特許第6190073号(P6190073)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6190073ネジと結合パッドとを用いた不正分解防止の接続機構
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6190073
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】ネジと結合パッドとを用いた不正分解防止の接続機構
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20170821BHJP
【FI】
   H05K1/02 Z
【請求項の数】5
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2016-557272(P2016-557272)
(86)(22)【出願日】2014年12月30日
(65)【公表番号】特表2017-517867(P2017-517867A)
(43)【公表日】2017年6月29日
(86)【国際出願番号】CN2014095473
(87)【国際公開番号】WO2016033909
(87)【国際公開日】20160310
【審査請求日】2016年9月21日
(31)【優先権主張番号】201410438862.2
(32)【優先日】2014年9月1日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516274357
【氏名又は名称】福建聯迪商用設備有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】許 宗庚
【審査官】 齊藤 健一
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2014/0304841(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0212945(US,A1)
【文献】 特表2013−502002(JP,A)
【文献】 実公昭36−108(JP,Y1)
【文献】 特開昭52−101352(JP,A)
【文献】 米国特許第4930960(US,A)
【文献】 中国特許出願公開第102297191(CN,A)
【文献】 米国特許第6295210(US,B1)
【文献】 特開昭63−234684(JP,A)
【文献】 実開平1−91947(JP,U)
【文献】 特開平9−114746(JP,A)
【文献】 特開2003−140790(JP,A)
【文献】 特開2010−49320(JP,A)
【文献】 特開2010−118041(JP,A)
【文献】 国際公開第01/63994(WO,A2)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0055086(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B39/282
G06F1/00−1/18,21/06
G08B13/14
H05K1/02
H05K5/02
H05K7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネジと結合パッドとを用いた不正分解防止の接続機構であって、ネジ締結機構、セキュリティフィードバック回路及び締結される機構の外表面に設置された結合パッドを含み、前記結合パッドはセキュリティフィードバック回路を導通させるための導電接点を有し、前記ネジ締結機構の下部表面はセキュリティフィードバック回路の導通状態を変更できる導電接点と接触し合う接触面及び導電接点と接触し合わない非接触面を有する構成において、
前記ネジ締結機構はネジを含み、前記ネジ頭部が締結される時に下部表面は導電接点と接触し合って接触面を形成し、ネジ頭部の下部表面に溝を更に設置することで非接触面を形成する
ことを特徴とするネジと結合パッドとを用いた不正分解防止の接続機構。
【請求項2】
前記ネジ締結機構はネジ及びネジ頭部の下部表面に貼着されてネジと同期回転できるガスケットを含み、前記ガスケットの下部表面は溝を有することで非接触面を形成することを特徴とする、請求項1に記載のネジと結合パッドとを用いた不正分解防止の接続機構。
【請求項3】
前記ネジ頭部の下部表面の溝は扇形であり、リング形に沿ってネジ頭部の下部表面に分布することを特徴とする、請求項1に記載のネジと結合パッドとを用いた不正分解防止の接続機構。
【請求項4】
前記結合パッドにおける、セキュリティフィードバック回路を接続させるための導電接点は扇形であり、同心円のリング形に分布することを特徴とする、請求項1に記載のネジと結合パッドとを用いた不正分解防止の接続機構。
【請求項5】
前記締結される機構は、PCB基板、FPC基板であるか、又は当該締結される箇所は導電媒質を有するハウジングであることを特徴とする、請求項1に記載のネジと結合パッドとを用いた不正分解防止の接続機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器不正分解防止のセキュリティ機構及び方法に関し、具体的には、ネジと結合パッドとを用いた不正分解防止の接続機構及び不正分解防止方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、金融の決済分野では装置のセキュリティ性が高く要求されており、特に、販売時点情報管理端末(POS)が悪意ある者に分解されることがないよう防止することがメーカに高く要求されている。従来の多くはゴム接点、ゼブラゴムコネクターなどの方法を用い、ハウジングの不正分解を防止している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来の方法における瞬間的なパワーダウンによる誤報が発生しやすく、又はPCBに対する圧力が大きすぎてゴムが劣化しやすいなどの上記の問題を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は以下で構成される。ネジ締結機構であって、該ネジ締結機構の下部表面には締結される機構の外表面と接触し合う接触面及び締結される機構の外表面と接触し合わない非接触面が設けられる。
【0005】
結合パッドであって、ネジ接続締結機構を有する差込み口及び差込み口の周辺に設置された導電層を含み、該導電層は接続し合わない複数の導電接点で構成される。
【0006】
