(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0068】
本発明は、それだけには限らないが、IL−1βおよびその他の標的と結合するDVD−Ig(商標)などの、IL−1βおよび多価、多重特異性結合タンパク質と結合する抗IL−1β抗体またはその抗原結合部分を始めとするIL−1β結合タンパク質に関する。本発明の種々の態様は、抗体および抗体断片、DVD−Ig結合タンパク質およびその医薬組成物、ならびに抗体、DVD−Ig結合タンパク質およびその断片を含めたこのようなIL−1β結合タンパク質を製造するための核酸、組換え発現ベクターおよび宿主細胞に関する。インビトロまたはインビボのいずれかで、ヒトIL−1βを検出するために、ヒトIL−1βを阻害するために、ならびに遺伝子発現を調節するために、本発明のIL−1β結合タンパク質を使用する方法も本発明によって包含される。
【0069】
本発明はまた、本明細書に記載されたIL−1β結合タンパク質と競合することができる任意の結合タンパク質または抗体も包含する。
【0070】
本明細書において別段の定義のない限り、本発明に関連して使用される科学用語および技術用語は、当業者によって一般に理解されている意味を有する。用語の意味および範囲は、明確でなければならないが、任意の潜在的に曖昧な事象では、本明細書において提供される定義は、任意の辞書の定義または外因性の定義を超える先例を取る。さらに、文脈によって別段に必要とされない限り、単数の用語は、複数を含むものとし、複数の用語は、単数を含むものとする。本出願では、「または」の使用は、別段の記述のない限り、「および/または」を意味する。さらに、用語「含んでいる(including)」ならびに「含む(includes)」および「含まれる(included)」などのその他の形態の使用は、限定的ではない。また、「要素」または「成分」などの用語は、別段の記述のない限り、1つのユニットを含む要素および成分ならびに2以上のサブユニットを含む要素および成分の両方を包含する。
【0071】
一般に、本明細書に記載される細胞および組織培養、分子生物学、免疫学、微生物学、遺伝子およびタンパク質および核酸化学ならびにハイブリダイゼーションに関連して使用される命名法ならびにその技術は、当技術分野で周知のものであり、当技術分野でよく使用されるものである。本発明の方法および技術は、別段の指示のない限り、当技術分野で周知の従来法に従って、また、本明細書を通じて引用され、論じられる種々の一般的な参考文献およびより特定の参考文献に記載されるように一般に実施される。酵素反応および精製技術は、製造業者の仕様書に従って、当技術分野で一般に遂行されるように、または本明細書に記載されるように実施される。本明細書に記載される分析化学、合成有機化学および医薬品および製薬化学に関連して使用される命名法ならびにその実験室手順および技術は、当技術分野で周知のものであり、当技術分野でよく使用されるものである。標準技術は、化学合成、化学分析、医薬品、製剤および送達ならびに患者の治療のために使用されている。
【0072】
本発明がより容易に理解され得るように、選択用語が以下に定義される。
【0073】
用語「ポリペプチド」とは、アミノ酸の任意のポリマー鎖を指す。用語「ペプチド」および「タンパク質」は、用語ポリペプチドと同義的に使用され、アミノ酸のポリマー鎖も指す。用語「ポリペプチド」は、天然または人工タンパク質、タンパク質断片およびタンパク質配列のポリペプチド類似体を包含する。ポリペプチドは、単量体であってもポリマーであってもよい。用語「ポリペプチド」は、文脈によって別段に異なることが指示されない限り、ポリペプチドおよびその断片および変異体(変異体の断片を含む)を包含する。抗原性ポリペプチドについては、ポリペプチドの断片は、場合により、ポリペプチドの少なくとも1つの連続するまたは非直線エピトープを含有する。少なくとも1つのエピトープ断片の正確な境界は、当技術分野で通常の技術を使用して確認され得る。断片は、少なくとも約5個の連続するアミノ酸、例えば、少なくとも約10個の連続するアミノ酸、少なくとも約15個の連続するアミノ酸または少なくとも約20個の連続するアミノ酸を含む。ポリペプチドの変異体は、本明細書に記載されるとおりである。
【0074】
用語「単離されたタンパク質」または「単離されたポリペプチド」は、その起源または供給源に基づいて、その天然状態でそれに付随する天然に会合している成分と会合していないタンパク質またはポリペプチドであり、実質的に、同一種に由来するその他のタンパク質を含まず、異なる種に由来する細胞によって発現されるか、または天然には生じない。したがって、化学的に合成されたまたはそれが天然に生じる細胞とは異なる細胞系において合成されたポリペプチドは、その天然に会合している成分から「単離」される。タンパク質はまた、当技術分野で周知のタンパク質精製技術を使用する単離によって天然に会合している成分を実質的に含まないようにされ得る。
【0075】
用語「回収すること」とは、例えば、当技術分野で周知のタンパク質精製技術を使用する単離によって、ポリペプチドなどの化学種を、天然に会合している成分を実質的に含まないようにすることを指す。
【0076】
用語「ヒトIL−1α」(本明細書においてhIL−1αまたはIL−1αと略される)は、種々の免疫応答、炎症プロセスおよび造血発生に関与している多面性サイトカインを含む。例えば、IL−1αは、活性化マクロファージによって製造されるヒトサイトカインを含み、それは、IL−2放出、B細胞成熟および増殖ならびに繊維芽細胞増殖因子活性を誘導することによって胸腺細胞増殖を刺激する。用語ヒトIL−1αは、標準組換え発現法によって調製され得る組換えヒトIL−1α(rh IL−1α)を含むものとする。
【0077】
用語「ヒトIL−1β」(本明細書においてhIL−1βまたはIL−1βとして略される)は、種々の免疫応答、炎症プロセスおよび造血発生に関与している多面性サイトカインを含む。用語ヒトIL−1βは、標準組換え発現法によって調製され得る組換えヒトIL−1β(rh IL−1β)を含む。
【0078】
ヒトIL−1αおよびIL−1βのアミノ酸配列を、表1に示す。
【0080】
用語「生物活性」とは、IL−1サイトカイン、例えば、IL−1αおよび/またはIL−1βのすべての固有の生物学的特性を指す。IL−1αおよびIL−1βの生物学的特性として、それだけには限らないが、IL−1受容体との結合が挙げられる。
【0081】
用語「特異的結合」または「特異的に結合すること」は、抗体、タンパク質またはペプチドの、第2の化学種との相互作用に関連して、相互作用が、化学種上の特定の構造(例えば、抗原決定基またはエピトープ)の存在に依存していること、例えば、抗体が、広くタンパク質とではなく、特定のタンパク質構造を認識し、結合することを意味する。抗体が、エピトープ「A」に対して特異的である場合には、標識された「A」および抗体を含有する反応物中のエピトープA(または遊離の、標識されていないA)を含有する分子の存在は、抗体と結合している標識されたAの量を低減する。
【0082】
用語「抗体」とは、4つのポリペプチド鎖、2つの重(H)鎖、および2つの軽(L)鎖からなる任意の免疫グロブリン(Ig)分子またはIg分子の本質的なエピトープ結合特徴を保持する、その任意の機能的断片、突然変異体、変異体または誘導体を広く指す。このような突然変異体、変異体または誘導体抗体形式は、当技術分野で公知である。その限定されない実施形態は以下に論じられている。
【0083】
全長抗体では、各重鎖は、重鎖可変領域(本明細書において、HCVRまたはVHと略される)および重鎖定常領域からなる。重鎖定常領域は、3つのドメイン、CH1、CH2およびCH3からなる。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書において、LCVRまたはVLと略される)および軽鎖定常領域からなる。軽鎖定常領域は、1つのドメイン、CLからなる。VHおよびVL領域は、フレームワーク領域(FR)と呼ばれるより保存された領域が散財している、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる超可変性の領域にさらに細かく分けることができる。各VHおよびVLは、以下の順でアミノ末端からカルボキシ末端に配置される、3つのCDRおよび4つのFRからなる:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。免疫グロブリン分子は、任意の種類のもの(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgAおよびIgY)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2)またはサブクラスであり得る。
【0084】
用語「Fc領域」は、無傷の抗体のパパイン消化によって生じ得る免疫グロブリン重鎖のC末端領域を定義するよう使用される。Fc領域は、天然配列Fc領域または変異体Fc領域であり得る。免疫グロブリンのFc領域は、一般に、2つの定常ドメイン、CH2ドメインおよびCH3ドメインを含み、場合により、1つのCH4ドメインを含む。抗体エフェクター機能を変更するためのFc部分の中のアミノ酸残基の置換は、当技術分野で公知である(Winterら、米国特許第5,648,260号および同5,624,821号)。抗体のFc部分は、いくつかの重要なエフェクター機能、例えば、サイトカイン誘導、ADCC、食作用、補体依存性細胞毒性(CDC)ならびに抗体および抗原抗体複合体の半減期/クリアランス速度を媒介する。いくつかの場合には、これらのエフェクター機能は、治療用抗体にとって望ましいものであるが、その他の場合には、治療対象に応じて、不必要であるまたは有害である場合さえある。特定のヒトIgGアイソタイプ、特に、IgG1およびIgG3は、それぞれ、FcγRsおよび補体C1qとの結合によるADCCおよびCDCを媒介する。新生児Fc受容体(FcRn)は、抗体の循環半減期を決定する重要な成分である。さらに別の実施形態では、抗体のエフェクター機能が変更されるよう、抗体の定常領域、例えば、抗体のFc領域において少なくとも1個のアミノ酸残基が置換される。免疫グロブリンの2つの同一の重鎖の二量体化は、CH3ドメインの二量体化によって媒介され、ヒンジ領域内のジスルフィド結合によって安定化される(Huberら、Nature、264:415−420頁(1976年);Thiesら、J.Mol.Biol.、293:67−79頁(1999年))。重鎖−重鎖ジスルフィド結合を妨げるためのヒンジ領域内のシステイン残基の突然変異は、CH3ドメインの二量体化を不安定化する。CH3二量体化に関与する残基は同定されている(Dall’Acquaら、Biochemistry、37: 9266−9273頁(1998年))。したがって、一価の半Igを作製することが可能である。興味深いことに、これらの一価の半分子型Igは、IgGおよびIgAサブクラス両方について天然に見出されている(Seligmannら、Ann. Immunol.、129C:855−70頁(1978年);Biewengaら、Clin.Exp.Immunol.、51:395−400頁(1983年))。FcRn:Ig Fc領域の化学量論は、2:1であると決定されており(Westら、Biochemistry、39:9698−9708頁(2000年))、半Fcは、FcRn結合を媒介するのに十分である(Kimら、Eur.J.Immunol.、24:542−548頁(1994年))。CH3二量体化にとって重要な残基は、CH3 bシート構造の内側界面上に位置するのに対し、FcRn結合に関与する領域はCH2−CH3ドメインの外側の界面上に位置するので、CH3ドメインの二量体化を混乱させる突然変異が、そのFcRn結合に対してより大きな有害効果を有する可能性はない。しかし、半分子型Igは、通常の抗体のものより小さい大きさのために組織浸透において特定の利点を有し得る。一実施形態では、重鎖の二量体化が乱され、その結果、半分子型DVD Ig分子が得られるよう、本発明の結合タンパク質の定常領域、例えば、Fc領域中の少なくとも1個のアミノ酸残基が置換されている。IgGの抗炎症活性は、IgG Fc断片のN連結型グリカンのシアリル化に完全に依存している。抗炎症活性のための正確なグリカン必要条件は決定されており、その結果、適当なIgG1 Fc断片が作製され、それによって、大幅に増強された効力を有する完全に組換えられたシアリル化IgG1 Fcが作製され得る(Anthonyら、Science、320:373−376頁(2008年))。
【0085】
用語抗体の「抗原−結合部分」とは、抗原と(例えば、hIL−1β)特異的に結合する能力を保持する抗体の1以上の断片を指す。抗体の抗原−結合機能は、全長抗体の断片によって実施され得るということがわかっている。このような抗体実施形態はまた、2種以上の異なる抗原(例えば、hIL−1βならびにhIL−1βおよびhIL−1αなどの異なる抗原分子)と特異的に結合する、二特異性、二重特異性または多重特異性形式であり得る。用語抗体の「抗原−結合部分」内に包含される結合断片の例として、(i)Fab断片、VL、VH、CLおよびCH1ドメインからなる一価断片;(ii)F(ab’)
2断片、ヒンジ領域でジスルフィド架橋によって連結された2つのFab断片を含む二価断片;(iii)VHおよびCH1ドメインからなるFd断片;(iv)抗体の単一のアームのVLおよびVHドメインからなるFv断片;(v)単一の可変ドメインを含むdAb断片(Wardら、Nature、341:544−546頁(1989年);PCT公開番号WO 90/05144);および(vi)単離された相補性決定領域(CDR)が挙げられる。さらに、Fv断片の2つのドメイン、VLおよびVHは、別個の遺伝子によってコードされるが、それらは、組換え法を使用し、VLおよびVH領域対が一価分子を形成する単一のタンパク質鎖(一本鎖Fv(scFv)としても知られる;例えば、Birdら、Science、242:423−426頁(1988年);およびHustonら、Proc.Natl.Acad.Sci. USA、85:5879−5883頁(1988年)参照のこと)として製造されることを可能にする合成リンカーによって結合され得る。このような一本鎖抗体もまた、用語抗体の「抗原−結合部分」内に包含されるものとする。ダイアボディーなどの一本鎖抗体のその他の形態も包含される。ダイアボディーは、VHおよびVLドメインが単一のポリペプチド鎖上に発現されるが、同一鎖上の2つのドメイン間の対形成を可能にするには短すぎるリンカーを使用し、それによって、ドメインが別の鎖の相補的ドメインと対形成するようにし、2つの抗原結合部位を作製する、二価の、二特異性抗体である(例えば、Holligerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、90:6444−6448頁(1993年); Poljak、R.J.、Structure、2:1121−1123頁(1994年)参照のこと)。このような抗体結合部分は、当技術分野で公知である(KontermannおよびDubel編、Antibody Engineering (Springer−Verlag. New York、2001年)、790頁(ISBN 3−540−41354−5))。さらに、一本鎖抗体はまた、相補的軽鎖ポリペプチドと一緒になって、1対の抗原結合領域を形成する1対のタンデムFvセグメント(VH−CH1−VH−CH1)を含む「直鎖抗体」も含む(Zapataら Protein Eng.、8(10):1057−1062頁(1995年);および米国特許第5,641,870号)。
【0086】
免疫グロブリン定常(C)ドメインとは、重鎖(CH)または軽鎖(CL)定常ドメインを指す。マウスおよびヒトIgG重鎖および軽鎖定常ドメインアミノ酸配列は、当技術分野で公知である。
【0087】
用語「IL−1β結合タンパク質構築物」(または「結合タンパク質構築物」)とは、リンカーまたは免疫グロブリン定常ドメインと連結された本発明の抗原結合部分の1以上を含むポリペプチドを指す。「リンカーポリペプチド」は、ペプチド結合によって結合された2個以上のアミノ酸残基を含み、1つまたは複数の抗原結合部分を連結するために使用される。このようなリンカーポリペプチドは、当技術分野で周知である(例えば、Holligerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、90:6444−6448頁(1993年);Poljak、R.J.、Structure、2:1121−1123頁(1994年)参照のこと)。免疫グロブリン定常ドメインとは、重鎖または軽鎖定常ドメインを指す。ヒトIgG重鎖および軽鎖定常ドメインアミノ酸配列は、当技術分野で公知であり、表2に表されている。
【0089】
さらに、抗体またはその抗原−結合部分などのIL−1β結合タンパク質は、抗体または抗原−結合部分の1以上のその他のタンパク質またはペプチドとの共有または非共有結合によって形成された、より大きな免疫接着分子の一部であり得る。このような免疫接着分子の例として、四量体scFv分子を製造するためのストレプトアビジンコア領域の使用(Kipriyanovら、Human Antibod.Hybridomas、6:93−101頁(1995年))ならびに二価の、ビオチン化scFv分子を製造するためのシステイン残基、マーカーペプチドおよびC末端ポリヒスチジンタグの使用(Kipriyanovら、Mol.Immunol.、31:1047−1058頁(1994年))が挙げられる。FabおよびF(ab’)2断片などの抗体部分は、全抗体のそれぞれパパインまたはペプシン消化などの従来技術を使用して全抗体から調製され得る。さらに、抗体、その抗原−結合部分および免疫接着分子は、本明細書に記載され、標準の組換えDNA技術を使用して得られる。
【0090】
「単離された抗体」とは、異なる抗原特異性を有するその他の抗体を実質的に含まない抗体を指すものとする(例えば、hIL−1βと特異的に結合する単離された抗体は、hIL−1β以外の抗原と特異的に結合する抗体を実質的に含まない)。しかし、hIL−1βと特異的に結合する単離された抗体は、その他の種に由来するIL−1β分子などのその他の抗原に対して交差反応性を有し得る。さらに、単離された抗体は、その他の細胞物質および/または化学物質を実質的に含まない場合がある。
【0091】
用語「モノクローナル抗体」または「mAb」は、実質的に均一な抗体の集団から得られた抗体を指し、すなわち、集団を含む個々の抗体は、少量で存在し得る、可能性ある天然に存在する突然変異を除いて同一である。モノクローナル抗体は、高度に特異的であり、単一の抗原に対して向けられている。さらに、通常、種々の決定基(エピトープ)に対して向けられる種々の抗体を含むポリクローナル抗体調製物とは対照的に、各mAbは、抗原上の単一の決定基に対して向けられる。修飾語句「モノクローナル」とは、任意の特定の方法による抗体の製造を必要とすると解釈されるべきではない。
【0092】
用語「ヒト抗体」は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する可変領域および定常領域を有する抗体を含む。本発明のヒト抗体は、例えば、CDR、特に、CDR3中に、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列によってコードされないアミノ酸残基(例えば、インビトロでランダムおよび部位特異的突然変異誘発によって、またはインビボ体細胞突然変異によって誘発される突然変異)を含み得る。しかし、用語「ヒト抗体」は、マウスなどの別の哺乳動物種の生殖系列に由来するCDR配列が、ヒトフレームワーク配列にグラフトされている抗体を含まない。
【0093】
用語「組換えヒト抗体」は、組換え手段によって調製、発現、作製もしくは単離されたすべてのヒト抗体、例えば、宿主細胞にトランスフェクトされた組換え発現ベクターを使用して発現された抗体(以下の節IICにさらに記載される)、組換え、コンビナトリアルヒト抗体ライブラリーから単離された抗体(Hoogenboom、H.R.、Trends Biotechnol.、15:62−70頁(1997年);AzzazyおよびHighsmith、Clin. Biochem.、35:425−445頁(2002年);GavilondoおよびLarrick、BioTechniques、29:128−145頁(2000年);HoogenboomおよびChames、Immunol.Today、21:371−378頁(2000年))、ヒト免疫グロブリン遺伝子とってトランスジェニックである動物(例えば、マウス)から単離された抗体(例えば、Taylorら、Nucl.Acids Res.、20:6287−6295頁(1992年);KellermannおよびGreen、Curr.Opin.Biotechnol.、13:593−597頁(2002年);Littleら、Immunol.Today、21:364−370頁(2000年)参照のこと);またはヒト免疫グロブリン遺伝子配列のその他のDNA配列へのスプライシングを含む任意のその他の手段によって調製、発現、作製もしくは単離された抗体を含む。このような組換えヒト抗体は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列由来の可変領域および定常領域を有する。しかし、特定の実施形態では、このような組換えヒト抗体は、インビトロ突然変異誘発(または、ヒトIg配列にとってトランスジェニックの動物が使用される場合には、インビボ体細胞突然変異誘発)に付され、したがって、組換え抗体のVHおよびVL領域のアミノ酸配列は、ヒト生殖系列VHおよびVL配列に由来し、それと関連している一方で、インビボにおけるヒト抗体生殖系列レパートリー内には天然に存在しない配列である。
【0094】
用語「キメラ抗体」とは、ある種に由来する重鎖および軽鎖可変領域配列ならびに別の種に由来する定常領域配列を含む抗体、例えば、ヒト定常領域と連結しているマウス重鎖および軽鎖可変領域を有する抗体を指す。
【0095】
用語「CDRグラフト化抗体」とは、1つの種に由来するが、VHおよび/またはVLの1つまたは複数のCDR領域の配列が、別の種のCDR配列で置換されている重鎖および軽鎖可変領域配列を含む抗体、例えば、1つまたは複数のマウスCDR(例えば、CDR3)がヒトCDR配列で置換されている、マウス重鎖および軽鎖可変領域を有する抗体を指す。
【0096】
用語「CDR」とは、抗体可変配列内の相補性決定領域を指す。重鎖および軽鎖の可変領域の各々中に3つのCDRがあり、これらは、可変領域の各々のCDR1、CDR2およびCDR3と呼ばれる。本明細書において、用語「CDRセット」とは、抗原と結合することができる単一の可変領域中に生じる3つのCDRの群を指す。これらのCDRの正確な境界は異なるシステムに従って異なって定義されている。カバットによって記載されたシステム(Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest (National Institutes of Health、Bethesda、Maryland(1987年)および(1991年))は、抗体の任意の可変領域に適用可能な明白な残基番号付けシステムを提供するだけでなく、3つのCDRを定義する正確な残基境界も提供する。これらのCDRは、「カバットCDR」と呼ばれることもある。Chothiaおよび共同研究者(ChothiaおよびLesk、J.Mol.Biol.、196:901−917頁(1987年);ならびにChothiaら、Nature、342:877−883頁(1989年))は、カバットCDR内の特定の下位部分が、アミノ酸配列のレベルで大きな多様性を有するにもかかわらず、ほぼ同一のペプチド骨格立体構造をとることを見出した。これらの下位部分は、L1、L2およびL3またはH1、H2およびH3と示され、ここで、「L」および「H」は、軽鎖および重鎖領域をそれぞれ示す。これらの領域は、「コチア(Chothia)CDR」と呼ばれることもあり、これは、カバットCDRと重複する境界を有する。カバットCDRと重複するCDRを定義するその他の境界は、Padlanら、(FASEB J.、9:133−139頁(1995年))およびMacCallumら、(J.Mol.Biol.、262(5):732−745頁(1996年))によって記載されている。さらにその他のCDR境界定義は、本明細書のシステムの1つを厳密にたどらない場合もあるが、それでも、カバットCDRと重複するが、それらは、特定の残基または残基の群または全CDRでさえ、抗原結合に大幅に影響を与えないという予測または実験的知見を踏まえて、短くされる場合も、長くされる場合もある。本明細書において使用される方法は、これらのシステムのいずれかに従って定義されたCDRを使用し得るが、例示的な一実施形態は、カバットまたはコチアによって定義されるCDRを使用する。
【0097】
用語「カバット番号付け」、「カバット定義」および「カバット標識」は、本明細書において同義的に使用される。当技術分野で認識されるこれらの用語は、抗体の重鎖および軽鎖可変領域中のその他のアミノ酸残基よりも可変(すなわち、超可変)であるアミノ酸残基またはその抗原結合部分を番号付けるシステムを指す(Kabatら、Ann.NY Acad.Sci.、190:382−391頁(1971年);およびKabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、U.S.Department of Health and Human Services、NIH Publication第91−3242(1991年))。重鎖可変領域について、超可変領域は、CDR1のアミノ酸位置31−35、CDR2のアミノ酸位置50−65およびCDR3のアミノ酸位置95−102の範囲である。軽鎖可変領域については、超可変領域は、CDR1のアミノ酸位置24−34、CDR2のアミノ酸位置50−56およびCDR3のアミノ酸位置89−97の範囲である。
【0098】
過去20年にわたる重鎖可変および軽鎖領域のアミノ酸配列の大規模な公開データベースの成長および分析が、可変領域配列内のフレームワーク領域(FR)およびCDR配列間の通常の境界の理解につながり、この分野の当業者が、カバット番号付け、コチア番号付けまたはその他のシステムに従ってCDRを正確に決定することが可能となった。例えば、第31章、KontermannおよびDubel編、Antibody Engineering(Springer−Verlag、Berlin、2001年)中、特に432−433頁、Martin、「Protein Sequence and Structure Analysis of Antibody Variable Domains」参照のこと。重鎖可変(VH)および軽鎖可変(VL)領域のアミノ酸配列内のカバットCDRのアミノ酸配列の配列を決定する有用な方法が以下に提供される。
【0099】
CDR−L1アミノ酸配列を同定するために:
VL領域のアミノ末端からおよそ24個のアミノ酸残基を出発し;
CDR−L1配列の前の残基は、常にシステイン(C)であり;
CDR−L1配列の後ろの残基は、常にトリプトファン(W)残基、通常、Trp−Tyr−Gln(W−Y−Q)、またTrp−Leu−Gln(W−L−Q)、Trp−Phe−Gln(W−F−Q)およびTrp−Tyr−Leu(W−Y−L)であり;
長さは、通常、10−17個のアミノ酸残基である。
【0100】
CDR−L2アミノ酸配列を同定するために:
常に、CDR−L1の末端の後ろの16個の残基を出発し;
CDR−L2配列の前の残基は、一般に、Ile−Tyr(I−Y)、またVal−Tyr(V−Y)、Ile−Lys(I−K)およびIle−Phe(I−F)であり;
長さは、常に7個のアミノ酸残基である。
【0101】
CDR−L3アミノ酸配列を同定するために:
常に、CDR−L2の末端の後ろの33個のアミノ酸を出発し;
CDR−L3アミノ酸配列の前の残基は、常に、システイン(C)であり;
CDR−L3配列の後ろの残基は、常に、Phe−Gly−X−Gly(F−G−X−G)(配列番号11)(式中、Xは、任意のアミノ酸である)であり;
長さは、通常、7−11個のアミノ酸残基である。
【0102】
CDR−H1アミノ酸配列を同定するために:
VH領域のアミノ末端からおよそ31個のアミノ酸残基および常に、システイン(C)の後ろの9個の残基を出発し;
CDR−H1配列の前の残基は、常に、Cys−X−X−X−X−X−X−X−X(配列番号12)(式中、Xは、任意のアミノ酸である)であり;
CDR−H1配列の後ろの残基は、常にTrp(W)、通常、Trp−Val(W−V)、またTrp−Ile(W−I)およびTrp−Ala(W−A)であり;
長さは、通常、5−7個のアミノ酸残基である。
【0103】
CDR−H2アミノ酸配列を同定するために:
常に、CDR−H1の末端の後ろの15個のアミノ酸残基を出発し;
CDR−H2配列の前の残基は、通常、Leu−Glu−Trp−Ile−Gly(L−E−W−I−G)(配列番号23)、またその他の変化でもあり;
CDR−H2配列の後ろの残基は、Lys/Arg−Leu/Ile/Val/Phe/Thr/Ala−Thr/Ser/Ile/Ala(K/R−L/I/V/F/T/A−T/S/I/A)であり;
長さは、通常、16−19個のアミノ酸残基である。
【0104】
CDR−H3アミノ酸配列を同定するために:
常に、CDR−H2の末端の後ろの33個のアミノ酸残基および常に、システイン(C)の後ろの3個を出発し、
CDR−H3配列の前の残基は、常に、Cys−X−X(C−X−X)(式中、Xは、任意のアミノ酸である)、通常、Cys−Ala−Arg(C−A−R)であり;
CDR−H3配列の後ろの残基は、常に、Trp−Gly−X−Gly(W−G−X−G)(配列番号24)(式中、Xは、任意のアミノ酸である)であり;
長さは、通常、3−25個のアミノ酸残基である。
【0105】
本明細書において、用語「標準」残基とは、両方とも参照により本明細書に組み込まれる、Chothiaら(J.Mol.Biol.、196:901−917頁(1987年))およびChothiaら(J.Mol.Biol.、227:799−817頁(1992年))による定義の特定の標準CDR構造を規定するCDRまたはフレームワーク中の残基を指す。Chothiaらによれば、多数の抗体のCDRの重要な部分は、アミノ酸配列のレベルでの大きな多様性にもかかわらず、ほぼ同一のペプチド骨格確認(confirmations)を有する。各標準構造は、ループを形成するアミノ酸残基の連続セグメントの1セットのペプチド骨格ねじれ角を主に規定する。
【0106】
「親和性成熟」抗体とは、変更(複数可)を有さない親抗体と比較して、標的抗原に対する抗体の親和性において改善をもたらす、1つまたは複数のそのCDR中に1つまたは複数の変更を有する抗体である。例示的親和性成熟抗体は、標的抗原に対してナノモルの親和性、またはさらにピコモルの親和性さえ有する。親和性成熟抗体を製造するための種々の手順は、当技術分野で公知である。例えば、Marksら、BioTecnology、10:779−783頁(1992年)には、VHおよびVLドメインシャッフリングによる親和性成熟が記載されている。CDRおよび/またはフレームワーク残基のランダム突然変異誘発は、Barbasら、Proc.Nat.Acad.Sci.USA、91:3809−3813頁(1994年);Schierら、Gene、169:147−155頁(1995年);Yeltonら、J.Immunol.、155:1994−2004頁(1995年);Jacksonら、J.Immunol.、154(7):3310−3319頁(1995年);Hawkinsら、J.Mol.Biol.、226:889−896頁(1992年)によって記載されている。選択的突然変異誘発位置での、およびアミノ酸残基を増強する活性を有する接触位置または高頻度突然変異位置での選択的突然変異は、米国特許第6,914,128 B1号に記載されている。
【0107】
用語「多価結合タンパク質」とは、2以上の抗原結合部位を含む結合タンパク質を示す。多価結合タンパク質は、好ましくは、3以上の抗原結合部位を有するよう操作され、一般に、天然に存在しない抗体である。用語「多重特異性結合タンパク質」とは、2種以上の関連する標的または関連していない標的と結合できる結合タンパク質を指す。本発明の「二重可変ドメイン」(「DVD」)結合タンパク質は、2以上の抗原結合部位を含み、四価または多価結合タンパク質である。DVDは、単一特異性であり得る、すなわち、1種の抗原と結合できる、または多重特異性であり得る、すなわち、2種以上の抗原と結合できる。2つの重鎖DVDポリペプチドおよび2つの軽鎖DVDポリペプチドを含むDVD結合タンパク質は、「DVD免疫グロブリン」または「DVD−Ig」と呼ばれる。DVD−Igの半分は各々、重鎖DVDポリペプチドおよび軽鎖DVDポリペプチドならびに2以上の抗原結合部位を含む。結合部位は各々、重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインを含み、抗原結合部位あたり、抗原結合中に関与する合計6つのCDRを有する。
【0108】
DVD−Ig分子の設計、発現および特性決定の説明は、PCT公開番号WO2007/024715;米国特許第7,612,181号およびWuら、Nature Biotechnol.、25:1290−1297頁(2007年)に提供されている。このようなDVD−Ig分子の好ましい例は、構造式VD1−(X1)n−VD2−C−(X2)n[式中、VD1は、第1の重鎖可変ドメインであり、VD2は、第2の重鎖可変ドメインであり、Cは、重鎖定常ドメインであり、X1は、リンカーであり(ただし、CH1ではない)、X2は、Fc領域であり、nは、0または1であるが、好ましくは、1である]を含む重鎖および構造式VD1−(X1)n−VD2−C−(X2)n[式中、VD1は、第1の軽鎖可変ドメインであり、VD2は、第2の軽鎖可変ドメインであり、Cは、軽鎖定常ドメインであり、X1は、リンカーであり(ただし、CH1ではない)、X2は、Fc領域を含まず、nは、0または1であるが、好ましくは、1である]を含む軽鎖を含む。このようなDVD−Igは、2つのこのような重鎖および2つのこのような軽鎖を含むことがあり、ここで、各鎖は、可変領域の間に介在する定常領域を有さず、タンデムに結合された可変ドメインを含み、重鎖および軽鎖は、会合して、タンデムの機能性抗原結合部位を形成し、1対の重鎖および軽鎖は、別の対の重鎖および軽鎖と会合して、4つの抗原結合部位を有する四量体結合タンパク質を形成し得る。別の例では、DVD−Ig分子は、可変領域の間に介在する定常領域を有さず、タンデムに連結された3つの可変ドメイン(VD1、VD2、VD3)を各々含む重鎖および軽鎖を含むことがあり、ここで、1対の重鎖および軽鎖は、会合して、3つの抗原結合部位を形成し得、1対の重鎖および軽鎖は、別の対の重鎖および軽鎖と会合して、6つの抗原結合部位を有する四量体結合タンパク質を形成し得る。
【0109】
DVD−Ig結合タンパク質は、IL−1βの1以上のエピトープと結合し得る。DVD−Ig結合タンパク質はまた、IL−1βのエピトープおよびIL−1βポリペプチド以外の第2の標的抗原のエピトープと結合し得る。
【0110】
本明細書において、用語「二特異性抗体」とは、クアドローマ技術によって(Milsteinら、Nature、305(5934):537−540頁(1983年))、2種の異なるモノクローナル抗体の化学的コンジュゲーションによって(Staerzら、Nature、314:628−631頁(1985年))、またはFc領域中の突然変異を誘発するノブ・イントゥ・ホール(knob−into−hole)もしくは同様のアプローチ(Holligerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、90(14):6444−6448頁(1993年)も参照のこと)によって作製され、その結果、複数の異なる免疫グロブリン種が得られる全長抗体を指し、そのうち1種のみが、機能性二特異性抗体である。分子機能によって、二特異性抗体は、その2つの結合アーム(HC/LCの1対)のうち一方の1種の抗原(またはエピトープ)と結合し、その第2のアーム(HC/LCの異なる対)上の異なる抗原(またはエピトープ)と結合する。この定義によって、二特異性抗体は、2つの別個の抗原結合アーム(特異性およびCDR配列の両方において)を有し、それが結合する各抗原に対して一価である。
【0111】
本明細書において、用語「二重特異性抗体」とは、その2つの結合アーム(HC/LCの対)の各々中の2種の異なる抗原(またはエピトープ)と結合できる全長抗体を指す(PCT公開第WO02/02773参照のこと)。したがって、二重特異性結合タンパク質は、同一の特異性および同一のCDR配列を有する2つの同一の抗原結合アームを有し、それが結合する各抗原に対して二価である。
【0112】
結合タンパク質の「機能的抗原結合部位」は、標的抗原と結合できるものである。抗原結合部位の抗原結合親和性は、必ずしも、抗原結合部位が由来する親抗体と同程度には強くないが、抗原と結合する能力は、抗原と結合する抗体を評価するための種々の公知の方法のいずれか1種を使用して測定可能でなければならない。さらに、本明細書における多価抗体の抗原結合部位の各々の抗原結合親和性は、定量的に同一である必要はない。
【0113】
用語「サイトカイン」は、1つの細胞集団から放出され、細胞間メディエーターとして別の細胞集団に対して作用するタンパク質の一般用語である。このようなサイトカインの例として、リンホカイン、モノカインおよび従来のポリペプチドホルモンがある。サイトカインの中に、成長ホルモン、例えば、ヒト成長ホルモン、N−メチオニルヒト成長ホルモンおよびウシ成長ホルモン;副甲状腺ホルモン;チロキシン;インスリン;プロインスリン;レラキシン;プロレラキシン;糖タンパク質ホルモン、例えば、卵胞刺激ホルモン(FSH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)および黄体形成ホルモン(LH);肝臓増殖因子;繊維芽細胞増殖因子;プロラクチン;胎盤性ラクトゲン;腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)および腫瘍壊死因子−ベータ(TNF−β)などの腫瘍壊死因子;ミュラー管抑制因子;マウスゴナドトロピン関連ペプチド;インヒビン;アクチビン;血管内皮増殖因子;インテグリン;トロンボポエチン(TPO);NGF−アルファ(NGF−α)などの神経成長因子;血小板−増殖因子;胎盤増殖因子;TGF−アルファ(TGF−α)およびTGF−ベータ(TGF−β)などのトランスフォーミング増殖因子(TGF);インスリン様成長因子−1および−11;エリスロポエチン(EPO);骨誘導因子;インターフェロン−アルファ(IFN−α)、インターフェロン−ベータ(IFN−β)およびインターフェロン−ガンマ(IFN−γ)などのインターフェロン;マクロファージ−CSF(M−CSF);顆粒球マクロファージ−CSF(GM−CSF);および顆粒球−CSF(G−CSF)などのコロニー刺激因子(CSF);IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13、IL−15、IL−17、IL−18、IL−21、IL−22、IL−23、IL−33などのインターロイキン(IL);ならびにLIFおよびキットリガンド(KL)を始めとするその他のポリペプチド因子がある。本明細書において、用語サイトカインは、天然供給源に由来するタンパク質または組換え細胞培養に由来するタンパク質および天然配列サイトカインの生物学的に活性な同等物を含む。
【0114】
本明細書において、用語「ドナー」および「ドナー抗体」とは、1つまたは複数のCDRを提供する抗体を指す。例示的な一実施形態では、ドナー抗体は、フレームワーク領域が得られるまたはそれに由来する抗体とは異なる種に由来する抗体である。ヒト化抗体との関連で、用語「ドナー抗体」とは、1つまたは複数のCDRを提供する非ヒト抗体を指す。
【0115】
本明細書において、用語「フレームワーク」または「フレームワーク配列」とは、CDRを引いた可変領域の残りの配列を指す。CDR配列の正確な定義は、種々のシステムによって決定できるので、フレームワーク配列の意味は、相応に異なる解釈次第である。6つのCDR(軽鎖のCDR−L1、−L2および−L3ならびに重鎖のCDR−H1、−H2および−H3)はまた、軽鎖および重鎖上のフレームワーク領域を各鎖上の4つの小領域(FR1、FR2、FR3およびFR4)に分け、これでは、CDR1はFR1およびFR2の間に位置し、CDR2は、FR2およびFR3の間、CDR3は、FR3およびFR4の間に位置する。FR1、FR2、FR3またはFR4として特定の小領域を規定するものではなく、その他のものによって呼ばれるフレームワーク領域は、単一の天然に存在する免疫グロブリン鎖の可変領域内の組み合わせたFRsを表す。本明細書において、FRは、4つの小領域のうち1つを表し、FRsは、フレームワーク領域を構成する4つの小領域のうち2以上を表す。
【0116】
本明細書において、用語「アクセプター」および「アクセプター抗体」とは、1つまたは複数のフレームワーク領域のアミノ酸配列の少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%または100%を提供する抗体またはコードする核酸配列を指す。いくつかの実施形態では、用語「アクセプター」とは、定常領域(複数可)を提供する抗体アミノ酸またはコードする核酸配列を指す。さらに別の実施形態では、用語「アクセプター」とは、1つまたは複数のフレームワーク領域および定常領域(複数可)を提供する抗体アミノ酸またはコードする核酸配列を指す。特定の実施形態では、用語「アクセプター」とは、1つまたは複数のフレームワーク領域のアミノ酸配列の少なくとも80%、好ましくは、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%または100%を提供するまたはコードするヒト抗体アミノ酸または核酸配列を指す。この実施形態と一致して、アクセプターは、ヒト抗体の1つまたは複数の特定の位置では生じない少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個または少なくとも10個のアミノ酸残基を含有し得る。アクセプターフレームワーク領域および/またはアクセプター定常領域(複数可)は、例えば、生殖系列抗体遺伝子、成熟した抗体遺伝子、機能性抗体(例えば、当技術分野で周知の抗体、開発中の抗体または市販の抗体)に由来するまたはそれらから得られる。
【0117】
ヒト重鎖および軽鎖アクセプター配列は、当技術分野で公知である。本発明の一実施形態では、ヒト重鎖および軽鎖アクセプター配列は、V−base(http://vbase.mrc−cpe.cam.ac.uk/)から、またはIMGT(登録商標)、the international ImMunoGeneTics information system(登録商標)(http://imgt.cines.fr/textes/IMGTrepertoire/LocusGenes/)から列挙される配列から選択される。本発明の別の実施形態では、ヒト重鎖および軽鎖アクセプター配列は、表3および表4に記載される配列から選択される。
【0120】
本明細書において、用語「生殖系列抗体遺伝子」または「遺伝子断片」とは、特定の免疫グロブリンの発現のための遺伝子再配列および突然変異につながる成熟プロセスを受けていない、非リンパ系細胞によってコードされる免疫グロブリン配列を指す(例えば、Shapiroら、Crit.Rev.Immunol.、22(3):183−200頁(2002年);Marchalonisら、Adv.Exp.Med.Biol.、484:13−30頁(2001年)参照のこと)。本発明の種々の実施形態によって提供される利点の1つは、生殖系列抗体遺伝子は、成熟抗体遺伝子よりも、種において個体の特徴を示す必須アミノ酸配列構造を保存する可能性が高く、したがって、その種において治療上使用される場合に外来供給源に由来すると認識される可能性が低いという認識から生じる。
【0121】
本明細書において、用語「重要な残基」とは、抗体、特に、ヒト化抗体の結合特異性および/または親和性に対してより影響を与える可変領域内の特定の残基を指す。重要な残基として、それだけには限らないが、以下:CDRに隣接している残基、可能性あるグリコシル化部位(N−またはO−グリコシル化部位のいずれかであり得る)、稀な残基、抗原と相互作用できる残基、CDRと相互作用できる残基、標準残基、重鎖可変領域および軽鎖可変領域間の接触残基、バーニアゾーン内の残基および可変重鎖CDR1のコチア定義および第1の重鎖フレームワークのカバット定義間で重複する領域中の残基のうち1種または複数が挙げられる。
【0122】
用語「ヒト化抗体」とは、非ヒト種(例えば、マウス)に由来する重鎖および軽鎖可変領域配列を含むが、VHおよび/またはVL配列の少なくとも一部が、より「ヒト様」である、すなわち、ヒト生殖系列可変配列により類似しているよう変更されている抗体を指す。ヒト化抗体の1つの種類は、ヒトCDR配列が、対応する非ヒトCDR配列を置換するよう非ヒトVHおよびVL配列中に導入されているCDRグラフト化抗体である。また、「ヒト化抗体」は、対象とする抗原と免疫特異的に結合し、ヒト抗体のアミノ酸配列を実質的に有するフレームワーク(FR)領域および非ヒト抗体のアミノ酸配列を実質的に有する相補性決定領域(CDR)を含む抗体またはその変異体、誘導体、類似体または断片である。本明細書において、CDRに関連して、用語「実質的に」とは、非ヒト抗体CDRのアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有するCDRを指す。ヒト化抗体は、CDR領域のすべてまたは実質的にすべてが、非ヒト免疫グロブリン(すなわち、ドナー抗体)のものに対応し、フレームワーク領域のすべてまたは実質的にすべてが、ヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のものである、少なくとも1つの、通常、2つの可変ドメイン(Fab、Fab’、F(ab’)
2、FabC、Fv)のすべてを実質的に含む。一実施形態では、ヒト化抗体はまた、免疫グロブリン定常領域(Fc)、通常、ヒト免疫グロブリンのものの少なくとも一部を含む。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体は、軽鎖ならびに重鎖の少なくとも可変ドメインの両方を含有する。抗体はまた、重鎖のCH1、ヒンジ、CH2、CH3およびCH4領域を含み得る。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体は、ヒト化軽鎖のみを含有する。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体は、ヒト化重鎖のみを含有する。特定の実施形態では、ヒト化抗体は、軽鎖および/またはヒト化重鎖のヒト化可変ドメインのみを含有する。
【0123】
ヒト化抗体は、IgM、IgG、IgD、IgAおよびIgEを始めとする免疫グロブリンの任意のクラス、ならびに制限するものではないが、IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4を始めとする任意のアイソタイプから選択され得る。ヒト化抗体は、2以上のクラスまたはアイソタイプ由来の配列を含んでもよく、特定の定常ドメインは、当技術分野で周知の技術を使用して、所望のエフェクター機能を最適化するよう選択され得る。
【0124】
ヒト化抗体のフレームワークおよびCDR領域は、親配列と正確に対応する必要はなく、例えば、ドナー抗体CDRまたはコンセンサスフレームワークは、少なくとも1個のアミノ酸残基の置換、挿入および/または欠失によって突然変異され、その結果、その部位でのCDRまたはフレームワーク残基が、ドナー抗体またはコンセンサスフレームワークのいずれかと対応しなくてもよい。しかし、例示的な実施形態では、このような突然変異は、大規模なものではない。普通、ヒト化抗体残基の少なくとも80%、好ましくは、少なくとも85%、より好ましくは、少なくとも90%、最も好ましくは、少なくとも95%は、親のFRおよびCDR配列のものと対応する。本明細書において、用語「コンセンサスフレームワーク」とは、コンセンサス免疫グロブリン配列中のフレームワーク領域を指す。本明細書において、用語「コンセンサス免疫グロブリン配列」とは、関連免疫グロブリン配列のファミリーにおいて最も頻繁に生じるアミノ酸(またはヌクレオチド)から形成される配列を指す(例えば、Winnaker、From Genes to Clones(Verlagsgesellschaft、Weinheim、Germany1987年参照のこと)。免疫グロブリンのファミリーでは、コンセンサス配列中の各位置は、ファミリーにおいてその位置で最も頻繁に生じるアミノ酸によって占められている。2個のアミノ酸が等しく頻繁に生じる場合には、いずれかがコンセンサス配列中に含まれ得る。
【0125】
DVD−Igまたはその他の結合タンパク質分子を構築することに関して、「リンカー」は、単一のアミノ酸またはペプチド結合によって結合されている2個以上のアミノ酸残基を含むポリペプチド(「リンカーポリペプチド」)を示すよう使用され、1つまたは複数の抗原結合部分を連結するために使用される。このようなリンカーポリペプチドは、当技術分野で周知である(例えば、Holligerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、90:6444−6448頁(1993年);Poljak,R.J.、Structure、2:1121−1123頁(1994年))。例示的リンカーとして、それだけには限らないが、GGGGSG(配列番号26)、GGSGG(配列番号27)、GGGGSGGGGS(配列番号28)、GGSGGGGSG(配列番号223)、GGSGGGGSGS(配列番号29)、GGSGGGGSGGGGS(配列番号30)、GGGGSGGGGSGGGG(配列番号31)、GGGGSGGGGSGGGGS(配列番号32)、ASTKGP(配列番号33)、ASTKGPSVFPLAP(配列番号34)、TVAAP(配列番号35)、RTVAAP(配列番号224)、TVAAPSVFIFPP(配列番号36)、RTVAAPSVFIFPP(配列番号225)、AKTTPKLEEGEFSEAR(配列番号37)、AKTTPKLEEGEFSEARV(配列番号38)、AKTTPKLGG(配列番号39)、SAKTTPKLGG(配列番号40)、SAKTTP(配列番号41)、RADAAP(配列番号42)、RADAAPTVS(配列番号43)、RADAAAAGGPGS(配列番号44)、RADAAAAGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS(配列番号45)、SAKTTPKLEEGEFSEARV(配列番号46)、ADAAP(配列番号47)、ADAAPTVSIFPP(配列番号48)、QPKAAP(配列番号49)、QPKAAPSVTLFPP(配列番号50)、AKTTPP(配列番号51)、AKTTPPSVTPLAP(配列番号52)、AKTTAP(配列番号53)、AKTTAPSVYPLAP(配列番号54)、GENKVEYAPALMALS(配列番号55)、GPAKELTPLKEAKVS(配列番号56)、およびGHEAAAVMQVQYPAS(配列番号57)が挙げられる。
【0126】
本明細書において、「バーニア」ゾーンとは、参照により本明細書に組み込む、FooteおよびWinter、(J.Mol.Biol.、224:487−499頁(1992年))によって記載される、CDR構造を調整し、抗原に対する適合度を微調整し得るフレームワーク残基のサブセットを指す。バーニアゾーン残基は、CDRの根底をなす層を形成し、CDRの構造および抗体の親和性に対して影響を及ぼし得る。
【0127】
本明細書において、用語「中和する」とは、結合タンパク質が抗原と特異的に結合すると、抗原(例えば、サイトカインIL−1β)の生物活性を中和することを指す。好ましくは、本明細書に記載された中和結合タンパク質は、h IL−1βと結合し、h IL−1βの生物活性の阻害をもたらす。好ましくは、中和結合タンパク質は、h IL−1βと結合し、h IL−1βの生物活性を少なくとも約20%、40%、60%、80%、85%またはそれ以上低減する。中和結合タンパク質によるh IL−1βの生物活性の阻害は、当技術分野で周知のh IL−1β生物活性の1つまたは複数の指標を測定することによって評価され得る。例えば、HS27細胞におけるIL−1β誘導によるヒトIL−6分泌の阻害。
【0128】
用語「活性」は、抗原、例えば、IL−1β抗原と結合する抗h IL−1β抗体に対する抗体の結合特異性/親和性および/または抗体、例えば、h IL−1βとのその結合がh IL−1βの生物活性を阻害する抗IL−1β抗体の中和力などの活性、例えば、HS27細胞におけるIL−1β誘導によるヒトIL−16分泌の阻害を含む。
【0129】
用語「エピトープ」は、免疫グロブリンまたはT細胞受容体と特異的に結合することができる任意のポリペプチド決定基を含む。特定の実施形態では、エピトープ決定基は、アミノ酸、糖側鎖、ホスホリルまたはスルホニルなどの分子の化学的に活性な表面配置を含み、特定の実施形態では、特定の3次元構造的特徴および/または特定の荷電特徴を有し得る。エピトープは、抗体によって結合される抗原の領域である。特定の実施形態では、抗体は、タンパク質および/または高分子の複雑な混合物中のその標的抗原を優先的に認識する場合に、抗原と特異的に結合するといわれる。抗体は、抗体が交差競合する(一方がもう一方の結合または調節効果を妨げる)場合に「同一のエピトープと結合する」といわれる。さらに、エピトープの構造定義(重複する、同様の、同一の)は、情報を与えるものであるが、機能的定義は、それらが構造的(結合)および機能的(調節、競合)パラメーターを包含するので、より関連があることが多い。
【0130】
本明細書において、用語「表面プラズモン共鳴」とは、例えば、BIAcoreシステム(Pharmacia Biosensor AB、Uppsala、Sweden and Piscataway、New Jersey)を使用して、バイオセンサーマトリックス内のタンパク質濃度の変化の検出によってリアルタイム生体特異的相互作用の分析を可能にする光学現象を指す。さらなる説明のためには、Jonssonら、Ann.Biol.Clin.、51:19−26頁(1993年);Jonssonら、BioTechniques、11:620−627頁(1991年);Johnssonら、J.Mol.Recognit.、8:125−131頁(1995年);およびJohnssonら、Anal.Biochem.、198:268−277頁(1991年)参照のこと。
【0131】
用語「K
on」(または「Kon」、「kon」)とは、本明細書において、当技術分野で公知の、会合複合体(例えば、抗体/抗原)を形成するための、結合タンパク質(例えば、抗体)の抗原との会合の結合速度(on rate)定数を指すものとする。「K
on」はまた、本明細書において同義的に使用される、用語「結合速度定数」または「k
a」によって知られている。抗体のその標的抗原との結合速度または抗体および抗原間の複合体形成の速度を示すこの値は、以下の方程式:
抗体 (「Ab」) + 抗原(「Ag」)→Ab−Ag
によって示すとおりである。
【0132】
用語「K
off」(同様に、「Koff」、「koff」)は、本明細書において、当技術分野で公知の、会合複合体(例えば、抗体/抗原複合体)からの結合タンパク質(例えば、抗体)の解離についての解離速度定数または「解離速度定数」を指すものとする。この値は、以下の方程式によって示される、抗体のその標的抗原からの解離速度またはAb−Ag複合体の遊離抗体および抗原への経時的な分離を示す:
Ab+Ag←Ab−Ag
本明細書において、「K
D」(同様に、「K
d」)は、「平衡解離定数」を指し、平衡での力価測定において、または解離速度定数(Koff)を結合速度定数(Kon)によって除することによって得られる値を指す。結合速度定数(Kon)、解離速度定数(Koff)および平衡解離定数(K)は、抗体の抗原との結合親和性を表すために使用される。結合および解離速度定数を測定する方法は、当技術分野で周知である。蛍光ベースの技術を使用することで、平衡にある生理学的バッファー中の試料を調べるための高い感受性および能力が提供される。BIAcore(登録商標)(生体分子相互作用分析)アッセイなどのその他の実験アプローチおよび機器(例えば、BIAcore International AB、a GE Healthcare company、Uppsala、Swedenから入手可能な機器)が使用され得る。さらに、Sapidyne Instruments(Boise、Idaho)から入手可能である、KinExA(登録商標)(Kinetic Exclusion Assay)アッセイも使用され得る。
【0133】
用語「標識」および「検出可能な標識」とは、例えば、特異的結合対のメンバー、例えば、抗体および分析物間の反応を検出可能にするために、特異的結合パートナー、例えば、抗体または分析物と結合している部分を意味する。そのように標識された、特異的結合パートナー、例えば、抗体または分析物は、「検出可能に標識された」と呼ばれる。したがって、本明細書において、用語「標識された結合タンパク質」とは、結合タンパク質の同定を提供する標識が組み込まれたタンパク質を指す。一実施形態では、標識は、目視によるまたは機器による手段、例えば、放射標識されたアミノ酸の組み込みまたは印をつけたアビジンまたはストレプトアビジン(例えば、蛍光マーカーまたは光学的方法もしくは比色法によって検出され得る酵素活性を含有するストレプトアビジン)によって検出され得るビオチニル部分のポリペプチドとの結合によって、検出可能であるシグナルを生じることができる検出可能なマーカーである。ポリペプチドのための標識の例として、それだけには限らないが、以下:放射性同位体また放射性核種(例えば、
