特許第6189961号(P6189961)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6189961
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】静脈カテーテルインサータ
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/06 20060101AFI20170821BHJP
   A61M 39/06 20060101ALI20170821BHJP
【FI】
   A61M25/06 500
   A61M25/06 502
   A61M25/06 510
   A61M39/06 110
   A61M39/06 122
【請求項の数】20
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-532003(P2015-532003)
(86)(22)【出願日】2013年9月10日
(65)【公表番号】特表2015-531656(P2015-531656A)
(43)【公表日】2015年11月5日
(86)【国際出願番号】US2013059056
(87)【国際公開番号】WO2014043125
(87)【国際公開日】20140320
【審査請求日】2016年8月24日
(31)【優先権主張番号】13/615,012
(32)【優先日】2012年9月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン ボルンホフト
【審査官】 和田 将彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−111537(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/068006(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/121023(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0160662(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0204675(US,A1)
【文献】 米国特許第05531720(US,A)
【文献】 特開2012−029974(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/06
A61M 39/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セプタムを備える第1の端部と、ベースを有するカテーテルフードを備える第2の端部とを有するルアーアダプタであって、前記第1の端部と前記第2の端部との間に差し挟まれたウェッジシールをさらに備えるルアーアダプタと、
前記ルアーアダプタの前記第1の端部を受け取るための遠位端を有するインサータ本体と、
前記インサータ本体に摺動可能に結合されたセプタムアクティベータであって、前記セプタムアクティベータの遠位部分は、前記セプタムを通る通路を提供するように構成され、前記セプタムアクティベータは、アパーチャをさらに有する、セプタムアクティベータと、
前記インサータ本体に摺動可能に結合されたカテーテルスレッダであって、カテーテルのベース部分に接触するためのプローブを有し、前記プローブは、前記セプタムアクティベータの前記アパーチャおよび前記セプタムを通る前記通路を通して前記ウェッジシール内に前記カテーテルの前記ベース部分を進ませるように構成され、前記ウェッジシールは、前記カテーテルを保持し、前記ベース部分と前記ウェッジシールの間で耐密のシールを形成するように構成され、前記プローブは、前記プローブを通る通路を提供する開口をさらに有する、カテーテルスレッダと、
前記インサータ本体に摺動可能に結合されたニードルハブであって、前記プローブの前記開口、前記セプタムアクティベータの前記アパーチャ、前記セプタムを通る前記通路、および前記カテーテルを通って延び、前記カテーテルを患者内に挿入するのを支援する針を含むニードルハブと
を備えることを特徴とする静脈カテーテルインサータデバイス。
【請求項2】
前記インサータ本体は、前記セプタムアクティベータ、前記カテーテルスレッダ、および前記ニードルハブが摺動可能に結合されるレールをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記インサータ本体は、前記セプタムアクティベータ、前記カテーテルスレッダ、および前記ニードルハブが中で摺動可能に位置決めされる管腔をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記セプタムアクティベータの一部分、前記カテーテルスレッダ、および前記ニードルハブが通って延び、ユーザにアクセスを提供する窓をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
第1の端部および第2の端部を有する安全バーをさらに備え、前記第1の端部は、前記ニードルハブに摺動可能に結合され、前記第2の端部は、前記ニードルハブから遠位に延び、前記レールの遠位端に隣接して位置決めされることを特徴とする請求項2に記載のデバイス。
【請求項6】
前記カテーテルスレッダは、前記安全バーのタブを保持するように構成されるクリップをさらに備えることを特徴とする請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記レールは、前記カテーテルスレッダおよび前記安全バーが遠位方向に動かされたとき、前記カテーテルスレッダの前記クリップに接触し、前記安全バーの前記タブを解放するように構成されるスプリッタをさらに備え、前記スプリッタと前記安全バーの前記タブとの間の接触は、前記遠位方向での前記安全バーの動きを制限することを特徴とする請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記レールの遠位端は、ランプをさらに備え、前記ルアーアダプタは、回転ブロックをさらに備えることを特徴とする請求項5に記載のデバイス。
【請求項9】
