特許第6190156号(P6190156)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6190156
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】セラミックス板及びヒータユニット
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/02 20060101AFI20170821BHJP
   H01L 21/324 20060101ALI20170821BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20170821BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20170821BHJP
   H05B 3/74 20060101ALI20170821BHJP
【FI】
   H01L21/02 Z
   H01L21/324 K
   H01L21/205
   H01L21/31 F
   H05B3/74
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-103031(P2013-103031)
(22)【出願日】2013年5月15日
(65)【公開番号】特開2014-225507(P2014-225507A)
(43)【公開日】2014年12月4日
【審査請求日】2016年3月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】牛田 和宏
【審査官】 鈴木 和樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−354473(JP,A)
【文献】 特開2007−067232(JP,A)
【文献】 特開平05−082626(JP,A)
【文献】 特開昭63−217622(JP,A)
【文献】 特開2009−194297(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/02
H01L 21/205
H01L 21/31
H01L 21/324
H05B 3/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主面と、前記第1主面の外周に接する側面と、前記側面を挟んで前記第1主面に対向する第2主面と、を有するセラミックス板であって、
前記第1主面から前記第2主面まで貫通する貫通孔と、
前記貫通孔から前記側面まで延びる切り込みにより形成された切込み部と、
前記貫通孔から、前記第1主面に平行な方向における前記セラミックス板の中央側に向かって延びる切り込みにより形成された内側切込み部と、
を備えるセラミックス板。
【請求項2】
前記セラミックス板の前記中央側に位置する端部である前記内側切込み部の終端部は、前記第1主面に垂直な方向から視て、円弧形状である請求項に記載のセラミックス板。
【請求項3】
前記セラミックス板は、円板状であり、
前記第1主面に平行な方向における前記セラミックス板の中心から前記貫通孔の中心までの長さは、前記セラミックス板の半径の2/3以上である請求項1または2に記載のセラミックス板。
【請求項4】
前記セラミックス板は、炭化珪素セラミックス板である請求項1からの何れか1項に記載のセラミックス板。
【請求項5】
請求項1からの何れか1項に記載のセラミックス板を用いたヒータユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミックス板及びセラミックス板を用いたヒータユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、炭化珪素を主原料とし、平らな主面を有する円形状の炭化珪素セラミックス板が用いられたヒータユニットが知られている(例えば、特許文献1参照)。ヒータユニットは、例えば、半導体製造工程におけるウエハの成膜処理やアニール処理の際に、ウエハを加熱するために用いられる。
【0003】
炭化珪素を主原料とした炭化珪素セラミックス板を用いることにより、炭化珪素以外の原料(例えば、モリブデン)が用いられたヒータユニットに比べて、ウエハに不純物が混入することを抑制できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−166830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
炭化珪素セラミックス板の外周縁付近(以下、外側部)は、炭化珪素セラミックス板の中央側(以下、内側部)よりも外部の雰囲気に曝される。半導体製造工程における熱処理工程(特に、降温工程)において、外部の温度の方が、炭化珪素セラミックス板の温度よりも低いため、外部の雰囲気により曝される外側部は、内側部よりも低温となる。これにより、内側部の方が、外側部よりも熱膨張するため、外周縁に沿って外側部を広げるような応力が発生する。
【0006】
このため、炭化珪素セラミックス板に、例えば、加熱部材に接続される電極を通すために用いられる貫通孔が形成されていた場合、上記応力によって、貫通孔を起点とした割れ(クラック)が発生することがあった。
【0007】
また、貫通孔を起点とした割れは、炭化珪素セラミックス板に限らず、セラミックス板全般において発生する。
