(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6190099
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】電子メールによってテレビ画面表示内容を更新できるテレビ画面制御装置
(51)【国際特許分類】
G06F 13/00 20060101AFI20170821BHJP
H04N 7/173 20110101ALI20170821BHJP
【FI】
G06F13/00 630A
G06F13/00 540P
G06F13/00 547V
H04N7/173 630
【請求項の数】1
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2012-136562(P2012-136562)
(22)【出願日】2012年6月18日
(65)【公開番号】特開2014-2495(P2014-2495A)
(43)【公開日】2014年1月9日
【審査請求日】2015年6月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】710014270
【氏名又は名称】株式会社コイル
(74)【代理人】
【識別番号】100096035
【弁理士】
【氏名又は名称】中澤 昭彦
(72)【発明者】
【氏名】田中晴久
【審査官】
小林 義晴
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−087377(JP,A)
【文献】
特開2003−248648(JP,A)
【文献】
特開2005−100016(JP,A)
【文献】
特開2004−094485(JP,A)
【文献】
特開平08−194447(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
H04N 7/173
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビ画面表示制御装置であって、
電子メールを受信する機能と、受信したメールを解析し、電子メール内容によって表示命令に変換する機能と、前記表示命令をテレビ表示装置に出力する機能と、前記電子メールが前記テレビ画面表示制御装置を制御するメールであるかどうかを判断し、有効でないと判断した場合には前記表示命令を出さない有効メール判断機能と、前記有効メール判断機能により有効と判断され前記表示命令を出した場合、前記テレビ表示装置による表示後、現在表示されている画面を画像ファイルとして保存し、保存された画面状況の画像ファイルを添付して、前記有効メール判断機能により有効と判断された送信者にメール送信する表示確認メール送信機能とを有するテレビ画面表示制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子メールによってテレビ画面に写る内容を表示、変更するためのテレビ画面装置に取り付け、または内蔵する装置である
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル技術の進化に伴い、店舗や駅などで映像、写真画像、文字をディスプレイで表示することにより広告を行う、デジタルサイネージと呼ばれるシステムが存在する。
デジタルサイネージは、時間帯によって、場所によって必要とされる適切な広告、告知等の情報をタイムリーに発信できるため、その発信情報の価値の高さに注目が集まっている。
【0003】
このような従来のデジタルサイネージのシステムでは、表示する内容を決定する手段として、主に3つの手段が採られている。ひとつは、表示装置にDVDプレイヤーなどの再生装置を接続することであらかじめ製作した映像番組や連続写真を再生する方法。
二つめは、外部メモリと呼ばれるUSBメモリーに再生したい情報を保存しておき、読み込んで表示する方法。
三つめは、特許文献1に記載のようにインターネットを介してデータを配信することで再生する場合である。
【0004】
【特許文献1】特開2007−174611号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、表示内容の入れ替えを実現するために、前述1、前述2の方法では、物理的に接続された機器の交換作業が表示装置設置場所で必要であること。
前述3の方法では、あらかじめ「サーバー」と呼ばれる表示内容を配信するための専用の外部コンピュータが必要であり、運用面と、導入開始時の負担という面から利便性に欠けた。
また、受信側装置が外部コンピュータからデータを受ける際に、相互通信のための特殊な通信プロトコルや通信ポートを必要とする場合、設置する側のネットワーク環境に特殊な設定を施す必要があった。
また、外部コンピュータから送信して表示する場合、一度外部コンピュータにデータを準備する必要があることから、即時性の必要な情報には工夫とコストが必要であった。
【0006】
この改善策として、本発明ではテレビ表示装置設置場所での内容記録媒体の変更作業をなくし、コントロールする外部コンピュータを必要としない、発信者が直接表示内容を決定できる、新たな表示内容変更方法を、電子メールを利用することで実現した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本装置は、現在広く使われている一般の電子メールの配信の仕組みを利用し、本装置のもつ
「メール受信機能」と、「メール識別命令機能」、「表示確認メール送信機能」により、
遠隔地にあるテレビ画面の表示を、テレビ画面装置のそばに行くことなく遠隔操作で、かつ、専用サーバーを必要とせずに変更、制御することを可能とする。
【0008】
一つ目の「メール受信機能」は、あらかじめ本装置に設定された汎用のメールサーバーに定期的に問い合わせを行い、新規メールがあれば受信する。
メールサーバーは、特別なものである必要はなく、一般の電子メール用として使われているものを使用可能である。一例として、Gメール(登録商標)が使用可能である。
図1のB。
【0009】
二つ目の「メール識別命令機能」は、上記「メール受信機能」で受信したメールを解析し、そのメールから、制御情報を抽出し、識別して表示命令に変換する。
受信したメールは、意図しない迷惑メールや、間違いメールである可能性もあるため、
この識別機能には、、そのメールが、本装置を制御するメールであるかどうかの有効メール判断機能も含まれている。
この有効メール判断機能は、メールの件名が、あらかじめ本装置に設定されたキーワードと一致するか確認し、一致しない場合は、表示命令をださない。
その他、メール本文に、あらかじめ決めた文字列によって、表示色、表示切替時間といった、表示命令に変換して、メールの内容を出力する。
図1のC。
【0010】
三つ目の「表示確認メール送信機能」は、テレビ画面表示を指示するメールを出した送信者に対し、結果を報告する機能である。
メール送信者は、遠隔地で、テレビ画面表示を目視で確認することができないと想定すると、メール送信者は、自分のだした命令が
正常に実行されたかの確認が必要となる。
そこで、「表示確認メール送信機能」は、上記表示命令を出した後、表示画面を画像ファイルに保存し、そのファイルを送信者宛に
添付ファイルとして送信する。
「メール受信機能」と同様、メール送信サーバーは、あらかじめ本装置に登録された汎用メール送信サーバーだが、特別なものではなく、一般のメールサーバーを利用できる。一例として、Gメール(登録商標)が使用可能である。
図1のD、E。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、表示を変更したいテレビ装置設置場所に行くことなく、また、表示装置専用の制御サーバーを必要とせず、遠隔操作により
対象となるテレビ表示装置の表示内容を制御できることにより、管理、導入、運用のコスト面と、容易な運用から、制御を行う人材構成を広くできることにより、
表示の質を上げることが期待される。
また、表示内容決定から、表示変更までが短時間であることから、即時性の必要な緊急情報のような新たな分野への展開が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は本装置の動作原理を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図2は、本装置の接続設置を示した説明図である。
本装置は、メールを送受信するため、設置時にインターネット接続環境が必須である。
設置を容易にするため、本装置には、DHCPクライアント機能と呼ばれるIPアドレス自動取得機能が搭載されている。
そのため、一般家庭で使われるような、既存のインターネット環境のルータに接続するだけで設置が完了する。
例として、もっとも一般的なPPPoE接続により、インターネットに接続された装置のルータに接続した例を示す。
図2のA
【0014】
また、既存のインターネット環境がない場所に新規設置する場合、本装置の無線LANインターフェースを使うことにより、
図2のBのように携帯電話の3G電波を利用したWI-FIルータを利用することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0015】
データ更新を頻繁に、すぐに行う用途のデジタルサイネージシステムに最適である。
たとえば、商店、駅等の混雑情報や、時間限定セールのお知らせ、災害時の緊急情報の一部、迷子情報等。
一括管理をメール送信機能を持った携帯電話1台で可能にすることから、点在する支店、支所への一斉送信掲示板用途。
【符号の説明】
【0016】
1 本装置
2 テレビ表示装置
3 インターネット接続手段
4 インターネット
5 メール送信者
6 有線接続タイプルータ
7 無線接続タイプルータ