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特許6189996HVDCシステムにおける制御装置及びその動作方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6189996
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】HVDCシステムにおける制御装置及びその動作方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/36 20060101AFI20170821BHJP
   H02J 3/01 20060101ALI20170821BHJP
   H02J 3/18 20060101ALI20170821BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20170821BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20170821BHJP
   H02J 1/00 20060101ALI20170821BHJP
【FI】
   H02J3/36
   H02J3/01
   H02J3/18 142
   H02J13/00 301A
   H02M7/48 R
   H02J1/00 301Z
【請求項の数】18
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-92497(P2016-92497)
(22)【出願日】2016年5月2日
(65)【公開番号】特開2017-135963(P2017-135963A)
(43)【公開日】2017年8月3日
【審査請求日】2016年5月2日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0009649
(32)【優先日】2016年1月26日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス産電株式会社
【氏名又は名称原語表記】LSIS CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100170380
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 裕也
(72)【発明者】
【氏名】チェ ヨン キル
【審査官】 緑川 隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−220983(JP,A)
【文献】 特開2001−100820(JP,A)
【文献】 特開2012−105463(JP,A)
【文献】 特開2002−091527(JP,A)
【文献】 特開2012−123469(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 1/00−1/16
H02J 3/00−5/00
H02J 13/00
H02M 7/42−7/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
HVDCシステムにおける制御装置において、
前記HVDCシステムに含まれる構成機器と通信を行う通信部と、
前記構成機器から前記構成機器の可用状態に対するデータを受信するように前記通信部を制御し、前記構成機器の可用状態に対するデータに基づいて、前記HVDCシステムの運転可能時間に対する前記HVDCシステムの実際運転時間の比率と定義される前記HVDCシステムの可用率を計算する制御部と、を含
前記制御部は、前記HVDCシステムの可用率が目標値より低い場合、前記HVDCシステムが運転されない計画停止時間に前記構成機器を点検する、HVDCシステムにおける制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記構成機器の可用状態に対するデータと前記HVDCシステムの可用率とに基づいて、前記HVDCシステムの制御を行う、請求項1に記載のHVDCシステムにおける制御装置。
【請求項3】
前記HVDCシステムの実際運転時間は、前記HVDCシステムの運転可能時間から前記HVDCシステムの運転不可能時間を除外した残りの時間と定義され、
前記HVDCシステムの運転不可能時間は、前記HVDCシステムが運転可能な状態にあるが運転不可能事由によって正常に運転されない状態の時間と定義される、請求項1に記載のHVDCシステムにおける制御装置。
【請求項4】
前記運転不可能事由は、維持補修、障害発生、システムバックアップ、及びアップデートのうち少なくとも1つを含む、請求項3に記載のHVDCシステムにおける制御装置。
【請求項5】
前記HVDCシステムの運転可能時間は、システム構築時に顧客が要請した時間である、請求項1に記載のHVDCシステムにおける制御装置。
【請求項6】
記憶部をさらに含み、
前記制御部は、前記構成機器の可用状態に対するデータと前記HVDCシステムの可用率とを前記記憶部に記憶する、請求項1に記載のHVDCシステムにおける制御装置。
【請求項7】
HVDCシステムにおける制御装置において、
前記HVDCシステムに含まれる構成機器と通信を行う通信部と、
