特許第6189588号(P6189588)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6189588
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】液晶表示装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1333 20060101AFI20170821BHJP
【FI】
   G02F1/1333
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-192982(P2012-192982)
(22)【出願日】2012年9月3日
(65)【公開番号】特開2014-48560(P2014-48560A)
(43)【公開日】2014年3月17日
【審査請求日】2015年8月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124154
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】小沼 渉
【審査官】 岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−079006(JP,A)
【文献】 特開平11−242237(JP,A)
【文献】 特開2010−060815(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0185103(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1333,
1/1345,
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示エリア及びCOGエリアを有し、
前記表示エリアに、液晶層を介して貼り合わされた一対の基板を備え、
前記COGエリアに、前記一対の基板のうちの一方の基板が延長された張出部が形成されており、
前記張出部にドライバICを備え、
前記張出部に前記張出部の長辺側及び側面側に沿って配置された、略コの字状をなす樹脂枠を備え、
カバーパネルと前記樹脂枠、前記ドライバIC及び前記一対の基板との間に充填された樹脂を備え、
前記カバーパネルが前記一対の基板に貼り合わされていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記樹脂枠は、複数の樹脂枠片からなることを特徴とする、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
液晶層を介して貼り合わされた一対の基板とカバーパネルとを用意し、
前記一対の基板のうちの一方の基板が延長された張出部にドライバICを搭載し、
前記張出部に前記張出部の長辺側及び側面側に沿って配置された、略コの字状をなす樹脂枠を貼り付け、
前記樹脂枠で区切られた領域を充填するだけの量を含む樹脂を前記一対の基板に塗布し、前記カバーパネル加圧して前記樹脂枠で区切られた領域まで前記樹脂を押し広げ、その後に前記樹脂を硬化させることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置及びその製造方法に関し、特に前面にカバーパネルが貼り合わされた液晶表示装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話などモバイル機器は軽薄短小化が進んでおり、そのために液晶表示装置(以下、LCDモジュールとする)等の表示デバイスの薄型化も必要である。表示デバイスの薄型化のためには、LCDモジュールの場合、ガラスの厚みを薄くすることが一般的である。
【0003】
その一方、モバイル機器に必要とされる落下強度、曲げ、振動などの機械的ストレスへの耐性は、従来製品と同等以上の性能が求められている。
【0004】
ガラスを薄くしたLCDモジュールでは必要な強度が確保できないため、LCDモジュールの上部にあるカバーパネルやカバーを兼ねるタッチパネルとLCDモジュールとを、樹脂や光学両面テープで貼り合わせることで剛性を上げる技術が存在する。この貼り合わせ技術を、スクリーンフィット工法と称する。
