(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記アイウェア物品は、取り付け部を更に含み、前記テンプル部は、前記取り付け部に回転可能に固定され、前記テンプル部の長さに沿って前記取り付け部から30mmの距離において、20mm<ρ<80mmである、請求項1に記載のアイウェア物品。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
究極的には、多くのユーザーによる使用に好適な、より良好にフィットするアイウェアに対する、継続的な必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
用語
本発明に関し、以下の用語は下記のように定義される。
「及び/又は」は、「及び」、「又は」、及び「及び」と「又は」との組み合わせを意味する。
【0006】
可撓性部のリブに関して「角度をつけて配置する」とは、リブが平行ではなく、リブの1つ以上の主要表面が、5°/180°超の角度を形成することを意味する。
【0007】
「取り付け部」とは、テンプル部が固定され得る、レンズ、フレーム、又は他の好適な機構などの機構を意味する。
【0008】
テンプル部の接触部に関し、「接触部」とは、耳の正常位置の真上及び/又は真後ろでユーザーの頭部と接触する部分を意味する。
【0009】
「可撓性部」とは、例えば、アイウェア物品がユーザーの頭部で使用するために配置されて、好適な力に晒されたときに曲がる、テンプル部の一部を指す。
【0010】
「曲げ弾性率」とは、曲げ変形における、圧力対歪みの比率を意味し、例えば、ASTM D790又はISO 178に従って測定され得る。
【0011】
「接触部にかかる力」とは、例えば、ユーザーの頭部の接触部の表面にほぼ垂直方向でかかる力、及び/又はユーザーの頭部により接触部にかかる対応する力を意味し、アイウェア物品が使用するために配置されるときに、アイウェア物品の前頭面からおよそ110mmのところで測定され得る。
【0012】
「レンズ」は、ユーザーがそれを通じて環境を見ることができる構造を意味し、いずれかの好適な材料を含み得る。
【0013】
「部分」は、より大きな物体の一部を意味する。
【0014】
アイウェア物品に関し「使用するために配置される」とは、アイウェア物品の意図される機能をもたらすために、ユーザーの目のほぼ前あたりにアイウェア物品が配置されることを意味する。
【0015】
アイウェア物品のテンプル部、又は可撓性部に関し「曲がっていない状態」とは、テンプル部の接触部に殆ど又は全く力がかかっていない中立的な状態を意味する。
【0016】
「曲率半径」とは、用語の従来的な数学的意味と一致する、曲線の一部における接触円の半径を意味する。
【0017】
人間の頭部の幅を記載するために使用されるとき、「幅」とは、各耳の通常位置の真上の点の間の距離を指す。
【0018】
本発明は、曲率半径(ρ)、並びに第1及び第2の長手方向に配置されたリブを有する可撓性部を含む、アイウェア物品の前部から後方に延びるテンプル部を有する、アイウェア物品をもたらす。可撓性部がユーザーの頭部に適合するように曲がるときに、第1及び第2のリブが相対的に回転する。テンプル部が曲がっていない状態にあるとき、第1リブは、第2リブに対して角度を付けて配置され、ρ<80mmである。様々な実施形態において、ρは20mm〜60mm、又は45mm〜55mmである。いくつかの実施形態において、可撓性部は最大曲率半径(ρM)、及び最小曲率半径(ρm)であり、[ρM−ρm]<5mmである。アイウェア物品は更に、取り付け部を含んでもよく、テンプル部は取り付け部に回転可能に固定され、ρは、テンプル部の長さに沿って取り付け部から30mmの距離において、20mm〜80mmの範囲内であり得る。
【0019】
いくつかの実施形態において、リブは、厚さ(t)によって分離された第1主要表面及び第2主要表面を有し、リブの長手方向に長さ(l)、及び厚さ(t)及び長さ(l)それぞれと垂直方向に高さ(h)を有し、各リブの第1及び第2主要表面は実質的に平面的である。いくつかの実施形態において、長さ(l)は、15mm〜45mmであり、各リブの高さ(h)は、各リブの長さに沿って変化する。いくつかの実施形態において、リブは、厚さ(t)によって分離された第1主要表面及び第2主要表面を有し、リブの長手方向に長さ(l)、及び厚さ(t)及び長さ(l)それぞれと垂直方向に高さ(h)を有し、各リブの第1及び第2主要表面は実質的に平面的である。いくつかの実施形態において、アイウェア物品は、3つ以上の長手方向に配置されたリブを含み、各リブは、厚さ(t)によって分離された第1及び第2の主要表面を含み、各リブの第1主要表面は、アイウェア物品を仮想的な上方半体及び下方半体に分割する水平面と垂直ではない。
【0020】
いくつかの代表的な実施形態において、テンプル部は、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、及びアセタールからなる群から選択される材料から作製される。可撓性部は、800MPa〜2500MPa、800MPa〜1700MPa、又は1000MPa〜1200MPaの曲げ弾性率を有する材料から作製され得る。
【0021】
いくつかの代表的な実施形態において、テンプル部は接触部を含み、接触部に垂直にかかる力(F)は、アイウェア物品が、130mm〜170mmの幅(W)を有する、人間の頭部で使用するために位置付けられたときに、50g〜140gである。いくつかの代表的な実施形態において、力(F)は、アイウェア物品が、130mm〜170mmの幅(W)を有する人間の頭部で使用するために位置付けられたときに、50g〜110gであり得、又はFは70g〜110gであり得る。
【0022】
いくつかの代表的な実施形態において、テンプル部は更に、接触部を含み、アイウェア物品が、130mmの幅を有する人間の頭部で使用するために配置されたときに、接触部に垂直に第1力(F1)がかかり、180mmの幅を有する人間の頭部で使用するために配置されたときに、接触部に垂直に第2の力(F2)がかかり、(F2−F1)は、<50gである。
【0023】
本発明は、更に、曲率半径(ρ)、並びに第1及び第2の長手方向に配置されたリブを有する可撓性部を含む、アイウェア物品の前部から後方に延びるテンプル部を有する、アイウェア物品をもたらす。各リブは、厚さ(t)で分離された第1及び第2の主要表面を有し、テンプル部が曲がっていない状態にあるとき、ρは<80mmであり、各リブの第1主要表面は、アイウェア物品を仮想的な上方半体及び下方半体に分割する水平面と垂直ではない。いくつかの代表的な実施形態において、テンプル部は更に、接触部を含み、アイウェア物品が、130mmの幅を有する人間の頭部で使用するために配置されたときに、接触部に垂直に第1力(F1)がかかり、180mmの幅を有する人間の頭部で使用するために配置されたときに、接触部に垂直に第2の力(F2)がかかり、(F2−F1)は、<50gである。
