(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記停止手段は、少なくとも、携帯容器(40;40’)の外側に向かって携帯容器(40)の夫々の大側壁(15)から突出する第1タブ(16’’’)と、前記箱型本体(41;41’)の内側に向かって前記箱型本体(41;41’)の夫々の大側壁(45)から突出すると共に箱型本体(41;41’)の対応する開口部(46)の近傍に位置する第2タブ(47)と、を備え、
前記第1及び第2のタブ(16’’’,47)は、前記箱型本体(41;41’)からの前記携帯容器(40;40’)の抽出スライドの間、前記第1タブ(16’’’)は前記第2タブ(47)と結合した状態で配置されることを特徴とする、請求項1に記載のパケット。
前記第1タブ(16’’’)は、箱型本体(41;41’)からの携帯容器(40;40’)の抽出スライドの間、前記第1タブのエッジの1つ(48)が前記箱型本体(41;41’)に対応する前記タブ(47)の対応エッジ(49)と接触するような位置に配置されることを特徴とする、請求項2に記載のパケット。
各携帯容器(40;40’)に関連して、前記携帯容器(40;40’)を部分的に前記箱型本体(41;41’)の外に出させる手動操作を可能にするように構成された取り出し装置(6’)が設けられることを特徴とする、請求項1から3の何れか一項に記載のパケット。
前記取り出し装置は、前記携帯容器(40;40’)に一体化されてパケット(1;1a;1b;1c;1d)自身の本体の外側に突出する翼部(6’)を備えることを特徴とする、請求項4に記載のパケット。
前記箱型本体(41)の少なくとも1つの側壁(45)には、少なくとも部分的に除去することができ、引き裂くことができる弱め線(68)によって形成され、かつ前記携帯容器(40;40’)を部分的に前記箱型本体(41;41’)から出させるための手動引っ張り操作を可能にするように構成された部分(67)が設けられることを特徴とする、請求項1から3の何れか一項に記載のパケット。
前記箱型本体(41;41’)の少なくとも1つの側壁(45)には、少なくとも1つの携帯容器(40;40’)を前記箱型本体(41;41’)から出す前記開口部(46)に近接して、前記携帯容器(40;40’)を前記箱型本体(41;41’)から部分的に抽出させるための、前記携帯容器(40;40’)への使用者の手動アクセスを可能にするように構成された少なくとも1つの凹部(71)が設けられることを特徴とする、請求項1から3の何れか一項に記載のパケット。
各携帯容器の前記内箱(5)の前記支持部分(26’)の寸法は前記内箱(5)の横寸法よりも小さく、更に、前記群(2)の前記タバコ製品(3)の端部分が占有可能な前記支持部分(26’)近くの前記内箱(5)の底部の残りの部分は、開いた状態にあってかつ前記支持部分(26’)に当接しない前記タバコ製品(3)を、その内箱に関連した外箱(6)の底壁(13)へと接触させることを特徴とする、請求項1から8の何れか一項に記載のパケット。
各携帯容器の前記外箱(6)には、喫煙者が手で、その外箱に関連した内箱(5)に作用して、前記格納位置と前記抽出又は持ち上げ位置との間で内箱(5)にスライド動作を起こさせる追加の開口部(19;36)が設けられることを特徴とする、請求項1から9の何れか一項に記載のパケット。
各携帯容器の前記内箱(5)は、その内箱に一体化されかつ前記追加の開口部(19)を介してその内箱に関連した外箱(6)の外に出るつかみ要素(35)を備えることを特徴とする、請求項10に記載のパケット。
各携帯容器の前記内箱(5)は、前記支持部分(26’)の作用域に向けて横断方向に前記タバコ製品(3)を押すように設計された弾性要素(34)を収容することを特徴とする、請求項1から12の何れか一項に記載のパケット。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1及び
図2の番号1は、タバコ製品、特に紙巻きタバコのためのパケットであって、スライドオープン型の硬質パケットからなるパケット全体を示している。
【0014】
本説明ではこれ以降、紙巻きタバコからなるタバコ製品を参照するが、それによって本発明の範囲を限定するものではない。
【0015】
パケット1は、夫々がタバコ3の一群2(
