特許第6190337号(P6190337)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6190337自然な視界を実現できる接眼型の映像表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6190337
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】自然な視界を実現できる接眼型の映像表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/02 20060101AFI20170821BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20170821BHJP
【FI】
   G02B27/02 Z
   H04N5/64 511A
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-158610(P2014-158610)
(22)【出願日】2014年8月4日
(62)【分割の表示】特願2013-174856(P2013-174856)の分割
【原出願日】2013年8月26日
(65)【公開番号】特開2015-43082(P2015-43082A)
(43)【公開日】2015年3月5日
【審査請求日】2016年8月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】514203812
【氏名又は名称】株式会社テレパシーホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100116850
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
(72)【発明者】
【氏名】井口 尊仁
【審査官】 山本 貴一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−116409(JP,A)
【文献】 特表2003−502714(JP,A)
【文献】 特開2002−323671(JP,A)
【文献】 特表2003−502713(JP,A)
【文献】 特開2006−003879(JP,A)
【文献】 特開2006−145998(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/01,27/02
H04N 5/64
G02F 1/13,1/1335
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を表示する表示光学系(10)と,
前記表示光学系(10)から射出された映像光を観察者の光学瞳に導く接眼光学系(20)と,
前記表示光学系(10)から射出された映像光の光路上において,前記接眼光学系(20)を支持する支持具(30)と,を備えた
映像表示装置であって,
前記支持具(30)は,
互いに対面する第1支持板(31)及び第2支持板(32)と,
前記表示光学系(10)が収納された第1収納室(34)と,
前記接眼光学系(20)が収納された第2収納室(35)と,を有し,
前記第1収納室(34)と前記第2収納室(35)は,それぞれ,上面が前記第1支持板(31)の一部によって形成され,下面が前記第2支持板(32)の一部によって形成されたものであり,
前記第1支持板(31)と前記第2支持板(32)の間の少なくとも一部には,前記観察者の視線が透過する開口(33)が形成されている
映像表示装置。
【請求項2】
前記第1支持板(31)と前記第2支持板(32)の両方又はいずれか一方は,前記第1収納室(34)側から前記第2収納室(35)側に向かって,互いの間隔が徐々に近くなるように傾斜した傾斜部分(31a,32a)を有する
請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の映像表示装置を備えた
ヘッドマウントディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,ヘッドマウントディスプレイ(HMD)などに搭載される接眼型の映像表示装置に関するものである。具体的に説明すると,本発明の映像表示装置は,観察者の眼前に設置される光学装置であり,LCD(Liquid Crystal Display)などから射出された映像光を観察者の瞳へと導くことで,その映像を観察者に視認させるものである。本発明は,このような接眼型の映像表示装置であっても,観察者の視界を遮らずに自然な装着感を与えると共に,その構造を小型化してスタイリッシュなデザインを実現することを主たる目的としている。