【0024】
本発明のアイウェア物品は、安全眼鏡、ゴーグル、サングラス、美容眼鏡、視力矯正眼鏡、及び/又は当該技術分野において既知の他のアイウェア物品であり得る。上記の本発明の課題を解決するための手段は、本発明の開示されるそれぞれの実施形態、又は本発明のすべての実施を説明することを目的としたものではない。以下の図面及び発明を実施するための形態は、実例となる実施形態をより具体的に例示するものである。米国特許出願第13/410,924号、表題「Eyewear Having a Flexural Member」(2012年3月2日出願)は、可撓性部を有する代表的なアイウェア物品の構造及び構成を取り扱い、本明細書において参照として組み込まれる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は、ある範囲の頭の大きさに適した、フィット及び快適性のバランスをもたらす機構を有する、アイウェア物品を提示する。アイウェア物品は、比較的小さな頭の幅を有するユーザーに、アイウェア物品を維持するために、テンプル部の接触部に十分な力をもたらす一方で、比較的大きな頭の幅を有するユーザーの上に位置付けられた際に、所望の快適性の範囲内の力をもたらす。代表的な実施形態において、アイウェア物品は、テンプル部の接触部において所望のレベルの力をもたらし、これは、先行技術のアイウェア物品よりもユーザーの頭の幅に依存しない。
【0027】
図1は、アイウェア物品100の第1の代表的な実施形態を示す。アイウェア物品100は、1つ以上のレンズ130又はフレームを含む、従来的なアイウェア構成要素を含み得る。アイウェア物品100は、第1端部111、接触部112、及び可撓性部120をそれぞれ有する、2つのテンプル部110を含む。テンプル部110は、アイウェア物品100の前部から後方に延びる。可撓性部120は、曲がっていない状態における曲率半径を有する。可撓性部分120はユーザーの頭部に適合するように外側に曲がり、ある範囲の好適な頭の幅にわたって、所望の特性をもたらすように構成される。代表的な実施形態において、接触部112は、特定の頭の幅に適合する際に、可撓性部120が受ける湾曲と無関係に、実質的に一定の向きのままである。使用するために位置付けられるとき、アイウェア物品100は、アイウェア物品100の意図される機能をもたらすために、ほぼユーザーの目の前に位置付けられる。1つ以上のレンズ130がユーザーの視界と相互作用し、又はユーザーの目及びユーザーの顔の一部を、外的要素から遮断する。
【0028】
代表的な実施形態において、テンプル部110の第1端部111は、1つ以上のレンズ130、フレーム、又はアイウェア物品100の他の好適な機構の、取り付け部150に固定され得る。テンプル部110は、当該技術分野において既知のいずれかの好適な手段により、取り付け部150に固定され得る。例えば、テンプル部110は、ヒンジにより回転可能に固定され得、これは、開放位置と閉鎖位置との間の様々な位置で、軸を中心に、テンプル部110が枢動運動することを可能にする。これは、1つ以上のレンズ130、フレーム、又はアイウェア物品100の他の好適な部分の対応する機構と係合し、ねじ、ピン、又は当該技術分野において既知の他の機構と回転可能に係合するように固定される、機構を含むテンプル部110の第1端部111によって達成され得る。テンプル部110はまた、例えば、スナップフィット取り付けを使用し取り付けられてもよい。別の代表的な実施形態において、アイウェア物品100は、フレーム及びテンプル部110を含んでも含まなくてもよく、テンプル部110は、1つ以上のレンズの取り付け部に取り付けられてもよい。
【0029】
上記のアイウェア物品100の構成要素は、別個に形成され、その後一緒に接合されて、アイウェア物品を形成してもよい。代表的な実施形態において、1つ以上のレンズ130、及びフレームが、例えば、射出成形、トランスファー成形、圧縮成形、又は当該技術分野において既知の他の技術により、単一部品として一体的に形成される。別の代表的な実施形態において、テンプル部110は、射出成形、トランスファー成形、圧縮成形、又は当該技術分野において既知の他の技術により形成され、その後レンズ又はフレームに接合されてもよい。あるいは、様々な部分、又はアイウェア物品100全体が一体的に形成されてもよい。
【0030】
可撓性部120は、テンプル部及び可撓性部が受け得る、通常の曲げの範囲にわたって、弾性変形を可能にするように、好適な特性を有する材料から形成されてもよい。代表的な実施形態において、テンプル部110及び/又は可撓性部120は、Pittsfield,MassachusettsのSabic Innovative Plasticsから入手可能な商標名XYLEX X8300を有する材料などのポリカーボネート及びポリエステルの紫外線に対し安定なブレンド、又はSabic Innovative Plasticsから入手可能な商標名XENOY 5720を有する材料などのポリカーボネート及びポリブチレン(polybutelene)のブレンドから作製される。他の代表的な実施形態において、テンプル部110及び/又は可撓性部120は、Sabic Innovative Plasticから入手可能なPC124Rなどのポリカーボネート、又はE.I.Du Pont De Nemours and Coから入手可能なD100 STなどのアセタールから作製される。他の好適な材料としては、他のポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、アセタール、熱可塑性樹脂、当該技術分野において既知の他の好適な材料、及びこのような材料の好適な組み合わせが挙げられる。
【0031】
代表的な実施形態において、テンプル部110及び可撓性部120は、800MPa〜2500MPaの曲げ弾性率を有する材料から作製される。様々な代表的な実施形態において、曲げ弾性率は、約800MPa〜1700MPz、又は約1000MPa〜約1200MPaであり得る。
【0032】
本発明による、アイウェア物品のいくつかの特徴が、アイウェア物品100に対して画定され、
図2に示される3つの基準面を参照して理解され得る。使用するときに配置されるように、アイウェア物品100が水平方向に位置付けられ、アイウェア物品100をレンズの外側(これはアイウェアの前方と称され得る)から観察すると、中央サジタル平面161が、アイウェア100を、仮想的な左半体及び右半体へと分割する。水平面162は、アイウェア物品100を、想像上の上方部及び下方部へと水平方向に分割する。水平面162は、開放位置と閉鎖位置との間で動き、かつユーザーの頭部に適合する際に曲がっていない状態から曲がった状態へと移動する際の、テンプル部110によって形成される回転面とほぼ平行である。テンプル部110とフレーム又はレンズを接合しているヒンジが完全に開いており、テンプル部110が、テンプル部110の接触部112に、又はこれにより負荷がかからないように曲がっていない状態にあるときに、テンプル部110は、開放位置にあるとされる。例えば、テンプル部110が内側に折り曲げられるように、ヒンジが完全に閉じているときに、テンプル部110は、閉鎖位置にあるとされる。前頭面163は、中央サジタル平面及び水平面の両方と垂直であり、1つ以上のレンズ130の最前部と接している。
