(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
製剤中の前記鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)の重量パーセントが50〜100%であることを特徴とする、請求項1に記載の高リン血症および鉄欠乏性貧血を治療するための鉄型モンモリロナイト製剤。
前記鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)中に含まれる鉄イオンの重量パーセントが5.0〜9.0%であることを特徴とする、請求項1に記載の高リン血症および鉄欠乏性貧血を治療するための鉄型モンモリロナイト製剤。
前記工程(2)において、0〜40℃の温度下、水溶性鉄塩溶液で浸漬または溶出を行い、5〜72時間放置、浸漬するか、または5〜72時間溶出し、得られた固体を水分含量≦10wt%まで真空乾燥させることを特徴とする、請求項5に記載の高リン血症および鉄欠乏性貧血を治療するための鉄型モンモリロナイト製剤の調製方法。
前記工程(2)において、20〜30℃で、水溶性鉄塩溶液で浸漬または溶出を行い、24〜48時間放置、浸漬するか、または24〜48時間溶出し、得られた固体を水分含量≦10wt%まで真空乾燥させることを特徴とする、請求項7に記載の高リン血症および鉄欠乏性貧血を治療するための鉄型モンモリロナイト製剤の調製方法。
前記工程(3)の鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)中の鉄イオンの重量パーセント含量が、5.0%、6.0%、6.5%、7.0%、7.5%、8.0%または9.0%であることを特徴とする、請求項9に記載の高リン血症および鉄欠乏性貧血を治療するための鉄型モンモリロナイト製剤の調製方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、既存技術の不足に対し、慢性腎不全患者の高リン血症および鉄欠乏性貧血を治療する鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)の製剤を提供する。本発明はさらに、該製剤の調製方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)を製剤の有効成分として採用し、適した医薬品添加物を加えるか、または医薬品添加物を加えずに薬剤を製造する。胃腸管経由で投与されると、本発明の有効成分は患者の消化管内のリン酸塩と結合し、不溶性の物質を生成して消化管から体外に排出される。これにより、慢性腎不全患者の体内のリン酸塩が低下し、高リン血症を治療する目的を達成する。
【0007】
モンモリロナイトは、顆粒が極めて細かい含水アルミノケイ酸塩からなる層状鉱物である。上下がケイ素酸素四面体からなる3層構造の粘土鉱物であり、結晶体構造の層間にいくつかの交換陽イオンを含み、比較的高いイオン交換容量を有する。本発明はモンモリロナイトの陽イオン交換性能を利用することに基づいている。層間で陽イオンを交換することができ、主にNa
+、Ca
2+、次にK
+、Li
+などである。モンモリロナイトの層間で陽イオンを交換して変性処理を行うことができ、モンモリロナイトを鉄型モンモリロナイトに変性する。鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)は、体内で遊離の鉄イオンおよびモンモリロナイトを解離し、このうちの鉄イオンと体内のリン酸塩とが結合し、不溶性の物質を生成して体外に排出される。解離されたモンモリロナイトは人体に吸収されず、高リン血症を治療する目的を果たす。それと同時に、鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)は、リン酸塩と結合していない余った鉄イオンを解離し、人体に吸収され、体内の鉄イオンが補充されて、慢性腎不全患者の鉄欠乏性貧血を治療する目的を果たす。本発明の製剤は、慢性腎不全患者の高リン血症の治療および鉄欠乏性貧血の予防剤として用いることもできる。
【0008】
本発明の技術案は以下の通りである。
高リン血症および鉄欠乏性貧血を治療する鉄型モンモリロナイト製剤は、製剤の有効成分および/または医薬品添加物を含む。前記製剤の有効成分は鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)であり、製剤中の鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)の重量パーセントは20〜100%であり、前記鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)中に含まれる鉄イオンの重量パーセントは3.0〜12.0%である。前記鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)は、薬剤モンモリロナイトを水溶性鉄塩溶液で浸漬または溶出して得られ、このうち前記水溶性鉄塩溶液はグルコン酸第一鉄、コハク酸第一鉄、乳酸第一鉄、フマル酸第一鉄または硫酸第一鉄水溶液であり、前記薬剤モンモリロナイトはカルシウム型モンモリロナイト(Ca−モンモリロナイト)、ナトリウム型モンモリロナイト(Na−モンモリロナイト)、またはマグネシウム型モンモリロナイト(Mg−モンモリロナイト)から選択される。薬剤モンモリロナイトは本分野で通常の原料であり、市販の製品である。
