(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記周辺情報は、前記目的地を含む周辺にある店舗に関する情報、前記目的地および目的地を含む周辺の天候に関する情報、次乗客の乗車位置の候補を示す情報のうち少なくとも1つの情報を含む情報である
ことを特徴とする請求項5に記載のタクシー決済端末。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第1実施形態]
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係るタクシー決済システム1の概略構成図である。
図1に示すように、タクシー決済システム1は、タクシーメーター装置10、タクシー決済端末2、およびセンター管理装置3を備えている。
【0018】
タクシーメーター装置10は、走行距離や時間に応じた料金を自動的に計算して、自装置の表示部に表示する。タクシーメーター装置10は、ケーブルを介して決済端末20と接続されている。ケーブルは、例えば、シリアルケーブルやUSB(Universal Serial Bus)ケーブルであってもよい。タクシーメーター装置10は、降車位置に到着したとき、支払通知と運賃を含むコマンドを、ケーブルを介して決済端末20に送信する。
【0019】
タクシー決済端末2は、タクシーに搭載されている。タクシー決済端末2は、決済端末20、後部座席端末30、リーダーライター装置40、および通信装置50を備えている。
【0020】
決済端末20は、乗務員または乗客により選択された支払い方法(金種ともいう)に応じて、タクシーメーター装置10が送信した運賃に対する決済処理を行う。決済処理については、後述する。なお、決済端末20または後部座席端末30が、乗務員または乗客により選択された金種を検出する。決済端末20には、ケーブルを介してタクシーメーター装置10、後部座席端末30、リーダーライター装置40、および通信装置50が接続されている。ケーブルは、例えばUSBケーブルであってもよい。なお、決済端末20の構成については、後述する。
【0021】
タクシー決済端末2を使用する乗務員またはタクシー会社の担当者は、タクシー決済端末2ごとに金種に応じた接続方法の設定を、予めセンター管理装置3に記憶させておく。決済端末20は、センター管理装置3に記憶されたタクシー決済端末2ごとの接続方法の設定を、ネットワークを介してセンター管理装置3から取得し、自端末内に記憶させる。決済端末20が、センター管理装置3から接続方法の設定に関する情報を取得するタイミングは、例えば決済端末20の電源がオン状態になったとき等である。ここで、接続方法の設定は、センター管理装置3へ先行接続する設定、またはセンター管理装置3へ先行接続しない設定である。
【0022】
金種は、現金、タクシーチケット、クレジットカード、デビットカード(Debit Card)、電子マネーカード等である。タクシーチケットとは、タクシーチケットを発券した会社に乗車料金が後日請求される金券である。デビットカードとは、銀行などの預金口座から即時あるいは数日後までに、代金が引き落とされる決済カードである。電子マネーカードとは、予め入金しておくことで一定金額の価値を有し、商品やサービスを提供してもらうカードである。
【0023】
決済端末20は、タクシーメーター装置10が送信した支払通知と運賃を含むコマンドを受信する。決済端末20は、支払通知と運賃を含むコマンドを受信した後、ケーブルを介して通信装置50に通信を開始することを示す通信開始指示を送信する。決済端末20は、ケーブルを介して通信装置50から接続完了通知を受信する。決済端末20は、後部座席端末30が送信した金種を示す選択結果を受信する。決済端末20は、乗務員または乗客により無線通信を行う必要のある金種が選択された場合、ケーブルを介して通信装置50に売上要求を送信する。ここで、売上要求とは、例えば、クレジットカード会社などの金融機関に対して、売上金額の請求を行うことである。売上要求には、カード番号等のカードに関する情報、売上金額、要求を行っているタクシーに搭載されている決済端末20の端末番号等が含まれている。決済端末20は、ケーブルを介して通信装置50から売上要求に対する応答があったとき、伝票を印字する。なお、例えば、タクシーメーター装置10に印字機能が搭載されている場合には、決済端末20は、タクシーメーター装置10に伝票の情報を送信して印字させてもよい。
【0024】
また、決済端末20は、金種が電子マネーの場合、売上金額の決済を行う決済要求を、ケーブルを介してリーダーライター装置40に送信する。ここで、決済要求には、売上金額が含まれている。
【0025】
後部座席端末30は、タクシーの後部座席に取り付けられ、乗客が操作する端末である。後部座席端末30は、表示部、入力部を備えている。表示部は入力部であるタッチパネルを有していてもよい。入力部は、金種の選択キーである。後部座席端末30は、入力部により金種が乗客により選択されたことを検出し、検出した選択結果を、ケーブルを介して決済端末20に送信する。
【0026】
リーダーライター装置40は、決済端末20から売上金額を含む決済要求を受信すると、電子マネーカードに対して、売上金額の引き落としを行って決済を実施する。リーダーライター装置40は、決済の結果を決済端末20に返送する。
【0027】
通信装置50は、決済端末20の要求に応じて、センター管理装置3と通信回線を介して通信を行う。なお、通信回線は、3G(第三世代)通信網やLTE(Long Term Evolution;ロング・ターム・エボリューション)通信網等である。通信装置50は、ケーブルを介して決済端末20から通信開始指示を受信したとき、通信回線を介してセンター管理装置3に、例えば、PPP(Point to Point Protocol)接続する。通信装置50は、センター管理装置3からPPP接続完了を示す情報を受信したとき、ケーブルを介して決済端末20に接続完了通知を送信する。通信装置50は、ケーブルを介して決済端末20から売上要求を受信したとき、通信回線を介してセンター管理装置3に売上要求を送信する。通信装置50は、通信回線を介してセンター管理装置3から売上応答を受信し、受信した売上応答をケーブルを介して決済端末20に送信する。クレジットカードが有効な場合、売上応答には、クレジットカードによる支払いが承認されたことを示す情報、売上金額等の情報が含まれている。また、クレジットカードが無効な場合、売上応答には、クレジットカードによる支払いが承認されなかったことを示す情報が含まれている。なお、通信装置50とセンター管理装置3との接続は、PPP接続に限られない。例えば、通信を行う装置が、グローバルIPアドレスを持ち、ダイレクト接続する方法を採用してもよい。
