特許第6190010号(P6190010)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6190010ガス系消火設備の制御方法およびガス系消火システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6190010
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】ガス系消火設備の制御方法およびガス系消火システム
(51)【国際特許分類】
   A62C 35/02 20060101AFI20170821BHJP
【FI】
   A62C35/02 A
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-141410(P2016-141410)
(22)【出願日】2016年7月19日
【審査請求日】2016年7月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】390010342
【氏名又は名称】エア・ウォーター防災株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】後藤 秀晃
【審査官】 二之湯 正俊
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−108185(JP,A)
【文献】 特開2016−106763(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62C 2/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器内の消火剤ガスを配管を経由して防護区画へ導入し、かつ、防護区画から消火剤ガスを排出する、ガス系消火設備の制御方法であって、防護区画へ消火剤ガスが導入されてから5秒−40秒間の配管入口の消火剤ガスの平均流量は、放出容器1本当たり0.32kg/s以上0.48kg/s以下となるように流量を制御し、0秒−5秒間の配管入口の消火剤ガスの平均流量が0.48kg/sを超えることを許容する、ガス系消火設備の制御方法。
【請求項2】
0秒−5秒間の配管入口の消火剤ガスの平均流量が、0.48kg/s+V×P×m/5以下であれば許容する(Vは配管内の体積(m)、Pは0−5秒の配管の平均圧力(Pa)、mは消火剤ガスの比重(kg/Pa・m)である)、請求項1に記載のガス系消火設備の制御方法。
【請求項3】
容器内の消火剤ガスを配管を経由して防護区画へ導入し、かつ、防護区画から消火剤ガスを排出する、ガス系消火システムであって、防護区画へ消火剤ガスが導入されてから5秒−40秒間の配管入口の消火剤ガスの平均流量は、放出容器1本当たり0.32kg/s以上0.48kg/s以下となるように流量を制御し、0秒−5秒間の配管入口の消火剤ガスの平均流量が0.48kg/sを超えることを許容する、ガス系消火システム。
【請求項4】
0秒−5秒間の配管入口の消火剤ガスの平均流量が、0.48kg/s+V×P×m/5以下であれば許容する(Vは配管内の体積(m)、Pは0−5秒の配管の平均圧力(Pa)、mは消火剤ガスの比重(kg/Pa・m)である)、請求項3に記載のガス系消火システム。
【請求項5】
0秒−5秒間の配管入口の消火剤ガスの平均流量が、0.48kg/sを超え0.48kg/s+V×P×m/5以下である(Vは配管内の体積(m)、Pは0−5秒の配管の平均圧力(Pa)、mは消火剤ガスの比重(kg/Pa・m)である)、請求項3または4に記載のガス系消火システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はガス系消火設備の制御方法およびガス系消火システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ガス系消火設備は、たとえば特開2014−108185号公報(特許文献1)に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−108185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のガス系消火設備では施工コストが高いという問題があった。