(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
特定の権限を有する者が、前記関連教材処理手段を動作させるための同じ不正解解答数の累積閾値を設定する閾値設定手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の問題選択サーバ。
特定の権限を有する者が、前記関連教材処理手段を動作させるための同じ不正解解答数の累積閾値を設定する閾値設定手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載の学習支援システム。
特定の権限を有する者が、前記関連教材処理ステップを動作させるための同じ不正解解答数の累積閾値を設定することを特徴とする請求項11に記載の問題選択プログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、特許文献1に記載の学習支援システムは、学習者がパソコンなどを使い電子的な教材問題を解き、学習すべき内容を修得することができる。さらに、指導者が、学習すべき内容をコース(単元単位に設定されることが多い)として設定し、学習者は、学習支援システムが出題する複数の問題を解いて学習理解を深めることができる(例えば、従来のeラーニングシステム等)。ところが、学習者のレベルが低い場合、学習者は、誤った解答をしながら進むのみとなり、学習者が、学習内容を理解するまでに至らないという課題があった。
【0007】
また、従来の学習支援システムでは、出題される教材問題が指導者によって予め設定されているため、学習者が誤解答した場合、同じ問題を再度出題し、学習者が正解の解答を暗記してしまい、学習者自らの学習にならないという課題があり、これを解決するため、特許文献2に記載の電子学習機では、学習者の解答が誤った場合には、その問題を再出題せず、誤答した問題に類似する問題を出題し、学習者に自ら考えさせる仕組みが提案されている。しかしながら、各問題に類似する問題(類題)の設定は、予め指導者によって行う必要があり、指導者による事前準備の負担の発生や、指導者が設定していない類題については、学習者が自ら類題を探して学習しなければならないという課題があった。
【0008】
また、特許文献3に記載の学習システムでは、学習者の主観的な判断によって学習単元や分野を選択して学習するのではなく、学習者の解答の正誤情報から、得意分野と苦手分野を客観的に認識し、苦手分野の問題をより多く出題し学習することで、高い学習効果を得る仕組みが提案されている。しかし、苦手分野の理解に役立つ得意分野の問題など分野や単元の範囲を超えて関係している問題がある場合、その問題が自動的に出題される可能性が低く、学習者は、自ら当該問題を探して学習しなければならないという課題があった。
【0009】
更に、特許文献4に記載の適応型テストシステムでは、電子的な教材問題に難易度を設定し、学習者の理解レベルに合わせ、出題する教材問題を動的に変更する仕組みが提案されている。具体的には、学習者が教材問題に正解した場合は、次の教材問題として難易度の高い内容を出題し、また、不正解の場合は、難易度の低い教材問題を出題することによって、学習者のレベルに合わせた学習を可能としている。しかし、学習者による学習内容理解は、指導者が設定した教材問題の範囲内で行われるものであり、学習者が他の教材問題の内容と誤解して理解している場合は、学習者が自分自身で他の教材問題を見つけ学習しなければならないという課題があった。
【0010】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、出題された教材問題に対する学習者の誤った解答内容を利用し、学習者が誤解しやすい学習内容が関連する教材問題を自動的に検出し、学習者の学習内容に応じて関連する教材問題を自動的に選択する問題選択サーバ、学習支援システム、問題選択方法および問題選択プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の事項を提案している。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0012】
(1)本発明は、複数の教材問題の中から所定の教材問題を選択する問題選択サーバであって、教材問題に対する複数の学習者の解答内容を記憶する学習者情報記憶手段と、前記複数の教材問題を記憶する教材問題記憶手段と、前記複数の学習者の解答内容を分類し集計内容を記憶する解答分類集計記憶手段と、前記学習者情報記憶手段と前記教材問題記憶手段とに基づいて学習者の解答内容を採点し、前記学習者情報記憶手段を更新する採点手段と、特定の学習者の不正解解答の分類及び集計を行い、一定以上累積した不正解解答の教材問題を、学習者が解答した教材問題と対応付け、前記教材問題記憶手段を更新する関連教材処理手段と、前記特定の学習者が解答した教材問題に基づいて、前記教材問題記憶手段の中から前記特定の学習者に次に出題する教材問題を選択する問題選択手段と、前記特定の学習者に次に出題する教材問題を選択し、前記特定の学習者に選択した教材問題を提示する教材問題提示手段と、を備えたことを特徴とする問題選択サーバを提案している。
