(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載のナックルとブッシングの組立体であって、該ナックルとブッシングの組立体が、クレビス、制御アーム、ピン、キングピンそしてサスペンション部材よりなる群から選択された少なくとも1つのサスペンション部品を含み、
該耳部が該ブッシングの軸方向剛性を増すように圧縮されるが、一方、該凹部は該ブッシングのコニカル剛性と捻り剛性を減ずる、組立体。
請求項1又は2に記載のナックルとブッシングの組立体であって、該ブッシングが、該ナックル部材の該第1通路の直径より大きい未圧縮直径を有する概略環状の中間部分を備える、組立体。
請求項1から4のいずれか1つに記載のナックルとブッシングの組立体であって、該ナックル部材の該第1通路が、該ナックル部材の該第1及び第2の側の各々に近い領域に円弧形の部分を有する内壁を備える、組立体。
請求項6又は7に記載の一体化したナックルとブッシングの組立体を製造する方法であって、該ナックル部材を提供する工程が、該ナックル部材の該第1の側及び第2の側の各々に近い領域で円弧形部分を有する内壁を備えるために、該ナックル部材の該第1通路内の少なくとも1つの壁を機械加工する工程を更に含む、方法。
請求項6から8のいずれか1つに記載の一体化したナックルとブッシングの組立体を製造する方法であって、該ブッシングを提供する工程が、予め規定された形状を有する金属内側部材を提供する工程と、該内側部材を鋳型内に配置する工程と、該内側部材の上にエラストマー製の外側部材を成形する工程を含んでおり、該外側部材が該通路内の該ブッシングにより示される軸方向剛性を改良するための複数の耳部と、該ナックル部材内で該ブッシングの捻り及びコニカル剛性を下げるための第1の環状の切り詰められた部分を有する複数の縮小厚さ部分を含む、方法。
請求項6から9のいずれか1つに記載の一体化したナックルとブッシングの組立体を製造する方法であって、該内側部材を鋼材から冷間成形する工程を含み、該内側部材が、丸い中央部分と、該中央部分から反対方向に延びる2つの端部部分を有するよう形成される、方法。
【実施例】
【0017】
サスペンションシステムは、種々の動作条件でサスペンション部品の加速及び減速を減衰又は管理することにより、車両のピッチ、ロール及びヨーを管理することによって、車両に或るレベルの乗り心地を提供するため車両で使用される。該サスペンションシステムは、制御アーム、ピン、キングピン、ストラット、ばね、ショックアブゾーバー、ステアリング部品、ホィール組立体部品、設置用ハードウエア及び/又は他の公知サスペンションの様な、複数のサスペンション部品を有するのが典型的である。該サスペンション部品は、何等かの公知の又は適当な結合部品を使って一緒に結合される。1つの特定の種類の結合では、1つのサスペンション部品をもう1つのサスペンション部品と結合するために
、クレビスとクレビスピンが使われる。1つの例示用実施例では、1つのサスペンション部品はクレビスを有し、もう1つのサスペンション部品はナックル部材を有し、該ナックル部材が該クレビスの各アーム又はプロングの各端部の孔内に配置されるクレビスピンを使って該クレビスに結合される。該クレビスピンは、ボルトと同様な、該クレビスピンのねじ付き端部上でナットの様な何等かの公知の又は適当なファスナーを使って該クレビスに固定される。この種のサスペンション結合では、該ナックル部材は該クレビスピンの主部分を受け、それにより該クレビスを該ナックル部材に結合するための通路又は孔を有する。
【0018】
本開示の1例示用実施例では、
図1及び2に示す様に、サスペンションカップリング5はナックルボスに配置されたナックルとブッシングの組立体10を有する。該ナックルとブッシングの組立体10はナックル部材12とブッシング部材(又はハブ)15を有する。該サスペンションカップリング5は、
図2の方向矢印で示す様に、比較的低い捻り(T)及びコニカル(C)の剛性と一緒に、比較的高い半径方向(R)及び軸方向(A)の剛性を示すカップリングを提供するよう設計されており、なお、ここでは例え
図2ではその様に示されてなくても、座標の原点は、恰もナックルサスペンション部品5の物理的中心に該原点が配置される様に、該原点が基準化され、使われている。該サスペンションカプリング5は1つのサスペンション部品のもう1つへの結合用に、そしてそれら間での力の伝達用に設計される。該サスペンションカップリング5は、該サスペンションカップリング5のサスペンション部品間で比較的最小の相対運動を有するよう設計される。何等かの動きが起こるとすれば、該動きは一般に弾性変形の結果である。該クレビス(示されてない)はクレビスピン(示されてない)により該ナックル部材12に結合され、該結合はクレビスを有する1つのサスペンション部品に印加された力をクレビスピンへ、そして次いで該ナックル部材12へ直接伝達するためである。従って、サスペンションカップリング5の部品間で伝達される力は必ずブッシング部材15を通して伝達される。該ブッシング部材15は、該サスペンションカップリング5用に改良された軸方向及び半径方向剛性、改良された捻り及びコニカル柔軟性特性を提供する一方、低いコストと他の改良された特性を有する。
