特許第6190178号(P6190178)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6190178
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】インクジェット記録装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20170821BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20170821BHJP
【FI】
   B41J2/01 203
   B41J2/01 209
   B41J2/01 451
   G06T1/00 310A
【請求項の数】4
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-130372(P2013-130372)
(22)【出願日】2013年6月21日
(65)【公開番号】特開2015-3455(P2015-3455A)
(43)【公開日】2015年1月8日
【審査請求日】2016年5月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(72)【発明者】
【氏名】石田 まり
【審査官】 小宮山 文男
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−200915(JP,A)
【文献】 特開2009−274232(JP,A)
【文献】 特開2007−283544(JP,A)
【文献】 特開2011−206932(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01−2/215
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体の搬送方向と直交する方向に、千鳥状に配列された複数のヘッドブロックと、
前記ヘッドブロック備えるインクジェットヘッドと、
前記インクジェットヘッドにより、前記記録媒体に対して形成された画像をスキャンして画像データを取得するスキャン手段と、
前記スキャン手段によりスキャンされた前記画像データを表示する表示手段と、
前記表示手段によって表示された前記画像データに基づいて、前記複数のヘッドブロックのつなぎ目に関する情報を入力する入力手段と、
前記入力手段による入力結果に基づいて、前記各ヘッドブロックによるインク吐出量を補正するように制御する補正手段とを備え、
前記入力手段は、前記複数のヘッドブロックのつなぎ目に関する情報として前記複数のヘッドブロックのつなぎ目位置を特定する座標を入力するものであり、
前記補正手段は、画像内のつなぎ目の座標位置の特定を行う際に、つなぎ目の補正実施が印刷直後であるか否かを判定し、印刷直後であると判定された場合には、印刷時の画像形成に使用した前記インクジェットヘッドのノズルに関する情報に基いて、画像内のつなぎ目の座標位置を特定することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項2】
前記補正手段は、画像内のつなぎ目の座標位置の特定を行う際に、さらに、前記記録媒体の幅が予め設定した閾値より小さいか否かを判定し、前記閾値より小さいと判定された場合には、前記スキャン手段によって、印刷後の前記記録媒体の縦、横の双方向にスキャンし得られた画像に基いて画像内のつなぎ目の座標位置を特定することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
【請求項3】
記録媒体の搬送方向と直交する方向に、千鳥状に配列された複数のヘッドブロックと、
前記ヘッドブロックが備えるインクジェットヘッドと、
前記インクジェットヘッドにより、前記記録媒体に対して形成された画像をスキャンして画像データを取得するスキャン手段と、
前記スキャン手段によりスキャンされた前記画像データを表示する表示手段と、
前記表示手段によって表示された前記画像データに基づいて、前記複数のヘッドブロックのつなぎ目に関する情報を入力する入力手段と、
前記入力手段による入力結果に基づいて、前記各ヘッドブロックによるインク吐出量を補正するように制御する補正手段とを備え、
前記補正手段は、画像内のつなぎ目の座標位置の特定を行う際に、前記記録媒体の幅が予め設定した閾値より小さいか否かを判定し、前記閾値より小さいと判定された場合には、前記スキャン手段によって、印刷後の前記記録媒体の縦、横の双方向にスキャンし得られた画像に基いて画像内のつなぎ目の座標位置を特定することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項4】
前記表示手段および前記入力手段は、画像データを表示可能で且つ前記複数のヘッドブロックのつなぎ目に関する情報として前記複数のヘッドブロックのつなぎ目位置を特定する座標を入力可能なタッチパネルで構成され、
