【0008】
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1〜
図9は本発明の第1の実施例のワイプディスペンサを示している。なお、
図2から
図5では説明の便宜上、後述する保持材25の記載を省略する。
図1はワイプディスペンサの外観図である。開口部2が一つの面の中央部分に形成された収納体3は、気密性を有する可撓性のあるプラスチックフィルム等により、例えばピロー形状の袋状に形成され、開口部2以外の部分はヒートシール等によって気密に封止されている。収納体3は一層構造でもよいが、複数層の構造にしてもよく、その内部には後述するワイプ積層体6Nが収納されている。なお、収納体3として袋状以外のものを用いてもよく、例えば剛性のあるプラスチック等で形成された箱状のもの等を使用してもよい。
開口部2は、収納体3の最も広い面の中央部分に四角形状に開口形成されている。ただし開口部2の形状は、この例に限定されず、その他の形状であっても差し支えない。開口部2には剛性あるプラスチック材からなる取出孔部材4が密着して固着されている。取出孔部材4には、収納体3内から取り出されるワイプが通過する取出孔8が収納体3の開口部2と連通して形成され、取出孔8の外端口元を外方から閉塞及び開放自在な蓋体5が開閉自在に取出孔部材4に取り付けられている。
蓋体5は、閉じ状態においては取出孔8の外端口元の縁部に係合して取出孔8を閉塞するする。取出孔部材4と蓋体5は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂により、回動動作の軸になるヒンジ部5aを介して一体成型で形成されている。取出孔部材4は、開口部2の縁部に沿って収納体3の内面側にホットメルト又は熱溶着等の手段で気密に固着されている。
図1にPで示される斜線部分がその固着部分である。なお、取出孔部材4と蓋体5は、それぞれ別体で形成されて組み合わせ可能に構成されてもよい。
図2は、
図1におけるII−II断面図である。なお、取出孔8の奥側の端部には、取出孔8を密封することができ且つ取出孔8の外側に取り外すことにより取出孔8を開口状態にすることができる後述の開封部材が配置されているが、
図2にはその開封部材が取り外された後の状態が図示されている。
収納体3内に収納されたワイプ積層体6Nは、複数枚のワイプを連続的に折り重ね合わせて形成されている。ワイプ積層体6Nは、個別に独立した枚葉のワイプをいわゆるZ折等の態様で折り畳んで、隣り合うワイプどうしを互いに端部どうしで重ね合わせたもの等であってもよい。そのようなワイプ積層体6Nの最先端(即ち、最上段)のワイプを引っ張ると、隣り合うワイプどうしが各々重なりあっていることにより、最先端のワイプに引っ張れられて後続のワイプが移動する。前述のように、本件では、最先端のワイプに引っ張れられて後続のワイプが移動しうる状態にある連続したワイプを、ワイプ係繋体6と称する。ワイプ係繋体6においては、隣り合うワイプどうしの接触部が分離可能であり、ワイプ係繋体6の最先端部分で後続と接触しなくなった一枚のワイプ6aがワイプ係繋体6から分離される。
ワイプの素材は、例えば合成繊維若しくは天然繊維からなる紙、織布又は不織布等を用いて成形された基布に、薬液等を含浸させたものである。薬液等としては、例えば、アルコール類、水又はこれらの混合物があげられるが、香料、抗菌剤、消臭剤、界面活性剤、防腐剤、色素、消泡剤、酸化防止剤、清澄剤、可溶化剤等を配合してもよい。また、その他の材料からなる基布や薬液等を使用してもよい。
取出孔8の外周の外側には、短筒状の外縁周壁10が取出孔8と同心円をなす状態に形成されている。外縁周壁10と取出孔8との間の隙間は奥側で塞がっており、蓋体5が閉じられると、蓋体5の側壁縁が取出孔8と外縁周壁10との間の凹部に潜った状態になる。取出孔8は、使用開始までは、その奥側端部に取り付けられている後述の開封部材20により密封されているが、ワイプディスペンサの使用が開始されて開封部材20が取り外されると、
図3の(3A)に示されるように、取出孔8内が収納体3内と完全に連通した状態になる。