【0005】
スクリーンフィット工法を用いたLCDモジュールの製造方法においては、表側偏光板とカバーパネルとの間に塗布される紫外線硬化樹脂を、表示エリア全体にムラなく広がるように多目に塗布している。そして、カバーパネルと液晶表示装置のガラスとを加圧する際に、COG(Chip On Glass)エリアへ故意に紫外線硬化樹脂がはみ出すほどに供給し、カバーパネルと裏ガラスとの間のCOGエリアの隙間を樹脂で充填して硬化させている。これにより、落下強度、曲げ、振動などの機械的ストレスへの耐性を向上させ、ドライバIC(Integrated Circuit)の破損もしくはCOGエリア周辺のガラス破損を防ぐことができる。
【0006】
薄型化のためには、カバーパネルの材質は樹脂やガラスが好適である。しかしながらスクリーンフィット工法は平坦な面である表示エリアに限られ、表示エリアの外側にあるLCDモジュールのガラスにCOG形式で実装されているドライバICは、貼り合わせを実施することが困難である。このために、モバイル機器に機械的ストレスが印加された場合、スクリーンフィットを行った表示エリアには問題がないが、樹脂や光学両面テープが存在しないドライバICのIC破損もしくはCOGエリア周辺のガラス破損が大きな課題となっている。
【0007】
このようなカバーパネルが貼り合わされた液晶表示装置としては、特許文献1に記載されたものがある。図4は、特許文献1の保護板一体型液晶表示パネルの分解斜視図である。図4の液晶表示パネルは、観察側基板101、反対側基板102、偏光板103、ドライバ素子104などを有する液晶表示素子100と、観察面保護板108と、面光源106と、光源ケース107とを備えている。
【0008】
さらに、特許文献1に記載の液晶表示パネルでは、液晶表示素子100の張出部102aのドライバ素子104が搭載された面の両側の縁部にそれぞれ堰部材109が設けられている。この堰部材109は、帯状部材、例えば樹脂テープからなっており、張出部102aの観察側基板101の端縁に対応する部分から張出部102aの端縁にわたる長さに形成されている。
【0009】
液晶表示素子100と観察面保護板108との間隙に、液晶表示素子100と観察面保護板108とを接合するための樹脂が供給される。液晶表示素子100と観察面保護板108とが加圧されると、樹脂は液晶表示素子100の観察側基板101の外面全体及び張出部102aの略全体に対応する領域に押し広げられる。さらに、液晶表示素子100の張出部102aの両側の縁部に設けられた堰部材109と観察面保護板108との間の間隙に樹脂が充填される。堰部材109は張出部103aの両側方向への樹脂層の広がりを規制することが、特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2010−79006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上述した特許文献1の液晶表示パネルには以下のような課題がある。
【0012】
特許文献1に記載された液晶表示パネルでは、張出部102aと観察面保護板108との間の間隙に押し広げられた樹脂の余剰分は、間隙の周囲に押し広げられ、そのうち堰部材109の方向に押し広げられた樹脂は、堰部材109と観察面保護板108との間の間隙に充填される。そして、特許文献1では、堰部材109が形成されていない張出部102aの長手方向の辺からはみ出した樹脂は拭き取られる旨、記載されている。
【0013】
特許文献1に記載された液晶表示パネルでは、液晶表示素子100の周囲に余剰分の樹脂が広範囲にわたってはみ出すので、はみ出した樹脂を拭き取る工程が必要になり、工程数が増大する、という課題があった。
【0014】
本発明の目的は、上述した課題である、液晶表示装置の製造にスクリーンフィット工法を用いると、はみ出した樹脂を拭き取る工程が必要になり工程数が増大するという課題を解決する液晶表示装置及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記目的を達成するため、本発明に係る液晶表示装置は、