前記セプタムアクティベータは、前記ランプを受け取り、前記セプタムアクティベータをロック位置で前記ランプにロックするように構成されるクリップを備え、前記ロック位置では、前記セプタムアクティベータの前記遠位部分が前記セプタムに挿通され、前記セプタムを通る前記通路を提供することを特徴とする請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記ランプは、前記ニードルハブおよび前記安全バーが遠位方向に動かされたとき前記安全バーの前記第2の端部によって接触される傾斜表面をさらに備え、前記傾斜表面と前記安全バーの間の接触が、前記セプタムアクティベータの上で前記安全バーの前記第2の端部を持ち上げ、前記安全バーの前記第2の端部を前記回転ブロック内に挿入することを特徴とする請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記安全バーの前記第1の端部は、前記ニードルハブのチャネル内で圧縮され、そこに摺動可能に接続される1または複数のプロングをさらに備え、前記1または複数のプロングは、前記ニードルハブが遠位方向に動かされたとき前記ニードルハブの前記チャネルを脱出し、それにより前記1または複数のプロングは圧縮されなくなり、その結果、前記1または複数のプロングの幅が前記チャネルの幅より大きくなり、それにより前記1または複数のプロングは、前記ニードルハブが近位方向に動かされたとき前記ニードルハブの近位端に引っかかることを特徴とする請求項5に記載のデバイス。
【請求項12】
前記ウェッジシールは、前記カテーテルの前記ベースを受け取るように構成される内径を有する環状シールを含むことを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
静脈カテーテルインサータを製造するための方法であって、
セプタムを備える第1の端部と、ベースを有するカテーテルフードを備える第2の端部とを有するルアーアダプタを提供するステップと、
前記第1の端部と前記第2の端部との間の位置で前記ルアーアダプタ内にウェッジシールを位置決めするステップと、
前記ルアーアダプタの前記第1の端部を受け取るための遠位端を有するインサータ本体を提供するステップと、
セプタムアクティベータを前記インサータ本体に摺動可能に結合するステップであって、前記セプタムアクティベータの遠位部分は、前記セプタムを通る通路を提供するように構成され、前記セプタムアクティベータは、開口をさらに有する、ステップと、
カテーテルスレッダを前記インサータ本体に摺動可能に結合するステップであって、前記カテーテルスレッダは、カテーテルのベース部分に接触するためのプローブを有し、前記プローブは、前記セプタムアクティベータの前記開口および前記セプタムを通る前記通路を通して前記ウェッジシール内に前記カテーテルの前記ベース部分を進ませるように構成され、前記ウェッジシールは、前記カテーテルを保持し、前記ベース部分と前記ウェッジシールの間で耐密のシールを形成するように構成され、前記プローブは、前記プローブを通る通路を提供するための開口をさらに有する、ステップと、
ニードルハブを前記インサータ本体に摺動可能に結合するステップであって、前記ニードルハブは、前記プローブの前記開口、前記セプタムアクティベータの前記開口、および前記カテーテルを通って延びる針を有し、前記針は、前記カテーテルを患者内に挿入するのを支援する、ステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
前記インサータ本体は、前記セプタムアクティベータ、前記カテーテルスレッダ、および前記ニードルハブが摺動可能に結合されるレールをさらに備えることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記インサータ本体は、前記セプタムアクティベータ、前記カテーテルスレッダ、および前記ニードルハブが中で摺動可能に位置決めされる管腔をさらに備えることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記セプタムアクティベータ、前記カテーテルスレッダ、および前記ニードルハブへのアクセスを提供するために前記インサータ本体内に窓を提供するためのステップをさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
第1の端部および第2の端部を有する安全バーを提供するためのステップであって、前記第1の端部は、前記ニードルハブに摺動可能に結合され、前記第2の端部は、前記ニードルハブから遠位に延び、前記レールの遠位端に隣接して位置決めされる、ステップをさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項18】
クリップを前記カテーテルスレッダ上に提供するためのステップであって、前記クリップは、前記安全バーのタブを保持するように構成される、ステップをさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記カテーテルスレッダおよび前記安全バーが遠位方向に動かされたとき、前記カテーテルスレッダの前記クリップに接触し、前記安全バーの前記タブを解放するように構成される前記レール上のスプリッタを提供するためのステップをさらに含み、前記スプリッタと前記安全バーの前記タブとの間の接触は、前記遠位方向での前記安全バーの動きを制限することを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記レールの前記遠位端上にランプを提供するステップと、
前記ルアーアダプタ上に回転ブロックを提供するステップと、
前記セプタムアクティベータ上にクリップを提供するステップであって、前記クリップは、前記ランプを受け取り、前記セプタムアクティベータをロック位置で前記ランプにロックするように構成され、前記ロック位置では、前記セプタムアクティベータの前記遠位部分が前記セプタムに挿通され、前記セプタムを通る前記通路を提供し、前記ランプは、前記ニードルハブおよび前記安全バーが遠位方向に動かされたとき前記安全バーの前記第2の端部によって接触される傾斜表面をさらに備え、前記傾斜表面と前記安全バーの間の接触が、前記セプタムアクティベータの上で前記安全バーの前記第2の端部を持ち上げ、前記安全バーの前記第2の端部を前記回転ブロック内に挿入する、ステップと