図6も参照)を受容する1組の携帯容器40と、その外側の箱型本体41とを備え、本体41は、それぞれの大側壁15を並べた状態で配置される各容器40をスライド可能に収納し、各容器40は箱型本体41に対して、容器40が完全に箱型本体41に挿入された閉じ位置(
図1に示す)と、携帯容器40の一部が箱型本体41から引き出された状態の開放位置(
図2に示す)との間でスライドできるようになっている。
図2に示すように、携帯容器40は、互いに対向する箱型本体41の各側方部分を介して、箱型本体41から互いに平行な夫々の反対方向にスライド可能である。注目すべき重要なことは、2つの携帯容器40が互いに独立して箱型本体41に対しるスライドするということであり、したがって各容器40の一方だけが開放位置にあったり、或いは(
図2に示すように)両容器40が共に開放位置にあることが可能であるということである。
【0016】
以下の説明において、“垂直”(及び類似の用語)なる用語は、説明上、パケット内のタバコ3が、より平易な抜き出しのために夫々の軸線を垂直にして配置されかつ、パケット1からタバコ3自体が引き出される領域がパケット1の上部に位置する状態においてパケット1によって取られた位置を記述するために使用される。同様に、“上方”及び“下方”(更に、“上部”や“下部”のような類似語)なる用語は、パケットが垂直位置にある時、パケット1の対応する部分を指定するために使用される。
【0017】
特に
図3に示すように、箱型本体41は平行六面体の形状を備え、その下端にある底壁42と、その上端にある上壁43と、底壁42と上壁43により夫々、上下で境界を区切られた外側面44とを備えている。外側面44は又、互いに平行に対向し垂直方向に配置された2つの大側壁45によって形成され、それらは上下で底壁42、上壁43を介して互いに結合される。
【0018】
水平方向に向かい合う箱型本体41の2つの部分は、箱型本体41の各小側面46’を挟んで好ましくは(
図1〜
図3に示すように)真向かいに延びる対応開口部46によって形成される。この開口部46は、携帯容器40を、同容器が閉じられたり(
図1)開放されたりする(
図2)上記位置間で移動させるように設計される。
【0019】
図4〜
図7に示すように、各携帯容器40に関し、タバコ3の一群2は硬質の内箱5に含まれ、内箱3は、硬質の厚紙又は同種のものから作られる外箱6内で、内箱5が外箱6内部で最も低い位置にあるような格納位置(
図4に示す)と、内箱5が外箱6内部で最も高い位置にあって1本のタバコ3が内箱5から部分的に(上方に)引き出された状態に保持されるような、持ち上げ又はタバコ抽出位置(
図5に示す)との間で、真っ直ぐな垂直方向移動を伴い、垂直方向双方向でスライドできるように収納される。
【0020】
各外箱6のエッジに沿ってその実質上途中にある垂直方向部分に一体化した形で、閉じ状態にあるパケット1に関して実質上開口部46の中心には、外箱6に隣接するようにして翼部6’を備えたつかみ要素が設けられ、その翼部は、使用時、箱状本体41から各箱6を部分的に引き出すべく手で摘んで引き出せるように、パケット1の本体から外に突き出ている。
【0021】
内箱5(
図6)は、実質上、“カップ”の形を伴った平行六面体形状であり、底壁7、互いに平行に向かい合った2つの大きな平行側壁8、及びこれら大側壁8の間に位置した2つの小さな平行側壁9、10を備える。内箱5の開放した上端部11は、小側壁10の近傍で、一度に1本のタバコ3を引き出すための領域12を形成し、内箱5が“持ち上げ”位置(その特徴及び目的は以下に説明する)にある時、その領域を介してパケット1からタバコ3を引き出すことができる。
【0022】
特に
図7に示したように、外箱6も平行六面体形状であり、その下方端に底壁13、その上方端に上壁14、互いに平行に向かい合いかつ
図7では夫々前後に位置する2つの大側壁15、16、及び2つの小側壁17、18(夫々、左右に位置する)を備える。
【0023】
外箱6の側壁15、18が接するエッジに沿って実質上中間の領域には、外箱6それ自体を作り上げるブランク20に作られたスロット19からなる開口部があり、この開口部を介して喫煙者は内箱5のフロント領域21に触れることができる。スロット19の形状及びサイズは、喫煙者がそのスロット19それ自体を介して内箱5のフロント領域21に押し動作を付与できるようなものになっており、内箱を垂直方向双方向に移動させ、それを外箱6の中で上述した格納・持ち上げ位置間でスライドさせるようになっている。尚、ここでは図示しないがパケット1の変形実施形態として、スロット19は、大側壁15の一方のみ(好ましくは、前方側壁)に形成されたり、小側壁18の一方に形成されたりする場合もあることに留意されたい。
