特許第6189601号(P6189601)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6189601
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】パルスシャワー装置
(51)【国際特許分類】
   A47K 3/28 20060101AFI20170821BHJP
   E03C 1/042 20060101ALI20170821BHJP
   A61H 9/00 20060101ALI20170821BHJP
   A61H 23/04 20060101ALI20170821BHJP
   B05B 1/18 20060101ALI20170821BHJP
【FI】
   A47K3/22
   E03C1/042 B
   A61H9/00
   A61H23/04
   B05B1/18 101
【請求項の数】2
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-20259(P2013-20259)
(22)【出願日】2013年2月5日
(65)【公開番号】特開2014-150822(P2014-150822A)
(43)【公開日】2014年8月25日
【審査請求日】2015年8月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】302045705
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100076473
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 昭夫
(72)【発明者】
【氏名】板頭 伸明
(72)【発明者】
【氏名】堂本 直揮
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 彰吾
【審査官】 渋谷 知子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−161023(JP,A)
【文献】 実開平04−061024(JP,U)
【文献】 特開平03−024418(JP,A)
【文献】 特開2003−052565(JP,A)
【文献】 特開2007−239643(JP,A)
【文献】 特開平04−011961(JP,A)
【文献】 特開2001−314467(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 3/28
A61H 9/00
A61H 23/04
B05B 1/18
E03C 1/042
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内面から外面に貫通した複数のシャワー孔を備えた散水板と、
該散水板の上流側に設けられ、水流を羽根に当てることで軸周りに回転運動する羽根車と、を備え、該羽根車の回転により前記シャワー孔からシャワー水をパルス状に断続吐水するパルスシャワー装置において、
前記羽根車の前記散水板側の面をフラットな面と成し、
前記散水板には、前記羽根車側に突出する突起を設けて、該突起の頂部を、該頂部に対向する該羽根車の該散水板側の被支持面に回転中心で当接し該羽根車を支持する当接部と成し、該当接部の周りに、前記シャワー孔に向けて傾斜し又は湾曲した傾斜面又は湾曲面を設けるとともに、前記散水板の前記羽根車側の面であって平面視で該羽根車と重なる部分の全体を、前記突起を除いてフラットな面と成したことを特徴とするパルスシャワー装置。
【請求項2】
内面から外面に貫通した複数のシャワー孔を備えた散水板と、
該散水板の上流側に設けられ、水流を羽根に当てることで軸周りに回転運動する羽根車と、を備え、該羽根車の回転により前記シャワー孔からシャワー水をパルス状に断続吐水するパルスシャワー装置において、
前記羽根車には、前記散水板側に突出する突起を設けて、該突起の頂部を、該頂部に対向する該散水板の該羽根車側の支持面に回転中心で当接し該支持面にて支持される当接部と成し、該当接部の周りに、傾斜し又は湾曲した傾斜面又は湾曲面を設け、
