(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
親水性ポリオレフィンが、ポリオレフィンの重量に対して少なくとも10重量%のポリエチレングリコール(PEG)および/または金属塩を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の使用。
親水性ポリオレフィンが、ポリオレフィンの重量に対して少なくとも20重量%のポリエチレングリコール(PEG)および/または金属塩を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の使用。
親水性ポリオレフィンが、ポリオレフィンの重量に対して少なくとも30重量%のポリエチレングリコール(PEG)および/または金属塩を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の使用。
官能化ポリオレフィンが、不飽和カルボン酸、不飽和無水カルボン酸、ビニルモノマー、アクリルモノマーおよびこれらの混合物から成る群より選ばれるモノマーによるグラフト化を含む、請求項11から15のいずれか一項に記載のフィルム。
官能化ポリオレフィンが、エチレン/アクリル酸エステルコポリマー、エチレン/アクリル酸エステル/無水マレイン酸コポリマーおよびエチレン/アクリル酸エステル/グリシジルメタクリレートコポリマーから成る群より選ばれる、請求項16に記載の防水通気性フィルム。
前記少なくとも1つの織物材料が、フェルト、フィルタ、フィルム、ガーゼ、クロス、包帯、層、布、ニットウェア製品、衣類製品、衣服、寝具製品、家具製品、カーテン、コンパートメントカバー、機能性技術的織物、ジオテキスタイルおよび/またはアグロテキスタイルを構成する、請求項24から28のいずれか一項に記載の積層体。
医療分野、衛生、旅行携行品、衣類産業、衣服産業、家庭または家事用品、家具、敷き詰めカーペット、自動車産業、産業、産業用濾過、農業および/または建築産業における、請求項11から18のいずれか一項に記載のフィルムの請求項30に記載の使用。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明をここでより詳細に、続く記載における暗黙の制限なしに説明する。
【0028】
本発明によるアロイで使用する親水性官能化ポリオレフィンは、ポリオレフィン主鎖の無水物、酸またはエポキシド官能基を含む不飽和モノマーによるグラフト化のいずれかによって得られ、この親水性官能化ポリオレフィンが一般にアミノ末端を含むポリエーテル単位、特にポリオキシエチレングリコール(PEG)単位によってグラフトされる、および/またはポリオレフィンがアイオノマーとなるように、前記不飽和モノマーが金属塩を形成する。
【0029】
ポリオレフィン主鎖は、本発明の意味の範囲内で、α−オレフィンまたはジオレフィンのホモポリマーまたはコポリマーであるポリオレフィン、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−オクテンまたはブタジエンを意味すると理解される。任意のコモノマーとしては、3から30個の炭素原子を有するα−オレフィンの例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン3−メチル−1−ペンテン1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、1−ドコセン、1−テトラコセン、1−ヘキサコセン、1−オクタコセンおよび1−トリアコンテンが挙げられる。これらのα−オレフィンは、単独でまたは2つ以上の混合物として使用できる。
【0030】
ポリオレフィンの例として挙げられるのは:
―エチレンのホモポリマーおよびコポリマー、特にポリエチレンの例としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、メタロセン触媒によって得たポリエチレン、即ちジルコニウムまたはチタン原子および金属に結合した2個の環式アルキル分子を一般に含むシングルサイト触媒の存在下で、エチレンおよびα−オレフィンの共重合によって得たポリマー、例えばプロピレン、ブテン、ヘキセンまたはオクテンが挙げられる。より具体的には、メタロセン触媒は通常、金属に結合した2個のシクロペンタジエン環で構成されている。これらの触媒は、共触媒または活性化剤としてのアルミノオキサン、好ましくはメチルアルミノオキサン(MAO)と共によく使用される。ハフニウムは、シクロペンタンジエンが結合される金属としても使用できる。他のメタロセンは、第IVa、VaおよびVIa族の遷移金属を含むことができる。ランタニド系列の金属も使用できる。
―プロピレンホモポリマーまたはコポリマー、
―エチレン/α−オレフィンコポリマー、例えばエチレン/プロピレン、EPR(エチレン/プロピレンゴムの省略形)およびエチレン/プロピレン/ジエン(EPDM)、
―スチレン/エチレン−ブテン/スチレン(SEBS)、スチレン/ブタジエン/スチレン(SBS)、スチレン/イソプレン/スチレン(SIS)またはスチレン/エチレン−プロピレン/スチレン(SEPS)ブロックコポリマー、
―エチレンと、不飽和カルボン酸の塩またはエステルより選ばれる少なくとも1つの生成物、例えばアルキルが最大24個の炭素原子を有することができるアルキル(メタ)アクリレートとのコポリマーである。
【0031】
アルキルアクリレートまたはメタクリレートの例としては、特に、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレートまたは2−エチルヘキシルアクリレート、
―飽和カルボン酸のビニルエステル、例えばビニルアセテートまたはプロピオネート、
―不飽和エポキシドである。
【0032】
不飽和エポキシドの例としては、特に、
―脂肪族グリシジルエステルおよびエーテル、例えばアリルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、グリシジルマレエート、グリシジルイタコネート、グリシジルアクリレートおよびグリシジルメタクリレートならびに、
―脂環式グリシジルエステルおよびエーテル、例えば2−シクロヘキセン−1−イルグリシジルエーテル、ジグリシジルシクロヘキセン−4,5−ジカルボキシレート、グリシジルシクロヘキセン−4−カルボキシレート、グリシジル5−ノルボルネン−2−メチル−2−カルボキシレートおよびジグリシジルエンド−cis−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシレート、
―不飽和カルボン酸、その塩またはその無水物が挙げられる。
【0033】
無水不飽和ジカルボン酸の例としては、特に、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸または無水テトラヒドロフタル酸、
―ジエン、例えば、1,4−ヘキサジエン、
またはコモノマーの割合が40重量%に達することが可能である飽和カルボン酸のビニルエステル、例えばビニルアセテート、
―EPR(エチレン/プロピレンゴム)エラストマー、
―EPDM(エチレン/プロピレン/ジエン)エラストマー、
―ポリエチレンとEPRまたはEPDMとのブレンド、
―最大60重量%の、好ましくはから2から40%の(メタ)アクリレートを含むことができるエチレン/アルキル(メタ)アクリレートコポリマー、
―3つのモノマーの共重合によって得られ、(メタ)アクリレートの割合が上のコポリマーと同じであり、無水マレイン酸の量が最大10重量%、好ましくは0.2%から6重量%である、エチレン/アルキル(メタ)アクリレート/無水マレイン酸コポリマー、
―3つのモノマーの共重合によって得られ、割合が先行するコポリマーと同じである、エチレン/ビニルアセテート/無水マレイン酸コポリマーが挙げられる。
