(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記化合物が、[3−[[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]オキシ]フェニル]メチルウレアであるか、またはその薬学的に許容される塩である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
前記化合物が、[6−[[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]オキシ]−5−メチル−2−ピリジル]メチルウレアであるか、またはその薬学的に許容される塩である、請求項1、2、7、または8のいずれか一項に記載の化合物。
請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤とを含む、医薬組成物。
【発明の概要】
【0001】
本発明は、化合物またはその薬学的に許容される塩、及びその治療的用途に関する。本発明の化合物は、メチオニンアミノペプチダーゼ2(MetAP2)の阻害剤である。
【0002】
肥満は、脂肪組織量の過剰な蓄積をもたらす複雑な医学的疾患である。現代では、肥満は、循環器疾患、糖尿病、特定の癌、変形性関節症、及び他の望ましくない健康転帰に関連する、世界的な公衆衛生上の問題である。肥満の治療は、過剰な体重を減少させ、肥満関連の病的状態を改善し、長期間減量を維持することを目指す。肥満を治療するために承認されている薬剤は、特に重度の肥満対象に対して十分でない有効性を提供する。患者において所望の体重減少を引き起こす、代替的治療の選択肢に対する必要性が存在する。
【0003】
MetAP−2遺伝子の発現の増加は、歴史的に様々な形態の癌と関連付けられているが、国際公開第2010/065879号は、肥満の治療において使用するためのMetAP−2の酵素活性を抑制する分子を報告している。MetAP−2の増加した発現に関連する症状を治療するのに用いる、MetAP−2の新規阻害剤に対する必要性が存在する。
【0004】
本発明は、MetAP2阻害剤である、新規化合物を提供する。MetAP2阻害剤化合物は、肥満等のMetAP2が関与する症状の治療を提供することが所望される。
【0005】
本発明は、以下の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する:
【化1】
(式中、
Xは、
【化2】
からなる群から選択され、
Rは、H及びCH
3からなる群から選択され、
R
1は、H、CH
3、F、Cl、OCH
3、C(O)OH、C(O)NH
2、及び
【化3】
からなる群から選択される)。
【0006】
本発明のある実施形態において、Xは、
【化4】
からなる群から選択される。
【0007】
本発明のある実施形態において、Xは、
【化5】
である。本発明の別の実施形態において、Xは、
【化6】
である。
【0008】
本発明のある実施形態において、R
1は、H、F、及びCH
3からなる群から選択される。ある実施形態において、R
1は、
【化7】
である。本発明のある実施形態において、Rは、CH
3である。
【0009】
好適な実施形態において、化合物は、[3−[[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]オキシ]フェニル]メチルウレア、またはその薬学的に許容される塩である。好適な実施形態において、化合物は、[6−[[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]オキシ]−5−メチル−2−ピリジル]メチルウレア、またはその薬学的に許容される塩である。
【0010】
本発明はまた、上述のとおりの式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤と一緒に含む、医薬組成物も提供する。
【0011】
本発明はまた、哺乳動物における肥満を治療する方法も提供する。本方法は、治療を必要とする哺乳動物に、式Iについて上述のとおりの化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む。本発明は、体重減少を必要とする哺乳動物において所望の体重減少を引き起こすための方法であって、有効量の式Iの化合物を投与することを含む、方法を提供する。本発明は、体重減少を必要とする哺乳動物において治療的に体重を減少させるための方法であって、有効量の式Iの化合物を投与することを含む、方法を提供する。
【0012】
本発明は、上述のとおり、療法において使用するための、式Iに従った化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0013】
さらに別の形態では、本発明は、治療を必要とする哺乳動物における肥満の治療において使用するための、上述のとおりの式Iに従った化合物、その薬学的に許容される塩、または医薬組成物を提供する。好ましくは、哺乳動物は、ヒトである。
【0014】
本発明は、肥満の治療のための薬品の製造における、式Iに従った化合物またはその薬学的に許容される塩の使用を提供する。本発明は、治療的な体重の減少をもたらすのに用いる薬品の製造において使用するための、式Iに従った化合物またはその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0015】
本発明の化合物は、薬学的に許容される塩として提供され得る。「薬学的に許容される塩」は、臨床及び/または獣医学的使用で許容されると考えられる本発明の化合物の塩を示す。薬学的に許容される塩及びこれらを調製するための一般的方法論は、当分野で周知である。例えば、P.Stahl,et al.,Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection and Use,(VCHA/Wiley−VCH,2002)、S.M.Berge,et al.,”Pharmaceutical Salts,”Journal of Pharmaceutical Sciences,Vol.66,No.1,January1977を参照のこと。
【0016】
本明細書で使用される略記は、Aldrichimica Acta,Vol.17,No.1,1984に従って定義される。他の略記は、以下のとおり定義される。「BSA」は、ウシ血清アルブミンを指し、「DMF」は、N,N−ジメチルホルムアミドを指し、「DIO」は、食習慣によって引き起こされる肥満を指し、「HEC」は、ヒドロキシエチルセルロースを指し、「HEPES」は、4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸を指し、「HFD」は、高脂肪食を指し、「IC