【0008】
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、熱膨張に起因した応力を抑制し、割れの発生を抑制できるセラミックス板及びセラミックス板を用いたヒータユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。本発明の特徴は、第1主面と、前記第1主面の外周に接する側面と、前記側面を挟んで前記第1主面に対向する第2主面と、を有するセラミックス板であって、前記第1主面から前記第2主面まで貫通する貫通孔と、前記貫通孔から前記側面まで延びる切り込みにより形成された切込み部と、を備えることを要旨とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、熱膨張に起因した応力を抑制し、割れの発生を抑制できるセラミックス板及びセラミックス板を用いたヒータユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1(a)は、本実施形態に係るセラミックス板1の平面図である。図1(b)は、本実施形態に係るセラミックス板1の斜視図である。
図2図2(a)は、本実施形態の変形例1に係るセラミックス板2の平面図である。図2(b)は、本実施形態の変形例1に係るセラミックス板2の斜視図である。
図3図3(a)は、本実施形態の変形例2に係るセラミックス板3の平面図である。図3(b)は、本実施形態の変形例2に係るセラミックス板3の斜視図である。
図4図4は、本実施形態に係るヒータユニット100の断面図である。
図5図5は、本実施形態に係るヒータユニット100の一部を分解した分解斜視図である。
図6図6(a)は、比較例に係るセラミックス板の形状を示す図である。図6(b)は、比較例に係るセラミックス板のシミュレーション結果を示す図である。
図7図7(a)は、実施例1に係るセラミックス板の形状を示す図である。図7(b)は、実施例1に係るセラミックス板のシミュレーション結果を示す図である。
図8図8(a)は、実施例2に係るセラミックス板の形状を示す図である。図8(b)は、実施例2に係るセラミックス板のシミュレーション結果を示す図である。
図9図9(a)は、実施例3に係るセラミックス板の形状を示す図である。図9(b)は、実施例3に係るセラミックス板のシミュレーション結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る炭化珪素セラミックス板及びヒータユニットの一例について、図面を参照しながら説明する。具体的には、(1)セラミックス板1の概略構成、(2)ヒータユニット100の概略構成、(3)比較評価、(4)作用効果、(5)その他実施形態、について説明する。
【0013】
以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。図面は模式的なのものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることを留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0014】
(1)セラミックス板1の概略構成
(1.1)実施形態に係るセラミックス板1
本実施形態に係るセラミックス板1の概略構成について、図1を参照しながら説明する。図1(a)は、本実施形態に係るセラミックス板1の平面図である。図1(b)は、本実施形態に係るセラミックス板1の斜視図である。
【0015】
図1に示されるように、セラミックス板1は、主面10と、側面20とを有する。セラミックス板1は、板状である。具体的には、セラミックス板1は、円板状である。
【0016】
方向x及び方向yは、主面10に平行な方向である。本実施形態において、方向x及び方向yは、セラミックス板1の中心Oを通る。方向xと方向yとは、直交している。方向zは、セラミックス板1の厚み方向に平行な方向である。本実施形態において、方向x及び方向yと方向zとは、直交している。
【0017】
図1に示されるように、主面10は、第1主面10aと第2主面10bとにより構成される。第2主面10bは、側面20を挟んで、第1主面10aに対向する。側面20は、第1主面10aの外周及び第2主面10bの外周に接する。
【0018】
本実施形態において、セラミックス板1は、炭化珪素からなる。すなわち、炭化珪素を主原料とする炭化珪素セラミックス板である。セラミックス板1は、不純物を除いて炭化珪素により構成されている。
【0019】
セラミックス板1は、貫通孔30と切込み部40とを備える。
【0020】
貫通孔30は、第1主面10aから第2主面10bまで貫通する。本実施形態において、貫通孔30は、z方向から視て、円形状であり、2つ形成されている。
【0021】
貫通孔30は、前記セラミックス板1の中央側よりも外周側に位置する。セラミックス板1の中心Oから貫通孔30の中心までの長さは、セラミックス板1の半径の2/3以上であることが好ましい。
【0022】
切込み部40は、いわゆるスリットである。切込み部40は、貫通孔30から側面20まで延びる切り込みにより形成される。従って、切込み部40の一方の端部であるセラミックス板1の中央側の端部は、貫通孔30に開口している。また、切込み部40の他方の端部であるセラミックス板1の外周側の端部は、側面20に開口している。