【0019】
ナックル部材12は一般に丸い構造を有するが、サスペンションカップリング5で使用するためにどんな適当な形状を有してもよい。該ナックル部材12は、第1の端部又は側22と第2の端部又は側23の間に延びる通路21を規定する壁を有する。該ナックル部材12は、何等かの公知の又は適当な鋳造パラメーターと生産技術を使って、鋳造アルミニウム金属片として作られるのが好ましい。ナックル部材12の通路21を規定する該壁は一般に丸く、第1端部22から第2端部23まで延び、一定半径又は直径を有してもよい。該通路21を規定する壁は又代わりに、第1端部22から第2端部23(示されてない)まで、断面が概略非直線形又はカーブした形状を有してもよく、そこでは通路21の半径(そして従って直径)は第1端部22及び第2端部23で最小となり、より大きい半径を有する中央部分24を備える。通路21を規定する壁は又第1端部22から中央部分24まで一定に変化する半径(示されてない)を有してもよく、或いは、該壁はゼロを含めた種々の割合の変化を有してもよい。該通路21を規定する該壁は、ナックル部材12を作る鋳造過程中に形成されてもよく、或いは後で形成されてもよい。通路21を規定する該壁は更に、精密研削又はミリングにより、或いは何等かの他の公知の、又は適当な機械加工、切削又は成形過程を使うことにより形成されてもよい。
【0020】
ナックル部材12と通路21を規定する壁は、
図3で最良に示される様に、通路21の第1端部22に配置された第1延長部材26を含むよう形成されてもよい。ナックル部材12と通路21を規定する壁とは、
図3で又示される様に、該通路21の第2端部23に配置された第2延長部材27を有するよう形成されてもよい。各延長部材26及び27は、ナックル部材12と一体で、ナックル部材12内の通路21を更に規定してもよい。該
延長部材26と27は、該ナックル部材12の鋳造成形の1部として創られてもよく、そして第1位置で形成されるが、該第1位置では該延長部材26と27が
図3に示す様に該ナックル部材12の通路21の中央軸線Zと実質的に整合される方向に整合される(又は該方向に延びる)。該延長部材26と27は厚さ28を有するが、該厚さは該延長部材26と27が、該ブッシング部材15が通路21内に配置された後、該第1位置から第2位置へ機械的に成形される(例えば、該ナックル部材の母材が圧延されるか、クリンプされるか、冷間成形されるか又は他の仕方で動かされる)よう、選択される。該第2位置では、該延長部材26と27は、通路21の中央軸線Zと実質的に直角に整合され、そして通路21内にブッシング部材15を固定する。該第2位置では、該延長部材26と27は通路21の第1及び第2端部22及び23を、少なくとも部分的に規定する。第1及び第2延長部材26及び27の何れか又は両者を、該第1位置から該第2位置へ塑性加工的に変形させ、該通路21内にブッシング部材15を固定する、冷間成形、圧延又は何等かの他の適当なプロセスの様な、何等かの公知の又は適当なプロセスが該延長部材26と27を第1位置(
図3及び4)から第2位置(
図2)へ成形する又は動かすために使われてもよいことは理解されるべきである。該延長部材26と27が両者共第1位置で鋳造される様に示されるが、第1位置の該延長部材26と27の1つと、第2位置のもう1つと、を有する該ナックル部材12を鋳造し、該延長部材26と27の1つのみが第2位置へ動かされる必要があることが起こり得ることは理解されるべきである。
【0021】
ブッシング部材15は概略円柱状の形状を有してもよく、そこでは該部材は概略丸い断面を有してもよい。該ブッシング部材15は
図2及び4で最良に示される様に、第1の、又は外側の部材16と第2の、又は内側の部材17を有してもよい。該外側部材16は
