(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
<
参考例>
以下、図面を参照して、本発明の
参考例について詳細に説明する。
【0015】
[照合装置の構成]
図1に示すように、本
参考例に係る照合装置1は、入力部11と、照合データ記憶部12、登録データ記憶部13と、照合スコア算出部14と、照合スコア記憶部15と、しきい値記憶部16と、第1の判定部17と、第2の判定部18と、出力部19とを備えている。このような照合装置1は、指紋認証、顔認証、静脈認証などの生体認証を用いて本人照合を行うものである。
【0016】
入力部11は、外部から本人認証を行う人物の生体認証用の画像データ(照合データ)が入力される機能部である。この照合データは、例えば、指紋、顔、静脈などからなり、カメラやセンサなどにより取得することができる
【0017】
照合データ記憶部12は、入力部11に入力された照合データを記憶する機能部である。
【0018】
登録データ記憶部13は、照合対象となる複数の人物の生体認証用の画像データ(登録データ)を記憶する機能部である。本実施の形態において、登録データ記憶部13には、整理番号と登録データとが対応付けて記憶されている。この生体認証用の画像データは、例えば、指紋、顔、静脈などからなり、カメラやセンサなどにより予め取得される。なお、登録データ記憶部13には、整理番号および登録データとともに、社員番号などの個人を識別するための個人情報を対応付けるようにしてもよい。これにより、例えば、同一人物の登録データが複数登録されている場合であっても、同一人物の登録データを識別することが可能となる。
【0019】
照合スコア算出部14は、照合データ記憶部12に記憶された照合データと、登録データ記憶部13に記憶されている登録データとを順次比較して、両者が類似している度合いを示す照合スコアを算出する機能部である。具体的には、照合スコア算出部14は、位相限定相関法により照合データの特徴領域を探索し、この特徴領域と登録データの対応領域とを比較し、両者が類似している度合いを照合スコアとして算出する(例えば、特許文献3参照。)。本実施の形態において、照合スコアは、その数値が高いほど両者が類似していることを示している。
【0020】
照合スコア記憶部15は、照合スコア算出部14により算出された照合スコアを記憶する機能部である。この照合スコア記憶部15には、例えば
図3に示すように、一連の登録データの整理番号と、この登録データと照合データとの照合スコアとが対応付けられた照合スコアリストが記憶されている。
【0021】
しきい値記憶部16は、第1の判定部17の処理に用いられる第1のしきい値および第2の判定部18の処理に用いられる第2のしきい値を記憶する機能部である。第1のしきい値および第2のしきい値は、それぞれ照合スコアと比較される数値である。ここで、第1のしきい値は、例えば誤認してしまう確率が0.01%程度の値など、殆ど本人でなければ到達し得ない値に設定される。一方、第2のしきい値は、第1のしきい値よりも低く、例えば誤認してしまう確率が0.1%程度の値など、本人である可能性が十分に高い値に設定される。
【0022】
第1の判定部17は、照合スコア算出部14により算出された照合スコアと、しきい値記憶部16に記憶された第1のしきい値とに基づいて、照合データと一致する登録データが存在するか否かを判定する機能部である。具体的には、照合スコア算出部14により照合スコアが算出される度に、この照合スコアとしきい値記憶部16に記憶された第1のしきい値とを比較し、照合スコアが第1のしきい値を超えると、この第1のしきい値を超えた照合スコアに対応する登録データと照合データとが一致すると判定する。
【0023】
第2の判定部18は、照合スコア算出部14により算出された照合スコアと、しきい値記憶部16に記憶された第2のしきい値とに基づいて、照合データと一致する登録データが存在するか否かを判定する機能部である。具体的には、第1のしきい値を超えた類似度が存在しない場合、照合スコア算出部14により算出された照合スコアのうち最大の照合スコアと第2のしきい値とを比較して、この最大の照合スコアが第2のしきい値を超えると、その最大の照合スコアに対応する登録データと照合データとが一致すると判定する。
【0024】
出力部19は、第1の判定部17および第2の判定部18による判定結果を外部に出力する機能部である。
【0025】
