(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1および第2の回転可能なゲートウェイデバイスは、前記複数のサンプルキャリアの中のサンプルキャリアの円形縁を受け取るための凹面を伴う三日月形を有する円盤様物体を備える、請求項4に記載のシステム。
前記第1のループおよび前記第2のループは、前記移動レーンに対して共通の進路部分を有しない円形無限ループとして構成されることができる、請求項1に記載のシステム。
前記第1のサンプルキャリアは、前記移動レーンと前記等分機モジュールの前記第1のループとに近接している第1の回転可能なゲートウェイデバイスを回転させることによって、前記移動レーンから前記等分機モジュールの前記第1のループへ移送され、
前記第2のサンプルキャリアは、前記移動レーンと前記等分機モジュールの前記第2のループとに近接している第2の回転可能なゲートウェイデバイスを回転させることによって、前記移動レーンから前記等分機モジュールの前記第2のループへ移送される、請求項8に記載の方法。
前記一次サンプルを備える前記第1のサンプルキャリアを前記移動レーンから前記第1のループへ移送する前に、前記一次サンプルは、等分のために前記移動レーン上で前記システムによって識別される、請求項8に記載の方法。
最後のアリコートが行われた場合、前記最後のアリコートを備える前記二次サンプルコンテナと前記一次サンプルコンテナとは、スケジューラに従って、前記二次サンプルコンテナおよび前記一次サンプルコンテナの次の目的地へ解放され、後続の二次サンプルコンテナおよび一次サンプルコンテナは、それぞれ、前記分注位置および吸引点に移動される、請求項8に記載の方法。
前記吸引位置および前記分注位置におけるバーコード読み取り機は、前記吸引位置に位置付けられた一次サンプルコンテナおよび前記分注位置に位置付けられた二次サンプルコンテナ上のバーコードを読み取ることによって正しい関連を検証する、請求項8に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本技術の実施形態は、患者サンプルを処理するための研究室システムおよび方法に関する。これらの実施形態は、以下でさらに詳細に説明されるように、いくつかある利点の中で特に、より速い速度、精度、効率、および汚染の防止を提供するため有利である。上記で論議されるように、多くの従来の研究室システムが、研究室の全体を通して独立型ユニットを使用し、サンプルが各独立型ユニット間において手動で輸送されることを要求するプロセスを有し得る一方で、他のシステムは、サンプルをユニットからユニットへ移動させるように、ユニットのうちのいくつかを運搬システムと接続し得る。加えて、上記で論議されるように、サンプル管サイズおよび異なる製造業者からの機器が、従来の研究室システムでは制約となり得る。そのような従来の技術は、遅くて不正確である。本技術の実施形態は、より汎用の構成要素を使用することによって、ならびに大抵の研究室システムによって必要とされる機能を、(1)管理、(2)遠心分離機、(3)等分機、(4)出力/分別機、および(5)貯蔵ユニットの5つの基本機能ユニットにグループ化することによって、異なる研究室ユニットおよび輸送システム、サンプル管サイズ、および製造業者に適応することが可能であるモジュール研究室システムを提供する。これらの5つの基本機能ユニットを以下でさらに詳細に説明する。
【0019】
本発明の実施形態では、研究室システムは、中央コントローラまたはスケジューラを使用して、制御されたプロセスを操作する。知的スケジューラの制御下にサンプルを置くことによって、本システムは、全ての器具の効率的な使用法を提供する。本システムは、プロセスの制御を維持し、器具の準備ができており、利用可能であるときのみ、サンプルをそれらの器具に送達することによって、一貫した最小応答時間を維持し、システム全体のスループットを最大限化することができる。
【0020】
本発明の実施形態では、「サンプルコンテナ」は、任意の好適な形状または形態を有し得る。いくつかの実施形態では、サンプルコンテナは、約3:1より大きいアスペクト比を有し得るサンプル管の形態であり得る。そのようなサンプルコンテナは、プラスチック、ガラス等を含む任意の好適な材料で作製され得る。それらはさらに、閉鎖端および開放端、ならびにサンプル管本体の開放端を覆い、それに取り付くように構造化されるキャップを伴うサンプル管を含み得る。
