(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記撮像素子を傾けた場合における各画素の水平方向への位置ずれ量を基に、前記撮像手段により撮像された画像を補正する補正手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の三次元計測装置。
前記被計測物は、クリーム半田が印刷されたプリント基板であること、又は、半田バンプが形成されたウエハ基板であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の三次元計測装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、引用文献2のように、計測ヘッド全体を高さ方向へ相対移動する場合には、計測ヘッド自体を移動するにしても、被計測物を載置したテーブル側を移動するにしても、いずれにしても重量のあるものを上下動する構成となるため、細やかな動きや素早い動きが難しく、計測精度や計測速度の低下が懸念される。また、計測ヘッド全体やテーブル全体を動かす大掛かりな機構が必要となり、装置が大型化するおそれもある。
【0014】
尚、上記課題は、必ずしもプリント基板上に印刷されたクリーム半田等の三次元計測に限らず、他の三次元計測装置の分野においても内在するものである。勿論、位相シフト法に限られる問題ではない。
【0015】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、三次元計測を行うにあたり、計測精度の向上等を図ることのできる三次元計測装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
以下、上記課題を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果を付記する。
【0017】
手段1.所定の光(例えば縞状のパターン光など)を被計測物(例えばプリント基板など)に対し照射可能な照射手段と、
少なくとも上下方向(光軸方向)へ変位可能に設けられた撮像素子と、該撮像素子に対し前記所定の光の照射された前記被計測物上の所定領域の像を結像させる両側テレセントリック光学系とを有した撮像手段と、
前記照射手段及び前記撮像手段と前記被計測物とを相対移動可能な移動手段と、
前記撮像手段により撮像された画像を基に前記被計測物上の所定の計測対象(例えばクリーム半田など)について三次元計測を実行可能な画像処理手段とを備えた三次元計測装置であって、
前記所定の光の下で前記被計測物上の所定領域に係る撮像を行う少なくとも前段階において、該所定領域の高さ(例えばベース基板の高さ)を計測可能な計測手段と、
前記計測手段の計測結果に基づき、該所定領域に係る撮像を行う際には、該所定領域と前記撮像素子との間が所定距離(所定領域が合焦範囲内に収まる距離)となるように、前記撮像素子の高さ位置を調整可能な調整手段とを備えたことを特徴とする三次元計測装置。
【0018】
上記手段1によれば、被計測物上の所定領域(撮像領域)に合わせて撮像素子の高さ位置を調整しながら撮像していくため、常にピントの合った画像を取得することが可能となる。結果として、被計測物に反り等がある場合においても、被計測物全体を合焦範囲内に収めること(被計測物全体についてピントの合った画像を取得すること)が可能となり、計測精度の向上を図ることができる。
【0019】
特に、本手段においては、撮像素子のみを上下動させることで、被計測物と撮像素子との距離を一定に保つように構成されている。これにより、高さ調整(Z軸補正)に係る機構を従来に比べ極めてコンパクトにすることができる。また、細やかで素早い動きが可能となり、計測精度や計測速度を著しく向上させることができる。
【0020】
さらに、両側テレセントリック光学系を利用した上で高さ調整を行っているため、撮像素子の高さ方向への位置変化や、被計測物の表面の高さ変化などに起因した倍率への影響も抑えることができる。
【0021】
手段2.前記計測手段は、
前記所定の光の下で前記被計測物上の所定領域に係る撮像を行う少なくとも前段階において、該所定領域の傾きを計測可能に構成され、
前記調整手段は、
前記計測手段の計測結果に基づき、該所定領域に係る撮像を行う際には、前記撮像素子の傾き(姿勢)が該所定領域の傾きに合わせた傾きとなるように、前記撮像素子の傾きを調整可能に構成されていることを特徴とする手段1に記載の三次元計測装置。
【0022】
被計測物に反り等があり、被計測物上の所定領域(撮像領域)が傾いている場合には、撮像手段の視野全体を合焦範囲内に収めることが困難となるおそれがある。かかる不具合に対応しようとした場合、従来では、被計測物の反り等に合わせて撮像手段(撮像装置)全体を傾け、視野全体にピントを合わせる必要がある。
【0023】
しかしながら、撮像手段全体を傾けた場合には、撮像手段の視野がずれる(所定領域から外れてしまう)おそれがある。また、重量のある撮像手段全体を姿勢制御する構成となるため、細やかな動きや素早い動きが難しく、計測精度や計測速度の低下が懸念される。また、撮像手段全体を動かす大掛かりな機構が必要となり、装置が大型化するおそれもある。
【0024】
この点、上記手段2によれば、被計測物上の所定領域(撮像領域)に合わせて撮像素子の傾きを調整しながら撮像していくため、被計測物上の所定領域が傾いている場合であっても、常に撮像手段の視野全体にピントの合った画像を取得することが可能となる。結果として、被計測物に反り等がある場合においても、被計測物全体を合焦範囲内に収めること(被計測物全体についてピントの合った画像を取得すること)が可能となり、計測精度の向上を図ることができる。
【0025】
特に、本手段においては、撮像素子のみを傾き調整する構成となっているため、傾き調整に係る機構を従来に比べ極めてコンパクトにすることができる。また、細やかで素早い動きが可能となり、計測精度や計測速度を著しく向上させることができる。
【0026】
さらに、両側テレセントリック光学系を利用した上で傾き調整を行っているため、撮像素子の傾き等に起因した倍率への影響も抑えることができる。
【0027】
手段3.前記撮像素子を傾けた場合における各画素の水平方向への位置ずれ量を基に、前記撮像手段により撮像された画像を補正する補正手段を備えたことを特徴とする手段2に記載の三次元計測装置。
【0028】
撮像素子を基準姿勢(水平姿勢)から傾けた場合、各画素の水平方向における位置がずれるため、撮像素子の各画素と、これに対応する被計測物上の座標位置との位置関係にもずれが生じる。そのため、この状態で撮像した画像を基に三次元計測を行った場合には、計測精度が低下するおそれがある。