【0009】
本発明によれば、好ましくは、製剤中の前記鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)の重量パーセントは50〜100%である。
【0010】
本発明によれば、好ましくは、前記鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)中に含まれる鉄イオンの重量パーセントは5.0〜9.0%である。
【0011】
本発明によれば、好ましくは、前記水溶性鉄塩溶液の濃度は5〜15wt%である。
【0012】
高リン血症および鉄欠乏性貧血を治療する鉄型モンモリロナイト製剤の調製方法において、工程は以下の通りである。
(1)薬剤モンモリロナイトを脱イオン水中に添加し、塩酸で酸性化処理して、pH値を2.0〜3.5に調整する。撹拌下で10〜30分間超音波処理し、静置、分離させた後上層の水分を除き、再び除いた水分と同じ体積の脱イオン水を追加して水洗し、再び上層の水分を除く。洗浄液のpHが6.5〜7.5になるまで数回水洗を繰り返す。その後プレート・フレーム式フィルタプレスを採用して固体物質を収集し、水分含量≦10wt%まで乾燥させる。その後粉砕機で粒径≦45μmまで粉砕し、325メッシュに通す。塩化物の検査を行い、標準塩化ナトリウム溶液5.0mlで調製した対照液と比較して、さらに濃くしてはならない(0.025%)。
【0013】
(2)工程(1)で処理後の薬剤モンモリロナイトを、水溶性鉄塩溶液で浸漬または溶出し、脱イオン水でpH値が6.5〜7.5になるまで洗う。さらに交換されていない余った鉄イオンを洗浄、ろ過し、固体を水分含量≦10wt%まで真空乾燥させる。その後粉砕機で粒径≦45μmまで粉砕して325メッシュに通し、鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)が得られる。鉄型モンモリロナイト中の鉄含量を測定すると、得られた鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)中の鉄イオンの重量パーセント含量は3.0〜12.0%である。
【0014】
(3)工程(2)で調製した鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)を薬用有効成分とし、散剤、カプセル剤、錠剤、乾燥懸濁剤、懸濁液または顆粒剤を製造する。
【0015】
本発明によれば、好ましくは、前記工程(1)における超音波処理の超音波周波数は30〜40KHzである。
【0016】
本発明によれば、好ましくは、前記工程(2)において、0〜40℃の温度下、水溶性鉄塩溶液で浸漬または溶出を行い、5〜72時間放置、浸漬するか、または5〜72時間溶出する。さらに好ましくは、20〜30℃で、水溶性鉄塩溶液で浸漬または溶出を行い、24〜48時間放置、浸漬するか、または24〜48時間溶出する。放置、浸漬または溶出の時間と、水溶性鉄塩の濃度とは関係があり、可溶性塩の濃度に基づいて、浸漬放置または溶出の時間を調整することができる。
【0017】
本発明によれば、好ましくは、前記工程(3)において、鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)を粒径≦45μmまで粉砕して325メッシュに通す。薬用有効成分として直接散剤を製造し、医薬品添加物を加えない。
または、鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)を粒径≦45μmまで粉砕して325メッシュに通す。薬用有効成分とし、医薬品添加物を添加して散剤、カプセル、錠剤、乾燥懸濁剤、懸濁液または顆粒剤を製造する。前記医薬品添加物は、医薬分野で使用される任意の1種であり、医薬品添加物の添加量は通常の技術に基づく。
【0018】
本発明によれば、好ましくは、前記工程(3)の鉄型モンモリロナイト中の鉄イオンの重量パーセント含量は、5.0%、6.0%、6.5%、7.0%、7.5%、8.0%または9.0%である。
【0019】
本発明で用いる水は脱イオン水である。
【0020】
本発明の前記鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)中の鉄イオンの重量パーセントは一般に3.0〜9.0%であり、3.0%より低くてもよい。3.0%より低いと、内服する製剤用量を増やす必要があるため、本発明はさらに最適化を行い、鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)中の鉄イオンの重量パーセント含量を5.0〜9.0%とした。
【0021】
本発明の試験によって、鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)を胃腸管経由で投与し、高リン血症および鉄欠乏性貧血と、透析患者の透析により引き起こされる鉄欠乏性貧血とを治療することができることを証明する。