前記構成機器から前記構成機器の可用状態に対するデータを受信するように前記通信部を制御し、前記構成機器の可用状態に対するデータに基づいて、前記HVDCシステムの運転可能時間に対する前記HVDCシステムの実際運転時間の比率と定義される前記HVDCシステムの可用率を計算する制御部と、を含み、
前記HVDCシステムが電力を両極性(bipolar)伝送信号で伝送する場合、前記制御部は、前記HVDCシステムの可用率が目標値より低ければ、前記電力が前記両極性伝送信号のいずれか片方に移動される時点で前記両極性伝送信号の他方に連結される前記構成機器を点検する、HVDCシステムにおける制御装置。
【請求項8】
HVDCシステムにおける制御装置において、
前記HVDCシステムに含まれる構成機器と通信を行う通信部と、
前記構成機器から前記構成機器の可用状態に対するデータを受信するように前記通信部を制御し、前記構成機器の可用状態に対するデータに基づいて、前記HVDCシステムの運転可能時間に対する前記HVDCシステムの実際運転時間の比率と定義される前記HVDCシステムの可用率を計算する制御部と、を含み、
前記制御部は、前記HVDCシステムの可用率が目標値より低ければ、前記HVDCシステムの運転を停止せずにAC高調波フィルタ、DC平滑リアクトル、無効電力補償装置、及びガス絶縁開閉装置のうち少なくとも1つを前記HVDCシステムに追加する、HVDCシステムにおける制御装置。
【請求項9】
前記構成機器は、変流器(Current Transformer)、電圧変成器(Potential Transformer)、サイリスタバルブ、無効電力補償装置、ガス絶縁開閉装置、AC高調波フィルタ、変換用変圧器、DC平滑リアクトル、分離スイッチ(Disconnected Switch)、接地スイッチ(Earth Switch:ES)、及びDC送電線路のうち少なくとも1つを含む、請求項1に記載のHVDCシステムにおける制御装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記HVDCシステムの運転に影響を及ぼすか否か、及び、影響を及ぼす程度のうち少なくとも1つに基づいて、前記構成機器に優先順位をおくか、または加重値を付与する、請求項1に記載のHVDCシステムにおける制御装置。
【請求項11】
HVDCシステムにおいて、
前記HVDCシステムの運転に係る少なくとも1つの構成機器と、
前記構成機器と通信を行って前記構成機器の可用状態に対するデータを受信し、前記構成機器の可用状態に対するデータに基づいて、前記HVDCシステムの運転可能時間に対する前記HVDCシステムの実際運転時間の比率と定義される前記HVDCシステムの可用率を計算した後、前記構成機器の可用状態に対するデータと前記HVDCシステムの可用率に基づいて、前記HVDCシステムの制御を行う制御装置と、を含
前記制御装置は、前記HVDCシステムの可用率が目標値より低い場合、前記HVDCシステムが運転されない計画停止時間に前記構成機器を点検する、HVDCシステム。
【請求項12】
HVDCシステムにおける制御装置の動作方法において、
前記HVDCシステムに含まれる構成機器と通信を行って、前記構成機器の可用状態に対するデータを受信するステップと、
前記構成機器の可用状態に対するデータに基づいて、前記HVDCシステムの運転可能時間に対する前記HVDCシステムの実際運転時間の比率と定義される前記HVDCシステムの可用率を計算するステップと、
前記構成機器の可用状態に対するデータと前記HVDCシステムの可用率とに基づいて、前記HVDCシステムの制御を行うステップと、を含
前記制御を行うステップは、前記HVDCシステムの可用率が目標値より低い場合、前記HVDCシステムが運転されない計画停止時間に前記構成機器を点検するステップを含む、HVDCシステムにおける制御装置の動作方法。
【請求項13】
前記HVDCシステムの実際運転時間は、前記HVDCシステムの運転可能時間から前記HVDCシステムの運転不可能時間を除外した残りの時間と定義され、
前記HVDCシステムの運転不可能時間は、前記HVDCシステムが運転可能な状態にあるが、運転不可能事由によって正常に運転されない状態の時間と定義される、請求項12に記載のHVDCシステムにおける制御装置の動作方法。
【請求項14】
前記運転不可能事由は、維持補修、障害発生、システムバックアップ、及びアップデートのうち少なくとも1つを含む、請求項13に記載のHVDCシステムにおける制御装置の動作方法。
【請求項15】
前記HVDCシステムの運転可能時間は、システム構築時に顧客が要請した時間である、請求項12に記載のHVDCシステムにおける制御装置の動作方法。
【請求項16】
前記構成機器の可用状態に対するデータと前記HVDCシステムの可用率とを記憶する、請求項12に記載のHVDCシステムにおける制御装置の動作方法。
【請求項17】
HVDCシステムにおける制御装置の動作方法において、
前記HVDCシステムに含まれる構成機器と通信を行って、前記構成機器の可用状態に対するデータを受信するステップと、
前記構成機器の可用状態に対するデータに基づいて、前記HVDCシステムの運転可能時間に対する前記HVDCシステムの実際運転時間の比率と定義される前記HVDCシステムの可用率を計算するステップと、
前記構成機器の可用状態に対するデータと前記HVDCシステムの可用率とに基づいて、前記HVDCシステムの制御を行うステップと、を含み、
