特許第6190062号(P6190062)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6190062連続冷却によるコンピュート・ノード・メンテナンス・システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6190062
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】連続冷却によるコンピュート・ノード・メンテナンス・システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/20 20060101AFI20170821BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20170821BHJP
【FI】
   G06F1/20 C
   H05K7/20 U
   G06F1/20 B
【請求項の数】11
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2016-531942(P2016-531942)
(86)(22)【出願日】2014年8月1日
(65)【公表番号】特表2016-527642(P2016-527642A)
(43)【公表日】2016年9月8日
(86)【国際出願番号】US2014049475
(87)【国際公開番号】WO2015017825
(87)【国際公開日】20150205
【審査請求日】2016年2月26日
(31)【優先権主張番号】13/958,387
(32)【優先日】2013年8月2日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/958,382
(32)【優先日】2013年8月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507303550
【氏名又は名称】アマゾン・テクノロジーズ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】ロス,ピーター・ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】マー,マイケル・デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】フリンク,ダリン・リー
(72)【発明者】
【氏名】ハミルトン,ジェームズ・アール
【審査官】 田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2004/0264128(US,A1)
【文献】 特開2010−117848(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/129241(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/20
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャシー、
前記シャシーに結合された一つ以上のバックプレーンであって、前記バックプレーンの少なくとも一つが、前記バックプレーンの一方の側から前記バックプレーンの反対側へ空気を通過させるように構成された一つ以上のバックプレーン開口を備える、前記バックプレーン、
前記少なくとも一つのバックプレーンに結合された複数のコンピューティング・デバイスであって、前記複数のコンピューティング・デバイスは、2列以上のコンピューティング・デバイスを備え、かつ前記コンピューティング・デバイスの少なくとも二つが、回路基板アセンブリと、前記回路基板アセンブリに結合された一つ以上のプロセッサを備える、前記コンピューティング・デバイス、
前記コンピューティング・デバイスの二つ以上の隣り合う回路基板アセンブリと前記少なくとも一つのバックプレーンによって形成された一つ以上のエア・チャネル、
前記2列以上のうちの少なくとも2列間に設けられた一つ以上の障壁であって、前記障壁の少なくとも一つが、前記コンピューティング・デバイスの隣り合う列間で空気が移動することを阻止するように構成された前記障壁、及び
前記コンピューティング・デバイスの前記回路基板アセンブリと前記少なくとも一つのバックプレーンによって形成された前記エア・チャネルの少なくとも一つを少なくとも部分的に閉鎖するように構成された一つ以上のチャネル・キャッピング・エレメントを備えるコンピューティング・システム。
【請求項2】
前記チャネル・キャッピング・エレメントの少なくとも一つが、前記コンピューティング・デバイスの少なくとも一つの前記回路基板アセンブリの少なくとも一つに付けられる、請求項1に記載のコンピューティング・システム。
【請求項3】
さらに、前記少なくとも一つのバックプレーンの下から前記一つ以上のバックプレーン開口を通して空気を移動させるように構成された一つ以上の空気移動デバイスを備える、請求項1に記載のコンピューティング・システム。
【請求項4】
前記一つ以上のエア・チャネルが、二つ以上のエア・チャネルからなり、前記エア・チャネルの少なくとも二つの各々が、前記コンピューティング・デバイスの隣り合う回路基板アセンブリと前記少なくとも一つのバックプレーンとによって形成され、また、
前記一つ以上のチャネル・キャッピング・エレメントが、二つ以上のチャネル・キャッピング・エレメントを備え、前記チャネル・キャッピング・エレメントの少なくとも二つの各々が、前記コンピューティング・デバイスの前記回路基板アセンブリと前記少なくとも一つのバックプレーンによって形成された前記エア・チャネルの少なくとも一つを少なくとも部分的に閉鎖するように構成される、請求項1に記載のコンピューティング・システム。
【請求項5】
前記一つ以上のバックプレーンが、第一のバックプレーン及び第二のバックプレーンを備え、前記第一のバックプレーンが、前記シャシー上で前記第二のバックプレーンの前に位置する、請求項1に記載のコンピューティング・システム。
【請求項6】
前記コンピューティング・システムがラック内に取り付けられ、前記コンピューティング・システムは、前記コンピューティング・システムが前記ラックから少なくとも部分的に引き出されているときに稼働状態に留まるように構成され、前記エア・チャネルの少なくとも一つが、前記コンピューティング・システムが前記ラックから少なくとも部分的に引き出された位置にあるときに前記少なくとも一つのバックプレーンを通して空気を誘導するように構成される、請求項1に記載のコンピューティング・システム。
【請求項7】
さらに、一つ以上の埋込板またはダミー・モジュールを備え、前記ダミー・モジュールまたは埋込板の少なくとも一つが、前記回路基板アセンブリの少なくとも二つの間の前記チャネルの少なくとも一つを少なくとも部分的に閉鎖するように構成される、請求項1に記載のコンピューティング・システム。
【請求項8】
コンピューティング・デバイスの冷却方法であって、
バックプレーンの一方の側からバックプレーンの一つ以上の開口を通して、前記バックプレーンの反対側上で隣り合う回路基板アセンブリによって少なくとも部分的に形成された一つ以上のエア・チャネル内へ空気を移動させること、
前記回路基板アセンブリ上の発熱部品から熱を奪うよう、前記エア・チャネルの少なくとも一つを通して空気を移動させることであって、2列以上配置された前記コンピューティング・デバイスの隣り合う列間の移動が前記隣り合う列間に設けられた障壁によって阻止されながら二つ以上の前記エア・チャネルに沿って空気を移動させることで前記回路基板アセンブリ上の発熱部品から熱を奪うよう前記エア・チャネルの少なくとも一つに沿って空気を移動させることを備える、前記冷却方法。
【請求項9】
さらに、コンピューティング・システムが稼働状態のままラックから前記コンピューティング・システムを少なくとも部分的に引き出すことからなり、前記エア・チャネルの少なくとも一つが、前記コンピューティング・システムが少なくとも部分的に引き出された位置で稼働しているときに前記少なくとも一つのバックプレーンの一方の側から前記チャネルの一つを通して空気を誘導させるように構成される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ラック、
前記ラックへ結合された一つ以上の前記請求項1ないし7のいずれかに記載の
コンピューティング・システムからなるシステムであって、
前記コンピューティング・システムの少なくとも一つが、
シャシー、
前記シャシーに結合された複数のコンピューティング・デバイス、及び
前記コンピューティング・デバイスの少なくとも二つの間に形成された一つ以上のエア・チャネルを備え、
前記ラックが、前記少なくとも一つのコンピューティング・システムが前記ラックから部分的に引き出されている間も前記少なくとも一つのコンピューティング・システムを支持するように構成され、
前記少なくとも一つのコンピューティング・システムが、前記コンピューティング・システムが前記ラックから部分的に引き出されている間も稼働状態に留まるように構成され、また、
前記一つ以上のチャネルの少なくとも一つが、前記コンピューティング・システムが前記ラックから部分的に引き出され且つ稼働中である間、前記チャネルを通して空気を誘導するように構成される、前記システム。
【請求項11】
前記コンピューティング・デバイスの少なくとも一つが、ホットスワップ可能である、請求項10に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
オンライン小売業、インターネット・サービス・プロバイダ、検索プロバイダ、金融機関、大学等の組織、及び他のデータ処理集約型組織では、通常、大規模コンピュータ設備でコンピュータ処理が行われる。そのようなコンピュータ設備は、組織の業務を遂行するのに必要なデータを処理、保存及び交換するために、大量のサーバ、ネットワーク及びコンピュータ装置を収容及び設置している。コンピュータ設備のコンピュータ室には、典型的に、多くのサーバ・ラックがある。各サーバ・ラックは、同様に、多くのサーバ及び関連コンピュータ装置を含む。
【0002】
コンピュータ・システムは、典型的に、排熱を生じる多数の構成部品を含む。そのような構成部品は、プリント回路基板、大容量記憶デバイス、電源装置及びプロセッサを含む。例えば、マルチプロセッサを有するいくつかのコンピュータは、250ワットの排熱を生じることもある。既知のコンピュータ・システムのいくつかは、ラック搭載コンポーネントとして構成される複数のそのように大きなマルチプロセッサ・コンピュータを含み、その後、ラックシステム内に設置される。
【0003】
既知のデータセンターのいくつかは、ラックシステムからの排熱除去を容易にする方法及び装置を含む。しかし、多くの既存の方法及び装置は、冷却空気を、それを最も必要とする箇所へ有効な方式で提供していない可能性がある。さらに、既知のデータセンターのいくつかでは、ラックシステムが、部品密度及び稼働が不均一な構成を有するため、ラックの異なる部分が、ラックの他の部分に比べ、異なる割合で排熱を生じる状況にある。
【0004】
多くのラックシステムでは、コンピュータ・システム内の構成部品からの排熱のために、ラックマウント型コンピュータ・システムを通して空気を移動させるのにファンが使用される。例えば、空気は、ラック内を前面から背面へ移動されてもよい。任意のコンピュータ・システム内では、典型的に、いくつかの領域が他に比べ、より多くの冷却空気を受けている。コンピュータ・システム内の適切に冷却されない領域の構成部品は、破損する傾向がある。