【0022】
本発明の高リン血症および鉄欠乏性貧血を治療する鉄型モンモリロナイト製剤について、成人の1日の内服量は、鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)の重量で計算して4.0〜9.0gであり、特殊体質の患者の場合、状況を見て医師の指示に従う。
【発明の効果】
【0023】
本発明の有益な効果は次の通りである。
1、本発明の高リン血症および鉄欠乏性貧血を治療する鉄型モンモリロナイト製剤は、人体の胃、小腸、大腸およびすべての消化管内で良好なリン酸塩除去作用を有する。鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)は、体内で遊離の鉄イオンおよびモンモリロナイトを解離し、このうちの鉄イオンと体内のリン酸塩とが結合し、不溶性の物質を生成して体外に排出される。余った鉄イオンは消化管に吸収され、鉄欠乏性貧血を治療する作用を示す。
【0024】
2、本発明の前記鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)および適した補助材料と、本発明の前記高リン血症および鉄欠乏性貧血を治療する鉄型モンモリロナイト製剤の調製コストは比較的低く、患者の経済的負担を減少させることができ、良好な社会的効果が得られる。
【0025】
3、本発明の前記高リン血症および鉄欠乏性貧血を治療する鉄型モンモリロナイト製剤を内服すると、胃腸管経由で投与され、高リン血症および鉄欠乏性貧血の症状を治療することができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、具体的実施例により、図を組み合わせて、本発明についてさらなる説明を行うが、これに限定されない。
【0028】
このうち、用いる水溶性鉄塩溶液の濃度はいずれも質量パーセントである。実施例1〜8に用いるモンモリロナイトは、カルシウム型モンモリロナイト(Ca−モンモリロナイト)である。
【0029】
実施例中の原材料および補助材料の説明
【0030】
実施例1
高リン血症および鉄欠乏性貧血を治療する鉄型モンモリロナイト製剤の調製方法において、工程は以下の通りである。
(1)モンモリロナイトを200g秤取して、撹拌可能な超音波発生器内に投入した後、量り取った2000gの脱イオン水を投入し、30r/minの回転速度で撹拌する。5N塩酸でpH2.0まで酸性化処理し、さらに周波数が30KHzの超音波で30分間超音波処理する。10時間静置、分離させた後上層の水分を除き、再び投入量の脱イオン水を添加して浸漬し、再び10時間静置、分離させた後上層の水分を除く。脱イオン水による浸漬を浸漬液のpHが6.5になるまで数回繰り返す。フィルタプレス、乾燥を行ってモンモリロナイトが得られ、水分含量は5.6%である。粉砕して325メッシュに通す。
【0031】
上記得られたモンモリロナイト試料に対してX線粉末回折実験を行う。上記得られたモンモリロナイトを4g取り、細かく砕いて微粒にする。微粒を適量取って試料台に置き、試料台を乾燥機(飽和塩化ナトリウム溶液を含み、20℃時の相対湿度は約75%)に入れ、約12時間後に取り出す。試料台上の試料を押し付けて平らにし、X線粉末回折法(中国薬典2010年版2部付録IX F)に基づいて測定する。回折角(2θ)2°から80°の範囲内でスキャンする。
図2は、本実施例で調製したモンモリロナイトのX線回折スペクトルである。モンモリロナイト標準品のX線回折スペクトル(
図1)中のモンモリロナイト特性ピーク[回折角(2θ)はそれぞれ約5.8°、19.8°および61.9°]と一致し、5N薬用塩酸でpHを2.0に調整する条件下において、モンモリロナイトの化学構造の破壊が起こらないことを表す。
【0032】
(2)工程(1)で調製したモンモリロナイトを100g秤取して、撹拌可能な反応釜内に投入した後、量り取った500gの脱イオン水を投入する。回転速度が30r/minの撹拌下で40分撹拌した後、濃度が15wt%の硫酸第一鉄溶液を800ml添加し、温度を30℃に保持して、続けて12時間撹拌する。その後、24時間静置し、上層の水分を除いた後、再び投入量と同じ体積の脱イオン水でpH6.5まで繰り返し洗浄する。余った鉄イオンが洗浄されるまで続けて洗浄し、フィルタプレス、真空乾燥を行って鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)が得られ、水分含量は5.3%である。粉砕して325メッシュに通し、粉状の鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)が得られる。測定の結果、鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)中の鉄の重量パーセント含量は7.8%である。
【0033】
(3)工程(2)で調製した鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)を散剤とし、直接使用する。
【0034】
上記得られた鉄型モンモリロナイト試料に対してX線粉末回折実験を行う。
