(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6189824
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】マルチスペクトル画像システムおよびそれを用いた表面検査方法
(51)【国際特許分類】
G01N 21/88 20060101AFI20170821BHJP
【FI】
G01N21/88 Z
【請求項の数】12
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-501089(P2014-501089)
(86)(22)【出願日】2012年3月5日
(65)【公表番号】特表2014-508955(P2014-508955A)
(43)【公表日】2014年4月10日
(86)【国際出願番号】US2012027673
(87)【国際公開番号】WO2012128920
(87)【国際公開日】20120927
【審査請求日】2015年1月13日
(31)【優先権主張番号】13/052,431
(32)【優先日】2011年3月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】599058372
【氏名又は名称】フェデラル−モーグル・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】FEDERAL−MOGUL LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホームズ,ナイジェル・ジェイ
【審査官】
神谷 健一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−088540(JP,A)
【文献】
特開2011−017714(JP,A)
【文献】
特開平04−137872(JP,A)
【文献】
特表2007−517395(JP,A)
【文献】
特開平09−196632(JP,A)
【文献】
特開2001−304821(JP,A)
【文献】
特開昭62−050605(JP,A)
【文献】
特開2000−131042(JP,A)
【文献】
特開2009−042089(JP,A)
【文献】
特表2008−507702(JP,A)
【文献】
米国特許第5197105(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00−11/30
G01N 21/84−21/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
周表面および側表面を同時に検査するためのマルチスペクトル画像システムであって、
第1の波長を有する第1のビーム光を前記周表面および前記側表面に導くように動作可能な第1の光源と、
前記第1の波長とは異なる第2の波長を有する第2のビーム光を前記周表面および前記側表面に導くように動作可能な第2の光源と、
レンズと、前記レンズの下流のビームスプリッタと、前記ビームスプリッタの下流の一対のセンサとを有するカメラとを備え、
前記ビームスプリッタは、前記第1のビーム光または前記第2のビーム光の一方が前記ビームスプリッタを通過するとともに前記第1のビーム光または前記第2のビーム光の他方が前記ビームスプリッタで反射されることを可能とし、
前記一対のセンサの一方は、前記第1の光源からの前記第1のビーム光を受け取って二次元画像を生成するように動作可能であり、
前記センサの他方は、前記第2の光源からの前記第2のビーム光を受け取って前記二次元画像とは異なる三次元画像を生成するように動作可能であって、
前記センサの少なくとも一方は、前記ビームスプリッタへ向かう軸に沿っておよび前記ビームスプリッタから離れる軸に沿って移動するように動作可能である、マルチスペクトル画像システム。
【請求項2】
前記第1の光源または前記第2の光源の一方は、赤外光を発し、
前記第1の光源または前記第2の光源の他方は、可視光を発する、請求項1に記載のマルチスペクトル画像システム。
【請求項3】
前記可視光を受け取るセンサは、1秒当たりおよそ5〜15フレームを処理し、
前記赤外光を受け取るセンサは、1秒当たりおよそ150〜200フレームを処理する、請求項2に記載のマルチスペクトル画像システム。
【請求項4】
少なくとも1つのプロセッサをさらに備え、
前記一対のセンサは、前記プロセッサと通信する、請求項1に記載のマルチスペクトル画像システム。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記二次元画像および前記三次元画像を互いに重ねるように構成される、請求項4に記載のマルチスペクトル画像システム。
【請求項6】