【0005】
他の構成部品と同様に、サーバは、時々稼働中に故障する。システムをフル稼働へ回復させるためには、サーバは、故障部品の交換または修理のため、電源を切り、ラックから取り外す必要がある。多くのサーバが共通シャシーに搭載されたシステムでは、一つの故障サーバを修理するのに、そのシャシー上のすべてのサーバをラックから引き抜かなければならない。このケースでは、そのシャシー上のすべてのサーバへの冷却空気が失われることになる。このことは、そのシャシー上のサーバの性能を損なう、あるいは追加の故障を招く可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】コンピュート・ノードを有するコンピューティング・システムの一つの実施形態を表す。コンピュート・ノードには共通バックプレーンにチャネル・キャッピング・エレメントが取り付けられ、気流がバックプレーンの下からチャネルへ導入される。
図2】コンピューティング・システムを収容するラックの一つの実施形態を表す。システムは、チャネル・キャッピング・エレメントを有するスレッド・マウント型コンピュート・ノードを含む。
図3】コンピューティング・システムの一つの実施形態を表す。スレッド・マウント型コンピュート・ノードがラックから部分的に引き出されている。
図4】コンピューティング・システムの一つの実施形態を表す平面図である。システムは、二つの別個なバックプレーンに2列のコンピュート・ノードを有する。
図5】コンピューティング・システムの一つの実施形態を表す側面図である。システムは、相互連結されたノード間チャネルを伴う多列コンピュート・ノードを有する。
図6】三つの別個なバックプレーンに3列のコンピュート・ノードを含むように変更されたコンピューティング・システムの、一つの実施形態を表す平面図である。
図7】コンピューティング・システム内の隣接列ノード間チャネルを連結可能なコネクタ・エレメントを、間に示す。
図8A】コンピューティング・システムを表す平面図である。システムは、ラック内に設置されたスレッド・マウント型コンピュート・ノードを有する。
図8B】コンピューティング・システムを表す側面図である。システムは、ラック内に設置されたスレッド・マウント型コンピュート・ノードを有する。
図9A】スレッド・マウント型コンピュート・ノードのスレッドが、ラックから部分的に引き出されたコンピューティング・システムを表す平面図である。コンピュート・ノード間チャネルを通る気流が継続する。
図9B】スレッド・マウント型コンピュート・ノードのスレッドが、ラックから部分的に引き出されたコンピューティング・システムを表す側面図である。コンピュート・ノード間チャネルを通る気流が継続する。
図10A】コンピュート・ノードの一つを取り外したコンピューティング・システムを表す平面図である。気流が、他の残留コンピュート・ノード間のチャネルを通って継続する。
図10B】コンピュート・ノードの一つを取り外したコンピューティング・システムを表す側面図である。気流が、他の残留コンピュート・ノード間のチャネルを通って継続する。
図11A】コンピュート・ノードを取り除いたギャップをカバーするダミー・プレートを有するコンピューティング・システムを表す平面図である。
図11B】コンピュート・ノードを取り除いたギャップをカバーするダミー・プレートを有するコンピューティング・システムを表す側面図である。
図12】バックプレーンに取り付けたコンピュート・ノードに対する状況表示灯を有するコンピューティング・システムの、一つの実施形態を表す。
図13】キャッピング・エレメントを表す正面図である。キャッピング・エレメントは、コンピュート・ノード間の複数チャネルを包囲する。
図14】ラック・マウント可能なシェルフ・ユニットの、一つの実施形態を表す。シェルフ・ユニットは、バックプレーンに取り付けたコンピュート・ノードを有する。
図15】バックプレーン・アセンブリに取り付けたコンピュート・ノードの、一つの実施形態を表す。
図16】チャネル・キャッピング・プレートを有するコンピュート・ノードの、一つの実施形態を表す部分分解図である。
図17】バックプレーン取付板を有するコンピュート・シェルフのためのシャシーの、一つの実施形態を表す。
図18】コンピュート・ノード列をパーティションするクロス・ブレースを有する、コンピュート・ノード・シェルフのためのシャシーの、一つの実施形態を表す。
図19】コンピュート・シェルフを表す側面図である。矢印は、シェルフを通過する気流を示す。
図20】フローが回路基板アセンブリ間のチャネルを通過する、一つ以上のバックプレーンに取り付けたコンピューティング・デバイスの冷却を表す。
図21】コンピューティング・システム構成の変更を表す。この変更は、一つのピッチで複数列にある一セットのコンピューティング・デバイスを取り除くこと、及び異なるピッチを有する複数列にある一セットのコンピューティング・デバイスで置換することを含む。
図22】コンピューティング・デバイスの冷却が、チャネルの長さに沿って空気が流れるようバックプレーンの下からチャネル内へ空気を移動させることを含むことを表す。
図23】連続冷却によるコンピュート・ノード・メンテナンスを表す。
図24】リア・マウント・ファンを有するラック・システムの、一つの実施形態を表す背面図である。
【0007】
本発明は、種々の修正及び形態の変更が可能であるが、特定な実施形態を、図面に例として示し、本文において詳細に説明する。しかしながら、図面及び詳細な説明は、開示した特定な形態へ発明を限定するよう意図したものではないと理解すべきであり、逆に、本発明は、添付の請求項によって定義する本発明の精神及び範囲内に該当するすべての変更、等価物及び代替物をカバーするものである。本文で用いる見出しは、編成のみを目的とするものであり、説明文または請求項の範囲を制限するために用いることを意図しない。本出願書を通して使用する用語「してもよい」は、必須な感覚(すなわち、でなければならない)ではなく、寛容な感覚で用いる(すなわち、可能性を意味する)。同様に、用語「含み」、「含んでいる」及び「含む」は、含むことを意味し、限定しない。
【発明を実施するための形態】
【0008】
コンピュータ・システムの種々の実施形態と、コンピューティング処理を実行するためのシステム及び方法を開示する。一つの実施形態によれば、コンピューティング・システムは、シャシー、空気流入端、空気流出端、シャシーへ結合された一つ以上のバックプレーンを含む。一つ以上のバックプレーンには、複数のコンピューティング・デバイスが結合される。コンピューティング・デバイスは、回路基板アセンブリと一つ以上のプロセッサを含んでもよい。コンピューティング・システムは、バックプレーンに隣接するエア・パッセージと、エア・チャネルを含む。エア・チャネルは、隣り合う回路基板アセンブリの複数の対の間へ空気を誘導できる。エア・パッセージは、システムの空気流入端から空気を受ける。一つ以上のバックプレーンは、エア・パッセージからエア・チャネルへ空気を通過させる複数の開口を含む。開口の一つ以上は、開口の少なくとも他の一つに比べ、空気流入端からより遠い。
【0009】
一つの実施形態によれば、シャシー上のコンピューティング・デバイスの冷却方法は、システムの第一端で、一つ以上のバックプレーンの一方の側(例えば、底側)のエア・パッセージ内へ空気を導入することを含む。エア・パッセージからの空気は、バックプレーン内の開口、及びバックプレーンの反対側(例えば、頂部)に取り付けた隣り合う回路基板アセンブリ間に形成されたチャネル内の開口を通して移動される。空気は、第一端の反対側に位置するシステムの第二端で排出される。開口の一つ以上は、開口の少なくとも他の一つに比べ、空気流入端からより遠い。
【0010】
一つの実施形態によれば、コンピュータ・システム構成の変更方法は、コンピューティング・システムのシャシー内にオープン・スペースを作るために、シャシーから第一セットのバックプレーンを取り除くことを含む。シャシー内のオープン・スペースには、第二セットのバックプレーンをインストールする。第二セットのバックプレーンは、第一セットのコンピューティング・デバイスのものとは異なる列ピッチで、シャシーの一端から他端間に、2列以上の第二セットのコンピューティング・デバイスをサポートする。
【0011】
一つの実施形態によれば、コンピューティング・システムは、シャシー、シャシーへ結合された一つ以上のバックプレーンを含む。一つ以上のバックプレーンには、複数のコンピューティング・デバイスが結合される。一つ以上のバックプレーンは、バックプレーンの一方の側からバックプレーンの反対側へ空気を通過させるバックプレーン開口を含む。コンピューティング・デバイスの隣り合う回路基板アセンブリと一つ以上のバックプレーンとによってエア・チャネルが形成され、エア・チャネルは、チャネル・キャッピング・エレメントによって少なくとも部分的に閉じられる。
【0012】
一つの実施形態によれば、コンピューティング・デバイスの冷却方法は、バックプレーン下方の空気を、バックプレーンの一つ以上の開口を通して、バックプレーン上で隣り合う回路基板アセンブリによって形成された一つ以上のエア・チャネル内へ移動させることを含む。空気はエア・チャネルに沿って、回路基板アセンブリ上の発熱部品から熱を奪うよう移動する。
【0013】
一つの実施形態によれば、システムは、ラックと、ラックへ結合されたコンピューティング・システムを含む。コンピューティング・システムは、シャシー、シャシーへ結合されたコンピューティング・デバイス、及びコンピューティング・デバイスの少なくとも二つの間に形成されるエア・チャネルを含んでもよい。ラックは、コンピューティング・システムがラックから部分的に引き出されている間、コンピューティング・システムを支持する。コンピューティング・システムは、コンピューティング・システムがラックから部分的に引き出されている間、稼働状態に留まってもよい。コンピューティング・システムがラックから部分的に引き出され且つ稼働中である間、空気は、エア・チャネルを通るよう誘導されてもよい。
【0014】
一つの実施形態によれば、コンピューティング・システムに対するメンテナンスの実行方法は、ラックからコンピューティング・システムを少なくとも部分的に引き出すこと、コンピューティング・システムが引き出された位置にある間、コンピューティング・システムの隣り合う回路基板間のエア・チャネルを通して空気を移動させることを含む。コンピューティング・システムのメンテナンス作業は、コンピューティング・システムが引き出された位置にあり、且つ回路基板間のエア・チャネルを通して空気が移動されている間に実行される。
【0015】
本文の用語「空気処理システム」は、一つ以上のシステムまたは構成部品へ、空気を提供する、あるいは移動させる、または空気を排除するシステムを意味する。
【0016】
本文の用語「空気移動デバイス」は、空気を移動できるデバイス、エレメント、システム、あるいはそれらの組み合わせを含む。空気移動デバイスの例は、ファン、送風機及び圧縮空気システムを含む。
【0017】
本文の用語「通路」は、一つ以上のエレメント、デバイスまたはラックに隣接するスペースを意味する。
【0018】