且つ該散水板の該支持面を含む前記羽根車側の面であって平面視で該羽根車と重なる部分の全体をフラットな面としたことを特徴とするパルスシャワー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はシャワー装置に関し、詳しくはシャワー孔からシャワー水をパルス状に断続吐水するパルスシャワー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シャワー装置として、内面から外面に貫通した複数のシャワー孔を備えた散水板と、散水板の上流側に設けられ、水流を羽根に当てることで軸周りに回転運動する羽根車とを備え、羽根車の回転によりシャワー孔からシャワー水をパルス状に断続吐水するパルスシャワー装置が公知である。
【0003】
例えば下記特許文献1には、シャワーヘッド内部に羽根車を備え、その羽根車の回転運動により散水板のシャワー孔からシャワー水をパルス状に断続吐水する構造が開示されている。
また下記特許文献2に、同じくシャワーヘッド内部に羽根車を備え、その羽根車の回転運動により散水板のシャワー孔からシャワー水をパルス状に断続吐水する構造が開示されている。
【0004】
しかしながらこれら特許文献1,特許文献2に開示のものは、羽根車に対する散水板の支持部と、羽根車の被支持部との接触面積が大で摩擦抵抗が大きく、羽根車の円滑な回転が阻害される恐れがある。
また摩耗カス(摩耗粉)が多く発生して、その摩耗カスが支持部と被支持部との接触面に噛み込まれることで、羽根車の円滑な回転を一層阻害してしまう。
【0005】
特に摩耗の進行により、支持部と被支持部との間に噛み込まれる摩耗カスの量が累積して来ると、羽根車の回転運動が次第に鈍くなって、遂には回転不十分となり、所要のパルスシャワー機能が確保し難くなって使用寿命に達してしまう恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平5−39664号公報
【特許文献2】特開2011−161023号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は以上のような事情を背景とし、羽根車の円滑な回転運動を確保でき、また優れた耐久性を有するパルスシャワー装置を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
而して請求項1のものは、内面から外面に貫通した複数のシャワー孔を備えた散水板と、該散水板の上流側に設けられ、水流を羽根に当てることで軸周りに回転運動する羽根車と、を備え、該羽根車の回転により前記シャワー孔からシャワー水をパルス状に断続吐水するパルスシャワー装置において、前記羽根車の前記散水板側の面をフラットな面と成し、前記散水板には、前記羽根車側に突出する突起を設けて、該突起の頂部を、該頂部に対向する該羽根車の該散水板側の被支持面に回転中心で当接し該羽根車を支持する当接部と成し、該当接部の周りに、前記シャワー孔に向けて傾斜し又は湾曲した傾斜面又は湾曲面を設けるとともに、前記散水板の前記羽根車側の面であって平面視で該羽根車と重なる部分の全体を、前記突起を除いてフラットな面と成したことを特徴とする。

【0010】
請求項のものは、内面から外面に貫通した複数のシャワー孔を備えた散水板と、該散水板の上流側に設けられ、水流を羽根に当てることで軸周りに回転運動する羽根車と、を備え、該羽根車の回転により前記シャワー孔からシャワー水をパルス状に断続吐水するパルスシャワー装置において、前記羽根車には、前記散水板側に突出する突起を設けて、該突起の頂部を、該頂部に対向する該散水板の該羽根車側の支持面に回転中心で当接し該支持面にて支持される当接部と成し、該当接部の周りに、傾斜し又は湾曲した傾斜面又は湾曲面を設け、且つ該散水板の該支持面を含む前記羽根車側の面であって平面視で該羽根車と重なる部分の全体をフラットな面としたことを特徴とする。
【発明の作用・効果】
【0011】
以上のように請求項1は、羽根車側に突出する突起を散水板に設けて、その突起の頂部を、羽根車の散水板側の被支持面に回転中心で当接し羽根車を支持する当接部と成したものである。ここで被支持面はフラットな面となしておくことができる。
この請求項1によれば、当接部を羽根車の被支持面に対して点状に接触させる等可及的に小さな接触面積で当接させることが可能である。
しかも請求項1では、当接部を羽根車の回転中心で被支持面に当接させるため、羽根車の円滑な回転を確保できる。
【0012】
羽根車の回転中心で当接部を羽根車の被支持面に当接させた場合、当接部と被支持面との間に発生する摩擦抵抗は小さく、羽根車の円滑な回転は実質的に阻害されない。
