(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載の減圧システムにおいて、さらに、前記ドレッシングボルスターおよび前記オーバードレープを通して前記皮下供給導管を送るために予め形成された経路を含むことを特徴とする、減圧システム。
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の減圧システムにおいて、前記ドレッシングボルスターが、第1の面と、前記患者の表皮を覆うように展開するための第2の内側に向く面とを有し、かつ実質的に前記線状創傷を一面に覆うようなサイズにされており;およびさらに:
第1の面および第2の内側に向く面を有し、かつ治療領域アパーチャ内に形成された内側層であって、前記内側層の前記第1の面が、少なくとも一部は前記ドレッシングボルスターの前記第2の面に結合され、前記内側層が、前記皮下供給導管を受け入れるように予め切り込まれている、内側層
を含むことを特徴とする、減圧システム。
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の減圧システムにおいて、前記第2の減圧インターフェースが、柔軟なオーバードレープおよび1つまたは複数のoリングを含むことを特徴とする、減圧システム。
請求項1または請求項1乃至5のいずれか一項に記載の減圧システムにおいて、前記組織部位が第1の組織部位であり、前記減圧供給導管が第1の減圧供給導管であり、および前記減圧システムが、さらに:
通路および遠位端部を有するマニホールド供給チューブであって、前記遠位端部は、前記皮下供給導管に挿入されかつ第2の組織部位に隣接して配置されるように構成されている、マニホールド供給チューブと;
前記マニホールド供給チューブを通して前記第2の組織部位まで供給可能な流動性材料であって、前記第2の組織部位に隣接するボイドを埋めることができ、前記第2の組織部位と流体連通する複数の流路を有するマニホールドを形成する、流動性材料と;
前記マニホールドの前記複数の流路と流体連通できる第2の減圧供給導管と
を含むことを特徴とする、減圧システム。
請求項1または請求項2乃至8のいずれか一項に記載の減圧システムにおいて、前記第2の減圧インターフェースは、成形プラスチックのシリンダー状部分を含み、前記成形プラスチックのシリンダー状部分は、
第1の面と;
第2の面であって;
外周;
前記成形プラスチックのシリンダー状部分に形成されたアパーチャ
を有する第2の面と;
を有し、
前記アパーチャが、導管を受け入れかつ前記導管の外周に対して半径方向の圧縮力を発生させるようなサイズにされており;および
前記第2の面が、前記第2の面と減圧創傷ドレッシングアセンブリのオーバードレープとの間に流体シールを形成する接着剤を含むことを特徴とする、減圧システム。
請求項10に記載の減圧システムにおいて、前記成形プラスチックのシリンダー状部分が、前記減圧創傷ドレッシングアセンブリの前記オーバードレープを前記導管によって穿刺するのに必要な量の力に等しい、手によって生じた力を伝達するようなサイズにされていることを特徴とする、減圧システム。
請求項12に記載の創傷ドレッシングアセンブリにおいて、ドレッシングボルスターおよび内側層が、少なくとも部分的に予め切り込まれて、前記皮下供給導管を、前記治療領域アパーチャから前記第2の減圧インターフェースまで通過させることができるようにしていることを特徴とする、創傷ドレッシングアセンブリ。
請求項12または13に記載の創傷ドレッシングアセンブリにおいて、前記第2の減圧インターフェースが、柔軟なオーバードレープおよび1つまたは複数のoリングを含むことを特徴とする、創傷ドレッシングアセンブリ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の例示的かつ非限定的な実施形態の詳細な説明において、本明細書の一部をなす添付図面を参照する。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施できるようにするのに十分な程度、詳細に説明し、および本発明の趣旨または範囲から逸脱せずに、他の実施形態を使用し得ること、および論理的な構造上の、機械的な、電気的なおよび化学的な変更がなされ得ることが理解される。当業者が、本明細書で説明する実施形態を実施できるようにするのに必要ではない詳細の説明を避けるために、当業者に公知の特定の情報の説明を省略し得る。それゆえ、以下の詳細な説明は、限定的ととられるべきではなく、例示的実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ定義される。
【0011】
手術または他の医学的状態の結果、患者は、患者の表皮の線状創傷付近にまたはその真下に、皮下創傷を有する可能性がある。例えば、患者から皮下組織を切除する手術の後、患者は、外科的切開の結果として線状創傷を有し得る。患者はまた、皮膚の真下に、手術により、治癒さる必要のある領域、すなわち、皮下創傷または欠損を有し得る。
【0012】
その場合、皮下創傷は、治癒過程の最中、流体を滲出させるまたは集めることがあり、かつドレーンを線状創傷の端部にまたはその付近に挿入して、皮下創傷の組織部位において滲出液を収集するようにし、かつ不要な流体が集まるのを防止するようにし得る。ドレーンを、皮下供給導管と称し得るドレーンチューブに接続してもよく、このドレーンチューブは、線状創傷の一方の端部において患者の体から出るように構成されている。皮下供給導管のタイプのドレーンチューブは、衛生的に創傷滲出液を収集する目的でドレーンに接続され得る。同時に、減圧治療方法は、手術の最中に生じた線状創傷を治療するために適用され得る。減圧治療方法は、線状創傷を含む治療領域を覆う流体シールの形成を含む。
【0013】