表示エリア及びCOGエリアを有し、
上記表示エリアに、液晶層を介して貼り合わされた一対の基板を備え、
上記COGエリアに、上記一対の基板のうちの一方の基板が延長された張出部が形成されており、
上記張出部にドライバICを備え、
上記張出部に上記張出部の長辺側に沿って配置された樹脂枠を備え、
カバーパネルと上記樹脂枠、上記ドライバIC及び上記一対の基板との間に充填された樹脂を備え、
上記カバーパネルが上記一対の基板に貼り合わされていることを特徴とする。
【0016】
本発明に係る液晶表示装置の製造方法は、
液晶層を介して貼り合わされた一対の基板とカバーパネルとを用意し、
上記一対の基板のうちの一方の基板が延長された張出部にドライバICを搭載し、
上記張出部に上記張出部の長辺側に沿って樹脂枠を貼り付け、
上記樹脂枠で区切られた領域を充填するだけの量を含む樹脂を上記一対の基板に塗布し、上記カバーパネルと加圧して上記樹脂枠で区切られた領域まで上記樹脂を押し広げ、その後に上記樹脂を硬化させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の液晶表示装置及びその製造方法によれば、樹脂のはみ出しを抑制することができ、製造工程数を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】(a)は本発明の第1実施形態に係る液晶表示装置の平面図であり、(b)は(a)のA−A線に沿った断面図である。
図2】(a)は本発明の第2実施形態に係る液晶表示装置の平面図であり、(b)は(a)のB−B線に沿った断面図である。
図3】(a)は本発明の第3実施形態に係る液晶表示装置の平面図であり、(b)は(a)のC−C線に沿った断面図である。
図4】特許文献1の保護板一体型液晶表示パネルを説明するための分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
〔第1実施形態〕
初めに、本発明の第1実施形態による液晶表示装置について、図面を参照しながら説明する。図1(a)は本発明の第1実施形態に係る液晶表示装置の平面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A線に沿った断面図である。
【0021】
本実施形態による液晶表示装置は、図1(a)及び図1(b)に示すように、表示エリア11及びCOGエリア12(ドライバICエリア)を有し、前面にカバーパネル9が貼り合わされた液晶表示装置である。表示エリア11では、一対の基板の一例としての、裏側ガラス基板1及び表側ガラス基板2が液晶層を介して貼り合わされている。COGエリア12では、裏側ガラス基板1が延長された張出部1aが形成されており、張出部1aにはドライバIC5が搭載されている。表示エリア11の、裏側ガラス基板1及び表側ガラス基板2の表面には、それぞれ裏側偏光板3及び表側偏光板4が貼り付けられている。COGエリア12の、裏側ガラス基板1の表面には、遮光テープ6が貼り付けられている。
【0022】
さらに本実施形態では、張出部1aの長辺側に沿って樹脂枠7が貼り付けられている。この樹脂枠7は、張出部1aの側面側の一方にもさらに設けてもよい。樹脂枠7は、紫外線を通すために透明であり、かつ、樹脂を硬化させる際の熱に耐えられるよう耐熱性のある材質が求められる。例えばPET材などが好適であるが、この限りではない。カバーパネル9の材質は樹脂またはガラスのどちらでもよく、また、タッチパネルモジュール等で構成してもよい。さらに、カバーパネル9と樹脂枠7、ドライバIC5及び裏側ガラス基板1及び表側ガラス基板2との間には紫外線硬化樹脂8が充填されて、上記カバーパネル9が貼り合わされている。
【0023】
次に、本実施形態による液晶表示装置の製造方法について説明する。液晶表示装置の製造過程において、紫外線硬化樹脂8を、表示エリア11の表側偏光板4とカバーパネル9との間の全体にムラなく広がるように多目に塗布する。さらに、カバーパネル9と裏側ガラス基板1とを加圧した際にはCOGエリア12に、紫外線硬化樹脂8がはみ出ることを狙いとした量の紫外線硬化樹脂8を供給する。COGエリア12にはみ出た紫外線硬化樹脂8は、樹脂枠7によって流れを制限される。紫外線硬化樹脂8は、COGエリア12のうちドライバIC5の側に優先的に流れ込むので、ドライバIC5は隙間なく紫外線硬化樹脂8で覆われる。さらに、COGエリア12のうち裏側ガラス基板1、カバーパネル9、ドライバIC5、樹脂枠7で囲まれた範囲に紫外線硬化樹脂8が隙間なく充填される。