【0023】
セラミックス板1は、切込み部40を備えるため、切込み部40の一方の側面を構成するセラミックス板1の端部40aと、切込み部40の他方の側面を構成するセラミックス板1の端部40bとの間には、空間が形成されている。
【0024】
(1.2)変形例1に係るセラミックス板2
次に、本実施形態の変形例1に係るセラミックス板2の概略構成について、図2を参照しながら説明する。図2(a)は、本実施形態の変形例1に係るセラミックス板2の平面図である。図2(b)は、本実施形態の変形例1に係るセラミックス板2の斜視図である。
【0025】
図2に示されるように、変形例1に係るセラミックス板2は、内側切込み部50を備える。内側切込み部50は、y方向(及びx方向)におけるセラミックス板1の中央側に向かって延びる切り込みにより形成される。
【0026】
内側切込み部50は、終端する。従って、内側切込み部50は、セラミックス板1の中央側に位置する端部である終端部55を有する。本変形例において、終端部55は、z方向から視て、直線状である。また、内側切込み部50は、セラミックス板1の外周側に位置し、貫通孔30に開口する端部を有する。
【0027】
(1.3)変形例2に係るセラミックス板3
次に、本実施形態の変形例2に係るセラミックス板3の概略構成について、図3を参照しながら説明する。図3(a)は、本実施形態の変形例2に係るセラミックス板3の平面図である。図3(b)は、本実施形態の変形例2に係るセラミックス板3の斜視図である。
【0028】
図3に示されるように、変形例2に係るセラミックス板2は、内側切込み部50を備える。
【0029】
内側切込み部50が有する終端部55は、z方向から視て、円弧形状である。具体的には、終端部55は、z方向から視て、中心Oの方向に凸状の円弧形状である。
【0030】
(2)ヒータユニット100の概略構成
本実施形態に係るヒータユニット100の概略構成について、図4及び図5を参照しながら説明する。図4は、本実施形態に係るヒータユニット100の断面図である。図5は、本実施形態に係るヒータユニット100の一部を分解した分解斜視図である。
【0031】
図4及び図5に示されるように、本実施形態に係るヒータユニット100は、加熱部材120、載置板130、反射板140、絶縁板150、保護部材160、電極170及び支持台180を備える。
【0032】
加熱部材120は、載置板130に載置された被加熱部材(例えば、ウエハ)を加熱する。加熱部材120は、電極170と接続されている。
【0033】
載置板130は、被加熱部材が載置される。載置板130は、加熱部材120の上方に配置される。
【0034】
反射板140は、加熱部材20から発生した熱を載置板130の方へ反射する。反射板140は、加熱部材120の下方に配置される。反射板140は、加熱部材120と絶縁板150との間に配置される。反射板140には、電極170が通る貫通孔が形成されている。
【0035】
絶縁板510は、加熱部材120及び反射板140の下方に配置される。絶縁板150には、電極170が通る貫通項が形成されている。
【0036】
保護部材160は、載置板130及び支持台180と接続されるによって、加熱部材120、反射板140及び絶縁板150を取り囲む。
【0037】
電極170は、加熱部材120と電気的に接続されており、加熱部材120に電気を供給する。 本実施形態において、セラミックス板1は、反射板140及び絶縁板150として用いられる。
【0038】
(3)比較評価
次に、本発明の効果を確かめるため、以下のシミュレーションを行った。図6から図9を用いてシミュレーション結果を説明する。
【0039】
図6(a)は、比較例に係るセラミックス板の形状を示す図である。図6(b)は、比較例に係るセラミックス板のシミュレーション結果を示す図である。図7(a)は、実施例1に係るセラミックス板の形状を示す図である。図7(b)は、実施例1に係るセラミックス板のシミュレーション結果を示す図である。図8(a)は、実施例2に係るセラミックス板の形状を示す図である。図8(b)は、実施例2に係るセラミックス板のシミュレーション結果を示す図である。図9(a)は、実施例3に係るセラミックス板の形状を示す図である。図9(b)は、実施例3に係るセラミックス板のシミュレーション結果を示す図である。
【0040】
直径が200mm、厚さが1mmの円板状のセラミックス板のシミュレーションモデルを作成した。図6から図9に示すように、直径が20mmの貫通孔を2つセラミックス板に設けた。セラミックス板の中心を中心として、貫通孔の中心を通る円の直径φが150mmとなるように、貫通孔を設定した。したがって、セラミックス板の中心から貫通孔の中心までの長さは、セラミック板の中心からセラミックス板の外周までの長さの2/3である。
【0041】
図6に示すように、比較例に係るセラミックス板には、貫通孔のみを設けた。
【0042】
図7に示すように、実施例1に係るセラミックス板には、貫通孔に加えて、切込み部を設けた。セラミックス板の主面に垂直な方向から視て、貫通孔からセラミックス板の側面に延びる方向に直交する切込み部の幅は、2mmである。
【0043】
図8に示すように、実施例2に係るセラミックス板には、実施例1と同じ切込み部に加えて、内側切込み部を設けた。セラミックス板の主面に垂直な方向から視て、貫通孔からセラミックス板の側面に延びる方向に直交する内側切込み部の幅は、2mmである。