【0029】
これに対し、上記手段3によれば、撮像素子を傾けた場合における各画素の水平方向への位置ずれにより生じる画像データのずれを演算処理でソフト的に補正し、計測精度の低下抑制を図ることができる。
【0030】
尚、本手段では、両側テレセントリック光学系を用いており、撮像素子が受光する光が光軸と平行な光であるため、撮像素子の傾き量を把握すれば、簡単な計算式で正確に画素の水平ずれ量を求めることができる。ひいては、撮像素子の各画素が被計測物上のどの座標位置に対応するかを容易に把握することができる。結果として、制御処理の負荷軽減を図ることができる。
【0031】
手段4.前記移動手段により、前記照射手段及び前記撮像手段と前記被計測物とを所定方向に沿って相対的に往復移動させ、
その往路において、前記被計測物上の所定領域に係る前記計測手段による計測を実行し、
その復路において、該所定領域に係る前記調整手段による調整、及び、前記所定の光の下で撮像を実行することを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の三次元計測装置。
【0032】
上記手段4によれば、被計測物上の全ての領域に関して、計測手段による計測を同一方向の流れ(往路)の中で実行でき、かつ、所定の光の下で撮像を同一方向の流れ(復路)の中で実行できるため、移動方向が異なることに起因した計測誤差等を低減し、計測精度(位置精度)の向上を図ることができる。
【0033】
手段5.前記被計測物は、クリーム半田が印刷されたプリント基板であること、又は、半田バンプが形成されたウエハ基板であることを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の三次元計測装置。
【0034】
上記手段5によれば、プリント基板に印刷されたクリーム半田、又は、ウエハ基板に形成された半田バンプの三次元計測等を行うことができる。ひいては、クリーム半田又は半田バンプの検査において、その計測値に基づいてクリーム半田又は半田バンプの良否判定を行うことができる。従って、かかる検査において、上記各手段の作用効果が奏されることとなり、精度よく良否判定を行うことができる。結果として、半田印刷検査装置又は半田バンプ検査装置における検査精度の向上を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。まず被計測物としてのプリント基板の構成について詳しく説明する。
【0037】
図2に示すように、プリント基板1は、平板状をなし、ガラスエポキシ樹脂等からなるベース基板2に、銅箔からなる電極パターン3が設けられている。さらに、所定の電極パターン3上には、クリーム半田4が印刷形成されている。このクリーム半田4が印刷された領域を「半田印刷領域」ということにする。半田印刷領域以外の部分を「背景領域」と総称するが、この背景領域には、電極パターン3が露出した領域(記号A)、ベース基板2が露出した領域(記号B)、ベース基板2上にレジスト膜5がコーティングされた領域(記号C)、及び、電極パターン3上にレジスト膜5がコーティングされた領域(記号D)が含まれる。なお、レジスト膜5は、所定配線部分以外にクリーム半田4がのらないように、プリント基板1の表面にコーティングされるものである。
【0038】
次に、本実施形態における三次元計測装置を具備する基板検査装置の構成について詳しく説明する。
図1は、基板検査装置10を模式的に示す概略構成図である。
【0039】
基板検査装置10は、プリント基板1を移動可能な移動手段としてのコンベア13と、プリント基板1の表面に対し斜め上方から各種光を照射する照射手段としての照明装置14と、該各種光の照射されたプリント基板1を撮像する撮像手段としてのカメラ15と、コンベア13や照明装置14、カメラ15の駆動制御など基板検査装置10内における各種制御や画像処理、演算処理を実施するための制御装置16(
図5参照)とを備えている。
【0040】
コンベア13には、図示しないモータ等の駆動手段が設けられており、該モータが制御装置16により駆動制御されることによって、コンベア13上に載置されたプリント基板1をX軸方向(
図1の左右方向)に沿って水平移動することができる。
【0041】
そして、計測時には、プリント基板1をX軸方向右向きに定速で連続移動させる。これにより、X軸方向におけるカメラ15の撮像範囲(視野)Wは、プリント基板1に対し逆方向(X軸方向左向き)に相対移動していくこととなる。
【0042】
照明装置14及びカメラ15は計測ヘッド12として一体化されている。計測ヘッド12は、図示しない駆動手段により、X軸方向と直交するY軸方向(
図1の奥行方向)に沿って水平移動可能に設けられている。
【0043】
そして、プリント基板1をX軸方向右向きに連続移動しながら、プリント基板1のY軸方向所定範囲V(Y軸方向におけるカメラ15の撮像範囲(視野)V:
図3参照)に係るX軸方向全範囲の計測が終了すると、プリント基板1を逆方向(X軸方向左向き)に移動させ、初期位置に戻す。同時に、計測ヘッド12をY軸方向に沿って所定量移動させる。その後、上記同様に、プリント基板1をX軸方向右向きに連続移動しながら、プリント基板1のX軸方向全範囲の計測を行う。このように、計測ヘッド12をY軸方向に順次ずらしながら、プリント基板1のX軸方向全範囲の計測を行うことにより、プリント基板1全域の計測を行うことができる。
【0044】
照明装置14は、9つの照明(第1照明14A〜第9照明14I)を備えている。第1照明14A〜第9照明14Iは、それぞれ公知のものであるため、図面を用いた詳細な説明は省略する。
【0045】
このうち、第1照明14A及び第2照明14Bは、所定のパターン光を照射するものである。第1照明14A及び第2照明14Bは、所定の光を発する光源や、該光源からの光をパターン光に変換する液晶光学シャッタなどを備えている。
【0046】
ここで、光源から発せられた光は集光レンズに導かれ、そこで平行光にされた後、液晶光学シャッタを介して投影レンズに導かれ、縞状のパターン光として照射されることとなる。液晶光学シャッタを使用することによって、理想的な正弦波に近い光強度分布を有するパターン光を生成することができ、三次元計測の計測分解能が向上する。
【0047】
本実施形態では、縞の方向がプリント基板1の移動方向(X軸方向)と直交するY軸方向に平行なパターン光が照射される。これにより、プリント基板1に対し、その移動方向に沿って縞状(正弦波状)の光強度分布を有するパターン光が照射されることとなる。本実施形態においては、このパターン光がクリーム半田4などを三次元計測するための計測光となる。