【0028】
センター管理装置3は、タクシー決済端末2を使用する乗務員またはタクシー会社の担当者などから、タクシー決済端末2ごとに接続方法の設定を示す情報を受け付ける。また、受け付けた接続方法の設定について、該当のタクシー決済端末2から要求があったとき、接続方法の設定を示す情報をタクシー決済端末2に送信する。
センター管理装置3は、タクシー決済端末2からの要求に応じて、クレジットカードに対する決済処理を行う。センター管理装置3は、通信回線を介して通信装置50から売上要求を受信したとき、受信した売上要求からカードに関する情報、売上金額を抽出する。センター管理装置3は、抽出したカードに関する情報に基づいて、クレジットカードが有効であるか否かの認証と売上金額に対する請求とを、通信回線を介してクレジットカード会社に要求する。センター管理装置3は、通信回線を介してクレジットカード会社から受信した売上応答を、通信回線を介して通信装置50に送信する。
【0029】
図2は、本実施形態に係る接続方法の設定を説明する図である。
図2に示すように、接続方法の設定には、オンライン処理情報、接続方法の選択、金種が関連づけられている。
図2において、“0”は、接続しないことを示し、“1”は、接続することを示している。通常の接続時(先行接続しない場合)には、“オンライン処理 有無”行の設定に従って、“1”に設定されている金種について、通常のタイミングでタクシー決済端末2がセンター管理装置3に接続することを表している。なお、通常のタイミングとは、例えば、金種がクレジットカードの場合、タクシー決済端末2がカードの情報を読み取った後である。
また、オンライン処理情報のうち“先行接続”は、センター管理装置3に、ユーザが設定可能な情報である。
図2に示した例では、“目的地までの距離による先行接続”、“支払通知受信後に先行接続”、“金種選択後に先行接続”、の3種類の先行接続が設定されている。接続方法の選択は、“0”の場合、先行接続しないことを示し、“1”の場合、先行接続することを示している。接続方法の選択が全て“0”の場合は、通常の接続を行うことを表している。
図2に示した例では、3種類の“先行接続”のうち、“支払通知受信後に先行接続”のみ、金種AからFの全金種について先行接続を行うことを示している。
【0030】
図3は、本実施形態に係る決済端末20の構成の一例を示すブロック図である。
図4は、本実施形態に係る決済端末20の外観図である。
図3に示すように、決済端末20は、通信入力部201、制御部202、表示部203、金種選択キー204、入力検出部205、読取部206、通信出力部207、および印字部208を備えている。
【0031】
通信入力部201は、ケーブルを介してタクシーメーター装置10、後部座席端末30、リーダーライター装置40、および通信装置50が送信した情報を受信し、受信した情報を制御部202に出力する。
制御部202は、決済端末20の各部の制御、および処理を行う。制御部202は、ケーブルを介してタクシーメーター装置10から支払通知を受信したとき、通信出力部207に通信開始指示を出力する。制御部202は、ケーブルを介してタクシーメーター装置10から受信した支払通知から売上金額を抽出し、抽出した売上金額を表示部203に表示する。制御部202は、入力検出部205が検出した金種に応じた支払い方法を表示部203に表示し、検出された金種に応じた決済処理を行う。制御部202は、選択された金種がオンライン処理を必要な金種の場合、通信出力部207に売上要求を出力する。制御部202は、選択された金種がオフライン処理によって決済可能な金種の場合、通信出力部207に決済要求を出力する。
表示部203は、情報を表示する表示装置であり、制御部202の制御により、売上金額、支払い方法等の表示をする。
【0032】
金種選択キー204は、金種を選択するキーである。金種選択キー204は、
図4に示すように、いくつかのキー204−1に割り当てられている。または、ファンクションキー204−2に対応した金種の表示を表示部203に表示させ、ファンクションキー204−2を押下することで金種を選択できるようにしてもよい。
【0033】
入力検出部205は、乗務員または乗客により金種選択キー204が押されたことを検出し、押されたキーを示す情報を制御部202に出力する。
読取部206は、クレジットカードまたはデビットカードに設けられている磁気ストライプカードに記録されているカードに関する情報を読み取り、読み取ったカードに関する情報を制御部202に出力する。または、読取部206は、クレジットカードまたはデビットカードに設けられているICチップに記録されているカードに関する情報を読み取り、読み取ったカードに関する情報を制御部202に出力する。
【0034】
通信出力部207は、制御部202が出力した通信開始指示および売上要求を、ケーブルを介して通信装置50に送信する。通信出力部207は、制御部202が出力した決済要求を、ケーブルを介してリーダーライター装置40に送信する。
印字部208は、情報を印字する印字装置であり、制御部202が出力した伝票情報を印字する。
【0035】
次に、センター管理装置3の構成について説明する。
図5は、本実施形態に係るセンター管理装置3の構成の一例を示すブロック図である。なお、
図5において、加盟店6が有する加盟店端末601は、同じセンター管理装置3に接続される決済機能を有する。なお、タクシー決済端末2も加盟店端末601の1つである。
【0036】
図5に示すように、センター管理装置3は、通信回線4および複数のルータ5を介して、複数のタクシー決済端末2と加盟店端末601とに接続されている。また、センター管理装置3は、ファイアーウォール301、ロードバランサー302、複数の決済サーバ304、および加盟店DB(データベース)305を備えている。ファイアーウォール301、ロードバランサー302、複数の決済サーバ304、および加盟店DB305は、バス303を介して接続されている。
【0037】
ファイアーウォール301は、複数の決済サーバ304および加盟店DB305への不正アクセスを防ぐ装置である。
ロードバランサー302は、通信回線4および複数のルータ5を介して、外部の端末(複数のタクシー決済端末2、複数の加盟店端末601)からのリクエストに対して、複数の決済サーバ304の負荷を分散させる装置である。
【0038】