そこで、この発明は上記の問題点を解決するためになされたものであり、施工コストを低下させることが可能なガス系消火設備の制御方法およびガス系消火システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明に従ったガス系消火設備の制御方法は、容器内の消火剤ガスを配管を経由して防護区画へ導入し、かつ、防護区画から消火剤ガスを排出する、ガス系消火設備の制御方法であって、防護区画へ消火剤ガスが導入されてから5秒−40秒間の配管入口の消火剤ガスの平均流量は、放出容器1本当たり0.32kg/s以上0.48kg/s以下である。0秒−5秒間の配管入口の消火剤ガスの平均流量が0.48kg/sを超えることを許容する。
【0006】
好ましくは、0秒−5秒間の配管入口での消火剤ガスの平均流量が、0.48kg/s+V×P×m/5以下までであれば許容する(Vは配管内の体積(m3)、Pは0−5秒の配管の平均圧力(Pa)、mは消火剤ガスの比重(kg/Pa・m3)である)。
【0007】
この発明に従ったガス系消火システムは、容器内の消火剤ガスを配管を経由して防護区画へ導入し、かつ、防護区画から消火剤ガスを排出する、ガス系消火システムであって、防護区画へ消火剤ガスが導入されてから5秒−40秒間の配管入口の消火剤ガスの平均流量は、放出容器1本当たり0.32kg/s以上0.48kg/s以下に制御される。0秒−5秒間の配管入口の消火剤ガスの平均流量が0.48kg/sを超えることを許容する。
【0008】
好ましくは、0秒−5秒間の配管入口の消火剤ガスの平均流量が、0.48kg/s+V×P×m/5以下までであれば許容する(Vは配管内の体積(m3)、Pは0−5秒の配管の平均圧力(Pa)、mは消火剤ガスの比重(kg/Pa・m3)である)。
【0009】
好ましくは、0秒−5秒間の配管入口の消火剤ガスの平均流量が、0.48kg/sを超え0.48kg/s+V×P×m/5以下である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1に従ったガス消火設備の模式図である。
図2図1中のII−II線に沿った断面図である。
図3】窒素消火時の圧力変化を示すグラフである。
図4】調整圧力を約3−4MPaとした場合の窒素消火時の圧力変化を示すグラフである。
図5】実施の形態2に従ったガス消火設備の模式図である。
図6】実施の形態2に従ったガス消火設備ので用いられる調整弁の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。以下の実施の形態では同一または相当する部分については同一の参照符号を付し、その説明については繰り返さない。また、各実施の形態を組み合わせることも可能である。
【0012】
(実施の形態1)
本発明者は、従来の問題点、すなわち、ガス系消火設備において施工コストが高く、設計の自由度が低いという問題について分析した。その結果、ガス系消火設備のコストおよび設計の自由度に関して、消火剤ガスを導入するための配管、減圧弁、および消火剤ガスを排出するためのダクトのコストが高く、設計の自由度を狭めているという問題を見出した。
【0013】
従来のダクトは、消火剤ガスが導入される防護区域からその防護区域を有する建物の外まで延びている。仮にダクトが従来よりも細くなれば、ダクトに関連する施工コストを低下させることができる。配管を細くすることでも、施工コストを低下させることができる。
【0014】
さらにダクトは建物内で縦および/または横方向に延びるため、建物の構造にも影響を与える。仮に、ダクトが従来よりも細くなれば従来はダクトを配管することができなかった狭い場所にもダクトを配管することができ、設計の自由度が高まる。配管が細くなれば、設計の自由度が高まる。減圧弁において厳密に圧力をコントロールするためには減圧弁のコストが高くなる。減圧弁において厳密に圧力をコントロールする必要が無ければ、施工コストを低下させることができる。
【0015】
図1から3を参照して、ガス消火設備は、防護区画1内へ消火剤ガスを送る配管3と、防護区画1に接続されて消火剤ガスを排出するためのダクト2とを備える。
【0016】
防護区画1は、ビルなどの建物に設けられる部屋である。電子機器が設けられている部屋では、消火のために水を用いることができず、消火剤ガスを用いて消火を行う。噴射ノズル4から消火ガス剤を防護区画1に放出して、不活性の消火剤ガスを防護区画1に充満させて酸素濃度を減少させることで消火することが可能である。消火剤ガスとしては、窒素、アルゴンなどの不活性ガスおよびハロゲン系のガスが用いられる。