をさらに含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に静脈カテーテルおよびルアー(Luer)デバイスに関する。より詳細には、この開示は、カテーテル留置手順中にカテーテルのベース部分を受け取るように構成される、ウェッジシールが中に配置されたルアーアダプタを備える静脈カテーテルインサータについて論じる。静脈カテーテルインサータデバイスは、ルアーアダプタに結合されるカテーテルインサータ本体を含み、カテーテルインサータ本体は、カテーテルのベース部分をルアーアダプタのウェッジシール内に進ませ固定する間に患者の同時カテーテル留置を容易にするために様々な構成要素を備える。
【背景技術】
【0002】
本明細書で使用されるとき、用語「ルアー」は、任意のルアーテーパ、または医療デバイスおよび/もしくは機器上で雄テーパフィッティングとその相手の雌部との間で漏れのない接続をなすために使用される小規模の流体フィッティングの他のシステムを説明し含むと理解される。本発明によるルアーデバイスまたはアダプタは、ルアーフィッティング接続を介して相互接続される2つのデバイス間で選択的なアクセスを提供するために、一体化されたセプタムをさらに含んでもよい。ルアーフィッティングの非限定的な例は、Becton Dickenson,Incによって生産される「Luer−Lok」「Luer−Slip」、および「Nexiva Closed IV Catheter」システムを含む。
【0003】
注入療法は、針またはカテーテルを通して患者に流体を投与することを含む。それは、一般に、患者の治療が経口投薬によって効果的に治療され得ないとき処方される。典型的には、「注入療法」は、薬物または他の流体が静脈内に投与される手順を指す。しかし、この用語は、筋肉注射、皮下注射、および硬膜外ルートなど他の非経口ルートを通して流体が提供される状況をも指す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願第13/614,481号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
静脈内注入療法は、一般に、患者に流体を導入する、または患者から流体を除去するために使用される。注入プロセスは、一般に、患者に対する損傷を回避し、または最小限に抑えながら、適正な脈管アクセスを確保するために、カテーテルおよび針の安定した制御を必要とする。動いている救急車の後部内においてなど緊急の状況では、医師または他の介護者は、患者の周囲の過度の動きにより、カテーテルを患者内に挿入することができないことがある。したがって、救急車は、カテーテルを挿入するための安定した環境を介護者に与えるために停止することが必要とされる。これは、介護者にとって不都合を生じ、患者の生命を救うために必要とされ得る貴重な時間を無駄にする。したがって、当技術分野では、現在使用可能な技術に伴う難点および短所を克服するデバイスが求められている。本開示は、そのようなデバイスについて論じる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、カテーテルインサータ本体に取外し可能に結合されたルアーアダプタを含む静脈カテーテルインサータを提供する。ルアーアダプタは、患者の表面に付着し、それにより患者との安全なインターフェースを形成するように構成されたベースを有する可撓性のフードを含む。ルアーアダプタは、カテーテルインサータ本体を介してルアーアダプタ内に挿入されるカテーテルのベース部分を受け取るように構成されたウェッジシールをさらに含む。ルアーアダプタは、セプタムをさらに含む。いくつかの実施形態は、カテーテルインサータからのルアーアダプタの早すぎる分離を防止するように構成される回転ブロックをさらに含む。
【0007】
カテーテルインサータ本体は、患者の同時カテーテル留置を可能にし、一方、カテーテルをルアーアダプタのウェッジシール内に完全に着座させるために様々な構成要素を含む。場合によっては、カテーテルインサータ本体は、セプタムを通して挿入されそこを通る通路を提供する遠位端を有するセプタムアクティベータ(septum activator)を備える。カテーテルインサータ本体は、(セプタムアクティベータを介して)セプタムを通して、カテーテルのベース部分がウェッジシール内に完全に着座されることになる最大深さで患者内にカテーテルを進ませるカテーテルスレッダ(catheter threader)をさらに含む。
【0008】
また、針が提供され、カテーテルインサータ本体に摺動可能に結合されるニードルハブに結合される。針は、カテーテルの先端を通り過ぎて遠位に露出される先鋭な先端を備える。針の先鋭な先端は、カテーテルが挿通される患者の脈管系内への開口を提供する。実装によっては、ニードルハブおよびカテーテルスレッダは、カテーテル留置を達成するように共に進められる。カテーテル留置に続いて、針およびカテーテルスレッダはルアーアダプタから引き抜かれる。次いで、カテーテルインサータ本体は、ルアーアダプタから除去され、廃棄される。
【0009】
本発明は、静脈カテーテルインサータを製造するための1または複数の方法をさらに含む。実装によっては、静脈カテーテルインサータを製造するための方法は、1)セプタムを備える第1の端部と、ベースを有するカテーテルフードを備える第2の端部とを有するルアーアダプタを提供するステップと、2)第1の端部と第2の端部との間の位置でルアーアダプタ内にウェッジシールを位置決めするステップと、3)ルアーアダプタの第1の端部を受け取るための遠位端を有するインサータ本体を提供するステップと、4)セプタムアクティベータをインサータ本体に摺動可能に結合するステップであって、セプタムアクティベータの遠位部分は、セプタムを通る通路を提供するように構成され、セプタムアクティベータは、開口をさらに有する、ステップと、5)カテーテルスレッダをインサータ本体に摺動可能に結合するステップであって、カテーテルスレッダは、カテーテルのベース部分に接触するためのプローブを有し、プローブは、セプタムアクティベータの開口およびセプタムを通る通路を通してウェッジシール内にカテーテルのベース部分を進ませるように構成され、ウェッジシールは、カテーテルを保持し、ベース部分とウェッジシールの間で耐密のシールを形成するように構成され、プローブは、プローブを通る通路を提供するための開口をさらに有する、ステップと、6)ニードルハブをインサータ本体に摺動可能に結合するステップであって、ニードルハブは、プローブの開口、セプタムアクティベータの開口、およびカテーテルを通って延びる針を有し、針は、カテーテルを患者内に挿入するのを支援する、ステップとを含む。この方法は、セプタムアクティベータ、カテーテルスレッダ、およびニードルハブへのアクセスを提供するためにインサータ本体内に窓を提供するためのステップをさらに含んでもよい。いくつかの方法は、第1の端部および第2の端部を有する安全バーを提供するためのステップであって、第1の端部は、ニードルハブに摺動可能に結合され、第2の端部は、ニードルハブから遠位に延び、カテーテルインサータ本体の遠位端に隣接して位置決めされる、ステップを含んでもよい。