【0024】
喫煙者によって与えられる内箱5の前部区域21への手動押し動作を容易にするために、フロント領域21の露出面にギザギザやその他の粗化機能を設けることも可能である。
【0025】
外箱6の上壁14は実質上、正方形となる開口部22を備える。その開口部は、垂直方向においてタバコ3を引き出すための領域12に並んでおり、実質上、
図1及び
図2の右側にあって外箱6のスロット19に対向する内箱5の横方向端部分の上に位置することになる。
【0026】
パケット1には、箱型本体41に対する携帯容器40のスライドを制限して、同携帯容器40が箱型本体41から完全に抜け出るのを防止するように設計された停止手段が設けられる。停止手段は、箱型本体41に関しては、その箱型本体41の大側壁54から箱型本体41それ自体の内側に向けて突出し、かつ箱型本体41の夫々の対向する開口部46近くに位置する2つの略台形タブ47によって定義される。具体的には、
図3に特に示されるように、パケット1が閉じられた時、携帯容器40が箱型本体41から部分的に引き出された際に箱型本体41から外に出る壁15の領域において、各タブ47は携帯容器40の同壁15に当接する。又、好ましくは、各タブ47は隣接する箱型本体41の大側壁45に接着される。
【0027】
停止手段は、各携帯容器40に関しては携帯容器40の夫々の大側壁15から外に突出し、かつ箱型本体41の大側壁45に対面配置される略台形タブ16’’’によって定義される。
図9にも示すように、タブ16’’’は外箱6(故に携帯容器40)の各大側壁15の一部を成し、大側壁15によって切断された切り口16”によって形成される。
【0028】
図3に示すように、各携帯容器40のタブ16’’’は、携帯容器40が箱型本体41から滑り出る際にタブの垂直エッジ48が箱型本体41の対応するタブ47の対応垂直エッジ49と接触し、ひいては携帯容器40が箱型本体41から抜け出てしまうのを回避するように配置される。
【0029】
他方、仮にタブ47が、隣接する箱型本体41の大側壁45に接着されていない場合、各タブ16’’’はそれに隣接するタブ47と、このタブ47の傍らにある箱型本体41の大側壁45との間にある空間に挿入されるという事実によって、携帯容器40は箱型本体41からの抜け出しが回避される。
【0030】
タバコパケット1の各携帯容器40の箱5、6は、夫々
図8及び
図9に示された対応ブランク23及び20から得られる。各ブランク23、20は複数の要素から構成され、それらは可能なかぎり、各容器5又は6の対応要素を示すダッシュ無し参照番号と同じ参照番号(ダッシュ付き)で示されている。
【0031】
図8を参照するに、ブランク23は2本の長手方向弱め線24と2本の横断方向弱め線25を備え、それらによって(図の下から上にかけて)2本の長手方向弱め線24の間に、一方の大側壁8を成すパネル8’、底壁7を成すパネル7’及び他方の大側壁8を成すパネル8’を形成している。
【0032】
パネル8”は、
図5の下側に位置し、左右に1組のサイドフラップ9’、10’を夫々備え、それらは小側壁9、10’の内方部分を構成すると共に、隣接するパネル8’の両側に位置し、パネル8’からは長手方向弱め線24によって分離される。同様に、
図8の上側に位置するパネル8’は、左右に1組のサイドフラップ9”、10”を夫々備え、それらは小側壁9、10’の外方部分を構成すると共に、隣接するパネル8’の両側に位置し、パネル8’からは縦方向の弱め線24によって分離される。
【0033】
底壁7を構成するパネル7’には、
図8においてその左側部分に、左に向かって凹んだ略“U”字状の弱め線26が設けられ、その凹みはパネル7’それ自体の2つの対辺を定める2本の長手方向弱め線25の各部分に重なる2本の対向する長辺27を備える。
【0034】
弱め線26は、パネル7’の右手に向けて、その端部から距離がタバコ3の直径より少し長くなるように延びる。パネル7’の右端部と弱め線26との間に位置するパネル7’部分はこれ以降、参照番号26’で示した“支持部分”と呼ぶことにする。
【0035】