【0034】
例としては、エチレンコポリマー、例えばエチレンとビニルアセテートとの高圧下でのラジカル経路によって得られるコポリマー、1から24個の炭素原子、好都合には1から9個の炭素原子を有するアルコールとの(メタ)アクリル酸エステル、またはエチレンと共重合できる不飽和モノマー、例えばアクリル酸、無水マレイン酸またはグリシジルメタクリレートから選ばれる第3のモノマーをさらに使用するラジカルターポリマーが挙げられる。これらの可撓性コポリマーは、3から8個の炭素原子のα−オレフィンとのコポリマー例えばEPR、またはメタロセンまたはチーグラー・ナッタ触媒作用によって得られる0.860から0.910g/cm
3の密度を有する、エチレンとブテン、ヘキセンまたはオクテンとの超低密度コポリマーであることもできる。可撓性ポリオレフィンは、2つ以上の可撓性ポリオレフィンのブレンドを意味するとも理解される。
【0035】
本発明は、エチレンおよびアルキル(メタ)アクリレートのコポリマーに対して特に有用である。アルキルは最大24個の炭素原子を有することができる。好ましくは、(メタ)アクリレートは上で挙げたものから選ばれる。これらのコポリマーは好都合には、最大40重量%の、好ましくは3重量%から35重量%の(メタ)アクリレートを含む。そのMFIは好都合には、0.1から50である(190℃、2.16kgにて)。
【0036】
不飽和モノマーXに関して、例えば無水不飽和カルボン酸であることができる。無水不飽和カルボン酸は例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水アリルコハク酸、シクロヘキサ−4−エン−1,2−無水ジカルボン酸、4−メチレンシクロヘキサ−4−エン−1,2−無水ジカルボン酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3−無水ジカルボン酸およびx−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,2−無水ジカルボン酸から選ぶことができる。好都合には、無水マレイン酸が使用される。無水物の全部または一部を、不飽和カルボン酸、例えば(メタ)アクリル酸で置き換えることは、本発明から逸脱しない。
【0037】
モノマーは、脂肪族グリシジルエステルまたはエーテル型の不飽和エポキシド例えばアリルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、グリシジルマレエート、グリシジルイタコネート、グリシジルアクリレートおよびグリシジルメタクリレートであることもできる。
【0038】
好都合には、X残基が結合しているポリオレフィン主鎖は、Xがグラフトされたポリエチレンまたは例えばラジカル重合によって得られるエチレンおよびXのコポリマーである。
【0039】
好都合には、エチレン/無水マレイン酸およびエチレン/アルキル(メタ)アクリレート/無水マレイン酸コポリマーが使用される。これらのコポリマーは、0.2%から10重量%の無水マレイン酸および0%から40重量%の、好ましくは5%から40重量%のアルキル(メタ)アクリレートを含む。そのMFIは、5から100の間である(190℃、2.16kg)。アルキル(メタ)アクリレートはすでに上述している。融点は60℃から100℃の間である。
【0040】
アミン末端を有するポリエーテル単位またはポリエーテルアミンに関して、これらは好ましくはモノアミンであるだけではなく、約100から12000g/molの間の分子量を有するポリアミンでもある。これらのポリエーテルアミンのポリエーテルブロックは、環式エーテルの付加生成物、例えばエチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)または特にエチレングリコール、グリセロール、1,2−プロパンジオールおよびペンタエリスリトールから成る群より選ばれるグリコールを含むそれらのブレンドである。
本発明によるポリエチレングリコール(PEG)型のポリエーテルブロックは、場合により、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールのコポリマー、ポリ(1,2−ブチレングリコール)およびポリ(テトラメチレングリコール)(PTMG)と組合せて使用される。本発明により使用するポリエーテルは、特に特許US 3 654 370、US 4 152 353、US 4 618 717およびUS 5 457 147に記載されているような周知のアミノ化方法によって得ることができる。
【0041】
好ましくは、短セグメントの形態のポリエチレングリコールモノアミンコポリマー型のポリエーテル単位またはブロックが使用される(100から10000g/molの、好ましくは250から5000g/molの間のMn);このようなポリエーテルモノアミン化合物は、特に特許WO 98/51742およびUS 6 465 606に記載されている。
【0042】
しかし、他のポリエーテル、例えばポリプロピレングリコール(PPG)またはポリテトラメチレングリコール(PTMG)またはこれらのコポリマーもしくはこれらのブレンドも使用できる。Xを含むポリオレフィン主鎖へのポリエーテルモノアミン単位の付加は、ポリエーテルのアミン官能基とXとの反応によって行う。好都合には、Xが酸または無水物官能基を有する場合、このためイミドまたはアミド結合が生成される。
【0043】
好都合には、ポリオレフィン主鎖に結合された鎖当たりのXは、平均で0.1%から25重量%である。当業者は、これらの量をFTIR分析によって容易に決定できる。
【0044】
Xを含むポリオレフィン主鎖へのアミン末端を有するポリエーテルの付加は、好ましくは溶融状態で行う。このため押出機内で、ポリエーテルおよび主鎖を一般に150℃から300℃の温度にて混練することが可能である。
【0045】
アミン末端を有するポリエーテルの量の、ブレンドとして導入される官能化ポリオレフィンの量に対する重量比は、1/99から80/20、好ましくは20/80から50/50である。
【0046】
ポリオレフィンは、本発明のポリエーテル単位をグラフトした官能化ポリオレフィンとブレンドすることができる;ポリオレフィン主鎖について後述するいずれの種類のポリオレフィンも使用してよい;特に、エチレンおよびアルキル(メタ)アクリレートのコポリマーはとりわけ適切である。
【0047】
本発明の組成物は、押出機(単軸または二軸押出機)、ブース(Buss)共混練機、インターナルミキサおよび一般に熱可塑性物質をブレンドするための通常の装置、好ましくは共回転二軸押出機での溶融ブレンドによって調製できる。
【0048】
本発明の組成物は、押出機内にて1段階で調製できる。官能化ポリオレフィン(例えばエチレン/アルキル(メタ)アクリレート/無水マレイン酸コポリマー)および次にアミン末端を有するポリマーは、第1ゾーンに導入される。
【0049】
押出機内での溶融材料の平均滞留時間は5秒から10分、好ましくは10から60秒であることができる。この付加の収率は、遊離ポリエーテル、即ちポリエーテルブロックを含む最終グラフト化コポリマーを形成するために反応しなかったポリエーテルを選択的に抽出することによって評価する。
【0050】
好都合には、グラフト化ポリエーテルブロックの割合は、導入された量の約50%である。
【0051】
本発明の組成物は、各種の添加剤、特にスリップ剤、例えばシリカ、N,N’−エチレンビスアミド、カルシウムステアレートまたはマグネシウムステアレートも含むことができる。これらは抗酸化剤、UV安定剤、無機充填剤または着色顔料も含むことができる。
【0052】