【0010】
本発明のいくつかの方法は、クリップをカテーテルスレッダ上に提供するためのステップであって、クリップは、安全バーのタブを保持するように構成される、ステップをさらに含む。他の方法は、カテーテルスレッダおよび安全バーが遠位方向に動かされたとき、カテーテルスレッダのクリップに接触し、安全バーのタブを解放するように構成されるカテーテルインサータ本体上のスプリッタを提供するためのステップを含んでもよく、スプリッタと安全バーのタブとの間の接触は、遠位方向での安全バーの動きを制限する。さらに、いくつかの方法は、1)カテーテルインサータ本体の遠位端上にランプを提供するためのステップと、2)ルアーアダプタ上に回転ブロックを提供するためのステップと、3)セプタムアクティベータ上にクリップを提供するためのステップであって、クリップは、ランプを受け取り、セプタムアクティベータをロック位置でランプにロックするように構成され、ロック位置では、セプタムアクティベータの遠位部分がセプタムに挿通され、セプタムを通る通路を提供し、ランプは、ニードルハブおよび安全バーが遠位方向に動かされたとき安全バーの第2の端部によって接触される傾斜表面をさらに備え、傾斜表面と安全バーの間の接触が、セプタムアクティベータの上で安全バーの第2の端部を持ち上げ、安全バーの第2の端部を回転ブロック内に挿入する、ステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の前述の、および他の特徴および利点が得られ、容易に理解されるように、添付の図面に示されているその特定の実施形態を参照することによって、簡単に上述した本発明のより特定の説明がなされることになる。これらの図面は、本発明の典型的な実施形態だけを示し、したがってその範囲を限定するものと解釈するべきでないことを理解して、本発明について、添付の図面の使用を通じて、さらに具体的かつ詳細に記載され説明されることになる。
【0012】
図1】本発明の代表的な実施形態による、患者内に挿入される前の静脈カテーテルインサータの断面側面図である。
図2】本発明の代表的な実施形態による、セプタムアクチュエータを介したルアーアダプタのセプタムの作動後の静脈カテーテルインサータの断面側面図である。
図3】本発明の代表的な実施形態による、カテーテルのベース部分がルアーアダプタのウェッジシール内に完全に着座するように針およびカテーテルが完全に延びた静脈カテーテルインサータの断面側面図である。
図4】本発明の代表的な実施形態による、完全に着座されたカテーテルから針を引き抜いた後の静脈カテーテルインサータの断面側面図である。
図5】本発明の代表的な実施形態による、セプタムアクチュエータからカテーテルスレッダのプローブ部分を引き抜いた後の静脈カテーテルインサータの断面側面図である。
図6】本発明の代表的な実施形態による、カテーテル留置手順の後でルアーアダプタから切り離された静脈カテーテルインサータの断面側面図である。
図7】本発明の代表的な実施形態による、カテーテル留置手順の後でルアーアダプタに結合された流体ラインの図である。
図8A】本発明の代表的な実施形態による静脈カテーテルインサータのそれぞれの図である。
図8B】本発明の代表的な実施形態による静脈カテーテルインサータのそれぞれの図である。
図9】本発明の代表的な実施形態による、開始位置にある図8に示されている静脈カテーテルインサータの断面側面図である。
図10A】本発明の代表的な実施形態による、セプタムアクチュエータを介したルアーアダプタのセプタムの作動後の静脈カテーテルインサータの斜視側面図である。
図10B】本発明の代表的な実施形態による、セプタムアクチュエータを介したルアーアダプタのセプタムの作動後の静脈カテーテルインサータの斜視上面図である。
図10C】本発明の代表的な実施形態による、セプタムアクチュエータを介したルアーアダプタのセプタムの作動後の静脈カテーテルインサータの断面図である。
図11A】本発明の代表的な実施形態による、カテーテルのベース部分がルアーアダプタのウェッジシール内に完全に着座するように針およびカテーテルが完全に延びた静脈カテーテルインサータの斜視側面図である。
図11B】本発明の代表的な実施形態による、カテーテルのベース部分がルアーアダプタのウェッジシール内に完全に着座するように針およびカテーテルが完全に延びた静脈カテーテルインサータの斜視上面図である。
図11C】本発明の代表的な実施形態による、カテーテルのベース部分がルアーアダプタのウェッジシール内に完全に着座するように針およびカテーテルが完全に延びた静脈カテーテルインサータの断面図である。
図12A】本発明の代表的な実施形態による、完全に着座されたカテーテルから針を引き抜いた後の静脈カテーテルインサータの斜視側面図である。
図12B】本発明の代表的な実施形態による、完全に着座されたカテーテルから針を引き抜いた後の静脈カテーテルインサータの斜視上面図である。
図12C】本発明の代表的な実施形態による、完全に着座されたカテーテルから針を引き抜いた後の静脈カテーテルインサータの断面図である。
図13A】本発明の代表的な実施形態による、セプタムアクチュエータからカテーテルスレッダのプローブ部分を引き抜いた後、さらに静脈カテーテルインサータからルアーアダプタを切り離した後の静脈カテーテルインサータの斜視側面図である。
図13B】本発明の代表的な実施形態による、セプタムアクチュエータからカテーテルスレッダのプローブ部分を引き抜いた後、さらに静脈カテーテルインサータからルアーアダプタを切り離した後の静脈カテーテルインサータの斜視上面図である。