このような照合装置1は、CPU等の演算装置と、メモリ、HDD(Hard Disc Drive)等の記憶装置と、キーボード、マウス、ポインティングデバイス、ボタン、タッチパネル等の外部から情報の入力を検出する入力装置と、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信回線を介して各種情報の送受信を行うI/F装置と、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置を備えたコンピュータと、このコンピュータにインストールされたプログラムとから構成される。すなわちハードウェア装置とソフトウェアとが協働することによって、上記のハードウェア資源がプログラムによって制御され、上述した入力部11、登録データ記憶部13、算出部14、照合スコア記憶部15、第1の判定部17、しきい値記憶部16および出力部19が実現される。なお、上記プログラムは、CD−ROM、DVD−ROM、メモリカードなどの記録媒体に記録された状態で提供されるようにしてもよい。
【0026】
[照合装置による照合動作]
次に、
図2を参照して、本実施の形態に係る照合装置1による照合動作について説明する。
【0027】
まず、入力部11は、外部より照合データを受け付ける(ステップS1)。例えば、入退室管理の場合、入力部11には、入り口に設けられている指紋センサ、カメラ、静脈センサなどから、入室しようとしている人物の照合データが受け付けられる。受け付けた照合データは、照合データ記憶部12に記憶される。
【0028】
照合データが記憶されると、照合スコア算出部14は、登録データを読み込む整理番号nの値を1と設定する(ステップS2)。
また、照合スコア記憶部15は、記憶している照合スコアリストをクリアする(ステップS3)。これにより、照合スコア記憶部15に新たな照合スコアリストを記憶させることが可能となる。
【0029】
次に、照合スコア算出部14は、登録データ記憶部13からn番目の整理番号が付された登録データを呼び出し(ステップS4)、登録データと照合データ記憶部12に記憶された照合データとを比較して、照合スコアを算出する(ステップS5)。算出された照合スコアは、第1の判定部17に送出される。
【0030】
照合スコアが算出されると、第1の判定部17は、しきい値記憶部16から第1のしきい値を呼び出し、この第1のしきい値と照合スコア算出部14により算出された照合スコアとを比較する(ステップS6)。
【0031】
n番目の登録データに基づく照合スコアが第1のしきい値よりも大きい場合(ステップS6:YES)、第1の判定部17は、n番目の登録データと照合データとが一致すると判定し、照合OKとする判定結果を出力する(ステップS13)。この判定結果は、出力部19から外部に出力される。
ここで、第1のしきい値には、本人でなければ照合OKとならないような高い値が設定されている。したがって、第1のしきい値を超えた照合スコアが算出された場合、照合データに対応する人物が、その照合スコアを導出した登録データに対応する人物であることが確実であるので、照合装置1は、照合OKとの判定を行い、この時点で照合動作を打ち切る。これにより、全ての照合スコアについて第1のしきい値との比較を行わなくてよいので、照合動作が迅速に行われることとなる。
【0032】
一方、n番目の照合スコアが第1のしきい値よりも小さい場合(ステップS6:NO)、第1の判定部17は、その照合スコアを整理番号と共に照合スコア記憶部15に記憶させる(ステップS7)。これにより、
図3に示すように、登録データの整理番号nと照合スコアとが対応付けられた照合スコアリストが照合スコア記憶部15に記憶される。
【0033】
照合スコアを記憶させると、第1の判定部17は、判定した整理番号nの登録データが登録データ記憶部13に記憶されている最後の登録データであるか否かを確認する(ステップS8)。
【0034】
最後の登録データではない場合(ステップS8:NO)、第1の判定部17は、ステップS4の処理に戻る。これにより、第1のしきい値を超える照合スコアが存在しない場合には、全ての登録データについて照合スコアが算出されて、
図3に示すような照合スコアリストが生成されることとなる。
【0035】
一方、最後の登録データの場合(ステップS8:YES)、第2の判定部18は、照合スコア記憶部15に記憶された照合スコアリストから最大の照合スコアを抽出する(ステップS10)。続いて、しきい値記憶部16から第2のしきい値を抽出し、最大の照合スコアが第2のしきい値を超えているか否かを判定する(ステップS11)。
【0036】