図4で最良に示される様に、ナックル部材12内の通路21内で内側部材17を支持する。ブッシング部材15は、サスペンション部品間の力とモーメントの受け入れと伝達用であり、ナックル部材12の通路21を規制する壁と係合するよう圧入されてもよく、従って、該サスペンション部品の力及び動きに応答する該通路21内の或る動きを有してもよい。外側部材16は好ましくはゴム、或いは更には天然ゴムの様なエラストマー材料で作られるのがよい。該外側部材16のエアラストマー材料は、該ブッシング部材15がここで更に説明される様に通路21内に配置された時、良好な軸方向(A)及び半径方向(R)剛性を示すよう選択される。ブッシング部材15は、形成された又は造形された外面を有する外側部材16を有し、そして該ブッシング部材12の性能を改良するための複数の形成部分を有する。該外側部材16は、好ましくは成形された、概略環状の部材であり、1対の延長部又は耳部18及び19を有し、1つの耳部が該外側部材16の各端部に向かうよう配置されるのがよい。該耳部18及び19は、該エラストマー外側部材16用の概略波形の外面構造を規定してもよい。各耳部18と19は、実質的に半径方向に外方へ延びる外側部材16の部分であるが、該部分は、該ナックル部材12内の該ブッシング部材15に動作を提供するよう、該ナックル部材12の通路21を規定する壁を従事させるために、与えられた厚さと長さを有している。各耳部18と19はその各側で、厚さを減じた外側部分16である少なくとも1つの谷状凹部20により規定されるが、該外側部分は耳部18と19の材料が通路21内で、そして該通路の端部に対して圧縮されることを可能にして、該ブッシング部材15の軸方向剛性に影響する。該耳部18と19は、動作時圧縮されると、軸(A)方向で、そして部分的には半径(R)方向で、該通路21内のブッシング部材15に実質的に軸方向の剛性を提供する。更に、各耳部18と19の各側の凹部は、コニカル(C)と捻り(T)の方向で該ブッシング部材15の低い剛性、そしてそれ故に高い柔軟性を提供する。
【0022】
力が該ブッシング部材15を通して該ナックル部材12に伝達されると、該耳部18と19の1つ以上は、ナックル部材12の概略通路21内の場所付近で変形し、外側部材16のフランジFによっても更に規定され、内側部材17に沿って延びる、該耳部18と19の各側の凹部20の形状を変える。該耳部18とフランジFの協同作用は、該一体化し
たナックルとブッシングの組立体5に追加の軸方向剛性を与える。同時に、凹部20の存在は、同じ構造体で凹部の無いものと比較して、コニカル(C)及び捻り(T)方向の該ブッシング部材の概して減じられた剛性を実現する。この仕方での、エレガントで率直な設計的解決策により、競合する設計的緊張状態の驚くべき解決が見られる。
【0023】
ブッシング部材15の内側部材17は、或る動作特性を該ブッシング部材15に与えるために造形されたボデイを有する。該内側部材17は該クレビスピン(示されてない)と結合し、車両のサスペンションに付随する比較的高い負荷を伝達するために、比較的高い強度を有する冷間成形鋼の様な金属又は鋼材料で作られる。該内側部材17用に何等かの他の公知の又は適当な材料が使われてもよい。好ましくは、該内側部材17は、概略丸い又は球形の外周33を有する中央部分32を備えるのがよい。該外周33は一般に一定半径を有するが、又該ブッシング部材15の性能に影響するよう種々の半径を有してもよい。該内側部材17は、更に該内側部材17の中央すなわち軸方向の軸線(I)に沿って概略反対方向に延びる第1及び第2端部部分34及び35を有する。該内側部材17の第1及び第2端部部分34及び35は概略円錐台の形状を有し、そこでは実質的に円錐状の形状のより小さい端部は該中央部分32の外周33と合流し、該第1及び第2端部部分34及び35のもう1つのより大きい端部部分は、該ナックル部材12の第1及び第2端部22及び23と整合されるよう延びる。該第1及び第2端部部分34及び35は、中央軸線Iに対し直角に取られる概略丸い断面を有し、この様な丸い断面は与えられた半径又は直径を有する。該第1及び第2端部部分34及び35に沿う断面の半径は該中央部分32から第1及び第2端部へ、一定割合で、一定でない割合で又はゼロの割合で、変わってもよい。
【0024】
該内側部材17は、該第1及び第2端部部分34及び35、そして該中央部分32を通って中央軸線Iに沿って延びる、1つ以上の通路、ボア、又は他のスルーホール37を含む。該スルーホール37は該内側部材17を最初に作る時、該内側部材17内に形成されてもよく、或いは該スルーホール37は、該内側部材17が作られた後、該内側部材17を通して穴あけされるか又は機械加工されてもよい。一旦該内側部材17が作られると、外側部材16が該内側部材17上に成形される。該内側部材17が成形機械内の置かれる前に、そして該外側部材16がその上で成形される前に、カリウムベースのコーティングの様な、接着促進剤が該金属内側部材17に付けられてもよい。該接着促進剤は、何等かの公知の又は適当な種類であってもよく、該ブッシング部材15へ印加される力が、内側部材17及び外側部材16の間で効果的に伝達されるように、外側部材16のエラストマー材料の内側部材17の金属への接着を改善するよう意図されている。該内側部材17(オプションの接着促進剤付きの又は無しの)は鋳型キャビテイ内に置かれ、該鋳型は閉じられ、次いで該内側部材の周りで形成され、該鋳型キャビテイを充たすよう外側部材16の材料が該鋳型キャビテイ内に導入され(例えば、圧縮成形、インジェクション成形又は他の仕方により)、該キャビテイは凹部20により各側で規定された耳部18及び19を有する外側部材を作る。ブッシング部材15は、該ブッシング部材の外側部材16が、通路21を規定する壁の第1及び第2延長部分26及び27が