【0017】
ダクト2は、防護区画1の消火剤ガスを防護区画1から放出するためのガス経路である。ダクト2は、中空であり角型および丸型のいずれであってもよい。防護区画1の避圧口1aでダクト2の端部には、ダンパ12が設けられており、ダンパ12が開閉することでダクト2と防護区画1とが連通および遮断される。ダンパ12は実線で記載されている位置から点線で記載されている位置まで回動可能である。この実施の形態では防護区画1に一本のダクト2のみが設けられているが、複数本のダクト2が設けられていてもよい。
【0018】
ダクト2は、入口(避圧口1a)から出口13まで延びている。
配管3は、防護区画1外に配置されているガス貯蔵容器5から防護区画1へ消火剤ガスを送るための経路である。ガス貯蔵容器5には、減圧弁(圧力調整器)50が設けられており、減圧弁50を通過した消火剤ガスが配管3および噴射ノズル4を経由して防護区画1へ放出される。
【0019】
複数のガス貯蔵容器5に集合管17が接続されている。集合管17には、各々のガス貯蔵容器5から消火剤ガスが供給される。集合管17、減圧弁50またはガス貯蔵容器5のいずれかには、ガス貯蔵容器5から集合管17への消火剤ガスの供給を制御する制御部15が接続されている。この実施の形態では、複数のガス貯蔵容器5を用いているが、1つのみのガス貯蔵容器5を用いてもよい。この場合、集合管17は不要である。ガス貯蔵容器5に配管3が接続される。配管3入口での消火剤ガスの圧力を厳密に制御することで、消火剤ガスが導入されてから5秒−40秒間の配管3入口の消火剤ガスの平均流量は、放出容器(ガス貯蔵容器5)1本当たり0.32kg/s以上0.48kg/s以下となる。0秒−5秒間の配管3入口の消火剤ガスの平均流量が、0.48kg/sを超えても許容される。好ましくは、この期間の配管3入口における消火剤ガスの平均流量の上限は、0.48kg/s+V×P×m/5以下である。Vは配管内の体積(m3)、Pは0−5秒の配管の平均圧力(Pa)、mは消火剤ガスの比重(kg/Pa・m3)である。
【0020】
図3を参照して、曲線101は一つのガス貯蔵容器5内での消火ガス剤の圧力を示す。曲線102は、5本のガス貯蔵容器5を同時に開弁した場合における集合管17の出口での消火ガス剤の圧力を示す。曲線103は、5本のガス貯蔵容器5を同時に開弁した場合における噴射ノズル4での消火ガス剤の圧力を示す。点105は、曲線102における最大圧力を示す。
【0021】
曲線111から115は、第1から第5のガス貯蔵容器5を開弁した場合における容器弁としての減圧弁50の出口での消火ガス剤の圧力を示す。曲線104は曲線111から115で示す消火剤の圧力の合計により構成される減圧弁50の出口での消火剤ガスの圧力を示す。
【0022】
点105は曲線102における最大圧力を示しており、この最大圧力を考慮して避圧口1aの大きさを決定する。すなわち点105で示す最大圧力が大きければ避圧口の径、およびダクト2の径を大きくする必要があり、建設コストが増大する。5本のガス貯蔵容器5を同時に開弁すれば、各々のガス貯蔵容器5から放出される消火剤ガスのピーク圧力が重なる。その結果、最大圧力が大きくなり、避圧口1aおよびダクト2の径が大きくなる。これに対して、5本のガス貯蔵容器5の開弁時期をずらすことにより、曲線111から115で示す各ガス貯蔵容器5から放出される消火剤ガスのピーク圧力が重なることを防止できる。その結果、曲線104における最大圧力は、曲線105における最大圧力よりも小さくなる。
【0023】
図3では、流量制御(圧力制御)が安定していない減圧弁50を示している。流量制御が安定していないため、曲線102で示す減圧弁50の出口圧力も安定していない。
【0024】
図4は、流量制御(圧力制御)が安定している減圧弁50を用いた例を示している。図4の曲線141は、1本のガス貯蔵容器5を開弁した場合における減圧弁50の出口での消火ガス剤の圧力を示す。
【0025】
図4で示すように、流星制御(圧力制御)が安定している減圧弁50では、出口圧力が安定している。減圧弁50の出口圧力はほぼ一定となっている。
【0026】
防護区画1へ消火剤ガスが導入されてから5秒−40秒間の配管3入口の消火剤ガスの消火剤ガスの平均流量(5秒間の平均流量(kg/s))は、放出容器1本当たり0.32kg/s以上0.48kg/s以下に制御されることが必要であること、0秒−5秒間の配管3入口の消火剤ガスの平均流量が0.48kg/sを超えてもよいことを本発明者は見出した。