【0013】
(2)本発明は、(1)の問題選択サーバについて、前記教材問題記憶手段に追加又は更新された教材問題を、一定以上累積した不正解解答の教材問題と対応付け、前記教材問題記憶手段を更新する関連教材処理手段を備えたことを特徴とする問題選択サーバを提案している。
【0014】
(3)本発明は、(2)の問題選択サーバについて、特定の権限を有する者が、前記関連教材処理手段を起動するための同じ不正解解答数の累積閾値を設定する閾値設定手段を備えたことを特徴とする問題選択サーバを提案している。
【0015】
(4)本発明は、少なくとも、複数の教材問題の中から所定の教材問題を選択する問題選択サーバと学習者端末とからなる学習支援システムであって、前記問題選択サーバが、教材問題に対する複数の学習者の解答内容を記憶する学習者情報記憶手段と、前記複数の教材問題を記憶する教材問題記憶手段と、前記複数の学習者の解答内容を分類し集計内容を記憶する解答分類集計記憶手段と、前記学習者情報記憶手段と前記教材問題記憶手段とに基づいて学習者の解答内容を採点し、前記学習者情報記憶手段を更新する採点手段と、特定の学習者の不正解解答の分類及び集計を行い、一定以上累積した不正解解答の教材問題を、学習者が解答した教材問題と対応付け、前記教材問題記憶手段を更新する関連教材処理手段と、前記特定の学習者が解答した教材問題に基づいて、前記教材問題記憶手段の中から前記特定の学習者に次に出題する教材問題を選択する問題選択手段と、前記特定の学習者に次に出題する教材問題を選択し、前記学習者端末に選択した教材問題を提示する教材問題提示手段と、を備えたことを特徴とする学習支援システムを提案している。
【0016】
(5)本発明は、(4)の学習支援システムについて、前記教材問題記憶手段に追加又は更新された教材問題を、一定以上累積した不正解解答の教材問題と対応付け、前記教材問題記憶手段を更新する関連教材処理手段を備えたことを特徴とする学習支援システムを提案している。
【0017】
(6)本発明は、(5)の学習支援システムについて、特定の権限を有する者が、前記関連教材処理手段を起動するための同じ不正解解答数の累積閾値を設定する閾値設定手段を備えたことを特徴とする学習支援システムを提案している。
【0018】
(7)本発明は、複数の教材問題の中から所定の教材問題を選択する問題選択サーバにおける問題選択方法であって、教材問題に対する複数の学習者の解答内容を記憶する学習者情報記憶ステップと、前記複数の教材問題を記憶する教材問題記憶ステップと、前記複数の学習者の解答内容を分類し集計内容を記憶する解答分類集計記憶ステップと、学習者情報記憶内容と教材問題記憶内容に基づいて学習者の解答内容を採点し学習者情報記憶内容を更新する採点ステップと、特定の学習者の不正解解答の分類及び集計を行い、一定以上累積した不正解解答の教材問題を、前記特定の学習者が解答した教材問題と対応付け、教材問題記憶内容を更新する関連教材処理ステップと、前記特定の学習者が解答した教材問題に基づいて、教材問題記憶内容の中から前記特定の学習者に次に出題する教材問題を選択する問題選択ステップと、前記特定の学習者に次に出題する教材問題を選択し、前記特定の学習者に選択した教材問題を提示する教材問題提示ステップと、を備えたことを特徴とする問題選択方法を提案している。
【0019】
(8)本発明は、(7)の問題選択方法について、前記教材問題記憶ステップに追加又は更新された教材問題を、一定以上累積した不正解解答の教材問題と対応付け、教材問題記憶内容を更新する関連教材処理ステップを備えたことを特徴とする問題選択方法を提案している。
【0020】
(9)本発明は、(8)の問題選択方法について、特定の権限を有する者が、前記関連教材処理手段を起動するための同じ不正解解答数の累積閾値を設定することを特徴とする問題選択方法を提案している。
【0021】
(10)本発明は、複数の教材問題の中から所定の教材問題を選択する問題選択サーバにおける問題選択方法をコンピュータに実行させるための問題選択プログラムであって、教材問題に対する複数の学習者の解答内容を記憶する学習者情報記憶ステップと、前記複数の教材問題を記憶する教材問題記憶ステップと、前記複数の学習者の解答内容を分類し集計内容を記憶する解答分類集計記憶ステップと、学習者情報記憶内容と教材問題記憶内容に基づいて学習者の解答内容を採点し学習者情報記憶内容を更新する採点ステップと、特定の学習者の不正解解答の分類及び集計を行い、一定以上累積した不正解解答の教材問題を、前記特定の学習者が解答した教材問題と対応付け、教材問題記憶内容を更新する関連教材処理ステップと、前記特定の学習者が解答した教材問題に基づいて、教材問題記憶内容の中から前記特定の学習者に次に出題する教材問題を選択する問題選択ステップと、前記特定の学習者に次に出題する教材問題を選択し、前記特定の学習者に選択した教材問題を提示する教材問題提示ステップと、をコンピュータに実行させるための問題選択プログラムを提案している。