【0033】
図2に示されるように、接触部112の位置、及びテンプル部110の対応する曲げが、アイウェア物品100の水平面162と実質的に平行であり、中央サジタル平面161と垂直である、距離dにより特徴づけることができ、これは、接触部をアイウェア物品100の中央サジタル平面から分離する。例えば、テンプル部110が開放位置、及び曲がっていない状態にあるとき、第1距離は、接触部112を中央サジタル平面161から分離する。例えば、仮想線で示されるように、ユーザーの頭部に適合するようにテンプル部110が曲げられると、第2距離dが接触部112を中央サジタル平面161から分離する。第2距離dは、アイウェア物品100が位置付けられる頭部の幅の大きさのおよそ半分であり得る。テンプル部110が曲げられると、回復力が働いて、テンプル部110をこれが曲げられない位置へと戻す。所与の曲げに対してテンプル部110の接触部112にかかる力の大きさは、決まっていてもよく、以下により詳細に記載されるように、テンプル部アイウェア物品の形状及び材料と関連してもよい。
【0034】
図3は、本発明による、可撓性部120の代表的な実施形態を有するアイウェア物品100の前部から後方に延びるテンプル部110を示す。可撓性部120は、第1端部121及び第2端部122を有し、第1端部121と第2端部122との間に、長手方向に配置された第1リブ125及び第2リブ126を有する。各リブは、厚さtによって離される第1主要表面S1及び第2主要表面S2を有し、リブの長手方向において長さlを含み、厚さt及び長さlとそれぞれ垂直な方向に高さhを有する。様々な実施形態において、lはおよそ10mm〜75mm、又は15mm〜45mmであり得、又はおよそ30mmであり得る。
【0035】
図3に示される代表的な実施形態において、第1リブ125及び第2リブ126それぞれの、内側周辺縁部は、第1リブ125の一部と、第2リブ126の一部との間に延びるスロット129を画定する。別の代表的な実施形態において、内側周辺縁部は、複数のスロット、溝、若しくは他の開口部を画定してもよく、又は第1及び第2リブは、例えば内側周辺部を接続することによって、リブの長さに沿って、完全に、又は部分的に接合され得る。
【0036】
リブ125及び126の厚さ及び高さは、テンプル部110に力がかけられたときに、可撓性部120が曲がり、及び別の方法で反応する方法に影響し得る。特に、リブ125及び126の厚さ及び高さは、テンプル部110に力がかけられたときに、可撓性部120が最初に曲がる位置、及び可撓性部120を通じて力が分配される方法に影響し得る。様々な代表的な実施形態において、リブ125及び126は、2mm〜10mm、又は2.5mm〜8mmの高さhを有し得る。代表的な実施形態において、リブ125及び126の一方又は両方が、最小高さと、最大高さとの間で一様でない高さhを有し得る。このような実施形態において、可撓性部120は、初期の力がテンプル部にかけられたときに、リブの最小高さの位置、又はその付近で曲がることがある。
【0037】
代表的な実施形態において、例えば、
図4aに示されるように、リブ125及び126の一方又は両方の最小高さhminは、可撓性部120の第1端部121及び第2端部122から離間した位置において生じる。他の代表的な実施形態において、各リブの高さは、
図4bに示されるように均一であり得、例えば、第1端部121付近の最大高さhmaxから、
図4cに示される第2端部122付近の最小高さhminまで、各リブの長さにわたって変化があってもよい。
【0038】
代表的な実施形態において、第1リブ125は、可撓性部が曲がっていない状態にあるときに、第2リブ126に対して角度を成して配置され、第1主要表面S1(リブ125及び126の内側の主要表面)が、180°未満の角度θを形成する。例えば、アイウェア物品100が、ユーザーの頭部で使用するために位置付けられ得るように、テンプル部110が曲げられるとき、例えば、リブ125及び126は、以下でより詳細に記載されるように、角度θがより大きくなるように、相対的に回転する。例えば、
図5aに示されるように、テンプル部110が曲がっていない状態にあるときに、各リブ125及び126の内側表面の第1平坦面S1によって画定される角度θ1は、テンプル部110が曲がっているときに、各リブ125及び126の第1平坦面S1によって画定される角度θ2より小さい。曲がった状態において、角度θ2は、θ1よりも、180°に近い値を有し、よって各リブ125及び126の表面S1はより平行に近い。各リブの相対回転により、湾曲軸を中心とする断面の断面二次モーメントが低減する。したがって、以下でより詳細に記載されるように、テンプル部110の曲げにおける限界変化において必要な力がより小さく、曲げが更に増加する際に、接触部112にかかる力がより緩慢に増加するか、又は一定のままである。
【0039】
別の代表的な実施形態において、第1リブ125及び第2リブ126は、
図5bに示されるように可撓性部120が曲がっていない状態にあるときに、第2主要表面S2(各リブの外側リブの主要表面)が180°未満の角度θを形成するように、角度をつけて配置され得る。ユーザーの頭部において使用するために、アイウェア物品100が位置付けられ得るように、テンプル部110が曲げられるとき、第1及び第2リブ125及び126は、角度θが180°、又は180°未満の角度に向かって低減するように、回転する。例えば、
図5bに示されるように、テンプル部110が曲がっていないときに、各リブ125及び126の外側表面上の第2平坦面S2は、角度θ3を画定し、これは、テンプル部110が曲がっているときに各リブ125及び126の第2平坦面S2により画定される角度θ4よりも小さい。曲がった状態において、角度θ4は、θ3よりも、180°に近い値を有し、よって各リブ125及び126の表面S2はより平行に近い。
【0040】
別の代表的な実施形態において、例えば、
図5a及び5bに示されるように、第1リブ125及び/又は第2リブ126は、第1主要表面S1及び第2主要表面S2の一方又は両方が、アイウェア物品100の水平面162と垂直ではないように、角度を付けて配置される。すなわち、第1主要表面S1及び第2主要表面S2の一方又は両方が、アイウェア物品100の水平面162と90°を形成する角度から5°の範囲内にない。アイウェア物品100がユーザーの頭部で使用するために位置付けられ得るように、テンプル部110が曲げられるとき、第1主要表面S1及び第2主要表面S2の一方又は両方が、アイウェア物品100の水平面162と垂直に近くなるように、第1リブ125及び第2リブ126が回転する。