【0021】
(I.全体的なシステム)
(A.研究室システムの段階)
図1は、患者サンプルを処理するための医学研究室システムの一実施形態を描写する。研究室システムは、関連付け段階102、分析前段階104、分析段階106、および分析後段階108に関連付けられる構成要素を含む。
【0022】
(1.関連付け段階)
関連付け段階102は、研究室システムにおける第1の段階である。この段階中に、患者情報、患者サンプルに対する要求された検査、および一意的な研究室識別子(例えば、バーコード)が、互いに関連付けられる。関連付け段階102を自動化することができる一方で、いくつかの実施形態では、関連付け段階は、手動で取り扱われる。例えば、いくつかの実施形態では、検査技師(以降では「ユーザ」と呼ばれる)が、優先順位をサンプルに割り当てることができる。サンプルは、ラックの中へ、または特定の進入点においてシステム上に直接荷積みされる。サンプルをいくつかの基本優先レベル(例えば、緊急または高優先順位、中間優先順位、低優先順位等)にグループ化することが、より一貫した応答時間を提供するために望ましくあり得るが、それは、必須ではない。患者サンプルを処理することは、ユーザによって定義される任意の優先順位に基づくことができる。しかしながら、優先順位が特定されない場合、応答時間を最小限化すること、スループットを最大限化すること、プロセスの利用可能性等の要因に基づいて、優先順位を割り当てることができる。
【0023】
(2.分析前段階)
分析前段階104は、分析のために患者サンプルを準備することを含む。分析前段階104中に、患者および試験情報が解読され、分析のためのプロセスが計画され、品質チェックが行われ、サンプルは、その成分構成要素に分離され(例えば、遠心分離され)得、サンプルは、並行分析プロセスのために分割され得、および/またはサンプルは、1つ以上の分析器および/またはラックに送達されることができる。分析前段階104は、研究室システム内の異なる器具および異なる分析器へのサンプルの流れを管理する。このプロセス管理は、本システムが、効率的に、かつ最小限の器具で動作することを可能にする。加えて、分析前段階104は、研究室システム内の異なる点における患者サンプルのバックアップがプロセスに沿って起こらないことを確実にし、またはバックアップが起こる場合、分析前段階104は、本システムの残りの部分に有意な影響を及ぼすことなく、迅速にバックアップを消去できることを確実にする。
【0024】
本システムの実施形態は、可能な限り迅速に患者サンプルを識別し、分析プロセスの一貫した最小応答時間および最大スループットを提供するように、各サンプルの最良スケジューリングを決定することができる。プロセスにおけるステップおよびこれらのステップの組織化は、患者サンプルのバックアップを回避するように設計されている。研究室システムのモジュールは、上流プロセスの最大スループットにおいてサンプルの処理を確保する、スループット速度で動作することができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、等分機ユニットにおいて、スループットは、上流におけるサンプルの導入によって、および各等分ステーションにおける短待ち行列によって管理され得る。
【0025】
図2は、分析前段階104に関連付けられる構成要素のより詳細な描写である。分析前段階104に関連付けられる構成要素は、入力モジュール202、分配領域204、遠心分離機206、キャップ除去機208、血清指数測定デバイス210、等分機212、および出力/分別機214等、7つのモジュールを含む。
【0026】
((a)入力モジュール)
図2に示される入力モジュール202は、種々の管、ラック、優先順位付け等に適応することができ、標本を受け取ることが可能である。管のラックおよび/または個々の管を、手動操作型引き出しおよび/または自動デバイスであり得る、いくつかのレーン216のうちの1つの上に荷積みすることができる。