3H
、14C
、35S、
90Y、
99Tc、
111In、
125I、
131I、
177Lu、
166Hoおよび
153Sm)、色素原、蛍光標識(例えば、FITC、ローダミン、ランタニドホスホール(lanthanide phosphors))、酵素標識(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ)、化学発光マーカー、ビオチニル基、第2のリポーター(例えば、ロイシンジッパー対配列、二次抗体の結合部位、金属結合ドメインおよびエピトープタグ)によって認識される所定のポリペプチドエピトープ;および磁性物質(例えば、ガドリニウムキレート)が挙げられる。イムノアッセイのために使用されることの多い標識の代表的な例として、光を生じる部分、例えば、アクリジニウム化合物および蛍光を生じる部分、例えば、フルオレセインが挙げられる。その他の標識は、本明細書に記載される。この関連で、部分自体が検出可能に標識されない場合もあるが、さらに別の部分との反応の際に検出可能になる場合もある。用語「検出可能に標識された」の使用は、後者のタイプの検出可能な標識を包含するものとする。
【0134】
用語「IL−1β結合タンパク質コンジュゲート」とは、治療用または細胞傷害性薬剤などの第2の化学部分と化学的に連結された本明細書に記載されるIL−1β結合タンパク質を指す。用語「薬剤」とは、本明細書において、化合物、化合物の混合物、生体高分子または生体物質から作られている抽出物を示すよう使用される。好ましくは、治療用または細胞傷害性薬剤として、それだけには限らないが、百日咳毒素、タキソール、サイトカラシンB、グラミシジンD、臭化エチジウム、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テノポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1−デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロールおよびピューロマイシンならびにその類似体または相同体が挙げられる。IL−1β結合タンパク質コンジュゲートは、イムノアッセイとの関連で使用される場合、検出可能に標識された抗体であり得、検出抗体として使用される。
【0135】
本明細書において、用語「結晶」および「結晶化された」とは、結晶の形態で存在する結合タンパク質(例えば、抗体)またはその抗原結合部分を指す。結晶は、物質の固体状態の1種の形態であり、非晶質固体状態または液晶状態などのその他の形態とは別個である。結晶は、原子、イオン、分子(例えば、抗体などのタンパク質)または分子集合体(例えば、抗原/抗体複合体)の、規則正しい、反復する3次元の配置からなる。これらの3次元配置は、この分野で十分に理解されている特定の数学的関係に従って配列される。結晶中で反復される基本単位またはビルディングブロックは、非対称単位と呼ばれる。所与の、十分に定義された結晶学的対称と一致する配列中の非対称単位の反復は、結晶の「単位格子」を提供する。3次元すべてにおける規則正しい並進による単位格子の反復は結晶を提供する。Giegeら、第1章、In Crystallization of Nucleic Acids and Proteins、a Practical Approach、第2版、(DucruixおよびGiege編)(Oxford University Press、New York、1999年)中、1−16頁参照のこと。
【0136】
用語「ポリヌクレオチド」とは、リボヌクレオチドまたはデオキシヌクレオチドいずれかまたはいずれかの種類のヌクレオチドの修飾された形態の2つ以上のヌクレオチドのポリマー形態を意味する。この用語は、DNAの一本鎖および二本鎖形態を含む。
【0137】
用語「単離されたポリヌクレオチド」とは、その起源によって、ポリヌクレオチド(例えば、ゲノム、cDNAの、または合成起源の、またはそれらのいくつかの組合せ)を意味するものとし、「単離されたポリヌクレオチド」は、天然に「単離されたポリヌクレオチド」が、それとともに見られるポリヌクレオチドのすべてまたは一部と会合しておらず;天然には連結していないポリヌクレオチドと作動可能に連結され;またはより長い配列の一部として天然には生じない。
【0138】
本明細書において、用語「ベクター」は、連結されている別の核酸を輸送することができる核酸分子を指すものとする。ベクターの1つの種類は、「プラスミド」であり、その中にさらなるDNAセグメントがライゲーションされ得る環状の二本鎖DNAループを指す。別の種類のベクターは、ウイルスベクターであり、これでは、さらなるDNAセグメントがウイルスゲノム中にライゲーションされ得る。特定のベクターは、それらが導入されている宿主細胞において自己複製できる(例えば、細菌複製起点を有する細菌ベクターおよびエピソーム哺乳動物ベクター)。その他のベクター(例えば、非エピソーム哺乳動物ベクター)は、宿主細胞への導入の際に宿主細胞のゲノム中に組み込まれることができ、それによって、宿主ゲノムとともに複製される。さらに、特定のベクターは、それらが作動可能に連結されている遺伝子の発現を指示できる。このようなベクターは、本明細書において、「組換え発現ベクター」(または簡単、「発現ベクター」)と呼ばれる。一般に、組換えDNA技術において有用な発現ベクターは、プラスミドの形態であることが多い。本明細書では、「プラスミド」および「ベクター」は、プラスミドが、ベクターの最もよく使用される形態であるので同義的に使用され得る。しかし、本発明は、同等の機能を果たす、ウイルスベクター(例えば、複製欠陥レトロウイルス、アデノウイルスおよびアデノ随伴ウイルス)などの発現ベクターのこのようなその他の形態を含むものとする。
【0139】
用語「作動可能に連結された」とは、記載された成分が、それらがその意図される方法で機能するのを可能にする関係にある近位を指す。コード配列に「作動可能に連結された」制御配列は、コード配列の発現が、制御配列に適合する条件下で達成されるような方法でライゲーションされる。「作動可能に連結された」配列は、対象とする遺伝子と連続している発現制御配列およびトランスで作用するまたは対象とする遺伝子からある距離をおいて制御する発現制御配列の両方を含む。本明細書において、用語「発現制御配列」とは、それらがライゲーションされているコード配列の発現およびプロセシングを達成するために必須であるポリヌクレオチド配列を指す。発現制御配列として、適当な転写開始、終結、プロモーターおよびエンハンサー配列;スプライシングおよびポリアデニル化シグナルなどの効率的なRNAプロセシングシグナル;細胞質mRNAを安定化する配列;翻訳効率を増強する配列(すなわち、コザックコンセンサス配列);タンパク質安定性を増強する配列;および望ましい場合には、タンパク質分泌を増強する配列が挙げられる。このような制御配列の性質は、宿主生物に応じて異なり;原核生物では、このような制御配列は、一般に、プロモーター、リボソーム結合部位および転写終結配列を含み;真核生物では、一般に、このような制御配列は、プロモーターおよび転写終結配列を含む。用語「制御配列」は、その存在が、発現およびプロセシングにとって不可欠である成分を含むものとし、また、その存在が有利であるさらなる成分、例えば、リーダー配列および融合パートナー配列も含み得る。
【0140】
本明細書において定義される「形質転換」とは、それによって外因性DNAが宿主細胞に入る任意のプロセスを指す。形質転換は、当技術分野で周知の種々の方法を使用して自然条件または人口条件下で起こり得る。形質転換は、原核細胞または真核細胞の宿主細胞中に外来核酸配列を挿入するための任意の公知の方法に依存し得る。方法は、形質転換されている宿主細胞に基づいて選択され、それだけには限らないが、ウイルス感染、エレクトロポレーション、リポフェクションおよび微粒子銃を挙げることができる。このような「形質転換された」細胞は、挿入されたDNAが、自己複製プラスミドとして、または宿主染色体の一部としてのいずれかで複製できる安定に形質転換された細胞を含む。それらはまた、挿入されたDNAまたはRNAを限定された期間、一時的に発現する細胞を含む。
【0141】
用語「組換え宿主細胞」(または簡単に「宿主細胞」)とは、外因性DNAが導入されている細胞を指すものとする。一実施形態では、例えば、米国特許第7,262,028号に記載される宿主細胞などの宿主細胞は、抗体をコードする2以上(例えば、複数)の核酸を含む。このような用語は、特定の対象細胞だけでなくこのような細胞の後代をも指すものとする。突然変異または環境の影響のいずれかによって後継の世代では特定の修飾が起こり得るので、このような後代は、実際は、親細胞と同一でない場合もあるが、本明細書において、依然として用語「宿主細胞」の範囲内に含まれる。一実施形態では、宿主細胞は、生物界のいずれかから選択される原核細胞および真核細胞を含む。別の実施形態では、真核細胞は、原生生物、真菌、植物および動物細胞を含む。別の実施形態では、宿主細胞として、それだけには限らないが、原核生物細胞株大腸菌;哺乳動物細胞株CHO、HEK 293、COS、NS0、SP2およびPER.C6;昆虫細胞株Sf9;および真菌細胞サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)が挙げられる。
【0142】
標準技術が、組換えDNA、オリゴヌクレオチド合成および組織培養および形質転換(例えば、エレクトロポレーション、リポフェクション)のために使用され得る。酵素反応および精製技術は、製造業者の使用説明書に従って、または当技術分野でよく達成されるように、または本明細書に記載されるように実施され得る。前述の技術および手順は、当技術分野で周知の従来の方法に従って、本明細書を通じて引用され論じられる種々の一般的参考文献およびより特定の参考文献に記載されるように概して実施され得る。例えば、Sambrookら、Molecular Clonig:A Laboratory Manual、第2版(Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.、1989年)参照のこと。
【0143】
当技術分野で公知の「トランスジェニック生物」は、導入遺伝子を含有する細胞を有する生物を指し、ここで、生物(または生物の先祖)に導入された導入遺伝子は、生物では天然に発現されないポリペプチドを発現する。「導入遺伝子」は、トランスジェニック生物が発達する細胞のゲノム中に安定に、作動可能に組み込まれ、トランスジェニック生物の1種または複数の細胞種または組織においてコードされた遺伝子産物の発現を指示するDNA構築物である。
【0144】
用語「調節する(regulate)」および「調節する(modulate)」は、本明細書において、同義的に使用され、対象とする分子の活性(例えば、hIL−1βの生物活性)における変化または変更を指す。調節(modulation)は、対象とする分子の特定の活性または機能の規模の増大または減少であり得る。分子の例示的活性および機能として、それだけには限らないが、結合特徴、酵素活性、細胞受容体活性化およびシグナル変換が挙げられる。
【0145】
相応して、本明細書において、用語「モジュレーター」とは、対象とする分子の活性または機能(例えば、hIL−1βの生物活性)を変化または変更できる化合物である。例えば、モジュレーターは、モジュレーターの不在下で観察された活性または機能の規模と比較して、分子の特定の活性または機能の規模の増大または減少を引き起こし得る。特定の実施形態では、モジュレーターは、分子の少なくとも1種の活性または機能の規模を減少させる阻害剤である。例示的阻害剤として、それだけには限らないが、タンパク質、ペプチド、抗体、ペプチボディー(peptibodies)、炭水化物または小さい有機分子が挙げられる。ペプチボディー(peptibodies)は記載されている。例えば、PCT公開番号WO01/83525。
【0146】
本明細書において、用語「アゴニスト」とは、対象とする分子と接触させると、アゴニストの不在下で観察された活性または機能の規模と比較して、分子の特定の活性または機能の規模の増大を引き起こすモジュレーターを指す。対象とする特定のアゴニストとして、それだけには限らないが、IL−1βポリペプチド、核酸、炭水化物またはhIL−1βと結合する任意のその他の分子を挙げることができる。
【0147】
本明細書において、用語「アンタゴニスト」および「阻害剤」とは、対象とする分子と接触させると、アンタゴニストの不在下で観察された活性または機能の規模と比較して、分子の特定の活性または機能の規模の減少を引き起こすモジュレーターを指す。対象とする特定のアンタゴニストとして、ヒトIL−1βの生物学的活性または免疫学的活性を遮断または調節するものが挙げられる。ヒトIL−1βのアンタゴニストおよび阻害剤として、それだけには限らないが、タンパク質、核酸、炭水化物またはヒトIL−1βと結合する任意のその他の分子を挙げることができる。
【0148】
本明細書において、用語「有効量」とは、障害もしくは1種もしくは複数のその症状の重篤度および/もしくは期間を低減もしくは寛解させる;障害の前進を防止する;障害の退縮を引き起こす;障害と関連している1種もしくは複数の症状の再発、発生、発症もしくは進行を防止する;障害を検出する;または別の治療(例えば、予防薬または治療薬)の予防的効果または治療的効果(複数可)を増強もしくは改善するのに十分である治療の量を指す。
【0149】
「患者」および「被験体」は、本明細書において同義的に使用され得、霊長類(例えば、ヒト、サルおよびチンパンジー)、非霊長類(例えば、ウシ、ブタ、ラクダ、ラマ、ウマ、ヤギ、ウサギ、ヒツジ、ハムスター、モルモット、ネコ、イヌ、ラット、マウス、クジラ)を含めた哺乳動物、トリ(例えば、アヒルまたはガチョウ)およびサメなどの動物を指す。好ましくは、患者または被験体は、疾患、障害または状態について治療または評価されているヒト;疾患、障害または状態のリスクのあるヒト;疾患、障害または状態を有するヒト;および/または疾患、障害または状態について治療されているヒトなどのヒトである。
【0150】
本明細書において、用語「試料」とは、その広い意味で使用される。本明細書において、「生体試料」とは、それだけには限らないが、生物または以前は生きていた物に由来する物質の任意の量を含む。このような生物として、それだけには限らないが、ヒト、非ヒト霊長類、マウス、ラット、サル、イヌ、ウサギおよびその他の動物が挙げられる。このような物質として、それだけには限らないが、血液、(例えば、全血)、血漿、血清、尿、羊水、滑液、内皮細胞、白血球、単球、その他の細胞、臓器、組織、骨髄、リンパ節および脾臓が挙げられる。
【0151】
「成分」、「複数の成分」および「少なくとも1種の成分」とは、一般に、本明細書に記載される方法および当技術分野で公知のその他の方法に従って、試験試料、例えば、患者尿、血清または血漿試料をアッセイするためにキット中に含まれ得る、捕獲抗体、検出またはコンジュゲート抗体、対照、校正器、一連の校正器、感度パネル、容器、バッファー、希釈液、塩、酵素、酵素の補助因子、検出試薬、前処理試薬/溶液、基質(例えば、溶液として)、停止溶液などを指す。したがって、本開示内容との関連で、「少なくとも1種の成分」、「成分」および「複数の成分」は、ポリペプチドまたは上記のその他の分析物、例えば、固相支持体上に抗分析物(例えば、抗ポリペプチド)抗体との結合などによって場合によって固定化されている、ポリペプチドなどの分析物を含む組成物を含み得る。いくつかの成分は、溶液中にあり、またはアッセイにおいて使用するために再構成するために凍結乾燥され得る。
【0152】
「対照」とは、分析物を含有しないとわかっている組成物(「陰性対照」)または分析物を含有すると分かっている組成物(「陽性対照」)を指す。陽性対照は、既知濃度の分析物を含み得る。「対照」、「陽性対照」および「標準物質」は、既知濃度の分析物を含む組成物を指すよう本明細書において同義的に使用され得る。「陽性対照」は、アッセイパフォーマンス特性を確立するよう使用され得、試薬(例えば、分析物)の完全性の有用な指標である。
【0153】
「所定のカットオフ」および「所定のレベル」とは、一般に、所定のカットオフ/レベルが、すでに、種々の臨床パラメーター(例えば、疾患の重篤度、進行/非進行/改善など)と連結または関連している場合に、所定のカットオフ/レベルに対するアッセイ結果を比較することによって、診断/予後/治療効力結果を評価するために使用されるアッセイカットオフ値を指す。本開示内容は、例示的な所定のレベルを提供し得るが、カットオフ値が、イムノアッセイの性質(例えば、使用される抗体など)に応じて変わり得ることは周知である。さらに、本開示内容に基づいてその他のイムノアッセイのイムノアッセイ特異的カットオフ値を得るために、本明細書における本開示内容をその他のイムノアッセイに適合させることは十分に当業者の範囲内にある。アッセイ間で所定のカットオフ/レベルの正確な値は変わり得るが、一般に、本明細書に記載された補正が(もしあれば)適用されるはずである。
【0154】
「前処理試薬」、例えば、本明細書に記載された診断アッセイにおいて使用されるような溶解試薬、沈殿試薬および/または可溶化試薬は、任意の細胞を溶解する、および/または試験試料中に存在している任意の分析物を可溶化するものである。前処理は、本明細書にさらに記載されるように、すべての試料に必要というわけではない。中でも、分析物(例えば、対象とするポリペプチド)を可溶化することは、試料中に存在する任意の内因性結合タンパク質からの分析物の放出を引き起こす。前処理試薬は、均一である(分離ステップを必要としない)である場合も、不均一(分離ステップを必要とする)場合もある。不均一な前処理試薬を用いると、試験試料から任意の沈殿した分析物結合タンパク質を回収し、その後、アッセイの次のステップに進む。
【0155】
本明細書に記載されたイムノアッセイおよびキットに関連して「品質管理試薬」とは、それだけには限らないが、標準物質、対照および感受性パネルを含む。抗体または分析物などの分析物の濃度の補間のための較正(標準)曲線を確立するために、「標準物質」または「標準」(例えば、多数などの1種または複数の)が通常使用される。あるいは、所定の陽性/陰性カットオフに近い単一の標準物質が使用され得る。「感受性パネル」を含むよう、複数の標準物質(すなわち、2種以上の標準物質または変動量の標準物質)が併用される場合もある。
【0156】
「リスク」とは、現在生じているまたは将来のある時点で生じている特定の事象可能性または見込みを指す。「リスクの層化」とは、医師が、患者を、特定の疾患、障害または状態を発症する低、中、高または最高のリスクに分類するのを可能にする既知の臨床リスク因子のアレイを指す。
【0157】
特異的結合対(例えば、抗原(またはその断片)および抗体(またはその抗原的に反応性の断片))のメンバー間の相互作用との関連で「特異的」および「特異性」とは、相互作用の選択的反応性を指す。語句「特異的に結合する」および類似の語句は、抗体(またはその抗原的に反応性の断片)の、分析物(またはその断片)と特異的に結合し、その他の実体とは特異的に結合しない能力を指す。
【0158】
「特異的結合パートナー」とは、特異的結合対のメンバーである。特異的結合対は、化学的または物理的手段によって互いに特異的に結合する2種の異なる分子を含む。したがって、抗原および共通のイムノアッセイの抗体特異的結合対に加えて、その他の特異的結合対として、ビオチンおよびアビジン(またはストレプトアビジン)、炭水化物およびレクチン、相補的ヌクレオチド配列、エフェクターおよび受容体分子、補助因子および酵素、酵素阻害剤および酵素などが挙げられる。さらに、特異的結合対として、元の特異的結合メンバーの類似体であるメンバー、例えば、分析物類似体を挙げることができる。免疫反応特異的結合メンバーとして、単離されているか組換えによって製造されたかにかかわらず、抗原、抗原断片およびモノクローナルおよびポリクローナル抗体を含めた抗体、ならびにその複合体、断片および変異体(変異体の断片を含む)が挙げられる。
【0159】
本明細書において、「変異体」とは、アミノ酸の付加(例えば、挿入)、欠失または保存的置換によって、アミノ酸配列において所与のポリペプチド(例えば、IL−1β、BNP、NGALまたはHIVポリペプチドまたは抗ポリペプチド抗体)とは異なるが、所与のポリペプチドの生物活性を保持するポリペプチドを意味する(例えば、変異体IL−1βは、IL−1βへの結合について抗IL−1β抗体と競合し得る)。アミノ酸の保存的置換、すなわち、アミノ酸を、同様の特性(例えば、親水性および荷電領域の程度および分布)の異なるアミノ酸と置換することは、当技術分野で、通常、微小変化を含むと認識されている。これらの微小変化は、幾分かは、当技術分野で理解されるように、アミノ酸の疎水性親水性指数を考慮することによって同定され得る(例えば、Kyteら、J.Mol.Biol.、157:105−132頁(1982年))。アミノ酸の疎水性親水性指数は、その疎水性および電荷を考慮することに基づいている。同様の疎水性親水性指数のアミノ酸は置換され、タンパク質機能を依然として保持し得るということは当技術分野で公知である。一態様では、±2の疎水性親水性指数を有するアミノ酸は置換される。アミノ酸の親水性はまた、生物学的機能を保持するタンパク質をもたらす置換を明らかにするために使用され得る。ペプチドとの関連でアミノ酸の親水性を考慮することによって、そのペプチドの最大の局所平均親水性、抗原性および免疫原性と十分に相関すると報告されている有用な尺度を算出することが可能となる(例えば、米国特許第4,554,101号参照のこと)。当技術分野で理解されるように、同様の親水性値を有するアミノ酸の置換は、生物活性、例えば、免疫原性を保持するペプチドをもたらし得る。一態様では、置換は、互いに±2内の親水性値を有するアミノ酸を用いて実施される。アミノ酸の疎水性指数および親水性値の両方とも、アミノ酸の特定の側鎖によって影響を受ける。その知見と一致して、疎水性、親水性、電荷、大きさおよびその他の特性によって明らかにされるように、生物学的機能と適合するアミノ酸置換は、アミノ酸、特に、それらのアミノ酸の側鎖の相対類似性に左右されると理解される。「変異体」はまた、タンパク質分解、リン酸化またはその他の翻訳後修飾などによって異なって処理されているが、その生物活性または抗原反応性、例えば、IL−1βと結合する能力を保持するポリペプチドまたはその断片を説明するために使用され得る。本明細書において、「変異体」の使用は、文脈によって別段に異なることが指示されない限り、変異体の断片を包含するものとする。
I.ヒトIL−1βと結合する抗体
本発明の一態様は、高親和性、遅い解離速度および高い中和能を有するIL−1βと結合する、単離されたマウスモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供する。本発明の第2の態様は、IL−1βと結合するキメラ抗体を提供する。本発明の第3の態様は、IL−1βと結合する、CDRグラフト化抗体またはその抗原結合部分を提供する。本発明の第4の態様は、IL−1βと結合するヒト化抗体またはその抗原結合部分を提供する。本発明の第5の態様は、IL−1βおよび1種のその他の標的と結合する二重可変ドメイン免疫グロブリン(DVD−Ig(商標))分子を提供する。抗体またはその部分は、単離された抗体であることが好ましい。本発明の抗体は、中和ヒト抗IL−1β抗体であることが好ましい。
【0160】
A.抗IL−1β抗体を作製する方法
本発明の抗IL−1β抗体は、当技術分野で公知のいくつかの技術のうちいずれかによって作製され得る。
【0161】
1.ハイブリドーマ技術を使用する抗IL−1βモノクローナル抗体
モノクローナル抗体は、ハイブリドーマの使用、組換えおよびファージディスプレイ技術またはそれらの組合せを含めた、当技術分野で公知のさまざまな技術を使用して調製され得る。例えば、モノクローナル抗体は、当技術分野で公知のものおよび例えば、Harlowら、Antibodies: A Laboratory Manual、第2版(Cold Spring Harbor Laboratory Press、1988);Hammerlingら編、「Monoclonal Antibodies and T−Cell Hybridomas」、In Research Monographs in Immunology、第3巻(J.L. Turk、General Editor)(Elsevier、New York、1981年)563−587頁(その全文が参照により組み込まれた前記の参考文献)に教示されるものを始めとするハイブリドーマ法を使用して製造され得る。本明細書において、用語「モノクローナル抗体」は、ハイブリドーマ技術によって製造される抗体に制限されないということも留意されたい。用語「モノクローナル抗体」とは、任意の真核生物クローン、原核生物クローンまたはファージクローンを含めた単一クローンに由来する抗体を指すのであって、それによって製造される方法を指すのではない。
【0162】
ハイブリドーマ技術を使用して特異的抗IL−1β抗体を製造し、スクリーニングする方法は、日常的なものであり、当技術分野で周知である。一実施形態では、本発明は、モノクローナル抗体を作製する方法ならびに本発明の抗体を分泌するハイブリドーマ細胞を培養することを含む方法によって製造された抗体を提供し、これでは、好ましくは、ハイブリドーマが、本発明の抗原を用いて免疫処置されたマウスから単離された脾細胞を、骨髄腫細胞と融合すること、次いで、融合から得られたハイブリドーマを、本発明のポリペプチドと結合できる抗体を分泌するハイブリドーマクローンについてスクリーニングすることによって作製される。手短には、マウスは、IL−1β抗原を用いて免疫処置され得る。例示的な一実施形態では、IL−1β抗原は、免疫応答を刺激するようアジュバントとともに投与される。このようなアジュバントとして、完全または不完全フロイントアジュバント、RIBI(ムラミルジペプチド)またはISCOM(免疫刺激複合体)が挙げられる。このようなアジュバントは、ポリペプチドを局所沈着に隔離することによって、それが迅速分散することから保護し得る、またはそれらは、宿主を、マクロファージおよび免疫系のその他の成分にとって走化性である因子を分泌するよう刺激する物質を含有し得る。好ましくは、ポリペプチドが投与される場合には、免疫処置スケジュールは、数週間にわたって広がっているポリペプチドの2回以上の投与を含む。
【0163】
IL−1β抗原を用いて動物を免疫処置した後、抗体および/または抗体を製造する細胞が動物から得られ得る。抗IL−1β抗体を含有する血清が、動物を出血させるまたは屠殺することによって動物から得られる。動物から得られると血清が使用され得、免疫グロブリン画分が血清から得られ得るまたは抗IL−1β抗体が血清から精製され得る。この方法で得られた血清または免疫グロブリンは、ポリクローナルであり、したがって、不均一な特性のアレイを有する。
【0164】
免疫応答が検出されると、例えば、抗原IL−1βに対して特異的な抗体を、マウス血清において検出し、マウス脾臓を回収し、脾細胞を単離する。次いで、周知の技術によって脾細胞を任意の適した骨髄腫細胞、例えば、American Type Culture Collection(ATCC、Manassas、Virginia)から入手可能である細胞株SP20から得た細胞に融合する。ハイブリドーマを選択し、限界希釈によってクローニングする。次いで、ハイブリドーマクローンを、IL−1βと結合できる抗体を分泌する細胞について当技術分野で公知の方法によってアッセイする。一般に、高レベルの抗体を含有する腹水を、陽性ハイブリドーマクローンを用いてマウスを免疫処置することによって作製できる。
【0165】
別の実施形態では、抗体を産生する不死化されたハイブリドーマは、免疫処置された動物から調製され得る。免疫処置後、当技術分野で周知であるように、動物を屠殺し、脾臓B細胞を不死化された骨髄腫細胞と融合する。例えば、Harlowら、前掲参照のこと。例示的な一実施形態では、骨髄腫細胞は、免疫グロブリンポリペプチドを分泌しない(非分泌細胞株)。融合し、抗生物質選択した後ハイブリドーマを、IL−1βまたはその部分またはIL−1βを発現する細胞を使用してスクリーニングする。例示的な一実施形態では、初期スクリーニングは、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)またはラジオイムノアッセイ(RIA)、好ましくは、ELISAを使用して実施される。ELISAスクリーニングの例は、参照により本明細書に組み込む、PCT公開番号WO00/37504に提供されている。
【0166】
抗IL−1β抗体を産生するハイブリドーマを選択し、クローニングし、以下にさらに論じられる、頑強なハイブリドーマ増殖、高い抗体産生および望ましい抗体特徴と含めた望ましい特徴についてさらにスクリーニングする。ハイブリドーマは、培養され、同系動物において、免疫系を欠く動物、例えば、ヌードマウスにおいてインビボで、またはインビトロで細胞培養において拡大され得る。ハイブリドーマを選択、クローニングおよび拡大する方法は、当業者に周知である。
【0167】
例示的な一実施形態では、ハイブリドーマは、上記されるマウスハイブリドーマである。別の好ましい実施形態では、ハイブリドーマは、ラット、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウシまたはウマなどの非ヒト、非マウス種において産生される。別の実施形態では、ハイブリドーマは、ヒトハイブリドーマであり、これでは、ヒト非分泌性骨髄腫が、抗IL−1β抗体を発現するヒト細胞と融合される。
【0168】
特定のエピトープを認識する抗体断片は、公知の技術によって作製され得る。例えば、本発明のFabおよびF(ab’)
2断片は、パパイン(Fab断片を製造するよう)またはペプシン(F(ab’)
2断片を製造するよう)などの酵素を使用する免疫グロブリン分子のタンパク質分解切断によって製造され得る。F(ab’)
2断片は、可変領域、軽鎖定常領域および重鎖のCHIドメインを含有する。
【0169】
2.SLAMを使用する抗IL−1βモノクローナル抗体
本発明の別の態様では、組換え抗体は、米国特許第5,627,052号;PCT公開番号WO92/02551;およびBabcookら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、93:7843−7848頁1996年)に記載される、選択されたリンパ球抗体法(selected lymphocyte antibody method)(SLAM)と当技術分野で呼ばれる手順を使用して、単一の、単離されたリンパ球から作製される。この方法では、1の節に記載される、対象とする抗体を分泌する単細胞、例えば、免疫処置された動物のいずれか1種から得られたリンパ球は、抗原特異的溶血プラークアッセイを使用してスクリーニングされ、これでは、抗原IL−1β、IL−1βのサブユニットまたはその断片が、ビオチンなどのリンカーを使用してヒツジ赤血球にカップリングされ、IL−1βに対して特異性を有する抗体を分泌する単細胞を同定するために使用される。対象とする抗体を分泌する細胞を同定した後、重鎖および軽鎖可変領域(VHおよびVL)cDNAが逆転写酵素−PCRによって細胞からレスキューされ、次いで、これらの可変領域が、COSまたはCHO細胞などの哺乳動物宿主細胞において、適当な免疫グロブリン定常領域(例えば、ヒト定常領域)との関連で発現され得る。インビボで選択されたリンパ球から得られた増幅された免疫グロブリン配列を用いてトランスフェクトされた宿主細胞は、インビトロでさらなる分析および選択を、例えば、トランスフェクトされた細胞をパニングし、IL−1βに対する抗体を発現する細胞を単離することによって受け得る。増幅された免疫グロブリン配列は、例えば、PCT公開番号WO97/29131およびPCT公開番号WO00/56772に記載されているインビトロ親和性成熟法などによってインビトロでさらに操作され得る。
【0170】
3.トランスジェニック動物を使用する抗IL−1βモノクローナル抗体
本発明の別の実施形態では、IL−1β抗原を用いて非ヒト動物を免疫処置することによって、ヒト免疫グロブリン遺伝子座の一部またはすべてを含む抗体が産生される。例示的な一実施形態では、非ヒト動物は、XENOMOUSEトランスジェニックマウス、ヒト免疫グロブリン遺伝子座の大きな断片を含み、マウス抗体産生に欠陥のある操作されたマウス株である。例えば、Greenら、Nature Genetics、7:13−21頁(1994年)および米国特許第5,916,771号;同5,939,598号;同5,985,615号;同5,998,209号;同6,075,181号;同6,091,001号;同6,114,598号;および同6,130,364号参照のこと。1991年7月25日に発行されたPCT公開番号WO91/10741;1994年2月3日に発行されたWO94/02602;どちらも1996年10月31日に発行されたWO96/34096およびWO96/33735;1998年4月23日に発行されたWO98/16654;1998年6月11日に発行されたWO98/24893;1998年11月12日に発行されたWO98/50433;1999年9月10日に発行されたWO99/45031;1999年10月21日に発行されたWO99/53049;2000年2月24日に発行されたWO00/09560;および2000年6月29日に発行されたWO00/37504も参照のこと。XENOMOUSE(登録商標)トランスジェニックマウスは、十分なヒト抗体の成人様ヒトレパートリーを産生し、抗原特異的ヒトMabを作製する。XENOMOUSE(登録商標)トランスジェニックマウスは、ヒト重鎖遺伝子座およびx軽鎖遺伝子座のメガベースサイズの、生殖系列立体配置YAC断片の導入によってヒト抗体レパートリーのおよそ80%を含有する。その開示内容を参照により本明細書に組み込む、Mendezら、Nature Genetics、15:146−156頁(1997年);ならびにGreenおよびJakobovits、J.Exp.Med.、188:483−495頁(1998年)参照のこと。
【0171】
4.組換え抗体ライブラリーを使用する抗IL−1βモノクローナル抗体
本発明の抗体を作製するためにインビトロ法も使用され得、ここで、所望の結合特異性を有する抗体を同定するために、抗体ライブラリーがスクリーニングされる。このような組換え抗体ライブラリーをスクリーニングする方法は、当技術分野で周知であり、例えば、Landerら、米国特許第5,223,409号;Kangら、PCT公開番号WO92/18619;Dowerら、PCT公開番号WO91/17271;Winterら、PCT公開番号WO92/20791;Marklandら、PCT公開番号WO92/15679;Breitlingら、PCT公開番号WO93/01288;McCaffertyら、PCT公開番号WO92/01047;Garrardら、PCT公開番号WO92/09690;Fuchsら、Bio/Tecnology、9:1369−1372頁(1991年);Hayら、Hum.Antibod.Hybridomas、3:81−85頁(1992年);Huseら、Science、246:1275−1281頁(1989年);McCaffertyら、Nature、348:552−554頁(1990年);Griffithsら、EMBO J.、12:725−734頁(1993年);Hawkinsら、J.Mol.Biol.、226:889−896頁(1992年);Clacksonら、Nature、352:624−628頁(1991年);Gramら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、89:3576−3580頁(1992年);Garrardら、Bio/Technology、9:1373−1377頁(1991年);Hoogenboomら、Nucl.Acids Res.、19:4133−4137頁(1991年);ならびにBarbasら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、88:7978−7982頁(1991年);米国公開第2003/0186374号;およびPCT公開番号WO97/29131に記載される方法が挙げられ、各々の開示内容を参照により本明細書に組み込む。
【0172】
組換え抗体ライブラリーは、IL−1βまたはIL−1βの部分を用いて免疫処置された被験体に由来するものであり得る。または、組換え抗体ライブラリーは、ヒトIL−1βを用いて免疫処置されていないヒト被験体から得たヒト抗体ライブラリーなど、天然被験体すなわち、IL−1βを用いて免疫処置されていないものに由来し得る。本発明の抗体は、ヒトIL−1βを含むペプチドを用いて組換え抗体ライブラリーをスクリーニングし、それによってIL−1βを認識する抗体を選択することによって選択される。このようなスクリーニングおよび選択を実施する方法は、前述の段落における参考文献に記載されるなど、当技術分野で周知である。特定のK
off速度定数でヒトIL−1βから解離するものなど、ヒトIL−1βに対して特定の結合親和性を有する本発明の抗体を選択するために、表面プラズモン共鳴の当技術分野で公知の方法が使用されて、所望のK
off速度定数を有する抗体が選択され得る。特定のIC
50を有するものなど、ヒトIL−1βに対して特定の中和活性を有する本発明の抗体を選択するために、ヒトIL−1β活性の阻害を評価するための当技術分野で公知の標準法が使用され得る。
【0173】
一態様では、本発明は、ヒトIL−1βと結合する単離された抗体またはその抗原結合部分に関する。好ましくは、抗体は、中和抗体である。種々の実施形態では、抗体は、組換え抗体またはモノクローナル抗体である。
【0174】
例えば、本発明の抗体はまた、当技術分野で公知の種々のファージディスプレイ法を使用して作製され得る。ファージディスプレイ法では、機能的抗体ドメインは、それらをコードするポリヌクレオチド配列を保持するファージ粒子の表面にディスプレイされる。特に、このようなファージは、レパートリーまたはコンビナトリアル抗体ライブラリー(例えば、ヒトまたはマウス)から発現される抗原結合ドメインをディスプレイするために利用され得る。対象とする抗原と結合する抗原結合ドメインを発現するファージは、抗原を用いて、例えば、標識された抗原または固体表面もしくはビーズに結合もしくは捕獲された抗原を使用して選択または同定され得る。これらの方法において使用されるファージは、通常、ファージ遺伝子IIIまたは遺伝子VIIIタンパク質のいずれかに組換えによって融合された、Fab、Fvまたはジスルフィドによって安定化されたFv抗体ドメインを有するファージから発現されるfdおよびM13結合ドメインを含む糸状ファージである。本発明の抗体を作製するために使用され得るファージディスプレイ法の例として、それぞれを参照によりその全体を本明細書に組み込む、Brinkmannら、J.Immunol.Methods、182:41−50頁(1995年);Amesら、J.Immunol.Methods、184:177−186頁(1995年);Kettleboroughら、Eur.J.Immunol.、24:952−958頁(1994年);Persicら、Gene、187:9−18頁(1997年);Burtonら、Adv.Immunol.、57:191−280頁(1994年);PCT公開番号WO90/02809;WO91/10737;WO92/01047(PCT/GB91/01134);WO92/18619;WO93/11236;WO95/15982;WO95/20401;および米国特許第5,698,426号;同5,223,409号;同5,403,484号;同5,580,717号;同5,427,908号;同5,821,047号;同5,571,698号;同5,427,908号;同5,516,637号;同5,780,225号;同5,658,727号;同5,733,743号;および同5,969,108号に開示されるものが挙げられる。
【0175】
上記の参考文献に記載されるように、ファージ選択後、ファージから抗体コーディング領域が単離され、ヒト抗体または任意のその他の所望の抗原結合断片を含む全抗体を作製するために使用され、例えば、以下に詳細に記載される哺乳動物細胞、昆虫細胞、植物細胞、酵母および細菌を含めた任意の所望の宿主において発現され得る。例えば、Fab、Fab’およびF(ab’)
2断片を組換え製造するための技術も、PCT公開番号WO92/22324;Mullinaxら、BioTechniques、12(6):864−869頁(1992年);およびSawaiら、Am.J.Reprod.Immunol.、34:26−34頁(1995年);およびBetterら、Science、240:1041−1043頁(1988年)(前記文献を、参照によりその全体を本明細書に組み込む)に開示されるものなど、当技術分野で公知の方法を使用して使用され得る。一本鎖Fvおよび抗体を製造するために使用され得る技術の例として、米国特許第4,946,778号および同5,258,498号;Hustonら、Methods Enzymol.、203:46−88頁(1991年);Shuら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、90:7995−7999頁(1993年);およびSkerraら、Science、240:1038−1041頁(1988年)に記載されるものが挙げられる。
【0176】
ファージディスプレイによる組換え抗体ライブラリーのスクリーニングの代替として、大きなコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングするための当技術分野で公知のその他の方法論が、本発明の二重特異性抗体の同定に適用され得る。代替発現系の1つの種類として、SzostakおよびRobertsによるPCT公開番号WO98/31700に、ならびにRobertsおよびSzostak、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、94:12297−12302頁(1997年)に記載される、組換え抗体ライブラリーが、RNA−タンパク質融合物として発現されるものがある。この系では、ピューロマイシン、ペプチジルアクセプター抗生物質を3’末端に保持する合成mRNAのインビトロ翻訳によって、mRNAおよびそれがコードするペプチドまたはタンパク質間の共有結合融合物が作製される。したがって、特異的mRNAは、コードされたペプチドまたはタンパク質、例えば、抗体またはその部分の特性、例えば、抗体またはその部分の二重特異性抗原との結合に基づいて、mRNAの複雑な混合物(例えば、コンビナトリアルライブラリー)から濃縮され得る。このようなライブラリーのスクリーニングから回収される抗体またはその部分をコードする核酸配列は、上記の組換え手段によって(例えば、哺乳動物宿主細胞において)発現され得、さらに、突然変異が、最初に選択された配列(複数可)中に導入されているmRNA−ペプチド融合物のスクリーニングのさらなるラウンドによって、または上記の組換え抗体のインビトロでの親和性成熟のためのその他の方法によってのいずれかで、さらなる親和性成熟に付され得る。
【0177】
別のアプローチでは、本発明の抗体はまた、当技術分野で公知の酵母ディスプレイ法を使用して作製され得る。酵母ディスプレイ法では、抗体ドメインを酵母細胞壁に繋ぎ止め、それらを酵母の表面上にディスプレイするために遺伝学的方法が使用される。特に、このような酵母は、レパートリーまたはコンビナトリアル抗体ライブラリー(例えば、ヒトまたはマウス)から発現される抗原結合ドメインをディスプレイするために利用され得る。本発明の抗体を作製するために使用され得る酵母ディスプレイ法の例として、参照により本明細書に組み込むWittrupら、米国特許第6,699,658号に開示されるものが挙げられる。
【0178】
B.組換えIL−1β抗体の製造
本発明の抗体は、当技術分野で公知のいくつかの技術のいずれかによって製造され得る。例えば、重鎖および軽鎖をコードする発現ベクター(複数可)が、標準技術によって宿主細胞中にトランスフェクトされている宿主細胞からの発現。用語「トランスフェクション」の種々の形態は、外因性DNAを原核生物または真核生物の宿主細胞に導入するためによく使用されるさまざまな技術、例えば、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム沈殿、DEAE−デキストラントランスフェクションなどを包含するものとする。原核生物または真核生物の宿主細胞のいずれかにおいて、本発明の抗体を発現することが可能であるが、真核細胞における抗体の発現が好ましく、哺乳動物宿主細胞においてが最も好ましいが、これは、このような真核細胞(特に、哺乳動物細胞)は、原核細胞よりも、適切に折り畳まれた免疫学的に活性な抗体を組み立て、分泌する可能性が高いためである。
【0179】
本発明の組換え抗体を発現するための好ましい哺乳動物宿主細胞として、チャイニーズハムスター卵巣(CHO細胞)(例えば、KaufmanおよびSharp、J.Mol.Biol.、159:601−621頁(1982年)に記載されたDHFR選択マーカーとともに使用される、UrlaubおよびChasin、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、77:4216−4220頁(1980年)に記載されたdhfr−CHO細胞を含む)、NS0骨髄腫細胞、COS細胞およびSP2細胞が挙げられる。抗体遺伝子をコードする組換え発現ベクターが哺乳動物宿主細胞に導入される場合、抗体は、宿主細胞における抗体の発現、より好ましくは、宿主細胞が増殖される培養培地への抗体の分泌を可能にするのに十分な期間、宿主細胞を培養することによって製造される。抗体は、標準タンパク質精製法を使用して培養培地から回収され得る。
【0180】
宿主細胞はまた、機能的抗体断片、例えば、Fab断片またはscFv分子を製造するために使用され得る。上記の手順に対する変法は、本発明の範囲内にあるということは理解されよう。例えば、本発明の抗体の軽鎖および/または重鎖のいずれかの機能的断片をコードするDNAを用いて、宿主細胞をトランスフェクトすることが望ましいものであり得る。組換えDNA技術はまた、対象とする抗原との結合にとって必須ではない、軽鎖および重鎖のいずれかまたは両方をコードするDNAの一部またはすべてを除去するためにも使用され得る。このような末端切断型DNA分子から発現された分子もまた、本発明の抗体によって包含される。さらに、標準化学的架橋法によって本発明の抗体を第2の抗体に架橋することによって、一方の重鎖および一方の軽鎖が本発明の抗体でありもう一方の重鎖および軽鎖が対象の抗原以外の抗原に対して特異的である二機能性抗体も製造され得る。
【0181】
抗体またはその抗原結合部分を組換え発現するための例示的系では、抗体重鎖および抗体軽鎖の両方をコードする組換え発現ベクターが、リン酸カルシウム媒介トランスフェクションによってdhfr−CHO細胞に導入される。組換え発現ベクター内では、抗体重鎖および軽鎖遺伝子は、各々、この遺伝子の高レベルの転写を駆動するためにCMVエンハンサー/AdMLPプロモーター調節エレメントに作動可能に連結されている。組換え発現ベクターはまた、メトトレキサート選択/増幅を使用してベクターでトランスフェクトされているCHO細胞の選択を可能にするDHFR遺伝子を保持する。選択された形質転換体宿主細胞は、抗体重鎖および軽鎖の発現を可能にするよう培養され、無傷の抗体が培養培地から回収される。組換え発現ベクターを調製し、宿主細胞をトランスフェクトし、形質転換体を選択し、宿主細胞を培養し、培養培地から抗体を回収するために、標準分子生物学技術が使用される。さらに、本発明は、本発明の宿主細胞を、本発明の組換え抗体が合成されるまで適した培養培地中で培養することによって、本発明の組換え抗体を合成する方法を提供する。この方法は、培養培地から組換え抗体を単離することをさらに含み得る。
【0182】
1.抗ヒトIL−1βキメラ抗体
キメラ抗体は、マウスモノクローナル抗体およびヒト免疫グロブリン定常領域に由来する可変領域を有する抗体などの抗体の異なる部分が異なる動物種に由来する分子である。キメラ抗体を製造する方法は、当技術分野で公知であり、実施例の節に詳細に論じられている。例えば、その全文が参照により本明細書に組み込まれる、Morrison、S.L.、Science、229:1202−1207頁(1985年);Oiら、BioTechniques、4:214−221頁(1986年);Gilliesら、J.Immunol.Methods、125:191−202頁(1989年);米国特許第5,807,715号;同4,816,567号および同4,816,397号参照のこと。さらに、適当な生物活性のヒト抗体分子に由来する遺伝子と一緒に、適当な抗原特異性のマウス抗体分子から遺伝子をスプライシングすることによって「キメラ抗体」を製造するために開発された技術が使用され得る。例えば、参照によりその全文が本明細書に組み込まれる、Morrisonら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、81:6851−6855頁(1984年);Neubergerら、Nature、312:604−608頁(1984年);Takedaら、Nature、314:452−454頁(1985年)参照のこと。
【0183】
一実施形態では、本発明のキメラ抗体は、節1において記載されたマウスモノクローナル抗ヒトIL−1β抗体の重鎖定常領域をヒトIgG1定常領域で置換することによって製造される。
【0184】
2.抗IL−1βCDRグラフト化抗体
本発明のCDRグラフト化抗体は、ヒト抗体に由来する重鎖および軽鎖可変領域配列を含み、ここで、V
Hおよび/またはV
LのCDR領域のうち1つまたは複数が本発明のマウス抗体のCDR配列で置換されている。任意のヒトに由来するフレームワーク配列は、CDRグラフト化のための鋳型として働き得る。しかし、このようなフレームワーク上の直鎖置換は、抗原に対する結合親和性の幾分かの喪失につながる。元のヒト抗体に対して、より相同なヒト抗体であるほど、マウスCDRをヒトフレームワークと組み合わせることが、親和性を低減し得るCDR中の歪みを導入する可能性が低い。したがって、CDRは別として、ヒト可変フレームワークを置換するよう選択されているヒト可変フレームワークが、ヒト抗体可変領域フレームワークと少なくとも65%の配列同一性を有することが好ましい。ヒトおよびマウス可変領域が、CDRは別として、ヒト抗体可変領域フレームワークと少なくとも70%の配列同一性を有することがより好ましい。ヒトおよびマウス可変領域が、CDRは別として、ヒト抗体可変領域フレームワークと少なくとも75%の配列同一性を有することがさらにより好ましい。ヒトおよびマウス可変領域が、CDRは別として、ヒト抗体可変領域フレームワークと少なくとも80%の配列同一性を有することが最もより好ましい。キメラ抗体を製造する方法は、当技術分野で公知である。例えば、欧州特許番号EP0239400;PCT公開番号WO91/09967;米国特許第5,225,539号;同5,530,101号および5,585,089号参照のこと)。抗体のベニヤリング(veneering)または再表面形成(resurfacing)については、例えば、欧州特許番号EP0592106およびEP0519596;Padlan、Mol.Immunol.、28(4/5):489−498頁(1991年);Studnickaら、Protein Eng.、7(6):805−814頁(1994年)およびRoguskaら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、91:969−973頁(1994年)参照のこと)。抗体鎖シャッフリング(chain shuffling)に関しては、例えば、米国特許第5,565,352号参照のこと。
【0185】
3.抗IL−1βヒト化抗体
ヒト化抗体は、非ヒト種抗体に由来する1つまたは複数の相補性決定領域(CDR)およびヒト免疫グロブリン分子に由来するフレームワーク領域を有する所望の抗原と結合する非ヒト種抗体に由来する抗体分子である。既知ヒトIg配列は、例えば、ワールドワイドウェブサイト:www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez−/query.fcgi;www.atcc.org/phage/hdb.html;www.sciquest.com/;www.abcam.com/;www.antibodyresource.com/onlinecomp.html;www.public.iastate.edu/.about.pedro−/research_tools.html;www.mgen.uniheidelberg.de/SD/IT/IT.html;whfreeman.com/immunology−/CH05/kuby05.htm;www.library.thinkquest.org/12429/Immune/Antibody.html;www.hhmi.org/grants/lectures/1996/vlab/;www.path.−cam.ac.uk/.about.mrc7/mikeimages.html;www.antibodyresource.com/;mcb.harvard.edu/BioLinks−/Immunology.html.www.immunologylink.com/;pathbox.wustl.edu/.about.hcenter/index.html;www.bio−tech.ufl.edu/.about.hcl/;www.pebio.com/pa/340913−/340913.html;www.nal.usda.gov/awic/pubs/antibody/;www.m.ehimeu.acjp/.about.yasuhito−/Elisa.html;www.biodesign.com/table.asp;www.icnet.uk/axp/facs/davies/lin−ks.html;www.biotech.ufl.edu−/.about.fccl/protocol.html;www.isac−net.org/sites_geo.html;aximtl.imt.uni−marburg.de/.about.rek/AEP−Start.html;baserv.uci.kun.nl/.about.jraats/linksl.html;www.recab.uni−hd.de/immuno.bme.nwu.edu/;www.mrc−cpe.cam.ac.uk/imt−doc/public/INTRO.html;www.ibt.unam.mx/−vir/V_mice.html;imgt.cnusc.fr:8104/;www.biochem.ucl.ac.uk/.about.martin/abs/index.html;anti−body.bath.ac.uk/;abgen.cvm.tamu.edu/lab/wwwabgen.html;www.unizh.ch/.about.honegger/AHO−seminar/Slide01.html;www.cryst.bbk.ac.uk/.about.ubcg07s/;www.nimr.mrc.ac.uk/CC/ccaewg/ccaewg.htm;www.path.cam.ac.uk/.about.mrc7/humanisation/TAHHP.html;www.ibt.unam.mx/vir/structure/stat_aim.−html;www.biosci.missouri.edu/smithgp/index.html;www.cryst.bioc.cam.ac.uk/.about.fmolina/Webpages−/Pept/spottech.html;www.jerini.de/frroducts.htm;www.patents.ibm.com/ibm.htmlに開示されている。参照により本明細書に各々、全文が組み込まれる、Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest、U.S. Dept. Health (1983年)。免疫原性を低減するまたは結合、親和性、結合速度、解離速度、アビディティー、特異性、半減期もしくは当技術分野で公知の任意のその他の適した特徴を低減、増強もしくは改変するために、このような移入された配列が使用され得る。
【0186】