前記制御を行うステップは、前記HVDCシステムが電力を両極性伝送信号で伝送する場合、前記HVDCシステムの可用率が目標値より低ければ、前記電力が前記両極性伝送信号のいずれか片方に移動される時点で前記両極性伝送信号の他方に連結される前記構成機器を点検するステップを含む、HVDCシステムにおける制御装置の動作方法。
【請求項18】
HVDCシステムにおける制御装置の動作方法において、
前記HVDCシステムに含まれる構成機器と通信を行って、前記構成機器の可用状態に対するデータを受信するステップと、
前記構成機器の可用状態に対するデータに基づいて、前記HVDCシステムの運転可能時間に対する前記HVDCシステムの実際運転時間の比率と定義される前記HVDCシステムの可用率を計算するステップと、
前記構成機器の可用状態に対するデータと前記HVDCシステムの可用率とに基づいて、前記HVDCシステムの制御を行うステップと、を含み、
前記制御を行うステップは、前記HVDCシステムの可用率が目標値より低ければ、前記HVDCシステムの運転を停止せずに、AC高調波フィルタ、DC平滑リアクトル、無効電力補償装置、及びガス絶縁開閉装置のうち少なくとも1つを前記HVDCシステムに追加するステップを含む、HVDCシステムにおける制御装置の動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はHVDCシステムにおける制御装置及びその動作方法に関し、具体的にはHVDCシステムに含まれる構成機器の可用状態をモニタリングしてHVDCシステムの可用率を測定し、これに基づいて前記HVDCシステムを評価及び制御するHVDCシステムの制御方法及びその動作方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
超高圧直流送電(High Voltage Direct Current: HVDC、以下「HVDC」という)システムは、AC(Alternating Current)電力系統と連系されて受電されたAC電力をDC(Direct Current)電力に変換して送電し、DC電力を送電された受電点で再びAC電力に変換して送電するシステムである。
【0003】
図1は、一般的なHVDCシステムの構成を示す図である。
【0004】
図1に示すように、HVDCシステム100は、ACヤードとDCヤード及びDC送電ヤードを含む。
【0005】
ACヤードは、連系されたAC電力系統110を考慮した無効電力補償装置122、AC電力系統110から発生する系統高調波及びHVDCシステム100から発生する特性高調波を低減するためのAC高調波フィルタ124、及びAC電圧を変成するための変換用変圧器(Converter Transformer)126を含んで構成される。この場合、無効電力補償装置122は、図1に示すSVC(Static Var Compensator)の代わりに、STATCOM(STATic Synchronous COMpensator)や分路リアクトル(Shunt Reactor)が利用されてもよい。
【0006】
DCヤードは、電力変換のためのサイリスタバルブ132、及びDC電流成分の平滑のためのDC smoothing reactor134を含んで構成される。
【0007】
変換所の間は、DCケーブルまたは加工線を利用したDC送電線路140で連結される。
【0008】
このように、HVDCシステム100は電圧及び電流を変換して電力網に連結されて発電端から受電端に電力を供給するシステムであるために、システム構築が完了されればシステムの完成度やシステム性能が必ず評価されるべきである。HVDCシステム100は大きく損失及び可用率に基づいて評価される。しかし、現在、HVDCシステム100に含まれる構成機器の状態及び構成機器の可用可能な状態情報は収集されていない。また、HVDCシステム100の可用率を測定する具体的な方法も存在しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、構成機器の可用データをモニタリングすることでHVDCシステムの可用率を測定し、これに基づいてHVDCシステムを評価及び制御する具体的な方法を提示することを目的とする。
【0010】
さらに、前記のようなモニタリングによって構成機器が運転できない状態の情報を収集し、これをシステム設計やシステムの運転計画に反映することでシステムを改善する方法を提供する。
【0011】
本発明で解決しようとする技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されることなく、言及していない他の技術的課題は、下記の記載から提案される実施例に属する技術分野における通常の知識を有する者にとって明確に理解されるはずである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施例によるHVDCシステムにおける制御装置によると、前記HVDCシステムに含まれる構成機器と通信を行う通信部と、前記構成機器から前記構成機器の可用状態に対するデータを受信するように前記通信部を制御し、前記構成機器の可用状態に対するデータに基づいて前記HVDCシステムの運転可能時間に対する前記HVDCシステムの実際運転時間の比率と定義される前記HVDCシステムの可用率を計算した後、前記構成機器の可用状態に対するデータと前記HVDCシステムの可用率に基づいて前記HVDCシステムの制御を行う制御部とを含む。