【0044】
図9に示すように、実施例3に係るセラミックス板には、実施例2と同じ切込み部及び内側切込み部に加えて、内側切込み部の終端部の位置に、セラミックス板の主面に垂直な方向から視て、直径φ4mmの貫通孔を形成した。これにより、内側切込み部の終端部の形状は、円弧形状である。
【0045】
温度条件を、セラミックス板の中心を中心とする円の直径φ150mmの位置から外側の温度とセラミックス板の中心の温度との差が50mmとなるように設定した。この温度条件において、セラミックス板に発生する応力及びクラックの発生の有無を測定した。
【0046】
比較例1のセラミックス板には、セラミックス板の半径方向(半径方向r)における貫通孔よりも外側に109MPaの応力が発生した。比較例1のセラミックス板には、クラックが発生した。実施例1のセラミックス板には、半径方向rにおける貫通孔よりも内側に98MPaの応力が発生した。実施例1のセラミックス板には、クラックが発生しなかった。実施例2のセラミックス板では、半径方向rにおける貫通孔よりも内側に83MPaの応力が発生した。実施例2のセラミックス板には、クラックが発生しなかった。実施例3のセラミックス板では、半径方向rにおける貫通孔よりも内側に66MPaの応力が発生した。実施例3のセラミックス板には、クラックが発生しなかった。
【0047】
以上より、セラミック板が切込み部を備えることにより、クラックの発生を抑制できることが確認できた。また、セラミックス板が内側切込み部を備えることにより、半径方向rにおける貫通孔よりも内側に発生する応力を低減させることができるため、クラックの発生をより抑制できることが確認できた。さらに、内側切込み部の終端部が円弧形状であることにより、半径方向rにおける貫通孔よりも内側に発生する応力を低減させることができるため、クラックの発生をより抑制できることが確認できた。
【0048】
(4)作用効果
セラミックス板1は、貫通孔30と、貫通孔30から側面20まで延びる切込み部40を備える。これにより、切込み部40周辺のセラミックス板1の端部40a及び端部40bが固定されないため、端部40a及び端部40bは、セラミックス板1の熱膨張に合わせて、動くことができる。このため、セラミックス板1では、熱膨張に起因してセラミックス板1の外周に働く応力を和らげることが可能となり、クラックの発生を抑制できる。
【0049】
また、セラミックス板1は、セラミック板1の中央側に向かって延びる切り込みによって形成された内側切込み部50を備えていてもよい。端部40a及び端部40bが動いた場合に、半径方向rにおける貫通孔の内側に応力が発生する。セラミック板1が内側切込み部50を備える場合、内側切込み部50を構成する端部が、端部40a及び端部40bの動きに合わせて、動くことができるため、半径方向rにおける貫通孔よりも内側に発生する応力を和らげることが可能となり、クラックの発生をより抑制できる。
【0050】
また、セラミックス板1は、内側切込み部50の終端部55が円弧形状であってもよい。これにより、内側切込み部50の終端部55に働く応力が分散されるため、終端部55の一部に応力が集中することが抑制される。その結果、クラックの発生をより抑制できる。
【0051】
また、セラミックス板1の中心Oから貫通孔50の中心までの長さは、セラミックス板1の半径の2/3以上であってもよい。貫通孔50の位置がセラミックス板1の外周に近いほど、貫通孔50の周辺に応力が発生する。しかしながら、セラミックス板1の中心Oから貫通孔50の中心までの長さは、セラミックス板1の半径の2/3以上となる位置にセラミックス板1が貫通孔50を備えていても、セラミックス板1が切込み部40を備えることによって、クラックの発生を抑制することができる。
【0052】
(5)その他実施形態
本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。本発明はここでは記載していない様々な実施形態を含む。従って、本発明はここでは記載していない様々な実施形態を含む。
【0053】
具体的には、上述した実施形態では、セラミックス板1は、円板状であったが、これに限られない。例えば、セラミックス板1は、楕円板状であってもよい。なお、楕円状であるセラミックス板1には、円板状であるセラミックス板1は含まれる。他にもセラミックス板1は、多角形状、(例えば、八角形状)であってもよい。
【0054】
また、セラミックス板1は、炭化珪素からなっていたが、これに限られない。セラミックス板は、炭化珪素以外の材料で形成されていてもよい。
【0055】
上述の通り、本発明はここでは記載していない様々な実施形態を含む。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0056】
1,2,3…炭化珪素セラミックス板、 10,10a,10b…主面、 20…側面、 30…貫通孔、 40…切込み部、 40a,40b…端部、 50…内側切込み部、 55…終端部、 100…ヒータユニット、 120…加熱部材、 130…載置板、 140…反射板、 150…絶縁板、 160…保護部材、 170…電極、 180…支持台、
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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