図3は、本実施例で調製した鉄型モンモリロナイトのX線回折スペクトルである。モンモリロナイト標準品のX線回折スペクトル(
図1)中のモンモリロナイト特性ピーク[回折角(2θ)はそれぞれ約5.8°、19.8°および61.9°である]と一致する。
【0035】
効果の実験1
本発明の高リン血症および鉄欠乏性貧血を治療する鉄型モンモリロナイト製剤の人体の消化管内におけるリン酸塩除去作用をさらに証明するため、人工の胃液、小腸液、大腸液の基礎液をそれぞれ調製し、以下の通り試験を行う。
【0036】
1.試験溶液1:NaCl8gを1000mlの蒸留水に溶解し、塩酸でpHを3に調整する。
2.試験溶液2:NaCl8gを1000mlの蒸留水に溶解し、塩酸でpHを6.8に調整する。
3.試験溶液3:NaCl8gを1000mlの蒸留水に溶解し、塩酸でpHを7.8に調整する。
4.試験溶液4:無水Na
2HPO
415gを1000mlの蒸留水に溶解し、ろ過して基礎液を調製し、リン酸塩の含量を測定する。
【0037】
試験溶液1、2、3に、一定量の実施例1で調製した鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)および試験溶液4をそれぞれ添加する。鉄イオンとリン酸塩とのモル比を3:1にし、37℃の条件下で充分に撹拌する。一定の時間3、5、7、9分ごとに、一定の試験溶液を取ってろ過し、そのリン酸塩の含量を測定して、試験溶液中の除去されたリン酸塩の百分率を計算する。試験結果を表1に示す。
【0039】
表1の試験結果を分析すると、鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)は、人工の胃液、小腸液、大腸液中でリン酸塩を除去する効果が比較的良好であるという結論が得られる。さらに、鉄型モンモリロナイトが人体の胃、小腸、大腸の消化管内全体で、比較的良好なリン酸塩除去作用を有すると説明されるため、高リン血症の治療において、鉄型モンモリロナイトは比較的良好な臨床的意義を有すると確定される。
【0040】
実施例2
高リン血症および鉄欠乏性貧血を治療する鉄型モンモリロナイト製剤の調製方法において、工程は以下の通りである。
(1)モンモリロナイトを300g秤取して、撹拌可能な超音波発生器内に投入した後、量り取った3000gの脱イオン水を投入し、30r/minの回転速度で撹拌する。5N塩酸でpH2.6まで酸性化処理し、さらに周波数が40KHzの超音波で20分間超音波処理する。10時間静置、分離させた後上層の水分を除き、再び投入量の脱イオン水を添加して浸漬し、再び10時間静置、分離させた後上層の水分を除く。脱イオン水による浸漬を浸漬液のpHが6.5になるまで数回繰り返す。フィルタプレス、乾燥を行ってモンモリロナイトが得られ、水分含量は9.1%である。粉砕して400メッシュに通す。
【0041】
(2)工程(1)で調製したモンモリロナイトを200g秤取して、撹拌可能な反応釜内に投入した後、量り取った1500gの脱イオン水を投入する。回転速度が30r/minの撹拌下で4時間撹拌した後、湿式法でカラム充填(カラム直径:カラム高さ=1:6)し、カラム温度を30℃に保持して、濃度が15wt%の硫酸第一鉄溶液1500mlで溶出する。溶出は1回、2回または3回で一様でなく、溶出時間は36時間である。その後、脱イオン水でpH7.0まで洗浄し、余った遊離鉄イオンが洗浄されるまで続けて洗浄する。鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)を取り出し、水分含量8.0%まで真空乾燥させる。粉砕して325メッシュに通し、粉状の鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)が得られる。測定の結果、鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)中の鉄の重量パーセント含量は8.7%である。
【0042】
(3)工程(2)で調製した鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)を取り、通常の医薬品添加物の量に基づいて、適した保湿剤と顆粒を調製し、通常のカプセルまたは腸溶カプセルに封入してカプセル剤が得られる。具体的な方法として、本分野の既存の通常技術に基づいて製造する。
【0043】
効果の実験2
鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)の慢性腎不全(CRF)の高リン血症に対する治療作用の試験。
(1)薬物:実施例2で調製した鉄型モンモリロナイトを使用する。乳鉢で擦って微粒にし、準備しておく。
(2)動物:ゴールデンハムスターは普通グレードであり、山東大学実験動物中心から提供される。体重は120g±20gである。
【0044】
試験は以下の通りである。
ゴールデンハムスターの体重は120g±20g、数量は30匹であり、ランダムに群分けする。
1.正常対照群10匹、続けて2週間飼料飼育した後、水道水を毎日2ml/120gで胃内投与する。
2.モデル対照群10匹、0.5%アデニンを毎日2ml/120gで胃内投与する。