図13C】本発明の代表的な実施形態による、セプタムアクチュエータからカテーテルスレッダのプローブ部分を引き抜いた後、さらに静脈カテーテルインサータからルアーアダプタを切り離した後の静脈カテーテルインサータの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
記載の発明の現在好ましい実施形態は、同様の部分が全体を通して同様の符号によって示されている図を参照することによって最もよく理解されよう。添付の図に概して記載され示されている本発明の構成要素が多種多様な異なる構成で構成および設計され得ることは、容易に理解されよう。したがって、図に表されている本発明のいくつかの実施形態の以下のより詳細な説明は、特許請求されている本発明の範囲を限定するものではなく、本発明のいくつかの現在好ましい実施形態を表すものにすぎない。
【0014】
一般に、本発明は、カテーテルおよびルアーアクセスデバイスを患者に固定するための一体化されたユニットに関する。具体的には、本発明のいくつかの実施形態は、ルアーアダプタに選択的に結合されるカテーテルインサータ本体を含む手持ちデバイスを提供する。場合によっては、ルアーアダプタは、患者の体表面とのインターフェースを形成するように構成されたベースを備える可撓性のポリマー材料製のフードを備える。いくつかの実施形態では、ルアーアダプタのベースは、患者上でルアーアダプタの場所を固定し定めるために接着剤をさらに備える。適合するルアーアダプタの非限定的な例が、Stephen Bornhoftによって2012年9月13日に出願された「LUER SECUREMENT DEVICE」という名称の米国特許出願で提供されており(特許文献1参照)、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0015】
カテーテルインサータ本体は、取外し可能にルアーアダプタに選択的に結合される。ルアーアダプタは、接着剤を介して患者に固定される。相互接続されたルアーアダプタとカテーテルインサータ本体は、患者とユーザの間で接続されたブリッジを提供する。したがって、ユーザは、そうでない場合にはカテーテル留置手順を妨げることがある外部の動きによって影響を受けない。さらに、ルアーアダプタのフードの可撓性は、適正な挿入を確保するためにカテーテル留置手順中にユーザがわずかな調整をすることを可能にする。患者の脈管系内にカテーテルを挿入した後で、カテーテルインサータ本体はルアーアダプタから除去され、廃棄される。ルアーアダプタは定位置に残り、それによりカテーテルの挿入された位置を固定し、患者に対する流体アクセスを可能にする。
【0016】
本発明の実施形態は、カテーテルをさらに含む。本発明のカテーテルは、試験管内の使用と適合する任意のタイプまたはスタイルのカテーテルを含んでもよい。たとえば、場合によっては、本発明は、静脈カテーテルを含む。したがって、本発明と適合するカテーテルは、可撓性のポリマーカテーテルおよび/または剛性ポリマーもしくは金属カテーテルを、望まれ得るように含んでもよい。
【0017】
カテーテルインサータは、患者のカテーテル留置を容易にするために様々な構成要素を備える。具体的には、カテーテルインサータは、カテーテルインサータの本体に摺動可能に結合されるセプタムアクティベータを備える。セプタムアクティベータは、遠位方向に摺動され、そのときセプタムアクティベータの遠位部分がルアーアダプタのセプタムを通って進み、そこを通る通路を提供するように構成される。この通路は、セプタムを損傷することなしにカテーテルインサータのカテーテルおよび針の挿入を可能にする。さらに、この通路は、カテーテル留置中にカテーテルとセプタムの間の接触を防止し、それにより摩擦抵抗を解消し、針およびカテーテルの抵抗のない挿入を可能にする。
【0018】
いくつかの実施形態では、カテーテルインサータは、プローブを有するカテーテルスレッダをさらに備え、プローブは、カテーテル留置プロセス中にセプタムを通してカテーテルを進ませる。これは、カテーテルスレッダが遠位方向に摺動され進められたとき達成される。場合によっては、カテーテルスレッダは、カテーテルインサータの本体に摺動可能に結合される。カテーテルインサータは、カテーテルインサータの本体に同様に結合されるニードルハブをさらに備える。ニードルハブは、ニードルハブに固定結合される第1の端部を有する針を備え、患者の皮膚および静脈を穿刺しカテーテルが挿入され進められ得る開口を提供するように構成される先鋭な先端を備える第2の端部をさらに含む。針の本体は、針の先鋭な先端がカテーテルの先端を越えて露出されるようにカテーテルスレッダおよびカテーテルに突き通される。このタイプの静脈カテーテルは、当技術分野において「オーバーザニードル(over−the−needle)カテーテル」として一般に知られている。
【0019】
本発明のルアーアダプタは、カテーテルのベース部分を耐密に受け取るように構成された環状を有するウェッジシールをさらに備える。カテーテル留置のプロセスは、カテーテルのベース部分がウェッジシール内に挿入されるときカテーテルの先端部分を患者内に同時に挿入する。カテーテルのベース部分がウェッジシール内に完全に着座したとき、カテーテル先端の挿入の最大深さが達成される。カテーテル留置プロセスは、針がカテーテルから引き抜かれ、カテーテルスレッダが近位方向に引き込められ、セプタムアクティベータがセプタムから引き抜かれ、カテーテルインサータがルアーアダプタから除去されたとき完了する。いくつかの実施形態では、ルアーアダプタのセプタムは、自己封止スリットを備え、その結果、セプタムアクティベータを引き抜いたとき、セプタムが封止され、それによりカテーテルからの血液をルアーアダプタ内に含む。
【0020】
本発明の前述の特徴および原理は、様々な設計および手法によって達成され得ることを、当業者なら理解するであろう。したがって、本発明は、どの特定の設計または機械的構造にも限定されない。しかし、当業者が本発明を実施することを可能にするために、以下の非限定的な実施形態が説明と共に提供される。
【0021】