【0048】
但し、第1照明14Aから照射されるパターン光と、第2照明14Bから照射されるパターン光とでは、その輝度が異なる。詳しくは、第1照明14Aのパターン光の輝度は、「暗部」となる上記「背景領域」に対応した比較的明るい第1輝度に設定されている。一方、第2照明14Bのパターン光の輝度は、「明部」となる上記「半田印刷領域」に対応した、前記第1輝度よりも暗い第2輝度に設定されている。
【0049】
第3照明14C及び第4照明14Dは、全範囲において光強度が一定の赤色均一光を照射可能に構成されている。但し、上記同様、第3照明14Cからは上記第1輝度の赤色均一光が照射され、第4照明14Dからは上記第2輝度の赤色均一光が照射される構成となっている。
【0050】
第5照明14E及び第6照明14Fは、全範囲において光強度が一定の緑色均一光を照射可能に構成されている。但し、上記同様、第5照明14Eからは上記第1輝度の緑色均一光が照射され、第6照明14Fからは上記第2輝度の緑色均一光が照射される構成となっている。
【0051】
第7照明14G及び第8照明14Hは、全範囲において光強度が一定の青色均一光を照射可能に構成されている。但し、上記同様、第7照明14Gからは上記第1輝度の青色均一光が照射され、第8照明14Hからは上記第2輝度の青色均一光が照射される構成となっている。
【0052】
第9照明14Iは、スリット光(シート状のレーザ光)を照射可能に構成されている。本実施形態においては、このスリット光がプリント基板1の高さ計測(反り計測)を行うための計測光となる。
【0053】
尚、上記第1照明14A〜第9照明14Iのうち、第1照明14A〜第8照明14Hに関しては、制御装置16により切替制御が行われる。詳しくは、所定の順序に従い所定時間経過毎に第1照明14A〜第8照明14Hを順次切替え、所定のタイミングに所定の光いずれか1つ(パターン光又は均一光)を照射可能に構成されている。第1照明14A〜第8照明14Hから照射される各種光は、X軸方向におけるカメラ15の撮像範囲Wのうち、コンベア13の計測時移動方向下流側の所定範囲(以下、「第1撮像範囲W1」という)に対し投影される。
【0054】
一方、第9照明14Iは、プリント基板1の連続移動中、スリット光を途切れることなく連続照射する。かかるスリット光は、カメラ15の撮像範囲Wのうち、コンベア13の計測時移動方向上流側の所定範囲(以下、「第2撮像範囲W2」に対し投影される。
【0055】
カメラ15は、
図3に示すように、撮像素子17や両側テレセントリック光学系18等から構成され、その光軸19が鉛直方向(Z軸方向)に沿って設定されている。本実施形態では、撮像素子17としてCCDイメージセンサを採用している。
【0056】
また、カメラ15には、矩形平板状をなす撮像素子17の4つの各コーナー部を個別に上下動可能なアクチュエータ(図示略)が設けられている。これにより、撮像素子17は上下方向に変位可能となると共に、その姿勢(傾き)を調整可能に構成されている。但し、撮像素子17は、通常、水平方向に沿った基準姿勢(水平姿勢)で維持されている。
【0057】
撮像素子17は、
図4に示すように、第1撮像範囲W1に対応する第1撮像領域K1と、第2撮像範囲W2に対応する第2撮像領域K2の2つの領域に区分けされている。そして、第1撮像領域K1により、パターン光又は均一光が照射される第1撮像範囲W1の像が撮像され、第2撮像領域K2により、スリット光が照射される第2撮像範囲W2の像が撮像される。
【0058】
両側テレセントリック光学系18は、物体側レンズ31、開口絞り32、像側レンズ33等を一体に備えた両側テレセントリックレンズにより構成されている。
【0059】
物体側レンズ31は、プリント基板1からの反射光を集光するものであり、物体側で光軸19と主光線とが平行となるテレセントリック構造を有する。
【0060】
像側レンズ33は、物体側レンズ31から開口絞り32を透過した光を撮像素子17の受光面に結像させるためのものであり、像側で光軸19と主光線とが平行となるテレセントリック構造を有する。
【0061】
開口絞り32は、物体側レンズ31の後側焦点の位置かつ像側レンズ33の前側焦点の位置に配置されている。
【0062】
カメラ15によって撮像された画像データは、該カメラ15内部においてデジタル信号に変換された上で、デジタル信号の形で制御装置16に入力され、後述する画像データ記憶装置24に記憶される。そして、制御装置16は、該画像データを基に、後述するような画像処理や演算処理等を実施する。
【0063】
次に、制御装置16の電気的構成について
図5を参照して詳しく説明する。
図5は、基板検査装置10の概略を示すブロック図である。
【0064】
図5に示すように、制御装置16は、基板検査装置10全体の制御を司るCPU及び入出力インターフェース21、キーボードやマウス、タッチパネル等で構成される「入力手段」としての入力装置22、CRTや液晶などの表示画面を有する「表示手段」としての表示装置23、カメラ15により撮像された画像データなどを記憶するための画像データ記憶装置24、該画像データに基づいて得られた三次元計測結果など、各種演算結果を記憶するための演算結果記憶装置25などを備えている。尚、これら各装置22〜25は、CPU及び入出力インターフェース21に対し電気的に接続されている。
【0065】
画像データ記憶装置24は、撮像素子17の第1撮像領域K1に対応する第1データ記憶領域と、第2撮像領域K2に対応する第2データ記憶領域とを備えている。
【0066】
次に、基板検査装置10にて実行される三次元計測処理等の各種処理について詳しく説明する。
【0067】
制御装置16は、プリント基板1のY軸方向所定範囲Vに係る計測が開始されると、コンベア13を駆動制御してプリント基板1を定速で連続移動する。また、制御装置16は、コンベア13に設けられた図示しないエンコーダからの信号に基づいて、照明装置14及びカメラ15を駆動制御する。
【0068】
そして、プリント基板1が所定量Δx移動される毎、つまり所定時間Δtが経過する毎に、カメラ15による撮像処理が行われる。本実施形態では、前記所定量Δxが、第1照明14A及び第2照明14Bから照射されるパターン光の位相π/8分(22.5°分)に相当する距離に設定されている。また、カメラ15の第1撮像範囲W1が、パターン光の位相2π分(360°分)に相当する長さに設定されている。
【0069】