別の実施形態において、本発明によるアロイで使用する親水性官能化ポリオレフィンは、アイオノマー親水性ポリオレフィン(以下「アイオノマー」)から選ばれる。アイオノマーは、本発明の意味の範囲内で、オレフィン、例えばエチレンと、不飽和カルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸またはマレイン酸の金属塩および場合により他のコモノマーとのイオン性コポリマーを意味すると理解される。アルカリ金属、遷移金属またはアルカリ土類金属、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムもしくは亜鉛の少なくとも1つのカチオンまたはこれらのカチオンの組合せが使用され、コポリマー中の酸基の一部が中和されて、改善された特性を示す熱可塑性樹脂を生じる。
【0053】
例えば「エチレン/(メタ)アクリル酸(E/(M)AAと省略)」は、エチレン(Eと省略)およびアクリル酸(AA)のコポリマーならびに/またはエチレンおよびメタクリル酸(MAA)のコポリマーを示し、コポリマーは続いて、1つ以上のアルカリ金属、遷移金属またはアルカリ土類金属のカチオンによって少なくとも部分的に中和されてアイオノマーを形成する。特に、カリウムカチオンによって少なくとも部分的に中和されたアイオノマーが挙げられる。
【0054】
ターポリマーも、オレフィン、例えばエチレン、不飽和カルボン酸および中和されて(可撓性)アイオノマーを形成することができる他のコモノマー、例えばアルキル(メタ)アクリレート(より可撓性の樹脂を提供)から作製できる。
【0055】
好都合な実施形態において、本発明によるアロイで使用するアイオノマーポリオレフィンは、
(i)少なくとも1つのE/X/Y(Eはエチレンコポリマーであり、Xは、α,β−不飽和C
3−C
8カルボン酸であり、Yは、アルキル基が1から8個の炭素原子を有する、アルキルアクリレートおよびアルキルメタクリレートから選ばれるコモノマーであり、XはE/X/Yコポリマーの約2から30重量%であり、YはE/X/Yコポリマーの約0から40重量%である。)ならびに
(ii)カルボン酸官能基がカリウムによって少なくとも部分的に中和されている、1つ以上の有機酸またはその塩を含む。
【0056】
本発明で特に好ましいアイオノマーは、2%から30重量%の、少なくとも部分的に中和された、80000から500000の範囲内の平均分子量を有する(M)AAを有するE/(M)AAジポリマーである。
【0057】
中和は、最初にE/(M)AAコポリマーを作製し、次にコポリマーをアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属(1つまたは複数の)無機塩基または(1つまたは複数の)遷移金属カチオンによって処理することにより行うことができる。
【0058】
本発明によるアイオノマーポリオレフィンは、カリウムによって少なくとも部分的に中和されるが、(例えばナトリウム、マグネシウムまたは亜鉛の)他のカチオンも、本発明のアイオノマーポリオレフィン組成物中に存在できる。
【0059】
コポリマーのアイオノマーの調製方法は当業者に周知である。例えばエチレンおよびα,β−不飽和C
3からC
8カルボン酸のコポリマーは、溶融状態にされて、次に少なくとも部分的に中和される。
【0060】
上で示したように、酸/エチレンアイオノマーは、溶融状態で他のアイオノマーもしくはポリマーでブレンドする、および/または有機酸もしくはその塩の包含によって修飾することができる。上のコポリマーは、有機酸またはその塩、特に脂肪族有機酸またはその塩、6から36個の炭素原子を有する単官能性有機酸またはその塩とブレンドされる。好ましくは、少なくとも部分中和有機酸は、36個未満の炭素原子を有する単官能性脂肪族酸またはこれらの塩である。好ましくは、ブレンド中のすべての酸構成成分の80%超が中和される;好ましくは90%超が中和される。より好ましくは、アイオノマーポリオレフィン中の酸構成成分の100%がカリウムによって中和される。
【0061】
本発明のこの具体的な実施形態において、本発明の組成物中の酸性構成要素は、カリウムによって少なくとも部分的に中和される。本発明で使用する有機酸またはこれらの酸の塩は、好ましくはステアリン脂肪酸、オレイン脂肪酸、エルカ酸およびベヘン酸より選ばれる。ステアリン酸およびオレイン酸が好ましい。
【0062】
好ましくは、有機酸またはその塩は、コポリマーおよび有機酸の全量の少なくとも5(重量)%の量で添加される。より好ましくは、有機酸またはその塩は、少なくとも15%の、より好ましくはなお少なくとも30%の量で添加される。好ましくは、有機酸は、ポリマーおよび有機酸の全量に対して、最大50(重量)%に及ぶ量で添加される。有機酸またはその塩が最大45%に及ぶ量で添加されるポリオレフィン組成物が好ましい。
【0063】
アイオノマーは場合により、ポリマーの結晶性を妨害する第3のモノマーを含むことができる。α−オレフィンがエチレンであるこれらの酸コポリマーはE/X/Yで示され、Eはエチレンであり、Xはα,β−不飽和カルボン酸、特にアクリル酸またはメタクリル酸であり、Yはコモノマーである。この場合の好ましいコモノマーは、C
1からC
8のコモノマー、例えばアルキルアクリレートまたはメタクリレートエステルである。Xは通例、コポリマーの最大35重量%であり、Yは通例、コポリマーの最大50重量%である。
【0064】
エチレンおよび酸をベースとするコポリマーは特に、ターポリマー、例えばエチレン/(メタ)アクリル酸/n−ブチル(メタ)アクリレート、エチレン/(メタ)アクリル酸/イソブチル(メタ)アクリレート、エチレン/(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレートまたはエチレン/(メタ)アクリル酸/エチル(メタ)アクリレート、特にエチレン/(メタ)アクリル酸/ブチル(メタ)アクリレートコポリマーである。
【0065】
本発明のアイオノマーは、(a)(1)エチレンおよびα,β−不飽和C
3からC
8の酸を溶融ブレンドすることならびに(b)すべての酸基を所望のレベルに中和するために、水の存在下で十分な量のカチオン源(好ましくはカリウムカチオンを少なくとも部分的に含む。)を添加することによって製造できる。
【0066】
本発明の具体的な実施形態のアイオノマーおよび有機酸のブレンドは、有機酸(または後者の塩)を別に作製した溶融状態のアイオノマーと溶融ブレンドして、続いて場合により、得られたアイオノマーおよび有機酸のブレンドを所望のレベルに中和するために、ブレンドを同じまたは異なるカチオンによって中和することによって製造できる。好ましくは、非中和ターポリマーおよび有機酸をバルクブレンドし、次にインサイチューで中和する。この場合、1段階で所望の中和レベルを達成することができる。
【0067】
例えば(メタ)アクリル酸を含むエチレンコポリマーは、カリウムステアレート(もしくは他の有機酸のカリウム塩);または別の形態において、ステアリン酸(もしくは他の有機酸)のいずれかと溶融ブレンドして、次に100%を含む各種の中和度によって有機酸中で修飾したコポリマーを、カリウムで修飾した酸アイオノマーに変換するために、インサイチューでカリウムカチオン源によって中和することができる。
【0068】
本発明で使用する有機酸としては、(飽和、不飽和または多価不飽和)単官能性脂肪族酸、特に6から36個の炭素原子を有するものが挙げられる。本発明において好ましい有機酸としては、カプロン酸、カプリル酸、ラウリル酸、ステアリン酸、ベヘン酸、エルカ酸、オレイン酸およびリノール酸が挙げられる。本発明における、ステアリン酸および/またはオレイン酸の分枝異性体、例えば2−メチルステアリン酸およびその塩ならびに2−メチルオレイン酸および後者の塩の使用にも留意すべきである。ヒドロキシル化酸、例えば12−ヒドロキシステアリン酸が好ましい。好ましくは、これらの酸のカリウム塩が使用される。
