(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
架橋剤として使用することができる生成物Hであって、それは、環状アルキレン尿素Uと多官能性アルデヒドA2との反応生成物Pと、U及びA2に加えて環状アルキレン尿素Uとは異なるアミノプラスト形成剤M及び単官能性アルデヒドA1の少なくとも1つを構成成分として有するさらなる反応生成物との混合物を含み、
生成物Hを構成する混合物は、環状アルキレン尿素Uと多官能性アルデヒドA2との反応で生じる反応生成物Pと、以下の反応生成物の少なくとも1つを含み:
a)環状アルキレン尿素Uと、環状アルキレン尿素Uとは異なるアミノプラスト形成剤Mと、多官能性アルデヒドA2との反応によって生じる反応生成物UMA2、
b)環状アルキレン尿素Uと、環状アルキレン尿素Uとは異なるアミノプラスト形成剤Mと、単官能性アルデヒドA1と、多官能性アルデヒドA2との反応によって生じる反応生成物UMA1A2、
c)環状アルキレン尿素Uとは異なるアミノプラスト形成剤Mと、単官能性アルデヒドA1と、多官能性アルデヒドA2との反応によって生じる反応生成物MA1A2、
d)環状アルキレン尿素Uと、単官能性アルデヒドA1と、多官能性アルデヒドA2との反応によって生じる反応生成物UA1A2、
e)環状アルキレン尿素Uとは異なるアミノプラスト形成剤Mと、多官能性アルデヒドA2との反応によって生じるMA2、
f)環状アルキレン尿素Uと、単官能性アルデヒドA1との反応によって生じる反応生成物UA1、
g)環状アルキレン尿素Uと、環状アルキレン尿素Uとは異なるアミノプラスト形成剤Mと、単官能性アルデヒドA1との反応によって生じるUMA1、
h)環状アルキレン尿素Uとは異なるアミノプラスト形成剤Mと、単官能性アルデヒドA1との反応によって生じる反応生成物MA1、
反応生成物h)が、UA2である反応生成物Pと共に混合物中に存在する場合、他の反応生成物a)、b)、c)、d)、e)、f)又はg)の少なくとも1つも混合物中に存在し、
場合により、生成物H、若しくはUとA2との反応生成物P、又はその両方は、N−H基とアルデヒド基との付加反応によって形成されるヒドロキシル基の少なくとも一部と、1又は複数の脂肪族アルコールR’−OHとの反応によってエーテル化されており、前記アルコールR’−OHは1〜10個の炭素原子を有し、
グリオキサールが多官能性アルデヒドA2の少なくとも1つに存在し、
少なくとも1つのアミノプラスト形成剤Mが、アミン、酸アミド、ウレタンR−O−CO−NH2及びチオウレタンR−O−CS−NH2、R−S−CO−NH2又はR−S−CS−NH2(式中Rはそれぞれ20個までの炭素原子を有する直鎖状若しくは分岐状脂肪族、環状脂肪族、芳香族又は複素環基である)、メラミン、N−アルキルメラミン、N,N−ジアルキルメラミン、及びΝ,N’,Ν”−トリアルキルメラミンからなる群から選択される環状アミジン、グアナミン、並びに環状アルキレン尿素Uではない環状尿素から選択される、
上記生成物H。
アミジンが、メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ホルモグアナミン、N−アルキルメラミン、N,N’−ジアルキルメラミン、N,N’,N”−トリアルキルメラミン、トリアルコキシメラミン、及びメラミンの少なくとも1つのアミン水素原子がアルコキシカルバモイル基で置き換えられているアルコキシカルバモイルトリアジンからなる群から選択される、請求項1に記載の生成物H。
多官能性アルデヒドA2が式OHC−R”−CHOを有するものであり、式中R”は直接結合又は二価基であり、多官能性アルデヒドA2は好ましくはグリオキサール、マロンアルデヒド、スクシンアルデヒド、グルタルアルデヒド、アジポアルデヒド、2−メトキシメチル−2,4−ジメチルペンタン−1,5−ジアール、シクロヘキサン−1,3−ジアール、シクロヘキサン−1,4−ジアール及び脂肪酸2量体由来のジアルデヒドからなる群から選択される、請求項1に記載の生成物H。
前記二価基は、直鎖状、分岐状又は環状の脂肪族二価基でありそして1〜40個の炭素原子を有する、又は、直鎖状、分岐状若しくは環状でありそして1〜39個の炭素原子を有する、少なくとも1個のさらなるアルデヒド基−CHOを有する脂肪族二価基である、請求項6に記載の生成物H。
単官能性アルデヒドA1が、1〜20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐状又は環状脂肪族アルデヒドであり、好ましくはホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、2−メチルプロピオンアルデヒド、バレルアルデヒド(1−ペンタナール)、カプロンアルデヒド(1−ヘキサナール)、エナンタール(1−ヘプタナール)、カプリルアルデヒド(1−オクタナール)及び2−エチル−1−ヘキサナールからなる群から選択される、請求項1に記載の生成物H。
環状アルキレン尿素Uが少なくとも1つの非置換アミド型>NH基を有し、脂肪族環構造内に構造−NH−CO−NH−の要素を有する環状脂肪族又は二環状脂肪族化合物であり、環原子の総数が好ましくは5〜7であり、特に好ましくはエチレン尿素又はイミダゾリジン−2−オン、1,2−プロピレン尿素又は4−メチルイミダゾリジン−2−オン、1,3−プロピレン尿素又は2−ケトヘキサヒドロピリミジン又はテトラヒドロ−(1H)−ピリミジノン、1,4−ブチレン尿素又はテトラメチレン尿素からなる群から選択される、請求項1に記載の生成物H。
前記アルキレン基は1又は複数の炭素原子がヒドロキシル基によって又はアルキル基若しくはアルコキシ基によって置換されていて、各アルキル基若しくはアルコキシ基は互いに独立して1〜10個の炭素原子を有する、請求項9に記載の生成物H。
金属、半導体表面、複合材料と熱可塑性材料と熱硬化性材料とを含むプラスチック、ガラス、陶器、石、コンクリート、硬膏、木材、組立木材、紙、ボール紙、皮並びに布地からなる群から選択される基材に、形成されたコーティング組成物を適用する工程をさらに含む、請求項18から20のいずれか一項に記載の使用方法。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に従ってこのような生成物Hを使用するとき、環状アルキレン尿素Uの質量m(U)及び多官能性アルデヒドA2の物質量m(A2)の合計の、生成物Hの質量m(H)に対する比率[m(U)+m(A2)]/m(H)が、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、特に好ましくは30/70〜70/30である。本明細書において使用するとき、質量mは他に明示のない場合、常に活性成分の質量を表し、活性成分を含有する溶液の質量を表すものではない。
【0016】
多官能性アルデヒドA2は、式OHC−R”−CHOを有するものであり、式中R”は直接結合又は二価基であってよく、二価基は好ましくは直鎖状、分岐状又は環状の脂肪族二価基であってよく、及び1〜40個の炭素原子を有してよい。これらのR”の選択肢の両方によって、正確に2個の−CHO基を有する二価アルデヒドとなるか、又は直鎖状、分岐状、若しくは環状であってよく1〜38個の炭素原子を有してよい脂肪族二価基となり、それは少なくとも1個のさらなるアルデヒド基−CHOを有する。後の選択肢では、少なくとも3個のアルデヒド基を有する三価又は多価の脂肪族アルデヒドとなる。本発明の目的において、多官能性アルデヒドA2はグリオキサール又はグリオキサールと少なくとも1つのさらなる多官能性アルデヒドA2との混合物である。好ましくはこれらのさらなる多官能性アルデヒドA2は二官能性であり、即ち、ジアルデヒドである。
【0017】
「多官能性」とは本発明の文脈において、1つより多くの同種の官能基を有する分子を表すために使用される。好ましい多官能性アルデヒドA2は二価脂肪族アルデヒド、特に、グリオキサール、マロン酸ジアルデヒド、コハク酸ジアルデヒド、グルタル酸ジアルデヒド及びアジポアルデヒドである。特に好ましくは、グリオキサールである。これらの混合物も使用可能であり、質量分率で少なくとも30%のグリオキサール、特に好ましくは少なくとも50%のグリオキサールを含む混合物が好ましい。本発明において、グリオキサールは、水溶液で、(溶融温度が15℃であるため冷却が必要だが)固体無水物として、又は二量体若しくは三量体の形態で、随意的に二水和物としての固体水和形態で、又は酸性条件下で分解する亜硫酸塩若しくは亜硫酸水素塩との付加生成物の形態で、使用され得る。
【0018】
本発明に従って使用し得る環状アルキレン尿素Uは少なくとも1つの非置換アミド型>NH基を有する。これらの環状アルキレン尿素Uは環状脂肪族又は二環状脂肪族化合物であり、脂肪族環構造内に構造−NH−CO−NH−の要素を有する化合物であり、環原子の総数は好ましくは5〜7(エチレン尿素又はイミダゾリジン−2−オン、1,2−プロピレン尿素又は4−メチルイミダゾリジン−2−オン、1,3−プロピレン尿素又は2−ケトヘキサヒドロピリミジン又はテトラヒドロ−(1H)−ピリミジノン、1,4−ブチレン尿素又はテトラメチレン尿素)である。アルキレン基は1又は複数の炭素原子がヒドロキシル基又はアルキル基若しくはアルコキシ基によって置換されていてもよく、好ましくはそれぞれ1〜10個の炭素原子を有する。ただし環状アルキレン尿素Uのアルキレン基は置換されていないことが好ましい。特に好ましいのは、エチレン尿素又はエチレン尿素を含む混合物、特に少なくとも質量分率50%のエチレン尿素を含む混合物である。二環状化合物の場合、最も簡単な構造のものはグリコールウリル又はアセチレン二尿素である。
【0019】
環状アルキレン尿素Uは、好ましくはN−若しくはC−原子又はその両方の原子が、好ましくは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基により置換されていてもよい。少なくとも1つの窒素原子は、アルデヒド官能性分子と反応し得るように非置換のままでなければならない。好ましくは環状アルキレン尿素Uは、エチレン尿素、1,3−プロピレン尿素及びグリコールウリルからなる群並びに前記環状尿素の窒素原子又は炭素原子の少なくとも1つにさらに置換基R
3iを少なくとも1つ有する前記環状尿素或いはこれらの混合物からなる群から選択され、但し少なくとも1つの窒素が非置換であり、置換基R
3iはそれぞれ1〜10個の炭素原子を有する直鎖状、分岐状及び環状アルキル基、2〜10個の炭素原子を有するオレフィン性不飽和の直鎖状又は分岐状脂肪族アルキル基、及び1〜10個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル及びアミノアルキル基からなる群から独立して選択され、ここで酸素原子又は−NH−基がいずれか2つのメチレン−CH
2−又はアルキリデン>CHR
4基の間に挿入されていてもよく、式中R
4は1〜10個の炭素原子を有する追加の直鎖状又は分岐状の脂肪族基である。
【0020】
また環状アルキレン尿素は、2以上の>NH基を有する化合物と少なくとも2官能性アルデヒドとの反応、例えば、ジアミン又はジアミドとジアルデヒドとの反応によってin situ生成させてもよい。一例は尿素H
2N−CO−NH
2をグリオキサールOHC−CHOと反応することにより形成されるジヒドロキシエチレン尿素である。
【0021】
精製された環状アルキレン尿素Uを、市販品質、例えば、約96%の純度を有する商業品のエチレン尿素(ある市販製品のエチレン尿素の質量分率が(96.0±0.5)%である)に代えて使用すると、多官能性アルデヒドA2との反応生成物における色及び安定性の両方が改善されることがわかった。精製は、通常のプロセス、例えば、再結晶、抽出、吸着とイオン交換反応、蒸留、若しくは昇華、又は錯形成、好ましくは溶融結晶化によって行うことができ、ここで溶融結晶化プロセスには、エネルギー消費が少ない、空時収量が高い、及び一定して品質が良いという利点がある。
【0022】
特に好ましい組合せはグリオキサールとエチレン尿素及び少なくとも1つのアミノプラスト形成剤Mとの反応に基づくものであり、場合によりグリオキサール若しくはエチレン尿素のどちらか一方又はその両方と、他の多官能性アルデヒドA2及び/又は他の環状アルキレン尿素Uとを混合させた組合せに基づくものである。そのような組合せにおいて、エチレン尿素の物質量の、反応生成物の合成に使用される全てのアミノプラスト形成剤Mの物質量に対する比率は1:99〜99:1、好ましくは30:70〜95:5、特に好ましくは40:60〜90:10である。
【0023】
アミノプラスト形成剤Mは、環内に少なくとも2つのカルボニル基を有する環状尿素U2、例えば、ヒダントイン、パラバン酸、バルビツール酸、及びアロキサン、並びにこれらのチオ誘導体からなる群、アミン(好ましくは芳香族アミン、例えばアニリン及びp−アミノベンジルアルコール)、単官能性又は多官能性カルボン酸の直鎖状、分岐状又は環状アミド(例えばステアリルアミド、アジピンジアミド)、及びラクタム(例えば、γ−ブチロラクタム、δ−バレロラクタム、及びε−カプロラクタム)から選択され、例えば、芳香族カルボン酸のアミド(例えば、イソフタル酸ジアミド)、スルホンアミド(例えば、p−トルエンスルホンアミド)、スルフリルアミド、シアナミド及びその誘導体、ジシアンジアミド及びその誘導体、グアニジン及びその誘導体、特に、尿素、チオ尿素、ビウレット、2−イミノ−4−チオビウレット、及びこれらの同族体、例えば、N,N−ジメチル尿素及びN,N’−ジメチル尿素、並びに対応するエチル及び高級アルキル誘導体、並びにこれらのチオ尿素誘導体、カルバマート又はウレタンR”−O−CO−NH
2、及びチオウレタンR”−O−CS−NH
2、R”−S−CO−NH
2又はR”−S−CS−NH
2(式中R”は1〜20個の炭素原子を有する脂肪族、脂環族、芳香族又は複素環基)、1〜10個の炭素原子を有する直鎖状、分岐状又は環状のアルキル若しくはアルケニル基で置換されていてもよい1個以下のアミド型水素原子、メラミン及びその同族体N−アルキルメラミン、N,N−ジアルキルメラミン、及びΝ,N’,Ν”−トリアルキルメラミン(好ましくはアルキル基に1〜8個の炭素原子を有し、それぞれ同じであっても異なっていてもよく)、好ましくはN−メチルメラミン、N,N−ジメチルメラミン、sym−トリメチルメラミン、及び対応するエチル化合物、グアナミン(例えば、ホルモグアナミン、アセトグアナミン、及びベンゾグアナミン)、構造式H
2N−CO−NH−Q−O−CO−NH
2を有する混合尿素−カルバマート、さらに環状アルキレン尿素Uと異なる環状尿素化合物(例えば、グリコリル尿素として知られるヒダントイン、オキサリル尿素として知られるパラバン酸)並びにこれらの同族体及び置換生成物が挙げられる。
【0024】
好ましい生成物Hでは、少なくとも1つのアミノプラスト形成剤Mが、アミン、酸アミド、ウレタンR
u−O−CO−NH
2及びチオウレタンR
u−O−CS−NH
2、R
u−S−CO−NH
2又はR
u−S−CS−NH
2(式中R
uは20個までの炭素原子を有する直鎖状若しくは分岐状脂肪族、環状脂肪族、芳香族又は複素環基であってよい)、メラミン及びその同族体からなる群から選択される環状アミジン、グアナミン、並びに環状アルキレン尿素ではない環状尿素化合物−好ましくは上述のヒダントイン若しくはパラバン酸から選択される−からなる群から選択される。好ましいウレタンは直鎖状又は分岐状のアルキルウレタン、例えばエチルウレタン及びブチルウレタン、並びにアルキレンビスウレタン、例えばエチレン及びブチレンビスウレタンである。
【0025】
さらに生成物Hは、アミドが以下からなる群から選択されるものであることが好ましい:
− 単官能性又は多官能性カルボン酸の直鎖状、分岐状若しくは環状アミド(そこには芳香族カルボン酸のアミドも挙げられる)、
− γ−ブチロラクタム、δ−バレロラクタム、ε−カプロラクタム、及びω−ラウリンラクタムからなる群から好ましくは選択される、4〜15個の炭素原子を有するラクタム、
− スルホンアミド、スルフリルアミド、
− シアナミド及びその誘導体、
− 尿素、チオ尿素、グアニジン、ビウレット、2−イミノ−4−チオビウレット、並びにこれらの誘導体及び同族体。
【0026】