また当接部や羽根車の被支持面が摩耗したとしても、発生する摩耗カスの量は微量であり、且つ仮に摩耗カスが当接部と被支持面との間に噛み込まれたとしても、当接部と被支持面との接触面積が微小で、その接触面への噛込み量も微量であるため、従来のパルスシャワー装置のように多くの摩耗カスが発生して、その摩耗カスが広い接触面積に亘って噛み込まれてしまう場合に比べ、羽根車回転に対する摩耗カスによる悪影響は極めて微小である。
従って請求項1によれば、長期に亘って羽根車の円滑な回転を確保することができ、パルスシャワー装置の耐久性を高めることができる。
【0013】
この請求項1では、突起の上部を断面(縦断面)山形状とし、そしてその頂部を当接部とすることができる。
この場合において、突起の上部を断面円弧形状その他の連続した湾曲形状としておくことができる。或いは円錐形状や角錐形状等の錐形状としてその頂部としての頂点ないし頂点を含む周辺部を当接部とすることができる。
これらの場合には、当接部を羽根車の被支持面に対して点接触若しくはこれに近い状態で接触させることができる。
【0014】
また請求項1は、上記の当接部周りに、シャワー孔に向けて傾斜し又は湾曲した傾斜面又は湾曲面を設けたものである。
この請求項によれば、当接部や羽根車の被支持面が摩耗して摩耗カスが発生した場合であっても、摩耗カスが傾斜面又は湾曲面によってシャワー孔に向けて案内され(シャワー孔に向う水の流れに乗ってシャワー孔に案内され)、シャワー水とともにシャワー孔から外部に排出されるため、摩耗カスが残留することによって羽根車の円滑な回転を阻害してしまうのをより確実に防止ないし抑制することができる。
【0015】
この請求項においては、突起の上部を断面円弧形状その他の湾曲形状とし、或いは円錐形状,角錐形状等の錐形状とした場合において、頂点に続く周面を傾斜面又は湾曲面とすることができる。
また場合によって突起の下部の周面を傾斜面又は湾曲面として形成することもできる。
或いは散水板内面から羽根車に向って膨出部を設けて、その膨出部から上記の突起を起立させ、そしてその膨出部の周面を上記の傾斜面や湾曲面として形成しておくこともできる。
【0016】
一方請求項は、散水板側に突出する突起を羽根車に設けて、その突起の頂部を、散水板の羽根車側の支持面に回転中心で当接し、支持面にて支持される当接部と成し、且つ散水板の上記支持面を含む羽根車側の面であって平面視で羽根車と重なる部分の全体を面一のフラットな面となしたものである。
この請求項においても、羽根車側の当接部を散水板の支持面に対して点状に接触させる等、可及的に小さな接触面積で当接させることが可能であり、請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0017】
この請求項においても、突起の下部を断面(縦断面)山形状とし、そしてその頂部を当接部とする等、請求項1における突起の上部と同様の形状で形成することができる。
そしてその頂部としての頂点ないし頂点を含む周辺部を当接部とすることができる。
これにより当接部を散水板の支持面に対して点接触若しくはこれに近い状態で接触させることができる。
【0018】
請求項では、散水板の上記支持面を含む羽根車側の面であって平面視で羽根車と重なる部分の全体をフラットな面となしており、このようにすることで、散水板に向って突出した突起の頂部即ち当接部が摩耗し、摩耗カスが発生した場合であっても、その摩耗カスを良好にシャワー孔に逃し、外部へと排出することができる。

【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態のパルスシャワー装置を備えた水栓を示した図である。
図2図1の吐水管の先端部の構造を示した図である。
図3】同実施形態のパルスシャワー装置の断面図である。
図4図3のパルスシャワー装置の構成部品を分解して示した斜視図である。
図5図4の羽根車を異なる方向から示した図である。
図6】(A)同実施形態の羽根車とシャワー孔との関係を示した模式図である。(B)同羽根車のシャワー孔遮断部及びシャワー孔開放部を示した図である。
図7】本発明の他の実施形態の要部を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1において、10は水栓(この例では湯水混合水栓、以下単に水栓とすることがある)で、12はカウンタ上に露出状態に設置される吐水部、14はカウンタ下に配置される制御機能部,16は更にその下側に配置される温調機能部である。