図9を参照するに、ブランク20は2本の長手方向弱め線28と、複数本の横断方向弱め線29とを備え、それらによって(図の下から上にかけて)2本の長手方向弱め線29の間に、一方の大側壁15を成すパネル15’、底壁13を成すパネル13’及び他方の大側壁16を成すパネル16’を形成する。
【0036】
パネル15’は、
図9にあって左右夫々に1組のサイドフラップ17’、18’を備え、それらはパネル15’それ自体の両側に位置し、パネル15’からは長手方向弱め線28によって分離され、実質的に長方形であり、夫々が壁17、18の外側部分を構成している。同様に、パネル16’は
図9にあって左右夫々に1組のサイドフラップ17”、18”を備え、それらはパネル16’の両側に位置し、パネル16’自体からは長手方向弱め線28によって隔てられ、実質的に長方形であり、夫々が壁17、18の内側部分を構成している。フラップ18”の
図9の右側にある1つの縦辺の略中央部分には、これに一体化された形でブランク20の外側に突出する略台形翼部6’が存在する。
【0037】
フラップ17”に隣接するパネル16’の垂直方向中央部分には切り込み16”が設けられ、その切り込みは、パネル16’自体をフラップ17”から分離する長手方向線28の一部分にその大底辺を一致させる2等辺台形の小底辺と側辺の形状を実質的に辿っている。その切り込み16”に囲まれたブランク部分が携帯容器40の略台形タブ16’’’を形成する。
【0038】
図9において上側にあるサイドフラップ17’、18’の横辺は、パネル13’をパネル15’から隔てる横断方向弱め線29の端部分によって2枚のフラップ30へと接続され、それらフラップは夫々フラップ17”、18”へと延びて、ほぼ接触した状態となる。パネル15’、16’の夫々は、
図9の下部と上部に夫々、横辺を配置し、その横辺はパネル13’とは反対側の各フラップ31に接続され、これらフラップは横断方向弱め線29によって夫々のパネル15’、16’から分離されている。
【0039】
横断方向弱め線29の方向におけるフラップ31の横寸法は、パネル15’、16’の横寸法よりも小さく、フラップ31は各パネル15’、16’に対し、
図9の右に位置してその幅がタバコ3の直径よりも僅かに大きい、パネル15’、16’の各側方部分を取り除いた形で配置される。
【0040】
パネル15’の、
図9の右側に位置するエッジに接続されるサイドフラップ18’には、その長手方向中央域に、ブランク20が延びる長手方向に対して平行に走り、かつその深さがフラップ18’自身の幅の半分にほぼ等しい凹部32が設けられる。
【0041】
パネル16’と、
図9の右側に位置するサイドフラップ18”との接続領域は、その長手方向中央部に、ブランク20が延びる長手方向に対して平行に走る略長方形の細長スロット33によって遮断され、その長さは凹部32の長さに実質上等しく、サイドフラップ18”に対応するスロット部分の幅は凹部32の幅に実質的に等しい。他方、パネル16’上に位置するスロット部分の幅は、凹部32の幅よりも大きいことが望ましく、実質的に7〜10mmに等しい。
【0042】
図示しないが、本発明の変形実施形態として、スロット33はパネル16’上の如何なる位置に配置しても良く、
図9に示したスロット33の形状やサイズと異なるどんな場合であっても、任意の形状及びサイズを持つことが可能であることに留意されたい。
【0043】
図10を参照するに、箱型本体41を成すブランク50は、2本の長手方向弱め線51と、複数本の横断方向弱め線52とを備え、それらによって(図の下から上にかけて)2本の長手方向弱め線51の間に、箱型本体41の一方の大側壁45を成すパネル53、底壁42を成すパネル54、及び他方の大側壁45を成すパネル55を形成する。
【0044】
パネル53は、
図10の左右夫々に、パネル53自体の両側に位置する1組のサイドフラップ56、57を備え、それらは長手方向弱め線51によってパネル53から分離され、略長方形の形状(フラップ56)と二等辺台形の形状(フラップ57)を夫々備えている。フラップ57は上述したタブ47の一方を構成する。
図10の左に位置するフラップ56と一体を成すものが略長方形壁58の右側に位置する縦辺である。
【0045】
同様に、パネル55は、