決済サーバ304は、決済端末20からの売上要求に応じて、クレジットカード会社の装置へカードの認証、決済を要求する。なお、クレジットカードの認証および決済は、周知の技術により行う。決済サーバ304は、不図示のDB(データベース)を有している。DBには、タクシー決済端末2からの売上要求に応じて決済が行われた場合の決裁データが格納される。決済データには、端末番号、決済を行った日時、決済情報(売上金額、カード種別等)が関連づけられて格納されている。
【0039】
加盟店DB305には、加盟店情報として加盟店番号、加盟店名、加盟店の住所、加盟店のGPSによる位置(緯度、経度)、加盟店が使用している端末番号等が関連づけられて格納されている。加盟店DB305には、タクシー決済端末2に関する情報も加盟店情報として格納されている。
【0040】
次に、タクシー決済システム1の処理の流れを説明する。
図6は、本実施形態に係るタクシーメーター装置10、決済端末20、通信装置50、およびセンター管理装置3との間の決済シーケンスを説明する図である。なお、
図6に示した例は、支払いの金種がクレジットの場合であり、接続方法の設定が、支払通知受信後に先行接続する設定の場合である。
【0041】
(ステップS1)タクシーメーター装置10は、降車位置に到着したとき、乗務員の操作に応じて運賃が確定される。次に、タクシーメーター装置10は、支払通知と運賃を含むコマンドを、ケーブルを介して決済端末20に送信する。
(ステップS2)決済端末20は、記憶されている接続方法の設定に基づいて、金種が選択される前にセンター管理装置3への先行接続を行うか否かを判別する。
図6に示した例では、接続方法の設定が、先行接続する設定である。このため、決済端末20は、受信したコマンドに応じて、ケーブルを介して通信装置50に通信開始指示を送信する。
【0042】
(ステップS3)通信装置50は、ケーブルを介して決済端末20から通信開始指示を受信したとき、通信回線を介してセンター管理装置3にバックグラウンドで、例えば、PPP接続する。
(ステップS4)センター管理装置3は、通信装置50とのPPP接続が完了したとき、接続完了通知を、無線通信を介して通信装置50に送信する。
(ステップS5)通信装置50は、無線通信を介してセンター管理装置3から受信した接続完了通知を、ケーブルを介して決済端末20に送信する。
【0043】
ステップS2〜S5の期間、決済端末20の制御部202は、表示部203に金種の選択を促す表示を行う。次に、制御部202は、乗務員または乗客により金種選択キー204が押下されたことを、入力検出部205により検出する。ここでは、クレジットカードを選択する金種選択キーが押下されたものとする。次に、制御部202は、表示部203にクレジットカードを読取部206に通すことを促す表示をする。次に、制御部202は、クレジットカードが乗務員または乗客により読取部206に通されたことを読取部206が読み取ったデータに基づいて検出する。次に、制御部202は、読取部206が読み取ったカードに関する情報を取得する。次に、決済端末20は、カードに関する情報を取得したのち、売上要求を生成する。
【0044】
(ステップS6)決済端末20は、ケーブルを介して通信装置50に売上要求を送信する。
(ステップS7)通信装置50は、通信回線を介してセンター管理装置3に売上要求を送信する。
(ステップS8)センター管理装置3は、クレジットカード会社のシステムに対して、クレジットカードが有効であるかの認証要求と売上金額の決済の要求を行う。センター管理装置3は、通信回線を介してクレジットカード会社から受信した売上応答を、通信回線を介して通信装置50に送信する。
図6に示した例では、クレジットカードに対して認証が行われ、支払請求の許可が下りた例である。
【0045】
(ステップS9)通信装置50は、通信回線を介してセンター管理装置3から売上応答を受信し、受信した売上応答を、ケーブルを介して決済端末20に送信する。
(ステップS10)決済端末20は、ケーブルを介して通信装置50から受信した売上要求指示に対する応答に応じて、伝票を印字部208に印字させる。
【0046】
なお、上述した例では、決済端末20の入力検出部205が、金種を自部の金種選択キー204のうち、いずれかのキーが乗務員または乗客により押下されたかを検出する例を説明したが、これに限られない。入力検出部205は、後部座席端末30の入力部が乗客により操作され選択された金種を検出するようにしてもよい。
【0047】
次に、タクシー決済システム1の処理における決済端末20の処理について説明する。
図7は、本実施形態に係る決済端末20の処理手順のフローチャートである。
(ステップS101)タクシーメーター装置10は、運賃が確定したと乗務員により判別されたとき、乗務員の操作に基づいて、支払通知と運賃を含むコマンドを、ケーブルを介して決済端末20に送信する。次に、決済端末20の制御部202は、タクシーメーター装置10が送信したコマンドを、ケーブルおよび通信入力部201を介して受信する。
(ステップS102)制御部202は、記憶されている接続方法の設定を確認する。制御部202は、接続方法の設定が「支払通知受信後に、先行接続する設定」となっている場合、ステップS103に進む。制御部202は、接続方法の設定が「支払通知受信後に、先行接続する設定」となっていない場合、ステップS104に進む。
【0048】
(ステップS103)制御部202は、通信出力部207およびケーブルを介して通信装置50に通信開始指示を送信する。次に、通信装置50は、決済端末20の要求に応じて、センター管理装置3と通信回線を介して先行して、例えば、PPP接続を開始する。
(ステップS104)制御部202は、表示部203に金種の選択を促す表示を行う。
(ステップS105)乗務員または乗客により金種が選択されたとき、入力検出部205は、選択された金種を示す情報を検出し、検出した金種を示す情報を制御部202に出力する。
【0049】
(ステップS106)制御部202は、接続状態を確認し、さらに入力検出部205が検出した金種を示す情報について予め設定されている接続方法の設定の確認を行う。ここで、接続状態とは、センター管理装置3と接続が済んでいるのか否かを表している。
制御部202は、接続状態が「未接続」であり、「金種選択の後に先行接続する設定」であり、検出金種が先行接続する金種である場合(A)、ステップS107に進み、(A)以外の場合、ステップS108に進む。なお、(A)以外の場合とは、「接続済みの場合」、または、「金種選択の後に先行接続をする設定ではない場合」、あるいは、「金種選択の後に先行接続する設定であるが、検出金種が先行接続する金種ではない場合」のいずれかの場合である。