ヒトフレームワーク領域中のフレームワーク(FR)残基は、抗原結合を変更、好ましくは、改善するためにCDRドナー抗体に由来する対応する残基で置換され得る。これらのフレームワーク置換は、当技術分野で周知の方法によって、例えば、抗原結合にとって重要であるフレームワーク残基を同定するためのCDRおよびフレームワーク残基の相互作用のモデリングおよび特定の位置の通常のフレームワーク残基を同定するための配列比較によって同定される(例えば、参照によってその全文が本明細書に組み込まれる、Queenら、米国特許第5,585,089号;Riechmannら、Nature、332:323−327頁(1988年)参照のこと)。3次元免疫グロブリンモデルはよく利用され、当業者にはよく知られている。選択された候補免疫グロブリン配列のあり得る3次元立体構造を例示し、示すコンピュータプログラムが利用可能である。これらのディスプレイの観察によって、候補免疫グロブリン配列の機能における残基のあり得る役割の分析、すなわち、候補免疫グロブリンのその抗原と結合する能力に影響を及ぼす残基の分析が可能になる。このようにして、FR残基は、標的抗原(複数可)に対する親和性の増大などの所望の抗体特徴が達成されるようにコンセンサス配列および移入配列から選択され、組み合わされ得る。一般に、CDR残基は、抗原結合に影響を及ぼすことに直接に、最も実質的に関与する。抗体は、それだけには限らないが、それに列挙される参考文献を含め、参照によって各々全文が組み込まれる、Jonesら、Nature、321:522−525頁(1986年);Verhoeyenら、Science、239:1534−1536頁(1988年)、Simsら、J.Immunol.、151:2296−2308頁(1993年);ChothiaおよびLesk、J.Mol.Biol.、196:901−917頁(1987年)、Carterら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、89:4285−4289頁(1992年);Prestaら、J.Immunol.、151:2623−2632頁(1993年)、Padlan、Mol.Immunol.、28(4/5):489−498頁(1991年);Studnickaら、Protein Eng.、7(6):805−814頁(1994年);Roguskaら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、91:969−973頁(1994年);PCT公開番号WO91/09967、WO90/14423;WO90/14424;WO90/14430;WO99/06834(PCT/US98/16280)、WO97/20032(PCT/US96/18978)、WO92/11272(PCT/US91/09630)、WO92/03461(PCT/US91/05939)、WO94/18219(PCT/US94/01234)、WO92/01047(PCT/GB91/01134);およびWO93/06213(PCT/GB92/01755);欧州特許番号EP0592106;EP0519596およびEP0239400;米国特許第5,565,332号;同5,723,323号;同5,976,862号;同5,824,514号;同5,817,483号;同5,814,476号;同5,763,192号;同5,723,323号;同5,766,886号;同5,714,352号;同6,204,023号;同6,180,370号;同5,693,762号;同5,530,101号;同5,585,089号;同5,225,539号;および同4,816,567号に記載されるものなど当技術分野で公知の種々の技術を使用してヒト化され得る。
【0187】
5.抗IL−1β DVD−Ig(商標)結合タンパク質
また、IL−1βの1種または複数のエピトープと結合する二重可変ドメイン免疫グロブリン結合タンパク質(DVD−Ig)も提供される。DVD−Ig結合タンパク質はまた、IL−1βのエピトープおよびIL−1βポリペプチド以外の第2の標的抗原のエピトープとも結合し得る。このようなDVD−Ig分子の例示的な一実施形態は、構造式VD1−(X1)n−VD2−C−(X2)n[式中、VD1は、第1の重鎖可変ドメインであり、VD2は、第2の重鎖可変ドメインであり、Cは、重鎖定常ドメインであり、X1は、リンカーであり(ただし、CH1ではない)、X2は、Fc領域であり、nは、0または1であるが、好ましくは、1である]を含む重鎖および構造式VD1−(X1)n−VD2−C−(X2)n[式中、VD1は、第1の軽鎖可変ドメインであり、VD2は、第2の軽鎖可変ドメインであり、Cは、軽鎖定常ドメインであり、X1は、リンカーであり(ただし、CH1ではない)、X2は、Fc領域を含まず;nは0または1であるが、好ましくは、1である]を含む軽鎖を含む。このようなDVD−Igは、2つのこのような重鎖および2つのこのような軽鎖を含むことがあり、ここで、各鎖は、可変領域の間に介在する定常領域を有さず、タンデムに結合された可変ドメインを含み、重鎖および軽鎖は、会合して、2つのタンデムの抗原結合部位を形成し、1対の重鎖および軽鎖は、別の対の重鎖および軽鎖と会合して、4つの抗原結合部位を有する四量体結合タンパク質を形成し得る。別の実施形態では、DVD−Ig分子は、可変ドメインの間に介在する定常領域を有さず、タンデムに連結された3つの可変ドメイン、例えば、VD1、VD2、VD3を各々含む重鎖および軽鎖を含むことがあり、ここで、1対の重鎖および軽鎖は、会合して、3つの抗原結合部位を形成し得、1対の重鎖および軽鎖は、別の対の重鎖および軽鎖と会合して、6つの抗原結合部位を有する四量体結合タンパク質を形成し得る。
【0188】
DVD−Ig中の各可変ドメイン(VD)は、1種または複数の所望の抗原またはエピトープ、例えば、IL−1βおよび/またはIL−1α抗原またはエピトープと結合する、1種または複数の「親」モノクローナル抗体から得られる場合もある。
【0189】
A.親モノクローナル抗体の作製
DVD−Ig結合タンパク質の可変ドメインは、対象とする抗原と結合できるモノクローナル抗体(mAb)を含めた親抗体から得ることができる。これらの抗体は、天然に存在するであっても、組換え技術によって作製されたものであってもよい。所望の標的抗原またはエピトープと結合する抗体がポリクローナルである場合は、DVD−Igの作製において使用するために、ポリクローナル集団から単一の抗体の、すなわち、ポリクローナル集団の単一のモノクローナルメンバーの抗原結合部位の可変ドメインを得ることがさらに必要であるということは理解されよう。モノクローナル抗体は、本明細書に記載されたものを含め、種々の当技術分野で公知の方法のいずれによって作製されてもよい(上記の節A.1.からA.4.参照のこと)。
【0190】
B.親モノクローナル抗体を選択するための判定基準
本発明の一実施形態は、DVD−Ig分子において望まれる少なくとも1つ以上の特性を有する親抗体を選択することに関する。一実施形態では、所望の特性は、1種または複数の抗体パラメーターから選択される。別の実施形態では、抗体パラメーターは、抗原特異性、抗原に対する親和性、効力、生物学的機能、エピトープ認識、安定性、溶解度、製造効率、免疫原性、薬物動態、バイオアベイラビリティ、組織交差反応性およびオルソロガス抗原結合からなる群から選択される。
【0191】
B1.抗原に対する親和性
治療用mAbの所望の親和性は、抗原の性質および所望の治療のエンドポイントに応じて変わり得る。一実施形態では、モノクローナル抗体は、サイトカイン−サイトカイン受容体相互作用を遮断する場合に、このような相互作用が、通常、高親和性相互作用(例えば、<pM−<nMの範囲)であるので高い親和性を有する(Kd=0.01−0.50pM)。このような例では、その標的に対するmAb親和性は、その受容体に対するサイトカイン(リガンド)の親和性と同等またはそれよりも高くなくてはならない。他方、より低い親和性(>nM範囲)しか有さないmAbは、例えば、循環している病原性である可能性があるタンパク質の除去においては治療上有効であり得る、例えば、A−βアミロイドなどの標的抗原の循環種を結合、捕捉および排除するモノクローナル抗体。その他の例では、潜在的な副作用を避けるために、位置指定突然変異誘発によって既存の高親和性mAbの親和性を低下させることまたはその標的に対して低い親和性を有するmAbを使用することが使用され得る。例えば、高親和性mAbは、その意図される標的のすべてを捕捉または中和し、それによって標的とされたタンパク質の機能を完全に枯渇/排除し得る。この状況では、低親和性mAbは、疾患症状(病的レベルまたは過剰産生レベル)に関与している可能性のある標的の一部分を捕捉/中和し、したがって、標的の一部分がその正常な生理学的機能を発揮し続けることを可能にし得る。したがって、用量を調節する、および/または副作用を低減するために、Kdを低下させることが可能であり得る。親mAbの親和性は、細胞表面分子を適宜ターゲッティングして、所望の治療成績を達成することにおいて役割を果たし得る。例えば、標的が、高密度の癌細胞および低密度の正常細胞上で発現される場合には、低親和性mAbは、正常細胞よりも腫瘍細胞上の多数の標的と結合し、その結果、ADCCまたはCDCによる腫瘍細胞排出をもたらし、したがって、治療上望ましい効果を有し得る。したがって、所望の親和性を有するmAbを選択することは、可溶性および表面標的の両方と関連し得る。
【0192】
そのリガンドとの相互作用の際の受容体を介したシグナル伝達は、受容体−リガンド相互作用の親和性に応じて変わり得る。同様に、表面受容体に対するmAbの親和性が、細胞内シグナル伝達の性質およびmAbがアゴニストまたはアンタゴニストシグナルを送達し得るかどうかを決定し得るということが考えられる。mAb媒介性シグナル伝達の親和性に基づいた性質は、副作用プロフィールに影響を与え得る。したがって、治療用モノクローナル抗体の所望の親和性および所望の機能は、インビトロおよびインビボ実験によって注意深く決定される必要がある。
【0193】
結合タンパク質(例えば、抗体)の所望のKdは、所望の治療成績に応じて実験的に決定され得る。一実施形態では、特定の抗原に対して、同じ抗原に対するDVD−Igの所望の親和性と等しい、またはそれ以上の親和性(Kd)を有する親抗体が選択される。抗原結合親和性および速度論は、Biacoreまたは別の同様の技術によって評価される。一実施形態では、各親抗体は、最大で約10
−7M;最大で約10
−8M;最大で約10
−9M;最大で約10
−10M;最大で約10
−11M;最大で約10
−12M;および最大で10
−13Mからなる群から選択される、その抗原との解離定数(Kd)を有する。VD1が得られる第1の親抗体およびVD2が得られる第2の親抗体は、それぞれの抗原に対して同様の親和性(K
D)を有していても異なる親和性(K
D)を有してもよい。各親抗体は、表面プラズモン共鳴によって測定される、少なくとも約10
2M
−1s
−1;少なくとも約10
3M
−1s
−1;少なくとも約10
4M
−1s
−1;少なくとも約10
5M
−1s
−1;および少なくとも約10
6M
−1s
−1からなる群から選択される、抗原との結合速度定数(Kon)を有する。例えば、VD1が得られる第1の親抗体およびVD2が得られる第2の親抗体は、それぞれの抗原に対して、同様の結合速度定数(Kon)を有していても、異なる結合速度定数(Kon)を有していてもよい。一実施形態では、各親抗体は、表面プラズモン共鳴によって測定される、最大で約10
−3s
−1;最大で約10
−4s
−1;最大で約10
−5s
−1;および最大で約10
−6s
−1からなる群から選択される、抗原との解離速度定数(Koff)を有する。VD1が得られる第1の親抗体およびVD2が得られる第2の親抗体は、それぞれの抗原に対して、同様の解離速度定数(Koff)を有していても、異なる解離速度定数(Koff)を有していてもよい。
【0194】
B2.効力
親モノクローナル抗体の所望の親和性/効力は、所望の治療成績に応じて変わる。例えば、受容体−リガンド(R−L)相互作用について、親和性(kd)は、R−L kd(pM範囲)と等しいか、それ以上である。病的循環タンパク質の簡単なクリアランスのためには、Kdは、低いnM範囲であり得る、例えば、循環するA−βペプチドの種々の種のクリアランス。さらに、Kdはまた、標的が、同一エピトープの複数のコピーを発現するかどうかに応じて変わる、例えば、mAbがターゲッティングするAβオリゴマー中の立体構造エピトープ。
【0195】
VDIおよびVD2が、同一抗原であるが別個のエピトープと結合する場合には、DVD−Igは、同一抗原の結合部位を含有し、ひいては、結合力、それによってDVD−Igの見かけのKdを増大させる。一実施形態では、DVD−Igにおいて望まれるものと等しい、またはより低いKdを有する親抗体が選択される。親mAbの親和性を考慮することもまた、DVD−Igが4つ以上の同一の抗原結合部位を含有するかどうか(すなわち、単一mAb由来のDVD−Ig)に応じて変わり得る。この場合には、見かけのKdは、結合力のためにmAbより高い。このようなDVD−Igは、表面受容体の架橋、中和効力の増強、病的タンパク質のクリアランスの増大などために使用され得る。
【0196】
別の実施形態では、特定の抗原に対して、同一の抗原に対するDVD−Igの所望の中和能と等しい、またはより高い中和効力を有する親抗体が選択される。中和効力は、適当な種類の細胞が、標的刺激に応じて測定可能なシグナルを生じ(すなわち、増殖またはサイトカイン産生)、mAbによる標的中和がシグナルを用量依存的に低減し得る、標的依存性生物検定法によって評価され得る。
【0197】
B3.生物学的機能
モノクローナル抗体は、いくつかの機能を潜在的に発揮できる。これらの機能のうちいくつかが表5に列挙されている。これらの機能は、インビトロアッセイ(例えば、細胞ベースのアッセイおよび生化学的アッセイ)およびインビボ動物モデルの両方によって評価され得る。
【0199】
本明細書において実施例および表5に記載される別個の機能を有するMAbは、所望の治療成績を達成するよう選択され得る。単一のDVD−Ig分子において2つの別個の機能を達成するよう、2種以上の選択された親モノクローナル抗体がDVD−Ig形式において使用され得る。例えば、DVD−Igは、IL−1βなどの特定のサイトカインの機能を中和する親mAbを選択すること、および病的タンパク質のクリアランスを増強する親mAbを選択することによって作製され得る。同様に、2種の異なる細胞表面受容体を認識する2種の親mAb、一方の受容体上でアゴニスト機能を有する一方のmAbと異なる受容体上でアンタゴニスト機能を有するもう一方のmAbが選択され得る。これらの2種の選択されたmAb、別個の機能を有する各々は、単一分子中で選択されたモノクローナル抗体の2種の別個の機能(アゴニストおよびアンタゴニスト)を有する単一のDVD−Ig分子を構築するために使用され得る。同様に、各々、それぞれの受容体リガンド(例えば、EGFおよびIGF)の結合を遮断する、細胞表面受容体に対する2種のアンタゴニスト性mAbが、DVD−Ig形式で使用され得る。反対に、アンタゴニスト性抗受容体mAb(例えば、抗EGFR)および中和抗可溶性メディエーター(例えば、抗IGF1/2)mAbが、DVD−Igを作製するために選択され得る。
【0200】
B4.エピトープ認識:
タンパク質の異なる領域は、異なる機能を発揮し得る。例えば、IL−1βなどのサイトカインの特定の領域は、サイトカイン受容体と相互作用して受容体活性化を引き起こすのに対し、タンパク質のその他の領域は、サイトカインを安定化するために必要とされている可能性がある。この場合には、サイトカイン上の受容体相互作用領域(複数可)と特異的に結合するmAbを選択し、それによって、サイトカイン−受容体相互作用を遮断してもよい。いくつかの場合、例えば、複数のリガンドと結合する特定のケモカイン受容体では、1種のリガンドのみと相互作用するエピトープ(ケモカイン受容体の領域)と結合するmAbが選択され得る。その他の例では、モノクローナル抗体は、タンパク質の生理学的機能に直接的に関与していないが、これらの領域とのmAbの結合がタンパク質の生理学的機能を干渉する(立体障害)か、コンホメーションを変更するかのいずれかであり、その結果、タンパク質が機能できない標的上のエピトープと結合し得る(受容体コンホメーションを変更し、その結果、リガンドのいずれも結合できなくなる、mAb対複数のリガンドを有する受容体)。サイトカインのその受容体との結合を遮断しないが、シグナル伝達を遮断する抗サイトカインモノクローナル抗体も同定されている(例えば、125−2H、抗IL−18mAb)。
【0201】
エピトープおよびmAb機能の例として、それだけには限らないが、受容体−リガンド(R−L)相互作用を遮断すること(R−相互作用部位と結合する中和mAb);R−結合の減少または消失をもたらす立体障害が挙げられる。抗体は、受容体結合部位以外の部位で標的と結合するが、コンホメーション変化を誘導することによって標的の受容体結合および機能を依然として干渉し、機能を排除する場合もあり(例えば、ゾレア(登録商標)オマリズマブ、Genetech/Novartis)、Rと結合するが、シグナル伝達を遮断する場合もある(125−2H mAb)。
【0202】
一実施形態では、親mAbは、最大有効性のために適当なエピトープを標的とする必要がある。このようなエピトープは、DVD−Ig中で保存されなければならない。mAbの結合エピトープは、共結晶学、mAb−抗原複合体の制限されたタンパク質分解および質量分析ペプチドマッピングを含めたいくつかのアプローチによって決定され得る(Legrosら、Protein Sci.、9:1002−1010頁(2000年))、ファージディスプレイペプチドライブラリー(O’Connorら、J.Immunol.Methods.、299:21−35頁(2005年))ならびに変異原性(Wu C.ら、J.Immunol.、170:5571−5577頁(2003年))。
B5.物理化学的および製薬的(parmaceutical)特性
抗体を用いる治療的処置は、高用量、時には、数mg/kgの投与を必要とすることが多い(通常、大きな分子量の結果としての質量ベースでの低い効力のために)。患者のコンプライアンスに適応させ、慢性疾患治療および外来患者治療に適切に対処するために、治療用mAbの皮下(s.c.)または筋肉内(i.m.)投与が望ましい。例えば、s.c.投与のための最大の望ましい容積は、約1.0mLであり、したがって、用量あたりの注射数を制限するには>100mg/mLの濃度が望ましい。一実施形態では、治療用抗体は、一用量で投与される。しかしながら、このような製剤の開発は、タンパク質間相互作用(例えば、免疫原性のリスクを増大させる可能性がある凝集)によって、ならびに処理および送達の際の制限によって(例えば、粘度)によって制約されている。結果として、臨床的有効性および関連する開発のために必要な多量のものによって、抗体製剤および高用量計画でのs.c.投与の可能性の完全な利用に制限が強いられる。タンパク質分子およびタンパク質溶液の物理化学的特性および製薬的特性、例えば、安定性、溶解度および粘度特徴が最重要のものであることは明らかである。
【0203】
B5.1.安定性
「安定な」抗体製剤は、その中で抗体が、保存の際にその物理的安定性および/または化学安定性および/または生物活性を本質的に保持するものである。安定性は、選択された温度で選択された期間の間、測定され得る。一実施形態では、製剤中の抗体は、室温で(約30℃)または40℃で少なくとも1ヶ月安定である、および/または約2−8℃で少なくとも1年間、例えば少なくとも2年間安定である。さらに、一実施形態では、製剤は、本明細書において以下、「凍結/解凍サイクル」と呼ばれる、製剤の凍結(例えば、−70℃への)および解凍後に安定である。別の実施例では、「安定な」製剤は、製剤中で約10%未満および約5%未満のタンパク質が、凝集体として存在するものであり得る。
【0204】
長期間、種々の温度でインビトロで安定なDVD−Igが望ましい。これは、インビトロで、高温下で、例えば、40℃で2−4週間安定な親mAbの迅速なスクリーニングによって達成でき、ついで、安定性を評価できる。2−8℃での保存の間に、タンパク質は、少なくとも12ヶ月、例えば、少なくとも24ヶ月の安定性を示す。安定性(単量体の、無傷の分子の%)は、陽イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、SDS−PAGEならびに生物活性試験などの種々の技術を使用して評価され得る。共有結合修飾およびコンホメーション修飾を分析するために使用され得る分析技術のより包括的なリストについては、Jones、A.J.S.、「Analytical methods for the assessment of protein formulations and delivery systems」、第2章、In Formulation and delivery of peptides and proteins、第1版、(Cleland and Langer編)(American Chemical Society、Washington、D.C.、1994年)22−45頁;およびPearlman and Nguyen、「Analysis of protein drugs」、第6章、In Peptide and protein drug delivery、第1版[In Advances in Parenteral Sciences、第4巻](Lee、V.H.編)(Marcel Dekker,Inc.、New York、1991年)247−301頁参照のこと。
【0205】
不均一性および凝集体形成:抗体の安定性は、凝集体として存在する製剤が、GMP抗体物質中に、約10%未満、一実施形態では、約5%未満、別の実施形態では、約2%未満、または一実施形態では、0.5%から1.5%以下の範囲内を示し得るようなものであり得る。サイズ排除クロマトグラフィーは、タンパク質凝集体の検出において高感度の、再現性のある、極めて頑強な方法である。
【0206】
一実施形態では、抗体は、低い凝集体レベルに加えて、化学的に安定でなくてはならない。化学安定性は、イオン交換クロマトグラフィー(例えば、陽イオンまたは陰イオン交換クロマトグラフィー)、疎水性相互作用クロマトグラフィーまたは等電点電気泳動もしくはキャピラリー電気泳動などのその他の方法によって決定され得る。例えば、抗体の化学安定性は、2−8℃で少なくとも12ヶ月保存した後に、陽イオン交換クロマトグラフィーにおける修飾されていない抗体に相当するピークが、保存試験の前の抗体溶液と比較して、20%以下、一実施形態では、10%以下、または別の実施形態では、5%以下増大し得るようなものであり得る。
【0207】
一実施形態では、親抗体は、構造的完全性;正しいジスルフィド結合形成および正しいフォールディングを示す。抗体の二次または三次構造の変化による化学的不安定性は、抗体活性に影響を及ぼし得る。例えば、抗体の活性によって示される安定性は、2−8℃で少なくとも12ヶ月の保存後に、抗体の活性が、保存試験前の抗体溶液と比較して50%以下、一実施形態では、30%以下、さらに、10%以下、または一実施形態では、5%もしくは1%以下低下し得るようなものであり得る。抗体活性を決定するために、適した抗原−結合アッセイが使用され得る。
【0208】
B5.2.溶解度
mAbの「溶解度」は、正しくフォールディングされた単量体のIgGの生成と相関する。したがって、IgGの溶解度は、HPLCによって評価され得る。例えば、可溶性(単量体)IgGは、HPLCクロマトグラフ上に単一のピークを生じさせるのに対し、不溶性(例えば、多量体および凝集した)は、複数のピークを生じさせる。したがって、当業者は、日常的なHPLC技術を使用してIgGの溶解度の増大または低下を検出できる。溶解度を分析するために使用され得る分析技術のより包括的なリストについては、(Jones、A.G.、Dep.Chem.Biochem.Eng.、Univ.Coll. London、「Particle formation and separation in suspension crystallization processes」、第4章、In Process. Solid−Liquid Suspensions、(P. Ayazi Shamlou編)(Butterworth−Heinemann、Oxford、UK、1993年)93−117頁;およびPearlman and Nguyen、「Analysis of protein drugs」、第6章、In Peptide and protein drug delivery、第1版[In Advances in Parenteral Sciences、第4巻](Lee、V.H.編)(Marcel Dekker、Inc.、New York、1991年)247−301頁参照のこと)。治療用mAbの溶解度は、適切な投薬のために必要とされることが多い高濃縮物への製剤にとって重要である。本明細書において概説されたように、効率的な抗体投薬に適応させるために>100mg/mLの溶解度が必要である場合もある。例えば、抗体溶解度は、初期研究相では約5mg/mL以上、一実施形態では、高度処理科学段階において、約25mg/mL以上、または一実施形態では、約100mg/mL以上、または一実施形態では、約150mg/mL以上であり得る。タンパク質分子の固有の特性は、タンパク質溶液の物理化学的特性、例えば、安定性、溶解度、粘度にとって重要である。しかし、当業者ならば、最終タンパク質製剤の特徴に有益に影響を及ぼすために、添加剤として使用され得る広範な賦形剤が存在するということは理解する。これらの賦形剤として、(i)液体溶媒、共溶媒(例えば、エタノールなどのアルコール);(ii)緩衝剤(例えば、リン酸バッファー、酢酸バッファー、クエン酸バッファー、アミノ酸バッファー);(iii)糖または糖アルコール(例えば、スクロース、トレハロース、フルクトース、ラフィノース、マンニトール、ソルビトール、デキストラン);(iv)界面活性剤(例えば、ポリソルベート20、40、60、80、ポロキサマー);(v)等張性修飾因子(例えば、NaClなどの塩、糖、糖アルコール);および(vi)その他のもの(例えば、保存料、キレート化剤、抗酸化物質、キレート化物質(例えば、EDTA)、生分解性ポリマー、担体分子(例えば、HSA、PEG))を挙げることができる。
【0209】
粘度は、抗体製造および抗体処理(例えば、ダイアフィルトレーション/限外濾過)、フィル−フィニッシュ(fill−finish)処理(ポンピング局面、濾過局面)および送達局面(注射針通過性(syringeability)、高性能の装置送達)に関して重要度が高いパラメーターである。低粘度が、高濃度を有する抗体の液体溶液を可能にする。これによって、同一用量がより少ない容積で投与されることが可能になる。少ない注射容積は、注射の際のより少ない疼痛という利点を提供し、患者において注射時の疼痛を低減するために溶液は、必ずしも等張性である必要はない。抗体溶液の粘度は、100(1/s)のずりせん断速度で、抗体溶液粘度が200mPa s未満、一実施形態では、125mPa s未満、別の実施形態では、70mPa s未満、さらに別の実施形態では、25mPa s未満またはさらに10mPa s未満であるようなものであり得る。
【0210】
B5.3.製造効率
チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)などの哺乳動物細胞において効率的に発現されるDVD−Igの作製は、一実施形態では、哺乳動物細胞においてそれら自体が効率的に発現される2種の親モノクローナル抗体を必要とする。安定な哺乳動物系列(すなわち、CHO)からの製造収率は、0.5g/Lを超える、一実施形態では、約1g/Lを超える、別の実施形態では、約2から約5g/L以上の範囲であるはずである(Kipriyanovら、Mol.Biotechnol.、12:173−201頁(1999年);Carrollら、Expert Opin Biol Ther.、4:1821−1829頁(2004年))。
【0211】
哺乳動物細胞における抗体およびIg融合タンパク質の製造は、いくつかの因子によって影響を受ける。強力なプロモーター、エンハンサーおよび選択マーカーの組み込みによる発現ベクターの遺伝子操作は、組み込まれたベクターコピーからの対象とする遺伝子の転写を最大にし得る。高レベルの遺伝子転写を許容するベクター組込み部位の同定は、ベクターからのタンパク質発現を増強し得る(Wurm、F.M.、Nature Biotechnol.、22(11):1393−1398頁(2004年))。さらに、製造のレベルは、抗体重鎖および軽鎖の比およびタンパク質アセンブリーおよび分泌のプロセスにおける種々のステップによって影響を受ける(Jiangら、Biotechnol.Prog.、22(1):313−318頁(2006年))。
【0212】
B6.免疫原性
治療用mAbの投与は、特定の発生率の免疫応答(すなわち、治療用mAbに向けられた内因性抗体の形成)をもたらし得る。免疫原性を誘導し得る潜在的要素は、親モノクローナル抗体の選択の間に分析されなければならず、このようなリスクを低減する段階は、DVD−Ig構成に先立って親モノクローナル抗体を最適化するようとられ得る。マウス由来抗体は、患者において高度に免疫原性であるとわかっている。マウス可変およびヒト定常領域からなるキメラ抗体の作製は、治療用抗体の免疫原性を低減するための論理的な次のステップを示す(Morrison and Schlom、「Recombinant Chimeric Monoclonal Antibodies」、第1章、In Important Advances in Oncology 1990年(J.B. Lippincott Company、Philadelphia、1990年)3−18頁)。あるいは、免疫原性は、Riechmannら、Nature、332:323−327頁(1988年)によって治療用抗体について記載されたように、マウスCDR配列をヒト抗体フレームワーク中に移すことによって低減され得る(再形成(reshaping)/CDRグラフティング/ヒト化)。別の方法は、「再表面形成(resurfacing)」または「ベニヤリング(veneering)」と呼ばれ、げっ歯類軽鎖可変および重鎖ドメインを用いて出発し、表面に到達可能なフレームワークアミノ酸のみがヒトのものに変更され、一方でCDRおよび埋没したアミノ酸は、親のげっ歯類抗体由来のままである(Roguskaら、Protein Eng.、9(10):895−904頁(1996年))。別の種類のヒト化では、全CDRのグラフティングの代わりに、ある技術は、抗体のその標的との結合に関与しているCDR残基のサブセットとして定義される「特異性決定領域(SDR)」のみを移植する(Kashmiriら、Methods、36(1):25−34頁(2005年))。これは、抗体−標的複合体の入手可能な三次元構造の分析またはどれが標的と相互作用するかを決定するための抗体CDR残基の変異解析のいずれかによるSDRの同定を必要とする。あるいは、完全ヒト抗体は、マウス、キメラまたはヒト化抗体と比較して低減した免疫原性を有し得る。
【0213】
治療用抗体の免疫原性を低減するための別のアプローチは、免疫原性であると予測される特定の特異的配列の排除である。1つのアプローチでは、第1世代の生物製剤が、ヒトにおいて試験され、許容しがたく免疫原性であるとわかった後、B細胞エピトープがマッピングされ、次いで、免疫検出を避けるよう変更され得る。別のアプローチは、潜在的なT細胞エピトープを予測および除去する方法を使用する。MHCタンパク質と結合する潜在力を有する生物学的治療薬のペプチド配列をスキャンし、同定するための計算法が開発された(Desmetら、Proteins、58:53−69頁(2005年))。あるいは、潜在的タンパク質アレルゲンにおいてCD4
+ T細胞エピトープを同定するためにヒト樹状細胞ベースの方法が使用され得る(Sticklerら、J. Immunother.、23:654−660頁(2000年);MorrisonおよびSchlom、Important Adv. Oncol.(1990年)3−18頁;Riechmannら「Reshaping human antibodies for therapy」、Nature. 332:323−327頁(1988年);Roguskaら、「A comparison of two muirne mAbs humanized by CDR−grafting and variable domain resurfacing」、Protein Eng.、9:895−904頁(1996年);Kashmiriら、「SDR grafting−−a new approach to antibody humanization」、Methods、36(1):25−34頁(2005年);Desmetら、「Anchor profiles of HLA−specific peptides: analysis by a novel affinity scoring method and experimental validation」、Proteins、58:53−69頁(2005年);Sticklerら、「CD4+ T−cell epitope determination using unexposed human donor peripheral blood mononuclear cells」、J.Immunother.、23:654−660頁(2000年))。
【0214】
B7.インビボ有効性
所望のインビボ有効性を有するDVD−Ig分子を作製するためには、組み合わせて与えられる場合に、同様に所望のインビボ有効性を有するmAbを作製および選択することが重要である。しかし、いくつかの例では、DVD−Igは、2種の別個のmAbの組合せでは達成され得ないインビボ有効性を示し得る。例えば、DVD−Igは、2種の標的を近接させ、それが、2種の別個のmAbの組合せでは達成され得ない活性につながり得る。さらなる望ましい生物学的機能が本明細書において節B3に記載されている。薬物動態半減期(t
1/2);組織分布;可溶性対細胞表面標的;および標的濃度−可能性/密度−表面などの因子に基づいて、DVD−Ig分子において望ましい特徴を有する親抗体が選択され得る。
【0215】
B8.インビボ組織分布
所望のインビボ組織分布を有するDVD−Ig分子を作製するためには、一実施形態では、同様に所望のインビボ組織分布プロフィールを有する親mAbが選択されなければならない。あるいは、二重特異性ターゲッティング戦略の機序に基づいて、別の機会には、組み合わせて与えられる場合に、同様に所望のインビボ組織分布を有する親mAbを選択することが必要ではないこともある。例えば、1種の結合成分がDVD−Igを特定の部位にターゲッティングし、それによって第2の結合成分を同じ標的部位にもたらすDVD−Igの場合。例えば、DVD−Igの一方の結合特異性は、膵臓(島細胞)を標的とすることができ、もう一方の特異性は、GLP1を膵臓へもたらし、インスリンを誘導することができる。
【0216】
B9.アイソタイプ
それだけには限らないが、アイソタイプ、エフェクター機能および循環半減期を始めとする所望の特性を有するDVD−Ig分子を作製するには、治療的有用性および所望の治療のエンドポイントに応じて適当なFc−エフェクター機能を有する親mAbが選択される。5種の主な重鎖のクラスまたはアイソタイプがあり、この一部は、いくつかのサブタイプを有し、これらが、抗体分子のエフェクター機能を決定する。これらのエフェクター機能は、抗体分子のヒンジ領域、CH2およびCH3ドメインにある。しかし、抗体分子のその他の部分の中の残基はさらに、エフェクター機能に対して効果を有し得る。ヒンジ領域Fc−エフェクター機能として、(i)抗体依存性細胞傷害(ADCC)、(ii)補体(C1q)結合、活性化および補体依存性細胞傷害(CDC)、(iii)抗原−抗体複合体の食作用/クリアランスおよび(iv)時には、サイトカイン放出が挙げられる。これらの抗体分子のFc−エフェクター機能は、Fc領域のクラス特異的細胞表面受容体のセットとの相互作用によって媒介される。IgG1アイソタイプの抗体は、最も活性であるのに対し、IgG2およびIgG4は、エフェクター機能が最小限である、または無い。IgG抗体のエフェクター機能は、3種の構造的に相同な細胞性Fc受容体の種類(およびサブタイプ)(FcgR1、FcgRIIおよびFcgRIII)との相互作用によって媒介される。IgG1のこれらのエフェクター機能は、FcgRおよびC1q結合にとって必要である下部ヒンジ領域中の特定のアミノ酸残基(例えば、L234A、L235A)を突然変異させることによって排除され得る。Fc領域、特に、CH2−CH3ドメイン中のアミノ酸残基はまた、抗体分子の循環半減期を決定する。このFc機能は、酸性リソソームから全身循環へと戻す抗体分子のリサイクルに関与している、Fc領域の新生児Fc受容体(FcRn)との結合によって媒介される。
【0217】
mAbが活性または不活性のアイソタイプを有するべきであるかどうかは、抗体についての所望の治療のエンドポイントに応じて変わる。アイソタイプおよび所望の治療成績の使用法のいくつかの例が以下に列挙される:
1.所望のエンドポイントが、可溶性サイトカインの機能的中和である場合は、不活性のアイソタイプが使用され得る;
2.所望の成績が、病的タンパク質のクリアランスである場合は、活性なアイソタイプが使用され得る;
3.所望の成績が、タンパク質凝集体のクリアランスである場合は、活性なアイソタイプが使用され得る;
4.所望の成績が、表面受容体を拮抗することである場合は、不活性のアイソタイプが使用される(Tysabri、IgG4;OKT3(登録商標)、突然変異されたIgG1);
5.所望の成績が標的細胞を排除することである場合は、活性なアイソタイプが使用される(ヘルセプチン、IgG1(増強されたエフェクター機能を有する);および
6.所望の成績が、循環からタンパク質を取り除き、CNSへの進入が起こらないことである場合は、IgMアイソタイプが使用され得る(例えば、循環Abペプチド種を取り除くこと)。
【0218】
親mAbのFcエフェクター機能は、当技術分野で周知の種々のインビトロ法によって決定され得る。
【0219】
論じられたように、アイソタイプおよびそれによるエフェクター機能の選択は、所望の治療のエンドポイントに応じて変わる。循環標的の簡単な中和、例えば、受容体−リガンド相互作用を遮断することが望まれる場合には、エフェクター機能は必要ではない場合もある。このような例では、エフェクター機能を排除するアイソタイプまたは抗体のFc領域中の突然変異が望ましい。標的細胞の排出、例えば、腫瘍細胞の排出が治療のエンドポイントであるその他の例では、エフェクター機能を増強するFc領域におけるアイソタイプまたは突然変異または脱フコシル化が望ましい(Presta、L.G.、Adv. Drug Del. Rev.、58:640−656頁(2006年);Satohら、Expert Opin.Biol.Ther.、6:1161−1173頁(2006年)。同様に、治療的有用性に応じて、抗体分子の循環半減期は、Fc領域中に特異的突然変異を導入することによって抗体−FcRn相互作用を調節することによって低減/延長され得る(Dall’Acquaら、J.Biol.Chem.、281:23514−23524頁(2006年);Petkovaら、Int.Immunol.、18:1759−1769頁(2006年);Vaccaroら、Proc.Natl.Acad.Sci. USA、103:18709−18714頁(2006年)。
【0220】
正常な治療用mAbの種々のエフェクター機能に影響を及ぼす種々の残基に関する公開された情報が、DVD−Igについて確認される必要があり得る。DVD−Ig形式では、モノクローナル抗体エフェクター機能の調節のために同定されたもの以外のさらなる(異なる)Fc領域残基が重要であり得るということが可能であり得る。
【0221】
全体に、どのFc−エフェクター機能(アイソタイプ)が、最終的なDVD−Ig形式において重要であるかについての決定は、疾患適応症、治療標的、所望の治療のエンドポイントおよび安全性の考慮に応じて変わる。以下を含めた例示的な適当な重鎖および軽鎖定常領域が以下に列挙されるがそれだけには限らない:IgG1−アロタイプ:G1mz;IgG1突然変異株−A234、A235;IgG2−アロタイプ:G2m(n−);κ−Km3;およびλ。
【0222】
Fc受容体およびC1q研究:細胞膜上の任意の過剰発現された標的との抗体複合体化による不要の抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)および補体依存性細胞傷害(CDC)の可能性は、(例えば、L234A、L235A)ヒンジ領域突然変異によって抑制され得る。mAbのIgG1ヒンジ領域中に存在するこれらの置換アミノ酸は、FcgR結合が、IgG1ヒンジ領域上の重複部位内で生じると考えられるので、mAbのヒトFc受容体(しかし、FcRnではない)との結合の減少をもたらすと予測される。mAbのこの特徴が、野生型IgGを含有する抗体を超える安全性プロフィールの改善につながり得る。mAbのヒトFc受容体との結合は、細胞株(例えば、THP−1、K562)およびFcgRIIb(またはその他のFcgR)を発現する遺伝子操作されたCHO細胞株を使用するフローサイトメトリー実験によって決定され得る。IgG1対照モノクローナル抗体、mAbと比較すると、FcgRIおよびFcgRIIaとの結合の減少を示すのに対して、FcgRIIbとの結合は影響を受けない。抗原/IgG免疫複合体によるC1qの結合および活性化が、古典的な補体カスケードを始動させ、結果として生じる炎症性および/または免疫調節性応答を伴う。IgG上のC1q結合部位は、IgGヒンジ領域内の残基に局在化されている。漸増濃度のmAbとのC1q結合が、C1q ELISAによって評価された。結果は、野生型対照IgG1の結合と比較した場合に予測されたように、mAbは、C1qと結合できないことを実証する。全体として、L234A、L235Aヒンジ領域突然変異は、mAbのFcgRI、FcgRIIaおよびC1qとの結合を消滅させるが、FcgRIIbとの相互作用に影響を与えない。これらのデータは、突然変異体Fcを有するインビボmAbは、阻害性FcgRIIbと正常に相互作用するが、活性化FcgRIおよびFcgRIIa受容体またはC1qとは相互作用できない可能性が高いということを示唆する。
【0223】
ヒトFcRn結合:新生児受容体(FcRn)は、胎盤を越え、IgG分子の異化半減期を制御するためのIgGの輸送に関与している。有効性を改善するため、投与の用量または頻度を低減するため、または標的の局在性を改善するためには、抗体の末端半減期を増大させることが望ましいものであり得る。あるいは、全身曝露を低減するためまたは標的対非標的結合割合を改善するために、逆をすること、すなわち、抗体の末端半減期を減少させることが有利であり得る。IgGおよびそのサルベージ受容体、FcRn間の相互作用を目的に合わせることによって、IgGの末端半減期を増大または減少させる方法が提供される。IgGを始めとする循環中のタンパク質は、特定の細胞、例えば、血管内皮のものによるマイクロピノサイトーシスによって液相中に取り込まれる。IgGは、わずかに酸性の条件(pH6.0−6.5)下でエンドソーム中でFcRnと結合し得、細胞表面にリサイクルし得、そこで、ほぼ中性条件(pH7.0−7.4)下で放出される。FcRn80、16、17上のFc領域結合部位のマッピングによって、種を越えて保存されている2個のヒスチジン残基、His310およびHis435がこの相互作用のpH依存に関与していることが示された。ファージディスプレイ技術を使用して、FcRnとの結合を増大させ、マウスIgGの半減期を延長するマウスFc領域突然変異が同定された(Ghetieら、Nature Biotechnol.、15(7):637−640頁(1997年)参照のこと)。pH6.0でFcRnに対するヒトIgGの結合親和性を増大させるが、pH7.4では増大させないFc領域突然変異も同定された(Dall’Acquaら、J.Immunol.、169(9):5171−5180頁(2002年)参照のこと)。さらに、ある場合には、アカゲザルFcRnについて、結合における同様のpH依存性増大(最大27倍)もまた観察され、これは親IgGと比較してアカゲザルにおいて血清半減期の2倍の増大をもたらした(Hintonら、J.Biol.Chem.、279(8):6213−6216頁(2004年)参照のこと)。これらの知見は、Fc領域のFcRnとの相互作用を目的に合わせることによって、抗体治療薬の血漿半減期を延長することが実現可能であるということを示す。反対に、FcRnとの相互作用を減弱するFc領域突然変異は、抗体半減期を減少させ得る。
【0224】
B.10.薬物動態(PK)
所望の薬物動態プロフィールを有するDVD−Ig分子を作製するために、一実施形態では、同様の所望の薬物動態プロフィールを有する親mAbが選択される。1つ考慮すべきことは、モノクローナル抗体に対する免疫原性反応(すなわち、「HAHA」、ヒト抗ヒト抗体反応;「HACA」、ヒト抗キメラ抗体反応)がこれらの治療薬の薬物動態をさらに複雑にすることである。一実施形態では、DVD−Ig分子を構築するために、最小の免疫原性しか有さないか、免疫原性を有さないモノクローナル抗体が使用され、その結果、得られたDVD−Igもまた、最小の免疫原性しか有さない、または免疫原性を有さない。mAbのPKを決定する因子の一部として、それだけには限らないが、mAbの固有の特性(VHアミノ酸配列);免疫原性;FcRn結合およびFc機能が挙げられる。
【0225】
選択された親モノクローナル抗体のPKプロフィールは、げっ歯類におけるPKプロフィールは、カニクイザルおよびヒトにおけるモノクローナル抗体のPKプロフィールと相関する(または厳密に予測する)ので、げっ歯類では容易に決定され得る。
【0226】
所望のPK特徴(および本明細書において論じられるその他の所望の機能的特性)を有する親モノクローナル抗体が選択された後、DVD−Igが構築される。DVD−Ig分子は、2種の親モノクローナル抗体に由来する2種の抗原−結合ドメインを含有するので、DVD−IgのPK特性は同様に評価される。したがって、DVD−IgのPK特性を決定しながら、2種の親モノクローナル抗体に由来する両抗原−結合ドメインの機能性に基づいてPKプロフィールを決定するPKアッセイが使用され得る。DVD−IgのPKプロフィールは決定され得る。DVD−IgのPKプロフィールに影響を及ぼし得るさらなる因子として、抗原−結合ドメイン(CDR)配向、リンカーの大きさおよびFc/FcRn相互作用が挙げられる。親抗体のPK特徴は、パラメーター:吸収、分布、代謝および排泄に従って評価され得る。
【0227】
吸収:これまで、治療用モノクローナル抗体の投与は、非経口経路(例えば、静脈内[IV]、皮下[SC]または筋肉内[IM])によってである。間質空間からの、SCまたはIM投与のいずれかの後の全身循環へのmAbの吸収は、主に、リンパ経路を介してである。飽和性、プレシステミック(presystemic)のタンパク質分解は、管外投与後に可変性の絶対バイオアベイラビリティをもたらし得る。普通、モノクローナル抗体の増大する用量に伴う絶対バイオアベイラビリティの増大は、高用量で飽和タンパク質分解能によって観察され得る。mAbの吸収プロセスは、リンパ液がゆっくりと血管系中に排出し、吸収期間が数時間から数日にかけて生じ得るので普通極めて遅い。SC投与後のモノクローナル抗体の絶対バイオアベイラビリティは、一般に、50%から100%の範囲である。DVD−Ig構築物によってターゲッティングされる血液脳関門(BBB)での輸送媒介性構造の場合には、血漿中の循環時間は、DVD−Igが遊離されて、その第2の抗原認識部位による相互作用を可能にするCNSコンパートメント中への、血液脳関門(BBB)での経細胞輸送の増強によって低減され得る。
【0228】
分布:IV投与後、モノクローナル抗体は、普通、急速な分布相で始まり、それに遅い排出相が続く、二相性血清(または血漿)濃度−時間プロフィールをたどる。一般に、双指数関数的薬物動態モデルが、この種の薬物動態プロフィールを最もよく表す。mAbの中枢コンパートメント(Vc)中の分布容積は、普通、血漿容量(2−3リットル)と等しい、またはわずかに大きい。血清(血漿)濃度対時間プロフィールにおける別個の二相性パターンは、血清(血漿)濃度−時間曲線の分布相が、長い吸収部分によって隠されるので、IMまたはSCなどのその他の非経口経路の投与を用いては明らかではない場合もある。物理化学的特性、部位特異的および標的に向けられた受容体媒介性取り込み、組織の結合能およびmAb用量を始めとする多数の因子が、mAbの体内分布に影響を及ぼし得る。これらの因子のいくつかが、mAbの体内分布における非線形性に寄与し得る。
【0229】
代謝および排泄:分子の大きさのために、無傷のモノクローナル抗体は、腎臓によって尿中に排泄されない。それらは主に、代謝(例えば、異化作用)によって不活化される。IgGに基づく治療用モノクローナル抗体について、半減期は、通常、数時間または1−2日から20日超の範囲である。mAbの排出は、それだけには限らないが、FcRn受容体の親和性、mAbの免疫原性、mAbのグリコシル化度、タンパク質分解に対するmAbの感受性および受容体媒介性排出を始めとする多数の因子によって影響を受け得る。
B.11. ヒトおよび毒性試験種での組織交差反応性パターン
同一の染色パターンは、潜在的ヒト毒性は、毒性試験種において評価され得ることを示唆する。毒性試験種は、無関係の毒性が研究される動物である。
【0230】
個々の抗体は、2つの判定基準を満たすよう選択される:(1)抗体標的の既知発現に適した組織染色および(2)同一臓器由来のヒトおよび毒性試験種組織間の同様の染色パターン。
【0231】
基準1:免疫処置および/または抗体選択は、通常、組換え抗原または合成抗原(タンパク質、炭水化物またはその他の分子)を使用する。天然の対応物との結合および無関係の抗原に対するカウンタースクリーニングは、治療用抗体のスクリーニング漏斗(screening funnel)の一部であることが多い。しかし、多数の抗原に対するスクリーニングは、非実用的であることが多い。したがって、すべての主要な臓器に由来するヒト組織を用いる組織交差反応性研究は、抗体の任意の無関係の抗原との不要な結合を除外するのに役立つ。
【0232】
基準2:ヒトおよび毒性試験種組織(カニクイザル、イヌ、場合により、げっ歯類およびその他、ヒト研究においてと同一の36または37種の組織が試験されている。)を用いる比較組織交差反応性研究は、毒性試験種の選択を検証するのに役立つ。凍結組織切片での通常の組織交差反応性研究では、治療用抗体は、既知抗原との、および/またはより少ない結合で、低レベルの相互作用のいずれか(非特異的結合、同様の抗原との低レベルの結合、低レベルの荷電に基づく相互作用など)に基づいた組織との予想された結合を実証し得る。いずれの場合にも、最も関連する毒性学動物種は、ヒトおよび動物組織との結合の最高度の一致を有するものである。
【0233】
組織交差反応性研究は、EC CPMPガイドラインIII/5271/94「Production and quality control of mAbs」および1997年 US FDA/CBER「Points to Consider in the Manufacture and Testing of Monoclonal Antibody Products for Human Use」を始めとする適当な規制ガイドラインに従う。剖検または生検で得られたヒト組織の凍結切片(5μm)を、対物レンズ上で固定し、乾燥させた。アビジン−ビオチンシステムを使用して組織切片のペルオキシダーゼ染色を実施した。FDAのガイドライン「Points to Consider in the Manufacture and Testing of Monoclonal Antibody Products for Human Use」。関連参考文献として、Clarke,J.(2004年)、Boon,L.(2002a)、Boon,L.(2002b)、Ryan,A.(1999年)が挙げられる。
【0234】
組織交差反応性研究は、2段階で行われることが多く、1人のヒトドナーから得た32種の組織(通常:副腎、消化管、前立腺、膀胱、心臓、骨格筋、血液細胞、腎臓、皮膚、骨髄、肝臓、脊髄、乳房、肺、脾臓、小脳、リンパ節、精巣、大脳皮質、卵巣、胸腺、結腸、膵臓、甲状腺、内皮、副甲状腺、尿管、眼、下垂体、子宮、卵管および胎盤)の凍結切片を含む第1の段階を有する。第2相では、3人の無関係の成人から得た最大38種の組織(副腎、血液、血管、骨髄、小脳、大脳、子宮頸部、食道、眼、心臓、腎臓、大腸、肝臓、肺、リンパ節、乳房乳腺、卵巣、卵管、膵臓、副甲状腺、末梢神経、下垂体、胎盤、前立腺、唾液腺、皮膚、小腸、脊髄、脾臓、胃、横紋筋、精巣、胸腺、甲状腺、扁桃腺、尿管、膀胱および子宮を含む。)を用いて完全交差反応性研究が実施される。研究は、通常、最小2種の用量レベルで実施される。
【0235】
治療用抗体(すなわち、被験物質)およびアイソタイプが対応する対照抗体が、アビジン−ビオチン複合体(ABC)検出のためにビオチン化され得る;その他の検出法として、FITC(またはそうではないもの)標識被験物質の三次抗体検出または非標識被験物質のための標識された抗ヒトIgGとの事前複合体化を挙げることができる。
【0236】
手短には、剖検または生検で得られたヒト組織の凍結切片(約5μm)を、対物レンズ上で固定し乾燥させる。アビジン−ビオチンシステムを使用して組織切片のペルオキシダーゼ染色を実施する。まず(事前複合体化検出システムの場合には)、被験物質を、二次ビオチン化抗ヒトIgGとともにインキュベートし、免疫複合体に発展させる。2および10μg/mLの被験物質の最終濃度の免疫複合体を、対物レンズ上の組織切片上に加え、次いで、組織切片をアビジン−ビオチン−ペルオキシダーゼキットを用いて30分間反応させた。続いて、DAB(3,3’−ジアミノベンジジン)、ペルオキシダーゼ反応の基質を組織染色のために4分間適用した。抗原−セファロースビーズを陽性対照組織切片として使用する。
【0237】
任意の特異的染色を、問題の標的抗原の既知発現に基づいて、予想された(例えば、抗原発現と一致する)または予想されない反応性のいずれかであると判定する。特異的と判定されたいずれの染色も、強度および頻度についてスコア化する。観察された染色が特異的であるか、非特異的であるかの決定では、抗原または血清競合または遮断研究がさらに補助し得る。
【0238】
2種の選択された抗体が、選択判定基準−適当な組織染色、ヒトおよび毒性学動物特異的組織間の対応する染色を満たすと見出される−それらはDVD−Ig作製のため選択され得る。
【0239】
組織交差反応性研究は、最終DVD−Ig構築物を用いて反復されなければならないが、これらの研究は、本明細書に概説される同じプロトコールをたどるものの、いずれの結合も、2種の親抗体のいずれにも由来し得、いずれの説明のできない結合も複雑な抗原競合研究を用いて確認される必要があるので、それらは評価することがより複雑である。
【0240】
DVD−Igのような多重特異性分子を用いる組織交差反応性研究の複雑な仕事は、2種の親抗体が、(1)予想されない組織交差反応性の知見がないおよび(2)対応するヒトおよび毒性学動物種組織間の組織交差反応性の知見の適当な類似性について選択される場合には大幅に簡略化されるということは容易にわかる。
【0241】
B.12.特異性および選択性
所望の特異性および選択性を有するDVD−Ig分子を作製するには、同様に所望の特異性および選択性プロフィールを有する親mAbを作製し、選択する必要がある。
【0242】
DVD−Igを用いる、特異性および選択性についての結合研究は、4以上の結合部位、各抗原につき各2つのために複雑であり得る。手短には、ELISA、BIAcore、KinExAを使用する結合研究またはその他のDVD−Igを用いる相互作用研究は、1種、2種またはそれ以上の抗原のDVD−Ig分子との結合をモニタリングする必要がある。BIAcore技術は、複数の抗原の経時的な、独立した結合を分離できるが、ELISAを始めとするより伝統的な方法またはKinExAのようなより現代的な技術ではできない。したがって、各親抗体の注意深い特性決定が重要である。各個々の抗体が特異性について特性決定された後には、DVD−Ig分子中の個々の結合部位の特異性保持の確認は大幅に簡略化される。
【0243】
DVD−Igの特異性を決定することの複雑な仕事は、2種の親抗体が、DVD−Ig中に組み合わされる前に特異性について選択される場合には大幅に簡略化されるということは容易にわかる。
【0244】
抗原−抗体相互作用研究は、ELISA(酵素結合免疫吸着検定法)、質量分析、化学的架橋、光散乱を用いるSEC、平衡透析、ゲル透過、限外濾過、ゲルクロマトグラフィー、大区域分析用SEC、微小調製用超遠心(沈降平衡)、分光学的方法、滴定マイクロカロリメトリー、沈降平衡(分析用超遠心機における)、沈降速度(分析用遠心機における)、表面プラズモン共鳴(BIAcoreを含む)を始めとする多数の古典的なタンパク質タンパク質相互作用研究を含め、多数の形態をとり得る。関連参考文献として、Current Protocols in Protein Science、第3巻、第19および20章、(Coliganら編)(John Wiley & Sons Inc.)およびそれに含まれる参考文献;ならびにCurrent Protocols in Immunology、(Coliganら編)(John Wiley & Sons Inc.)およびそれに含まれる関連参考文献が挙げられる。
【0245】
全血におけるサイトカイン放出:mAbのヒト血液細胞との相互作用は、サイトカイン放出アッセイによって調査され得る(Wingら、Therapeutic Immunol.、2(4):183−190頁(1995年);Current Protocols in Pharmacology、(Ennaら編)(John Wiley & Sons Inc.);Madhusudanら、Clin.Cancer Res.、10(19):6528−6534頁(2004年);Coxら、Methods、38(4):274−282頁(2006年);Choiら、Eur.J.Immunol.、31(1):94−106頁(2001年))。手短には、種々の濃度のmAbを、ヒト全血とともに24時間インキュベートする。試験される濃度は、患者における通常の血液レベルを摸倣する最終濃度(それだけには限らないが、100ng/ml−100μg/mlを含む)を含めた広い範囲に及ぶ。インキュベーション後、上清および細胞溶解物を、IL−1Rα、TNF−α、IL−1b、IL−6およびIL−8の存在について分析する。mAbについて作製されたサイトカイン濃度プロフィールを、陰性ヒトIgG対照および陽性LPSまたはPHA対照によって製造されたプロフィールと比較する。細胞上清および細胞溶解物の両方から得られたmAbによって示されたサイトカインプロフィールを、対照ヒトIgGを使用するものと比較する。一実施形態では、モノクローナル抗体は、ヒト血液細胞と相互作用して、炎症性サイトカインを自発的に放出しない。
