(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1のシフト弁の長手方向軸線、および、前記第2のシフト弁の長手方向軸線のそれぞれが、前記駆動シャフトの長手方向軸線に対して少なくとも実質的に平行に配向されている、請求項1に記載の流体ポンプ。
前記ハウジングの中に前記モジュラー受け入れキャビティを画定する前記少なくとも1つの表面が、その中に形成された複数の凹部を有しており、前記モジュラーインサートの外側表面が、その中に複数の突出部を有しており、前記複数の突出部が、前記複数の凹部の中へ部分的に延在しており、前記複数の駆動流体通路が、前記複数の突出部と前記複数の凹部との間に画定されている、請求項7に記載の流体ポンプ。
前記第1のシフト弁の長手方向軸線、および、前記第2のシフト弁の長手方向軸線が、前記駆動シャフトの長手方向軸線に対して少なくとも実質的に平行に配向されるように、前記第1のシフト弁および前記第2のシフト弁のそれぞれを配向させるステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
前記第1の可撓性部材、および、前記第1の可撓性部材を前記駆動シャフトに取り付けるための第1の取り付け部材のうちの少なくとも1つを、前記第1のシフト弁に当接し、前記第1のシフト弁に機械的な力を加え、前記第1のシフト弁を前記第1のシフト弁の前記第1の位置から前記第2の位置へ移動させるように構成させるステップと、
前記第2の可撓性部材、および、前記第2の可撓性部材を前記駆動シャフトに取り付けるための第2の取り付け部材のうちの少なくとも1つを、前記第2のシフト弁に当接し、前記第2のシフト弁に機械的な力を加え、前記第2のシフト弁を前記第2のシフト弁の前記第1の位置から前記第2の位置へ移動させるように構成させるステップと
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
ポンプ本体部の中の第1のキャビティを第1の可撓性部材によって分割するステップ、および、前記ポンプ本体部の中の第2のキャビティを第2の可撓性部材によって分割するステップのうちの少なくとも1つが、前記ポンプ本体部の中にインサートを固定するステップを含む、請求項13から15までのいずれか一項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書で提示されている説明は、任意の特定の流体システム、または、流体ポンプもしくはポンプシステムの構成要素の実際の図ではない可能性があるが、単に、説明されている本開示の実施形態に用いられる理想的な表示を示している。図の間で共通の要素は、同じ数字表示を保持することが可能である。
【0015】
本明細書で使用されているように、「対象流体」の用語は、本明細書で説明されているような流体ポンプを使用してポンプ送りされることとなる任意の流体を意味し、それを含む。
【0016】
本明細書で使用されているように、「駆動流体」の用語は、本明細書で説明されているような流体ポンプのポンピングメカニズムを駆動するために使用される任意の流体を意味し、それを含む。駆動流体は、空気および他のガスを含む。
【0017】
図1は、本開示の流体ポンプ100の実施形態を図示している。いくつかの実施形態では、流体ポンプ100は、圧縮ガス(例えば、空気)などのような加圧された駆動流体を使用して、液体(例えば、水、油、酸など)などの対象流体をポンプ送りするように構成されている。したがって、いくつかの実施形態では、流体ポンプ100は、空気圧式に動作される液体ポンプを含むことが可能である。そのうえ、以下にさらに詳細に説明されているように、流体ポンプ100は、往復ポンプを含むことが可能である。
【0018】
流体ポンプ100は、ポンプ本体部102またはハウジングを含み、それは、中央本体部104と、第1の端部本体部106と、第2の端部本体部108とを含むことが可能である。中央本体部104は、その中に形成された中央キャビティ105を有することが可能である(
図11も参照されたい)。中央本体部104、第1の端部本体部106、および、第2の端部本体部108は、端部本体部106、108が中央本体部104に取り付けられるときに、第1のキャビティ110および第2のキャビティ112をポンプ本体部102の中に形成するようにサイズ決めされ、形状付けされ、そうでなければ構成されることが可能である。例えば、第1のキャビティ110は、中央本体部104および第1の端部本体部106のそれぞれの内側表面同士の間に形成され、中央本体部104および第1の端部本体部106のそれぞれの内側表面によって画定することが可能であり、第2のキャビティ112は、中央本体部104および第2の端部本体部108のそれぞれの内側表面同士の間に形成され、中央本体部104および第2の端部本体部108のそれぞれの内側表面によって画定することが可能である。
【0019】
駆動シャフト116は、中央本体部104の中に位置付けすることが可能であり、駆動シャフト116が、第1のキャビティ110と第2のキャビティ112との間で中央本体部104を通って延在するようになっている。駆動シャフト116の第1の端部は、第1のキャビティ110の中に位置付けすることが可能であり、駆動シャフト116の反対側の第2の端部は、第2のキャビティ112の中に位置付けすることが可能である。駆動シャフト116は、中央本体部104の孔部の中で往復してスライドするように構成されている。そのうえ、1つまたは複数の流体密封シール118(
図3を参照)を、駆動シャフト116と中央本体部104との間に設けることが可能であり、流体が、駆動シャフト116と中央本体部104との間の任意の空間を通って流れることが防止されるようになっている。
【0020】
第1の可撓性部材120は、第1のキャビティ110の中に配設することが可能であり、第2の可撓性部材122は、第2のキャビティ112の中に配設することが可能である。可撓性部材120、122は、例えば、可撓性のポリマー材料(例えば、エラストマーまたは熱可塑性の材料)から構成されるダイヤフラムまたはベローズを含むことが可能である。いくつかの実施形態では、可撓性部材120、122は、2010年7月15日に公開された表題「Helical Bellows,Pump Including Same and Method of Bellows Fabrication」の米国特許出願公開第2010/0178182号に開示されているようならせん形ベローズを含むことが可能である。第1の可撓性部材120は、第1のキャビティ110を、中央本体部104の反対側(および、第1の端部本体部106の近位)の第1の可撓性部材120の所定の側にある第1の対象流体チャンバ126と、中央本体部104の近位(および、第1の端部本体部106の反対側)の第1の可撓性部材120の所定の側にある第1の駆動流体チャンバ127とに分割することが可能である。同様に、第2の可撓性部材122は、第2のキャビティ112を、中央本体部104の反対側(および、第2の端部本体部108の近位)の第2の可撓性部材122の所定の側にある第2の対象流体チャンバ128と、中央本体部104の近位(および、第2の端部本体部108の反対側)の第2の可撓性部材122の所定の側にある第2の駆動流体チャンバ129とに分割することが可能である。
【0021】
第1の可撓性部材120の周囲縁部は、第1の端部本体部106と中央本体部104との間に配設することが可能であり、流体密封シールは、第1の端部本体部106と中央本体部104との間に、第1の可撓性部材120の周囲縁部部分にわたって設けることが可能である。駆動シャフト116の第1の端部は、第1の可撓性部材120の一部分に連結することが可能である。いくつかの実施形態では、駆動シャフト116の第1の端部は、第1の可撓性部材120の中央部分の中の開口部を通って延在することが可能であり、1つまたは複数のシーリング取り付け部材132(例えば、ナット、スクリュー、ワッシャー、シールなど)は、第1の可撓性部材120の一方または両方の側で駆動シャフト116の上に設けられ、第1の可撓性部材120を駆動シャフト116の第1の端部に取り付け、駆動シャフト116と第1の可撓性部材120との間に流体密封シールを設けることが可能であり、流体が、第1の対象流体チャンバ126と第1の駆動流体チャンバ127との間で、駆動シャフト116と第1の可撓性部材120との間の任意の空間を通って流れることができないようになっている。
【0022】