【0041】
代表的な実施形態において、
図5a及び
図5bに示されるように、第1リブ125及び第2リブ126はそれぞれ、第1平坦面S1と第2平坦面S2との間に厚さtを有し、これは、内側周辺縁部123から外側周辺縁部124へと減少する。いくつかの代表的な実施形態において、第1及び第2リブは、0.5mm〜5mmのいずれかの特定の値の厚さtを有してもよい。他の実施形態において、厚さtは、0.5〜4mm、又は0.5mm〜2.5mmであり得る。可撓性部分は、リブの厚さが増加するほど硬くなり、特定のテンプル分離のために、テンプル部の接触部において、より薄い厚さを備えるリブを有する可撓性部と比較して、より大きな力を生じることがある。
【0042】
いくつかの代表的な実施形態において、厚さtは例えば、リブの高さに沿って、外側周辺縁部124にける約0.5mmの厚さt〜内側周辺縁部123における約2.5mmの厚さtで変化してもよい。他の代表的な実施形態において、第1リブ125及び第2リブ126は、各リブの高さhにわたり一定である厚さt、又は内側周辺縁部123から外側周辺縁部124まで増加する厚さtを有する。
【0043】
いくつかの代表的な実施形態において、内側周辺縁部123における厚さtmaxは、各リブ125及び126の長さlに沿って一定のままであり得、一方で外側周辺縁部124における厚さtminは長さlに沿って変化する。代表的な実施形態において、内側周辺縁部123の厚さtmaxが長さlに沿っておよそ1.5mmであり、外側周辺縁部124のtminが長さlに沿って、各端部における1.0mmから、可撓性部320の最も近い第1端部321に最も近い各リブの端部から、およそ10mmの長さlに沿った位置における0.5mmまで変化する。
【0044】
図6に示されるように、別の代表的な実施形態において、第1リブ125及び第2リブ126は、第1の湾曲表面S1及び第2の湾曲表面S2を呈し得る。リブが第1及び第2平坦面を有する実施形態と同様に、リブの厚さは、一定であってもよく、又はリブの高さにわたって変化してもよい。第1リブ125及び第2リブ126はそれぞれ、各内側周辺縁部123〜各外側周辺縁部124へと低減する、第1湾曲面S1と第2湾曲面S2との間の厚さtを有する。
【0045】
他の代表的な実施形態において、第1リブ125及び第2リブ126は一定である厚さt、又は内側周辺縁部123から外側周辺縁部124まで増加する厚さtを有する。あるいは、第1リブ125及び第2リブ126の内側周辺縁部は接続されていてもよく、厚さtは、各外側周辺縁部124と、第1リブ及び第2リブの内側周辺縁部123の接続点との間の、各リブの高さにわたり、変化していてもよい。
【0046】
各リブ125及び126の湾曲表面は、リブの曲率半径を画定する。リブは、曲がっていない状態にあるときに相対的に角度を有するように配置され、リブは特定の曲率半径R1を画定する。テンプル部110に力がかけられるとき(アイウェア物品がユーザーの頭部で使用するために位置付けられるとき)、曲率半径R2が大きくなるように(仮想線で示されるリブ125及び126により示されるように)第1リブ125及び第2リブ126は、相対的に曲がる及び/又は回転してもよい。
【0047】
図7は、本発明によるテンプル部110を有するアイウェア物品100の代表的な実施形態を示す。テンプル部110は、曲がっていない状態にあるときに、湾曲を呈する可撓性部120を有する。可撓性部120の湾曲は、曲率半径により画定されてもよい。曲率半径は、曲線上の点における接触円の半径であり、曲線上の点によって異なり得る。急な曲線は一般的に、より大きな曲率を有し、より小さな曲率半径を有するものとされ、一方で緩い曲線は一般的に小さな曲率を有し、大きい曲率半径を有するものとされる。例えば、ユーザーの頭に適合するようにテンプル部110が曲げられると、可撓性部120の曲率半径が増加する。したがって、可撓性部120の代表的な実施形態の湾曲は、曲がっていない状態において、ユーザーの頭部で使用するためにアイウェアが位置付けられているときよりも、大きい。
【0048】
テンプル部110の可撓性部120は、可撓性部120が曲がっていない状態にあるときの、曲率半径ρによって特徴付けられる。代表的な実施形態において、曲がっていない状態にあるときの、可撓性部120の曲率半径ρは、80mm未満である。他の実施形態において、可撓性部120が曲がっていない状態にあるとき、可撓性部120の曲率半径ρは20mm〜60mm、又は45mm〜55mmである。代表的な実施形態において、曲率半径ρは、可撓性部120の長さに沿って、一定であるか、又はほぼ一定である。例えば、可撓性部120は、最大曲率半径ρM、及び最小曲率半径ρmを有してもよく、最大曲率半径の大きさは、最小曲率半径の大きさから5mm内であり得る。代表的な実施形態において、テンプル部110の曲率半径は、テンプル部の長さに沿った、一定の距離である、特定の点における曲率半径として特徴づけることができる。例えば、代表的な実施形態において、テンプル部110の長さに沿って、取り付け部150又は第1端部111から30mmの距離における可撓性部120の曲率半径ρは、20mm〜80mmである。
【0049】
上記の曲率半径を有する可撓性部は、本発明によるアイウェア部品に、いくつかの利点をもたらす。低い曲率半径を呈する可撓性部は、着用者の頭部に適合するために、同じ頭部に位置付けられたときに、曲率を欠く従来的なテンプル部が受ける曲げと比較して、追加的な曲げを受けなくてはならない。すなわち、実質的に真っ直ぐなテンプル部が、各テンプル部の接触部がユーザーの頭部に位置付けるために十分に分離される前に、曲げを殆ど又は全く受けない一方で、
図7に示されるアイウェア物品100のテンプル部110及び特に可撓性部120は、ユーザーの頭部に適合するために実質的な曲げを受けなくてはならない。したがって、このような可撓性部を有するテンプル部110は、従来的なアイウェアと比較して、テンプル部110の間により小さい分離間隔を有するようにして、圧迫状態に入る。ユーザーの頭部にアイウェア物品100を固定するために十分な力が、更に、より可撓性のテンプル部により得られる場合がある。更に、可撓性部120が曲がっていない状態にあるときに存在する曲率半径は、可撓性部が、ユーザーの頭部の幅の多くに対応する、適切な曲げの範囲内で、望ましく機能することを可能にする。すなわち、可撓性部120の特定の曲率は、テンプル部110の接触部112が、特定のテンプル分離間隔において、所望のレベルの力をかけることを可能にする。これらの、及び他の利益は、以下に記載される、本発明による可撓性部を有するテンプル部の力変位特性を参照して、より完全に理解される。
【0050】