次に図1を参照すると、静脈カテーテルインサータデバイス10が示されている。デバイス10は、一般に、ルアーアダプタ100に選択的に結合されるカテーテルインサータ本体20を備える。たとえば、いくつかの実施形態では、カテーテルインサータ本体20の遠位端は、ルアーアダプタ100の第1の端部のねじ山110のセットを適合して受け取るように構成されるねじ山30のセットを備える。ルアーアダプタ100は、可撓性のポリマー材料を含むフード102をさらに含む。ルアーアダプタ100の第2の端部およびフード102は、カテーテル留置の前に患者の表面に直接付着するように構成されるベース表面104を備える。一般に、ベース表面104は、フード102を患者に固定する接着剤を備える。フード102の可撓性は、フード102を患者から切り離すことなしにカテーテルインサータ本体20の動きを可能にする。たとえば、ユーザは、カテーテル留置中にカテーテルインサータ本体20の位置を調整し、患者の脈管内へのカテーテルおよび針の適正な挿入を確保することができる。いくつかの実施形態では、ベース104は、デバイス10の針およびカテーテルのための所望の挿入角に基づいて選択されるベース角θをさらに含む。
【0022】
ルアーアダプタ100は、自己封止スリット122を有するセプタム120をさらに備える。セプタム120は、フード102の内部空間106と外部環境の間に物理的な障壁を提供する。したがって、カテーテル留置に続いて、セプタム120は、患者の血液をルアーアダプタ100内に含み、それによりユーザに対する暴露を防止する。
【0023】
ルアーアダプタ100は、フード102内でセプタム120と内側空間106の間の位置に位置決めされるウェッジシール130をさらに備える。ウェッジシール130は環状であり、デバイス10のカテーテルのベース部分を耐密に受け取るように構成された幅を有する開口を備える。
【0024】
カテーテルインサータ本体20は、カテーテル留置プロセスを支援するために様々な構成要素が摺動可能に収容される内部管腔22を含んでもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、管腔22は、セプタム120に隣接して位置決めされるセプタムアクティベータ40を備える。いくつかの実施形態では、セプタムアクティベータ40は、セプタムアクティベータ40を通る通路を形成する開口42を備える。開口42は、カテーテル50およびカテーテルスレッダ60のプローブ部分62の通過に摺動可能に対処しそれを可能にするようにサイズ設定される。セプタムアクティベータ40の遠位端44は、セプタム120のスリット122を通して進められそこを通る通路を提供するように構成される。いくつかの実施形態では、遠位端44は、遠位端44のスリット122内への容易な挿入および挿通を容易にするために面取りされた前縁を備える。
【0025】
いくつかの実施形態では、カテーテルインサータ本体20は、セプタムアクティベータのハンドル部分46が通って延ばされる窓24を備える。窓24は、一般に、セプタムアクティベータ40および他の構成要素の動きを、それぞれ近位方向12および遠位方向14で可能にする長さを含む。
【0026】
引き続き図1を参照すると、カテーテルインサータ本体20は、セプタムアクティベータ40とインサータ本体20の近位端26との間の位置で内部管腔22内に摺動可能に収容されるカテーテルスレッダ60をさらに備える。カテーテルスレッダは、ニードルハブ70の針72の通過に摺動可能に対処しそれを可能にするようにサイズ設定および構成された幅を有する開口64を備える。カテーテルインサータ60は、カテーテルインサータ60から遠位に延びるプローブ62をさらに備える。プローブ62は、セプタムアクティベータ40の開口42を摺動可能に挿通し通過するようにサイズ設定および構成される外径を備える。さらに、プローブ62の遠位端68は、カテーテル50のベース部分52に接触する、および/またはそれを受け取るようにサイズ設定および構成される。カテーテルスレッダ60が遠位方向14に進められたとき、遠位端68は、カテーテル50を押し、ベース部分52がウェッジシール130内に着座されるまでセプタムアクティベータの開口42を通して、またセプタム120を通して進ませる。いくつかの実施形態では、カテーテルスレッダ60は、ユーザにとってアクセス可能であるようにカテーテルインサータ本体20の窓24を通って延びるハンドル66をさらに備える。
【0027】
カテーテルインサータ本体20は、カテーテルスレッダ60とインサータ本体20の近位端26との間の位置で内部管腔22に摺動可能に収容されるニードルハブ70をさらに備える。ニードルハブ70は、ニードルハブ70に固定結合される第1の端部74を有し、先鋭な先端76がカテーテル50の先端54を越えて遠位に延びるように開口64およびカテーテル50に突き通される先鋭な先端76を備える第2の端部をさらに有する針72を備える。ニードルハブ70は、ユーザにとってアクセス可能であるようにカテーテルインサータ本体20の窓24を通って延びるハンドル78をさらに備える。
【0028】
カテーテルインサータデバイス10は、カテーテル50を患者の脈管システム内に挿入するために使用され得る。カテーテル留置の方法の非限定的な例は、図2図7で実証されている。次に図2を参照すると、カテーテル留置プロセスの第1のステップは、ベース表面104を患者(図示せず)に取り付けることである。いくつかの実施形態では、ベース部分104は、フード102を患者に取り付けるためにベース部分104から除去され、接着剤を暴露する非粘着性の裏当てまたは被覆(図示せず)を備える。ルアーアダプタ100が患者に結合された後で、セプタムアクティベータ40が遠位方向14に摺動され、その結果、遠位端44がセプタム120に挿通され、そこを通る通路を提供する。場合によっては、滑らかな材料またはコーティングがスリット122および/または遠位端44の外側表面に適用され、遠位端44のスリット122への容易な挿通を容易にする。他の場合には、滑らかな材料またはコーティングが開口44および/または管腔22の内側表面に適用され、カテーテル留置プロセス中にセプタムアクティベータ40、カテーテルスレッダ60、およびニードルハブ70の容易な動きを容易にする。
【0029】