【0069】
アイオノマー親水性ポリオレフィンに好ましい不飽和カルボン酸の例は、特に、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、無水マレイン酸、モノメチルマレエート、モノエチルマレエートなど;アクリル酸および/またはメタクリル酸が特に好ましい。共重合構成成分として作用できる極性モノマーの例としては、ビニルエステル、例えばビニルアセテートおよびビニルプロピオネート;不飽和カルボン酸のエステル、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレートアクリレート、メチルメタクリレート、ジメチルマレエートおよびジエチルマレエート、一酸化炭素などが挙げられ;特に不飽和カルボン酸のエステルが適切な共重合構成成分である。
【0070】
亜鉛アイオノマーであるエチレン/不飽和カルボン酸コポリマー、特に1%から25重量%、特に5%から20重量%の不飽和カルボン酸の含有量を有するものも挙げられる。共重合できる極性モノマーの含有率は、例えば40重量%以下、好ましくは30%以下である。亜鉛アイオノマーは、好ましくは約10%から90%の、特に約15%から80%の中和度を有する。
【0071】
さらに、コポリマーを1つ以上の従来のアイオノマーコポリマー(例えばジポリマー、ターポリマーなど)とブレンドすることができる、および/またはコポリマーを1つ以上の従来の熱可塑性樹脂、好ましくは親水性熱可塑性樹脂とブレンドすることができる。具体的には、生成物の特性を調整するために、本発明のアイオノマーを非イオン性熱可塑性樹脂とブレンドすることができる。非イオン性熱可塑性樹脂としては、特に熱可塑性エラストマー、例えばポリウレタン、ポリエーテルエステル、ポリアミドエーテル、ポリエーテル尿素、PEBAX(アルケマ(Arkema)が市販しているポリエーテルブロックアミドをベースとするブロックコポリマー種);スチレン/ブタジエン/スチレンブロックコポリマー(SBS);スチレン/(エチレン−ブチレンブロックコポリマー)/スチレンなど、ポリアミド(オリゴマー性またはポリマー性)、ポリエステル、ポリビニルアルコール;PE、PP、E/Pコポリマーなどを含むポリオレフィン;エチレンと多様なコモノマー、例えばビニルアセテート、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、エポキシ官能化モノマー、CO、ビニルアルコールなどとのコポリマー、無水マレイン酸などのグラフト化、エポキシ化によって官能化されたポリマー、メタロセンによって触媒されたエラストマー、例えばEPDMおよびPEコポリマーなどが挙げられる。
【0072】
好都合には、本発明で使用するアロイはさらに、ポリアミドブロックおよびPEGブロックを含むコポリマー(PEBA)、ポリエステルブロックおよびPEGブロックを含むコポリマー(COPE)、ポリウレタンブロックおよびPEGブロックを含むコポリマー(TPU)ならびにそれらのブレンドから選ばれる少なくとも1つの他の親水性TPEをさらに含み、前記親水性TPEは好ましくは、アロイの重量の1%から99%の、好ましくは20%から80%の含有率である。
【0073】
熱可塑性エラストマーポリマー(TPE)は、(むしろ熱可塑性挙動を有する)「硬質」または「合成」ブロックまたはセグメントおよび(むしろエラストマー性挙動を有する)「軟質」または「可撓性」ブロックまたはセグメントを交互に含むブロックコポリマーを意味すると理解される。硬質ブロックおよび軟質ブロックを含むコポリマーの例としては、それぞれ(a)ポリエステルブロックおよびポリエーテルブロックを含むコポリマー(以下、COPEまたはコポリエーテルエステル)、(b)ポリウレタンブロックおよびポリエーテルまたはポリエステルブロックを含むコポリマー(熱可塑性ポリウレタンの省略形であるTPUとしても公知)ならびに(c)ポリアミドブロックおよびポリエーテルブロックを含むコポリマー(IUPACによるPEBAとしても公知)が挙げられる。
【0074】
(a)COPE、即ちコポリエーテルエステルに関して、これらはポリエステルブロックおよびポリエーテルブロックを含むコポリマーである。これらは、ポリエーテルジオールから生じる軟質ポリエーテルブロックおよび少なくとも1つのジカルボン酸と少なくとも1つの連鎖延長短ジオール単位との反応から生じる合成ポリエステルブロックで構成される。ポリエステルブロックおよびポリエーテルブロックは、ジカルボン酸の酸官能基とポリエーテルジオールのOH官能基との反応から生じるエステル結合を介して結合されている。ポリエーテルと二酸との結合によって軟質ブロックが形成されるのに対して、グリコールまたはブタンジオールと二酸との結合によってコポリエーテルエステルの剛性ブロックが形成される。連鎖延長短ジオールは、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノールおよび式HO(CH
2)
nOH(式中、nは2から10の値を有する整数である。)の脂肪族グリコールから成る群より選ぶことができる。
【0075】
好都合には、二酸は8から14個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸である。芳香族ジカルボン酸の最大50mol%を8から14個の炭素原子を有する、少なくとも1つの他の芳香族ジカルボン酸で置き換えられるか、および/または最大20mol%を2から14個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸で置き換えることができる。
【0076】
芳香族ジカルボン酸の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ビ安息香酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニレンジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、エチレンビス(p−安息香酸)、1,4−テトラメチレンビス(p−オキシ安息香酸)、エチレンビス(p−オキシ安息香酸)または1,3−トリメチレンビス(p−オキシ安息香酸)が挙げられる。
【0077】
グリコールの例としては、エチレングリコール、1,3−トリメチレングリコール、1,4−テトラメチレングリコール、1,6−ヘキサメチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,8−オクタメチレングリコール、1,10−デカメチレングリコールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールが挙げられる。ポリエステルブロックおよびポリエーテルブロックを含むコポリマーは、例えばポリエーテルジオール、例えばポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリトリメチレングリコール(PO3G)またはポリテトラメチレングリコール(PTMG)に由来するポリエーテル単位、ジカルボン酸単位、例えばテレフタル酸、およびグリコール(エタンジオール)または1,4−ブタンジオール単位を有するコポリマーである。このようなコポリエーテルエステルは、EP 402 883およびEP 405 227に記載されている。これらのポリエーテルエステルは熱可塑性エラストマーである。これらは可塑剤を含むことができる。
【0078】