【0024】
次に、カバーパネル9と裏側ガラス基板1とを加圧した状態で紫外線照射及び加熱すると、表示エリア11だけでなくCOGエリア12に充填された紫外線硬化樹脂8も硬化される。これにより、ドライバIC5は裏側ガラス基板1に確実に固着でき、かつ、カバーパネル9と裏側ガラス基板1との間に隙間がなくなることから、樹脂硬化後の落下、曲げ、振動などの機械的ストレスに対してドライバIC5の破損耐性を向上させることができる。
【0025】
このように、COGエリア12のうちドライバIC5の周囲に紫外線硬化樹脂8を充填させ、硬化させることにより、樹脂硬化後の落下、曲げ、振動などの機械的ストレスに対してドライバIC5の破損耐性を向上させることができる。
【0026】
さらに本実施形態では、樹脂枠7は図1に示したように、COGエリア12の張出部1aの長辺側に沿って配置される。COGエリア12にはみ出た紫外線硬化樹脂8は、裏側ガラス基板1の張出部1aの長辺側に配置された樹脂枠7によって流れを制限され、ドライバIC5の側に流れ込む。これにより、ドライバIC5は、紫外線硬化樹脂8で覆われ、かつ、COGエリア12のうち裏側ガラス基板1、カバーパネル9、ドライバIC5、樹脂枠7で囲まれた範囲に紫外線硬化樹脂8が隙間なく充填される。次にカバーパネル9と裏側ガラス基板1とを加圧しながら紫外線照射及び加熱すると、表示エリア11だけでなく、COGエリア12に充填された紫外線硬化樹脂8も硬化されるので、ドライバIC5は裏側ガラス基板1に確実に固着でき、かつ、カバーパネル9と裏側ガラス基板1との間に隙間がなくなる。これにより、樹脂硬化後の落下、曲げ、振動などの機械的ストレスに対してドライバIC5の破損耐性を向上させることができ、かつ、COGエリア12のガラス割れを防ぐことができる。
【0027】
本実施形態による液晶表示装置によれば、COGエリア12に流れ出した樹脂は、COGエリア12の張出部1aの長辺側に沿って配置された樹脂枠7により堰止められるので、液晶表示装置の周囲への樹脂のはみ出しを抑制することができる。これにより、はみ出した樹脂の拭き取り工程が不要になり、製造工程数を削減できる。
【0028】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態による液晶表示装置について、図面を参照しながら説明する。図2(a)は本発明の第2実施形態に係る液晶表示装置の平面図であり、図2(b)は図2(a)のB−B線に沿った断面図である。第1実施形態と同様な構成については同じ参照番号を付すこととして、その詳細な説明は省略する。
【0029】
本実施形態による液晶表示装置は、図1(a)及び図1(b)に示すように、表示エリア11及びCOGエリア12(ドライバICエリア)を有し、前面にカバーパネル9が貼り合わされた液晶表示装置である。表示エリア11では、一対の基板の一例としての、裏側ガラス基板1及び表側ガラス基板2が液晶層を介して貼り合わされている。COGエリア12では、裏側ガラス基板1が延長された張出部1aが形成されており、張出部1aにはドライバIC5が搭載されている。表示エリア11の、裏側ガラス基板1及び表側ガラス基板2の表面には、それぞれ裏側偏光板3及び表側偏光板4が貼り付けられている。COGエリア12の、裏側ガラス基板1の表面には、遮光テープ6が貼り付けられている。
【0030】
さらに本実施形態では、張出部1aの外形に対応させて、略コの字型の樹脂枠7が貼り付けられている。樹脂枠7は、紫外線を通すために透明であり、かつ、樹脂を硬化させる際の熱に耐えられるよう耐熱性のある材質が求められる。例えばPET材などが好適であるが、この限りではない。カバーパネル9の材質は樹脂またはガラスのどちらでもよく、また、タッチパネルモジュール等で構成してもよい。さらに、カバーパネル9と樹脂枠7、ドライバIC5及び裏側ガラス基板1及び表側ガラス基板2との間には紫外線硬化樹脂8が充填されて、上記カバーパネル9が貼り合わされている。
