(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6189717
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】焼却灰のセメント原料化方法
(51)【国際特許分類】
C04B 7/38 20060101AFI20170821BHJP
B09B 3/00 20060101ALI20170821BHJP
B09B 5/00 20060101ALI20170821BHJP
【FI】
C04B7/38
B09B3/00 304G
B09B5/00 NZAB
【請求項の数】7
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-230769(P2013-230769)
(22)【出願日】2013年11月7日
(65)【公開番号】特開2015-89864(P2015-89864A)
(43)【公開日】2015年5月11日
【審査請求日】2016年9月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000240
【氏名又は名称】太平洋セメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106563
【弁理士】
【氏名又は名称】中井 潤
(72)【発明者】
【氏名】辰巳 慶展
【審査官】
田中 永一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−061365(JP,A)
【文献】
特開平09−165243(JP,A)
【文献】
特開2013−176740(JP,A)
【文献】
特開2005−279370(JP,A)
【文献】
特開2013−166135(JP,A)
【文献】
特開2011−144058(JP,A)
【文献】
特開2008−229429(JP,A)
【文献】
特開2012−035168(JP,A)
【文献】
特開2014−193798(JP,A)
【文献】
特開2014−193456(JP,A)
【文献】
英国特許出願公開第02453583(GB,A)
【文献】
特開2007−007598(JP,A)
【文献】
特開昭57−204296(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 2/00 − 32/02
B09B 3/00
B09B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主灰、又は主灰と飛灰の混合灰に水を添加してスラリー化し、
該スラリーを粗粒子と、微粒子を含むスラリーとに分離し、
該微粒子を含むスラリーに酸を添加して該スラリーのpHを調整して難溶性塩を分解し、
該難溶性塩を分解した後のスラリーに飛灰を添加し、
該飛灰を添加した後のスラリーのpHを9.5以上11以下に調整し、
該pH調整後のスラリーを固液分離して得られたケークをセメント原料とすることを特徴とする焼却灰のセメント原料化方法。
【請求項2】
主灰と飛灰の混合灰に水を添加してスラリー化し、
該スラリーを主灰を多く含むスラリーと、飛灰を多く含むスラリーとに分離し、
該主灰を多く含むスラリーを粗粒子と、微粒子を含むスラリーとに分離し、
該微粒子を含むスラリーに酸を添加して該スラリーのpHを調整して難溶性塩を分解し、
該難溶性塩を分解した後のスラリーに前記飛灰を多く含むスラリーを添加し、
該飛灰を多く含むスラリーを添加した後のスラリーのpHを9.5以上11以下に調整し、
該pH調整後のスラリーを固液分離して得られたケークをセメント原料とすることを特徴とする焼却灰のセメント原料化方法。
【請求項3】
前記粗粒子をセメント原料とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の焼却灰のセメント原料化方法。
【請求項4】
前記微粒子を含むスラリーにセメントキルン排ガスを導入して該スラリーに含まれる難溶性塩を分解することを特徴とする請求項1、2又は3に記載の焼却灰のセメント原料化方法。
【請求項5】
前記難溶性塩を分解した後のスラリーに飛灰又は飛灰を多く含むスラリーを添加することにより、該スラリーのpHを9.5以上11以下に調整することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の焼却灰のセメント原料化方法。
【請求項6】
主灰、又は主灰と飛灰の混合灰に水を添加してスラリー化するスラリー化装置と、
該スラリー化装置から排出されたスラリーを粗粒子と、微粒子を含むスラリーとに分離する分級装置と、
該分級装置で分離された微粒子を含むスラリーに酸を添加して該スラリーのpHを調整して難溶性塩を分解する第1溶解槽と、
該第1溶解槽から排出されたスラリーに飛灰を添加した後のスラリーのpHを9.5以上11以下に調整する第2溶解槽と、
該第2溶解槽から排出されたスラリーを固液分離する固液分離装置とを備え、