当該タッチパネルには、前記スキャン手段で取得した画像データを表示し、その表示された画像データに基いて、補正対象となるつなぎ目位置、色、つなぎ目開始位置および終了位置の座標を入力することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット記録装置に係り、特にヘッドブロックのオーバーラップによって生じる画像のつなぎ目を画像毎に精度良く補正することのできるインクジェット記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット方式が適用されたインクジェット記録装置は、画像情報や文字情報等の印刷データに基づいて、インクジェットヘッドのノズルからインクを記録媒体(印刷用紙等)に向けて吐出して画像や文字などを印刷することができ、特に多色のインクを使用した場合には印刷用紙上にカラー印刷できるので、家庭用や業務用として広く普及している。
【0003】
ところで、スキャナ装置で取得した画像データを印刷データとして用いる場合には、スキャナ装置の読取部に付着したゴミ等により不要なスジ等が入る場合がある。
【0004】
このようなスジ等を補正により消去して画像を印刷する技術が種々提案されている。
【0005】
例えば、特許文献1には、画像が入力されると、色空間変換処理、補正処理等を施し、画像処理装置の格子合成部は、補正処理後の画像に所定の格子パターンを合成し、合成後の画像は、画像形成制御装置の制御により、記録用紙上に形成され、ユーザは、記録用紙上に形成された画像を確認し、すじが発生している場合には、すじの位置を認識し、ユーザインタフェース装置を介してすじ位置を指定し、画像処理装置は、指定されたすじ位置を受け付けたか否かを判定し、受け付けた場合には、すじ位置においてすじ補正処理を施して、画像形成制御装置に対して出力する画像処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−28396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、インクジェット記録装置においては、千鳥状に配列された複数のヘッドブロックを備えるインクジェットヘッドを搭載する場合が多い。このようなインクジェットヘッドを用いて画像形成を行う場合には、各ヘッドブロックのオーバーラップによって画像のつなぎ目が生じてしまう。
【0008】
特に高精細な印刷物が要求される場合などには、このようなつなぎ目を目立たなくする補正処理が求められる。
【0009】
しかしながら、上記従来技術では、上述のようにスキャナ装置の読取部に付着したゴミ等によって生じるスジ等を補正することはできるが、各ヘッドブロックのオーバーラップによって生じるつなぎ目を補正することはできないという問題があった。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ヘッドブロックのオーバーラップによって生じる画像のつなぎ目を画像毎に精度良く補正することのできるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係るインクジェット記録装置の第1の態様は、記録媒体の搬送方向と直交する方向に、千鳥状に配列された複数のヘッドブロックと、前記ヘッドブロックが備えるインクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドにより、前記記録媒体に対して形成された画像をスキャンして画像データを取得するスキャン手段と、前記スキャン手段によりスキャンされた前記画像データを表示する表示手段と、前記表示手段によって表示された前記画像データに基づいて、前記複数のヘッドブロックのつなぎ目に関する情報を入力する入力手段と、前記入力手段による入力結果に基づいて、前記各ヘッドブロックによるインク吐出量を補正するように制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明に係るインクジェット記録装置の第2の態様は、第1の態様に係るインクジェット記録装置において、前記表示手段および前記入力手段は、画像データを表示可能で且つ前記複数のヘッドブロックのつなぎ目に関する情報として前記複数のヘッドブロックのつなぎ目位置を特定する座標を入力可能なタッチパネルで構成され、当該タッチパネルには、前記スキャン手段で取得した画像データを表示し、その表示された画像データに基いて、補正対象となるつなぎ目位置、色、つなぎ目開始位置および終了位置の座標を入力することを特徴とする。
【0013】
本発明に係るインクジェット記録装置の第3の態様は、第1の態様に係るインクジェット記録装置において、前記補正手段は、画像内のつなぎ目の座標位置の特定を行う際に、つなぎ目の補正実施が印刷直後であるか否かを判定し、印刷直後であると判定された場合には、印刷時の画像形成に使用した前記インクジェットヘッドのノズルに関する情報に基いて、画像内のつなぎ目の座標位置を特定することを特徴とする。
【0014】
本発明に係るインクジェット記録装置の第4の態様は、第4の態様に係るインクジェット記録装置において、前記補正手段は、画像内のつなぎ目の座標位置の特定を行う際に、さらに、前記記録媒体の幅が予め設定した閾値より小さいか否かを判定し、前記閾値より小さいと判定された場合には、前記スキャン手段によって、印刷後の前記記録媒体の縦、横の双方向にスキャンし得られた画像に基いて画像内のつなぎ目の座標位置を特定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば以下の効果を奏することができる。