図10の左右夫々に、パネル55の両側に位置する1組のサイドフラップ59、60を備え、それらは長手方向弱め線51によってパネル55から分離され、略長方形の形状(フラップ59)と二等辺台形(フラップ60)の形状を夫々備えている。フラップ59は上述したタブ47の一方を構成する。
図10の右に位置するフラップ60と一体を成すものが略長方形壁58の左側に位置する縦辺である。
【0046】
図10において夫々上部、下部に位置するサイドフラップ56、60の横辺は、各横断方向弱め線52の端部分によって2枚のフラップ62へと接続され、それらフラップは夫々フラップ59、57へと延びて、ほぼ接触した状態となる。
図10の下部、上部に夫々位置するサイドフラップ56、60の横辺は、各横断方向弱め線52の端部分によって下方、上方に延びる2枚のフラップ63へと接続される。
【0047】
パネル53、55の夫々は、
図10の下部と上部に夫々、横辺を配置し、その横辺はパネル54の反対側に位置する各フラップ64、65に接続され、これらフラップは横断方向の弱め線52によって夫々のパネル53、55から分離されている。横断方向弱め線52の方向におけるフラップ64、65の横寸法はパネル53、55の横寸法に等しい。
図10に上部に位置するフラップ65には2つの凹み66があり、これらの凹みは、箱型本体41を組み立てる際にフラップ63自体がフラップ64、65の部分と重ならないようにフラップ63を受け入れる機能を持つ。
【0048】
図8、
図9及び
図10に示すブランク23、20及び50では、各箱5、6と箱型本体41を組み立てるために接着剤を塗布すべき部分は斜線域で表される。
【0049】
内箱5は、各パネル8’をパネル7’自体に結合する横断方向の弱め線25周りで、パネル7’に対し直角に各パネル8’を互いに向けて折り畳むことにより組み立てられる。次いで、サイドフラップ9’、10’が、それらをパネル8’に結合する長手方向の弱め線24周りで、2つのパネル8’間にある空間を覆うように直角に折り畳まれ、立ち代わってサイドフラップ9”、10”が既に折り畳まれた状態にあるサイドフラップ9’、10’の上に直角に折り畳まれる。上に明記したように、ブランク23上の接着剤は、内箱5を、このようにして得られた形状に保持する。
【0050】
外箱6は内箱5と同様な方法で組み立てられる。即ち、ここではパネル15’、16’がこれらをパネル13’に結合する横断方向の弱め線29周りで直角に折り畳まれ、サイドフラップ17”、18”が2枚のパネル16’間にある空間を覆うように、サイドフラップ17”、18”は、各フラップをパネル16’に結合する長手方向の弱め線28周りに直角に折り畳まれ、各フラップ30がこれらを各フラップ17’、18’に結合する横断方向の弱め線29周りで直角に折り畳まれてパネル13’上に配置され、そしてサイドフラップ17’、18’が既に折り畳まれた状態にある各サイドフラップ17’、18’の上に直角に折り畳まれる。これらの作業は、既に組み立てられてその内側にタバコ列4を収納した状態にある内箱5の周りで外箱6を形作ることによって遂行される。外箱6が完成した際には、フラップ31は外箱6を閉じるように、重なり合って互いに直角に折り畳まれる。上に明記したように、ブランク20上の接着剤は、外箱6を、このようにして得られた形状に保持する。
【0051】
尚、内箱5の外側に位置する面上にあって、弱め線26内に封入された内箱5のパネル7’部分には、各箱5,6が組み立てられた後でこの部分を外箱6のパネル13’に接着させる接着剤が設けられることに留意されたい。
【0052】
その結果として、ブランク23は内箱5が作られている間は取り扱いが容易である。何故なら、弱め線26が手つかずのままである限りにおいてはずっと底パネル7’が各パネル8’を互いに接続した状態であり、結果としてブランク23に良好な形状安定性と充分な剛性を与えているからである。ひとたびパケット1が完成したならば、上述したように、そして以下に更に詳細に説明するように、初めて内箱5が外箱6内で上方にスライドさせられた際に、弱め線26は裂かれ、内箱5は外箱6から完全に自由となり、内箱5の各壁8は、弱め線26の外側にあるパネル7’の領域によってのみ互いに対し接続されたままとなる。その後は、内箱5は、弱め線26の外側にあるパネル7’の領域だけを除いて、つまり壁7の支持部分26’を除いて底が開口する。
【0053】