同様に、第2の可撓性部材122の周囲縁部は、第2の端部本体部108と中央本体部104との間に配設することが可能であり、流体密封シールは、第2の端部本体部108と中央本体部104との間に、第2の可撓性部材122の周囲縁部部分にわたって設けることが可能である。駆動部材の第2の端部は、第2の可撓性部材122の一部分に連結することが可能である。いくつかの実施形態では、駆動シャフト116の第2の端部は、第2の可撓性部材122の中央部分の中の開口部を通って延在することが可能であり、1つまたは複数のシーリング取り付け部材134(例えば、ナット、スクリュー、ワッシャー、シールなど)は、第2の可撓性部材122の一方または両方の側で駆動シャフト116の上に設けられ、第2の可撓性部材122を駆動シャフト116の第2の端部に取り付け、駆動シャフト116と第2の可撓性部材122との間に流体密封シールを設けることが可能であり、流体が、第2の対象流体チャンバ128と第2の駆動流体チャンバ129との間で、駆動シャフト116と第2の可撓性部材122との間の任意の空間を通って流れることができないようになっている。
【0023】
この構成では、駆動シャフト116は、ポンプ本体部102の中で往復してスライドすることが可能である。駆動シャフト116が右に移動するとき(
図1の視点から見た場合)、第1の対象流体チャンバ126の体積が増加し、第1の駆動流体チャンバ127の体積が減少するように、第1の可撓性部材120が、移動および/または変形させられることとなり、また、第2の対象流体チャンバ128の体積が減少し、第2の駆動流体チャンバ129の体積が増加するように、第2の可撓性部材122が、移動および/または変形させられることとなる。逆に、駆動シャフト116が左に移動するとき(
図1の視点から見た場合)、第1の対象流体チャンバ126の体積が減少し、第1の駆動流体チャンバ127の体積が増加するように、第1の可撓性部材120が、移動および/または変形させられることとなり、また、第2の対象流体チャンバ128の体積が増加し、第2の駆動流体チャンバ129の体積が増加するように、第2の可撓性部材122が、移動および/または変形させられることとなる。
【0024】
対象流体入口部136は、第1の対象流体チャンバ126および/または第2の対象流体チャンバ128の中へ通じることが可能である。対象流体出口部138は、第1の対象流体チャンバ126および/または第2の対象流体チャンバ128から外に通じることが可能である。いくつかの実施形態では、対象流体入口部136および/または対象流体出口部138は、例えば、先に参照された米国特許第7,458,309号(2008年12月2日に発行された)に説明されているようなものとすることが可能である。対象流体入口部136および/または対象流体出口部138は、1つまたは複数の弁、マニホールド、接続金具、シールなどを含むことが可能である。例えば、対象流体入口部136および/または対象流体出口部138は、2010年9月30日に公開された表題「Piston Systems Having a Flow Path Between Piston Chambers,Pumps Including a Flow Path Between Piston Chambers,and Methods of Driving Pumps」の米国特許出願公開第2010/0247334号に説明されているような一方向弁を含むことが可能である。弁130は、対象流体入口部136および出口部138のそれぞれに設けられ、対象流体が対象流体チャンバ126、128から対象流体入口部136を通って流出することを制限もしくは防止し、および/または、対象流体が対象流体出口部138から対象流体チャンバ126、128の中へ引き込まれることを制限もしくは防止することが可能である。例えば、弁130は、米国特許第7,458,309号に開示されているような逆止弁とすることが可能である。
【0025】
対象流体入口部136は、第1の対象流体チャンバ126および第2の対象流体チャンバ128の両方に通じることが可能であり、流体が、単一の流体供給源から対象流体入口部136を通して流体ポンプ100の中へ引き込まれることが可能になっている。同様に、対象流体出口部138は、第1の対象流体チャンバ126および第2の対象流体チャンバ128の両方から給送することが可能であり、流体が、流体ポンプ100から単一の流体出口ラインを通して吐出されることが可能になっている。他の実施形態では、複数の対象流体入口部(図示せず)、および/または、複数の対象流体出口部(図示せず)が存在することが可能であり、それぞれが、第1の対象流体チャンバ126および/または第2の対象流体チャンバ128に流体連通している。
【0026】
第1の駆動流体チャンバ127は、駆動流体によって加圧することが可能であり、駆動流体は、第1の可撓性部材120を左に押すことが可能である(
図1の視点から見た場合)。第1の可撓性部材120が左に移動するとき、駆動シャフト116および第2の可撓性部材122が左に引っ張られる。駆動シャフト116、第1の可撓性部材120、および、第2の可撓性部材122が、左に移動するとき(
図1の視点から見た場合)、第1の対象流体チャンバ126の中の任意の対象流体が、第1の対象流体チャンバ126から、第1の対象流体チャンバ126から通じるそれぞれの対象流体出口部138を通して吐出されることが可能であり、対象流体は、第2の対象流体チャンバ128へ通じるそれぞれの対象流体入口部136を通して、第2の対象流体チャンバ128の中へ引き込まれることとなる。
【0027】
第2の駆動流体チャンバ129は、駆動流体によって加圧することが可能であり、駆動流体は、第2の可撓性部材122を右に押すことが可能である(
図1の視点から見た場合)。第2の可撓性部材122が右に移動するとき、駆動シャフト116および第1の可撓性部材120が右に引っ張られることが可能である。したがって、第2の対象流体チャンバ128の中の任意の対象流体は、第2の対象流体チャンバ128から、第2の対象流体チャンバ128から通じる対象流体出口部138を通して吐出されることが可能であり、対象流体は、第1の対象流体チャンバ126へ通じる対象流体入口部136を通して、第1の対象流体チャンバ126の中へ引き込まれることが可能である。
【0028】
流体ポンプ100のポンピング作用を駆動するために、第1の駆動流体チャンバ127および第2の駆動流体チャンバ129が、交互の様式で加圧され、駆動シャフト116、第1の可撓性部材120、および、第2の可撓性部材122に、ポンプ本体部102の中を往復移動させることが可能である。
【0029】
流体ポンプ100は、駆動シャフト116のストロークの端部にある第1の駆動流体チャンバ127と第2の駆動流体チャンバ129との間で、加圧駆動流体の流れを往復してシフトさせるためのシフティングメカニズムを含むことが可能である。シフティングメカニズムは、例えば、第1のシフト弁140および第2のシフト弁142を含むことが可能である。第1のシフト弁140および第2のシフト弁142は、動作可能に連結されており、第1の駆動流体チャンバ127および第2の駆動流体チャンバ129に駆動流体を交互のシーケンスで送達することが可能である。第1のシフト弁140および第2のシフト弁142は、モジュラーインサート144の中に配設することが可能である。モジュラーインサート144は、中央本体部104の中の中央キャビティ105の中に配設することが可能である。すなわち、中央キャビティ105は、モジュラーインサート144を受け入れるようにサイズ決めおよび構成することが可能である。モジュラーインサート144および中央キャビティ105の両方は、概して円筒形状、または、任意の他の選択された形状(例えば、楕円形断面、正方形断面などを有する)とすることが可能である。モジュラーインサート144は、締まり嵌めによって、スクリューによって、または、任意の他の取り付け手段によって、中央キャビティ105の中に固定することが可能である。
【0030】
図1に示されているように、第1のシフト弁140および第2のシフト弁142は、第1の可撓性部材120と第2の可撓性部材122との間で、モジュラーインサート144の中に(ポンプ本体部102の中央本体部104の中に)配設することが可能である。第1のシフト弁140および第2のシフト弁142は、駆動シャフト116に対して概して平行に配向されている細長い本体部をそれぞれ含むことが可能である。第1のシフト弁140および第2のシフト弁142は、概して円筒形状、または、任意の他の選択された形状(例えば、楕円形断面、正方形断面などを有する)とすることが可能である。第1のシフト弁140および第2のシフト弁142は、モジュラーインサート144の中において、駆動シャフト116の傍らに位置付けすることが可能である。第1のシフト弁140および第2のシフト弁142は、第1の駆動流体チャンバ127と第2の駆動流体チャンバ129との間でモジュラーインサート144の少なくとも一部分を通って延在する孔部の中に配設することが可能である。