図4で最良に示される様に、なお第1位置に存在する間に、該通路21内に圧縮されるか又は圧入されるよう、該ナックル部材12の通路の寸法より僅かに大きい寸法を有するよう作られる。該ブッシング部材15は通路21内に配置され、整合され、次いで通路21を規定する壁の第1及び第2延長部分26及び27が、
図2に最良に示される様に、該ブッシング部材15を該通路21内に固定するために、両延長部分の第2位置内に成形される。該通路21を規定する壁の第1及び第2延長部分26及び27の1つのみを該第1位置に有し、通路21を規定する壁の第1及び第2延長部分26及び27のもう1つを第2位置に有するナックル部材12を作ることも可能であることが評価されてもよい。この代替えでは、該ブッシング部材15は、開いた位置にある該通路21を規定する壁の第1及び第2延長部分26及び27の1つ内に挿入又は圧入され、そして該通路21内へ整合され、そして第2位置にある通
路21を規定する壁の第1及び第2延長部分26及び27のもう1つにより、その中へ固定される。次いで、第1位置にある通路21を規定する壁の第1及び第2延長部分26及び27の該1つのみが、ナックル部材12の通路21内に該ブッシング部材15を固定するよう成形される必要がある。
【0025】
ブッシング部材15が比較的低い捻り(T)剛性及び低いコニカル(C)剛性と、比較的高い軸方向剛性と、を示すことに加えて、該ブッシング部材は、該ナックル部材12の通路21内に設置された時、比較的高い半径方向(R)剛性を示すことが望ましい。これは、該ブッシング部材15の少なくとも中央部分33を造形し、寸法決めすることにより達成されてもよい。一旦、該ブッシング部材15がナックル部材12の通路21内に配置され、整合され、そして固定されると、該ブッシング部材15の外側部材16は、該内側部材17の中央部分33の範囲内で厚さDを有し、該ナックル部材12の中央部分24と整合されるが、そこでは該厚さは、該ナックル部材15が通路21内に配置された後、約2mmと3mmの間の範囲内にあり、該厚さDが、車両のサスペンションカップリング5内の一体化したナックルとブッシングの組立体10の動作時、約2mmと3mmの間の範囲内に留まる。
【0026】
サスペンション組立体5内で使用するための一体化したナックルとブッシングの組立体10を製造する方法は、通過するよう延びる通路21を有するナックル部材12を製造する過程を有する。該ナックル部材12は、好ましくは鋳造過程とアルミニウム材料を使って作られるのがよい。該ナックル部材12は、該ナックル部材12の通路21の側22に配置された第1延長部材26を有するよう鋳造されるのが好ましい。該通路21は、更に該通路21の第2の側23に配置された第2延長部材27を規定する。
図3で最良に示される様に、該第1及び第2延長部材26、27は、該通路21の軸方向と実質的に整合される方向に最初に延びるよう示される。1実施例では、第1及び第2延長部材26、27の1つは
図4で示すそれの様な閉じた位置で形成され、該第1及び第2延長部材26、27のもう1つは
図3で示す開いた位置で形成される。該方法の1部として、該ブッシング部材15は、通過するよう延びる通路37と、該ブッシング部材15の外側部材16の外面内に配置される複数の環状の縮小された部分又は凹部20と、を有するよう作られる。該ブッシング部材15は、端部22を通して通路21内へ該ブッシング部材15を圧入することにより、ナックル部材12内の通路21内に軸方向に整合される。該ブッシング部材15がナックル部材12内に配置された後、第1延長部材26は、第1延長部材26を圧延するか又は成形することにより、
図3に示す開いた位置から
図4に示す閉じた位置へ動かされる。ナックル部材の通路21は、該通路の壁がブッシング部材15を受けるために比較的スムーズな仕上げを有するまで、機械加工されてもよい。
【0027】
ブッシング部材15の製作では、