【0050】
(ステップS107)制御部202は、通信出力部207およびケーブルを介して通信装置50に通信開始指示を送信する。次に、通信装置50は、決済端末20の要求に応じて、センター管理装置3と通信回線を介して先行して通信を開始する。
(ステップS108)制御部202は、検出された金種が現金またはチケットであるか否かを判別する。制御部202は、検出された金種がチケットまたは現金であると判別した場合(ステップS108;YES)、ステップS113に進み、検出された金種がチケットまたは現金ではないと判別した場合(ステップS108;NO)、ステップS109に進む。
【0051】
(ステップS109)読取部206は、乗務員または乗客に通された(または、乗務員または乗客にかざされた)カードから、カード情報を読み取る。そして、読取部206は、その情報を制御部202に送出する。
【0052】
(ステップS110)制御部202は、接続状態を確認し、さらにカードに関する情報に基づいて、接続方法の設定を確認する。
制御部202は、接続状態が「未接続」であって、「通常の接続(先行接続をしない設定)」であり、検出金種が接続する金種である場合、ステップS111に進む。制御部202は、「接続済みの場合」、または、「通常の接続(先行接続をしない設定)」であり、検出された金種が接続する金種ではない場合、ステップS112に進む。
(ステップS111)制御部202は、通信出力部207およびケーブルを介して通信装置50に通信開始指示を送信する。次に、通信装置50は、決済端末20の要求に応じて、センター管理装置3と通信回線を介して先行して通信を開始する。
【0053】
(ステップS112)制御部202は、金種に応じて、売上要求や決済要求を行う。例えば、金種がクレジットカードまたはデビットカードの場合、制御部202は、ケーブルを介して通信装置50に売上要求を送信する。次に、通信装置50は、通信回線を介してセンター管理装置3に売上要求を送信する。次に、通信装置50は、センター管理装置3から受信した売上応答を決済端末20に送信する。金種が電子マネーカードである場合、制御部202は、ケーブルを介してリーダーライター装置40に決済要求を送信する。リーダーライター装置40は、決済端末20から受信した決済要求に応じて、電子マネーカードの残高から売上金額を引き落とし、引き落とした後の残高を電子マネーカードに書き込む。次に、リーダーライター装置40は、決済要求に対する応答を決済端末20に送信する。
なお、金種が電子マネーカードの場合であって、電子マネーカードの残高が売上金額未満である場合、リーダーライター装置40は、決済できないことを決済端末20に送信するようにしてもよい。また、残高が不足している場合、電子マネーカードの種類に応じて、リーダーライター装置40は、センター管理装置3とのオンライン処理によって、オンラインチャージを行うことで、決済を進めるようにしてもよい。
【0054】
(ステップS113)制御部202は、印字部208に対して伝票を印字させる。例えば、金種が現金またはチケットである場合、乗務員により決済手続きが行われた後、制御部202は、乗務員の操作に応じて伝票を印字部208に印字させる。金種がクレジットカードまたはデビットカードの場合、制御部202は、ケーブルを介して通信装置50から受信した売上要求に対する応答に応じて、伝票を印字部208に印字させる。金種が電子マネーカードである場合、制御部202は、ケーブルを介してリーダーライター装置40から受信した決済要求に対する応答に応じて、伝票を印字部208に印字させる。
次に、決済端末20は、通信装置50に対してセンター管理装置3との通信を終了するように要求する。通信装置50は、制御部202が出力した要求に応じて、センター管理装置3との通信を終了する。
【0055】
以上のように、本実施形態のタクシー決済端末(決済端末20)は、支払いに際してオンライン処理を行う管理装置(センター管理装置3)に対する通信を、支払い種別(金種)が確定する前の所定のタイミングで開始する制御部202を備える。
また、本実施形態のタクシー決済端末において、所定のタイミングは、予めタクシー決済端末に記憶させた接続方法の設定に基づき決定するタイミングである。例えば、
図2の接続方法の設定において、オンライン処理情報“支払通知後に先行接続”に対して接続方法の選択が“1”に設定されている場合には、金種AからFによらず、タクシーの運賃を算出するタクシーメーター装置10から運賃が確定したことを示す情報を受信したときに先行接続を行う。
【0056】
これにより、本実施形態の決済端末20は、所定のタイミングであるタクシーメーター装置10から支払通知を受信したとき、支払いの金種にかかわらず、直ちにバックグランドで通信装置50とセンター管理装置3とのPPP接続を開始する。このため、本実施形態の決済端末20は、支払いの金種がオンライン処理の必要な金種であっても、クレジットカードを決済端末20の読取部206に通したとき、すでに通信装置50とセンター管理装置3とのPPP接続が確立されている。または、本実施形態の決済端末20は、カードを読取部206に通した後に通信装置50とセンター管理装置3とのPPP接続を開始する場合と比較して短時間でPPP接続を確率できる。この結果、本実施形態の決済端末20によれば、乗客は、降車位置に到着した後、カードによる支払いを短時間で行うことができる。
【0057】
また、本実施形態の決済端末20は、例えば、
図2の接続方法の設定においてオンライン処理情報“金種選択後に先行接続”に対して接続方法の選択が“1”に設定されている場合であって、“1”が設定されている金種を使用する場合には、カードから情報が読み取られる前のタイミングで先行接続を行う(
図2の場合では、金種DとEのときは先行接続を行い、他の金種(A、B、C、F)のときは先行接続を行わない)。
この結果、本実施形態の決済端末20によれば、乗客は、降車位置に到着した後、カードによる支払いを短時間で行うことができる。
【0058】
なお、上述したステップS1〜S113(
図7)において、オンライン処理が不要な金種であることが確定した時点で、決済端末20は、通信装置50に対して通信を終了するように要求してもよい。通信装置50は、通信を終了するように要求に応じて、通信を終了するようにしてもよい。これにより、通信料および通信にかかる消費電力を低減することができる。
【0059】
[第2実施形態]