【0031】
第1のシフト弁140および第2のシフト弁142のそれぞれは、流体ポンプ100が動作するときに、2つの位置の間でシフトするように構成することが可能である。第1のシフト弁140は、駆動シャフト116がストロークの端部に到達するときに、その第1の位置からその第2の位置へ機械的な力によって移動させられる。その第1の位置からその第2の位置への第1のシフト弁140の移動は、駆動流体の圧力に、第2のシフト弁142をその第2の位置からその第1の位置へ移動させ、第2の駆動流体チャンバ129から第1の駆動流体チャンバ128へ駆動流体の送達を切り替え、反対側のストロークを開始させることを引き起こさせる。
【0032】
反対側のストロークの端部(すなわち、駆動シャフト116の反対側方向への運動端部)において、第2のシフト弁142は、その第1の位置からその第2の位置へ、駆動シャフト116の機械的な力によって移動させられる。その第1の位置からその第2の位置への第2のシフト弁142の移動は、駆動流体の圧力に、第1のシフト弁140をその第2の位置からその第1の位置へ移動させ、第1の駆動流体チャンバ128から第2の駆動流体チャンバ129へ戻すように駆動流体の送達を切り替えることを引き起こさせる。以上により、流体ポンプ100のサイクルを完了する。
【0033】
図2は、
図1の一部分の拡大図であり、モジュラーインサート144の中に第1のシフト弁140および第2のシフト弁142を含む。
図2の一部分は、さらに拡大され、
図3から
図6に示されている。とりわけ、
図3は、モジュラーインサート144の中の第1のシフト弁140を示しており、
図4は、第1のシフト弁140を単独で示している。
図5は、モジュラーインサート144の中の第2のシフト弁142を示しており、
図6は、第2のシフト弁142を単独で示している。
図2に示されているように、凹部146a〜146cまたは駆動流体通路は、中央本体部104の中のキャビティ105の周りで、中央本体部104の壁部の中に設けることが可能である。凹部146a〜146cは、形状を環状とすることが可能であり、中央本体部104およびモジュラーインサート144の一方またはそれぞれによって、少なくとも部分的に画定することが可能である。すなわち、中央本体部104およびモジュラーインサート144は、凹部146a〜146cの少なくとも一部分を一緒に画定することが可能であり、凹部146a〜146cは、モジュラーインサート144と中央本体部104との境界面において、モジュラーインサート144の周りに少なくとも部分的に延在することが可能である。例えば、凹部146a〜146cは、モジュラーインサート144の挿入の前に、中央本体部104の中へ機械加工することが可能である。モジュラーインサート144は、凹部146a〜146cのうちの1つまたは複数の内側境界を画定することが可能である。凹部146a〜146cのそれぞれは、モジュラーインサート144の周りに延在する実質的に連続的な環状の凹部を含むことが可能である。したがって、凹部146a〜146cのそれぞれは、
図2の断面図において、モジュラーインサート144の上および下に見ることが可能である(
図2の視点から見た場合)。凹部146a〜146cのうちの1つまたは複数は、駆動流体通路とすることが可能であり、第1のシフト弁140および第2のシフト弁142へ、および、第1のシフト弁140および第2のシフト弁142から、駆動流体を導くように構成することが可能である。また、凹部146a〜146cは、第1のシフト弁140の一部分と第2のシフト弁142の一部分との間に、流体経路をそれぞれ設けることが可能である。流体導管148a〜148cは、ポンプ本体部102を通って(例えば、ポンプ本体部102の中央本体部104を通って)、凹部146a〜146cのうちの1つまたは複数へ通じることが可能である。例えば、流体導管148bは、ポート150b(
図1)に接続することが可能であり、そして、ポート150bは、駆動流体供給源(例えば、加圧流体)に接続することが可能である。流体導管148a、148cは、ポート150a、150c(
図1)に接続することが可能であり、ポート150a、150cは、排出ポート(例えば、大気に開放されている)とすることが可能である。
【0034】
モジュラーインサート144は、自分自身で、1つまたは複数のキャビティを画定することが可能である。例えば、
図2に示されているように、モジュラーインサート144は、3つのキャビティ152、154、156を有することが可能である(
図12も参照されたい)。第1のキャビティ152および第2のキャビティ154は、第1のシフト弁140および第2のシフト弁142をそれぞれ含有するように構成することが可能である。第3のキャビティ156は、駆動シャフト116を含有するように構成することが可能である。3つのキャビティ152、154、156は、実質的に円筒形状とすることが可能であり、または、任意の他の選択された形状を有することが可能である。3つのキャビティ152、154、156は、他のキャビティ152、154、156の長手方向の軸線に対して少なくとも実質的に平行に配向されている長手方向軸線をそれぞれ有することが可能である。したがって、シフト弁140、142、および駆動シャフト116は、互いに実質的に平行である長手方向の軸線を有することが可能である。
【0035】
キャビティ152、154、156のうちの1つまたは複数は、孔部の周りに延在する実質的に連続的な凹部を含むことが可能である。例えば、
図3に示されているように、凹部158a〜158eは、第1のキャビティ152の周りで、モジュラーインサート144の壁部の中に設けることが可能である。凹部158a〜158eは、環状または任意の他の選択された形状とすることが可能であり、インサート144および/またはスリーブ162によって、少なくとも部分的に画定することが可能である。例えば、凹部158a〜158eは、スリーブ162の挿入の前に、モジュラーインサート144の中へ機械加工することが可能である。スリーブ162は、凹部158a〜158eのうちの1つまたは複数の内側境界を画定することが可能である。凹部158a〜158eのそれぞれは、スリーブ162の周りに延在する実質的に連続的な凹部を含むことが可能である。したがって、凹部158a〜158eのそれぞれは、
図3の断面図において(および、
図12において)、スリーブ162の上および下に見ることが可能である(
図3の視点からから見た場合)。凹部158a〜158eのうちの1つまたは複数は、駆動流体通路とすることが可能であり、第1のシフト弁140へ、および、第1のシフト弁140から、駆動流体を導くように構成することが可能である。流体導管166a〜166eは、モジュラーインサート144を通って、凹部146a〜146c、158a〜158eのうちの1つまたは複数へ通じることが可能である。流体導管166a〜166eは、
図3の視点の平面と交差するように示されており、流体導管166a〜166eの機能および接続の明確さを向上させている。しかし、流体導管166a〜166eは、第1のシフト弁140の周りで任意の位置に配設することが可能である。流体導管166aは、凹部158aを凹部146aに接続することが可能である。流体導管166bは、凹部158bを第2のキャビティ154の端部(
図5を参照)に接続することが可能である。流体導管166cは、凹部158cを凹部146bに接続することが可能である。流体導管166dは、凹部158dを第2の駆動流体チャンバ129に接続することが可能である。流体導管166eは、凹部158eを凹部146cに接続することが可能である。
【0036】
スリーブ162は、概して円筒形状、または、任意の他の選択された形状(例えば、楕円形断面、正方形断面などを有する)とすることが可能である。スリーブ162は、締まり嵌めによって、スクリューによって、または、任意の他の取り付け手段によって、第1のキャビティ152の中に固定することが可能である。1つまたは複数の穴部170は、第1のシフト弁140の長手方向軸線を横断するそれぞれの平面(それは、凹部158a〜158eのうちの1つに整合されている)において、スリーブ162を通して設けることが可能である。したがって、流体連通を、スリーブ162の内部と凹部158a〜158eのそれぞれとの間に、穴部170を通して設けることが可能である。そのうえ、複数のシーリング部材172(例えば、Oリング)は、スリーブ162の外側円筒形状の表面と、スリーブ162がその中に配設されている孔部の中のモジュラーインサート144の隣接する壁部との間に設けることが可能であり、スリーブ162とモジュラーインサート144との間の任意の空間を通る、凹部158a〜158eのうちのいずれか同士の間の流体連通を排除するようになっている。第1のシフト弁140は、スリーブ162の中を自由に往復してスライドすることが可能である。