温調機能部16は、壁から突き出した水側,湯側の一対のクランク脚18に接続された湯水混合バルブ20をカバー22の内側に有している。
【0021】
湯水混合バルブ20は、それら水側,湯側の各クランク脚18から供給された水,湯を所定比率で混合するとともに、混合水を吐水部12に向けて図中上向きに供給する。
この湯水混合バルブ20からは、温調ハンドル24が図中下向きに突き出している。
【0022】
制御機能部14は、カバー26の内側に吐止水弁としての電磁弁28と、これを作動制御する制御基板30とを有している。
制御機能部14は、制御基板30による制御の下で電磁弁28を開弁又は閉弁させることで、吐水部12からの吐水と止水とを行わせる。
【0023】
吐水部12は、カウンタ上に起立する吐水管32,吐水管32の付根部からカウンタに沿って側方に延び出した操作盤38を有している。
操作盤38には、吐止水形態を変更するための操作スイッチ50が設けられている。
ここで操作スイッチ50は、後述の人体検知センサ42による人体検知の有無に拘らず、手動操作によって吐水口40から連続吐水又は止水させる吐止水スイッチとされている。
【0024】
吐水管32の上端側には、円筒状の吐水口40を含むパルスシャワー装置(以下単にシャワー装置とする)45が設けられており、更にその上側位置に、差し出された手等を検知する人体検知センサ42が設けられている。
【0025】
この例の水栓10は自動水栓で、人体検知センサ42が差し出された手等を検知すると、制御機能部14において、制御基板30による制御の下に電磁弁28が開弁され、温調機能部16における上記の湯水混合バルブ20からの混合水が吐水口40から自動吐水される。
また人体非検知となることで電磁弁28が閉弁され、吐水口40からの吐水が自動停止される。
【0026】
吐水管32からは、雄ねじ管34が下向きに延び出している。
吐水管32及び操作盤38は、この雄ねじ管34及び締付ナット36にてカウンタに取付固定される。
詳しくは、雄ねじ管34をカウンタの取付孔を挿通してその裏側まで突き出させ、そしてその突き出した部分に締付ナット36をねじ込み、これを3角パッキン37を介してカウンタ裏側に締め付けることで、吐水管32及び操作盤38がカウンタ上に固定状態に設置される。
【0027】
吐水管32の内部には、各一端が吐水口40,人体検知センサ42にそれぞれ接続された給水チューブ44と、センサ配線46とが通っている。
これら給水チューブ44とセンサ配線46は、それぞれ吐水管32から雄ねじ管34内を通って下向きに延び出している。
同じく操作盤38から延び出したスイッチ配線52が、雄ねじ管34内を通って下向きに延び出している。
そして給水チューブ44が制御機能部14の電磁弁28に接続され、またセンサ配線46及びスイッチ配線52が、同じく制御機能部14の制御基板30に接続されている。
上記吐水管32にはまた、図示を省略する水槽の排水口を開閉するポップアップ排水栓を操作するための引き棒48が設けられている。
【0028】
図2に示しているように、吐水管32の先端部には、吐水口40を含むシャワー装置45及び人体検知センサ42を保持した保持部材54が配置され、吐水管32本体に固定されている。
保持部材54は管状の接続部56を有しており、その接続部56に対して給水チューブ44が差込状態に接続されている。
この保持部材54はまた閉鎖部58を有しており、その閉鎖部58にて、吐水管32の先端部の開口60を閉鎖している。
【0029】
吐水口40の下面には、シャワー装置45の要素を成す散水板62が設けられている。
この散水板62には、これを内面から外面(下面)に貫通した多数のシャワー孔64が、2重の同心円をなす状態に配置されている。
図中64-1は外周側のシャワー孔を、また64-2は内周側のシャワー孔を示している。
【0030】
図3及び図4にシャワー装置の具体的な構成が示してある。
図に示しているようにシャワー装置45は、そのケースとしての円筒状の吐水口40と、その内側に配置されたキャップ66,ノズルシート68,ノズルシート押え70,羽根車72,水流噴射部材74とを有している。
ここでノズルシート68以外の各部材は、何れも硬質の樹脂製とされている。
【0031】