流体シールは、一般に、創傷部位に減圧を供給するシステムの重要かつ脆弱な特徴である。流体シールのいかなる裂け目も漏れを生じ、それにより、減圧供給システムを詰まらせるかまたはそうでなければその性能を弱めてしまう。なぜなら、そのようなシステムは、漏れに対する耐性が非常に低い傾向があるためである。流体シールを提供する方法の1つは、柔軟なドレープ、または患者の表皮に対してシールすなわち封止を行うオーバードレープを含む創傷ドレッシングアセンブリを提供することとし得る。流体シールを形成することによって、オーバードレープは、治療領域と、外部環境とも称し得る周囲環境との間の圧力差を保ち得る。本明細書の全体において、用語「または」は相互排他性である必要はない。ドレーンチューブが存在する場合には、減圧創傷ドレッシングアセンブリの適用は困難となり得る。なぜなら、ドレーンチューブは、オーバードレープが患者の表皮をシールするのを妨げ得るためである。治療の施術者が、ドレーンチューブを覆うようにオーバードレープを適用することによって治療領域をシールしようとする場合、漏れが生じ得る。さらに、流体シールを達成できる場合でも、ドレーンチューブが動くことによって、シールを完全に壊しかつ治療部位における減圧状態を失わせ、それにより、組織部位において所望量の減圧を維持する能力に支障をきたし得る。それゆえ、治療部位と周囲環境との間の流体シールを破壊せずに、ドレーンチューブまたは皮下供給導管が減圧治療領域(ドレーンからドレーン収集領域まで)を通過できるようにするドレッシングアセンブリまたはインターフェースを有することが望ましい。
【0014】
ここで主に
図1を参照すると、同時にドレーン136を通して創傷滲出液を収集しながら、線状創傷114を含む組織部位112を治療する減圧治療システム110の例示的実施形態が示されている。組織部位112は線状創傷114に関係がある。組織部位112は、骨組織、脂肪組織、筋組織、皮膚組織、脈管組織、結合組織、軟骨、腱、靭帯、または任意の他の組織を含む、任意のヒト、動物、または他の生物の体の組織とし得る。組織部位112の治療には、流体、例えば滲出液の除去を含み得る。組織部位112は、表皮116にあるとして示すが、場合によっては、同様に真皮118、および皮下組織120を含み得る。減圧治療システム110はまた、他の組織部位と共に使用してもよい。
【0015】
減圧治療システム110は、創傷ドレッシングアセンブリ122および減圧サブシステム111を含む。減圧治療システム110を、線状創傷114を覆って配置された減圧創傷ドレッシングアセンブリ122との関連で示すが、減圧治療システム110を、開放創を含む他の組織部位でも使用し得ることを理解されたい。創傷ドレッシングアセンブリ122は、マニホールドの機能を果たすドレッシングボルスター124と、オーバードレープ126と、減圧供給導管130に適合する第1の減圧インターフェース128とを含む。減圧供給導管130は、減圧サブシステム111に流体的に結合される。
【0016】
機能的には、減圧サブシステム111によって発生した減圧が、減圧供給導管130を通って第1の減圧インターフェース128に供給される。例示的一実施形態では、第1の減圧インターフェース128は、KCI(San Antonio、Texas)から入手可能なT.R.A.C.(登録商標)PadまたはSensa T.R.A.C.(登録商標)Padである。第1の減圧インターフェース128によって、減圧をドレッシングボルスター124に供給できる。別の実施形態では、減圧インターフェース128は使用されない。その代わりに、ルーメン(すなわち導管)が、オーバードレープ126を通して直接ドレッシングボルスター124に配置される。
【0017】
創傷ドレッシングアセンブリ122は、減圧で治療されるべき組織部位112を含む領域を覆って流体シールを提供する。流体シールは、特定の1つまたは複数の減圧源または関連のサブシステムによって与えられる減圧を所望の部位に維持するのに適切なシールである。
【0018】
創傷ドレッシングアセンブリ122はまた、第2の減圧インターフェース132を含む。第2の減圧インターフェース132は、接着剤、ボンディング、溶接(例えば、超音波溶接、熱溶接、またはRF溶接)、またはセメント剤(図示せず)によってオーバードレープ126に締結される。第2の減圧インターフェース132は、組織部位112を覆う流体シールの完全性を維持する一方、皮下供給導管134がドレッシングボルスター124およびオーバードレープ126を通過できるようにする。実施形態では、第2の減圧インターフェース132は、オーバードレープ126に溶接または接着される成形プラスチック部品を含む。
【0019】
図1の第2の減圧インターフェース132は、使用者または治療の施術者が第2の減圧インターフェース132の外面に力を及ぼして、皮下供給導管134を、創傷ドレッシングアセンブリ122を通って送ることができるように構成される。同時に、使用者は、第2の減圧インターフェース132の個所で、皮下供給導管134をオーバードレープ126に十分な力で押し付けて、オーバードレープ126を破ることができる。第2の減圧インターフェース132はオーバードレープ126を補強しているため、第2の減圧インターフェース132の外側で流体シールを提供するオーバードレープ126の能力を低下させることなく、オーバードレープが破られるようにする。一実施形態では、第2の減圧インターフェース132の箇所においてオーバードレープにアパーチャが形成され、創傷ドレッシングアセンブリ122を通る経路を容易にする。
【0020】
第2の減圧インターフェース132は、いくつもの形状およびサイズをとり得る。例えば、第2の減圧インターフェース132は、実質的に
図1に示すような形状にしてもよく、第2の減圧インターフェース132は、平坦な上面および底面と、アパーチャ168とを含む。アパーチャ168は、皮下供給導管134が第2の減圧インターフェース132を通って挿入されるとき、皮下供給導管134に対して半径方向の圧縮力を生成するようなサイズにされ得る。例えば、アパーチャ168と皮下供給導管134との間に締り嵌めが形成され得る。例示的一実施形態によれば、第2の減圧インターフェース132は、インターフェース本体133から形成されたニップル131を含み、ニップルは、内径D
1のアパーチャ168を備え得る。皮下供給導管134は、外径D
2を有し得る。これら直径は、式D
1<D
2の関係にある。D
1はD
2をわずかに下回り、それにより、締り嵌めによる流体シールが形成される。別の実施形態では、D
1は、D
2に等しくし得る。
【0021】
第2の減圧インターフェース132をまた、第2の減圧インターフェース132の厚さがアパーチャにおいて厚くなり、かつ次第に薄くなって、外縁部において最小厚さとなるように、先細にし得る。第2の減圧インターフェース132の厚さは、縁部からアパーチャ168の縁まで線形にまたは曲線的に次第に厚くなり得る。第2の減圧インターフェース132はまた、丸みを帯びた、またはドームタイプの形状を有し得る。他の形状も可能である。