図3の(3B)に示されるように、取出孔部材4の裏面に連設されて取出孔8の内側位置にあたる収納体3内に配置された「構成部材」であるオリフィス部材14には、通過するワイプ(ワイプ係繋体6)に抵抗を付与するためのオリフィス13が形成されている。オリフィス13は公知のものであり、
図4(4A)、(4B)、(4C)に順に図示されるように、ワイプ係繋体6が収納体3内から外方に引き出される際に、オリフィス13からその内側を通過するワイプに摩擦抵抗が作用することにより(4A)、オリフィス13内を通過したばかりの位置にある二つのワイプの境界部においてワイプどうしが分離され(4B)、そこより先側に位置する最先端のワイプ6aだけが外部に取り出される。そして、残されたワイプ係繋体6の最先端部分6aNがオリフィス13から少しだけ外方に突出した状態になる(4C)。
なお、この実施例では、
図3等に図示されるように、オリフィス13として、並設された複数の長円形の孔13aの仕切り部にスリット13bが形成された態様のものが例示されている。ただし、オリフィス13は各種形状のものが公知であり、どのような形状のオリフィス13を採用しても差し支えない。オリフィス13の形状が公知でないものであっても差し支えない。
この実施例のワイプディスペンサでは、オリフィス13が形成されたオリフィス部材14は、
図2及び
図3に示されるように、取出孔部材4の裏面部分に片持ち支持されている。ただし、本発明のオリフィス部材14は、片持ち支持以外の手段で支持されていても差し支えない。
この例に示すオリフィス部材14は、基端14a側の所定位置から自由端14b側に向かって収納体3の内側方向に向かって凸状に湾曲した板状に形成されていて、オリフィス部材14の自由端14b側が収納体3の奥方側(即ち、ワイプ積層体6Nの表面に押し付けられる方向)に向かって付勢されている。
この実施例では、オリフィス部材14自体が有する弾性によりオリフィス部材14に付勢力が付与されている。ただし、オリフィス部材14には、付勢力をオリフィス部材14に与えるための弾性材が別設されてもよい。なお、オリフィス部材14の基端14aとは、オリフィス部材14が取出孔部材4に片持ち支持されている場合においてその支持部側の端部付近の領域をいい、自由端14bとは、基端14aの反対側の端部付近であって取出孔部材4で支持されていない側の端部付近の領域をいう。
図2に破線で示されるように、オリフィス部材14は、負荷がかかっていない自然状態(T0)では収納体3の奥方向に斜めに傾斜するように伸び出していて、自由端14bが収納体15の底部より下方に位置するように形成されている。そしてオリフィス部材14は、ワイプ積層体6Nの表面に押し当てられた状態では自然状態からその状態まで弾性変形している。その結果、オリフィス部材14の弾性変形で生じた弾性力により、オリフィス部材14の自由端14b側は矢印Kで示されるように、収納体3の奥方側に向かって付勢されている。
このようにオリフィス部材14の自由端14b側が収納体3の奥方側に向かって付勢されていることにより、
図2にT1、T2の順に例示されるように、ワイプが使用されてワイプ積層体6Nの嵩高が次第に減少しても、それに伴ってオリフィス部材14が常にワイプ積層体6Nの表面に押し付けられた状態を保つ。そして、
図5に示されるように、ワイプ積層体6Nの嵩高が減少した状態では、オリフィス部材14が、ワイプ係繋体6の引き出し方向に対して傾いた状態になり、オリフィス13内を通過して外部側に出た部分が向かう方向(退出方向(
図5において矢印S))と、オリフィス13内を通過する直前のワイプ係繋体6が向かう方向(進入方向(
図5において矢印R))とが角度をなすようになる。
そのようにして、ワイプ係繋体6の退出方向Sと進入方向Rとのなす角度が大きくなるほどオリフィス13からワイプに対して強い摩擦抵抗が作用する。その結果、先行するワイプ係繋体6の最先端のワイプ6aを後続のワイプ係繋体6から適切な位置で分離させて引き離すことができる。