【背景技術】
【0002】
近年,例えば頭部に装着して使用するHMDのように,使用者の身体に取り付けて使用することのできるウェアラブルデバイスへの需要が高まりつつある。また,例えば,コンピュータや,各種センサ機器,LCDなどの映像表示装置も,ウェアラブルデバイスに搭載可能な程度に小型化されており,これらの機器を搭載したウェアラブルデバイスの開発が急速に進行している。
【0003】
例えば,特許文献1〜3には,従来のHMDが開示されている。特許文献1〜3に開示された従来のHMDは,いずれも,表示素子から射出された映像光をプリズム内で観察者の眼幅方向(水平方向)に伝播して光学瞳に導く構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−317798号公報
【特許文献2】特開2008−165063号公報
【特許文献3】特開2010−122478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
とろこで,従来のHMDは,そのほとんどが,いわゆる「眼鏡型」である。眼鏡型のHMDとは,観察者の両眼の前にレンズとそれ支持するフレームが配置され,そのレンズ又はフレームに,表示素子等を搭載した映像表示装置が取り付けられるタイプの装置である。このような眼鏡型のHMDには,眼鏡のレンズ又はフレームに映像表示装置を取り付けることが可能であるため,比較的大型の映像表示装置を安定的に取り付けることができるとされていた。
【0006】
しかしながら,従来の眼鏡型のHMDを装着すると,観察者の眼前には常にレンズとフレームが存在することとなるため,この観察者に対し明らかな装着感を与えることとなる。すなわち,従来のHMDでは,観察者の視界に必ずレンズやフレームが入り込むこととなるため,観察者は,常にHMDの存在を意識しなければならないという不具合があった。また,視力の良い者であっても,眼鏡型の装置を装着しなければならず,その見た目が不自然になるといえる。
【0007】
さらに,従来の眼鏡型のHMDは,レンズやフレームに取り付けられる映像表示装置が比較的大型なものであった。すなわち,従来の映像表示装置では,一般的に,映像を表示する表示光学系と,この表示光学系からの映像光を観察者の瞳に導く接眼光学系とが,一つの筐体内に収納されている。この筐体には,基本的に,接眼光学系から射出された映像光を透過するための窓しか設けられておらず,その他の部分は光が侵入しないように遮蔽されている。このような筐体が着用者の眼前に存在すると,着用者は,その視界内に頻繁に映像表示装置の筐体を捉えるようになる。このため,従来の映像表示装置の構造では,着用者の視界を制限してしまい,着用者に対して不自然さや違和感を与えてしまうという問題があった。
【0008】
このため,現在では,HMDなどに搭載される接眼型の映像表示装置であっても,観察者の視界を遮らずに自然に映像を表示することができるように,その構造を小型化する技術が求められている。さらに現在では,従来の眼鏡型ではない,小型の映像表示装置を搭載したスタイリッシュなデザインのHMDが求められているといえる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで,本発明の発明者は,上記の従来発明の問題点を解決する手段について鋭意検討した結果,2枚の支持板によって,表示光学系から射出された映像光の光路上に接眼光学系を支持すると共に,この2枚の支持板の間に,接眼光学系を覗きこむ観察者の視線が透過する開口を形成することで,映像表示装置の構造自体を小型化でき,かつ,観察者の視界を極力遮らないようにすることができるという知見を得た。そして,本発明者は,上記知見に基づけば,従来技術の課題を解決できることに想到し,本発明を完成させた。
具体的に説明すると,本発明は以下の構成を有する。
【0010】
本発明は,映像表示装置に関する。
本発明の映像表示装置は,表示光学系10と,接眼光学系20と,支持具30を備えている。表示光学系10は,映像を表示する表示素子を含む。接眼光学系20は,表示光学系10から射出された映像光を観察者の光学瞳に導く。支持具30は,表示光学系10から射出された映像光の光路上において,接眼光学系20を支持する。
ここで,支持具30は,互いに対面する第1支持板31と第2支持板32を有する。これらの第1支持板31と第2支持板32の間には,接眼光学系20が位置する。
そして,第1支持板31と第2支持板32の間の少なくとも一部には,観察者の視線が透過する開口33が形成されている。
【0011】