本文の用語「バックプレーン」は、大容量記憶デバイス、回路基板などの他の電子部品が取り付け可能なプレートまたはボードを意味する。いくつかの実施形態においては、ハードディスク・ドライブは、バックプレーンの面に対して通常垂直に、バックプレーンへプラグインされる。いくつかの実施形態においては、バックプレーンは、バックプレーン上の部品へ電源を提供可能な一つ以上の電源バス、及び、バックプレーン上にインストールされた部品とデータを送受信可能な一つ以上のデータバスを含む。
【0019】
本文の用語「周囲」は、システムまたは施設に関して、システムまたは施設の少なくとも一部を包囲する空気を意味する。例えば、データセンターに関する周囲空気は、例えば、データセンターの外気、あるいは空気処理システムの吸気フードの近くの外気でよい。
【0020】
本文の用語「ケーブル」は、一つ以上の導体を携えその長さの少なくとも一部分が柔軟なケーブル、コンジットまたはラインを含む。ケーブルは、その端部の一つ以上に、プラグ等のコネクタ部を含んでもよい。
【0021】
本文の用語「回路基板」は、回路基板上の構成部品または基板へ結合された部品から、基板上の他の構成部品または外部の部品へ、電源、データまたは信号を送信する一つ以上の電気伝導体を有するボードまたはプレートを意味する。特定な実施形態においては、回路基板は、内部に一つ以上の導電層を有するエポキシ・ガラス板である。しかし、回路基板は、他の適切な組み合わせの材料から形成されてもよい。
【0022】
本文の用語「シャシー」は、他のエレメントをサポートする、あるいは他のエレメントを取り付け可能な構造またはエレメントを意味する。シャシーは、いずれの形状または構造を有してもよく、フレーム、シート、プレート、ボックス、チャネル、あるいはそれらの組み合わせを含む。一つの実施形態においては、シャシーは一つ以上の板金部品から形成される。コンピュータ・システムのためのシャシーは、コンピュータ・システムの回路基板アセンブリ、電源ユニット、データ記憶デバイス、ファン、ケーブル、及び他の構成部品を支持してもよい。
【0023】
本文で用いる、オープンチャネルを「閉鎖する」は、チャネルから空気が漏れないよう、チャネルを少なくとも部分的に包囲することを意味する。
【0024】
本文の用語「コンピューティング」は、コンピュータによって実行される計算、データ記憶、データ検索または通信などの演算処理を含む。
【0025】
本文の用語「コンピューティング・システム」は、コンピュータ・システムまたはそれの構成部品などの、コンピューティング処理が実行可能な種々のシステムまたはデバイスを含む。コンピューティング・システムの一つの例は、一つ以上のコンピューティング・デバイスを含むラック・マウント・サーバである。本文の用語コンピューティング・デバイスは、本技術分野においてコンピュータと呼ばれる集積回路に限定されず、概して、プロセッサ、サーバ、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、専用集積回路、及び他のプログラム可能な回路にも広く言及し、これらの用語は、本文において、相互に置換可能に使用される。コンピューティング・デバイスのいくつかの例は、電子商取引サーバ、ネットワーク・デバイス、通信機器、医療機器、電源管理及び制御デバイス、及び専門オーディオ装置(デジタル、アナログ、あるいはそれらの組み合わせ)を含む。種々の実施形態においては、メモリは、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)等のコンピュータ可読媒体を含んでもよいが、これに限定されない。択一的に、コンパクトディスク・リードオンリー・メモリ(CD−ROM)、光磁気ディスク(MOD)及び/またはデジタル多用途ディスク(DVD)を使用してもよい。また、追加の入力チャネルが、マウス及びキーボード等のオペレータ・インターフェイスに関連するコンピュータ周辺機器を含んでもよい。択一的に、例えば、スキャナを含む他のコンピュータ周辺機器が使用されてもよい。さらに、いくつかの実施形態においては、追加の出力チャネルが、オペレータ・インターフェイス・モニタ及び/またはプリンタを含んでもよい。
【0026】
本文の用語「データセンター」は、コンピュータ処理が実行される施設、または施設の一部を含む。データセンターは、特定な機能または多機能に特化したサーバを含んでもよい。コンピュータ処理の例は、情報処理、通信、試験、シミュレーション、配電制御及び作動制御を含む。
【0027】
本文で用いる、空気を「誘導する」は、空間的に特定な領域または箇所などに空気を誘導することを含む。種々の実施形態においては、空気を誘導する空気移動は、高圧領域、低圧領域または両方の組み合わせを生じさせることによって誘発されてもよい。例えば、空気は、シャシーの底部に低圧領域を作ることによって、シャシー内で下方へ誘導されてもよい。いくつかの実施形態においては、空気は、ベーン、パネル、プレート、バフル、パイプまたは他の構造エレメントを使用して誘導される。
【0028】
本文の用語「部材」は、単一のエレメント、または二つ以上のエレメントの組み合わせを含む。(例えば、部材は、相互に留めた2枚以上の板金部品を含むことができる。
【0029】
本文の用語「モジュール」は、構成部品、または物理的に相互に結合させた構成部品の組み合わせである。モジュールは、コンピュータ・システム、回路基板、ラック、送風機、ダクト及び配電器などの機能要素及びシステムと、ベース、フレーム、ハウジングまたは容器などの構造要素を含んでもよい。
【0030】
本文の用語「オープンチャネル」は、チャネル全長の少なくとも一部分が開いているチャネルを意味する。
【0031】
本文の用語「実質的に水平な」は、垂直に比べ、より水平であることを意味する。インストールされたエレメントまたはデバイスに関する文脈における「実質的に水平な」は、インストールされたエレメントまたはデバイスの幅がその高さよりも大きいことを含む。
【0032】
本文の用語「実質的に垂直な」は、水平に比べ、より垂直であることを意味する。インストールされたエレメントまたはデバイスに関する文脈における「実質的に垂直な」は、インストールされたエレメントまたはデバイスの高さが、そのインストールされた幅よりも大きいことを含む。ハードディスク・ドライブに関する文脈における「実質的に垂直な」は、インストールされたハードディスク・ドライブの高さがそのハードディスク・ドライブのインストールされた幅よりも大きいことを含む。
【0033】
本文の用語「ラック」は、一つ以上のコンピュータ・システムを含む、あるいは物理的に支持することが可能なラック、コンテナ、フレーム、あるいは他のエレメントまたは複数のエレメントの組み合わせを意味する。
【0034】
本文の用語「ルーム」は、ビルの部屋またはスペースを意味する。本文の用語「コンピュータ室」は、ラック・マウント・サーバ等のコンピュータ・システムが中で稼働するビルの部屋を意味する。
【0035】
本文の用語「スペース」は、空間、領域または体積を意味する。
【0036】
本文の用語「シェルフ」は、物体を載置可能なエレメント、あるいは複数のエレメントの組み合わせを意味する。シェルフは、例えば、プレート、シート、トレイ、ディスク、ブロック、グリッドまたはボックスを含んでもよい。シェルフは、長方形、正方形、円形、または他の形状でもよい。いくつかの実施形態においては、シェルフは一つ以上のレールでもよい。
【0037】
本文の用語「衝撃吸収」は、他のエレメントに対するサポート・エレメントに関して用いられた場合、サポート・エレメントが、機械エネルギを吸収する、及び/または衝撃及び/または振動荷重を弱めることを意味する。衝撃吸収材は、弾力性、粘弾性、粘性、あるいはそれらの組み合わせを有してもよい。
【0038】
いくつかの実施形態においては、コンピューティング・システム(例えば、コンピューティング・モジュール)は、シャシー、水平方位にある一つ以上のバックプレーン、及びバックプレーン上のコンピューティング・デバイス(例えば、コンピュート・ノード)を含む。コンピューティング・システムは、空気流入端及び空気流出端を有する。コンピューティング・システムは、バックプレーン下にエア・パッセージ、及び、バックプレーン上のコンピューティング・デバイス間にエア・チャネルを含む。バックプレーンの複数の開口が、バックプレーン下のエア・パッセージから空気を、コンピューティング・デバイス間のエア・チャネル内へ移動させることを可能にする。バックプレーンの開口のいくつかは、他の開口に比べ、システム空気流入端からより遠くに位置する(例えば、シャシー内のより深い開口)。バックプレーン下のエア・パッセージ及びエア・チャネルは、長さ方向にシステム給気口とシステム排気口の間で(例えば、長さ方向に前面から背面へ)延在してもよい。いくつかのケースにおけるシャシーは、シャシーの前面から背面へ配列された多数のバックプレーンを収容する(例えば、連続的にバックプレーンが配列される)。バックプレーンの数と各バックプレーンの奥行は、システムの必要に応じて変化させてもよい。
【0039】
図1は、共通バックプレーンに取り付けたコンピュートノードを有するコンピューティング・システムの、一つの実施形態を表す。チャネル内には、バックプレーンの下から気流が導入される。システム100は、ラック102及びコンピューティング・システム104を含む。コンピューティング・システム104は、ラック102のレール106上に取り付けられる。レール106は、ラック102内の垂直柱(明瞭にすべく図示せず)に固定されてもよい。
【0040】
コンピューティング・システム104は、スレッド108、ライザ110、バックプレーン112及びコンピュート・ノード・アセンブリ114を含む。スレッド108は、コンピューティング・システム104の構成部品のためのシャシーとして機能してもよい。コンピュート・ノード・アセンブリ114の各々は、コンピュート・ノード・プリント回路基板116、プロセッサ118及びチャネル・キャッピング・リム120を含む。
【0041】
バックプレーン112は、バックプレーン回路基板121、カードガイド122及び開口124を含む。コンピュート・ノード・アセンブリ114の各々は、バックプレーン112に取り付けられる。バックプレーン開口124は、バックプレーン回路基板121に設けられる。バックプレーン開口124は、バックプレーン112の前端から後端へ列を成して相互から離れている。
【0042】
隣り合うコンピュート・ノード・アセンブリ114間には、複数のチャネル126が形成される。チャネル126の各々は、一対の隣り合うコンピュート・ノード・プリント回路基板116と、それら二つの隣り合うコンピュート・ノード・プリント回路基板116間のバックプレーン回路基板121部分とによって形成される。複数の開口124は、回路基板121の、隣り合うコンピュート・ノード・プリント回路基板116の各対間のバックプレーン回路基板121に位置してもよい。コンピュート・ノード・アセンブリ114の各々は、コンピュート・ノード・アセンブリ114の処理をサポートするネットワークI/Oコネクタ、パワーコネクタ及び信号コネクタを含んでもよい。
【0043】
コンピューティング・システム104は、一つ以上の電源ユニットを含んでもよい。そして電源ユニットの各々が、一つ以上のコンピュート・ノード・アセンブリ114へ電力を供給してもよい。一つの実施形態においては、一つの電源ユニットが、コンピューティング・システムの前部に(例えば、コンピュート・ノード・プリント回路基板116列の前に)インストールされる。