このように構成された実施例のワイプディスペンサは、ワイプ積層体6Nの嵩高が低くなってもオリフィス13からワイプ(ワイプ係繋体6)に対して適度な摩擦抵抗が負荷された状態が保たれるので、ワイプ係繋体6がオリフィス13から適度な摩擦抵抗を受けずにオリフィス13を大きくすりぬけてしまうような事態が生じにくくなる。また、ワイプ係繋体6の分離が生じるタイミングに遅れが発生しなくなる結果、ワイプが必要以上に外部に露出してしまう虞を防止でき、蓋体5を確実に閉じることができて、収納体3内に収納されているワイプ積層体6Nの乾燥を防止することができる。
図6は、ワイプディスペンサが使用開始される前の状態を示しており、
図1におけるII−II断面に相当する断面図である。ワイプディスペンサの未使用時(即ち、使用開始前)は、収納体3内に収納されているワイプ積層体6Nの乾燥を完全に防止するために、蓋体5より内側に設けられた開封部材20により取出孔8が完全に密封されている。そして、開封部材20を取出孔8から外側に取り外せば、取出孔8の密封状態を解除することができる。
開封部材20は、取出孔8の底部を閉塞する状態を形成するように取出孔部材4と一体成型で形成されている。開封部材20の外周部には、その全周にわたってV字状の断面をなす脆弱部21が形成されている。また、開封部材20とその周辺部分を抜き出して図示する
図7にも示されるように、開封部材20の表面側には、指先で外方に引っ張ることができるプルトップリング22が開封部材20と一体成型されて形成されている。
開封部材20が取出孔8から取り外されていないワイプディスペンサの未使用時の状態においては、取出孔8が開封部材20で密閉されており、プルトップリング22を外方に引っ張ると、脆弱部21がせん断破壊されて開封部材20が外側に取り外される。このとき、取出孔8の内側領域全体が外部と収納体3内とを連通させる部分をなし、収納体3内からワイプ係繋体6を引き出せる状態が形成される。なお、一度取り外された開封部材20については、再び元の状態になるように取出孔8に取り付けることができない。
ワイプディスペンサには保持材25が設けられることが好適である。
図6及び
図7に示す例では、開封部材20の裏面(即ち、収納体3内に面する側の面)から収納体3の内部の方向に向かって、一対の保持材25が突出形成されている。保持材25は、オリフィス部材14を付勢力に抗して取出孔部材4側に引き寄せた状態に保持して、オリフィス部材14がワイプ積層体6Nに押し付けられないようにするものである。
この実施例の保持材25は、オリフィス部材14部分を裏側から見た状態を示す
図8、及び、前出の
図6、
図7等に図示されるように、開封部材20の裏面側から突出する細いロッド状に形成されていて、開封部材20に連設されている。具体的には、この例に示す保持材25は開封部材20と一体成型されている。また、この実施例では保持材25が二つ設けられており、オリフィス部材14の左右両側部の裏面に係脱自在に係合する係合部25aが、各保持材25の先端に形成されている。係合部25aはこの実施例ではフック状に形成されているが、その他の形状であっても差し支えない。オリフィス部材14に対する係合部25aによる係合は、保持材25を適宜に移動させた場合にオリフィス部材14に対する係合部25aの係合が外れるように形成される。
図9の(9A)に示されるように、開封部材20が取り外されていない未使用の状態では、係合部25aがオリフィス部材14の左右両側に係合していて、オリフィス部材14を回動させようとする付勢力に抗して、オリフィス部材14を取出孔部材4の裏面近傍に引き寄せた状態を保持している。このとき、
図6に示されるように、オリフィス部材14はワイプ積層体6Nの表面に触れない位置に保持されうる。
このように、ワイプディスペンサにおけるオリフィス部材14が取出孔部材4の裏面の近傍位置に引き寄せた状態と保持できるように構成されていると、ワイプディスペンサの製造工程においても作業工程がスムーズに実施することが容易となる。すなわち、オリフィス部材14を取出孔部材4の裏面の近傍位置に引き寄せた状態とした後の作業工程で、オリフィス部材14が収納体3の内部に向かう方向に不用意に飛び出す虞が抑制されることから、収納体3と取出孔部材4との固着工程といった各作業を自動製造機等でスムーズかつ容易に行うことができるのである。
そして、