該固液分離装置で分離されたケークをセメント原料とすることを特徴とする焼却灰のセメント原料化装置。
【請求項7】
主灰と飛灰の混合灰に水を添加してスラリー化するスラリー化装置と、
該スラリー化装置から排出されたスラリーを主灰を多く含むスラリーと、飛灰を多く含むスラリーとに分離する第1の分級装置と、
該第1の分級装置で分離された主灰を多く含むスラリーを粗粒子と、微粒子を含むスラリーとに分離する第2の分級装置と、
該第2の分級装置で分離された微粒子を含むスラリーに酸を添加して該スラリーのpHを調整して難溶性塩を分解する第1溶解槽と、
該第1溶解槽から排出されたスラリーに前記飛灰を多く含むスラリーを添加した後のスラリーのpHを9.5以上11以下に調整する第2溶解槽と、
該第2溶解槽から排出されたスラリーを固液分離する固液分離装置とを備え、
該固液分離装置で分離されたケークをセメント原料とすることを特徴とする焼却灰のセメント原料化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、都市ごみ等を焼却した際に発生する焼却灰をセメント原料として有効利用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
都市ごみ等を焼却した際に発生する焼却灰(以下「焼却灰」という。)は、従来、そのほとんどが最終処分場で埋め立て処理されていたが、最終処分場の枯渇の虞に鑑み、近年、セメント原料として有効利用されている。
【0003】
焼却灰は、焼却残渣として排出される主灰と、焼却装置等からの排ガスを処理する集塵装置等で回収されたばいじん等の飛灰とに分けられるが、いずれも塩素含有率が高いため、塩素分を除去した後セメント原料として利用している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、主灰及び飛灰は、各々が含有する塩素の濃度や存在形態が異なり、主灰の脱塩処理では、主灰に含まれる難溶性塩を分解するために酸性pH域において水洗処理を行う必要があるが、同pH域で飛灰を同時に処理すると、スケールの発生頻度が増加したり、運転トラブルが発生したり、重金属類の溶出量が増加するなどの問題がある。
【0005】
一方、上記の点に鑑みて主灰と飛灰に各々別の水洗装置を設けると、装置コスト及び運転コストが倍増する。
【0006】
そこで、本発明は、上記従来技術における問題点に鑑みてなされたものであって、装置の安定運転を維持しながら、低コストで焼却灰をセメント原料として有効利用することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の焼却灰のセメント原料化方法は、主灰、又は主灰と飛灰の混合灰に水を添加してスラリー化し、該スラリーを粗粒子と、微粒子を含むスラリーとに分離し、該微粒子を含むスラリーに酸を添加して該スラリーのpHを調整して難溶性塩を分解し、該難溶性塩を分解した後のスラリーに飛灰を添加し、該飛灰を添加した後のスラリーのpHを9.5以上11以下に調整し、該pH調整後のスラリーを固液分離して得られたケークをセメント原料とすることを特徴とする。
【0008】
このセメント原料化方法によれば、主灰の脱塩効率を高く維持しながら、飛灰水洗におけるスケールトラブルを回避することで、装置の安定運転を維持しながら主灰と飛灰とを同時に水洗処理すると共に、重金属類の溶出を最小限に抑えて排水処理のための薬剤コストを低減し、低コストで焼却灰をセメント原料として有効利用することができる。
【0009】
また、本発明の焼却灰のセメント原料化方法は、主灰と飛灰の混合灰に水を添加してスラリー化し、該スラリーを主灰を多く含むスラリーと、飛灰を多く含むスラリーとに分離し、該主灰を多く含むスラリーを粗粒子と、微粒子を含むスラリーとに分離し、該微粒子を含むスラリーに酸を添加して該スラリーのpHを調整して難溶性塩を分解し、該難溶性塩を分解した後のスラリーに前記飛灰を多く含むスラリーを添加し、該飛灰を多く含むスラリーを添加した後のスラリーのpHを9.5以上11以下に調整し、該pH調整後のスラリーを固液分離して得られたケークをセメント原料とすることを特徴とし、この方法によっても、低コストで焼却灰をセメント原料として有効利用することができる。
【0010】
前記粗粒子をセメント原料とすることで、より多くの焼却灰をセメント原料として有効利用することができる。
【0011】
前記微粒子を含むスラリーにセメントキルン排ガスを導入して該スラリーに含まれる難溶性塩を分解することができる。セメントキルン排ガスを利用することで、酸を添加する必要がなくなり、薬剤を不要とすることができる。
【0012】
前記難溶性塩を分解した後のスラリーに飛灰又は飛灰を多く含むスラリーを添加することにより、該スラリーのpHを9.5以上11以下に調整することができる。尚、飛灰を過剰に添加し、スラリーのpHが11を超えた場合は、セメントキルン排ガス等を吹込みスラリーのpHを9.5以上11以下に調整することもできる。これによって、飛灰を最大限に有効利用しながら、セメントキルン排ガスを利用することでpH調整のための薬剤を不要とすることができる。