第1実施形態において、決済端末20は、自端末に記憶されている接続方法の設定に基づいて、先行してセンター管理装置3との通信を開始する例を説明した。本実施形態では、決済端末20が、目的地に対して所定の距離内になったとき、先行してセンター管理装置3との通信を開始する例を説明する。
【0060】
図8は、本実施形態に係るタクシー決済システム1Aの概略構成図である。
図8に示すように、タクシー決済システム1Aは、タクシーメーター装置10、ナビゲーション装置60、タクシー決済端末2A、およびセンター管理装置3を備えている。タクシー決済端末2Aは、決済端末20A、後部座席端末30、リーダーライター装置40、通信装置50を備えている。
図1と同じ機能を有する機能部は、同じ符号を用いて説明を省略する。また、
図8に示すように、ナビゲーション装置60は、ケーブルを介して決済端末20Aと接続されている。なお、第1実施形態と同様に、接続方法の設定は、センター管理装置3から決済端末20Aにダウンロードされて記憶されている。
【0061】
ナビゲーション装置60は、自動車の走行時に現在地の位置を取得したり、現在地から目的地への経路案内を行ったりする装置である。ナビゲーション装置60は、現在地の位置をGPS(全地球測位システム;Global Positioning System)衛星からの位置情報を用いて測位する。ナビゲーション装置60は、乗務員により入力された乗客の目的地の位置を示す情報を、ケーブルを介して決済端末20Aに送信する。なお、目的地の位置を示す情報は、緯度と経度とにより表される。ナビゲーション装置60は、タクシーが実車状態の期間、測位された緯度と経度とで表される現在位置を示す情報を、ケーブルを介して決済端末20Aに送信する。なお、タクシーが実車状態の期間とは、タクシーメーター装置10が運賃を走行距離、または時間に応じてカウントしている期間である。
【0062】
なお、ナビゲーション装置60は、ケーブルを介してタクシーメーター装置10と接続されていてもよい。この場合、ナビゲーション装置60は、目的地の位置に関する情報、および現在地の位置を示す情報を、ケーブルを介してタクシーメーター装置10に送信する。そして、タクシーメーター装置10が、目的地の位置に関する情報、および現在地の位置を示す情報を、ケーブルを介して決済端末20Aに送信する。
【0063】
決済端末20Aは、乗務員または乗客により選択された金種に応じて、タクシーメーター装置10が出力した運賃に対する決済処理を行う。また、決済端末20Aは、ナビゲーション装置60が出力した位置情報等に基づいて、通信装置50に対しての通信を制御する。
決済端末20Aは、ナビゲーション装置60からケーブルを介して受信した目的地の位置に関する情報、および現在地の位置を示す情報を用いて、目的地と現在地との間の距離を算出する。例えば、決済端末20Aは、目的地の位置の緯度と経度、現在地の位置の緯度と経度を用いて、目的地と現在地との間の距離を算出する。決済端末20Aは、後部座席端末30が設置されていない場合、目的地と現在地との間の距離が予め定められている第1の距離以下になったとき、先行してセンター管理装置3との通信を開始する。ここで、予め定められている第1の距離とは、例えば、通信装置50とセンター管理装置3との間でPPP通信を確立するのにかかる時間に対応する距離である。または、予め定められている第1の距離とは、時間帯や地区などに応じて定められている距離であってもよい。あるいは、予め定められている第1の距離は、固定の距離であってもよい。
【0064】
また、決済端末20Aは、後部座席端末30が設置されている場合、目的地と現在地との間の距離が予め定められている第1の距離以下になったとき、後部座席端末30に金種の選択を促す表示を行う。そして、決済端末20Aは、後部座席端末30が検出した金種が先行接続を行う必要がある金種の場合、先行してセンター管理装置3との通信を開始する。決済端末20Aは、目的地と現在地との間の距離が予め定められている時間が経過しても後部座席端末30から金種を示す情報が送信されてこない場合、または現在地と目的地との間の距離が予め定められている第2の距離以内になったとき、金種を示す情報を待たずに先行してセンター管理装置3との通信を開始する。ここで、第2の距離は、第1の距離より短い距離である。
【0065】
次に、決済端末20Aの処理について説明する。
図9は、本実施形態に係るタクシー決済システム1Aが行う処理手順のフローチャートである。
(ステップS201)乗務員によりナビゲーション装置60に目的地が入力されたとき、決済端末20Aは、ナビゲーション装置60が測位した目的地の位置情報を、ケーブルを介してナビゲーション装置60から受信する。
(ステップS202)決済端末20Aは、ナビゲーション装置60が測位した現在地の位置情報を、ケーブルを介してナビゲーション装置60から受信する。
【0066】
(ステップS203)決済端末20Aは、受信した目的地と現在地との位置情報を用いて、目的地と現在地との間の距離を計算する。
【0067】
(ステップS204)決済端末20Aは、計算した目的地と現在地との間の距離が、第1設定値以下であるか否か判別する。決済端末20Aは、目的地と現在地との間の距離が第1設定値以下であると判別した場合(ステップS204;YES)、ステップS205に進み、目的地と現在地との間の距離が第1の距離以下ではないと判別した場合(ステップS204;NO)、ステップS202に戻る。
(ステップS205)決済端末20Aは、後部座席端末30が設置されているか否かを判別する。決済端末20Aは、後部座席端末30が設置されていると判別した場合(ステップS205;YES)、ステップS206に進み、後部座席端末30が設置されていないと判別した場合(ステップS205;NO)、ステップS212に進む。
【0068】
(ステップS206)決済端末20Aは、金種の選択を促す表示を行う要求を、ケーブルを介して後部座席端末30に送信する。次に、決済端末20Aは、内部の時間計測用のカウンターの計測を開始する。
(ステップS207)後部座席端末30は、乗客により金種が選択されたことを検出したとき、検出した金種を示す情報を決済端末20Aに送信する。次に、決済端末20Aは、選択された金種を示す情報が後部座席端末30から送信されたか否かを判別する。決済端末20Aは、金種を示す情報が後部座席端末30から送信されたと判別した場合(ステップS207;YES)、ステップS208に進み、金種を示す情報が後部座席端末30から送信されていないと判別した場合(ステップS207;NO)、ステップS209に進む。
【0069】