【0016】
すなわち、第1の態様に係るインクジェット記録装置では、入力手段による入力結果に基づいて、各ヘッドブロックによるインク吐出量を補正するので、ヘッドブロックのオーバーラップによって生じる画像のつなぎ目を画像毎に精度良く補正することのできるインクジェット記録装置を提供できる。
【0017】
第2の態様に係るインクジェット記録装置では、タッチパネルに表示された画像データに基いて、複数のヘッドブロックのつなぎ目に関する情報として複数のヘッドブロックのつなぎ目位置を特定する座標を入力するので、画像データに基いて補正位置等を正確に指定することができる。
【0018】
第3の態様に係るインクジェット記録装置では、つなぎ目の補正実施が印刷直後であるか否かを判定し、印刷直後であると判定された場合には、印刷時の画像形成に使用したインクジェットヘッドのノズルに関する情報に基いて、画像内のつなぎ目の座標位置を特定するので、他の画像によってノズルの情報が上書きされて当該情報を使用できなくなることを回避し、画像を形成するのに使用したノズルの情報を使用することができる。
【0019】
第4の態様に係るインクジェット記録装置では、記録媒体の幅が予め設定した閾値より小さいか否かを判定し、閾値より小さいと判定された場合には、スキャン手段によって、印刷後の記録媒体の縦、横の双方向にスキャンし得られた画像に基いて画像内のつなぎ目の座標位置を特定するので、用紙サイズが小さい場合にもつなぎ目位置を正確に特定して、的確な補正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本実施の形態に係るインクジェット記録装置の機能構成を示した機能ブロック図である。
図2】比較例に係る補正手法を示す説明図である。
図3】本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置におけるインクジェットヘッドを含む画像形成部の概略構成を示す側面図(a)と、平面図(b)である。
図4】テストパターンによるつなぎ目の例を示す説明図である。
図5】印刷した画像の画像データによるつなぎ目の例を示す説明図である。
図6】本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置において実行される補正処理の実施例に係る処理手順を示すフローチャートである。
図7】本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置において実行される補正処理の他の実施例に係るサブルーチン(1)の処理手順を示すフローチャートである。
図8】本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置において実行される補正処理の他の実施例に係るサブルーチン(2)の処理手順を示すフローチャートである。
図9】本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置において実行される補正処理の他の実施例に係るサブルーチン(3)の処理手順を示すフローチャートである。
図10】つなぎ目補正量の決定処理の処理手順を示すフローチャートである。
図11】本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置において適用されるつなぎ目補正量等を示す図表であり、(a)シアン(C)に関する図表、(b)マゼンタ(M)に関する図表、(c)ブラック(K)に関する図表、(d)イエロー(Y)に関する図表である。
図12】つなぎ目補正の位置設定の手順を示す流れ図である。
図13】つなぎ目補正の位置の測定例(a)と、入力パネルの例(b)を示す説明図である。
図14】つなぎ目補正の確認を行う手順を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一例としての実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。ここで、添付図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。なお、ここでの説明は本発明が実施される最良の形態であることから、本発明は当該形態に限定されるものではない。
【0022】
(インクジェット記録装置の機能構成について)
実施形態に係るインクジェット記録装置1の機能構成について図1を参照して説明する。
【0023】
図1に示すように、本実施の形態に係るインクジェット記録装置1は、記録媒体を搬送する搬送ローラや搬送ベルト等で構成される搬送手段2と、記録媒体の搬送方向と直交する方向に、千鳥状に配列された複数のヘッドブロック4を備え、記録媒体に対してインクを吐出するインクジェットヘッド3と、各ヘッドブロック4によるインクの吐出量を制御して画像を形成するマイクロコンピュータ等で構成される制御手段5と、記録媒体に形成された画像をスキャンして画像データを取得するスキャナ装置等で構成されるスキャン手段6と、画像データを表示する表示手段20と、画像データに基いて、各ヘッドブロック4のオーバーラップによって生じる画像のつなぎ目を検出する例えばCCD等の画像素子で構成される検出手段8と、検出手段8による検出結果に基いて、各ヘッドブロック4によるインクの吐出量を補正する補正手段9とを備える。