さらに好ましい反応生成物Pでは、アミジンがメラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ホルモグアナミン、N−アルキルメラミン、N,N’−ジアルキルメラミン、N,N’,N”−トリアルキルメラミン、トリアルコキシメラミン、及びメラミンの少なくとも1つのアミン水素原子がアルコキシカルボニル基で置き換えられているアルコキシカルバモイルトリアジンからなる群から選択され、アルキル基及びアルコキシ基のそれぞれは同じ分子の他の基と独立してアルコキシ基に1〜10個の炭素原子を有してよい。
【0027】
さらに好ましい反応生成物Pでは、多官能性アルデヒドA2が分子あたり2個以上のアルデヒド基を有する直鎖状、分岐状又は環状脂肪族アルデヒドであり、2〜40個の炭素原子を有し、好ましくはグリオキサール、マロンアルデヒド、スクシンアルデヒド、グルタルアルデヒド、アジポアルデヒド、2−メトキシメチル−2.4−ジメチルペンタン−1,5−ジアール、シクロヘキサン−1,3−ジアール、シクロヘキサン−1,4−ジアール、及び脂肪酸2量体由来のジアルデヒドからなる群から選択される。
【0028】
さらに反応生成物Pは、単官能性アルデヒドが1〜20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐状又は環状脂肪族アルデヒドであり、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、2−メチルプロピオンアルデヒド、バレルアルデヒド(1−ペンタナール)、カプロンアルデヒド(1−ヘキサナール)、エナンタール(1−ヘプタナール)、カプリルアルデヒド(1−オクタナール)、及び2−エチル−1−ヘキサナールからなる群から選択されることが好ましい。
【0029】
さらに、本発明の基礎をなす実験において、多官能性アルデヒドA2と、環の一部を形成しない窒素原子の1又は複数に結合した少なくとも1つのアルコキシカルボニル基を有するメラミン誘導体との反応によって、メラミン誘導体のアミノ基若しくはカルバモイル基のどちらか一方又はその両方がアルデヒド基による置換メラミンへの付加及び構造−C(OH)−N(X)−(式中Xは水素又はアルコキシカルボニル基であり得る)の形成により反応した反応生成物が形成されることがわかった。2分子のビス−(アルコキシカルバモイル)−モノ−アミノトリアジンが、1分子の二官能性アルデヒドと反応する場合、好ましくはアルデヒドと非置換アミノ基との反応下で、4つのアルコキシカルバモイル基を有する分子が形成され、この分子はヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホスフィン又はカルボキシル官能基を有するポリマーに対する架橋剤として使用し得る。モノ−(アルコキシ−カルバモイル)ジアミノトリアジンが2官能性のアルデヒドと反応する場合、主鎖にアルコキシカルバモイル基のペンダント鎖を有する直鎖状のオリゴマー又はポリマーが形成される。化学量論と官能性に依存して、高い架橋効率を有する広範な多官能性架橋剤が形成され得る。
【0030】
環状アルキレン尿素Uと、アミン、アミド又はアミジン化合物Mと多官能性アルデヒドA2との連続又は同時反応は、環状アルキレン尿素U、アミン、アミド又はアミジン化合物M、及び多官能性アルデヒドA2、並びにこれらの反応生成物P、並びに中間反応生成物のいずれとも反応しない溶媒の存在下で実施し得ることが好ましい。溶媒は多工程プロセスにおいて、最初の工程で反応混合物に添加されるか、又は最初の工程後に反応混合物に添加され得る。有用な溶媒は芳香族化合物及びその混合物であり、例えば、異性体型キシレン、その混合物又はトルエン及びエチルベンゼンとの混合物、芳香族及び脂肪族エステル、パラフィン及びその混合物、脂肪族分岐炭化水素、並びに直鎖状、分岐状及び環状脂肪族エーテルである。これらの溶媒は、出発物質から共沸蒸留における水を除去するために使用することができ、水溶液又は水和物の形態で添加することができる。
【0031】
好ましい変形において、環状アルキレン尿素U、アミノプラスト形成剤化合物M及び多官能性アルデヒドA2並びに水又は溶媒の混合物は、蒸留又は減圧下での蒸留による揮発成分の除去によって反応前又は反応中に場合により濃縮される。
【0032】
連続反応において、付加反応は、第1工程において環状アルキレン尿素Uと多官能性アルデヒドA2との間で、好ましくは多官能性アルデヒドA2のアルデヒド−CHO基の物質量n(CHO)の、Uにおけるアミド型>NH基の物質量n(>NH)に対する比率が1.01mol/mol〜2mol/molであるような化学量論比で実施される。第2の工程では、第1の工程のアルデヒド官能性中間体とアミノプラスト形成剤化合物Mとが第1工程において形成された中間体生成物のアルデヒドを少なくとも一部消費しながら反応し、又は化合物Mと未反応多官能性アルデヒドA2とが反応する。この後者の代替手法はアミノプラスト形成剤のin situ形成が望ましいとき、例えば、尿素とグリオキサールから1,2−ジヒドロキシエチレン尿素(4,5−ジヒドロキシ−イミダゾリジン−2−オン)を形成する場合に好ましい。in situ反応によって生じるアミノプラスト形成剤は、次いでさらに多官能アルデヒドA2、又は第1工程のアルデヒド官能性中間体と反応し得る。この2工程又は連続反応が選択される場合、反応の間にpHを適切に制御して5〜8の範囲内に維持することにより、逆反応による平衡化を抑えることができる。したがって末端封止生成物が、最後の工程で単官能性アミノプラスト形成剤、例えばN−メチルエチレン尿素を形成する際に生じ得る。
【0033】
同時反応において、様々なアミノプラスト形成剤の反応性が類似している場合は、無秩序なポリ付加物が速度支配下で形成され、pH及び他の反応条件が好適な平衡反応条件となるように好ましくは5未満又は8より上のpHでより高温で長期間となるように選択される場合は熱力学支配下で形成される。
【0034】
生成物Hの好ましい製造プロセスは以下の通りである:
最初の変形は、
a)少なくとも1つの環状アルキレン尿素Uを、場合により環状アルキレン尿素Uとは異なる少なくとも1つのアミノプラスト形成剤Mとの混合物で投入する工程と、
b)少なくとも1つの多官能性アルデヒドA2を、場合により少なくとも1つの単官能性アルデヒドA1との混合物で、工程a)の混合物に混合して、付加反応を行って反応生成物を形成する工程であって、場合により少なくとも1つの多官能性アルデヒドA2、少なくとも1つの単官能性アルデヒドA1、少なくとも1つの環状アルキレン尿素U、少なくとも1つのアミノプラスト形成剤M及びこれらの反応生成物のいずれとも反応しない溶媒の存在下で、実施される工程と、
c)場合により、工程b)の間又は後で水を除去する工程と、
d)場合により、アルコールR
1−OHを添加して、酸性条件下でエーテル化し、場合により水及び未反応アルコールR
1−OHの少なくとも1つを除去する工程と、
e)さらに場合により、工程d)の後にさらなる量のアルコールR
2−OHを添加し、酸性条件下でエーテル化し、場合により水及び未反応アルコールR
2−OHの少なくとも1つを除去する工程と
を含み、
工程e)が行われる場合、一回又は二回以上行われてもよく、
R
1は直鎖状、分岐状及び環状アルキル基からなる群から選択され、好ましくは1〜10個の炭素原子を有し、場合により少なくとも1つのオレフィン性不飽和を有し、R
2は直鎖状、分岐状及び環状アルキル基からなる群から選択され、好ましくは1〜10個の炭素原子を有し、場合により少なくとも1つのオレフィン性不飽和を有し、さらに場合により少なくとも1つのさらなるヒドロキシル基(但し、2つのヒドロキシル基が同じ炭素原子上にあることはない)を有し、R
1がR
2と異なる場合、R
1の炭素原子の数はR
2の炭素原子の数より少なくとも1つ少ない。
第2の変形は、
a)少なくとも1つの多官能性アルデヒドA2を、場合により少なくとも1つの単官能性アルデヒドA1との混合物で、少なくとも1つの環状アルキレン尿素Uに混合して、付加反応を行って反応生成物UAを形成する工程であって、ここでA2及びU及び存在する場合A1の量は、アルデヒド基の物質量が少なくとも1つの環状アルキレン尿素UのNH基の物質量を超えるように選択され、場合により水を除去する、工程と、
b)環状アルキレン尿素Uとは異なる少なくとも1つのアミノプラスト形成剤Mを混合し、付加反応を継続して、反応生成物を形成する工程と、
c)場合により工程a)の間若しくは後に及び/又は工程b)の間若しくは後に水を除去する工程と、
ここで工程a)及びb)は、場合により多官能性アルデヒドA2、単官能性アルデヒドA1、環状アルキレン尿素U、少なくとも1つのアミノプラスト形成剤M、反応生成物UA、及びこれらの反応生成物のいずれとも反応しない溶媒の存在下で実施され、
d)場合により、アルコールR
1−OHを添加して、酸性条件下でエーテル化し、場合により水及び未反応アルコールR
1−OHの少なくとも1つを除去する工程と、
e)さらに場合により、工程d)の後にさらなる量のアルコールR
2−OHを添加し、酸性条件下でエーテル化し、場合により水及び未反応アルコールR
2−OHの少なくとも1つを除去する工程と
を含み、
工程e)が行われる場合、一回又は二回以上行われてもよく、
R
1は直鎖状、分岐状及び環状アルキル基からなる群から選択され、好ましくは1〜10個の炭素原子を有し、場合により少なくとも1つのオレフィン性不飽和を有し、R
2は直鎖状、分岐状及び環状アルキル基からなる群から選択され、好ましくは1〜10個の炭素原子を有し、場合により少なくとも1つのオレフィン性不飽和を有し、さらに場合により少なくとも1つのさらなるヒドロキシル基(但し、2つのヒドロキシル基が同じ炭素原子上にあることはない)を有し、R
1がR
2と異なる場合、R
1の炭素原子の数はR
2の炭素原子の数より少なくとも1つ少なく、ここで略称UAは、環状アルキレン尿素Uと、多官能性アルデヒドA2、単官能性アルデヒドA1、又はA2及びA1の両方との付加物を表す。
第3の変形は、
a)少なくとも1つの多官能性アルデヒドA2を、場合により少なくとも1つの単官能性アルデヒドA1との混合物で、工程b)の環状アルキレン尿素Uの少なくとも1つとは異なる少なくとも1つのアミノプラスト形成剤Mに混合して、反応生成物MAの形成下での付加反応を行う工程であって、ここで少なくとも1つの多官能性アルデヒドA2及びM、及び場合により少なくとも1つの単官能性アルデヒドA1の量は、アルデヒド基の物質量が少なくとも1つのアミノプラスト形成剤MのNH基の物質量を超えるように選択され、場合によりこの工程a)の間又は後で水を除去する工程と、
b)少なくとも1つの環状アルキレン尿素Uを混合して、付加反応を行い反応生成物を形成する工程と、
c)場合により、工程b)の間又は後で水を除去する工程と、
ここで工程a)及びb)は、場合により多官能性アルデヒドA2、単官能性アルデヒドA1、環状アルキレン尿素U、少なくとも1つのアミノプラスト形成剤M、反応生成物MA、及びこれらの反応生成物のいずれとも反応しない溶媒の存在下で実施され、ここで略称MAは、環状アルキレン尿素Uとは異なるアミノプラスト形成剤Mと、多官能性アルデヒドA2、単官能性アルデヒドA1、又はA2及びA1の両方との付加物を表し、
d)場合により、アルコールR
1−OHを添加して、酸性条件下でエーテル化し、場合により水及び未反応アルコールR
1−OHの少なくとも1つを除去する工程と、
e)さらに場合により、工程d)の後にさらなる量のアルコールR
2−OHを添加し、酸性条件下でエーテル化し、場合により水及び未反応アルコールR
2−OHの少なくとも1つを除去する工程と
を含み、
工程e)が行われる場合、一回又は二回以上行われてもよく、
R
1は直鎖状、分岐状及び環状アルキル基からなる群から選択され、好ましくは1〜10個の炭素原子を有し、場合により少なくとも1つのオレフィン性不飽和を有し、R
2は直鎖状、分岐状及び環状アルキル基からなる群から選択され、好ましくは1〜10個の炭素原子を有し、場合により少なくとも1つのオレフィン性不飽和を有し、さらに場合により少なくとも1つのさらなるヒドロキシル基(但し、2つのヒドロキシル基が同じ炭素原子上にあることはない)を有し、R
1がR
2と異なる場合、R
1の炭素原子の数はR
2の炭素原子の数より少なくとも1つ少ない。
また第4の変形は、
a)少なくとも1つの環状アルキレン尿素Uを投入する工程と、
b)少なくとも1つの多官能性アルデヒドA2を、場合により少なくとも1つの単官能性アルデヒドA1との混合物で、混合して、付加反応を行って反応生成物UAを形成する工程と、
c)場合により、工程b)の間又は後に水を除去して、少なくとも部分的に脱水された反応生成物UAを形成する工程と、
d)工程b)又はc)の反応生成物UAに、アミノプラスト形成剤Mと単官能性アルデヒドA1との予備形成付加生成物MA、又はアミノプラスト形成剤Mと単官能性アルデヒドA1及び多官能性アルデヒドA2の混合物との予備形成付加生成物MA、又はアミノプラスト形成剤Mと単官能性アルデヒドA1及び/又は少なくとも1つの多官能性アルデヒドA2の少なくとも1つとの混合物を添加して、そのように形成された混合物を反応して反応生成物の形成を行う工程であって、付加生成物UAの成分の少なくとも部分的な交換下、場合により水の除去下で実施される工程と、
e)場合により、アルコールR
1−OHを添加して、酸性条件下でエーテル化し、場合により水及び未反応アルコールR
1−OHの少なくとも1つを除去する工程と、
f)さらに場合により、工程e)の後に、さらなる量のアルコールR
2−OHを添加し、酸性条件下でエーテル化し、場合により水及び未反応アルコールR
2−OHの少なくとも1つを除去する工程と
を含み、
工程f)が行われる場合、一回又は二回以上行われてもよく、
場合により、工程b)〜f)のいずれかが、多官能性アルデヒドA2、少なくとも1つの単官能性アルデヒドA1、少なくとも1つの環状アルキレン尿素U、少なくとも1つのアミノプラスト形成剤M、アミノプラスト形成剤Mと単官能性アルデヒドA1及び多官能性アルデヒドA2の混合物との付加生成物MA、及びこれらから形成される反応生成物のいずれとも反応しない溶媒の存在下で実施されてもよく、
R
1は直鎖状、分岐状及び環状アルキル基からなる群から選択され、好ましくは1〜10個の炭素原子を有し、場合により少なくとも1つのオレフィン性不飽和を有し、R
2は直鎖状、分岐状及び環状アルキル基からなる群から選択され、好ましくは1〜10個の炭素原子を有し、場合により少なくとも1つのオレフィン性不飽和を有し、さらに場合により少なくとも1つのさらなるヒドロキシル基(但し、2つのヒドロキシル基が同じ炭素原子上にあることはない)を有し、R
1がR
2と異なる場合、R
1の炭素原子の数はR
2の炭素原子の数より少なくとも1つ少ない。
また第5の変形は、
a)少なくとも1つのアミノプラスト形成剤Mを投入する工程と、
b)少なくとも1つの単官能性アルデヒドA1を、場合により少なくとも1つの多官能性アルデヒドA2との混合物で、混合して、付加反応を行って反応生成物MAを形成する工程であって、場合により少なくとも1つの多官能性アルデヒドA2、少なくとも1つの単官能性アルデヒドA1、少なくとも1つのアミノプラスト形成剤M及び反応生成物MAのいずれとも反応しない溶媒の存在下で実施される工程と、
c)場合により、工程b)の間又は後に水を除去して、少なくとも部分的に脱水された反応生成物MAを形成する工程と、
d)工程b)又はc)の反応生成物MAに、環状アルキレン尿素Uと多官能性アルデヒドA2との予備形成付加生成物UA、又は少なくとも1つの環状アルキレン尿素Uと単官能性アルデヒドA1及び多官能性アルデヒドA2の混合物との予備形成付加生成物UA、又は環状アルキレンUと単官能性アルデヒドA1及び/又は多官能性アルデヒドA2の少なくとも1つとの混合物を添加して、そのように形成された混合物を反応して反応生成物の形成を行う工程であって、付加生成物MA及びUAの成分の少なくとも部分的な交換下、場合により水の除去下、さらに場合により、少なくとも1つの多官能性アルデヒドA2、少なくとも1つの単官能性アルデヒドA1、少なくとも1つの環状アルキレン尿素U、少なくとも1つのアミノプラスト形成剤M、及びこれらから形成される反応生成物のいずれとも反応しない溶媒の存在下で、実施される工程と、