(ステップS208)決済端末20Aは、選択された金種がオンライン処理を必要な金種であるか否かを判別する。決済端末20Aは、選択された金種がオンライン処理を必要な金種であると判別した場合(ステップS208;YES)、ステップS212に進み、選択された金種がオンライン処理を必要な金種ではないと判別した場合(ステップS208;NO)、ステップS213に進む。
(ステップS209〜S210)決済端末20Aは、ステップS202、S203と同様の処理を行い、目的地と現在地との間の距離を計算する。
【0070】
(ステップS211)決済端末20Aは、後部座席端末30に金種の選択を促す画面を表示してから予め定められている時間が経過したか、または目的地と現在地との間の距離が第2の距離以下になったか否かを判別する。なお、決済端末20Aは、予め定められている時間が経過したか否かを、ステップS206で計測を開始したカウンターの計測値を用いて判別する。決済端末20Aは、予め定められている時間が経過したと判別した場合、または目的地と現在地との間の距離が第2の距離以下になったと判別した場合(ステップS211;YES)、ステップS212に進む。決済端末20Aは、予め定められている時間が経過していないと判別した場合、または目的地と現在地との間の距離が第2の距離以下になっていないと判別した場合(ステップS211;NO)、ステップS207に戻る。
【0071】
(ステップS212)決済端末20Aは、通信出力部207およびケーブルを介して通信装置50に通信開始指示を送信する。次に、通信装置50は、決済端末20の要求に応じて、センター管理装置3と通信回線を介して先行して通信を開始する。
(ステップS213)タクシー決済システム1Aは、金種に応じた決済処理を行う。
【0072】
以下に具体的な例を用いて、
図9の決済端末20Aによる処理を説明する。以下の例では、後部座席端末30が設置されて、乗客が選択した金種がクレジットカードによる支払いの場合を説明する。
まず、ナビゲーション装置60は、タクシーに乗客が乗り乗務員により目的地が入力された後、目的地の位置情報を測位し、測位した目的地の位置情報を、ケーブルを介して決済端末20Aに送信する。次に、ナビゲーション装置60は、所定の間隔で現在地の位置情報を測位し、測位した現在地の位置情報を、ケーブルを介して決済端末20Aに送信する。決済端末20Aは、ケーブルを介してナビゲーション装置60から目的地と現在地との位置情報を受信する(ステップS201、S202)。
【0073】
次に、決済端末20Aは、受信した目的地と現在地との位置情報の緯度と経度を用いて、目的地と現在地との間の距離を計算する(ステップS203)。
次に、決済端末20Aは、目的地と現在地との間の距離が第1の距離(例えば4[km(キロメートル)])以下になるまでステップS201〜S204を繰り返す。目的地と現在地との間の距離が第1の距離以下になった場合、決済端末20Aは、金種の選択を促す選択画面の表示を行う要求を、ケーブルを介して後部座席端末30に送信する(ステップS206)。
【0074】
次に、後部座席端末30は、乗客により金種が選択されたことを検出したとき、選択された金種を示す情報を、ケーブルを介して決済端末20Aに送信する。次に、決済端末20Aは、後部座席端末30に選択画面が表示されてから所定の時間内(例えば5分)に、クレジットカードの金種を示す情報を受信する。次に、決済端末20Aは、受信した金種がオンライン処理を必要な金種であると判別し(ステップS208;YES)、通信出力部207およびケーブルを介して通信装置50に通信開始指示を送信する。
【0075】
または、決済端末20Aは、後部座席端末30に選択画面が表示されてから所定の時間内(例えば5分)に金種を示す情報を受信できなかった場合(ステップS211;YES)、後部座席端末30からの金種を示す情報の受信が得られていなくても、通信装置50に通信開始指示を送信する(ステップS212)。
あるいは、決済端末20Aは、目的地と現在地との間の距離が第2の距離以下になっても(例えば2[km])金種を受信できなかった場合(ステップS211;YES)、後部座席端末30からの金種を示す情報の受信が得られていなくても、通信装置50に通信開始指示を送信する(ステップS212)。
その後、タクシー決済システム1Aは、金種に応じた決済処理を行う(ステップS213)。
【0076】
なお、ステップS211において、決済端末20Aは、予め定められている時間が経過したか、または目的地と現在地との間の距離が第2の距離以下になったか否かを判別する例を説明したが、これに限られない。ステップS211において、決済端末20Aは、予め定められている時間が経過したか否かのみを判別するようにしてもよい。または、ステップS211において、決済端末20Aは、目的地と現在地との間の距離が第2の距離以下になったか否かのみを判別するようにしてもよい。
【0077】
以上のように、本実施形態のタクシー決済端末(決済端末20A)は、現在地と目的地との位置情報を取得する位置情報取得装置(ナビゲーション装置60)を備え、制御部202は、位置情報取得装置(ナビゲーション装置60)が取得した現在地と目的地との位置情報を用いて、現在地と目的地との間の距離を算出する。そして、例えば、
図2の接続方法の設定において、オンライン処理情報“目的地までの距離による先行接続”に対して、接続方法の選択が“1”に設定されている場合、算出された現在地と目的地との間の距離が所定の条件となったときに先行接続を開始する(
図2の場合では、金種AからFの全金種について先行接続を行う)。
ここで、本実施形態のタクシー決済端末(決済端末20A)において、所定の条件とは、現在地と目的地との間の距離が第1の距離以下のとき(後部座席端末30が無い場合)、または、現在地と目的地との間の距離が第1の距離以下であって、予め定められている時間内に支払い種別を示す情報が受信できないとき(後部座席端末30がある場合)である。
また、本実施形態のタクシー決済端末(決済端末20A)において、所定の条件は、現在地と目的地との間の距離が第1の距離より短い第2の距離以下のとき(後部座席端末30がある場合)である。
【0078】
これにより、本実施形態の決済端末20Aは、後部座席端末30が無い場合、目的地と現在地との間の距離が第1の距離以下になったとき、金種によらず、先行して通信装置50に通信開始指示を送信する。
また、実施形態の決済端末20Aは、後部座席端末30がある場合、目的地と現在地との間の距離が第1の距離以下になった後に金種の選択を受けた場合、その金種の“オンライン処理 有無”の設定に基づき、オンライン処理が必要な金種について先行して通信装置50に通信開始指示を送信する(