3.治療群10匹、0.5%アデニンを2ml/120gで胃内投与し、2週間後、鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)を毎日300mg/kgで胃内投与する。
【0045】
以上の動物に、いずれも連続6週間胃内投与し、6週目にラットから採血し、それぞれ血中リン(P)含量を測定する。結果を表2に示す。
【0046】
【表2】
モデル対照群と正常対照群との6週目の比(p<0.05)、治療群とモデル対照群との6週目の比(p<0.05)。
【0047】
結論:鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)は、高リン血症のラットの血中リンを低下させることができる。
【0048】
効果の実験3
鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)の慢性腎不全による貧血に対する治療作用の薬効試験。
(1)薬物:鉄型モンモリロナイトは、実施例2で調製した鉄型モンモリロナイトを使用する。乳鉢で擦って微粒にし、準備しておく。
(2)動物:ゴールデンハムスターは普通グレードであり、山東大学実験動物中心から提供される。体重120g±20gである。
【0049】
試験は以下の通りである。
健康な雄のラットの体重は120g±20g、数量は30匹であり、ランダムに群分けする。
1.正常対照群10匹、続けて飼料飼育し、2週間後、水道水を毎日2ml/120gで胃内投与する。
2.モデル対照群10匹、0.5%アデニンを毎日2ml/120gで胃内投与する。
3.治療群10匹、0.5%アデニンを2ml/120gで胃内投与し、2週間後、鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)を毎日300mg/kgで胃内投与する。
【0050】
以上の動物に、いずれも連続6週間胃内投与し、6週目にラットから採血し、動物のRBC、HB、HCT、EPO、SP、ALBをそれぞれ測定する。結果を表3、表4に示す。
【0053】
結論:鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)は、アデニンによるラット慢性腎不全の貧血モデルにおけるRBC、HB、HCTの低下に対し、一定程度の改善を示し、統計学的有意差を示す。EPO、SP、ALBに対しても一定程度の改善を示す。
【0054】
実施例3
高リン血症および鉄欠乏性貧血を治療する鉄型モンモリロナイト製剤の調製方法において、工程は以下の通りである。
(1)モンモリロナイトを400g秤取して、撹拌可能な超音波発生器内に投入した後、量り取った4000gの脱イオン水を投入し、30r/minの回転速度で撹拌する。5N塩酸でpH3.0まで酸性化処理し、さらに周波数が40KHzの超音波で10分間超音波処理する。10時間静置、分離させた後上層の水分を除き、再び投入量の脱イオン水を添加して浸漬し、再び10時間静置、分離させた後上層の水分を除く。脱イオン水による浸漬を浸漬液のpHが6.5になるまで数回繰り返す。フィルタプレス、乾燥を行ってモンモリロナイトが得られ、水分含量は7.6%である。粉砕して400メッシュに通す。
【0055】
(2)工程(1)で調製したモンモリロナイトを200g秤取して、撹拌可能な反応釜内に投入した後、量り取った1000gの脱イオン水を投入する。回転速度が30r/minの撹拌下で4時間撹拌した後、湿式法でカラム充填(カラム直径:カラム高さ=1:6)し、カラム温度を30℃に保持して、濃度が10wt%のコハク酸第一鉄溶液5000mlで溶出する。溶出時間は36時間である。その後、脱イオン水でpH6.8まで洗浄し、余った遊離鉄イオンが洗浄されるまで続けて洗浄する。鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)を取り出して水分含量5.0%に真空乾燥させ、粉砕して325メッシュに通し、粉状の鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)が得られる。測定の結果、鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)中の鉄の重量パーセント含量は7.4%である。
【0056】
(3)工程(2)で調製した鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)を取り、通常の医薬品添加物の量に基づいて、適した保湿剤と顆粒を作製し、さらに打錠して錠剤が得られる。具体的な方法として、本分野の既存の通常技術に基づいて製造する。
【0057】
実験3
浸漬または溶出の温度、時間が鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)中の鉄イオン含量に及ぼす影響に関する実験。