【0037】
図4に示されているように、第1のシフト弁140は、第1のシフト弁140の外側表面にある第1の凹部174aと、第1のシフト弁140の外側表面にある第2の凹部174bとを含むことが可能である。第1の凹部174aおよび第2の凹部174bは、第1のシフト弁140の外側表面の上の中央隆起部178によって分離することが可能である。そのうえ、第1の端部隆起部182aは、第1のシフト弁140の外側表面の上において、中央隆起部178の反対側の、第1の凹部174aの長手方向の側部に設けることが可能であり、第2の端部隆起部182bは、第1のシフト弁140の外側表面の上において、中央隆起部178の反対側の、第2の凹部174bの長手方向の側部に設けることが可能である。
【0038】
第1の凹部174aおよび第2の凹部174bのそれぞれは、凹部158a〜158eのうちの2つの隣接する凹部に、少なくとも部分的に長手方向に重なるのに十分に長い長さ(すなわち、第1のシフト弁140の長手方向軸線に対して概して平行に測定される寸法)を有することが可能である。例えば、第1のシフト弁140が
図3に示されている位置にあるとき、第1の凹部174aは、凹部158bおよび158cのそれぞれに延在し、凹部158bおよび158cのそれぞれに少なくとも部分的に重なっており、第2の凹部174bは、凹部158dおよび158eのそれぞれに延在し、凹部158dおよび158eのそれぞれに少なくとも部分的に重なっている。この構成では、流体連通は、ポート150bを通る駆動流体供給源(
図1)と、第2のキャビティ154の端部(
図5を参照)との間に、導管148b、166b、166c、凹部146b、158b、158c、174a、および、スリーブ162の中の穴部170を介して設けられている。また、流体連通は、ポート150c(
図1)と第2の駆動流体チャンバ129との間に、導管148c、166d、166e、凹部146c、158d、158e、174b、および、スリーブ162の中の穴部170を介して設けられている。流体連通の重要性が、流体ポンプ100の動作の説明において、以下に明らかになることとなる。
【0039】
図2から
図4に示されているように、細長い延長部188は、第1の駆動流体チャンバ127の中へ少なくとも部分的に延在する第1のシフト弁140の第1の端部の上に設けることが可能である。第1の可撓性部材120が右に特定の距離だけ移動するときに(
図1の視点から見た場合)、第1の可撓性部材120およびシーリング取り付け部材132のうちの少なくとも1つが、第1のシフト弁140の細長い延長部188の端部に当接するように、細長い延長部188を位置付けおよび構成させることが可能である。第1の可撓性部材120およびシーリング取り付け部材132のうちの少なくとも1つが、第1のシフト弁140の細長い延長部188の端部に当接するときに、第1のシフト弁140は、右に押し込まれ、第1のシフト弁140の周りの駆動流体の流れを再分配し、駆動シャフト116のストロークの端部に信号を送り、以下にさらに詳細に議論されているように、駆動シャフト116、第1の可撓性部材120、および、第2の可撓性部材122を左に移動し始めさせることが可能である。
【0040】
図3に示されているように、流体ポンプ100は、第1のシフト弁140が2つの位置(
図1に示されている位置、および、
図7に示されている位置)のそれぞれにあるときに、第1のシフト弁140に対して保持力を設けるためのメカニズムまたはデバイスをさらに含むことが可能である。例えば、流体ポンプ100は、1つまたは複数の戻り止めメカニズム192を含むことが可能であり、1つまたは複数の戻り止めメカニズム192は、ばね部材(図示せず)によって、第1のシフト弁140の細長い延長部188の外側表面に対して押し付けられているボール194を含む。
図4に示されているように、2つ以上の凹部196(例えば、環状の凹部、窪みなど)が、第1のシフト弁140の細長い延長部188の外側表面の上に設けることが可能である。2つ以上の凹部196を、細長い延長部188に沿って、異なる長手方向の位置に設けることが可能であり、1つの位置は、駆動シャフト116の右方向のストローク(
図1の視点から見た場合)に要求される第1のシフト弁140の位置に対応しており、別の位置は、駆動シャフト116の左方向のストロークに要求される第1のシフト弁140の位置に対応している。凹部196がボール194と整合させられるとき、ボール194は、凹部196の中へ押し付けられる。ボール194が凹部196の中に着座しているときに、第1のシフト弁140を左または右に移動させるために、ボール194が、第1のシフト弁140の細長い延長部188の表面に対してボール194を押し込んでいるばねの付勢力に対抗して凹部196から押し出されることが可能である。したがって、戻り止めメカニズム192が使用され、第1の可撓性部材120、または、シーリング取り付け部材132のうちの1つによって、第1のシフト弁140が、その位置から移動させられるまで、駆動シャフト116のストロークの間に使用される2つのそれぞれの位置のうちの1つに、第1のシフト弁140を留置または保持することが可能である。
【0041】
第2のシフト弁142、および、関連した凹部、導管、シールなどは、第1のシフト弁140と同様に構成することが可能であるが、反対側方向に配向することが可能である。
図1の視点から見た場合、ならびに、
図2、
図5、および
図6に示されているように、第2のシフト弁142は、細長い延長部190が第2のシフト弁142の右側にある状態に配向することが可能である。第2の可撓性部材122が左に特定の距離だけ移動するときに(
図1の視点から見た場合)、第2の可撓性部材122およびシーリング取り付け部材134のうちの少なくとも1つが、第2のシフト弁142の細長い延長部190の端部に当接するように、細長い延長部190を位置付けおよび構成させることが可能である。
【0042】
第2のキャビティ154は、第1のキャビティ152と実質的に同様とすることが可能であるが、反対側方向に配向することが可能である。凹部160a〜160e(
図5に示されている)は、第2のキャビティ154の周りで、モジュラーインサート144の壁部の中に設けることが可能である。凹部160a〜160eは、形状を環状とすることが可能であり、モジュラーインサート144および/またはスリーブ164によって、少なくとも部分的に画定することが可能である。例えば、凹部160a〜160eは、スリーブ164の挿入の前に、モジュラーインサート144の中へ機械加工することが可能である。スリーブ164は、凹部160a〜160eのうちの1つまたは複数の内側境界を画定することが可能である。凹部160a〜160eのそれぞれは、スリーブ164の周りに延在する実質的に連続的な環状の凹部を含むことが可能である。したがって、凹部160a〜160eのそれぞれは、
図5の断面図において、スリーブ164の上および下に見ることが可能である(
図5の視点から見た場合)。凹部160a〜160eのうちの1つまたは複数は、駆動流体通路とすることが可能であり、第2のシフト弁142へ、および、第2のシフト弁142から、駆動流体を導くように構成することが可能である。流体導管168a〜168eは、モジュラーインサート144を通って、凹部146a〜146c、160a〜160eのうちの1つまたは複数へ通じることが可能である。流体導管168a〜168eは、
図5の視点の平面と交差するように示されており、流体導管168a〜168eの機能および接続の明確さを向上させている。しかし、流体導管168a〜168eは、第2のシフト弁142の周りで任意の位置に配設することが可能である。流体導管168aは、凹部160aを凹部146aに接続することが可能である。流体導管168bは、凹部160bを第1の駆動流体チャンバ127に接続することが可能である。流体導管168cは、凹部160cを凹部146bに接続することが可能である。流体導管168dは、凹部160dを第1のキャビティ152の端部(
図3)に接続することが可能である。流体導管168eは、凹部160eを凹部146cに接続することが可能である。
【0043】