(b)TPUに関して、ポリエーテルジオールである軟質ポリエーテルブロックと、芳香族ジイソシアネート(例えば、MDI、TDI)および脂肪族ジイソシアネート(例えば、HDIまたはヘキサメチレンジイソシアネート)より選ぶことができる少なくとも1つのジイソシアネートと少なくとも1つの短ジオールとの反応より生じる剛性ポリウレタンブロックとの縮合より生じる、ポリエーテルウレタンが挙げられる。連鎖延長短ジオールは、コポリエーテルエステルの記載で上述したグリコールより選ぶことができる。ポリウレタンブロックおよびポリエーテルブロックは、イソシアネート官能基とポリエーテルジオールのOH官能基との反応から生じる結合を介して結合されている。
【0079】
ポリエステルジオールである軟質ポリエステルブロック、少なくとも1つのジイソシアネートと少なくとも1つの短ジオールとの反応から生じる剛性ポリウレタンブロックとの縮合から生じるポリエステルウレタンも挙げられる。ポリエステルジオールは、好都合には2から14個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸から選ばれるジカルボン酸と、コポリエーテルエステルの記載で上述したグリコールから選ばれる連鎖延長短ジオールであるグリコールとの縮合から生じる。これらは可塑剤を含むことができる。
【0080】
(c)「PEBA」、即ちポリエーテルブロックおよびポリアミドブロックを含むコポリマーに関して、これらは、反応性末端を含むポリアミドブロックと、反応性末端を含むポリエーテルブロックとの、例えば特に、
1)ジアミン鎖末端を含むポリアミドブロックとジカルボキシル鎖末端を含むポリオキシアルキレンブロックとの;
2)ジカルボキシル鎖末端を含むポリアミドブロックと、ポリエーテルジオールとして公知の脂肪族α,ω−ジヒドロキシル化ポリオキシアルキレンブロックのシアノエチル化および水素添加より得られる、ジアミン鎖末端を含むポリオキシアルキレンブロックとの;
3)ジカルボキシル鎖末端を含むポリアミドブロックと、ポリエーテルエステルアミドである、この特定の場合に得られた生成物であるポリエーテルジオールとの、重縮合から生じる。
【0081】
ジカルボキシル鎖末端を含むポリアミドブロックは、例えば連鎖制限ジカルボン酸の存在下でのポリアミドの前駆体の縮合から生じる。ジアミン鎖末端を含むポリアミドブロックは、例えば連鎖制限ジアミンの存在下でのポリアミドの前駆体の縮合から生じる。
【0082】
ポリアミドブロックの数平均分子量Mnは、400から20000g/mol、好ましくは500から10000g/molである。
【0083】
ポリアミドブロックおよびポリエーテルブロックを含むポリマーは、ランダム分散単位も含むことができる。
【0084】
3種類のポリアミドブロックを好都合に使用してよい。
【0085】
第1の種類により、ポリアミドブロックは、ジカルボン酸、特に4から20個の炭素原子を有するジカルボン酸、好ましくは6から18個の炭素原子を有するジカルボン酸と、脂肪族または芳香族ジアミン、特に2から20個の炭素原子を有するジアミン、好ましくは6から14個の炭素原子を有するジアミンとの縮合から生じる。
【0086】
ジカルボン酸の例としては、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ブタン二酸、アジピン酸、アゼライン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン−ジカルボン酸およびオクタデカンジカルボン酸ならびテレフタル酸およびイソフタル酸が、しかし二量体化脂肪酸も挙げられる。
【0087】
ジアミンの例としては、テトラ−メチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,10−デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン(BACM)、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン(BMACM)および2,2−ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)プロパン(BMACP)およびジ(パラ−アミノシクロヘキシル)メタン(PACM)の異性体、ならびにイソホロンジアミン(IPDA)、2,6−ビス(アミノメチル)ノルボルナン(BAMN)およびピペラジン(Pip)が挙げられる。
【0088】
以下のブロック、PA4.12、PA4.14、PA4.18、PA6.10、PA6.12、PA6.14、PA6.18、PA9.12、PA10.10、PA10.12、PA10.14およびPA10.18が好都合に存在し、最初の数字がジアミンの炭素原子数を示し、2番目の数字がジカルボン酸の炭素原子数を示す。
【0089】
第2の種類によると、ポリアミドブロックは、4個から12個の炭素原子を有するジカルボン酸またはジアミンの存在下での、1つ以上のα,ω−アミノカルボン酸および/または6個から12個の炭素原子を有する1つ以上のラクタムの縮合から生じる。ラクタムの例としては、カプロラクタム、オエナントラクタムおよびラウリルラクタムが挙げられる。α,ω−アミノカルボン酸の例としては、アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、11−アミノウンデカン酸および12−アミノドデカン酸が挙げられる。
【0090】
好都合には、第2の種類のポリアミドブロックは、ポリアミド11の、ポリアミド12の、またはポリアミド6のポリアミドブロックである。
【0091】
第3の種類によれば、ポリアミドブロックは、少なくとも1つのα,ω−アミノカルボン酸(または1つのラクタム)、少なくとも1つのジアミンおよび少なくとも1つのジカルボン酸の縮合から生じる。
【0092】
この場合、ポリアミドPAブロックは、
X個の炭素原子を有する直鎖脂肪族または芳香族ジアミンまたはジアミン;
Y個の炭素原子を有する1つ以上のジカルボン酸;ならびに
Z個の炭素原子を有するラクタムおよびα,ω−アミノカルボン酸ならびにX1個の炭素原子を有する少なくとも1つのジアミンおよびY1個の炭素原子を有する少なくとも1つのジカルボン酸の等モル混合物((X1、Y1)は(X、Y)とは異なる。)より選ばれる1つ以上のコモノマー{Z}であって
前記配合されたポリアミド前駆体モノマーに対して最大50%に、好ましくは最大20%に、より好都合にはなお最大10%に及ぶ重量割合で導入される1つ以上のコモノマー{Z}の重縮合によって;
ジカルボン酸から選ばれる連鎖制限剤の存在下で調製される。
【0093】
好都合には、Y個の炭素原子を有するジカルボン酸が使用され、ジアミンまたはジアミンの化学量論に対して過剰に導入される。
【0094】
この第3の種類の別の形態において、ポリアミドブロックは、少なくとも2つのα,ω−アミノカルボン酸または6個から12個の炭素原子を有する少なくとも2つのラクタムまたは同数の炭素原子を有さないラクタムおよびアミノカルボン酸の縮合から、場合により連鎖制限剤の存在下で生じる。脂肪族α,ω−アミノカルボン酸の例としては、アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、11−アミノウンデカン酸および12−アミノ−ドデカン酸が挙げられる。ラクタムの例としては、カプロラクタム、オエナントラクタムおよびラウリルラクタムが挙げられる。脂肪族ジアミンの例としては、ヘキサメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミンおよびトリメチルヘキサメチレンジアミンが挙げられる。脂環式二酸の例としては、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸が挙げられる。