最大の照合スコアが第2のしきい値を超えている場合(ステップS11:YES)、第2の判定部18は、最大の照合スコアに対応する登録データと照合データとが一致すると判定し、照合OKとする照合結果を出力する(ステップS13)。この判定結果は、出力部19により外部に出力される。
照合スコアは、第1のしきい値を超えていなくても十分に高い値であるならば、その照合スコアに対応する登録データの人物が照合データの人物に対応することが多い。そこで、本実施の形態では、第1のしきい値よりも値が低い第2のしきい値を設定し、最大の照合スコアが第2のしきい値を超えている場合、最大の照合スコアに対応する登録データの人物が照合データの人物に相当するとし、照合OKと判定する。
【0037】
例えば、
図3に示すような照合スコアリストにおいて、第1のしきい値が“2”、第2のしきい値が“1”と設定されている場合、各照合スコアと第1,第2のしきい値との関係は
図4に示すようになる。すなわち、第1のしきい値を超えている照合スコアはなく、第2のしきい値を超えている照合スコアのうち最大のものは、整理番号が15の照合スコアである。このような場合、その整理番号が15の照合スコアを導出した登録データに対応する人物が、照合データの人物に相当するとして照合OKと判定されることとなる。
なお、
図4において、横軸は整理番号、縦軸は照合スコアを示している。
【0038】
一方、最大の照合スコアが第2のしきい値を超えていない場合(ステップS11:NO)、第2の判定部17は、照合データに対応する登録データが存在しないとして照合NGと判定する(ステップS12)。この判定結果は、出力部19により外部に出力される。
【0039】
以上説明したように、本実施の形態によれば、照合スコアが算出される度にこの照合スコアと第1のしきい値とを比較し、照合スコアが第1のしきい値を超えると、この第1のしきい値を超えた照合スコアに対応する登録データと照合データとが一致すると判定し、第1のしきい値を超えた照合スコアが存在しない場合、算出された照合スコアのうち最大の照合スコアと第2のしきい値とを比較して、この最大の照合スコアが第2のしきい値を超えると、第2のしきい値を超えた照合スコアに対応する登録データと照合データとが一致すると判定することにより、1つのしきい値を用いる場合よりも誤認をより防ぐことができる。
【0040】
なお、本実施の形態では、予め設定した第1,第2のしきい値に基づいて判定する場合を例に説明したが、判定に用いるしきい値は第1,第2のしきい値に限定されず、各種値を用いるようにしてもよい。
【0041】
例えば、照合スコアの平均値を用いるようにしてもよい。この場合、本実施の形態における第2のしきい値をその照合スコアの平均値とするようにしてもよい。また、平均値よりも所定の値以上の照合スコアを、照合OKと判定するようにしてもよい。通常、本人の照合スコアの方が他人の照合スコアよりも高いため、照明環境などの登録画像の条件などにより本人であっても照合NGとなる可能性を低くすることができる。
また、照合スコアリストの標準偏差を用いるようにしてもよい。この場合、その標準偏差から飛び抜けている照合スコアを照合OKとするようにしてもよい。
【0042】
また、例えば、同一人物の照合データが複数存在するなど、最大の照合スコアが複数存在する場合、これらの照合スコアが第2のしきい値を超えていると、照合成功と判定するようにしてもよい。これにより、例えば、本人の画像が複数登録されているような場合であっても、誤認率を低下させることができる。この場合、第2のしきい値として平均値を用いている場合にも適用できることは言うまでもない。
【0043】
<
本発明の実施の形態>
次に、本発明
の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態は、上述した
参考例と第2の判定部18以降の処理、すなわち、何れの照合スコアも第1のしきい値を超えなかった場合の処理が相違するものである。したがって、本実施の形態において、
参考例と同等の構成および動作には同じ名称および符号を付して、適宜説明を省略する。また、
参考例と一部が異なる構成および動作には、符号に「’」を付して説明を行う。
【0044】
図5に示すように、本実施の形態に係る照合装置1’は、入力部11と、照合データ記憶部12、登録データ記憶部13と、照合スコア算出部14と、照合スコア記憶部15と、しきい値記憶部16’と、第1の判定部17と、第2の判定部18’と、出力部19’と、順位リスト作成部21と、第3の判定部22とを備えている。
【0045】