【0031】
次に、本実施形態による液晶表示装置の製造方法について説明する。第1実施形態と同様に、液晶表示装置の製造過程において、紫外線硬化樹脂8を表示エリア11の表側偏光板4とカバーパネル9との間の全体にムラなく広がるように多目に塗布する。さらに、カバーパネル9と裏側ガラス基板1とを加圧した際には、COGエリア12に、紫外線硬化樹脂8がはみ出ることを狙いとした量の紫外線硬化樹脂8を供給する。COGエリア12にはみ出た紫外線硬化樹脂8は、COGエリア12の周辺部を裏側ガラス基板1の辺に沿うように配置された樹脂枠7によって流れを制限される。紫外線硬化樹脂8は、COGエリア12のうちドライバIC5の側に優先的に流れ込むので、ドライバIC5は隙間なく紫外線硬化樹脂8で覆われる。さらに、COGエリア12のうち裏側ガラス基板1、カバーパネル9、ドライバIC5、樹脂枠7で囲まれた範囲に紫外線硬化樹脂8が隙間なく充填される。
【0032】
次に、カバーパネル9と裏側ガラス基板1とを加圧した状態で紫外線照射及び加熱すると、表示エリア11だけでなくCOGエリア12に充填された紫外線硬化樹脂8も硬化される。これにより、ドライバIC5は裏側ガラス基板1に確実に固着でき、かつ、カバーパネル9と裏側ガラス基板1との間に隙間がなくなることから、樹脂硬化後の落下、曲げ、振動などの機械的ストレスに対してドライバIC5の破損耐性を向上させることができる。
【0033】
このように、COGエリア12のうちドライバIC5の周囲へ重点的に紫外線硬化樹脂8を充填させ、硬化させることにより、樹脂硬化後の落下、曲げ、振動などの機械的ストレスに対してドライバIC5の破損耐性を向上させることができる。
【0034】
さらに本実施形態では、樹脂枠7は図1に示したように、COGエリア12の周辺部を裏側ガラス基板1の辺に沿うように配置される。樹脂枠7の形状は、裏側ガラス基板1の三辺をカバーする形状としている。図1では樹脂枠7は、略コの字型をなしている。樹脂枠は後述する第3実施形態のように、複数のパーツに分かれていてもよい。
【0035】
本実施形態では、COGエリア12にはみ出た紫外線硬化樹脂8は、裏側ガラス基板1の三辺をカバーする形状の樹脂枠7によって流れを制限される。そのため、紫外線硬化樹脂8はCOGエリア12の裏側ガラス基板1の外側(左右、下方向とも)へはみ出さず、ドライバIC5の側に流れ込む。これにより、ドライバIC5は、隙間なく紫外線硬化樹脂8で覆われ、かつ、COGエリア12のうち裏側ガラス基板1、カバーパネル9、ドライバIC5、樹脂枠7で囲まれた範囲に紫外線硬化樹脂8が隙間なく充填される。かつ、裏側ガラス基板1よりも外側(左右、下方向とも)には紫外線硬化樹脂8がはみ出すことはない。次に、カバーパネル9と裏側ガラス基板1とを加圧しながら紫外線照射及び加熱すると、表示エリア11だけでなく、COGエリア12に充填された紫外線硬化樹脂8も硬化される。そのため、ドライバIC5は裏側ガラス基板1に確実に固着でき、かつ、カバーパネル9と裏側ガラス基板1との間に隙間がなくなる。これにより、樹脂硬化後の落下、曲げ、振動などの機械的ストレスに対してドライバIC5の破損耐性を向上させることができ、かつ、COGエリア12のガラス割れを防ぐことができる。
【0036】
本実施形態による液晶表示装置によれば、COGエリア12に流れ出した樹脂は、COGエリア12の周辺部を裏側ガラス基板1の辺に沿うように配置された、略コの字型の樹脂枠7により堰止められる。そのため、液晶表示装置の周囲への樹脂のはみ出しを抑制することができる。これにより、はみ出した樹脂の拭き取り工程が不要になり、製造工程数を削減できる。
【0037】
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態による液晶表示装置について、図面を参照しながら説明する。図3(a)は本発明の第3実施形態に係る液晶表示装置の平面図であり、図3(b)は図3(a)のC−C線に沿った断面図である。第2実施形態と同様な構成については同じ参照番号を付すこととして、その詳細な説明は省略する。