図2の場合では、金種CからFの金種について先行接続を行う)。
また、実施形態の決済端末20Aは、後部座席端末30がある場合、目的地と現在地との間の距離が第1の距離以下になった後に金種が所定の時間内に選択されない場合、金種によらず、先行して通信装置50に通信開始指示を送信する。あるいは、実施形態の決済端末20Aは、後部座席端末30がある場合、目的地と現在地との間の距離が第2の距離以下になっても金種が選択されない場合、金種によらず、先行して通信装置50に通信開始指示を送信する。
これにより、タクシー決済端末2Aは、先行してセンター管理装置3とPPP接続を開始できるので、降車時の決済に要する時間を短縮できる。この結果、本実施形態の決済端末20Aでは、降車時の決済を短時間で行えるため、乗客の利便性が向上する。
【0079】
なお、本実施形態では、金種の選択が後部座席端末30を用いて行われる例を説明したが、決済端末20Aの金種選択キー204(
図3参照)が操作されることにより金種の選択が行われてもよい。
【0080】
[第3実施形態]
第2実施形態では、タクシー決済端末2Aは、目的地と現在地との間の距離が第1の距離以下になったとき、後部座席端末の有無や金種選択の状況に応じて、先行してセンター管理装置3とPPP接続を開始する例を説明した。本実施形態では、先行してセンター管理装置3B(
図10)とPPP接続したとき、決済端末が降車位置の付近の情報を受信する例を説明する。なお、本実施形態の処理は、
図9におけるステップS208が実質的に無い処理である。すなわち、ステップS207として後部座席端末において金種が選択された場合、金種に係らず、S212に移行してダイアルアップし、PPP接続する。また、第1、第2実施形態と同様に、接続方法の設定は、センター管理装置3Bから決済端末20B(
図10)にダウンロードされて記憶されている。
【0081】
図10は、本実施形態に係るタクシー決済システム1Bの概略構成図である。
図10に示すように、タクシー決済システム1Bは、タクシーメーター装置10、ナビゲーション装置60、タクシー決済端末2B、およびセンター管理装置3Bを備えている。タクシー決済端末2Bは、決済端末20B、後部座席端末30、リーダーライター装置40、通信装置50、および表示装置70を備えている。なお、
図1と同じ機能を有する機能部には同じ符号を用いて、説明を省略する。
【0082】
決済端末20Bは、乗務員または乗客により選択された金種に応じて、タクシーメーター装置10が出力した運賃に対する決済処理を行う。また、決済端末20Bは、ナビゲーション装置60が出力した位置情報等に基づいて、通信装置50に対しての通信を制御する。決済端末20Bは、通信装置50がセンター管理装置3Bから受信した降車位置の付近の情報を、後部座席端末30Bまたは表示装置70に表示させる。
【0083】
決済端末20Bは、センター管理装置3BとのPPP接続が確立された後、通信回線を介してセンター管理装置3Bに、降車位置を含む降車位置の付近の情報の情報取得指示を送信する。情報取得指示には、目的地の位置情報が含まれている。決済端末20Bは、センター管理装置3Bから通信装置50が通信回線を介して受信した降車位置の付近の情報を受信する。決済端末20Bは、受信した降車位置の付近の情報に含まれる乗客向けの情報を抽出し、抽出した乗客向けの情報を、ケーブルを介して後部座席端末30Bに送信する。ここで、乗客向けの情報とは、降車位置の付近の加盟店が提供するイベント情報、バーゲン情報、店舗名情報、店舗の位置情報、降車位置の付近の天候情報等である。決済端末20Bは、受信した降車位置の付近の情報に含まれる乗務員向けの情報を抽出し、抽出した乗務員向けの情報を、ケーブルを介して表示装置70に送信する。ここで、乗務員向けの情報とは、降車位置の付近にある加盟店でのクレジットカードの決済状況からセンター管理装置3Bが想定した次乗客の乗車位置の候補ポイントを示す情報である。
【0084】
後部座席端末30Bは、ケーブルを介して決済端末20Bから受信した降車位置の付近の乗客向けの情報を、自端末の表示部に表示する。なお、後部座席端末30Bは、第2実施形態で説明した金種を選択する画面に降車位置の付近の乗客向けの情報を表示してもよく、あるいは、金種が選択された後に降車位置の付近の乗客向けの情報を表示してもよい。後部座席端末30Bは、表示した情報の項目が乗客により選択された場合、選択された項目に関する詳細な情報を表示するようにしてもよい。ここで、情報の項目とは、イベント情報、バーゲン情報、店舗名情報、店舗の位置情報、降車位置の付近の天候情報等である。後部座席端末30Bは、詳細な情報を、ケーブル経由で決済端末20Bに要求するようにしてもよい。あるいは、後部座席端末30Bは、決済端末20Bから受信した降車位置の付近の情報に詳細な情報も含まれている場合、選択された情報の項目に対応する詳細な情報を降車位置の付近の情報から抽出して表示するようにしてもよい。
【0085】
表示装置70は、ケーブルを介して決済端末20Bから受信した降車位置の付近の乗務員向けの情報を表示する。表示装置70は、乗務員が観察可能な位置に取り付けられている。なお、決済端末20Bが、表示装置70の機能を備えていてもよい。
【0086】
センター管理装置3Bは、タクシー決済端末2Bからの情報取得指示に応じて、クレジットカードに対する決済処理を行う。センター管理装置3Bは、通信装置50からの要求に応じて、降車位置の付近の情報を、通信回線を介して通信装置50に送信する。
【0087】
図11は、本実施形態に係るセンター管理装置3Bの構成の一例を示すブロック図である。
図11に示すように、センター管理装置3Bは、通信回線4および複数のルータ5を介して、複数のタクシー決済端末2Bと加盟店6が有する加盟店端末601と接続されている。また、センター管理装置3Bは、ファイアーウォール301、ロードバランサー302、複数の決済サーバ304、加盟店DB305、およびアプリケーションサーバ306を備えている。ファイアーウォール301、ロードバランサー302、複数の決済サーバ304、加盟店DB305、およびアプリケーションサーバ306は、バス303を介して接続されている。なお、
図5と同じ機能を有する機能部には同じ符号を用いて、説明を省略する。
【0088】
アプリケーションサーバ306は、決済端末20Bからの情報取得指示に応じて、加盟店DB305およびアプリケーションサーバ306のDBから降車位置の付近の情報を取得する。降車位置の付近の情報には、乗客向けの情報と乗務員向けの情報とが含まれている。アプリケーションサーバ306は、取得した降車位置の付近の情報を、バス303、ロードバランサー302、ファイアーウォール301、複数のルータ5、および通信回線4を介してタクシー決済端末2Bに送信する。