e)場合により、アルコールR
1−OHを添加して、酸性条件下でエーテル化し、場合により水及び未反応アルコールR
1−OHの少なくとも1つを除去する工程と、
f)さらに場合により、工程e)の後に、さらなる量のアルコールR
2−OHを添加し、酸性条件下でエーテル化し、場合により水及び未反応アルコールR
2−OHの少なくとも1つを除去する工程と
を含み、
工程f)が行われる場合、一回又は二回以上行われてもよく、
R
1は直鎖状、分岐状及び環状アルキル基からなる群から選択され、好ましくは1〜10個の炭素原子を有し、場合により少なくとも1つのオレフィン性不飽和を有し、R
2は直鎖状、分岐状及び環状アルキル基からなる群から選択され、好ましくは1〜10個の炭素原子を有し、場合により少なくとも1つのオレフィン性不飽和を有し、さらに場合により少なくとも1つのさらなるヒドロキシル基(但し、2つのヒドロキシル基が同じ炭素原子上にあることはない)を有し、R
1がR
2と異なる場合、R
1の炭素原子の数はR
2の炭素原子の数より少なくとも1つ少ない。
【0035】
これらの好ましい変形においては、多官能性アルデヒドA2を2つ以上に分けて、プロセスの間の異なる時間に添加することがさらに好ましい。
【0036】
単官能性アルデヒドA1又は単官能性アミノプラスト形成剤Mを、末端>NH官能基又は末端アルデヒド官能基を有する反応生成物に混合することにより、末端>NH官能基と単官能性アルデヒドとの反応によって又は末端アルデヒド官能基と>NH基を1つのみ有するアミノプラスト形成剤分子Mとの反応によって末端封止がもたらされる。そのような末端封止生成物は粘性が低く、バインダー樹脂としての粘性を満たすことにより、提案される最終用途に適合するものとなり得る。
【0037】
他方、上記した少なくとも2つの鎖端に末端アルデヒド機能性を有する反応生成物のいずれかと少なくとも2つの>NH官能基を有する化合物との反応、また別の選択肢では少なくとも2つの鎖端に末端>NH官能基を有する上記の反応生成物と少なくとも2つのアルデヒド官能基を有する化合物との反応によって、鎖延長がもたらされ、よりオリゴマー化又はポリマー化され、粘性の増加した生成物が得られる。
【0038】
好ましい実施形態において、少なくとも部分的にエーテル化された生成物Hは、本発明による架橋剤組成物で成分として使用されることが好ましい。
【0039】
「エーテル化された」は、本明細書において、アルデヒドの環状アルキレン尿素Uへの付加反応の生成物(Xは多官能性アルデヒドA2と反応し得た環状アルキレン尿素Uの残基であるか、又は−CO−NH−基を取出した後のポリマー又はオリゴマー鎖の一部であり得る):
【化1】
であって、アルデヒド分子のカルボニル炭素原子(前述の式で太字「C」によって示される)に結合した付加反応で生じるヒドロキシル基がアルコキシ基−ORによって置換されている上記生成物を意味する。(成長する)ポリマー鎖は「〜〜〜〜」によって示される。直鎖状尿素又は他のアミド、アミン又はアミジン化合物の場合において、類似の構造が形成される。
【0040】
エチレン尿素を環状アルキレン尿素Uとして、グリオキサールを多官能性アルデヒドA2として使用する好ましい場合において、−R’−は直接結合であり、Xは−NH−CH
2−CH
2−である。
【0041】
「部分的にエーテル化された」はアルデヒドのカルボニル炭素原子に結合している−OH基及び−OR基の両方が、そのような「部分的にエーテル化された」生成物中に存在し、少なくとも部分的にエーテル化された反応生成物が、アルデヒドA1又はA2のカルボニル炭素原子上の置換基として、ヒドロキシル基−OH及びアルコキシ基−ORからなる群から選択される少なくとも一種の官能基を有することを意味する。
【0042】
本発明の文脈において「部分的にエーテル化された」とは好ましくはアルデヒド基とn(−CO−NH)基との反応によって形成されるヒドロキシル基のアルコールでのエーテル化によって生成されたアルコキシ基の物質量n(−OR)の、前記アルコキシ基の物質量n(−OR)及びエーテル化されていない前記ヒドロキシル基の物質量n(−OH)の合計に対する比率が、少なくとも0.01mol/molであることを意味する。
【0043】
本発明で有用な脂肪族アルコールR−OHは少なくとも1つのヒドロキシル基を有し、1〜12個の炭素原子、好ましくは1〜8個の炭素原子を有し、1又は複数の−O−、−NR”−、−S−が間に入ってもよく、ここでR”はH又は1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を表し、但し2つの−O−又は2つの−S−原子は直接隣接しない。それは直鎖状、分岐状又は環状、好ましくは直鎖状又は分岐状であり得、好ましくはモノアルコールであり、好ましくは1〜12個、好ましくは1〜8個の炭素原子を有するアルコールであり、例えば、メタノール、エタノール、n−及びイソプロパノール、及び異性体ブタノール、特に、n−ブタノール、イソブタノール、n−ヘキサノール、又は2−エチルヘキサノールである。他の好ましいアルコールは式R
3−(O−C
nH
2n)
m−OHのエーテルアルコールであり、式中R
3は好ましくは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、nは2〜4の整数であり、mは1〜10の整数であり、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、又はジプロピレングリコールモノメチルエーテルである。環状脂肪族アルコールの中で、シクロヘキサノールが好ましい。少量、すなわち使用される脂肪族アルコールの質量分率10%までが、二官能性又は多官能性(3個以上の官能基を有する)であってよい。さらなる実施形態ではオレフィン性不飽和アルコールをエーテル化に使用することができ、これにより、重合性反応生成物Pが得られる。有用なアルコールは分子当たり1つのヒドロキシル基と少なくとも1つのオレフィン性不飽和を有する。これらは3〜10個の炭素原子を有する不飽和脂肪族アルコールであってよく、好ましくはアリルアルコール及びメタアリルアルコール又はジオールの半エステル又は三水素及び高級官能性アルコールとオレフィン性不飽和カルボン酸との部分エステル、例えばヒドロキシエチルアクリラート、ヒドロキシエチルメタクリラート、ヒドロキシプロピルアクリラート、及びヒドロキシプロピルメタクリラートなどである。これら及び他の不飽和ヒドロキシ官能性化合物も、本発明の目的のための「不飽和アルコール」の定義に含まれる。
【0044】
さらに好ましいのは、生成物Hのエーテル化度は、アルコキシ基の物質量n(RO−)の、エーテル化及び非エーテル化ヒドロキシル基の物質量の合計に対する比率n(RO−)/[n(−OH)+n(RO−)]で測定するとき、少なくとも0.4mol/molである。
【0045】
さらに好ましいのは、生成物Hにおいては残基>NH基の物質量の、環状尿素Uとアミノプラスト形成剤Mに由来する部分の物質量の合計に対する比率が、0.2mol/mol以下である。
【0046】
エーテル化工程の反復、即ちアルコールの付加及び場合により水及び未反応アルコールを除去した後のさらなるエーテル化により、エーテル化度が増加することが分かった。この反復はエーテル化に使用するアルコールが1種のみである場合に特に好ましい。2倍、3倍又は複数倍のエーテル化など、所望のエーテル化の程度に達するように選択された反復の数が、したがって、好ましい方法となる。
【0047】
好ましい変形において、エーテル化工程後、未反応アルコールの少なくとも一部、場合により存在する水の少なくとも一部、さらに場合によりアルデヒド基、n(−CO−NH)基又はヒドロキシル基と反応する反応基を有しない少なくとも一種の溶媒の少なくとも一部を、共沸蒸留によって除去し、ここでは水と非混和性の溶媒を添加して、蒸留によって分離された水の少なくとも一部を含有する水相と分離する相を形成するようにし、ここで水相と分離された相は、さらなる蒸留に再利用されるか、又は反応器に戻される。
【0048】
固体沈降物又は懸濁化した固体が反応中に形成される場合、この固体物は、遠心分離又は濾過などの通常のプロセスのいずれかによって、分離することが好ましい。
【0049】
さらに、環状尿素Uと多官能性アルデヒドA2との間の反応が、好ましくは、環状尿素U、多官能性アルデヒドA2、及びこれらの反応生成物UAのいずれとも反応しない溶媒の存在下で実施し得ることが見出された。この知見はアミノプラスト形成剤Mと単官能性アルデヒドA1との反応生成物の形成に適用され、当然のことながら、これらの出発原料又は遊離体の他の組合せにも適用される。有用な溶媒は、芳香族化合物及びその混合物であり、例えば、異性体型キシレン、その混合物、並びにトルエン及びエチルベンゼンとの混合物、芳香族及び脂肪族エステル、パラフィン及びその混合物、脂肪族分岐炭化水素、並びに直鎖状、分岐状及び環状脂肪族エーテルである。これらの溶媒は、水溶液又は水和物の形態で添加され得る出発製品から共沸蒸留で水を除去するためにも使用することができる。
【0050】
このように得られた少なくとも部分的にエーテル化された生成物Hは、活性水素官能基(ヒドロキシル、アミン、メルカプタン、ホスフィン、又はカルボン酸若しくは他の有機的結合の酸に由来する酸基)を有する溶媒媒介性又は水媒介性バインダー樹脂の両方の架橋剤組成物と組み合わせることができる。
【0051】
コーティング組成物の製造は、コーティング組成物を形成するために、生成物Hを架橋性樹脂に混合する工程と、場合により触媒−好ましくは酸触媒である−を添加する工程とを含み、この架橋性樹脂は、ヒドロキシ官能基、酸官能基、アミド官能基、アミノ官能基、イミノ官能基、メルカプタン官能基、ホスフィン官能基及びカルバマート官能基からなる群から選択される活性水素原子を有する少なくとも一種の官能基を有するオリゴマー又はポリマー材料である。
【0052】
好ましい変形において、架橋性組成物は、官能基がヒドロキシル基であるオリゴマー又はポリマー材料を含み、ポリマー材料又はオリゴマー材料はアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂、ポリエーテルポリオールからなる群から選択され、ポリマー材料又はオリゴマー材料が5mg/g〜300mg/gのヒドロキシル価を有する点で特徴づけられる。
【0053】
さらに好ましい変形において、架橋性組成物は官能基がカルボキシル基又はスルホン酸基であるオリゴマー又はポリマー材料を含み、オリゴマー又はポリマー材料はオリゴマー又はポリマー材料が好ましくは5mg/g〜300mg/gの酸価を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシエステル樹脂、ビニル樹脂、ロジン、及びマレイン酸樹脂からなる群から選択される。
【0054】
適切な活性水素含有材料としては、例えば、多官能性ヒドロキシ基含有材料(例えば、ポリオール)、ペンダント若しくは末端ヒドロキシ官能基を有するヒドロキシ官能性アクリル樹脂、ペンダント若しくは末端ヒドロキシ官能基を有するヒドロキシ官能性ポリエステル樹脂、ヒドロキシ官能性ポリウレタンプレポリマー、エポキシ化合物とアミンとの反応に由来する生成物、及びこれらの混合物が挙げられる。アクリル樹脂及びポリエステル樹脂が好ましい。多官能性ヒドロキシ基含有材料の例としては、市販の材料、例えば、DURAMAC(登録商標)203−1385アルキド樹脂(Eastman Chemical Co.);Beckosol(登録商標)12035アルキド樹脂(Reichhold Chemical Co.)、JONCRYL(登録商標)500アクリル樹脂(S.C.Johnson & Sons,Racine,Wis.);AT−400アクリル樹脂(Rohm & Haas,Philadelphia,Pa.);CARGILL(登録商標)3000及び5776ポリエステル樹脂(Cargill,Minneapolis,Minn.);K−FLEX(登録商標)XM−2302及びXM−2306樹脂(King Industries,Norwalk,Conn.);CHEMPOL(登録商標)11−1369樹脂(Cook Composites and Polymers,Port Washington,Wis.);CRYLCOAT(登録商標)3494固体ヒドロキシ末端ポリエステル樹脂(Cytec Industries Inc.,Woodland Park,NJ);RUCOTE(登録商標)101ポリエステル樹脂(Ruco Polymer,Hicksville,N.Y.);JONCRYL(登録商標)SCX−800−A及びSCX−800−Bヒドロキシ官能性固体アクリル樹脂(S.C.Johnson & Sons,Racine,Wis.)が挙げられる。
【0055】
カルボキシ官能性樹脂の例としては、CRYLCOAT(登録商標)固体カルボキシ末端ポリエステル樹脂(Cytec Industries Inc.,Woodland Park,NJ)が挙げられる。アミノ基、アミド基、カルバメート基又はメルカプタン基(これらに変換可能な基を含む)を含有する適切な樹脂は、一般に当業者によく知られており、公知の方法、例えば、適切な官能性モノマーとこれに共重合可能なコモノマーとを共重合することによって製造され得る。
【0056】
さらに好ましい変形例において、架橋性組成物は官能基がアミノ基であるオリゴマー又はポリマー材料を含み、オリゴマー又はポリマー材料はアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシアミン付加物、及びビニル樹脂からなる群から選択され、オリゴマー又はポリマー材料は5mg/g〜300mg/gのアミン価を有する点で特徴づけられる。
【0057】
さらに好ましい変形において、架橋性組成物は、官能基がカルバマート官能基であるオリゴマー又はポリマー材料を含み、ポリマー材料はアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシアミン付加物、及びビニル樹脂からなる群から選択され、ポリマー材料はカルバマート基の特定の物質量が0.1mmol/g〜6mmol/gである点で特徴づけられる。
【0058】
さらに好ましい変形において、架橋性組成物は水性分散液として存在するオリゴマー又はポリマー材料を含む。
【0059】
さらに好ましい変形例において、架橋性組成物は非水性溶媒の溶液として存在するオリゴマー又はポリマー材料を含む。
【0060】
さらに好ましい変形例において、架橋性組成物は好ましくは35℃を超える融点を有する粒子状の固体として存在するオリゴマー又はポリマー材料を含む。
【0061】
コーティング組成物は、架橋剤として生成物Hを含む混合物を、活性水素原子、すなわち、少なくとも1つのヒドロキシル基、酸基(好ましくはカルボキシル基)、カルバマート基、アミド基、イミド基、アミノ基、イミノ基、メルカプタン基、又はホスフィン基の少なくとも1つを有するポリマーバインダー樹脂に混合することによって製造される。得られた混合物は、均一化して噴霧、ブラッシング、ワイヤーコーティング、カーテンコーティング、ブレードコーティング、ロールコーティング、浸漬、電気泳動蒸着、粉末噴霧又は静電噴霧により、基材に適用される。
【0062】
バインダー樹脂の固形分の質量の、生成物Hの質量に対する比率は、好ましくは99/1〜1/99、特に好ましくは95/5〜60/40、及び最も好ましくは90/10〜70/30である。
【0063】
十分に触媒されたとき、生成物Hを含む架橋剤組成物は既に周囲温度(20℃〜25℃)で活性であるため、感熱基材、例えば、紙、ボール紙、布地、皮、木材、組立木材、並びに複合材料と熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とを含むプラスチック、における硬化コーティングに特に有用である。これらは当然のことながら、硬化温度が高くてもよい基材、例えば、金属、半導体表面、セラミック、石、石膏、ガラス、及びコンクリート、に使用されるコーティング組成物の架橋剤としても作用する。前記架橋剤組成物を上記のバインダー樹脂と適量の触媒と一緒に組み合わせて塗布することを、硬化温度又は省エネルギーが問題となるときに検討してもよい。