図3に示しているように、吐水口40は図中上部に円筒形状の小径部76を有している。この小径部76の外周面には雄ねじ部78が設けられている。
一方上記の保持部材54には、対応する円筒部80が設けられている。そしてこの円筒部80の内周面に雌ねじ部82が設けられている。
吐水口40は、小径部76の雄ねじ部78と円筒部80の雌ねじ部82のねじ結合により保持部材54に組み付けられ、保持されている。
尚、吐水口40と保持部材54との間は、図2にも示しているようにリング状の弾性シール部材84にて水密にシールされている。
【0032】
上記キャップ66は、円筒形状の周壁部86と底部88とを有している。
底部88には、上記シャワー孔64に対応した数の多数の挿通孔90が底部88を貫通して設けられている。
一方周壁部86には、外周面に雄ねじ部92が設けられている。
キャップ66はこの雄ねじ部92において、吐水口40における大径側の下部の内周面に形成された雌ねじ部94に螺合され、吐水口40にねじ結合されている。
【0033】
尚、図4に示しているようにキャップ66には、周壁部86の周方向3個所に切欠形状の縦の溝101が設けられている。
キャップ66は、この溝101よりも図中下部において、図3に示しているように弾性を有するOリング102にて吐水口40との間が水密にシールされている。
【0034】
この実施形態において、散水板62は、キャップ66の底部88と、これに重ねられたノズルシート68のシート部96と、更にこれに重ねられたノズルシート押え70との3重積層構造で構成されている。
ノズルシート68はゴム製(他のエラストマー材料から成るものであっても良い)であり、このノズルシート68はシート部96と、シート部96から下向きに突き出した多数のノズル部98とを有しており、各ノズル部98が、樹脂製のキャップ66の底部88に形成された挿通孔90を挿通して、それぞれの先端部が下向きに突き出している。
これら複数のノズル部98は、内部にノズル孔64Aを有しており、それらノズル孔64Aによってシャワー孔64の下部を形成している。
【0035】
ノズルシート68のシート部96は、図中下面が下向きに凸、図中上面が下向きに凹となるような湾曲形状をなしており、そしてその下面から直角に立下る形状で、各ノズル部98がシート部96に一体に形成されている。
これに対応してノズル押え70は、その下面がノズルシート68におけるシート部96の凹曲面に対応した凸曲面を成している。
【0036】
このノズルシート押え70には、ノズル孔64Aと連通し、上記のシャワー孔64の上部を形成する多数の貫通の連通孔64Bが設けられている。
尚このノズルシート押え70には、図4に示しているように周方向3個所に、後述の水流噴射部材74における押え脚120からの力を受ける被押圧部104が、径方向外向きに突出する形で設けられている。
ノズルシート押え70は、これら被押圧部104をキャップ66の上記の溝101内部に嵌め入れる状態に、キャップ66内部に組み込まれている。
【0037】
ノズルシート押え70の図中上側(上流側)には、羽根車72が回転可能に配置されている。
羽根車72は、図5に示しているように中心部に図中下端が閉鎖された形状の有底円筒状の嵌合部106を有しており、この嵌合部106が、水流噴射部材74の後述の軸部118に嵌め合されている。
羽根車72は、これら軸部118と嵌合部106との嵌合に基づいて、軸部118周りに回転運動せしめられる。
【0038】
羽根車72は、中心側から外周側に向って部分螺旋形状で延びる羽根108を周方向に一定ピッチで多数有している。
羽根車72はまた、図中下面側に、ノズルシート押え70の内面に沿って所定周長で延び、羽根車72の図中下面を部分的に閉鎖するシャワー孔遮断部110を有している。
シャワー孔遮断部110は、ノズルシート押え70の多数の連通孔64B、即ち多数のシャワー孔64を部分的に覆ってこれを遮断作用する。
【0039】
羽根車72はまた、シャワー孔遮断部110を除いた部分において、散水板62内面、具体的にはノズルシート押え70の内面に向けて開放されたシャワー孔開放部112を、周方向に180°隔たった2個所に有している。
ここで一対のシャワー孔開放部112は、内周側の端から外周側の端に到るまで、ほぼ同じ幅寸法を維持しながら延びている。
ここでは内周側の端の幅寸法(周方向長)X図6参照)の、同一円周上における全周長に対する比率が0.18であり、また外周側の端の幅寸法(周方向長)Xの、同一円周上における全周長に対する比率が0.06である。