一方、所定の撮像処理の終了時から次の撮像処理が開始されるまでの間においては、次の撮像処理の対象となるプリント基板1上の所定領域の高さや傾きに合わせて撮像素子17の高さや傾きを調整する処理が行われる。かかる撮像素子17の調整処理の詳細については後述する。
【0070】
所定時間Δtが経過する毎にカメラ15(撮像素子17の第1撮像領域K1及び第2撮像領域K2)により撮像された画像データは、随時、画像データ記憶装置24(第1データ記憶領域及び第2データ記憶領域)へ転送され記憶される。
【0071】
より詳しくは、プリント基板1が所定量Δx移動される毎、つまり所定時間Δtが経過する毎に、第1照明14A〜第8照明14Hから照射される光が所定の順序で切替えられ、いずれかの光がカメラ15の第1撮像範囲W1内に投影される。そして、これがカメラ15(撮像素子17の第1撮像領域K1)により撮像され、画像データ記憶装置24(第1データ記憶領域)に記憶される。
【0072】
同時に、第9照明14Iから照射されたスリット光がカメラ15の第2撮像範囲W2内に投影される。そして、これがカメラ15(撮像素子17の第2撮像領域K2)により撮像され、画像データ記憶装置24(第2データ記憶領域)に記憶される。
【0073】
但し、撮像素子17の調整処理により、撮像素子17が傾いている場合には、カメラ15(撮像素子17の第1撮像領域K1及び第2撮像領域K2)により撮像された画像データに対し所定の補正処理が行われた上で、かかる補正後の画像データが画像データ記憶装置24(第1データ記憶領域及び第2データ記憶領域)に記憶される。かかる画像データの補正処理の詳細については後述する。
【0074】
そして、制御装置16は、適宜、画像データ記憶装置24の第1データ記憶領域に記憶された画像データ(第1撮像範囲W1の画像データ)を基に、位相シフト法による三次元計測や輝度画像による計測を行い、画像データ記憶装置24の第2データ記憶領域に記憶された画像データ(第2撮像範囲W2の画像データ)を基に、プリント基板1の高さ計測(反り計測)を行うこととなる。
【0075】
ここで、まずプリント基板1の高さ計測(反り計測)について説明する。かかる高さ計測は、スリット光を用いた公知の光切断法により行われるものであり、画像データ記憶装置24の第2データ記憶領域に新たに画像データが記憶される毎(所定時間Δtが経過する毎)に順次実行される。
【0076】
制御装置16は、画像データ記憶装置24の第2データ記憶領域に記憶された画像データを基に、プリント基板1上に投影されたスリット光と、所定の基準位置(例えばプリント基板1に反り等がない場合にスリット光が投影される位置)とのずれ量を算出する。ここで、仮にプリント基板1の所定の座標位置における高さ位置が基準高さ位置と異なる場合には、カメラ15の第2撮像範囲W2に投影されるスリット光の位置がX軸方向にずれることとなる。
【0077】
続いて、これを基に三角測量の原理により、プリント基板1の各座標位置における基準高さ位置からのZ軸方向(高さ方向)へのずれ量を算出し、これをプリント基板1上の各座標位置の相対的な高さデータとして演算結果記憶装置25に記憶する。
【0078】
このようにして、プリント基板1が所定量Δx移動される毎に、スリット光の投影される位置も相対移動していき、プリント基板1上の各座標位置の高さデータが順次記憶されていく。
【0079】
また、プリント基板1上の各座標位置の高さデータが求まることにより、プリント基板1上の所定領域の傾きも算出することができる。従って、スリット光を照射する第9照明14I、これを撮像するカメラ15(撮像素子17の第2撮像領域K2)、撮像された画像データを記憶する画像データ記憶装置24(第2データ記憶領域)、並びに、プリント基板1の高さ計測(傾き計測を含む)を行う制御装置16の機能により、本実施形態における計測手段が構成されることとなる。
【0080】
次に、所定の撮像処理の終了時から次の撮像処理が開始されるまでの間に行われる撮像素子17の調整処理について詳しく説明する。
【0081】
制御装置16は、まず上記高さ計測の結果(プリント基板1上の各座標位置の高さデータ)を基に、次の撮像処理の対象となるプリント基板1上の所定領域(次の撮像タイミングにおいて撮像範囲W内に存在するプリント基板1上の所定領域)内の各座標位置における高さデータを抽出する。
【0082】
続いて、制御装置16は、次の撮像タイミングにおいてカメラ15の光軸19と交差するプリント基板1上の所定の座標位置の高さと、撮像素子17の中心位置の高さとの高低差が予め設定した設定値(所定距離)となるように、撮像素子17の高さ位置を調整する(
図6参照)。
図6は、プリント基板1の反りと合焦範囲との関係を示す図である。本実施形態では、撮像素子17の中心位置が、プリント基板1に対する合焦範囲の上限Gaと合焦範囲の下限Gbとの中間に位置するように前記設定値が設定されている。
【0083】
次に、制御装置16は、撮像素子17の傾きが次の撮像処理の対象となるプリント基板1上の所定領域の傾きに合わせた傾きとなるように、撮像素子17の傾きを調整する(
図7参照)。具体的には、プリント基板1上の所定領域内の各座標位置における高さと、該座標位置に対応する撮像素子17の各画素の高さとの高低差が予め設定した上記設定値となるように調整する。
【0084】
そして、高さ調整及び傾き調整の完了後、所定のタイミングでプリント基板1上の所定領域に係る撮像処理が実行される。従って、撮像素子17を変位可能なアクチュエータや、これを制御して高さ調整や傾き調整を行う制御装置16の機能により、本実施形態における調整手段が構成されることとなる。
【0085】
ここで、上記撮像素子17の傾き調整が行われた場合に行われる画像データの補正処理について詳しく説明する。具体的には、撮像素子17が傾いている場合に、各画素の水平方向への位置ずれにより生じる画像データのずれ(撮像素子17の各画素と、これに対応するプリント基板1上の座標位置との位置関係のずれ)を補正する処理が行われる。かかる補正処理を行う機能により本実施形態における補正手段が構成される。
【0086】
例えば
図8(a)、(b)に示すように、基準姿勢(水平姿勢)にある撮像素子17をX軸方向中央部17aのY軸方向を軸心としてγだけ傾けた場合には、X軸方向一端部における水平ずれ量X
1は、下記式(a)により導き出すことができる。
【0087】
X
1=Z
1tan(γ/2)・・・(a)
但し、Z
1:X軸方向一端部と中央部17aとの高低差(X軸方向両端部の高低差の半分)。
【0088】
ここで、例えばγ=1°とし、Z