本発明による可撓性部を含むアイウェア物品は、前のアイウェア物品よりも広い、頭部の大きさの範囲にわたって、テンプル部の接触部に所望の力をもたらし得る。成人の頭部の大部分は、両耳の正常位置の真上で測定した際に、130mm〜170mmの幅を有する。更に、本発明者は、およそ40g〜140g、又はおよそ50g〜110g、又はおよそ80gの力が、アイウェア物品が意図せずに適所から外れることなく、かつかかる力が大きすぎて不快感を生じないように、安全性と制限された圧力の、感知される最適なバランスをもたらす。したがって、代表的なアイウェア物品100は、130mm〜170mmの幅を有する人間の頭部で使用するために配置されるときに、接触部において上記の範囲内の力を呈する。すなわち、
図2に関して先に記載されたように、各テンプル部110の接触部112を、アイウェア物品100の中央サジタル平面161から分離する距離dが65mm〜85mmであるとき、テンプル部110の接触部112おける力は、望ましい範囲にある。代表的な実施形態において、アイウェア物品100が、130mm〜170mmの幅を有する人間の頭部で使用するために配置されるとき、接触部112に垂直にかかる力は、50g〜140gである。他の代表的な実施形態において、アイウェア物品100が、150mm〜180mmの幅を有する人間の頭部で使用するために配置されるとき、又はdが75mm〜90mmであるとき、力は50g〜110gであり、70g〜110gであり得る。
【0051】
例えば、以下に記載される手順1に従い、様々なテンプルの分離で力を測定することにより、アイウェア物品の、接触部においてかかる力対テンプル部の変位を示す曲線を得ることができる。理論に束縛されることなく、このような曲線の傾きは、測定されるテンプル部の可撓性に関連する。したがって、より可撓性のテンプル部は、小さな曲げの増加が、接触部にかかる力を比較的大きな増加を生じる、剛性のテンプル部と比較して、変位する範囲にわたって、接触部にかかる力のより小さな変動を生じる。代表的な実施形態において、テンプル部110の接触部112にかかる力は、130mm〜180mmのテンプル部の分離の範囲にわたり、50g以下だけ変化する。すなわち、アイウェア物品100が、130mmの幅を有する人間の頭部で使用するために配置されるとき、接触部112に第1の力F1がかかり、アイウェア物品100が180mmの幅を有する人間の頭部で使用するために接触部112に第2の力がかかり、F2とF1との差は、50g以下である。様々な他の実施形態において、F2とF1との間の差が、30g未満、又は20g未満であり得る。対照的に、多くの先行の設計は、130mm〜180mmのテンプル分離範囲にわたり、有意に50g超だけ変化する力を呈する。
【0052】
多くの従来的なテンプル部のものと比較して、より大きな可撓性を有する材料から構成されるにもかかわらず、テンプル部110の接触部112における最小の所望の力レベルが得られる。このような結果は一部において、曲がっていない状態にあるときに、テンプル部110及び可撓性部120部が呈する固有の湾曲と、本明細書において記載される長手方向に配置されるリブの存在との組み合わせによる。代表的な実施形態において、テンプル部110は、テンプル分離間隔が80mmを超える前であっても、曲げを生じる。結果として、接触部112における力は、テンプル部110が多くの先行のアイウェア物品のものよりも大きな可撓性を有するにもかかわらず、テンプル分離間隔が130mmを超える際に、50g超の値に到達する。更に、可撓性部120の固有の湾曲により推進される比較的可撓性のテンプル部110により、力レベルは、より広い範囲のテンプル分離間隔にわたって、所望のレベルに近いままである。
【0053】
テンプル部110の代表的な実施形態が呈する、接触部力レベルはまた、可撓性部120の構造及び構成にもより得る112にかかる。理論により束縛されることなく、本発明のテンプル部110の接触部112にかかる力は、テンプル分離間隔と、関連する断面二次モーメントとの積と比例するものとして特徴づけることができる。断面二次モーメントは、当該技術分野において既知であるように、テンプル部110の長手方向軸と垂直な軸を中心として、かつ湾曲する平面内において、計算される。変位が増加すると、接触部112における力も増加し、変位が減少すると、接触部112における力が低減する。様に、テンプル部110の断面の断面二次モーメントが増加すると、接触部112の力が増加し、断面二次モーメントが低減すると、接触部112の力が低減する。
【0054】
先行のテンプル部の断面二次モーメントは、接触部にかかる力が変位とほぼ比例するように曲がるときに、実質的に一定のままであると考えられる。しかしながら、可撓性部120の代表的な実施形態において、特定の断面位置の断面二次モーメントは、テンプル部がユーザーの頭部に適合するように曲がるに伴って変化する。上記のように、第1リブ125及び第2リブ126は、テンプル部110が曲がる際に、相対的に回転する。結果として、可撓性部120の特定の断面における断面二次モーメントは、テンプル部110が曲がるときに変化する。例えば、第1幅を有する頭部において使用するためにアイウェア物品が配置されるとき、断面の断面二次モーメントは、第1幅よりも大きな第2幅を有する頭部において使用するためにアイウェア物品が配置される場合よりも、大きい。したがって、可撓性部が追加的な曲げを受けると、テンプル部の断面の断面二次モーメントは低減する。このように、テンプル部110が、より大きな頭部幅に適合するように曲がるか又は屈曲する際に、テンプル部110の接触部112にかかる力の増加を呈するのではなく、断面二次モーメントが減少する。テンプル部110の接触部112にかかる力は、テンプル部110の曲げの範囲、及びしたがってユーザーの頭部のサイズ範囲にわたり、実質的に一定のままであるか、又はより小さい変動を呈する。
【0055】
上記の特徴及び特性に加えて、アイウェア物品のフィットは、一部、ユーザーの頭部の周囲のテンプル部の配置、特に、テンプル部の接触部がユーザーの頭部と接触する位置及び向きによることがある。本発明によるテンプル部の代表的な実施形態において、接触部は、ユーザーにかかる圧力が最小化されるように、ユーザーの頭部と接する領域を最大化するために、実質的に平坦な表面を有してもよい。例えば、接触部の縁部のみがユーザーの頭部と接触すると、快適性が低減し得る。したがって、本発明による代表的なテンプル部の接触部は、所望の範囲の頭部サイズに対応するテンプル分離間隔の範囲内のいずれかの位置において実質的に垂直な向きのままであり、かつ上記の水平面と実質的に平行な平面に留まる。すなわち、本発明による代表的なテンプル部は、テンプル部の長手方向軸を中心とした回転、又は曲がっていない状態のテンプル部により画定される平面外の回転に抵抗する。
【0056】
本発明によるアイウェア物品200の代表的な実施形態は、
図8及び