【0040】
羽根車72にはまた、各羽根108の外周端及びシャワー孔遮断部110を連結する円環状の連結部114が、シャワー孔遮断部110から起立する形態で設けられている。
【0041】
図3において、羽根車72の図中上側には水流噴射部材74が配置されている。
この水流噴射部材74は、上流側から流れて来た水を噴射孔116に導入してこれを通過させる。そして通過水を噴射水流として図中下側の羽根車72の羽根108に当て、羽根車72を回転駆動する。
ここで噴射孔116は、噴射水流が羽根車72の部分螺旋形状をなす羽根108の凹面側に当るように、その向きが定められている。
水流噴射部材74は、その中心部から下向きに突き出した軸部118を有しており、この軸部118に対して羽根車72の上記の嵌合部106が回転可能に嵌合されている。
【0042】
この水流噴射部材74にはまた、図4に示しているように外周部において周方向3個所から下向きに立下る押え脚120が設けられている。
これら押え脚120は、キャップ66の上記の縦の溝101内に下向きに嵌入し、上記のノズルシート押え70の被押圧部104に下端を当て、これを下向きに押圧作用する。即ちノズルシート押え70に下向きの力を加える。
ノズルシート押え70は、この下向きの力を受けてノズルシート68をキャップ66の底部88に向けて押圧する。
【0043】
この実施形態においては、ノズルシート押え70の中心、即ち羽根車72の回転中心において、図4に示しているようにその内面122から図中上向きで羽根車72側に突出する突起124が設けられている。
突起124は、その上部が断面(縦断面)山形状をなしている。具体的にはここでは上部が部分球状をなしており、その断面形状が半径Rの円弧形状をなしている。
【0044】
そしてその頂点が、図3の部分拡大図に示しているように羽根車72の回転中心において羽根車72下面に当接せしめられている。
即ちここでは突起124の頂点が、羽根車72下面の一部である被支持面130に当接して羽根車72を下側から支持する当接部126を成している。
【0045】
この実施形態において、羽根車72は下面全体が、羽根車72の軸線と直交方向である軸直角方向にフラットな面をなしており、従って被支持面130もまたフラットな面をなしている。
同様にノズルシート押え70の内面(図中上面)もまた、その全体がフラットな面をなしている。
但し場合によって羽根車72下面の、被支持面130以外の部分を他の形状とすることも可能である。
【0046】
上記突起124は、当接部126から離れるに連れてノズルシート押え70の内面122に向って移行する湾曲面、具体的にはここでは円弧面128をなしている。
この円弧面128は、羽根車72の回転運動に伴い、当接部126や被支持面130が摩耗したときに、発生した摩耗カスをノズルシート押え70の内面122に向けて、つまりは連通孔64B(即ちシャワー孔64)に向けて排出案内する働きを有する。
【0047】
この実施形態のシャワー装置45は次のようにして組み付けることができる。
先ずキャップ66の内部にノズルシート68,ノズルシート押え70,羽根車72,水流噴射部材74を収めておく。
その状態でキャップ66を、円筒状をなす吐水口40に対して上向きにねじ込む。するとノズルシート68,ノズルシート押え70,羽根車72,水流噴射部材74が持ち上げられ、そして水流噴射部材74が吐水口40の段付形状の肩部132(図3参照)に当って、キャップ66内部の各部材、具体的にはノズルシート68,ノズルシート押え70,羽根車72,水流噴射部材74が固定される。
【0048】
このとき水流噴射部材74の押え脚120には、キャップ66の上向きのねじ込み力によって下向きの力が加わり、押え脚120によってノズルシート押え70がノズルシート68に押し付けられて、これを下向きに押える。
【0049】
その状態で上流側から水が流れて来ると、その水が水流噴射部材74の噴射孔116を通過して流れ、その際に通過水が噴射水流となって羽根車72の羽根108に当り、これを回転運動する。
そして羽根車72の回転運動によりシャワー孔64が断続的に遮断及び開放され、シャワー孔64からシャワー水がパルス状に断続吐水される。
【0050】
以上のように本実施形態によれば、当接部126を羽根車72の被支持面130に対して点状に接触させることができる。