1=0.5mm(X軸方向両端部の高低差を1mm)とした場合、tan(γ/2)=0.0087となるため、X軸方向一端部にある画素の水平ずれ量X
1は4μmとなる。
【0089】
尚、かかる水平ずれ量は、その都度、計算により算出する構成としてもよいし、予め撮像素子17と傾斜角との対応関係を表した数表やテーブルデータを作成しておき、これを基に把握する構成としてもよい。勿論、水平ずれ量X
1を算出する演算式も上記式(a)に限定されるものではなく、他の演算式を用いて算出する構成としてもよい。
【0090】
次に、照明装置14の第1照明14A〜第8照明14Hから照射される光と、カメラ15の第1撮像範囲W1(撮像素子17の第1撮像領域K1)において撮像されるプリント基板1との関係について具体例を挙げ詳しく説明する。
【0091】
図9は、時間経過と共に相対移動するカメラ15の第1撮像範囲W1と、プリント基板1上の座標位置との関係を説明するための模式図である。
図10は、時間経過と共に変化する照射光の種類、及び、プリント基板1の各座標位置における照射光の態様(パターン光の位相や均一光の色など)を説明するための対応表である。
【0092】
図9,10に示すように、所定の撮像タイミングt1においては、プリント基板1に対し、第1照明14Aから第1輝度のパターン光が照射される。この際、カメラ15の第1撮像範囲W1内には、プリント基板1のうち、その移動方向(X軸方向)における座標P1〜P17に相当する範囲が位置する。
【0093】
つまり、撮像タイミングt1においては、第1輝度のパターン光が照射されたプリント基板1表面の座標P1〜P17の範囲が撮像素子17の第1撮像領域K1により撮像されることとなる。具体的には、プリント基板1に照射されたパターン光の位相が座標P17で「0°」、座標P16で「22.5°」、座標P15で「45°」、・・・、座標P1で「360°」といった、パターン光の位相が各座標P1〜P17ごとに「22.5°」ずつずれた画像データが取得される。
【0094】
撮像タイミングt1より所定時間Δtが経過した撮像タイミングt2においては、プリント基板1に対し、第3照明14Cから第1輝度の赤色均一光が照射される。この際、カメラ15の第1撮像範囲W1内には、プリント基板1の座標P2〜P18に相当する範囲が位置し、該範囲が撮像素子17の第1撮像領域K1により撮像される。なお、
図10中の各座標位置において「R」とあるのは、該位置に照射された光が「第1輝度の赤色均一光」であることを指す。
【0095】
撮像タイミングt2より所定時間Δtが経過した撮像タイミングt3においては、プリント基板1に対し、第2照明14Bから第2輝度のパターン光が照射される。この際、カメラ15の第1撮像範囲W1内には、プリント基板1の座標P3〜P19に相当する範囲が位置し、該範囲が撮像素子17の第1撮像領域K1により撮像される。
【0096】
撮像タイミングt3より所定時間Δtが経過した撮像タイミングt4においては、プリント基板1に対し、第4照明14Dから第2輝度の赤色均一光が照射される。この際、カメラ15の第1撮像範囲W1内には、プリント基板1の座標P4〜P20に相当する範囲が位置し、該範囲が撮像素子17の第1撮像領域K1により撮像される。なお、
図10中の各座標位置において「r」とあるのは、該位置に照射された光が「第2輝度の赤色均一光」であることを指す。
【0097】
撮像タイミングt4より所定時間Δtが経過した撮像タイミングt5においては、プリント基板1に対し、第1照明14Aから第1輝度のパターン光が照射される。この際、カメラ15の第1撮像範囲W1内には、プリント基板1の座標P5〜P21に相当する範囲が位置し、該範囲が撮像素子17の第1撮像領域K1により撮像される。
【0098】
撮像タイミングt5より所定時間Δtが経過した撮像タイミングt6においては、プリント基板1に対し、第5照明14Eから第1輝度の緑色均一光が照射される。この際、カメラ15の第1撮像範囲W1内には、プリント基板1の座標P6〜P22に相当する範囲が位置し、該範囲が撮像素子17の第1撮像領域K1により撮像される。なお、
図10中の各座標位置において「G」とあるのは、該位置に照射された光が「第1輝度の緑色均一光」であることを指す。
【0099】
撮像タイミングt6より所定時間Δtが経過した撮像タイミングt7においては、プリント基板1に対し、第2照明14Bから第2輝度のパターン光が照射される。この際、カメラ15の第1撮像範囲W1内には、プリント基板1の座標P7〜P23に相当する範囲が位置し、該範囲が撮像素子17の第1撮像領域K1により撮像される。
【0100】
撮像タイミングt7より所定時間Δtが経過した撮像タイミングt8においては、プリント基板1に対し、第6照明14Fから第2輝度の緑色均一光が照射される。この際、カメラ15の第1撮像範囲W1内には、プリント基板1の座標P8〜P24に相当する範囲が位置し、該範囲が撮像素子17の第1撮像領域K1により撮像される。なお、
図10中の各座標位置において「g」とあるのは、該位置に照射された光が「第2輝度の緑色均一光」であることを指す。
【0101】
撮像タイミングt8より所定時間Δtが経過した撮像タイミングt9においては、プリント基板1に対し、第1照明14Aから第1輝度のパターン光が照射される。この際、カメラ15の第1撮像範囲W1内には、プリント基板1の座標P9〜P25に相当する範囲が位置し、該範囲が撮像素子17の第1撮像領域K1により撮像される。
【0102】
撮像タイミングt9より所定時間Δtが経過した撮像タイミングt10においては、プリント基板1に対し、第7照明14Gから第1輝度の青色均一光が照射される。この際、カメラ15の第1撮像範囲W1内には、プリント基板1の座標P10〜P26に相当する範囲が位置し、該範囲が撮像素子17の第1撮像領域K1により撮像される。なお、
図10中の各座標位置において「B」とあるのは、該位置に照射された光が「第1輝度の青色均一光」であることを指す。
【0103】
撮像タイミングt10より所定時間Δtが経過した撮像タイミングt11においては、プリント基板1に対し、第2照明14Bから第2輝度のパターン光が照射される。この際、カメラ15の第1撮像範囲W1内には、プリント基板1の座標P11〜P27に相当する範囲が位置し、該範囲が撮像素子17の第1撮像領域K1により撮像される。
【0104】
撮像タイミングt11より所定時間Δtが経過した撮像タイミングt12においては、プリント基板1に対し、第8照明14Hから第2輝度の青色均一光が照射される。この際、カメラ15の第1撮像範囲W1内には、プリント基板1の座標P12〜P28に相当する範囲が位置し、該範囲が撮像素子17の第1撮像領域K1により撮像される。なお、