50」は、作用剤が可能な最大抑制反応の50%を生成するその作用剤の濃度を指し、「THF」は、テトラヒドロフランを指す。
【0017】
以下のスキーム及び調製で記載される中間体は、いくつかの窒素、ヒドロキシ、及びエステル等の酸保護基を含み得る。可変保護基は、実施される特定の反応条件及び特定の変換によって、それぞれの発生において同じかまたは異なり得る。保護及び脱保護条件は、当業者に周知であり、文献に記載される。例えば、Greene and Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,(T.Greene and P.Wuts,eds.,2d ed.1991)を参照のこと。
【0018】
下記のスキームにおいて、別段の表示がない限り、全ての置換基は、先に定義されるとおりである。試薬及び出発物質は、概して、当業者が容易に入手可能である。その他のものは、既知の構造的に類似した化合物の合成、並びに任意の新規手順を含む、以下に続く調製及び実施例に記載される手順に類似した、有機及び複素環化学の標準の技術によって作製され得る。
【0020】
式Iの化合物は、スキーム1に図示されるとおりの反応に従って調製され得る。スキーム1(ステップ1)は、先に定義されるXのXで示されるとおり、置換アリールまたはピリジルヒドロキシニトリル(2)での、2−ブロモ−1−(4−フルオロフェニル)エタノン(1)のアルキル化を図示する。ブロモ(1)試薬を、室温または還流条件で、アセトニトリルまたはアセトン等の極性非プロトン性溶媒中の炭酸カリウム等の無機塩基を用いる当業者に周知の塩基性条件下で、アリールまたはヘテロアリールヒドロキシ化合物(2)と反応させて、ステップ1の化合物3を得る。化合物3を、還流条件またはマイクロ波照射下で、トルエン等の非極性溶媒中のN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタールでアルキル化し、ステップ2の化合物4である置換ジメチルアミノプロパ−2−エン−1−オン化合物(4)を得る。化合物4を、単離するか、または原位置でステップ3に引き継ぎ、ピラゾール化合物(5)を形成することができる。マイクロ波照射下で、トルエン等の非極性溶媒中のヒドラジン水和物でか、または代替的には、還流条件で、エタノール等の極性プロトン性溶媒中のトリエチルアミン等の有機塩基を用いて、塩酸ヒドラジンでピラゾールを形成し、置換環化ピラゾール(5)を得ることができる。A=ニトリルの場合、THF等の極性非プロトン性溶媒中の水素化アルミニウムリチウム等の当分野で周知の還元条件を用いてか、またはメタノールアンモニア溶液中のラネーニッケルを用いて水素条件下で、ピリジルまたはフェニル(5)上のニトリルをアミン(6)に還元し、アミン(ステップ4の6)を得ることができる。マイクロ波照射条件下で約80℃に加熱しながら、THF等の極性非プロトン性溶媒中のフェニルウレタン及びジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基を用いて、式Iのメチルウレア化合物をアミン(6)から形成し、式Iの化合物を得ることができる(ステップ5)。あるいは、マイクロ波照射条件下で約80℃に加熱しながらの、シアン化カリウム等の無機塩基及びメタノール等の極性プロトン性溶媒中の酢酸等の酸が、アミン(6)を式Iのメチルウレア化合物に変換させるのに使用され得る(ステップ5)。A=Brの場合、ZnCN及び[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)等のパラジウム(0)触媒を用いる当分野で周知のパラジウム条件下で、ジメチルアセトアミド中の亜鉛及び酢酸亜鉛で、約160℃に加熱しながら、臭化物をニトリル(ステップ6の7)に変換し、ニトリル化合物(ステップ6の7)を得ることができ、これはステップ4及び5に関して上述のとおり、式Iの化合物に引き継がれ得る。あるいは、シアン化銅及びN−メチルピロリジン等の塩基を用い、約200℃に加熱し、続いてエチレンジアミンの添加によってニトリル(7)を形成して、化合物(ステップ6の7)を得ることができる。
【0022】
あるいは、スキーム2において、化合物2のA=Brの場合、N−メチルピロリドン等の極性溶媒中のシアン化銅を用いて、マイクロ波照射下で約200℃に加熱し、臭化物(2)をニトリルに変換して、ニトリルを得ることができる。(8)。次いで、このヒドロキシニトリルを、スキーム1に記載されるように、スキーム1のステップ1の化合物(1)と反応させ、スキーム1のステップ2〜5に関して上述のとおり引き継ぎ、式Iの化合物を得ることができる。
【0023】
以下の調製及び実施例は、本発明をさらに例示説明し、式(I)の化合物の典型的な合成を示す。反対のことが述べられない限り、本明細書で例示される化合物は、Accelrys Draw 4.0、IUPACNAME ACDLABS、またはSymyx/Draw4.0を用いて命名及び番号付けされている。
【0024】
調製1
4−フルオロ−3−ヒドロキシ−ベンゾニトリル
【化10】
塩化リチウム(1.7g、40mmol)を、DMF(26mL)中の4−フルオロ−3−メトキシベンゾニトリル(2.0g、13mmol)の撹拌溶液に添加する。得られた混合物を160℃で5時間撹拌し、次いで12時間撹拌しながら室温に冷ます。混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、水(2×40mL)で洗浄する。単離した水相を1MのHClで酸性化し、酢酸エチル(3×60mL)で抽出する。合わせた有機抽出物を水(2×100mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、黄色い固形物としての表題の化合物(0.68g、38%):ES/MS(m/z)138(M+H)を得、これをさらに精製せずに直接使用する。
【0025】
調製2
5−ヒドロキシ−2−メチル−ベンゾニトリル
【化11】
水(15mL)中のニトリルナトリウム(2.1g、31mmol)の溶液を、5℃で33%の硫酸(45mL)中の5−アミノ−2−メチルベンゾニトリル(4.0g、31mmol)の撹拌溶液に滴加し、温度を5℃未満に保つ。別のフラスコで、濃硫酸(30mL)を、水(15mL)中の硫酸ナトリウム(21.7g、153mmol)の撹拌溶液に慎重に添加し、混合物を加熱還流する。調製したジアゾニウム溶液を、還流混合物に少量に分けて添加し、2時間還流し続ける。混合物を緩徐に室温まで冷まし、一晩撹拌する。混合物を酢酸エチル(2×100mL)で抽出し、合わせた有機抽出物を水(2×150mL)及び10%のNaOH水溶液(3×100mL)で洗浄する。合わせたNaOH抽出物を濃HClで酸性化し、次いで酢酸エチル(2×200mL)で抽出する。有機抽出物をNa