本発明の高リン血症および鉄欠乏性貧血を治療する鉄型モンモリロナイト製剤の調製方法において、調製した鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)中に含まれる鉄イオン量の収率と、水溶性鉄塩が一定量である条件下、モンモリロナイトおよび水溶性鉄塩の反応の温度、時間とは関係があり、時間が長いほど、調製した鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)中に含まれる鉄イオン量は多くなり、すなわち収率が高い。これの反対は少なくなり、すなわち収率が低い。温度が高いほど、調製した鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)中に含まれる鉄イオン量は相応して多くなり、すなわち収率が高く、これの反対は少なくなり、すなわち収率が低い。試験データは表5、表6に示す通りである。
【0058】
表5の1、2、3、4は、モンモリロナイト/コハク酸第一鉄1:6(重量比)である。様々な条件下で得られた鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)は、本発明の前記方法に基づき、様々な時間で調製したものである。試験結果を表5に示す。
【0060】
表6の1、2、3、4は、モンモリロナイト/コハク酸第一鉄1:6(重量比)である。様々な条件下で得られた鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)は、本発明の前記方法に基づき、様々な温度で調製したものである。試験結果を表6に示す。
【0062】
上記表5、表6で説明した調製温度は0〜50℃でよいが、温度が低いほど、反応時間を相応して延長させる必要があるため、工業生産に不利である。したがって、一般的に30〜40℃を採用するのが好ましい。
【0063】
実施例4
高リン血症および鉄欠乏性貧血を治療する鉄型モンモリロナイト製剤の調製方法において、工程は以下の通りである。
(1)モンモリロナイトを500g秤取して、撹拌可能な超音波発生器内に投入した後、量り取った5000gの脱イオン水を投入し、30r/minの回転速度で撹拌する。5N塩酸でpH3.5まで酸性化処理し、さらに周波数が40KHzの超音波で25分間超音波処理する。10時間静置、分離させた後上層の水分を除き、再び投入量の脱イオン水を添加して浸漬し、再び10時間静置、分離させた後上層の水分を除く。脱イオン水による浸漬を浸漬液のpHが6.5になるまで数回繰り返す。フィルタプレス、乾燥を行ってモンモリロナイトが得られ、水分含量は8.8%である。粉砕して400メッシュに通す。
【0064】
(2)工程(1)で調製したモンモリロナイトを200g秤取して、撹拌可能な反応釜内に投入した後、量り取った1000gの脱イオン水を投入する。回転速度30r/minの撹拌下で4時間撹拌した後、湿式法でカラム充填(カラム直径:カラム高さ=1:6)し、カラム温度を20℃に保持して、濃度が8.0wt%のフマル酸第一鉄溶液6000mlで溶出する。溶出時間は24時間である。その後、脱イオン水でpH7.0まで洗浄し、余った遊離鉄イオンが洗浄されるまで続けて洗浄する。鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)を取り出して水分含量6.5%に真空乾燥させ、粉砕して325メッシュに通し、粉状の鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)が得られる。測定の結果、鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)中の鉄の重量パーセント含量は7.1%である。
【0065】
(3)工程(2)で調製した鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)を取り、通常の医薬品添加物の量に基づいて均一に混合し、乾燥懸濁剤が得られる。具体的な方法として、本分野の既存の通常技術に基づいて製造する。
【0066】
実施例5
高リン血症および鉄欠乏性貧血を治療する鉄型モンモリロナイト製剤の調製方法において、工程は以下の通りである。
(1)モンモリロナイトを300g秤取して、撹拌可能な超音波発生器内に投入した後、量り取った3000gの脱イオン水を投入し、30r/minの回転速度で撹拌する。5N塩酸でpH2.8まで酸性化処理し、さらに周波数が35KHzの超音波で15分間超音波処理する。10時間静置、分離させた後上層の水分を除き、再び投入量の脱イオン水を添加して浸漬し、再び10時間静置、分離させた後上層の水分を除く。脱イオン水による浸漬を浸漬液のpHが6.5になるまで数回繰り返す。フィルタプレス、乾燥を行ってモンモリロナイトが得られ、水分含量は9.0%である。粉砕して400メッシュに通す。
【0067】
(2)工程(1)で調製したモンモリロナイトを150g秤取して、撹拌可能な反応釜内に投入した後、量り取った750gの脱イオン水を投入する。回転速度が30r/minの撹拌下で40分撹拌した後、濃度が5wt%のグルコン酸第一鉄溶液を4500ml添加し、温度を35℃に保持して、続けて4時間撹拌する。その後、36時間静置し、上層の水分を除いた後、再び投入量と同じ体積の脱イオン水でpH7.2まで繰り返し洗浄する。余った鉄イオンが洗浄されるまで続けて洗浄し、フィルタプレスして、水分含量7.9%に真空乾燥させ、鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)が得られ、水分含量7.8%に真空乾燥させる。粉砕して325メッシュに通し、粉状の鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)が得られる。測定の結果、鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)中の鉄の重量パーセントは8.2%である。