【0044】
コンピューティング・システム104は、ハードディスク・ドライブ等の、一つ以上の大容量記憶デバイスを含んでもよい。そして、大容量記憶デバイスの各々が、一つ以上のコンピュート・ノード・アセンブリ114によってアクセス可能であってもよい。特定な実施形態においては、大容量記憶デバイスは、一つ以上のコンピュート・ノードのためのプリント回路基板と一緒に共通シャシーに取り付けられる。
【0045】
スレッド108の前部には、共用リソース・モジュール117が取り付けられる。共用リソース・モジュール117は、コンピュート・ノード130へのリソースを提供するためのモジュールを含んでもよい。コンピュート・ノード・アセンブリ114は、電源ユニット、大容量記憶デバイス(例えば、ハードディスク・ドライブ)またはネットワーク・スイッチ等の共通リソース・デバイスを共有してもよい。共用リソース・モジュール114は、筐体または取り付けブラケットを含んでもよい。共用リソース・モジュール117は、コンピュート・ノード・アセンブリ回路基板116間のギャップ内へ空気が流入することを阻止してもよい。その場合、システムへ流入する空気のすべては、バックプレーン112の開口を通してノード間チャネルへ導入される。
【0046】
バックプレーン112は、ライザ110を介してスレッド108上に取り付けられる。ライザ110は、スレッド108とバックプレーン112との間にスペース128を確保する。スペース124への前面インレット開口130は、コンピューティング・システム104の前部、スレッド108とバックプレーン112との前縁間にある。スレッド108とバックプレーン112との後縁には、スレッドの後部スペース128を閉塞するために、バックプレートを含んでもよい。
【0047】
スレッド108は、ラック102のレール106上を運搬されてもよい。コンピューティング・システム104は、スレッド108上で、ラック102に対して滑らせて出し入れされてもよい。種々の実施形態においては、コンピューティング・システム104は、シェルフ、プレート、ハンガーまたはテレスコープ式レール等の、他のタイプのサポート・システム上に支持されてもよい。
【0048】
上記説明の種々の実施形態においては、回路基板上のプロセッサの各々は、別個のコンピュート・ノードとして作動させてもよい。特定な実施形態においては、しかしながら、デュアル・プロセッサ・ボード上の回路基板アセンブリは、単一のコンピュート・ノードとして機能するよう共作用させてもよい。特定な実施形態においては、マルチプロセッサ回路基板アセンブリ上の2個以上のプロセッサは、コンピュート・モジュール内のハードディスク・ドライブの一部もしくは全部へのアクセスを共有する。
【0049】
チャネル・キャッピング・リム120は、チャネル126に対するチャネル・キャッピング及び/またはチャネル包囲エレメントとして機能してもよい。図1に示す実施形態においては、チャネル・キャッピング・リム120は、コンピュート・ノード・プリント回路基板116の、回路基板頂部近くに付けたアングルの形態であってもよい。種々の実施形態においては、しかしながら、回路基板間のチャネルは、他のエレメントまたは部材で閉鎖されてもよい。他の閉止エレメントの例は、種々の寸法を有するプレート、ブロック、リム、ビーズまたはプラグを含む。
【0050】
いくつかの実施形態においては、隣り合う回路基板間のチャネルは完全に閉じられる。特定な実施形態においては、1枚の回路基板に付けたチャネル・キャッピング・リム120の縁は、隣りの回路基板に密封されてもよい。いくつかの実施形態においては、チャネル包囲エレメントは密封エレメントを含む。例えば、チャネル・キャッピング・リム120の各々は、その縁に沿って、チャネル126を包囲するよう隣りの回路基板に接触するゴム・シールを含んでもよい。
【0051】
いくつかの実施形態においては、空気移動デバイスが、コンピューティング・システム104の後部に負圧を生じさせる。空気は、前面インレット開口130を通して、バックプレーン112下のスペース128内へ吸い込まれてもよい。スペース128内の空気は、バックプレーン開口124を通してチャネル126内へ吸い込まれてもよい。チャネル126内の空気は、上方へ、そしてコンピューティング・システム104の後部の方へ、コンピュート・ノード・プリント回路基板116上の発熱部品を横切って流れてもよい。チャネル・キャッピング・エレメント120は、チャネル126内に可動空気を含んでもよい。スペース124内の空気は、チャネル126内を通過し回路基板上の発熱部品から熱を受けるまで加熱されない。したがって、コンピューティング・システム104の後部近くのバックプレーン開口124を通してチャネル126へ流入する空気は、コンピューティング・システム104の後部近くのバックプレーン開口124を通してチャネル126へ流入する空気と同じに冷えている。
【0052】
説明の都合上、ラック102には、コンピューティング・システム104の一つのみを示している。種々の実施形態においては、しかしながら、ラックは、多くのコンピューティング・システム、コンピュート・ノード、システムまたは構成部品を保持してもよい。
【0053】
図2は、コンピューティング・システムを収容するラックの、一つの実施形態を表す。この実施形態におけるスレッド・マウント型コンピュート・ノードは、チャネル・キャッピング・エレメントを有する。システム140は、ラック142及びコンピューティング・システム144を含む。コンピューティング・システム144は、図1に関して上記に説明したコンピューティング・システム104に類似してもよい。ラック142は、コンピューティング・システム・シェルフ146を含む。シェルフ146は、ボックス148及び後部開口150を含む。コンピューティング・システム144は、シェルフ146上に支持される。ラック142は、後部ファン152を含む。後部ファン152は、空気を、前面インレット開口130を通してバックプレーン112下方のスペース内へ吸い込み、バックプレーン112のバックプレーン開口124を通してチャネル126内へ、そしてチャネル126を通して、シェルフ146の後部開口150を通過させてもよい。チャネル126を通過する空気は、コンピューティング・システム144のコンピュート・ノード・アセンブリ114上の発熱部品から熱を除く。
【0054】
説明の都合上、ラック142は、コンピューティング・システム144の一つのみを含む。種々の実施形態においては、しかしながら、ラックは、多くのコンピューティング・システム、コンピュート・ノード、システムまたは構成部品を保持してもよい。
【0055】
いくつかの実施形態においては、コンピューティング・システムは、シャシー、一つ以上のバックプレーン、及び、バックプレーン上に一列以上で取り付けた回路基板を有するコンピューティング・デバイスを含む。コンピューティング・システムは、バックプレーン下にエア・パッセージと、バックプレーン上の回路基板間にエア・チャネルを含む。バックプレーンの開口は、空気を、バックプレーン下のエア・パッセージからコンピューティング・デバイス間のエア・チャネルへ移動させることを可能にする。チャネル・キャッピング・エレメント(例えば、プレート)は、コンピューティング・デバイス間のエア・チャネルを少なくとも部分的に閉鎖する。各チャネル・キャッピング・エレメントは、一対の隣り合う回路基板間のエア・チャネルを閉鎖してもよい。閉鎖エア・チャネルは、回路基板上の構成部品を冷却する気流を含んでもよい。チャネル・キャッピング・エレメントは、回路基板アセンブリの各々に取り付けることができる。
【0056】
いくつかの実施形態においては、システムは、ラック、コンピューティング・システム及び一つ以上の空気移動デバイスを含む。ラックは、(例えば、完全にインストールされた位置から、レール上を滑らせて出した)引き出された位置にあるコンピューティング・システムを支持できる。コンピューティング・システムは、コンピューティング・システムがラックから引き出された位置にある間も稼働し続ける。コンピューティング・システムは、コンピューティング・デバイス(例えば、回路基板アセンブリ上のコンピュート・ノード)を含む。空気は、コンピューティング・システムが引き出された位置にある間も、コンピューティング・デバイス間のエア・チャネルを通して移動できるため、コンピューティング・デバイスは、コンピューティング・システムが修理されている(例えば、コンピュート・ノードを修理または交換する)間も継続的に冷却される。いくつかのケースにおいては、複数のコンピュート・ノードが、一つ以上のバックプレーンに取り付けられる。コンピュート・ノードを冷却するための空気は、バックプレーンの開口を通して導入されてもよい。
【0057】
図3は、スレッド・マウント型コンピュート・ノードをラックから部分的に引き出したコンピューティング・システムの、一つの実施形態を表す。図3に示す実施形態では、スレッド108は、シェルフ146上で引き出されているが、引き出された位置にあってもシェルフ146上に支持されたままである。いくつかの実施形態においては、コンピューティング・システム144のコンピュート・ノードのいくつかまたはすべては、コンピューティング・システム144が引き出された位置にある間も稼働状態に留まる。
【0058】
いくつかの実施形態においては、システム140はケーブル・マネージメント・デバイスを含む。ケーブル・マネージメント・デバイスは、コンピューティング・システム144を、コンピューティング・システムに対する外部システムへ結合するためのケーブルを携帯してもよい。一つの実施形態においては、ケーブル・マネージメント・デバイスは、多関節アーム(例えば、アームのリンク間にヒンジ式接続を有する「Z」リンケージ)を含む。アームのセクションまたはリンクは、コンピューティング・デバイスが、ラック内に完全にインストールされた位置から引き出されるとき、開いても、あるいは広がってもよい。
【0059】
引き出された位置にあるコンピューティング・システム144の作動中、後部ファン152は、継続的に、コンピューティング・システム144を通して空気を引き込んでもよい。特に、後部ファン152は、前面インレット開口130を通してバックプレーン112下方のスペース内へ、バックプレーン112の開口を通してチャネル126内へ、そしてチャネル126の後部へと空気を引いてもよい。ボックス148は、チャネル126からシェルフ146の後部開口150を通して排出された空気を、ダクトで送ってもよい。後部ファン152が、ラックから被加熱空気を移動させてもよい。このようにして、コンピューティング・システム144が部分的に引き出された位置にある間も、気流が維持されてもよい。コンピューティング・システム144の構成部品を横切る気流は、例えば、コンピューティング・システム144のコンピュート・ノードのメンテナンス中も維持されてよい。
【0060】
いくつかの実施形態においては、コンピューティング・システムは多列コンピュートノードを含む。コンピュート・ノードの各列は、異なるバックプレーン上にあってもよい。図4は、2列のコンピュート・ノードを別個なバックプレーン上に有するコンピューティング・システムの、一つの実施形態を表す平面図である。図5は、図4に示すコンピューティング・システムの、一つの実施形態を表す側面図である。コンピューティング・システム160は、スレッド162、ライザ164、バックプレーン166及びコンピュート・ノード・アセンブリ168を含む。隣り合う対のコンピュート・ノード・アセンブリ168間には、チャネル170が形成される。