上記構成のように,接眼光学系20を支持する2枚の支持板31,32の間に開口33を形成することで,観察者は,その開口33を通して映像表示装置の奥側を視認することが可能になる。また,観察者の眼前には2枚の支持板31,32が存在することとなるが,観察者には,各支持板31,32の厚み部分しか視認されない。このため,本発明によれば,観察者の視界を極力遮ることなく,映像を視認させることができる。さらに,本発明では,基本的に,2枚の支持板31,32のみによって接眼光学系20を支持するため,映像表示装置全体の構成を小型化することができる。その結果,本発明に係る小型の映像表示装置を利用すれば,HMDの設計自由度が高まり,デザインのバリエーションの幅が拡がる。従って,従来の眼鏡型とは異なるスタイリッシュなデザインのHMDを実現することも可能となる。
【0012】
本発明の映像表示装置において,支持具30は,第1収納室34と第2収納室35を有することが好ましい。第1収納室34は,表示光学系10が収納され,その表示光学系10からの映像光が透過する射出窓が形成されている。また,第2収納室35は,接眼光学系20が収納され,表示光学系10からの映像光が透過する入射窓と,接眼光学系20により導かれた光が透過する接眼窓とが形成されている。
そして,第1収納室34と第2収納室35は,第1支持板31と第2支持板32とによって連結されていることが好ましい。
【0013】
上記構成のように,表示光学系10と接眼光学系20とを,それぞれ収納室34,35に収納し,表示光学系10や接眼光学系20に対して外光が直接入射することを防ぐことで,表示される映像が不鮮明になることを防止することができる。また,第1収納室34と第2収納室35を,第1支持板31と第2支持板32によって連結することで,映像表示装置の設計を小型化できる。
【0014】
本発明の映像表示装置において,開口33は,第1収納室34と第2収納室35の間に形成されていることが好ましい。
【0015】
上記構成のように,第1収納室34と第2収納室35の間に開口33を形成することで,観察者の視線が開口33を通過しやすくなるため,観察者の視界を広く確保することができる。
【0016】
本発明の映像表示装置において,第1支持板31と第2支持板32は,第1収納室34側から第2収納室35側に向かうにつれて,互いの間隔が徐々に近くなるように傾斜した傾斜部分31a,32aを有することが好ましい。
【0017】
上記構成のように,第1支持板31と第2支持板32が傾斜している構造では,第1収納室34よりも,観察者の眼前に配置されている第2収納室35が小型のものとなる。このため,第2収納室35が,観察者の視界を遮ることを回避することができる。また,観察者にとって,2枚の支持板31,32が横方向(眼幅方向)と平行に延設されているよりも,2枚の支持板31,32が多少傾斜して延設されているほうが,2枚の支持板31,32を視認しにくいとされることが判った。このため,2枚の支持板31,32に傾斜部分31a,32aを形成することで,観察者に対してより自然な視界を提供することが可能となる。
【0018】
本発明の別の側面は,上記の映像表示装置を備えた,ヘッドマウントディスプレイである。
【発明の効果】
【0019】
上述したとおり,本発明によれば,HMDなどに搭載される接眼型の映像表示装置であっても,観察者の視界を遮らずに自然に映像を表示することができるように,その構造を小型化することができる。また,本発明に係る小型の映像表示装置をHMDに搭載することで,HMDの設計の自由度を高め,デザインのバリエーションの幅が拡げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は,本発明に係る映像表示装置の外観の一例を示す斜視図である。
図2図2(a)は,映像表示装置の正面図であり,図2(b)は,映像表示装置の平面図である。
図3図3は,映像表示装置を観察者の光学瞳の前に設置した状態を模式的に示している。
図4図4は,映像表示装置に備えられた光学系の例を示したブロック図である。
図5図5は,映像表示装置を備えたHMDのデザインの一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下,図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は,以下に説明する形態に限定されるものではなく,以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜修正したものも含む。
なお,本願の図においては,装置の立体方向をわかりやすく示すために,X軸,Y軸,及びZ軸の直交座標系を設定した。本願明細書では,便宜的に,X軸方向を横方向とし,Y軸を上下方向とし,Z軸方向を奥行き方向としている。