図9の(9B)に示されるように、ワイプディスペンサの使用開始にあたって取出孔8を通じて開封部材20を外部に取り外すと、開封部材20と一体に形成されている保持材25の係合部25aとオリフィス部材14との係合が外れ、矢印Kで示されるように、オリフィス部材14が付勢力によって収納体3の奥側方向に回動する。その結果、ワイプディスペンサの使用状態では、
図2に実線で示されるように、オリフィス部材14がワイプ積層体6Nの表面に押し付けられるようになる。
本発明のワイプディスペンサは、上記の実施例に限られず、様々な実施態様が含まれる。例えば
図10には、オリフィス部材14に付勢力を付与する機構についての他の実施例が示されている。
図10に示す例では、オリフィス部材14に付勢力を付与する付勢部材が設けられており、(10A)に示される第2の実施例では、付勢部材としてスプリング115が設けられ、スプリング115によってオリフィス部材14が付勢され、(10B)に示される第3の実施例では、付勢部材として蛇腹215が設けられ、蛇腹215によりオリフィス部材14が付勢されている。
これら第2、第3の実施例では、第1の実施例と異なり、オリフィス部材14は付勢力によって回動するように構成されているのではなく、オリフィス部材14全体が付勢力によりワイプ積層体6Nの表面側に向かって真っすぐに移動するように構成されている。図示しないが、オリフィス部材14を付勢する付勢部材としては、ゴム、プラスチック等を使用してもよい。第2、第3の実施例では、オリフィス部材14に付勢力を付与する付勢部材の他の構成については、第1の実施例と同様でよい。
また、本発明のワイプディスペンサは、オリフィス部材14の支持構造ついてみても、第1の実施例のようなオリフィス部材14を片持ち支持した構造を有するものに限らず、第2及び第3の実施例で示すようなオリフィス部材14を両端で支持する構造、或いは、オリフィス部材14をなす円弧状の全体を支持する構造等といった各種の態様を採り得るものである。
また、本発明のワイプディスペンサは、オリフィス部材14自体の構造についても、第1の実施例のような構造に限定されない。例えば、第1の実施例のような片持ちのオリフィス部材14を複数組み合わせた構造を有するものオリフィス部材として採用してもよいし、パンタグラフ状の形状にしたものをオリフィス部材として用いたりするなど各種の態様を採り得るものである。
図11は、本発明の第4の実施例を示しており、収納体3の開口部2に固着された取出孔部材4に、第1の実施例と同様の保持材25の基部が取り付けられている。
図11では開封部材20は設けられていない。但し、開封部材20が設けられていても差し支えない。本発明の第4の実施例では、取出孔部材4に保持材25を取り付けた構成の他の構成については、第1の実施例と同様である。この第4の実施例においては、ワイプディスペンサの使用開始前では、オリフィス部材14が、付勢力に抗して保持材25により取出孔部材4の裏側付近に引き寄せられ、ワイプ積層体6Nの表面に押し付けられない状態が保持されている。そして、ワイプディスペンサの使用開始の際には、器具又は指先等を取出孔8に通してその奥に位置する保持材25にアクセスすることにより、オリフィス部材14に対する係合部25aの係合を解除し、オリフィス部材14がワイプ積層体6Nの表面に押し付けられた使用状態にすることができる。
本発明のワイプディスペンサは、オリフィス部材14に対する保持材25の係合解除が、取出孔8を通じて保持材25にアクセスすることによって行われるように構成されている場合に限定されず、その他のアクセス等によりオリフィス部材14を保持しない状態にするようにしてもよい。
図11に示される実施例の構成であっても、ワイプディスペンサの製造工程を適宜調製することオリフィス部材14を保持しない状態にするようにしてもよい。例えば、ワイプディスペンサの製造工程を、収納体3と取出孔部材4とを互いに固着する固着工程を行う前に、取出孔部材4の裏側から保持材25に直接アクセスしてオリフィス部材14を保持しない状態にするように構成することが挙げられる。これは、オリフィス部材14に対する保持材25の係合解除を行うためのピン等を設けて、固着工程を行う前にピンを操作することで実現できる。また、製造工程においてオリフィス部材14をワイプ積層体6Nに押し付けられた状態とすることが行われることにより、保持材25がオリフィス部材14を保持しない状態になるようにしてもよい。また、製造工程の終了後に、収納体3の裏側から押し付け力等を加えることが行われることにより、保持材25がオリフィス部材14を保持しない状態になるようにしてもよい。