図2から4で示す予め規定された形状を有する金属内側部材17が最初に製造される。該内側部材17は、述べられた形状と詳細を有する金属部品を作るのに好適な冷間成形過程を使って作られるのが好ましい。通路37は、内側部材17の軸方向中心に沿う穴あけによる様な、何等かの公知の又は適当な製造過程を使って形成される。一旦、金属内側部材17が作られると、該部材は、エラストマー材料の該金属への接着を改良するために、内側部材17の表面を準備し、燐酸塩ベースのプライマーコーティングを付ける様な、エラストマー材料外側部材16の受け入れ用に用意される。噴射加工及び噴射コーティングの様な過程を含む、該エラストマー外側部材16の金属内側部材17への接着を促進する何等か公知の又は適当な材料と方法が使われてもよいことは理解されるべきである。
【0028】
一旦、該内側部材17が用意されると、該部材は、耳部18、19と凹部20と、の形成用を含む外側部材16の形成用の形状を有する鋳型内に配置される。一旦、該内側部材17が該鋳型内に配置され位置付けられると、該内側部材17上に外側部材16を形成す
るために鋳型にエラストマー材料が導入される。該エラストマー材料はエラストマー材料の何等か公知の又は適当なグループから選択されてもよいが、該内側部材17上にオーバーモールドされ、該ブッシング部材15の外側部材16として機能するのに好適な、合成材料、ゴム及び天然ゴム材料を含む材料のグループから選択されるのが好ましい。該鋳型は、インジェクション成形機械(示されてない)で使われ、該エラストマー材料は、該外側部材16を形成するため該鋳型内に噴射されるか、又は何等かの他の公知の又は適当な成形方法が利用されてもよい。一旦、該外側部材16が形成され、充分に硬化されると、該ブッシング部材15は形成され、該鋳型から取り外される。
【0029】
ここで詳述される何等かの数値は、何等かの低い値と何等かの高い値の間で少なくとも2単位の隔たりがあると仮定して、1単位の増分で下の値から上の値までの全ての値を含んでいる。例として、もし、例えば、部品の量、或いは温度、圧力、時間等の様なプロセス変数の値が、例えば、1から90、好ましくは20から80、より好ましくは30から70であると述べられるなら、15から85、22から68、43から51、30から32他の様な値が、この明細書で明示的に列挙されるよう意図されている。1より小さい値については、1単位は適宜0.0001、0.001、0.01、又は0.1であると考えられる。これらは特に意図されたものの例に過ぎず、最低値と最高値の間の数えられる数値の起こり得る全ての組み合わせは、同様な仕方でこの出願で明示的に表明されるよう考えられるべきである。
【0030】
違った風に表明されてないならば、全て範囲は両端点と、該端点間の全ての数を含む。範囲に関連した“約”又は“概略”の使用は該範囲の両端にも適用される。かくして、“約20から30”は、少なくとも指定された端点を含み、“約20から約30”をカバーするよう意図されている。
【0031】
特許の出願と刊行物を含む全ての論文と参照文献の開示は、全ての目的で参照により組み入れられる。組み合わせを説明するための用語“本質的に...から成る”には識別された要素、材料、部品又は過程、そして該組み合わせの基本的な及び新規の特性に実質的に影響しない、この様な他の要素、材料、部品又は過程、を含ませる。ここで要素、材料、部品又は過程の組み合わせを説明する用語“具備する”又は“有する”の使用も、該要素、材料、部品又は過程から本質的に成る、又は成る、実施例をも考慮している。
【0032】
複数の要素、材料、部品又は過程が、1つの一体化された要素、材料、部品又は過程により提供されてもよい。代わって、1つの一体化された要素、材料、部品又は過程が別々の複数の要素、材料、部品又は過程に分けられてもよい。要素、材料、部品又は過程を説明するための“1つの”又は“1ケの”の開示は、追加の要素、材料、部品又は過程を排除するようには意図されてない。
【0033】
上記説明は図解的であるよう意図されており、限定的であるようには意図されてないことは理解される。上記説明を読むと、提供された例の他に、多くの応用のみならず多くの実施例が当業者には明らかになるであろう。それ故、本発明の範囲は上記説明を参照して決められるべきでなく、代わって、附属する請求項と、この様な請求項が権利を与えられる全範囲の等価物と、を一緒に参照して決められるべきである。特許の出願書と刊行物を含む全ての論文と参考文献の開示は、全ての目的で引用により組み入れられる。下記請求項での、ここで開示された主題の何等かの側面の脱落はこの様な主題の否認声明書ではなく、発明人がこの様な主題を開示された発明の主題の1部であると考えないと見なされるべきでもない。
【0034】
本発明の主な特徴及び態様を挙げれば以下のとおりである。
【0035】
1.