【0038】
本実施形態では、第2実施形態による液晶表示装置の樹脂枠7を、複数の樹脂枠片から構成したものである。具体的には、本実施形態の実施形態による液晶表示装置は、図2(a)及び図2(b)に示すように、表示エリア11及びCOGエリア12を有し、前面にカバーパネル9が貼り合わされた液晶表示装置である。そして、第2実施形態と同様に表示エリア11では、一対の基板の一例としての、裏側ガラス基板1及び表側ガラス基板2が液晶層を介して貼り合わされている。COGエリア12では、裏側ガラス基板1が延長された張出部1aが形成されており、張出部1aにはドライバIC5が搭載されている。第2実施形態と同様に、表示エリア11の、裏側ガラス基板1及び表側ガラス基板2の表面には、それぞれ裏側偏光板3及び表側偏光板4が貼り付けられている。COGエリア12の、裏側ガラス基板1の表面には、遮光テープ6が貼り付けられている。
【0039】
そして本実施形態では、張出部1aの外形に対応させて、COGエリア12の周辺部を裏側ガラス基板1の辺に沿うように、複数の樹脂枠片7a、7b及び7cが貼り付けられており、複数の樹脂枠片7a、7b及び7cは全体として、略コの字型をなしている。さらに、カバーパネル9と複数の樹脂枠片7a、7b及び7c、ドライバIC5及び裏側ガラス基板1及び表側ガラス基板2との間には紫外線硬化樹脂8が充填されて、上記カバーパネル9が貼り合わされている。
【0040】
本実施形態では、COGエリア12にはみ出た紫外線硬化樹脂8は、裏側ガラス基板1の三辺をカバーする形状の複数の樹脂枠片7a、7b及び7cによって流れを制限される。そのため、紫外線硬化樹脂8はCOGエリア12の裏側ガラス基板1の外側(左右、下方向とも)へはみ出さず、ドライバIC5の側に流れ込む。これにより、ドライバIC5は、隙間なく紫外線硬化樹脂8で覆われ、かつ、COGエリア12のうち裏側ガラス基板1、カバーパネル9、ドライバIC5、樹脂枠片7a、7b及び7cで囲まれた範囲に紫外線硬化樹脂8が隙間なく充填される。かつ、裏側ガラス基板1よりも外側(左右、下方向とも)には紫外線硬化樹脂8がはみ出すことはない。次にカバーパネル9と裏側ガラス基板1とを加圧しながら紫外線照射及び加熱すると、表示エリア11だけでなく、COGエリア12に充填された紫外線硬化樹脂8も硬化される。これにより、ドライバIC5は裏側ガラス基板1に確実に固着でき、かつ、カバーパネル9と裏側ガラス基板1との間に隙間がなくなる。その結果、樹脂硬化後の落下、曲げ、振動などの機械的ストレスに対してドライバIC5の破損耐性を向上させることができ、かつ、COGエリア12のガラス割れを防ぐことができる。
【0041】
本実施形態による液晶表示装置によれば第2実施形態と同様に、COGエリア12に流れ出した樹脂は複数の樹脂枠片7a、7b及び7cにより堰止められるので、液晶表示装置の周囲への樹脂のはみ出しを抑制することができる。これにより、はみ出した樹脂の拭き取り工程が不要になり、製造工程数を削減できる。さらに、複数の樹脂枠片7a、7b及び7cの配置で、第2の実施形態と同様な機能を持たせているので、単純な形状で樹脂枠を用意することができ、樹脂枠自体の調達費用を削減しつつ、製造工程数を削減することができる。
【0042】
好ましい実施形態について図面を参照しながら説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施形態では液晶表示装置に本発明を適用した場合で説明したが、本発明は有機エレクトロルミネッセンス(OLED)装置に適用することも考えられる。
【0043】
本発明は上記実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、これらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0044】
1 裏側ガラス基板
1a 張出部
2 表側ガラス基板
3 裏側偏光板
4 表側偏光板
5 ドライバIC
6 遮光テープ
7 樹脂枠
7a、7b、7c 樹脂枠片
8 紫外線硬化樹脂
9 カバーパネル
11 表示エリア
12 COGエリア
図1
図2
図3
図4