ニードルハブ70およびカテーテルスレッダ60が遠位方向14に管腔22を通って進められたとき、カテーテル50および先鋭な先端76が、セプタムアクティベータ40の開口42を通って進められる。先鋭な先端76は、ベース部分104ならびに患者の皮膚および静脈に穴を開け、カテーテル先端54が挿通され進められる開口を提供する。ニードルハブ70が遠位方向14に進められたとき、カテーテルスレッダ60が遠位方向14に進められる。カテーテルスレッダ60のプローブ62は、開口42を通過し、それによりカテーテル50のベース部分52を、セプタムアクティベータ40を通してウェッジシール130内に進める。カテーテル先端54のための挿入の最大深さは、ニードルスレッダ60がセプタムアクティベータ40の近位端に接触し、カテーテル50のベース部分52がウェッジシール130内に完全に着座されたとき達成される。
【0030】
いくつかの実施形態では、ユーザは、患者の脈管系内にカテーテル先端54を最初に挿入した後で先鋭な先端76をカテーテル50内に引き抜くことができる。たとえば、ユーザは、ニードルハブ70を近位方向12に引き抜いてもよい。あるいは、ユーザは、図4に示されているように、遠位方向14でのニードルハブ70の動きを中止し、一方、遠位方向14でカテーテルスレッダ60の動きを続行することができる。次いで、ユーザは、ニードルハブ70とは独立してカテーテルスレッダ60を遠位方向14に進ませることによって、カテーテル50を患者の静脈内に進めることを続けてもよい。
【0031】
引き続き図4を参照すると、カテーテル留置に続いて、ニードルハブ70は近位方向12に引き抜かれ、それにより先鋭な先端76をセプタムアクティベータ40の開口42内で遮蔽する。いま、患者からの血液または他の流体は、カテーテル50を通ってカテーテルスレッダ60の開口64内に自由に流れる。したがって、いくつかの実施形態では、針72の外径および開口64の内径は、これらの2つの構成要素間で最小の公差を提供するように構成され、それにより開口64を血液が通過するのを最小限に抑え、または防止する。同様に、プローブ62の外径およびセプタムアクティベータ40の開口42の内径は、これらの2つの構成要素間で最小の公差を提供するように構成され、それにより開口42を血液が通過するのを最小限に抑え、または防止する。
【0032】
次に図5を参照すると、いくつかの実施形態では、カテーテルスレッダを近位方向12に動かすことによってカテーテルスレッダがルアーアダプタ100から除去される。図のように、開口42からプローブ62を除去することは、開口42を介してカテーテル50と管腔22の間の流体連通を可能にすることができる。したがって、いくつかの実施形態では、カテーテルスレッダ60とセプタムアクティベータ40は、近位方向12に同時に動かされ、カテーテル50からの血液の漏れを防止する。これらの構成要素を同時に動かすことは、血液または他の流体に対する最小限の暴露でセプタム120のスリット122が閉じ、自己封止することを可能にする。
【0033】
セプタム120からセプタムアクティベータ40を除去した後で、セプタム120のスリット122は自己封止され、それにより内部空間106を外部環境から隔離する。次いで、カテーテルスレッダ本体20が、ねじ山110、30を解くことによってルアーアダプタ100から除去されてもよい。次いで、カテーテルスレッダ本体20およびそれに含まれる様々な構成要素は処分される。
【0034】
患者の脈管システムは、図7に示されているように、ルアーコネクタ90を介して流体ライン80をルアーアダプタ100に結合することによってアクセスされる。いくつかの実施形態では、ルアーコネクタ90は、ルアーコネクタ90がルアーアダプタ100のねじ山110にねじ結合されるときセプタム120のスリット122に挿通されるプローブ92を備える。あるいは、患者の脈管システムは、シリンジまたは他のデバイスをセプタム120のスリット122に挿通することによってアクセスされてもよい。
【0035】
次に図8A図13Cを参照すると、カテーテルインサータデバイス200の代表的な実施形態が示されている。カテーテルインサータデバイス200は、カテーテルスレッダ本体210からのルアーアダプタ300の早すぎる分離を防止する様々な安全特徴を備える。図8A図9を参照すると、カテーテルインサータデバイス200は、セプタムアクティベータ220、カテーテルスレッダ240、およびニードルハブ260が摺動可能に載置されるレールを備えるカテーテルインサータ本体210を含む。さらに、ルアーアダプタ300は、カテーテル留置プロセス中にフード302とインサータ本体210の間の場所で位置決めされる回転ブロックまたはガード310を備える。
【0036】
カテーテルスレッダ240のプローブ部分244は、カテーテルインサータ本体210の下方または下で位置決めされ、たとえば締まり嵌めによってカテーテル50のベース部分52を適合して受け取り保持するように構成される。場合によっては、ベース部分52は、プローブ部分244の適合する形状または表面によって受け取られる形状を備える。また、カテーテル留置中にカテーテル50の前進および後退の動きを容易にするために必要とされることがあるとき、ベース部分52とプローブ部分244の間に軽い接着剤が使用されてもよい。カテーテル留置の前に、カテーテル先端54および針72の先鋭な先端76は、セプタム120に近接する位置にてセプタムアクティベータ220内で遮蔽される。
【0037】
カテーテルインサータデバイス200は、ニードルハブ260の上部部分に摺動可能に結合される第1の端部272を有する安全バー270をさらに備え、ニードルハブ260から遠位に延び、セプタムアクティベータ220に隣接して位置決めされる第2の端部274を備える。カテーテル留置の前に、第2の端部274は、セプタムアクティベータ220の近位端表面に当接および接触する。したがって、安全バー270は、遠位方向でルアーアダプタ300に向かって動かないようになる。さらに、カテーテルスレッダ240のクリップ246は、安全バー270のタブ276に固定され、それによりカテーテルスレッダ240と安全バー270を共にロックする。したがって、第2の端部274とセプタムアクティベータ220の間の干渉もまた、遠位方向でルアーアダプタ300に向かうカテーテルスレッダ240の動きを防止する。さらに、ニードルハブ260とカテーテルスレッダ240の当接された位置は、ニードルハブ260の動きを防止する。
【0038】