【0064】
好適な触媒は、好ましくは酸触媒であり、特に有機スルホン酸、有機リン酸、有機スルホンイミド、及び、ルイス酸、又はルイス酸の塩若しくは錯体(例えばアミン塩若しくはエーテル錯体)からなる群から選択される。有用な触媒は、パラ−トルエンスルホン酸(pTSA)、ドデシルベンゼンスルホン酸(DDBSA)、ジノニルナフタレンスルホン酸(DNNSA)、及びジノニルナフタレンジスルホン酸(DNNDSA)であり、これらは揮発性アミンでブロックされていてもよい。特に好ましいものは、N−メチルスルホニル−p−トルエンスルホンアミド(MTSI)、パラ−トルエンスルホン酸(pTSA)、ドデシルベンゼンスルホン酸(DDBSA)、ジノニルナフタレンスルホン酸(DNNSA)、及びジノニルナフタレンジスルホン酸(DNNDSA)である。例えば加熱により酸が遊離されるブロック酸触媒も、当然のことながら使用することができ、例えば、酸エステル、又は酸とエポキシド官能性化合物との反応生成物が挙げられる。特に有用な触媒は、酸触媒、例えば、トルエンスルホン酸又はジノニルナフタレンジスルホン酸であり、これらは通常、アルコールに溶解されている。
【0065】
通常の添加剤、例えば、有機溶媒、結合剤(coalescing agent)、消泡剤、均染剤、充填剤、顔料、光安定剤、酸化防止剤、着色剤、流動制御剤、たわみ防止剤(sag control agent)、皮張り防止剤、沈降防止剤、接着促進剤、湿潤剤、保存剤、可塑剤、離型防止剤、及び腐食防止剤を、当然のことながら、本発明の架橋剤組成物を含むコーティング組成物に使用することができる。
【0066】
本発明の架橋剤組成物はそれ自体、紙、布地、木材、組立木材、皮又はセルロース材料からなる群から選択される感熱性基材に好ましくは適用することができ、この目的のために、触媒、充填剤、湿潤剤、溶媒、及び希釈剤の少なくとも1つと混合して基材に適用してもよい。
【0067】
本発明の硬化可能な組成物は、コーティングの一般的分野におけるコーティングとして、例えば、自動車用コーティング等の相手先ブランド名製品製造(original equipment manufacturing)(OEM)、産業メンテナンス用コーティング、建築用コーティング、農業用コーティング、及び建設設備用コーティング(construction equipment coating)(ACE)等の一般産業用コーティング、粉末コーティング、コイルコーティング、缶コーティング、木材コーティング、及び低温硬化自動車補修用コーティングとして、好ましく利用され得る。それらは、ワイヤー、器具、自動車部品、家具、パイプ、機械などのためのコーティングとして使用し得る。またこれらは、電気用途、例えば、金属化回路基板、半導体表面、ディスプレイ、及び電子回路部品用パッケージングのためのコーティングに使用することもできる。
【0068】
コーティング組成物は噴霧、浸漬、ブラッシング、ワイヤーコーティング、カーテンコーティング及びドクターブレードの使用などの既知の技術のうちのいずれによっても適用され得る。固体として処方される場合、粉体コーティング組成物の架橋剤としてそれらを使用することができ、静電噴霧又は紛体噴霧などの通常の方法によって適用し得る。
【実施例】
【0069】
以下の実施例は、本発明を例示するが、限定を意図するものではない。「%」で表される全ての濃度(強度)及び比率は、質量分率(特定の物質Bの質量m
Bを、濃度の場合は混合物の質量mで、また比率の場合は第2の物質Dの質量m
Dで割ったもの)である。酸価は、DIN EN ISO 3682(DIN 53 402)により、試験対象の試料を中和するために必要な水酸化カリウムの質量m
KOHと、当該試料の質量m
Bとの、又は溶液若しくは分散液の場合は試料における固体の質量との比として定義され、慣用単位は「mg/g」である。ヒドロキシル価は、DIN EN ISO4629(DIN 53 240)により、試料と同じ数のヒドロキシル基を有する水酸化カリウムの質量m
KOHと、試料の質量m
B(溶液若しくは分散液の場合は試料における固体の質量)との比として定義され、慣用単位は「mg/g」である。動的粘度は、ガードナー−ホルト(Gardner−Holt)スケールで測定され、SI単位(mPa・s)に変換した。GOはグリオキサールを表し、EUはエチレン尿素を表す。nは、物理的量「物質量」を表す記号であり、SI単位「mol」を有する。Mは、物理的量「モル質量」を表す記号であり、SI単位「kg/mol」を有する。
【0070】
13C−NMR分析は、Bruker−Oxford Avance II 400NMR分光計で、100mmプローブを用いて行った。試料は、反応生成物を、ほぼ同じ質量のジメチルスルホキシド−d
6で希釈することによって製造した。
【0071】
反応生成物のモル質量の測定は、HPSEC又はゲル浸透クロマトグラフィーにより、溶媒としてテトラヒドロフランを使用し、試料濃度1g/100ml、流速1.0ml/分、カラム温度40℃、及び屈折率による検出で、架橋ポリエチレンビーズを充填した一組のカラム(粒子径5im、ポアサイズ100nm(1x)、50nm(2x)、及び10nm(3x))を用い、測定範囲100g/mol〜50kg/molで、ポリスチレン標準による校正を行って、実施した。データ収集及び分析は、Polymer Standards Service WinGPC systemにより提供されたソフトウェアで行った。
【0072】
(例1)
本発明による樹脂を以下の手順で製造した:
297g(2.05mol)のグリオキサール水溶液(エタンジオール、溶質の質量分率40%)を、0.5Lの反応容器に、窒素パージ下で投入した。41g(0.68mol)の固体尿素を15分かけてゆっくりと添加し、得られた混合物を40℃〜45℃の温度に加熱して、撹拌下で2時間維持し、4,5−ジヒドロキシエチレン尿素(DHEU)及びそのグリオキサールとの反応生成物をin situ形成した。DHEUとグリオキサールのさらなる反応を行うために、固形分の質量分率10%を有する重炭酸ナトリウム水溶液の添加によってpHを4.5に調整し、撹拌下、前述の温度で1時間維持した。この期間の終わりに、66g(0.68mol)のエチレン尿素半水和物(2−イミダゾリジノン)を添加し、重炭酸ナトリウム水溶液の添加によりpHを6.5に調整し、得られた混合物を40℃〜50℃に加熱し、撹拌下2時間維持した。その後、474g(14.8mol)のメタノールを添加した。溶質の質量分率25%の硫酸水溶液を用いてpHを約2.6に調整し、次いで反応温度を上げ、(45±3)℃で2時間維持した。メチル化工程の終わりに、水酸化ナトリウム水溶液(固形分の質量分率25%)の添加により、反応混合物のpHをおよそ6.6に調整した。過剰メタノール及び水を、減圧下(25.333kPaからゆっくりと直線的に16kPaへ低下、190mmHgから120mmHgへの傾斜に相当)、約2時間かけてゆっくりと除去した。この蒸留の終わりに、495g(6.7mol)の1−ブタノールを添加し、そして硫酸水溶液(上述)の添加によりpHを約2.0に再調整した。反応温度を、再度(48±3)℃で2.5時間維持した。ブチル化の2.5時間後に、水酸化ナトリウム水溶液(上述)の添加により、反応混合物のpHをおよそ6.7に調整した。過剰ブタノール、メタノール及び水を、減圧下(25.333kPaからゆっくりと直線的に16kPaへ低下、190mmHgから120mmHgへの傾斜に相当)、2時間かけてゆっくりと除去した。この蒸留の終わりに、352g(4.76mol)の1−ブタノールを添加し、硫酸水溶液(上述)を用いてpHを約1.5に再調整した。反応温度を、再度(48±3)℃で2時間維持した。この第2のブチル化の終わりに、水酸化ナトリウム水溶液(上述)を用いて反応混合物のpHをおよそ6.5に調整した。次いで、反応温度を(55±5)℃に上げ、過剰のブタノール、メタノール及び水を減圧下(16kPaからゆっくりと直線的に6.7kPaへ低下、120mmHgから50mmHgへの傾斜に相当)に除去し、架橋剤樹脂(以下、「架橋剤1」と称する)を得た。この架橋剤1は固形分の質量分率67%と、動的粘度およそ1400mPa・sを有していた。
【0073】
得られた黄色架橋剤溶液のアルキル化度及びモル質量はC−13NMR(n(−O−アルキル)/n(>C=O)=1.18mol/mol、「>C=O」は尿素及びエチレン尿素の全カルボニル基を表す)及びHPSEC(Mw=1390g/mol、Mwは重量平均モル質量を表す)分析によって決定した。反応生成物中のn−ブトキシ基の物質量n(−OBu)の、メトキシ基の物質量n(−OMe)に対する比n(−OBu)/n(−OMe)は、6.24mol/1.0molであった。
【0074】
周囲条件(23℃)で表面コーティング塗布を硬化させてこの混合エーテルハイブリッド生成物を評価したとき、得られたコーティングフィルムは、良好な外観と十分な耐性特性と優れた配合安定性とを有していた。この試験のために、透明コーティング組成物を架橋剤1(17.9g)から製造し、比較のために20gのn−ブチル化尿素ホルムアルデヒド樹脂「架橋剤1C1」をn−ブタノールに溶解させた混合物(「架橋剤1C」)(固形分の質量分率60%、尿素の物質量の、組み合わせたホルムアルデヒド、n−ブトキシ基に対する比率1mol:2.3mol:1.0mol、重量平均モル質量3300g/mol)を、4.2gの完全にブチル化されたメラミンホルムアルデヒド樹脂「架橋剤1C2」(固形分の質量分率およそ99%、メラミンの物質量の、組み合わせたホルムアルデヒド、の1molのn−ブトキシ基に対する比率が5.9mol:4.6mol、及び重量平均モル質量2300g/mol)の混合物を有し、また、キシレンに溶解させたヤシ油をベースとする短油アルキド樹脂(「アルキド樹脂」、特に言及しない限り、他の例でもこの語を使用する)(固形分の質量分率60%、酸価12mg/g、及びヒドロキシル価155mg/g(Beckosol(登録商標)、12−035、Reichhold Chemicals)を、以下の配合に従って製造した。
【表1-1】
【0075】
触媒1はジノニルナフタレンスルホン酸のイソブタノール溶液(固形分の質量分率40%)であり、触媒2はパラ−トルエンスルホン酸のイソプロパノール溶液(固形分の質量分率40%)である。
【0076】
次の特性を、ワイヤー巻型コーティング棒「#65」によってコーティング組成物C1及びC1Cを塗布したガラスプレートで測定した。
【表1-2】
【0077】
(1A.2)(例2):4,5−アルコキシ2−イミダゾリジノン及び2−イミダゾリジノンエタンジオール樹脂のメチルエーテル(OMe=2.3)
コンセプト:4,5ジメトキシEUをGOと反応した後、EUと反応する段階的反応
本発明による樹脂を以下の手順で製造した:
100g(0.68mol)のグリオキサール水溶液(エタンジアール、溶質の質量分率40%)を、窒素パージ下で反応容器に投入し、固体の重炭酸ナトリウムを添加してpHを6.5に調整した。50g(0.34mol)のジメトキシエチレン尿素(4,5ジメトキシ2−イミダゾリジノン、固体)を添加し、得られた混合物を40℃〜50℃に加熱し、撹拌下3〜8時間維持した。この期間の終わりに29.3g(0.34mol)のエチレン尿素(2−イミダゾリジノン、固体)を添加し、pHを固体の炭酸水素ナトリウムで6.5〜7.0に調整した。得られた混合物を40℃〜50℃に加熱し、撹拌下4時間維持した。固形分の質量分率70%を有する非エーテル化生成物が得られた。この80gの非エーテル化生成物を別の反応器に移し、109g(3.4mol)のメタノールを添加した。硫酸水溶液(溶質の質量分率25%)を用いてpHを約2.5に調整し、次いで反応温度を(48±3)℃に上げて、3時間維持した。3時間のメチル化の終わりに、水酸化ナトリウム水溶液(固形分の質量分率25%)を用いて反応混合物のpHをおよそ6.5に調整した。過剰メタノール及び水を、全反応物の質量のおよそ36%〜40%が除去されるまで、減圧下(25.333kPaからゆっくりと直線的に16kPaへ低下、190mmHgから120mmHgへの傾斜に相当)、ゆっくりと除去した。得られた生成物を、109g(3.4mol)のメタノールとの反応によってさらにメチル化した。硫酸水溶液(溶質の質量分率25%)を用いてpHを約2.5に調整し、次いで反応温度を(48±3)℃で3時間維持した。3時間のメチル化後、水酸化ナトリウム水溶液(固形分の質量分率25%)を用いて反応混合物のpHをおよそ6.5に調整した。過剰メタノール及び水を、減圧下(25.333kPaからゆっくりと直線的に16kPaへ低下、190mmHgから120mmHgへの傾斜に相当)、固形分の質量分率82%の生成物(架橋剤2)が得られるまで、ゆっくりと除去した。
【0078】
得られた淡黄色架橋剤溶液(70g)のアルキル化度及びモル質量は、C−13 NMR(n(−O−アルキル)/n(全カルボニル)=2.3mol/mol、「全カルボニル」は2−イミダゾリジノン誘導体及びエチレン尿素由来のカルボニル基を表す)及びHPSEC(Mw=610g/mol、Mwは重量平均モル質量を表す)分析によって決定した。アルデヒド炭素原子のアルキル化度は、アルデヒド炭素原子に結合したアルコキシ基の物質量の、環状アルキレン尿素のカルボニル炭素原子の物質量に対する比率として表され、1.65mol/molと計算された。
【0079】
周囲条件及び加熱下で表面コーティング塗布を硬化させてこの架橋剤2(メチルエーテル生成物)を評価したとき、得られたフィルムは、良好な外観と、尿素−ホルムアルデヒド樹脂(「架橋剤2C」)(架橋剤として、尿素の物質量の、結合したホルムアルデヒドの物質量に対する比率1mol:2.7mol、及び尿素の物質量の、結合したメタノールの物質量に対する比率1mol:1.7molを有する)を用いる配合物に匹敵する耐性特性を有していた。架橋剤2が優れた配合安定性を有することも分かった。
【0080】
コーティング組成物を、本発明による架橋剤2を含む例1のアルキド樹脂で製造(コーティング組成物C2)し、比較コーティング組成物(コーティング組成物C2C)を架橋剤2Cで製造し、電気めっき鋼パネル(ED−5050)に塗布した。
【表2-1】
【表2-2】
【0081】
MEK耐性下、二重摩擦の数をコーティングフィルムが損傷を受けるまで記録する。示されているパーセンテージは200回の二重摩擦後の損傷面積を表す(試験は200回の二重摩擦後に終了)。
【0082】
(例3)
(1B.1)60/40の比率の尿素及び2−イミダゾリジノン−エタンジオール樹脂のエチルエーテル
本発明による樹脂は以下の手順で製造した:
73g(0.5mol)のグリオキサール水溶液(エタンジオール、溶質の質量分率40%)、230.5g(5.0mol)のエタノール及び3.1g(0.05mol)のホウ酸を0.5Lの反応器に投入した。次いで尿素(15g、0.25mol)を9分間かけて添加した。尿素添加後の反応溶液のpHは2.41であり、さらなる調整は必要なかった。反応混合物を55℃に加熱し、5時間、維持した。次いで、13.8g(0.16mol)のエチレン尿素半水和物(2−イミダゾリジノン、固形分の質量分率90%)を添加し、反応混合物をさらに4時間かけて50℃に加熱した。得られた生成物は38のAPHA色値を有していた。次いで反応混合物を減圧下で濃縮し、固形分の質量分率が70%の生成物を得た。得られた粘性極薄黄色油架橋剤溶液のアルキル化度及びモル質量はC−13 NMR(n(−O−アルキル)/n(全カルボニル)=1.31mol/mol(「全カルボニル」は2−イミダゾリジノン誘導体及びエチレン尿素由来のカルボニル基を表す)及びHPSEC(Mw=534g/mol、Mwは重量平均モル質量を表す)分析によって決定した。
【0083】
周囲条件及び加熱下で表面コーティング塗布を硬化させてこの架橋剤生成物を評価したとき、得られたコーティングフィルムは、良好な外観とアミノ−ホルムアルデヒド樹脂を架橋剤として使用した配合物に匹敵する十分な耐性とを有していた。
【0084】
(1B.2)(例4):67/33の比率の尿素及び2−イミダゾリジノン−エタンジオール樹脂のエチルエーテル
本発明による樹脂を以下の手順で製造した:
58.1g(0.4mol)のグリオキサール水溶液(固形分40%)、184g(4.0mol)のエタノール、2.5g(0.04mol)のホウ酸、及び15g(0.25mol)の尿素を0.5Lの反応器に投入した。反応溶液の初期pHは2.48であり、さらなる調整は必要なかった。反応混合物を55℃に加熱し、5時間維持した。次いで、反応混合物を減圧下に濃縮し、89.0gのわずかに粘性の油を得た。138g(3.0mol)のエタノール、次いで10.6g(0.123mol)のEUを添加し、反応混合物を55℃でさらに2時間加熱した。次いで反応混合物を減圧下で濃縮し、固形分の質量分率82%の生成物(架橋剤4)を得た。得られた粘性極薄黄色油架橋剤溶液のアルキル化度及びモル質量はC−13 NMR(n(−O−アルキル)/n(全カルボニル)=1.41mol/mol、「全カルボニル」は2−イミダゾリジノン誘導体及びエチレン尿素由来のカルボニル基を表す)及びHPSEC(Mw=371g/mol、Mwは重量平均モル質量を表す)分析によって決定した。
【表4-1】
【表4-2】
【0085】
(1B.3)(例5):酸性条件下での2−イミダゾリジノン及び尿素−エタンジオール樹脂のブチルメチルエーテル(ブチル、メチルEU−GO−尿素ハイブリッド)の製造
本発明による樹脂は以下の手順で製造した:
370g(2.55mol)のグリオキサール水溶液(エタンジアール、溶質の質量分率40%)を0.5Lの反応容器に窒素パージ下で投入した。51g(0.85mol)の尿素固体を15分かけてゆっくりと添加し、得られた混合物を40℃〜45℃の温度に加熱して、撹拌下で2.5時間維持し、4,5−ジヒドロキシエチレン尿素(DHEU)及びそのグリオキサールとの反応生成物をin situ形成した。モル質量はHPSEC(Mw=358g/mol、Mwは重量平均モル質量を表す)分析によって決定した。210gのこの生成物に、41g(0.89mol)のエチレン尿素半水和物(2−イミダゾリジノン固体)を添加した。pHは2.87と測定され、さらなる調整は必要なかった。得られた反応混合物を40℃〜50℃に加熱し、撹拌下、2時間維持した。モル質量はHPSEC(Mw=498g/mol、Mwは重量平均モル質量を表す)分析によって決定した。
【0086】
125gのこの生成物を、窒素パージ下、反応容器に移した。この時点で、204g(6.4mol)のメタノールを添加し、硫酸水溶液(溶質の質量分率25%)を用いてpHを約2.6に調整し、次いで反応温度を上げ、(45±3)℃で3時間維持した。メチル化の終わりに、水酸化ナトリウム水溶液(固形分の質量分率25%)を用いて反応混合物のpHをおよそ6.6に調整した。118g(1.59mol)の1−ブタノールを添加し、固形分の質量分率48%が得られるまで、過剰の水、メタノール及びブタノールを減圧下でゆっくりと除去した。
【0087】
得られた黄色架橋剤溶液のアルキル化度及びモル質量をC−13 NMR(n(−O−アルキル)/n(全カルボニルEU+尿素)=1.61mol/mol、「EU」はエチレン尿素を表す)及びHPSEC(Mw=1340g/mol、Mwは重量平均モル質量を表す)分析によって決定した。n−ブトキシ基の物質量の、反応生成物中のメトキシ基の物質量に対する比率は0.89mol/1.0molであった。
【0088】
周囲条件下で表面コーティング塗布を硬化させてこの混合エーテルハイブリッド生成物を評価したとき、得られたコーティングフィルムは、良好な外観とアミノ−ホルムアルデヒド樹脂を架橋剤として使用した配合物に匹敵する十分な耐性と優れた配合安定性とを有していた。
【0089】
(2.1)(例6):ブチル、メチルEU−GO−尿素鎖延長ハイブリッドを形成するための2−イミダゾリジノン及び尿素−エタンジオール樹脂のブチルメチルエーテルの製造
本発明による樹脂は以下の手順で製造した:
126g(0.87mol)のグリオキサール水溶液(エタンジアール、溶質の質量分率40%)を、窒素パージ下で0.5Lの反応容器に投入し、重炭酸ナトリウム水溶液(固形分の質量分率10%)を添加し、pHを6.2に調整した。69g(0.73mol)のエチレン尿素半水和物(2−イミダゾリジノン、固体)を添加し、得られた混合物を40℃〜45℃に加熱し、撹拌下2時間維持した。この期間の終わりに11g(0.18mol)の尿素(固体)を添加し、得られた混合物を40℃〜50℃に加熱し、撹拌下2時間維持した。この時点で160g(5.0mol)のメタノールを添加した。硫酸水溶液(溶質の質量分率25%)を用いてpHを約2.4に調整し、次いで反応温度を上げ、(48±3)℃で3時間維持した。2時間のメチル化の終わりに、水酸化ナトリウム水溶液(固形分の質量分率25%)を用いて反応混合物のpHをおよそ6.6に調整した。得られた架橋剤希釈溶液のモル質量を、HPSEC(Mw=2254g/mol、Mwは重量平均モル質量を表す)分析によって決定した。過剰メタノール及び水を、減圧下(25.333kPaからゆっくりと直線的に16kPaへ低下、190mmHgから120mmHgへの傾斜に相当)、約2時間かけてゆっくりと除去した。この蒸留の終わりに、126g(1.70mol)の1−ブタノールを添加し、硫酸水溶液(上述)を用いてpHを約2.5に再調整した。反応温度を、再度(48±3)℃で2.5時間維持した。2.5時間のブチル化の終わりに、水酸化ナトリウム水溶液(上述)を用いて反応混合物のpHをおよそ6.5〜7.0に調整した。過剰ブタノール、メタノール及び水を減圧下(25.333kPaからゆっくりと直線的に16kPaへ低下、190mmHgから120mmHgへの傾斜に相当)、約2時間かけてゆっくりと除去した。この蒸留の終わりに、152g(2.05mol)の1−ブタノールを添加し、硫酸水溶液(上述)を用いてpHを約1.8に再調整した。反応温度を、再度(48±3)℃で2.5時間維持した。この第2のブチル化の終わりに、水酸化ナトリウム水溶液(上述)を用いて反応混合物のpHをおよそ6.5に調整した。次いで、反応温度を(55±5)℃に上げ、動的粘度約1400mPa・s及び固形分の質量分率64%を有する架橋剤樹脂(「架橋剤6」)が得られるまで、過剰のブタノール、メタノール及び水を減圧下(16kPaからゆっくりと直線的に6.7kPaへ低下、120mmHgから50mmHgへの傾斜に相当)除去した。
【0090】
得られた黄色架橋剤溶液のアルキル化度及びモル質量はC−13 NMR(n(−O−アルキル)/n(全カルボニルEU+尿素)=1.35mol/mol、「EU」はエチレン尿素を表す)及びHPSEC(Mw=3148g/mol、Mwは重量平均モル質量を表す)分析によって決定した。n−ブトキシ基の物質量の、反応生成物中のメトキシ基の物質量に対する比率は4.57mol/1.0molであった。
【0091】
周囲条件下で表面コーティング塗布を硬化させてこの混合エーテルハイブリッド生成物を評価したとき、得られたコーティングフィルムは、良好な外観と十分な耐性特性とを有していた。
【表6-1】
【表6-2】
【0092】
(比較例7)(鎖延長のための尿素添加のない低いMwの例):
尿素添加のない樹脂を以下の手順で製造した:
126g(0.87mol)のグリオキサール水溶液(エタンジアール、溶質の質量分率40%)を窒素パージ下で0.5Lの反応容器に投入し、重炭酸ナトリウム水溶液(固形分の質量分率10%)を添加して、pHを6.2に調整した。69g(0.73mol)のエチレン尿素半水和物(2−イミダゾリジノン、固体)を添加し、得られた混合物を40℃〜45℃に加熱し、撹拌下2時間維持した。この時点で100g(3.2mol)のメタノールを添加した。硫酸水溶液(溶質の質量分率25%)を用いてpHを約2.4に調整し、次いで反応温度を上げ、(48±3)℃で3時間維持した。2時間のメチル化の終わりに、水酸化ナトリウム水溶液(固形分の質量分率25%)を用いて反応混合物のpHをおよそ6.6に調整した。得られた架橋剤希釈溶液のモル質量を、HPSEC(Mw=1207g/mol、Mwは重量平均モル質量を表す)分析によって決定した。
【表7】
【0093】
(2.2)(例8):EU−GO−アセトグアナミン鎖延長ハイブリッドを形成するための非エーテル化2−イミダゾリジノン及びアセトグアナミン−エタンジオール樹脂の製造
本発明による樹脂は以下の手順で製造した:
46g(0.33mol)のグリオキサール水溶液(エタンジアール、溶質の質量分率40%)を窒素パージ下で0.1Lの反応容器に投入し、重炭酸ナトリウム水溶液(固形分の質量分率10%)を添加してpHを6.2に調整した。26.6g(0.28mol)のエチレン尿素半水和物(2−イミダゾリジノン、固体)を添加し、得られた混合物を40℃〜45℃に加熱し、撹拌下2時間維持した。この期間の終わりに、1.75g(0.014mol)のアセトグアナミン(固体)を添加し、得られた混合物を40℃〜50℃に加熱し、撹拌下2時間維持した。この時点で31g(0.99mol)のメタノールを添加した。硫酸水溶液(溶質の質量分率25%を有する)を用いてpHを約2.7に調整し、次いで反応温度を上げ、(48±3)℃で2時間維持した。2時間のメチル化後、水酸化ナトリウム水溶液(固形分の質量分率25%)を用いて反応混合物のpHをおよそ6.6に調整した。得られた架橋剤希釈溶液のモル質量を、HPSEC(Mw=728g/mol、Mwは重量平均モル質量を表す)分析によって決定した。C−13 NMR分析及び90:10の塩化メチレン:メタノール溶離液を使用したシリカゲルプレートでの薄層クロマトグラフィーにより、アセトグアナミンの組込みが示された。
【0094】
(2.3)(例9):鎖延長ハイブリッドを形成するための非エーテル化2−イミダゾリジノン及びメラミン−エタンジオール樹脂の製造
本発明による樹脂は以下の手順で製造した:
46g(0.33mol)のグリオキサール水溶液(エタンジアール、溶質の質量分率40%)を、窒素パージ下で0.1Lの反応容器に投入し、重炭酸ナトリウム水溶液(固形分の質量分率10%)を添加して、pHを6.2に調整した。26.6g(0.28mol)のエチレン尿素半水和物(2−イミダゾリジノン、固体)を添加し、得られた混合物を40℃〜45℃に加熱し、撹拌下2時間維持した。この期間の終わりに、1.77g(0.014mol)のメラミン結晶(固体)を添加し、得られた混合物を40℃〜50℃に加熱し、撹拌下2.5時間維持した。この期間の終わりに、追加の1.77g(0.014mol)のメラミン結晶(固体)を添加し、得られた混合物を40℃〜50℃に加熱し、撹拌下2時間維持した。得られた非エーテル化架橋剤溶液のモル質量を、HPSEC(Mw=728g/mol、Mwは重量平均モル質量を表す)分析によって決定した。C−13 NMR分析により各添加後のメラミンの組込みが示された。
【0095】
(2.4)(例10):鎖延長ハイブリッドを形成するための非エーテル化2−イミダゾリジノン及びメラミン−エタンジオール樹脂の製造
本発明による樹脂は以下の手順で製造した:
254.6g(1.76mol)のグリオキサール水溶液(エタンジアール、溶質の質量分率40%)を、窒素パージ下で0.5Lの反応容器に投入し、重炭酸ナトリウム水溶液(固形分の質量分率10%)を添加してpHを6.2に調整した。151.8g(1.59mol)のエチレン尿素半水和物(2−イミダゾリジノン、固体)を添加し、得られた混合物を40℃〜45℃に加熱し、撹拌下3時間維持した。この期間の終わりに、31.0g(0.24mol)のメラミン結晶(固体)をゆっくりと添加した後で、重炭酸ナトリウム溶液(上述)を用いてpHを7.0に調整し、得られた混合物を40℃〜50℃に加熱して、撹拌下3時間維持した。反応が進行するにつれて、およそ2000mPa・sの動粘度と固形分の質量分率61.5%を有する透明で粘性の薄黄色架橋剤生成物が得られた。得られた非エーテル化架橋剤溶液のモル質量を、HPSEC(Mw=530g/mol、Mwは重量平均モル質量を表す)分析によって決定した。C−13 NMR及び赤外線分光分析により、架橋剤へのメラミンの組込みが示された。
【0096】
(2.5)(例11):鎖延長ハイブリッドを形成するための2−イミダゾリジノン及びN,N’,N”−トリメチルメラミン−エタンジオール樹脂のメチルエーテルの製造
本発明による樹脂を以下の手順で製造した:
46g(0.33mol)のグリオキサール水溶液(エタンジアール、溶質の質量分率40%)を、窒素パージ下で0.1Lの反応容器に投入し、重炭酸ナトリウム水溶液(固形分の質量分率10%)を添加してpHを6.2に調整した。26.6g(0.28mol)のエチレン尿素半水和物(2−イミダゾリジノン、固体)を添加し、得られた混合物を40℃〜45℃に加熱し、撹拌下2時間維持した。この期間の終わりに3.2g(0.019mol)のN,N’,N”−トリメチルメラミン(固体)を添加し、得られた混合物を40℃〜50℃の温度に加熱し、撹拌下2時間維持した。この時点で90g(2.8mol)のメタノールを添加した。硫酸水溶液(溶質の質量分率25%を有する)でpHを約2.7に調整し、次いで反応温度を上げ、(48±3)℃で2時間維持した。2時間のメチル化の終わりに、水酸化ナトリウム水溶液(固形分の質量分率25%)を用いて反応混合物のpHをおよそ6.6に調整した。得られた架橋剤希釈溶液のモル質量を、HPSEC(Mw=1590g/mol、Mwは重量平均モル質量を表す)分析によって決定した。C−13 NMR分析により、N,N’,N”−トリメチルメラミンの組込みが示された。
【0097】
(3.1)(例12):末端封止ハイブリッドを形成するための2−イミダゾリジノン及びブチルカルバマートエタンジオール樹脂のブチルメチルエーテルの製造
本発明による樹脂を以下の手順で製造した:
280g(1.93mol)のグリオキサール水溶液(エタンジアール、溶質の質量分率40%)を、窒素パージ下で反応容器に投入し、重炭酸ナトリウム水溶液(固形分の質量分率10%)を添加してpHを6.2に調整した。154g(1.62mol)のエチレン尿素半水和物(2−イミダゾリジノン、固体)を添加し、得られた混合物を40℃〜45℃に加熱し、撹拌下2時間維持した。この期間の終わりに415g(12.94mol)のメタノールを添加した。硫酸水溶液(溶質の質量分率25%)を用いてpHを約2.4に調整し、次いで反応温度を上げ、(48±3)℃で2時間維持した。2時間のメチル化後、水酸化ナトリウム水溶液(固形分の質量分率25%)を用いて反応混合物のpHをおよそ6.6に調整した。過剰メタノール及び水を、減圧下(25.333kPaからゆっくりと直線的に16kPaへ低下、190mmHgから120mmHgへの傾斜に相当)、約3.5時間かけてゆっくりと除去した。この蒸留の終わりに、275g(3.70mol)の1−ブタノールを添加し、硫酸水溶液を用いてpHを約2.26に再調整した。反応温度を、再度(48±3)℃で2.5時間維持した。ブチル化の2.5時間後に、水酸化ナトリウム水溶液(上述)を用いて反応混合物のpHをおよそ6.5に調整した。過剰ブタノール、メタノール及び水を、減圧下(25.333kPaからゆっくりと直線的に16kPaへ低下、190mmHgから120mmHgへの傾斜に相当)、約2時間かけてゆっくりと除去した。この蒸留の終わりに331g(4.46mol)の1−ブタノールを添加し、硫酸水溶液を用いてpHを約1.8に再調整した。反応温度を、四度(48±3)℃で2時間維持した。この2時間の第2のブチル化の終わりに、水酸化ナトリウム水溶液(上述)を用いて反応混合物のpHをおよそ6.5に調整した。次いで、反応温度を(55±5)℃に上げ、固形分の質量分率65.3%が得られるまで、過剰のブタノール、メタノール及び水を減圧下(16kPaからゆっくりと直線的に6.7kPaへ低下、120mmHgから50mmHgへの傾斜に相当)除去した。
【0098】
得られた黄色架橋剤溶液(479g)のアルキル化度及びモル質量はC−13 NMR(n(−O−アルキル)/n(EU)=1.74mol/mol、「EU」はエチレン尿素を表す)及びHPSEC(Mw=2898g/mol、Mwは重量平均モル質量を表す)分析によって決定した。n−ブトキシ基の物質量の、反応生成物中のメトキシ基の物質量に対する比率は2.48mol/1.0molであった。
【0099】