【0027】
図1の装置を用いて、消火剤ガスを防護区画1に放出する実験を行った。放出開始からの経過時間が0から60秒での放出容器1本当たりの消火剤ガスの平均流量は以下の通りである(表1は実験例1、表2は実験例2−4)。表1および2では、配管3のサイズを20A(内径19.4mm)、配管3の長さを10m、配管3内の容積を2.954×10−3配管内に流れ込むガスの入口圧力を5MPa、配管3内の抵抗で生じる圧力損失を2MPa、噴射ノズル4前のガス圧を3MPaとし、配管3内の平均圧力を4MPaとし、減圧弁50および制御部により、配管3入口の経時的なガス流量を調整した。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
上記の表1から、放出後40秒までは時間当たりの質量の変化が一定となり、一定流量で放出できることが分かる。40秒後以降は、容器内の圧力が低下し、減圧弁の調整圧力以下となる為、放出量は成り行きとなる。
【0031】
容器内の消火剤(窒素ガス)の質量は、約24kgである。83Lの容器にて30MPa(300気圧)で充填されている。これらのガスを1分間で放出することをベースとして平均流量を規定すると、1秒あたり約0.4kg(≒(24kg/60秒))となり、±20%の範囲内として0.32kg/s〜0.48kg/sとなる。
【0032】
防護区画1へ消火剤ガスが導入されてから5秒−40秒間の配管3入口の消火剤ガスの平均流量(kg/s)を、放出容器1本当たり0.32kg/s以上0.48kg/s以下に制御するためには、ピークの圧力を低下させる必要がある。ピークの圧力を低下させるために、図1で示したような、複数のガス貯蔵容器5の開弁時期をずらすか、流量制御が安定している減圧弁50を用いる方法がある。開弁から5秒以内は、圧力が急激に変動する。この部分で仮に配管内圧力が高くなったとしても、短時間であるため防護区画1内の圧力を過剰に高くするものではない。その結果、この部分での圧力が変動しても問題は無い。開弁から40秒経過後は、ガス貯蔵容器5の圧力が低下しているため、配管3入口の圧力は減少する。そのため、開弁から40秒経過するまでの配管3入口の圧力が、ピーク圧力に大きな影響を与える。
【0033】
表2からは、0−5秒の平均流量が0.48kg/sを超えていることが分かる。これは、0−5秒の範囲であれば、平均流量が0.48を超えてもよいことを示している。開弁から5秒以内(0−5秒)については、配管入口の圧力が高くなり、流速が0.48kg/sを超えたとしても、配管3内に消火剤ガスが充填されていない時間であるため、防護区画1内の圧力を過剰に高くするものではない。そのため、平均流量が0.48kg/sを超えても許容される。
【0034】
開弁から5秒以内に平均流量を0.32から0.48kg/sに保つためには、減圧弁で高精度に流量を制御する必要があり、減圧弁のコストが増加する。減圧弁のコストは施工のコストに含まれるため、施工のコストも増加する。これに対して、0−5秒の平均流量をの上限を0.48kg/sに限定しない場合には、当該区間における減圧弁における高精度の流量制御が不要である。その結果、減圧弁のコストを含めた施工コストを低下させることができる。
【0035】
0秒−5秒間の配管3入口の消火剤ガスの平均流量が、0.48kg/s+V×P×m/5以下までであればさらに好ましい。Vは配管3の体積(m3)、Pは0−5秒の配管3の平均圧力(Pa)、mは消火剤ガスの比重(kg/Pa・m3)である。開弁時には消火剤ガスは配管3内に充填されていない。開弁時に5秒間で配管3内に消火剤ガスを充填するためには、V×P×m(kg)の消火剤ガスを供給する必要がある。そのため配管3入口に通常の流量の0.48kg/sに追加してV×P×m/5(kg/s)の平均流量の消火剤ガスを流すことで、配管3内を消火剤ガスで充填することができる。
【0036】
配管3の入口での消火剤ガスの流入量をq(kg/s)とし、配管の出口からの消火剤ガスの流出量(防護区画への消火剤ガスの放出量)をQ(kg/s)とする。開弁後5秒以上経過した定常状態ではq=Qである。しかしながら、開弁後5秒以内の非定常状態ではq>Qである。その理由は、配管内に消火剤ガスが流入するからである。