本発明のワイプディスペンサにおいては、図示は省略するが、保持材25は、開封部材20の裏面とオリフィス部材14を接着する接着剤で構成されてもよい。この場合、開封部材20とオリフィス部材14などは接着剤で接着可能な形状(例えばシート状等)に形成される。このように構成されたワイプディスペンサにおいては、開封部材20で取出孔8を密封した状態である未使用の状態では、接着剤で開封部材20の裏面とオリフィス部材14とを接着した状態が形成されてオリフィス部材14を取出孔部材4の裏面近傍に引き寄せた状態が保持されている。そして、開封部材20が取出孔8から取り外されると、開封部材20とオリフィス部材14との接着が剥がれ、オリフィス部材14がワイプ積層体6Nに押し付けられた状態になる。このようにしても、第1の実施例等と同様の作用効果を得ることができる。
本発明の第5の実施例に係るワイプディスペンサについて説明する。
図12は、本発明の第5の実施例に係るワイプディスペンサの取出孔部分を裏側(即ち、収納体3の内側)から見た状態の斜視図である。本発明の第5の実施例では、
図12に示す蓋体5と取出孔部材4とオリフィス部材14の複合構造体と保持体25の構成の他の構成については、第1の実施例と同様である。また、
図12に例示する第5の実施例では、第1の実施例に例示する開封部材20に対応する構造は設けられていない。ただし、このことは、ワイプディスペンサに開封部材20のような収納体3を密封状態とすることの可能な部材を設けられることを禁止しない。例えば、ワイプディスペンサが、開口部2を覆うようにフラップシール状の部材で被覆し、そのフラップシール状の部材上に蓋体5と取出孔部材4とオリフィス部材14の複合構造体を取り付けた構造を有してよい。この場合、蓋体5を開き、オリフィス部材14のオリフィスからフラップシール状の部材を引き出することで収納体3の密封状態を解除することができる。
図12の例において、蓋体5は、取出孔部材4に形成されている取出孔8の外端口元部に矢印Aで示されるように開閉自在に配置されている。オリフィス部材14は一端が取出孔部材4に取り付けられていて、ワイプ積層体6Nの方向に向かって矢印B方向に付勢された状態に、取出孔部材4より収納体3内側の領域に配置されている。なお、
図12に示す第5の実施例の一例においては、オリフィス部材14は第1の実施例と同様の片持ちで支持されているが、第2、第3の実施例のようにオリフィス部材14は、それ全体が移動するような構成或いはその他の構成でも差し支えない。
保持材25は、蓋体5の裏面側に突出するように設けられている。そして、蓋体5が閉じられた状態において保持材25と係合する係合孔25Nがオリフィス部材14に形成されている。この実施例では、係合孔25Nはオリフィス部材14を板面に対して垂直に貫通する貫通孔であり、保持材25は先端部分が係合孔25N内に抵抗を持って差し込まれる係合ピンである。
第5の実施例のワイプディスペンサにおいては、蓋体5が閉じられて保持材25の先端が係合孔25Nに差し込まれた状態では、保持材25がオリフィス部材14を蓋体5側に引き寄せた状態に保持し、蓋体5が矢印Aで示されるように開かれると、保持材25が係合孔25Nから抜け出ることにより、オリフィス部材14が、付勢力により矢印B方向に移動してワイプ積層体6Nに押し付けられた状態になる。その結果、第5の実施例のワイプディスペンサは、第1の実施例と同様の効果を得ることができる。
なお、係合孔25Nに圧入される保持材25の先端部分には、一定の力が加われば係合孔25N内から確実に抜けるように、スリット等を形成してもよい。また、保持材25は蓋体5に一体成型で形成されているが、別部材を蓋体5に取り付けても差し支えない。
なお、本発明は、上記の幾つかの実施例に限定されるものではなく、請求の範囲に記載された発明の概念に含まれる全ての態様を含むものである。