【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明がとりうる第1の態様は、被検者の頭部に装着されるセンサであって、
第1端部と第2端部を有し、弧状に延びる第1固定具と、
前記第1固定具の内周側に設けられた第1結合部と、
第1貫通孔と第2貫通孔を有する第2固定具と、
前記第2固定具の第1の側に設けられ、前記第1結合部に対して着脱自在とされた第2結合部と、
前記第2固定具の第1の側に配置されて前記第1貫通孔に対向する発光素子と、
前記第2固定具の第1の側に配置されて前記第2貫通孔に対向する受光素子とを備え、
前記第1固定具は、第1端部と第2端部の間隔を拡開可能な弾性を有しており、
装着時において前記第1結合部は、被検者の額に対向する位置に配置され、
装着時において前記第1端部と前記第2端部は、被検者の後頭部に配置され、
前記第1結合部と前記第2結合部を結合することにより、前記発光素子と前記受光素子が、前記第1固定具と前記第2固定具の間に挟持される。
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明がとりうる第2の態様は、被検者の頭部に装着される第1固定具に対して、発光素子と受光素子を固定する第2固定具であって、
第1の側と、
前記第1の側と反対側であり、前記被検者に対向する第2の側と、
前記第1の側と前記第2の側を連通する第1貫通孔と、
前記第1の側と前記第2の側を連通する第2貫通孔と、
前記第1の側に設けられ、前記第1固定具が有する第1結合部に対して着脱自在とされた第2結合部とを備え、
前記第2結合部を前記第1結合部に結合することにより、前記発光素子と前記受光素子を前記第1固定具との間に挟持可能とされている。
【0008】
上記の構成によれば、弧状に延びる第1固定具の第1端部と第2端部が離間しており、その間隔が拡開可能な弾性を有している。また発光素子と受光素子は、第1結合部と第2結合部の結合により、第1固定具と第2固定具の間に保持されている。したがって、センサを被検者の額の前方から一動作で容易に装着できる。これにより、例えば被検者が就寝中においても、被検者の頭部を持ち上げる作業を必要とせずにセンサを装着できる。医療従事者にとっては作業性が向上するとともに、被検者にとってはセンサの装着に際しての煩わしさが抑制される。
【0009】
発光素子と受光素子が第1固定具と第2固定具の間に保持されているため、第1固定具は、発光素子と受光素子を被検者の額に押し付けて保持するための力を発生させる必要がない。第1固定具は、発光素子と受光素子を用いた測定が可能な程度に第2固定具を被検者の額に密着させる程度の力を発生させれば十分である。したがって、第2固定具が必要以上に強く額に押し付けられることがなく、被検者が感じる煩わしさを抑制できる。
【0010】
また、このとき発光素子と受光素子は、第1固定具と第2固定具の間に挟持されて被検者の額に当接することがない。発光素子と受光素子よりも接触面積の大きな第2固定具が額に当接することにより押圧力が分散され、被検者が感じる煩わしさを抑制できる。
【0011】
前記第1の側と反対側の第2の側は、第1弾性を有する第1部分、および前記第1弾性よりも低い第2弾性を有する第2部分を有する構成としてもよい。この場合、前記第2部分は、前記第1貫通孔と前記第2貫通孔の間を延びている。
【0012】
このような構成によれば、センサの装着時において、第1部分が被検者の額の形状にあわせて変形する。これにより、第2固定具の額への密着性が高まるとともに、被検者が感じる圧迫感を軽減できる。このとき第1部分よりも低い弾性を有する第2部分の変形量は、第1部分よりも小さく、第1貫通孔と第2貫通孔を隔てる隔壁として機能する。したがって、第1貫通孔を通過する発光素子より出射された光が、被検者の額による反射を経ることなく第2貫通孔側に回り込んで受光素子により検出される事態を回避できる。すなわち、圧迫感による被検者が感じる煩わしさを抑制しつつ、被検者の生体情報を正確に取得できる。
【0013】
前記第1の側に第1凹部と第2凹部が形成されている構成としてもよい。この場合、前記発光素子は前記第1凹部内に配置され、前記受光素子は前記第2凹部内に配置される。
【0014】
このような構成によれば、発光素子と受光素子の位置決めが確実になされ、保持性が高まるだけでなく、第2固定具の厚み寸法を小さくすることができる。これにより、センサの装着時における第2固定具の接触に伴う違和感が軽減され、被検者が感じる煩わしさを抑制できる。
【0015】
前記第1固定具は、前記第1固定具の長手方向における長さ寸法を調節可能な機構を備える構成としてもよい。
【0016】
このような構成によれば、被検者の頭部のサイズに応じて第1固定具の長手方向における長さ寸法を調節可能である。これにより、第1固定具の装着に係る違和感が、被検者に応じて軽減されうる。したがって、センサの装着時に被検者が感じる煩わしさを抑制できる。
【0017】
前記第1固定具は、長手方向における中央部よりも前記第1端部寄りに設けられた第1ケーブル保持部、および当該中央部よりも前記第2端部寄りに設けられた第2ケーブル保持部を備える構成としてもよい。この場合、前記第1ケーブル保持部と前記第2ケーブル保持部は、それぞれ前記発光素子と前記受光素子に接続されたケーブルを保持可能に構成される。
【0018】
このような構成によれば、額に装着された発光素子と受光素子から延びるケーブルが眼前で揺れることが防止され、被検者が感じる煩わしさが抑制されるとともに、ケーブルを通じて伝送される信号へのノイズ混入が防止される。また被検者の好みに応じて、あるいは検査条件に応じて、第1ケーブル保持部と第2ケーブル保持部の少なくとも一方を使用できるため、被検者が煩わしさを感じにくい態様でのケーブル保持が可能となる。
【0019】
前記第1結合部は、面ファスナのループ側であり、前記第2結合部は、面ファスナのフック側である構成としてもよい。
【0020】
第2結合部が結合される箇所以外の第1結合部は、第1固定具の内周側に設けられているため、被検者の額に当接する。しかしながら面ファスナのループ側は、肌触りが柔軟であるため、被検者が感じる煩わしさを抑制できる。