【0013】
また、本発明の一実施例によるHVDCシステムによると、前記HVDCシステムの運転に係る少なくとも1つの構成機器と、前記構成機器と通信を行って前記構成機器の可用状態に対するデータを受信し、前記構成機器の可用状態に対するデータに基づいて前記HVDCシステムの運転可能時間に対する前記HVDCシステムの実際運転時間の比率と定義される前記HVDCシステムの可用率を計算した後、前記構成機器の可用状態に対するデータと前記HVDCシステムの可用率に基づいて前記HVDCシステムの制御を行う制御装置とを含む。
【0014】
また、本発明の一実施例によるHVDCシステムにおける制御装置の動作方法によると、前記HVDCシステムに含まれる構成機器と通信を行って前記構成機器の可用状態に対するデータを受信するステップと、前記構成機器の可用状態に対するデータに基づいて前記HVDCシステムの運転可能時間に対する前記HVDCシステムの実際運転時間の比率と定義される前記HVDCシステムの可用率を計算するステップと、前記構成機器の可溶状態に対するデータと前記HVDCシステムの可用率に基づいて前記HVDCシステムの制御を行うステップとを含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明の実施例によると、HVDCシステムに利用されるすべての構成機器の状態情報を収集して運転可能な状態と可能でない状態の情報及び時間を判断し、実際基準時間の間の可用率を集計してHVDCシステムを評価する。
【0016】
また、構成機器が運転できない状態の情報を収集し、これを設計に再反映するか、またはこれに基づいてシステム改善を行う。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】一般的なHVDCシステムの構成を示す図である。
図2】本発明の一実施例によって測定されたHVDCシステムの可用率を示す図である。
図3】本発明の一実施例によるHVDCシステムの可用率を計算する過程を示す図である。
図4】本発明の一実施例による制御装置の構成を示すブロック図である。
図5】本発明の一実施例によるHVDCシステムの構成を示す図である。
図6】本発明の一実施例によるHVDCシステムにおける制御装置の動作過程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の具体的な実施例を、図面を参照して詳細に説明する。しかし、本発明の技術的思想が以下に記述する実施例によって制限されるものではなく、他の構成要素の追加、変更及び削除などによって退歩的な他の発明や本発明の技術的思想の範囲内に含まれる他の実施例を容易に提案することができる。
【0019】
本発明で使用される用語はできるだけ現在該当技術と関連して広く使用されている一般的な用語を選択しているが、特定の場合には出願人が任意に選定した用語もあり、この場合、該当する発明の説明部分にその意味を詳細に記載している。そのため、単純な用語の名称ではなく、用語が有する意味として本発明を把握すべきであることを予め明らかにする。以下の説明において、単語「含む」は、列挙されたものと異なる構成要素または段階の存在を排除しない。
【0020】
図2は、本発明の一実施例によって測定されたHVDCシステムの可用率を示す図である。
【0021】
システムが作動状態であっても、ユーザが常にシステムを使用できるわけではない。すなわち、システムの補修も必要であり、システムに障害が発生することもある。したがって、ユーザの立場からシステムをどれだけ使用できるかを表示するために可用率を利用する。このような可用率はシステムの信頼度を測定する尺度になる。
【0022】
可用率(availability)はシステムが正常な動作をしている時間の比率と定義される。すなわち、可用率は全体使用可能時間から何らかの事由によって使用不可能になった使用不可能時間を差し引いた値を全体使用可能時間で割ったものである。
【0023】
全体使用可能時間は、システムが動作可能な時間である。全体使用可能時間は、使用可能時間と使用不可能時間との和で表される。
【0024】
使用可能時間は、システムがオンになっている時間、またはサービスが提供される時間をいい、アップタイム(uptime)と定義される。
【0025】
使用不可能時間は、システムがオフになっている時間、またはサービスが中断されている時間をいい、ダウンタイム(downtime)と定義される。すなわち、使用不可能時間は、システム自体は動作できるが、何らかの使用不能事由によってシステムがオフになっているか、または正常に動作しない時間である。使用不可能時間には、システム維持及び補修のための時間、故障や障害を処理するための時間及びシステムアップデートのための時間などが含まれる。
【0026】
この場合、可用率は下記式で表される。
【0027】
【数1】
【0028】
図2に示す表は、HVDCシステム100の可用率とこれに対応する年間停止時間を表す。年間停止時間は、1年365日を基準にHVDCシステム100が作動できない時間をいい、ダウンタイムに該当する。もし、HVDCシステム100の可用率が99%であれば、365日を基準にするときに、このうち3日15時間36分間はHVDCシステムを使用できない。また、システムの使用率が99.9999%である場合には、365日のうち32秒間はシステムが正常に作動しなくなる。
【0029】