車両のサスペンションシステムで使用するナックルとブッシングの組立体であって、
第1通路を備えるナックル部材であり、該第1通路が該ナックル部材の第1の側に配置された第1端部と、該ナックル部材内の第2の側に配置された第2端部と、を有しており、該ナックル部材内の該第1通路は該通路の中央軸線を規定する軸方向長さを有している、該ナックル部材と、
該ナックル部材の該第1通路内に配置され、該第1通路での締まりばめを有するブッシングであり、該ブッシングは該ブッシングの第1端部から該ブッシングの第2端部まで延びるブッシング通路を備えており、該ブッシング通路は該ナックル部材の該第1通路の該軸線に実質的に整合された軸線を規定しており、そして該ブッシングは該ブッシングの外面内に配置された第1の環状の縮小部分を備える該ブッシングと、を具備しており、
該ナックル部材は、該通路の該中央軸線と整合された方向に少なくとも部分的に延びる第1延長部材を有し、該第1延長部材は該ブッシングの該第1端部の少なくとも1部分上に延びており、そして該ナックル部材は該通路の該中央軸線と整合された方向に少なくとも部分的に延びる第2延長部材を有しており、該第2延長部材は、該ナックル部材の該第1及び第2延長部材が該ブッシングを該ナックル部材の該第1通路内に固定するよう該ブッシングの該第2端部の少なくとも1部分上に延びている、ナックルとブッシングの組立体。
【0036】
2.
該ブッシングが造形されたエラストマーボデイを有する上記1記載のナックルとブッシングの組立体。
【0037】
3.
該ブッシングが成形ゴムボデイを有する上記1又は2に記載のナックルとブッシングの組立体。
【0038】
4.
該ブッシングが成形天然ゴムボデイを有する上記1から3のいずれか1つに記載のナックルとブッシングの組立体。
【0039】
5.
該ブッシングが、動作時、該ブッシングに印加される軸方向、コニカル及び捻りの力に応答して、第1、第2及び第3の方向にそれる概略周りを取り囲む耳部及び凹部構造体を有するよう構成される上記1から4のいずれか1つに記載のナックルとブッシングの組立体。
【0040】
6.
該耳部構造体が該ブッシングの軸方向剛性を増す、一方、該凹部構造体が該ブッシング部材のコニカル剛性と捻り剛性を実質的に減じる上記1から5のいずれか1つに記載のナックルとブッシングの組立体。
【0041】
7.
該ブッシングが、該ナックル部材の該第1通路の直径より大きい未圧縮直径を有する概略環状の中間部分を備える上記1から6のいずれか1つに記載のナックルとブッシングの組立体。
【0042】
8.
該環状の中間部分が、該ナックル部材の該通路内に圧縮状態で装填された時、約3mm以下の半径方向断面厚さを有する上記1から7のいずれか1つに記載のナックルとブッシ
ングの組立体。
【0043】
9.
該ナックル部材の該第1通路が、該ナックル部材の該第1及び第2の側の各々に近い領域に円弧形の部分を有する内壁を備える上記1から8のいずれか1つに記載のナックルとブッシングの組立体。
【0044】
10.
該耳部構造体が該ブッシングの概略周りを取り囲む1対の耳部を有し、該耳部の各々は該耳部の間に概略周りを取り囲む輪郭取りされた凹部範囲を規定する輪郭取りされた外面を有する上記5から9のいずれか1つに記載のナックルとブッシングの組立体。
【0045】
11.
該締まりばめが、該第1延長部材に接する該耳部の少なくとも1つを含む上記5から10のいずれか1つに記載のナックルとブッシングの組立体。
【0046】
12.
クレビス、制御アーム、ピン、キングピンそしてサスペンション部材を含むグループから選択された少なくとも1つのサスペンション部品を更に具備する上記1から11のいずれか1つに記載のナックルとブッシングの組立体。
【0047】
13.