しきい値記憶部16’は、第1の判定部17の処理に用いられる第1のしきい値、第2の判定部18の処理に用いられる第2のしきい値、および、第3の判定部22の処理に用いられる第3のしきい値を記憶する機能部である。第1のしきい値および第2のしきい値は、それぞれ照合スコアと比較される数値である。ここで、第1のしきい値は、例えば誤認してしまう確率が0.01%程度の値など、殆ど本人でなければ到達し得ない値に設定される。第2のしきい値は、第1のしきい値よりも低く、例えば誤認してしまう確率が0.1%程度の値など、本人である可能性が十分に高い値に設定される。第3のしきい値は、第2のしきい値よりも低いが、本人である可能性が十分に高い値に設定される。
【0046】
順位リスト作成部21は、照合スコア記憶部15に記憶された照合スコアの値の順番に登録データを並べた順位リストを作成する機能部である。本実施の形態においては、照合スコアの値が大きい順番に登録データが並べられている。また、登録データには、整理番号とともに同一人物には同じ番号が付された識別番号が付与されている。
【0047】
第2の判定部18’は、照合スコア算出部14により算出された照合スコアと、しきい値記憶部16’に記憶された第2のしきい値とに基づいて、照合データと一致する登録データが存在するか否かを判定する機能部である。具体的には、第1のしきい値を超えた類似度が存在しない場合、照合スコア算出部14により算出された照合スコアのうち最大の照合スコア、すなわち、順位リスト作成部21により作成された順位リストにおける1位の照合スコアと、第2のしきい値とを比較して、この1位の照合スコアが第2のしきい値を超えると、第3の判定部22の処理を行わせる。なお、1位の照合スコアが第2のしきい値以下の場合、第2の判定部18’は、照合NGと判定する。
【0048】
第3の判定部22は、1位の照合スコアが第2のしきい値を超えた場合、その他の照合スコアとしきい値記憶部16’に記憶された第
3のしきい値とに基づいて、照合データと一致する登録データが存在するか否かを判定する機能部である。具体的には、1位の照合スコアと同一人物の照合スコアが順位リストにおける2〜5位の中に2つ以上存在する場合、この同一人物の照合スコアと第3のしきい値とを比較して、その照合スコアが第3のしきい値を超えると、1位の照合スコアに対応する登録データと照合データとが一致すると判定する。
【0049】
[照合装置による照合動作]
次に、
図6を参照して、本実施の形態に係る照合装置2による照合動作について説明する。
【0050】
まず、
図2を参照して説明した
参考例におけるステップS1〜S9の処理が行われた後、第1の判定部17が判定した整理番号nの登録データが登録データ記憶部13に記憶されている最後の登録データの場合(ステップS8:YES)、順位リスト作成部21は、順位リストを作成する。これにより、
図7に示すような順位リストが作成させる。この順位リストでは、照合スコアの値の順番に登録データが並べられている。ここで、登録データには、整理番号と、同一人物には同じ番号が付された識別番号とが付与されている。例えば、順位が1位の登録データ「15−003」は、整理番号が「15」、識別番号が「003」であるので、識別番号が「003」の登録データと同一人物のデータである。
【0051】
順位リストが生成されると、第2の判定部18’は、照合スコア算出部14により算出された照合スコアのうち最大の照合スコア、すなわち、順位リスト作成部21により作成された順位リストにおける1位の照合スコアを抽出する(ステップS10)。続いて、しきい値記憶部16’から第2のしきい値を抽出し、1位の照合スコアが第2のしきい値を超えているか否かを判定する(ステップS11)。
【0052】
1位の照合スコアが第2のしきい値を超えていない場合(ステップS11:NO)、第2の判定部17は、照合データに対応する登録データが存在しないとして照合NGと判定する(ステップS12)。この判定結果は、出力部19’により外部に出力される。
【0053】
一方、1位の照合スコアが第2のしきい値を超えている場合(ステップS11:YES)、第3の判定部22は、1位の照合スコアと同一人物の照合スコアが順位リストの2位〜5位に2つ以上存在するか否かを確認する(ステップS22)。
【0054】