図3は、本発明の一実施例によるHVDCシステムの可用率を計算する過程を示す図である。
【0030】
本発明の一実施例によるHVDCシステム100は、電力供給者のような顧客の要求によって構築される。この場合、HVDCシステム100の管理者は、顧客の要求時間に合わせてHVDCシステム100を運転しなければならない。HVDCシステム100の運転時間が前記顧客の要求時間に満たない場合、これはシステム事故に該当する。したがって、HVDCシステム100の管理者は、HVDCシステム100の運転状態をモニタリングする。具体的には、HVDCシステム100の可用率を測定し、これに基づいてHVDCシステム100の状態を分析及び評価して、HVDCシステム100の改善のための措置を取る。
【0031】
以下、本実施例ではHVDCシステム100の可用率を定義する。一方、計算された可用率に基づいてHVDCシステム100を分析及び評価して、HVDCシステム100の改善のための措置を取る動作については図6に対する説明で後述する。
【0032】
HVDCシステム100の可用率は、HVDCシステム100が正常に運転をしている時間の比率と定義される。すなわち、可用率は実際運転時間を全体運転可能時間で割ったものである。
【0033】
全体運転可能時間はシステムが運転可能な時間である。
【0034】
一実施例によると、全体運転可能時間は顧客の要求によって設定される。すなわち、HVDCシステム100の管理者は、HVDCシステム100の構築時に顧客が要求した時間の間にHVDCシステム100が運転されるように設定し、これに応じてHVDCシステム100を運転する。顧客要求時間を越えてHVDCシステム100を運転する必要はない。したがって、もしHVDCシステム100が1年に361日間連続的に運転可能だとしても、顧客要求時間が350日であれば全体運転時間は350日になる。この場合、全体運転可能時間は顧客要求時間になる。
【0035】
実際運転時間は、HVDCシステム100が正常に運転されている時間である。この場合、実際運転時間は、全体運転可能時間からシステムが何らかの運転不可能事由によってオフになっているか、または運転されない時間を除外した時間である。前記運転不可能事由は、HVDCシステム100の維持及び補修時間、故障及び障害を処理するための時間、システムバックアップまたはアップデートのための時間などを含んでもよい。
【0036】
一方、計画停止時間は運転不可能事由に該当しない。計画停止時間は、システムの維持、補修及び構成機器の点検のために、HVDCシステム100の構築時から停止が予定されている時間である。したがって、HVDCシステム100の運転中に予期せずに発生するシステムの維持、補修及び機器点検のための時間とは区別される。HVDCシステム100の管理者は、顧客要求時間及び運転不可能事由を判断する際に計画停止時間は除外して判断し、そのために計画停止時間は本実施例による可用率計算では考慮されない。この場合、可用率は下記式で表される。
【0037】
【数2】
【0038】
式2によって計算される可用率は、本発明の一実施例によるHVDCシステム100に含まれる制御装置400によって測定される。前記制御装置400の詳細構成については、図4に対する説明で後述する。
【0039】
図3に示すように、制御装置400は、HVDCシステム100の構成機器別に作動データ情報を収集する(S301)。前記作動データ情報は、構成機器の可用状態に対するデータであってもよい。
【0040】
一実施例によると、制御装置400は、HVDCシステム100の運転に影響を及ぼすか否かによって構成機器に優先順位をおくか、または加重値を付与する。これによって優先順位や加重値が高い順で構成機器に対する作動データ情報を収集するか、または優先順位や加重値が低い構成機器を、作動データ情報を収集する対象から除外する。
【0041】
前記構成機器は、無効電力補償装置、ガス絶縁開閉装置(Gas Insulated Switchgear:GIS)、AC高調波フィルタ、変換用変圧器、サイリスタバルブ、DC平滑リアクトル(smoothing reactor)、及びDC送電線路など、HVDCシステム100に含まれる多様な構成機器を含んでもよい。
【0042】
制御装置400は、HVDCシステム100に対する顧客要求時間と実際運転時間を測定する(S302)。
【0043】
顧客要求時間は、顧客が該当時間の間にHVDCシステム100が運転されることを要請した時間をいい、HVDCシステム100の構築時に設定される。
【0044】
実際運転時間は、顧客要求時間からHVDCシステム100が何らかの運転不可能事由によってオフになっているか、または停止されて正常に運転されない時間を差し引いた時間である。前記運転不可能事由は、HVDCシステム100の維持及び補修時間、故障及び障害を処理するための時間、システムバックアップまたはアップデートのための時間などを含んでもよい。
【0045】
一方、可用率の計算のために顧客要求時間及び実際運転時間を判断する際、計画停止時間は考慮されない。例えば、HVDCシステム100の顧客要求時間が300日で、計画停止時間は10日だと仮定すれば、HVDCシステム100の管理者はシステム構築時に計画停止時間10日を除外した残りの期間のうち、HVDCシステム100が300日間運転されるようにシステムを設計するだろう。この場合、可用率はシステムが動作可能な時間とシステムが正常に動作している時間の割合と定義されるために、計画停止時間はシステムが動作可能な時間に該当しない。したがって、計画停止時間は可用率計算の際に考慮されない。