【0013】
また、本発明は、焼却灰のセメント原料化装置であって、主灰、又は主灰と飛灰の混合灰に水を添加してスラリー化するスラリー化装置と、該スラリー化装置から排出されたスラリーを粗粒子と、微粒子を含むスラリーとに分離する分級装置と、該分級装置で分離された微粒子を含むスラリーに酸を添加して該スラリーのpHを調整して難溶性塩を分解する第1溶解槽と、該第1溶解槽から排出されたスラリーに飛灰を添加した後のスラリーのpHを9.5以上11以下に調整する第2溶解槽と、該第2溶解槽から排出されたスラリーを固液分離する固液分離装置とを備え、該固液分離装置で分離されたケークをセメント原料とすることを特徴とする。本発明によれば、上記発明と同様に、装置の安定運転を維持しながら主灰と飛灰とを同時に水洗処理し、排水処理のための薬剤コストも低減し、低コストで焼却灰をセメント原料として有効利用することができる。
【0014】
さらに、本発明に係る焼却灰のセメント原料化装置は、主灰と飛灰の混合灰に水を添加してスラリー化するスラリー化装置と、該スラリー化装置から排出されたスラリーを主灰を多く含むスラリーと、飛灰を多く含むスラリーとに分離する第1の分級装置と、該第1の分級装置で分離された主灰を多く含むスラリーを粗粒子と、微粒子を含むスラリーとに分離する第2の分級装置と、該第2の分級装置で分離された微粒子を含むスラリーに酸を添加して該スラリーのpHを調整して難溶性塩を分解する第1溶解槽と、該第1溶解槽から排出されたスラリーに前記飛灰を多く含むスラリーを添加した後のスラリーのpHを9.5以上11以下に調整する第2溶解槽と、該第2溶解槽から排出されたスラリーを固液分離する固液分離装置とを備え、該固液分離装置で分離されたケークをセメント原料とすることを特徴し、この装置によっても、低コストで焼却灰をセメント原料として有効利用することができる。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明によれば、装置の安定運転を維持しながら低コストで焼却灰をセメント原料として有効利用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明に係る焼却灰のセメント原料化装置の全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明の一実施の形態としての焼却灰のセメント原料化装置(以下、適宜「原料化装置」という。)を示し、この原料化装置1は、主灰BA1をスラリー化するスラリー化装置2と、スラリー化装置2から排出されたスラリーS1を分級する分級装置3と、酸処理によって分級装置3からの微粒子を含むスラリーS2中の難溶性塩を分解するための第1溶解槽4と、第1溶解槽4から排出されたスラリーS3に飛灰FAを添加した後、スラリーS4のpH調整を行う第2溶解槽5と、第2溶解槽5から排出されたスラリーS5を固液分離するフィルタープレス6と、固液分離によって得られたケーキCをセメントキルン7に投入する投入装置(不図示)等を備える。
【0018】
スラリー化装置2は、主灰BA1に水W及びフィルタープレス6から排水された循環水W1を分配装置9で分離した循環水W2を添加してスラリー化し、主灰BA1に含まれる水溶性塩素分を水W等に溶解させるために備えられる。スラリー化装置2には、主灰BA1、水W及び循環水W2を混合撹拌してスラリー化する装置等を用いることができる。
【0019】
分級装置3は、スラリー化装置2から排出されたスラリーS1を湿式分級するために備えられ、振動篩、トロンメル、遠心湿式分級機等を用いることができる。分級装置3に、フィルタープレス6からの循環水W1を分配装置9で分離した循環水W3を添加してもよい。
【0020】
第1溶解槽4は、分級装置3からのスラリーS2にセメントキルン7からの排ガスGを吹き込むための吹込装置と撹拌装置等を備える。
【0021】
第2溶解槽5は、槽内を撹拌する撹拌装置等を備え、第1溶解槽4から排出されたスラリーS3に飛灰FAを添加したスラリーS4のpH調整を行うために備えられる。このpH調整により、後段の装置内でカルシウムのスケールが発生して成長するのを抑制すると共に、溶解した重金属を固形分側に偏在させる。
【0022】
フィルタープレス6は、第2溶解槽5から排出されたスラリーS5を固液分離すると共に、スラリーS5に洗浄用の工水IWを供給し、スラリーS5を洗浄しながら固液分離する洗浄装置を備える。フィルタープレス6以外にもベルトフィルタ等の固液分離装置を用いることもできる。
【0023】
水切り装置8は、分級装置3からの粗粒子BA2を水切りし、投入装置(不図示)によってセメントキルン7に投入するために備えられ、風力型脱水機、重力脱水機やドラム型等の水切り装置8を用いることができる。
【0024】
分配装置9は、フィルタープレス6からの循環水W1をスラリー化装置2への循環水W2と分級装置3への循環水W3とに分配するために備えられる。
【0025】