スリーブ164は、概して円筒形状、または、任意の他の選択された形状(例えば、楕円形断面、正方形断面などを有する)とすることが可能である。スリーブ164は、締まり嵌めによって、スクリューによって、または、任意の他の取り付け手段によって、第2のキャビティ154の中に固定することが可能である。1つまたは複数の穴部170は、第2のシフト弁142の長手方向軸線を横断するそれぞれの平面(それは、凹部160a〜160eのうちの1つに整合されている)において、スリーブ164を通して設けることが可能である。したがって、流体連通をスリーブ164の内部と凹部160a〜160eのそれぞれとの間に、穴部170を通して設けることが可能である。そのうえ、複数のシーリング部材172(例えば、Oリング)は、スリーブ164の外側円筒形状の表面と、スリーブ164がその中に配設されている孔部の中のモジュラーインサート144の隣接する壁部との間に設けることが可能であり、スリーブ164とモジュラーインサート144との間の任意の空間を通る、凹部160a〜160eのうちのいずれか同士の間の流体連通を排除するようになっている。第2のシフト弁142は、スリーブ164の中を自由に往復してスライドすることが可能である。
【0044】
図6に示されているように、第2のシフト弁142は、第2のシフト弁142の外側表面にある第1の凹部176aと、第2のシフト弁142の外側表面にある第2の凹部176bとを含むことが可能である。第1の凹部176aおよび第2の凹部176bは、第2のシフト弁142の外側表面の上の中央隆起部180によって分離することが可能である。そのうえ、第1の端部隆起部184aは、第2のシフト弁142の外側表面の上において、中央隆起部180の反対側の、第1の凹部176aの長手方向の側部に設けることが可能であり、第2の端部隆起部184bは、第2のシフト弁142の外側表面の上において、中央隆起部180の反対側の、第2の凹部176bの長手方向の側部に設けることが可能である。
【0045】
第1の凹部176aおよび第2の凹部176bのそれぞれは、凹部160a〜160eのうちの2つの隣接する凹部に、少なくとも部分的に長手方向に重なるのに十分に長い長さ(すなわち、第2のシフト弁142の長手方向軸線に対して概して平行に測定される寸法)を有することが可能である。例えば、第2のシフト弁142が
図5に示されている位置にあるとき、第1の凹部176aは、凹部160dおよび160eのそれぞれに延在し、凹部160dおよび160eのそれぞれに少なくとも部分的に重なっており、第2の凹部174bは、凹部160bおよび160cのそれぞれに延在し、凹部160bおよび160cのそれぞれに少なくとも部分的に重なっている。この構成では、流体連通は、ポート150bを通る駆動流体供給源(
図1)と第1の駆動流体チャンバ127との間に、導管148b、168b、168c、凹部146b、160b、160c、176a、および、スリーブ164の中の穴部170を介して設けられている。また、流体連通は、ポート150c(
図1)と第1のキャビティ152の端部との間に、導管148c、168d、168e、凹部146c、160d、160e、174b、および、スリーブ164の中の穴部170を介して設けられている。そのうえ、第1のシフト弁140および第2のシフト弁142が、
図3および
図5に示されている位置にあるときに、流体連通が、ポート150bを通る駆動流体供給源と第2のキャビティ154の端部との間に存在している。また、流体連通が、第1のキャビティ152の端部とポート150cとの間に存在している。
【0046】
流体ポンプ100は、上記に説明されている戻り止めメカニズム192などのような、第2のシフト弁142に対して保持力を設けるためのメカニズムまたはデバイスを含むことが可能である。第2のシフト弁142は、2つ以上の凹部198を有することが可能であり、それは、第1のシフト弁140の2つ以上の凹部196と同様に構成されている。戻り止めメカニズム192が使用され、第2の可撓性部材120、または、シーリング取り付け部材134のうちの1つによって、第2のシフト弁142が、その位置から移動させられるまで、駆動シャフト116のストロークの間に使用される2つのそれぞれの位置のうちの1つに、第2のシフト弁142を留置または保持することが可能である。
【0047】
流体ポンプ100の動作の完全な理解を促進させるために、流体ポンプ100の完全なポンピングサイクル(駆動シャフト116の左方向のストロークおよび右方向のストロークを含む(
図1の視点から見た場合))が以下に説明されている。
【0048】
流体ポンプ100のサイクルは、第1のシフト弁140および第2のシフト弁142が、
図1、
図2、
図3、および
図5に示されている位置にある間に開始する。第1のシフト弁140が
図1、
図2、および
図3に示されている位置へ移動すると、加圧駆動流体は、ポート150bから導管148bの中へ進み、凹部146bを通過し、導管166cおよび168cへ進む。駆動流体は、凹部160c、176b、および160bを通過し、次いで、導管168bを通過し、第1の駆動流体チャンバ127へ進む(
図5を参照)。第1の駆動流体チャンバ127の中への駆動流体の流れは、第1の可撓性部材120を移動および/または変形させ、第1の対象流体チャンバ126の体積を減少させる。それによって、対象流体は、第1の対象流体チャンバ126から対象流体出口部138を通して吐出される。駆動シャフト116は、左方向の力を働かせ、第2の可撓性部材122を引っ張り、それは、第2の可撓性部材122を移動および/または変形させ、第2の対象流体チャンバ128の体積を増加させる。それによって、対象流体は、対象流体入口部136を通して、第2の対象流体チャンバ128の中へ受け入れられる。第2の駆動流体チャンバ129の中の駆動流体は、導管166d、凹部158d、174b、158e、導管166e、凹部146c、導管148cを通して、および、最後にポート150cを通して排出される。
【0049】
左方向のストロークの端部の近くで、流体ポンプ100は、
図7から
図10に示されている位置にある。第2の可撓性部材122およびシーリング取り付け部材134のうちの少なくとも1つが、第2のシフト弁142の細長い延長部190の端部に当接し、第2のシフト弁142が左に押し込まれる(
図7から
図10の視点から見た場合)。これは、第2のシフト弁142の周りの駆動流体の流れを再分配する。第2のシフト弁142の移動の結果として、駆動流体は、導管168c、凹部160c、176a、160d、および導管168dを通過し、第1のキャビティ152の端部へ進み(
図9および
図10を参照)、第1のシフト弁140を左へ押し、
図7から
図9に示されている位置へ押す。2つのシフト弁140、142が左へ移動することは、駆動シャフト116のストロークの端部に信号を送り、駆動シャフト116、第1の可撓性部材120、および、第2の可撓性部材122を右に移動し始めさせる。
【0050】
第2のシフト弁142が
図7、
図8、および
図10に示されている位置へ移動すると、駆動流体は、凹部158c、174b、および158dを通過し、次いで、導管166dを通過し、第2の駆動流体チャンバ129へ進む(
図9を参照)。第2の駆動流体チャンバ129の中への加圧駆動流体の流れは、第2の可撓性部材122を変形させ、第2の対象流体チャンバ128の体積を減少させる。それによって、対象流体は、第2の対象流体チャンバ128から対象流体出口部138を通して吐出される。駆動シャフト116は、右方向の力を働かせ、第1の可撓性部材120を引っ張り、それは、第1の可撓性部材120を移動および/または変形させ、第1の対象流体チャンバ126の体積を増加させる。それによって、対象流体は、対象流体入口部136を通して、第1の対象流体チャンバ126の中へ受け入れられる。第1の駆動流体チャンバ127の中の駆動流体は、導管168b、凹部160b、176b、160a、導管168a、凹部146a、導管148aを通して、および、最後にポート150aを通して排出される。
【0051】
右方向のストロークの端部の近くで、流体ポンプ100は、再度、
図1、
図2、
図3、および
図5に示されている位置にある。第1の可撓性部材120およびシーリング取り付け部材132のうちの少なくとも1つが、第1のシフト弁140の細長い延長部188の端部に当接し、第1のシフト弁140が左に押し込まれる(
図1の視点から見た場合)。これは、第1のシフト弁140の周りの空気の流れを再分配する。第1のシフト弁140の移動の結果として、加圧駆動流体は、導管166c、凹部158c、174a、158b、および導管166bを通過し、第2のキャビティ154の端部へ進み(
図3および
図5を参照)、第2のシフト弁142を右へ押し、
図1、
図2、
図3、および
図5に示されている位置へ押す。2つのシフト弁140、142が右へ移動することは、駆動シャフト116のストロークの端部に信号を送り、駆動シャフト116、第1の可撓性部材120、および、第2の可撓性部材122を左に移動し始めさせる。駆動シャフト116の右方向の移動が後に続く、駆動シャフト116の左方向の移動のサイクルが、流体ポンプ100が動作する限り繰り返される。