2SO
4上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、黄色い固形物としての表題の化合物(2.4g、60%):ES/MS(m/z)134(M+H)を得、これをさらに精製せずに直接使用する。
【0026】
調製3
3−シアノ−5−ヒドロキシ−安息香酸
【化12】
シアン化銅(0.90g、10mmol)を、N−メチルピロリドン(12mL)中の3−ブロモ−5−ヒドロキシ安息香酸(2.2g、10mmol)の撹拌溶液に添加する。混合物をマイクロ波照射下で2時間、200℃に加熱する。混合物を1MのHCl水溶液(100mL)内へ注ぎ入れ、酢酸エチル(3×50mL)で抽出する。有機抽出物を合わせ、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、茶色い固形物としての表題の化合物(1.5g、92%)を得る。ES/MS(m/z)164(M+H)、これをさらに精製せずに直接使用する。
【0027】
調製4
メチル3−シアノ−5−ヒドロキシ−ベンゾエート
【化13】
濃硫酸(0.42mL、7.9mmol)を、メタノール(50mL)中の3−シアノ−5−ヒドロキシ−安息香酸(3.2g、19.6mmol)の撹拌溶液の中に添加する。混合物を70℃で20時間撹拌し、次いで、室温で2日間撹拌する。減圧下で溶媒を蒸発させ、飽和NaHCO
3水溶液(100mL)を残渣内に添加する。沈殿した固形物を濾過し、これを冷水(20mL)で洗浄する。固形物を酢酸エチル(100mL)に溶解し、Na
2SO
4上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、灰色の固形物としての表題の化合物(2.9g、82%):ES/MS(m/z)178(M+H)を得、これをさらに精製せずに直接使用する。
【0028】
調製5
2−シアノ−5−メチルピリジン1−オキシド
【化14】
m−クロロパーオキシ安息香酸(8.0g、46mmol)を、数回に分けて、ジクロロメタン(60mL)中の5−メチルピコリノニトリル(4.0g、34mmol)の撹拌溶液に添加する。混合物を還流条件下で24時間撹拌し、室温に冷ます。混合物を飽和Na
2S
2O
3水溶液(3×20mL)及びブライン(3×20mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、残渣を得る。残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、石油エーテル中の50〜100%の酢酸エチルのグラジエント溶媒で溶出させ、黄色い固形物としての表題の化合物(4.2g、92%):ES/MS(m/z)135(M+H)を得る。
【0029】
以下の化合物を、基本的に調製5の方法によって調製する。
【表1】
【0030】
調製7
(6−シアノ−3−メチル−2−ピリジル)アセテート
【化15】
無水酢酸(40mL)中の2−シアノ−5−メチルピリジン1−オキシド(3.7g、28mmol)の混合物を撹拌しながら、64時間145℃で加熱し、室温に冷ます。減圧下で溶媒を蒸発させて、残渣を得、残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、石油エーテル中の0〜50%の酢酸エチルのグラジエント溶媒で溶出させ、黄色い固形物としての表題の化合物(4.0g、82%)を得る。ES/MS(m/z)135(M−C
2H
3O+H)。
【0031】
以下の化合物を、基本的に調製7の方法によって調製する。
【表2】
【0032】
調製9
6−ヒドロキシ−5−メチル−ピリジン−2−カルボニトリル
【化16】
水酸化ナトリウム(2.1g、53mmol)を、メタノール(100mL)及び水(100mL)中の(6−シアノ−3−メチル−2−ピリジル)アセテート(3.4g、19mmol)の撹拌溶液に添加する。混合物を室温で2時間撹拌し、減圧下で溶媒を蒸発させる。クエン酸(5.6g、29mmol)を添加し、得られた混合物を、酢酸エチル(150mL)と水(120mL)とに分配する。有機相を単離し、ブライン(3×50mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、白い固形物としての表題の化合物(2.5g、97%)を得、これをさらに精製せずに直接使用する。ES/MS(m/z)135(M+H)。
【0033】
以下の化合物を、基本的に調製9の方法によって調製する。
【表3】
【0034】
調製11
3−[2−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−エトキシ]ベンゾニトリル
【化17】
炭酸カリウム(12.0g、86.8mmol)を、アセトニトリル(50mL)中の2−ブロモ−1−(4−フルオロフェニル)エタノン(9.0g、41.5mmol)及び3−ヒドロキシベンゾニトリル(5.0g、42.0mmol)の撹拌溶液に添加する。混合物を還流条件下で2時間撹拌する。固形物を濾去し、減圧下で濾液を濃縮して、白い固形物としての表題の化合物(10.8g、103%の粗)を得、これをさらに精製せずに直接使用する。ES/MS(m/z)256(M+H)。
【0035】
以下の化合物を、基本的に調製11の方法によって調製する。
【表4】
【0036】
調製13
4−フルオロ−3−[2−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−エトキシ]ベンゾニトリル
【化18】
炭酸カリウム(1.0g、7.5mmol)を、アセトン(30mL)中の2−ブロモ−1−(4−フルオロフェニル)エタノン(1.1g、5.0mmol)及び4−フルオロ−3−ヒドロキシベンゾニトリル(0.68g、5.0mmol)の撹拌溶液に添加する。混合物を室温で1時間撹拌する。固形物を濾去し、減圧下で濾液を濃縮して、残渣を得る。残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチル:石油エーテル(1:5)で溶出させ、黄色い固形物としての表題の化合物(0.99g、73%)を得る。ES/MS(m/z)274(M+H)。
【0037】
以下の化合物を、基本的に調製13の方法によって調製する。
【表5】
【0038】
調製20
2−[(6−ブロモ−2−ピリジル)オキシ]−1−(4−フルオロフェニル)エタノン
【化19】