また,本願明細書において,「A〜B」とは,基本的に「A以上B以下」であることを意味する。
【0022】
図1は,本発明に係る映像表示装置100の実施形態の一例を示す外観斜視図である。図1では,特に,映像表示装置100を構成する支持具30の外観を示している。支持具30とは,映像を表示する表示光学系10と,この表示光学系10から射出された映像光を観察者の光学瞳に導く接眼光学系20を,支持するための器具である。支持具30は,表示光学系10から射出された映像光の光路上において,接眼光学系20を支持している。
また,図2(a)は,映像表示装置100を正面(XY面)からみた正面図を示しており,図2(b)は,映像表示装置100を平面(XZ面)からみた平面図を示している。
【0023】
図1及び図2に示されるように,支持具30は,上下方向(Y軸方向)に互いに対面する2枚の支持板31,32を有している。本願明細書において,2枚の支持板は,それぞれ第1支持板31と,第2支持板32と呼ばれる。本実施形態において,第1支持板31は,上方に位置し,第2支持板32が下方に位置している。
【0024】
また,図1に示されるように,2枚の支持板31,32の基端側には,第1収納室34が形成されている。第1収納室34は,上面が第1支持板31の一部によって形成され,下面が第2支持板32の一部によって形成され,第1支持板31と第2支持板32を繋ぐように上下方向(Y軸方向)に立設した側壁34aが形成された小部屋である。第1収納室34には,映像を表示するための映像素子などを有する表示光学系10が収納されている。また,図1に示されるように,第1収納室34の側壁34aには,表示光学系10から射出される映像光が透過する射出窓34bや,表示光学系10に接続される各種ケーブルが差し込まれる差込窓34cが形成されている。表示光学系10には,差込窓34cを介して,表示光学系10の動作を制御するための制御ケーブル(図示省略)や,表示光学系10に電力を供給するための電力ケーブル(図示省略)を接続することができる。
【0025】
また,図1に示されるように,2枚の支持板31,32の先端側には,第2収納室35が形成されている。第2収納室35は,上面が第1支持板31の一部によって形成され,下面が第2支持板32の一部によって形成され,第1支持板31と第2支持板32を繋ぐように上下方向(Y軸方向)に立設した側壁35aが形成された小部屋である。第2収納室35には,表示光学系10から射出された映像光を観察者の光学瞳に導くプリズムなどの接眼光学系20が収納される。第2収納室35の側壁35aには,表示光学系10から射出される映像光が入射する入射窓35bや,接眼光学系20から射出された映像光が透過する接眼窓35cが形成されている。
【0026】
図1に示されるように,第1収納室34と第2収納室35の間には,空間が存在する。このため,表示光学系10から射出された映像光は,第1収納室34の射出窓34bを経て,この空間に至る。そして,射出窓34bを通過した映像光は,この空間を経由して,第2収納室35の入射窓35bを通過して,接眼光学系20に入力される。その後,映像光は,接眼光学系20によって,観察者の光学瞳へと導かれる。
【0027】
さらに,図1に示されるように,第1支持板31と第2支持板32の間の少なくとも一部には,観察者の視線が透過する開口33が形成されている。より詳しく説明すると,この開口33は,観察者の光学瞳が接眼窓35cと対面する位置にあるときに,その観察者の視線が通過するものである。つまり,開口33は,図1に示されるように,第1支持板31と第2支持板32の間に,上下方向(Y軸方向)に立設する側壁が形成されていない部分を意味する。図1に示されるように,この開口33は,横方向(X軸方向)にみて,第1収納室34と第2収納室35の間の空間に相当する位置に形成されていることが好ましい。
【0028】
図3は,開口33を有する映像表示装置100を,観察者の光学瞳Eの眼前に配置した様子を模式的に示している。図3に示されるように,映像表示装置100の支持具30に開口33を形成することで,映像表示装置100が観察者の視界を遮る程度を減少させることができる。すなわち,観察者の視界に映像表示装置100が殆ど入り込まなくなるため,観察者に対して映像を提示する場合であっても,その観察者の視界な自然を維持できる。また,映像表示装置100に開口33を設けることで,この映像表示装置100が観察者の顔を覆う程度を減少させることができる。従って,観察者が,映像表示装置100が搭載されたHMDなどを装着している場合でも,見た目の不自然さを緩和することが可能となる。
【0029】
続いて,図2を参照して,映像表示装置100の支持具30のさらに具体的な構造を説明する。
【0030】