図10中の各座標位置において「b」とあるのは、該位置に照射された光が「第2輝度の青色均一光」であることを指す。
【0105】
撮像タイミングt12より所定時間Δtが経過した撮像タイミングt13においては、プリント基板1に対し、第1照明14Aから第1輝度のパターン光が照射される。この際、カメラ15の第1撮像範囲W1内には、プリント基板1の座標P13〜P29に相当する範囲が位置し、該範囲が撮像素子17の第1撮像領域K1により撮像される。
【0106】
撮像タイミングt13より所定時間Δtが経過した撮像タイミングt14においては、第1照明14A〜第8照明14Hからいずれの光も照射されない。但し、第9照明14Iから照射されたスリット光を撮像するため、カメラ15による撮像処理は通常通り行われる。
【0107】
撮像タイミングt14より所定時間Δtが経過した撮像タイミングt15においては、プリント基板1に対し、第2照明14Bから第2輝度のパターン光が照射される。この際、カメラ15の第1撮像範囲W1内には、プリント基板1の座標P15〜P31に相当する範囲が位置し、該範囲が撮像素子17の第1撮像領域K1により撮像される。
【0108】
撮像タイミングt15より所定時間Δtが経過した撮像タイミングt16においては、第1照明14A〜第8照明14Hからいずれの光も照射されない。但し、第9照明14Iから照射されたスリット光を撮像するため、カメラ15による撮像処理は通常通り行われる。
【0109】
撮像タイミングt16より所定時間Δtが経過したタイミングにおいては、再び上記撮像タイミングt1における処理と同様の処理が行われる。以後、上記撮像タイミングt1〜t16の処理と同様の処理が繰り返し行われる。
【0110】
このようにして、プリント基板1の所定の座標位置(例えば座標P17)に係る全てのデータが取得されると、上記各画像データの座標位置を位置合せする(各画像データの相互間の座標系を合せる)位置合せ処理を実行する(
図11参照)。
図11は、撮像タイミングt1〜t16において取得した複数の画像データの座標位置を位置合せした状態を模式的に示した表である。
【0111】
続いて、複数の画像データの同一座標位置に係る各種データを各座標位置ごとにまとめた上で、予め設定したグループ(カテゴリー)ごとに整理して、演算結果記憶装置25に記憶する(
図12参照)。
図12は、
図11に示したプリント基板1の各座標位置に係る各種データを、予め設定したグループごとに整理して並べ替えた状態を模式的に示した表である。但し、
図12では、プリント基板1の座標P17に係る部分のみを例示している。
【0112】
本実施形態では、プリント基板1の各座標位置につき、第1輝度のパターン光の下で撮像され、該パターン光の位相が90°ずつずれた4通りのデータからなる第1グループデータ、第2輝度のパターン光の下で撮像され、該パターン光の位相が90°ずつずれた4通りのデータからなる第2グループデータ、第1輝度の赤・緑・青の各色成分の均一光の下で撮像された3色の色成分の輝度データからなる第3グループデータ、第2輝度の赤・緑・青の各色成分の均一光の下で撮像された3色の色成分の輝度データからなる第4グループデータに分けて記憶される。
【0113】
次に、制御装置16は、上記各グループデータに基づき、該グループに対応した各種処理を実行する。
【0114】
より詳しくは、第1グループデータに基づき、背景技術でも示した公知の位相シフト法により各座標毎の三次元計測を行う。そして、該処理を各座標毎に繰り返すことで、プリント基板1全体の三次元データ(以下、第1三次元データという)を算出し、演算結果記憶装置25に記憶する。
【0115】
同様に、第2グループデータに基づき、公知の位相シフト法により各座標毎の三次元計測を行う。そして、該処理を各座標毎に繰り返すことで、プリント基板1全体の三次元データ(以下、第2三次元データという)を算出し、演算結果記憶装置25に記憶する。
【0116】
ここで位相シフト法によりプリント基板1の三次元データを算出する機能により本実施形態における画像処理手段(三次元計測手段)が構成される。
【0117】
また、第3グループデータに基づき、赤・緑・青の各色成分を有したプリント基板1全体のカラー画像データ(以下、第1カラー画像データという)を生成し、演算結果記憶装置25に記憶する。
【0118】
同様に、第4グループデータに基づき、赤・緑・青の各色成分を有したプリント基板1全体のカラー画像データ(以下、第2カラー画像データという)を生成し、演算結果記憶装置25に記憶する。
【0119】
続いて、上記各カラー画像データの各画素の色情報を判別して各種計測対象領域の抽出を行う。例えば、第2カラー画像データから「白色」の画素の範囲を半田印刷領域として抽出し、第1カラー画像データから「赤色」の画素の範囲を電極パターン3の露出した電極領域(背景領域)として抽出し、「緑色」の画素の範囲をベース基板2又はレジスト膜5の露出した基板領域(背景領域)として抽出する。
【0120】
次に、制御装置16は、上記のように得られた計測結果を基にクリーム半田4の印刷状態の良否判定を行う。具体的には、高さ基準面より所定長以上、高くなったクリーム半田4の印刷範囲が検出され、この範囲内の部位の体積が算出される。そして、該体積が予め設定した基準値と比較判定され、この比較結果が許容範囲内にあるか否かによって、該クリーム半田4の印刷状態の良否が判定される。
【0121】
上記判定処理が行われる際、本実施形態では、第2カラー画像データから抽出した半田印刷領域に関しては、第1三次元データの値が採用され、高さ基準面となる背景領域に関しては、第2三次元データの値が採用される。
【0122】
以上詳述したように、本実施形態では、位相シフト法による三次元計測を目的として、連続移動するプリント基板1に対し縞状の光強度分布を有するパターン光が照射され、該パターン光の照射されたプリント基板1が所定量移動する毎にカメラ15により撮像される。これにより、照射されたパターン光の位相が90°ずつ異なる4通りの画像データが取得される。そして、これらの画像データを基にクリーム半田4等の三次元計測が行われる。
【0123】
その際、本実施形態では、プリント基板1上の所定領域(撮像領域)に合わせて撮像素子17の高さ位置や傾きを調整しながら撮像していくため、常にピントの合った画像を取得することが可能となる。結果として、プリント基板1に反り等がある場合においても、プリント基板1全体を合焦範囲内に収めること(プリント基板1全体についてピントの合った画像を取得すること)が可能となり、計測精度の向上を図ることができる。
