【実施例1】
【0012】
図1はインクジェット記録装置100を示す斜視図である。インクジェット記録装置100には、外部には操作表示部3が備えられた本体1と印字ヘッド2が備えられており、本体1と印字ヘッド2は導管4で接続されている。
【0013】
ここでインクジェット記録装置100の動作原理について説明する。
図2に示すように、インク容器18内のインクはポンプ25に吸引、加圧されてインク柱7となってノズル8から吐出される。ノズル8には、電歪素子9が備えられており、インクに所定の周波数で振動を加えてノズル8から吐出されるインク柱7を粒子化するようになっている。これにより生成されるインク粒子10の数は,電歪素子9に印加する励振電圧の周波数により決定され、その周波数と同数となる。
【0014】
インク粒子10は、印字情報に対応した大きさの電圧を帯電電極11にて印加することで電荷を与えられるようになっている。帯電電極11で帯電させられたインク粒子10は、偏向電極12間に生じる電界中を飛翔している間、帯電量に比例した力を受けて偏向し、印字対象物13へ向かって飛翔して着弾する。その際、インク粒子10は帯電量に応じて偏向方向の着弾位置は変化し、さらに偏向方向と直行する方向に生産ラインが印字対象物13を移動させることで、偏向方向と直行した方向にも粒子を着弾させることが可能となり、複数の着弾粒子によって文字を構成し印字を行う。印字に使用されなかったインク粒子10は偏向電極12間を直線的に飛翔して、ガター14により捕捉された後に経路を経由して、主インク容器18に回収される。
【0015】
次に、インクジェット記録装置100の実際の使用状態の一例を
図3に示す。インクジェット記録装置100は、例えば、食品や飲料などが生産される工場内の生産ラインに据え付けられ、本体1は使用者が操作できる位置に設置され、印字ヘッド2はベルトコンベア15などの生産ライン上を給送される印字対象物13に近接できる位置に設置される。
【0016】
ベルトコンベア15などの生産ライン上には給送速度に係わらず同じ幅で印字するために、給送速度に応じた信号をインクジェット記録装置100に出力するエンコーダ16や、印字対象物13を検出してインクジェット記録装置100に印字を指示する信号を出力する印字センサ17が設置されていて、それぞれは本体1内の図示しない制御部に接続されている。
【0017】
エンコーダ16や印字センサ17からの信号に応じて制御部がノズル8から吐出されるインク粒子10への帯電量や帯電タイミングを制御し、印字対象物13が印字ヘッド2近傍を通過する間に帯電、偏向されたインク粒子10を印字対象物13へ付着させて印字を行うようになっている。
【0018】
図4は、インクジェット記録装置100の全体的な経路構成を示す説明図である。本体1には、循環するインクを保持する主インク容器18が備えられており、主インク容器18には、主インク容器18内の液体が内部に保持されるのに適正な量である基準液面レベルに達しているか否かを検知する液面センサ38が備えられている。主インク容器18には、インクを循環させるための経路101を介してインクの粘度を計測するための落下式粘度計である粘度計測器21に接続されている。
【0019】
粘度計測器21は経路102を介して経路の開閉を行う電磁弁22に接続されており、電磁弁22は経路103を介してインクや溶剤の吸引、圧送に供されるポンプ25に接続されている。そして、ポンプ25は経路104を介してインク中に混入している異物を除去するフィルタ28に接続されている。
【0020】
フィルタ28は、経路105を介してポンプ25から圧送されたインクを印字するために適正な圧力に調整する減圧弁30に接続されており、減圧弁30は、経路106を介してインクの圧力を検出するための圧力センサ31に接続されている。
【0021】
圧力センサ31は、導管4内をとおる経路107を介して印字ヘッド2内に備えられたインクを吐出する吐出口を供えたノズル8に接続されている。
【0022】
ノズル8のインク吐出方向には、ノズル8から吐出されたインク粒子10に印字する文字情報に応じた電荷量を粒子に帯電させる帯電電極11が配置されている。帯電電極11により帯電させられたインク粒子10の飛翔方向には、帯電されたインク粒子10を偏向させる電界を発生させる偏向電極12が配置されている。
【0023】
偏向電極12のインク飛翔方向側には、印字に使用されないために帯電、偏向されずに直線的に飛翔するインク粒子10を捕捉するガター14が配置されている。
【0024】