【0022】
(11)本発明は、(10)の問題選択プログラムについて、前記教材問題記憶ステップに追加又は更新された教材問題を、一定以上累積した不正解解答の教材問題と対応付け、教材問題記憶内容を更新する関連教材処理ステップを備えたことを特徴とする問題選択プログラムを提案している。
【0023】
(12)本発明は、(11)の問題選択プログラムについて、特定の権限を有する者が、前記関連教材処理手段を起動するための同じ不正解解答数の累積閾値を設定することを特徴とする問題選択プログラムを提案している。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、教材問題の作成者が予想できない他の学習内容との関連を検出することができるとともに、関連する可能性の高い他の学習内容に関した教材問題を自動的に学習者に出題することができ、学習者の総合的な理解を容易に深めることができるという効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて、詳細に説明する。
なお、本実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、本実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0027】
<第1の実施形態>
図1から
図20を用いて、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0028】
<学習支援システムの構成>
本実施形態に係る学習支援システム1は、
図1に示すように、eラーニング用WEBサーバ10と、問題選択サーバ20と、通信ネットワーク30を介してeラーニング用WEBサーバ10に接続される複数の学習者端末40(40−1、40−2、・・・40−n)とから構成されている。
【0029】
問題選択サーバ20は、eラーニング用WEBサーバ10から各学習者の解答内容を受信すると、当該解答内容に基づいて、次に出題する教材問題を複数の教材問題の中から選択し、eラーニング用WEBサーバ10に通知する。
【0030】
eラーニング用WEBサーバ10は、学習者端末40に対して教材問題を提供するサーバであり、学習者が、eラーニングを実施するために必要な学習者IDや学習者が希望する単元名等の情報を管理する機能と、教材問題を含むWEBページ画面を学習者端末40に送信し、学習者からの解答情報を受信するWEB通信機能を備えている。
【0031】
なお、
図1ではeラーニング用WEBサーバは、問題選択サーバと直接接続されているが、通信ネットワーク30を介して接続してもよい。また、問題選択サーバ20が、eラーニング用WEBサーバの機能を有し、学習者の解答内容を直接に受信し、直接に教材問題を提示してもよい。
【0032】
<問題選択サーバの構成>
本実施形態に係る問題選択サーバ20は、
図2に示すように、プロセッサ部21と、表示部22と、入力部23と、通信部24と、記憶部250と、これらの要素を相互接続するための内部バス27とから構成されている。
【0033】
プロセッサ部21は、例えば、CPU等から構成され、所定のプログラムを実行するなどして、問題選択サーバ全体の動作を制御する。表示部22は、例えば、液晶ディスプレイ、CRT等からなる表示画面を備える。入力部23には、キーボード、マウス等が接続され、使用者の操作に基づいて情報を入力する。通信部24はイーサネット(登録商標)等の通信インタフェースを備え、各種の情報を送受信する。記憶部250は、例えばデータの書き換え可能なRAMやHDD等が適用される。
【0034】
<記憶部に含まれるプログラムモジュールとプログラムが利用する記憶内容>
図3を用いて、記憶部250に含まれるプログラムモジュールとプログラムが利用する記憶内容について説明する。
【0035】
図3に示すように、本実施形態に係る記憶部250は、記憶部25と記憶部26とから構成され、さらに、記憶部25には、プロセッサによって実行される本発明に関するプログラムモジュールとして、主制御部251と、採点部252と、関連教材処理部253と、問題選択部254とが格納されている。
【0036】