炭酸銀(I)(1.7g、6.2mmol)を、トルエン(10mL)中の2−ブロモ−1−(4−フルオロフェニル)エタノン(0.87g、4.0mmol)及び6−ブロモピリジン−2−オール(0.70g、4.0mmol)の撹拌溶液に添加する。混合物を、マイクロ波照射下で12時間撹拌しながら105℃に加熱する。固形物を濾去し、減圧下で濾液を濃縮して、残渣を得る。残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチル:ヘキサン(1:1)で溶出させ、淡黄色の固形物としての表題の化合物(0.74g、60%)を得る。ES/MS(m/z)(
79Br/
81Br):309.9/312.0[M+H]。
【0039】
以下の化合物を、基本的に調製20の方法によって調製する。
【表6】
【0040】
調製22
2−[(5−ブロモ−3−ピリジル)オキシ]−1−(4−フルオロフェニル)エタノン
【化20】
炭酸カリウム(8.0g、57mmol)を、アセトン(100mL)中の2−ブロモ−1−(4−フルオロフェニル)エタノン(6.2g、29mmol)及び3−ブロモ−5−ヒドロキシピリジン(5.0g、29mmol)の撹拌溶液に添加する。混合物を室温で1時間撹拌する。固形物を濾去し、減圧下で濾液を濃縮して、残渣を得る。残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、石油エーテル中の10〜30%の酢酸エチルのグラジエント溶媒で溶出させ、黄色い固形物としての表題の化合物(3.6g、40%)を得る。ES/MS(m/z)(
79Br/
81Br):309.8/311.8[M+H]。
【0041】
以下の化合物を、基本的に調製22の方法によって調製する。
【表7】
【0042】
調製24
6−[2−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−エトキシ]−5−メチル−ピリジン−2−カルボニトリル
【化21】
炭酸カリウム(5.0g、36mmol)を、アセトン(100mL)中の2−ブロモ−1−(4−フルオロフェニル)エタノン(3.9g、18mmol)及び6−ヒドロキシ−5−メチル−ピリジン−2−カルボニトリル(2.4g、18mmol)の撹拌溶液に添加する。混合物を室温で2時間撹拌し、酢酸エチル(150mL)と水(70mL)とに分配する。有機相を単離し、ブライン(3×60mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、残渣を得る。残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、ジクロロメタンで溶出させ、白い固形物としての表題の化合物(4.0g、79%)を得る。ES/MS(m/z)271(M+H)。
【0043】
以下の化合物を、基本的に調製24の方法によって調製する。
【表8】
【0044】
調製26
(E)−2−[(6−ブロモ−2−ピリジル)オキシ]−3−(ジメチルアミノ)−1−(4−フルオロフェニル)プロパ−2−エン−1−オン
【化22】
N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(0.30g、2.5mmol)を、トルエン(8mL)中の2−[(6−ブロモ−2−ピリジル)オキシ]−1−(4−フルオロフェニル)エタノン(0.70g、2.3mmol)の撹拌溶液に添加する。混合物を、マイクロ波照射下で3時間撹拌しながら120℃に加熱し、減圧下で溶媒を蒸発させ、残渣を得る。残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチル:ヘキサン(1:1)で溶出させ、黄色い固形物としての表題の化合物(0.54g、66%の収率)を得る。ES/MS(m/z)(
79Br/
81Br):365.0/367.0[M+H]。
【0045】
以下の化合物を、基本的に調製26の方法によって調製する。
【表9】
【0046】
調製28
(E)−2−[(5−ブロモ−3−ピリジル)オキシ]−3−(ジメチルアミノ)−1−(4−フルオロフェニル)プロパ−2−エン−1−オン
【化23】
N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(2.8g、23mmol)を、トルエン(50mL)中の2−[(5−ブロモ−3−ピリジル)オキシ]−1−(4−フルオロフェニル)エタノン(3.6g、12mmol)の撹拌溶液に添加する。混合物を還流条件下で18時間撹拌し、減圧下で溶媒を蒸発させ、黄色い粘着性の固形物としての粗い表題の化合物(4.2g、99%)を得、これをさらに精製せずに直接使用する。ES/MS(m/z)(
79Br/
81Br):364.9/366.8[M+H]。
【0047】
以下の化合物を、基本的に調製28の方法によって調製する。
【表10】
【0048】
調製30
6−[(E)−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−フルオロベンゾイル)ビニルオキシ]−5−メチル−ピリジン−2−カルボニトリル
【化24】
N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(4.4g、37mmol)を、トルエン(70mL)中の6−[2−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−エトキシ]−5−メチル−ピリジン−2−カルボニトリル(1.0g、3.7mmol)の撹拌溶液に添加する。混合物を還流条件下で40時間撹拌し、減圧下で溶媒を蒸発させ、茶色い油としての粗い表題の化合物(1.2g、100%)を得、これをさらに精製せずに直接使用する。ES/MS(m/z)326(M+H)。
【0049】
以下の化合物を、基本的に調製30の方法によって調製する。
【表11】
【0050】
調製32
3−[[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]オキシ]ベンゾニトリル
【化25】
N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(1.30g、10.9mmol)を、トルエン(10mL)中の3−[2−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−エトキシ]ベンゾニトリル(2.55g、10.0mmol)の撹拌溶液に添加する。混合物をマイクロ波照射下で1時間撹拌しながら120℃に加熱し、3−[(E)−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−フルオロベンゾイル)ビニルオキシ]ベンゾニトリル:質量スペクトル(m/z):311(M+H)を得、これは、単離なしに直接使用する。ヒドラジン水和物(0.80mL、12.6mmol)を反応に添加し、得られた混合物をマイクロ波照射下で3時間撹拌しながら120℃に加熱する。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチル:ヘキサン(1:1)で溶出させ、淡黄色のベトベトした油としての表題の化合物(2つのステップで1.82g、65%の収率)を得る。ES/MS(m/z)280(M+H)。