50gの上記生成物を、窒素パージ下、0.1Lの反応容器に投入した。1.02g(0.008mol)の1−ブチルカルバマートを添加し、得られた混合物を40℃〜45℃に加熱し、ブチルカルバマートが溶解するまで撹拌下2時間維持した。反応塊を冷却し、硫酸水溶液(溶質の質量分率25%)を用いてpHを約2.0〜2.5に調整し、次いで反応温度を上げ、(48±3)℃で3.5時間維持した。この期間の終わりに、水酸化ナトリウム水溶液(固形分の質量分率25%)を用いて反応混合物のpHをおよそ5.6に調整した。
【0100】
得られた架橋剤溶液のモル質量を、HPSEC(Mw=5300g/mol、Mwは重量平均モル質量を表す)分析によって決定した。C−13 NMR分析により、ブチルカルバマート種の架橋剤への組込みが示された。
【0101】
周囲条件及び加熱下で表面コーティング塗布を硬化させてこの混合エーテルハイブリッド生成物を評価したとき、得られたコーティングフィルムは、良好な外観とアミノ−ホルムアルデヒド樹脂を架橋剤として使用した配合物に匹敵する十分な耐性と優れた配合安定性とを有していた。
【0102】
(3.2)(例13):末端封鎖ハイブリッドを形成するための2−イミダゾリジノン及びブチルカルバマートエタンジオール樹脂のブチルメチルエーテルの製造
本発明による樹脂は以下の手順で製造した:
280g(1.93mol)のグリオキサール水溶液(エタンジアール、溶質の質量分率40%)を、窒素パージ下で反応容器に投入し、重炭酸ナトリウム水溶液(固形分の質量分率10%)を添加して、pHを6.2に調整した。154g(1.62mol)のエチレン尿素半水和物(2−イミダゾリジノン、固体)を添加し、得られた混合物を40℃〜45℃に加熱し、撹拌下2時間維持した。この期間の終わりに415g(12.94mol)のメタノールを添加した。硫酸水溶液(溶質の質量分率25%)を用いてpHを約2.4に調整し、次いで反応温度を、(48±3)℃で2時間維持した。2時間のメチル化後、水酸化ナトリウム水溶液(固形分の質量分率25%)を用いて反応混合物のpHをおよそ6.6に調整した。過剰メタノール及び水を減圧下(25.333kPaからゆっくりと直線的に16kPaへ低下、190mmHgから120mmHgへの傾斜に相当)、3.5時間かけてゆっくりと除去した。この蒸留の終わりに、275g(3.70mol)の1−ブタノールを添加し、硫酸水溶液(上述)を用いてpHを約2.26に再調整した。反応温度を、再度(48±3)℃で2.5時間維持した。2.5時間のブチル化後に、水酸化ナトリウム水溶液(上述)を用いて反応混合物のpHをおよそ6.5に調整した。過剰ブタノール及び水を、減圧下(25.333kPaからゆっくりと直線的に16kPaへ低下、190mmHgから120mmHgへの傾斜に相当)、3.5時間かけてゆっくりと除去した。この蒸留の終わりに、331g(4.46mol)の1−ブタノールを添加し、硫酸水溶液(上述)を用いてpHを約1.8に再調整した。9.5g(0.08mol)のブチルカルバマートを添加し、反応温度を、再度(48±3)℃で2時間維持した。この2時間のブチル化の終わりに、水酸化ナトリウム水溶液(上述)を用いて反応混合物のpHをおよそ6.5に調整した。次いで、反応温度を(55±5)℃に上げ、固形分の質量分率65.3%が得られるまで、過剰のブタノール、メタノール及び水を減圧下(16kPaからゆっくりと直線的に6.7kPaへ低下、120mmHgから50mmHgへの傾斜に相当)除去した。C−13 NMR分析により、ブチルカルバマート種の架橋剤への組込みが示された。周囲条件及び加熱下で表面コーティング塗布を硬化させてこの混合エーテルハイブリッド生成物を評価したとき、得られたコーティングフィルムは、良好な外観とアミノ−ホルムアルデヒド樹脂を架橋剤として使用した配合物に匹敵する十分な耐性と優れた配合安定性とを有していた。
【0103】
(3.3)(例14):末端封止ハイブリッド(ブチル、メチルEU−GO−HEEUハイブリッド)を形成するための2−イミダゾリジノン及びヒドロキシエチル2−イミダゾリジノン−エタンジオール樹脂のブチルメチルエーテルの製造。
本発明による樹脂は以下の手順で製造した:
280g(1.93mol)のグリオキサール水溶液(エタンジアール、溶質の質量分率40%)を窒素パージ下で反応容器に投入し、重炭酸ナトリウム水溶液(固形分の質量分率10%)を添加してpHを6.2に調整した。154g(1.62mol)のエチレン尿素半水和物(2−イミダゾリジノン、固体)を添加し、得られた混合物を40℃〜45℃に加熱し、撹拌下2時間維持した。この期間の終わりに、25g(0.19mol)のヒドロキシエチルエチレン尿素(ヒドロキシエチル2−イミダゾリジノン、固体)を添加し、得られた混合物を40℃〜50℃に加熱し、撹拌下、2時間維持した。この時点で415g(12.94mol)のメタノールを添加した。硫酸水溶液(溶質の質量分率25%を有する)を用いてpHを約2.4に調整し、次いで反応温度を上げ、(48±3)℃で2時間維持した。2時間のメチル化の終わりに、水酸化ナトリウム水溶液(固形分の質量分率25%)を用いて反応混合物のpHをおよそ6.6に調整した。過剰メタノール及び水を、減圧下(25.333kPaからゆっくりと直線的に16kPaへ低下、190mmHgから120mmHgへの傾斜に相当)、約3.5時間かけてゆっくりと除去した。この蒸留の終わりに、275g(3.70mol)の1−ブタノールを添加し、硫酸水溶液(上述)を用いてpHを約2.26に再調整した。反応温度を、再度(48±3)℃で2.5時間維持した。2.5時間のブチル化の終わりに、水酸化ナトリウム水溶液(上述)を用いて反応混合物のpHをおよそ6.5に調整した。過剰ブタノール及び水を、減圧下(25.333kPaからゆっくりと直線的に16kPaへ低下、190mmHgから120mmHgへの傾斜に相当)、約2時間かけてゆっくりと除去した。この蒸留の終わりに、331g(4.46mol)の1−ブタノールを添加し、硫酸水溶液(上述)を用いてpHを約1.8に再調整した。反応温度を、再度(48±3)℃で2時間維持した。この2時間の第2のブチル化の終わりに、水酸化ナトリウム水溶液(上述)を用いて反応混合物のpHをおよそ6.5に調整した。次いで、反応温度を(55±5)℃に上げ、過剰のブタノール、メタノール及び水を減圧下(16kPaからゆっくりと直線的に6.7kPaへ低下、120mmHgから50mmHgへの傾斜に相当)に維持し、固形分の質量分率68.7%を得た。
【0104】
得られた黄色架橋剤溶液(479g)のアルキル化度及びモル質量はC−13 NMR(n(−O−アルキル)/n(全カルボニルEU+HEEU)=1.56mol/mol、「EU」はエチレン尿素を表す)及びHPSEC(Mw=2570g/mol、Mwは重量平均モル質量を表す)分析によって決定した。n−ブトキシ基の物質量の、反応生成物中のメトキシ基の物質量に対する比率は4.57mol/1.0molであった。
【0105】
周囲条件及び加熱下で表面コーティング塗布を硬化させてこの混合エーテルハイブリッド生成物を評価したとき、得られたコーティングフィルムは、良好な外観とアミノ−ホルムアルデヒド樹脂を架橋剤として使用した配合物に匹敵する十分な耐性と優れた配合安定性とを有していた。
【0106】
(3.4)(例15):末端封止ハイブリッドを形成するための2−イミダゾリジノン及びブチルカルバマートエタンジオール樹脂のブチルメチルエーテルの製造
本発明による樹脂を以下の手順で製造した:
280g(1.93mol)のグリオキサール水溶液(エタンジアール、溶質の質量分率40%)を、窒素パージ下で反応容器に投入し、重炭酸ナトリウム水溶液(固形分の質量分率10%)を添加してpHを6.2に調整した。154g(1.62mol)のエチレン尿素半水和物(2−イミダゾリジノン、固体)を添加し、得られた混合物を40℃〜45℃に加熱し、撹拌下、2時間維持した。この期間の終わりに415g(12.94mol)のメタノールを添加した。硫酸水溶液(溶質の質量分率25%)を用いてpHを約2.4に調整し、次いで反応温度を(48±3)℃で2時間維持した。2時間のメチル化後、水酸化ナトリウム水溶液(固形分の質量分率25%)を用いて反応混合物のpHをおよそ6.6に調整した。過剰メタノール及び水を、減圧下(25.333kPaからゆっくりと直線的に16kPaへ低下、190mmHgから120mmHgへの傾斜に相当)、約3.5時間かけてゆっくりと除去した。この蒸留の終わりに、275g(3.70mol)の1−ブタノールを添加し、硫酸水溶液(上述)を用いてpHを約2.26に再調整した。反応温度を、再度(48±3)℃で2.5時間維持した。2.5時間のブチル化の終わりに、水酸化ナトリウム水溶液(上述)を用いて反応混合物のpHをおよそ6.5に調整した。過剰ブタノール及び水を、減圧下(25.333kPaからゆっくりと直線的に16kPaへ低下、190mmHgから120mmHgへの傾斜に匹敵)、約2時間かけてゆっくりと除去した。この蒸留の終わりに、331g(4.46mol)の1−ブタノールを添加し、硫酸水溶液を用いてpHを約1.8に再調整した。反応温度を、再度(48±3)℃で2時間維持した。この2時間の第2のブチル化の終わりに、水酸化ナトリウム水溶液(上述)を用いて反応混合物のpHをおよそ6.5に調整した。
【0107】
242gの上記の反応生成物に、3.8g(0.05mol)のメラミンを添加し、反応混合物を50℃で2時間維持した。次いで反応温度を(55±5)℃に上げ、過剰のブタノール、メタノール及び水を減圧下に維持し、固形分の質量分率68%を得た。
【0108】
得られた架橋剤溶液のモル質量を、HPSEC(Mw=2190g/mol、Mwは重量平均モル質量を表す)分析によって決定した。C−13 NMR分析により、メラミン種の架橋剤への組込みが示された。
【0109】
周囲条件及び加熱下で表面コーティング塗布を硬化させてこの混合エーテルハイブリッド生成物を評価したとき、得られたコーティングフィルムは、良好な外観とアミノ−ホルムアルデヒド樹脂を架橋剤として使用した配合物に匹敵する十分な耐性と優れた配合安定性とを有していた。
【0110】
[4]MF樹脂との共反応に基づくハイブリッド
(4.1)(例16):2−イミダゾリジノン−エタンジアール−メラミンホルムアルデヒド共反応樹脂のブチルメチルエーテルの製造
本発明による樹脂は以下の手順で製造した:
46g(0.33mol)のグリオキサール水溶液(エタンジアール、溶質の質量分率40%)を、窒素パージ下で0.1Lの反応容器に投入し、重炭酸ナトリウム水溶液(固形分の質量分率10%)を添加してpHを6.2に調整した。26.6g(0.28mol)のエチレン尿素半水和物(2−イミダゾリジノン、固体)を添加し、得られた混合物を40℃〜45℃に加熱し、撹拌下2時間維持した。この期間の終わりに、8.0gのメチル化高イミノメラミン−ホルムアルデヒド樹脂(「MHIMF」)(メラミンの物質量n(M)の、結合したホルムアルデヒドに対する物質量n(F)とメトキシ基に対する物質量n(MeO)の比率1mol:3.2mol:1.6mol、モノマーの質量分率62%)を添加し、得られた混合物を40℃〜50℃に加熱し、撹拌下2時間維持した。この時点で99g(3.1mol)のメタノールを添加した。硫酸水溶液(溶質の質量分率25%)を用いてpHを約2.3に調整し、次いで反応温度(48±3)℃で2時間維持した。2時間のメチル化の終わりに、180gの生成物を反応容器に移し、226g(3.05mol)の1−ブタノールを添加し、硫酸水溶液(溶質の質量分率25%)を用いて反応混合物のpHを約2.6に調整し、次いで反応温度を上げ、(48±3)℃で3.5時間維持した。この期間の終わりに、水酸化ナトリウム水溶液(固形分の質量分率25%)を用いて反応混合物のpHをおよそ6.6に調整した。希釈生成物を濾過し、固形分の質量分率72%が得られるまで、過剰の水、メタノール及びブタノールを減圧下でゆっくりと除去した。
【0111】
得られた黄色架橋剤溶液(86g)のアルキル化度及びモル質量はC−13 NMR(n(−O−アルキル)/n(全カルボニルEU)=1.88mol/mol、「EU」はエチレン尿素を表す)及びHPSEC(Mw=994g/mol、Mwは重量平均モル質量を表す)分析によって決定した。n−ブトキシ基の物質量の、反応生成物中のメトキシ基の物質量に対する比率は0.69mol/1.0molであった。C−13 NMR分析により、MHIMF樹脂の組込みがさらに示された。
【0112】
周囲条件及び加熱下で表面コーティング塗布を硬化させてこの混合エーテルハイブリッド生成物を評価したとき、得られたコーティングフィルムは、良好な外観とアミノ−ホルムアルデヒド樹脂を架橋剤として使用した配合物に匹敵する十分な耐性と優れた配合安定性とを有していた。この例ではより焼成された硬化に関する改善された色が示され、即ち、より高温で長期間硬化されることが示された。
【0113】
次の表において、このハイブリッド樹脂の特性を、以下の手順によって製造されたエチレン尿素グリオキサール樹脂(「EU−GO樹脂」)と比較した:
363g(2.6mol)のグリオキサール水溶液(エタンジアール、溶質の質量分率40%)を窒素パージ下で反応容器に投入し、固形分の質量分率10%の重炭酸ナトリウム水溶液の添加によってpHを6.2に調整した。207g(2.18mol)のエチレン尿素(2−イミダゾリジノン半水和物、固体)を添加し、得られた混合物を40℃〜45℃に加熱し、撹拌下3時間維持した。3時間の終わりに464g(14.5mol)のメタノールを添加した。硫酸水溶液(溶質の質量分率25%)を用いてpHを約2.5に調整し、次いで反応温度を上げ、(48±3)℃で3時間維持した。3時間のメチル化後に、998g(13.5mol)の1−ブタノールを添加し、硫酸水溶液を用いてpHを約2.5に再調整した。反応温度を、再度(48±3)℃で1時間維持し、次いで全反応物の質量の質量分率およそ36%〜40%が除去されるまで、過剰のメタノール及びブタノールを減圧下(25.333kPaからゆっくりと直線的に16kPaへ低下、190mmHgから120mmHgへの傾斜に相当)ゆっくりと除去した。次いで得られた反応混合物を約35℃に冷却し、水酸化ナトリウム水溶液(固形分の質量分率25%)を用いて反応混合物のpHをおよそ6.5に調整した。次いで、反応温度を(55±5)℃に上げ、過剰のメタノール及びブタノールを減圧下(16kPaからゆっくりと直線的に6.7kPaへ低下、120mmHgから50mmHgへの傾斜に匹敵)に除去し、動的粘度約300mPa・s及び固形分の質量分率63%を得た。得られた生成物溶液を濾過した。
【0114】
得られた淡黄色架橋剤溶液(814g)のエーテル化度は
13C−NMR分析により(n(−O−アルキル)/n(EU)=1.92mol/mol、「EU」はエチレン尿素を表す)で決定し、モル質量はHPSECにより、Mw=1553g/mol、Mwは重量平均モル質量を表す)によって決定した。高性能サイズ排除分析(ゲル透過クロマトグラフィーとも称される)において一般的に提供される屈折数差対溶出体積のグラフにおける、低モル質量範囲(1kg/molのモル質量未満)の分画領域は、34.1%であった。ハーゼン色数(DIN−ISO 6271に従って決定)は383であった。n−ブトキシ基の物質量n(O−Bu)の、反応生成物中のメトキシ基の物質量n(O−Me)に対する比率は2.7mol/molであった。
【表16】
【表16-2】
【0115】
白色ベースコートパネルを以下のように製造した:
白色ベースコートコーティング組成物は、810gの溶媒媒介性ヒドロキシ官能性アクリル樹脂(キシレンとn−ブタノールとの混合物で固体の質量分率65%で供給されたもの、Tgはおよそ18℃、重量平均モル質量37,000g/mol、ヒドロキシル価80mg/g、酸価12.5mg/g)と190gのメチル化高イミノメラミンホルムアルデヒド樹脂(MHIMF樹脂、上記参照)との混合物で、TiO
2を前記アクリル樹脂に練り込んだもの(顔料の樹脂に対する負荷(質量比)1.16)とした。白色ベースコートは全固形分が65.9%、全樹脂固形分(TRS)が30.5%となるように配合した。TiO
2を、アクリル樹脂に、TRSに対して質量分率10%のn−ブタノール、TRSに対して質量分率2%のメトキシプロパノール、及びTRSに対して質量分率47%の酢酸ブチルの存在下で、TRSに分散された質量分率2.0%の非イオン性ポリマー顔料を助剤として練り込んだ。その配合物を、#35ワイヤー巻型コーティング棒を使用して、B−1000 CRS(冷圧延鋼材)上に塗布した。塗布した配合物を、周囲条件下に10分間曝し、140℃で10分間硬化した。パネルのフィルム厚は0.7ミル(0.7×25.4μm=17.9μm)であった。