【0061】
コンピュート・ノード・アセンブリ168を冷却するための空気は、バックプレーン166の開口を通してチャネル170内へ吸い込まれてもよい。いくつかの実施形態においては、空気は、図4及び5に矢印によって示す方向へ、チャネルの前面から背面へ引かれる。空気移動デバイスの配置及び作動方式は、図2及び3に関して上記に説明したものと同様でよい。チャネル・キャッピング・リム172によって、チャネル170内に空気を含んでもよい。ブリッジ・プレート172によって、第一列のコンピュート・ノード・アセンブリからの空気を、第二のバックプレーン上の第二列のコンピュート・ノード・アセンブリへ送ってもよい。
【0062】
いくつかの実施形態においては、コンピューティング・システムは、システム内のコンピュート・ノードの列数を増加させる、あるいは減少させるよう変更されてもよい。いくつかの実施形態においては、コンピューティング・システムの前面から背面への範囲に含まれるバックプレーンの数が、増加または減少される。例えば、図4及び5を参照すれば、バックプレーンの数及びコンピュート・ノードの列は、2から3へ増加させてもよい。図6は、3枚の別個なバックプレーン上に3列のコンピュート・ノードを含むように変更されたコンピューティング・システムの、一つの実施形態を表す平面図である。変更されたシステム180は、3列のコンピューティング・デバイス182を含む。各列は、別個なバックプレーン164上にインストールされている。図4のものと比較して、インストールすべきコンピュート・ノードの列数を収容するために、バックプレーン間の間隔が調整されている。いくつかの実施形態においては、列数の構成に関わらず、同じバックプレーンが使用される。例えば、同じバックプレーンが、図4に示す2列構成のように、図6に示す3列構成で使用されてよい。
【0063】
いくつかの実施形態においては、一つのチャネルからもう一つへ気流の連続性を維持するためのエレメントが含まれる。図7は、コンピューティング・システム内の隣り合う列のノード間チャネルを連結させるために使用されてもよいコネクタ・エレメントを表す。図7に示すコネクタ・エレメント200は、列204の回路基板間に形成されたチャネルを、列208の回路基板間に形成されたチャネルに結合する。
【0064】
図8A、8B、9A、9B、10A、10B、11A及び11Bは、コンピューティング・システムに対するメンテナンス作業中に気流が維持されるコンピューティング・システムの作動及びメンテナンスを表す。図8A及び8Bは、ラック内に設置されたスレッド・マウント型コンピュート・ノードを有するコンピューティング・システムを表す平面図及び側面図である。システム240は、ラック242及びコンピューティング・システム244を含む。コンピューティング・システム244は、図4に関して上記に説明したコンピューティング・システム160に同様であってもよい。ラック242は、コンピューティング・システム・シェルフ246を含む。シェルフ246は、ボックス248及び後部開口250を含む。コンピューティング・システム244は、シェルフ246上に支持される。ラック242は、後部ファン252を含む。後部ファン252は、空気を、前面インレット開口130を通してバックプレーン112下方のスペース内へ吸い入れ、バックプレーン112の開口を通してチャネル126内へ、チャネル126を通して、シェルフ246の後部開口250を通過させてもよい。チャネル126を通過する空気は、コンピューティング・システム244のコンピュート・ノード・アセンブリ114上の発熱部品から熱を除いてもよい。
【0065】
コンピューティング・システム244は、コンピュート・ノードの列間に間仕切り247を含む。間仕切り247は、隣り合う列間の障壁として機能してもよい。間仕切り247は、間仕切り247の高さまでの範囲において、隣り合う列間での気流を阻止してもよい。間仕切り247上端を超えては、空気は自由に列間で流れてもよい。したがって、コンピュート・ノードの各列によって加熱された空気は、後方へ引かれ、242の後部から排出されてもよい。
【0066】
図9A及び9Bも、スレッド・マウント型コンピュート・ノードを有するコンピューティング・システムを表す平面図及び側面図であるが、これらの図は、コンピュート・ノード間のチャネルを通過する気流を継続させたまま、スレッドがラックから部分的に引き出された状態を表す。スレッド108は、シェルフ246上で引き出されているが、引き出された位置にあってもシェルフ246上に支持されたままである。スレッド108が引き出された位置にある状態で、コンピュート・ノード・アセンブリ254は、サービス要員が、コンピューティング・システム244に対してメンテナンスを実行するのにアクセス可能である。いくつかの実施形態においては、コンピューティング・システム244が引き出された位置にある間も、コンピューティング・システム244のコンピュート・ノード254のいくつかまたはすべてが、稼働状態に留まる。
【0067】
図10A及び10Bは、一つのコンピュート・ノードを取り除いたコンピューティング・システムを表す平面図及び側面図である。この場合も気流は継続的に、他の残留するコンピュート・ノード間のチャネルを通過している。バックプレーン112からコンピュート・ノード254aが取り除かれている。コンピュート・ノード254aの除去は、回路基板アレイの頂部に、チャネル・キャッピング・エレメントのギャップを生じる。コンピュート・ノード254aが除かれた状態では、チャネル126aは、隣りの回路基板間に、もはや空気をダクト状に包囲しないため、閉チャネル気流アレンジメントに漏れまたは破れが生じる。したがって、バックプレーン開口124aを通る気流は、実質的に減少する可能性がある。加えて、バックプレーン開口124aを通して空気が引かれる度合いに応じて、フロー矢印258aで示すように、空気の多くが頂部開口から外へ逃げることになる。それでも、コンピューティング・システム244の他のすべてのチャネル126では、空気は前面から背面へチャネルを通って継続的に流れるため、それらのチャネルに隣接するコンピュート・ノード・アセンブリのすべてに対する冷却は維持される。
【0068】
いくつかの実施形態においては、コンピューティング・システムの回路基板間のチャネルを埋めて封止するために、フィラー・エレメントを設けてもよい。フィラー・エレメントは、ダミー・モジュール、埋込板、バー、帯板及び蓋の形態を採ってもよい。図11A及び11Bは、コンピュートノードを取り除いたギャップを覆う埋込板を有するコンピューティング・システムを表す平面図及び側面図である。埋込板260は、開口の位置で、チャネル126aの頂部にインストールされる。埋込板260によって、チャネル126a内に、コンピューティング・システム244上の回路基板間の他チャネル126と同様な流れが回復するようチャネル126aを閉じてもよい。
【0069】
図11A及び11Bに関して上記に説明したシステムにおけるフィラー・エレメントは、一つ以上のノードのメンテナンス中に、コンピュート・ノード間のチャネルを通過する気流を維持するという文脈で説明した。しかし、フィラー・エレメントは、種々の実施形態において、コンピューティング・システムの寿命のいずれの時期に用いてもよい。例えば、コンピューティング・システムが最初に製造されたときに、コンピューティング・システムの空きポジションに、ダミー・モジュールまたは埋込板をインストールしてもよい。フィラー・エレメントは、(例えば、システムに追加の演算能力が必要な場合)オペレーティング・モジュールで置換されてもよい。
【0070】
いくつかの実施形態においては、コンピューティング・システム上のコンピュート・ノードは、状況インディケータを含む。状況インディケータは、例えば、共通スレッド上のバックプレーンに取り付けた回路基板アレイ内の各回路基板上に、一つ以上の発光ダイオード・インジケータを含んでもよい。図12は、バックプレーンに取り付けたコンピュート・ノードに対する状況表示灯を有するコンピューティング・システムの、一つの実施形態を表す。システム300は、コンピュート・ノード・アセンブリ302を含む。コンピュート・ノード・アセンブリ302は、状況表示灯304及びチャネル・キャッピング・リム306を含む。状況表示灯306は、コンピュート・ノード回路基板308に取り付けられる。チャネル・キャッピング・リム306は、コンピュート・ノード回路基板308上の状況表示灯304から光が、チャネル・キャッピング・リム306を透過するよう、透明または半透明であってよい。チャネル・キャッピング・リム306に使用可能な材料の例は、ポリカーボネート及びポリメタクリル酸メチル(「PMMA」)を含む。特定な実施形態においては、コンピュート・ノードに対する状況表示灯は、コンピュート・ノードの頂部に(例えば、コンピュート・ノード回路基板に付けたチャネル・キャッピング・リム上に)取り付けてもよい。
【0071】
コンピュート・ノード・アセンブリ302上の状況表示灯304は、コンピュート・ノードの状況に関する情報を提供してもよい。例えば、赤色状況表示灯によって、コンピュート・ノードが故障したことを示してもよいし、緑色状況表示灯によって、コンピュート・ノードが正常に機能していることを示してもよい。状況表示灯は、保守要員に対して、コンピュート・ノードのいずれがサービスを必要としているのかを査定するための視覚的支援を提供してもよい。
【0072】
上記説明の種々の実施形態においては、チャネル・キャッピング・エレメントは、単一チャネルを塞ぎ、チャネルに隣接する回路基板の1枚に付けられる。しかし、チャネル包囲エレメントは、種々の実施形態において、複数のチャネルを包囲してもよい。加えて、チャネル包囲エレメントは、2枚以上の回路基板に付けてもよい、あるいは回路基板以外の構造エレメントに付けてもよい。図13は、コンピュートノード間の複数チャネルを包囲するキャッピング・エレメントを表す正面図である。システム320は、スレッド322、バックプレーン324、コンピュート・ノード・アセンブリ326及びチャネル包囲カバー328を含む。チャネル包囲カバー328は、二つ以上のコンピュート・ノード・アセンブリ326に付けられてもよい。チャネル包囲カバー328は、コンピュート・ノード・アセンブリ326間のチャネル330を包囲してもよい。
【0073】
図14は、バックプレーンに取り付けたコンピュートノードを有するラック・マウント可能なシェルフ・ユニットの、一つの実施形態を表す。コンピュート・シェルフ400は、コンピュート・ノード・モジュール402、共用リソース・モジュール404、シャシー406、クロス・ブレース408及びチャネル・キャッピング・プレート410を含む。コンピュート・シェルフ400は、ラック内に取り付けてもよい。コンピュート・ノード・モジュール402は、一つ以上のバックプレーンを介してシャシー406に取り付けられてもよい。共用リソース・モジュール404は、シャシー406に取り付けられてもよい。(チャネル・キャッピング・プレートがインストール可能な位置のいくつかは、明瞭にするため、プレートのない状態で示している)。
【0074】
共用リソース・モジュール404は、コンピュート・ノード402へのリソースを提供するためのモジュールを含んでもよい。例えば、共用リソース・モジュール404は電源ユニット412を含む。コンピュート・ノード402は、大容量記憶デバイス(例えば、ハードディスク・ドライブ)またはネットワーク・スイッチ等の、他の共通リソースを共有してもよい。