また、記憶部26には、プログラムが利用する、学習者情報記憶部261と、教材問題記憶部262と、解答分類集計記憶部263が格納され、eラーニング用WEBサーバ10からの受信情報を格納するための受信情報記憶部264と、eラーニング用WEBサーバ10への送信情報を格納するための送信情報記憶部265と、入力部23から入力された教材問題を追加又は更新する内容を格納するための入力情報記憶部266が定義されている。
【0037】
主制御部251は、通信部24から、eラーニング用WEBサーバ10が送信した解答内容メッセージを受信すると、受信データから学習者ID、学習者が希望する単元名、教材問題番号、解答内容の情報を抽出し、これを受信情報記憶部264に格納した後、採点部252を起動する。
【0038】
採点部252は、受信情報記憶部264から学習者ID、学習者が希望した単元名、教材問題番号、解答内容を取得し、教材問題記憶部262の教材問題テーブルに記載されている模範解答と比較し、正誤を判定し、学習者情報記憶部261の学習者情報テーブルを更新する。解答内容が不正解の場合は関連教材処理部253を起動し、正解の場合は問題選択部254を起動する。なお、解答内容と模範解答の比較にはテキストマッチング技術が利用できる。
【0039】
関連教材処理部253は、解答分類集計記憶部263の解答分類集計テーブルにおいて、同じ不正解の解答数が一定数以上累積した場合に、不正解した解答内容と、模範解答やキーワードの内容が一致する他の教材問題を教材問題記憶部262の教材問題テーブルの中から抽出する。なお、模範解答やキーワードの内容との比較にはテキストマッチ技術が利用できる。
【0040】
一致する教材問題が抽出された場合、この教材問題番号は教材問題テーブル中の不正解した教材問題の関連教材番号として対応付けられる。更に、解答分類集計テーブル上では当該不正解答の関連教材問題が“有”として対応付けられる(
図11の7001に例を示す)。
【0041】
一致する教材問題が存在しなかった場合は、解答分類集計テーブル上で当該不正解答の関連教材問題が“無”として対応付けられる(
図13の7002に例を示す)。上記の解答分類集計テーブル上の関連教材問題の有無を更新後、問題選択部254を起動する。
【0042】
また、関連教材処理部253は、主制御部251からの教材問題の追加又は更新の通知により、入力情報記憶部に格納されている模範解答やキーワードの内容が、解答分類集計記憶部263の解答分類集計テーブル上の関連教材問題が“無”である不正解内容と一致している教材問題を抽出する。教材問題が抽出された場合、新たな教材問題の追加又は更新された教材問題を、抽出した教材問題番号の関連教材問題として対応づけ、解答分類集計テーブル上の当該不正解答の関連教材問題を“有”とする。
【0043】
さらに、関連教材処理部253は、他の教材問題を抽出する処理を行う基準となる同じ不正解解答数の閾値が設定できる。閾値情報は。指導者や教師など権限を持つ者の入力部23からの操作によって、入力することができる。
【0044】
例えば、閾値が10と設定されている場合、
図9から
図14の解答分類集計テーブルにおいて教材問題番号1102の不正解解答“台風”が10個に累積されると(
図10の7001)、関連教材処理部253の処理において、“台風”を模範解答またはキーワードとして設定している教材問題1003が抽出され、教材問題記憶部の教材問題テーブルの教材問題番号1102の関連教材番号として1003が対応付けられる(
図11の7001)。なお、閾値は、問題選択サーバ20がeラーニングWEBシステムから複数の解答者及び複数の教材問題の解答内容を受信し、複数の不正解解答が累積する程度を想定して設定することが望ましい。
【0045】
問題選択部254は、受信情報記憶部264から学習者が希望する単元名と学習者が解答した教材問題番号を取得し、教材問題記憶部262の教材問題テーブル上で、当該教材問題に関連教材問題が対応付けられている場合は当該関連教材問題を選択し、関連教材番号が対応付けられていない場合は、学習者が希望する単元名の教材問題の中から乱数に基づき教材問題を選択する。選択した教材問題内容を教材問題記憶部262から取得し、学習者IDとともに送信情報記憶部265に格納した後、主制御部251にデータ送信を要求する。
【0046】
なお、問題選択部254は、学習者が解答した教材問題に関連教材問題が対応付けられている場合で、対応付けられている関連教材問題が、学習者の希望する単元に属する教材問題である場合は当該問題を選択せず、当該単元の教材問題の中から乱数に基づき教材問題を選択しても良い。
【0047】
主制御部251は問題選択部254から教材問題送信要求を受信すると、送信情報記憶部265から学習者IDと教材問題内容を読み出し、これらの情報を含む送信メッセージを生成して、通信部24からeラーニング用WEBサーバ10に送信する。なお、送信情報記憶部には上記の情報の他、学習者から受信した解答内容の正誤情報を含めて格納し、学習者への送信メッセージとしてもよい。