換言すれば、上述したように内箱5の底壁は、引き裂き可能な弱め線26が同じ底壁7の領域を区切るように作られる底壁7によって形成される。その領域外にある底壁7の一部分が支持部分26’を形作り、その領域は接着剤によって外箱6の下壁13に接続される。
【0054】
箱型本体41を組み立てるため、フラップ62、63は、これらフラップをフラップ56、60に結合する横断方向弱め線52周りに直角に折り曲げられる。サイドフラップ56及び57については、これらフラップをパネル53に結合する長手方向弱め線51周りに、前者は直角に、後者は180度折り曲げられ、サイドフラップ59及び60については、これらフラップをパネル55に結合する長手方向弱め線51周りに、前者は180度、後者は直角に折り曲げられる。壁58及び61は次いで、これらをフラップ56、60に夫々結合する弱め線周りに直角に折り曲げられる。パネル53、55は、これらを箱形本体41の底壁42を構成するパネル54に結合する横断方向弱め線52周りに直角に折り曲げられ、それと同時にフラップ62は箱型本体41それ自体の内側にあるパネル54の夫々の部分上に配置される。箱型本体41を完成させるため、フラップ65は、これをパネル55に接続する横断方向線52周りに直角に折り曲げられ、フラップ64はこれをパネル53に接続する横断方向線52周りで直角に折り曲げられ、フラップ65の上とフラップ63の上に置かれる。
【0055】
箱型本体41におけるフラップ56、57、59、60及び壁58、61のパネル53、55の最終的な配置は
図3aに明確に示されており、同図は箱型本体41に収容された携帯容器40をも示す。
【0056】
前述したようにブランク50上の接着剤は、箱型本体41を、このようにして得られた形に保持する。
【0057】
使用においては、上述した内容に応じ、仮にタバコ3をパケット1から取り出す必要がない場合、パケット1の形状は
図1に示したそれになり、携帯容器40は完全に箱型本体41の中に含まれる。
【0058】
タバコ3を取り出すためには、タブ6を手で引っ張ることで箱型本体41に対して携帯容器をスライドさせることにより、携帯容器40の1つを部分的に箱型本体41の外に取り出す必要である(
図2)。上述したように、携帯容器40は、上述したタブ47、16’’’からなる停止手段の作用により、箱型本体41から完全に抜け出たり、極端に出過ぎたりするのが防止される。
【0059】
携帯容器40の一部が箱型本体41の外にスライドされた際には、夫々の内箱5は、その底壁7が外箱6の底壁13と接触した状態の最下の格納位置を占める。タバコ3の列4が実質的に垂直な平面内に横たわり、タバコ3の各軸線が水平方向に並ぶようにパケット1を事前に配置したことにより、内箱5内に収納されるタバコ3は内箱5の壁10に向かって、タバコ軸線に垂直に並進スライドした。このスライドの結果、内箱5の壁10に最も近いタバコ3が、壁10それ自体に隣接する壁7の領域、言い換えれば支持部分26’の上へと移動した。
【0060】
パケット1からタバコ3を取り出すために、喫煙者がしなければならない全ては、内箱5のフロント領域21上にある指を外箱6のスロット19を介して押し、内箱5を格納位置から持ち上げ位置へと上方に付勢すること、及び壁7の支持部分26’上にあるタバコ3の上方部分を外箱6の上壁14の開口部22から突き出させることである。
【0061】
上記したように、内箱5の底部は、壁7の支持部分26’を除いて開いた状態にあるため、列4内にある他のタバコ3は外箱6の底壁13に接触した下降位置に留まる。
【0062】
一旦、パケット1から部分的に突出するタバコ3が取り出されたならば、別のタバコ3を壁7の支持部分26’上へと移動させるために、上述したようにフロント領域21上の指を押すことで内箱5は元の格納位置まで戻されなければならない。
【0063】
説明したようにタバコが取り出された後は、タバコ3を取り出した携帯容器40は手で箱型本体41内へと押し戻され、そして
図1に示す初期位置へと戻る。
【0064】
タバコ3を取り出した後の壁10へのタバコ3へのスライドと、元の格納位置への内箱の戻りを容易にするために、内箱5の内部に、(例えば)板紙やプラスチック材料からなるシートを(例えば)ジグザグ状に折り畳むことで作られるバネからなり、内箱5の内部にあるタバコ3を壁10に向かって、言い換えれば支持部分26’の作用域に向かって横断方向に付勢可能な弾性要素34(
図11)を収容することが可能である。
【0065】