【0068】
(3)工程(2)で調製した鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)を取り、通常の量に基づいて医薬品添加物および水を添加し、均一に混合して懸濁液を調製する。具体的な方法として、本分野の既存の通常技術に基づいて製造する。
【0069】
効果の実験5
鉄型モンモリロナイトの胆汁酸に対する吸着試験。
薬物:鉄型モンモリロナイト、実施例5で調製した鉄型モンモリロナイトを使用する。乳鉢で擦って微粒にし、準備しておく。
コレスチラミン、市販品、南京厚生薬業有限公司が販売。
胆汁酸、市販品、上海恒遠生物科技有限公司が販売。
胆汁酸標準試料(Sigma社)
【0070】
試験は以下の通りである。
鉄型モンモリロナイト試料(2mg/ml)を含有する2mlの懸濁液とコレスチラミン試料(2mg/ml)を含有する等量の懸濁液とを、濃度が5mmol/Lの2mlの胆汁酸水溶液中にそれぞれ添加する。37℃の条件下で0.5時間撹拌した後、メンブレンフィルタ(0.45μm)でろ過し、ろ液中の胆汁酸量を測定する。
【0071】
検出機器:1100シリーズ高速液体クロマトグラフィ−質量分析計(Agilent社)、クォータナリグラジエントポンプ、100ウェルオートサンプラ、蛍光検出器、オンライン真空脱気装置、大気圧化学イオン化源(APCI)を備える。HypersilC18クロマトグラフカラム(4.6mm×200mm、5μm、中国科学院大連化学物理研究所)。
検出試薬:1,2−ベンゾ−3,4−ジヒドロカルバゾール−9−エチル−p−トルエンスルホナート
無水アセトニトリル(禹城化学試剤廠)、P
2O
5で乾燥後蒸留処理する。
ジメチルスルホキシドは減圧蒸留し、必要に備える。
クエン酸カリウム、酒石酸ナトリウムなどはいずれも分析用試薬である。
【0072】
実験は1,2−ベンゾ−3,4−ジヒドロカルバゾール−9−エチル−p−トルエンスルホナートをプレカラム誘導体化試薬として利用し、誘導体化の条件およびクロマトグラフの分離条件の最適化を行う。さらにポストカラムオンライン質量分析同定を行い、血清中の胆汁酸含量を測定する。結果は表7に示す通りである。
【0074】
表7は、IIa型脂質異常症、高コレステロール血症を低下させるコレスチラミン製剤が胆汁酸に対して吸着作用を有し、鉄型モンモリロナイトは胆汁酸に対して吸着作用を完全に有さないことを示している。
【0075】
実施例6
高リン血症および鉄欠乏性貧血を治療する鉄型モンモリロナイト製剤の調製方法において、工程は以下の通りである。
(1)モンモリロナイトを500g秤取して、撹拌可能な超音波発生器内に投入した後、量り取った5000gの脱イオン水を投入し、30r/minの回転速度で撹拌する。5N塩酸でpH2.4まで酸性化処理し、さらに周波数が40KHzの超音波で30分間超音波処理する。10時間静置、分離させた後上層の水分を除き、再び投入量の脱イオン水を添加して浸漬し、再び10時間静置、分離させた後上層の水分を除く。脱イオン水による浸漬を浸漬液のpHが6.5になるまで数回繰り返す。フィルタプレス、乾燥を行ってモンモリロナイトが得られ、水分含量は3.9%である。粉砕して400メッシュに通す。
【0076】
(2)工程(1)で調製したモンモリロナイトを160g秤取して、撹拌可能な反応釜内に投入した後、量り取った800gの脱イオン水を投入する。回転速度が30r/minの撹拌下で4時間撹拌した後、湿式法でカラム充填(カラム直径:カラム高さ=1:6)し、カラム温度を30℃に保持して、濃度が5wt%のグルコン酸第一鉄溶液4600mlで溶出する。溶出は1回、2回または3回で一様でなく、溶出時間は36時間である。その後、脱イオン水でpH7.0まで洗浄し、余った遊離鉄イオンが洗浄されるまで続けて洗浄する。鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)を取り出して水分含量7.3%に真空乾燥させ、粉砕して325メッシュに通し、粉状の鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)が得られる。測定の結果、鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)中の鉄の重量パーセント含量は7.3%である。
【0077】
(3)工程(2)で調製した鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)を取り、粉状の医薬品添加物を添加し、均一に混合して散剤を調製する。具体的な方法として、本分野の既存の通常技術に基づいて製造する。
【0078】
実施例7