【0048】
また、主制御部251は、入力部23から、教材問題を追加又は更新する通知を受信すると、入力された新たな教材問題の情報や更新情報を教材問題記憶部262の教材問題テーブルに反映した後、当該情報のうち、模範解答及びキーワードの情報を入力情報記憶部266に格納し、関連教材処理部に教材問題を追加又は更新されたことを通知し関連教材処理部を起動させる。
【0049】
図4は、eラーニング用WEBサーバからの受信メッセージの例を示したものである。
図4に示すように、受信メッセージには、メッセージタイプ、学習者ID、学習者が希望する単元名、教材問題番号、解答内容等が記載される。
【0050】
図5は、学習者情報テーブルの一例を示したものである。ここで、学習者IDは、学習者を特定するものであり、学習が希望した単元名、学習した教材問題番号、学習者の解答内容、正解または不正解情報である解答結果、解答結果が入力された解答日時が対応付けられており、学習者情報記憶部261にて管理される。
【0051】
また、学習者情報テーブルは指導者や教師など権限を持つ者の入力部23からの操作によって、情報を修正することができる。
【0052】
図6から
図8は、教材問題テーブルの一例を示したものである。ここで、教材問題番号は教材問題を特定するものであり、単元名、問題内容、模範解答、キーワード、関連教材番号が対応付けられている。キーワードは複数の用語を記憶でき、模範解答の用語を入力しても良い。これらの事項は、教材問題記憶部262にて管理される。
【0053】
また、教材問題テーブルは指導者や教師など権限を持つ者の入力部23からの操作によって、情報を修正することができる。
【0054】
図9から
図14は、解答分類集計記憶部263の解答分類集計テーブルの例をしめしたものである。
図9から
図14に示すように解答分類集計テーブルは、不正解の解答があった教材問題番号と当該不正解内容、同じ不正解の解答があった解答数、関連教材問題の有無が対応付けられている。不正解解答が行われる毎に解答分類集計テーブルは更新される。なお、問題選択サーバ20は、eラーニングWEBシステムから複数の解答者及び複数の教材問題の解答内容を受信するため、複数の不正解解答が累積することが想定される。
【0055】
図15と
図18は、それぞれ本実施の形態において、学習者の解答内容を受信した場合の処理と、入力部23から教材問題の追加又は更新があった場合のフローチャートである。学習者の解答内容を受信した場合、主制御部は、採点部を起動する。
【0056】
図15は、本実施の形態における採点部252の処理動作を説明するためのフローチャートである。
【0057】
ステップ801において、採点部252は、受信情報記憶部264から学習者ID、学習者が希望した単元名、教材問題番号、解答内容を取得し、学習者情報記憶部261の学習者情報テーブルに新規レコードとし追記する。
【0058】
ステップ802において、採点部252は上記解答内容と教材問題記憶部262の教材問題テーブル中の当該教材問題の模範解答(
図6から
図8の教材問題テーブル600における模範解答604)とを比較し、一致している場合は正解とし、一致していない場合は不正解として、学習者情報記憶部261の学習者情報テーブルの上記レコードの解答結果内容を更新する(
図5の学習者情報テーブル500における解答結果505)。
【0059】
ステップ803において、上記レコードの解答結果が不正解の場合は、ステップ804に進み、正解の場合はステップ805に進む。
【0060】
ステップ804において、関連教材処理部253を起動する。
【0061】
ステップ805において、問題選択部254を起動する。
【0062】
図16は、本実施の形態における関連教材処理部253の処理動作を説明するためのフローチャートである。
【0063】
ステップ901において、関連教材処理部253は、受信情報記憶部264から教材問題番号、解答内容を取得する。
【0064】
ステップ902において、学習者が解答した教材問題番号の不正解解答が、解答分類集計記憶部263の解答分類集計テーブルの教材問題番号と不正解内容(
図9から
図14の解答分類集計テーブル700)と同時に一致する教材問題番号(
図9から
図14の701)と不正解内容(
図9から
図14の702)が存在するかを確認する。学習者が解答した教材問題番号の不正解内容が解答分類集計テーブルに既に存在しており一致した場合はステップ903へ進み、解答分類集計テーブルに存在しておらず一致しなかった場合はステップ908へ進む。
【0065】
ステップ903においては、一致した教材問題番号と不正解内容の解答数を1増加させる。例えば、教材番号1102の解答内容「台風」が一致した場合、
図9の7001の解答数を1増加させ、