【0075】
クロス・ブレース408は、コンピュート・ノード・モジュール402の列を小区分してもよい。いくつかの実施形態においては、クロス・ブレースは、コンピュート・ノード・モジュール402の回路基板の側縁を保持する。クロス・ブレース408の下部は、冷却空気が、コンピュート・ノード・モジュール402の異なる列間を通過することを阻止するバリアとして機能してもよい。クロス・ブレース408は、気流開口414を含んでもよい。気流開口414は、シェルフ404の頂部近くで、空気が一つの列からもう一つへと流れることを許容してもよい。チャネル・キャッピング・プレート410は、シャシー406の頂部から放散される空気が、チャネル内へ流れることを阻止してもよい。
【0076】
図15は、バックプレーン・アセンブリに取り付けられるコンピュート・ノードの、一つの実施形態を表す。バックプレーン・アセンブリ418は、バックプレーン・プリント回路基板420及びカードガイド421を含む。カードガイド421の各々には、コンピュート・ノード・モジュール402が取り付けられてもよい。バックプレーン・プリント回路基板420は、アパーチャ422を含む。アパーチャ422は、気流がバックプレーン・プリント回路基板420を通過することを許容する。
【0077】
図16は、チャネル・キャッピング・プレートを有するコンピュート・ノードの、一つの実施形態を表す部分分解図である。コンピュート・ノード・モジュール402は、取付板423、コンピュート・ノード・プリント回路基板424、プロセッサ・アセンブリ425、メモリ・モジュール426及び表示灯427を含む。プロセッサ・アセンブリ425は、コンピュート・ノード・プリント回路基板424に取り付けたプロセッサ及びヒートシンクを含む。取付板423はタブ428を含む。チャネル・キャッピング・プレート410は、タブ428に付けてもよい。いくつかの実施形態においては、チャネル・キャッピング・プレート410が透明または半透明であるため、保守要員には、シェルフの上方から、表示灯427の状態(オン/オフ、色)が認識可能である。
【0078】
図17は、バックプレーン取付板を有するコンピュート・シェルフのためのシャシーの、一つの実施形態を表す。シャシー406は、シャシー筐体429及び底部ダクト部材430を含む。底部ダクト部材430は、シャシー筐体429の底部に取り付けられている。底部ダクト部材430はアパーチャ431を含む。アパーチャ431は、ダクト433からの(例えば、ダクトに取り付けたバックプレーン・アセンブリを通しての)空気の流れを許容する。
【0079】
図18は、コンピュート・ノードの列をパーティションするクロス・ブレースを有するコンピュート・ノード・シェルフのためのシャシーの、一つの実施形態を表す。クロス・ブレース408は、シャシー406の前面から背面へ、間隔を設けて取り付けられる。クロス・ブレース408は、隣り合うクロス・ブレース間のバックプレーンに取り付けられるコンピュート・ノード・モジュールに対するガイドまたはサポートとして機能してもよい。ウォール432は、気流を(例えば、シェルフの、より後方の列内へ放散させずに、むしろ)特定な列のコンピュート・ノード内に維持する障壁として機能してもよい。
【0080】
図19は、コンピュート・シェルフを表す側面図である。矢印は、シェルフを通過する気流を示す。ファン等の空気移動デバイスによって、底部インレット440を通して空気を入れ、下部ダクト・スペース441内へ移動させてもよい。下部ダクト・スペース441は、コンピュート・ノード間のチャネル内へ供給される空気のためのプレナムとして機能してもよい。図14及び19に矢印で示すように、空気は、下部ダクト・スペース441から底部ダクト部材430のアパーチャ431を通り、バックプレーン・アセンブリ418のアパーチャを通過し、コンピュート・ノード・モジュール402上の発熱部品を上方へ横切って流れてもよい。被加熱空気がチャネルの頂部に到達したならば、空気は、(例えば、図15及び19に矢印で示すように)コンピュート・シェルフ400の後部の方へ、上部チャネル444を介して(連続的に、気流開口414を通過させて)シェルフから流出させてもよい。チャネル・キャッピング・プレート410は、上部チャネル444内に被加熱空気を含んでもよい。シェルフの後部で、空気は、排気孔446を通して上部チャネルから排出されてもよい。
【0081】
上記説明の種々の実施形態においては、コンピュート・ノード回路基板は、水平方位で取り付けられたバックプレーン上に、垂直方位で取り付けられる。クロス・バックプレーン気流を有するコンピュート・ノード及びバックプレーンは、それでも、種々の実施形態において、いずれの方位でも取り付けることが可能である。一つの実施形態においては、コンピュート・ノードは、垂直方位にあるバックプレーンに水平に取り付けられる。空気は、バックプレーンの、コンピュート・ノードに対して反対側に位置するダクトを通ってから、バックプレーンを通過してコンピュート・ノード間のチャネルへ供給されてもよい。
【0082】
いくつかの実施形態においては、コンピュート・ノードは、水平方位にあるバックプレーンの下側に垂直方位で取り付けられる。バックプレーン上方のエア・パッセージから、コンピュート・ノード間のチャネル内を通して空気が供給される。
【0083】
図20は、一つ以上のバックプレーンに取り付けたコンピューティング・デバイスの、気流が回路基板アセンブリ間のチャネルを通過する冷却を表す。450において、システムの第一端にある空気が、一つ以上のバックプレーンに隣接する一つ以上のパッセージ内へ導入される。いくつかの実施形態におけるパッセージは、バックプレーンの下方に位置し、回路基板アセンブリがバックプレーンの上方に位置する。
【0084】
452において、一つ以上のエア・パッセージからの空気が、バックプレーンの開口を通って移動する。開口の一つ以上は、開口の少なくとも他の一つに比べ、第一端からより遠くに位置してもよい。
【0085】
454において、空気は、バックプレーンに取り付けられた隣り合う回路基板アセンブリ間に形成されたチャネル内へ移動する。456において、チャネル内の空気は、システムの第二端で排出される。
【0086】
いくつかの実施形態におけるチャネルは、チャネル内へ流入する空気を含むよう包囲される。一つの実施形態においては、チャネルは、チャネルに隣接する回路基板アセンブリの一つ以上にキャッピング・エレメント(例えば、図1に関して上記に説明したチャネル・キャッピング・リム120)を取り付けることによって包囲される。
【0087】
図21は、コンピューティング・システムの構成の変更を表す。一つのピッチで一セットの列にある一セットのコンピューティング・デバイスを取り除くこと、及びそれらを第二のピッチで一セットの列にある一セットのコンピューティング・デバイスで置換することを含む。460において、コンピューティング・システムのためのシャシーから、シャシー内にオープン・スペースを作るために、第一のセットのバックプレーンを取り除く。第一セットのバックプレーンは、第一の列ピッチでシャシーの一端及び他端間に2列以上でコンピューティング・デバイスを支持してもよい。
【0088】
462において、シャシー内のオープン・スペース内に、第二セットのバックプレーンがインストールされる。第二セットのバックプレーンは、第二の列ピッチでシャシーの一端及び他端間に2列以上で第二セットのコンピューティング・デバイスを支持し、第二セットのコンピューティング・デバイスの第二の列ピッチは、第一セットのコンピューティング・デバイスの第一の列ピッチよりも小さい、あるいは大きい。例えば、第一セットのコンピューティング・デバイスは、3列で配置され、3列の各々が別個なバックプレーンに取り付けられてもよい。他方、コンピューティング・デバイスの置換セットは、2列で取り付けられ、2列の各々が別個なバックプレーンに取り付けられる。コンピューティング・デバイスの数、コンピューティング・デバイスの列数、または両方は、コンピューティング・システムの再構成の際に変更してもよい。
【0089】
図22は、コンピューティング・デバイスの冷却を表し、チャネルの全長に沿って空気が流れるようバックプレーンの下からチャネル内へ空気移動させることを含む。470において、空気は、バックプレーンの下方からバックプレーンの開口を通して、バックプレーン上で隣り合う回路基板アセンブリによって形成された一つ以上のエア・チャネル内へ移動される。
【0090】
472において、空気は、回路基板アセンブリ上の発熱部品から熱を奪うよう、エア・チャネルに沿って移動される。いくつかの実施形態におけるチャネルには、空気がチャネルから去ることを阻止するために、キャップが設けられる。例えば、回路基板の一側または両側のエア・チャネルを閉じるために、チャネル・キャッピング・リムが回路基板に付けられてもよい。いくつかの実施形態においては、空気は、例えば、図4〜6に関して上記に示したように、2列以上のコンピューティング・デバイス内のチャネルを連続的に通して移動させる。
【0091】
図23は、連続冷却によるコンピュート・ノード・メンテナンスを表す。480において、コンピューティング・システムは、ラックから部分的に引き出される。例えば、コンピューティング・システムは、ラックのレール上で、コンピューティング・システムがレール上に支持されたまま引き出されてもよい。
【0092】
482において、空気は、コンピューティング・システムが引き出された位置にある間も、コンピューティング・システム内の隣り合う回路基板間のエア・チャネルを通して移動される。
【0093】
484において、コンピューティング・システムが引き出された位置にあり、且つ回路基板間のエア・チャネルを通して空気が移動されている間に、コンピューティング・システムを維持するための作業が行われる。いくつかの実施形態においては、コンピューティング・デバイスは、隣りの回路基板間のエア・チャネル内を流れる空気によって他のコンピューティング・デバイスが継続的に冷却されている間に、ホットスワップされる。いくつかの実施形態においては、空気は、ラック内のコンピューティング・デバイスが取り付けられたバックプレーンの下から移動される。
【0094】
いくつかの実施形態においては、バックプレーンは、各ハードディスク・ドライブとシャシーとの間、及びシステム内のハードディスク・ドライブ間における衝撃の伝達及び/または振動負荷を減少させる、あるいは最小にするために取り付けられる。例えば、バックプレーン回路基板アセンブリは、パッド上に取り付けてもよい。パッドは、エラストマー材料などの衝撃吸収材から形成されてもよい。パッドは、コンピューティング・システムのシェルフまたはシャシーとコンピュート・ノード回路基板との間における衝撃及び/または振動の伝達を減少させてもよい。
【0095】
いくつかの実施形態においては、ハードディスク・ドライブのための箱形装着部を形成するために、ディスクドライブ・バックプレーンのエレメントとシャシーとが組み合わされてもよい。例えば、図1に示すシェルフ、スペーサ及び一つ以上のバックプレーン回路基板アセンブリが、長方形状の箱形断面を形成するよう組み合わされてもよい。箱形断面は、シャシー底部パネルの自重曲がり等のシャシーの変形を減少させることができる。いくつかの実施形態においては、レール、パッド、トレイまたは類似構造エレメントが、箱形断面構造、ケーブル配設スペース及び気流スペースの形成を含む多数の機能を果たしてもよい。