【0046】
制御装置400は、測定された顧客要求時間と実際運転時間に基づいて、HVDCシステム100の可用率を計算する(S303)。具体的には、制御装置400は、顧客要求時間に対する実際運転時間の比率で可用率を計算することができる。一方、図3ではHVDCシステム100の運転可能時間が顧客要求時間である場合を仮定して説明したが、実施例によって運転可能時間はこれと異なって設定されることもある。この場合、HVDCシステム100の可用率は運転可能時間に対する実際運転時間の比率と定義される。
【0047】
図4は、本発明の一実施例による制御装置の構成を示すブロック図である。
【0048】
本発明の一実施例による制御装置400は、HVDCシステム100に含まれて前記HVDCシステム100の保護及び全般的な制御を行う。HVDCシステムの詳細構成及び動作については、図5に対する説明で後述する。一実施例によると、前記制御装置400は、HVDCシステム100に含まれるC&P(Control and Protect)装置であってもよい。
【0049】
本発明の一実施例による制御装置400は、通信部410、記憶部420、及び制御部430を含む。
【0050】
通信部410は、HVDCシステム100に含まれる構成機器と通信を行って、前記構成機器の可用状態に対するデータを受信する。そのために、通信部410は、前記構成機器と線路またはケーブルで連結されてデータを送受信する。しかし、前記通信部410と構成機器が行う通信方式は、これに限定されることではなく、光通信、電力線通信、無線LAN通信、移動通信など、データを送受信するすべての形態の有無線通信方式によって通信を行うことができる。
【0051】
HVDCシステム100の構成機器は少なくとも1つ以上であってもよく、制御装置400の通信部410とケーブルや線路などの有線またはその他の無線方式で連結される。この場合、構成機器は該当構成機器の可用状態に対するデータを測定し、これを通信部410との通信によって制御装置400に送信する。
【0052】
具体的には、構成機器は変流器(Current Transformer:CT)、電圧変成器(Potential Transformer:PT)、サイリスタバルブ、無効電力補償装置、ガス絶縁開閉装置、AC高調波フィルタ、変換用変圧器、DC平滑リアクトル、分離スイッチ(Disconnected Switch:DS)、接地スイッチ(Earth Switch:ES)、及びDC送電線路などを含んでもよい。
【0053】
記憶部420は、構成機器の可用状態に対するデータとHVDCシステムの可用率に対するデータを記憶する。図4で、記憶部420は制御装置400に含まれるが、実施例によって記憶部420は前記制御装置400に含まれなくてもよい。
【0054】
記憶部420に記憶されるデータは、構成機器別に分類されて記憶される。また、前記データは、引き続きアップデートされて、累積データの形態で記憶部420に記憶される。この場合、後述する制御部430は、このような累積データに基づいて、HVDCシステム100を評価及び制御する。
【0055】
制御部430は、構成機器の可用状態に対するデータを構成機器から受信するように通信部410を制御する。具体的には、制御部430は、サイリスタバルブ、変圧器、ガス絶縁開閉装置などのような構成機器に含まれるCT、PT、DS及びESとはケーブルや線路のような連結線や有無線通信を利用して可用状態に対するデータを受信する。
【0056】
また、制御部430は、構成機器の電源状態から各構成機器の可用状態に対する情報を収集する。すなわち、構成機器が受動素子に該当する場合には、構成機器を停止(trip)させるか、または必要な場合に別途の状態情報をHMI(Human Machine Interface)に表示する。
【0057】
一実施例によると、可用状態は、運転可能状態、運転不可能状態、実際運転状態、故障または障害発生状態、維持補修状態、システムバックアップまたはアップデート状態などに分類される。
【0058】
運転可能状態は、システムが運転可能な状態である。運転不可能状態は、運転可能状態にあるが、運転不可能事由によってシステムが正常に運転されていない状態である。実際運転状態は、システムが正常に運転されている状態である。維持補修状態の場合は、システムの維持補修のためにシステム電源をオフさせることができ、システムバックアップまたはアップデート状態の場合は、システムが所定時間の間に作動を止めることができる。
【0059】
制御部430は、構成機器の可用状態に基づいて、HVDCシステム100の運転可能時間に対するHVDCシステム100の実際運転時間の比率と定義されるHVDCシステム100の可用率を計算する。
【0060】
前記HVDCシステム100の実際運転時間は、HVDCシステム100の運転可能時間からHVDCシステム100の運転不可能時間を除外した残りの時間と定義される。この場合、HVDCシステム100の運転不可能時間は、HVDCシステム100が運転可能な状態にあるが、運転不可能事由によって正常に運転されない状態の時間と定義される。一実施例によると、HVDCシステム100の運転可能時間は、システム構築時に顧客が要請した時間であってもよい。
【0061】