【0246】
DVD−Igのサイトカイン放出研究は、4以上の結合部位、各抗原につき各2つのために複雑である。手短には、本明細書に記載されるサイトカイン放出研究は、全血またはその他の細胞系に対する全DVD−Ig分子の効果を測定するが、分子のどの部分がサイトカイン放出を引き起こすかを解くことはできない。サイトカイン放出が検出されると、DVD−Ig調製物の純度が確認されなければならないが、これは、一部の同時精製細胞性構成要素が、それ自体でサイトカイン放出を引き起こし得るからである。純度が問題でなければ、任意の観察結果の絡まりを解くために、DVD−Igのフラグメンテーション(それだけには限らないが、Fc部分の除去、結合部位の分離などを含む)、結合部位突然変異誘発またはその他の方法が使用されることが必要であり得る。2種の親抗体が、DVD−Igに組み合わされる前にサイトカイン放出がないことについて選択される場合には、この複雑な仕事が大幅に簡略化されることは容易にわかる。
【0247】
B.13.毒性学的研究のためのその他の種との交差反応性
一実施形態では、適当な毒性試験種、例えば、カニクイザルに対して十分な交差反応性を有する個々の抗体が選択される。親抗体は、オルソロガス種標的(すなわち、カニクイザル)と結合し、適当な反応(調節、中和、活性化)を誘発する必要がある。一実施形態では、オルソロガス種標的との交差反応性(親和性/効力)は、ヒト標的の10倍以内でなくてはならない。実際には、親抗体は、マウス、ラット、イヌ、サル(およびその他の非ヒト霊長類)ならびに疾患モデル種(すなわち、喘息モデルのためのヒツジ)を含めた複数の種について評価される。毒性試験親モノクローナル抗体に由来する種との許容される交差反応性によって、同一種におけるDVD−Igの将来の毒性学研究が可能となる。その理由のために、2種の親モノクローナル抗体は、一般的な毒性試験種に対して、許容される交差反応性を有し、したがって、同一種におけるDVD−Igの毒性学研究を可能にしなくてはならない。
【0248】
親mAbは、標的に特異的な結合をし得、当技術分野で周知である種々のmAbから選択され得る。これらとして、それだけには限らないが、IL−1β、抗TNF抗体(米国特許第6,258,562号)、抗IL−12および/または抗IL−12p40抗体(米国特許第6,914,128号);抗IL−18抗体(米国特許出願公開第2005/0147610 A1号)、抗C5、抗CBL、抗CD147、抗gp120、抗VLA−4、抗CD11a、抗CD18、抗VEGF、抗CD40L、抗CD−40(例えば、PCT公開番号WO2007/124299参照のこと)抗Id、抗ICAM−1、抗CXCL13、抗CD2、抗EGFR、抗TGF−β2、抗HGF、抗cMet、抗DLL−4、抗NPR1、抗PLGF、抗ErbB3、抗E−セレクチン、抗Fact VII、抗Her2/neu、抗Fgp、抗CD11/18、抗CD14、抗ICAM−3、抗RON、抗CD−19、抗CD80(例えば、PCT公開番号WO2003/039486参照のこと)、抗CD4、抗CD3、抗CD23、抗β2−インテグリン、抗α4β7、抗CD52、抗HLA DR、抗CD22(例えば、米国特許第5,789,554号参照のこと)、抗CD20、抗MIF、抗CD64(FcR)、抗TCRαβ、抗CD2、抗Hep B、抗CA 125、抗EpCAM、抗gp120、抗CMV、抗gpIIbIIIa、抗IgE、抗CD25、抗CD33、抗HLA、抗IGF1,2、抗IGFR、抗VNRインテグリン、抗IL−1α、抗IL−1β、抗IL−1受容体、抗IL−2受容体、抗IL−4、抗IL−4受容体、抗IL5、抗IL−5受容体、抗IL−6、抗IL−6R、RANKL、NGF、DKK、αVβ3、抗IL−8、抗IL−9、抗IL−13、抗IL−13受容体および抗IL−23;IL−23p19;(Presta,L.G.、「Selection,design,and engineering of therapeutic antibodies」、J.Allergy Clin. Immunol.、116:731−736頁(2005年)およびワールドワイドウェブサイトhttp://www.path.cam.ac.uk/−mrc7/humanisation/antibodies.html参照のこと)が挙げられる。
【0249】
親mAbはまた、臨床試験において、または臨床使用のための開発において使用するために承認された種々の治療用抗体から選択され得る。このような治療用抗体として、それだけには限らないが、リツキシマブ(リツキサン(登録商標)、IDEC/Genentech/Roche)(例えば、米国特許第5,736,137号参照のこと)、非ホジキンリンパ腫を治療するために承認されたキメラ抗CD20抗体;HuMax−CD20、Genmabによって現在開発されている抗CD20、米国特許第5,500,362号に記載された抗CD20抗体、AME−133(Applied Molecular Evolution)、hA20(Immunomedics,Inc.)、HumaLYM(Intracel)およびPRO70769(「Immunoglobulin Variants and Uses Thereof」と題された、PCT公開番号WO2004/056312(PCT/US2003/040426))、トラスツズマブ(ヘルセプチン(登録商標)、Genentech)(例えば、米国特許第5,677,171号参照のこと)、乳癌を治療するために承認されたヒト化抗Her2/neu抗体;Genentechによって現在開発されている、ペルツズマブ(rhuMab−2C4、Omnitarg(登録商標));米国特許第4,753,894号に記載された抗Her2抗体;セツキシマブ(アービタックス(登録商標)、ImClone)(米国特許第4,943,533号;PCT公開番号WO96/40210)、種々の癌のための臨床試験におけるキメラ抗EGFR抗体;Abgenix−Immunex−Amgenによって現在開発されているABX−EGF(米国特許第6,235,883号);Genmabによって現在開発されている、HuMax−EGFr(US2003/0091561、現在米国特許第7,247,301号として公開されている米国特許出願番号第10/172,317号);425、EMD55900、EMD62000およびEMD72000(Merck KGaA)(米国特許第5,558,864号;Murthyら、Arch.Biochem.Biophys.、252(2):773−783頁(1991年));ICR62(Institute of Cancer Research)PCT公開番号WO95/20045;549−560頁(1987年);Rodeckら、J.Cell Biochem.、35(4):315−320頁(1987年);Kettleboroughら、Protein Eng.、4(7):Modjtahediら、J.Cell Biophys.、22(1−3):129−146頁(1993年);Modjtahediら、Br.J.Cancer、67(2):247−253頁(1993年);Modjtahediら、Br.J.Cancer、73(2):228−235頁(1996年);Modjtahediら、Int.J.Cancer、105(2):273−280頁(2003年));TheraCIM hR3(YM Biosciences、Canada and Centro de Immunologia Molecular、Cuba(米国特許第5,891,996号;米国特許第6,506,883号;Mateoら、Immunotechnology、3(1):71−81頁(1997年));mAb−806(Ludwig Institute for Cancer Research、Memorial Sloan−Kettering)(Jungbluthら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA.、100(2):639−644頁(2003年));KSB−102(KS Biomedix);MR1−1(IVAX、National Cancer Institute)(PCT公開番号WO01/62931);およびSC100(Scancell)(PCT公開番号WO01/88138);アレムツズマブ(キャンパス(登録商標)、Millennium)、B−細胞慢性リンパ性白血病の治療のために現在承認されたヒト化mAb;ムロモナブ−CD3(Orthoclone OKT3(登録商標))、Ortho Biotech/Johnson & Johnsonによって開発された抗CD3抗体、イブリツモマブ・ティウキセタン(Zevalin(登録商標))、IDEC/Schering AGによって開発された抗CD20抗体、ゲムツズマブオゾガマイシン(マイロターグ(登録商標))、Celltech/Wyethによって開発された抗CD33(p67タンパク質)抗体、アレファセプト(Amevive(登録商標))、Biogenによって開発された抗LFA−3 Fc融合物)、Centocor/Lillyによって開発されたアブシキマブ(ReoPro(登録商標))、Novartisによって開発されたバシリキシマブ(Simulect(登録商標))、Medimmuneによって開発されたパリビズマブ(Synagis(登録商標))、インフリキシマブ(レミケード(登録商標))、Centocorによって開発された抗TNFα抗体、アダリムマブ(Humira(登録商標))、Abbott Laboratoriesによって開発された抗TNFα抗体、Humicade(登録商標)、Celltechによって開発された抗TNFα抗体、ゴリムマブ(CNTO−148)、Centocorによって開発された完全ヒトTNF抗体、エタネルセプト(エンブレル(登録商標))、Immunex/Amgenによって開発されたp75TNF受容体Fc融合物、レネルセプト、Rocheによってこれまでに開発されたp55TNF受容体Fc融合物、ABX−CBL、Abgenixによって開発されている抗CD147抗体、ABX−IL8、Abgenixによって開発されている抗IL8抗体、ABX−MA1、Abgenixによって開発されている抗MUC18抗体、ペンツモマブ(Pemtumomab)(R1549、90Y−muHMFG1)、Antisomaによって開発中の抗MUC1、セレックス(Therex)(R1550)、Antisomaによって開発されている抗MUC1抗体、Antisomaによって開発されているAngioMab(AS1405)、Antisomaによって開発されているHuBC−1、Antisomaによって開発されているチオプラチン(Thioplatin)(AS1407)、アンテグレン(Antegren)(登録商標)(ナタリズマブ)、Biogenによって開発されている抗α−4−β−1(VLA−4)およびα−4−β−7抗体、VLA−1 mAb、Biogenによって開発されている抗VLA−1インテグリン抗体、LTBR mAb、Biogenによって開発されている抗リンホトキシンβ受容体(LTBR)抗体、CAT−152、Cambridge Antibody Technologyによって開発されている抗TGF−β2抗体、ABT 874(J695)、Abbott Laboratoriesによって開発されている抗IL−12 p40抗体、CAT−192、CambridgeAntibody Technologyによって開発されている抗TGFβ1抗体およびGenzyme、CAT−213、Cambridge Antibody Technologyによって開発されている抗Eotaxin1抗体、Cambridge Antibody TechnologyおよびHuman Genome Sciences Inc.によって開発されているLymphoStat−B(登録商標)抗Blys抗体、TRAIL−R1mAb、CambridgeAntibody TechnologyおよびHuman Genome Sciences、Inc.によって開発されている抗TRAIL−R1抗体、アバスチン(登録商標)ベバシズマブ、rhuMAb−VEGF)、Genentechによって開発されている抗VEGF抗体、Genentechによって開発されている抗HER受容体ファミリー抗体、抗組織因子(ATF)、Genentechによって開発されている抗組織因子抗体、ゾレア(登録商標)(Omalizumab)、Genentechによって開発されている抗IgE抗体、Raptiva(登録商標)(エファリツマブ)、GenentechおよびXomaによって開発されている抗CD11a抗体、GenentechおよびMillennium Pharmaceuticalsによって開発されているMLN−02抗体(以前はLDP−02)、HuMax CD4、Genmabによって開発されている抗CD4抗体、HuMax−IL15、GenmabおよびAmgenによって開発されている抗IL15抗体、GenmabおよびMedarexによって開発されているHuMax−Inflam、HuMax−Cancer、GenmabおよびMedarexおよびOxford GcoSciencesによって開発されている抗ヘパラナーゼI抗体、GenmabおよびAmgenによって開発されているHuMax−Lymphoma、Genmabによって開発されているHuMax−TAC、IDEC−131およびIDEC Pharmaceuticalsによって開発されている抗CD40L抗体、IDEC−151(クレノリキシマブ)、IDEC Pharmaceuticalsによって開発されている抗CD4抗体、IDEC−114、IDEC Pharmaceuticalsによって開発されている抗CD80抗体、IDEC−152、IDEC Pharmaceuticalsによって開発されている抗CD23、IDEC Pharmaceuticalsによって開発されている抗マクロファージ遊走因子(MIF)抗体、BEC2、ImCloneによって開発されている抗イディオタイプ抗体、IMC−1C11、ImCloneによって開発されている抗KDR抗体、DC101、ImCloneによって開発されている抗flk−1抗体、ImCloneによって開発されている抗VEカドヘリン抗体、CEA−Cide(登録商標)(ラベツズマブ)、Immunomedicsによって開発されている抗癌胎児性抗原(CEA)抗体、LymphoCide(登録商標)(エピラツズマブ)、Immunomedicsによって開発されている抗CD22抗体、Immunomedicsによって開発されているAFP−Cide、Immunomedicsによって開発されているMyelomaCide、Immunomedicsによって開発されているLkoCide、Immunomedicsによって開発されているProstaCide、MDX−010、Medarexによって開発されている抗CTLA4抗体、MDX−060、Medarexによって開発されている抗CD30抗体、Medarexによって開発されているMDX−070、Medarexによって開発されているMDX−018、Osidem(登録商標)(IDM−1)およびMedarexおよびImmuno−Designed Moleculesによって開発されている抗Her2抗体、HuMax(登録商標)−CD4、MedarexおよびGenmabによって開発されている抗CD4抗体、HuMax−IL15、MedarexおよびGenmabによって開発されている抗IL15抗体、CNTO148、MedarexおよびCentocor/Johnson & Johnsonによって開発されている抗TNFα抗体、CNTO1275、Centocor/Johnson & Johnsonによって開発されている抗サイトカイン抗体、MOR101およびMOR102、MorphoSysによって開発されている抗細胞間接着分子−1(ICAM−1)(CD54)抗体、MOR201、MorphoSysによって開発されている抗繊維芽細胞増殖因子受容体3(FGFR−3)抗体、Nuvion(登録商標)(ビジリズマブ)、Protein Des
ign Labsによって開発されている抗CD3抗体、HuZAF(登録商標)、Protein Design Labsによって開発されている抗γインターフェロン抗体、Protein Design Labsによって開発されている抗α5β1インテグリン、Protein Design Labsによって開発されている抗IL−12、ING−1、Xomaによって開発されている抗Ep−CAM抗体、GenentechおよびNovartisによって開発されたゾレア(登録商標)(オマリズマブ)ヒト化抗IgE抗体およびMLN01、Xomaによって開発されている抗β2インテグリン抗体が挙げられる。別の実施形態では、治療薬として、KRN330(Kirin);huA33抗体(A33、Ludwig Institute for Cancer Research);CNTO 95(αVインテグリン、Centocor);MEDI−522(αVβ3インテグリン、Medimmune);ボロシキシマブ(αVβ1インテグリン、Biogen/PDL);ヒトmAb216(B細胞グリコシル化(glycosolated)エピトープ、NCI);BiTE MT103(二特異性CD19 x CD3、Medimmune);4G7xH22(二特異性B細胞xFcgammaR1、Medarex/Merck KGa);rM28(二特異性CD28 x MAPG、欧州特許番号EP1444268);MDX447(EMD82633)(二特異性CD64 x EGFR、Medarex);カツマキソマブ(レモバブ)(二特異性 EpCAM x 抗CD3、Trion/Fres);エルツマキソマブ(Ertumaxomab)(二特異性HER2/CD3、Fresenius Biotech);オレゴボマブ(OvaRex)(CA−125、ViRexx);レンカレックス(Rencarex)(登録商標)(WX G250)(炭酸脱水酵素IX、Wilex);CNTO 888(CCL2、Centocor);TRC105(CD105(エンドグリン)、Tracon);BMS−663513(CD137アゴニスト、Brystol Myers Squibb);MDX−1342(CD19、Medarex);シプリズマブ(MEDI−507)(CD2、Medimmune);オファツムマブ(Humax−CD20)(CD20、Genmab);リツキシマブ(リツキサン)(CD20、Genentech);ベルツズマブ(hA20)(CD20、Immunomedics);エピラツズマブ(CD22、Amgen);ルミリキシマブ(IDEC 152)(CD23、Biogen);ムロモナブ−CD3(CD3、Ortho);HuM291(CD3 fc受容体、PDL Biopharma);HeFi−1、CD30、NCI);MDX−060(CD30、Medarex);MDX−1401(CD30、Medarex);SGN−30(CD30、Seattle Genentics);SGN−33(Lintuzumab)(CD33、Seattle Genentics);ザノリムマブ(HuMax−CD4)(CD4、Genmab);HCD122(CD40、Novartis);SGN−40(CD40、Seattle Genentics);キャンパス1h(アレムツズマブ)(CD52、Genzyme);MDX−1411(CD70、Medarex);hLL1(EPB−1)(CD74.38、Immunomedics);ガリキシマブ(IDEC−144)(CD80、Biogen);MT293(TRC093/D93)(切断されたコラーゲン、Tracon);HuLuc63(CS1、PDL Pharma);イピリムマブ(MDX−010)(CTLA4、Brystol Myers Squibb);トレメリムマブ(チシリムマブ、CP−675,2)(CTLA4、Pfizer);HGS−ETR1(マパツズマブ)(DR4 TRAIL−R1アゴニスト、Human Genome Science /Glaxo Smith Kline);AMG−655(DR5、Amgen);アポマブ(Apomab)(DR5、Genentech);CS−1008(DR5、Daiichi Sankyo);HGS−ETR2(レクサツムマブ)(DR5 TRAIL−R2アゴニスト、HGS);セツキシマブ(アービタックス)(EGFR、ImClone);IMC−11F8、(EGFR、ImClone);ニモツズマブ(EGFR、YM Bio);パニツムマブ(Vectabix)(EGFR、Amgen);ザルツムマブ(HuMaxEGFr)(EGFR、Genmab);CDX−110(EGFRvIII、AVANT Immunotherapeutics);アデカツムマブ(MT201)(Epcam 、Merck);エドレコロマブ(Panorex、17−1A)(Epcam、Glaxo/Centocor);MORAb−003(葉酸受容体a、Morphotech);KW−2871(ガングリオシドGD3、Kyowa);MORAb−009(GP−9、Morphotech);CDX−1307(MDX−1307)(hCGb、Celldex);トラスツズマブ(ヘルセプチン)(HER2、Celldex);ペルツズマブ(rhuMAb 2C4)(HER2(DI)、Genentech);アポリズマブ(HLA−DRβ鎖、PDL Pharma);AMG−479(IGF−1R、Amgen);抗IGF−1R R1507(IGF1−R、Roche);CP 751871(IGF1−R、Pfizer);IMC−A12(IGF1−R、ImClone);BIIB022(IGF−1R、Biogen);Mik−β−1(IL−2Rb(CD122)、Hoffman LaRoche);CNTO 328(IL6、Centocor);抗KIR(1−7F9)(キラー細胞Ig様受容体(KIR)、Novo);Hu3S193(Lewis(y)、Wyeth、Ludwig Institute of Cancer Research);hCBE−11(LTsR、Biogen);HuHMFG1(MUC1、Antisoma/NCI);RAV12(N結合型炭水化物エピトープ、Raven);CAL(副甲状腺ホルモン関連タンパク質(PTH−rP)、カリフォルニア大学);CT−011(PD1、CureTech);MDX−1106(ono−4538)(PD1、Medarex/Ono);MAb CT−011(PD1、Curetech);IMC−3G3(PDGFRa、ImClone);バビツキシマブ(bavituximab)(ホスファチジルセリン、Peregrine);huJ591(PSMA、Cornell Research Foundation);muJ591(PSMA、Cornell Research Foundation);GC1008(TGFb(汎)阻害剤(IgG4)、Genzyme);インフリキシマブ(レミケード)(TNFa、Centocor);A27.15(トランスフェリン受容体、Salk Institute、INSERM、PCT公開番号WO2005/111082);E2.3(トランスフェリン受容体、Salk Institute);ベバシズマブ(アバスチン)(VEGF、Genentech);HuMV833(VEGF、Tsukuba Research Lab、PCT公開番号WO2000/034337、テキサス大学);IMC−18F1(VEGFR1、ImClone);IMC−1121(VEGFR2、ImClone)が挙げられる。
【0250】
C. DVD−Ig(商標)結合タンパク質の構築
多価多重特異性二重可変ドメイン免疫グロブリン(DVD−Ig(商標))結合タンパク質は、組換えDNA技術によって、2種の異なる親モノクローナル抗体に由来する2種の異なる軽鎖可変ドメイン(VL)が、タンデムに直接的に、または短いリンカーを介して、続いて、軽鎖定常ドメインが連結されるように設計される。同様に、重鎖は、タンデムに連結された2種の異なる重鎖可変ドメイン(VH)と、続いて定常ドメインCH1およびFc領域を含む。
【0251】
可変ドメインは、本明細書に記載された方法のいずれかによって親抗体から作製された組換えDNA技術を使用して得られ得る。一実施形態では、可変ドメインは、マウス重鎖または軽鎖可変ドメインである。別の実施形態では、可変ドメインは、CDRグラフト化またはヒト化重鎖可変もしくは軽鎖ドメインである。一実施形態では、可変ドメインは、ヒト重鎖または軽鎖可変ドメインである。
【0252】
一実施形態では、第1および第2の可変ドメインは、組換えDNA技術を使用して互いに直接的に連結される。別の実施形態では、可変ドメインは、リンカー配列を介して連結される。一実施形態では、2種の可変ドメインが連結される。3つ以上の可変ドメインもまた、直接的に、またはリンカー配列を介して連結され得る。可変ドメインは、同一抗原と結合する場合も、異なる抗原と結合する場合もある。本発明のDVD−Ig分子は、1つの免疫グロブリン可変ドメインおよび1つの非免疫グロブリン可変ドメイン、例えば、受容体のリガンド結合ドメイン、酵素の活性ドメインを含み得る。DVD−Ig分子はまた、2つ以上の非Igドメインを含み得る。
【0253】
リンカー配列は、単一のアミノ酸またはペプチド結合によって結合された2個以上のアミノ酸残基を含むリンカーポリペプチドであり得る。一実施形態では、リンカー配列は、GGGGSG(配列番号26)、GGSGG(配列番号27)、GGGGSGGGGS(配列番号28)、GGSGGGGSG(配列番号223)、GGSGGGGSGS(配列番号29)、GGSGGGGSGGGGS(配列番号30)、GGGGSGGGGSGGGG(配列番号31)、GGGGSGGGGSGGGGS(配列番号32)、ASTKGP(配列番号33)、ASTKGPSVFPLAP(配列番号34)、TVAAP(配列番号35)、RTVAAP(配列番号224)、TVAAPSVFIFPP(配列番号36)、RTVAAPSVFIFPP(配列番号225)、AKTTPKLEEGEFSEAR(配列番号37)、AKTTPKLEEGEFSEARV(配列番号38)、AKTTPKLGG(配列番号39)、SAKTTPKLGG(配列番号40)、SAKTTP(配列番号41)、RADAAP(配列番号42)、RADAAPTVS(配列番号43)、RADAAAAGGPGS(配列番号44)、RADAAAAGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS(配列番号45)、SAKTTPKLEEGEFSEARV(配列番号46)、ADAAP(配列番号47)、ADAAPTVSIFPP(配列番号48)、QPKAAP(配列番号49)、QPKAAPSVTLFPP(配列番号50)、AKTTPP(配列番号51)、AKTTPPSVTPLAP(配列番号52)、AKTTAP(配列番号53)、AKTTAPSVYPLAP(配列番号54)、GENKVEYAPALMALS(配列番号55)、GPAKELTPLKEAKVS(配列番号56)およびGHEAAAVMQVQYPAS(配列番号57)からなる群から選択される。リンカー配列の選択は、いくつかのFab分子の結晶構造解析に基づいている。Fabまたは抗体分子構造中の可変ドメインとCH1/CL定常ドメインの間には、天然の可動性結合がある。この天然の結合は、VドメインのC末端に由来する4−6個の残基およびCL/CH1ドメインのN末端に由来する4−6個の残基によって与えられる、およそ10−12個のアミノ酸残基を含む。本明細書に記載されるDVD−Igは、それぞれ、DVD−Igの軽鎖および重鎖においてリンカーとしてCLまたはCH1のN末端の5−6個のアミノ酸残基または11−12個のアミノ酸残基を使用して作製され得る。CLまたはCH1ドメインのN末端残基、特に、最初の5−6個のアミノ酸残基は、ループコンホメーションをとり、強い二次構造を伴わず、したがって、2つの可変ドメイン間の可動性リンカーとして作用し得る。CLまたはCH1ドメインのN末端残基は、それらはIg配列の一部であるので可変ドメインの天然の伸長であり、したがって、リンカーおよび接合部から生じる可能性のある任意の免疫原性をかなりの程度に最小化する。
【0254】
その他のリンカー配列は、任意の長さのCL/CH1ドメインの任意の配列を含み得るが、CL/CH1ドメインのすべての残基、例えば、CL/CH1ドメインの最初の5−12個のアミノ酸残基は含まず;軽鎖リンカーは、CκまたはCλに由来するものであり得る;重鎖リンカーは、Cγ1、Cγ2、Cγ3、Cγ4、Cα1、Cα2、Cδ、CεおよびCμを始めとする任意のアイソタイプのCH1に由来し得る。リンカー配列は、Ig様タンパク質などのその他のタンパク質(例えば、TCR、FcR、KIR);G/Sベースの配列;ヒンジ領域由来の配列;およびその他のタンパク質に由来するその他の天然配列に由来するものであり得る。
【0255】
一実施形態では、定常ドメインは、組換えDNA技術を使用して2つの連結した可変ドメインに連結される。一実施形態では、タンデムに連結された重鎖可変ドメインを含む配列が、重鎖定常ドメインに連結され、タンデムに連結された軽鎖可変ドメインを含む配列が、軽鎖定常ドメインに連結される。一実施形態では、定常ドメインは、それぞれ、ヒト重鎖定常ドメインおよびヒト軽鎖定常ドメインである。一実施形態では、DVD重鎖は、Fc領域にさらに連結される。Fc領域は、天然配列Fc領域または変異体Fc領域であり得る。別の実施形態では、Fc領域は、ヒトFc領域である。別の実施形態では、Fc領域は、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、IgM、IgEまたはIgDに由来するFc領域を含む。
【0256】
最も好ましい実施形態では、2つの重鎖DVDポリペプチドおよび2つの軽鎖DVDポリペプチドが組み合わされ、DVD−Ig分子を形成する。IL−1βなどの特異的標的抗原と結合できる特定のDVD−Ig分子およびそれを作製する方法の詳細な説明は、以下の実施例の節において提供される。
【0257】
D.DVD−Ig結合タンパク質の製造
本発明のDVD−Ig結合タンパク質は、例えば、標準技術によって、DVD−Ig重鎖およびDVD−Ig軽鎖をコードする発現ベクター(複数可)が、宿主細胞にトランスフェクトされる宿主細胞からの発現を含めた、当技術分野で公知のいくつかの技術のいずれかによって製造され得る。用語「トランスフェクション」の種々の形態は、外因性DNAを原核細胞または真核細胞の宿主細胞に導入するためによく使用されるさまざまな技術、例えば、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム沈殿、DEAE−デキストラントランスフェクションなどを包含するものとする。原核細胞または真核細胞の宿主細胞のいずれかにおいて本発明のDVD−Igタンパク質を発現することは可能であるが、DVD−Igタンパク質は、真核細胞、例えば、哺乳動物宿主細胞において発現されるが、これは、このような真核細胞(特に、哺乳動物細胞)は、原核細胞よりも、適切にフォールディングされ、免疫学的に活性なDVD−Igタンパク質を組み立て、分泌する可能性が高い。
【0258】
本発明の組換え抗体を発現するための例示的哺乳動物宿主細胞として、チャイニーズハムスター卵巣(CHO細胞)(例えば、KaufmanおよびSharp、J.Mol.Biol.、159:601−621頁(1982年)に記載されるように、DHFR選択マーカーとともに使用される、UrlaubおよびChasin、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、77:4216−4220頁(1980年)に記載されたdhfr−CHO細胞を含む)、NS0骨髄腫細胞、COS細胞、SP2およびPER.C6細胞が挙げられる。DVD−Igタンパク質をコードする組換え発現ベクターが哺乳動物宿主細胞に導入される場合には、DVD−Igタンパク質は、宿主細胞を、宿主細胞におけるDVD−Igタンパク質の発現または宿主細胞を増殖させた培養培地中へのDVDタンパク質の分泌を可能にするのに十分な時間、培養することによって製造される。DVD−Igタンパク質は、標準タンパク質精製法を使用して培養培地から回収され得る。
【0259】
本発明のDVD−Igタンパク質の組換え発現のための例示的系では、DVD−Ig重鎖およびDVD−Ig軽鎖の両方をコードする組換え発現ベクターが、リン酸カルシウム媒介性トランスフェクションによってdhfr−CHO細胞中に導入される。組換え発現ベクター内では、DVD−Ig重鎖および軽鎖遺伝子は、遺伝子の高レベルの転写を駆動するためにCMVエンハンサー/AdMLPプロモーター調節エレメントに各々作動可能に連結されている。組換え発現ベクターはまた、メトトレキサート選択/増幅を使用してベクターでトランスフェクトされているCHO細胞の選択を可能にするDHFR遺伝子を保持する。選択された形質転換体宿主細胞は、DVD−Ig重鎖および軽鎖および無傷のDVD−Igタンパク質の発現を可能にするよう培養され、培養培地から回収される。組換え発現ベクターを調製し、宿主細胞をトランスフェクトし、形質転換体を選択し、宿主細胞を培養し、培養培地からDVD−Igタンパク質を回収するために、標準分子生物学技術が使用される。さらに、本発明は、本発明の宿主細胞を、本発明のDVD−Igタンパク質が合成されるまで適した培養培地中で培養することによって、本発明のDVD−Igタンパク質を合成する方法を提供する。この方法は、培養培地からDVD−Igタンパク質を単離することをさらに含み得る。
【0260】
DVD−Igの重要な特徴は、従来の抗体と同様の方法で製造および精製され得ることである。DVD−Igの製造は、定常領域の配列修飾または任意の種類の化学修飾を全く含まない、所望の二重特異性活性を有する均一な、単一の主要な生成物をもたらす。「二特異性」、「多重特異性」および「多重特異性多価」全長結合タンパク質を作製するための、その他のこれまでに記載された方法は、単一の主要生成物につながらず、代わりに、組み立てられた不活性の、単一特異性、多重特異性、多価、全長結合タンパク質および異なる結合部位の組合せを有する多価全長結合タンパク質の混合物の細胞内製造または分泌製造につながる。一例として、MillerおよびPresta(PCT公開番号WO2001/077342によって記載された設計に基づいて、重鎖および軽鎖の16の可能性ある組合せがある。結果として、6.25%のタンパク質のみが、所望の活性形態であり、他の15の可能性ある組合せと比較して、単一の主要な生成物または単一の主要生成物としてではないようである。通常、大規模製造において使用される標準クロマトグラフィー技術を使用する、所望の完全に活性な形態のタンパク質の、不活性および部分活性形態のタンパク質からの分離は、まだ実証されなければならない。
【0261】
驚くべきことに、本発明の「二重特異性多価全長結合タンパク質」の設計は、主に、所望の「二重特異性多価全長結合タンパク質」へ組み立てられる二重可変ドメイン軽鎖および二重可変ドメイン重鎖につながる。
【0262】
組み立てられ、発現されたDVD−Ig分子の少なくとも50%、少なくとも75%および少なくとも90%が、所望の二重特異性四価タンパク質である。本発明のこの態様は、本発明の商業的有用性を特に増強する。したがって、本発明は、「二重特異性四価全長結合タンパク質」の単一の主要生成物につながる、単細胞において二重可変ドメイン軽鎖および二重可変ドメイン重鎖を発現する方法を含む。
【0263】
本発明は、「主要生成物」が、二重可変ドメイン軽鎖および二重可変ドメイン重鎖を含むすべての組み立てられたタンパク質の50%を超える、「二重特異性、四価、全長結合タンパク質」の「主要生成物」につながる、単細胞において二重可変ドメイン軽鎖および二重可変ドメイン重鎖を発現する方法を提供する。
【0264】
本発明は、「主要生成物」が、二重可変ドメイン軽鎖および二重可変ドメイン重鎖を含むすべての組み立てられたタンパク質の75%を超える、「二重特異性、四価、全長結合タンパク質」の単一の「主要生成物」につながる、単細胞において二重可変ドメイン軽鎖および二重可変ドメイン重鎖を発現する方法を提供する。
【0265】
本発明は、「主要生成物」が、二重可変ドメイン軽鎖および二重可変ドメイン重鎖を含むすべての組み立てられたタンパク質の90%を超える、「二重特異性、四価、全長結合タンパク質」の単一の「主要生成物」につながる、単細胞において二重可変ドメイン軽鎖および二重可変ドメイン重鎖を発現する方法を提供する。
【0266】
6. IL−1β結合タンパク質および結合タンパク質産生細胞株の製造
好ましくは、抗IL−1β抗体を含む本発明のIL−1β結合タンパク質は、例えば、当技術分野で公知のいくつかのインビトロおよびインビボアッセイのいずれか1種によって評価される、IL−1β活性を低減または中和する高い能力を示す。好ましくは、本発明のIL−1β結合タンパク質はまた、IL−1β活性を低減または中和する高い能力を示す。
【0267】
好ましい実施形態では、結合タンパク質またその抗原結合部分は、ヒトIL−1βと結合し、これでは、結合タンパク質もしくはその抗原結合部分が、表面プラズモン共鳴によって決定される約0.1s
−1以下のK
off速度定数でヒトIL−1βから解離するまたは約1×10
−6M以下のIC
50でヒトIL−1β活性を阻害する。または、結合タンパク質またはその抗原結合部分は、表面プラズモン共鳴によって決定される約1×10
−2s
−1以下のK
off速度定数でヒトIL−1βから解離し得るまたは約1×10
−7M以下のIC
50でヒトIL−1β活性を阻害し得る。または、結合タンパク質もしくはその抗原結合部分は、表面プラズモン共鳴によって決定される、約1×10
−3s
−1以下のK
off速度定数でヒトIL−1βから解離し得るまたは約1×10
−8M以下のIC
50でヒトIL−1βを阻害し得る。または、結合タンパク質もしくはその抗原結合部分は、表面プラズモン共鳴によって決定される約1×10
−4s
−1以下のK
off速度定数でヒトIL−1βから解離し得るまたは約1×10
−9M以下のIC
50でヒトIL−1β活性を阻害し得る。または、結合タンパク質もしくはその抗原結合部分は、表面プラズモン共鳴によって決定される約1×10
−5s
−1以下のK
off速度定数でヒトIL−1βから解離し得るまたは約1×10
−10M以下のIC
50でヒトIL−1β活性を阻害し得る。または、結合タンパク質もしくはその抗原結合部分は、表面プラズモン共鳴によって決定される約1×10
−5s
−1以下のK
off速度定数でヒトIL−1βから解離し得るまたは約1×10
−11M以下のIC
50でヒトIL−1β活性を阻害し得る。
【0268】
特定の実施形態では、結合タンパク質は、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、IgE、IgMまたはIgD定常領域などの重鎖定常領域を含む。好ましくは、重鎖定常領域は、IgG1重鎖定常領域またはIgG4重鎖定常領域である。さらに、抗体は、軽鎖定常領域、κ軽鎖定常領域またはλ軽鎖定常領域のいずれかを含み得る。好ましくは、抗体は、κ軽鎖定常領域を含む。または、抗体部分は、例えば、Fab断片または一本鎖Fv断片であり得る。
【0269】
抗体エフェクター機能を変更するためのFc部分中のアミノ酸残基の置換は、当技術分野で公知である(Winterら、米国特許第5,648,260号および同5,624,821号)。抗体のFc部分は、いくつかの重要なエフェクター機能、例えば、サイトカイン誘導、ADCC、食作用、補体依存性細胞毒性(CDC)ならびに抗体および抗原抗体複合体の半減期/クリアランス速度を媒介する。いくつかの場合には、これらのエフェクター機能は、治療用抗体にとって望ましいものであるが、別の場合には、治療目的によって、不必要またはさらに有害であることもある。特定のヒトIgGアイソタイプ、特に、IgG1およびIgG3は、それぞれ、FcγRsおよび補体C1qとの結合によって、ADCCおよびCDCを媒介する。新生児Fc受容体(FcRn)は、抗体の循環半減期を決定する重要な成分である。さらに別の実施形態では、抗体のエフェクター機能が変更されるよう抗体の定常領域、例えば、抗体のFc領域において少なくとも1個のアミノ酸残基が置換される。
【0270】
一実施形態は、本発明の抗体または抗体部分が、誘導体化されるまたは別の機能的分子(例えば、別のペプチドまたはタンパク質)に連結されている、標識された結合タンパク質を提供する。例えば、本発明の標識された結合タンパク質は、本発明の抗体または抗体部分を(化学的カップリング、遺伝子融合、非共有結合による会合またはその他によって)抗体または抗体部分の、別の分子(例えば、ストレプトアビジンコア領域またはポリヒスチジンタグ)との会合を媒介し得る、1つまたは複数のその他の分子実体、例えば、別の抗体(例えば、二特異性抗体またはダイアボディー)、検出可能な薬剤、細胞傷害性薬剤、医薬品および/またはタンパク質またはペプチドと機能的に連結することによって誘導体化され得る。
【0271】
それを用いて本発明の抗体または抗体部分などの結合タンパク質が誘導体化され得る有用な検出可能な薬剤として、蛍光化合物が挙げられる。例示的蛍光検出可能薬剤として、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、5−ジメチルアミン−1−ナフタレンスルホニルクロリド、フィコエリトリンなどが挙げられる。抗体はまた、検出可能な酵素、例えば、アルカリホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼなどを用いて誘導体化され得る。抗体は検出可能な酵素で誘導体化される場合には、酵素が使用して、検出可能な反応生成物を生じるさらなる試薬を加えることによって検出される。例えば、検出可能な薬剤西洋ワサビペルオキシダーゼが存在する場合には、過酸化水素およびジアミノベンジジンの添加が、着色された反応生成物につながり、これは、検出可能である。抗体はまた、ビオチンで誘導体化され、アビジンまたはストレプトアビジン結合の間接的測定によって検出され得る。
【0272】
本発明の別の実施形態は、結晶化結合タンパク質を提供する。好ましくは、本発明は、本明細書に開示される、全抗IL−1β抗体およびその断片の結晶、このような結晶を含む製剤および組成物に関する。一実施形態では、結晶化結合タンパク質は、結合タンパク質の可溶性対応物よりも、インビボで長い半減期を有する。別の実施形態では、結合タンパク質は、結晶化後に生物活性を保持する。
【0273】
本発明の結晶化結合タンパク質は、当技術分野で公知の、参照により本明細書に組み込むPCT公開番号WO02/072636に開示される方法に従って製造され得る。
【0274】
本発明の別の実施形態は、グリコシル化結合タンパク質を提供し、これでは、抗体またはその抗原結合部分は、1個または複数の炭水化物残基を含む。新生インビボタンパク質製造は、翻訳後修飾として知られるさらなるプロセシングを受け得る。特に、糖(グリコシル)残基が、酵素的に添加され得る、グリコシル化として知られるプロセス。共有結合によって連結しているオリゴ糖側鎖を有する得られたタンパク質は、グリコシル化タンパク質または糖タンパク質として知られる。
【0275】
天然に存在する抗体は、Fcドメインならびに可変ドメイン中に1個以上の炭水化物残基を有する糖タンパク質である。Fcドメイン中の炭水化物残基は、Fcドメインのエフェクター機能に対して重要な効果を有するが、抗原結合または抗体の半減期に対しては最小の効果しか有さない(Jefferis、R.、Biotechnol.Prog.、21:11−16頁(2005年))。対照的に、可変ドメインのグリコシル化は、抗体の抗原結合活性に対して効果を有し得る。可変ドメイン中のグリコシル化は、おそらくは立体障害のために、抗体結合親和性に対して負の効果を有するか(Coら、Mol.Immunol.、30:1361−1367頁(1993年))、または抗原に対する親和性の増大をもたらし得る(Wallickら.、J.Exp.Med.、168:1099−1109頁(1988年);Wrightら、EMBO J.、10:2717−2723頁(1991年))。
【0276】
本発明の一態様は、結合タンパク質のO−またはN−結合型グリコシル化部位が突然変異されているグリコシル化部位突然変異体の作製を対象とする。当業者ならば、標準的な周知の技術を使用してこのような突然変異体を作製できる。生物活性を保持するが、結合活性が増大または低下しているグリコシル化部位突然変異体が、本発明の別の目的である。
【0277】
さらに別の実施形態では、本発明の抗体または抗原結合部分のグリコシル化が修飾される。例えば、脱グリコシル化抗体が作製され得る(すなわち、抗体がグリコシル化を欠く)。グリコシル化は、例えば、抗原に対する抗体の親和性を増大させるよう変更され得る。このような炭水化物修飾は、例えば、抗体配列内のグリコシル化の1以上の部位を変更することによって達成され得る。例えば、1以上の可変領域グリコシル化部位の排除、それによるその部位でのグリコシル化の排除をもたらす1以上のアミノ酸置換がなされ得る。このような脱グリコシル化は、抗原に対する抗体の親和性を増大させ得る。このようなアプローチは、PCT公開番号WO2003/016466および米国特許第5,714,350号および同6,350,861号にさらに詳細に記載されている。
【0278】
さらに、またはあるいは、フコシル残基の量が低減されている低フコシル化(hypofucosylated)抗体(Kandaら、J.Biotechnol.、130(3):300−310頁(2007年)参照のこと)または二分するGlcNAc構造が増大している抗体などの、変更された種類のグリコシル化を有する本発明の修飾された結合タンパク質が作製され得る。このように変更されたグリコシル化パターンは、抗体のADCC能を高めると実証されている。このような炭水化物修飾は、例えば、グリコシル化機構が変更された宿主細胞において抗体を発現させることによって達成され得る。グリコシル化機構が変更された細胞は、当技術分野で記載されており、本発明の組換え抗体を発現させ、それによって、グリコシル化が変更された抗体を製造する宿主細胞として使用され得る。例えば、Shieldsら、J.Biol.Chem.、277:26733−26740頁(2002年);Umanaら、「Engineered glycoforms of an antineuroblastoma IgG1 with optimized antibody−dependent cellular cytotoxic activity」、Nat.Biotechnol.、17:176−180頁(1999年)ならびに欧州公開番号EP1176195;PCT公開番号WO03/035835およびWO99/54342参照のこと。
【0279】
タンパク質グリコシル化は、対象とするタンパク質のアミノ酸配列ならびにタンパク質が発現される宿主細胞に応じて変わる。種々の生物が、種々のグリコシル化酵素(例えば、グリコシルトランスフェラーゼおよびグリコシダーゼ)を産生し、入手可能な種々の基質(ヌクレオチド糖)を有し得る。このような因子のために、タンパク質グリコシル化パターンおよびグリコシル残基の組成物は、特定のタンパク質が発現される宿主系に応じて異なり得る。本発明において有用なグリコシル残基として、それだけには限らないが、グルコース、ガラクトース、マンノース、フコース、n−アセチルグルコサミンおよびシアル酸が挙げられる。好ましくは、グリコシル化結合タンパク質は、グリコシル化パターンがヒトであるようなグリコシル残基を含む。
【0280】
異なるタンパク質グリコシル化が、異なるタンパク質特徴をもたらし得ることは、当業者にとって公知である。例えば、酵母などの微生物宿主において製造され、酵母内因性経路を利用してグリコシル化された治療用タンパク質の有効性は、CHO細胞株などの哺乳動物細胞において発現された同一タンパク質のものと比較して、低減され得る。このような糖タンパク質はまた、ヒトにおいて免疫原性であり得、投与後のインビボ半減期の減少を示す。ヒトおよびその他の動物における特定の受容体は、特定のグリコシル残基を認識し、血流からのタンパク質の迅速なクリアランスを促進し得る。その他の有害作用として、タンパク質フォールディングにおける変化、溶解度、プロテアーゼに対する感受性、輸送、運搬、区画化、分泌、その他のタンパク質または因子による認識、抗原性またはアレルゲン性が挙げられる。したがって、開業医は、特定の組成およびグリコシル化のパターン、例えば、ヒト細胞においてまたは意図される対象動物の種特異的細胞において産生されるものと同一のまたは少なくとも同様のグリコシル化組成およびパターンを有する治療用タンパク質を好み得る。
【0281】
宿主細胞のものとは異なるグリコシル化タンパク質を発現することは、異種グリコシル化酵素を発現するよう宿主細胞を遺伝的に修飾することによって達成され得る。開業医は、当技術分野で公知の技術を使用して、ヒトタンパク質グリコシル化を示す抗体またはその抗原結合部分を作製し得る。例えば、酵母株は、天然に存在しないグリコシル化酵素を発現するよう遺伝的に修飾されており、その結果、これらの酵母株において産生されたグリコシル化されたタンパク質(糖タンパク質)は、動物細胞、特に、ヒト細胞のものと同一であるタンパク質グリコシル化を示す(米国公開第2004/0018590号および同2002/0137134号)。
【0282】
本発明はまた、結合タンパク質に加えて、このような本発明の結合タンパク質に特異的な抗イディオタイプ(抗Id)抗体を対象とする。抗Id抗体とは、一般に、別の抗体の抗原結合領域と関連している独特の決定基を認識する抗体である。抗Idは、結合タンパク質またはそのCDR含有領域を用いて動物を免疫処理することによって調製され得る。免疫処理された動物は、免疫化抗体のイディオタイプの決定基を認識し、それに応じて抗Id抗体を産生する。DVD−Ig分子中に組み込まれた2種以上の親抗体に対する抗イディオタイプ抗体を作製することがより容易であり得るということは容易にわかり、当技術分野で十分に認識された方法による結合研究(例えば、BIAcore、ELISA)を確認して、各親抗体のイディオタイプに特異的な抗イディオタイプ抗体はまた、DVD−Igとの関連でイディオタイプ(例えば、抗原結合部位も認識することを検証する。DVD−Igの2以上の抗原結合部位の各々に特異的な抗イディオタイプ抗体は、患者血清中のヒトDVD−IgのDVD−Ig濃度を測定するための理想的な試薬を提供する。例えば、DVD−Ig濃度アッセイは、固相上にコーティングされた第1の抗原結合領域に対する抗体を用い(例えば、BIAcoreチップ、ELISAプレートなど)、すすぎバッファーですすぎ、血清試料とともにインキュベートし、別のすすぎステップおよび結合反応の定量化のための酵素でそれ自体が標識された、他の抗原結合部位に対する別の抗イディオタイプ抗体とともに最終的にインキュベートする「サンドイッチアッセイELISA形式」を使用して確立され得る。一実施形態では、2以上の異なる結合部位を有するDVD−Igには、2つの最外側の結合部位(定常領域から最も遠位および近位)に対する抗イディオタイプ抗体は、ヒト血清中のDVD−Ig濃度の決定において役立つだけでなく、インビボで分子の完全性も実証する。各抗Id抗体はまた、いわゆる抗抗Id抗体を産生するさらに別の動物において免疫応答を誘発する「免疫原」として使用され得る。
【0283】
さらに、対象とするタンパク質は、種々のグリコシル化酵素を発現し、その結果、ライブラリーのメンバー宿主細胞が、変異体グリコシル化パターンを有する対象とするタンパク質を産生するよう遺伝子操作された宿主細胞のライブラリーを使用して発現され得るということは当業者によって理解されよう。次いで、開業医は、特定の新規グリコシル化パターンを有する対象とするタンパク質を選択および単離し得る。好ましくは、特に選択された新規グリコシル化パターンを有するタンパク質は、生物学的特性の改善または変更を示す。
【0284】
7.IL−1β結合タンパク質の使用
ヒトIL−1βと結合するその能力を考えると、生物試料中の(例えば、生体試料、例えば、血清もしくは血漿中の)IL−1βを検出または測定するために、従来のイムノアッセイ、例えば、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)または組織免疫組織化学を使用して、本発明のIL−1β結合タンパク質またはその抗原結合部分が使用され得る。本発明は、生物試料を本発明の結合タンパク質またはその抗原結合部分と接触させ、ならびにIL−1βと結合している結合タンパク質(または抗原結合部分)または結合していない結合タンパク質(または結合部分)のいずれかを検出し、その結果、試料中のヒトIL−1βを検出することを含む、生物試料中のIL−1βを検出するための方法を提供する。結合タンパク質は、結合しているまたは結合していない抗体の検出を促進するために、検出可能な物質で直接または間接的に標識され得る。適した検出可能な物質として、種々の酵素、補欠分子族、蛍光物質、発光物質および放射性物質が挙げられる。適した酵素の例として、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼまたはアセチルコリンエステラーゼが挙げられ;適した補欠分子族複合体の例として、ストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチンが挙げられ;適した蛍光物質の例として、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、ダンシルクロリドまたはフィコエリトリンが挙げられ;発光物質の例として、ルミノールが挙げられ;適した放射性物質の例として、
3H、
14C、
35S、
90Y、
99Tc、
111In、
125I、
131I、
177Lu、
166Hoまたは
153Smが挙げられる。
【0285】
結合タンパク質を標識することの代替として、ヒトIL−1βを、検出可能な物質で標識されたrhIL−1β標準および標識されていないIL−1β結合タンパク質を利用する競合イムノアッセイによって生体液においてアッセイし得る。このアッセイでは、生体試料、標識されたrhIL−1β標準およびIL−1β結合タンパク質が組み合わされ、標識されていない抗体と結合している標識されたrhIL−1β標準の量が決定される。生体試料中のヒトIL−1βの量は、IL−1β結合タンパク質と結合している標識されたrhIL−1β標準の量と反比例する。同様に、ヒトIL−1βはまた、検出可能な物質で標識されたrhIL−1β標準および標識されていないヒトIL−1β結合タンパク質を利用する競合イムノアッセイによって、生体液においてアッセイされ得る。
【0286】
本発明の結合タンパク質およびIL−1βは、インビトロおよびインビボの両方で、ヒトIL−1β活性を中和できることが好ましい。したがって、本発明のこのような結合タンパク質およびそのIL−1β結合タンパク質は、例えば、ヒトIL−1βを含有する細胞培養物において、本発明の抗体が交差反応するIL−1βを有する、ヒト被験体において、またはその他の哺乳動物被験体においてヒトIL−1β活性を阻害するために使用され得る。一実施形態では、本発明は、ヒトIL−1βを、IL−1β結合タンパク質または本発明のその結合部分と接触させ、その結果、ヒトIL−1β活性が阻害されることを含む、ヒトIL−1β活性を阻害する方法を提供する。例えば、ヒトIL−1βを含有する、または含有すると疑われる細胞培養では、培養物においてヒトIL−1β活性を阻害するために、本発明のIL−1β結合タンパク質またはその結合部分が培養培地に添加され得る。
【0287】
別の実施形態では、本発明は、被験体において、有利なことに、IL−1β活性が有害である疾患または障害を患っている被験体からIL−1β活性を低下させる方法を提供する。本発明は、このような疾患または障害を患っている被験体においてヒトIL−1β活性を低下させる方法を提供し、この方法は、被験体に、本発明の抗体または抗体部分を投与し、その結果、被験体におけるIL−1β活性が低下されることを含む。好ましくは、IL−1βは、ヒトIL−1βであり、被験体は、ヒト被験体である。または、被験体は、本発明の抗体が結合できるIL−1βを発現する哺乳動物であり得る。さらに、被験体は、IL−1βが導入されている(例えば、IL−1βの投与によってまたはIL−1β導入遺伝子の発現によって)哺乳動物であり得る。抗体またはその他の本発明のIL−1β結合タンパク質は、治療目的でヒト被験体に投与され得る。さらに、本発明の結合タンパク質は、獣医学的目的で、またはヒト疾患の動物モデルとして、抗体が結合できるIL−1βを発現する非ヒト哺乳動物に投与され得る。後者に関して、このような動物モデルは、抗体の治療効力を評価するのに有用であり得る(例えば、投与量のおよび投与の経時的推移の試験)。
【0288】
本明細書において、用語「IL−1β活性は有害である障害」とは、疾患および障害を患っている被験体におけるIL−1β活性の存在が、障害の病態生理に関与するまたは障害の悪化の一因である因子であるとわかっているまたはその疑いがあるその他の障害を含むものとする。したがって、IL−1β活性が有害である障害とは、IL−1β活性の低下が、症状および/または障害の進行を軽減すると期待される障害である。このような障害は、例えば、上記の抗IL−1β抗体を使用して検出され得る、障害を患っている被験体の体液におけるIL−1β濃度(例えば、被験体の血清、血漿、滑液などにおける、IL−1β濃度)の増大によって証明され得る。本発明の抗体を用いて治療され得る障害の限定されない例として、本発明の抗体の医薬組成物に関する以下の節において論じられた障害が挙げられる。
【0289】
本発明のDVD−Igは、IL−1β単独とまたは複数の抗原(例えば、ヒトIL−1βおよび別の非IL−1β抗原)と結合し得る。したがって、DVD−Igは、hu IL−1βの活性および別の標的抗原の活性を遮断または低減し得る。このようなその他の標的抗原として、可溶性標的(例えば、IL−1α)および細胞表面受容体標的(例えば、VEGFR、EGFR)を挙げることができる。