図10の7001に示すとおり解答数を10とする。
【0066】
ステップ908においては、一致しなかった教材問題番号と不正解内容のレコードを解答分類集計テーブルに追加し、当該解答数に1を設定する。
【0067】
ステップ904において、関連教材処理部253は、解答分類集計テーブルにおいて、一致した教材問題番号と不正解内容の解答数が一定以上累積したかを確認する。一定以上累積した場合にはステップ905に進み、累積しなかった場合にはステップ910に進む。
【0068】
ステップ905において、関連教材処理部253は、一定以上累積した不正解内容が模範解答やキーワードの内容と一致する他の教材問題を教材問題記憶部262の教材問題テーブルの中から抽出する。教材問題が抽出できた場合はステップ906に進み、不正解解答と一致する他の教材問題が抽出できなかった場合はステップ909に進む。
【0069】
例えば、
図10の7001の場合、教材問題1102の不正解内容である「台風」は、
図6から
図8の教材問題テーブル600の中で、教材番号1003の模範解答604またはキーワード605に含まれるため、教材番号1003の教材問題が抽出できる。
【0070】
また、
図12の7002の場合、教材問題1002の不正解内容である「梅雨」は
図6から
図8の教材問題テーブル600の中で、模範解答604またはキーワード605に含まれる教材問題が無いため、教材問題が抽出できない。
【0071】
ステップ906において、関連教材処理部253は教材問題記憶部262の教材問題テーブルにおいて、抽出された教材問題を、不正解した教材問題の関連教材問題として対応づける。
【0072】
例えば、教材番号1003の教材問題が抽出された場合、
図6の教材問題テーブル600の6001のとおり、教材問題番号1102の関連教材番号として1003が対応付けられる。
【0073】
ステップ907において、関連教材処理部253は、解答分類集計テーブル700において他の教材問題の模範解答やキーワードと一致した不正解内容の関連教材問題704を“有”として更新する。
【0074】
例えば、
図11の7001とおり、教材問題1102の不正解内容である「台風」の関連教材問題704が“有”として設定される。
【0075】
ステップ909において、関連教材処理部253は、解答分類集計テーブル700において他の教材問題の模範解答やキーワードと一致しなかった不正解内容の関連教材問題704を“無”として更新する。
【0076】
例えば、
図13の7002とおり、教材問題1002の不正解内容である「梅雨」の関連教材問題704が“無”として設定される。
【0077】
ステップ910において、問題選択部254を起動する。
【0078】
図17は、本実施の形態における問題選択部254の処理動作を説明するためのフローチャートである。
【0079】
ステップ1001において、問題選択部254は、受信情報記憶部264から学習者ID、学習者が希望した単元名、教材問題番号を取得する。
【0080】
ステップ1002において、問題選択部254は、受信情報記憶部から取得した教材問題番号において、教材問題記憶部262の教材問題テーブルの当該教材問題に関連教材問題が対応付けられているかを教材問題テーブル上で確認する。関連教材問題が対応づけられている場合(例えば、
図6の教材問題テーブル600上の6001(教材問題番号1102)の場合)はステップ1003に進み、関連教材問題が対応付けられていない場合(例えば、
図6の教材問題テーブル600上の教材問題番号1101の場合)は、ステップ1004に進む。
【0081】
なお、問題選択部254は、学習者が解答した教材問題に関連教材問題が対応付けられている場合で、対応付けられている関連教材問題が、学習者の希望する単元に属する教材問題である場合は当該問題を選択せず、ステップ1004に進んでも良い(例えば、
図20のようなフローチャートとなり、ステップ1021が追加される)。
【0082】
ステップ1003において、問題選択部254は関連教材問題として対応づけられている教材問題を次に出題する教材問題として選択する(例えば、
図6の教材問題テーブル600上の教材問題1102の場合は、教材問題1003が選択される)。
【0083】
ステップ1004において、問題選択部254は、教材問題記憶部262の教材問題テーブルに保存されている、学習者が希望する学習単元に属する教材問題数を範囲内とする乱数を発生させ、この乱数に基づく教材問題番号を持つ教材問題を次に出題する教材問題として選択する。
【0084】
ステップ1005において、問題選択部254は選択された教材問題の問題内容を教材問題記憶部262の教材問題テーブルから取得し、学習者IDとともに送信情報記憶部265に格納する。なお、送信情報記憶部には上記の情報の他、学習者から受信した解答内容の正誤情報を含めて格納し、学習者への送信メッセージとしてもよい。