【0024】
制御手段5および補正手段9は、各ヘッドブロック4によるインクの吐出量を多値ドロップ数で制御するようにできる。なお、補正手段9は、マイクロコンピュータ等で構成される制御手段5が兼ねるようにしても良い。
【0025】
補正手段9は、検出手段8による検出結果に基いて、つなぎ目部分のインク吐出量またはつなぎ目部分においてオーバーラップするヘッドブロックのノズル位置を変更するようにできる。
【0026】
また、インクジェットヘッド3は、CMYKの各色に対応させて設けられ、補正手段9は、重色を形成するCMYKのインク吐出量の比率に応じてつなぎ目の補正を行うようにできる。
【0027】
検出手段8は、画像データにおける輝度差に基いて、輝度差が所定値以上の座標を抽出して、つなぎ目を検出するようにできる。
【0028】
また、補正手段9によって補正すべきつなぎ目位置を調整する座標を入力する入力手段10をさらに備えるようにできる。
【0029】
また、表示手段20および入力手段10は、画像データを表示可能で且つ所定の座標を指定して入力可能なタッチパネル30で構成することができる。
【0030】
そして、タッチパネル30には、スキャン手段6で取得した画像データを表示するようにして、操作者等がつなぎ目等を目視で確認するようにしても良い。
【0031】
また、タッチパネル30に表示された画像データに基いて、補正対象となるつなぎ目位置、色、つなぎ目開始位置および終了位置の座標を入力するようにできる。
【0032】
さらに、タッチパネル30には、補正手段9で行う補正結果をシミュレーションした画像を表示して、操作者等が補正結果を目視で確認できるようにしても良い。
【0033】
(比較例に係る補正手法)
ここで、図2を参照して、比較例に係る補正手法について説明する。
【0034】
比較例に係る補正手法は、スキャナ装置100で所望の画像をスキャンして画像データを取り込み、プリンタ101で印刷して印刷物を得るというシステムにおける画像データの補正に関する。
【0035】
例えば、スキャナ装置100の原稿読取用のプラテンガラスにゴミ等の不純物が付着していた場合には、そのゴミ等も画像データとなってスジなどとして映り込んでしまう(図2の画像P100参照)ので、そのスジ等の写り込んだ位置を指定して、目立たないように補正しようとするものである。
【0036】
ところが、ゴミなどによるスジ等を自動で判定するには処理に時間がかかるという難点があった。
【0037】
そこで、操作者等が黒すじや、ゴミに起因すると判定した画像を画像データ上から取り除くという補正手法をとっている。
【0038】
より具体的には、所定のパターンを印刷し、ごみのスタート位置およびエンド位置を操作者が書き込んだり、シール等の目印をつけ、スジ等と判定された部分について、画像データ上で周辺画素値に基づいて平滑化処理をかけて補正している。
【0039】
一方、インクジェット記録装置1においては、千鳥状に配列された複数のヘッドブロック4を備えるインクジェットヘッド3を搭載しており、このようなインクジェットヘッド3を用いて画像形成を行う場合には、各ヘッドブロック4のオーバーラップによって画像のつなぎ目が生じてしまう。
【0040】
特に高精細な印刷物が要求される場合などには、このようなつなぎ目を目立たなくする補正処理が求められるが、比較例に係る補正手法では、上述のようにスキャナ装置100の読取部に付着したゴミ等によって生じるスジ等を補正して除去することはできるが、各ヘッドブロック4のオーバーラップによって生じる個々の画像におけるつなぎ目を補正することはできなかった。
【0041】
(インクジェットヘッドを含む画像形成部の概略構成)
図3(a)に実施形態に係るインクジェット記録装置1におけるの概略を示す側面図を、図3(b)にその平面図を示す。
【0042】
図3に示す例では、印刷用紙等の記録媒体Pの搬送方向に沿って、シアン(C)、ブラック(K)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順でインクジェットヘッド3(3C、3K、3M、3Y)が設けられている。
【0043】
そして、図3(b)に示す例では、各色のインクジェットヘッド3(3C、3K、3M、3Y)は、記録媒体の搬送方向と直交する方向に、複数(この例では6個)のヘッドブロック4a〜4fが端部がオーバラップするように千鳥状に配列されて構成されている。
【0044】
本実施形態に係るインクジェット記録装置1では、つなぎ目が印刷される画像毎に適切な画像補正を行うものである。
【0045】
(つなぎ目について)
図4は、テストパターンによるつなぎ目の例を示す説明図である。
【0046】
なお、この例における記録媒体の搬送方向は、矢印で示すように、記録媒体の長手方向である。
【0047】