図2(a)に示されるように,第1収納室34と第2収納室35とでは,上下方向(Y軸方向)の高さが異なっている。すなわち,第2収納室35の高さHは,第1収納室34の高さHよりも低い(H<H)。例えば,第1収納室34の高さHを100%としたときに,第2収納室35の高さHは,80%以下,60%以下,又は40%以下であることが好ましい。具体的には,第2収納室35の高さHは,第1収納室34の高さHに対し,10%〜80%,20%〜60%,又は30%〜50%程度であることが好ましい。第2収納室35は,観察者の眼前に存在するものであるため,第1収納室34と比較してより小型なものとすることが好ましい。
【0031】
また,第1支持板31と第2支持板32は,高さの異なる第1収納室34と第2収納室35とを連結している。このため,第1支持板31と第2支持板32は,第1収納室34の高さから第2収納室35の高さに合わせるために,傾斜部分31a,32aが存在している。すなわち,この傾斜部分31a,32aは,第1支持板31と第2支持板32が,第1収納室34側から第2収納室35側に向うにつれて,互いの間隔が徐々に近くなるように傾斜した部分である。特に,図1及び図2に示されるように,この傾斜部分31a,32aは,開口33が形成された部分に形成されたものであることが好ましい。このように,観察者の視線が通過する部分(開口33)において,第1支持板31と第2支持板32を傾斜させることで,観察者が各支持版31,32を視認しにくくなることが判明している。つまり,観察者にとって,直線的に延びる支持板31,32よりも,斜めに傾斜して延びる支持板31,32の方が,感覚的に視認しにくいものとなる。従って,第1支持板31と第2支持板32に傾斜部分31a,32aを形成することで,観察者の視界をさらに良好なものとすることができる。
【0032】
また,支持板31,32が,映像表示装置100の横方向(X軸方向)に延びる映像光の光軸に対して傾く角度θは,例えば,5度〜60度,10度〜45度,又は15〜30度とすればよい。なお,図2(a)等に示した実施形態おいて,第1支持板31が傾く角度と,第2支持板32が傾く角度は同程度とされている。ただし,第1支持板31が傾く角度と,第2支持板32が傾く角度は,それぞれ異なっていてもよい。また,図示は省略するが,第1支持板31と第2支持板32は,必ずしも両方が傾斜部分を有している必要はない。例えば,第1支持板31と第2支持板32のいずれか一方が,傾斜部分を有することとしてもよい。
【0033】
また,図2(a)には,支持具30の横方向(X軸方向)における全長が,符号ELで示され,開口33の横方向(X軸方向)における長さが,符号ALで示されている。ここで,開口33の長さALは,支持具30の全長ELを100%とした場合に,20%以上,30%以上,又は40%以上であることが好ましい。具体的には,開口33の長さALは,支持具30の全長ELに対し,20%〜90%,30%〜80%,又は40%〜70%であることが好ましい。このように,開口33の面積を広くすることで,観察者の視界を広く確保することができる。
【0034】
また,図2(a)には,開口33が形成された部分における第1支持板31と第2支持板32の厚さが,符号Tで示されている。例えば,支持板31,32の厚さTは,5mm以下であることが好ましい。具体的には,支持板31,32の厚さTは,0.1mm〜5mmであることが好ましく,特に0.5mm〜3mm,又は1mm〜2mmであることが好ましい。本発明では,2つの支持板31,32によって接眼光学系20を支持することとしている。このため,各支持版31,32の厚さを比較的薄くしても,接眼光学系20を十分強固に支持することができる。また,各支持板31,32の厚さを薄くすることで,支持板31,32が観察者によって視認されにくくなる。これにより,観察者の自然な視界を実現することができる。
【0035】
続いて,図4を参照して,映像表示装置100が備える光学系について詳しく説明する。図4は,映像表示装置100の内部を平面(XZ面)から描画したものである。図4に示されるとおり,映像表示装置100は,映像を表示する表示光学系10と,この表示光学系10から射出された映像光を観察者の光学瞳Eに導く接眼光学系20と,を備える。上述したとおり,表示光学系10は,第1収納室34内に収納され,接眼光学系20は,第2収納室35内に収納されている。
なお,図4に示した光学系は,本発明の一実施形態に過ぎない。本発明は,図4に示した光学系以外にも,その他公知のものを適宜採用することができる。
【0036】