高リン血症および鉄欠乏性貧血を治療する鉄型モンモリロナイト製剤の調製方法において、工程は以下の通りである。
(1)モンモリロナイトを500g秤取して、撹拌可能な超音波発生器内に投入した後、量り取った5000gの脱イオン水を投入し、30r/minの回転速度で撹拌する。5N塩酸でpH3.2まで酸性化処理し、さらに周波数が40KHzの超音波で30分間超音波処理する。10時間静置、分離させた後上層の水分を除き、再び投入量の脱イオン水を添加して浸漬し、再び10時間静置、分離させた後上層の水分を除く。脱イオン水による浸漬を浸漬液のpHが6.5になるまで数回繰り返す。フィルタプレス、乾燥を行ってモンモリロナイトが得られ、水分含量は2.9%である。粉砕して400メッシュに通す。
【0079】
(2)工程(1)で調製したモンモリロナイトを200g秤取して、撹拌可能な反応釜内に投入した後、量り取った1000gの脱イオン水を投入する。回転速度30r/minの撹拌下で40分撹拌した後、濃度が5wt%の乳酸第一鉄溶液6000mlを添加し、温度を30℃に保持して、続けて4時間撹拌する。その後、30時間静置し、上層の水分を除いた後、再び投入量と同じ体積の脱イオン水でpH6.7まで繰り返し洗浄する。余った鉄イオンが洗浄されるまで続けて洗浄し、フィルタプレスして、鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)が得られ、水分含量5.3%に真空乾燥させる。粉砕して325メッシュに通し、粉状の鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)が得られる。測定の結果、鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)中の鉄の重量パーセント含量は6.4%である。
【0080】
(3)工程(2)で調製した鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)を取り、通常の医薬品添加物の量に基づいて、適した保湿剤と顆粒を作製し、通常のカプセルまたは腸溶カプセルに封入してカプセル剤が得られる。具体的な方法として、本分野の既存の通常技術に基づいて製造する。
【0081】
実施例8
高リン血症および鉄欠乏性貧血を治療する鉄型モンモリロナイト製剤の調製方法において、工程は以下の通りである。
(1)モンモリロナイトを500g秤取して、撹拌可能な超音波発生器内に投入した後、量り取った5000gの脱イオン水を投入し、30r/minの回転速度で撹拌する。5N塩酸でpH2.8まで酸性化処理し、さらに周波数が40KHzの超音波で25分間超音波処理する。10時間静置、分離させた後上層の水分を除き、再び投入量の脱イオン水を添加して浸漬し、再び10時間静置、分離させた後上層の水分を除く。脱イオン水による浸漬を浸漬液のpHが6.5になるまで数回繰り返す。フィルタプレス、乾燥を行ってモンモリロナイトが得られ、水分含量は2.9%である。粉砕して400メッシュに通す。
【0082】
(2)工程(1)で調製したモンモリロナイトを160g秤取して、撹拌可能な反応釜内に投入した後、量り取った800gの脱イオン水を投入する。回転速度が30r/minの撹拌下で4時間撹拌した後、湿式法でカラム充填(カラム直径:カラム高さ=1:6)し、カラム温度を30℃に保持して、濃度が5wt%の乳酸第一鉄溶液4600mlで溶出する。溶出は1回、2回または3回で一様でなく、溶出時間は36時間である。その後、脱イオン水でpH6.9まで洗浄し、余った遊離鉄イオンが洗浄されるまで続けて洗浄する。鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)を取り出して水分含量6.8%に真空乾燥させ、粉砕して325メッシュに通し、粉状の鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)が得られる。測定の結果、鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)中の鉄の重量パーセント含量は8.5%である。
【0083】
(3)工程(2)で調製した鉄型モンモリロナイト(Fe−モンモリロナイト)を取り、粉状の医薬品添加物を添加し、均一に混合して散剤を調製する。具体的な方法として、本分野の既存の通常技術に基づいて製造する。または通常の医薬品添加物の量に基づいて、適した保湿剤と顆粒を調製し、通常のカプセルまたは腸溶カプセルに封入してカプセル剤が得られる。具体的な方法として、本分野の既存の通常技術に基づいて製造する。
【0084】
実施例9
高リン血症および鉄欠乏性貧血を治療する鉄型モンモリロナイト製剤の調製方法において、工程はナトリウム型モンモリロナイト(Na−モンモリロナイト)をカルシウム型モンモリロナイト(Ca−モンモリロナイト)の代わりに使用することを除いて、実施例1と同じである。
【0085】
実施例10
高リン血症および鉄欠乏性貧血を治療する鉄型モンモリロナイト製剤の調製方法において、工程はマグネシウム型モンモリロナイト(Mg−モンモリロナイト)をカルシウム型モンモリロナイト(Ca−モンモリロナイト)の代わりに使用することを除いて、実施例2と同じである。