【0051】
以下の化合物を、基本的に調製32の方法によって調製する。
【表12】
【0052】
調製34
4−フルオロ−3−[[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]オキシ]ベンゾニトリル
【化26】
N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(0.86g、7.2mmol)を、トルエン(30mL)中の4−フルオロ−3−[2−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−エトキシ]ベンゾニトリル(0.79g、2.9mmol)の撹拌溶液に添加する。混合物を還流条件下で12時間撹拌し、減圧下で溶媒を蒸発させ、残渣を得る。残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチル:石油エーテル(1:2)で溶出させ、3−[(E)−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−フルオロベンゾイル)ビニルオキシ]−4−フルオロ−ベンゾニトリル(0.72g、76%の収率):質量スペクトル(m/z):329(M+H)を得る。塩酸ヒドラジン(0.26g、3.8mmol)及びトリエチルアミン(0.8mL、5.7mmol)を、エタノール(20mL)中の3−[(E)−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−フルオロベンゾイル)ビニルオキシ]−4−フルオロ−ベンゾニトリル(0.63g、1.9mmol)の撹拌溶液に添加し、混合物を還流条件下で12時間撹拌する。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチル:石油エーテル(1:2)で溶出させ、白い固形物としての表題の化合物(21mg、3.7%)を得る。ES/MS(m/z)298(M+H)。
【0053】
以下の化合物を、基本的に調製34の方法によって調製する。
【表13-1】
【表13-2】
【0054】
調製41
[3−[[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]オキシ]フェニル]メタンアミン
【化27】
THF(1.2mL、1.2mmol)中の水素化アルミニウムリチウムの1Mの溶液を、THF(5mL)中の3−[[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]オキシ]ベンゾニトリル(0.28g、0.80mmol)の0℃の撹拌溶液に滴加する。緩徐に室温に温め、2時間撹拌する。混合物を、酢酸エチル(30mL)と水(10mL)とに分配する。有機相を単離し、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、残渣を得る。残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、メタノール:ジクオロメタン:水酸化アンモニウム(1:9:0.5)で溶出させ、白い固形物としての表題の化合物(0.12g、53%)を得る。ES/MS(m/z)284(M+H)。
代替調製41
【0055】
ラネーニッケル(50mg、0.57mmol)を、メタノール(60mL)中の7.0Mのアンモニウム溶液中の3−[[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]オキシ]ベンゾニトリル(1.0g、3.6mmol)の撹拌溶液に添加する。反応槽を水素で3回脱ガスし、混合物を水素雰囲気下で20時間撹拌する。固形物を濾去し、減圧下で濾液を濃縮して、茶色い油としての表題の化合物(1.0g、99%)を得、これをさらに精製せずに直接使用する。ES/MS(m/z)284(M+H)。
【0056】
以下の化合物を、基本的に代替調製41の方法によって調製する。
【表14-1】
【表14-2】
【0057】
調製49
5−[[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]オキシ]−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンゾニトリル
【化28】
N
2雰囲気下で、1,4−ジオキサン(3mL)中のN−メチルピペラジン(40mg、0.40mmol)、2−ブロモ−5−[[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]オキシ]ベンゾニトリル(120mg、0.34mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(37mmol、0.04mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(19mg、0.04mmol)、及びt−ブトキシドナトリウム(64mg、0.67mmol)の混合物を、100℃で20時間撹拌する。固形物を珪藻土のパッドを通過させて濾去し、減圧下で溶媒を蒸発させ残渣を得る。残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、メタノール:ジクロロメタン(1:10)で溶出させ、白い固形物としての表題の化合物(90mg、71%)を得る。ES/MS(m/z)378(M+H)。
【0058】
調製50
2−ブロモ−6−[[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]オキシ]ピリジン
【化29】
塩酸ヒドラジン(0.11g、1.6mmol)を、エタノール(6mL)中の(E)−2−[(6−ブロモ−2−ピリジル)オキシ]−3−(ジメチルアミノ)−1−(4−フルオロフェニル)プロパ−2−エン−1−オン(0.53g、1.5mmol)の撹拌溶液に添加する。得られた混合物を、マイクロ波照射下で3時間撹拌しながら100℃に加熱し、減圧下で溶媒を蒸発させて、残渣を得る。残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、ヘキサン中の8〜25%の酢酸エチルのグラジエント溶媒で溶出させ、白い固形物としての表題の化合物(0.47g、97%)を得る。ES/MS(m/z)(
79Br/
81Br):334.0/335.9[M+H]。
【0059】