次に、上記構成を有する原料化装置1を用いた処理方法について、
図1を参照しながら説明する。
【0026】
主灰BA1をスラリー化装置2に供給し、水W及び分配装置9からの循環水W2を添加し、主灰BA1を解泥しながら撹拌してスラリー化する。これによって、主灰BA1に含まれる水溶性塩素分が水W及び循環水W2に溶解する。
【0027】
次に、主灰BA1をスラリー化して得られたスラリーS1を分級装置3に供給し、分配装置9で分離した循環水W3を添加して湿式分級する。ここで、分級装置3の分級点を0.7mm程度に設定し、スラリーS1を粗粒子BA2と、微粒子を含むスラリーS2とに分離する。これは、微粒子を含むスラリーS2に難溶性塩が偏在するためである。
【0028】
分級装置3で分離した粗粒子BA2を水切り装置8で水切りし、そのままセメントキルン7に投入してセメント原料として利用する。
【0029】
一方、分級装置3で分離した微粒子を含むスラリーS2を第1溶解槽4に供給し、さらに第1溶解槽4にセメントキルン7からの排ガスGを吹き込み、排ガスGに含まれる炭酸ガス(CO
2)によって発生した炭酸によってスラリーS2のpHを7以下に調整し、スラリーS2に含まれるフリーデル氏塩を分解する。第1溶解槽4から排出されるガスは、適宜排ガス処理を施した後大気に放出する。
【0030】
フリーデル氏塩とは、化学式で表すと、3CaO・Al
2O
3・CaCl
2・10H
2Oであり、下記のように、アルミン酸三石灰(3CaO・Al
2O
3)が水和反応の際に塩化物イオンを取り込んで生成される塩である。
3CaO・Al
2O
3+CaCl
2+10H
2O→3CaO・Al
2O
3・CaCl
2・10H
2O
【0031】
上述のように、スラリーS2にセメントキルン7の排ガスGを吹き込むと、下式に示すように、フリーデル氏塩を分解することができ、第1溶解槽4において主灰の脱塩を行うことができる。
3CaO・Al
2O
3・CaCl
2・10H
2O+3CO
2→3CaCO
3+2Al(OH)
3+CaCl
2+7H
2O
【0032】
次に、第1溶解槽4から排出されたスラリーS3に飛灰FAを添加した後、第2溶解槽5に供給し、飛灰FAをアルカリ源として第2溶解槽5内のスラリーS4のpHを9.5〜11に調整し、スラリーS4に含まれるカルシウム分を炭酸カルシウム(CaCO
3)としてスラリー中に析出させる。これによって、後段の装置内でカルシウムのスケールが発生して成長するのを抑制することができると共に、pH調整により、溶解した重金属を固形分側に偏在させることができ、排水処理に要する薬剤の処理費用を低減することができる。尚、第2溶解槽5に飛灰FAを過剰に添加し、槽内のpHが11を超えた場合には、CO
2等の酸性ガスやセメントキルン排ガス等を第2溶解槽5に導入してpHを9.5〜11に調整してもよい。
【0033】
第2溶解槽5から排出されたスラリーS5をフィルタープレス6に供給し、洗浄装置で洗浄しながら固液分離して脱塩ケーキCとろ液(塩水)Fとに分離する。スラリーS5の洗浄に用いた工水IWは、フィルタープレス6から循環水W1として分配装置9に供給される。
【0034】
フィルタープレス6で塩素分が除去された脱塩ケーキCをセメントキルン7に投入してセメント原料として利用する。一方、塩素分を含むろ液Fは適宜排水処理を施した後、系外へ排出する。
【0035】
尚、上記実施の形態では、第1溶解槽4にセメントキルン7からの排ガスGを吹き込むことで、薬剤を用いることなく難溶性塩の分解を促進させることができて好ましいが、排ガスGを吹き込まずに、第1溶解槽4に、硝酸、炭酸、硫酸、亜硝酸、塩酸、酢酸等の酸を添加して難溶性塩の分解を促進させることもできる。
【0036】
また、主灰BA1と飛灰FAの混合灰を受け入れた場合にも、上記方法と同様に混合灰に水を添加してスラリー化し、該スラリーを粗粒子と、微粒子を含むスラリーとに分離し、該微粒子を含むスラリーに酸を添加して該スラリーのpHを調整して難溶性塩を分解し、該難溶性塩を分解した後のスラリーに飛灰を添加し、該飛灰を添加した後のスラリーのpHを9.5以上11以下に調整し、該pH調整後のスラリーを固液分離して得られたケークをセメント原料とすることができる。
【0037】
さらに、混合灰を一旦湿式分級装置等(第1の分級装置)で主灰を多く含むスラリーと、飛灰を多く含むスラリーとに分けた後、主灰を多く含むスラリーを第2の分級装置で粗粒子と、微粒子を含むスラリーとに分離し、該微粒子を含むスラリーに酸を添加して該スラリーのpHを調整して難溶性塩を分解し、該難溶性塩を分解した後のスラリーに飛灰を多く含むスラリーを添加し、該飛灰を多く含むスラリーを添加した後のスラリーのpHを9.5以上11以下に調整し、該pH調整後のスラリーを固液分離して得られたケークをセメント原料とすることもできる。
【符号の説明】
【0038】
1 焼却灰のセメント原料化装置
2 スラリー化装置
3 分級装置
4 第1溶解槽
5 第2溶解槽
6 フィルタープレス
7 セメントキルン
8 水切り装置
9 分配装置