車両のサスペンションで使用する一体化したナックルとブッシングの組立体であって、
通過するよう延びる通路を有し、サスペンション部材用サポートを提供するためのナックル部材と、
通過するよう延びる通路を有し、該ナックル部材内の該通路内に軸方向に整合されて配置されたブッシングであり、該ブッシング内の該通路内に配置されるべきサスペンション部材に改良された半径方向の、捻りのそしてコニカルのサポートを提供するため、該ブッシングの外面内に配置された複数の環状の縮小部分を有する該ブッシングと、を具備しており、そして
該ナックル部材は、該ナックル部材の該通路の第1の側の第1の形成された延長部と、該ナックル部材の該通路の第2の側の第2の形成された延長部と、を有しており、該第1及び第2の形成された延長部材は該ブッシングを該ナックル部材の該通路内に固定するためである、一体化したナックルとブッシングの組立体。
【0048】
14.
車両のサスペンション組立体で使用するための一体化したナックルとブッシングの組立体を製造する方法であって、
通過するよう延びる通路を有するナックル部材を製造する過程であり、該ナックル部材はサスペンション部材用サポートの提供用であり、該ナックル部材は、該ナックル部材の該通路の1つの端部に配置され、該通路を更に規定する第1延長部材と、該ナックル部材の該通路の第2端部に配置され、該通路を更に規定する第2延長部材と、を有する、該ナックル部材を製造する過程と、
通過するよう延びる通路を有するブッシングを製造する過程であり、該ブッシングの外面内に配置された複数の環状の縮小された部分を有する該ブッシングを製造する過程と、
該ナックル部材の該通路内に軸方向に整合されるよう該ブッシングを配置する過程であり、該ブッシングは、該ブッシング内の該通路内に配置されるべき該サスペンション部材への改良された半径方向、捻り及びコニカルのサポートの提供用である、該配置する過程と、
該通路の中央軸線と整合された方向に、そして該ブッシングの第1端部の少なくとも1
部分上に、少なくとも部分的に延びるよう該第1延長部材を形成する過程と、そして
該ブッシングを該ナックル部材の該通路内に固定するために、該通路の該中央軸線に整合された方向に、そして該ブッシングの該第2端部の少なくとも1部分上に、少なくとも部分的に延びるよう該第2延長部材を形成する過程と、を具備する方法。
【0049】
15.
ナックル部材を製造する過程がアルミニウムを含むナックル部材を鋳造する過程を更に備える上記14に記載の一体化したナックルとブッシングの組立体を製造する方法。
【0050】
16.
ナックル部材を製造する過程が該第1及び第2延長部材を形成する過程の前に該第1通路内の少なくとも1つの円弧形壁を機械加工する過程を更に備える上記14又は15に記載の一体化したナックルとブッシングの組立体を製造する方法。
【0051】
17.
該ブッシング部材を製造する過程が、予め規定された形状を有する内側部材を製造する過程と、鋳型内に該内側部材を配置する過程と、該内側部材の上に外側部材を成形する過程と、を備えており、該外側部材が、高い半径方向及び軸方向剛性を示しながら、低い捻り及びコニカル剛性を示すよう、該通路内で該ブッシング部材により示される剛性を改良するために、複数の拡張部材を有する上記14から16のいずれか1つに記載の一体化したナックルとブッシングの組立体を製造する方法。
【0052】
18.
該ブッシングを配置する過程が該ブッシングを該ナックル部材の該通路内に半径方向の圧縮状態で配置する過程を有する上記14から17のいずれか1つに記載の一体化したナックルとブッシングの組立体を製造する方法。
【0053】
19.
内側部材を形成する過程が該内側部材を鋼材で冷間成形する過程を有しており、該内側部材は丸い中央部分と、該中央部分から反対方向に延びる2つの端部部分と、を有するよう形成される上記17又は18に記載の一体化したナックルとブッシングの組立体を製造する方法。
【0054】
20.
該内側部材を形成する過程が円錐台形状を有するよう該内側部材の2つの端部部分を形成する過程を有しており、各端部部分の狭い部分が該中央部分の近くに配置され、各端部部分の広い部分が該内側部材の該中央部分の遠位に配置される上記17から19のいずれか1つに記載の一体化したナックルとブッシングの組立体を製造する方法。
【0055】
21.