部品の周表面および側表面を同時に検査する方法であって、
第1の波長の光を前記周表面および前記側表面で反射させるステップと、
第2の波長の光を前記周表面および前記側表面で反射させるステップとを含み、
前記第2の波長は、前記第1の波長とは異なり、
前記方法は、
反射された前記第1の波長の光をカメラレンズに通過させるステップと、
反射された前記第2の波長の光を、前記第1の波長の光と同一の前記カメラレンズに通過させるステップと、
前記第1または第2の波長の光の一方を前記カメラ内のビームスプリッタで第1のセンサ上へ反射させるステップと、
前記第1または第2の波長の光の他方を前記カメラ内の前記ビームスプリッタを通して前記第1のセンサとは異なる第2のセンサ上へ通過させるステップと、
前記第1または第2のセンサの少なくとも1つを前記ビームスプリッタに対して移動して、前記第1のセンサを用いて前記周表面および前記側表面の二次元画像を生成し、前記第2のセンサを用いて前記周表面および前記側表面の三次元画像を生成するステップとをさらに含み、
前記二次元画像は、前記三次元画像とは異なる、方法。
【請求項7】
前記第1の波長の光または前記第2の波長の光の一方を赤外光として発し、前記第1の波長の光または前記第2の波長の光の他方を可視光として発するステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1および第2のセンサと通信するように少なくとも1つのプロセッサを構成するステップと、
前記二次元画像および前記三次元画像を前記プロセッサで互いに重ねるステップとをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記二次元画像および前記三次元画像を互いに重ねるステップに先立って、前記二次元画像または前記三次元画像の一方をミラーリングするステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
1秒当たりおよそ5〜15フレームを処理するように前記第1のセンサまたは前記第2のセンサの一方を構成し、1秒当たりおよそ150〜200フレームを処理するように前記第1のセンサまたは前記第2のセンサの他方を構成するステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の波長の光および前記第2の波長の光を前記周表面および前記側表面で同時に反射させるステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項12】
前記第1および第2の波長の光を検査される前記周表面および前記側表面で反射させながら前記部品を移動するステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
1.技術分野
本発明は、一般に、表面検査システムおよび方法に関し、より特定的には、ボアを検査するための検査システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2.関連技術
製造された部品、たとえばシール、ガスケットまたはピストンのような車両部品は、典型的には、部品がある所定の仕様を満足することを保証するために製造中に検査される。公知の検査システムおよび方法は、たとえば表面形状測定装置のような、製造中に部品に物理的に接触する計測システムを含む。これらのシステムは、スタイラスと部品の隣接する表面との間の相対運動を通してデータを得る。このタイプの検査システムは正確な結果を提供可能であるが、検査される表面にダメージをもたらし、検査結果は、一般に、検査される表面の小さい部分に限られ、さらに、とても時間を消費し得る。
【0003】
他の公知の検査システムは、検査される部品と接触しないままとする画像システムを含む。これらのシステムは、異なる波長の光から画像を生成することによって二次元データおよび三次元データを取得し得る。二次元画像および三次元画像の双方を生成するためには、一方のカメラおよび光源が第1の画像を生成するように配置され、他方のカメラおよび光源が第2の画像を生成するように配置された、少なくとも2つの離れたカメラおよび2つの離れた光源が必要とされる。離れたカメラおよび光源は、互いに同時に画像を取得するように配置され得る。しかしながら、これらのシステムは検査される表面の画像を生成可能であるが、これらは、多数のカメラおよび光源を有する性質のため貴重な製造フロアの空間を占有する。さらに、光源は互いに干渉し得るため、所望の画質よりも劣るものを生成する。このように、光の干渉を避けるために、もう1つの公知の検査システムは、離れた光源を有する単一のカメラを配置して互いに別の時間に別の画像を取得し得る。しかしながら、これらのシステムは、別の画像が取得される間に検査される表面が動かないことを必要とするという固有の欠点を有する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