図4は、濃度を段階的に変化させたテストパターンTP1を印刷し、インクジェットヘッド3(3C、3K、3M、3Y)のオーバラップ部OB1〜OB5に対応したつなぎ目を検出しようとする例である。しかし、テストパターンTP1等では、オーバラップ部OB1〜OB5の濃度ムラの視認性が低く、オーバラップ部OB1〜OB5に対応したつなぎ目の位置を正確に把握できないという難点がある。
【0048】
特に、複数のヘッドブロック(ヘッドモジュール)で構成されたラインヘッドによる高速印刷機では、システムとして補正することが技術的に難しい。
【0049】
また、テストパターンを用いる場合には、個別の画像におけるつなぎ目の検出に十分に対応することができないという不都合もある。
【0050】
図5(a)は、印刷した画像P101によるつなぎ目の例を示す説明図である。
【0051】
図5(a)は、所望の画像P101を印刷し、オーバラップ部OB1〜OB5に対応したつなぎ目を検出しようとする例である。
【0052】
なお、この例における記録媒体の搬送方向は、矢印で示すように、記録媒体の長手方向である。
【0053】
この例では、少なくともオーバラップ部OB2、OB3、OB4に対応するつなぎ目J1、J2、J3が視認される。なお、この例では、オーバラップ部OB4に対応するつなぎ目J3は判然としないが、逆につなぎ目が目立たないので、補正の必要性は低いと考えられる。
【0054】
このようにして、各画像について、オーバラップ部OB1〜OB5に対応したつなぎ目を検出して、補正位置等を設定し、その設定情報に基いて補正を実行することとなる。
【0055】
図5(b)は、印刷した画像P102によるつなぎ目の例を示す説明図である。
【0056】
図5(b)は、所望の画像P102を印刷し、オーバラップ部OB1〜OB5に対応したつなぎ目を検出しようとする例である。
【0057】
なお、この例における記録媒体の搬送方向は、矢印で示すように、記録媒体の短手方向である。
【0058】
この例では、少なくともオーバラップ部OB1、OB2に対応するつなぎ目J4、J5が視認される。なお、この例では、オーバラップ部OB3〜OB5に対応するつなぎ目は判然としないが、逆につなぎ目が目立たないので、補正の必要性も低いと考えられる。
【0059】
このようにして、各画像について、オーバラップ部OB1〜OB5に対応したつなぎ目を検出して、補正位置等を設定し、その設定情報に基いて補正を実行することとなる。
【0060】
なお、テキスト文書から取得した画像データの場合は、つなぎ目濃度ムラによる画質の劣化の視認性は低いので、個別に補正する必要性は低い。
【0061】
また、写真等から取得した画像データであっても、つなぎ目部分の色味や濃度によって視認性の程度は異なる。したがって、画像に応じて補正の有無を判定する必要がある。
【0062】
また、重色で形成される画像のつなぎ目は、複数のインクのつなぎ目が重なるので、何れの色のつなぎ目補正値をどの程度補正すべきかの判断は比較的難しいので、熟練者のノウハウ等を補正システムに反映させて行うことが望ましい。
【0063】
(補正処理)
次に、図6図10のフローチャートを参照して、本実施の形態に係るインクジェット記録装置1で実行される補正処理の処理手順について説明する。
【0064】
まず、図6のフローチャートを参照して、補正処理の実施例の処理手順について説明する。
【0065】
この処理が開始されると、まず、ステップS201で、所望の画像を印刷してステップS202に移行する。
【0066】
ステップS202では、スキャナ装置があるか否かが判定され、「Yes」の場合には印刷物をスキャンしてステップS204に移行する。
【0067】
ステップS204では、画像の保存先はインクジェット記録装置本体か否かが判定され、「Yes」の場合にはステップS205に移行する。
【0068】
ステップS205では、スキャン画像をタッチパネル30に表示してステップS206に移行する。
【0069】
ステップS206では、タッチパネル30上で、つなぎ目の補正対象色、補正開始位置、終了位置を指定してステップS212に移行し、指定内容を記憶して、ステップS213に移行する。
【0070】
ステップS213では指定内容に基いて補正を実行した後、処理を終了する。
【0071】
また、ステップS204で、「No」と判定された場合には、スキャン画像を本体外の例えばハードディスク装置やUSBメモリ等の不揮発性のデバイスに保存してステップS208に移行する。
【0072】
ステップS208では、スキャン画像を例えばパーソナルコンピュータ等で表示し、つなぎ目の補正対象色、補正開始位置、終了位置を指定してステップS209に移行する。
【0073】
ステップS209では、インクジェット記録装置1の本体に指定位置等の情報を送信してステップS212に移行し、指定内容を記憶して、ステップS213に移行する。
【0074】
ステップS213では指定内容に基いて補正を実行した後、処理を終了する。
【0075】
一方、ステップS202で「No」と判定された場合には、ステップS210に移行して、直尺等の定規で印刷した画像の用紙上端から補正が必要なつなぎ目の補正開始位置および終了位置を測定して、ステップS211に移行する。
【0076】
ステップS211では、タッチパネル30から測定値を入力してステップS212に移行し、指定内容を記憶して、ステップS213に移行する。