ガター14は、導管4内をとおる経路108を介して本体1内に配置されているインク中に混入している異物を除去するフィルタ29と接続されており、フィルタ29は、経路109を介してガター14により補足されたインク粒子10を吸引する回収ポンプ26と接続されている。そして、回収ポンプ26は、経路110を介して吸引したインク粒子10を主インク容器18に回収する。
【0025】
本体1には、排気口32が設けられており、排気口32は経路150を介して主インク容器18と接続されており、インク中の揮発した溶剤成分が経路150を介して、本体1の外部に排気される。
【0026】
また、本体1には、ノズル8で生じるインクによる汚染の解消及びインクの濃度を調整するための溶剤を収容する溶剤容器20が備えられており、溶剤容器20は、経路111を介して溶剤の吸引、圧送を行うポンプ27に接続されている。また、ポンプ27は、経路112を介して経路の開閉を行う電磁弁24に接続されており、電磁弁24は、経路113を介して主インク容器18に接続されている。
【0027】
さらに、本体1には、補充用のインクを保持する補助インク容器19が備えられており、補助インク容器19は、経路120を介して経路の開閉を行う電磁弁23に接続されている。そして、電磁弁23は経路121を介して経路103に接続されている。
【0028】
補助インク容器19及び溶剤容器20には、カートリッジ式の補充用液体容器600が着脱可能である。補充用液体容器600の着脱構成については後述する。
【0029】
つづいて、本実施例における本体側の液体容器と補充用液体容器との接続機構、インクあるいは溶剤容器との接続方法及び液体容器外観の説明について
図5〜
図9を用いて説明する。
【0030】
図5は、本体1側の補助インク容器19、補助溶剤容器20に補充用液体容器600を接続させるための構造図の例である。補助インク容器19あるいは溶剤容器20は本体1内に設置された状態とし、補充動作はインクジェット記録装置100内で行うものとする。なお、補助インク容器19及び溶剤容器20は同様のボトル引込み構成を有するものであるため、ここでは、補助インク容器19のみについて説明する。
【0031】
図5において、まず、補助インク容器19の構造について説明する。補助インク容器19は液体補充口501、大気開放口502を有している。液体補充口501は補充用液体容器600との接続口であり、大気開放口502には補助インク容器内の液面を検知するセンサが取付けられている。
【0032】
液体補充口501の周囲には補充用液体容器600と接続するアダプタ506が設けられ、アダプタ506の左右両端に図示していないボスを設けている。また、そのボスにはレバーカム503が設けられており、更にレバーカム503には、レバーカム503を動作させる動作部として操作レバー504が装着されている。この操作レバー504により、レバーカム503が動作し、補充用液体容器600を補助インク容器19に接続させる。
【0033】
また、補助インク容器19の下端にはレバー位置決めプレート505が設けられ、補充用液体容器600を補助インク容器19に接続させた際に補充用液体容器600が転倒しないよう操作レバー504とレバー位置決めプレート505で固定し位置決めする。補助インク容器19と補充用液体容器600との接続方法は後段で説明する。
【0034】
なお、本実施例では、レバーカム503を動作させる動作部を操作レバー504としているが、カム動作部はこの機構に限らず、例えば、補充用液体容器600の接続時に、補充用液体容器600に対して、その上方から応力をかけて押し下げてカムを動作させる機構としてもよい。また、カム自体の動作を制御部で自動制御できる構成として動作させてもよい。
【0035】
次に、
図6(a)、(b)を用いて補助インク容器19に接続する補充用液体容器600の構成について説明する。
図6(a)は補充用液体容器600の全体図であり、
図6(b)は補充用液体容器600の補助インク容器19との接続部の拡大図である。
【0036】
補充用液体容器600の液体収容部601には、インクあるいは溶剤が収容され、液体収容部601のボトル口には容器キャップ602が装着されている。また、液体収容部601の一部にはボス603を設けていて、液体収容部601と一体になっている。このボス603は補助インク容器19と接続する際に使用するため、ボス603内部は樹脂が充填されていて、強度を確保している。
【0037】
補充用液体容器600に装着されている容器キャップ602は、キャップ天面605に開口部を形成しているため、未使用時には、
図6(b)に示すようにオーバーキャップ606を装着し、補充用液体容器600内部へのゴミの進入を防ぐことができる。