以下の化合物を、基本的に調製50の方法によって調製する。
【表15】
【0060】
調製52
3−ブロモ−5−[[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]オキシ]ピリジン
【化30】
ヒドラジン水和物(2.9g、58mmol)を、酢酸(10mL)中の(E)−2−[(5−ブロモ−3−ピリジル)オキシ]−3−(ジメチルアミノ)−1−(4−フルオロフェニル)プロパ−2−エン−1−オン(4.2g、12mmol)の撹拌溶液に添加する。混合物を室温で2時間撹拌し、氷水(200mL)内へと注ぎ入れる。酢酸エチル(3×50mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をブライン(2×50mL)で洗浄する。Na
2SO
4上で乾燥させ、減圧下で溶媒を蒸発させて、残渣を得る。残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、石油エーテル中の0〜40%の酢酸エチルのグラジエント溶媒で溶出させ、黄色い固形物としての表題の化合物(2.4g、62%)を得る。ES/MS(m/z)(
79Br/
81Br):333.9/335.8[M+H]。
【0061】
以下の化合物を、基本的に調製52の方法によって調製する。
【表16】
【0062】
調製54
6−[[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]オキシ]ピリジン−2−カルボニトリル
【化31】
シアン化亜鉛(0.22g、1.9mmol)、[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.11g、0.13mmol)、亜鉛(50mg、0.76mmol)、及び酢酸亜鉛(0.13g、0.71mmol)を、ジメチルアセトアミド(8mL)中の2−ブロモ−6−[[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]オキシ]ピリジン(0.47g、1.4mmol)の撹拌溶液に添加する。得られた混合物を、マイクロ波照射下で2.5時間撹拌しながら、160℃に加熱する。固形物を濾去し、濾液をジエチルエーテル(50mL)と水(20mL)とに分配する。有機相を単離し、水相をジエチルエーテル(2×20mL)で抽出する。全ての有機抽出物を合わせ、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、減圧下で濃縮して、残渣を得る。残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、ヘキサン中の7〜35%の酢酸エチルのグラジエント溶媒で溶出させ、白い固形物としての表題の化合物(54mg、14%)を得る。ES/MS(m/z)281(M+H)。
【0063】
以下の化合物を、基本的に調製54の方法によって調製する。
【表17】
【0064】
調製56
5−[[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]オキシ]ピリジン−3−カルボニトリル
【化32】
シアン化銅(0.92g、10mmol)を、N−メチルピロリドン(1mL)中の3−ブロモ−5−[[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]オキシ]ピリジン(2.3g、6.9mmol)の撹拌溶液に添加する。反応槽を窒素でパージし、混合物をマイクロ波照射下で30分間撹拌しながら、200℃に加熱する。混合物を、水(160mL)中のエチレンジアミン(40mL)の撹拌溶液内に注ぎ入れ、15分間撹拌する。混合物を酢酸エチル(3×100mL)で抽出し、全ての有機相を合わせる。ブライン(2×100mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、減圧下で濃縮して、残渣を得る。残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、石油エーテル中の0〜50%の酢酸エチルのグラジエント溶媒で溶出させ、黄色い固形物としての表題の化合物(1.7g、86%)を得る。ES/MS(m/z)281(M+H)。
【0065】
以下の化合物を、基本的に調製56の方法によって調製する。
【表18】
【0066】
調製58
6−[[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]オキシ]−5−メチル−ピリジン−2−カルボニトリル
【化33】
ヒドラジン水和物(0.74g、15mmol)を、酢酸(10mL)中の6−[(E)−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−フルオロベンゾイル)ビニルオキシ]−5−メチル−ピリジン−2−カルボニトリル(1.2g、3.7mmol)の撹拌溶液に添加する。混合物を室温で1時間撹拌し、氷水(100mL)内へと注ぎ入れる。沈殿物を濾過によって回収し、冷水(3×10mL)で洗浄する。固形物を酢酸エチル(50mL)に溶解し、Na
2SO
4上で乾燥させ、減圧下で溶媒を蒸発させて、黄色い固形物としての粗い表題の化合物(0.80g、74%)を得、これをさらに精製せずに直接使用する。ES/MS(m/z)295(M+H)。
【0067】
以下の化合物を、基本的に調製58の方法によって調製する。
【表19】
【0068】
調製60
[6−[[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]オキシ]−2−ピリジル]メタンアミン
【化34】
ラネーニッケル(0.3mL、3.5mmol)を、メタノール(7mL)中の7.0Mのアンモニウム溶液中の6−[[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]オキシ]ピリジン−2−カルボニトリル(50mg、0.18mmol)の撹拌溶液に添加する。反応槽を水素で3回脱ガスし、混合物を水素雰囲気下で18時間撹拌する。固形物を珪藻土のパッドを通過させて濾去し、減圧下で濾液を濃縮して、茶色い油としての表題の化合物(50mg、100%)を得、これをさらに精製せずに直接使用する。ES/MS(m/z)285(M+H)。
【0069】
以下の化合物を、基本的に調製60の方法によって調製する。
【表20】
【0070】
調製66
メチル3−[[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]オキシ]−5−(ウレイドメチル)ベンゾエート
【化35】