図9に示される。アイウェア物品200は、1つ以上のレンズ230又はフレームを含む、従来的なアイウェア構成要素を含み得る。アイウェア物品200は、可撓性部220、接触部212をそれぞれ有する、2つのテンプル部210を含む。可撓性部220は、第1端部221及び第2端部222を有し、第1の長手方向に配置されたリブ225、及び第2の長手方向に配置されたリブ226、並びに第3の長手方向に配置されたリブ227及び第4の長手方向に配置されたリブ228を含む。各リブは、各リブの内側表面及び外側表面にそれぞれ、第1主要表面S1及び第2主要表面S2を有し、各リブの長手方向の長さと垂直な方向に高さhを有する。更に、可撓性部220は、アイウェア物品の中央サジタル平面と平行な方向に最大高さHを呈する。代表的な実施形態において、最大高さHは、可撓性部220の端部221付近のテンプル部210に沿った位置で生じる。アイウェア物品200の様々な特徴及び特性が、アイウェア物品100に関して、上記の3つの基準平面に対して画定され、
図2に示されるように向けられてもよい。
【0057】
代表的な実施形態において、リブ225及び226、並びにリブ227及び228の内側の第1主要表面S1がそれぞれ180°未満の角度を形成するように、リブ225はリブ226に対して角度を有するように配置され、リブ227は、リブ228に対して角度を有するように配置される。アイウェア物品200がユーザーの頭部で使用するために配置され得るように、テンプル部210が曲がるとき、リブ225、226、227及び228は、リブ225及び226、並びにリブ227及び228の第1主要表面S1がそれぞれ曲がっていない状態にあるときよりも、180°に近い角度を形成するように、回転する。別の代表的な実施形態において、リブ225及び226、並びにリブ227及び228の内側の第2主要表面S2がそれぞれ180°未満の角度を形成するように、リブ225はリブ226に対して角度を有するように配置され、リブ227は、リブ228に対して角度を有するように配置される。アイウェア物品200がユーザーの頭部で使用するために配置され得るように、テンプル部210が曲がるとき、リブ225、226、227及び228は、リブ225及び226、並びにリブ227及び228の第2主要表面S2がそれぞれ曲がっていない状態にあるときよりも、180°に近い角度を形成するように、回転する。別の代表的な実施形態において、リブ225、226、227、及び228の1つ以上が、第1主要表面S1及び第2主要表面S2の一方又は両方が、アイウェア物品200の水平面と垂直ではないように配置される。すなわち、第1主要表面S1及び第2主要表面S2の一方又は両方が、アイウェア物品200の水平面と90°を形成する角度から5°の範囲内にない。テンプル部210が、アイウェア物品200がユーザーの頭部で使用するために位置付けられ得るように固定されるとき、リブ225、226、227及び228は、リブ225及び226、並びにリブ227及び228の第1主要表面S1及び第2主要表面S2がそれぞれ、アイウェア物品200の水平面に対して垂直に近くなるように、回転する。
【0058】
図9に示される代表的な実施形態において、スロット229は、各リブの間で画定される。別の代表的な実施形態において、内側周辺縁部は、複数のスロット、溝、又は他の開口部を画定してもよく、第1及び第2リブは、例えば内側周辺部を接続することによって、リブの長さに沿って、完全に、又は部分的に接合され得る。
【0059】
代表的な実施形態において、長手方向に配置されたリブ225、226、227及び228は、アイウェア物品100に関して先に記載されたリブと実質的に同一であり、テンプル分離間隔の範囲にわたり、接触部212に所望の力を生じるために同様の方法で機能する。長手方向に配置された4つのリブを有する可撓性部は、本明細書において記載されるように、単一のリブの対の機能及び利点を有するが、テンプル部210がユーザーの頭部に適合するように曲がる際に、接触部212が所望の向き(実質的に垂直な方向)に留まりやすいように、更なるねじれ安定性をもたらす。代表的な実施形態において、可撓性部220は、その長手方向軸を中心に、32N−mm/ラジアン超、又は56N−mm/ラジアン超のねじり剛性Kを有する。ねじり剛性は、適用されるねじれモーメントの、ねじれ角度に対する比率として定義することができ、ねじれ回転に対する抵抗を特徴づけるために使用することができる。より高いねじり剛性を有する可撓性部は、長手方向軸を中心とした回転を生じるためにより大きな力を必要とし、したがってより高いねじり剛性を有する可撓性部を有するテンプル部は、テンプル部がユーザーの頭部に適合するように曲げられる際に、より所望の向きに留まりやすい。
【0060】
本発明の様々な実施形態において、可撓性部は、15mm超、又は20mm超、又は24mm超である、最大高さHを有する。上記で指定された最大高さHを有する可撓性部は、4つの長手方向のリブを含むことがあり、又は比較的高い高さの、2つの長手方向に配置されたリブを含むことがある。最大高さHが増加すると、ねじり剛性が増加する。したがって、上記において指定された最大高さHを有する可撓性部は、テンプル部がユーザーの頭部に適合するように曲がる際に、より所望の向きに留まりやすい。
【0061】
様々な実施形態において、本発明によるアイウェア物品は、2つ、3つ、4つ、又はそれ以上の長手方向に配置されたリブを含み、一方で本明細書において記載される利益及び特性を得ることができる。代表的な実施形態において、アイウェア物品200は、3つ以上の長手方向に配置されたリブを含み、各リブは、厚さ(t)によって分離された第1及び第2の主要表面を含み、各リブの第1主要表面は、アイウェア物品を仮想的な上方半体及び下方半体に分割する水平面と垂直ではない。
【0062】
上記の特徴を有する代表的なテンプル部210は、接触部212が、テンプル分離間隔の特定の範囲内のいずれかの位置において、実質的に垂直な向きにあり、テンプル部の長手方向軸を中心とした回転に抵抗するように、十分なねじれ安定性をもたらす。
【0063】
上記の様々な特徴、及び特徴の組み合わせを有するアイウェア物品は、いくつかの利益をもたらす。多くの先行技術設計は、線形の力変位反応を呈するように見え、テンプル部が曲げられたときに、テンプル部によりかかる力が、比較的急な傾きで線形増加し、アイウェア物品が様々な幅の頭部に配置されるときに、テンプル部によって大きく異るレベルの力がかかる。したがって、単一のアイウェア物品が、異なる頭部の幅を有する個人によって使用されるときに、様々なレベルの快適性をもたらし得る。多くの先行技術設計とは対照的に、本発明によるアイウェア物品は、予測されるテンプル分離間隔の範囲の一部にわたり、非線形の力変位反応、又は比較的低い傾きの線形力変位反応を呈する、アイウェア物品をもたらすことにより、ある範囲の頭部の幅において、フィット及び快適性のバランスをもたらす。可撓性部が曲がる際に変化する断面二次モーメントを呈する可撓性部、及び固有の湾曲を有する可撓性部の組み合わせにより、単一のアイウェア物品が、比較的小さな頭部の幅を有するユーザー、加えて比較的大きな頭部の幅を有するユーザーに、所望の力レベルをもたらし得る。更に、様々なサイズのアイウェア物品を、様々な頭部の幅を有するユーザーにもたらすのに伴う費用が低減し、複雑又は可動部分を組み込む設計に伴う製造費が最小化される。