しかも本実施形態では、当接部126を羽根車72の回転中心で被支持面130に当接させるため、羽根車72の円滑な回転を確保できる。
【0051】
羽根車72の回転中心で当接部126を羽根車72の被支持面130に当接させた場合、当接部126と被支持面130との間に発生する摩擦抵抗は小さく、羽根車72の円滑な回転は実質的に阻害されない。
また当接部126や羽根車72の被支持面130が摩耗したとしても、発生する摩耗カスの量は微量であり、且つ仮に摩耗カスが当接部126と被支持面130との間に噛み込まれたとしても、当接部126と被支持面130との接触面積が微小で、その接触面への噛込み量も微量であるため、従来のパルスシャワー装置のように多くの摩耗カスが発生して、その摩耗カスが広い接触面積に亘って噛み込まれてしまう場合に比べ、羽根車72回転に対する摩耗カスによる悪影響は極めて微小である。
従って本実施形態によれば、長期に亘って羽根車72の円滑な回転を確保することができ、パルスシャワー装置45の耐久性を高めることができる。
【0052】
本実施形態では、上記当接部126周りに、シャワー孔64に向けて断面形状が湾曲した形状の、湾曲面としての円弧面(部分球面)128が設けてあり、当接部126や羽根車72の被支持面130が摩耗して摩耗カスが発生した場合であっても、摩耗カスが円弧面128によってシャワー孔64に向けて案内され(シャワー孔64に向う水の流れに乗ってシャワー孔64に案内され)、シャワー水とともにシャワー孔64から外部に排出されるため、摩耗カスが残留することによって羽根車72の円滑な回転を阻害してしまうのをより確実に防止ないし抑制することができる。
【0053】
次に、図7は本発明の他の実施形態を示している。
この例では、羽根車72の回転中心において、羽根車72の図中下面から散水板62に向けて、詳しくはノズルシート押え70に向けて突出する突起134を設けている。
ここで突起134の形状は、図中上下の向きが逆向きである点を除いて図3に示す突起124と同形状である。但し他の形状としておくことも可能である。
【0054】
この例においても、図7の部分拡大図に示しているように突起134の頂点がノズルシート押え70の上面、即ちその内面122に対して当接せしめられている。
ここでは突起134の頂点が、ノズルシート押え70の内面122の一部である支持面136に当接し、支持面136にて支持される当接部138を成している。
【0055】
尚この実施形態において、羽根車72の下面の全体(但し突起134を除く)及びノズルシート押え70の上面(内面122)の全体(但し被押圧部104形成部分を除く)が、羽根車72の軸線と直交方向である軸直角方向にフラットな面をなしている点で、図3図6に示す第1の実施形態と同様である。
【0056】
但しノズルシート押え70が平面視で羽根車72よりも径方向外方に張り出した形状をなしている場合において、ノズルシート押え70における内面122の、平面視で羽根車72と重なる部分の全体をフラットな面となしておき、平面視で羽根車72から径方向外方にはみ出した部分については、そのようなフラット面とは異なった形状の面となしておくことも可能である。
【0057】
この図7に示す実施形態においては、羽根車72側の当接部138を、ノズルシート押え70側即ち散水板62側の支持面136に対して点状に接触させる等、可及的に小さな接触面積で当接させることが可能であり、図3図6に示す第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0058】
この図7の実施形態ではまた、ノズルシート押え70の上記の支持面136を含む内面122を、詳しくは平面視で羽根車72と重なる部分の全体をフラットな面としているため、当接部138が摩耗した場合であっても、その摩耗カスを良好にノズルシート押え70の連通孔64B、即ちシャワー孔64へと逃し、外部に良好に排出することができる。
【0059】
以上本発明の実施形態を詳述したがこれはあくまで一例示であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【符号の説明】
【0060】
45 シャワー装置
62 散水板
64 シャワー孔
72 羽根車
108 羽根
124,134 突起
126,138 当接部
128 円弧面(湾曲面)
130 被支持面
136 支持面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7