表面を検査して二次元画像および三次元画像の双方を得るためのマルチスペクトル画像システムは、第1の波長を有する光を表面に導くための第1の光源と、第1の波長とは異なる第2の波長を有する光を表面に導くための第2の光源とを含む。システムは、レンズと、レンズの下流のビームスプリッタと、ビームスプリッタの下流の一対のセンサとを有するカメラをさらに含む。レンズは、第1および第2の波長をそれぞれのセンサに合焦するように構成される。ビームスプリッタは、第1の光および第2の光の一方がビームスプリッタを通過し、第1の光または第2の光の他方は、ビームスプリッタで反射されることを可能とする。レンズを通して離れて合焦された一対の画像を取得するために、一対のセンサの一方は、第1の光を受け取って第1の画像を生成するように構成され、一対のセンサの他方は、第2の光を受け取って第1の画像とは異なる第2の画像を生成するように構成される。
【0005】
本発明のさらなる局面によれば、少なくとも1つのセンサは、ビームスプリッタへ近づく軸に沿っておよびビームスプリッタから離れる軸に沿って調整可能である。
【0006】
本発明のさらなる局面によれば、部品の表面を検査する方法が提供される。方法は、第1の波長の光を表面で反射させるステップと、第2の波長の光を表面で反射させるステップとを含み、第2の波長は、第1の波長とは異なる。それから、反射された第1の波長の光をカメラレンズに通過させ、反射された第2の波長の光を、第1の波長の光と同一のカメラレンズに通過させる。さらに、第1または第2の波長の光の一方をカメラ内のビームスプリッタで第1のセンサ上へ反射させ、第1または第2の波長の光の他方をカメラ内のビームスプリッタを通して第1のセンサとは異なる第2のセンサ上へ屈折させる。次に、第1のセンサを用いて表面の第1の画像を生成し、第2のセンサを用いて表面の第2の画像を生成し、第1の画像は、第2の画像とは異なる。
【0007】
本発明のさらなる局面によれば、方法は、ビームスプリッタへ向かう軸に沿ってまたはビームスプリッタから離れる軸に沿って第1および第2のセンサの少なくとも1つを移動するステップをさらに含む。
【0008】
本発明に従うマルチスペクトル画像システムおよびそれを用いた検査方法のこれらおよび他の局面、特徴および利点は、現在好ましい実施の形態およびベストモードの後続の詳細な説明、添付された特許請求の範囲、および付随する図面に関連して考慮されるときにより容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明に従って構築される
図1のマルチスペクトル画像システムの1つの実施の形態の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
現在好ましい実施の形態の詳細な説明
図面をより詳細に参照して、
図1は、本発明の1つの局面に従って、概して10として構成されるマルチスペクトル画像システム(以下、「システム」と称される)を図示する。システム10は、検査される各表面の少なくとも2つの画像を生成して、検査目的のために、部品の表面が所望のパラメータ内であるか否かを評価するために用いられるデータの量を増大する。取得された画像の一方は、好ましくは、二次元画像であって、取得された画像の他方は、好ましくは、三次元画像である。部品は、限定的ではなく例示的にシール12としてここに表現される。シール12は、凸状かつ円形状の外周表面14と、略平面の側表面16とを有し、表面14,16の双方はシステム10によって同時に検査される。システム10は、少なくとも1つのカメラを含み、一対のカメラ18,20を有するものとして限定的ではなく例示的にここに示される。一方のカメラ18は周表面14の検査のために配置され、他方のカメラ20は側表面16の同時検査のために配置される。各カメラ18,20は2つの別の画像を同時に生成し、各画像はプロセッサ22などによって分析されて、検査される表面の特定の特徴が所望の仕様内であるか否かが即座に決定され得る。単一の表面の各画像は、個別に処理され得る。または、各カメラ18,20に関連するプロセッサ22は、互いに通信して互いに画像を重ねたりすることによって単一の画像として画像を処理するように構成され、1つの画像が初めにミラーリングされて、検査された表面の拡張された画像が取得される。
【0011】
システム10は、可視光のような第1の波長の第1の光を発する第1の光源24と、赤外光のような、第1の波長とは異なる第2の波長の第2の光を発する第2の光源26と有する2つの異なる光源を含む。検査される表面の場所に依存して、光源24,26の各々の1つ以上がシステムに組み込まれ得る。