図12は内箱5の別の変形実施形態を示しており、元の格納位置と持ち上げ位置との間の内箱5の双方向のスライドが、タブ35からなるつかみ要素を上下に引くことで生じるようになっており、同タブは
図13にも示したように、内箱5それ自体のブランク23のフラップ10’の側方エッジと一体になっており、各ブランク20に形成された垂直方向のスリット36からなる開口部を介して外箱6から外へ出ている。
【0066】
図14及び
図15は、
図1及び
図2のパケット1の変形実施形態を構成するパケット1aを示している。
【0067】
パケット1aでは、外箱6は、同箱6を箱型本体41から部分的に引き出す際に手で摘んで引っ張れるようにパケット本体から外へと突出する翼部6’を持たない。
【0068】
携帯容器40の一部を箱型本体41から引き出すような手動操作を可能にするために、箱型本体41の大側壁45の長手方向中央域には、これら大側壁に隣接する小側壁46’の近傍に、引き裂き可能な各弱め線68によって形成された各取り外し可能部分67が設けられている(
図16に示したブランク50’では、取り外し可能な部分67は67’と弱め線68’で標識付けられており、可能な限り、ブランク50’の各部分の参照標識は
図10のブランク50の対応部分のそれと同じである)。これら取り外し可能部分67を手でつかみ易くするために、同部分に隣接する小側壁46’には、取り外し可能部分67それ自体に隣接して夫々長方形の開口部69’(
図16に示すブランク50’では69’と標識付けられている)が設けられる。尚、取り外し可能部分67は容器40のどんな側壁にも、或いは容器40の1つ以上の側壁にも設けることが可能なことに留意されたい。
【0069】
使用にあっては、取り外し可能部分67を除去したり折り畳む際にパネル45や側面46’に作られた開口部70を通して容器を指で付勢することで、携帯容器40が箱型本体41の外に向けてスライドするように作られるかもしれない。
【0070】
図17及び
図18は、
図1及び
図2のパケット1の別の変形実施形態を構成するパケット1bを示す。
【0071】
携帯容器40の一部を箱型本体41から引き出すような手動操作を可能にするために、箱型本体41の大側壁45とフラップ47の長手方向中央域には、これらに夫々隣接する開口部46の近傍に、(
図19に示したブランク70’において71’の標識が付いたスロットの形をした)凹部71が設けられる。好ましくは、各凹部71は、箱型本体41から各携帯容器40を部分的に取り出すために喫煙者が凹部71と隣接スロット19を介して外箱6上に指を置けるように、凹部と隣接する外箱6のスロット19にアクセス可能にする。その結果、携帯容器40を箱型本体から側方に引き出す移動の後は、喫煙者の指が既にスロット19にあり、タバコ3が取り出せるように内箱5を持ち上げ位置に向けて付勢可能な状態となる。
【0072】
図20及び
図21は、
図1及び
図2のパケット1の更なる変形実施形態を構成するパケット1cはパケットを示す。
【0073】
パケット1cは、上述したパケット1、1a及び1bとでは、2つの携帯容器40が単一の側方開口部46”を介して箱型本体41から出ることができること、換言すれば、夫々が他方と同じ方向で箱型本体41の外や中に双方向スライドできるという点で異なる。
【0074】
図22及び
図23は、
図1及び
図2のパケット1の更なる変形実施形態を構成するパケット1dを示している。
【0075】
パケット1dは、今まで説明したものの2倍の大きさを備える携帯容器であって使用時には箱型本体41’それ自体の小側面にある開口部46”を通って箱型本体41’の中や外へと水平方向双方向にスライドできる単一の携帯容器40’を含むように作られた箱型本体41’を備える。
【0076】
携帯容器40’は、
図6を参照して説明したタイプの2つの内箱6を、それらが各大側壁に沿って並置されるような状態で収容する。
【0077】
携帯容器40’の大側壁15dと小側壁18dが接する各エッジに沿って、その実質上中間にある領域にはスロット19dを備えた開口部が設けられており、このスロットを介して喫煙者は、各内箱5の側方域21dに触れ、内箱を格納位置と持ち上げ位置との間で垂直方向双方向に付勢することが可能である。尚、図示されないパケット1dの変形実施形態において、スロット19dは大側壁15dの一方(好ましくは前方の側壁)だけに形成されたり、小側壁18dの1つに形成される場合もあることに留意されたい。