【0022】
皮下供給導管134は、ドレーン136から、創傷滲出液が皮下組織部位138から流出できるようにする働きをする。皮下供給導管134は、減圧サブシステム111または第2の減圧サブシステム(図示せず)に流体的に結合している。それゆえ、減圧供給導管130および皮下供給導管134の双方とも、減圧をもたらし、かつ減圧サブシステム111に結合し得る。ここで、減圧供給導管130は減圧サブシステム111に結合されて、組織部位112に減圧療法を行う。皮下供給導管134はまた、減圧サブシステム111または別個の減圧サブシステム(図示せず)に結合して、ドレーン136から流体または滲出液を吸い出す。
【0023】
減圧は、治療が施されている組織部位における周囲圧力を下回る圧力である。ほとんどの場合、この減圧は、患者がいる場所の気圧を下回る。あるいは、減圧は、組織部位の静水圧を下回り得る。他に指定のない限り、本明細書で述べる圧力の値は、ゲージ圧である。供給される減圧は、一定であってもまたは変動しても(パターン化またはランダム)よく、連続的にまたは断続的に供給され得る。本明細書での使用に一致して、他に指定のない限り、減圧または真空圧の上昇は、一般に、絶対圧の相対的な低下を指す。
【0024】
一部の実施形態では、線状創傷114の組織部位112においては、皮下組織部位138とは異なる量の減圧が望ましいとし得る。そのような実施形態では、皮下供給導管134および減圧供給導管130は、異なる減圧源に流体的に結合され、かつそれぞれに関連付けられた異なる液溜めを含み得る。あるいは、供給導管130、134は、1つまたは複数の圧力調整器140を通して同じ減圧サブシステム111に結合されてもよく、それにより、単一の減圧サブシステム111が、異なる量の減圧を各導管に供給できるようにする。一部の実施形態では、線状創傷114の組織部位112において、皮下組織部位138と同じ量の減圧が望まれてもよい。これらの実施形態では、皮下供給導管134および減圧供給導管130は、圧力調整器を必要とせずに、同じ減圧源109に流体的に結合され得る。
【0025】
ここで主に
図2を参照すると、
図1の創傷ドレッシングアセンブリ122の垂直断面図が示されている。図示の創傷ドレッシングアセンブリ122は、任意選択的な内側快適層142を含み、この内側快適層は、ドレッシングボルスター124に結合されていてもよく、かつドレッシングボルスター124の材料と患者の表皮116との間にある。創傷ドレッシングアセンブリ122はまた、(緯度の方向または長手方向の)可撓性のノッチ144を含み、ドレッシングボルスター124に可撓性を加え得る。さらに、創傷ドレッシングアセンブリ122のオーバードレープ126は、襞146またはノッチまたは隆起を含み、創傷ドレッシングアセンブリ122に可撓性を加え得る。
【0026】
減圧供給導管130とドレッシングボルスター124とに流体的に結合される第1の減圧インターフェース128に加えて、創傷ドレッシングアセンブリ122はまた、第2の減圧インターフェース132を含む。第2の減圧インターフェース132は、皮下供給導管134の存在に適応するように機能する。皮下供給導管134は、減圧治療システム110が組織部位112に減圧を行う能力を妨げることなく、ドレーン136に流体的に結合されるドレーンチューブの役目を果たす。第2の減圧インターフェース132は、組織部位112における減圧療法を妨げるまたは停止させる漏れを生じることなく、減圧源をドレーン136に流体的に結合する。
【0027】
創傷ドレッシングアセンブリ122のドレッシングボルスター124は、第1の側面148および第2の内側に向く側面150を有する。ドレッシングボルスター124は、真空空間、または治療空間をもたらす任意のボルスター材料またはマニホールド材料、例えば多孔質かつ透過性の発泡体または発泡体様材料、経路を備えて形成された部材、グラフト、またはガーゼから形成し得る。より具体的で非限定的な例として、ドレッシングボルスター124は、減圧下での創傷液の浸透性を良好にできる網状の連続気泡のポリウレタンまたはポリエーテル発泡体とし得る。使用されてきたそのような発泡材料の1つは、Kinetic Concepts,Inc.(KCI)(San Antonio、Texas)から入手可能なVAC(登録商標)GranuFoam(登録商標)材である。マニホールド材料が減圧を分配する働きをするという条件で、任意の材料または材料の組み合わせをマニホールド材料に使用し得る。
【0028】
マニホールドは、一般的に、組織部位に対して減圧を行ったり、流体を供給したり、または組織部位から流体を除去したりするのを支援するために設けられる物体または構造である。マニホールドは、一般に、複数の流路または流れ経路を含む。複数の流路は相互に接続されて、マニホールドの周りの組織領域に提供されるかまたはそこから除去される流体の分配を改善し得る。マニホールドの例は、限定されるものではないが、流路を形成するように配置された構造要素などを有する装置、気泡質の発泡体、例えば連続気泡発泡体、多孔性組織集合体、および液体、ゲル、および流路を含むまたは硬化して流路を含む発泡体などを含み得る。一部の実施形態では、マニホールドは、複数の層または基材によって形成し得る。さらに、複数の層を備えるマニホールドの一部の実施形態では、使用中、患者の最も近くにある層は、最も親水性が低くかつ最も疎水性である材料である。
【0029】
GranuFoam(登録商標)材の網状細孔は、マニホールドの機能を果たすのに役立つが、一方、他の材料を使用してもよい。場合によっては、GranuFoam(登録商標)材よりも密度の高いまたは低い(細孔サイズの小さい)材料が望ましいとし得る。多くの考えられる材料の中で、以下のものを使用し得る:GranuFoam(登録商標)材、Foamex(登録商標)テクニカルフォーム(technical foam)(www.foamex.com)、ガーゼ、可撓性のチャネルを含む部材、グラフトなど。場合によっては、マイクロボンディング工程において発泡体に銀イオン(ionic silver)を添加すること、または材料に抗菌剤などの他の物質を添加することが望ましいとし得る。
【0030】