メチル3−[[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]オキシ]−5−(ウレイドメチル)ベンゾエートを、実質的に実施例1によって記載されるとおりに調製し、白い固形物としての表題の化合物を得る。ES/MS(m/z)341(M+H)。
【0071】
実施例1
[3−[[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]オキシ]フェニル]メチルウレア
【化36】
【0072】
フェニルウレタン(70mg、0.51mmol)を、THF(5mL)中の[3−[[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]オキシ]フェニル]メタンアミン(0.12g、0.42mmol)の撹拌溶液に添加し、次いで、ジイソプロピルエチルアミン(0.16mL、0.92mmol)を添加する。得られた混合物を、マイクロ波照射下で6時間撹拌しながら、80℃に加熱する。酢酸エチル(30mL)と水(10mL)とに分配する。有機相を単離し、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、減圧下で濃縮して、残渣を得る。残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、メタノール:ジクオロメタン(1:9)で溶出させ、白い固形物としての表題の化合物(0.12g、87%)を得る。ES/MS(m/z)327(M+H)。
【0073】
代替実施例1
シアン酸カリウム(0.22g、2.7mmol)を、メタノール(5mL)と酢酸(0.1mL)との混合物中の[3−[[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]オキシ]フェニル]メタンアミン(0.75g、2.5mmol)の撹拌溶液に添加する。得られた混合物を、マイクロ波照射下で1時間撹拌しながら、80℃に加熱する。減圧下で溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、メタノール:ジクオロメタン(1:9)で溶出させ、白い固形物としての表題の化合物(0.68g、83%)を得る。ES/MS(m/z)327(M+H)。
【0074】
以下の化合物を、基本的に代替実施例1の方法によって調製する。
【表21-1】
【表21-2】
【0075】
実施例9
3−[[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]オキシ]−5−(ウレイドメチル)安息香酸
【化37】
水酸化リチウム(0.18g、4.4mmol)を、メタノール(15mL)及び水(4mL)中のメチル3−[[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]オキシ]−5−(ウレイドメチル)ベンゾエート(0.15g、0.44mmol)の撹拌溶液に添加する。混合物を室温で20時間撹拌し、減圧下で溶媒を蒸発させて、残渣を得る。残渣を、逆相フラッシュクロマトグラフィーによって精製し、グラジエント0〜35%の水中のアセトニトリル及び0.05%のNH
4HCO
3で溶出させ、白い固形物としての表題の化合物(95mg、58%)を得る。ES/MS(m/z)371(M+H)。
【0076】
実施例10
3−[[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]オキシ]−5−(ウレイドメチル)ベンズアミド
【化38】
1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシドヘキサフルオロホスフェイト(67mg、0.18mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(0.12mL、0.68mmol)を、DMF(1mL)中の3−[[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]オキシ]−5−(ウレイドメチル)安息香酸(50mg、0.14mmol)及び塩化アンモニウム(36mg、0.68mmol)の撹拌溶液に添加する。混合物を室温で2時間撹拌する。混合物を、逆相フラッシュクロマトグラフィーによって精製し、グラジエント0〜35%の水中のアセトニトリル及び0.05%のNH
4HCO
3で溶出させ、白い固形物としての表題の化合物(35mg、70%)を得る。ES/MS(m/z)370(M+H)。
【0077】
実施例11
[6−[[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]オキシ]−2−ピリジル]メチルウレア
【化39】
【0078】
シアン酸カリウム(16mg、0.20mmol)を、メタノール(5mL)と酢酸(0.1mL)との混合物中の[6−[[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]オキシ]−2−ピリジル]メタンアミン(50mg、0.17mmol)の撹拌溶液に添加する。得られた混合物を、マイクロ波照射下で1時間撹拌しながら、80℃に加熱する。減圧下で溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、ジクオロメタン中の0〜10%のメタノールのグラジエント溶媒で溶出させ、白い固形物としての表題の化合物(30mg、55%)を得る。ES/MS(m/z)328(M+H)。
【0079】
以下の化合物を、基本的に実施例11の方法によって調製する。
【表22】
【0080】
アッセイ
MetAP2及びMetAP1の酵素活性アッセイ
本明細書で例示される化合物を、原則的に以下に記載するとおりに試験し、この化合物は、500nM未満のヒト及びマウスMetAP2アッセイのIC
50を呈し、30μM超のMetAP1値でMetAP2に対して選択的であるとみなされる。
【0081】
完全長MetAP2(ヒト及びマウス)及びMetAP1(ヒト)タンパク質を、Biochemistry 2003,42,5035−5042に記載されるものと同様の手順を用いて、Sf9細胞から生成する。MetAP2及びMetAP1を、5mMのMnCl
2及び2mMのCoCl
2それぞれの存在下で精製し、使用前に−78℃で保管する。
【0082】