【0052】
流体ポンプ100を製造するための方法は、ポンプ本体部102の中の第1のキャビティ110を第1の可撓性部材120によって分割し、第1の対象流体チャンバ126および第1の駆動流体チャンバ127を第1のキャビティ110の中に画定するステップを含むことが可能である。同様に、方法は、ポンプ本体部102の中の第2のキャビティ112を第2の可撓性部材122によって分割し、第2の対象流体チャンバ128および第2の駆動流体チャンバ129を第2のキャビティ112の中に画定するステップを含むことが可能である。第1の可撓性部材120および第2の可撓性部材122は、少なくとも部分的にポンプ本体部102を通って延在している駆動シャフト116によって接続することが可能である。第1のシフト弁140は、ポンプ本体部102の中において、第1の可撓性部材120と第2の可撓性部材122との間で、駆動シャフト116の傍らに位置付けすることが可能である。第2のシフト弁142は、ポンプ本体部102の中において、第1の可撓性部材120と第2の可撓性部材122との間で、駆動シャフト116および第1のシフト弁140の傍らに位置付けすることが可能である。
【0053】
図11および
図12は、
図1の流体ポンプ100の中央本体部104およびモジュラーインサート144をそれぞれ図示している。
図11に示されているように、中央本体部104は、その中に形成された中央キャビティ105を有することが可能である。中央キャビティ105は、概して円筒形状、または、任意の他の選択された形状とすることが可能であり、従来の方法(例えば、機械加工、鋳造など)によって形成することが可能である。凹部146a〜146cは、中央本体部104の中に形成することが可能である。流体導管148bおよびポート150bは、中央本体部104の中に形成することが可能であり、流体導管148a、148c(
図11には示されていない)およびポート150a、150c(
図11には示されていない)も同様である。中央キャビティ105は、モジュラー受け入れキャビティ(すなわち、モジュラーインサート144を受け入れるように構成されている)とすることが可能である。
【0054】
モジュラーインサート144は、(
図1に示されているように)締まり嵌めによって中央本体部104の中に設置することが可能である。例えば、中央本体部104の中央キャビティ105は、選択された温度T
0(例えば、室温、ポンプ動作温度など)において、モジュラーインサート144の外径よりもわずかに小さい内径を有するように形成することが可能である。中央本体部104は、モジュラーインサート144の温度T
2よりも高い温度T
1に持っていくことが可能である。熱膨張に起因して、中央本体部104の中央キャビティ105は、T
1において、T
2におけるモジュラーインサート144の外径よりも大きい内径を有することが可能である。モジュラーインサート144は、干渉することなく、中央本体部104の中央キャビティ105の中へスライドすることが可能である。モジュラーインサート144および中央本体部104の温度が(例えば、T
0に向かって)平衡になるとき、モジュラーインサート144の材料は膨張することが可能であり、および/または、中央本体部104の材料は収縮することが可能である。モジュラーインサート144および/または中央本体部104は、温度が平衡になるときに弾性的に変形することが可能である。結果として、モジュラーインサート144と中央本体部104との間の境界面は、高い摩擦を提供し、モジュラーインサート144を中央本体部104の中央キャビティ105の中へロックすることが可能である。
【0055】
例えば、ポンプの公称動作温度T
0は、約60℃から約200℃(例えば、約80℃から約100℃、または、約90℃)とすることが可能である。中央本体部104が金属または金属合金から形成されている実施形態では、中央本体部104は、少なくとも約300℃、少なくとも約500℃、または少なくとも約750℃の温度T
1へ加熱することが可能である。モジュラーインサート144は、約0℃未満、約−40℃未満、または、約−100℃未満の温度T
2へ冷却することが可能である。中央本体部104がポリマー(例えば、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレンなど)から形成されている実施形態では、中央本体部104は、少なくとも約60℃、少なくとも約90℃、または、少なくとも約100℃の温度T
1へ加熱することが可能である。モジュラーインサート144は、任意の加熱または冷却なしに、中央本体部104の中へ挿入することが可能である。いくつかの実施形態では、冷却は、流体ポンプ100の構成要素の材料特性(例えば、硬度)を変化させる可能性が低いので、モジュラーインサート144の冷却は、中央本体部104の加熱にとって好ましい可能性がある。
【0056】
いくつかの実施形態では、モジュラーインサート144は、中央本体部104の中央キャビティ105の中に力によって設置することが可能である。例えば、モジュラーインサート144は、中央本体部104の中央キャビティ105の中へ液圧プレスを用いて押圧することが可能である。中央本体部104の中央キャビティ105、および/または、モジュラーインサート144は、面取りした縁部または傾斜した縁部200、202(
図12も参照されたい)を有し、中央キャビティ105の周囲部の周りに均一に力を配分することが可能であり、圧縮が徐々に起こることを可能にし、および/または、中央キャビティ105の中のモジュラーインサート144の適正なアライメントを促進する。上記に説明されている温度差の代わりに、または、上記に説明されている温度差と併用して、押圧力を使用することが可能である。中央本体部104は、中央キャビティ105の中のモジュラーインサート144の適正なアライメントを助けるために、リップ部201またはストッパーを含むことが可能である。他の実施形態(図示せず)では、モジュラーインサート144は、アライメントを助けるために、リップ部またはストッパーを含む。
【0057】
図13は、中央本体部104の中に配設されているモジュラーインサート144を示しており、締まり嵌めの誇張された表示を含む。2つの本体部の間に温度差が存在する間に(例えば、中央本体部104がT
1であり、モジュラーインサート144がT
2である間に)、モジュラーインサート144が中央本体部104の中央キャビティ105の中に挿入され、その後に温度平衡となる場合には、モジュラーインサート144の一部分が、中央本体部104の中のキャビティ146a〜146cの一部分を充填するように膨張することが可能である。同様に、モジュラーインサート144が押圧力によって中央本体部104の中に配設される場合には、インサートが中央キャビティ105の中へ押し込まれるので、モジュラーインサート144の一部分が、キャビティ146a〜146cの一部分を充填するように膨張することが可能である。換言すれば、モジュラーインサート144の一部分は、キャビティ146a〜146cに対応する長手方向の場所において、外向きに「膨れ出る」ことが可能である。モジュラーインサート144の膨れ出た部分は、追加的なロッキングメカニズム(すなわち、干渉部)を設けることが可能である。モジュラーインサート144を除去するために必要な力の大きさは、キャビティ146a〜146cのない中央キャビティ105から同様にサイズ決めされたインサートを除去するために必要な力の大きさよりも大きくなることが可能である。
【0058】
図12に示されているように、モジュラーインサート144は、その中に形成されたキャビティ152、154、156を有することが可能である。キャビティ152、154、156は、概して円筒形状、または、任意の他の選択された形状(例えば、楕円形断面、正方形断面などを有する)とすることが可能であり、従来の方法(例えば、機械加工、鋳造など)によって形成することが可能である。凹部158a〜158e、160a〜160eは、モジュラーインサート144の中に形成することが可能である。流体導管166a〜166e、168a〜168eは、モジュラーインサート144の中に形成することが可能である。スリーブ162および164(
図2)は、中央本体部104の中にモジュラーインサート144を固定することに関して上記に説明されているように、締まり嵌めによってキャビティ152および154の中にそれぞれ固定することが可能である。例えば、温度の差および/または押圧力が使用され、キャビティ152および154の中のスリーブ162および164の挿入を容易にすることが可能である。第1のシフト弁140、第2のシフト弁142、および駆動シャフト116は、それぞれ、スリーブ162、スリーブ164、およびキャビティ156の中に、スライド可能に配設することが可能である。