脂肪族二酸の例としては、ブタン二酸、アジピン酸、アゼライン酸、スベリン酸、セバシン酸およびドデカンジカルボン酸、二量体化脂肪酸(これらの二量体化脂肪酸は、好ましくは少なくとも98%の二量体含有率を有する;好ましくは、これらは水素添加されている;これらはユニケマ(Uniqema)から商品名プリポール(Pripol)(登録商標)で、またはヘンケル(Henkel)から商品名エンポール(登録商標)で販売されている。)およびポリオキシアルキレン−α,ω−二酸が挙げられる。芳香族二酸の例としては、テレフタル酸(T)酸およびイソフタル(I)酸が挙げられる。脂環式ジアミンの例としては、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン(BACM)、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン(BMACM)および2,2−ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)プロパン(BMACP)ならびにジ(パラ−アミノシクロヘキシル)メタン(PACM)が挙げられる。よく使用される他のジアミンは、イソホロンジアミン(IPDA)、2,6−ビス(アミノメチル)ノルボルナン(BAMN)およびピペラジンであることができる。
【0095】
第3の種類のポリアミドブロックの例としては、以下が挙げられる:
―6.6がアジピン酸と縮合されたヘキサメチレンジアミン単位を示し、6がカプロラクタムの縮合から生じる単位を示す6.6/6、
―6.6がアジピン酸と縮合されたヘキサメチレンジアミン単位を示し、6.10がセバシン酸と縮合されたヘキサメチレンジアミンを示し、11がアミノウンデカン酸の縮合から生じる単位を示し、12がラウリルラクタムの縮合から生じる単位を示す6.6/6.10/11/12。
【0096】
好ましくは、ポリマーは、1%から80重量%のポリエーテルブロックおよび20%から99重量%のポリアミドブロック、好ましくは4%から80重量%のポリエーテルブロックおよび20%から96重量%のポリアミドブロック、より好ましくは30%から60重量%のポリエーテルブロックおよび40%から70重量%のポリアミドブロックを含む。ポリエーテルブロックの分子量Mnは、100から6000g/mol、好ましくは200から3000g/molである。
【0097】
ポリエーテルブロックは、アルキレンオキシド単位より成る。これらの単位は、例えばエチレンオキシド単位、プロピレンオキシド単位またはテトラヒドロフラン単位(ポリテトラメチレングリコール配列を生じる。)であることができる。ゆえにPEG(ポリエチレングリコール)ブロック、即ちエチレンオキシド単位より成るブロック、PPG(ポリプロピレングリコール)ブロック、即ちプロピレンオキシド単位より成るブロック、PO3G(ポリトリメチレングリコール)ブロック、即ちポリトリメチレンエーテルグリコール単位より成るブロック(ポリトリメチレンエーテルブロックとのこのようなコポリマーは、文献US 6 590 065に記載されている。)およびPTMGブロック、即ちポリテトラヒドロフランブロックとしても公知のテトラメチレングリコール単位より成るブロックが使用される。PEBAコポリマーは、その鎖内に複数の種類のポリエーテルを含むことができ、コポリエーテルがブロックまたはランダムコポリエーテルであることが可能である。PEBAコポリマーの水蒸気の透過率は、ポリエーテルブロックの量と共に上昇し、これらのブロックの性質の関数として変化する。良好な透過率を示すPEBAを得ることが可能とする、ポリエチレングリコールポリエーテルブロックを有することが好ましい。
【0098】
ポリエーテルブロックは、エトキシ化第1級アミンより成ることもできる。エトキシ化第1級アミンの例としては、式:
【0099】
【化1】
の生成物が挙げられ、式中mおよびnは、1から20であり、xは、8から18である。これらの生成物は、CECAから商品名ノラモックス(Noramox)(登録商標)およびクラリアント(Clariant)から商品名ゲナミン(Genamin)(登録商標)で市販されている。
【0100】
軟質ポリエーテルブロックは、NH
2鎖末端を含むポリオキシアルキレンブロックを含むことができ、このようなブロックはポリエーテルジオールとして公知の脂肪族α,ω−ジヒドロキシ化ポリオキシアルキレンブロックのシアノアセチル化によって得ることができる。より詳細には、ジェファーミン(Jeffamine)(例えばジェファーミン(登録商標)D400、D2000、ED 2003またはXTJ 542、ハンツマン(Huntsman)の市販品、特許JP 2004346274、JP 2004352794およびEP 1 482 011の文献にも記載)を使用してよい。
【0101】
ポリエーテルジオールブロックは、そのままで使用されてカルボキシル末端を含むポリアミドブロックと共重縮合されるか、またはこれらがポリエーテルジアミンに変換するためにアミノ化されてカルボキシル末端を含むポリアミドブロックと縮合されるかのいずれかである。PAブロックとPEブロックとの間にエステル結合を有するPEBAコポリマーの2段階調製の一般的な方法は公知であり、例えば仏国特許FR 2 846 332に記載されている。PAブロックとPEブロックとの間にアミン結合を有する本発明のPEBAコポリマーの調製の一般的な方法公知であり、例えば欧州特許EP 1 482 011に記載されている。ポリエーテルブロックはまた、ランダム分散単位を有するポリアミドブロックおよびポリエーテルブロックを含むポリマーを調製するために、ポリアミド前駆体および連鎖制限二酸と混合されてもよい(1段階方法)。
【0102】
もちろん、本発明の本明細書における名称PEBAは、アルケマ(Arkema)が販売するPEBAX(登録商標)製品に、エボニック(Evonik)(登録商標)が販売するベスタミド(Vestamid)(登録商標)製品に、EMSが販売するグリルアミド(Grilamid)(登録商標)製品に、DSMが販売するケラフレックス(Kellaflex)(登録商標)製品に、または他の供給者による他のいずれのPEBAにも等しく良好に関連付けられる。
【0103】
好都合には、PEBAコポリマーは、PA6の、PA11の、PA12の、PA6.12の、PA6.6/6の、PA10.10のおよび/またはPA6.14のPAブロック、好ましくはPA11および/またはPA12ブロック;ならびにPTMGの、PPGのおよび/またはPO3GのPEブロックを有する。主にPEGより成るPEブロックをベースとするPEBAは、親水性PEBAの範囲内に分類されるものである。主にPTMGより成るPEブロックをベースとするPEBAは、疎水性PEBAの範囲内に分類されるものである。
【0104】
好都合には、本発明の組成物で使用される前記PEBAは、少なくとも部分的には生物起源の出発材料から得られる。再生可能起源または生物起源出発材料の出発材料は、生物起源の炭素または再生可能起源の炭素を含む物質を意味すると理解される。具体的には、化石材料から生じる物質とは異なり、再生可能出発材料より成る物質は
14Cを含む。「再生可能起源の炭素の含有率」または「生物起源炭素の含有率」は、規格ASTM D 6866(ASTM D 6866−06)およびASTM D 7026(ASTM D 7026−04)の適用によって決定される。一例として、ポリアミド11をベースとするPEBAは、少なくとも一部は生物起源出発材料から生じ、少なくとも1%の生物起源炭素を示し、これは少なくとも1.2×10
−14の
12C/
14C同位体比に相当する。好ましくは、本発明によるPEBAは、炭素の総重量に対して少なくとも50重量%の生物起源炭素、これは少なくとも0.6×10
−12の
12C/
14C同位体比に相当する。再生可能起源の出発材料から生じる、PA11ブロックならびにPO3G、PTMGおよび/またはPPGを含むPEブロックを含むPEBAの場合、この含有率は好都合にはより高く、特に最大100%であり、これは1.2×10