【0124】
特に、本実施形態では、撮像素子17のみを変位させることで、高さ調整や傾き調整を行う構成となっている。このため、高さ調整や傾き調整に係る機構を極めてコンパクトにすることができる。また、細やかで素早い動きが可能となり、計測精度や計測速度を著しく向上させることができる。
【0125】
さらに、両側テレセントリック光学系を利用した上で高さ調整や傾き調整を行っているため、撮像素子17の位置変化や、プリント基板1の表面の高さ変化などに起因した倍率への影響も抑えることができる。
【0126】
加えて、本実施形態では、撮像素子17を傾けた場合に、各画素の水平方向への位置ずれにより生じる画像データのずれを演算処理でソフト的に補正する構成となっているため、計測精度の低下抑制を図ることができる。
【0127】
特に、本実施形態では、両側テレセントリック光学系18を用いており、撮像素子17が受光する光が光軸19と平行な光であるため、撮像素子17の傾き量を把握すれば、簡単な計算式で正確に画素の水平ずれ量を求めることができる。ひいては、撮像素子17の各画素がプリント基板1上のどの座標位置に対応するかを容易に把握することができる。結果として、制御処理の負荷軽減を図ることができる。
【0128】
また、本実施形態では、プリント基板1を連続移動させつつ、カメラ15(撮像素子17)のX軸方向上流側(
図1左側)に位置する第2撮像領域K2により、スリット光が照射される第2撮像範囲W2の像を撮像してプリント基板1の高さ計測(反り計測)を行い、X軸方向下流側(
図1右側)に位置する第1撮像領域K1により、パターン光が照射される第1撮像範囲W1の像を撮像してクリーム半田4等の三次元計測を行う構成となっている。
【0129】
これにより、プリント基板1を連続移動させつつ、撮像素子17を合焦範囲へ調整しながらクリーム半田4等の三次元計測を目的とした撮像を行うことができ、計測効率の向上を図ることができる。また、Y軸方向におけるプリント基板1の幅とカメラ15の撮像範囲との関係によっては、プリント基板1を往復動させることなく、一方向へ連続移動させるだけで、プリント基板1全体の三次元計測を行うことができる。さらに、プリント基板1の高さ計測(反り計測)を行うための撮像と、クリーム半田4等の三次元計測を行うための撮像の両方を一度に行うことができ、撮像処理の簡素化を図ることができる。
【0130】
また、本実施形態では、単一(同一光学系)のカメラ15により得られた画像データを基に、プリント基板1の高さ計測(反り計測)やクリーム半田4等の三次元計測を行う構成となっている。これにより、複数の撮像機構(カメラ)を別々に設けた構成などと比べ、位置精度を向上させることができる(画像データを画素単位で一致させ、同一座標系で取り扱うことが容易となる)と共に、装置の小型化や簡素化を図ることができる。
【0131】
また、本実施形態では、位相シフト法による三次元計測を目的として第1輝度のパターン光の下で複数回の撮像が行われる合間に、位相シフト法による三次元計測を目的とした第2輝度のパターン光の下での複数回の撮像や、輝度画像データを取得することを目的とした第1輝度及び第2輝度の各色成分の均一光の下での撮像が行われる。
【0132】
つまり、上記位相シフト法による三次元計測を行う上で必要な全ての画像データを取得するのに要する時間を延ばすことなく、該三次元計測用の画像データの取得に加え、該三次元計測とは異なる他の用途に用いる画像データを別途取得することができる。
【0133】
結果として、複数種類の計測を組み合せて行うことが可能となり、位相シフト法を利用した三次元計測を行うにあたり、計測効率の低下を抑制しつつ、計測精度の向上等を図ることができる。
【0134】
また、照射光の輝度を替え、半田印刷領域(明部)に適した輝度による撮像と、背景領域(暗部)に適した輝度による撮像とを別々に行うことで、プリント基板1上の各部位の明暗の違いに基づく様々な不具合の発生を抑制することができる。
【0135】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0136】
(a)上記実施形態では、三次元計測装置を、プリント基板1に印刷形成されたクリーム半田4の三次元計測を行う基板検査装置10に具体化したが、これに限らず、例えば基板上に印刷された半田バンプや、基板上に実装された電子部品など、他のものの三次元計測を行う構成に具体化してもよい。
【0137】
(b)上記実施形態では、位相シフト法による三次元計測を行う上で、位相が90°ずつ異なる4通りの画像データを取得する構成となっているが、位相シフト回数及び位相シフト量は、これらに限定されるものではない。位相シフト法により三次元計測可能な他の位相シフト回数及び位相シフト量を採用してもよい。
【0138】
例えば位相が120°(又は90°)ずつ異なる3通りの画像データを取得して三次元計測を行う構成としてもよいし、位相が180°(又は90°)ずつ異なる2通りの画像データを取得して三次元計測を行う構成としてもよい。
【0139】
(c)計測ヘッド12(照明装置14及びカメラ15)とプリント基板1を相対移動させる構成(移動手段)は、上記実施形態に限定されるものではない。
【0140】
例えば上記実施形態では、コンベア13によりプリント基板1をX軸方向右向きに連続移動しながら、プリント基板1のY軸方向所定範囲Vに係るX軸方向全範囲の計測が終了すると、プリント基板1を逆方向(X軸方向左向き)に移動させ、初期位置に戻すと共に、計測ヘッド12をY軸方向に沿って所定量移動させ、その後、再度、プリント基板1をX軸方向右向きに連続移動しながら、プリント基板1のX軸方向全範囲の計測を行うといった構成となっている。
【0141】
これに限らず、例えば計測ヘッド12が移動不能に固定された構成の下、プリント基板1を載置可能なステージと、該ステージをX軸方向及びY軸方向に移動可能な駆動手段とを備え、計測ヘッド12とプリント基板1を相対移動させる構成としてもよい。
【0142】
逆に、プリント基板1が移動不能に固定される構成の下、計測ヘッド12をX軸方向及びY軸方向に移動可能に構成することにより、計測ヘッド12とプリント基板1を相対移動させる構成としてもよい。
【0143】
また、計測ヘッド12とプリント基板1を相対移動させず停止した状態で各種計測を行う構成としてもよい。例えばプリント基板1を間欠移動させ、プリント基板1上の所定領域を順次、カメラ15の撮像範囲に停止させながら各種計測を行う構成としてもよい。
【0144】
(d)各照明から照射される光の種類など、照射手段に係る構成は上記実施形態の照明装置14に限定されるものではない。