【0290】
このようなその他の抗原として、それだけには限らないが、公的に利用可能なデータベースに列挙される標的が挙げられ、このデータベースは、ワールドワイドウェブで入手可能であるものを含み、参照により本明細書に組み込まれる。これらの標的データベースとして、以下が挙げられる:
治療標的(http://xin.cz3.nus.edu.sg/group/cjttd/ttd.asp);
サイトカインおよびサイトカイン受容体(http://www.cytokinewebfacts.com/、http://www.copewithcytokines.de/cope.cgiおよび
http://cmbi.bjmu.edu.cn/cmbidata/cgf/CGF_Database/cytokine.medic.kumamoto−u.ac.jp/CFC/indexR.html);
ケモカイン(http://cytokine.medic.kumamoto−u.ac.jp/CFC/CK/Chemokine.html);
ケモカイン受容体およびGPCR(http://csp.medic.kumamoto−u.ac.jp/CSP/Receptor.html、http://www.gpcr.org/7tm/);
嗅覚 受容体(http://senselab.med.yale.edu/senselab/ORDB/default.asp);
受容体(http://www.iuphar−db.org/iuphar−rd/list/index.htm);
癌標的(http://cged.hgc.jp/cgi−bin/input.cgi);
可能性ある抗体標的としての分泌タンパク質(http://spd.cbi.pku.edu.cn/);
プロテインキナーゼ(http://spd.cbi.pku.edu.cn/)および
ヒトCDマーカー(http://content.labvelocity.com/tools/6/1226/CD_table_final_locked.pdf)および(Zolaら、「CD molecules 2005:human cell differentiation molecules」、Blood、106:3123−3126頁(2005年))。
【0291】
DVD−Igは、2種以上の異なる標的、すなわち、ヒトIL−1βおよび1種以上のその他の非IL−1β標的抗原を同時に遮断して、有効性/安全性を増強し、および/または患者適用範囲を増大させるための治療薬として有用である。このような標的として、可溶性標的(TNF)および細胞表面受容体標的(VEGFRおよびEGFR)を挙げることができる。
【0292】
さらに、本発明のDVD−Igは、細胞内送達(内部移行受容体および細胞内分子をターゲッティングする)、脳内に送達すること(血液脳関門を通過するためにトランスフェリン受容体およびCNS疾患メディエーターをターゲッティングする)を含めた、組織特異的送達(局所PKの増強、ひいては、より高い有効性および/またはより低い毒性のために組織マーカーおよび疾患メディエーターを標的とする)に使用され得る。DVD−Igはまた、抗原を、その抗原の非中和エピトープとの結合を介して特定の位置に送達するための、また、抗原の半減期を増大させるための担体タンパク質としても役立ち得る。さらに、DVD−Igは、患者に埋め込まれた医療装置に物理的に連結されるようにするか、またはこれらの医療装置を標的とするようにするかのいずれかに設計され得る(Burkeら、「Zotarolimus eluting stents」、Adv.Drug Deliv.Rev.、58(3):437−446頁(2006年);Hildebrandら、「Surface coatings for biological activation and functionalization of medical devices」、Surface and Coatings Technology、200(22−23):6318−6324頁(2006年);Wuら、「Drug/device combinations for local drug therapies and infection prophylaxis」、Biomaterials、27:2450−2467頁(2006年);Marquesら、「Mediation of the Cytokine Network in the Implantation of Orthopedic Devices」、第21章、In Biodegradable Systems in Tissue Engineering and Regenerative Medicine、(Reisら編)(CRC Press LLC、Boca Raton、2005年)377−397頁)。手短には、適当な種類の細胞を、医療インプラントの部位に向けることが、治癒および正常な組織機能の回復を促進し得る。あるいは、装置に連結された、または装置を標的とするDVD−Igによる、装置移植の際に放出されたメディエーター(それだけには限らないが、サイトカインを含む)の阻害も提供される。例えば、インターベンショナル心臓病学において、遮断された動脈を治療するために、および心臓筋肉への血液の流れを改善するために、何年もの間ステントが使用されている。しかし、従来のベアメタルステントは、一部の患者では、再狭窄(治療された領域における動脈の再狭窄)を引き起こすことが分かっており、血栓につながり得る。最近、血液中を循環している内皮前駆体細胞(EPC)を捕獲することによって、再狭窄を低減し、血栓が生じることを防ぐ、抗CD34抗体でコーティングされたステントが記載された。内皮細胞は、血管の内側を覆う細胞であり、血液が、滑らかに流れることを可能にする。EPCは、ステントの硬い表面に接着し、平滑な層を形成し、これは、治癒を促進するだけでなく、再狭窄および血栓、ステントの使用にこれまで伴われていた合併症も防ぐ(Aokiら、J.Am.Coll.Cardiol.、45(10):1574−1579頁(2005年))。ステントを必要とする患者の治療成績の改善に加え、心血管バイパス手術を必要とする患者のための意味もある。例えば、抗EPC抗体でコーティングされた人工血管導管(人工動脈)は、バイパス手術移植のために患者の脚または腕から得た動脈を使用する必要性をなくす。これは、手術および麻酔時間を低減し、さらには、冠動脈手術による死亡を低減する。DVD−Igは、それが細胞表面マーカー(CD34など)、ならびに細胞動員を促進するために埋め込まれた装置上にコーティングされたタンパク質(またはそれだけには限らないが、タンパク質、脂質および多糖を含めた任意の種類のエピトープ)と結合するような方法で設計される。このようなアプローチはまた、その他の医療インプラントに概して適用され得る。あるいは、DVD−Igは、医療装置上に、移植および装置からすべてのDVDを放出した時点(またはすでに負荷されたDVD−Igの加齢および変性を始めとする、さらなる新鮮なDVD−Igを必要とし得る任意のその他の必要性)でコーティングされ得、装置は、患者への新鮮なDVD−Igの全身投与によって再負荷され得、これでは、DVD−Igは、対象とする標的(サイトカイン、1セットの結合部位を有する細胞表面マーカー(例えば、CD34)など)と、および装置上にコーティングされた、その他のものを有する標的(タンパク質、それだけには限らないが、脂質、多糖およびポリマーを含めた任意の種類のエピトープを始めとする)と結合するよう設計される。この技術は、コーティングされたインプラントの実用性を拡大するという利点を有する。
【0293】
A.種々の疾患におけるDVD−Igの使用
本発明のDVD−Ig分子はまた、種々の疾患を治療するための治療用分子として有用である。このようなDVD分子は、特定の疾患に関与している1種または複数の標的と結合し得る。種々の疾患におけるこのような標的の例が、以下に記載される。
【0294】
ヒト自己免疫および炎症反応
一態様では、本発明のDVD−Ig結合タンパク質は、ヒトIL−1βおよび一般的な自己免疫および炎症反応に関与している1種または複数の抗原、例えば、C5、CCL1(I−309)、CCL11(エオタキシン)、CCL13(mcp−4)、CCL15(MIP−1d)、CCL16(HCC−4)、CCL17(TARC)、CCL18(PARC)、CCL19、CCL2(mcp−1)、CCL20(MIP−3a)、CCL21(MIP−2)、CCL23(MPIF−1)、CCL24(MPIF−2/エオタキシン−2)、CCL25(TECK)、CCL26、CCL3(MIP−1a)、CCL4(MIP−1b)、CCL5(RANTES)、CCL7(mcp−3)、CCL8(mcp−2)、CXCL1、CXCL10(IP−10)、CXCL11(I−TAC/IP−9)、CXCL12(SDF1)、CXCL13、CXCL14、CXCL2、CXCL3、CXCL5(ENA−78/LIX)、CXCL6(GCP−2)、CXCL9、IL13、IL8、CCL13(mcp−4)、CCR1、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CCR9、CX3CR1、IL8RA、XCR1(CCXCR1)、IFNA2、IL10、IL13、IL17C、IL1A、IL1B、IL1F10、IL1F5、IL1F6、IL1F7、IL1F8、IL1F9、IL22、IL5、IL8、IL9、LTA、LTB、MIF、SCYE1(内皮単球活性化サイトカイン)、SPP1、TNF、TNFSF5、IFNA2、IL10RA、IL10RB、IL13、IL13RA1、IL5RA、IL9、IL9R、ABCF1、BCL6、C3、C4A、CEBPB、CRP、ICEBERG、IL1R1、IL1RN、IL8RB、LTB4R、TOLLIP、FADD、IRAK1、IRAK2、MYD88、NCK2、TNFAIP3、TRADD、TRAF1、TRAF2、TRAF3、TRAF4、TRAF5、TRAF6、ACVR1、ACVR1B、ACVR2、ACVR2B、ACVRL1、CD28、CD3E、CD3G、CD3Z、CD69、CD80、CD86、CNR1、CTLA4、CYSLTR1、FCER1A、FCER2、FCGR3A、GPR44、HAVCR2、OPRD1、P2RX7、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、TLR10、BLR1、CCL1、CCL2、CCL3、CCL4、CCL5、CCL7、CCL8、CCL11、CCL13、CCL15、CCL16、CCL17、CCL18、CCL19、CCL20、CCL21、CCL22、CCL23、CCL24、CCL25、CCR1、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CCR9、CX3CL1、CX3CR1、CXCL1、CXCL2、CXCL3、CXCL5、CXCL6、CXCL10、CXCL11、CXCL12、CXCL13、CXCR4、GPR2、SCYE1、SDF2、XCL1、XCL2、XCR1、AMH、AMHR2、BMPR1A、BMPR1B、BMPR2、C19orf10(IL27w)、CER1、CSF1、CSF2、CSF3、DKFZp451J0118、FGF2、GFI1、IFNA1、IFNB1、IFNG、IGF1、IL1A、IL1B、IL1R1、IL1R2、IL2、IL2RA、IL2RB、IL2RG、IL3、IL4、IL4R、IL5、IL5RA、IL6、IL6R、IL6ST、IL7、IL8、IL8RA、IL8RB、IL9、IL9R、IL10、IL10RA、IL10RB、IL11、IL11RA、IL12A、IL12B、IL12RB1、IL12RB2、IL13、IL13RA1、IL13RA2、IL15、IL15RA、IL16、IL17、IL17R、IL18、IL18R1、IL19、IL20、KITLG、LEP、LTA、LTB、LTB4R、LTB4R2、LTBR、MIF、NPPB、PDGFB、TBX21、TDGF1、TGFA、TGFB1、TGFB1I1、TGFB2、TGFB3、TGFBI、TGFBR1、TGFBR2、TGFBR3、TH1L、TNF、TNFRSF1A、TNFRSF1B、TNFRSF7、TNFRSF8、TNFRSF9、TNFRSF11A、TNFRSF21、TNFSF4、TNFSF5、TNFSF6、TNFSF11、VEGF、ZFPM2、およびRNF110(ZNF144)と結合できる。
【0295】
喘息
アレルギー性喘息は、好酸球増加症、杯細胞異形成、上皮細胞変化、気道過敏性(AHR)ならびにTh2およびTh1サイトカイン発現の存在、ならびに血清IgEレベルの上昇を特徴とする。現在、気道炎症が、T細胞、B細胞、好酸球、肥満細胞およびマクロファージなどの炎症細胞の、およびサイトカインおよびケモカインを始めとするその分泌されたメディエーターの複雑な相互作用を巻き込む、喘息の病理発生の根底にある重要な因子であることは広く受け入れられている。副腎皮質ステロイドは、今日、喘息の最も重要な抗炎症治療であるが、その作用機序は、非特異的であり、特に、若年性患者の集団においては安全性の懸念が存在する。したがって、より特異的で、ターゲッティングされた治療の開発が必要とされる。
【0296】
炎症およびAHRの両方が評価され得る、OVA誘発喘息マウスモデルなどの動物モデルは、当技術分野で公知であり、種々のDVD−Ig分子の、喘息を治療する能力を決定するために使用され得る。喘息を研究するための動物モデルは、Coffmanら、J.Exp.Med.、201(12):1875−1879頁(2005年);Lloydら、Adv.Immunol.、77:263−295頁(2001年);Boyceら、J.Exp.Med.、201(12):1869−1873頁(2005年);およびSnibsonら、Clin.Exp.Allergy、35(2):146−152頁(2005年)に開示されている。これらの標的対の日常的な安全性評価に加え、免疫抑制度についての特定の試験が必要とされ、最良の標的対の選択において役立ち得る(Lusterら、Toxicology、92(1−3):229−243頁(1994年);Descotes,J.、Develop.Biol.Standard.、77:99−102頁(1992年);Hartら、J.Allergy Clin.Immunol.、108(2):250−257頁(2001年)参照のこと)。
【0297】
本発明の一態様は、IL−1βならびに1種または複数の、例えば、IL−4、IL−5、IL−8、IL−9、IL−13、IL−18、IL−5R(α)、TNFSF4、IL−4R(α)、インターフェロンα、エオタキシン、TSLP、PAR−2、PGD2およびIgEからなる群から選択される2種の標的と結合できるDVD−Ig分子に関する。一実施形態は、喘息の治療にとって有益な治療薬として二重特異性抗IL−1β/IL−1α DVD−Igを含む。
【0298】
関節リウマチ(RA)
関節リウマチ(RA)、全身性疾患は、関節の滑膜における慢性炎症反応を特徴とし、軟骨の変性および傍関節骨のびらんを伴う。罹患関節では、TNFを始めとする多数の炎症誘発性サイトカイン、ケモカインおよび増殖因子が発現される。RAのマウスモデルへの抗TNF抗体またはsTNFR融合タンパク質の全身投与は、抗炎症性および関節保護性であることがわかった。IL−1βを含めた種々のサイトカインが、RAに関与している。静脈内投与されたインフリキシマブ(Harrimanら、「Summary of clinical trials in rheumatoid arthritis using infliximab,an anti−TNFalpha treatment」、Ann.Rheum.Dis.、58(付録1):I61−I64(1999年))、キメラ抗TNF mAbを用いて、RA患者においてTNFの活性が遮断された臨床的検討によって、TNFは、IL−6、IL−8、MCP−1およびVEGF産生、免疫および炎症細胞の関節への動員、血管新生およびマトリックスメタロプロテイナーゼ−1および−3の血液レベルの低下を調節するというエビデンスが提供された。関節リウマチにおける炎症経路の良好な理解は、関節リウマチに関与しているその他の治療標的の同定につながった。インターロイキン−6アンタゴニスト(Chugai、Rocheによって開発されたIL−6受容体抗体MRA(Nishimotoら、Arthritis Rheum.、50(6): 1761−1769(2004)参照のこと)、CTLA4Ig(アバタセプト、Genoveseら、「Abatacept for rheumatoid arthritis refractory to tumor necrosis factor alpha inhibition」、N.Engl.J.Med.、353:1114−1123頁(2005年))および抗B細胞治療(リツキシマブ、Okamotoら、「Rituximab for rheumatoid arthritis」、N.Engl.J.Med.、351:1909頁(2004年))などの有望な治療は、この1年の無作為化比較試験においてすでに試験されている。IL−1βならびにIL−15およびIL−18などのその他のサイトカインは、RA動物モデルを使用して役割を果たすと同定されている(治療用抗体 HuMax−IL_15、AMG 714 Baslundら、Arthritis Rheum.、52(9):2686−2692頁(2005年)参照のこと)。抗TNFおよびIL−1βのような別のメディエーターを含む二重特異性抗体治療は、臨床有効性および/または患者適用範囲の増強において大きな可能性を持っている。例えば、TNFおよびVEGFの両方を遮断することは、両方ともRAの病態生理に関与している炎症および血管新生を根絶する可能性があり得る。IL−1αおよびIL−1βを遮断できるDVD−Ig結合タンパク質が考慮される。これらの標的対の日常的な安全性評価に加え、免疫抑制度についての特定の試験が必要とされ、最良の標的対の選択において役立ち得る(Lusterら、Toxicology、92(1−3):229−243頁(1994年);Descotesら、Develop.Biol.Standard.、77:99−102頁(1992年);Hartら、J.Allergy Clin.Immunol.、108(2):250−257頁(2001年)参照のこと)。DVD−Ig分子が、関節リウマチの治療にとって有用であるかどうかは、コラーゲン誘発関節炎マウスモデルなどの前臨床動物RAモデルを使用して評価され得る。その他の有用なモデルはまた、当技術分野で周知である(Brand,D.D.、Comp.Med.、55:114−122頁(2005年)参照のこと)。ヒトおよびマウスオルソログの親抗体の交差反応性(例えば、ヒトおよびマウスTNF、ヒトおよびマウスIL−15の反応性など)に基づいて、マウスCIAモデルにおける検証研究がDVD−Ig分子に由来する「対応させたサロゲート抗体」を用いて実施され得る。手短には、2種(またはそれ以上)のマウス標的特異的抗体に基づいたDVD−Igは、可能な限り、ヒトDVD−Ig構築に使用された親のヒトまたはヒト化抗体の特徴(類似の親和性、類似の中和効力、類似の半減期など)に対応させられ得る。
【0299】
一実施形態では、ヒトIL−1βおよび別の非IL−1β標的と結合する本発明のDVD−Igはまた、IL−1βが働くその他の疾患を治療するために使用され得る。このような疾患として、それだけには限らないが、SLE、多発性硬化症(MS)、敗血症、種々の神経疾患および癌(子宮頸部の、乳房の、胃のを含む)が挙げられる。IL−1βが役割を果たす疾患および障害のより広範なリストも以下に提供される。
【0300】
本発明の一実施形態は、ヒトIL−1βおよびIL−1α、TNFα、IL−12、TWEAK、IL−23、CXCL13、CD40、CD40L、IL−18、VEGF、VLA−4、TNFβ、CD45RB、CD200、IFN−γ、GM−CSF、FGF、C5、CD52、スクレロスチンおよびCCR2からなる群から選択される1種または複数の標的と結合できるDVD−Ig分子に関する。
【0301】
全身性エリテマトーデス(SLE)
SLE免疫病原性特徴は、ポリクローナルB細胞活性化であり、これが高グロブリン血症、自己抗体製造および免疫複合体形成につながる。基本的な異常は、全身性T細胞調節不全による禁止B細胞クローンを抑制するT細胞の不全であると思われる。さらに、BおよびT細胞相互作用は、IL−10などのいくつかのサイトカインならびにCD40およびCD40L、B7およびCD28およびCTLA−4などの同時刺激分子によって促進され、これが第2のシグナルを開始する。これらの相互作用は、免疫複合体およびアポトーシス物質の損なわれた食作用性クリアランスと一緒になって、免疫応答を永続化させ、その結果、組織損傷が起こる。
【0302】
一態様では、本発明のDVD−Ig結合タンパク質は、ヒトIL−1βおよびSLEと関与している以下の抗原のうち1種または複数と結合できる:B細胞がターゲッティングされる治療:CD−20、CD−22、CD−19、CD28、CD4、CD80、HLA−DRA、IL10、IL2、IL4、TNFRSF5、TNFRSF6、TNFSF5、TNFSF6、BLR1、HDAC4、HDAC5、HDAC7A、HDAC9、ICOSL、IGBP1、MS4A1、RGS1、SLA2、CD81、IFNB1、IL10、TNFRSF5、TNFRSF7、TNFSF5、AICDA、BLNK、GALNAC4S−6ST、HDAC4、HDAC5、HDAC7A、HDAC9、IL10、IL11、IL4、INHA、INHBA、KLF6、TNFRSF7、CD28、CD38、CD69、CD80、CD83、CD86、DPP4、FCER2、IL2RA、TNFRSF8、TNFSF7、CD24、CD37、CD40、CD72、CD74、CD79A、CD79B、CR2、IL1R2、ITGA2、ITGA3、MS4A1、ST6GAL1、CD1C、CHST10、HLA−A、HLA−DRAおよびNT5E.;同時刺激シグナル:CTLA4またはB7.1/B7.2;B細胞生存の阻害:BlyS、BAFF;補体不活性化:C5;サイトカイン調節:基本原理は、任意の組織における正味の生物学的反応は、炎症誘発性または抗炎症性サイトカインの局所レベル間のバランスの結果であるということである(Sfikakisら、Curr.Opin.Rheumatol.、17:550−557頁(2005年))。SLEは、血清IL−4、IL−6、IL−10の上昇が確認されたTh−2によって駆動される疾患であると考えられる。IL−4、IL−6、IL−10、IFN−αおよびTNF−αからなる群から選択される1種または複数の標的と結合できるDVD−Igも考慮される。本明細書において論じられた標的の組合せは、いくつかのループス前臨床モデルにおいて試験され得るSLEのための治療効力を増強する(Peng S.L.、Methods Mol.Med.、102:227−272頁(2004年)参照のこと)。ヒトおよびマウスオルソログに対する親抗体の交差反応性(例えば、ヒトおよびマウスCD20、ヒトおよびマウスインターフェロンαの反応性など)に基づいて、マウスループスモデルにおける検証研究は、DVD−Ig分子に由来する「対応させたサロゲート抗体」を用いて実施され得る。手短には、DVD−Igに基づく2種(またはそれ以上)のマウス標的特異的抗体は、可能な限り、ヒトDVD−Ig構築に使用された親のヒトまたはヒト化抗体の特徴(類似の親和性、類似の中和効力、類似の半減期など)に対応させられ得る。
【0303】
多発性硬化症(MS)
多発性硬化症(MS)は、主に未知の病因論を有する複雑なヒト自己免疫型の疾患である。神経系中のミエリン塩基性タンパク質(MBP)の免疫額的破壊が、多発性硬化症の主要な病態である。MSは、CD4+およびCD8+T細胞による浸潤を含む複雑な病態の、中枢神経系内の反応の疾患である。サイトカイン、反応性窒素種および共刺激分子のCNSにおける発現は、MSにおいてすべて記載されている。自己免疫の発生の一因となっている免疫学的機序が大きく考慮される。特に、抗原発現、サイトカインおよび白血球相互作用およびTh1およびTh2細胞などのその他のT細胞の平衡を保つ/調節するのに役立つ調節性T細胞が、治療標的同定にとって重要な領域である。
【0304】
IL−12は、APCによって産生され、Th1エフェクター細胞の分化を促進する炎症誘発性サイトカインである。IL−12は、MSを有する患者の病変の発生において、ならびにEAEに罹患した動物において産生される。これまでに、IL−12経路の干渉は、げっ歯類においてEAEを効率的に防ぐことおよび抗IL−12mAbを使用するIL−12p40のインビボ中和は、コモンマーモセットにおけるミエリン誘発EAEモデルにおいて有益な効果を有することがわかっている。
【0305】
TWEAKは、TNFファミリーのメンバーであり、中枢神経系(CNS)において構成的に発現され、細胞種に応じて炎症誘発効果、増殖効果またはアポトーシス効果を有する。その受容体、Fn14は、内皮細胞、反応性星状細胞およびニューロンによってCNSにおいて発現される。TWEAKおよびFn14 mRNA発現は、実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)の際に脊髄において増大した。C57BL/6マウスにおけるミエリン乏突起神経膠細胞糖タンパク質(MOG)誘発EAEにおける抗TWEAK抗体治療は、誘導相の後にマウスが治療された場合に、疾患の重篤度および白血球浸潤の低減をもたらした。
【0306】
本発明の一態様は、IL−1βならびにIL−12、TWEAK、IL−23、CXCL13、CD40、CD40L、IL−18、VEGF、VLA−4、TNF、CD45RB、CD200、IFNγ、GM−CSF、FGF、C5、CD52、オステオポンチンおよびCCR2からなる群から選択される1種または複数の、例えば、2種の標的と結合できるDVD−Ig分子に関する。一実施形態は、MSの治療にとって有益な治療薬として二重特異性抗IL−1β/TWEAK DVD−Igを含む。
【0307】
MSを治療するためのDVD−Ig分子の有用性を評価するためのいくつかの動物モデルは、当技術分野で公知である(Steinmanら.、Trends Immunol.、26(11):565−571頁(2005年);Lublinら、Springer Semin Immunopathol.、8(3):197−208頁(1985年);Genainら、J.Mol.Med.、75(3):187−197頁(1997年);Tuohyら、J.Exp.Med.、189(7):1033−1042頁(1999年);Owensら、Neurol.Clin.、13(1):51−73頁(1995年);および’t Hartら、J.Immunol.、175(7):4761−4768頁(2005年)参照のこと)。ヒトおよび動物種オルソログに対する親抗体の交差反応性(例えば、ヒトおよびマウスIL−1β、ヒトおよびマウスTWEAKなどの反応性)に基づいて、マウスEAEモデルにおける検証研究は、DVD−Ig分子に由来する「対応させたサロゲート抗体」を用いて実施され得る。手短には、DVD−Igに基づく2種(to)(またはそれ以上)のマウス標的特異的抗体は、可能な限り、ヒトDVD−Ig構築に使用された親のヒトまたはヒト化抗体の特徴(類似の親和性、類似の中和効力、類似の半減期など)に対応させられ得る。その他の非げっ歯類種において、同じ概念が動物モデルに当てはまり、これでは、DVD−Igに由来する「対応させたサロゲート抗体」は、予想された薬理学およびおそらくは安全性研究について選択される。これらの標的対の日常的な安全性評価に加え、免疫抑制度についての特定の試験が必要とされ、最良の標的対の選択において役立ち得る(Lusterら、Toxicology、92(1−3):229−243頁(1994年);Descotesら、Develop.Biol.Standard.、77:99−102頁(1992年);Jones,R.、「Rovelizumab−ICOS Corp」、IDrugs、3(4):442−446頁(2000年)参照のこと)。
【0308】
敗血症
敗血症の病態生理は、グラム陰性生物(リポ多糖類[LPS]、脂質A、エンドトキシン)およびグラム陽性生物(リポテイコ酸、ペプチドグリカン)両方の外膜成分によって開始される。これらの外膜成分は、単球の表面上のCD14受容体と結合できる。最近記載されたtoll様受容体のおかげで、次いで、シグナルが細胞に伝達され、炎症誘発性サイトカイン腫瘍壊死因子−α(TNF−α)およびインターロイキン−1(IL−1)の最終的な製造につながる。圧倒的な炎症および免疫応答が、敗血性ショックの本質的な特徴であり、敗血症によって誘導される組織損傷、多臓器不全および死亡の病理発生における中心的な役割を果たす。サイトカイン、特に、腫瘍壊死因子(TNF)およびインターロイキン(IL−1)は、敗血性ショックの重要なメディエーターであることがわかっている。これらのサイトカインは、組織に対して直接的な毒性効果を有し。それらはまた。ホスホリパーゼA2を活性化する。これらおよびその他の効果は、血小板活性化因子の濃度の増大、一酸化窒素合成酵素活性の促進、好中球による組織浸潤の促進および好中球活性の促進につながる。
【0309】
敗血症および敗血性ショックの治療は、依然として、臨床の難問のままであり、炎症反応に向けられた生物反応修飾物質(すなわち、抗TNF、抗MIF)を用いる最近のプロスペクティブ試験は、ごく限られた臨床上の利益しか示さなかった。最近、興味が、免疫抑制の付随する期間を逆転されることに向けられた治療へと移った。実験動物および重病の患者における研究によって、リンパ器官および一部の柔組織のアポトーシスの増大が、この免疫抑制、アネルギーおよび器官系の機能障害の一因となっていることが実証された。敗血症症候群の際には、IL−2がないことによって、またはグルココルチコイド、グランザイムまたはいわゆる「死亡」サイトカイン:腫瘍壊死因子αまたはFasリガンドの放出によって、リンパ球アポトーシスが誘発され得る。アポトーシスは、Bcl−2ファミリーのアポトーシス促進性および抗アポトーシスメンバーによって影響を受け得る、細胞質および/またはミトコンドリアカスパーゼの自己活性化によって進行する。実験動物では、アポトーシスの阻害剤を用いる治療は、リンパ球系細胞アポトーシスを防ぐことができるだけでなく、治療成績も改善し得る。抗アポトーシス薬を用いる臨床試験は、大部分は、その投与および組織ターゲッティングと関連する技術的な問題上のために、依然として遠いままであるが、リンパ球アポトーシスの阻害は、敗血症患者にとって魅力的な治療標的に相当する。同様に、炎症性メディエーターおよびアポトーシスメディエーターの両方をターゲッティングする二重特異性薬剤は、付加価値を有する。本発明の一態様は、IL−1βならびにTNF、IL−1、MIF、IL−6、IL−8、IL−18、IL−12、IL−23、FasL、LPS、Toll様受容体、TLR−4、組織因子、MIP−2、ADORA2A、CASP1、CASP4、IL−10、IL−1B、NFKB1、PROC、TNFRSF1A、CSF3、CCR3、IL1RN、MIF、NFKB1、PTAFR、TLR2、TLR4、GPR44、HMOX1、HMG−B1、ミッドカイン、IRAK1、NFKB2、SERPINA1、SERPINE1およびTREM1からなる群から選択される敗血症に関与している1種または複数の標的と結合できるDVD−Igに関する。敗血症に対するこのようなDVD−Igの有効性は、当技術分野で公知の前臨床動物モデルにおいて評価され得る(Burasら、Nat.Rev.Drug Discov.、4(10):854−865頁(2005年);およびCalandraら、Nature Med.、6(2):164−170頁(2000年)参照のこと)。
【0310】
神経疾患および神経変性性疾患
神経変性性疾患は、慢性(この場合には、普通、年齢依存性である)または急性(例えば、卒中、外傷性脳損傷、脊髄損傷など)のいずれかである。それらは、神経機能の進行性の喪失(神経細胞死、脱髄)、運動性の喪失および記憶の喪失を特徴とする。慢性神経変性性疾患(例えば、アルツハイマー病、AD)の根底にある機序の新たな知識によって、複雑な病因論および種々の因子、例えば、年齢、血糖状態、アミロイド産生および多量体化、その受容体RAGE(AGEの受容体)と結合する最終糖化産物(AGE)の蓄積、脳の酸化ストレスの増大、大脳の血流の減少、炎症性サイトカインおよびケモカインの放出を始めとする神経炎症、神経機能障害およびミクログリア活性化が、その発生および進行の一因であると認識されていることが示されている。したがって、これらの慢性神経変性性疾患は、複数の細胞種およびメディエーター間の複雑な相互作用に相当する。このような疾患の治療戦略は、限定され、ほとんど非特異的抗炎症薬(例えば、副腎皮質ステロイド、COX阻害剤)を用いて炎症プロセスを遮断することまたはニューロンおよび/またはシナプス機能の喪失を防ぐための薬剤のいずれかとなる。これらの治療は、疾患進行を停止できない。最近の研究によって、可溶性Aβペプチド(Aβオリゴマーの形態を含む)に対する抗体などの、よりターゲッティングされた治療は、疾患進行を停止できるだけでなく、さらに記憶の維持にも役立ち得ることが示唆されている。これらの予備所見は、2種以上の疾患メディエーター(例えば、AβおよびTNFなどの炎症誘発性サイトカイン)をターゲッティングする特異的治療は、慢性神経変性性疾患に対して、単一の疾患機序(例えば、可溶性Aβ単独)をターゲッティングする観察されたものよりもさらに良好な治療効力を提供し得ることを示唆している(Shepherdら、Neuropathol.Appl.Neurobiol.、31:503−511頁(2005年);Nelson,R.B.、Curr. Pharm. Des.、11:3335−3352頁(2005年);Klein,W.L.、Neurochem. Int.、41:345−352頁(2002年);Janelsinsら、「Early correlation of microglial activation with enhanced tumor necrosis factor−alpha and monocyte chemoattractant protein−I expression specifically within the entorhinal cortex of triple transgenic Alzheimer’s mice」、J.Neuroinflammation、2(23):1−12頁(2005年);Soloman,B.、Curr. Alzheimer. Res.、1:149−163頁(2004年);Klyubinら、Nature Med.、11:556−561頁(2005年);Arancioら、EMBO J.、23:4096−4105頁(2004年);Bornemannら、Am.J.Pathol.、158:63−73頁(2001年);Deaneら、Nature Med.、9:907−913頁(2003年);およびMasliahら、Neuron、46:857−868頁(2005年)参照のこと)。
【0311】
本発明のDVD−Ig分子は、IL−1βならびにアルツハイマー病などの慢性神経変性性疾患に関与している1種または複数の標的と結合し得る。このような標的として、それだけには限らないが、AD病理発生に関与する可溶性または細胞表面、任意のメディエーター、例えば、AGE(S100 A、アンホテリシン)、炎症誘発性サイトカイン(例えば、IL−1)、ケモカイン(例えば、MCP 1)、神経再生を阻害する分子(例えば、Nogo、RGM A)、神経突起成長を増強する分子(ニューロトロフィン)および血液脳関門で輸送を媒介し得る分子(例えば、トランスフェリン受容体、インスリン受容体またはRAGE)が挙げられる。DVD−Ig分子の有効性は、アミロイド前駆体タンパクまたはRAGEを過剰発現し、アルツハイマー病様の症状を発生するトランスジェニックマウスなどの前臨床動物モデルにおいて検証され得る。さらに、DVD−Ig分子は、構築され、動物モデルにおいて有効性について試験され得、ヒト患者における試験のために最良の治療用DVD−Igが選択され得る。DVD−Ig分子はまた、その他の神経変性性疾患、例えば、パーキンソン病の治療のために使用され得る。α−シヌクレインは、パーキンソンの病態に関与している。IL−1βおよびLINGO−1、α−シヌクレインならびに/またはTNF、IL−17、MCP−1などの炎症性メディエーターをターゲッティングできるDVD−Igは、パーキンソン病の有効な治療を証明し得、本明細書において発明において考慮される。
【0312】
ニューロン再生および脊髄損傷
病理的機序の知識の増大にもかかわらず、脊髄損傷(SCI)は、依然として壊滅的な状態であり、高度な医学的必要性を特徴とする医療適用に相当する。ほとんどの脊髄損傷は、挫傷または圧迫損傷であり、普通、一次的損傷に、続発的損傷機序(炎症性メディエーター、例えば、サイトカインおよびケモカイン)が続き、これが初期損傷を悪化させ、病変領域の相当な、時には、10倍を超える拡大をもたらす。SCIにおけるこれらの一次および続発性機序は、その他の手段、例えば、卒中によって引き起こされた脳損傷におけるものと極めて類似している。満足のいく治療は存在せず、メチルプレドニゾロン(MP)の高用量ボーラス注射が、損傷後8時間という狭い時間枠内で唯一使用される治療である。しかし、この治療は、続発性損傷を防ぐことだけを意図するものであって、相当な機能回復は引き起こさない。絶対的な有効性がないことおよび重篤な副作用、その後の感染を伴う免疫抑制のようなものおよび重篤な病理組織的筋肉変化について厳しく批判されている。内因性再生能を刺激する薬物、生物製剤または小分子は承認されていないが、有望な治療原理および薬物候補は、近年、SCIの動物モデルにおいて有効性を示している。ヒトSCIにおいて機能回復がないことは、かなりの程度、病変部位で、瘢痕組織において、ミエリンにおいて、ならびに損傷関連細胞上で神経突起成長を阻害する因子によって引き起こされる。このような因子は、ミエリン関連タンパク質NogoA、OMgpおよびMAG、RGM A、瘢痕関連CSPG(コンドロイチン硫酸プロテオグリカン)および反応性星状細胞(一部のセマフォリンおよびエフリン)に対する阻害性因子である。しかし、病変部位では、成長阻害性分子が見られるだけでなく、ニューロトロフィン、ラミニン、L1およびその他のもののような神経突起成長刺激因子も見られる。神経突起成長阻害性および成長促進性分子のこのアンサンブルによって、阻害性影響の低減が成長阻害から成長促進へとバランスを移動させ得るので、NogoAまたはRGM Aのような単一の因子を遮断することが、げっ歯類SCIモデルにおいて大幅な機能的回復をもたらしたことを説明できる。しかし、単一の神経突起成長阻害性分子を阻害することで観察された回復は、完全ではなかった。より迅速な、より明白な回復を達成するために、2種の神経突起成長阻害性分子、例えば、NogoおよびRGM Aを遮断すること、または神経突起成長阻害性分子を遮断することおよび神経突起成長増強分子の機能を増強すること、例えば、Nogoおよびニューロトロフィン、または神経突起成長阻害性分子、例えば、Nogoおよび炎症誘発性分子、例えば、TNFを遮断することが望ましいものであり得る(McGeeら、Trends Neurosci.、26:193−198頁(2003年);Domeniconiら、J.Neurol.Sci.、233:43−47頁(2005年);Makwanaら、FEBS J.、272:2628−2638頁(2005年);Dickson,B.J.、Science、298:1959−1964頁(2002年);Tengら、J. Neurosci.Res.、79:273−278頁(2005年);Karnezisら、Nature Neurosci.、7:736頁(2004年);Xuら、J.Neurochem.、91:1018−1023頁(2004年)参照のこと)。
【0313】
一態様では、ヒトIL−1βと結合するDVD−Igはまた、NgRおよびRGM A;NogoAおよびRGM A;MAGおよびRGM A;OMgpおよびRGM A;RGM AおよびRGM B;CSPGおよびRGM A;アグリカン、ミッドカイン、ニューロカン、バーシカン、ホスファカン、Te38およびTNF−αなどの標的対の一方または両方と結合し得、樹状突起および軸策発芽を促進する抗体と組み合わされたAβグロブロマー(globulomer)特異的抗体が提供される。ADの樹状突起病態は極めて初期の兆候であり、NOGO Aが樹状突起成長を制限することがわかっている。このような種類のabを、SCI候補(ミエリン−タンパク質)Abのいずれかと組み合わせることができる。その他のDVD−Ig標的は、NgR−p75、NgR−Troy、NgR−Nogo66(Nogo)、NgR−Lingo、Lingo−Troy、Lingo−p75、MAGまたはOMgpの任意の組合せを含み得る。さらに、標的はまた、神経突起の阻害に関与する可溶性または細胞表面、任意のメディエーター、例えば、Nogo、OMgp、MAG、RGM A、セマフォリン、エフリン、可溶性Aβ、炎症誘発性サイトカイン(例えば、IL−1)、ケモカイン(例えば、MIP 1a)、神経再生を阻害する分子を含み得る。抗nogo/抗RGM Aまたは同様のDVD−Ig分子の有効性は、脊髄損傷の前臨床動物モデルにおいて検証され得る。さらに、これらのDVD−Ig分子は、構築され、動物モデルにおいて有効性について試験され得、ヒト患者における試験のために最良の治療用DVD−Igが選択され得る。さらに、単一の受容体、例えば、3つのリガンドNogo、OMgpおよびMAGと結合するNogo受容体上の2種の別個のリガンド結合部位ならびにAβおよびS100 Aと結合するRAGEを標的とするDVD−Ig分子が構築され得る。さらに、神経突起成長阻害剤、例えば、nogoおよびnogo受容体はまた、多発性硬化症のような免疫疾患において神経再生を妨げるのに役割を果たす。nogo−nogo受容体相互作用の阻害は、多発性硬化症の動物モデルにおいて回復を増強することがわかっている。したがって、1種の免疫メディエーター、例えば、IL−12のようなサイトカインと、神経突起成長阻害剤分子、例えば、NogoまたはRGMの機能を遮断できるDVD−Ig分子は、免疫または神経突起成長阻害剤分子のいずれか単独を遮断することよりも迅速な、大きな有効性を提供し得る。
【0314】
一般に、抗体は、血液脳関門(BBB)を効率的な方法および関連する方法で通過しない。しかし、特定の神経性疾患、例えば、卒中、外傷性脳損傷、多発性硬化症などでは、BBBが損なわれている場合があり、脳内へのDVD−Igおよび抗体の浸透の増大を可能にする。BBB漏出が生じていないその他の神経性状態では、グルコースおよびアミノ酸担体などの担体媒介性輸送およびBBBの血管内皮で細胞構造/受容体を媒介する受容体媒介性経細胞輸送を始めとする内因性輸送系のターゲッティングを使用してもよく、ひいては、DVD−IgのBBBを超える輸送が可能となる。このような輸送を可能にするBBBでの構造として、それだけには限らないが、インスリン受容体、トランスフェリン受容体、LRPおよびRAGEが挙げられる。さらに、戦略によって、DVD−Igの、低分子量薬物、ナノ粒子および核酸を始めとする可能性ある薬物をCNS中に輸送するシャトルとしての使用も可能になる(Colomaら、Pharm.Res.、17(3):266−274頁(2000年);Boadoら、Bioconjug.Chem.、18(2):447−455頁(2007年))。
【0315】
腫瘍学的傷害
モノクローナル抗体治療は、癌の重要な治療様式として現れた(von Mehrenら、Ann.Rev.Med.、54:343−369頁(2003年))。抗体は、アポトーシス、向け直された細胞傷害性を誘導すること、リガンド−受容体相互作用を干渉することまたは腫瘍性表現型にとって重要であるタンパク質の発現を妨げることによって、抗腫瘍効果を発揮し得る。さらに、抗体は、腫瘍微小環境の成分を標的とし、腫瘍関連脈管構造の形成などの重要な構造を乱すことができる。抗体はまた、上皮成長因子受容体などの、そのリガンドが増殖因子である受容体を標的とし得る。したがって、抗体は、細胞成長を刺激する天然リガンドを、標的とされる腫瘍細胞との結合から阻害する。あるいは、抗体は、抗イディオタイプネットワーク、補体媒介性細胞傷害性または抗体依存性細胞性細胞傷害(ADCC)を誘導し得る。2種の別個の腫瘍メディエーターを標的とする二重特異性抗体の使用は、単一特異性治療と比較して、さらなる利益を与える可能性が高い。
【0316】
別の実施形態では、本発明のヒトIL−1βと結合するDVD−Igはまた、腫瘍学的疾患に関与している別の標的、例えば、それだけには限らないが:IGFR、IGF、VGFR1、PDGFRb、PDGFRa、IGF1,2、ERB3、CDCP、1BSG2、ErbB3、CD52、CD20、CD19、CD3、CD4、CD8、BMP6、IL12A、IL1A、IL1B、IL2、IL24、INHA、TNF、TNFSF10、BMP6、EGF、FGF1、FGF10、FGF11、FGF12、FGF13、FGF14、FGF16、FGF17、FGF18、FGF19、FGF2、FGF20、FGF21、FGF22、FGF23、FGF3、FGF4、FGF5、FGF6、FGF7、FGF8、FGF9、GRP、IGF1、IGF2、IL12A、IL1A、IL1B、IL2、INHA、TGFA、TGFB1、TGFB2、TGFB3、VEGF、CDK2、FGF10、FGF18、FGF2、FGF4、FGF7、IGF1R、IL2、BCL2、CD164、CDKN1A、CDKN1B、CDKN1C、CDKN2A、CDKN2B、CDKN2C、CDKN3、GNRH1、IGFBP6、IL1A、IL1B、ODZ1、PAWR、PLG、TGFB1I1、AR、BRCA1、CDK3、CDK4、CDK5、CDK6、CDK7、CDK9、E2F1、EGFR、ENO1、ERBB2、ESR1、ESR2、IGFBP3、IGFBP6、IL2、INSL4、MYC、NOX5、NR6A1、PAP、PCNA、PRKCQ、PRKD1、PRL、TP53、FGF22、FGF23、FGF9、IGFBP3、IL2、INHA、KLK6、TP53、CHGB、GNRH1、IGF1、IGF2、INHA、INSL3、INSL4、PRL、KLK6、SHBG、NR1D1、NR1H3、NR1I3、NR2F6、NR4A3、ESR1、ESR2、NR0B1、NR0B2、NR1D2、NR1H2、NR1H4、NR1I2、NR2C1、NR2C2、NR2E1、NR2E3、NR2F1、NR2F2、NR3C1、NR3C2、NR4A1、NR4A2、NR5A1、NR5A2、NR6A1、PGR、RARB、FGF1、FGF2、FGF6、KLK3、KRT1、APOC1、BRCA1、CHGA、CHGB、CLU、COL1A1、COL6A1、EGF、ERBB2、ERK8、FGF1、FGF10、FGF11、FGF13、FGF14、FGF16、FGF17、FGF18、FGF2、FGF20、FGF21、FGF22、FGF23、FGF3、FGF4、FGF5、FGF6、FGF7、FGF8、FGF9、GNRH1、IGF1、IGF2、IGFBP3、IGFBP6、IL12A、IL1A、IL1B、IL2、IL24、INHA、INSL3、INSL4、KLK10、KLK12、KLK13、KLK14、KLK15、KLK3、KLK4、KLK5、KLK6、KLK9、MMP2、MMP9、MSMB、NTN4、ODZ1、PAP、PLAU、PRL、PSAP、SERPINA3、SHBG、TGFA、TIMP3、CD44、CDH1、CDH10、CDH19、CDH20、CDH7、CDH9、CDH1、CDH10、CDH13、CDH18、CDH19、CDH20、CDH7、CDH8、CDH9、ROBO2、CD44、ILK、ITGA1、APC、CD164、COL6A1、MTSS1、PAP、TGFB1I1、AGR2、AIG1、AKAP1、AKAP2、CANT1、CAV1、CDH12、CLDN3、CLN3、CYB5、CYC1、DAB2IP、DES、DNCL1、ELAC2、ENO2、ENO3、FASN、FLJ12584、FLJ25530、GAGEB1、GAGEC1、GGT1、GSTP1、HIP1、HUMCYT2A、IL29、K6HF、KAI1、KRT2A、MIB1、PART1、PATE、PCA3、PIAS2、PIK3CG、PPID、PR1、PSCA、SLC2A2、SLC33A1、SLC43A1、STEAP、STEAP2、TPM1、TPM2、TRPC6、ANGPT1、ANGPT2、ANPEP、ECGF1、EREG、FGF1、FGF2、FIGF、FLT1、JAG1、KDR、LAMA5、NRP1、NRP2、PGF、PLXDC1、STAB1、VEGF、VEGFC、ANGPTL3、BAI1、COL4A3、IL8、LAMA5、NRP1、NRP2、STAB1、ANGPTL4、PECAM1、PF4、PROK2、SERPINF1、TNFAIP2、CCL11、CCL2、CXCL1、CXCL10、CXCL3、CXCL5、CXCL6、CXCL9、IFNA1、IFNB1、IFNG、IL1B、IL6、MDK、EDG1、EFNA1、EFNA3、EFNB2、EGF、EPHB4、FGFR3、HGF、IGF1、ITGB3、PDGFA、TEK、TGFA、TGFB1、TGFB2、TGFBR1、CCL2、CDH5、COL18A1、EDG1、ENG、ITGAV、ITGB3、THBS1、THBS2、BAD、BAG1、BCL2、CCNA1、CCNA2、CCND1、CCNE1、CCNE2、CDH1(E−カドヘリン)、CDKN1B(p27Kip1)、CDKN2A(p16INK4a)、COL6A1、CTNNB1(b−カテニン)、CTSB(カテプシンB)、ERBB2(Her−2)、ESR1、ESR2、F3(TF)、FOSL1(FRA−1)、GATA3、GSN(ゲルゾリン)、IGFBP2、IL2RA、IL6、IL6R、IL6ST(糖タンパク質130)、ITGA6(a6インテグリン)、JUN、KLK5、KRT19、MAP2K7(c−Jun)、MKI67(Ki−67)、NGFB(NGF)、NGFR、NME1(NM23A)、PGR、PLAU(uPA)、PTEN、SERPINB5(マスピン)、SERPINE1(PAI−1)、TGFA、THBS1(トロンボスポンジン−1)、TIE(Tie−1)、TNFRSF6(Fas)、TNFSF6(FasL)、TOP2A(トポイソメラーゼ Iia)、TP53、AZGP1(亜鉛−a−糖タンパク質)、BPAG1(プレクチン)、CDKN1A(p21Wap1/Cip1)、CLDN7(クローディン−7)、CLU(クラスタリン)、ERBB2(Her−2)、FGF1、FLRT1(フィブロネクチン)、GABRP(GABAa)、GNAS1、ID2、ITGA6(a6 インテグリン)、ITGB4(b4インテグリン)、KLF5(GC Box BP)、KRT19(ケラチン19)、KRTHB6(毛髪特異的II型ケラチン)、MACMARCKS、MT3(メタロチオネクチン−III)、MUC1(ムチン)、PTGS2(COX−2)、RAC2(p21Rac2)、S100A2、SCGB1D2(リポフィリンB)、SCGB2A1(マンマグロビン2)、SCGB2A2(マンマグロビン1)、SPRR1B(Spr1)、THBS1、THBS2、THBS4およびTNFAIP2(B94)、RON、c−Met、CD64、DLL4、PLGF、CTLA4、ホスファチジルセリン、ROBO4、CD80、CD22、CD40、CD23、CD28、CD55、CD38、CD70、CD74、CD30、CD138、CD56、CD33、CD2、CD137、DR4、DR5、RANKL、VEGFR2、PDGFR、VEGFR1、MTSP1、MSP、EPHB2、EPHA1、EPHA2、EpCAM、PGE2、NKG2D、LPA、SIP、APRIL、BCMA、MAPG、FLT3、PDGFRα、PDGFRβ、ROR1、PSMA、PSCA、SCD1およびCD59とも結合できる。
【0317】
D.医薬組成物
本発明はまた、本発明の抗体(本明細書に記載されたDVD−Igを含む)またはその抗原−結合部分と、医薬上許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。本発明の抗体を含む医薬組成物は、それだけには限らないが、障害の診断、検出またはモニタリングにおいて;障害またはその1つもしくは複数の症状の予防、治療、管理または寛解において、および/または研究において使用される。特定の実施形態では、組成物は、本発明の1種または複数の抗体を含む。別の実施形態では、IL−1β活性が有害である障害を治療するための医薬組成物は、本発明の1種または複数の抗体および本発明の抗体以外の1種または複数の予防薬または治療薬を含む。一実施形態では、障害またはその1種もしくは複数の症状の予防、治療、管理または寛解のために有用であるとわかっている、またはそれにおいて使用されていた、または現在使用されている予防薬または治療薬。これらの実施形態に一致して、組成物は、担体、希釈液または賦形剤をさらに含み得る。
【0318】
本発明の抗体または抗体部分は、被験体に投与するのに適した医薬組成物中に組み込まれ得る。通常、医薬組成物は、本発明の抗体または抗体部分および薬学的に許容される担体を含む。本明細書において、「薬学的に許容される担体」としては、生理学的に適合される、ありとあらゆる溶媒、分散媒、コーティング、抗菌薬および抗真菌薬、等張剤および吸収遅延剤などが挙げられる。薬学的に許容される担体の例として、水、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノールなどならびにそれらの組合せのうち1種または複数が挙げられる。多くの場合、組成物中に、等張剤、例えば、糖、マンニトール、ソルビトールなどのポリアルコールまたは塩化ナトリウムを含むことが好ましい。薬学的に許容される担体は、抗体または抗体部分の有効期間または有効性を増強する、湿潤剤または乳化剤、保存料またはバッファーなどの微量の補助物質をさらに含み得る。
【0319】
種々の送達系が公知であり、本発明の1種もしくは複数の抗体または本発明の1種もしくは複数の抗体の組合せおよび障害または1種もしくは複数のその症状を予防、管理、治療または寛解するのに有用な予防薬または治療薬、例えば、リポソーム、微粒子、マイクロカプセルにおけるカプセル封入、抗体または抗体断片を発現できる組換え細胞、受容体媒介性エンドサイトーシス(例えば、WuおよびWu、J.Biol.Chem.、262:4429−4432頁(1987年))、レトロウイルスまたはその他のベクターの一部としての核酸の構築物を投与するために使用され得る。本発明の予防薬または治療薬を投与する方法として、それだけには限らないが、非経口投与(例えば、皮内、筋肉内の、腹腔内、静脈内および皮下)、硬膜外投与、腫瘍内投与および粘膜投与(例えば、鼻腔内および経口経路)が挙げられる。さらに、肺の投与は、例えば、吸入器または噴霧器およびエアロゾル化剤を有する製剤の使用によって使用され得る。例えば、参照によりその全文が本明細書に各々、組み込まれる、米国特許第6,019,968号;同5,985,320号;同5,985,309号;同5,934,272号;同5,874,064号;同5,855,913号および同5,290,540号;およびPCT公開番号WO92/19244、WO97/32572、WO97/44013、WO98/31346およびWO99/66903参照のこと。一実施形態では、本発明の抗体または抗体部分、併用療法または本発明の組成物は、Alkermes AIR(登録商標)肺薬物送達技術(Alkermes、Inc.、Cambridge、Massachusetts、US)を使用して投与される。特定の実施形態では、本発明の予防薬または治療薬は、筋肉内に、静脈内に、腫瘍内に、経口によって、鼻腔内に、肺にまたは皮下に投与される。予防薬または治療薬は、任意の従来経路によって、例えば、注入またはボーラス注射によって、上皮または皮膚粘膜内層を通る吸収によって(例えば、経口粘膜、直腸および腸管粘膜など)投与され得、またその他の生物学的に活性な薬剤と一緒に投与され得る。投与は、全身であっても局所であってもよい。
【0320】
一実施形態では、腫瘍細胞をターゲッティングするために、インビトロでの抗体がカップリングされたカーボンナノチューブ(CNT)の、腫瘍細胞との特異的結合と、それに続く、近赤外(NIR)光を用いる、その高度に特異的な切断が使用され得る。例えば、安定な、生体適合性の、非細胞傷害性CNT分散物を調製するためにビオチン化極性脂質が使用され、それは、次いで、1種または複数の腫瘍抗原(例えば、CD22)に対する、1種または2種の異なるニュートラライトアビジン誘導体化DVD−Igと結合され得る(Chakravartyら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、105:8697−8702頁(2008年))。
【0321】
特定の実施形態では、本発明の予防薬または治療薬を、治療を必要とする領域に局所的に投与することが望ましいものであり得;これは、例えば、制限するものではないが、局所注入として、注射によって、またはインプラントによって達成され得、前記インプラントは、サイラスティックメンブラン、ポリマー、繊維性マトリックス(例えば、Tissuel(登録商標))またはコラーゲンマトリックスなどのメンブランおよびマトリックスを含めた多孔性または非多孔性材料である。一実施形態では、有効量の本発明の1種または複数の抗体アンタゴニストが、障害またはその症状を予防、治療、管理および/または寛解させるために被験体に罹患領域に局所的に投与される。別の実施形態では、有効量の本発明の1種または複数の抗体が、有効量の本発明の抗体以外の1種または複数の治療(例えば、1種または複数の予防薬または治療薬)と組み合わせて、障害またはその1種もしくは複数の症状を予防、治療、管理および/または寛解させるために被験体の罹患領域に局所的に投与される。