【実施例】
【0064】
本発明の特徴、動作、及び利益が、以下の詳細な非限定的実施例に関して更に記載される。これらの実施例は、種々の具体的なかつ好ましい実施形態及び技術を更に例示するために提供するものである。しかし、多数の変更及び改良を加えることができるが、本発明の範囲内にとどまることが理解されるべきである。
【0065】
手順1:力変位測定
接触部にかかる力対テンプル部の変位の測定が、ある範囲の頭部サイズにわたって、アイウェア物品が呈し得る快適性の指標をもたらす。テンプル分離間隔として示される値は、頭部の幅と類似であり、これは、テンプル部110の接触部112を、アイウェア物品100の中央サジタル平面161から分離する、上記の距離dのおよそ2倍である。各テンプル部に関して得られる力は、アイウェア物品が人間の頭部で使用するために配置されるときに接触部にかかる力と比較可能である。
【0066】
力対偏位データが、レンズ支持体、及び2つのMark−10 MG05力ゲージを含むカスタム固定具を使用して得られた(Long Island,NYのMark−10 Corp.から得られる)。各力ゲージが平行移動ステージの上に載せられ、打ち込みねじが回される際に、各力ゲージのロードポストが、固定具の中央点から等距離で移動するように、打ち込みねじにより配置することができる。すなわち、各ロードポストは、アイウェア物品を、仮想的な左半体及び右半体に分割する、中央サジタル平面から、ほぼ等距離である。各力ゲージのロードポストの間の距離を示すために線形目盛がもたらされた。サンプルは、固定具上に配置されレンズがレンズ支持体にクランプされ、各テンプル部は、対応するロードポストの外側に配置された。ロードポストの間の初期距離は80mmであり、サンプルのレンズの前部からおよそ110mmの距離でテンプル部と接触した。各ロードポストの間の分離間隔、及びしたがって各テンプル部の接触部は、同じ頭部幅と対応するものとすることができる。力測定は、130mm〜180mmのロードポスト間隔において、10mm間隔で、各ロードセルで記録された。テンプル部は、ロードポストにクランプ又は固定されず、ロードポストの間の分離間隔の増加の際に、ロードポストに対して自由に動いた。
【0067】
(実施例1〜5)
実施例1〜5は、手順1に従って測定された。実施例1のサンプルは、3M Companyから入手可能なVIRTUA(登録商標)# 70−0715−3942−6安全ガラスであった。実施例2のサンプルは、Uvex Safety Groupから入手可能な、GRAVITY ZERO # 9191.265安全ガラスであった。実施例3のサンプルは、Pyramexから入手可能な、MONTEGO # SB5310S安全ガラスであった。実施例4のサンプルは、本発明によるアイウェア物品であり、Sabic Innovative Plasticsから入手可能な、XYLEX 8300と称される材料から構成された。実施例5のサンプルは、本発明によるアイウェア物品であり、DuPontから入手可能な、D100 STと称される材料から構成された。
【0068】
実施例4及び5のサンプルは、
図7、10、及び11に示される代表的な実施形態と一致する寸法であった。
図7は、本発明による、代表的なテンプル部110の平面図の縮尺図をもたらす。可撓性部は、およそ50mmの曲率半径を有する。
図10は、本発明によるアイウェア物品の側面図をもたらす。各リブ325、326、327、及び328は、およそ5mmの最大高さを有し、およそ2.5mmの最小高さhminを有する。各リブの長さlは、およそ30mmである。スロット329は、およそ1.5mmの最大幅Wmax、及びおよそ0.8mmの最小幅Wminを有する。
【0069】
図11は、
図10の直線11−11で断面図をもたらす。各リブは、内側周辺縁部323における最大厚さtmaxから、外側周辺縁部124における最小厚さtminまで減少する厚さを有する。内側周辺縁部323の厚さtmaxは、各リブの長さlに沿っておよそ1.5mmである。各リブの外側周辺縁部324における厚さtminは、各端部におけるおよそ1.0mmの厚さから、可撓性部320の第1端部321に最も近い各リブの端部から長さlに沿っておよそ10mmの距離におけるおよそ0.5mmの厚さへと、リブの長さに沿って変化している。リブ125及び126の中間点において、各リブ125及び126の内側表面S1によって形成される角度θは、およそ155°である。
【0070】
【表1】
【0071】
表1は、実施例1〜5において、手順1に従って接触部で測定される力をgで示す。
図1〜3のサンプルは、本発明による長手方向に配置されたリブを有する可撓性部を有さず、所望の力レベル(例えば、テンプル分離間隔の範囲にわたって、50〜140g)をもたらさなかった。
【0072】
実施例1は、130mm〜180mmの通常の頭部のサイズの全範囲にわたり、所望の力レベルをもたらさなかった。実施例1のサンプルのテンプル分離間隔が130mmのとき、接触部にかかる力は20g未満であった。このような値は所望の範囲以下であり、およそ130mmの頭部の幅を有するユーザーは、アイウェア物品が不安定であるように感じ得る。同様に、実施例1のサンプルのテンプル部分離間隔が180mmに近づくと、接触部にかかる力は、150gを超えた。結果として、アイウェア物品は、ユーザーの頭部に過剰な圧力を生じ、不快感を生じる傾向にある。結局、実施例1のサンプルの接触部にかかる力は、例えば、実施例4又は5のサンプルと比較して、狭い範囲の頭部サイズにおいてのみ、所望のレベルに収まる。
【0073】
実施例2のサンプルは、同様に、130mm〜180mmの通常の頭部のサイズの全範囲にわたって、所望の力レベルをもたらさなかった。150mmのテンプル分離間隔において、接触部にかかる力は100gを超えた。180mmのテンプル分離間隔において、接触部にかかる力は175gであった。したがって、アイウェア物品が、180mmの頭部の幅を有するユーザーにより着用される際に、不快感が生じる傾向がある。
【0074】
実施例3のサンプルの接触部においてかかる力は、105.5g〜129.5gの間でのみ変動するが、130mm〜180mmのテンプル部分離間隔の範囲で常に所望のレベルの力を上回る。したがって、接触部における力は、最適レベルの安定性をもたらすのに必要な力以上であり、ユーザーに不快感を与え得る。
【0075】