【0059】
いくつかの実施形態では、流体ポンプ100は、酸などのような腐食性または反応性の対象流体をポンプ送りするように構成することが可能である。そのような実施形態では、少なくとも、対象流体に接触している流体ポンプ100のすべての構成要素は、対象流体によって腐食されず、対象流体と反応しない材料のコーティングから製作することが可能であり、または、そのような材料のコーティングを有することが可能である。例えば、流体ポンプ100が酸をポンプ送りするように構成されている実施形態では、少なくとも、酸に接触している流体ポンプ100の構成要素は、ポリマー材料(例えば、熱可塑性または熱硬化性の材料)を含むことが可能である。いくつかの実施形態では、そのようなポリマー材料は、フッ素ポリマーを含むことが可能である。例として、および、限定ではなく、少なくとも、酸に接触している流体ポンプ100の構成要素は、ネオプレン、buna−N、エチレンプロピレンジエンM−クラス(EPDM)、VITON(登録商標)、ポリウレタン、HYTREL(登録商標)、SANTOPRENE(登録商標)、フッ素化エチレン−プロピレン(FEP)、パープルオロアルコキシフッ化炭素樹脂(PFA)、エチレン−クロロトリフルオロエチレンコポリマー(ECTFE)、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、ナイロン、ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、NORDEL(登録商標)、およびニトリルのうちの1つまたは複数を含むことが可能である。
【0060】
本開示の追加的な非限定的な例示的な実施形態が、以下に説明されている。
【0061】
実施形態1: 第1のキャビティおよび第2のキャビティを囲むポンプ本体部を含む流体ポンプ。第1の可撓性部材が、前記第1のキャビティの中に配設されており、第1の対象流体チャンバおよび第1の駆動流体チャンバを前記第1のキャビティの中に画定している。第2の可撓性部材が、前記第2のキャビティの中に配設されており、第2の対象流体チャンバおよび第2の駆動流体チャンバを前記第2のキャビティの中に画定している。駆動シャフトが、前記第1の可撓性部材と前記第2の可撓性部材との間に延在し、前記第1の可撓性部材および前記第2の可撓性部材のそれぞれに取り付けられており、前記ポンプ本体部の中を往復してスライドするように構成されている。第1のシフト弁が、前記第1の可撓性部材と前記第2の可撓性部材との間に配設されており、前記第1の可撓性部材の移動に応答して移動するように構成されている。第2のシフト弁が、前記第1の可撓性部材と前記第2の可撓性部材との間に配設されており、前記第2の可撓性部材の移動に応答して移動するように構成されている。前記第1のシフト弁および前記第2のシフト弁は、動作可能に連結され、前記第1の駆動流体チャンバおよび前記第2の駆動流体チャンバに駆動流体を交互のシーケンスで送達する。
【0062】
実施形態2: 前記駆動シャフトが、第1の方向にストロークの端部に到達するとき、前記第1のシフト弁が、機械的な力によって、前記第1のシフト弁の第1の位置から第2の位置へ移動させられ、前記第1のシフト弁の前記第1の位置から前記第2の位置への前記第1のシフト弁の移動は、前記駆動流体の圧力に、前記第2のシフト弁を前記第2のシフト弁の第2の位置から第1の位置へ移動させることを引き起こし、前記第2の駆動流体チャンバから前記第1の駆動流体チャンバへ前記駆動流体の送達を切り替え、前記駆動シャフトが、第2の方向にストロークの端部に到達するとき、前記第2のシフト弁が、機械的な力によって、前記第2のシフト弁の前記第1の位置から前記第2の位置へ移動させられ、前記第2のシフト弁の前記第1の位置から前記第2の位置への前記第2のシフト弁の移動は、前記駆動流体の前記圧力に、前記第1のシフト弁を前記第1のシフト弁の前記第2の位置から前記第1の位置へ移動させることを引き起こさせ、前記第1の駆動流体チャンバから前記第2の駆動流体チャンバへ前記駆動流体の送達を切り替える、実施形態1に記載の流体ポンプ。
【0063】
実施形態3: 前記第1のシフト弁の長手方向軸線、および、前記第2のシフト弁の長手方向軸線のそれぞれが、前記駆動シャフトの長手方向軸線に対して少なくとも実質的に平行に配向されている、実施形態2に記載の流体ポンプ。
【0064】
実施形態4: 前記第1のシフト弁および前記第2のシフト弁のそれぞれが、前記駆動シャフトの傍らに、および、前記ポンプ本体部の中に配設されている、実施形態1から3までのいずれか一実施形態に記載の流体ポンプ。
【0065】
実施形態5: 前記第1の可撓性部材および前記第2の可撓性部材のうちの少なくとも1つが、ダイヤフラムを含む、実施形態1から4までのいずれか一実施形態に記載の流体ポンプ。
【0066】
実施形態6: 前記ポンプ本体部が、ハウジングの中にモジュラー受け入れキャビティを画定する少なくとも1つの表面を有するハウジングと、前記モジュラー受け入れキャビティの中に配設されているモジュラーインサートとを含む、実施形態1から5までのいずれか一実施形態に記載の流体ポンプ。前記駆動シャフト、前記第1のシフト弁、および、前記第2のシフト弁が、前記モジュラーインサートの中に配設されている。
【0067】
実施形態7: 前記モジュラーインサートが、前記ハウジングとの締まり嵌めによって、前記モジュラー受け入れキャビティの中に固定されている、実施形態6に記載の流体ポンプ。
【0068】
実施形態8: 前記ハウジングおよび前記モジュラーインサートが、前記モジュラーインサートを囲む複数の駆動流体通路の少なくとも一部分を一緒に画定している、実施形態6または実施形態7に記載の流体ポンプ。
【0069】
実施形態9: 前記ハウジングの中に前記モジュラー受け入れキャビティを画定する前記少なくとも1つの表面が、その中に形成された複数の凹部を有しており、前記モジュラーインサートの外側表面が、その中に複数の突出部を有しており、前記複数の突出部が、前記複数の凹部の中へ部分的に延在しており、前記複数の駆動流体通路が、前記複数の突出部と前記複数の凹部との間に画定されている、実施形態8に記載の流体ポンプ。
【0070】
実施形態10: 前記モジュラーインサートが、第1のキャビティ、第2のキャビティ、および第3のキャビティを前記モジュラーインサートの中に画定する内側表面を有しており、第1のスリーブが、前記モジュラーインサートの中の前記第1のキャビティの中に配設されており、第2のスリーブが、前記モジュラーインサートの中の前記第2のキャビティの中に配設されており、前記駆動シャフトが、前記モジュラーインサートの中の前記第3のキャビティの中に配設されている、実施形態6から9までのいずれか一実施形態に記載の流体ポンプ。
【0071】
実施形態11: 前記第1のシフト弁が、前記第1のスリーブの中に配設されており、前記第2のシフト弁が、前記第2のスリーブの中に配設されている、実施形態10に記載の流体ポンプ。
【0072】
実施形態12: 前記第1のスリーブおよび前記第2のスリーブのそれぞれが、締まり嵌めによって、前記モジュラーインサートの中に固定されている、実施形態10または実施形態11に記載の流体ポンプ。
【0073】
実施形態13: 前記ポンプ本体部、前記第1の可撓性部材、および、前記第2の可撓性部材のうちの少なくとも1つが、フッ素ポリマーを含む、実施形態1から12までのいずれか一実施形態に記載の流体ポンプ。
【0074】
実施形態14: モジュラー受け入れキャビティをその中に有するポンプ本体部と、前記モジュラー受け入れキャビティの中に締まり嵌めによって固定されているモジュラーインサートとを含む流体ポンプ。前記ポンプ本体部および前記モジュラーインサートは、前記モジュラーインサートと前記ポンプ本体部との間の境界面において、前記モジュラーインサートの周りに延在する少なくとも1つの流体通路の少なくとも一部分を一緒に画定している。
【0075】
実施形態15: 前記ポンプ本体部の中の第1の流体キャビティおよび第2の流体キャビティと、前記第1の流体キャビティの中に配設されている第1の可撓性部材であって、前記第1の可撓性部材は、第1の対象流体チャンバおよび第1の駆動流体チャンバを前記第1の流体キャビティの中に画定している、第1の可撓性部材と、前記第2の流体キャビティの中に配設されている第2の可撓性部材であって、前記第2の可撓性部材は、第2の対象流体チャンバおよび第2の駆動流体チャンバを前記第2の流体キャビティの中に画定している、第2の可撓性部材と、前記第1の可撓性部材および前記第2の可撓性部材のそれぞれに取り付けられ、前記モジュラーインサートを通って延在する駆動シャフトであって、前記駆動シャフトは、前記モジュラーインサートを通って往復してスライドするように構成されている、駆動シャフトとをさらに含む、実施形態14に記載の流体ポンプ。