前記運転不可能事由は、維持補修、障害発生、システムバックアップ及びアップデートのうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0062】
制御部430は、構成機器の可用状態に対するデータと、HVDCシステム100の可用率に対するデータを、記憶部420に記憶する。
【0063】
その後、制御部430は、記憶部420に記憶された構成機器の可用状態に対するデータ、及びHVDCシステム100の可用率に対するデータに基づいて、HVDCシステム100の評価及び制御を行う。
【0064】
一実施例によると、制御部430は、HVDCシステム100の可用率が目標値より低ければ、HVDCシステム100が運転されない計画停止時間に構成機器を点検する。計画停止時間は運転可能時間に含まれず、したがって可用率計算に考慮されない。よって、計画停止期間の間にモニタリングした構成機器を点検して、故障や障害による事故を未然に防止することで可用率を高める。
【0065】
他の実施例によると、制御部430は、HVDCシステム100が電力を両極性(bipolar)伝送信号で伝送する場合、HVDCシステム100の可用率が目標値より低ければ、前記電力が前記両極性伝送信号のいずれか片方に移動される時点で、前記両極性伝送信号の他方に連結される構成機器を点検する。HVDCシステム100は、monopolar伝送またはbipolar伝送が可能である。したがって、bipolar伝送をする場合、反対側に連結された構成機器を点検する。この場合、以降のシステムで発生する事故や障害を未然に防止し、これによってシステムの可用率は高くなる。
【0066】
また、他の実施例によると、制御部430は、HVDCシステム100の可用率が目標値より低ければ、HVDCシステム100の運転を停止せずにAC高調波フィルタ、DC平滑リアクトル、無効電力補償装置及びガス絶縁開閉装置のうち少なくとも1つをHVDCシステム100に追加する。
【0067】
図5は、本発明の一実施例によるHVDCシステムの構成を示す図である。
【0068】
本発明の一実施例によるHVDCシステム100は、発電パート510、送電側交流パート520、送電側直流変電パート530、直流送電パート540、需要側直流変電パート550、需要側交流パート560、需要パート570、複数の構成機器122、124、126、132、134、及び制御装置400を含んでもよい。
【0069】
発電パート510は、3相の交流電力を生成する。前記発電パート510は、複数の発電所を含んでもよい。
【0070】
送電側交流パート520は、発電パート510が生成した3相交流電力を、送電側直流変電パート530に伝達する。
【0071】
送電側直流変電パート530は、送電側トランスフォーマー(図示せず)と送電側交流‐直流コンバータ(図示せず)を含んでもよい。この場合、前記送電側トランスフォーマー(図示せず)は、送電側交流パート520を送電側交流‐直流コンバータ(図示せず)及び直流送電パート540から隔離する。前記送電側交流‐直流コンバータ(図示せず)は、送電側トランスフォーマー(図示せず)の出力に該当する3相交流電力を直流電力に変換する。
【0072】
直流送電パート540は、送電側の直流電力を需要側に伝達する。
【0073】
需要側直流変電パート550は、需要側直流‐交流コンバータ(図示せず)と需要側トランスフォーマー(図示せず)を含んでもよい。前記需要側直流‐交流コンバータ(図示せず)は、直流送電パート540によって伝達された直流電力を3相交流電力に変換する。前記需要側トランスフォーマー(図示せず)は、需要側交流パート560を、需要側直流‐交流コンバータ(図示せず)と直流送電パート540から隔離する。
【0074】
需要側交流パート560は、需要側トランスフォーマー(図示せず)の出力に該当する3相交流電力を需要パート570に提供する。
【0075】
HVDCシステム100に含まれる複数の構成機器は、連系されたAC電力系統を考慮した無効電力補償装置122、AC電力系統から発生する系統高調波及びHVDCシステム100から発生する特性高調波を低減するためのAC高調波フィルタ124、AC電圧を変成するための変換用変圧器126、電力変換のためのサイリスタ132、DC電流成分の平滑のためのDC smoothing reactor134を含んでもよい。
【0076】
前記複数の構成機器は、制御装置400とケーブルや線路で連結され、それぞれの可用状態に対するデータを制御装置400に伝送する。
【0077】
制御装置400は、前記図4で説明したように、HVDCシステム100に含まれる構成機器の可用状態に対するデータを収集して、これによりHVDCシステム100の実際運転時間の比率を定義する可用率を計算した後、構成機器の可用状態に対するデータ及びHVDCシステム100の可用率に基づいて、HVDCシステム100の制御を行う。
【0078】
また、制御装置400は、その他にもHVDCシステム100の全般的な制御を行う。具体的に、制御装置400は発電パート510、送電側交流パート520、送電側直流変電パート530、直流送電パート540、需要側直流変電パート550、需要側交流パート560、需要パート570及び制御装置400のうち少なくとも1つを制御する。
【0079】