実施例4及び5のサンプルは、テンプル部分離間隔の範囲にわたって、所望の力レベルをもたらした。本発明による特徴を有する実施例4のサンプルは、130mmのテンプル分離間隔において、およそ50gの力レベルを呈した。このような力は所望の範囲内であり、フィットの安定性及び快適性のバランスの知覚をもたらす。テンプル分離間隔の値が180mmまで増加させるとき、力は110gを下回り続ける。実施例5のサンプルにおいて、接触部においてかかる力はテンプル部分離が130mmであるときにおよそ73gであり、180mmのテンプル分離間隔まで、ほぼ一定であった。実施例1及び2の従来的なアイウェア物品のと対照的に、実施例5のサンプルは、テンプル部分離間隔が180mmに近づいても、接触部において、不快感に繋がるようなレベルの力をかけなかった。
【0076】
結局、実施例4及び5のサンプルは、比較的小さな頭部の幅において確実なフィットをもたらすために十分な力が生じた一方で、比較的大きな幅を有する頭部に配置した際に、最大力が快適な範囲に限定されるように、テンプル部分離間隔の範囲にわたって所望の力レベルをもたらした。
【0077】
手順2:ねじり剛性測定
より大きなねじり剛性を有するテンプル部は、テンプル部の長手方向軸を中心とした回転、又は曲がっていない状態のテンプル部により画定される平面外の回転に抵抗することがあり、それによって、接触部は、所望の頭部のサイズに対応するテンプル分離間隔の範囲内のいずれの位置においても、実質的に垂直な向きであり続ける。アイウェア物品の快適性は、例えば、アイウェア物品の接触部の縁部のみがユーザーの頭部と接触し、結果としてユーザーの頭部と衝突する領域に圧力が集中する際に、低減し得る。したがって、より大きなねじり剛性を有するテンプル部は、より回転しにくいことがあり、よって接触部の縁部のみがユーザーの頭部と接触する。
【0078】
代表的なテンプル部の可撓性部のねじれ特性は、以下の手順に従って得られた。サンプルは、静止位置から、トルク対回転が実質的に線形であるような角度にわたり、回転させられた。この区域において材料反応は弾性的であり、ねじり剛性Kは、モーターの回転と各サンプルの連携した作用により可撓性部分が駆動された、回転角度φで、測定された反応性トルクTを除したものとほぼ等しかった。生じるKは、オンス−インチ/度で計算され、N−mm/ラジアンに変換された。
【0079】
アイウェアテンプル部の可撓性部のトルク反応を測定するために、ねじれ試験用器具が構成された。この器具は、Irvine,CaliforniaのFutek Advanced Sensor Technology,Inc.から入手可能な、20インチ−オンス(約141.23N−mm)の最大能力を有する、モデルTFF325トルクセル、CaliforniaのTransducer Techniques of Temeculaから入手可能なTMO−1シグナルコンディショナ,及びNorton,MassachusettsのMeasurement Computingから入手可能なデータ獲得のためのTracerDaqソフトウェアからなる。器具は更に、モーター制御のための、SIプログラマーV2.7.19を使用する、Omega HT23−597回転ステッパーモーター、及び回転ステージ及びトルクセルにサンプルを連結するための、関連する機械的器具を含んだ。
【0080】
接触部を含む、可撓性部を超えて延びるテンプル部の一部が、サンプルの固有の湾曲による効果、又は試験中に生じるトルクにおけるレバーアーム効果(level arm effects)を最小化するために、各サンプルから切り取られた。生じたサンプル長さは50mmであった。
【0081】
サンプルは、切断された端部がステッパーモーターに取り付けられ、反対側の端部が反応トルク変換器に取り付けられるようにして固定され、回転モーターのシャフトの軸と、トルクセルとの間の角度は、試験されるテンプル部区分が、予負荷、せん断力、圧迫力、張力、又は曲げを実質的にうけないように調節された。モーターシャフトは、ソフトウェアにより、毎秒0.00139回転の速度で時計回りに作動され、それによりサンプルは、アイウェア物品に取り付けられる際に、テンプルを前方から観察したときに、時計回りのねじれを経験した。コマンド10°の設定点の最大回転が、サンプルを弾性区域に維持するために使用された。
【0082】
データ獲得の後、トルクTは、回転角度φに対してプロットされ、ねじり剛性が、データの線形曲線適合として得られた。
【0083】
(実施例6〜11)
実施例6〜11は、上記の手順2を使用して得られた。実施例6〜11のサンプルは、本発明による可撓性部であり、上記の
図7、10、及び11と一致するような寸法とした。実施例7、9、及び11のサンプルは、リブ325、及び326のみを残すように、リブ327及び328を取り除くために、切り取られた。実施例6及び7のサンプルは、Dupontから入手可能なD100 STアセタール樹脂で構成された可撓性部である。施例8及び9のサンプルは、Sabic Innovative Plasticsから入手可能なPC124Rポリカーボネート樹脂で構成された可撓性部であった。実施例10及び11のサンプルは、Sabic Innovative Plasticsから入手可能なXYLEX 7300ポリカーボネート樹脂で構成された可撓性部であった。
【0084】
【表2】
【0085】
表2は、上記の手順2により測定される実施例6〜11のねじり剛性を示す。4つのリブを有するサンプル6、8、及び10は、2つのリブを有するサンプル7、9、及び11よりも大きなねじり剛性を呈した。それぞれ、50.2、108、及び59.1N−mm/ラジアンのねじり剛性を有する実施例6、8、及び10の可撓性部は、32N−mm/ラジアンを超える、所望のレベルのねじり剛性をもたらした。実施例8及び10の可撓性部は、56N−mm/ラジアンを超える、所望のレベルのねじり剛性をもたらした。
【0086】
結局、4つのリブ、及びより高い高さHを有する実施例は、より高いねじり剛性を呈した。同様の可撓性部を有するテンプル部の接触部は、曲げの平面外で回転しにくく、接触部の縁部のみがユーザーの頭部に接触することによる不快感を生じにくい。サンプル7、9、及び11は、比較的低いねじり剛性を呈し、テンプル部の曲げの垂直平面外で回転しにくい。
【0087】
これで、本発明について、そのいくつかの実施形態に関連して説明した。上記の詳細な説明及び実施例はあくまで理解を助ける明確さのために示したものである。これらによって不要な限定をするものと理解されるべきではない。本発明の範囲から逸脱することなく、記載された実施形態において多くの変更を行うことができることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲は、本明細書に記載された厳密な詳細及び構造に限定されるべきではなく、それよりもむしろ、特許請求の範囲の文言によって説明される構造、及びそれらの構造の等価物によって限定される。上記の実施形態のいずれかに関して記載されたいずれかの特徴又は特性が、個別に、又は他のいずれかの特徴又は特性と組み合わせて組み込むことができ、単に明確性のために上記の順番及び組み合わせで提示される。