【0116】
(4.2)(例17):MHIMF及びGO−EUハイブリッドの製造
本発明による樹脂を以下の手順で製造した:
上述の100gのMHIMF樹脂を、窒素パージ下、0.25Lの反応容器に投入し、58g(0.4mol)のグリオキサール水溶液(エタンジオール、溶質の質量分率40%)を添加した。pHは6.85と測定され、さらなる調整は必要なかった。得られた反応混合物を40℃〜45℃に加熱し、撹拌下2時間維持した。この反応生成物のC−13 NMR分析より、グリオキサールに由来する部分がメラミン環に結合していることが分かった。
【0117】
70g(計算された溶質の質量分率約65%)の上記反応生成物を、窒素パージ下、反応容器に投入した。9.5g(0.1mol)のエチレン尿素半水和物(2−イミダゾリジノン、固体)及び10gの脱イオン水を添加した。pHは6.43と測定され、さらなる調整は必要なかった。得られた反応混合物を40℃〜45℃に加熱し、撹拌下2時間維持した。この時点で77g(2.4mol)のメタノールを添加した。硫酸水溶液(溶質の質量分率25%)を用いてpHを約2.8に調整し、次いで反応温度を上げ、(48±3)℃で2時間維持した。この2時間の終わりに、55g(0.74mol)の1−ブタノールを添加し、反応混合物のpHを硫酸水溶液(固形分の質量分率25%)で約2.8に調整し、次いで反応温度を上げ、(48±3)℃で2時間維持した。この期間の終わりに、水酸化ナトリウム水溶液(固形分の質量分率25%)を用いて反応混合物のpHをおよそ6.6に調整した。希釈生成物を濾過し、固形分の質量分率72%の48gの黄色架橋剤樹脂溶液が得られるまで、過剰の水、メタノール及びブタノールを減圧下でゆっくりと除去した。混合メチルブチルエーテルハイブリッドの形成はC−13 NMR分析により確認した。
【0118】
周囲条件及び加熱下で表面コーティング塗布を硬化させてこの混合エーテルハイブリッド生成物を評価したとき、得られたコーティングフィルムは、良好な外観とアミノ−ホルムアルデヒド樹脂を架橋剤として使用した配合物に匹敵する十分な耐性と優れた配合安定性とを有していた。
【0119】
[5]ビスブトキシカルボニルアミノトリアジン誘導体との共反応に基づくハイブリッド
(5.1)(例18):非エーテル化2−イミダゾリジノン−エタンジオール樹脂含有水の製造
46g(0.33mol)のグリオキサール水溶液(エタンジアール、溶質の質量分率40%)を窒素パージ下で0.1Lの反応容器に投入し、重炭酸ナトリウム水溶液(固形分の質量分率10%)を添加してpHを6.2に調整した。26.6g(0.28mol)のエチレン尿素半水和物(2−イミダゾリジノン、固体)を添加し、得られた混合物を40℃〜45℃に加熱し、撹拌下2時間維持した。C−13 NMR分析により、水中での非エーテル化2−イミダゾリジノン−エタンジオール樹脂の形成が確認された。この生成物を15℃〜20℃の温度で使用時まで保存した。
【0120】
(5.2)(例19):EU−GOとBBCTとの反応
本発明による樹脂を以下に従って製造した:
例18からの10gの生成物を、窒素パージ下、反応容器に投入した。重炭酸ナトリウム水溶液(固形分の質量分率10%)によってpHを6.4に調整した。10g(0.31mol)のメタノール及び1.25g(0.004mol)のビスブトキシカルボニルアミノ−モノアミノ−トリアジン誘導体を、反応容器に投入した。内容物を混合し、周囲温度(23℃)から50℃で2〜6時間維持する。C−13 NMRの記録と、薄層クロマトグラフィーにより、トリアジンの組込み又はトリアジンによる鎖修飾が確認される。
【0121】
周囲条件及び加熱下で表面コーティング塗布を硬化させてこの架橋剤生成物を評価したとき、得られたコーティングフィルムは、良好な外観とアミノ−ホルムアルデヒド樹脂を架橋剤として使用した配合物に匹敵する十分な耐性と、優れた配合安定性を有していた。
【0122】
(例20):グリオキサールとビス(ブトキシカルボニルアミノ)−モノアミノ−トリアジン(BBCT)との反応
架橋性樹脂を以下のように製造した:
145.09gのグリオキサール水溶液(溶質の質量分率40%)を窒素パージ下で反応容器に投入し、重炭酸ナトリウム水溶液(固形分の質量分率10%)を添加して、pHを6.2に調整した。65g(2mol)のビス−(ブトキシ−カルボニルアミノ)モノアミノ−トリアジンを添加し、得られた混合物を40℃〜45℃に加熱し、撹拌下2時間維持した。この期間の終わりに444gのブタノールを添加した。硫酸水溶液(溶質の質量分率25%)を用いてpHを約2.4に調整し、次いで反応温度を上げ、(48±3)℃で2時間維持した。2時間のメチル化の終わりに、水酸化ナトリウム水溶液(固形分の質量分率25%)を用いて反応混合物のpHをおよそ6.6に調整した。過剰ブタノール及び水を、減圧下(25.333kPaからゆっくりと直線的に16kPaへ低下、190mmHgから120mmHgへの傾斜に相当)、約3.5時間かけてゆっくりと除去した。
【0123】
周囲条件及び加熱下で表面コーティング塗布を硬化させてこの架橋剤生成物を評価したとき、得られたコーティングフィルムは、良好な外観とアミノ−ホルムアルデヒド樹脂を架橋剤として使用する配合物に匹敵する十分な耐性と優れた配合安定性とを有していた。
【0124】
[6]核となる様々な分子と添加物又はMF若しくはUF樹脂との「物理的混合物」に基づくハイブリッド
(6.1)(例21):2−イミダゾリジノンのブチルメチルエーテルの製造
本発明による樹脂は以下の手順で製造した:
280g(1.93mol)のグリオキサール水溶液(エタンジアール、溶質の質量分率40%)を、窒素パージ下で反応容器に投入し、重炭酸ナトリウム水溶液(固形分の質量分率10%)を添加してpHを6.2に調整した。154g(1.62mol)のエチレン尿素半水和物(2−イミダゾリジノン、固体)を添加し、得られた混合物を40℃〜45℃に加熱し、撹拌下2時間維持した。この期間の終わりに415g(12.94mol)のメタノールを添加した。硫酸水溶液(溶質の質量分率25%)を用いてpHを約2.4に調整し、次いで反応温度を上げ、(48±3)℃で2時間維持した。2時間のメチル化の終わりに、水酸化ナトリウム水溶液(固形分の質量分率25%)を用いて反応混合物のpHをおよそ6.6に調整した。過剰メタノール及び水を減圧下(25.333kPaからゆっくりと直線的に16kPaへ低下、190mmHgから120mmHgへの傾斜に相当)、約3.5時間かけてゆっくりと除去した。この蒸留の終わりに275g(3.70mol)の1−ブタノールを添加し、硫酸水溶液(上述)を用いてpHを約2.26に再調整した。反応温度を、再度(48±3)℃で2.5時間維持した。2.5時間のブチル化の終わりに、水酸化ナトリウム水溶液(上述)を用いて反応混合物のpHをおよそ6.5に調整した。過剰のブタノール、メタノール及び水を減圧下(25.333kPaからゆっくりと直線的に16kPaへ低下、190mmHgから120mmHgへの傾斜に匹敵)、約2時間かけてゆっくりと除去した。この蒸留の終わりに、331g(4.46mol)の1−ブタノールを添加し、硫酸水溶液(上述)を用いてpHを約1.8に再調整した。反応温度を、再度(48±3)℃で2時間維持した。この2時間の第2のブチル化の終わりに、水酸化ナトリウム水溶液(上述)を用いて反応混合物のpHをおよそ6.5に調整した。次いで、反応温度を(55±5)℃に上げ、固形分の質量分率が65.3%になるまで過剰のブタノール、メタノール及び水を減圧下(16kPaからゆっくりと直線的に6.7kPaへ低下、120mmHgから50mmHgへの傾斜に相当)除去した。
【0125】
得られた黄色架橋剤溶液(479g)のアルキル化度及びモル質量はC−13 NMR(n(−O−アルキル)/n(EU)=1.74mol/mol、「EU」はエチレン尿素を表す)及びHPSEC(Mw=2898g/mol、Mwは重量平均モル質量を表す)分析によって決定した。n−ブトキシ基の物質量の、反応生成物中のメトキシ基の物質量に対する比率は2.48mol/1.0molであった。
【0126】
(例22):尿素の添加
例21からの40gの生成物を窒素パージ下、反応容器に投入した。0.26g(0.04mol)の尿素固体を0.5gの脱イオン水と共に投入した。得られた反応混合物を40℃〜45℃に加熱し、撹拌下2時間維持して、全ての尿素を溶解させた。C−13 NMR分析により、尿素が架橋剤に組み込まれたことが確認された。得られる黄色架橋剤溶液(40g)のアルキル化度はn(−O−アルキル)/n(EU)=1.67mol/mol、「EU」はエチレン尿素を表す)としてC−13 NMR分析により決定した。n−ブトキシ基の物質量の、反応生成物中のメトキシ基の物質量に対する比率は4.06mol/1.0molであった。
【0127】
(6.4)(例23):ブチルカルバマートの添加
例21からの40gの生成物を窒素パージ下、反応容器に投入した。2.6g(0.02mol)のブチルカルバマート固体を0.5gの脱イオン水と共に投入した。得られた反応混合物を25℃〜40℃に加熱し、撹拌下2時間維持して、全てのブチルカルバマートを溶解させた。C−13 NMR分析により、ブチルカルバマートが架橋剤に組み込まれたことが確認された。得られた黄色架橋剤溶液(40g)のアルキル化度及びモル質量は、C−13 NMR(n(−O−アルキル)/n(EU)=1.04mol/mol、「EU」はエチレン尿素を表す)及びHPSEC(Mw=3300g/mol、Mwは重量平均モル質量を表す)分析によって決定した。以下のデータにより、硬化挙動が示された:
【表23】
【0128】
(6.5)(例24):トリメチルメラミンの添加
例21からの40gの生成物を、窒素パージ下、反応容器に投入した。0.27g(0.002mol)のトリメチルメラミン固体を0.5gの脱イオン水と共に投入した。得られた反応混合物を25℃〜40℃に加熱し、全てのトリメチルメラミンが溶解するまで、撹拌下2時間維持した。C−13 NMR分析により、トリメチルメラミンが架橋剤に組み込まれたことが確認された。
【表24-1】
【表24-2】
本願発明を以下に記す。
[請求項1]
架橋剤として使用することができる生成物Hであって、それは、環状アルキレン尿素Uと多官能性アルデヒドA2との反応生成物Pと、U及びA2に加えて環状アルキレン尿素Uとは異なるアミノプラスト形成剤M及び単官能性アルデヒドA1の少なくとも1つを構成成分として有するさらなる反応生成物との混合物を含み、
生成物Hを構成する混合物は、環状アルキレン尿素Uと多官能性アルデヒドA2との反応で生じる反応生成物Pと、以下の反応生成物の少なくとも1つを含み:
a)環状アルキレン尿素Uと、環状アルキレン尿素Uとは異なるアミノプラスト形成剤Mと、多官能性アルデヒドA2との反応によって生じる反応生成物UMA2、
b)環状アルキレン尿素Uと、環状アルキレン尿素Uとは異なるアミノプラスト形成剤Mと、単官能性アルデヒドA1と、多官能性アルデヒドA2との反応によって生じる反応生成物UMA1A2、
c)環状アルキレン尿素Uとは異なるアミノプラスト形成剤Mと、単官能性アルデヒドA1と、多官能性アルデヒドA2との反応によって生じる反応生成物MA1A2、
d)環状アルキレン尿素Uと、単官能性アルデヒドA1と、多官能性アルデヒドA2との反応によって生じる反応生成物UA1A2、
e)環状アルキレン尿素Uとは異なるアミノプラスト形成剤Mと、多官能性アルデヒドA2との反応によって生じるMA2、
f)環状アルキレン尿素Uと、単官能性アルデヒドA1との反応によって生じる反応生成物UA1、
g)環状アルキレン尿素Uと、環状アルキレン尿素Uとは異なるアミノプラスト形成剤Mと、単官能性アルデヒドA1との反応によって生じるUMA1、
h)環状アルキレン尿素Uとは異なるアミノプラスト形成剤Mと、単官能性アルデヒドA1との反応によって生じる反応生成物MA1、
反応生成物h)が、UA2である反応生成物Pと共に混合物中に存在する場合、他の反応生成物a)、b)、c)、d)、e)、f)又はg)の少なくとも1つも混合物中に存在し、
場合により、生成物H、若しくはUとA2との反応生成物P、又はその両方は、N−H基とアルデヒド基との付加反応によって形成されるヒドロキシル基の少なくとも一部と、1又は複数の脂肪族アルコールR’−OHとの反応によってエーテル化されており、前記アルコールR’−OHは好ましくは1〜10個の炭素原子を有し、直鎖状、分岐状又は環状であってよく、
グリオキサールが多官能性アルデヒドA2の少なくとも1つに存在する、
上記生成物H。
[請求項2]
少なくとも1つのアミノプラスト形成剤Mが、アミン、酸アミド、ウレタンR−O−CO−NH2及びチオウレタンR−O−CS−NH2、R−S−CO−NH2又はR−S−CS−NH2(式中Rはそれぞれ20個までの炭素原子を有する直鎖状若しくは分岐状脂肪族、環状脂肪族、芳香族又は複素環基であってよい)、メラミン及びその同族体からなる群から選択される環状アミジン、グアナミン、並びに環状アルキレン尿素Uではない環状尿素から選択される、請求項1に記載の生成物H。
[請求項3]
酸アミドが、以下からなる群から選択される、請求項2に記載の生成物H:
− 単官能性又は多官能性カルボン酸の直鎖状、分岐状若しくは環状アミド(そこには芳香族カルボン酸のアミドも挙げられる)、
− 4〜15個の炭素原子を有するラクタムであって、好ましくはγ−ブチロラクタム、δ−バレロラクタム、ε−カプロラクタム、及びω−ラウリンラクタムからなる群から選択される、ラクタム、
− スルホンアミド、スルフリルアミド、
− シアナミド及びその誘導体並びにジシアンジアミド及びその誘導体、
− 尿素、チオ尿素、グアニジン、ビウレット、2−イミノ−4−チオビウレット並びにこれらの同族体及び誘導体。
[請求項4]
アミジンが、メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ホルモグアナミン、N−アルキルメラミン、N,N’−ジアルキルメラミン、N,N’,N”−トリアルキルメラミン、トリアルコキシメラミン、及びメラミンの少なくとも1つのアミン水素原子がアルコキシカルバモイル基で置き換えられているアルコキシカルバモイルトリアジンからなる群から選択され、前記アルキル基及びアルコキシ基のそれぞれは同じ分子の他の基とは独立してアルコキシ基に1〜10個の炭素原子を有してもよい、請求項2に記載の生成物H。
[請求項5]
多官能性アルデヒドA2が式OHC−R”−CHOを有するものであり、式中R”は直接結合又は二価基であってよく、二価基は好ましくは直鎖状、分岐状又は環状の脂肪族二価基であってよくそして1〜40個の炭素原子を有してよく、又は直鎖状、分岐状若しくは環状であってよく1〜39個の炭素原子を有してよい少なくとも1個のさらなるアルデヒド基−CHOを有する脂肪族二価基であってよく、多官能性アルデヒドA2は好ましくはグリオキサール、マロンアルデヒド、スクシンアルデヒド、グルタルアルデヒド、アジポアルデヒド、2−メトキシメチル−2,4−ジメチルペンタン−1,5−ジアール、シクロヘキサン−1,3−ジアール、シクロヘキサン−1,4−ジアール及び脂肪酸2量体由来のジアルデヒドからなる群から選択される、請求項1に記載の生成物H。
[請求項6]
単官能性アルデヒドA1が、1〜20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐状又は環状脂肪族アルデヒドであり、好ましくはホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、2−メチルプロピオンアルデヒド、バレルアルデヒド(1−ペンタナール)、カプロンアルデヒド(1−ヘキサナール)、エナンタール(1−ヘプタナール)、カプリルアルデヒド(1−オクタナール)及び2−エチル−1−ヘキサナールからなる群から選択される、請求項1に記載の生成物H。
[請求項7]