【0096】
いくつかの実施形態においては、バックプレーンの開口のサイズ及び数は、シャシーにつき種々のコンピュート・ノードに対する気流を調整できるよう選択されてもよい。例えば、一つの実施形態においては、シャシー後部近くのバックプレーンに対する通気孔は、シャシー前面の近くのバックプレーンに対する通気孔よりも大きくてよい。シャシー後部近くでは、シャシーのその部分に比較的暖かい空気があるため、より大きな気流が必要な場合もある。
【0097】
いくつかの実施形態においては、ファン・ドアを介するラック・レベルの空気移動デバイスが実装される。図24は、ラック・システムの一つの実施形態を表す背面図である。システム500は、ラック502及び後ドア504を含む。後ドア504は、ヒンジ506でラック502に連結されている。ファン・モジュール508は、後ドア504に結合されて、支持されている。
【0098】
いくつかの実施形態においては、ファン・モジュール508は、交流(AC)ファンを含む。一つの実施形態におけるファンの入力定格電圧は、約100V〜120Vである。一つの実施形態におけるファンの入力定格電圧は、約230Vである。ファン・モジュール300は、ラック・レベルの配電器から電力を受けてもよい。いくつかの実施形態においては、ラックのファン・モジュール508は、ホットスワップ可能である。いくつかの実施形態においては、ファン・モジュール508の各々に対して、手動電源スイッチが設けられる。
【0099】
一つの実施形態においては、各ファンは、1分につき50〜100立方フィートの流量で作動する。一つの実施形態においては、ファンの各々は、1分につき約200立方フィートの流量で作動する。
【0100】
いくつかの実施形態においては、システムは可変速ファンを含んでもよい。特定な実施形態においては、電力スイッチング及び/またはファン回転速度は、自動的に制御されてもよい。ファンは、個々に、あるいは二つ以上のファンのグループとして制御されてもよい。いくつかの実施形態においては、ファンは、センサ・データ(例えば、ラックの温度センサ)に基づいて制御される。
【0101】
いくつかの実施形態においては、ラック・システムに対する一つ以上のファンが、制御システムを介して制御されてもよい。特定な実施形態においては、制御システムは、少なくとも一つのプログラマブルロジックコントローラを含む。PLCは、ラック内の状態の、あるいはデータセンター内の他箇所の測定値を受けてもよい。PLCは、気流速度、温度、圧力、湿度、あるいは種々の他の作動状態または環境状態に対応するデータを受信してもよい。
【0102】
一つの実施形態におけるPLCは、ラック内の気流を測定する一つ以上の気流センサからデータを受信する。センサ・データに基づいて、PLCは、その時点の稼働状況に適切であるよう、ファン回転速度などのパラメータを制御してもよい。もう一つの実施形態におけるPLCは、ラック及び/またはデータセンターの他の箇所の温度を測定する一つ以上の温度センサからデータを受信する。特定な実施形態においては、PLCは、その時点での作動状態に対して適切であるように気流を調整するために、開位置及び閉位置間でダンパを調整してもよい。
【0103】
いくつかの実施形態においては、ラック・マウント型コンピューティング・モジュールは、ラックへ空気を供給する冷気システムによって、共通に冷却される。ラック内にインストールされたコンピューティング・モジュールからの熱を取り除くために、コンピュータ室内及びラック・システムを通過する気流を発生させるために、空気処理システムを作動させてもよい。空気がコンピューティング・モジュールの各々の前面に到達するとき、その空気を、コンピューティング・モジュールのシャシーへ通過させてもよい。シャシー通過後に、被加熱空気は、ラック・システムの後部から流出し、コンピュータ室から流れ出てもよい。特定な実施形態においては、コンピューティング・モジュールは、中央冷却システムに加えて、あるいはそれの代わりに、オンボードのファンを含んでもよい。特定な実施形態においては、ラックは、ラック内のすべてのコンピューティング・モジュールへ冷気を供給する一つのファンを備えてもよい。
【0104】
明瞭にすべく、本文の多くの図のモジュールまたは他の構成部品は、機能コンポーネントの輪郭が、単純な四角形で示されている。種々の実施形態においては、モジュールまたはモジュールのためのシャシーは、筐体、トレイ、取付プレート、それらの組み合わせ、また、種々の他の構造エレメントを含んでもよい。
【0105】
前述の実施形態は、以下の条文を考慮することで、より適切に理解できる。
1.シャシー、
空気流入端、
空気流入端の反対側に位置する空気流出端、
シャシーへ結合された一つ以上のバックプレーン、
少なくとも一つのバックプレーンへ結合された複数のコンピューティング・デバイスであって、これらコンピューティング・デバイスの少なくとも二つが、回路基板アセンブリ、及び回路基板アセンブリに結合された一つ以上のプロセッサからなる、コンピューティング・デバイス、
バックプレーンの少なくとも一つに隣接する一つ以上のエア・パッセージであって、エア・パッセージの少なくとも一つが、システムの空気流入端からの空気を受けるように構成されている、エア・パッセージ、及び
一つ以上のエア・チャネルであって、エア・チャネルの少なくとも一つが、少なくとも一つのバックプレーン上のコンピューティング・デバイスの二つ以上の隣り合う回路基板アセンブリ間へ空気を誘導するように構成され、また、エア・チャネルの少なくとも一つが、空気を空気流出端の方へ誘導してシステムの空気流出端でその空気を排出するように構成される、エア・チャネルからなるコンピューティング・システムであって、
少なくとも一つのバックプレーンが、エア・パッセージの少なくとも一つからエア・チャネルの少なくとも一つへ空気を通過させるように構成された複数の開口を有し、
開口の一つ以上が、開口の少なくとも他の一つよりも空気流入端から遠くに位置する、コンピューティング・システム。
2.空気、エア・チャネルの少なくとも一つが、長さ方向へ、システムの空気流入端と空気流出端との間に延在する、条項1に記載のコンピューティング・システム。
3.チャネルの少なくとも一つが、回路基板アセンブリの少なくとも一つを横切って空気を上方へ誘導するように構成され、また、チャネルの少なくとも一つが、システムの空気流出端の方へ空気を誘導するように構成される、条項1に記載のコンピューティング・システム。
4.一つ以上のバックプレーンが、シャシーに結合された二つ以上のバックプレーンからなり、この二つ以上のバックプレーンの各々に、コンピューティング・デバイスの少なくとも一つの列が結合される、条項1に記載のコンピューティング・システム。
5.一つ以上のバックプレーンが、シャシーに結合された二つ以上のバックプレーンからなり、バックプレーンの少なくとも二つが、空気流入端から空気流出端へ連続的に配置される、条項1に記載のコンピューティング・システム。
6.さらに、一つ以上のバックプレーン下にエア・パッセージの少なくとも一つを通して空気を移動させるように構成された一つ以上の空気移動デバイスからなる、条項1に記載のコンピューティング・システム。
7.さらに、一つ以上のチャネル・キャッピング・エレメントからなり、チャネル・キャッピング・エレメントの少なくとも一つが、チャネルの少なくとも一つを少なくとも部分的に閉鎖するように構成される、条項1に記載のコンピューティング・システム。
8.さらに、少なくとも一つのバックプレーンの一方の側の一つ以上のパッセージから、一つ以上の開口を通してチャネルの少なくとも一つへ空気を移動させるように構成された一つ以上の空気移動デバイスからなる、条項1に記載のコンピューティング・システム。
9.コンピューティング・システムがラック内に取り付けられ、コンピューティング・システムがラックから少なくとも部分的に引き出されているときにコンピューティング・システムが稼働状態に留まるように構成され、コンピューティング・システムがラックから少なくとも部分的に引き出されているときにエア・チャネルの少なくとも一つが、少なくとも一つのバックプレーンの下から空気を誘導するよう構成される、条項1に記載のコンピューティング・システム。
10.少なくとも一つのバックプレーンが実質的に水平な方位にあり、少なくとも一つのバックプレーンが、少なくとも一つのバックプレーンの下から、隣り合うコンピューティング・デバイス間の一つ以上のエア・チャネル内へ空気を通過させるように構成される、条項1に記載のコンピューティング・システム。
11.複数のコンピューティング・デバイスが2列以上のコンピューティング・デバイスからなる、条項1に記載のコンピューティング・システム。
12.コンピューティング・システムが、さらに、少なくとも2列間に一つ以上の障壁を備え、障壁の少なくとも一つが、コンピューティング・デバイスの隣り合う列間で空気が移動することを阻止するように構成される、条項11に記載のコンピューティング・システム。
13.さらに、シャシーに結合された一つ以上の共用リソース・デバイスを備え、共用リソース・デバイスの少なくとも一つが、共用リソースを二つ以上のコンピューティング・デバイスに提供するように構成される、条項1に記載のコンピューティング・システム。
14.シャシー上のコンピューティング・デバイスの冷却方法であって、
システムの第一端にある空気を、一つ以上のバックプレーンの第一の側の一つ以上のパッセージ内へ導入すること、
一つ以上のエア・パッセージから空気の少なくとも一部分を、バックプレーンの少なくとも一つに設けられた複数の開口を通して移動させること、またこれら開口の少なくとも一つは、開口の少なくとも他の一つよりも第一端から遠くに位置すること、及び
少なくとも一つのバックプレーンの第一の側の反対側に位置する側面に取り付けられた二つ以上の隣り合う回路基板アセンブリ間に形成された一つ以上のチャネル内へ空気を移動させること、及び
システムの、第一端の反対側に位置する第二端で、チャネルの少なくとも一つから空気の少なくとも一部分を排出すること、からなる冷却方法。
15.さらに、少なくとも一つのチャネル内へ流れる気流を少なくとも部分的に抑えるよう、チャネルの少なくとも一つを少なくとも部分的に包囲することからなる、条項14に記載の方法。
16.チャネルの少なくとも一つを少なくとも部分的に包囲することが、回路基板アセンブリの一つ以上に一つ以上のキャッピング・エレメントを取り付けることを備える、条項14に記載の方法。
17.一つ以上のチャネル内へ空気を移動させることが、コンピューティング・システムの第一端と第二端との間に配置されたコンピューティング・デバイスの二つ以上の連続的な列の各々に形成されたチャネル内へ空気を移動させることを備える、条項14に記載の方法。
18.空気を導入することが、
コンピューティング・デバイスの第一の列を支持する第一のバックプレーンの開口を通して空気の第一の部分を導入すること、及び
コンピューティング・デバイスの第二の列を支持する第二のバックプレーンの開口を通して空気の第二の部分を導入することからなる、条項14に記載の方法。
19.コンピュータ・システム構成の変更方法であって、
コンピューティング・システムのためのシャシーから、シャシー内にオープン・スペースを作るために、第一セットのバックプレーンを取り除くこと(第一セットのバックプレーンは、第一の列ピッチで、シャシーの一端及び他端間に2列以上で複数のコンピューティング・デバイスを支持する)、