【0038】
オーバーキャップ606の保持方法はオーバーキャップ606内部の突起607を容器キャップ602外側の突起604に押込み嵌め合わせる。また、使用後の補充用液体容器600にオーバーキャップ606を装着することにより、残存するインクの漏れや臭いを防止することが可能となる。
【0039】
次に
図7を用いて、貯蔵用液体容器500と補充用液体容器600の接続について説明する。
【0040】
図7(a)及び
図7(b)は本体側との接続前の状態図であり、
図7(a)は補充用液体容器600を補助インク容器19へ接続する方向を示す図であり、
図7(b)は補充用液体容器600を補助インク容器19にセットした図である。
【0041】
図7(a)、(b)に示すように、補充用液体容器600をキャップ天面605が下を向くようにし、アダプタ506の上面に配置する。その後、液体補充口501に向かって補充用液体容器600を近づけていく。この際、レバーカム503の先端部には凹部が設けられており、この凹部の一方の側壁面を形成するスロープガイド700にボス603を沿わせることによって、補充用液体容器600を接続できる状態に誘導することができる。
【0042】
また、ボス603がレバーカム503の凹部の底面部にあたるフラット部701に一時的に乗せ、位置合わせをすることができ、補充用液体容器600を補助インク容器19に引き込んで接続するための準備状態にする。
【0043】
図7(c)は本体側との接続途中の状態図である。補充用液体容器600をアダプタ506内への引込む際は、操作レバー504を下方へ押込む。操作レバー504はレバーカム503に接続しているため、操作レバー504を下方に押込むと回転軸507を軸にレバーカム503を回転動作させることができる。
【0044】
レバーカム503の内側面には案内溝704が設けられていて、案内溝704はレバーカム503の凹部のスロープガイド700とは反対側の他方の側壁面に連通している。操作レバー504を押し下げると、レバーカム503が回転し、補充用液体容器600のボス603はレバーカム503の凹部のフラット部701から案内溝704に誘導され、案内溝704に沿って移動する。
【0045】
このように、レバーカム503の案内溝704の一部がレバーカム504の回転動作のある一姿勢において鉛直上方に開き、それにより補充用液体容器600のボス603を案内溝704の鉛直上方に開いた部分に合わせて置くだけで容易にレバーカム504の案内溝704にボス603を取り込むことができる。
【0046】
そして、操作レバー504を所定の位置まで押し下げると、補充用液体容器600のボス603が液体補充口501を形成する壁面の一部に設けられたU字溝702に挿入されて、補充用液体容器600と補助インク容器19の接続が完了する。
【0047】
このように、レバーカム503の回転動作とともに、レバーカム503でボス603を引っ掛け、補助インク容器19の液体補充口501に形成されたU字溝702に沿ってアダプタ506内に補充用液体容器600を鉛直方向に案内することできる。U字溝702により、補充用液体容器600の引込み時における容器の回転方向のズレを抑制し、引込むことができる。
【0048】
この鉛直方向の案内は、補充用液体容器600のボス603とアダプタ506の液体補充口501を形成する壁面に設けられたU字溝702との係合によるが、鉛直方向への案内は補充用液体容器600の容器キャップ602外側面とアダプタ506の壁内側面との係合によってもよい。
【0049】
図7(d)、(e)は本体側との接続時の状態図であり、
図7(d)は、補充用液体容器600と補助インク容器の接続状態の詳細構造であり、
図7(e)は、補充用液体容器600と補助インク容器19の接続状態における全体図である。
【0050】
この状態において、
図7(d)に示すようにボス603はU字溝702の下端で止まり、
図7(e)に示すように操作レバー504はレバー位置決めプレート505で位置決めされる。
【0051】
また、補充終了後の補充用液体容器600の交換時には操作レバー504を上方に持ち上げると、補充用液体容器600を引込んだ動作とは逆になり、補充用液体容器600の交換が可能となる。
【0052】
なお、上記の操作レバー504の動作は、ユーザが手動でできるものとしてもよいし、自動で動作するように制御する構成であってもよい。
【0053】
次に
図8を用いて、補充用液体容器600の別構成を説明する。補助インク容器19との接続は前述と同様であるため省略する。前述では、補充用液体容器600を貯蔵用液体容器500へ引き込む際に補充用液体容器600に一体で設けてあるボス603をレバーカム503で引き込んでいたが、ボス603を容器キャップ800に設けるものとしてもよい。