【0145】
例えば上記実施形態では、パターン光を照射する第1照明14A及び第2照明14Bのみならず、第3照明14Cなど、均一光を照射する複数の均一光照明を備えた構成となっているが、これに限らず、位相シフト法による三次元計測を行う上で必要な画像データを取得するだけであれば、第1照明14A及び第2照明14Bだけを備えた構成としてもよい。勿論、第1照明14A又は第2照明14Bのいずれか一方のみを備えた構成としてもよい。
【0146】
(e)上記実施形態では、第9照明14Iからプリント基板1に対しスリット光を照射し、これをカメラ15により撮像した画像データを基に公知の光切断法によりプリント基板1の高さ計測(傾き計測を含む)を行う構成となっている。
【0147】
プリント基板1の高さ計測に係る構成は、これに限定されるものではない。例えば第9照明14Iからレーザポインタを照射したり、第1照明14A等から照射されるパターン光(クリーム半田4等の三次元計測用のパターン光)よりも縞の周期が粗いパターン光を照射して高さ計測を行うなど、光切断法とは異なる他の計測方法を採用してもよい。但し、計測効率を低下させないためには、光切断法など、プリント基板1を連続的に高速移動しながら比較的容易に高さを求めることができる計測方法を採用することが好ましい。
【0148】
(f)上記実施形態では、第1照明14A及び第2照明14Bからプリント基板1に対し縞状のパターン光を照射し、位相シフト法によりクリーム半田4等の三次元計測を行う構成となっている。これに限らず、例えば空間コード法やモアレ法など、他の三次元計測法を採用することとしてもよい。但し、クリーム半田4など小さな計測対象を計測する場合には、位相シフト法など、計測精度の高い計測方法を採用することがより好ましい。
【0149】
(g)上記実施形態では、プリント基板1を連続移動させつつ、カメラ15(撮像素子17)のX軸方向上流側(
図1左側)に位置する第2撮像領域K2により、スリット光が照射される第2撮像範囲W2の像を撮像してプリント基板1の高さ計測を行い、X軸方向下流側(
図1右側)に位置する第1撮像領域K1により、パターン光が照射される第1撮像範囲W1の像を撮像してクリーム半田4等の三次元計測を行う構成となっている。
【0150】
これに限らず、位相シフト法による三次元計測を目的としたプリント基板1上の所定領域に係る撮像を行う少なくとも前段階において、該所定領域の高さ計測を行う構成であれば、他の構成を採用してもよい。
【0151】
例えば、プリント基板1を往復移動させつつ、その往路において、スリット光のみ照射して高速でプリント基板1の高さ計測(反り計測)を行い、その復路において、前記高さ計測の結果を基に、撮像素子17を合焦範囲へ調整しつつクリーム半田4等の三次元計測を目的とした撮像を行う構成としてもよい。
【0152】
また、プリント基板1の高さ計測を行うための照射手段及び撮像手段を、位相シフト法による三次元計測を行うための照射手段及び撮像手段(照明装置14及びカメラ15)とは別に備えた構成としてもよい。
【0153】
(h)上記実施形態では特に言及していないが、プリント基板1の高さ計測(反り計測)は、プリント基板1のベース基板2や電極パターン3の高さを計測する構成としてもよいし、クリーム半田4を含むプリント基板1全体の高さを計測する構成としてもよい。
【0154】
但し、プリント基板1のベース基板2や電極パターン3の高さのみでなく、クリーム半田4を含むプリント基板1全体の高さを計測することがより好ましい。これにより、その後の撮像素子17の調整時に合焦範囲の上限Gaも考慮した調整が可能になる。
【0155】
(i)上記実施形態では、プリント基板1の各座標位置における基準高さ位置からのZ軸方向(高さ方向)へのずれ量を算出し、これをプリント基板1上の各座標位置の相対的な高さデータとして演算結果記憶装置25に記憶する構成となっている。
【0156】
これに限らず、プリント基板1の高さ計測は、プリント基板1の絶対高さを計測する構成としてもよいし、所定の基準(例えばカメラ15の両側テレセントリック光学系18)に対するプリント基板1の相対高さを計測する構成としてもよい。
【0157】
(j)プリント基板1の高さ計測(反り計測)において、所定の分解能を超える解像度で計測が可能である場合には、クリーム半田4等の三次元計測時の次数を特定するための情報として利用することも可能となるため、三次元計測における高さのダイナミックレンジを拡大することも可能になる。
【0158】
(k)上記実施形態では、撮像素子17の4つの各コーナー部を個別に上下動可能なアクチュエータを備えた構成となっているが、撮像素子17の高さ調整及び傾き調整を行う構成はこれに限定されるものではない。例えば所定の回動軸を中心に撮像素子17を回動させることにより傾き調整を行う機構を設けると共に、該機構を上下動させることにより高さ調整を行う機構を設けた構成としてもよい。
【0159】
また、高さ調整や傾き調整の方法は上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、高さ調整と傾き調整を段階に行っているが、高さ調整及び傾き調整を同時に行う構成としてもよい。
【0160】
また、傾き調整を行わず、撮像素子17が基準姿勢を維持したまま合焦範囲に収まるように高さ調整のみを行う構成としてもよい。
【0161】
(l)上記実施形態では、カメラ15の撮像素子17としてCCDイメージセンサを採用しているが、撮像素子17はこれに限定されるものではなく、例えばCMOSイメージセンサ等を採用してもよい。
【0162】
また、上記実施形態では、1つの撮像素子17の領域を区分けすることにより、第1撮像領域K1と第2撮像領域K2とを備えた構成となっているが、これに限らず、例えば1枚の回路基板上に設けられた複数の撮像素子をそれぞれ、第1撮像領域K1と第2撮像領域K2として割り当てた構成としてもよい。少なくとも単一(同一光学系)のカメラ15であれば、上記実施形態の作用効果と同様の作用効果が得られる。
【0163】
(m)上記実施形態では、カラー画像データ(輝度画像データ)を、各種計測対象領域の抽出処理を行うために利用しているが、これに代えて又は加えて、他の用途に使用してもよい。例えば、三次元計測により得られた三次元データに対しカラー画像データをマッピングする構成としてもよい。かかる構成とすれば、被計測物の濃淡を表現することができ、三次元画像の質感を高めることができる。その結果、被計測物の形状を瞬時に把握することが容易となり、確認作業に要する時間を著しく軽減させることができる。