環状アルキレン尿素Uが少なくとも1つの非置換アミド型>NH基を有し、脂肪族環構造内に構造−NH−CO−NH−の要素を有する環状脂肪族又は二環状脂肪族化合物であり、環原子の総数が好ましくは5〜7であり、特に好ましくはエチレン尿素又はイミダゾリジン−2−オン、1,2−プロピレン尿素又は4−メチルイミダゾリジン−2−オン、1,3−プロピレン尿素又は2−ケトヘキサヒドロピリミジン又はテトラヒドロ−(1H)−ピリミジノン、1,4−ブチレン尿素又はテトラメチレン尿素からなる群から選択され、ここでアルキレン基は1又は複数の炭素原子がヒドロキシル基によって又はアルキル基若しくはアルコキシ基によって置換されてよく、各アルキル基若しくはアルコキシ基は互いに独立して、好ましくは1〜10個の炭素原子を有する、請求項1に記載の生成物H。
[請求項8]
請求項1から7のいずれか一項に記載の生成物Hの製造プロセスであって、
a)少なくとも1つの環状アルキレン尿素Uを、場合により環状アルキレン尿素Uとは異なる少なくとも1つのアミノプラスト形成剤Mとの混合物で、投入する工程と、
b)少なくとも1つの多官能性アルデヒドA2を、場合により少なくとも1つの単官能性アルデヒドA1との混合物で、工程a)の混合物に混合して、付加反応を行ってUとA2との反応生成物Pを形成する工程であって、場合により少なくとも1つの多官能性アルデヒドA2、少なくとも1つの単官能性アルデヒドA1、少なくとも1つの環状アルキレン尿素U、少なくとも1つのアミノプラスト形成剤M及び反応生成物Pのいずれとも反応しない溶媒の存在下で実施される工程と、
c)場合により、工程b)の間又は後で水を除去する工程と、
d)場合により、アルコールR1−OHを添加して、酸性条件下でエーテル化し、場合により水及び未反応アルコールR1−OHの少なくとも1つを除去する工程と、
e)さらに場合により、工程d)の後にさらなる量のアルコールR2−OHを添加し、酸性条件下でエーテル化し、場合により水及び未反応アルコールR2−OHの少なくとも1つを除去する工程と
を含み、
工程e)が行われる場合、一回又は二回以上行われてもよく、
R1は直鎖状、分岐状及び環状アルキル基からなる群から選択され、好ましくは1〜10個の炭素原子を有し、場合により少なくとも1つのオレフィン性不飽和を有し、R2は直鎖状、分岐状及び環状アルキル基からなる群から選択され、好ましくは1〜10個の炭素原子を有し、場合により少なくとも1つのオレフィン性不飽和を有し、さらに場合により少なくとも1つのさらなるヒドロキシル基(但し、2つのヒドロキシル基が同じ炭素原子上にあることはない)を有し、R1がR2と異なる場合、R1の炭素原子の数はR2の炭素原子の数より少なくとも1つ少ない、
上記プロセス。
[請求項9]
請求項1から7のいずれか一項に記載の生成物Hの製造プロセスであって、
a)少なくとも1つの多官能性アルデヒドA2を、場合により少なくとも1つの単官能性アルデヒドA1との混合物で、少なくとも1つの環状アルキレン尿素Uに混合して、付加反応を行って反応生成物UAを形成する工程であって、ここでA2及びU及び存在する場合A1の量は、アルデヒド基の物質量が少なくとも1つの環状アルキレン尿素UのNH基の物質量を超えるように選択され、場合により水を除去する、工程と、
b)環状アルキレン尿素Uとは異なる少なくとも1つのアミノプラスト形成剤Mを混合し、付加反応を継続する工程と、
c)場合により工程a)の間若しくは後に及び/又は工程b)の間若しくは後に水を除去する工程と、
ここで工程a)及びb)は、場合により多官能性アルデヒドA2、単官能性アルデヒドA1、環状アルキレン尿素U、少なくとも1つのアミノプラスト形成剤M、反応生成物UA、及びUとA2との反応生成物Pのいずれとも反応しない溶媒の存在下で実施され、
d)場合により、アルコールR1−OHを添加して、酸性条件下でエーテル化し、場合により水及び未反応アルコールR1−OHの少なくとも1つを除去する工程と、
e)さらに場合により、工程d)の後にさらなる量のアルコールR2−OHを添加し、酸性条件下でエーテル化し、場合により水及び未反応アルコールR2−OHの少なくとも1つを除去する工程と
を含み、
工程e)が行われる場合、一回又は二回以上行われてもよく、
R1は直鎖状、分岐状及び環状アルキル基からなる群から選択され、好ましくは1〜10個の炭素原子を有し、場合により少なくとも1つのオレフィン性不飽和を有し、R2は直鎖状、分岐状及び環状アルキル基からなる群から選択され、好ましくは1〜10個の炭素原子を有し、場合により少なくとも1つのオレフィン性不飽和を有し、さらに場合により少なくとも1つのさらなるヒドロキシル基(但し、2つのヒドロキシル基が同じ炭素原子上にあることはない)を有し、R1がR2と異なる場合、R1の炭素原子の数はR2の炭素原子の数より少なくとも1つ少ない、
上記プロセス。
[請求項10]
請求項1から7のいずれか一項に記載の生成物Hの製造プロセスであって、
a)少なくとも1つの多官能性アルデヒドA2を、場合により少なくとも1つの単官能性アルデヒドA1との混合物で、工程b)の環状アルキレン尿素Uの少なくとも1つとは異なる少なくとも1つのアミノプラスト形成剤Mに混合して、反応生成物MAの形成下での付加反応を行う工程であって、ここで少なくとも1つの多官能性アルデヒドA2及びM、及び場合により少なくとも1つの単官能性アルデヒドA1の量は、アルデヒド基の物質量が少なくとも1つのアミノプラスト形成剤MのNH基の物質量を超えるように選択され、場合によりこの工程a)の間又は後で水を除去する、工程と、
b)少なくとも1つの環状アルキレンUを混合し、付加反応を継続する工程と、
c)場合により、工程b)の間又は後で水を除去する工程と、
ここで工程a)及びb)は、場合により多官能性アルデヒドA2、単官能性アルデヒドA1、環状アルキレン尿素U、少なくとも1つのアミノプラスト形成剤M、反応生成物MA、及びUとA2との反応生成物Pのいずれとも反応しない溶媒の存在下で実施され、
d)場合により、アルコールR1−OHを添加して、酸性条件下でエーテル化し、場合により水及び未反応アルコールR1−OHの少なくとも1つを除去する工程と、
e)さらに場合により、工程d)の後にさらなる量のアルコールR2−OHを添加し、酸性条件下でエーテル化し、場合により水及び未反応アルコールR2−OHの少なくとも1つを除去する工程と
を含み、
工程e)が行われる場合、一回又は二回以上行われてもよく、
R1は直鎖状、分岐状及び環状アルキル基からなる群から選択され、好ましくは1〜10個の炭素原子を有し、場合により少なくとも1つのオレフィン性不飽和を有し、R2は直鎖状、分岐状及び環状アルキル基からなる群から選択され、好ましくは1〜10個の炭素原子を有し、場合により少なくとも1つのオレフィン性不飽和を有し、さらに場合により少なくとも1つのさらなるヒドロキシル基(但し、2つのヒドロキシル基が同じ炭素原子上にあることはない)を有し、R1がR2と異なる場合、R1の炭素原子の数はR2の炭素原子の数より少なくとも1つ少ない、
上記プロセス。
[請求項11]
請求項1から7のいずれか一項に記載の生成物Hの製造プロセスであって、
a)少なくとも1つの環状アルキレン尿素Uを投入する工程と、
b)少なくとも1つの多官能性アルデヒドA2を、場合により少なくとも1つの単官能性アルデヒドA1との混合物で、混合して、付加反応を行って反応生成物UAを形成する工程と、
c)場合により、工程b)の間又は後に水を除去して、少なくとも部分的に脱水された反応生成物UAを形成する工程と、
d)工程b)又はc)の反応生成物UAに、アミノプラスト形成剤Mと単官能性アルデヒドA1との予備形成付加生成物MA、又はアミノプラスト形成剤Mと単官能性アルデヒドA1及び多官能性アルデヒドA2の混合物との予備形成付加生成物MA、又はアミノプラスト形成剤Mと単官能性アルデヒドA1及び/又は少なくとも1つの多官能性アルデヒドA2の少なくとも1つとの混合物を添加して、そのように形成された混合物を反応して生成物Hの形成を行う工程であって、付加生成物UAの成分の少なくとも部分的な交換下で場合により水の除去下で実施される工程と、
e)場合により、アルコールR1−OHを添加して、酸性条件下でエーテル化し、場合により水及び未反応アルコールR1−OHの少なくとも1つを除去する工程と、
f)さらに場合により、工程e)の後に、さらなる量のアルコールR2−OHを添加し、酸性条件下でエーテル化し、場合により水及び未反応アルコールR2−OHの少なくとも1つを除去する工程と
を含み、
工程f)が行われる場合、一回又は二回以上行われてもよく、
場合により、工程b)〜f)のいずれかが、多官能性アルデヒドA2、少なくとも1つの単官能性アルデヒドA1、少なくとも1つの環状アルキレン尿素U、少なくとも1つのアミノプラスト形成剤M、アミノプラスト形成剤Mと単官能性アルデヒドA1及び多官能性アルデヒドA2の混合物との付加生成物MA、並びに反応生成物UA、MA及びPのいずれとも反応しない溶媒の存在下で実施されてもよく、
R1は直鎖状、分岐状及び環状アルキル基からなる群から選択され、好ましくは1〜10個の炭素原子を有し、場合により少なくとも1つのオレフィン性不飽和を有し、R2は直鎖状、分岐状及び環状アルキル基からなる群から選択され、好ましくは1〜10個の炭素原子を有し、場合により少なくとも1つのオレフィン性不飽和を有し、さらに場合により少なくとも1つのさらなるヒドロキシル基(但し、2つのヒドロキシル基が同じ炭素原子上にあることはない)を有し、R1がR2と異なる場合、R1の炭素原子の数はR2の炭素原子の数より少なくとも1つ少ない、上記プロセス。
[請求項12]
請求項1から7のいずれか一項に記載の生成物Hの製造プロセスであって、
a)少なくとも1つのアミノプラスト形成剤Mを投入する工程と、
b)少なくとも1つの単官能性アルデヒドA1を、場合により少なくとも1つの多官能性アルデヒドA2との混合物で、混合して、付加反応を行って反応生成物MAを形成する工程であって、場合により少なくとも1つの多官能性アルデヒドA2、少なくとも1つの単官能性アルデヒドA1、少なくとも1つのアミノプラスト形成剤M及び反応生成物MAのいずれとも反応しない溶媒の存在下で実施される工程と、
c)場合により、工程b)の間又は後に水を除去して、少なくとも部分的に脱水された反応生成物MAを形成する工程と、
d)工程b)又はc)の反応生成物MAに、環状アルキレン尿素Uと多官能性アルデヒドA2との予備形成付加生成物UA、又は少なくとも1つの環状アルキレン尿素Uと単官能性アルデヒドA1及び多官能性アルデヒドA2の混合物との予備形成付加生成物UA、又は環状アルキレンUと単官能性アルデヒドA1及び/又は多官能性アルデヒドA2の少なくとも1つとの混合物を添加して、そのように形成された混合物を反応して反応生成物Pの形成を行う工程であって、付加生成物MA及びUAの成分の少なくとも部分的な交換下、場合により水の除去下、さらに場合により、少なくとも1つの多官能性アルデヒドA2、少なくとも1つの単官能性アルデヒドA1、少なくとも1つの環状アルキレン尿素U、少なくとも1つのアミノプラスト形成剤M、並びに反応生成物UA、MA及びPのいずれとも反応しない溶媒の存在下で実施される工程と、
e)場合により、アルコールR1−OHを添加して、酸性条件下でエーテル化し、場合により水及び未反応アルコールR1−OHの少なくとも1つを除去する工程と、
f)さらに場合により、工程e)の後に、さらなる量のアルコールR2−OHを添加し、酸性条件下でエーテル化し、場合により水及び未反応アルコールR2−OHの少なくとも1つを除去する工程と
を含み、
工程f)が行われる場合、一回又は二回以上行われてもよく、
R1は直鎖状、分岐状及び環状アルキル基からなる群から選択され、好ましくは1〜10個の炭素原子を有し、場合により少なくとも1つのオレフィン性不飽和を有し、R2は直鎖状、分岐状及び環状アルキル基からなる群から選択され、好ましくは1〜10個の炭素原子を有し、場合により少なくとも1つのオレフィン性不飽和を有し、さらに場合により少なくとも1つのさらなるヒドロキシル基(但し、2つのヒドロキシル基が同じ炭素原子上にあることはない)を有し、R1がR2と異なる場合、R1の炭素原子の数はR2の炭素原子の数より少なくとも1つ少ない、上記プロセス。
[請求項13]
請求項1から7のいずれか一項に記載の生成物Hの製造プロセスであって、
a)以下を混合する工程と:
− 少なくとも1つの環状のアルキレン尿素Uと、多官能性アルデヒドA2及び単官能性アルデヒドA1からなる群から選択される少なくとも1つのアルデヒドとの反応によって生じる少なくとも1つの付加物UAであって、場合により反応生成物UAは、N−H基とアルデヒド基との付加反応によって形成されるヒドロキシル基の少なくとも一部と、1又は複数の脂肪族アルコールR’−OHとの反応によってエーテル化されており、R’−OHは好ましくは1〜10個の炭素原子を有し、直鎖状、分岐状又は環状であってよい、上記UA、及び
− 環状アルキレン尿素Uとは異なる少なくとも1つのアミノプラスト形成剤Mと、多官能性アルデヒドA2及び単官能性アルデヒドA1からなる群から選択される少なくとも1つのアルデヒドとの反応によって生じる少なくとも1つの付加物MAであって、場合により反応生成物MAは、N−H基とアルデヒド基との付加反応によって形成されるヒドロキシル基の少なくとも一部と、1又は複数の脂肪族アルコールR’−OHとの反応によってエーテル化されており、前記アルコールR’−OHは好ましくは1〜10個の炭素原子を有し、直鎖状、分岐状又は環状であってよい、上記MA、
b)工程a)で製造したUAとMAとの混合物を、場合により触媒−好ましくは酸性触媒及び塩基性触媒からなる群から選択される−の存在下で、アルデヒドA1及び/又はA2由来の部分の間で形成された化学的結合が少なくとも部分的に交換されるまで、環状アルキレン尿素U及びアミノプラスト形成剤Mと反応する工程と、
c)場合により、N−H基とアルデヒド基との付加反応によって形成されるヒドロキシル基の少なくとも一部と、1又は複数の脂肪族アルコールR’−OHとの反応によって、工程b)で形成された反応生成物をエーテル化する工程であって、前記アルコールR’−OHは好ましくは1〜10個の炭素原子を有し、直鎖状、分岐状又は環状であってよい、上記工程と
を含み、
工程a)、b)及びc)のいずれかが、場合により多官能性アルデヒドA2、単官能性アルデヒドA1、付加物UA、付加物MA、及び工程b)の生成物のいずれとも反応しない溶媒の存在下で実施される、
上記プロセス。
[請求項14]
少なくとも1つの多官能性アルデヒドA2の添加が、少なくとも2つに分かれてプロセスの間の異なる時間に行われる、請求項8から13のいずれか一項に記載のプロセス。
[請求項15]
請求項1から7のいずれか一項に記載の又は請求項8から14のいずれか一項に従って製造される生成物Hの、コーティング組成物における使用方法であって、コーティング組成物を形成するために、当該生成物Hを架橋性樹脂に混合する工程と、場合により触媒−好ましくは酸触媒である−を添加する工程とを含み、この架橋性樹脂は、ヒドロキシ官能基、酸官能基、アミド官能基、アミノ官能基、イミノ官能基、メルカプタン官能基、ホスフィン官能基及びカルバマート官能基からなる群から選択される少なくとも一種の官能基を有するオリゴマー又はポリマー材料である、上記使用方法。
[請求項16]
オリゴマー又はポリマー材料が溶媒媒介性材料である、請求項15に記載の使用方法。
[請求項17]
オリゴマー又はポリマー材料が水媒介性材料である、請求項15に記載の使用方法。
[請求項18]
金属、半導体表面、複合材料と熱可塑性材料と熱硬化性材料とを含むプラスチック、ガラス、陶器、石、コンクリート、硬膏、木材、組立木材、紙、ボール紙、皮並びに布地からなる群から選択される基材に、形成されたコーティング組成物を適用する工程をさらに含む、請求項15から17のいずれか一項に記載の使用方法。
[請求項19]
添加剤、希釈剤、充填剤、顔料、及び着色剤の少なくとも1つが、基材への適用前のコーティング組成物に混合される、請求項18に記載の使用方法。
[請求項20]
多官能性アルデヒドA2と、環の一部を形成しない窒素原子の1又は複数に結合した少なくとも1つのアルコキシカルボニル基を有するメラミン誘導体との反応生成物であって、多官能性アルデヒドA2のアルデヒド基と、メラミン誘導体のアミノ基若しくはカルバモイル基のどちらか一方又はその両方との反応によって形成される、上記反応生成物。