【0077】
ステップS213では指定内容に基いて補正を実行した後、処理を終了する。
【0078】
(他の実施例)
次に、図7から図9のフローチャートを参照して、補正処理の他の実施例について説明する。
【0079】
図7のフローチャートは、図6のフローチャートにおけるステップS204〜S213(但し、ステップS210、ステップS211を除く)に代えてサブルーチン(1)を実行する他の実行例に係る処理手順を示す。
【0080】
ステップS301では、スキャナ装置により印刷物をスキャンして画像データを取得してステップS302に移行する。
【0081】
ステップS302では、取得した画像データ(スキャン画像)を画像メモリ7に保存してステップS303に移行する。
【0082】
ステップS303では、スキャン画像とつなぎ目位置とを併せてタッチパネル30に表示してステップS304に移行する。
【0083】
ステップS304では、補正するつなぎ目番号をタッチパネル30から選択してステップS305に移行する。
【0084】
ステップS305では、選択されたつなぎ目部箇所の拡大画像をタッチパネル30に表示してステップS306に移行する。
【0085】
ステップS306では、つなぎ目補正レベルを例えば弱、中、強の中から選択してステップS307に移行する。
【0086】
ステップS307では、選択された補正レベルでつなぎ目補正を実行した際のシミュレーション結果の出力イメージをタッチパネル30に表示してステップS308に移行する。
【0087】
ステップS308では、補正画像を印刷するか否かが判定され、「No」の場合にはステップS306に戻って補正を繰り返し、「Yes」の場合にはステップS309に移行して画像を印刷してメイン処理に戻り処理を終了する。
【0088】
図8のフローチャートは、図6のフローチャートにおけるステップS204〜S213(但し、ステップS210、ステップS211を除く)に代えてサブルーチン(2)を実行する他の実行例に係る処理手順を示す。
【0089】
ステップS401では、スキャナ装置により印刷物をスキャンして画像データを取得してステップS402に移行する。
【0090】
ステップS402では、取得した画像データ(スキャン画像)を画像メモリ7に保存してステップS403に移行する。
【0091】
ステップS403では、スキャン画像とつなぎ目位置とを併せてタッチパネル30に表示してステップS404に移行する。
【0092】
ステップS404では、補正するつなぎ目番号をタッチパネル30から選択してステップS405に移行する。
【0093】
ステップS405では、選択されたつなぎ目部箇所の拡大画像をタッチパネル30に表示してステップS406に移行する。
【0094】
ステップS406では、補正対象色を自分で判定するか否かが判定され、「Yes」の場合にはステップS407に移行して、スキャン画像を見て判定した補正する色を例えばタッチパネル30の表示された色見本等から選んでステップS408に移行する。
【0095】
ステップS408では、補正レベルを例えばタッチパネルに表示された−5〜+5の範囲で選択し、ステップS411に移行する。
【0096】
ステップS411では、補正画像を印刷するか否かが判定され、「No」の場合にはステップS406に戻って補正を繰り返し、「Yes」の場合にはステップS412に移行して画像を印刷してメイン処理に戻り処理を終了する。
【0097】
一方、ステップS406で「No」と判定した場合には、ステップS409に移行して、つなぎ目補正のヘルプ画面を表示し、つなぎ目部分のCMYKの色の比率、または、補正推奨色をタッチパネル30上に表示してステップS410に移行する。
【0098】
ステップS410では、タッチパネル30に表示された内容に基いて補正する色を選んでステップS408に移行しその後の処理を実行する。
【0099】
これにより、例えば、重色で形成される画像のつなぎ目など、複数のインクのつなぎ目が重なる場合で、何れの色のつなぎ目補正値をどの程度補正すべきかの判断は比較的難しい場合にもヘルプ画面を参照して補正を行うことができ、利便性が向上される。
【0100】
図9のフローチャートは、画像内のつなぎ目座標位置の特定方法に係る処理手順を示すもので、図7のフローチャートにおけるステップS305または図8のステップS405の処理を行う前に、次に説明するステップS501〜S511の処理を実行する。
【0101】
ステップS501では、印刷方向をユーザが選択するか否かを判定し、「No」の場合にはステップS502に移行する。
【0102】
ステップS502では、つなぎ目補正を実施するのが印刷直後か否かを判定し、「Yes」の場合には、ステップS511に移行して、印刷時の画像形成に使用したノズルを参照する。そして、画像内のつなぎ目位置を特定し、情報を記憶部に保存して前出のステップS301(印刷物をスキャン)、S302(本体(記憶部)に画像を保存)を実行する。
【0103】
ここで、印刷直後とは、例えば印刷完了から数秒以内などの場合をいう。
【0104】
なお、補正したい画像を印刷し、その後、他の画像を出すと、メモリに限りがあるため、その情報が上書きされてしまう場合がある。そこで、ステップ502の判定において、印字直後とそうでないときとで場合分けをしたものである。