【0078】
喫煙者によって内箱5のフロント領域21dに与えられる手押し操作を容易にするために、同領域21dの面にはギザギザやその他の粗化機能を設けるようにしても良い。
【0079】
図示されないパケット1dの変形実施形態では、携帯容器40’内での内箱5の双方向スライドは、
図12の内箱5の場合と同様に、内箱5に連動する上記タブ35と同じ、上記垂直方向スリット36と同じようなスリットを介して携帯容器40’から出るタブ(図示しない)からなる各つかみ要素を使って、手で各内箱5を上下に引っ張ることで起こり得るかもしれない。
【0080】
図24を参照するに、パケット1dの箱型本体41’を成すブランク20dは、横断方向に延びる2本の弱め線80と、長手方向に延びる複数本の弱め線81とを備え、これらによって2本の横断方向弱め線80の間には、パケット1dの1つの大側壁15dを成すパネル82、小側壁18dを成すパネル83、及びもう一方の大側壁15dを成すパネル84が形成される。パネル82は1組のフラップ85、86を備え、それらはパネル82の両側に位置し、パネル82からは横断方向の弱め線80によって隔てられパケット1dの底、上壁の外側部分を構成する。パネル83は1組のフラップ87、88を備え、それらはパネル83の両側に位置し、パネル83からは横断方向の弱め線80によって隔てられパケット1dの底、上壁の内側部分を構成する。パネル84は1組のフラップ89、90を備え、それらはパネル84の両側に位置し、パネル84からは横断方向の弱め線80によって隔てられパケット1dの底、上壁の内側部分を構成する。フラップ87、88とフラップ89、90は、それらがフラップ85、86に対して折り畳まれてパケット1dの上、底壁を形成する際には重なり合わないような形状になっている。
【0081】
そして、パネル83には、その実質的に中央領域に使用者の指を通過させるような形状とサイズを持った孔91が設けられる。孔91の目的は、パケット1dが
図22に示したような閉じ位置にある時、孔91に面した携帯容器40’の小側壁18dに対して使用者が押圧アクションをとれるようにすることにより、箱型本体41’からの携帯容器40’の取り出しを容易にすることにある。
【0082】
図25に示され、パケット1dの携帯容器40’を製造するために使用されるすブランク20dは
図9のブランク20と同様であり、ここでは参照番号はブランク20dのそれらと同一である。
【0083】
ブランク20とは異なり、ブランク20dは、パネル16’とサイドフラップ18”の間、及びパネル15’とサイドフラップ18’の間の接続域の長手方向中央部に細長いスロット33を配置する。ブランク20dは又、2つの切り込み16”を備え、その切り込みは夫々、略台形タブ16’’’を形成し、その大底辺は、パネル16’をフラップ17”から分離する長手方向線28の一部分と、パネル15’をフラップ17’から分離する長手方向線28の一部分とに一致する。そして、ブランク20dは翼部6’を持たない。
【0084】
明確に特定しない場合でも、例えばつかみ要素35やスロット19のように、上述したパケット1、1a、1b、1c及び1dの各部分の変形実施形態の全ては全てのパケット1、1a、1b、1c及び1dに適用可能であることが理解されよう。
【0085】
上述した携帯容器40、40’の夫々において、支持部分26’と引き出し領域12のサイズについては、タバコ3の直径の複数倍に実質的に等しいサイズとなり得ることに留意されたい。この場合、内箱5を上方に移動することで、2本以上のタバコ3の上方部分が領域12を通って外にでることになる。そしてこれらタバコ3の内の1本を取り出した後は、喫煙者は内箱5を再度下げることになり、それにより部分的に突き出していた残りのタバコ3も外箱6の中に戻ることになる。
【0086】
内箱5内のタバコ3は又、単一列4ではなく2列以上並んだ状態で配置される場合もあるかもしれない。この場合も又、支持部分26’はその上に2本以上のタバコ3を並べる可能性があり、内箱5を上方に移動することで、2本以上のタバコ3の上方部分が領域12を通って外にでることになるだろうし、これらタバコ3の内の1本を取り出した後は、喫煙者は内箱5を再度下げることになり、それにより部分的に突き出していた残りのタバコ3も外箱6の中に戻ることになる。