マニホールドは、一般に、流体を、マニホールドの周りの組織部位にもたらしかつそこから除去されるように分配させる、複数の流路または流れ経路を含む。ここでは、マニホールドは、皮下組織部位と接触して配置されかつ皮下組織部位に減圧を分配することができる生体適合性材料である。マニホールド材料は、減圧治療の後、患者の体に置いたままにしてもよい生体再吸収性材料を含み得る。一般的に、生体再吸収性材料は、単純な化学種に生体内で酵素的または化学的に分解されかつ代謝の排泄によって体から除去され得る材料である。好適な生体再吸収性材料は、限定されるものではないが、ポリ乳酸(PLA)とポリグリコール酸(PGA)とのポリマーブレンドを含み得る。ポリマーブレンドはまた、限定されるものではないが、ポリカーボネート、ポリフマレート、およびカプララクトン(capralactone)を含み得る。マニホールド材料は、新しい細胞増殖のための足場としての機能をさらに果たしてもよいし、または細胞増殖を促進するためにマニホールド材料と足場材料が一緒に使用されてもよい。足場は、細胞増殖または組織形成を増進させるまたは促進するのに使用される物体または構造であり、例えば、細胞増殖のテンプレートを提供する三次元の多孔質構造である。足場材料の例示的例は、リン酸カルシウム、コラーゲン、PLA/PGA、コーラルヒドロキシアパタイト(coral hydroxy apatite)、カーボネート、または加工された同種移植片材料を含む。
【0031】
例示的一実施形態では、ドレッシングボルスター124は、以下の通り製造される。Granufoam(登録商標)材の発泡体ブロック、例えば、1.21メートル×1.8メートル×0.5メートルのブロックを、19mmの高さを有するように切断し、および鋸を使用して、
図2および
図6に示すような横方向の溝、または横方向の可撓性のノッチを形成する。その後、内側快適層142とし得る乾燥した層を、第2の面すなわち底面に積層するまたは取り付ける。その後、ダイカットを使用して発泡体ブロックを切断して、個々のドレッシングボルスター124を形成する。
【0032】
任意選択的な内側快適層142は、第1の側面152および第2の内側に向く側面154を有する。任意選択的な内側快適層142の第1の側面152は、例えば、ヒートボンド(heat bond)または任意の他の技術によって、ドレッシングボルスター124の第2の内側に向く側面150に結合され得る。内側快適層142は、一般に、ドレッシングボルスター124を患者の表皮116に隣接して配置するときに、患者に快適さをもたらす。内側快適層142は、皮膚の刺激および不快感を防止するのを支援する一方、内側快適層142を通した流体伝達を可能にする任意の材料とし得る。非限定的な例として、織りの弾性材料またはポリエステルの編みテキスタイルの基材を使用し得る。別の非限定的な例として、Milliken & Company,Inc.(Spartanburg、South Carolina)の事業部であるMilliken ChemicalからのInterDry(商標)テキスタイル材を使用し得る。内側快適層142は、銀などの抗菌物質を含んでもよく、および通気性のある乾燥した層のように作製し得る。
【0033】
ドレッシングボルスター124は、ドレッシングボルスター124の第1の側面148にある、横方向の切込みとし得る複数の可撓性のノッチ144または凹部を含み得る。さらに、可撓性のノッチ144は、1つまたは複数の長手方向のノッチ、または長手方向の切込み、または他の切込みとし得る。切込みは、鋸(すなわちギザギザのある刃)、ホットナイフ、または他の装置を使用して作製され得る。可撓性のノッチは、ドレッシングボルスター124の可撓性を高め得る。可撓性が高められることは、創傷ドレッシングアセンブリ122を患者の関節の領域または別の動く領域に適用するときに、特に有用とし得る。例えば、ドレッシングボルスター124を膝に使用する場合、ドレッシングボルスター124は、撓む、または100%もしくはそれ以上伸長する必要があることがあり、および可撓性のノッチは、所望の可撓性をもたらすのを助ける。可撓性のノッチはまた、六角形、スリット、または正方形などの様々な形状をとり得る。
【0034】
ドレッシングボルスター124は、ドレッシングボルスター124の第2の内側に向く側面150に対して直交する横方向の縁部を備えて形成され得る。横方向の縁部はまた、勾配付き縁部または角度付き縁部を備えて形成され得る。角度付きまたは勾配付きの縁部は、ドレッシングボルスターと患者の表皮116との間のせん断応力を分配し得る。ドレッシングボルスター124はまた、丸みを帯びた側面を有し得る。ドレッシングボルスター124は、ボルスターを通って形成された小さなアパーチャ、または切込みを有し、比較的小さな力で、皮下供給導管134を、ドレッシングボルスター124を通して案内し得る。
【0035】
オーバードレープ126として示すシール部材は、ドレッシングボルスター124と、患者の表皮116の少なくとも一部分とを覆って、流体シールを提供し得る。そのように、オーバードレープ126は、流体シールを可能にする任意の材料から形成し得る。オーバードレープ126は、感圧接着剤などのシール装置によって、表皮116に対して、またはガスケット材料に対してシールされ得る。
【0036】
シール装置は、粘着性を有するシーリングテープ、またはドレープテープもしくは帯条片;両面ドレープテープ;感圧接着剤;糊;親水コロイド;ヒドロゲル;または他のシール手段など、多数の形態をとり得る。本明細書で説明するように、シール部材は、一般にオーバードレープ126である。テープを使用する場合、テープは、オーバードレープ126と同じ材料で、感圧接着剤が予め塗布された状態で形成され得る。感圧接着剤は、オーバードレープ126の第2の内側に向く側面158またはその一部分に塗布し得る。感圧接着剤は、オーバードレープ126と表皮116との間に流体シールをもたらすのを助ける。本明細書では、流体シールはまた、表皮116に接するガスケットを含み得る。シール部材を表皮に固定する前に、感圧接着剤を覆っている取り外し可能な帯条片、または剥離ライナーを取り除き得る。
【0037】
シール部材、またはオーバードレープ126は、エラストマー性材料、または流体シールをもたらす任意の材料もしくは物質とし得る。エラストマーの例は、限定されるものではないが、天然ゴム、ポリイソプレン、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリブタジエン、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンモノマー、クロロスルホン化ポリエチレン、多硫化ゴム、ポリウレタン、EVAフィルム、コ−ポリエステル、およびシリコーンを含み得る。さらに、シール部材材料は、シリコーンドレープ、3M Tegaderm(登録商標)ドレープ、Avery Dennisonから入手可能なものなどのアクリルドレープ、または切開用ドレープを含み得る。