本発明におけるヒト及びマウスMetAP2の触媒活性の化合物抑制を、LC/MS検出を介して、基質ペプチド(Met−Gly−Lys−Val−Lys−Val−Gly−Val−Asn−Gly)からの、生成物ペプチド(Gly−Lys−Val−Lys−Val−Gly−Val−Asn−Gly)の形成によって監視する。反応は、一般的に、酵素を培養し、100μlのアッセイ緩衝液(50mMのHEPES、100mMのNaCl、50mg/mLのBSA、0.17mMのTriton X−100、pH7.5)中の化合物及び基質(150μM)を40分間試験することにより行う。200μlのアセトニトリルの添加によって反応を停止させた後、生成物及び残りの基質のレベルを、質量分析計上で数値化する。ヒトMetAP1の活量を、分光光度計上で、460nmの励起光及び535nmの出射光で、基質メチオニン−ローダミン−メチオニンからの蛍光性生成物のロードミン−メチオニンの形成によって監視する。反応は、一般的に、酵素を培養し、100μlのアッセイ緩衝液(50mMのHEPES、100mMのNaCl、0.1%のBSA、0.05%のTween−20、50μMのCoCl
2)中の化合物及び基質(50μM)を60分間試験することにより行う。IC
50値(MetAP2活量の50%の抑制をもたらす試験化合物の濃度)は、一般的に4パラメータ方程式を用いて、10点用量漸増曲線から算出する。実施例1について、hMetAP2のIC
50値は、11nMであり、mMetAP2は、36nMである。実施例1は、MetAP1についてIC
50>30μMを有し、MetAP1と比較して、選択的MetAP2抑制を示す。例示される化合物を用いたヒト及びマウスMetAP2アッセイのIC
50は、500nM未満であり、hMetAP1のIC50値は、>30μMであり、MetAP1と比較して、選択的MetAP2抑制を示した。
【0083】
化合物による治療的な体重の減少効果の測定。
治療的な体重減少の効果及び代謝パラメータの改善を決定するために、高脂肪食(HFD)の給餌で引き起こされた肥満のマウスモデル(DIOマウス)において、本発明からの化合物を試験する。このモデルにおいて、C57/Bl6J雄マウスに、60%のHFD(D12492i、Research Diets)を16〜28週間与え、約50gに達する体重での肥満を定着させる。マウスは、約50gまで体重を徐々に増加し、この肥満の状態のこの体重を維持する。試験化合物(0.5%のHEC+0.25%のTween−80の溶媒を介して、5mL/kgで)を、肥満のDIOマウスに、研究期間をとおして1日1回または2回、経口で投与する。1日2回、30mg/kgでの経口治療の実施例1の肥満のDIOマウスの用量依存的体重減少は、溶媒群と比較して、7日目、14日目、及び21日目それぞれに、約6%、10%、及び14%の体重減少である。このデータは、実施例1の化合物が、所望の体重減少と関連し、治療的な体重減少の効果をもたらすことを支持する。
【0084】
本発明の例示される化合物は、例えば、Remingtonの“Pharmaceutical Sciences”,Gennaro,Ed.,Mack Publishing Co.Easton Pa.1990に見出される当分野で既知の認められている実践に従って、錠剤、固形もしくはゲル充填カプセル、粉末、懸濁液、または溶液等の医薬組成物内に、容易に配合することができる。本組成物は、1つ以上の薬学的に許容される担体、賦形剤、及び希釈剤も含み得る。
【0085】
好適な医薬組成物は、経口投与のための錠剤またはカプセルとして製剤化される。錠剤またはカプセルは、肥満を治療するのに有効な量の本発明の化合物を含み得る。
【0086】
本医薬組成物は、肥満を治療するのに有効な量で、患者に投与される。患者を治療するのに有効な適切な量または用量は、医療提供者によって決定され得る。
本発明は以下を提供する。
[1]
以下の式の化合物またはその薬学的に許容される塩:
【化40】
(式中、
Xは、
【化41】
からなる群から選択され、
Rは、H及びCH3からなる群から選択され、
R1は、H、CH3、F、Cl、OCH3、C(O)OH、C(O)NH2、及び
【化42】
からなる群から選択される)。
[2]
Xが、
【化43】
である、[1]に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[3]
Xが、
【化44】
である、[1]または[2]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[4]
R1が、H、F、及びCH3からなる群から選択される、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の化合物または塩。
[5]
R1が、
【化45】
である、[1〜[3のいずれか一項に記載の化合物または塩。
[6]
前記化合物が、[3−[[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]オキシ]フェニル]メチルウレアであるか、またはその薬学的に許容される塩である、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の化合物。
[7]
Xが、
【化46】
である、[1]〜[2]のいずれか一項に記載の化合物または塩。
[8]
Rが、CH3である、[1、2、または7のいずれか一項に記載の化合物または塩。
[9]
前記化合物が、[6−[[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]オキシ]−5−メチル−2−ピリジル]メチルウレアであるか、またはその薬学的に許容される塩である、[1]、[2]、[7]、または[8]のいずれか一項に記載の化合物。
[10]
哺乳動物において所望の体重減少を提供する方法であって、有効量の[1]〜[9]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法。
[11]
哺乳動物において肥満を治療する方法であって、有効量の[1]〜[9]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法。
[12]
哺乳動物において治療的に体重を減少させるための方法であって、有効量の[1]〜[9]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法。
[13]
療法において使用するための、[1]〜[9]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[14]
肥満の治療において使用するための、[1]〜[9]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[15]
治療的な体重の減少において使用するための、[1]〜[9]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[16]
[1]〜[9]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤とを含む、医薬組成物。