【0322】
別の実施形態では、予防薬または治療薬は、制御放出または持続放出系で送達され得る。一実施形態では、制御放出または持続放出を達成するためにポンプが使用され得る(Langer、上記;Sefton、M.V.、CRC Crit.Rev.Biomed.Eng.、14:201−240頁(1987年);Buchwaldら、Surgery、88:507−516頁(1980年);Saudekら、N.Engl.J.Med.、321:574−579頁(1989年)を参照のこと)。別の実施形態では、本発明の治療の制御放出または持続放出を達成するためにポリマー材料が使用され得る(例えば、第6章、Goodson、J.M、In Medical Applications of Controlled Release、第II巻、Applications and Evaluations、(LangerおよびWise編)、(CRC Press Inc.、Boca Raton、1984年)中115−138頁;LangerおよびPeppas、J.Macromol.Sci.Rev.Macromol.Chem.Phys.、C23(1):61−126頁(1983年)を参照のこと);Levyら、Science、228:190−192頁(1985年);Duringら、Ann.Neurol.、25:351−356頁(1989年);Howardら、J.Neurosurg.、71:105−112頁(1989年);米国特許第5,679,377号;同5,916,597号;同5,912,015号;同5,989,463号;同5,128,326号;PCT公開番号WO99/15154;および同WO99/20253も参照のこと。持続放出製剤において使用されるポリマーの例として、それだけには限らないが、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(エチレン−コ−酢酸ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、ポリグリコリド(PLG)、ポリ無水物、ポリ(N−ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリアクリルアミド、ポリ(エチレングリコール)、ポリラクチド(PLA)、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)(PLGA)およびポリオルトエステルが挙げられる。例示的な一実施形態では、持続放出製剤において使用されるポリマーは、不活性であり、漏出性の不純物を含まず、保存に対して安定であり、無菌であり、生分解性である。さらに別の実施形態は、制御放出または持続放出系は、予防標的または治療標的に近接して配置され得、したがって、全身用量の画分のみを必要とする(例えば、Goodson、In Medical Applications of Controlled Release、上記、2巻、115−138頁(1984年)参照のこと)。
【0323】
制御放出系は、Langerによる概説(Science、249:1527−1533頁(1990年))において論じられている。本発明の1種または複数の治療薬を含む持続放出製剤を製造するために当業者に公知の任意の技術が使用され得る。例えば、各々参照によりその全文が本明細書に組み込まれる、米国特許第4,526,938号;PCT公開番号WO91/05548、同WO96/20698;Ningら、「Intratumoral Radioimmunotherapy of a Human Colon Cancer Xenograft Using Sustained−Release Gel」、Radiotherapy Oncol.、39:179−189頁(1996年);Songら、「Antibody Mediated Lung Targeting of Long−Circulating Emulsions」PDA J.Pharm.Sci.Technol.、50:372−377頁(1996年);Cleekら、「Biodegradable Polymeric Carriers for a bFGF Antibody for Cardiovascular Application」、Proceed.Intl.Symp.Control.Rel.Bioact.Mater.、24:853−854頁(1997年)およびLamら、「Microencapsulation of Recombinant Humanized Monoclonal Antibody for Local Delivery」、Proceed.Intl.Symp.Control Rel.Bioact.Mater.:24:759−760頁(1997年)参照のこと。
【0324】
特定の実施形態では、本発明の組成物が、予防薬または治療薬をコードする核酸である場合には、そのコードされる予防薬または治療薬の発現を促進するために、適当な核酸発現ベクターの一部として構築することおよび細胞内になるようにそれを投与することによって、例えば、レトロウイルスベクターを使用することによって(米国特許第4,980,286号参照のこと)、または直接注射によって、または微粒子銃を使用することによって(例えば、遺伝子銃;Biolistic(登録商標)、DuPont)、または脂質もしくは細胞表面受容体もしくはトランスフェクト剤を用いてコーティングすることによって、または核に入ると知られているホメオボックス様ペプチドと関連して投与することによって(例えば、Joliotら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、88:1864−1868頁(1991年)参照のこと)、核酸はインビボで投与され得る。または、核酸は、相同組換えによる発現のために細胞内に導入され、宿主細胞DNA内に組み込まれ得る。
【0325】
本発明の医薬組成物は、その意図される投与経路と適合するよう製剤される。投与経路の例として、それだけには限らないが、非経口(例えば、静脈内の)、皮内、皮下、経口、鼻腔内(例えば、吸入)、経皮(例えば、局所)、経粘膜および直腸投与が挙げられる。特定の実施形態では、組成物は、ヒトへの静脈内、皮下、筋肉内、経口、鼻腔内または局所投与に適している医薬組成物として、常法に従って製剤される。通常、静脈内投与用の組成物は、滅菌等張性水性バッファー中の溶液である。必要に応じて、組成物はまた、可溶化剤および注射の部位での疼痛を和らげるためリグノカムン(lignocamne)などの局所麻酔薬も含み得る。
【0326】
本発明の組成物が、局所的に投与される場合には、組成物は、軟膏、クリーム、経皮パッチ、ローション、ゲル、シャンプー、スプレー、エアゾール、溶液、エマルジョンの形態または当業者に周知のその他の形態で製剤され得る。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences and Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms、第19版、Mack Publishing Co.、Easton、Pennsylvania(1995年)参照のこと。噴霧できない局所投与形には、局所適用に適合する担体または1種もしくは複数の賦形剤を含み、好ましくは、水より大きい動粘性係数を有する粘性から半固体または固体形態が、通常使用される。適した製剤として、制限するものではなく、溶液、懸濁液、エマルジョン、クリーム、軟膏(ointment)、散剤、リニメント剤、軟膏(salves)などが挙げられ、これらは、必要に応じて、例えば、浸透圧などの種々の特性に影響を及ぼすために、滅菌され、または補助剤(例えば、保存料、安定化剤、湿潤剤、バッファーまたは塩)と混合される。その他の適した局所投与形として、好ましくは、固体または液体不活性担体と組み合わせた有効成分が、加圧された揮発性物質(例えば、ガス状噴射剤、例えば、FREON(登録商標))との混合物中にまたはスクイーズボトル中にパッケージされている噴霧性エアゾール製剤が挙げられる。必要に応じて、保湿剤または保水剤も、医薬組成物および投与形に添加され得る。このようなさらなる成分の例は、当技術分野で周知である。
【0327】
本発明の方法が、組成物の鼻腔内投与を含む場合には、組成物は、エアゾール形態、スプレー、ミストまたは液滴の形態で製剤され得る。特に、本発明に従って使用するための予防薬または治療薬は、適した噴射剤(例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素またはその他の適したガス)を使用して、加圧パックまたは噴霧器からエアゾールスプレーの体裁という形態で送達され得ることが好都合である。加圧エアゾールの場合には、投与単位は、定量を送達するためのバルブを提供することによって決定され得る。化合物およびラクトースまたはデンプンなどの適した散剤基剤の散剤ミックスを含有する、吸入器(inhaler)または吸入器(insufflator)において使用するためのカプセル剤およびカートリッジ(例えば、ゼラチンからなる)が製剤され得る。
【0328】
本発明の方法が、経口投与を含む場合には、組成物は、錠剤、カプセル剤、カシェ剤、ジェルキャップ、溶液、懸濁液などの形態で経口的に製剤され得る。錠剤またはカプセル剤は、結合剤(例えば、アルファ化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース);増量剤(例えば、ラクトース、微晶質セルロースまたはリン酸水素カルシウム);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルクまたはシリカ);崩壊剤(例えば、ジャガイモデンプンまたはグリコール酸ナトリウムデンプン);または湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)などの薬学的に許容される賦形剤を用い、従来の手段によって調製され得る。錠剤は、当技術分野で周知の方法によってコーティングされてもよい。経口投与のための液体製剤は、それだけには限らないが、溶液、シロップ剤または懸濁液の形態をとり得る、またはそれらは使用前に水もしくはその他の適した媒体で構成するための乾燥製剤として調製され得る。このような液体製剤は、懸濁剤(例えば、ソルビトールシロップ、セルロース誘導体、または硬化食用脂肪);乳化剤(例えば、レシチンまたはアラビアガム);非水性媒体(例えば、アーモンドオイル、油性エステル、エチルアルコールまたは精留植物油);および保存料(例えば、メチルまたはプロピル−p−ヒドロキシベンゾエートまたはソルビン酸)などの薬学的に許容される添加剤を用い、従来の手段によって調製され得る。製剤はまた、必要に応じて、バッファー塩、矯味剤、着色剤および甘味剤も含有し得る。経口投与用製剤は、予防薬または治療薬(複数可)の徐放、制御放出または持続放出のために適宜製剤され得る。
【0329】
本発明の方法は、例えば、エアロゾル化剤を用いて製剤された組成物の吸入器または噴霧器の使用による肺の投与を含み得る。例えば、参照によりその全文が本明細書に組み込まれる、米国特許第6,019,968号;同5,985,320号;同5,985,309号;同5,934,272号;同5,874,064号;同5,855,913号;および同5,290,540号;およびPCT公開番号WO92/19244、WO97/32572、WO97/44013、WO98/31346およびWO99/66903参照のこと。特定の実施形態では、本発明の抗体、併用療法および/または本発明の組成物は、Alkermes AIR(登録商標)肺薬剤送達技術(Alkermes、Inc.、Cambridge、Massachusetts)を使用して投与される。
【0330】
本発明の方法は、注射による(例えば、ボーラス注射または連続注入による)非経口投与用に製剤された組成物の投与を含み得る。注射用製剤は、防腐剤を加えた単位投与形で(例えば、アンプル中で、または複数用量容器中で)提示され得る。組成物は、油性または水性媒体中の懸濁液、溶液またはエマルジョンなどの形態をとり得、懸濁剤、安定化剤および/または分散剤などの処方剤(formulatory agents)を含有し得る。または、有効成分は、使用前に適した媒体(例えば、滅菌発熱物質不含水)を用いて構成するための散剤形態であり得る。
【0331】
本発明の方法は、デポー製剤として製剤された組成物の投与をさらに含み得る。このような長時間作用型製剤は、移植(例えば、皮下に、または筋肉内に)によって、または筋肉注射によって投与され得る。したがって、例えば、組成物は、適したポリマー物質または疎水性物質を用いて(例えば、許容されるオイル中のエマルジョンとして)またはイオン交換樹脂を用いて、または難溶性誘導体として(例えば、難溶性塩として)製剤され得る。
【0332】
本発明の方法は、中性のまたは塩の形態として製剤された組成物の投与を包含する。薬学的に許容される塩として、塩酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸などから誘導されるものなどの陰イオンを用いて形成されるもの、ならびにナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、水酸化第二鉄、イソプロピルアミン、トリエチルアミン、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインなどに由来するものなどの陽イオンを用いて形成されるものが挙げられる。
【0333】
一般に、組成物の成分は、別個に、または単位投与形中に一緒に混合されて、例えば、活性薬剤の量を示すアンプルまたはサシェなどの密閉された容器中の無水凍結乾燥散剤または無水濃縮物として供給される。投与様式が注入である場合には、組成物は、滅菌医薬等級水または生理食塩水を含有する注入ビンを用いて分配され得る。投与様式が注射によってである場合には、滅菌注射水または生理食塩水のアンプルは、成分が投与に先立って混合され得るように提供され得る。
【0334】
特に、本発明はまた、本発明の予防薬または治療薬または医薬組成物のうち1種または複数が、薬剤の量を示すアンプルまたはサシェなどの密閉された容器中にパッケージングされることを提供する。一実施形態では、本発明の予防薬または治療薬または医薬組成物のうち1種または複数が、密閉された容器中の無水滅菌凍結乾燥散剤または無水濃縮物として供給され、(例えば、水または生理食塩水を用いて)被験体に投与するための適当な濃度に再構成され得る。好ましくは、本発明の予防薬または治療薬または医薬組成物のうち1種または複数は、少なくとも5mg、より好ましくは、少なくとも10mg、少なくとも15mg、少なくとも25mg、少なくとも35mg、少なくとも45mg、少なくとも50mg、少なくとも75mgまたは少なくとも100mgの単位投与量で密閉された容器中の無水滅菌凍結乾燥散剤として供給される。本発明の凍結乾燥予防薬または治療薬または医薬組成物は、その元の容器中で、2℃から8℃の間で保存されなくてはならず、本発明の予防薬または治療薬または医薬組成物は、再構成された後、1週間以内に、好ましくは、5日以内に、72時間以内に、48時間以内に、24時間以内に、12時間以内に、6時間以内に、5時間以内に、3時間以内にまたは1時間以内に投与されなくてはならない。代替の実施形態では、本発明の予防薬または治療薬または医薬組成物のうち1種または複数が、薬剤の量および濃度を示す密閉された容器中の液体形態で供給される。投与される組成物の液体形態は、密閉された容器中で、少なくとも0.25mg/ml供給されることが好ましく、より好ましくは、少なくとも0.5mg/ml、少なくとも1mg/ml、少なくとも2.5g/ml、少なくとも5mg/ml、少なくとも8mg/ml、少なくとも10mg/ml、少なくとも15mg/ml、少なくとも25mg/ml、少なくとも50mg/ml、少なくとも75mg/mlまたは少なくとも100mg/mlである。液体形態は、その元の容器中で、2℃から8℃の間で保存されなくてはならない。
【0335】
本発明の抗体および抗体部分は、非経口投与に適した医薬組成物中に組み込まれ得る。好ましくは、抗体または抗体部分は、0.1−250mg/mlの抗体を含有する注射用溶液として調製される。注射用溶液は、フリントまたはアンバーバイアル、アンプルまたは薬剤充填済みシリンジ中の液体または凍結乾燥投与形のいずれかからなり得る。バッファーは、pH5.0から7.0(最適には、pH6.0)のL−ヒスチジン(1−50mM)、最適には、5−10mMであり得る。その他の適したバッファーとして、それだけには限らないが、コハク酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウムまたはリン酸カリウムが挙げられる。溶液の毒性を改変するために、塩化ナトリウムが、0−300mM(最適には、液体投与形には150mM)の濃度で使用され得る。凍結乾燥投与形には、凍結保護物質、主に0−10%スクロース(最適には、0.5−1.0%)が含まれ得る。その他の適した凍結保護物質として、トレハロースおよびラクトースが挙げられる。凍結乾燥投与形には、充填剤、主に、1−10%マンニトール(最適には、2−4%)も含まれ得る。液体および凍結乾燥投与形の両方において、安定化剤、主に、1−50mM L−メチオニン(最適には、5−10mM)も使用され得る。その他の適した充填剤として、グリシン、アルギニンが挙げられ、0−0.05%ポリソルベート−80(最適には、0.005−0.01%)として含まれ得る。さらなる界面活性剤として、それだけには限らないが、ポリソルベート20およびBRIJ界面活性剤が挙げられる。非経口投与用の注射用溶液として調製された本発明の抗体または抗体部分を含む医薬組成物は、アジュバントとして有用である薬剤、例えば、吸収を増大させるよう使用されるものまたは治療用タンパク質(例えば、抗体)の分散物をさらに含み得る。特に有用なアジュバントとして、ヒアルロニダーゼ(Hylenex(登録商標)組換えヒトヒアルロニダーゼなど)がある。注射用溶液におけるヒアルロニダーゼの添加は、非経口投与、特に、皮下投与後のヒトバイオアベイラビリティを改善する。また、少ない疼痛および不快感しか伴わない、より大きな注射部位容積(すなわち、1ml超)および注射部位反応の最小の発生率を可能にする(PCT公開番号WO2004/078140および米国特許出願第2006/104968号を参照のこと)。
【0336】
本発明の組成物は、種々の形態であり得る。これらとして、例えば、液体溶液(例えば、注射用溶液および注入用溶液)、分散物または懸濁液、錠剤、丸剤、散剤、リポソームおよび坐剤などの液体、半固体および固体投与形が挙げられる。好ましい形態は、意図される投与様式および治療適用に応じて変わる。通常好ましい組成物は、その他の抗体を用いるヒトの受動免疫処置に使用されるものと類似の組成物などの注射用溶液または注入用溶液の形態である。好ましい投与様式は、非経口(例えば、静脈内、皮下、腹腔内、筋肉内)である。例示的な一実施形態では、抗体は、静脈内注入または注射によって投与される。別の好ましい実施形態では、抗体は、筋肉内注射または皮下注射によって投与される。
【0337】
治療用組成物は、通常、無菌で、製造および保存の条件下で安定でなくてはならない。組成物は、溶液、マイクロエマルジョン、分散物、リポソームまたは高い薬物濃度に適したその他の秩序構造として製剤され得る。滅菌注射用溶液は、適当な溶媒中の必要な量で活性化合物(すなわち、抗体または抗体部分)を、必要に応じて上記で列挙された成分のうち1種またはそれらの組合せとともに組み込むこと、続いて、濾過滅菌することによって調製され得る。一般に、分散物は、活性化合物を、基本分散媒および上記で列挙されたもののうち必要なその他の成分を含有する滅菌媒体に組み込むことによって調製される。滅菌注射用溶液を調製するための滅菌凍結乾燥散剤の場合には、好ましい調製方法は、真空乾燥ならびに有効成分および先に滅菌濾過したその溶液に由来する任意のさらなる所望の成分の散剤が得られる噴霧乾燥である。溶液の適切な流動度は、例えば、レシチンなどのコーティングを使用することによって、分散物の場合には必要な粒径を維持することによって、および界面活性剤を使用することによって維持され得る。注射用組成物の長期吸収は、組成物中に、吸収を遅延する薬剤、例えば、モノステアリン酸塩およびゼラチンを含めることによってもたらされ得る。
【0338】
多くの治療適用にとって、好ましい投与経路/様式は、皮下注射、静脈内注射または注入であるが、本発明の結合タンパク質は、当技術分野で公知の種々の方法によって投与され得る。投与の経路および/または様式は、所望の結果に応じて変わるということは、当業者ならば理解されよう。特定の実施形態では、活性化合物は、化合物を迅速放出から保護する担体を用い、例えば、インプラント、経皮パッチおよびマイクロカプセル化送達系を含めた制御放出製剤として調製され得る。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステルおよびポリ乳酸などの生分解性、生体適合性ポリマーは使用され得る。このような製剤を調製するための多数の方法が、特許権が取られているか、当業者には一般的に知られている。例えば、Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems、(J.R. Robinson編)(Marcel Dekker、Inc.、New York、1978年)参照のこと。
【0339】
特定の実施形態では、本発明の抗体または抗体部分は、例えば、不活性希釈液または同化食用担体とともに経口投与され得る。化合物(および必要に応じて、その他の成分)はまた、ハードまたはソフトシェルゼラチンカプセル剤中に封入される、錠剤に打錠される、または被験体の食事に直接組み込まれ得る。経口治療的投与には、化合物は、賦形剤とともに組み込まれ、摂取可能な錠剤、頬側錠剤、トローチ剤、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁液、シロップ、ウェーハなどの形態で使用され得る。本発明の化合物を、非経口投与以外によって投与するには、化合物をその不活化を防ぐ物質とコーティングするまたは化合物をその不活化を防ぐ物質と同時投与する必要があり得る。
【0340】
補足の活性化合物もまた、組成物中に組み込まれ得る。特定の実施形態では、本発明の抗体または抗体部分は、IL−1β活性が有害である障害を治療するために有用である1種または複数のさらなる治療薬と同時製剤および/または同時投与される。例えば、本発明の抗ヒトIL−1β抗体または抗体部分は、その他の標的と結合する1種または複数のさらなる抗体(例えば、その他のサイトカインと結合する抗体または細胞表面分子と結合する抗体)と同時製剤および/または同時投与され得る。さらに、本発明の1種または複数の抗体は、前述の治療薬のうち2種以上と組み合わせて使用され得る。このような併用療法は、投与される治療薬の低い投与量を、したがって、種々の単剤療法と関連している潜在的な毒性または複雑性を避けながら利用することが有利であり得る。
【0341】
特定の実施形態では、IL−1βへの抗体またはその断片は、当技術分野で公知の半減期延長媒体と連結される。このような媒体として、それだけには限らないが、Fcドメイン、ポリエチレングリコールおよびデキストランが挙げられる。このような媒体は、例えば、いかなる目的に対しても参照により本明細書に組み込む(現在は米国特許第6,660,843号)米国公開第09/428082号に記載されている。
【0342】
特定の実施形態では、本発明の抗体または本発明の別の予防薬または治療薬をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列が、遺伝子療法によって、障害またはその1種もしくは複数の症状を治療、予防、管理または寛解させるために投与される。遺伝子療法とは、発現されたまたは発現可能な核酸を被験体に投与することによって実施される治療を指す。本発明のこの実施形態では、核酸はそのコードされた抗体または予防効果もしくは治療効果を媒介する本発明の予防薬もしくは治療薬を生成する。
【0343】
当技術分野で入手可能な遺伝子療法のための方法のいずれかも、本発明に従って使用され得る。遺伝子療法の方法の一般的な概説については、Goldspielら、Clinical Pharm.、12:488−505頁(1993年);Wuら、「Delivery systems for gene therapy」、Biotherapy、3:87−95頁(1991年);Tolstoshev、P.、Ann. Rev.Pharmacol.Toxicol.、32:573−596頁(1993年);Mulligan、R.C.、Science、260:926−932頁(1993年);およびMorgan and Anderson、「Human Gene Therapy」、Ann.Rev.Biochem.、62:191−217頁(1993年);Robinson、C.、Trends Biotechnol.、11(5):155頁(1993年)を参照のこと。使用され得る組換えDNA技術の当技術分野でよく知られている方法は、Ausubelら(編)、Current Protocols in Molecular Biology、John Wiley & Sons、New York(1993年);およびKriegler、Gene Transfer and Expression、A Laboratory Manual、Stockton Press、New York(1990年)に記載されている。遺伝子療法の種々の方法の詳細な説明は、参照により本明細書に組み込む、米国公開第20050042664 A1号に開示されている。
【0344】
IL−1ファミリーメンバー(IL−1βおよびIL−1α)は、免疫および炎症要素が絡む種々の障害と関連する病態において重要な役割を果たしている。本明細書に記載されたIL−1結合タンパク質は、このような障害を治療するために個体に投与され得る。一実施形態では、被験体に、本明細書に記載されたIL−1結合タンパク質を投与することを含む本発明の方法によって治療され得る障害として、それだけには限らないが、糖尿病;ブドウ膜炎;神経因性疼痛;骨関節炎性疼痛;炎症性疼痛;関節リウマチ;変形性関節症;若年性慢性関節炎;化膿性関節炎;ライム関節炎;乾癬性関節炎;反応性関節炎;脊椎関節症;全身性紅斑性狼瘡(SLE);クローン病;潰瘍性大腸炎;炎症性腸疾患;自己免疫性糖尿病;インスリン依存性糖尿病;甲状腺炎;喘息;アレルギー性疾患;乾癬;皮膚炎;強皮症;移植片対宿主病;臓器移植拒絶;臓器移植と関連する急性免疫疾患;臓器移植と関連する慢性免疫疾患;サルコイドーシス;アテローム性動脈硬化症;播種性血管内凝固(DIC);川崎病;グレーブス病;ネフローゼ症候群;慢性疲労症候群;ウェジナー肉芽腫症;ヘノッホ・シェーンライン紫斑病;腎臓の顕微鏡的血管炎;慢性活動性肝炎;自己免疫性ブドウ膜炎;敗血性ショック;毒素性ショック症候群;敗血症症候群;悪液質;感染性疾患;寄生虫症;急性横断性脊髄炎;ハンチントン舞踏病;パーキンソン病;アルツハイマー病;卒中;原発性胆汁性肝硬変;溶血性貧血;悪性腫瘍;心不全;心筋梗塞;アジソン病;弧発性多腺性欠乏症I型;多腺性欠乏症II型(シュミット症候群);急性呼吸窮迫症候群(ARDS);脱毛症;円形脱毛症;血清反応陰性関節症;関節症;ライター病;乾癬性関節症;潰瘍性大腸炎性関節症;腸炎性滑膜炎;クラミジア;エルシニアおよびサルモネラ菌属関連関節症;脊椎関節症;アテローム性疾患/動脈硬化症;アトピー性アレルギー;自己免疫性水疱症;尋常性天疱瘡;落葉状天疱瘡;類天疱瘡;リニアIgA病;自己免疫性溶血性貧血;クームス陽性溶血性貧血;後天性悪性貧血;若年性悪性貧血;筋痛性脳炎/ロイヤルフリー病;慢性粘膜皮膚カンジダ症;巨細胞性動脈炎(GCA);原発性硬化性肝炎;原因不明自己免疫性肝炎;後天性免疫不全症候群(AIDS);後天性免疫不全関連病;B型肝炎;C型肝炎;一般的な多様な免疫不全(分類不能型低ガンマグロブリン血症);拡張型心筋症;女性不妊症;卵巣機能不全;未熟卵巣機能不全;線維性肺疾患;原因不明線維性肺胞炎;炎症後間質性肺疾患;間質性肺炎;結合組織病関連間質性肺疾患;混合性結合組織病関連肺疾患;全身性硬化症関連間質性肺疾患;関節リウマチ関連間質性肺疾患;全身性紅斑性狼瘡関連肺疾患;皮膚筋炎/多発性筋炎関連肺疾患;シェーグレン病関連肺疾患;強直性脊椎炎関肺疾患;血管炎性びまん性肺疾患;ヘモジデリン沈着症関連肺疾患;薬物誘発性間質性肺疾患;繊維症;放射線線維症;閉塞性細気管支炎;慢性好酸球性肺炎;リンパ性浸潤性肺疾患;感染後間質性肺疾患;痛風性関節炎;自己免疫性肝炎;1型自己免疫性肝炎(古典的自己免疫性またはルポイド肝炎);2型自己免疫性肝炎(抗LKM抗体肝炎);自己免疫媒介性低血糖;黒色表皮腫を伴うB型インスリン抵抗性;副甲状腺機能低下症;変形性関節症;原発性硬化性胆管炎;1型乾癬;2型乾癬;特発性白血球減少症;自己免疫性好中球減少症;腎疾患NOS;糸球体腎炎(glomerulonephritides);腎臓の顕微鏡的血管炎;ライム病;円板状エリテマトーデス;特発性男性不妊症;一酸化窒素関連男性不妊症;精子自己免疫性;多発性硬化症(原発進行性の、続発進行性の、再発寛解型を含めたすべてのサブタイプ);交感性眼炎;結合組織病に続発する肺高血圧症;グッドパスチャー症候群;結節性多発性動脈炎の肺の徴候;急性リウマチ熱;リウマチ性脊椎炎;スチル病;全身性硬化症;シェーグレン症候群;高安病/動脈炎;自己免疫性血小板減少症(AITP);特発性血小板減少症;自己免疫性甲状腺疾患;甲状腺機能亢進症;甲状腺腫性自己免疫性甲状腺機能低下症(橋本病);萎縮性自己免疫性甲状腺機能低下症;原発性粘液水腫;水晶体起因性ブドウ膜炎;原発性血管脈管炎;白斑;急性肝疾患;慢性肝疾患;アルコール性硬変;アルコール誘発性肝臓傷害;胆汁うっ滞;特異体質肝臓疾患;薬物誘発性肝炎;非アルコール性脂肪性肝炎;アレルギー;B群連鎖球菌(GBS)感染;精神病(例えば、鬱病および統合失調症);Th2型およびTh1型媒介性疾患;急性および慢性疼痛(種々の形態の疼痛);癌(例えば、肺、乳房、胃、膀胱、結腸、膵臓、卵巣、前立腺および直腸癌);造血器悪性腫瘍;白血病;リンパ腫;無βリポタンパク質血症;先端チアノーゼ;急性および慢性寄生虫または感染過程;急性白血病;急性リンパ芽球性白血病(ALL);T細胞ALL;FAB ALL;急性骨髄性白血病(AML);急性または慢性細菌感染;急性膵炎;急性腎不全;腺癌;心房性異所性拍動;AIDS痴呆合併症;アルコール誘発性肝炎;アレルギー性結膜炎;アレルギー性接触皮膚炎;アレルギー性鼻炎;同種移植片拒絶;α1−アンチトリプシン欠乏症;筋萎縮性側索硬化症;貧血;狭心症;前角細胞変性;抗CD3治療;抗リン脂質症候群;抗受容体過敏症反応;大動脈および末梢動脈瘤;大動脈解離;動脈性高血圧症;動脈硬化症;動静脈の瘻孔;運動失調;心房細動(持続性または発作性);心房粗動;房室ブロック;B細胞リンパ腫;骨移植片拒絶;骨髄移植(BMT)拒絶;脚ブロック;バーキットリンパ腫;火傷;心不整脈;心機能不全症候群;心臓腫瘍;心筋症;心肺バイパス炎症反応;軟骨移植拒絶;小脳皮質変性;小脳障害;無秩序または多源性心房性頻脈;化学療法関連障害;慢性骨髄性白血病(CML);慢性アルコール依存症;慢性感染性炎症性病態;慢性リンパ性白血病(CLL);慢性閉塞性肺疾患(COPD);慢性サリチル酸中毒;結腸直腸癌腫;鬱血性心不全;結膜炎;接触皮膚炎;胚性心;冠動脈疾患;クロイツフェルト・ヤコブ病;培養陰性敗血症;嚢胞性繊維症;サイトカイン治療関連障害;ボクサー痴呆;脱髄疾患;デング出血熱発熱;皮膚炎;皮膚科学的状態;糖尿病;糖尿病性動脈硬化性疾患;びまん性レビー小体病;拡張型うっ血性心筋症;大脳基底核の障害;中年におけるダウン症候群;CNSドーパミン受容体を遮断する薬物によって誘発される薬物誘発性運動障害;薬物感受性;湿疹;脳脊髄炎;心内膜炎;内分泌疾患;喉頭蓋炎;エプスタイン−バーウイルス感染;紅痛症;錐体外路および小脳の障害;家族性血球貪食性リンパ組織球症;胎児胸腺インプラント拒絶;フリードライヒ失調症;機能性末梢動脈性障害;真菌敗血症;ガス壊疽;胃潰瘍;糸球体腎炎;任意の器官または組織の移植片拒絶;グラム陰性敗血症;グラム陽性敗血症;細胞内生物による肉芽腫;ヘアリー細胞白血病;ハラーホルデン・スパッツ疾患;橋本甲状腺炎;枯草熱;心臓移植拒絶;ヘモクロマトーシス;血液透析;溶血性尿毒症症候群/血栓溶解性血小板減少性紫斑病;出血;A型肝炎;ヒス束不整脈;HIV感染/HIV神経障害;ホジキン病;過剰運動性運動障害;過敏症反応;過敏性間質性肺炎;高血圧症;運動不足性運動障害;視床下部−下垂体−副腎皮質系評価;特発性アジソン病;特発性肺繊維症(IPF);抗体媒介性細胞毒性;無力症;乳児脊髄性筋萎縮症;大動脈の炎症;インフルエンザ;イオン化放射線曝露;虹彩毛様体炎/ブドウ膜炎/視神経炎;虚血−再潅流傷害;虚血性卒中;若年性関節リウマチ;若年性脊髄性筋萎縮症;カポジ肉腫;腎臓移植拒絶;レジオネラ;リーシュマニア症;らい病;皮質脊髄系の病変;脂肪性浮腫;肝臓移植拒絶;リンパ浮腫;マラリア;悪性リンパ腫;悪性の組織球増殖症;悪性黒色腫;髄膜炎;髄膜炎菌血症;メタボリックシンドローム片頭痛;特発性片頭痛;ミトコンドリア性多系統障害;混合性結合組織病;モノクローナル高ガンマグロブリン血症;多発性骨髄腫;多系統変性症(Menzel;デジェリーヌ・トーマス;シャイ・ドレーガー;およびマシャド・ジョセフ);重症筋無力症;マイコバクテリウム・アビウム・イントラセルラーレ;マイコバクテリア結核;骨髄異形成症候群;心筋梗塞;心筋虚血障害;鼻咽頭癌腫;新生児慢性肺疾患;腎炎;ネフローゼ;神経変性性疾患;神経発生性I筋萎縮症;好中球減少性発熱;非ホジキンリンパ腫;腹部大動脈およびその枝分かれの閉塞;閉塞性動脈性障害;OKT3(登録商標)治療;精巣炎/精巣上体炎;精巣炎/精管復元術手順;臓器肥大;骨粗鬆症;膵臓移植拒絶;膵臓癌腫;悪性の腫瘍随伴症候群/高カルシウム血症;副甲状腺移植拒絶;骨盤炎症性疾患;多年生鼻炎;心膜疾患;末梢アテローム硬化性疾患;末梢血管障害;腹膜炎;悪性貧血;ニューモシスチス・カリニ肺炎;肺炎;POEMS症候群(多発ニューロパチー、臓器肥大、内分泌疾患、モノクローナル高ガンマグロブリン血症および皮膚変化症候群);灌流後症候群;ポンプ後症候群;MI開心術後症候群;子癇前症;進行性の核上性麻痺;原発性肺高血圧症;放射線療法;レイノー現象;レイノー病;レフサム病;規則的狭QRS頻脈;腎血管性高血圧症;再潅流傷害;拘束型心筋症;肉腫;老人性舞踏病;レビー小体型老年痴呆;血清反応陰性関節症;ショック;鎌形赤血球貧血;皮膚同種移植片拒絶;皮膚変化症候群;小腸移植拒絶;固形腫瘍;特定の不整脈;脊髄運動失調;脊髄小脳変性症;連鎖球菌性筋炎;小脳の構造的病変;亜急性硬化性全脳炎;失神;心血管系の梅毒;全身性アナフィラキシー;全身性炎症反応症候群;全身型若年性関節リウマチ;毛細血管拡張症;閉塞性血栓血管炎;血小板減少症;毒性;移植;外傷/出血;III型過敏性反応;IV型過敏性;不安定狭心症;尿毒症;尿路性敗血症;じんま疹;弁膜症性心疾患;静脈瘤;脈管炎;静脈性疾患;静脈血栓症;心室細動;ウイルスおよび心筋感染;ウイルス性脳炎/無菌性髄膜炎;ウイルス関連血球貪食性症候群;ウェルニッケ・コルサコフ症候群;ウィルソン病;任意の臓器または組織の異種移植片拒絶;急性冠動脈症候群;急性特発性多発神経炎;急性炎症性脱髄性多発ニューロパチー;急性虚血;成人スチル病;円形脱毛症;アナフィラキシー;抗リン脂質抗体症候群;再生不良性貧血;動脈硬化症;アトピー性湿疹;アトピー性皮膚炎;自己免疫性皮膚炎;連鎖球菌感染と関係する自己免疫性障害;自己免疫性腸疾患;自己免疫性難聴;自己免疫性リンパ球増殖性症候群(ALPS);自己免疫性心筋炎;自己免疫性未熟卵巣機能不全;眼瞼炎;気管支拡張症;水疱性類天疱瘡;心血管疾患;破局的抗リン脂質症候群;セリアック病;頸椎症;慢性虚血;瘢痕性類天疱瘡;多発性硬化症のリスクを有する臨床分離症候群(CIS);結膜炎;小児型精神障害;涙嚢炎;皮膚筋炎;糖尿病性網膜症;椎間板ヘルニア;椎間板逸脱症;薬物誘発性免疫溶血性貧血;心内膜炎;子宮内膜症;眼内炎;上強膜炎;多形性紅斑;重症多形性紅斑;妊娠性類天疱瘡;ギラン・バレー症候群(GBS);枯草熱;ヒューズ症候群;特発性パーキンソン病;特発性間質性肺炎;IgE−媒介性アレルギー;免疫溶血性貧血;封入体筋炎;感染性眼炎症性疾患;炎症性脱髄疾患;炎症性心疾患;炎症性腎臓病;虹彩炎;角膜炎;乾性角結膜炎;クスマウル病またはクスマウル−マイヤー病;ランドリー麻痺;ランゲルハンス細胞組織球増殖症;網状皮斑;黄斑変性症;顕微鏡的多発血管炎;ベテレフ病;運動ニューロン障害;粘膜類天疱瘡;多臓器不全;重症筋無力症;骨髄異形成症候群;心筋炎;神経根障害;神経障害;非A非B肝炎;視神経炎;骨溶解症;少関節型JRA;末梢動脈閉塞性疾患(PAOD);末梢血管疾患(PVD);末梢動脈;疾患(PAD);静脈炎;結節性多発性動脈炎(または結節性動脈周囲炎);多発性軟骨炎;リウマチ性多発性筋痛;白毛;多関節型JRA;ポリエンドクリン欠乏症候群;多発性筋炎;リウマチ性多発性筋痛(PMR);ポンプ後症候群;原発性パーキンソニズム;続発性パーキンソニズム;前立腺炎;赤芽球ろう;原発性副腎不全症;再発性視神経脊髄炎;再狭窄;リウマチ性心疾患;SAPHO(滑
膜炎、ざ瘡、膿疱症、骨増殖症および骨炎);続発性アミロイドーシス;ショック肺;強膜炎;坐骨神経痛;続発性副腎不全症;シリコーン関連結合組織病;スネドン−ウィルキンソン皮膚疾患;強直性脊椎炎;スチーブンス・ジョンソン症候群(SJS);全身炎症反応症候群;側頭動脈炎;トキソプラズマ網膜炎;中毒性表皮壊死症;横断性脊髄炎;TRAPS(腫瘍壊死因子受容体1型(TNFR)関連周期性症候群);黒色表皮腫を伴うB型インスリン抵抗性;1型アレルギー反応;II型糖尿病;じんま疹;通常型間質性肺炎(UIP);春季カタル;ウイルス性網膜炎;フォークト・小柳・原田症候群(VKH症候群);滲出型黄斑変性;創傷治癒;エルシニアおよびサルモネラ菌属関連関節症が挙げられる。
【0345】
本発明の結合タンパク質は、自己免疫疾患、特に、炎症、関節リウマチ(RA)、変形性関節症、乾癬、多発性硬化症(MS)およびその他の自己免疫疾患と関連するものを患うヒトを治療するために使用され得る。
【0346】
本発明の抗体または抗体部分はまた、自己免疫および炎症性疾患の治療において有用な、1種または複数のさらなる治療薬とともに投与され得る。
【0347】
一実施形態では、本発明の組成物および方法を用いて治療または診断され得る疾患として、それだけには限らないが、乳房、結腸、直腸、肺、中咽頭、下咽頭、食道、胃、膵臓、肝臓、胆嚢および胆管、小腸、尿路(腎臓、膀胱および尿路上皮を含む)、女性生殖器(子宮頸部、子宮および卵巣ならびに絨毛癌および妊娠性絨毛性疾患を含む)、男性生殖器(前立腺、精嚢、精巣および生殖細胞腫瘍を含む)、内分泌線(甲状腺、副腎および脳下垂体を含む)および皮膚の癌腫ならびに血管腫、黒色腫、肉腫(骨および軟組織に由来するものならびにカポジ肉腫を含む)、脳、神経、眼部および髄膜の腫瘍(星状細胞腫、神経膠腫、膠芽腫、網膜芽細胞腫、神経腫、神経芽腫、シュワン腫および髄膜腫を含む)、白血病およびリンパ腫(ホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫の両方)などの造血悪性腫瘍由来の固形腫瘍含めた原発性癌および転移性癌が挙げられる。
【0348】
別の実施形態では、本発明の抗体またはその抗原結合部分は、癌を治療するために、または腫瘍からの転移の防止において使用される。このような治療は、抗体またはその抗原結合部分の、単独での、または別の治療薬もしくは治療、例えば、放射線療法および/または化学療法薬と組み合わせた投与を含み得る。
【0349】
本発明の抗体またはその抗原結合部分は、それだけには限らないが、抗悪性腫瘍薬、放射線療法、DNAアルキル化剤、シスプラチン、カルボプラチン、抗チューブリン剤、パクリタキセル、ドセタキセル、タキソール、ドキソルビシン、ゲムシタビン、ジェムザール、アントラサイクリン、アドリアマイシン、トポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、5−フルオロウラシル(5−FU)、ロイコボリン、イリノテカン、受容体チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、エルロチニブ、ゲフィチニブ)、COX−2阻害剤(例えば、セレコキシブ)、キナーゼ阻害剤およびsiRNAなどの化学療法を含む薬剤と組み合わされ得る。
【0350】
本発明の結合タンパク質はまた、種々の疾患の治療において有用な1種または複数のさらなる治療薬とともに投与され得る。
【0351】
本発明の抗体またはその抗原結合部分は、このような疾患を治療するために単独で、または組み合わせて使用され得る。本発明の抗体またはその抗原結合部分は、単独でまたはさらなる薬剤、例えば、治療薬と組み合わせて使用される場合があり、例えば、前記のさらなる薬剤は、その意図される目的のために当業者によって選択されるということは理解されなくてはならない。例えば、さらなる薬剤は、本発明の抗体によって治療されている疾患または状態を治療するのに有用であると技術分野で認識されている治療薬であり得る。さらなる薬剤はまた、治療用組成物に有益な性質を付与する薬剤、例えば、組成物の粘性に影響を及ぼす薬剤であり得る。
【0352】
本発明内に含まれる組合せは、その意図される目的にとって有用な組合せであるということは理解されなければならない。以下に示された薬剤は例示目的であって、制限であるとは意図されない。本発明の一部である組合せは、本発明の抗体および以下の一覧から選択される少なくとも1種のさらなる薬剤であり得る。組合せはまた、形成された組成物がその意図される機能を遂行し得るようなものであれば、2種以上のさらなる薬剤、例えば、2種または3種のさらなる薬剤を含み得る。
【0353】
好ましい組合せとして、イブプロフェンのような薬物を含む、NSAIDSとも呼ばれる非ステロイド系抗炎症薬(複数可)がある。その他の好ましい組合せとして、プレドニゾロンを始めとする副腎皮質ステロイドがある;ステロイド使用の周知の副作用は、本発明の抗IL−1β抗体と組み合わせて患者を治療する場合には、必要なステロイド用量を漸減することによって低減されるか、さらには排除され得る。本発明の抗体または抗体部分が組み合わせられ得る、関節リウマチのための治療薬の限定されない例として、それだけには限らないが、以下が挙げられ得る:サイトカイン抑制性抗炎症薬(複数可)(CSAID);その他のヒトサイトカインまたは増殖因子に対する抗体またはアンタゴニスト、例えば、TNF、LT、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−15、IL−16、IL−18、IL−21、インターフェロン、EMAP−II、GM−CSF、FGFおよびPDGF。本発明の抗体またはその抗原結合部分は、CD2、CD3、CD4、CD8、CD25、CD28、CD30、CD40、CD45、CD69、CD80(B7.1)、CD86(B7.2)、CD90、CTLAなどの細胞表面分子またはCD154(gp39またはCD40L)を始めとするそのリガンドに対する抗体と組み合わせられ得る。
【0354】
治療薬の好ましい組合せは、自己免疫およびその後の炎症カスケードにおける異なる点で干渉し得る;好ましい例として、キメラ、ヒト化またはヒトTNF抗体のようなTNFアンタゴニスト、D2E7、(PCT公開番号WO97/29131)、CA2(レミケード(商標))、CDP571および可溶性p55またはp75TNF受容体、その誘導体(p75TNFR1gG(エンブレル(Enbrel)(商標)またはp55TNFR1gG(レネルセプト)およびまたTNFα変換酵素(TACE)阻害剤が挙げられる。同様に、IL−1阻害剤(インターロイキン−1−変換酵素阻害剤、IL−1RAなど)が同じ理由で有効であり得る。その他の好ましい組合せとして、インターロイキン11が挙げられる。さらに別の好ましい組合せは、IL−1β機能と平行して、それに依存して、またはそれと呼応して作用し得る自己免疫応答のその他のキープレーヤーである。さらに別の好ましい組合せとして、非枯渇性抗CD4阻害剤がある。さらにその他の好ましい組合せとして、抗体、可溶性受容体または拮抗性リガンドを含めた、同時刺激経路CD80(B7.1)またはCD86(B7.2)のアンタゴニストが挙げられる。
【0355】
本発明の抗体またはその抗原結合部分はまた、メトトレキサート、6−MP、アザチオプリンスルファサラジン、メサラジン、オルサラジンクロロキニン/ヒドロキシクロロキン、ペニシラミン(pencillamine)、金チオリンゴ酸(筋肉内および経口)、アザチオプリン、コルヒチン、コルチコステロイド(経口、吸入および局所注射)、β−2アドレナリン受容体アゴニスト(サルブタモール、テルブタリン、サルメテラール(salmeteral))、キサンチン(テオフィリン、アミノフィリン)、クロモグリク酸、ネドクロミル、ケトチフェン、イプラトロピウムおよびオキシトロピウム、シクロスポリン、FK506、ラパマイシン、ミコフェノール酸モフェチル、レフルノミド、NSAID、例えば、イブプロフェン、プレドニゾロンなどのコルチコステロイド、ホスホジエステラーゼ阻害剤、アデノシンアゴニスト、抗血栓薬、補体阻害剤、アドレナリン作動薬、TNFαまたはIL−1(例えば、IRAK、NIK、IKK、p38またはMAPキナーゼ阻害剤)などの炎症性サイトカインによるシグナル伝達を干渉する薬剤、IL−1β変換酵素阻害剤、TNFα変換酵素(TACE)阻害剤、T−細胞シグナル伝達阻害剤、例えば、キナーゼ阻害剤、メタロプロテイナーゼ阻害剤、スルファサラジン、アザチオプリン、6−メルカプトプリン、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、可溶性サイトカイン受容体およびその誘導体(例えば、可溶性p55またはp75TNF受容体および誘導体p75TNFRIgG(Enbrel(商標))およびp55TNFRIgG(レネルセプト)、sIL−1RI、sIL−1RII、sIL−6R)、抗炎症性サイトカイン(例えば、IL−4、IL−10、IL−11、IL−13およびTGFβ)、セレコキシブ、葉酸、硫酸ヒドロキシクロロキン、ロフェコキシブ、エタネルセプト、インフリキシマブ、ナプロキセン、バルデコキシブ、スルファサラジン、メチルプレドニゾロン、メロキシカム、酢酸メチルプレドニゾロン、金チオリンゴ酸ナトリウム、アスピリン、トリアムシノロンアセトニド、ナプシル酸プロポキシフェン/アパップ、葉酸、ナブメトン、ジクロフェナク、ピロキシカム、エトドラック、ジクロフェナクナトリウム、オキサプロジン、オキシコドンhcl、酒石酸水素ヒドロコドン/アパップ、ジクロフェナクナトリウム/ミソプロストール、フェンタニル、アナキンラ、ヒト組換え型、トラマドールhcl、サルサレート、スリンダック、シアノコバラミン/fa/ピリドキシン、アセトアミノフェン、アレンドロネートナトリウム、プレドニゾロン、硫酸モルヒネ、塩酸リドカイン、インドメタシン、グルコサミンsulf/コンドロイチン、アミトリプチリンHCl、スルファジアジン、オキシコドンHCl/アセトアミノフェン、オロパタジンhcl、ミソプロストール、ナプロキセンナトリウム、オメプラゾール、シクロホスファミド、リツキシマブ、IL−1 TRAP、MRA、CTLA4−IG、IL−18 BP、抗IL−18、抗IL15、BIRB−796、SCIO−469、VX−702、AMG−548、VX−740、ロフルミラスト、IC−485、CDC−801およびメソプラムなどの薬剤と組み合わされ得る。好ましい組合せとして、メトトレキサートまたはレフルノミドおよび中程度または重篤な関節リウマチの場合には、シクロスポリンが挙げられる。
【0356】
関節リウマチ(RA)を治療するために結合タンパク質と組み合わせて使用され得る、限定されないさらなる薬剤として、それだけには限らないが、以下が挙げられる:非ステロイド系抗炎症薬(複数可)(NSAID);サイトカイン抑制性抗炎症薬(複数可)(CSAID);CDP−571/BAY−10−3356(ヒト化抗TNFα抗体;Celltech/Bayer);cA2/インフリキシマブ(キメラ抗TNFα抗体;Centocor);75kdTNFR−IgG/エタネルセプト(75kD TNF受容体−IgG融合タンパク質;Immunex;例えば、Morelandら(要約書第813号)、Arthritis Rheum.、37:S295(1994年);Baumgartnerら、J.Invest.Med.、44(3):235A(1996年3月)参照のこと;55kdTNF−IgG(55kD TNF受容体−IgG融合タンパク質;Hoffmann−LaRoche);IDEC−CE9.1/SB 210396(非枯渇性霊長類化抗CD4抗体;IDEC/SmithKline;例えば、Kaineら(要約書第195号)、Arthritis Rheum.、38:S185(1995年)参照のこと);DAB 486−IL−2および/またはDAB 389−IL−2(IL−2融合タンパク質;Seragen;例えば、Sewellら、Arthritis Rheum.、36(9):1223−1233頁(1993年9月)参照のこと);抗Tac(ヒト化抗IL−2Rα;Protein Design Labs/Roche);IL−4(抗炎症性サイトカイン;DNAX/Schering);IL−10(SCH 52000;組換えIL−10、抗炎症性サイトカイン;DNAX/Schering);IL−4;IL−10および/またはIL−4アゴニスト(例えば、アゴニスト抗体);IL−1RA(IL−1受容体アンタゴニスト;Synergen/Amgen);アナキンラ(Kineret(登録商標)/Amgen);TNF−bp/s−TNF(可溶性TNF結合タンパク質;例えば、Evansら(要約書第1540号)、Arthritis Rheum.,39(9)(付録):S284(1996年));Kapadiaら、Amer.J.Physiol.−Heart and Circulatory Physiology、268:H517−H525(1995年)参照のこと);RP73401(ホスホジエステラーゼIV型阻害薬;例えば、Chikanzaら(要約書第1527号)、Arthritis Rheum.、39(9)(付録):S282(1996年)参照のこと);MK−966(COX−2阻害薬;例えば、Erichら(要約書第328号および同329号)、Arthritis Rheum.、39(9)(付録):S81(1996年)参照のこと);イロプロスト(例えば、Scholz,P.(要約書第336号)、Arthritis Rheum.、39(9)(付録):S82(1996年)参照のこと);メトトレキサート;サリドマイド(例えば、Leeら(要約書第1524号)、Arthritis Rheum.、39(9)(付録):S282(1996年)参照のこと)およびサリドマイド関連薬(例えば、セルジェン(Celgen));レフルノミド(抗炎症性およびサイトカイン阻害薬;例えば、Finneganら(要約書第627号)、Arthritis Rheum.、39(9)(付録):S131(1996年));Thossら、Inflamm.Res.、45:103−107頁(1996年)参照のこと);トラネキサム酸(プラスミノゲン活性化の阻害薬;例えば、Rondayら(要約書第1541号)、Arthritis Rheum.、39(9)(付録):S284(1996年)参照のこと);T−614(サイトカイン阻害薬;例えば、Haraら(要約書第1526号)、Arthritis Rheum.、39(9)(付録):S282(1996年)参照のこと);プロスタグランジンE1(例えば、Moriuchiら(要約書第1528号)、Arthritis Rheum.、39(9)(付録):S282(1996年)参照のこと);テニダップ(非ステロイド系抗炎症薬;例えば、Guttadauria,M.(要約書第1516号)、Arthritis Rheum.、39(9)(付録):S280(1996年)参照のこと);ナプロキセン(非ステロイド系抗炎症薬;例えば、Fiebichら、Neuro Report、7:1209−1213頁(1996年)参照のこと);メロキシカム(非ステロイド系抗炎症薬);イブプロフェン(非ステロイド系抗炎症薬);ピロキシカム(非ステロイド系抗炎症薬);ジクロフェナク(非ステロイド系抗炎症薬);インドメタシン(非ステロイド系抗炎症薬);スルファサラジン(例えば、Farrら(要約書第1519号)、Arthritis Rheum.、39(9)(付録):S281(1996年)参照のこと);アザチオプリン(例えば、Hickeyら(要約書第1521号)、Arthritis Rheum.、39(9)(付録):S281(1996年)参照のこと);ICE阻害薬(酵素インターロイキン−1β変換酵素の阻害剤);zap−70および/またはlck阻害剤(チロシンキナーゼzap−70またはlckの阻害剤);VEGF阻害剤および/またはVEGF−R阻害剤(血管内皮細胞増殖因子または血管内皮細胞増殖因子受容体の阻害剤;血管新生の阻害剤);コルチコステロイド抗炎症薬(例えば、SB203580);TNF−変換酵素阻害剤;抗IL−12抗体;抗IL−18抗体;インターロイキン−11(例えば、Keith Jr.ら(要約書第1613号)、Arthritis Rheum.、39(9)(付録):S296(1996年)参照のこと);インターロイキン−13(例えば、Bessisら(要約書第1681号)、Arthritis Rheum.、39(9)(付録):S308(1996年)参照のこと);インターロイキン−17阻害剤(例えば、Lotzら(要約書第559号)、Arthritis Rheum.、39(9)(付録):S120(1996年)参照のこと);金;ペニシラミン;クロロキン;クロラムブシル;ヒドロキシクロロキン;シクロスポリン;シクロホスファミド;全身リンパ節照射;抗胸腺細胞グロブリン;抗CD4抗体;CD5−毒素;経口投与ペプチドおよびコラーゲン;ロベンザリット二ナトリウム;サイトカイン調節剤(CRA)HP228およびHP466(Houghten Pharmaceuticals,Inc.);ICAM−1アンチセンスホスホロチオエートオリゴデオキシヌクレオチド(ISIS 2302;Isis Pharmaceuticals,Inc.);可溶性補体レセプター1(TP10;T Cell Sciences,Inc.);プレドニゾン;オルゴテイン;グリコサミノグリカンポリスルフェート;ミノサイクリン;抗IL2R抗体;海産脂質および植物脂質(魚類および植物種子脂肪酸;例えば、DeLucaら、Rheum.Dis.Clin.North Am.、21:759−777頁(1995年)参照のこと);オーラノフィン;フェニールブタゾン;メクロフェナム酸;フルフェナム酸;静脈内免疫グロブリン;ジレウトン;アザリビン;ミコフェノール酸(RS−61443);タクロリムス(FK−506);シロリムス(ラパマイシン);アミプリロース(テラフェクチン);クラドリビン(2−クロロデオキシアデノシン);メトトレキサート;bcl−2阻害剤(Brunckoら、J.Med.Chem.、50(4)、641−662頁(2007年)参照のこと);抗ウイルスおよび免疫調節剤。
【0357】
一実施形態では、結合タンパク質またはその抗原−結合部分は、関節リウマチ(RA)の治療のために以下の薬剤のうち1種と組み合わせて投与される:KDRの小分子阻害剤、Tie−2の小分子阻害剤;メトトレキサート;プレドニゾン;セレコキシブ;葉酸;硫酸ヒドロキシクロロキン;ロフェコキシブ;エタネルセプト;インフリキシマブ;レフルノミド;ナプロキセン;バルデコキシブ;スルファサラジン;メチルプレドニゾロン;イブプロフェン;メロキシカム;酢酸メチルプレドニゾロン;金チオリンゴ酸ナトリウム;アスピリン;アザチオプリン;トリアムシノロンアセトニド;ナプシル酸プロポキシフェン/apap;葉酸;ナブメトン;ジクロフェナク;ピロキシカム;エトドラック;ジクロフェナクナトリウム;オキサプロジン;オキシコドンhcl;酒石酸水素ヒドロコドン/apap;ジクロフェナクナトリウム/ミソプロストール;フェンタニル;アナキンラ、ヒト組換え型;トラマドールhcl;サルサレート;スリンダック;シアノコバラミン/fa/ピリドキシン;アセトアミノフェン;アレンドロネートナトリウム;プレドニゾロン;硫酸モルヒネ;塩酸リドカイン;インドメタシン;硫酸グルコサミン/コンドロイチン;シクロスポリン;アミトリプチリンhcl;スルファジアジン;オキシコドンhcl/アセトアミノフェン;オロパタジンhcl;ミソプロストール;ナプロキセンナトリウム;オメプラゾール;ミコフェノール酸モフェチル;シクロホスファミド;リツキシマブ;IL−1 TRAP;MRA;CTLA4−IG;IL−18 BP;IL−12/23;抗IL18;抗IL15;BIRB−796;SCIO−469;VX−702;AMG−548;VX−740;ロフルミラスト;IC−485;CDC−801;およびメソプラム。
【0358】