図4に示されるように,まず,表示光学系10は,光源11と,集光レンズ12と,表示素子13を有する。光源11は,R(赤),G(緑),B(青)の各色の光を出射するものであることが好ましい。光源11は,例えば,RGB一体型のLEDパネルで構成されていることが好ましい。なお,光源11は,単色光や白色光を出射するものであってもよい。また,集光レンズ12は,光源11からの光を集光して表示素子13に供給する。また,表示素子13は,入射光を画像データに応じて変調することにより,映像を表示するものである。表示素子13は,例えば,光が透過する領域となる各画素がマトリクス状に配置された透過型の液晶表示素子で構成されていることが好ましい。このように,表示光学系10の例は,液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)である。
【0037】
次に,接眼光学系20は,上記表示素子13からの映像光を光学瞳Eに導く光学系である。接眼光学系20は,プリズム21と,接眼レンズ22と,補正レンズ23とを有している。プリズム21は,表示素子13からの映像光を内部で導光する導光部材である。プリズム21は,映像光の入射面21aと,全反射面21bと,射出面21cを有する形状となっている。なお,プリズム21は,単一のプリズムで構成されてもよいし,複数プリズムを組み合わせて構成されてもよい。また,接眼レンズ22は,軸非対称な正のパワーを持ち,全反射面21bで全反射した映像光を光学瞳面Eに集光する。接眼レンズ22は,プリズム21の射出面21cに接合されてプリズム21と一体化されている。また,補正レンズ23は,接眼レンズ22等によって発生する光学系の収差を補正するためのレンズである。接眼レンズ22は,プリズム21の入射面21aに接合されてプリズム21と一体化されている。
【0038】
ここで,プリズム21の構成について,具体的に説明する。プリズム21の入射面21aは,横方向(X軸方向)に進行する映像光の光軸と垂直に交差する奥行き方向(Z方向)に設けられている。また,射出面21cは,観察者の光学瞳Eと対向するように設けられている。全反射面21bは,例えば矩形形状(長方形形状)であり,映像光の光路を直角に折り曲げる手段として機能している。具体的には,全反射面21bは,入射面21aを介してプリズム内部に入射してX方向に進行する映像光を,Z方向に全反射させる。
【0039】
上記の構成によれば,光源11から射出された光は,集光レンズ12で集光されて表示素子13に入射する。光は表示素子13によって変調されて映像光となる。その後,表示素子13から射出された映像光は,接眼光学系20に入射する。接眼光学系20では,映像光が,補正レンズ23及び入射面21aを介してプリズム21の内部に入射する。その後,映像光は,プリズム21の内部を横方向(X軸方向)に沿って進行し,全反射面21bで光路が折り曲げられ奥行き方向(Y軸方向)に向きを変えて進行する。これにより,映像光は,プリズム21の射出面21c及び接眼レンズ22を介して,観察者の光学瞳Eに導かれる。このようにして,観察者は,光学瞳Eの位置で,表示素子13にて表示された映像の拡大虚像を観察することができる。
【0040】
図5は,映像表示装置100を備えたヘッドマウントディスプレイ(HMD)200のデザインの一例を示している。図5に示されるように,映像表示装置100は,極めて小型化して,HMD200の接眼部分に搭載することができる。このように,本発明の映像表示装置100によれば,従来の眼鏡型のHMDとは異なるスタイリッシュなデザインのHMDを実現することが可能である。
【0041】
以上,本願明細書では,本発明の内容を表現するために,図面を参照しながら本発明の実施形態の説明を行った。ただし,本発明は,上記実施形態に限定されるものではなく,本願明細書に記載された事項に基づいて当業者が自明な変更形態や改良形態を包含するものである。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は,HMDなどに搭載される接眼型の映像表示装置に関するものである。このため,本発明はウェアラブルデバイスの製造産業において好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0043】
10…表示光学系 11…光源 12…集光レンズ
13…表示素子 20…接眼光学系 21…プリズム
21a…入射面 21b…全反射面 21c…射出面
22…接眼レンズ 23…補正レンズ 30…支持具
31…第1支持板 32…第2支持板 31a,32a…傾斜部分
33…開口 34…第1収納室 34a…側壁
34b…射出窓 34c…差込窓 35…第2収納室
35a…側壁 35b…入射窓 35c…接眼窓
100…映像表示装置 200…ヘッドマウントディスプレイ(HMD)
図1
図2
図3
図4
図5