シャシー内のオープン・スペースの少なくとも一部分に、第二セットのバックプレーンをインストールすること(第二セットのバックプレーンは、第二の列ピッチで、シャシーの一端及び他端間に2列以上で第二セットのコンピューティング・デバイスを支持する)を備え、
第二セットのコンピューティング・デバイスの第二の列ピッチが、第一セットのコンピューティング・デバイスの第一の列ピッチよりも小さい、あるいは大きい、システム構成の変更。
20.第一セットのバックプレーン及び第二セットのバックプレーンの少なくとも一つに関して、コンピューティング・デバイスの列間間隔が、列から列で異なる、条項19に記載の方法。
21.シャシー内のオープン・スペースの少なくとも一部分に第二セットのバックプレーンをインストールすることが、オープン・スペース内のバックプレーンの数を増加させることを備える、条項19に記載の方法。
22.シャシー内のオープン・スペースの少なくとも一部分に第二セットのバックプレーンをインストールすることが、オープン・スペース内のバックプレーンの数を減少させることを備える、条項19に記載の方法。
23.第一セットのバックプレーン及び第二セットのバックプレーンの少なくとも一つに関して、コンピューティング・デバイスの列が、シャシーの前面から背面へ連続的に配置される、条項19に記載の方法。
【0106】
前述の実施形態は、以下の条文を考慮することで、より適切に理解できる。
1.シャシー、
シャシーに結合された一つ以上のバックプレーンであって、バックプレーンの少なくとも一つが、バックプレーンの一方の側からバックプレーンの反対側へ空気を通過させるように構成された一つ以上のバックプレーン開口を備える、バックプレーン、
少なくとも一つのバックプレーンに結合された複数のコンピューティング・デバイスであって、コンピューティング・デバイスの少なくとも二つが、回路基板アセンブリと、回路基板アセンブリに結合された一つ以上のプロセッサを備える、コンピューティング・デバイス、
コンピューティング・デバイスの二つ以上の隣り合う回路基板アセンブリと少なくとも一つのバックプレーンによって形成された一つ以上のエア・チャネル、
コンピューティング・デバイスの回路基板アセンブリと少なくとも一つのバックプレーンによって形成されたエア・チャネルの少なくとも一つを少なくとも部分的に閉鎖するように構成された一つ以上のチャネル・キャッピング・エレメント、を備えるコンピューティング・システム。
2.チャネル・キャッピング・エレメントの少なくとも一つが、コンピューティング・デバイスの少なくとも一つの回路基板アセンブリの少なくとも一つに付けられる、条項1に記載のコンピューティング・システム。
3.さらに、少なくとも一つのバックプレーンの下から一つ以上のバックプレーン開口を通して空気を移動させるように構成された一つ以上の空気移動デバイスを備える、条項1に記載のコンピューティング・システム。
4.複数のコンピューティング・デバイスが、2列以上のコンピューティング・デバイスを備え、コンピューティング・システムが、さらに、少なくとも2列間に一つ以上の障壁を備え、障壁の少なくとも一つが、コンピューティング・デバイスの隣り合う列間で空気が移動することを阻止するように構成される、条項1に記載のコンピューティング・システム。
5.チャネル・キャッピング・エレメントの少なくとも一つが、コンピューティング・デバイスの少なくとも二つの回路基板アセンブリに付けられる、条項1に記載のコンピューティング・システム。
6.一つ以上のエア・チャネルが、二つ以上のエア・チャネルを備え、エア・チャネルの少なくとも二つの各々が、コンピューティング・デバイスの隣り合う回路基板アセンブリと少なくとも一つのバックプレーンによって形成され、また、
一つ以上のチャネル・キャッピング・エレメントが、二つ以上のチャネル・キャッピング・エレメントを備え、チャネル・キャッピング・エレメントの少なくとも二つの各々が、コンピューティング・デバイスの回路基板アセンブリと少なくとも一つのバックプレーンによって形成されたエア・チャネルの少なくとも一つを少なくとも部分的に閉鎖するように構成される、条項1に記載のコンピューティング・システム。
7.一つ以上のバックプレーンが、第一のバックプレーン及び第二のバックプレーンを備え、第一のバックプレーンが、シャシー上で第二のバックプレーンの前に位置する、条項1に記載のコンピューティング・システム。
8.さらに、シャシーに結合された一つ以上の共用リソース・デバイスを備え、共用リソース・デバイスの少なくとも一つが、共用リソースを二つ以上のコンピューティング・デバイスに提供するように構成される、条項1に記載のコンピューティング・システム。
9.コンピューティング・システムがラック内に取り付けられ、コンピューティング・システムがラックから少なくとも部分的に引き出されているときにコンピューティング・システムが稼働状態に留まるように構成され、エア・チャネルの少なくとも一つが、コンピューティング・システムがラックから少なくとも部分的に引き出された位置にあるときに少なくとも一つのバックプレーンを通して空気を誘導するように構成される、条項1に記載のコンピューティング・システム。
10.さらに、一つ以上の埋込板またはダミー・モジュールを備え、ダミー・モジュールまたは埋込板の少なくとも一つが、回路基板アセンブリの少なくとも二つの間のチャネルの少なくとも一つを少なくとも部分的に閉鎖するように構成される、条項1に記載のコンピューティング・システム。
11.コンピューティング・デバイスの冷却方法であって、
バックプレーンの一方の側からバックプレーンの一つ以上の開口を通して、バックプレーンの反対側上で隣り合う回路基板アセンブリによって少なくとも部分的に形成された一つ以上のエア・チャネル内へ空気を移動させること、
回路基板アセンブリ上の発熱部品から熱を奪うよう、エア・チャネルの少なくとも一つを通して空気を移動させることを備える、冷却方法。
12.回路基板アセンブリ上の発熱部品から熱を奪うようエア・チャネルの少なくとも一つに沿って空気を移動させることが、二つ以上のエア・チャネルに沿って空気を移動させることを備える、条項11に記載の方法。
13.さらに、チャネル全長の少なくとも一部分に沿ってチャネルから空気が逃れることを阻止するよう、エア・チャネルの少なくとも一つを少なくとも部分的に塞ぐことを備える、条項12に記載の方法。
14.回路基板アセンブリ上の発熱部品から熱を奪うようエア・チャネルの少なくとも一つに沿って空気を移動させることが、2列以上のコンピューティング・デバイスから共通排気口へ空気を移動させることを備え、条項11に記載の方法。
15.さらに、コンピューティング・システムが稼働状態のままラックからコンピューティング・システムを少なくとも部分的に引き出すことを備え、エア・チャネルの少なくとも一つが、コンピューティング・システムが少なくとも部分的に引き出された位置で稼働しているときに少なくとも一つのバックプレーンの一方の側からチャネルの一つを通して空気を誘導するように構成される、条項11に記載の方法。
16.ラック、
ラックに結合された一つ以上のコンピューティング・システムを備えるシステムであって、
コンピューティング・システムの少なくとも一つが、
シャシー、
シャシーに結合された複数のコンピューティング・デバイス、及び
コンピューティング・デバイスの少なくとも二つの間に形成された一つ以上のエア・チャネルを備え、
ラックは、少なくとも一つのコンピューティング・システムがラックから部分的に引き出されている間に少なくとも一つのコンピューティング・システムを支持するように構成され、
少なくとも一つのコンピューティング・システムは、コンピューティング・システムがラックから部分的に引き出されている間も稼働状態に留まるように構成され、また、
一つ以上のチャネルの少なくとも一つは、コンピューティング・システムがラックから部分的に引き出され且つ稼働中である間、チャネルを通して空気を誘導するように構成される、システム。
17.少なくとも一つのコンピューティング・システムが、さらに、シャシーに結合された一つ以上のバックプレーンを備え、バックプレーンの少なくとも一つが、バックプレーンの一方の側からバックプレーンの反対側へ空気を通過させるように構成された一つ以上のバックプレーン開口を含む、条項16に記載のシステム。
18.さらに、チャネルの少なくとも二つの間の一つ以上のチャネルを少なくとも部分的に閉鎖するように構成された一つ以上のチャネル・キャッピング・エレメントを備える、条項16に記載のシステム。
19.さらに、シャシーがラックから部分的に引き出されているときに一つ以上のケーブルを保持するように構成されたケーブル・マネージメント・デバイスを備える、条項16に記載のシステム。
20.コンピューティング・デバイスの少なくとも一つがホットスワップ可能である、条項16に記載のシステム。
21.さらに、シャシーがラックから部分的に引き出されているときに一つ以上のチャネルからの空気のリークを阻止するように構成された一つ以上の埋込板またはダミー・モジュールを備える、条項16に記載のシステム。
22.さらに、シャシーに結合された一つ以上の共用リソース・デバイスを備え、共用リソース・デバイスの少なくとも一つが、共用リソースを二つ以上のコンピューティング・デバイスに提供するように構成される、条項16に記載のコンピューティング・システム。
23.コンピューティング・システムに対するメンテナンスの実行方法であって、
ラックからコンピューティング・システムを少なくとも部分的に引き出すこと、
コンピューティング・システムが引き出された位置にある間もコンピューティング・システムの隣り合う回路基板間のエア・チャネルを通して空気を移動させること、及び
コンピューティング・システムが引き出された位置にあり、且つ回路基板間のエア・チャネルを通して空気が移動されている間に、コンピューティング・システムの一つ以上のメンテナンス作業を実行することを備える、メンテナンスの実行方法。
24.さらに、コンピューティング・システムのメンテナンス作業が実行される間も、一つ以上のレールまたはシェルフ上にコンピューティング・システムを支持することを備える、条項23に記載の方法。
25.空気を移動させることが、バックプレーンの一方の側のパッセージから、少なくとも一つのコンピューティング・デバイスが取り付けられたバックプレーンの他の側へ空気を移動させることを介する空気を移動させることを備える、条項23に記載の方法。
26.コンピューティング・システムの一つ以上のメンテナンス作業を実行することが、コンピューティング・システム内のエア・チャネルを通して空気が移動されている間に少なくとも一つのコンピューティング・デバイスを取り除いて置き換えることを備える、条項23に記載の方法。
27.さらに、コンピューティング・システムがラックから引き出されるときにチャネルの少なくとも一つからのリークを阻止すべきシャシー上の位置に、少なくとも一つの埋込板または少なくとも一つのダミー・モジュールをインストールすることを備える、条項23に記載の方法。
【0107】
上記の実施形態をかなり詳細に説明したが、上記の開示が十分に理解されれば、当業技術者には、多数の異形及び修正が可能であることは明らかである。以下の請求項は、すべてのそのような異形及び修正を含む、と解釈されることを意図している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24