本発明の結合タンパク質が組み合わされ得る、炎症性腸疾患のための治療薬の限定されない例として以下が挙げられる:ブデノシド;上皮成長因子;コルチコステロイド;シクロスポリン、スルファサラジン;アミノサリチラート;6−メルカプトプリン;アザチオプリン;メトロニダゾール;リポキシゲナーゼ阻害剤;メサラミン;オルサラジン;バルサラジド;抗酸化剤;トロンボキサン阻害剤;IL−1受容体アンタゴニスト;抗IL−1βmAb;抗IL−6mAb;増殖因子;エラスターゼ阻害剤;ピリジニル−イミダゾール化合物;その他のヒトサイトカインまたは増殖因子に対する抗体またはアンタゴニスト、例えば、TNF、LT、IL−1、IL−2、IL−6、IL−7、IL−8、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18、EMAP−II、GM−CSF、FGFおよびPDGF。本発明の抗体またはその抗原結合部分は、CD2、CD3、CD4、CD8、CD25、CD28、CD30、CD40、CD45、CD69、CD90などの細胞表面分子またはそのリガンドに対する抗体。本発明の抗体またはその抗原結合部分はまた、メトトレキサート、シクロスポリン、FK506、ラパマイシン、ミコフェノール酸モフェチル、レフルノミド、NSAID、例えば、イブプロフェン、プレドニゾロンなどの副腎皮質ステロイド、ホスホジエステラーゼ阻害剤、アデノシンアゴニスト、抗血栓剤、補体阻害剤、アドレナリン作動性薬剤、TNFαまたはIL−1(例えば、IRAK、NIK、IKK、p38またはMAPキナーゼ阻害剤)などの炎症誘発性サイトカインによってシグナル伝達を干渉する薬剤、IL−1β変換酵素阻害剤、TNFα変換酵素阻害剤、キナーゼ阻害剤などのT細胞シグナル伝達阻害剤、メタロプロテイナーゼ阻害剤、スルファサラジン、アザチオプリン、6−メルカプトプリン、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、可溶性サイトカイン受容体およびその誘導体(例えば、可溶性p55またはp75TNF受容体、sIL−1RI、sIL−1RII、sIL−6R)および抗炎症性サイトカイン(例えば、IL−4、IL−10、IL−11、IL−13およびTGFβ)およびbcl−2阻害剤などの薬剤と組み合わされ得る。
【0359】
結合タンパク質と組み合わされ得るクローン病の治療薬の例として、以下が挙げられる:TNFアンタゴニスト、例えば、抗TNF抗体、アダリムマブ(PCT公開番号WO97/29131;HUMIRA(登録商標))、CA2(REMICADE(登録商標))、CDP571、TNFR−Ig構築物(p75TNFRIgG(エンブレル(登録商標))およびp55TNFRIgG(レネルセプト(商標)))阻害剤およびPDE4阻害剤。本発明の抗体またはその抗原結合部分は、副腎皮質ステロイド、例えば、ブデノシドおよびデキサメタゾンと組み合わされ得る。本発明の結合タンパク質またはその抗原結合部分はまた、スルファサラジン、5−アミノサリチル酸およびオルサラジンなどの薬剤およびIL−1などの炎症誘発性サイトカインの合成または作用を干渉する薬剤、例えば、IL−1変換酵素阻害剤およびIL−1raと組み合わされ得る。本発明の抗体またはその抗原結合部分はまた、T細胞シグナル伝達阻害剤、例えば、チロシンキナーゼ阻害剤6−メルカプトプリンとともに使用され得る。本発明の結合タンパク質またはその抗原結合部分は、IL−11と組み合わされ得る。本発明の結合タンパク質またはその抗原結合部分は、メサラミン、プレドニゾン、アザチオプリン、メルカプトプリン、インフリキシマブ、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム、ジフェノキシラート/硫酸アトロピン、塩酸ロペラミド、メトトレキサート、オメプラゾール、葉酸、シプロフロキサシン/デキストロース−水、酒石酸水素ヒドロコドン/アパップ、塩酸テトラサイクリン、フルオシノニド、メトロニダゾール、チメロサール/ホウ酸、コレスチラミン/スクロース、塩酸シプロフロキサシン、硫酸ヒヨスチアミン、塩酸メペリジン、塩酸ミダゾラム、オキシコドンhcl/アセトアミノフェン、塩酸プロメタジン、リン酸ナトリウム、スルファメトキサゾール/トリメトプリム、セレコキシブ、ポリカルボフィル、ナプシル酸プロポキシフェン、ヒドロコルチゾン、マルチビタミン、バルサラジド二ナトリウム、リン酸コデイン/アパップ、コレスベラムhcl、シアノコバラミン、葉酸、レボフロキサシン、メチルプレドニゾロン、ナタリズマブおよびインターフェロン−ガンマと組み合わされ得る。
【0360】
本発明の結合タンパク質が組み合わされ得る多発性硬化症(MS)のための治療薬の限定されない例として、以下が挙げられる:副腎皮質ステロイド;プレドニゾロン;メチルプレドニゾロン;アザチオプリン;シクロホスファミド;シクロスポリン;メトトレキサート;4−アミノピリジン;チザニジン;インターフェロン−β1a(AVONEX;Biogen);インターフェロン−β1b(BETASERON;Chiron/Berlex);インターフェロンα−n3)(Interferon Sciences/Fujimoto)、インターフェロン−α(Alfa Wassermann/J&J)、インターフェロンβ1A−IF(Serono/Inhale Therapeutics)、ペグインターフェロンα2b(Enzon/Schering−Plough)、共重合体1(Cop−1;COPAXONE;Teva Pharmaceutical Industries、Inc.);高圧酸素;静脈内免疫グロブリン;クラブリビン(clabribine);その他のヒトサイトカインまたは増殖因子およびその受容体、例えば、TNF、LT、IL−1、IL−2、IL−6、IL−7、IL−8、IL−23、IL−15、IL−16、IL−18、EMAP−II、GM−CSF、FGFおよびPDGFに対する抗体またはアンタゴニスト。本発明の結合タンパク質は、CD2、CD3、CD4、CD8、CD19、CD20、CD25、CD28、CD30、CD40、CD45、CD69、CD80、CD86、CD90などの細胞表面分子およびそのリガンドに対する抗体と組み合わされ得る。本発明の結合タンパク質はまた、メトトレキサート、シクロスポリン、FK506、ラパマイシン、ミコフェノール酸モフェチル、レフルノミド、NSAIDs、例えば、イブプロフェン、プレドニゾロンなどの副腎皮質ステロイド、ホスホジエステラーゼ阻害剤、アデノシンアゴニスト、抗血栓剤、補体阻害剤、TNFαまたはIL−1(例えば、IRAK、NIK、IKK、p38またはMAPキナーゼ阻害剤)などの炎症誘発性サイトカインによってシグナル伝達を干渉するアドレナリン作動性薬剤、IL−1β変換酵素阻害剤、TACE阻害剤、キナーゼ阻害剤などのT細胞シグナル伝達阻害剤、メタロプロテイナーゼ阻害剤、スルファサラジン、アザチオプリン、6−メルカプトプリン、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、可溶性サイトカイン受容体およびその誘導体(例えば、可溶性p55またはp75 TNF受容体、sIL−1RI、sIL−1RII、sIL−6R)、抗炎症性サイトカイン(例えば、IL−4、IL−10、IL−13およびTGFβ)およびbcl−2阻害剤などの薬剤と組み合わされ得る。
【0361】
本発明の結合タンパク質と組み合わされ得る、多発性硬化症のための治療薬の例として、インターフェロン−β、例えば、IFNβ1aおよびIFNβ1b;コパキソン;副腎皮質ステロイド;カスパーゼ阻害剤、例えば、カスパーゼ−1の阻害剤;IL−1阻害剤;TNF阻害剤;ならびにCD40リガンドおよびCD80に対する抗体が挙げられる。
【0362】
本発明の結合タンパク質はまた、アレムツズマブ、ドロナビノール、ユニメド(Unimed)、ダクリツマブ、ミトキサントロン、塩酸キサリプロデン、ファムプリジン、酢酸グラチラマー、ナタリズマブ、シンンアビドール(sinnabidol)、a−イムノカイン(immunokine)NNSO3、ABR−215062、AnergiX.MS、ケモカイン受容体アンタゴニスト、BBR−2778、カラグアリン(calagualine)、CPI−1189、LEM(リポソームカプセル化ミトキサントロン)、THC.CBD(カンナビノイドアゴニスト)MBP−8298、メソプラム(PDE4阻害薬)、MNA−715、抗IL−6受容体抗体、ニューロバックス(neurovax)、ピルフェニドンアロトラップ(allotrap)1258(RDP−1258)、sTNF−R1、タラムパネル(talampanel)、テリフルノミド(teriflunomide)、TGF−β2、チプリモチド(tiplimotide)、VLA−4アンタゴニスト(例えば、TR−14035、VLA4 Ultrahaler、Antegran−ELAN/Biogen)、インターフェロンγアンタゴニスト、IL−4アゴニストなどの薬剤と組み合わされ得る。
【0363】
本発明の結合タンパク質が組み合わされ得る狭心症の治療薬の限定されない例として、以下が挙げられる:アスピリン、ニトログリセリン、一硝酸イソソルビド、コハク酸メトプロロール、アテノロール、酒石酸メトプロロール、ベシル酸アムロジピン、塩酸ジルチアゼム、二硝酸イソソルビド、重硫酸クロピドグレル、ニフェジピン、アトルバスタチンカルシウム、塩化カリウム、フロセミド、シンバスタチン、ベラパミルhcl、ジゴキシン、塩酸プロプラノロール、カルベジロール、リシノプリル、スピロノラクトン、ヒドロクロロチアジド、マレイン酸エナラプリル、ナドロール、ラミプリル、エノキサパリンナトリウム、ヘパリンナトリウム、バルサルタン、塩酸ソタロール、フェノフィブラート、エゼチミブ、ブメタニド、ロサルタンカリウム、リシノプリル/ヒドロクロロチアジド、フェロジピン、カプトプリルおよびフマル酸ビソプロロール。
【0364】
本発明の結合タンパク質と組み合わされ得る、強直性脊椎炎のための治療薬の限定されない例として、以下が挙げられる:イブプロフェン、ジクロフェナクおよびミソプロストール、ナプロキセン、メロキシカム、インドメタシン、ジクロフェナク、セレコキシブ、ロフェコキシブ、スルファサラジン、メトトレキサート、アザチオプリン、ミノサイクリン、プレドニゾン、エタネルセプト、インフリキシマブ。
【0365】
本発明の結合タンパク質と組み合わされ得る、喘息のための治療薬の限定されない例として、以下が挙げられる:アルブテロール、サルメテロール/フルチカゾン、モンテルカストナトリウム、プロピオン酸フルチカゾン、ブデソニド、プレドニゾン、キシナホ酸サルメテロール、レバルブテロールhcl、硫酸アルブテロール/イプラトロピウム、リン酸プレドニゾロンナトリウム、トリアムシノロンアセトニド、二プロピオン酸ベクロメタゾン、イプラトロピウムブロミド、アジスロマイシン、酢酸ピルブテロール、プレドニゾロン、テオフィリン無水物、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム、クラリスロマイシン、ザフィルルカスト、フマル酸フォルモテロール、インフルエンザウイルスワクチン、メチルプレドニゾロン、アモキシシリン三水和物、フルニソリド、アレルギー注射、クロモリンナトリウム、塩酸フェキソフェナジン、フルニソリド/メントール、アモキシシリン/クラブラン酸、レボフロキサシン、吸入器補助装置、グアイフェネシン、リン酸デキサメタゾンナトリウム、モキシフロキサシンhcl、塩酸ドキシサイクリン、グアイフェネシン/d−メトルファン、p−エフェドリン/cod/クロルフェニル(chlorphenir)、ガチフロキサシン、塩酸セチリシン、フロ酸モメタゾン、キシナホ酸サルメテロール、ベンゾナテート、セファレキシン、pe/ヒドロコドン/クロルフェニル、セチリシンhcl/プソイドエフェド、フェニレフリン/cod/プロメタジン、コデイン/プロメタジン、セフプロジル、デキサメタゾン、グアイフェネシン/プロイドエフェドリン、クロロフェニラミン/ヒドロコドン、ネドクロミルナトリウム、硫酸テルブタリン、エピネフリン、メチルプレドニゾロン、硫酸メタプロテレノール。
【0366】
本発明の結合タンパク質と組み合わされ得る、COPDのための治療薬の限定されない例として、以下が挙げられる:硫酸アルブテロール/イプラトロピウム、イプラトロピウムブロミド、サルメテロール/フルチカゾン、アルブテロール、キシナホ酸サルメテロール、プロピオン酸フルチカゾン、プレドニゾン、テオフィリン無水物、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム、モンテルカストナトリウム、ブデソニド、フマル酸フォルモテロール、トリアムシノロンアセトニド、レボフロキサシン、グアイフェネシン、アジスロマイシン、二プロピオン酸ベクロメタゾン、レバルブテロールhcl、フルニソリド、セフトリアキソンナトリウム、アモキシシリン三水和物、ガチフロキサシン、ザフィルルカスト、アモキシシリン/クラブラン酸、フルニソリド/メントール、クロロフェニラミン/ヒドロコドン、硫酸メタプロテレノール、メチルプレドニゾロン、フロ酸モメタゾン、p−エフェドリン/cod/クロルフェニル(chlorphenir)、酢酸ピルブテロール、p−エフェドリン/ロラタジン、硫酸テルブタリン、チオトロピウムブロミド、(R,R)−フォルモテロール、TgAAT、シロミラスト、ロフルミラスト。
【0367】
本発明の結合タンパク質と組み合わされ得る、HCVのための治療薬の限定されない例として、以下が挙げられる:インターフェロン−α−2a、インターフェロン−α−2b、インターフェロン−αcon1、インターフェロン−α−n1、ペグ化インターフェロン−α−2a、ペグ化インターフェロン−α−2b、リバビリン、Pegインターフェロンα−2b+リバビリン、ウルソデオキシコール酸、グリチルリチン酸、チマルファシン、マキサミン(Maxamine)、VX−497および以下の標的:HCVポリメラーゼ、HCVプロテアーゼ、HCVヘリカーゼ、HCV IRES(内部リボソーム侵入部位)の干渉によってHCVを治療するために使用される任意の化合物。
【0368】
本発明の結合タンパク質と組み合わされ得る、特発性肺繊維症のための治療薬の限定されない例として、以下が挙げられる:プレドニゾン、アザチオプリン、アルブテロール、コルヒチン、硫酸アルブテロール、ジゴキシン、γインターフェロン、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム、ロラゼパム、フロセミド、リシノプリル、ニトログリセリン、スピロノラクトン、シクロホスファミド、イプラトロピウムブロミド、アクチノマイシンd、アルテプラーゼ、プロピオン酸フルチカゾン、レボフロキサシン、硫酸メタプロテレノール、硫酸モルヒネ、オキシコドンhcl、塩化カリウム、トリアムシノロンアセトニド、タクロリムス無水物、カルシウム、インターフェロン−α、メトトレキサート、ミコフェノール酸モフェチル、インターフェロン−γ−1β。
【0369】
本発明の結合タンパク質と組み合わされ得る、心筋梗塞のための治療薬の限定されない例として、以下が挙げられる:アスピリン、ニトログリセリン、酒石酸メトプロロール、エノキサパリンナトリウム、ヘパリンナトリウム、重硫酸クロピドグレル、カルベジロール、アテノロール、硫酸モルヒネ、コハク酸メトプロロール、ワルファリンナトリウム、リシノプリル、一硝酸イソソルビド、ジゴキシン、フロセミド、シンバスタチン、ラミプリル、テネクテプラーゼ、マレイン酸エナラプリル、トルセミド、レタバーゼ(retavase)、ロサルタンカリウム、キナプリルhcl/炭酸マグネシウム、ブメタニド、アルテプラーゼ、エナラプリラート、塩酸アミオダロン、チロフィバンhcl一水和物、塩酸ジルチアゼム、カプトプリル、イルベサルタン、バルサルタン、塩酸プロプラノロール、ホシノプリルナトリウム、塩酸リドカイン、エプチフィバチド、セファゾリンナトリウム、硫酸アトロピン、アミノカプロン酸、スピロノラクトン、インターフェロン、塩酸ソタロール、塩化カリウム、ドキュセートナトリウム、ドブタミンhcl、アルプラゾラム、プラバスタチンナトリウム、アトルバスタチンカルシウム、塩酸ミダゾラム、塩酸メペリシン、二硝酸イソソルビド、エピネフリン、塩酸ドーパミン、ビバリルジン、ロスバスタチン、エゼチミブ/シンバスタチン、アバシミベ(avasimibe)、カリポリド。
【0370】
本発明の結合タンパク質と組み合わされ得る、乾癬のための治療薬の限定されない例として、以下が挙げられる:KDRの小分子阻害剤、Tie−2の小分子阻害剤、カルシポトリエン、プロピオン酸クロベタゾール、トリアムシノロンアセトニド、プロピオン酸ハロベタソール、タザロテン、メトトレキサート、フルオシノニド、ジプロピオン酸ベタメタゾン、フルオシノロンアセトニド、アシトレチン、タールシャンプー、吉草酸ベタメタゾン、フロ酸モメタゾン、ケトコナゾール、プラモキシン/フルオシノロン、吉草酸ヒドロコルチゾン、フルランドレノリド、尿素、ベタメタゾン、プロピオン酸クロベタゾール/エモル(emoll)、プロピオン酸フルチカゾン、アジスロマイシン、ヒドロコルチゾン、保湿製剤、葉酸、デソニド、ピメクロリムス、コールタール、酢酸ジフロラゾン、葉酸エタネルセプト、乳酸、メトキサレン、hc/次没食子酸ビスマス/znox/resor、酢酸メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、日焼け止め、ハルシノニド、サリチル酸、アントラリン、ピバル酸クロコルトロン、石炭抽出物、コールタール/サリチル酸、コールタール/サリチル酸/硫黄、デスオキシメタゾン、ジアゼパム、皮膚軟化薬、フルオシノニド/皮膚軟化薬、鉱油/ヒマシ油/乳酸ナトリウム、鉱油/ピーナッツオイル、石油/ミリスチン酸イソプロピル、ソラレン、サリチル酸、石鹸/トリブロムサラン、チメロサール/ホウ酸、セレコキシブ、インフリキシマブ、シクロスポリン、アレファセプト、エファリツマブ、タクロリムス、ピメクロリムス、PUVA、UVB、スルファサラジン。
【0371】
本発明の結合タンパク質と組み合わされ得る、乾癬性関節炎のための治療薬の限定されない例として、以下が挙げられる:メトトレキサート、エタネルセプト、ロフェコキシブ、セレコキシブ、葉酸、スルファサラジン、ナプロキセン、レフルノミド、酢酸メチルプレドニゾロン、インドメタシン、ヒドロキシクロロキン硫酸塩、プレドニゾン、スリンダック、ジプロピオン酸ベタメタゾン、インフリキシマブ、メトトレキサート、葉酸、トリアムシノロンアセトニド、ジクロフェナク、ジメチルスルホキシド、ピロキシカム、ジクロフェナクナトリウム、ケトプロフェン、メロキシカム、メチルプレドニゾロン、ナブメトン、トルメチンナトリウム、カルシポトリエン、シクロスポリン、ジクロフェナクナトリウム/ミソプロストール、フルオシノニド、硫酸グルコサミン、金チオリンゴ酸ナトリウム、酒石酸水素ヒドロコドン/apap、イブプロフェン、リセドロネートナトリウム、スルファジアジン、チオグアニン、バルデコキシブ、アレファセプト、エファリツマブおよびbcl−2阻害剤。
【0372】
本発明の結合タンパク質と組み合わされ得る、再狭窄のための治療薬の限定されない例として、以下が挙げられる:シロリムス、パクリタキセル、エベロリムス、タクロリムス、ゾタロリムス、アセトアミノフェン。
【0373】
本発明の結合タンパク質と組み合わされ得る、坐骨神経痛のための治療薬の限定されない例として、以下が挙げられる:酒石酸水素ヒドロコドン/apap、ロフェコキシブ、シクロベンザプリンhcl、メチルプレドニゾロン、ナプロキセン、イブプロフェン、オキシコドンhcl/アセトアミノフェン、セレコキシブ、バルデコキシブ、酢酸メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、リン酸コデイン/apap、トラマドールhcl/アセトアミノフェン、メタキサロン、メロキシカム、メトカルバモール、塩酸リドカイン、ジクロフェナクナトリウム、ガバペンチン、デキサメタゾン、カリソプロドール、ケトロラック トロメタミン、インドメタシン、アセトアミノフェン、ジアゼパム、ナブメトン、オキシコドンhcl、チザニジンhcl、ジクロフェナクナトリウム/ミソプロストール、ナプシル酸プロポキシフェン/apap、asa/oxycod/オキシコドンter、イブプロフェン/ヒドロコドンbit、トラマドールhcl、エトドラック、プロポキシフェンhcl、アミトリプチリンhcl、カリソプロドール/コデインphos/asa、硫酸モルヒネ、マルチビタミン剤、ナプロキセンナトリウム、クエン酸オルフェナドリン、テマゼパム。
【0374】
本発明の結合タンパク質と組み合わされ得る、SLE(ループス)のための治療薬の例として、以下が挙げられる:NSAIDS、例えば、ジクロフェナク、ナプロキセン、イブプロフェン、ピロキシカム、インドメタシン;COX2阻害剤、例えば、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ;抗マラリア剤、例えば、ヒドロキシクロロキン;ステロイド、例えば、プレドニゾン、プレドニゾロン、ブデノシド、デキサメタゾン;細胞傷害剤、例えば、アザチオプリン、シクロホスファミド、ミコフェノール酸モフェチル、メトトレキサート;PDE4の阻害剤またはプリン合成阻害剤、例えば、Cellcept。本発明の結合タンパク質はまた、スルファサラジン、5−アミノサリチル酸、オルサラジン、イムランおよびIL−1などの炎症誘発性サイトカインの合成、産生または作用を干渉する薬剤、例えば、IL−1β変換酵素阻害剤およびIL−1raのようなカスパーゼ阻害剤などの薬剤と組み合わされ得る。本発明の結合タンパク質はまた、T細胞シグナル伝達阻害剤、例えば、チロシンキナーゼ阻害剤;またはT細胞活性化分子を標的とする分子、例えば、CTLA−4−IgGまたは抗B7ファミリー抗体、抗PD−1ファミリー抗体とともに使用され得る。本発明の結合タンパク質は、IL−11または抗サイトカイン抗体、例えば、フォノトリズマブ(fonotolizumab)(抗IFNg抗体)または抗受容体受容体抗体、例えば、抗IL−6受容体抗体およびB細胞表面分子に対する抗体と組み合わされ得る。トランスジェニックマウスにおいてbcl−2過剰発現は、ループス様表現型を引き起こすと実証されており(Marquinaら、J.Immunol.、172(11):7177−7185頁(2004年))、したがって、阻害が治療効果を有すると予測されるので、本発明の抗体またはその抗原結合部分はまた、LJP394(アベチムス(abetimus))、B細胞を枯渇させるか、不活化する薬剤、例えば、リツキシマブ(抗CD20抗体)、リンフォスタット(lymphostat)−B(抗BlyS抗体)、TNFアンタゴニスト、例えば、抗TNF抗体、アダリムマブ(PCT公開番号WO97/29131;HUMIRA(登録商標))、CA2(レミケード(登録商標))、CDP571、TNFR−Ig構築物、(p75TNFRIgG(エンブレル(登録商標))およびp55TNFRIgG(レネルセプト(登録商標)))およびbcl−2阻害剤とともに使用され得る。
【0375】
本発明の医薬組成物は、本発明の抗体または抗体部分の「治療上有効な量」または「予防上有効な量」を含み得る。「治療上有効な量」とは、所望の治療結果を達成するのに必要な投与量で、期間で、有効な量を指す。抗体または抗体部分の治療上有効な量は、当業者によって決定され得、個体の病状、年齢、性別および体重ならびに個体における抗体または抗体部分の所望の反応を誘発する能力などの因子に従って変わり得る。治療上有効な量はまた、抗体または抗体部分の任意の毒性または有害な作用が、治療上有益な作用によって凌がれるものである。「予防上有効な量」とは、所望の予防結果を達成するのに必要な投与量で、期間で、有効な量を指す。通常、予防上の用量は、被験体において疾患に先立って、または疾患の初期段階で使用されるので、予防上有効な量は、治療上有効な量よりも少ないものとなる。
【0376】
投与計画は、最適な所望の反応(例えば、治療反応または予防反応)を提供するよう調整され得る。例えば、単回ボーラスが投与される場合も、いくつかの分割用量が経時的に投与される場合も、または治療状況の危急によって、用量が比例的に減少または増加される場合もある。投与の容易さおよび投与量の均一性のために、非経口組成物を単位投与形で製剤することは特に有利である。本明細書において、単位投与形とは、治療される哺乳動物被験体のための単位投与量として適合している、物理的に別個の単位を指し;各単位は、必要な医薬担体と関連して所望の治療効果を生じるよう算出された所定の量の活性化合物を含有する。本発明の単位投与形の仕様は、(a)活性化合物の独特の特徴および達成される特定の治療効果または予防効果および(b)個体における感受性の治療のための、このような活性化合物の配合の技術分野に固有の制限によって決定され、それらによって直接的に依存する。
【0377】
投与量の値は、軽減される状態の種類および重篤度に応じて変わり得るということは留意されたい。任意の特定の被験体にとって、特定の投与計画は、個体の必要性および組成物を投与し、組成物の投与を監督している人の専門科の判断に従って、経時的に調整されなければならないということおよび本明細書に示される投与量範囲は、単に例示的なものであって、特許請求される組成物の範囲または実施を制限しようとするものではないということはさらに理解されなくてはならない。
【0378】
診断法
本明細書における開示内容はまた、診断的適用を提供する。これは、以下でさらに明らかにされる。本発明のIL−1βと結合する抗体は、IL−1βをインビボ、インビトロまたはエキソビボで(すなわち、生存個体から得られ、手順に付され、次いで、個体に戻された細胞または組織において)で検出するための、種々の形式のいずれかで使用され得る。本発明のDVD−Igは、種々の診断および検出アッセイ形式において、IL−1βのエピトープならびにその他の抗原またはエピトープと結合できるというさらなる利点を提供する。
【0379】
I.アッセイ方法
本開示内容はまた、本明細書に記載されるDVD−Igを始めとする、少なくとも1種の抗IL−1β結合タンパク質またはその抗原結合部分を使用して、試験試料中のIL−1βまたはその断片(「分析物」)の存在、量または濃度を決定するための方法を提供する。当技術分野で公知であるような任意の適したアッセイは、本方法において使用され得る。例として、それだけには限らないが、放射性同位元素検出(ラジオイムノアッセイ(RIA))および酵素検出(酵素イムノアッセイ(EIA)または酵素結合免疫吸着測定(ELISA)(例えば、Quantikine ELISAアッセイ、R&D Systems、Minneapolis、Minnesota))を含むサンドイッチイムノアッセイ(例えば、モノクローナル、ポリクローナルおよび/またはDVD−Igサンドイッチイムノアッセイまたはその任意の変法(例えば、モノクローナル/DVD−Ig、DVD−Ig/ポリクローナルなど)、競合阻害イムノアッセイ(例えば、フォワードおよびリバース)、蛍光偏光イムノアッセイ(FPIA)、酵素増倍イムノアッセイ技術(enzyme multiplied immunoassay technique)(EMIT)などのイムノアッセイ、生物発光共鳴エネルギー転移(BRET)および均一な化学発光アッセイなどが挙げられる。SELDIベースのイムノアッセイでは、対象とする分析物(またはその断片)と特異的に結合する捕獲試薬が、予備活性化タンパク質チップアレイなどの質量分析プローブの表面に結合される。次いで、分析物(またはその断片)は、バイオチップ上に特異的に捕獲され、捕獲された分析物(またはその断片)が、質量分析によって検出される。あるいは、分析物(またはその断片)は、捕獲試薬から溶出され、従来のMALDI(マトリックス支援レーザー脱離法/イオン化)によって、またはSELDIによって検出され得る。化学発光微粒子イムノアッセイ、特に、ARCHITECT(登録商標)自動分析機(Abbott Laboratories、Abbott Park、Illinois)を使用するものは、例示的イムノアッセイの一例である。
【0380】
例えば、本明細書に記載される抗IL−1β結合タンパク質が、免疫診断試薬として、および/または分析物イムノアッセイキットにおいて使用される場合には、本開示内容の実施では、尿、血液、血清および血漿およびその他の体液を回収し、取り扱い、処理するための当技術分野で周知の方法が使用される。試験試料は、対象とする分析物に加えて、抗体、抗原、ハプテン、ホルモン、薬物、酵素、受容体、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、オリゴヌクレオチドおよび/またはポリヌクレオチドなどのさらなる部分を含み得る。例えば、試料は、被験体から得られた全血試料であり得る。例えば、前処理試薬を用いて、本明細書に記載されるイムノアッセイに先立って、試験試料、特に、全血が処理される必要がある、または処理されることが望ましい場合がある。前処理が必要ではない場合においてさえ(例えば、ほとんどの尿試料)、前処理は、場合により行われ得る(例えば、市販のプラットフォームでのレジメンの一部として)。
【0381】
前処理試薬は、本発明のイムノアッセイおよびキットとともに使用するのに適当な任意の試薬であり得る。前処理は、場合により、(a)1種または複数の溶媒(例えば、メタノールおよびエチレングリコール)および場合により塩、(b)1種または複数の溶媒および塩、および場合により、界面活性剤、(c)界面活性剤または(d)界面活性剤および塩を含む。前処理試薬は、当技術分野で公知であり、このような前処理は、例えば、文献に記載されるとおり、Abbott TDx、AxSYM(登録商標)およびARCHITECT(登録商標)分析機(Abbott Laboratories、Abbott Park、Illinois)でのアッセイに使用されるように(例えば、Yatscoffら、「Abbott TDx Monoclonal Antibody Assay Evaluated for Measuring Cyclosporine in Whole Blood」、Clin.Chem.、36:1969−1973頁(1990年);およびWallemacqら、「Evaluation of the New AxSYM Cyclosporine Assay:Comparison with TDx Monoclonal Whole Blood and EMIT Cyclosporine Assays」、Clin.Chem.、45:432−435頁(1999年)参照のこと)、および/または市販されるように使用され得る。さらに、前処理は、Abbottの米国特許第5,135,875号;欧州公開番号EP0471293;PCT公開番号WO2008/082984;および米国特許公開番号第2008/0020401号(前処理に関するその教示のためにその全文が参照により組み込まれる)に記載のとおりに行われ得る。前処理試薬は、不均一な薬剤である場合も、均一な薬剤である場合もある。
【0382】
不均一な前処理試薬を用いると、前処理試薬は、試料中に存在する分析物結合タンパク質(例えば、分析物またはその断片と結合できるタンパク質)を沈殿させる。このような前処理ステップは、沈殿した分析物結合タンパク質から、試料へ前処理剤を添加することによって形成された混合物の上清を分離することによって、任意の分析物結合タンパク質を除去することを含む。このようなアッセイでは、任意の結合タンパク質が存在しない混合物の上清が、アッセイにおいて使用され、抗体捕獲ステップに直接進む。
【0383】
均一な前処理試薬を用いると、このような分離ステップはない。試験試料および前処理試薬の全混合物を、分析物(またはその断片)の標識された特異的結合パートナー、例えば、標識された抗分析物抗体(またはその抗原的に反応性の断片)と接触させる。このようなアッセイに使用される前処理試薬は、通常、第1の特異的結合パートナーによる捕獲の前またはその間のいずれかで、前処理された試験試料混合物で希釈される。このような希釈にもかかわらず、捕獲の際に、試験試料混合物中に特定の量の前処理試薬がさらに存在する(または残っている)。本発明によれば、例示的な標識された特異的結合パートナーは、DVD−Ig(またはその断片、変異体または変異体の断片)であり得る。
【0384】
不均一な形式では、被験体から試験試料が得られた後に、第1の混合物が調製される。混合物は、分析物(またはその断片)について評価されている試験試料および第1の特異的結合パートナーを含有し、これでは、試験試料中に含有される第1の特異的結合パートナーおよび任意の分析物が、第1の特異的結合パートナー−分析物複合体を形成する。好ましくは、第1の特異的結合パートナーは、抗分析物抗体またはその断片である。第1の特異的結合パートナーは、本明細書に記載されるDVD−Ig(またはその断片、変異体または変異体の断片)であり得る。混合物を形成するために、試験試料および第1の特異的結合パートナーが添加される順序は、重要ではない。好ましくは、第1の特異的結合パートナーは、固相上に固定化されている。(第1の特異的結合パートナーおよび場合により、第2の特異的結合パートナーの)イムノアッセイに使用される固相は、それだけには限らないが、磁性粒子、ビーズ、試験管、マイクロタイタープレート、キュベット、メンブレン、足場分子、フィルム、濾紙、ディスクおよびチップなどの当技術分野で公知の任意の固相であり得る。
【0385】
第1の特異的結合パートナー−分析物複合体を含有する混合物が形成された後に、任意の結合していない分析物が、当技術分野で公知の任意の技術を使用して複合体から除去される。例えば、結合していない分析物は、洗浄することによって除去され得る。しかし、第1の特異的結合パートナーが、試験試料中に存在する任意の分析物を越えて存在し、その結果、試験試料中に存在するすべての分析物が第1の特異的結合パートナーによって結合されることが望ましい。
【0386】
任意の結合していない分析物が除去された後、第2の特異的結合パートナーが混合物に添加されて、第1の特異的結合パートナー−分析物−第2の特異的結合パートナー複合体を形成する。第2の特異的結合パートナーは、好ましくは、第1の特異的結合パートナーによって結合される分析物上のエピトープとは異なる、分析物上のエピトープと結合する抗分析物抗体である。さらに、また好ましくは、第2の特異的結合パートナーは、上記の検出可能な標識で標識されるか、それを含有する。第2の特異的結合パートナーは、本明細書に記載されるDVD−Ig(またはその断片、変異体または変異体の断片)であり得る。
【0387】
当技術分野で公知である、任意の適した検出可能な標識が使用され得る。例えば、検出可能な標識は、放射性標識(例えば、
3H、
125I、
35S、
14C、
32Pおよび
33P)、酵素標識(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリペルオキシダーゼ、グルコース6−リン酸デヒドロゲナーゼなど)、化学発光標識(例えば、アクリジニウムエステル、チオエステルまたはスルホンアミド;ルミノール、イソルミノール、フェナントリジニウムエステルなど)、蛍光標識(例えば、フルオレセイン(例えば、5−フルオレセイン、6−カルボキシフルオセイン、3’6−カルボキシフルオセイン、5(6)−カルボキシフルオセイン、6−ヘキサクロロ−フルオレセイン、6−テトラクロロフルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネートなど))、ローダミン、フィコビリ(phycobili)タンパク質、R−フィコエリトリン、量子ドット(例えば、硫化亜鉛でキャップされたセレン化カドミウム)、温度測定標識またはイムノ−ポリメラーゼ連鎖反応標識であり得る。標識への導入、標識手順および標識の検出は、PolakおよびVan Noorden、Introduction to Immunocytochemistry、第2版、Springer Verlag、N.Y.(1997年)およびMolecular Probes、Inc.、Eugene、Oregonによって刊行された複合ハンドブックおよびカタログであるHaugland、Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals(1996年)に見出される。蛍光標識は、FPIAにおいて使用され得る(例えば、米国特許第5,593,896号;同5,573,904号;同5,496,925号;同5,359,093号および同5,352,803号)。アクリジニウム化合物は、均一または不均一な化学発光アッセイにおいて検出可能な標識として使用され得る(例えば、Adamczykら、Bioorg.Med.Chem.Lett.、16:1324−1328頁(2006年);Adamczykら、Bioorg.Med.Chem.Lett.、14:2313−2317頁(2004年);Adamczykら、Biorg.Med.Chem.Lett.、14:3917−3921頁(2004年);およびAdamczykら、Org.Lett.、5:3779−3782頁(2003年))。
【0388】
例示的アクリジニウム化合物として、アクリジニウム−9−カルボキサミドがある。アクリジニウム9−カルボキサミドを調製する方法は、Mattingly、J.Biolumin. Chemilumin.、6:107−114頁(1991年);Adamczykら、J.Org.Chem.、63:5636−5639頁(1998年);Adamczykら、Tetrahedron、55:10899−10914頁(1999年);Adamczykら、Org. Lett.、1:779−781頁(1999年);Adamczykら、Bioconjugate Chem.、11:714−724頁(2000年);AdamczykおよびMattingly、In Luminescence Biotechnology: Instruments and Applications;(Dyke、K.V.編)(CRC Press:Boca Raton、2002年)77−105頁;Adamczykら、Org. Lett.、5:3779−3782頁(2003年);および米国特許第5,468,646号、同5,543,524号および同5,783,699号に記載されている。別の好ましいアクリジニウム化合物として、アクリジニウム−9−カルボキシレートアリールエステルがある。アクリジニウム−9−カルボキシレートアリールエステルの一例として、10−メチル−9−(フェノキシカルボニル)アクリジニウム フルオロスルホネート(Cayman Chemical、Ann Arbor、Michiganから入手可能)がある。アクリジニウム9−カルボキシレートアリールエステルを調製する方法は、McCapraら、Photochem. Photobiol.、4:1111−21頁(1965年);Razaviら、Luminescence、15:245−249頁(2000年);Razaviら、Luminescence、15:239−244頁(2000年);および米国特許第5,241,070号に記載されている。アクリジニウム−9−カルボキシレートアリールエステルおよびその使用に関するさらなる詳細は、米国特許出願公開第2008/0248493号に示されている。
【0389】
化学発光アッセイ(例えば、上記のアクリジニウムまたはその他の化学発光剤を使用する)は、Adamczykら、Anal.Chim.Acta、579(1):61−67頁(2006年)に記載された方法に従って実施され得る。いずれの適したアッセイ形式も使用され得るが、マイクロプレートケミルミノメーター(Mithras LB−940、Berthold Technologies USA.、LLC、Oak Ridge、Tennessee)によって、迅速な、小容積の複数の試料のアッセイが可能となる。
【0390】
化学発光アッセイのための混合物を形成するために、試験試料および特異的結合パートナー(複数可)が添加される順序は、重要ではない。第1の特異的結合パートナーが、アクリジニウム化合物などの化学発光剤を用いて検出可能に標識される場合には、検出可能に標識された第1の特異的結合パートナー−分析物複合体が形成する。あるいは、第2の特異的結合パートナーが使用され、第2の特異的結合パートナーが、アクリジニウム化合物などの化学発光剤を用いて検出可能に標識される場合には、検出可能に標識された第1の特異的結合パートナー−分析物−第2の特異的結合パートナー複合体が形成する。標識されていようと標識されていなかろうと、任意の結合していない特異的結合パートナーは、洗浄などの当技術分野で公知の任意の技術を使用して混合物から除去され得る。
【0391】
過酸化水素は、上記のアクリジニウム化合物の添加の前に、添加と同時に、または添加後に、混合物中でその場で生成され得る、または混合物に提供もしくは供給され得る(例えば、過酸化水素の供給源は、過酸化水素を含有することがわかっている1種または複数のバッファーまたはその他の溶液である。)。過酸化水素は、当業者に明らかであるようないくつかの方法でその場で生成され得る。
【0392】
試料への少なくとも1種の基本溶液の同時添加または逐次添加の際に、検出可能なシグナル、すなわち、分析物の存在を示す化学発光シグナルが生成する。基本溶液は、少なくとも1種の塩基を含有し、10以上の、好ましくは、12以上のpHを有する。塩基性溶液の例として、それだけには限らないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化アンモニウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウムおよび重炭酸カルシウムが挙げられる。試料に添加される塩基性溶液の量は、塩基性溶液の濃度に応じて変わる。使用される塩基性溶液の濃度に基づいて、当業者ならば、試料に添加する塩基性溶液の量を容易に決定できる。
【0393】
生成する化学発光シグナルは、当業者に公知の日常的な技術を使用して検出され得る。生成したシグナルの強度に基づいて、試料中の分析物の量は定量化され得る。具体的には、試料中の分析物の量は、生成したシグナルの強度に比例する。存在する分析物の量は、生成した光の量を、分析物の標準曲線と比較することによって、または参照標準に対する比較によって定量化され得る。標準曲線は、質量分光、重量測定法および当技術分野で公知のその他の技術によって、分析物の段階希釈または既知濃度の溶液を使用して作成され得る。上記のものは、化学発光剤としてアクリジニウム化合物の使用に重点を置いて記載されているが当業者ならば、この記載をその他の化学発光剤の使用に容易に適応させることができる。
【0394】
分析物イムノアッセイは、一般に、当技術分野で公知の任意の形式、それだけには限らないが、サンドイッチ形式などを使用して実施され得る。具体的には、あるイムノアッセイ形式では、試料中の分析物、例えば、ヒト分析物またはその断片を分離し、定量化するために、少なくとも2種の抗体が使用される。さらに詳しくは、少なくとも2種の抗体が、分析物上の異なるエピトープ(またはその断片)と結合し、免疫複合体を形成し、これが「サンドイッチ」と呼ばれる。一般に、イムノアッセイでは、試験試料中の分析物(またはその断片)を捕獲するために1種または複数の抗体が使用され得(これらの抗体は、「捕獲」抗体(複数可)と呼ばれることが多い)、サンドイッチの検出可能な(すなわち、定量可能な)標識と結合するために、1種または複数の抗体が使用され得る(これらの抗体は、「検出抗体(複数可)」、「コンジュゲート(複数可)」と呼ばれることが多い。)。したがって、サンドイッチイムノアッセイ形式との関連で、本明細書に記載されるDVD−Ig(またはその断片、変異体または変異体の断片)は捕獲抗体、検出抗体または両方として使用され得る。例えば、分析物上の第1のエピトープ(またはその断片)と結合できるドメインを有するある種のDVD−Igは、捕獲抗体として使用され得、および/または分析物上の第2のエピトープ(またはその断片)と結合できるドメインを有する別のDVD−Igは、検出抗体として使用される。これに関連して、分析物上の第1のエピトープ(またはその断片)と結合できる第1のドメインと、分析物上の第2のエピトープ(またはその断片)と結合できる第2のドメインとを有するDVD−Igは、捕獲抗体および/または検出抗体として使用され得る。あるいは、第1の分析物上のエピトープ(またはその断片)と結合できる第1のドメインと、第2の分析物上のエピトープ(またはその断片)と結合できる第2のドメインとを有するある種のDVD−Igは、2種以上の分析物を検出、および場合により、定量化するための捕獲抗体および/または検出抗体として使用され得る。万一、分析物が試料中に、単量体形態およびホモマーまたはヘテロマーであり得る二量体/多量体形態などの2種以上の形態で存在し得る場合には、単量体形態上にのみ曝露されるエピトープと結合できるドメインを有するある種のDVD−Igおよび二量体/多量体形態の異なる部分上のエピトープと結合できるドメインを有する別のDVD−Igが、捕獲抗体および/または検出抗体として使用され得、それによって、所与の分析物の異なる形態の検出および場合により、定量化が可能となる。さらに、単一のDVD−Ig内および/またはDVD−Ig間で差次的親和性を有するDVD−Igを使用することは、結合力の利点を提供し得る。本明細書に記載されるイムノアッセイとの関連で、DVD−Igの構造内に1種または複数のリンカーを組み込むことは、一般に、役立ち得る、または望ましいものであり得る。存在する場合には、最適には、リンカーは、内部ドメインによるエピトープの結合ならびに外部ドメインによる別のエピトープの結合を可能にするために、十分な長さの、構造的に柔軟なものでなくてはならない。これに関連して、DVD−Igが、2種の異なる分析物と結合し得、一方の分析物が他方よりも長い場合には、長いほうの分析物が外部ドメインによって結合されることが望ましい。
【0395】
一般的に言えば、IL−1βタンパク質(またはその断片)について試験されている試料(例えば、含有している疑いがある)は、少なくとも1種の捕獲抗体(複数可)および少なくとも1種の検出抗体(例えば、捕獲および/または検出抗体が複数の抗体を含む場合の、第2の検出抗体または第3の検出抗体またはさらに続いて番号をつけられた抗体であり得る)と、同時に、または任意の順序で逐次のいずれかで接触され得る。例えば、試験試料は、少なくとも1種の捕獲抗体と最初に、次いで(連続的に)、少なくとも1種の検出抗体と接触され得る。あるいは、試験試料は、最初に、少なくとも1種の検出抗体と、次いで(連続して)少なくとも1種の捕獲抗体と接触され得る。さらに別の代替法では、試験試料は、捕獲抗体および検出抗体と同時に接触され得る。
【0396】
サンドイッチアッセイ形式では、IL−1β(またはその断片)を含有している疑いがある試料を、第1の結合タンパク質/IL−1β複合体の形成を可能にする条件下で少なくとも1種の第1の捕獲結合タンパク質(例えば、IL−1β抗体)と最初に接触させる。2種以上の捕獲結合タンパク質が使用される場合には、2種以上の捕獲結合タンパク質を含む、第1の捕獲結合タンパク質/IL−1β複合体が形成される。サンドイッチアッセイでは、結合タンパク質、すなわち、好ましくは、少なくとも1種の捕獲結合タンパク質が、試験試料中の予測されるIL−1β分析物(またはその断片)の最大量のモル過剰量で使用される。例えば、バッファー(例えば、微粒子コーティングバッファー)1mLあたり約5μgから約1mgの抗体が使用され得る。
【0397】
1種のみの抗体による結合が必要であるので、小さい分析物を測定するために使用されることが多い競合阻害イムノアッセイは、逐次的な、古典的な形式を含む。逐次競合阻害イムノアッセイでは、IL−1βに対する捕獲結合タンパク質が、マイクロタイタープレートまたはその他の固相支持体のウェル上にコーティングされる。IL−1βを含有する試料がウェルに添加されると、IL−1βが捕獲結合タンパク質と結合する。洗浄した後、既知量の標識された(例えば、ビオチンまたは西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP))IL−1βがウェルに添加される。シグナルを生成するには、酵素標識の基質が必要である。HRPの適した基質の一例として、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)がある。洗浄した後、標識された分析物によって生成したシグナルが測定され、これは、試料中のIL−1βの量に反比例する。古典的な競合阻害イムノアッセイでは、IL−1βに対する結合タンパク質が、固相支持体(例えば、マイクロタイタープレートのウェル)上にコーティングされる。しかし、逐次競合阻害イムノアッセイとは異なり、試料および標識されたIL−1βがウェルに同時に添加される。試料中のIL−1βはいずれも、捕獲結合タンパク質との結合について標識されたIL−1βと競合する。洗浄した後、標識されたIL−1βによって生成したシグナルが測定され、これは、試料中のIL−1βの量に反比例する。
【0398】
場合により、試験試料を、少なくとも1種の捕獲結合タンパク質(例えば、第1の捕獲抗体)と接触させる前に、少なくとも1種の捕獲結合タンパク質が、固相支持体に結合されることがあり、これは、試験試料からの第1の結合タンパク質/IL−1β(またはその断片)複合体の分離を促進する。捕獲結合タンパク質が結合される基質は、試料からの捕獲抗体−分析物複合体の分離を促進する、任意の適した固相支持体または固相であり得る。
【0399】
例として、マイクロタイタープレートなどのプレートのウェル、試験管、多孔質ゲル(例えば、シリカゲル、アガロース、デキストランまたはゼラチン)、ポリマーフィルム(例えば、ポリアクリルアミド)、ビーズ(例えば、ポリスチレンビーズまたは磁性ビーズ)、フィルターのストリップ/メンブレン(例えば、ニトロセルロースまたはナイロン)、微粒子(例えば、ラテックス粒子、磁化可能な微粒子(例えば、酸化第二鉄または酸化クロムコアおよびホモ−またはヘテロ−ポリマーコートおよび約1−10ミクロンの半径を有する微粒子)が挙げられる。基質は、抗原と結合するための適した表面親和性および検出抗体による接近を可能にする十分な多孔度を有する適した多孔質材料を含み得る。微小孔性材料は概して好ましいが、水和状態のゼラチン質物質が使用され得る。このような多孔質物質は、約0.01から約0.5mm、好ましくは、約0.1mmの厚さを有するシートの形態であることが好ましい。ポアサイズはかなり変わり得るが、ポアサイズは、約0.025から約15ミクロンであることが好ましく、約0.15から約15ミクロンがより好ましい。このような基質の表面は、抗体の基質との共有結合を引き起こす化学的プロセスによって活性化され得る。一般に、抗原または抗体の疎水性力による吸着による、基質との不可逆的結合が生じる。あるいは、抗体を基質と共有結合によって結合するために、このような結合が、抗体の分析物と結合する能力を干渉しないという条件で、化学的カップリング剤またはその他の手段が使用され得る。あるいは、抗体は、前もって、ストレプトアビジン(例えば、DYNAL(登録商標)Magnetic Beads、Invitrogen、Carlsbad、California)またはビオチン(例えば、Power−BindTM−SA−MP ストレプトアビジンコートされた微粒子(Seradyn、Indianapolis、Indiana)を使用して)または抗種特異的モノクローナル抗体を用いてコーティングされている微粒子を用いて結合され得る。基質は、必要に応じて、抗体上の種々の官能基との反応性を可能にするよう誘導体化され得る。このような誘導体化は、特定のカップリング剤の使用を必要とし、その例として、それだけには限らないが、無水マレイン酸、N−ヒドロキシスクシンイミドおよび1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドが挙げられる。必要に応じて、各々、分析物(複数可)に対して特異的である、抗体(またはその断片)などの1種または複数の捕獲試薬は、異なる物理的位置またはアドレス可能な位置で(例えば、バイオチップ配置でなど)固相に付着され得る(例えば、米国特許第6,225,047号;PCT公開番号WO99/51773;米国特許第6,329,209号;PCT公開番号WO00/56934;および米国特許第5,242,828号参照のこと)。捕獲試薬が固相支持体としての質量分析プローブに付着される場合には、プローブに結合される分析物の量は、レーザー脱離法イオン化質量分析によって検出され得る。あるいは、単一のカラムに、1種または複数の捕獲試薬を用いて誘導体化されている異なるビーズが詰められ、それによって単一の場所で分析物を捕獲し得る(抗体によって誘導体化された、ビーズに基づく技術、例えば、Luminex(Austin、Texas)のxMAP技術を参照のこと)。
【0400】
分析物(またはその断片)についてアッセイされている試験試料を、少なくとも1種の捕獲抗体(例えば、第1の捕獲抗体)と接触させた後、第1の抗体(または複数の抗体)−分析物(またはその断片)複合体の形成を可能にするよう混合物をインキュベートする。インキュベーションは、約4.5から約10.0のpHで、約2℃から約45℃の温度で、少なくとも約1分から約18時間、好ましくは、約1から約24分、最も好ましくは、約4から約18分の間実施され得る。本明細書に記載されたイムノアッセイは、一段階で(試験試料、少なくとも1つの捕獲抗体および少なくとも1種の検出抗体がすべて、反応容器に、逐次または同時に添加されることを意味する)、または2以上の段階、例えば、二段階、三段階などで実施され得る。
【0401】
(第1の、または複数の)捕獲抗体/分析物(またはその断片)複合体の形成後、複合体は、(第1の、または複数の)捕獲抗体/分析物(またはその断片)/第2の検出抗体複合体)の形成を可能にする条件下で少なくとも1種の検出抗体と接触させられる。明確にするために、「第2の」抗体(例えば、第2の検出抗体)と説明がつけられるが、実際には、捕獲および/または検出に複数の抗体が使用される場合は、少なくとも1種の検出抗体が、イムノアッセイにおいて使用される第2、第3、第4などの抗体であり得る。捕獲抗体/分析物(またはその断片)複合体が、2種以上の検出抗体と接触させられる場合には、(第1の、または複数の)捕獲抗体/分析物(またはその断片)/(複数の)検出抗体複合体が形成される。捕獲抗体(例えば、第1の捕獲抗体)と同様に、少なくとも1種の(例えば、第2の、および任意のその後の)検出抗体が、捕獲抗体/分析物(またはその断片)複合体と接触させられると、(第1の、または複数の)捕獲抗体/分析物(またはその断片)/(第2の、または複数の)検出抗体複合体の形成には、上記のものと同様の条件下でのインキュベーション期間が必要である。好ましくは、少なくとも1種の検出抗体は、検出可能な標識を含有する。(第1の、または複数の)捕獲抗体/分析物(またはその断片)/(第2の、または複数の)検出抗体複合体の形成の前に、形成と同時に、または形成後に、検出可能な標識が、少なくとも1種の検出抗体(例えば、第2の検出抗体)に結合され得る。当技術分野で公知の任意の検出可能な標識が使用され得る(PolakおよびVan Noorden(1997年)およびHaugland(1996年)参考文献を含めた、上記の考察を参照のこと)。
【0402】
検出可能な標識は、直接的に、またはカップリング剤を介して抗体に結合され得る。使用され得るカップリング剤の一例として、EDAC(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、塩酸塩)があり、これは、Sigma−Aldrich、St. Louis、Missouriから市販されている。使用され得るその他のカップリング剤は、当技術分野で公知である。検出可能な標識を抗体と結合する方法は、当技術分野で公知である。さらに、検出可能な標識の抗体とのカップリングを促進する末端基をすでに含有する、多数の検出可能な標識、例えば、CPSP−アクリジニウムエステル(すなわち、9−[N−トシル−N−(3−カルボキシプロピル)]−10−(3−スルホプロピル)アクリジニウムカルボキサミド)またはSPSP−アクリジニウムエステル(すなわち、N10−(3−スルホプロピル)−N−(3−スルホプロピル)−アクリジニウム−9−カルボキサミド)は、購入または合成され得る。
【0403】
(第1の、または複数の)捕獲抗体/分析物/(第2の、または複数の)検出抗体複合体は、標識の定量化の前に、試験試料の残部から分離され得るが、分離されなくてもよい。例えば、少なくとも1種の捕獲抗体(例えば、第1の捕獲抗体)が、ウェルまたはビーズなどの固相支持体に結合される場合には、固相支持体との接触から(試験試料の)流体を除去することによって分離が達成され得る。あるいは、少なくとも第1の捕獲抗体が固相支持体に結合される場合には、分析物含有試料および少なくとも1種の第2の検出抗体と同時に接触され、第1の(複数の)抗体/分析物/第2の(複数の)抗体複合体を形成し、続いて、固相支持体との接触から流体(試験試料)を除去し得る。少なくとも1種の第1の捕獲抗体が、固相支持体に結合されない場合には、標識の量の定量化のために、(第1の、または複数の)捕獲抗体/分析物/(第2の、または複数の)検出抗体複合体は、試験試料から除去されなくてもよい。
【0404】
標識された捕獲抗体/分析物/検出抗体複合体(例えば、第1の捕獲抗体/分析物/第2の検出抗体複合体)の形成後、複合体中の標識の量が、当技術分野で公知の技術を使用して定量化される。例えば、酵素標識が使用される場合には、標識された複合体は、色の発色などの定量可能な反応を生じる標識のために、基質と反応させられる。標識が放射性標識である場合は、標識は、シンチレーションカウンターなどの適当な手段を使用して定量化される。標識が蛍光標識である場合は、標識は、標識を、ある色の光(「励起波長」として知られる)で刺激することおよび刺激に応じて標識によって放出される別の色(「発光波長」として知られる)を検出することによって定量化される。標識が化学発光標識である場合は、標識は、放出された光を、視覚的に、またはルミノメーター、X線フィルム、高感度写真用フィルム、CCDカメラなどを使用することによってのいずれかで検出することによって定量化される。複合体中の標識の量が定量化されると、既知濃度の分析物またはその断片の段階希釈を使用して作成されている標準曲線の使用によってなど、適当な手段によって試験試料中の分析物またはその断片の濃度が決定される。分析物またはその断片の段階希釈を使用すること以外に、標準曲線は、質量分析によって、および当技術分野で公知のその他の技術によって重量測定的に作成され得る。
【0405】
ARCHITECT(登録商標)分析機を使用する化学発光微粒子アッセイでは、コンジュゲート希釈液pHは、約6.0+/−0.2でなければならず、微粒子コーティングバッファーは、ほぼ室温(すなわち、約17℃から約27℃)で維持されなければならず、微粒子コーティングバッファーpHは、約6.5+/−0.2でなければならず、微粒子希釈液pHは、約7.8+/−0.2でなければならない。固体は、約0.2%未満、例えば、約0.15%未満、約0.14%未満、約0.13%未満、約0.12%未満または約0.11%未満、例えば、約0.10%であることが好ましい。