【0038】
シール部材、すなわちオーバードレープ126は、第1のシール部材またはドレープ部分160、および第2のシール部材またはドレープ部分162を含み得る。第1のシーリングドレープ部分160は、ドレッシングボルスター124の第1の側面148の上側を覆って延在する。オーバードレープ126は、さらに、第1の側面および第2の内側に向く側面(明示せず)を有するシール部材フランジ、すなわちシール部材延長部を形成するように延在する。オーバードレープ126の一部分にはアパーチャ(明示しないが、
図8の559に類似している)が形成されて、第1の減圧インターフェース128との流体連通を可能にし、この第1の減圧インターフェースは、減圧サブシステム111に流体的に結合されている。
【0039】
オーバードレープ延長部の第2の内側に向く側面は、第2のシーリングドレープ部分162の第1の側面(
図1の向きで上面)に配置され、かつ接着剤、ボンディング、溶接(例えば、超音波溶接、熱溶接、またはRF溶接)、またはセメント剤(図示せず)などによって結合されている。あるいは、第1のシーリングドレープ部分160および第2のシーリングドレープ部分162は、一体的に形成され得る。第1のシーリングドレープ部分160は、複数の襞146、またはストレッチゾーンを含み得る。襞146によって、必要に応じて伸縮させたりまたは動かしたりするための、追加的なドレープ材料を用いることが可能となる。例えば、創傷ドレッシングアセンブリ122を関節で使用する場合に、追加的なドレープ材料は、関節を曲げるときに関節の動きに対応するのに有用とし得る。襞146によって、そのような動きを容易にする。
【0040】
適用前、1つまたは複数の剥離部材(図示しないが、
図8の581および583に類似している)が、第2のシーリングドレープ部分162の第1の側面に剥離可能に結合され得る。剥離部材は、剛性をもたらし、かつ創傷ドレッシングアセンブリ122の展開中に役に立つ。剥離部材は、一般に、第2のシーリングドレープ部分162の第1の側面に保持される流延用紙またはフィルムのいずれかである。
【0041】
減圧サブシステム111は、多くの異なる形態をとり得る少なくとも1つの減圧源109を含む。減圧源109は、減圧治療システム110の一部として減圧をもたらす。減圧源109は、減圧供給導管130によって第1の減圧インターフェース128に流体的に結合される。
【0042】
減圧サブシステム111は、1つまたは複数の溜め領域113またはキャニスター領域を有し得る。溜め領域113またはキャニスター領域は、1つまたは複数のフィルタを含み、空気圧系統に組織部位112または皮下組織部位138からの液体が入らないように保護し得る。疎水性または疎油性フィルタなどの介在型薄膜フィルタを、減圧供給導管130と減圧サブシステム111との間に介在させ得る。減圧サブシステム111に加えて1つまたは複数の装置を減圧供給導管130に流体的に結合し得る。例えば、除去された滲出液および他の流体を保持するための別の液溜めまたは収集部材、圧力フィードバック装置、容量検出システム、血液検出システム、感染検出システム、流量監視システム、または温度監視システムが、減圧供給導管130に結合され得る。そのような装置は、減圧サブシステム111に含まれ得るかまたはそれと一体的に形成され得る。
【0043】
減圧サブシステム111は、減圧を供給するための任意の装置、例えば真空ポンプ、壁面吸い込み、または他の減圧源とし得る。組織部位に適用される減圧の量および性質は、一般に適用に応じて変動するが、減圧は、一般に、−5mm Hg(−667Pa)〜−500mm Hg(−66.7kPa)、より典型的には−75mm Hg(−9.9kPa)〜−300mm Hg(−39.9kPa)である。例えば、限定するものではないが、圧力は、−12、−12.5、−13、−14、−14.5、−15、−15.5、−16、−16.5、−17、−17.5、−18、−18.5、−19、−19.5、−20、−20.5、−21、−21.5、−22、−22.5、−23、−23.5、−24、−24.5、−25、−25.5、−26、−26.5kPaまたは別の圧力とし得る。
【0044】
減圧サブシステム111によって発生した減圧は、減圧供給導管130を通って第1の減圧インターフェース128に供給される。第1の減圧インターフェース128によって、減圧を、オーバードレープ126を通ってドレッシングボルスター124まで供給できる。
【0045】
減圧治療システム110による治療を行う場合には、少なくともある閾値レベルの減圧が組織部位112に供給されていることを知ることが望ましいとし得る。減圧源に結合されたドレッシングの減圧計は、この作業を遂行できる。ドレッシングの減圧計はまた、オーバードレープ126に流体的に結合された別個のユニットとして、オーバードレープ126の密閉空間内からの圧力が、ドレッシングの減圧計に達するようにするか、または減圧サブシステム111の一部として第1の減圧インターフェース128と関連付けてもよい。適切な減圧が存在する場合、減圧計は凹み(collapsed)位置を推測し、かつ不適切な減圧が存在する場合、減圧計は非凹み位置を推測し得る。
【0046】
一部の実施形態では、ドレッシングボルスター124は、存在してもしなくてもよい皮下供給導管134の存在に適応するように、予め形成し得る。
図3Aに示すように、ドレッシングボルスター224は、ボルスター材料の有孔切込み264または有孔シリンダーなどの解放領域を形成することによって、皮下供給導管を任意選択的に受け入れるように予め形成され得る。導管をドレッシングボルスターに容易に通すことができるように、ボルスター材料の有孔シリンダーは、ドレーンを適用するときに、手でドレッシングボルスター224から除去され得るかまたは孔があけられ得る。さらに、ボルスター材料を、様々な直径の複数の切込みのある状態にするように、穿孔することが望ましいことがあり、いずれかの予測できるドレーンチューブのサイズとほぼ同じサイズのボルスター材料の部片を、手で取り除くことができるようにする。