最大の照合スコアが第1のしきい値を超えるほど十分に大きくない場合であっても、その照合スコアに対応する登録データが照合データの人物に対応することが多い。そこで、本実施の形態では、同一人物の登録データが複数登録されているとき、最大の照合スコアと同一人物の他の照合スコアがある程度の値、すなわち、第3のしきい値以上の値を有する場合には、最大の照合スコアに対応する登録データの人物が照合データの人物に相当するとし、照合OKと判定する。これにより、1つのしきい値を用いる場合よりも誤認をより防ぐことができる。
【0055】
例えば、
図7に示す順位リストの場合には、1位の登録データ「15−003」と同一人物の照合スコアが2位の「5−003」と4位の「14−003」であるので、1位の照合スコアと同一人物の照合スコアが順位リストの2位〜5位に2つ以上していることとなる。
【0056】
2位〜5位に1位の照合スコアと同一人物の照合スコアが2つ以上存在しない場合(ステップS22:NO)、第3の判定部22は、照合データに対応する登録データが存在しないとして照合NGと判定する(ステップS12)。この判定結果は、出力部19’により外部に出力される。
【0057】
一方、2位〜5位に1位の照合スコアと同一人物の照合スコアが2つ以上存在する場合(ステップS22:YE)、第3の判定部22は、しきい値記憶部16’から第3のしきい値を抽出し、その1位の照合スコアと同一人物の照合スコアが第3のしきい値を超えているか否かを判定する(ステップS23)。
【0058】
1位の照合スコアと同一人物の照合スコアが第3のしきい値を超えていない場合(ステップS23:NO)、第3の判定部22は、照合データに対応する登録データが存在しないとして照合NGと判定する(ステップS12)。この判定結果は、出力部19’により外部に出力される。
【0059】
一方、1位の照合スコアと同一人物の照合スコアが第3のしきい値を超えている場合(ステップS23:YES)、第3の判定部22は、1位の照合スコアに対応する登録データと照合データとが一致すると判定し、照合OKとする照合結果を出力する(ステップS13)。この判定結果は、出力部19’により外部に出力される。
【0060】
例えば、
図7に示す順位リストの場合には、第3のしきい値が「0.8」に設定されているとすると、2位の「5−003」の照合スコアが「1.2」、4位の「14−003」の照合スコアが「0.9」であり、それぞれ第3のしきい値を超えているので、照合OKと判定されることとなる。
【0061】
このように、本実施の形態によれば、1位の照合スコアが第2のしきい値を超えたと判定されると、順位リストのうち2位〜5位内に1位の照合スコアと同一人物の照合スコアが2つ以上存在し、かつ、これらの照合スコアが第3のしきい値を超えると、1位の類似度に対応する登録データの人物が照合データの人物と一致すると判定することにより、1つのしきい値を用いる場合よりも誤認をより防ぐことができる。
また、1位の照合スコアについて照合OKか否かを判定するので、照合の精度を向上させることができる。
【0062】
なお、本実施の形態では、2位〜5位に1位の照合スコアと同一人物の照合スコアが2つ以上存在する場合に照合OKとする場合を例に説明したが、2位〜5位という順位の範囲やこの範囲に含まれる数量は適宜自由に設定できる。
また、1位の照合スコアが複数存在する場合についても本実施の形態を適用できることは言うまでもない。
さらに、第2のしきい値については、照合スコア算出部15により算出された全ての照合スコアの平均値とするようにしてもよい。
【0063】
また、本実施の形態では、順位リストのうち2位〜5位内に1位の照合スコアと同一人物の照合スコアが2つ以上存在するか否かを判定する場合を例に説明したが、その順位の範囲やこの範囲に含まれる同一人物の照合スコアの数量はこれに限定されず、適宜自由に設定することができる。
例えば、順位リストの2位〜10位以内に1位の照合スコアと同一人物の照合スコアが5つ以上あり、かつ、これらの照合スコアが第3のしきい値以上であると、1位の類似度に対応する登録データの人物が照合データの人物と一致すると判定するようにしてもよい。このとき、第3のしきい値としては、「0.34」とするようにしてもよい。
また、例えば、順位リストの2位〜10位以内に1位の照合スコアと同一人物の照合スコアが3つ以上あり、かつ、これらのうち1つがしきい値0,38以上で、2つがしきい値0.32以上であれば、1位の類似度に対応する登録データの人物が照合データの人物と一致すると判定するようにしてもよい。
【0064】
また、
本発明の実施の形態において、しきい値の数量
が3つの場合を例に説明したが、しきい値の数量はこれに限定されず、適宜自由に設定することができる。
また、各しきい値の値についても、適宜自由に設定することができる。