【0406】
FPIAは、競合結合イムノアッセイの原理に基づいている。蛍光標識された化合物は、直線偏光によって励起されると、その回旋速度に反比例した偏光度を有する蛍光を発光する。蛍光標識されたトレーサー−抗体複合体が直線偏光によって励起される場合には、発光光は高度に偏光したままであるが、これは、フルオロフォアが、光が吸収される時間と光が発光される時間の間、回旋が制約されるためである。「遊離」トレーサー化合物(すなわち、抗体に結合されていない化合物)が直線偏光によって励起されると、その回旋は、競合結合イムノアッセイにおいて生じた対応するトレーサー−抗体コンジュゲートよりもかなり速い。FPIAは、特別な取り扱いおよび廃棄を必要とする放射性物質がないために、RIAを上回って有利である。さらに、FPIAは、容易に、迅速に実施され得る均一なアッセイである。
【0407】
上記を考慮して、試験試料中の分析物(またはその断片)の存在、量または濃度を調べる方法が提供される。この方法は、(i)(i’)分析物と結合できる少なくとも1種の抗体、抗体の断片、分析物と結合できる抗体の変異体、分析物と結合できる抗体の変異体の断片および分析物と結合できるDVD−Ig(またはその断片、変異体または変異体の断片)と、(ii’)少なくとも1種の検出可能な標識とを使用し、(ii)試験試料中の分析物(またはその断片)の存在、量または濃度の直接または間接指標として検出可能な標識によって生じたシグナルを、対照または標準物質中の分析物(またはその断片)の存在、量または濃度の直接または間接指標として生じたシグナルと比較することを含むアッセイによって、分析物(またはその断片)について試験試料をアッセイすることを含む。標準物質は、場合により、標準物質の各々が、分析物の濃度によってその他の標準物質と異なる一連の標準物質の一部である。
【0408】
本方法は、(i)分析物と結合できる抗体、抗体の断片、分析物と結合できる抗体の変異体、分析物と結合できる変異体の断片および分析物と結合できるDVD−Ig(またはその断片、変異体または変異体の断片)からなる群から選択される分析物(またはその断片)のために、試験試料を少なくとも1種の第1の特異的結合パートナーと接触させて、第1の特異的結合パートナー/分析物(またはその断片)複合体を形成すること、(ii)分析物と結合できる検出可能に標識された抗分析物抗体、検出可能に標識された抗分析物抗体の断片、分析物と結合できる検出可能に標識された抗分析物抗体の変異体、分析物と結合できる検出可能に標識された抗分析物抗体の変異体の断片および検出可能に標識されたDVD−Ig(またはその断片、変異体または変異体の断片)からなる群から選択される分析物(またはその断片)のために、第1の特異的結合パートナー/分析物(またはその断片)複合体を、少なくとも1種の第2の特異的結合パートナーと接触させて、第1の特異的結合パートナー/分析物(またはその断片)/第2の特異的結合パートナー複合体を形成すること、および(iii)(ii)において形成された第1の特異的結合パートナー/分析物(またはその断片)/第2の特異的結合パートナー複合体中の検出可能な標識によって生じたシグナルを検出または測定することによって、試験試料中の分析物の存在、量または濃度を調べることを含み得る。分析物(またはその断片)の少なくとも1種の第1の特異的結合パートナーおよび/または分析物(またはその断片)の少なくとも1種の第2の特異的結合パートナーが、本明細書に記載されるDVD−Ig(またはその断片、変異体または変異体の断片)である方法が好ましいものであり得る。
【0409】
あるいは、本明細書において方法は、分析物と結合できる抗体、抗体の断片、分析物と結合できる抗体の変異体、分析物と結合できる抗体の変異体の断片およびDVD−Ig(またはその断片、変異体または変異体の断片)からなる群から選択されるIL−1β分析物(またはその断片)のために、試験試料を少なくとも1種の第1の特異的結合パートナーと接触させること、ならびに同時に、またはいずれかの順序で逐次、試験試料を、少なくとも1種の第1の特異的結合パートナーとの結合について分析物(またはその断片)と競合し得、第1の特異的結合パートナーと結合できる検出可能に標識された分析物、検出可能に標識された分析物の断片、第1の特異的結合パートナーと結合できる検出可能に標識された分析物の変異体および第1の特異的結合パートナーと結合できる検出可能に標識された分析物の変異体の断片からなる群から選択される、少なくとも1種の第2の特異的結合パートナーと接触させることを含み得る。試験試料中に存在する任意のIL−1β(またはその断片)および少なくとも1種の第2の特異的結合パートナーは、互いに競合して、それぞれ、第1の特異的結合パートナー/分析物(またはその断片)複合体および第1の特異的結合パートナー/第2の特異的結合パートナー複合体を形成する。本方法は、(ii)に形成された第1の特異的結合パートナー/第2の特異的結合パートナー複合体中の検出可能な標識によって生じたシグナルを検出または測定することによって、試験試料中の分析物の存在、量または濃度を調べることをさらに含み、ここで、第1の特異的結合パートナー/第2の特異的結合パートナー複合体中の検出可能な標識によって生じたシグナルは、試験試料中の分析物の量または濃度に反比例する。
【0410】
上記の方法は、診断すること、予防することまたは試験試料が得られた患者の治療的/予防的処置の有効性を評価することさらに含み得る。本方法が、試験試料が得られた患者の治療的/予防的処置の有効性を評価することをさらに含む場合には、本方法は、場合により、有効性を改善するよう必要に応じて、患者の治療的/予防的処置を改変することをさらに含む。本方法は、自動化システムまたは半自動化システムにおいて使用するために適応され得る。
【0411】
アッセイ法(およびそのためのキット)に関して、市販の抗分析物抗体または文献に記載される抗分析物の製造方法を使用することは可能であり得る。種々の抗体の商業的供給業者(supplies)として、それだけには限らないが、Santa Cruz Biotechnology Inc.(Santa Cruz、California)、GenWay Biotech、Inc.(San Diego、California)およびR&D Systems(RDS;Minneapolis、Minnesota)が挙げられる。
【0412】
一般に、例えば、疾患または疾患のリスクを検出するために、分析物またはその断片について試験試料を評価する際に得られた結果を、それに対して評価するためのベンチマークとして、所定のレベルが使用され得る。一般に、このような比較では、特定のアッセイを、分析物の存在、量または濃度を、疾患、障害または状態の特定の段階またはエンドポイントと、または特定の臨床兆候とつなげるまたは関連づけることができるような、十分な時間および適当な条件下で行うことによって所定のレベルが得られる。通常、所定のレベルは、参照被験体(または被験体の集団)のアッセイを用いて得られる。測定される分析物は、その断片、その分解生成物および/またはその酵素切断生成物を含み得る。
【0413】
特に、疾患進行および/または治療をモニタリングするために使用されるような所定のレベルに関しては、分析物またはその断片の量または濃度は、「変化しない」、「好ましい」(または「好ましく変化した」)、または「好ましくない」(または「好ましくなく変化した」)ものであり得る。「上昇した」または「増大した」とは、通常もしくは正常のレベルもしくは範囲(例えば、所定のレベル)よりも高い、または別の参照レベルもしくは範囲(例えば、初期のまたはベースラインの試料)よりも高い、試験試料中の量または濃度を指す。用語「低下した」または「減少した」とは、通常もしくは正常のレベルもしくは範囲(例えば、所定のレベル)よりも低い、または別の参照レベルもしくは範囲(例えば、初期のまたはベースラインの試料)よりも低い、試験試料中の量または濃度を指す。用語「変化した」とは、通常もしくは正常のレベルもしくは範囲(例えば、所定のレベル)を超えて、または別の参照レベルもしくは範囲(例えば、初期のまたはベースラインの試料)を超えて変化した(増大したまたは減少した)試料中の量または濃度を指す。
【0414】
分析物の通常または正常のレベルまたは範囲は、標準的な実施にしたがって定義される。いくつかの場合では、分析物のレベルは極めて低いので、いわゆる変化したレベルまたは変化は、実験エラーまたは試料の変動によっては説明され得ない、通常もしくは正常レベルもしくは範囲または参照レベルもしくは範囲と比較した、任意の正味の変化がある場合に生じたと考えられ得る。したがって、特定の試料において測定されたレベルが、いわゆる正常な被験体から得た同様の試料において決定されたレベルまたはレベルの範囲と比較される。これに関連して、「正常な被験体」とは、検出可能な疾患のない個体であり、例えば、「正常な」(時には、「対照」と呼ばれる)患者または集団は、例えば、それぞれ、検出可能な疾患を示さないものである。さらに、分析物が、ヒト集団の大部分において高レベルで日常的には見出されないならば、「正常な被験体」は、実質的に検出可能な増大または上昇した分析物の量または濃度を有さない個体と考えられ得、「正常」(時には、「対照」と呼ばれる)患者または集団は、実質的に検出可能な増大または上昇した分析物の量または濃度を示さないものである。「見かけ正常な被験体」とは、分析物がまだ評価されていない、または現在評価されているものである。分析物のレベルは、分析物が正常には検出可能ではない(例えば、正常レベルがゼロであるか、正常集団の約25から約75パーセンタイルの範囲内である)が、試験試料では検出される場合に、ならびに試験試料中に分析物が正常よりも高いレベルで存在する場合に、「上昇した」といわれる。したがって、とりわけ、本開示内容は、特定の疾患、障害または状態を有するか、有するリスクがある被験体についてスクリーニングする方法を提供する。本アッセイ方法はまた、その他のマーカーなどのアッセイを含み得る。
【0415】
したがって、本明細書に記載される方法はまた、被験体が、所与の疾患、障害または状態を有するか、発症するリスクにあるかどうかを調べるために使用され得る。具体的には、このような方法は、
(a)IL−1β(またはその断片)の、被験体から得た試験試料中の濃度または量を調べるステップ(例えば、本明細書に記載される方法または当技術分野で公知の方法を使用して)と、
(b)ステップ(a)で決定されたIL−1β(またはその断片)の濃度または量を、所定のレベルと比較するステップと
を含み得、ここで、ステップ(a)で決定された分析物の濃度または量が、所定のレベルに対して好ましいものである場合には、被験体は、所与の疾患、障害または状態を有さないか、そのリスクにないと決定される。しかし、ステップ(a)で決定されたIL−1βの濃度または量が、所定のレベルに対して好ましくない場合は、被験体は、所与の疾患、障害または状態を有するか、そのリスクにあると決定される。
【0416】
さらに、被験体における疾患の進行をモニタリングする方法が本明細書において提供される。最適には、本明細書において方法は、
(a)IL−1βの、被験体から得た試験試料中の濃度または量を調べるステップと、
(b)IL−1βの、被験体から得た、後の試験試料中の濃度または量を調べるステップと、
(c)ステップ(b)において決定される分析物の濃度または量を、ステップ(a)において決定されたIL−1βの濃度または量と比較するステップと
を含み、ステップ(a)で決定されたIL−1βの濃度または量と比較した場合に、ステップ(b)において決定された濃度または量が、変化しない、または好ましくない場合に、被験体における疾患が継続、進行または悪化していると決定される。比較することによって、ステップ(a)において決定されるIL−1βの濃度または量と比較された場合にステップ(b)において決定されるIL−1βの濃度または量が好ましい場合に、被験体における疾患は、中断、消失または改善していると決定される。
【0417】
場合により、本方法は、ステップ(b)において決定されるIL−1β分析物の濃度または量を、例えば、所定のレベルと比較することをさらに含む。さらに、場合により、本方法は、比較が、ステップ(b)において決定される分析物の濃度または量が、例えば、所定のレベルに対して好ましくなく変化していることを示す場合に、被験体を1種または複数の医薬組成物を用いて一定期間治療することを含む。
【0418】
さらに、本方法は、1種または複数の医薬組成物を用いて治療を受けている被験体において治療をモニタリングするために使用され得る。具体的には、このような方法は、被験体が1種または複数の医薬組成物を投与される前に被験体から得た第1の試験試料を提供することを含む。次いで、IL−1βの、被験体から得た第1の試験試料中の濃度または量が決定される(例えば、本明細書に記載された方法または当技術分野で公知の方法を使用して)。IL−1βの濃度または量が決定された後、場合により、次いで、IL−1βの濃度または量が所定のレベルと比較される。第1の試験試料において決定されるIL−1βの濃度または量が、所定のレベルよりも低い場合に、被験体は、1種または複数の医薬組成物を用いて治療されない。しかし、第1の試験試料において決定されるIL−1βの濃度または量が所定のレベルよりも高い場合に、被験体は、1種または複数の医薬組成物を用いて、一定期間治療される。被験体が1種または複数の医薬組成物を用いて治療される期間は、当業者によって決定され得る(例えば、期間は、約7日から約2年、好ましくは、約14日から約1年であり得る)。
【0419】
1種または複数の医薬組成物を用いる治療の経過の間に、被験体から第2の、およびその後の試験試料が入手される。試験試料の数および前記の試験試料が被験体から入手された時間は重要ではない。例えば、被験体が1種または複数の医薬組成物を最初に投与された7日後に第2の試験試料が、入手され得、第3の試験試料が、被験体が1種または複数の医薬組成物を最初に投与された2週間後に入手され得、第4の試験試料が、被験体が1種または複数の医薬組成物を最初に投与された3週間後に入手され得、第5の試験試料が、被験体が1種または複数の医薬組成物を最初に投与された4週間後に入手され得るなど。
【0420】
第2の、またはそれに続く試験試料各々が被験体から入手された後、第2の、またはそれに続く試験試料中のIL−1β分析物の濃度または量が調べられる(例えば、本明細書に記載された方法または当技術分野で公知の方法を使用して)。第2の、およびそれに続く試験試料各々において決定されるIL−1βの濃度または量が、第1の試験試料(例えば、最初に、場合により、所定のレベルと比較された試験試料)において決定される分析物の濃度または量と比較される。ステップ(a)において決定される分析物の濃度または量と比較した場合に、ステップ(c)において決定されるIL−1βの濃度または量が、好ましい場合には、被験体における疾患は、中断、消失または改善していると決定され、被験体は、ステップ(b)の1種または医薬組成物を投与され続けなければならない。しかし、ステップ(a)において決定される分析物の濃度または量と比較された場合に、ステップ(c)において決定された濃度または量が、変化しない、または好ましくない場合には、被験体における疾患が継続、進行または悪化していると決定され、被験体は、ステップ(b)において被験体に投与される、より高濃度の1種または複数の医薬組成物を用いて治療されなければならない、または被験体は、ステップ(b)において被験体に投与された1種または複数の医薬組成物とは異なる、1種または複数の医薬組成物を用いて治療されなければならない。具体的には、被験体は、被験体が、前記の被験体の分析物レベルを低減または低下させるために、これまでに投与された1種または複数の医薬組成物とは異なる1種または複数の医薬組成物を用いて治療され得る。
【0421】
一般に、反復試験が行われるアッセイ(例えば、疾患進行および/または治療に対する反応をモニタリングすること)のために、第1の試験試料が被験体から入手された後、一定期間で、第2の、またはそれに続く試験試料が、入手される。具体的には、被験体から得た第2の試験試料は、被験体から第1の試験試料が入手された後、数分、数日、数週間または数年で入手され得る。例えば、第2の試験試料は、被験体から第1の試験試料が入手された後、約1分、約5分、約10分、約15分、約30分、約45分、約60分、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、約24時間、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約7日、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間、約10週間、約11週間、約12週間、約13週間、約14週間、約15週間、約16週間、約17週間、約18週間、約19週間、約20週間、約21週間、約22週間、約23週間、約24週間、約25週間、約26週間、約27週間、約28週間、約29週間、約30週間、約31週間、約32週間、約33週間、約34週間、約35週間、約36週間、約37週間、約38週間、約39週間、約40週間、約41週間、約42週間、約43週間、約44週間、約45週間、約46週間、約47週間、約48週間、約49週間、約50週間、約51週間、約52週間、約1.5年、約2年、約2.5年、約3.0年、約3.5年、約4.0年、約4.5年、約5.0年、約5.5年、約6.0年、約6.5年、約7.0年、約7.5年、約8.0年、約8.5年、約9.0年、約9.5年または約10.0年で被験体から入手され得る。
【0422】
疾患進行をモニタリングするために使用される場合には、上記のアッセイは、急性状態を患っている被験体において疾患の進行をモニタリングするために使用され得る。救命救急状態としても知られる急性状態は、急性の、命を脅かす疾患または例えば、心血管系もしくは排泄系が絡むその他の重大な医学的状態を指す。通常、救命救急状態とは、病院での環境(それだけには限らないが、緊急治療室、集中治療室、外傷センターまたはその他の緊急治療環境を含む)における迅速な医学的介入または診療補助者またはその他の現場ベースの医療関係者による投与を必要とする状態を指す。救命救急状態については、反復モニタリングは、一般に、より短い時間枠、すなわち、数分、数時間または数日(例えば、約1分、約5分、約10分、約15分、約30分、約45分、約60分、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、約24時間、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日または約7日)内で行われ、初期アッセイも同様に、一般に、より短い時間枠、例えば、疾患または状態の発生の約数分、数時間または数日内で行われる。
【0423】
アッセイはまた、慢性または非急性状態を患っている被験体における疾患の進行をモニタリングするために使用され得る。非救命救急または非急性状態とは、急性の、命を脅かす疾患または例えば、心血管系および/もしくは排泄系が絡むその他の重大な医学的状態以外の状態を指す。通常、非急性状態は、長期のまたは慢性の期間のものを含む。非急性状態については、反復モニタリングは、一般に、より長い時間枠、例えば、数時間、数日、数週間、数ヶ月または数年(例えば、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、約24時間、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約7日、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間、約10週間、約11週間、約12週間、約13週間、約14週間、約15週間、約16週間、約17週間、約18週間、約19週間、約20週間、約21週間、約22週間、約23週間、約24週間、約25週間、約26週間、約27週間、約28週間、約29週間、約30週間、約31週間、約32週間、約33週間、約34週間、約35週間、約36週間、約37週間、約38週間、約39週間、約40週間、約41週間、約42週間、約43週間、約44週間、約45週間、約46週間、約47週間、約48週間、約49週間、約50週間、約51週間、約52週間、約1.5年、約2年、約2.5年、約3.0年、約3.5年、約4.0年、約4.5年、約5.0年、約5.5年、約6.0年、約6.5年、約7.0年、約7.5年、約8.0年、約8.5年、約9.0年、約9.5年または約10.0年)内で行われ、初期アッセイも同様に、一般に、より長い時間枠、例えば、疾患または状態の発生の約数時間、数日、数ヶ月または数年内で行われる。
【0424】
さらに、上記のアッセイは、被験体から得られた第1の試験試料を使用して実施され得、ここで、第1の試験試料が、1種の供給源、例えば、尿、血清または血漿から入手される。場合により、上記のアッセイは、次いで、被験体から入手された第2の試験試料を使用して反復され得、これでは、第2の試験試料は、別の供給源から入手される。例えば、第1の試験試料が尿から入手された場合は、第2の試験試料は血清または血漿から入手され得る。第1の試験試料および第2の試験試料を使用するアッセイから得られた結果が比較され得る。比較は、被験体における疾患または状態の現状を評価するために使用され得る。
【0425】
さらに、本開示内容はまた、所与の疾患、障害または状態を患う傾向があるか、患っている被験体が、治療から恩恵を受けるかどうかを調べる方法に関する。特に、本開示内容は、分析物コンパニオン診断法および製剤に関する。したがって、本明細書に記載される「被験体における疾患の治療をモニタリング」する方法は、さらに最適には、治療の候補を選択または同定することを包含し得る。
【0426】
したがって、特定の実施形態では、本開示内容はまた、所与の疾患、障害または状態を有する、またはそのリスクにある被験体が、治療の候補であるかどうかを決定する方法を提供する。一般に、被験体は、所与の疾患、障害または状態のいくつかの症状を経験したものまたは実際に、所与の疾患、障害または状態を有する、またはそのリスクにあると診断されているものおよび/または本明細書に記載される分析物またはその断片の好ましくない濃度または量を示すものである。
【0427】
本方法は、場合により、IL−1βが、1種または複数の医薬組成物(例えば、特に、分析物が絡む作用機序と関連している医薬)を用いる、免疫抑制治療を用いる、または免疫吸収(immunoabsorption)治療による、被験体の治療の前および後に評価される、または分析物がこのような治療の後に評価され、分析物の濃度または量が、所定のレベルに対して比較される本明細書に記載されるアッセイを含む。治療後に観察されたIL−1βの好ましくない濃度または量によって、被験体が、さらなる治療または継続治療を受けることから恩恵を受けないことが確認されるのに対し、治療後に観察された分析物の好ましい濃度または量によって、被験体が、さらなる治療または継続治療を受けることから恩恵を受けることが確認される。この確認によって、臨床研究の管理および改善された患者のケアの提供が支援される。
【0428】
言うまでもないが、本明細書に論じられる所与の疾患、障害または状態を評価するために使用される場合に本明細書における特定の実施形態は有利であるが、その他の疾患、障害または状態において分析物を評価するために、本アッセイおよびキットが使用され得る。アッセイ法はまた、その他のマーカーなどのアッセイを含む。
【0429】
アッセイ法はまた、所与の疾患、障害または状態を寛解させる化合物を同定するために使用され得る。例えば、分析物を発現する細胞は、候補化合物と接触させられ得る。化合物と接触させられる細胞中の分析物の発現のレベルは、本明細書に記載されるアッセイ法を使用して対照細胞中のものと比較され得る。
【0430】
II.キット
試験試料中の分析物(またはその断片)の存在、量または濃度について、試験試料をアッセイするキットがまた、提供される。本キットは、試験試料をIL−1β(またはその断片)についてアッセイするための少なくとも1種の成分と、試験試料を分析物(またはその断片)についてアッセイするための説明書とを含む。試験試料を分析物(またはその断片)についてアッセイするための少なくとも1種の成分は、本明細書に記載される、抗IL−1β結合タンパク質、例えば、モノクローナル抗体またはDVD−Ig(またはその断片、変異体または変異体の断片)を含む組成物を含み得、場合により、固相上に固定化されている。
【0431】
本キットは、イムノアッセイ、例えば、化学発光微粒子イムノアッセイによって試験試料をIL−1β分析物についてアッセイするための少なくとも1種の成分と、イムノアッセイ、例えば、化学発光微粒子イムノアッセイによって試験試料をIL−1β分析物についてアッセイするための説明書とを含み得る。例えば、本キットは、IL−1βの少なくとも1種の特異的結合パートナー、例えば、抗IL−1βモノクローナル/ポリクローナル抗体(またはIL−1β分析物と結合できるその断片、分析物と結合できるその変異体または分析物と結合できる変異体の断片)または抗IL−1βDVD−Ig(またはその断片、変異体または変異体の断片)を含み得、それらのいずれかが検出可能に標識され得る。あるいは、またはさらに、キットは、抗分析物モノクローナル/ポリクローナル抗体(または分析物と結合できるその断片、分析物と結合できるその変異体または分析物と結合できる変異体の断片)または抗分析物DVD−Ig(またはその断片、変異体または変異体の断片)との結合について、試験試料中の任意の分析物と競合し得る、検出可能に標識されたIL−1β分析物(または抗分析物と結合できるその断片、モノクローナル/ポリクローナル抗体または抗分析物DVD−Ig(またはその断片、変異体または変異体の断片))を含み得、それらのいずれかが、固相支持体上に固定化され得る。本キットは、標準物質または対照、例えば、単離または精製分析物を含み得る。本キットは、アッセイを実施するための、少なくとも1種の容器(例えば、すでに、第1の特異的結合パートナーでコーティングされている場合がある、例えば、チューブ、マイクロタイタープレートまたはストリップ)および/またはバッファー、例えば、アッセイバッファーもしくは洗浄バッファーを含み得、それらのいずれか1種が、検出可能な標識(例えば、酵素標識)のための濃縮溶液、基質溶液または停止溶液として提供され得る。好ましくは、本キットは、アッセイを実施するために必要であるすべての成分、すなわち、試薬、標準、バッファー、希釈剤などを含む。説明書は、紙の形態であっても、コンピュータで読み取り可能な形態、例えば、ディスク、CD、DVDなどであってもよい。
【0432】
任意の結合タンパク質、例えば、抗IL−1β結合タンパク質または抗分析物DVD−Igまたはトレーサーは、本明細書に記載される検出可能な標識、例えば、フルオロフォア、放射性部分、酵素、ビオチン/アビジン標識、発色団、化学発光標識などを組み込むことができ、または本キットは、検出可能な標識を実施するための試薬を含み得る。抗体、標準物質および/または対照は、別個の容器で提供されるか、適当なアッセイ形式、例えば、マイクロタイタープレート中に予め分配され得る。
【0433】
所望により、本キットは、品質管理成分(例えば、感受性パネル、標準物質および陽性対照)を含む。品質管理試薬の調製は、当技術分野で周知であり、種々の免疫診断薬について挿入シート上に記載されている。感受性パネルメンバーは、アッセイパフォーマンス特性を確立するために場合により使用され、さらに場合により、イムノアッセイキット試薬の完全性およびアッセイの標準化の有用な指標である。
【0434】
本キットはまた、診断アッセイを実施するのに、または品質管理評価を容易にするのに必要なその他の試薬、例えば、バッファー、塩、酵素、酵素補助因子、酵素基質、検出試薬などを場合により含み得る。試験試料の単離および/または処理のためのバッファーおよび溶液などのその他の成分(例えば、前処理試薬)も、本キットに含まれ得る。本キットは、1種または複数のその他の対照をさらに含み得る。本キットの成分の1種または複数は、凍結乾燥され得、この場合には、本キットは、凍結乾燥成分の再構成に適した試薬をさらに含み得る。
【0435】
本キットの種々の成分は、場合により、必要に応じて適した容器、例えば、マイクロタイタープレート中で提供される。本キットは、試料を入れる、または保存するための容器(例えば、尿試料用の容器またはカートリッジ)をさらに含み得る。必要に応じて、本キットはまた、場合により、反応容器、混合容器および試薬または試験試料の調製を容易にするその他の成分を含有し得る。本キットはまた、試験試料を入手することを支援するための1種または複数の機器、例えば、シリンジ、ピペット、鉗子、計量スプーンなどを含み得る。
【0436】
検出可能な標識が、少なくとも1種のアクリジニウム化合物である場合は、本キットは、少なくとも1種のアクリジニウム−9−カルボキサミド、少なくとも1種のアクリジニウム−9−カルボキシレートアリールエステルまたはその任意の組合せを含み得る。検出可能な標識が、少なくとも1種のアクリジニウム化合物である場合は、本キットはまた、過酸化水素の供給源、例えば、バッファー、溶液および/または少なくとも1種の塩基性溶液を含み得る。必要に応じて、本キットは、固相、例えば、磁性粒子、ビーズ、試験管、マイクロタイタープレート、キュベット、メンブレン、足場分子、フィルム、濾紙、ディスクまたはチップを含有し得る。
【0437】
III.キットおよび方法の適応
本キット(またはその成分)ならびに本明細書に記載されるイムノアッセイなどのアッセイによって、試験試料中の分析物の存在、量または濃度を調べる方法は、例えば、米国特許第5,089,424号および同5,006,309号に記載され、例えば、ARCHITECT(登録商標)としてAbbott Laboratories(Abbott Park、Illinois)によって市販されるような、種々の自動化および半自動化システム(固相が微粒子を含むものを含む)における使用に適応され得る。
【0438】
非自動化システム(例えば、ELISA)と比較される、自動化または半自動化システム間の相違の一部として、第1の特異的結合パートナー(例えば、抗分析物、モノクローナル/ポリクローナル抗体(またはその断片、その変異体またはその変異体の断片)または抗分析物DVD−Ig(またはその断片、その変異体またはその変異体の断片)が付着され、どちらにしても、サンドイッチ形成および分析物反応性は影響され得る)基質ならびに捕獲、検出および/または任意の任意選択の洗浄ステップの長さおよびタイミングが挙げられる。ELISAなどの非自動化形式は、試料および捕獲試薬とともの相対的に長いインキュベーション時間(例えば、約2時間)を必要とし得るが、自動化または半自動化形式(例えば、ARCHITECT(登録商標)、Abbott Laboratories)は、相対的に短いインキュベーション時間(例えば、ARCHITECT(登録商標)のおよそ18分)を有し得る。同様に、ELISAなどの非自動化形式は、コンジュゲート試薬などの検出抗体を、比較的長いインキュベーション時間の間(例えば、約2時間)インキュベートし得るが、自動化または半自動化形式(例えば、ARCHITECT(登録商標))は、相対的に短いインキュベーション時間(例えば、ARCHITECT(登録商標)のおよそ4分)を有し得る。
【0439】
Abbott Laboratoriesから入手できるその他のプラットフォームとして、それだけには限らないが、AxSYM(登録商標)、IMx(登録商標)(例えば、米国特許第5,294,404号参照のこと)、PRISM(登録商標)、EIA(ビーズ)およびQuantum(商標)IIならびにその他のプラットフォームが挙げられる。さらに、アッセイ、キットおよびキット成分は、その他の形式で、例えば、電気化学的またはその他のハンドヘルドまたはポイントオブケアアッセイシステムで使用され得る。本開示内容は、例えば、市販のAbbott Point of Care(i−STAT(登録商標)、Abbott Laboratories)サンドイッチイムノアッセイを実施する電気化学的イムノアッセイシステムに適用できる。イムノセンサーならびに使い捨て試験装置におけるその製造方法および操作方法が、例えば、米国特許第5,063,081号、米国特許出願公開第2003/0170881号、米国特許出願公開第2004/0018577号、米国特許出願公開第2005/0054078号および米国特許出願公開第2006/0160164号に記載されている。
【0440】
特に、分析物アッセイのI−STAT(登録商標)システムへの適応に関して、以下の配置が好ましい。微細加工シリコンチップは、一対の金アンペロメトリー作用電極および銀−塩化銀参照電極を用いて製造される。作用電極の一方上で、固定化された抗分析物、モノクローナル/ポリクローナル抗体(またはその断片、その変異体またはその変異体の断片)または抗分析物DVD−Ig(またはその断片、その変異体またはその変異体の断片)を有するポリスチレンビーズ(直径0.2mm)が、電極上のパターン化されたポリビニルアルコールのポリマーコーティングに接着される。このチップは、イムノアッセイに適した流体形式でI−STAT(登録商標)カートリッジに組み立てられる。カートリッジの試料を入れたチャンバーの壁の一部上に、抗分析物、モノクローナル/ポリクローナル抗体(または分析物と結合できるその断片、その変異体またはその変異体の断片)または抗分析物DVD−Ig(または分析物と結合できるその断片、その変異体またはその変異体の断片)などの分析物の特異的結合パートナーを含む層があり、それらのいずれかが、検出可能に標識され得る。カートリッジの流体袋内に、p−アミノフェノールホスフェートを含む水性試薬がある。
【0441】
運転中、試験カートリッジの保持チャンバーに、分析物を含有すると疑われる試料が添加され、I−STAT(登録商標)リーダー中にカートリッジが挿入される。分析物の特異的結合パートナーが、試料に溶解された後、カートリッジ内のポンプ要素が試料を、チップを含有するコンジット中に入れる。ここで、サンドイッチの形成を促進するために振動させられる。アッセイの最後から2番目のステップでは、流体が袋から出され、コンジット中に入れられて、チップから試料を廃棄チャンバー中に洗浄除去する。アッセイの最後のステップでは、アルカリホスファターゼ標識は、p−アミノフェノールホスフェートと反応して、ホスフェート基を切断し、遊離p−アミノフェノールが作用電極で電気化学的に酸化されることを可能にする。測定された電流に基づいて、リーダーは、内蔵されたアルゴリズムおよび工場によって決定された較正曲線によって試料中の分析物の量を算出できる。
【0442】
さらに言うまでもないが、本明細書に記載される方法およびキットは、その他の試薬およびイムノアッセイを実施する方法を必ず包含する。例えば、当技術分野で公知のものならびに/またはコンジュゲート希釈液、微粒子希釈液として、および/もしくは標準物質希釈液として、例えば、洗浄に使用されるよう容易に調製もしくは最適化され得るものなどの種々のバッファーが包含される。例示的コンジュゲート希釈液は、特定のキット(Abbott Laboratories、Abbott Park、Illinois)において使用され、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)、塩、タンパク質遮断薬、抗菌剤および界面活性剤を含有するARCHITECT(登録商標)コンジュゲート希釈液である。例示的標準物質希釈液として、MES、その他の塩、タンパク質遮断薬および抗菌剤を含有するバッファーを含む、特定のキット(Abbott Laboratories、Abbott Park、Illinois)において使用されるARCHITECT(登録商標)ヒト標準物質希釈液がある。さらに、米国特許出願第12/650,241号(米国特許出願公開第2010/0167301号;PCT公開番号WO2010/078443も参照のこと)に記載されるように、例えば、シグナル増幅器としてシグナル抗体と連結された核酸配列を使用して、I−Statカートリッジ形式で、シグナル生成が改善され得る。
【0443】
本明細書に記載された本発明の方法のその他の適した改変および適合は、明らかであり、本発明の範囲または本明細書に記載された実施形態から逸脱することなく、適した等価物を使用して行われ得るということは、当業者には容易に明らかとなる。
【0444】
ここで、本発明を詳細に記載したが、これは、単に例示目的で含まれるのであって、本発明を制限するものではない以下の実施例を参照することによってより明確に理解される。
【実施例】
【0445】
実施例1:クローンE26からの親和性成熟されたヒト化IL−1β抗体の作製
表6は、ヒト化マウスE26抗体(GlaxoSmithKline、PCT公開番号WO95/01997)のVHおよびVLのアミノ酸配列を提供する。各VHおよびVL配列の個々のCDRのアミノ酸残基は太字で示されている。
【0446】
【表10】
【0447】
親和性成熟されたヒト化マウスE26抗体は以下のように得た。1種の軽鎖ライブラリーを、以下の残基で制限された突然変異誘発を含有するよう構築した:CDRL1:30、31、32;CDRL2:50、53、55、56;CDRL3:92、93、94、96および97(Kabat番号付け)。2種の重鎖ライブラリーを、CDRH1およびCDRH2中、残基31、33、50、52a、55、56、57、58および60(Kabat番号付け)で、または、CDRH3中、残基95、96、97、98、99、100、100a、100bおよび102で制限された突然変異誘発を含有するよう製造した。重鎖ライブラリーはまた、ライブラリー選択の際のフレームワーク生殖系列化(germ−lining)を可能にするよう、残基23(A/S)、24(A/S)、62(T/S)、84(P/A)、88(G/A)、91(F/Y)および108(P/L)で二元性多様性を含有していた。カニクイザル(cyno)IL−1βの濃度を低下させることによって、全部で3種のライブラリーを別個に選択した。次いで、すべて突然変異誘発したCDR配列を、VH CDRのみに突然変異を有する1種のライブラリーおよび6つすべてのCDR中に突然変異を有する別のライブラリー中に組み合わせた。これら2種の組み合わせたライブラリーを、ヒトおよびcynoIL−1βを用いる、よりストリンジェントな選択条件に付し、その後、個々の抗体をさらなる特性決定のために、IgGタンパク質として同定および発現させた。
【0448】
表7は、ヒト化E26由来の親和性成熟されたIL−1β抗体のVH領域のアミノ酸配列のリストを提供する。各VH配列の個々のCDRのアミノ酸残基は、太字で示されている。
【0449】
【表11】
【0450】
表8は、E26に由来する親和性成熟されたヒト化IL−1β抗体のVL領域のアミノ酸配列のリストを提供する。各VL配列の個々のCDRのアミノ酸残基は、太字で示されている。以下の表8において親和性成熟されたVL配列の一部において見られるN末端D(Asp)からG(Gly)への突然変異は、ライブラリー構築の際に実施したポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の際に生じた意図されない突然変異誘発の結果である可能性が最も高かった。N末端G残基は、これらの領域がIgG分子の構築に使用される場合に、因果関係はないが除去され得る。
【0451】
【表12】
上記の表中のヒト化E26に由来する親和性成熟されたIL−1β抗体のVHおよびVL領域の個々のCDRの配列の配列をアラインして、表9中のものなどのコンセンサスCDR配列を提供できる。
【0452】
【表13】
【0453】
表10中の配列を、さらなる特性決定のためにIgGに変換した。クローンE26.13は、それぞれ、E26.13 JM VHおよびE26.13 JM VLと呼ばれる、重鎖可変および軽鎖領域のJ−領域中で突然変異させて、非生殖系列フレームワーク突然変異を除去した。個々のCDRのアミノ酸残基は、太字で示されている。
【0454】
【表14】
【0455】
実施例2:IL−1β抗体の機能的特性決定
実施例2.1:IL−1β酵素結合免疫吸着測定プロトコール
抗IL−1β mAbが、ヒトIL−1βと結合するかどうかを調べるために、ELISAプレート(Nunc、MaxiSorp、Rochester、New York)を、2μg/mlのPierce Coatバッファー(Jackson Immunoresearch、West Grove、Pennsylvania)で希釈した抗ヒトFc抗体とともに4℃で一晩インキュベートした。プレートを、洗浄バッファー(0.05% Tween 20を含有するPBS)で5回洗浄し、ウェルあたり200μlのsuperblockブロッキングバッファー(Thermo scientific、No. 37515)とともに25℃で1時間ブロッキングした。プレートを軽くたたくことによってブロッキングバッファーを除去し、ウェルに、10% Superblock、0.5% Tween−20を含有するPBS中、各抗体2μg/mlを、100μl/ウェルで加え、25℃で1時間インキュベートした。ウェルを1×PBSTで5回洗浄し、1:6の段階希釈で1μg/mlのビオチン化抗原を滴定した(10% Superblock、0.05% Tween 20を含有するPBS中、μgからpgの範囲について)。次いで、プレートに抗原の各希釈物を加え、25℃で1時間インキュベートした。ウェルを1×PBSTで5回洗浄し、ポリHRPストレプトアビジン(KPL番号474−3000、Gaithersburg、Maryland)とともに25℃で1時間インキュベートした。ウェルを1×PBSTで5回洗浄し、ウェルあたりULTRA−TMB ELISA(Pierce、Rockford、Illinois)100μlを加えた。色の発色後、1N HCLを用いて反応を停止させ、450nMでの吸光度を測定した。結果は、表11に示されており、数値は、抗IL−1β抗体のヒトIL−1βとの結合を示す。
【0456】
【表15】
【0457】
実施例2.2:IL−1β抗体の中和効力
本発明における抗ヒトIL−1β抗体の機能活性を調べるために、抗体のIL−1β活性を阻害する能力を測定するMRC−5アッセイにおいて抗体を使用した。MRC−5細胞株は、ヒトIL−1βに応じて用量依存的にIL−8を産生するヒト肺繊維芽細胞株である。この細胞株はまた、カニクイザルIL−1β(cyno IL−1β)に応じてもIL−8を産生する。MRC−5細胞は、最初はATCCから入手し、10% FBS完全MEMで継代培養し、37℃、5% CO
2インキュベーター中で増殖させた。抗体のIL−1βに対する中和効力を調べるために、96ウェルプレートに抗体(50μl)を加え(1E−7から1E−15 M最終濃度範囲)、50μlのヒトまたはcyno IL−1β(50pg/mL最終濃度)とともに37℃、5% CO
2で1時間プレインキュベートした。次いで、MRC−5細胞(100μl細胞/ウェルで1E5/mlの濃度で24時間前にプレーティングした)に抗原抗体複合体(100μL)を加えた。アッセイプレートを、5% CO
2インキュベーター中、37℃で一晩インキュベートした。抗体効力を、IL−8産生を阻害するその能力によって調べた。ヒトIL−8産生は、化学発光ベースのアッセイによって測定した。表12には、ヒトおよびcynoIL−1βに対する抗体効力が要約されている。
【0458】
【表16】
【0459】
実施例2.3:表面プラズモン共鳴によるIL−1β抗体の親和性測定
BIACOREアッセイ(Biacore、Inc、Piscataway、New Jersey)は、結合速度および解離速度定数の動態測定を用いて抗体の親和性を決定する。抗体の、組換え精製ヒトIL−1βおよびカニクイザルIL−1βとの結合は、25℃でランニングHBS−EP(10mM HEPES[pH7.4]、150mM NaCl、3mM EDTAおよび0.005%界面活性剤P20)を使用するBiacore(登録商標)3000機器(Biacore(登録商標)AB、Uppsala、Sweden)を用いる表面プラズモン共鳴ベースの測定によって決定された。すべての化学物質はBiacore(登録商標)AB(Uppsala、Sweden)から入手するか、そうでなければ、本明細書に記載される異なる供給源から入手した。10mM酢酸ナトリウム(pH4.5)で希釈した、およそ5000RUのヤギ抗マウスIgG、(Fcγ)、断片特異的ポリクローナル抗体(Pierce Biotechnology Inc、Rockford、Illinois)を、標準アミンカップリングキットを、25μg/mlで製造業者の説明書および手順に従って使用してCM5研究等級バイオセンサーチップのいたるところに直接的に固定化した。バイオセンサー表面上の未反応部分を、エタノールアミンを用いてブロッキングした。フローセル2および4中の修飾されたカルボキシメチルデキストラン表面を、反応表面として使用した。フローセル1および3中のヤギ抗マウスIgGを有さない未修飾のカルボキシメチルデキストランを、参照表面として使用した。動態解析のために、1:1 Langmuir結合モデルから導いた速度方程式を、Biaevaluation4.0.1ソフトウェアを使用して8回のインジェクションすべての会合および解離相に同時にフィッティングした(グローバルフィット解析を使用して)。精製抗体を、ヤギ抗ヒトIgG特異的反応表面のいたるところでの捕獲のためにHEPES緩衝生理食塩水で希釈した。リガンドとして捕獲される抗体(25μg/ml)を、5μl/分の流速で反応マトリックス上にインジェクションした。会合および解離速度定数、k
on(単位M
−1s
−1)およびk
off(単位s
−1)を25μl/分の連続流速下で決定した。速度定数は、10−200nMの範囲の10種の異なる抗原濃度で動態結合測定値を作製することによって導いた。次いで、抗体および標的抗原間の反応の平衡解離定数(単位M)を、以下の式:K
D=k
off/k
onによって動態速度定数から算出した。結合を時間の関数として記録し、動態速度定数を算出する。このアッセイでは、10
6M
−1s
−1ほども速い結合速度および10
−6s
−1ほども遅い解離速度が測定され得る。表13は、ヒト抗IL−1β抗体の親和性測定値を示す。
【0460】
【表17】
【0461】
実施例3:IL−1α/β DVD−Ig(商標)分子の作製
実施例3.1:IL−1α/β DVD−Ig DNA構築物の構成
介在リンカーDNA配列を用いるオーバーラップPCR増幅によって、抗IL−1α抗体(「X3」;PCT公開番号WO95/14780参照のこと)可変ドメインを、複数のIL−1β抗体可変ドメインとDVD−Ig形式に組み合わせた(Wuら、Nature Biotechnol.、25:1290−1297頁(2007年);PCT公開番号WO2007/024715 A2)。X3はまた、それぞれ、X3 JM VHおよびX3 JM VLと呼ばれる、重鎖可変および軽鎖領域のJ−領域中で突然変異させて、非生殖系列フレームワーク突然変異を除去した。増幅されたPCR産物をHEK293細胞における一過性発現に適した発現ベクターにサブクローニングし、DVD−Ig発現の前に配列決定することによってオープンリーディングフレーム領域を確認した。
【0462】
実施例3.2:IL−1α/β DVD−Ig結合タンパク質の発現および製造
DNA配列確認後、すべてのDVD−Ig DNA構築物を大腸菌(E. coli)において増殖させ、Qiagen Hispeed Maxi Prep(カタログ番号12662、QIAGEN)を使用してDNAを精製した。0.2μg/ml重鎖DNAおよび0.3μg/ml軽鎖DNAを有する、2:1の割合のPEIおよびDNAを混合することによって、DVD−Ig DNAを対数期293E細胞にトランスフェクトした(0.5×10
6個/ml、生存力>95%)。TCフード中、室温で15分間、DNA:PEI複合体を形成させ、その後、293E細胞に添加した。24後、293E細胞に0.5% TN1を添加した。5日目に、ヒトIgG1力価測定のために上清を採取した。7日目に細胞上清を回収し、0.2μM PESフィルターを通して濾過した。上清を、プロテインAセファロースアフィニティークロマトグラフィーを製造業者の説明書に従って使用することによって精製した。精製されたDVD−Igを0.1Mグリシン(pH2.99)によってカラムから溶出し、直ちに15mMヒスチジンバッファー(pH6.0)に透析した。A280によって結合タンパク質を定量化し、質量分析およびSECによって分析した。
【0463】
実施例3.3:IL−1α/β DVD−Ig構築物の配列
ヒトIL−1βおよびヒトIL−1αと結合できる DVD−Igタンパク質の重鎖および軽鎖のアミノ酸配列を決定した。IL−1α/β DVD−Ig 結合タンパク質の重鎖可変鎖(VH)、軽鎖可変鎖(VL)、定常軽鎖(CL)および定常重鎖(CH)領域のアミノ酸配列が、以下の表14に示されている。表14では、E26.13およびE26.35VL領域のアミノ酸配列は、C末端アルギニン(R)残基を含むことを説明するために、先に表10において示されたような配列番号205および配列番号209の代わりに、それぞれ、配列番号238および配列番号239と表されている。このC末端アルギニン残基は、抗体エンジニアリングの当業者によって、IgG分子中のVLおよびCLκ領域の接合部のアミノ酸残基であり、CL領域中に含まれることも、または以下の表14におけるように、VL領域中に含まれることもあると理解される。
【0464】
【表18】
【0465】
実施例4:IL−1α/β DVD−Igタンパク質の機能的特性決定
実施例4.1:IL−1α/β酵素結合免疫吸着測定プロトコール
IL−1β/α DVD−Ig結合タンパク質によるIL−1βおよびIL−1α結合をELISA(上記の実施例2.1に記載されるアッセイ)によって評価した。結果が表15に示されている。
【0466】
【表19】
【0467】
実施例4.2:IL−1α/βバイオアッセイおよび中和アッセイ
MRC5細胞を、100μLの容量中、ウェルあたり1.5−2×10
4個細胞でプレーティングし、37℃、5% CO
2で一晩インキュベートした。完全MEM培地で、20μg/mLのDVD−Ig(4×濃縮された)の作業ストックを調製した。Marsh希釈プレート中で、完全MEMで8点段階希釈を実施した(5μg/mL−0.0003μg/mL)。96ウェルv底(Costar番号3894)プレートに65μL/ウェルの各抗体希釈物を4連で添加し、IL−1αまたはIL−1βの65μLの200pg/mL溶液または50pg/mLのIL−1αおよびIL−1β両方の溶液を含有する65μLの混合溶液を添加した。対照ウェルには、IL−1αまたはIL−1βの65μLの200pg/mlまたは50pg/mL混合IL−1α/β(4×濃縮された)および65μL MEM培地を入れ、および培地対照ウェルには130μLの培地を入れた。1時間インキュベートした後、MRC5細胞に100μLのDVD−Ig/Ag混合物を添加した。すべてのウェル容量は200μLに相当した。そこで、すべてのプレート試薬は、1×濃縮されていた。16−20時間インキュベートした後、ウェル内容物(150μL)を96ウェル丸底プレート(Costar番号3799)に移し、−20℃の冷凍庫に入れた。ヒトIL−8 ELISAキット(R&D Systems、Minneapolis、Minnesota)またはMSD hIL−8(化学発光キット)を使用することによって、上清を、hIL−8レベルについて試験した。IL−1α、IL−1βまたはIL−1α/β単独対照値に対する阻害パーセントを算出することによって中和効力を調べた(表16)。
【0468】
【表20】
【0469】
実施例4.3:IL−1α/β DVD−Ig分子の親和性測定
実施例2.3に記載される表面プラズモン共鳴を使用して、IL−1α/β DVD−Igの、精製組換えヒトIL−1βおよびIL−1αならびにカニクイザルIL−1βおよびIL−1αとの結合を調べ、結果が表17に示されている。
【0470】
【表21】
【0471】
参考による組み込み
本発明は、参照により、分子生物学および薬物送達の分野において周知であるその全技術を組み込む。これらの技術として、それだけには限らないが、以下の刊行物に記載された技術が挙げられる:Ausubelら(編)、Current Protocols in Molecular Biology、John Wiley & Sons、NY(1993年);Ausubel,F.M.ら編、Short Protocols In Molecular Biology(第4版1999年)John Wiley & Sons、NY.(ISBN 0−471−32938−X)。Controlled Drug Bioavailability Drug Product Design and Performance、SmolenおよびBall(編)、Wiley、New York(1984年);Giegeら、第1章、In Crystallization of Nucleic Acids and Proteins、A Practical Approach、第2版、(DucruixおよびGiege編)(Oxford University Press、New York、1999年)1−16頁;Goodson,J.M.、第6章、In Medical Applications of Controlled Release、第II巻、Applications and Evaluation、(LangerおよびWise編)(CRC Press、Inc.、Boca Raton、1984年)、115−138頁;Hammerlingら編.「Monoclonal Antibodies and T−cell Hybridomas」、In Research Monographs in Immunology、第3巻(J.L.Turk、一般編集者)(Elsevier、New York、1981年)、563−587頁;Harlowら、Antibodies:A Laboratory Manual、(Cold Spring Harbor Laboratory Press、第2版 1988年);Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest(National Institutes of Health、Bethesda、Md.(1987年);Kabat,E.A.ら(1991年) Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、U.S. Department of Health and Human Services、NIH刊行物第91−3242号;KontermannおよびDubel編、Antibody Engineering(2001年) Springer−Verlag. New York. 790頁(ISBN 3−540−41354−5);Kriegler、Gene Transfer and Expression、A Laboratory Manual、Stockton Press、NY(1990年);LuおよびWeiner編、Cloning and Expression Vectors for Gene Function Analysis(2001年) BioTechniques Press. Westborough、Mass. 298頁(ISBN 1−881299−21−X);Goodson,J.M.、Medical Applications of Controlled Release、(LangerおよびWise編)(CRC Press、Boca Raton、1974年);Old and Primrose、Principles of Gene Manipulation: An Introduction To Genetic Engineering(第3版1985年) Blackwell Scientific Publications、Boston;Studies in Microbiology、V.2:409頁(ISBN 0−632−01318−4);Sambrook,J.ら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual(第2版1989年) Cold Spring Harbor Laboratory Press、NY. 第1−3巻(ISBN 0−87969−309−6);Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems、(J.R. Robinson編)(Marcel Dekker、Inc.、New York、1978年);Winnacker、E.L. From Genes To Clones: Introduction To Gene Technology(1987年)VCH Publishers、N.Y.(Horst Ibelgauftsによって翻訳された)、634頁(ISBN 0−89573−614−4)。
【0472】
本出願を通して引用されているすべての引用文献(参考文献、特許、特許出願およびウェブサイトを含む)の内容は、文献がその場所に引用されているように、その全体が本明細書において参照により明確に組み込まれている。本発明の実施は、特に断りのない限り、当技術分野で周知である、免疫学、分子生物学および細胞生物学の従来技術を使用する。
【0473】
等価物
本発明は、その精神または本質的特徴から逸脱することなく他の特定の形態に具体化できる。したがって、前述の実施形態は、あらゆる点で、本明細書に記載の発明の限定ではなくむしろ例示と考えられる。故に、本発明の範囲は、前述の記載によってではなくむしろ添付の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と同等の意味および範囲内に入るすべての変形は、したがって本明細書に包含されることが意図される。