【0085】
ステップ1006において、主制御部251に教材問題送信要求を通知する。
【0086】
これにより、主制御部251は上記情報を含む送信メッセージを生成して、通信部24からeラーニング用WEBサーバ10に送信する。
【0087】
図18は、本実施の形態において、教材問題の追加又は更新が行われた場合の処理動作を説明するためのフローチャートである。
【0088】
ステップ1101では、入力部23は教材問題の追加又は更新の入力を主制御部に通知する。
【0089】
ステップ1102では、主制御部251は入力部23から、教材問題を追加又は更新する通知を受信すると、入力された新たな教材問題の情報や更新情報を教材問題記憶部262の教材問題テーブルに追加又は修正し反映した後、追加又は更新した教材問題の情報のうち、模範解答やキーワードの情報を入力情報記憶部266に格納し、教材問題の追加又は修正が行われたことを関連教材処理部253に通知し、起動させる。
【0090】
ステップ1103では、関連教材処理部253は、入力情報記憶部266に格納された模範解答やキーワードが、解答分類集計記憶部263の解答分類集計テーブル700の関連教材問題704が“無”である不正解内容702と一致している教材問題を抽出する。一致するかどうかの比較には、テキストマッチング技術が利用できる。
【0091】
例えば、
図7の教材問題テーブル601の6002のように、模範解答“梅雨”を持つ教材問題(教材問題番号1004)が追加された場合、
図13の解答分類集計テーブル740の7002(教材問題番号1002)が抽出される。
【0092】
ステップ1104では、関連教材処理部253は、追加又は更新された教材問題を、教材問題記憶部262の教材問題テーブルにおいて、上記の抽出された教材問題番号の関連教材問題として対応づける。
【0093】
例えば、
図13で抽出された教材問題番号が1002であるから、
図8の教材問題テーブルの教材問題番号1002の関連教材問題に、追加した教材問題番号1004が対応付けられる(
図8の6003)。
【0094】
ステップ1105では、関連教材処理部253は、解答分類集計記憶部263の解答分類集計テーブルにおいて抽出された不正解解答内容の関連教材問題を“有”に設定する。
【0095】
例えば、
図14の解答分類集計テーブル750の7002に示すように、教材問題番号1102で不正解内容“梅雨”のレコードの関連教材問題が“有”に設定される。
【0096】
このように、問題選択サーバ20及び学習支援システム1は、eラーニング用WEBサーバ10から通知される学習者の解答内容に基づいて他の関連する教材問題を抽出し、学習した教材問題に関連する教材問題を出題することにより、学習者の総合的な理解を深めることが可能になる。
【0097】
また、解答内容を受信した場合には、
図19に示すように、通信部24が解答を受信すると、受信データから学習者ID、学習者が希望する単元名、教材問題番号、解答内容の情報を抽出し、これを受信情報記憶部264に格納した後、採点部252を起動する。なお、採点部252の処理の詳細については、
図15に示す。
【0098】
<第2の実施形態>
上記の第1の実施形態においては、教材問題の解答は選択式の番号であっても良い。この場合、教材問題テーブルの模範解答には正解の選択番号を記入し、キーワードとして各選択番号に関連した用語を設定しておく。採点部では選択番号で正誤判定を行い、不正解の番号が選択された場合は、当該教材問題のキーワード欄の情報から、不正解の選択番号に関連したキーワードを使って関連教材問題を抽出しても良い。これにより、関連教材問題の選択が可能となる。
【0099】
なお、問題選択サーバの処理をコンピュータシステムが読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを問題選択サーバに読み込ませ、実行することによって本発明の問題選択サーバを実現することができる。ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺装置等のハードウェアを含む。
【0100】
また、「コンピュータシステム」は、WWW(World Wide Web)システムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
【0101】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組合せで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0102】
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。