【0037】
開弁から5秒経過後は、配管3内は消火剤ガスで充填されているため、配管3内の消火剤ガスの平均流量の上限は0.48kg/sとなる。0秒−5秒間の配管入口の消火剤ガスの平均流量が、0.48kg/sを超え0.48kg/s+V×P×m/5以下であれば、配管3内に早期に消火剤ガスを充填することできる。その結果、安定した消火剤ガスの放出が可能となる。
【0038】
(実施の形態2)
図5で示すように、実施の形態2では、配管3に調整弁16が設けられている点で、実施の形態1と異なる。調整弁16は減圧弁50とは別に設けられており、出口側のガス消火剤の圧力を一定にする働きを有する。減圧弁50は、この実施の形態では、圧力を調整する機能を有していないものであってもよい。すなわち、減圧弁50は、ガス貯蔵容器5を開閉する機能のみを有していてもよい。
【0039】
配管3は、図5では一本のみ示されているが、集合管17から減圧弁50までの間には配管3は三本存在している。この三本の配管3の各々に調整弁16が設けられていてもよい。
【0040】
図6で示すように、調整弁16は、筐体21、筐体21に設けられた入口流路22、筐体21内に設けられた入口側バネ23、筐体21内の設けられた出口側バネ24、入口側バネ23と出口側バネ24とで付勢される可動体25、出口側バネ24が封入され、可動体25が矢印16a,16bで示す方向に移動可能なシリンダ26、消火剤ガスが流れる筐体内流路27、筐体内流路27と連通した出口側流路28、および仕切部材29とを有する。可動体25は、仕切部材29により形成された開口29aに隣接する入口側弁25cと、出口側に配置された出口側弁25aと、出口側弁25aと入口側弁25cとを接続するシャフト25bとを有する。
【0041】
調整弁16に流入する消火剤ガスの圧力が高くなると、消火剤ガスの流速も速くなる。その結果、可動体25は矢印16aで示す方向に移動する。入口側弁25cが開口29aに近くなり、開口29aでの圧力損失が大きくなり消火剤ガスの平均流量が低下する。
【0042】
調整弁16に流入する消火剤ガスの圧力が低くなると、消火剤ガスの流速も遅くなる。その結果、可動体25は矢印16bで示す方向に移動する。入口側弁25cが開口29aから遠ざかり、開口29aでの圧力損失が小さくなり消火剤ガスの平均流量が増大する。
【0043】
すなわち、ガス系消火設備は、消火剤ガスが貯蔵された複数のガス貯蔵容器5と、消火剤ガスを防護区画1へ導入する導入手段としての配管3と、消火剤ガスが導入される防護区画1から消火剤ガスを排出するためのダクト2と、配管3に設けられて消火剤ガスを一定の平均流量で前記防護区画1へ導入する調整弁16とを備える。減圧弁50の下流側に調整弁16を設けることにより、減圧弁50の出口側で圧力が変動したとしても、この圧力の変動を調整弁16が平滑化することができる。そのため、複数のガス貯蔵容器5を一度に開弁しても、調整弁16によりピーク圧力が平滑化される。防護区画1へ消火剤ガスが導入されてから5秒−40秒間の配管3入口の消火剤ガスの平均流量は、放出容器1本当たり0.32kg/s以上0.48kg/s以下である。0秒−5秒間の配管3入口の消火剤ガスの平均流量が0.48kg/sを超えることは許容される。
【0044】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0045】
この発明は、ガス系消火設備の分野において利用することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 防護区画、1a 避圧口、2 ダクト、3 配管、4 噴射ノズル、5 ガス貯蔵容器、12 ダンパ、13 出口、15 制御部、16 調整弁、17 集合管、50 減圧弁。
【要約】
【課題】施工費用の低減、設計の自由度の向上を実現できるガス系消火設備を提供する。
【解決手段】容器内の消火剤ガスを配管3を経由して防護区画1へ導入し、かつ、防護区画1から消火剤ガスを排出する、ガス系消火設備の制御方法であって、防護区画1へ消火剤ガスが導入されてから5秒−40秒間の配管3入口の消火剤ガスの平均流量は、放出容器1本当たり0.32kg/s以上0.48kg/s以下である。0秒−5秒間の配管3入口の消火剤ガスの平均流量が0.48kg/sを超えることを許容する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6