−12の
12C/
14C同位体比に相当する。
【0105】
熱可塑性デンプンは、本明細書では「TPS」として公知であり、少量の水の存在下での可塑化による加工可能な材料に転化された未変性デンプンを意味すると理解される。可塑化デンプンは、「熱可塑性デンプン」として公知であり、特に非揮発性可塑化剤、例えばグリセロールを用いて得られる。この材料は多くの利点、例えばそのコスト、その生分解性性質および豊富な再生可能資源から生じるその起源を有する。この材料はプラスチック技術の従来の装置を用いて加工できる。可塑化デンプンは、幾つかの重大な制限、例えば水に対するその高い感受性、従来の熱可塑性物質と比べて制限された機械的特性および接着特性ならびにその加工後およびその特性の安定化(老化または緻密化の現象)前に非常に長いエージングを有する。本発明によるアロイの形態で可塑化デンプンを使用すると、デンプンと他の化合物との調合および本発明による方法のために、これらの欠点を克服することが可能となる。好ましい実施形態において、使用するアロイ中の熱可塑性デンプンのパーセンテージは、アロイの重量の10%から90%、好ましくは30%から80%、より好ましくは40%から70%、より好ましくはアロイの重量の50%から70%である。
【0106】
いずれの種類のデンプンも本発明で使用できる。デンプンはトウモロコシ、ジャガイモ、コムギ、タピオカまたはエンドウマメのデンプンであることができる。デンプンは化学基をグラフトすることによって修飾できる。デンプンは以下の各種形態で用いることができる。
【0107】
未変性(未修飾)デンプン:デンプン粒は、アミロースおよびアミロペクチンである2つの構成要素ポリマーの半晶質組織の部位である。重合度およびアミロースの割合は、デンプンの植物源に応じて異なる。
【0108】
アルファ化デンプン:水性媒体中で80℃付近にて加熱する間に、デンプンは水和して膨潤する。アミロースの部分、次にアミロペクチンの部分が溶解状態に変化する(デンプン化)。懸濁物は次に粘性となり、デンプンはより水和しやすくなる。
【0109】
ゲル化デンプン−老化デンプン:水溶液の温度が低下するとき、系はゲル化して、次に半晶質構造へと再組織化される(老化)。これらの再組織化分子は、アミロース結晶、アミロペクチン結晶および混合アミロース/アミロペクチン結晶で形成されている。
【0110】
アミロースおよびアミロペクチンポリマーが分散した形態である、破壊デンプン。
【0111】
天然材料であるデンプンの使用に加えて、少なくとも部分的に生物起源出発材料から調製されたポリオレフィンポリマーの使用によって、本発明によるフィルム中の天然材料の量をさらに増加させることが可能となる。
【0112】
本発明によるアロイは、熱可塑性デンプンならびに本発明による前記少なくとも1つの親水性官能性ポリオレフィン(以下FPO)ならびに場合により添加剤および/または相溶化剤を含む密接または均質ブレンドを得ることができるようにするいずれの方法、例えば溶融配合、押出、圧縮またはロールミルによっても調製することができる。
【0113】
より詳細には、本発明によるアロイは、すべての成分(デンプン、可塑剤、水、FPOおよび任意の相溶化剤および添加剤を「直接」法でブレンドすることによって調製される。TPSマトリクスを形成するためにデンプン、可塑剤および水の濃縮ブレンドを調製することに存する第1段階と、次にFPOマトリクスとブレンドすることによってTPSを希釈することに存する第2段階との2段階法によって、アロイを調製することも可能である。
【0114】
好都合には、熱可塑性物質工業のブレンドおよび混練用の通常の装置、例えば押出機、二軸型押出機、特にセルフクリーニング式噛合型共回転二軸押出機および混練機、例えばブース(Buss)ブランドの共混練機またはインターナルミキサが使用される。本方法において、成分を乾式ブレンドして、フィードホッパーに導入することができるか、またはさもなければサイドフィードを介して親水性FPOをTPS中にまたは事前に溶融させたデンプン+可塑剤+水ブレンド中に導入することができるかのいずれかである。
【0115】
本発明のアロイの調製(配合)およびその処理は、温度および剪断速度に関して最も穏やかな条件下で行うことが推奨される。これを行うために、参考文献のO.Schacker,Plastics Additives and Compounding,April 2002,pages 28−33を参照してよい。
【0116】
本発明によるアロイは、新規防水性通気性材料を得るために、優れた性能/コスト比を示す。性能差は、使用したFPO/TPS比に従って得られる。ブレンドの相溶性を改善するために、相溶化剤の添加。後者は本発明において好ましい。
【0117】
可塑化デンプンおよび熱可塑性ポリマーの共押出によって製造された多層とは対照的に、本発明によるアロイには、ダイ内でひとまとめにされた材料の化学的挙動およびレオロジーの違いによる界面の不安定性の問題はない。さらに本発明によるアロイには、バイオ複合材で一般に起きる、親水性特性が低下する問題がない。これはリグノセルロース繊維をバイオポリエステル中または可塑化デンプンマトリクス中に導入することによって、より疎水性の繊維が存在することに関連して、親水性特性の低下が生じるためである。
【0118】
本発明の別の主題は、接着性極薄防水通気性フィルムであって、熱可塑性デンプンおよび親水性FPOのアロイを含み、前記FPOがFPOの重量に対して少なくとも10重量%の、好ましくは少なくとも20重量%の、好ましくは少なくとも30重量%の、好ましくは少なくとも40重量%の、好ましくは少なくとも50重量%のポリエチレングリコール(PEG)および/または金属塩を含むことを特徴とする、接着性極薄防水通気性フィルムである。好都合にはフィルム中のアロイの重量に対して、熱可塑性デンプンのパーセンテージは、10%から90%であり、親水性FPOのパーセンテージは、90%から10%である。
【0119】
一実施形態において、本発明の防水通気性フィルムは、アロイの製造直後に、以下の段階、FPOと熱可塑性デンプン(またはデンプン、水および可塑剤)とのブレンドを調製すること、次に、アロイの形態の均質ブレンドを形成するために、ポリマーの融点より高いおよびデンプンの融点より高い温度まで加熱することによってブレンドを溶融させることによって調製される。フィルムを形成するために、得られた熱可塑性アロイを次に延伸する。FPOの加熱は、デンプンを加熱する段階とは別に行うことができ、溶融したFPOおよびデンプンが続いてブレンドされる。
【0120】
本発明の方法の好ましい実施形態においては、以下の段階、
a)デンプン、可塑剤および水のブレンドを利用可能にする段階;
b)上で定義した親水性FPOを利用可能にする段階;
c)段階a)のブレンドを押出して、次に押出終了時に、一般に段階a)のポリマーの融点より高いおよびデンプンの融点より高い温度にて段階b)のFPOをブレンドに添加する段階;
d)フィルムを形成するためにブレンドを延伸する段階
が行われる。
【0121】
好ましくは、段階c)は、100℃から300℃の、好ましくは150℃から250℃の範囲内の温度で行う。
【0122】
一実施形態において、ブレンドを延伸する段階は、押出/ブロー成形によって行う。別の実施形態において、ブレンドを延伸する段階は、キャストフィルム押出によって行う。
【0123】
本発明の方法によって、デンプンおよびFPOの分解のリスクを制限すると共に、極薄の、即ち25μm以下の厚さを有するフィルムを得るために、FPOを親水性FPOの融点より高い、十分に高い温度にて維持することが可能である。好ましくは、フィルムを延伸する前の加熱または押出温度は、100℃から300℃の、好ましくは150℃から250℃の範囲内である。