【0047】
あるいは、ドレッシングボルスター224における変形が若干多めに許容される場合、ドレッシングボルスター224は、
図3Bに示すようなボルスター材料に作製された十字形の切込み266の形態の解放領域を有し、ドレーンチューブが通過できるようにし得る。有孔切込み264は、ドレッシングボルスター224を通って送られる導管またはチューブのタイプに依存して任意の様々な有孔の形状またはサイズとし得る。ドレッシングボルスター224が任意選択的な快適層、例えば
図2の内側快適層142を備えて組み立てられる場合、孔あけまたは十字形の切込みはまた、内側快適層142に形成されて、ドレッシングボルスター材料の有孔切込み264または十字形の切込み266を補完する。
【0048】
ここで主に
図4を参照すると、解放領域を有するドレッシングボルスター224を組み込む創傷ドレッシングアセンブリ222が示されている。創傷ドレッシングアセンブリ222の構成要素は、有孔切込み264または十字形の切込み266(
図3B)を有して、ドレッシングボルスター材料をシリンダー状に簡単に除去できるようにし、皮下供給導管がドレッシングボルスター224を通過できるようにし得る。そのような実施形態では、有孔切込み264または十字形の切込み266は、創傷ドレッシングアセンブリの一部のみを通って延在するため、皮下供給導管が存在してもしなくても、流体シールが組織部位に維持され得る。創傷ドレッシングアセンブリは、第2の減圧インターフェース232を含み、皮下供給導管が存在する場合でも、第2の減圧インターフェース232と皮下供給導管の境界に流体シールを形成する。第2の減圧インターフェース232は、組織部位と周囲環境との間のオーバードレープ226によって設けられたシールを補強する働きをし得る。ここで、第2の減圧インターフェース232はまた、アパーチャ268を含み、導管のあるセクションを、第2の減圧インターフェース232を通して送ることができるようにする。
【0049】
ここで主に
図5を参照すると、第2の減圧インターフェース232は、上述の通り、エラストマー性の特性を備える材料、すなわちエラストマーを使用して成形され得る。第2の減圧インターフェース232の材料の弾性は、第2の減圧インターフェース232のアパーチャ268を拡大させて、導管または皮下供給導管234のあるセクションを、アパーチャ268に通過させることができるようにする。一実施形態では、アパーチャ268の直径は、第2の減圧インターフェース232を通して送られ得る導管の直径よりもわずかに小さいとし得る。この寸法のわずかな重なりによって締り嵌めを達成し、皮下供給導管234が第2の減圧インターフェース232を通して送られるときに、アパーチャ268を少量変形させるようにし得る。
【0050】
変形する結果、第2の減圧インターフェース232のエラストマー性の特性(すなわち弾性)によって、アパーチャ268の表面と皮下供給導管234との間に半径方向の圧縮力270を発生させ得る。それにより、半径方向の圧縮力270は、第2の減圧インターフェース232と皮下供給導管234の境界に流体シールを形成し、それにより、組織部位と周囲環境との圧力差を保ち得る。場合によっては、追加的な材料を使用して、第2の減圧インターフェース232と皮下供給導管234のこのシールされた境界を形成または強化し得る。例えば、接着剤または1つまたは複数のガスケット(例えば、oリング)をアパーチャ268の表面と皮下供給導管234の外面との間に設置して、流体シールの強度を高めてもよい。
【0051】
ここで主に
図6を参照すると、線状創傷(図示せず)を有する組織部位を治療する減圧システム300の別の実施形態が示されている。減圧システム300は第2の減圧インターフェース332を含み、この第2の減圧インターフェースは、組織部位(図示せず)に適用される創傷ドレッシングアセンブリ322に組み込まれている。組織部位は、皮下供給導管334の第1の導管セグメント335に近接している。場合によっては、皮下供給導管334の第1の導管セグメント335を皮下組織320に取り付けたままにし、かつ挿入された導管を覆って創傷ドレッシングアセンブリ322を適用できるようにする一方、周囲の組織を可能な限り妨害しないようにすることが望ましいとし得る。ここで、創傷ドレッシングアセンブリ322を適用して、患者の表皮において皮下供給導管334が患者の表皮または皮膚から出る個所付近に配置された線状創傷(図示せず)に減圧を供給するための、よりモジュール式の解決法を示す。
【0052】
皮下供給導管334は第1の導管セグメント335を含み、第1の導管セグメントは、患者の表皮316の上方を短い距離(例えば、約10センチメートル)のみ延在し、かつその後、導管の追加的なセクション、例えば、第2のセグメント376またはアダプタ397に結合され得る。組み合わせられた導管セグメント335、397、および376(または一部の実施形態では、335および376)を使用して、収集した流体を排出する。皮下供給導管334の第1の導管セグメント335は、患者に取り付けられたままであり、かつ表皮316から十分に突出して、第1の導管セグメント335の端部分396と第2の導管セグメント376の端部分374との間の封止結合を可能にするようなサイズにされ得る、トリミングされ得る、または他の方法で構成され得る。第2の導管セグメント376は、減圧源およびドレナージ収集領域(図示せず)に流体的に結合され得る。皮下供給導管334の第2の導管セグメント376は、第1の導管セグメント335を取り外さずに、取り外されて交換され得る。
【0053】
第1の導管セグメント334と第2の導管セグメント376との間の結合は、いくつもの方法で生じ得る。例えば、効果的な結合は、第1の導管セグメント334の端部分335と第2の導管セグメント376との間に締り嵌めを提供することによって、達成され得る。この結合部は、直接結合としても、または中間導管セグメントを含むアダプタ397、すなわち結合器を使用して形成された結合としてもよい。アダプタ397を使用しない場合、第1の導管セグメントは、創傷ドレッシングアセンブリ322および第2の減圧インターフェース332を通って突出するようなサイズにされ、および第2の導管セグメント376の端部分(または遠位端部)374は、第1の導管セグメント335の端部分396にぴったりと合うようなサイズにされ得る。導管セグメント(335および376)の重なりによって、液密シールを形成する。