なお、アプリケーションサーバ306は、不図示のDBを有している。DBには、加盟店ごとの加盟店番号、端末番号、イベントデータ、バーゲンデータ、利便データ、イベントやバーゲンが介される日時、営業時間、休業日等が関連づけられて格納されている。ここで、利便データとは、加盟店のクーポン情報等である。また、DBには、加盟店の付近の天候データ(天気、気温等)が格納されている。DBには、駅等の公共施設の位置情報、地下鉄の駅への出入り口の情報等も格納されていてもよい。
【0089】
図12は、本実施形態に係るタクシー決済システム1Bの処理手順のフローチャートである。
(ステップS301)決済端末20Bは、センター管理装置3Bに対して先行接続が行われているか否かを判別する。決済端末20Bは、先行接続が行われていると判別した場合(ステップS301;YES)、ステップS302に進み、先行接続が行われていないと判別した場合(ステップS301;NO)、ステップS301を繰り返す。なお、先行接続は、
図7または
図9に示した処理により行われる。
【0090】
(ステップS302)決済端末20Bは、通信装置50とセンター管理装置3BとのPPP接続が確立した後、通信装置50、通信回線4、ルータ5を介してセンター管理装置3Bに降車位置(目的地)および降車位置の付近の情報の情報取得指示を送信する。次に、センター管理装置3Bは、決済端末20Bから受信した情報取得指示に応じて、降車位置および降車位置の付近の情報を決済端末20Bに送信する。
(ステップS303)決済端末20Bは、情報取得指示に応じて送信された降車位置および降車位置の付近の情報を、センター管理装置3Bから受信する。
【0091】
(ステップS304)決済端末20Bは、受信した降車位置および降車位置の付近の情報に含まれる乗客向けの情報を抽出し、抽出した乗客向けの情報を、ケーブルを介して後部座席端末30Bに送信する。次に、後部座席端末30Bは、決済端末20Bから受信した乗客向けの情報を表示部に表示する。
(ステップS305)決済端末20Bは、受信した降車位置および降車位置の付近の情報に含まれる乗務員向けの情報を抽出し、抽出した乗務員向けの情報を、ケーブルを介して表示装置70に送信する。次に、表示装置70は、決済端末20Bから受信した乗客向けの情報を表示する。
以上で、タクシー決済システム1Bによる処理を終了する。
【0092】
以上のように、本実施形態のタクシー決済端末(決済端末20B)において、制御部202は、管理装置(センター管理装置3B)との通信を開始した後、目的地(降車位置)および目的地を含む周辺に関する周辺情報の取得を管理装置に要求し、周辺情報の要求に応じて管理装置から受信した周辺情報を表示装置(後部座席端末30B、表示装置70)に提示する。
【0093】
この構成により、本実施形態の決済端末20Bは、先行してPPP接続されている間に、降車位置(目的地)の付近に関する情報をセンター管理装置3Bから取得する。そして、本実施形態の決済端末20Bは、取得した降車位置の付近に関する情報のうち乗客向けの情報を後部座席端末30Bに送信する。そして、後部座席端末30Bは、受信した乗客向けの情報を表示する。これにより、乗客が降車位置の付近に関する情報を得ることができるので、本実施形態の決済端末20Bは、乗客への利便性を向上することができる。
また、本実施形態の決済端末20Bは、取得した降車位置の付近に関する情報のうち乗務員向けの情報を表示装置70に送信する。そして、表示装置70は、受信した乗務員向けの情報を表示する。これにより、乗務員が次乗客の乗車位置の候補を知ることができるので、本実施形態の決済端末20Bは、乗務員への利便性を向上することができる。
【0094】
なお、乗客向けの情報を表示する場合、決済端末20Bは、決済処理のための先行接続タイミングより前に接続をして、情報を取得して表示するようにしてもよい。このようにすることで、本実施形態の決済端末20Bは、乗客にとって有意義と思われる情報を、乗客に長時間閲覧する機会を提供することが可能となる。
【0095】
なお、乗客向けの情報は、天候、時間帯、曜日、乗客の属性に合わせた情報であってもよい。例えば、情報取得指示には、乗務員が入力した乗客の属性を含むようにしてもよい。ここで、乗客の属性とは、家族、カップル、性別等の情報である。そして、センター管理装置3Bは、受信した情報取得指示に含まれる乗客の属性に応じた加盟店の情報等を抽出し、抽出した加盟店の情報を決済端末20Bに送信するようにしてもよい。
【0096】
なお、本実施形態では、決済端末20Bは、降車位置の付近に関する情報として、加盟店に関する情報、天候に関する情報を取得する例を説明したが、これに限られない。降車位置の付近に関する情報は、乗客にとって有益な他の情報であってもよく、例えば電車やバスの終電情報であってもよい。また、降車位置の付近に関する情報は、乗務員にとって有益な他の情報であってもよく、例えば乗務員が休憩できる場所の候補の情報等であってもよい。
【0097】
なお、第1〜第3本実施形態では、決済端末20(または20A、20B)と通信装置50とがケーブルで接続されている例を説明したが、決済端末20(または20A、20B)が通信装置50の機能を備えていてもよい。この場合、決済端末20(または20A、20B)は、無線通信を介して、センター管理装置3(または3B)と通信を行う。
また、第1〜第3本実施形態では、決済端末20(または20A、20B)とリーダーライター装置40とがケーブルで接続されている例を説明したが、決済端末20(または20A、20B)がリーダーライター装置40の機能を備えていてもよい。
【0098】
なお、第1〜第3実施形態において、タクシーメーター装置10、決済端末20(含む20A、20B)、後部座席端末30(含む30B)、リーダーライター装置40、通信装置50、各々がケーブルで接続されている例を説明したが、無線接続されていてもよい。
【0099】
なお、本発明における決済端末20(含む20A、20B)の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより決済端末20(含む20A、20B)の動作および制御を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0100】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。