【0054】
以上のことから、実施例1にかかる構成によれば、カートリッジ式補充用液体容器とインクジェット記録装置の接続を正確かつ容易に実施可能なカートリッジ式インクジェット記録装置を提供することができる。
【実施例3】
【0060】
本実施例は、実施例1の構成に加え、補助インク容器19へ補充用液体容器600をセットした際の操作レバー504のロック機能を取り入れた構成例である。
【0061】
図10(a)は操作レバー504のロック機構によるロック解除状態、
図10(b)は操作レバー504のロック機構によるロック状態の図である。また、
図10(c)は操作レバー504のロック機構のロック動作を説明するための図であり、
図10(d)は操作レバー504のロック機構のロック解除における解除コード入力を説明するための図である。
【0062】
実施例1で説明したように補助インク容器19に補充用液体容器600を接続している状態では、操作レバー504はレバー位置決めプレート505によって位置が固定されている。しかし、意図しない外部からの力が操作レバー504にかかった場合に、レバー位置決めプレート505から操作レバー504が外れて、アダプタ506から補充用液体容器600が外れてしまう恐れがある。
【0063】
補充用液体容器600内にインクが入っていた場合に操作レバー504が外れてしまうと、インクが漏れて本体周辺を汚す恐れがあるため、補充用液体容器600を容易に外すことができないようにする必要がある。
【0064】
このことから、
図10(a)に示すように、操作レバー504が所定の位置、例えば、レバー位置決めプレート505によって固定された位置から動作しないように、ロック機構としてソレノイドロック902を操作レバー504の下端部付近に設ける構成としている。
【0065】
上記ソレノイドロック902の設置位置は操作レバー504がレバー位置決めプレート505で位置決めされている時のレバー上であればよく、すなわち操作レバー504が引き上げられないようにロックできる位置であればよい。
【0066】
本実施例では、ロック機構にソレノイドロック902を用いているが、ロック機構はこれに限定されるものではない。また、本実施例でのロック機構は操作レバー504が所定の位置から動作しないようにするものであり、ロック状態とは操作レバー504が所定の位置から動作不可の状態を意味し、ロック解除状態とは操作レバー504が所定の位置から動作可能な状態を意味するものとする。
【0067】
ソレノイドロックの動作の詳細については
図10(a)(b)(c)を用いて説明する。ソレノイドロック902にはロックピン907が備えられており、このロックピン907はソレノイドへ通電されていない場合に操作レバー504側(前方側)に突出した状態となり、ソレノイドへの通電がされている場合に、操作レバー504側とは反対側(後方側)に引っ込んだ状態となる。
【0068】
よって、ソレノイドへの通電がされていない場合に、操作レバー504をロック状態とすることができ、ソレノイドへ通電がされている場合に、操作レバー504をロック解除状態とすることができる。
【0069】
この時、ソレノイドへの通電制御は、液面検出センサ904の検出結果を用いている。液面検出センサ904で接液が検知されている状態の場合、制御部でソレノイドへ通電しないように制御する。これにより、液面検出時はロックピン907が前方へ突出した状態となり、操作レバー504をロック可能状態とすることができる。
【0070】
一方で、液面検出センサ904で接液が検出されない状態となった場合には、補充用液体容器600の交換時期であると考えられるため、液面検出センサ904の検出情報を基に、制御部でソレノイドへの通電可と判定する。ただし、本実施例におけるロック解除においては、液面検出センサの検出結果だけでなく、後述する解除コードの入力もロック解除の条件としている。
【0071】
ソレノイドへの通電が行われると、ロックピン907が後方へ引っ込んだ状態となり、操作レバー504をロック解除状態とすることができる。
【0072】
次に
図10(d)を用いてソレノイドロック902のロック解除方法について説明する。
図10(d)に示したものは本体側の表示部の画面のイメージである。ロックの解除を行う際には、本体側の入力画面で解除用のコードを入力する。上述したように、ロックの解除は、液面検出センサ904で液面が検出されていない状態で、解除用コードが正しく入力された際に行われるように制御される。解除用コードは例えば、貯蔵用液体容器600の側面に貼られている、コード付ラベル903に記載のコードを用いるように設定してもよい。