【0054】
アダプタ397は、第1の導管セグメント335および第2の導管セグメント376の双方と流体シールを形成するように適合された先細の導管端部を有する結合器とし得る。あるいは、アダプタ397を第1の導管セグメント335および第2の導管セグメント376に結合するために使用された任意のシール手段は、第1の導管セグメント335を第2の導管セグメント376に直接結合するために使用される。例えば、第1の導管セグメント335と第2の導管セグメント376の重なり合う部分は、一緒に結合部を形成せざるを得ないようにされ得る。さらに、第2の導管セグメント376は、
図6Aに提案するようなアダプタ397の端部セグメント378上の溝付き導管セグメント380または第1の導管セグメント335の溝付きセグメントを収容し得る。導管セグメントの端部分はまた、他の物理的特徴を含み、シールの形成および保持を支援し得る。例えば、小さな導管部分の外面に角度を付けても、または先細にしてもよいし、および大きな直径の導管部分の内面が相補的な溝またはテーパを有して、対向する導管セグメントを収容して封止してもよい。
【0055】
固定部材384が任意選択的に含まれ、第1の導管セグメント335を表皮316に対して固定して、ドレッシングアセンブリ322を適用している最中の周囲組織の刺激を最小限にし得る。そのようなものとして、固定部材384は、非常に可撓性がありかつ透湿性のある低硬度の材料のものとし、下にある真皮に対する刺激および損傷を実質的になくすかまたは少なくし得る。固定部材384の材料は、焼結させたゴムまたはシリコーン重合体部材などの多孔質材とし得る。固定部材384は、接着剤または他の取付装置を使用して表皮316に接着し得る。固定部材384は、第1の導管セグメント335を固定するのを助け、第1の導管セグメント335の不要な動きを防止する。固定部材384は、リング形状を呈してもよく、または
図6に示すようにフランジ形状を有してもよい。そのような構成では、固定部材384は、中間導管セグメントの機能を果たしかつ第1の導管セグメント334と第2の導管セグメント376との間の封止結合を形成してもよいし、または導管セグメント335および376を単に固定する通り抜け装置としてもよい。
【0056】
ここで主に
図7を参照すると、第2の減圧インターフェース432を含む、線状創傷を有する組織部位を治療する別の減圧システム400が示されている。創傷ドレッシングアセンブリ422は、多くの点で
図2の創傷ドレッシングアセンブリ122に類似している。しかしながら、オーバードレープ426はよりゆったりと覆っており、かつ第2の減圧インターフェース432を覆って形成し、かつoリング486やクランプによって皮下供給導管434に対して固定されることができる。第2の減圧インターフェース432は、インターフェース本体433から形成されるニップル431を含み得る。
【0057】
ここで主に
図8を参照すると、減圧による組織部位の治療において適用するための創傷ドレッシングアセンブリ522の一部分の、分解斜視図が示されている。組織部位は、皮下組織部位、線状創傷、創傷部(area wound)、または他の創傷またはグラフトとし得る。
図8に示す創傷ドレッシングアセンブリ522は、展開前状態にある分解図で示す。創傷ドレッシングアセンブリ522は、大部分の点で
図1および
図2の創傷ドレッシングアセンブリ122に類似している。対応する部分を示すために、参照符号を100の桁だけ変えて大きくしてあり、さらなる説明はしない。
【0058】
創傷ドレッシングアセンブリ522はドレッシングボルスター524を含み、このドレッシングボルスターは、同様に、ドレッシングボルスター524の表面に対して横方向および長手方向の双方に可撓性のノッチ544を含み得る。ドレッシングボルスター524の第1の側面548はオーバードレープ526で覆われており、このオーバードレープは、第1のドレープ部分560および第2のドレープ部分562を含み得る。第1のドレープ部分560は、襞546およびドレープアパーチャ559を含む。第2のドレープ部分562は、ドレッシングボルスター524の少なくとも一部分への、または患者の表皮に直接適用される内側快適層542への開口部を提供する治療領域アパーチャ588を備えて形成され得る。第2のドレープ部分562は第1の側面587を有し、かつ第1の側面587の一部分に接着剤589が塗布されている。接着剤589は、主に製造中に使用して、ドレッシングボルスター524(または存在する場合には内側快適層542)を、組立の最中、第2のドレープ部分562に当てるようにし、かつまた、使用中にドレッシングボルスター524を保持するのを支援するために使用し得る。ドレッシングボルスター524または内側快適層542を接着剤589に適用する前、接着剤589は、中心剥離可能部材585によって覆われている。第1の側面587の接着剤589の外側には剥離可能部材583があり、展開中のオーバードレープ526に剛性をもたらす。
【0059】
第2のドレープ部分562の第2の内側に向く側面(明示しないが、第1の側面587に対向する側面)は、接着剤で覆われ得る。展開前状態では、この接着剤は、底部剥離部材590および側部剥離部材583によって覆われている。
【0060】
一旦組み立てられると、創傷ドレッシングアセンブリ522は、
図1のドレッシングアセンブリ122と似ている。使用および設計は変わり得るが、例示的一実施形態では、創傷ドレッシングアセンブリ522は、下記の通り展開され得る。患者に皮下供給導管(図示せず)が挿入されてから、創傷ドレッシングアセンブリ522を通して第2の側面から第1の側面まで遠位端部が配置される。一実施形態では、皮下供給導管は、快適層542(存在する場合には)にある予め形成された切込み566を通して、および任意選択的にドレッシングボルスター524を通して押し込まれる。
【0061】
底部剥離ライナー590が取り除かれ、かつ第2のドレープ部分562の第2の内側に向く側面上にある、露出された接着剤を、一方の端部から始めて患者の表皮の一部分にくっつけて置いて、創傷ドレッシングアセンブリ522を、線状創傷を覆って配置し得る。第2のドレープ部分562を順調に適用した後、側部剥離部材583を取り除く。オーバードレープ526の第1の側面587上にある剥離部材581を取り除く。第1の減圧インターフェース528を、第1のドレープ部分560のドレープアパーチャ559に結合する。第2の減圧インターフェース532も、ドレッシングボルスター524および内側快適層542(存在する場合)に作られた、予め形成された切込み566の中心と同軸の、ある個所において、ドレープ(製造中に既に適用されていない場合)に接着させて、ドレーンの存在に適応し得る。中心剥離部材585は、製造中に取り除かれる。
