、気相生成物の流れがサイクロンの排出口を経て以降の分離区画に入り、巻き込まれた再生すべき触媒がサイクロンのデッィプレッグを経て第2の下位反応ゾーンに入った。再生すべき触媒は、第2の下位反応ゾーンからストリッパー、ライザーを経て濃厚相流動化床再生器に入り、且つ第1乃至第4の下位再生ゾーンを順次、通過して、再生用媒体と接触し反応した後、再生触媒が生成された。再生触媒は、ストリッパー、ライザーを経て再度濃厚相流動化床再生器に入り、且つ第1の下位予備炭素析出ゾーン、第2の下位予備炭素析出ゾーン、第1の下位反応ゾーン、第2の下位反応ゾーンを順次、通過した。分離区画で得られたC4以上の炭化水素副生成物は、濃厚相流動化床反応器における第1の下位予備炭素析出ゾーン及び第2の下位予備炭素析出ゾーンに返送された。ライザー15におけるリフトガスとしてC4以上の炭化水素が用いられた。濃厚相流動化床反応器の反応条件は、第1の下位予備炭素析出ゾーン及び第2の下位予備炭素析出ゾーン温度が650℃であり、第1乃至第2の下位反応ゾーン温度が500℃であり、気相線速度が1.0m/sであり、層密度が500kg/mであり、第1の下位予備炭素析出ゾーンの平均炭素析出量が1.5wt%であり、第2の下位予備炭素析出ゾーンの平均炭素析出量が3.0wt%であり、第1の下位反応ゾーンの平均炭素析出量が6.0wt%であり、第2の下位反応ゾーンの平均炭素析出量が8.5wt%であった。濃厚相流動化床再生器の反応条件は、反応温度が700℃であり、気相線速度が1.0m/sであり、層密度が500kg/mであり、第1の下位再生ゾーンの平均炭素析出量が5.8wt%であり、第2の下位再生ゾーンの平均炭素析出量が3wt%であり、第3の下位再生ゾーンの平均炭素析出量が1.1wt%であり、第4の下位再生ゾーンの平均炭素析出量が0.02wt%であった。反応生成物がオンラインガスクロマトグラフィーにより分析された。低級オレフィンの炭素収率が92.8wt%であった。
【0056】
以上、本発明を詳しく説明したが、本発明が上記した具体的な実施の形態には限定されない。当業者であれば分かるように、本発明の趣旨及び範囲から逸脱しない限り、その他の改良及び変形も可能である。本発明は、保護請求の範囲が特許請求の範囲に限定されるものである。
【符号の説明】
【0057】
1−反応器供給配管;1−1 第1の下位予備炭素析出ゾーン供給バイパスライン;1−2 第2の下位予備炭素析出ゾーン供給バイパスライン;1−3 第1の下位反応ゾーン供給バイパスライン;1−4 第2の下位反応ゾーン供給バイパスライン;2−濃厚相流動化床反応器;2−1 第1の下位予備炭素析出ゾーン;2−2 第2の下位予備炭素析出ゾーン;2−3 第1の下位反応ゾーン;2−4 第2の下位反応ゾーン;3−サイクロン;4−生成物配管;5−ストリッパー;6−水蒸気配管;7−ライザー;8−リフトガス配管;9−再生器供給配管;9−1 第1の下位再生ゾーン供給バイパスライン;9−2 第2の下位再生ゾーン供給バイパスライン;9−3 第3の下位再生ゾーン供給バイパスライン;9−4 第4の下位再生ゾーン供給バイパスライン;10−濃厚相流動化床再生器;10−1 第1の下位再生ゾーン;10−2 第2の下位再生ゾーン;10−3 第3の下位再生ゾーン;10−4 第4の下位再生ゾーン;11−サイクロン;12−排出ガス配管;13−ストリッパー;14−水蒸気配管;15−ライザー;16−リフトガス配管;17−物質流動制御器;18−物質オーバーフロー口;19−セパレータ;20−オリフィス;21−物質ダウンフロー管;22−底部バッフル;23−受熱部材。
図1
図2
図3
図4
図5