該ブッシングを製造する過程が合成材料、ゴム、天然ゴム材料を含むグループから選択され、内側部材の上にオーバーモールドされるエラストマー材料で外側部材を成形する過程を有する上記14から20のいずれか1つに記載の一体化したナックルとブッシングの組立体を製造する方法。
【0056】
22.
実質的にここに説明されたナックルとブッシングの組立体。
【0057】
23.
実質的にここに説明された、成形されたブッシング部品。
【0058】
24.
実質的にここに説明されたブッシング部品との組み立て用に実質的にここに説明されたナックルボスを有するナックル。
【0059】
25.
少なくとも1つのサスペンション部品、実質的にここに説明されたナックルとブッシングの組立体、実質的にここに説明された成形されたブッシング部品、及び/又は実質的にここに説明されたナックルボスを有するナックル、を備える車両サスペンション。
【0060】
26.
実質的にここに説明された過程を含む、実質的にここに説明されたナックルとブッシングの組立体、実質的にここに説明された成形されたブッシング部品、又は実質的にここに説明されたナックルボスを含むナックル、を製造する方法。
【0061】
27.
車両のサスペンション組立体で使用する一体化したナックルとブッシングの組立体を製造する方法であって、
通過するよう延びる通路を有するナックル部材を製造する過程であり、該ナックル部材はサスペンション部材用のサポートの提供用であり、該ナックル部材は、該ナックル部材の該通路の1つの端部に配置され、該通路を更に規定する第1延長部材と、該ナックル部材の該通路の第2の端部に配置され、該通路を更に規定する第2延長部材と、を有しており、該第2延長部材は、該ナックル部材が製造される時、該通路の該第2端部を閉じるよう形成される、該ナックル部材を製造する過程と、
通過するよう延びる通路を有するブッシングを製造する過程であり、該ブッシングの外面内に配置される複数の環状の縮小部分を有する該ブッシングを製造する過程と、
該ブッシングの該第1端部を通した該通路内への圧入により、該ナックル部材内の該通路内に軸方向に整合されるよう該ブッシングを配置する過程であり、該ブッシングが該ブッシング内の該通路内に配置されるべき該サスペンション部材への改良された半径方向、捻り及びコニカルサポートの提供用である、該ブッシングを配置する過程と、そして
該通路の軸方向軸線に実質的に直角な方向に少なくとも部分的に延長するよう、そして該ナックル部材の該通路内に該ブッシングを固定するために、該ブッシングの該第1端部の少なくとも1部分と重なり合うよう、該第1延長部材を形成する過程と、を具備する方法。
【0062】
28.
ナックル部材を製造する過程がアルミニウムを含むナックル部材を鋳造する過程を更に有する上記27に記載の一体化したナックルとブッシングの組立体を製造する方法。
【0063】
29.
該ナックル部材を製造する該過程が、該第1延長部材を形成する過程の前に、該ナックル部材の該第1通路内の少なくとも1つの壁を機械加工する過程を更に有する上記27又は28に記載の一体化したナックルとブッシングの組立体を製造する方法。
【0064】
30.
該ブッシングを製造する過程が、予め規定された形状を有する金属内側部材を製造する過程と、該内側部材を鋳型内に配置する過程と、該内側部材の上にエラストマー外側部材を成形する過程と、を更に有しており、該外側部材が該通路内で該ブッシング部材により示される軸方向剛性を改良するための複数の拡張部材と、該ナックル部材内で該ブッシングの捻り及びコニカル剛性を下げるための複数の縮小厚さ部分と、を有する上記27から
29のいずれか1つに記載の一体化したナックルとブッシングの組立体を製造する方法。
【0065】
31.
該内側部材を形成する過程が、該内側部材を鋼材から冷間成形する過程を有しており、該内側部材が、丸い中央部分と、該中央部分から反対方向に延びる2つの端部部分と、を有するよう形成される上記30に記載の一体化したナックルとブッシングの組立体を製造する方法。
【0066】
32.
該内側部材を形成する過程が、円錐台形状を有するよう該内側部材の2つの端部部分を形成する過程を有しており、各端部部分のより小さい部分が該中央部分に近くに配置され、各端部部分のより大きい部分が該内側部材の該中央部分の遠位に配置される上記31に記載の一体化したナックルとブッシングの組立体を製造する方法。
【0067】
33.
該ブッシングを製造する過程が外側部材を、合成材料、ゴム及び天然ゴム材料を含むグループから選択されたエラストマー材料から成形する過程を有しており、該外側部材は内側部材の上にオーバーモールドされる上記30から32のいずれか1つに記載の一体化したナックルとブッシングの組立体を製造する方法。