【0062】
使用者または治療の施術者は、創傷ドレッシングアセンブリ522のフットプリント(footprint)内にドレーンまたは他の皮下供給チューブを備える第2の減圧インターフェース532を含む創傷ドレッシングアセンブリ522を適用し得る。一実施形態では、第2の減圧インターフェースは、製造中に創傷ドレッシングアセンブリに取り付けられる。別の実施形態では、第2の減圧インターフェース532は、使用時に追加され得る別個のアイテムである。例えば、ドレーンチューブは、外科創傷の端部から突出しているため、使用者は、第2の減圧インターフェース532が望まれていることを認識して、第2の減圧インターフェース532を適用する。
【0063】
一実施形態の適用では、創傷ドレッシングアセンブリの選択後、使用者は、ドレッシングボルスターの予め形成された切込み566がドレーンの皮下供給導管と位置合わせされるように、創傷ドレッシングアセンブリ522を方向付ける。その後、使用者は、使用者がオーバードレープ526の抵抗を感じるまでドレッシングボルスターを通して導管を押す。使用者は、成形された減圧インターフェースに力を加えて、ドレープを通して導管を押し、ドレープは、限界力を受けると、破れる。限界力を加えるために、減圧インターフェースは、インターフェースを形成する材料を使用者が把持してそれを導管に対して押し付けるのに適切なサイズである必要があり得る。例えば、第2の減圧インターフェースは、導管が通過するアパーチャを半径方向に少なくとも1センチメートル越えて延在する必要があり得る。その後、使用者は、創傷ドレッシングアセンブリ522を通して十分な量の導管を引き出して、導管を受口に接続する前に創傷ドレッシングアセンブリ522を配置できるようにする。この適用方法は、第2の減圧インターフェースおよび破れたオーバードレープの双方に、導管の周囲で半径方向の圧縮を生じて、導管と創傷ドレッシングアセンブリ522の境界に流体シールを形成する必要がある。
【0064】
同様の実施形態では、第2の減圧インターフェース532は、展開時に追加され得る。皮下供給導管が創傷部位付近に存在する場合、導管は、予め形成された切込み566を通して、または同様の新しく形成された切込みを通して送られ得る。同様に、導管の遠位端部は、穿孔されるように設計されるオーバードレープ526の一部分を通して、またはドレープに新しく形成された切り口を通して押し込まれ得る。第2の減圧インターフェース532は、皮下供給導管の遠位端部を覆って配置され、皮下供給導管を摺動し、かつオーバードレープ526の外面に接着され得る。その後、皮下導管の遠位端部を減圧源に結合し得る。減圧供給導管は、第1の減圧インターフェース528を減圧源に結合し得る。減圧源は、両インターフェースに対して同じであってもよいし、または所望により、異なる減圧源がそれぞれのインターフェースに取り付けられてもよい。
【0065】
ここで主に
図9を参照すると、代替的な形状を有するドレッシングアセンブリ622が示されている。ドレッシングアセンブリ622は、身体の異なる部分に減圧を適用するようなサイズにされかつそのように構成され、かつそれに応じてサイズおよび形状が変化し得る。同様に、ドレッシングアセンブリ622のサイズは、予想される創傷のサイズに従って変化し得る。ここで、上述の特徴および属性の多くを有するドレッシングアセンブリ622を示し、ドレッシングボルスター624、第1の減圧インターフェース628、第1の減圧導管630、第2の減圧インターフェース632、および皮下供給導管634を含む。
【0066】
ドレーンチューブのための経路の形成を容易にすることに加え、第2の減圧インターフェース632はまた、創傷部位に追加的な治療および診断的適用を行うように機能し得る。例えば、第2の皮下供給導管634を、ドレーンに適応することに加え、外部の診断装置に取り付けられた小型のワイヤーセンサを使用して創傷部位を監視するために使用し得る。同様に、第2の減圧インターフェース632によって、近くにある皮下創傷部位に減圧療法を行うことを可能にし得る。そのような適用では、皮下供給導管634を使用して、マニホールド材料を、骨損傷などの皮下組織部位に届けることができ、そこにマニホールド材料および皮下供給導管を流体的に結合できる。
【0067】
マニホールド材料を届けた後、皮下供給チューブ634は、減圧源(図示せず)に結合されて、骨または脊髄損傷などの皮下組織部位に減圧を供給し得る。そのようなものとして、第2の減圧インターフェース632を追加することによって、単一の創傷ドレッシングアセンブリおよび減圧源を使用して、2つの別個の組織部位に減圧療法を行うことができる。
【0068】
本発明およびその利点を特定の例示的非限定的な実施形態に照らして開示したが、添付の特許請求の範囲で定義した本発明の範囲から逸脱せずに、様々な変更、代替、置換、および修正をなし得ることを理解されたい。いずれか一つの実施形態に関連して説明された任意の特徴はまた、任意の他の実施形態にも適用可能であり得ることを理解されたい。
【0069】
上述の利益および利点は、一実施形態に関連し得ること、またはいくつかの実施形態に関連し得ることを理解されたい。「1つの(an)」品目への言及は、1つまたは複数のそれら品目を指すことをさらに理解されたい。
【0070】
本明細書で説明した方法のステップは、任意の好適な順序で、または適切な場合には同時に実施し得る。
【0071】
適切な場合には、上述の例のいずれかの態様を、説明の任意の他の例の態様と組み合わせて、類似のまたは異なる特性を有しかつ同じまたは異なる問題に対処する別の例を形成する。
【0072】
好ましい実施形態の上述の説明は例示にすぎず、当業者は様々な修正をなし得ることを理解されたい。上述の明細書、例、およびデータは、本発明の例示的な実施形態の構造および使用の完全な説明を提供する。本発明の様々な実施形態を、ある程度詳細に、または1つまたは複数の個々の実施形態を参照して上記で説明したが、当業者は、特許請求の範囲から逸脱せずに、開示の実施形態に多数の修正をなすことができる。