【0076】
実施形態16: 前記モジュラーインサートの中に配設されており、前記第1の可撓性部材および前記第2の可撓性部材のうちの少なくとも1つの移動に応答して移動するように構成されている、少なくとも1つのシフト弁をさらに含む、実施形態15に記載の流体ポンプ。
【0077】
実施形態17: 前記少なくとも1つのシフト弁が、第1のシフト弁および第2のシフト弁を含み、前記第1のシフト弁および前記第2のシフト弁が、動作可能に連結され、前記第1の駆動流体チャンバおよび前記第2の駆動流体チャンバに駆動流体を交互のシーケンスで送達する、実施形態16に記載の流体ポンプ。
【0078】
実施形態18: 流体ポンプを製造する方法であって、ポンプ本体部の中の第1のキャビティを第1の可撓性部材によって分割し、第1の対象流体チャンバおよび第1の駆動流体チャンバを前記第1のキャビティの中に画定するステップと、前記ポンプ本体部の中の第2のキャビティを第2の可撓性部材によって分割し、第2の対象流体チャンバおよび第2の駆動流体チャンバを前記第2のキャビティの中に画定するステップと、前記第1の可撓性部材および前記第2の可撓性部材を、前記ポンプ本体部を少なくとも部分的に通って延在する駆動シャフトに接続するステップと、第1のシフト弁を、前記ポンプ本体部の中において、前記第1の可撓性部材と前記第2の可撓性部材との間で、前記駆動シャフトの傍らに位置付けするステップと、第2のシフト弁を、前記ポンプ本体部の中において、前記第1の可撓性部材と前記第2の可撓性部材との間で、前記駆動シャフトおよび前記第1のシフト弁の傍らに位置付けするステップと、前記第1のシフト弁の第1の位置から第2の位置へ移動するように、前記第1のシフト弁を構成させるステップと、前記第2のシフト弁の前記第1の位置から前記第2の位置へ移動するように、前記第2のシフト弁を構成させるステップとを含む、方法。前記駆動シャフトが、第1の方向にストロークの端部に到達するとき、機械的な力に応答して、前記第1のシフト弁が移動し、前記第1のシフト弁の前記第1の位置から前記第2の位置への前記第1のシフト弁の移動は、前記駆動流体の圧力に、前記第2のシフト弁を前記第2のシフト弁の第2の位置から第1の位置へ移動させることを引き起こし、前記第2の駆動流体チャンバから前記第1の駆動流体チャンバへ前記駆動流体の送達を切り替える。前記駆動シャフトが、第2の方向にストロークの端部に到達するとき、機械的な力に応答して、前記第2のシフト弁が移動し、前記第2のシフト弁の前記第1の位置から前記第2の位置への前記第2のシフト弁の移動は、前記駆動流体の前記圧力に、前記第1のシフト弁を前記第1のシフト弁の前記第2の位置から前記第1の位置へ移動させることを引き起こし、前記第1の駆動流体チャンバから前記第2の駆動流体チャンバへ前記駆動流体の送達を切り替える。
【0079】
実施形態19: 前記第1のシフト弁の長手方向軸線、および、前記第2のシフト弁の長手方向軸線が、前記駆動シャフトの長手方向軸線に対して少なくとも実質的に平行に配向されるように、前記第1のシフト弁および前記第2のシフト弁のそれぞれを配向させるステップをさらに含む、実施形態18に記載の方法。
【0080】
実施形態20: 前記第1の可撓性部材、および、前記第1の可撓性部材を前記駆動シャフトに取り付けるための第1の取り付け部材のうちの少なくとも1つを、前記第1のシフト弁に当接し、前記第1のシフト弁に機械的な力を加え、前記第1のシフト弁を前記第1のシフト弁の前記第1の位置から前記第2の位置へ移動させるように構成させるステップと、前記第2の可撓性部材、および、前記第2の可撓性部材を前記駆動シャフトに取り付けるための第2の取り付け部材のうちの少なくとも1つを、前記第2のシフト弁に当接し、前記第2のシフト弁に機械的な力を加え、前記第2のシフト弁を前記第2のシフト弁前記第1の位置から前記第2の位置へ移動させるように構成させるステップとをさらに含む、実施形態18または実施形態19に記載の方法。
【0081】
実施形態21: ポンプ本体部の中の第1のキャビティを第1の可撓性部材によって分割するステップ、および、前記ポンプ本体部の中の第2のキャビティを第2の可撓性部材によって分割するステップのうちの少なくとも1つが、前記ポンプ本体部の中にインサートを固定するステップを含む、実施形態18から20までのいずれか一実施形態に記載の方法。
【0082】
実施形態22: 前記ポンプ本体部の中にインサートを固定するステップが、締まり嵌めによって、前記ポンプ本体部の中に前記インサートを固定するステップを含む、実施形態21に記載の方法。
【0083】
実施形態23: 前記インサートの中に前記駆動シャフトを配設するステップをさらに含む、実施形態21または実施形態22に記載の方法。
【0084】
実施形態24: 前記インサートと、前記第1のキャビティおよび前記第2のキャビティのうちの少なくとも1つとの間に、複数の流体通路を形成するステップをさらに含む、実施形態18から23までのいずれか一実施形態に記載の方法。
【0085】
実施形態25: 流体ポンプを製造する方法であって、ハウジングの中にモジュラー受け入れキャビティを形成するステップと、前記ハウジングの中に複数の凹部を形成するステップと、前記モジュラー受け入れキャビティの中にインサートを配設するステップと、前記インサートの中に駆動シャフトを配設するステップとを含む、方法。
【0086】
実施形態26: 前記モジュラー受け入れキャビティの中にインサートを配設するステップが、前記インサートを前記モジュラー受け入れキャビティの中に締まり嵌めによって固定するステップを含む、実施形態25に記載の方法。
【0087】
実施形態27: 前記インサートと前記モジュラー受け入れキャビティとの間に複数の流体通路を形成するステップをさらに含む、実施形態25または実施形態26に記載の方法。
【0088】
実施形態28: 第1の可撓性部材および第2の可撓性部材を前記駆動シャフトに接続するステップをさらに含む、実施形態25から27までのいずれか一実施形態に記載の方法。
【0089】
実施形態29: 前記インサートの中において、前記第1の可撓性部材と前記第2の可撓性部材との間で、前記駆動シャフトの傍らに第1のシフト弁を位置付けするステップと、前記インサートの中において、前記第1の可撓性部材と前記第2の可撓性部材との間で、前記駆動シャフトの傍らに第2のシフト弁を位置付けするステップとをさらに含む、実施形態28に記載の方法。
【0090】
実施形態30: 流体をポンプ送りする方法であって、駆動シャフトをポンプ本体部の中で第1の方向に移動させ、第1の可撓性部材に隣接する第1の対象流体チャンバから流体を吐出させ、第2の可撓性部材に隣接する第2の対象流体チャンバの中へ流体を引き込むステップと、前記ポンプ本体部の中において、前記第1の可撓性部材と前記第2の可撓性部材との間で、前記駆動シャフトの傍らに位置付けされている第1のシフト弁を、前記第2の可撓性部材の移動に応答して移動させるステップと、前記駆動シャフト、前記第1の可撓性部材、および、前記第2の可撓性部材を、前記第1の方向と反対側の第2の方向に移動させ、前記第2の対象流体チャンバから流体を吐出させ、前記第1の対象流体チャンバの中へ流体を引き込むステップと、前記ポンプ本体部の中において、前記第1の可撓性部材と前記第2の可撓性部材との間で、前記駆動シャフトの傍らに位置付けされている第2のシフト弁を、前記第1の可撓性部材の移動に応答して移動させるステップとを含む、方法。前記第1の可撓性部材は、前記駆動シャフトの第1の端部に取り付けられており、前記第2の可撓性部材は、前記駆動シャフトの反対側の第2の端部に取り付けられている。
【0091】
実施形態31: 前記第2のシフト弁を移動させるステップが、前記第1の可撓性部材および第1のシーリング取り付け部材のうちの少なくとも1つを前記第2のシフト弁に当接させるステップを含み、前記第1のシフト弁を移動させるステップが、前記第2の可撓性部材および第2のシーリング取り付け部材のうちの少なくとも1つを前記第1のシフト弁に当接させるステップを含む、実施形態30に記載の方法。
【0092】
特定の実施形態が、添付の図面において説明され、示されてきたが、そのような実施形態は、単に例示目的のためのものであり、本開示の範囲を制限しようとするものではなく、本開示は、示されて説明されている特定の構成および配置に限定されない。なぜなら、説明されている実施形態への様々な他の追加および修正、ならびに、説明されている実施形態からの削除が、当業者には明らかとなるからである。したがって、本開示の範囲は、以下に続く請求項の文言通りの言語および法上の均等物によってのみ、限定される。