【0124】
好都合には、本発明による防水通気性フィルムは、25μm以下の、好ましくは5から25μmの範囲内の厚さを有する。
【0125】
本発明の別の主題は、少なくとも1つの織物材料および本発明による少なくとも1つの防水通気性フィルムを含む積層体(以下、積層体)であって、前記フィルムが織物材料の少なくとも1つの表面に0.5から50Nの剥離強度で接着している、積層体である。
【0126】
好都合には、本発明によるフィルムは特に、織物材料にいずれの公知の方法によっても、好ましくはフィルムと織物との間に接着剤を使用せずに適用する。例としては、織物上へのアロイフィルムの押出コーティング、またはフィルムが含浸され、織物の繊維を捕捉するのに十分な温度における、織物上もしくはそうでなければ2枚の織物間へのフィルムのホットプレス(熱積層化)が挙げられる。別の実施形態または先行する実施形態と組合せた実施形態において、接着接合剤、好ましくは水ベースの、即ち接着接合組成物に対して5重量%未満の溶媒を含む接着接合剤を使用する接着接合も挙げられる。本発明によるアロイを使用するフィルムは、既存の防水通気性フィルムと比較して、接着剤なしでも織物に対してより良好な接着を示すことがわかる。
【0127】
好ましい実施形態において、本発明による防水性通気性材料および積層体を製造するために使用するアロイを処理する方法は、5μmの最小厚を有するフィルムを形成するために、キャスト押出またはブロー押出上に溶融状態で少なくとも120℃の温度にて適用されることを特徴とする。この種の方法によって、様々な割合で希釈され、微穿孔を有さない本発明による材料のライン内ブレンドから生じる、できるだけ薄い、好都合には厚さが5から50μmの、好ましくは5から25μmの範囲の厚さを有するフィルムを調製するために変形条件を最適化することも可能になる。ラインの温度および延伸速度パラメータを変化させることによって、フィルム厚を制御することができる。別の好ましい実施形態において、本発明による防水通気性フィルムおよび積層体を製造するために使用する組成物を処理する方法は、少なくとも坪量が少なくとも5g/m
2の複合体を形成するために、溶融状態の組成物を押出コーティングライン上で織物、例えば繊維材料および/または紙を含む他のいずれかの織物材料で作られた不織布に、または押出積層ライン上で2枚の織物の間に適用することを特徴とする。公知の方法により、本発明によるフィルムを溶融状態で押出し、次にフィルム上にコーティングする。好ましくは、フィルムは5から50μmの、好ましくは約5から10μmの厚さを示す。好都合には、押出コーティングによる適用の状況において、10から50g/m
2の熱可塑性フィルムを織物上に付着させる。
【0128】
本発明の記載において、
「織物材料」または「織物」は、少なくとも300の長さ/厚さ比を特徴とする多孔性膜を形成する、繊維またはフィラメントおよび紙を含むいずれかの材料から製造されるいずれの材料をも意味すると理解され;
「繊維」は、少なくとも300の長さ/厚さ比を特徴とするいずれの合成または天然材料をも意味すると理解され;
「フィラメント」は、無限長のいずれの繊維をも意味すると理解される。
【0129】
織物としては、特に繊維のマット(包帯、フィルタまたはフェルト)、粗紡糸(包帯)、紡糸(製縫、製編または製織用)、ニットウェア品(ストレート(straight)、丸編またはフルファッション)、製織製品(トラディショナル(traditional)、ジャカード、マルチプル(multiple)、両面、多軸、2Dおよびセミ3D)およびその他多数が挙げられる。本発明の好ましい実施形態において、前記少なくとも1つの織物材料は、多孔性膜の、製織織物の、または不織織物の形態で提供される。
【0130】
好都合には、前記少なくとも1つの織物材料は、合成繊維、特に生物起源出発材料から得た合成繊維、天然繊維、天然出発材料から作製した人工繊維、無機繊維および/または金属繊維を含む。
【0131】
好都合には、前記織物は、生物起源出発材料から得た合成繊維、例えばポリアミド繊維、特にポリアミド11繊維を含む。好都合には、前記織物は、天然繊維、例えば綿、ウールおよび/もしくは絹、天然出発材料から作製された人工繊維または無機繊維、例えば炭素繊維、ガラス繊維、シリカ繊維および/またはマグネシウム繊維をさらに含む。
【0132】
好ましくは、前記織物材料は、いずれの形態においても、以下の材料、ポリプロピレン、ポリエーテル、ポリエステルおよび/または綿の少なくとも1つから作製される。
【0133】
織物は特に、布または織物表面、例えば製織、製編、不織またはマット表面から選ばれる。これらの物品は、例えば、敷き詰めカーペット、カーペット、家具カバー、表面カバー、ソファー、カーテン、寝具類、マットレスおよび枕、衣類および医療用織物材料であることができる。
【0134】
本発明による織物は、好都合には、フェルト、フィルタ、フィルム、ガーゼ、クロス、包帯、層、布、ニットウェア製品、衣類製品、衣服、寝具製品、家具製品、カーテン、コンパートメントカバー、機能性技術的織物、ジオテキスタイルおよび/またはアグロテキスタイルを構成する。
【0135】
前記織物は、好都合には、医療分野、衛生、旅行携行品、衣類産業、衣服産業、家庭または家事用品、家具、敷き詰めカーペット、自動車産業、産業、特に産業用濾過、農業および/または建築産業で使用される。
【0136】
このようなフィルムは、良好な耐久性と改善された水蒸気透過率の両方を示す。フィルムは、織物に浸透するおそれのある外部要素に対するバリア特性を経時的に保持する。フィフィルムの水蒸気に対する透過率の改善によって、織物の通気性が促進される。
【実施例】
【0137】
防水通気性フィルムは、親水性FPO、コポリエーテル−ブロック−アミドPEBA、別の官能化ポリオレフィンおよび熱可塑性デンプンを各種の割合で含むブレンドから調製した。以下の実施例で使用するFPOは、PEGグラフト化FPO(27%のPEG)、この例においては、PEGグラフト化エチレン(79.9%)/ブチルアクリレート(17%)/無水マレイン酸(3.1%)ターポリマー(ロタダー(Lotader)BX3460)またはデュポン(DuPont)製のサーリン(Surlyn(登録商標)のアイオノマーFPOである。
【0138】
実施例で使用するTPEは、アルケマが販売している一連の親水性PEBAおよび特にポリエーテルブロックがポリエチレングリコールに由来するものに属している。この例では、TPEはペバックス(Pebax)(登録商標)MV3000である。
【0139】
場合により幾つかの例で使用する他の官能化ポリオレフィンは、アクリレート重量含有率が28%の、エチレンとn−メチルアクリレートとのコポリマーである。ロトリル(Lotryl(登録商標))28MA07である。使用するデンプンは、ロケット(Roquette)が販売している修飾デンプン(TPS3947)である。
【0140】
組成AからMを有する各種フィルムの耐水性−通気性(またはMVTR)を、規格ASTM E96、BW法、38℃/50%相対湿度に従って、25μmフィルムで測定する。
【0141】
基材の接着は、剥離強度に直接関連付けられている。剥離試験は、好ましくは、不織ポリプロピレン織物への押出コーティング後、25μmの接着フィルムを含む積層体の製造後の2時間から48時間の期間内に行う。剥離試験(規格ISO11339に従う)は、試験AからIそれぞれの積層体で行った;15mm幅のストリップに対して、フィルムと織物との間の破断を切断工具によって開始し、次に延伸を200mm/分の速度で防水通気性フィルムおよび織物に対して同時に行った。
【0142】
各種のブレンドの組成物を下の表1にまとめる。
【0143】
比較例AからGは比較である。実施例HからMは、本発明による。
【0144】
【表1】