【0073】
操作レバー504のロック解除が必要な場面は主に本体1の据付け時、インクあるいは溶剤のカートリッジ交換、インクあるいは溶剤の使用期限オーバー、インク劣化、インク種類の変更等である。
【0074】
図10(d)の解除コード入力画面に示しているように、入力画面にはインク用と溶剤用の解除コード入力欄909を設けている。例えば、インクカートリッジを交換したい場合は、次に取付けたいインクカートリッジのラベルに記載のコードを入力する。このとき、インク側のコードを溶剤側の入力欄に入力した場合、ロック解除できず、インクカートリッジと溶剤カートリッジの取違いによる誤装着を防止することができる。
【0075】
本実施例では、上記のような解除用のコードを設定しているが、コードにどのようなものを用いるかについては適宜設定することができるものとする。また、ロックコードの入力方法は上記に限らず、本体側のコード入力を行う際に通信手段を用いて行ってもよい。
【0076】
また、本実施例では、補助インク容器19内の液面検出センサ904での検出結果と解除用コードの入力を条件として操作レバー504のロック状態を解除するものとしたことで、
図10(b)のような補充用液体容器600内にインクが入っている状態でロックが解除され、補充用液体容器600を取外してしまうとインクが漏れ出てしまうという恐れを防止することができる。
【0077】
ただし、ロック解除不可のタイミングで万が一ロックを解除しないとならない場面があった場合は、保守員に発行されるパスワードでロックピン907を動作させることができる専用の画面を本体1で開き、ボタン操作で解除することができるものとする。
【0078】
一方、上記の構成では、ソレノイドロックが動作し、操作レバー504のロックが解除された場合に、次にロック状態となるまで、ソレノイドに通電し続けなければならない構成であり、この構成においては、電力消費が高くなってしまうという問題がある。
【0079】
そこで、所定の時間経過してもロックが解除状態になっている場合は、ロックピン907がロック状態に戻るように制御する構成としてもよい。
【0080】
この場合、次のカートリッジの交換をする前に所定の時間が経過してしまいロック状態となることでカートリッジが交換できないという課題が生じる。この課題を考慮し、
図10(c)を用いて、操作レバー504の動作とソレノイドロック902による操作レバー504のロック動作を説明する。
【0081】
ソレノイドロック902の設置位置は、ソレノイドに通電されずに突出した状態のロックピン907の先端の位置が操作レバー504を下げた時に操作レバー504と接触する位置にある。
【0082】
ロックピン907は、ソレノイドに通電されていない状態では、前方へ突出した状態となるが、これを後方に引っ込ませるように移動させることができるようになっている。ロックピン907はバネ等の弾性体により前方に押し出されている構成であるため、ロックピン907を後方に押し込むことでロックピン907の先端の位置を移動させることができる。
【0083】
補充用液体容器601が接続される際、操作レバー504が矢印方向に押し下げられてロックピン907に接触する。この時、ロックピン907の先端の操作レバー504と接触する側がテーパ形状になっているため、操作レバー504を挿入する際にロックピン907が後方の引っ込み方向に移動にするため、操作レバー504を奥までスムーズに挿入することができる。
【0084】
一方、操作レバー504を引き上げて、挿入前の状態に戻そうとしても、ロックピン907の先端は突出した状態から移動しないため、操作レバー504を動作不可の状態にすることができる。
【0085】
この構成により、所定時間経過後にロック解除状態を終了し、ロック状態とした場合にも、操作レバーを押下げてカートリッジを接続することが可能であり、また、カートリッジ接続後に操作レバーをロック状態にすることができる。
【0086】
なお、 本実施例では操作レバーのロック解除において、補助インク容器19内の液面検出センサ904での検出結果と解除用コードの入力とを条件とて説明したが、いずれかの条件のみで解除できるものとしてもよい。
【0087】
以上のことから、実施例3にかかる構成によれば、カートリッジ式補充用液体容器とインクジェット記録装置の接続を正確かつ容易に実施可能なカートリッジ式インクジェット記録装置を提供することができる。また、接続されたカートリッジ式補充用液体容器が誤って取り外されることを防止することができる。