【0105】
また、前述の「ノズルを参照する」とは、インクジェットヘッド3(3C、3K、3M、3Y)のノズルに関する情報を参照するとの意である。そして、印字直後である場合には、制御基板において印刷した画像を形成するのに使用したノズルに関する情報を使用することができる。
【0106】
一方、ステップS502で「No」と判定された場合には、ステップS503に移行して、用紙幅が閾値より小さいか否かが判定される。
【0107】
そして、「No」の場合にはステップS510に移行して、ヘッドの物理的な位置関係から、画像上でのつなぎ目位置を特定し、情報を記憶部に保存して前出のステップS301、S302を実行する。
【0108】
ここで、上述の「ヘッドの物理的な位置関係」とは、インクジェットヘッド3(3C、3K、3M、3Y)の印刷用紙の搬送方向の配列位置や配列順および各インクジェットヘッド3(3C、3K、3M、3Y)間の距離等を含めた位置関係をいう。
【0109】
また、ステップS503で「Yes」の場合には、ステップS504に移行して、印刷物を縦、横、双方向にスキャンする。なお、この際にスキャン解像度を上げてもよい。そして、画像を記憶部に保存してステップS505に移行する。
【0110】
なお、ステップS503に関連して、用紙サイズが小さい場合には搬送経路の中心を通って画像形成がされるわけではなく、印刷物に対し、つなぎ目位置を特定する必要がある。
【0111】
ステップS505では、画像の端部のミスト発生方向から印刷方向を判定してステップS506のサブルーチンに移行する。
【0112】
ステップS506では、判定した印刷方向のスキャン画像で色差、輝度差を抽出してつなぎ目位置を特定する処理を行う。なお、つなぎ目補正量の決定処理の処理手順の詳細については、図10を参照して後述する。
【0113】
次いでステップS507では、情報を記憶部に保存して、前出のステップS305〜S309の処理またはステップS405〜S412を実行する。
【0114】
一方、ステップS501で「Yes」と判定された場合には、ステップS508に移行して、印刷方向(縦または横)をパネル上で選択してステップS509に移行する。
【0115】
ステップS509では、スキャン画像とつなぎ目位置とを併せてパネルに表示する。そして、ズレがある場合にはユーザがつなぎ目位置を移動させ、情報を記憶部に保存してステップS301またはステップS401に移行する。
【0116】
ここで、前出のステップS506に示す画像内のつなぎ目位置の特定処理に係るサブルーチン(つなぎ目補正量の決定処理)の処理手順を図10のフローチャートを参照して説明する。
【0117】
ここに示すつなぎ目位置の特定処理は、Y/Cb/Crの値からつなぎ目濃度差を抽出し、更に濃度差の大・中・小を定義することを特徴としている。
【0118】
まず、ステップS601では、つなぎ目補正エリアのRGB画素値をYCbCrに変換する。色空間YCbCrは、テレビ放送やJPEGなどで利用されており、色を輝度と色差で表現する。
【0119】
画素値の算出は、次式による。
【0120】
Y(輝度)≒0.3R+0.6G+0.1B
Cb(色差)≒−0.17R−0.3G+0.5B
Cr(色差)≒0.5R−0.4G−0.08B
この式に基いて、RGB画素値をYCbCrに変換し、つなぎ目濃度差を抽出する。
【0121】
即ち、つなぎ目位置と周辺の輝度差ΔY、色差ΔCb/ΔCrを算出し、各々の値の和をとり、値を判定する閾値を3段階設けて、つなぎ目の大・中・小を判定する。
ステップS602では、Y(輝度)が所定値以下で且つCb/Crが所定値以下であるか否かを判定する。これにより、KとCMYを切り分けることができる。そして、「Yes」の場合にはステップS603に移行して、つなぎ目補正対象色に黒(Black)が含まれていると判定してステップS609に移行する。
【0122】
一方、ステップS602で「No」と判定された場合には、ステップS604に移行して、Y(輝度)が所定値以上で且つCbが所定値以下であるか否かを判定する。これにより、YとCMを切り分けることができる。そして、「Yes」の場合にはステップS605に移行して、つなぎ目補正対象色に黄色(Yellow)が含まれていると判定し、ステップS609に移行する。
【0123】
また、ステップS604で「No」と判定された場合には、ステップS606に移行して、Crが所定値以上か否かを判定する。これにより、CとMを切り分けることができる。そして、「Yes」の場合には、つなぎ目補正対象色にマゼンタ(Magenta)が含まれていると判定し、ステップS609に移行する。
【0124】
一方、ステップS606で「No」と判定した場合には、ステップS608に移行して、つなぎ目補正対象色にシアン(Cyan)が含まれていると判定し、ステップS609に移行する。
【0125】
ステップS609では、つなぎ目とつなぎ目周辺とのΔY(輝度差)、ΔE(ΔCb^2+ΔCr^2)^(1/2)(色差)からスキャン画素値差を算出して、各色でスキャン画素値差を定義する。次いで、ステップS610に移行して、算出したスキャン画素値差に基づき各色のつなぎ目補正量を決定した後、メイン処理にリターンする。