このために、制御装置400は、送電側交流‐直流コンバータ(図示せず)と需要側直流‐交流コンバータ(図示せず)内の複数個のバルブのターンオン及びターンオフのタイミングを制御する。この際、バルブは、サイリスタまたは絶縁ゲート両極性トランジスタ(insulated gate bipolar transistor、IGBT)に該当する。また、制御装置400は、上述した複数個のバルブを制御するバルブ制御器をさらに含む。
【0080】
図6は、本発明の一実施例によるHVDCシステムにおける制御装置の動作過程を示す図である。
【0081】
制御装置400は、構成機器の可用状態に対するデータを通信によって受信するか、または可用状態をHMIで表示する(S601)。
【0082】
具体的に、構成機器が能動素子である場合、すなわちサイリスタバルブ、変圧器、ガス絶縁開閉装置などのような構成機器に含まれるCT,PT、DS及びESの場合、ケーブルや線路のような連結線や有無線通信を利用して可用状態に対するデータを受信する。構成機器が受動素子に該当する場合には、構成機器を停止させるか、必要な場合は別途の状態情報をHMIに表示することで、構成機器の電源状態から各構成機器の可用状態に対する情報を収集する。
【0083】
制御装置400は、構成機器別に可用状態に対するデータを収集する(S602)。
【0084】
構成機器によってHVDCシステム100の運転に影響を及ぼすか否かが変わる。具体的に、構成機器は、大きく運転できない状態でHVDCシステム100の運転に影響を及ぼす構成機器と、運転できない状態でHVDCシステム100の運転に影響を及ぼさない構成に分類される。さらに、前者の場合、構成機器別にHVDCシステム100の運転に影響を及ぼす程度が変わる。
【0085】
したがって、制御装置400は、HVDCシステム100に利用されるすべての構成機器の状態情報、すなわち、運転可能な状態と可能でない状態の情報及び時間を収集して実際基準時間の間の可用率を集計する。一実施例によると、制御装置400は、HVDCシステム100の運転に影響を及ぼすか否かによって構成機器に優先順位をおくか、または加重値を付与する。これによって、優先順位や加重値が高い順で構成機器に対する作動データ情報を収集するか、または優先順位や加重値が低い構成機器を、作動データ情報を収集する対象から除外する。
【0086】
制御装置400は、HVDCシステムの可用率を計算する(S603)。
【0087】
この場合、HVDCシステム100の可用率は、HVDCシステム100の運転可能時間に対するHVDCシステム100の実際運転時間の比率によって計算される。
【0088】
制御装置400は、構成機器の可用できない状態のデータを分析及び記憶する(S604)。
【0089】
一実施例によると、制御装置400は、構成機器の可用データ及び可用率に対するモニタリング情報に基づいて、可用率を高めるようにシステムを制御する。もし、HVDCシステム100の可用率が目標値より低ければ、以下のような制御をすることができる。
【0090】
可用率を高めるために、システム管理者は、システムを停止せずにシステムを補修することができる。例えば、HVDCシステム100が電力を両極性伝送信号で伝送する場合、前記電力が前記両極性伝送信号のいずれか片方に移動される時点で、前記両極性伝送信号の他方に連結される構成機器を点検する。また、HVDCシステム100が運転されない計画停止時間に構成機器を点検する。さらにHVDCシステム100の運転を停止せずにAC高調波フィルタ、DC平滑リアクトル、無効電力補償装置及びガス絶縁開閉装置のうち少なくとも一つをHVDCシステム100に追加する。
【0091】
制御装置400は累積データを記憶及び管理する(S605)。
【0092】
本実施例によると、HVDCシステム100に利用されるすべての構成機器の状態情報、すなわち運転可能な状態と可能でない状態の情報及び時間を収集して、実際基準時間の間の可用率を集計し、HVDCシステム100を分析及び評価する。また、構成機器の運転できない状態の情報を収集して設計に再反映するか、またはシステム改善を行う。
【0093】
本発明で提案する実施例は、HVDCシステムのみならず、SVCシステムなどの送変電システム、変換所、発電システムに適用され、構成機器の可用情報を用いた可用率計算及びデータ収集に基づいたシステム分析及び評価に利用される。また、維持、補修及びシステム分析、経済性分析及びシステム可用率、システムの寿命計算にも活用できる。
【0094】
これまで実施例を中心に説明したが、これは単なる例示であって、本発明を限定するものではなく、本発明が属する分野の通常の知識を有する者であれば本実施例の本質的な特性を逸脱しない範囲内で、前記に例示されていない様々な変形と応用が可能であることが分かる。例えば、実施例に具体的に示した各構成要素は変形して実施してもよい。そして、このような変形と応用に関する差は、添付した特許請求の範囲で規定する本発明の範囲に含まれると解析すべきである。
【符号の説明】
【0095】
100:HVDCシステム
122:無効電力補償装置
124:AC高調波フィルタ
126:変換用変圧器
132:サイリスタバルブ
134:DC smoothing reactor
140:DC送電線路
400:制御装置
410:通信部
420:記憶部
430:制御部
510:発電パート
520:送電側交流パート
530:送電側直流変電パート
540:直流送電パート
550:需要側直流変電パート
560:需要側交流パート
570:需要パート
図1
図2
図3
図4
図5
図6