【0012】
各カメラ18,20は、一次レンズ28,30と、それぞれのレンズ28,30の下流のビームスプリッタとをそれぞれ有する。ビームスプリッタは、第1のカメラ18内の第1のビームスプリッタ32、および第2のカメラ20内の第2のビームスプリッタ34としてここに表わされる。各一次レンズ28,30は、光源24,26から発せられる第1および第2の波長の光を合焦するように動作可能かつ調整可能である。ビームスプリッタ32,34は、「ホット」ミラーおよび/または「コールド」ミラーが必要に応じて提供され得る。ホットミラーは、可視光を通過させ、赤外光を反射することを可能する一方、コールドミラーは、赤外光を通過させ、可視光を反射することを可能する。たとえば、ビームスプリッタ32は「ホット」ミラーとして表わされ、ビームスプリッタ34は「コールド」ミラーとして表わされる。ミラー32,34は異なって配置されることができ、必要に応じて双方が「ホット」または「コールド」とされ得ることが認識されるべきである。
【0013】
各カメラ18,20は、互いに対して約90度に配置された一対の電荷結合素子(charge coupled device:CCD)センサ(36,38),(40,42)をそれぞれ有し、それぞれのビームスプリッタ32,34は各センサ間に約45度で延びる。第1のカメラ18のCCDセンサ36,38は、以降リヤセンサ36と称される一方のセンサがビームスプリッタ32を通して伝達された光を受け取るように位置付けられるとともに、サイドセンサ38と称される他方のセンサがビームスプリッタ32で反射された光を受け取るように位置付けられるように配置される。第2のカメラ20のCCDセンサ40,42は、同様にリヤセンサ40と称される一方のセンサがビームスプリッタ34を通して伝達された光を受け取るように位置付けられるとともに、サイドセンサ42と称される他方のセンサがビームスプリッタ34で反射された光を受け取るように位置付けられるように配置される。
【0014】
単一のレンズ28,30を通した異なる波長の光から一対の合焦された画像を生成するために、それぞれの対のセンサ(36,38),(40,42)内の少なくとも1つのセンサ、各対内の少なくとも1つのセンサは、それぞれのビームスプリッタ32,34へ向かう軸48に沿っておよびそれぞれのビームスプリッタ32,34から離れる軸48に沿って調整可能である。たとえば、レンズ28,30によって合焦される可視光とは異なる波長を有するので、赤外光源26から発せられた赤外光から合焦された画像を取得するために、赤外光はそれぞれのレンズ28,30を通過した後に合焦される必要がある。このように、赤外光を受け取るセンサは、調整可能に構成される。その結果、「ホット」ミラーが組み込まれる場合には、赤外光は「ホット」ミラーでサイドセンサへ反射するので、それぞれのサイドセンサ38,42が軸48に沿って調整可能とされる。しかしながら、「コールド」ミラーが組み込まれる場合には、赤外光は「コールド」ミラーを通してリヤセンサへ通過するので、それぞれのリヤセンサ36,40が軸48に沿って調整可能とされる。
【0015】
たとえば、二次検査ステーションであろうと、連続的な移送ラインに沿ってであろうと製造プロセスに沿った任意のポイントにて使用するために、システム10は容易に適合され得る。システム10の各カメラ18,20が2つの別の画像を生成可能であるので、システムによって占有される製造フロア空間の量は最小化される。単一の表面が検査されるときには、システム10は単一のカメラを含み得るが、2つ以上の表面が検査されるときには、追加的なカメラが必要に応じて組み込まれ得る。このように、限定的ではなく例示的な方法で
図1に説明されるように、カメラ18は「ホット」ミラーを有し、したがって、そこに与えられる赤外光(IL)が合焦されることを可能とするためにサイドセンサ38が調整可能である。カメラ20は「コールド」ミラーを有し、したがって、そこに与えられる赤外光(IL)が合焦されることを可能とするためにリヤセンサ40が調整可能である。
【0016】
それぞれの光源24,26から発せられる可視光(VL)および赤外光(IL)は、検査されるべきシール12の所望の領域に導かれ、光はシール12で反射されてそれぞれのレンズ28,30を通過する。可視光(VL)および赤外光(IL)はレンズ28,30を通過し、その後、可視光および赤外光がそれぞれのビームスプリッタ32,34に与えられる。上述のように、ビームスプリッタのタイプが「ホット」であるのか「コールド」であるのかに依存して、可視光(VL)および赤外光(IL)はビームスプリッタを通過する(屈折する)か、または、それらで反射する。それに関係なく、それぞれのリヤセンサおよびサイドセンサ36,42として例示的にここに表わされるそれぞれのセンサに可視光(VL)が導かれ、1秒当たりおよそ5〜15フレームにて第1の画像が処理され、それによって、表面の高さに関係のない検査された表面の全体の画像を提供する。それぞれのサイドセンサおよびリヤセンサ38,40として例示的にここに表わされるそれぞれのセンサに赤外光(IL)が導かれ、1秒当たりおよそ150〜200フレームにて第2の画像が処理され、それによって、生成された二次元画像内に含まれるピクセル毎の高さを詳述する画像を提供する。第1および第2の画像は同時に生成され、必要に応じて互いに重ねられ得る。