ネジと結合パッドとを用いた不正分解防止の接続機構であって、ネジ締結機構、セキュリティフィードバック回路及び締結される機構の外表面に設置された結合パッドを含み、該結合パッドはセキュリティフィードバック回路を導通させるための導電接点を有し、該ネジ締結機構の下部表面はセキュリティフィードバック回路の導通状態を変更させることのできる、導電接点と接触し合う接触面及び導電接点と接触し合わない非接触面を有する。
【0007】
更に、上記ネジ締結機構はネジを含み、該ネジ頭部の下部表面が締結される時に下部表面は導電接点と接触し合って接触面を形成し、ネジ頭部の下部表面に溝を更に設置することで非接触面を形成する。
【0008】
更に、上記ネジ締結機構はネジ及びネジ頭部の下部表面に貼着されてネジと同期回転できるガスケットを含み、非接触面を形成するように該ガスケットの下部表面は溝を有する。
【0009】
更に、上記ネジ頭部の下部表面の溝は扇形であり、リング形に沿ってネジ頭部の下部表面に均一に分布する。
【0010】
更に、上記結合パッドにおける、セキュリティフィードバック回路を接続させるための導電接点は半径方向に同心円に分布する。
【0011】
本発明は、さらにネジと結合パッドとを用いた不正分解防止方法を含み、上記のいずれかのネジと結合パッドとを用いた不正分解防止の接続機構を含むが、主なステップには以下が含まれる。
(1)締結される機構の外表面における結合パッドに向けてネジ締結機構の下部表面を固定して締結する。
(2)ネジ締結機構が締結される時、ネジ締結機構の下部表面は結合パッドにおける導電接点と接触し、又は接触せず、ネジ締結機構を取り外す時、ネジ締結機構の下部表面と結合パッド上の導電接点との接触形態が変化することによりセキュリティフィードバック回路の導通状態を変更させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、従来技術に比べ、以下の好適な効果が期待できる。本発明は、機構がシンプルで、ネジ締結機構の締結状態の変化によりセキュリティフィードバック回路の導通状態を変更させることで、装置が侵入されたことをユーザーに報知し、電子機器が悪意ある者に分解されるのを効果的に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施例1のネジ機構の模式図である。
図2】本発明の実施例1のネジ頭部の下部表面機構の模式図である。
図3】本発明の実施例1の結合パッド機構の模式図である。
図4】本発明の実施例1の動作機構の模式図である。
図5】本発明の実施例2のガスケットを有するネジ締結機構の動作機構の模式図である。
図6】本発明の実施例1の回路の動作機構の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面と実施形態を合わせて本発明を詳細に説明する。
【0015】
ネジ締結機構であって、ネジ締結機構の下部表面には締結される機構の外表面と接触し合う接触面及び締結される機構の外表面と接触し合わない非接触面が設けられる。ネジ締結機構はネジのみで構成し、締結される機構の外表面と接触し合うのはネジ頭部の下部表面であってもよく、更にネジ本体周辺に位置して締結される機構の外表面と接触し合う他の部材、例えば、ガスケット、ナットなどであってもよく、ネジ締結機構を取り外す時、下部表面の接触面と非接触面の位置に変化が生じる。
【0016】
結合パッドであって、ネジ接続締結機構を有する差込み口及び差込み口の周辺に設置された導電層を含み、該導電層は接続し合わない複数の導電接点で構成される。結合パッドの導電層は銅メッキ層、銀メッキ層などの導電材料を塗布して形成されてもよく、従来の結合パッドと異なり、該結合パッドの導電接点ははんだ付け用ではなく、信号の導通、断線のためだけに用いられる。結合パッドは、セキュリティネジの下部表面を基に、それとマッチングするように設計される様々な形状であってもよく、複数の結合パッドの間は、必要に応じて回路の開路又は導通を信号変化のトリガーとして設計することができる。
【0017】
以下は、上記のネジ締結機構と結合パッドと嵌合して形成された不正分解防止の接続機構の具体的な例を挙げる。
【実施例1】
【0018】
ネジと結合パッドとを用いた不正分解防止の接続機構であって、ネジ10、PCB基板20に設置されたセキュリティフィードバック回路及び結合パッドを含み、図1〜3に示すように、ネジ10のネジ頭部110の下部表面は溝111を有し、図において、溝111は均等な扇形領域であり、溝111は間隔を開けて設置され、結合パッドはセキュリティフィードバック回路を導通させるための導電接点(B1、B2、C1、C2)を有し、本実施例において導電接点(B1、B2)及び導電接点(C1、C2)は同心且つ等距離の円弧状で分布させるが、実用においては非等距離を用いてもよく、形状は円弧状であってもよく、長方形、点状又は実際にマッチングする接触面の状況に基づいて異形状に設計されてもよく、ここで、B1とB2がオン、及びC1とC2の導電接点がオフの場合は安全な状態であり、図4に示すように、ネジ締結装置が締結された時、B1とB2はネジ頭部110の下部表面と接触して通路を形成し、C1とC2の導電接点は溝111の位置に対応するため、結合パッドと接触せず、C1とC2の導電接点がオフになりが、ネジを回転させる時、C1とC2の導電接点は溝でない部分と接触してオンになり、B1とB2がオフになることによって、セキュリティフィードバック回路に変更が生じ、回路はこれにより攻撃を受けたと判断し、警報又は必要な関連措置をとり、装置に関連する必要情報を保護するという目的を達成する。
【実施例2】
【0019】
図5に示すように、ガスケットを有するネジ締結機構のガスケットにおいて、螺着した後にネジを取り外す時、ガスケットが同期回転でき、ガスケット30の下部表面は溝を有するため、同様の効果を確保することもでき、そのほかの回路及び結合パッドのスイッチオン効果は実施例と同様である。
【0020】
上記の実施例は本発明のネジ締結機構に過ぎず、ネジを含むことができるのみならず、ネジに嵌合して同期回転可能な他の機構を用いてもよく、更に締結される機構はPCB基板に類似するものであってもよく、FPC基板、又はハウジングに対応する配線を嵌設するなど、類似する方法であってもよく、結合パッドにおける導電接点の設計は必要に応じ、締結機構の下部表面の溝機構にしたがい対応した設計や変更を行ってもよい。
【0021】
上記内容は本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明の特許請求の範囲に基づいてなされた変更と修正は、いずれも本発明の特許請求の範囲に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0022】
10 ネジ
110 ネジ頭部
111 溝
20 PCB基板
30 ガスケット
図1
図2
図3
図4
図5
図6