【0126】
(つなぎ目補正量等について)
図11は、実施形態に係るインクジェット記録装置1において適用されるつなぎ目補正量等を示す図表であり、図11(a)はシアン(C)に関する図表、図11(b)はマゼンタ(M)に関する図表、図11(c)はブラック(K)に関する図表、図11(d)はイエロー(Y)に関する図表である。
【0127】
各図表において、用紙種類として(普通紙、IJ用紙、マット紙)について、つなぎ目濃度レベルついては、大、中、小の三段階で、スキャン画素値差については0〜30の範囲で、つなぎ目補正量については、0〜25の範囲で、予め所定の値が設定されている。
【0128】
これにより、用紙種類およびCMYKの各色について、用紙や色に応じた適正な補正を行うことができる。
【0129】
なお、図11(a)〜(d)の各図表は、例えば、インクジェット記録装置1が備える不揮発性メモリ等にテーブル形式などで格納されるようにできる。
【0130】
(つなぎ目補正の具体例)
ここで、図6のフローチャートで説明した補正処理に対応したつなぎ目補正の具体例について説明する。
【0131】
図12は、つなぎ目補正の位置設定の手順を示す流れ図である。
【0132】
まず、図12(a)に示すように、タッチパネル30上に表示されたスキャン画像とつなぎ目番号(1〜5)に基いて、補正したいつなぎ目番号と補正対象色(CMYKの何れか)を選択する。
【0133】
次いで、図12(b)では、つなぎ目補正のエリアを選択する。この例では、上下の何れかのエリアを選択するようになっているが、例えばスキャン画像を3つ以上のエリアに分割して、所望のエリアを選択するようにしても良い。
【0134】
図12(c)では、つなぎ目補正の開始位置をタッチパネル30上からタッチして選択する。
【0135】
図12(d)では、つなぎ目補正の終了位置をタッチパネル30上からタッチして選択する。
【0136】
図13(a)には、図6のフローチャートにおけるステップS210に対応するつなぎ目補正の位置の測定例を示す。この例では、直尺により、印刷物の上端から11mm〜83mmの範囲につなぎ目があると測定されている。
【0137】
図13(b)は、タッチパネル等を備える入力パネルの例を示す説明図である。この例では、スキャン画像と、つなぎ目番号(1〜5)、補正対象色、補正開始位置および補正終了位置が表示されている。また、表示部に隣接させてつなぎ目番号や補正開始位置および補正終了位置等の数値を入力するテンキーが設けられている。なお、テンキーについては、タッチパネル30に表示させたソフトウェアキーボードとしても良い。
【0138】
(つなぎ目補正の他の具体例)
図7または図8のフローチャートで説明した補正処理に対応したつなぎ目補正の具体例について説明する。
【0139】
図14は、つなぎ目補正を行う手順を示す流れ図である。
【0140】
まず、図14(a)に示すように、タッチパネル30上に表示されたスキャン画像とつなぎ目番号(1〜5)に基いて、補正したいつなぎ目番号と補正対象色(CMYKの何れか)を選択する。
【0141】
次いで、図14(b)では、つなぎ目補正のエリアを選択する。
【0142】
図14(c)では、つなぎ目補正の開始位置をタッチパネル30上からタッチして選択する。
【0143】
図14(d)では、つなぎ目補正の終了位置をタッチパネル30上からタッチして選択する。
【0144】
図14(e)では、図11のフローチャートにおけるステップS408に対応させて、補正レベルを−5〜+5の範囲で選択する。また、つなぎ目補正色をCMYKの何れかから選択する。
【0145】
図14(f)では、図8にフローチャートにおけるステップS307に対応させて、選択された補正レベルでつなぎ目補正を実行した際のシミュレーション結果の出力イメージを確認画面としてタッチパネル30に表示する。
【0146】
そして、つなぎ目補正の実行か、情報入力のやり直しかを選択し、つなぎ目補正の実行が選択された場合には設定情報に基いて補正を実行し、情報入力のやり直しが選択された場合には再度各種情報の入力を行う。
【0147】
これにより、印刷を実行する前に補正状態を確認することができ、利便性や経済性を向上させることができる。
【0148】
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって開示された技術に限定されるものではないと考えるべきである。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載にしたがって解釈すべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0149】
1…インクジェット記録装置
2…搬送手段
3(3C,3K,3M,3Y)…インクジェットヘッド
4(4a〜4f)…ヘッドブロック
5…制御手段(マイクロコンピュータ)
6…スキャン手段
7…画像メモリ
8…検出手段
9…補正手段
10…入力手段
20…表示手段
30…タッチパネル
P…記録媒体
OB1〜OB5…オーバラップ部
J1〜J5…つなぎ目
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14