カテーテルインサータ本体210は、カテーテル留置プロセス中、セプタムアクティベータ220、安全バー270、カテーテルスレッダ240、およびニードルハブ260の動きを制御するために様々な特徴を備える。たとえば、インサータ本体210は、インサータ本体210の遠位端212上で位置決めされるランプ214を備える。インサータ本体210は、インサータ本体210の長さのほぼ中央に位置決めされるスプリッタ216をさらに備える。いくつかの実施形態では、スプリッタ216は、安全バー270の窓280内で上向きに延びるように構成される。インサータ本体210は、カテーテルインサータデバイス200の近位端を形成する屋根またはカバー218をさらに備える。カバー218は、カテーテル留置プロセスを通して安全バー270の第1の端部272の位置を概して保持または制御するために提供される。
【0039】
安全バー270の第1の端部272は、カテーテル留置プロセス中に様々な時点でニードルハブ260と相互作用するように構成される1または複数のプロング278をさらに備える。たとえば、いくつかの実施形態では、1または複数のプロング278は、最初に圧縮され、ニードルハブ260のチャネル内に部分的に収容される。ニードルハブ260が遠位方向に動かされたとき、1または複数のプロング278は、ニードルハブ260から変位され、圧縮されていない、または伸長された位置をとる。示されることになるように、ニードルハブ260が初期の位置に戻ったとき、いま伸長されているプロングはニードルハブ260に引っかかり、それにより安全バー270を近位方向に引きずる。
【0040】
カテーテル留置プロセスの第1のステップは、図10A図10Cに示されているように、スリット122を通してセプタムアクティベータ220を進めることによってセプタム120を通る通路を提供することである。いくつかの実施形態では、セプタムアクティベータ220は、セプタムアクティベータ220が遠位方向14に進められたときランプ214を受け取り、その上にロックするように構成される一方向クリップ222を備える。ロックされた位置では、セプタムアクティベータ220の近位表面は、もはやランプ214と安全バー270の第2の端部274との間に差し挟まれない。したがって、ニードルハブ260、カテーテルスレッダ240、および安全バー270は、遠位方向14に進められ得る。これらの構成要素が遠位方向14に動かされたとき、安全バー270の第2の端部274は、ランプ214の傾斜表面と接触し、それによりセプタムアクティベータ220の上で第2の端部274を持ち上げる。遠位方向14にさらに動かしたとき、安全バー270の第2の端部274は、回転ブロック310内で位置決めされる。回転ブロック310は、ルアーアダプタ300に固定で取り付けられる区画を備える。第2の端部274が回転ブロック310内で位置決めされたとき、カテーテルインサータ本体210は、回転されないようになり、それによりカテーテル留置プロセス中、ルアーアダプタ300からのカテーテルインサータ本体210の早すぎる分離を防止する。
【0041】
ニードルハブ260、カテーテルスレッダ240、および安全バー270を遠位方向14に動かすプロセスでは、カテーテルスレッダ240のクリップ246がスプリッタ216を通り過ぎて動かされる。スプリッタ216は、クリップ246の2つの半体を分離し、それにより安全バー270のタブ276を解放する。タブ276はスプリッタ216と接触し、遠位方向14に安全バー270がさらに進むのを防止する。しかし、カテーテルスレッダ240は、もはや安全バー270に結合されず、したがって、図11A図11Cに示されているように、ニードルハブ260と共に遠位方向14に進み続けることができる。ニードルハブ260が遠位方向14に動いたとき、1または複数のプロング278は、ニードルハブ260から解放され、圧縮されていない、または伸長された形態をとる。
【0042】
引き続き図11A図11Cを参照すると、遠位方向14にカテーテルスレッダ240およびニードルハブ260が進み続けることは、患者のカテーテル留置をもたらす。具体的には、カテーテルスレッダ240のプローブ244が、カテーテル50のベース部分52をウェッジシール130内に進め、着座させる。セプタムアクティベータ220は、セプタム120を通る通路を提供し、それによりセプタムの損傷を防止し、カテーテル留置中にカテーテル50とセプタム120の間の摩擦フィードバックを解消する。
【0043】
患者のカテーテル留置に続いて、ニードルハブ260が近位方向12に動かされたとき針72がカテーテル50から引き抜かれる。ニードルハブ260が安全バー270の第1の端部272を通過したとき、圧縮されていないプロング278がニードルハブ260に引っかかり、それにより、図12A図12Cに示されているように、安全バー270をニードルハブ260と共に近位方向12に引きずる。ニードルハブ260の最大近位位置では、安全バーの第2の端部274が回転ブロック310から除去され、針72の先鋭な先端76がセプタムアクティベータ220内で遮蔽される。したがって、カテーテルインサータ本体210は、図13A図13Cに示されているように、回転されルアーアダプタ300から切断され得る。ルアーアダプタ300から除去された後で、カテーテルインサータ本体210は破棄されてもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、カテーテルインサータ本体210は、カテーテル留置中にカテーテルに続いてニードルハブ260を最大近位位置でロックするために提供される1または複数の安全ロック230(図11B参照)をさらに備える。インサータ本体210は、インサータ本体210からのニードルハブ260の除去を防止するために追加のロック232をさらに含んでもよい。これらの特徴は、カテーテル留置の前後に針72の先鋭な先端76と誤って接触するのを防止する。
【0045】
本発明は、本明細書に広く記載され以下で特許請求されているその構造、方法、または他の本質的な特徴から逸脱することなしに他の特定の形態で実施され得る。記載の実施形態および例はすべて、あらゆる点で、例示的なものにすぎず限定するものでないと解釈されるべきである。したがって、本発明の範囲は、前述の説明によってではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の均等物の意味および範囲内に入る変更はすべて、それらの範囲内に包含されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B
図13C