【0017】
本発明のもう1つの局面によれば、たとえばシール12などの部品の表面を検査する方法が提供される。方法は、第1および第2の光源24,26のそれぞれからの、可視光(VL)などの第1の波長の光と、赤外光(IL)などの第2の波長の光とを、検査される部品の表面に同時に与えるステップを含む。検査される表面に光が与えられる間に、方法は、光の下の部品を回転する、および/または、移動することなどによって、光の下の部品を移動するステップをさらに含む。図示される例において、可視光(VL)および赤外光(IL)の双方が周表面14および側表面16に与えられながらシール14が回転される。方法は、表面が移動する間に可視光(VL)および赤外光(IL)を検査される表面で反射するステップと、2つの離れたカメラ18,20のそれぞれの一次レンズ28,30として例示的にここに表わされる、少なくとも1つのカメラレンズを通して反射された光を導くステップとをさらに含む。単一の表面のみが検査される場合には、カメラ18,20の単一のものが使用され得るが、図示されるように、2つの離れた表面が検査される場合には、2つのカメラ18,20が用いられると認識されるべきである。それぞれのレンズ28,30を光が通過するので、方法は、可視光(VL)および赤外光(IL)をレンズ28,30を用いて合焦して、それぞれのビームスプリッタ32,34に可視光(VL)および赤外光(IL)を与えるステップを含む。さらに、採用されるビームスプリッタのタイプが「ホット」であるのか「コールド」であるのかに依存して、方法は、可視光または赤外光の一方をビームスプリッタを通して屈折させるステップと、可視光または赤外光の他方をビームスプリッタで反射させるステップとを含む。
図1に示されるように、この例は、可視光(VL)を第1のビームスプリッタ32を通過させるとともに赤外光(IL)を第1のビームスプリッタ32で反射させるステップと、赤外光(IL)を第2のビームスプリッタ34を通過させるとともに可視光(VL)を第2のビームスプリッタ34で反射させるステップとを含む。さらにまた、方法は、可視光(VL)および赤外光(IL)を、それぞれのカメラ18,20内のそれぞれの対のセンサ36,38およびセンサ40,42に与えるステップと、各センサを用いて画像を生成するステップとを含む。画像を生成するステップは、各カメラ18,20内の各対のセンサ(36,38),(40,42)内の少なくとも1つのセンサを、軸48に沿って移動して画像を合焦するための位置にセンサを位置させるステップをさらに含む。
図1に示される例において、第1のカメラ18のサイドセンサ38および第2のカメラ20のリヤセンサ40は、それぞれのビームスプリッタ32,34に向かう軸48に沿っておよびそれらから離れる軸48に沿って調整可能または移動可能である。方法は、プロセッサ22などを介して、生成された画像を所定の仕様と比較して、検査された表面が所望の許容限界内であるか否かを決定するステップをさらに含む。方法は、重ね合わせるステップに先立って、画像の1つをミラーリングすることによって可視光および赤外光から取得された画像を重ね合わせるステップをさらに含み得る。
【0018】
したがって、システム10および表面検査の方法は、単一のカメラを介して同時に共通の部品表面の別の画像を取得する能力を提供する。検査される表面の数および方向に依存して、多数の表面を検査するために追加的なカメラが必要に応じて利用され得る。採用されるカメラの数に関わらず、各カメラは2つの画像を生成可能であり、一方は可視光を介して高さ寸法に関係のない表面の全体の画像を生成し、他方は赤外光を受け取って検査される表面の高さ寸法に関する合焦された画像を生成する。したがって、単一のカメラを用いて2つの画像を生成することが可能であることによって、表面検査を実行するために必要とされる空間が最小化され、検査に関連する全体のコストが多数のカメラを必要とするものから低減される。
【0019】
明らかなように、上述の教示に照らして本発明の多くの変更および変形が可能である。したがって、添付された特許請求の範囲の範囲内において、具体的に記載されたものとは別の方法で本発明が実行され得ると理解されるべきである。