図2では、5つのレーン216が描写される。しかしながら、研究室システムは、任意の数のレーン216を有することができる。レーン216は、ユーザによって割り当てられる優先順位に従って、優先順位を割り当てられる。いくつかの実施形態では、最高優先順位レーン(短応答時間または「STAT」)は、ユーザから個々の管の一群を受け入れるための固定位置を有し得る。管がSTATレーンの中に荷積みされると、処理される次の管になる。他のレーンには、任意の様式で異なる優先レベルを割り当てることができる。例えば、引き出しが手動で操作されるとき、1つの優先順位を引き出しのうちの少なくとも2つに、別の優先順位を少なくとも2つの他の引き出しに割り当てることにより、本システムが1つの引き出しに連続的に作用することを可能にし得る一方で、同一の優先順位の他の引き出しが、ユーザに利用可能である。
【0027】
いくつかの実施形態では、入力モジュール202がサンプルの引き出しを処理している間に、ユーザは、引き出しの上のライトまたは引き出しの上のロック等の指示を使用して、引き出しが開かれるべきではないことを知らされ得る。これは、プロセス完全性を維持し、スループットを最大限化するのに役立ち得る。処理が第1の引き出しで完了したとき、引き出しが利用可能であるとしてユーザに識別され得、本システムは、別の引き出しを自動的に処理し始め得る。加えて、入力モジュールグリッパ228を使用して、サンプルを入力モジュール202の引き出し216へ、およびそこから移送することができる。
【0028】
((b)分配領域モジュール)
図2の入力モジュール202内のレーン216から、分配領域グリッパ218(以下でさらに詳細に論議される)は、最高優先順位の管を選択し、それを分配領域204と呼ばれる固定行列に輸送し得る。分配領域204は、標本を研究室自動化システムの所望の構成要素に分配することが可能である。入力モジュールグリッパ228による、このモジュールへの移送中に、サンプルの成分構成要素のレベルが測定され、サンプル管の写真が撮られる。これらの写真は、管の製造業者、直径、高さ、キャップの色等を決定するように分析されることができる。この情報から、サンプルの構成要素の体積を計算することができ、全管重量の推定を行うことができる。この重量は後に、以下でさらに詳細に論議されるように、遠心分離機モジュール206の中の遠心分離機バケットの平衡を保つのに役立つために使用することができる。
【0029】
分配領域204が低優先順位の管で充填されないように保護するために、低優先順位入力レーンからこの領域の中へ荷積みされる管の数に制限を設定することができる。また、分配領域204は、STATサンプルが入力モジュール202の中のSTAT引き出しから分配領域204への連続アクセスを有することを確実にするように、予備領域を有し得る。
【0030】
分配領域204は、本システムが関連付け段階102の中のサンプル管に関連付けられる試験情報にアクセスし、本サンプルの分析プロセスを計画することを可能にする、保持領域であり得る。これは、本システムが、現在システム上にある他のサンプル管に対してサンプル管のプロセスを予定に入れることを可能にする。スケジューリングは、全体的なシステムにおいていかなるステップにも過度の負荷をかけることなく、優先順位に基づいてサンプルの効率的な処理を可能にし、応答時間およびスループットの最適化を可能にする。さらに、本システムの活動または利用可能性が変化するにつれて、プロセスの全体を通してサンプルのスケジュールを更新することができ、サンプルのリアルタイム能動制御を提供する。
【0031】
スケジュールが分配領域モジュール204によって計画されると、次いで、ロボットグリッパ218は、分配領域204内の管の優先順位に基づいて、次のモジュールに移送される次の管であるサンプル管を選択する。選択されたサンプル管は、分配領域モジュール204によって行われる分析に基づいて、分配領域204から運搬システム220へ、遠心分離機モジュール206へ、またはエラー領域222を伴う出力引き出しへ輸送される。
【0032】
サンプル管が遠心分離機モジュール206に移動させられている場合、遠心分離機ロータの適正な平衡を確保するように、前の重量推定に基づいて、管を適切な遠心分離機アダプタの中へ配置することができる。遠心分離機アダプタは、分配領域204から遠心分離機へシャトル上で管を搬送する構成要素であり、ロボットグリッパが、管を伴う遠心分離機アダプタを遠心分離機のバケットへ移送する。
【0033】
サンプル管が遠心分離を必要としないことを分配領域モジュール204が決定した場合、下流プロセスに過度の負荷をかけないように、分配領域ロボットグリッパ218は、スケジューラの指示で、キャリアに適正に整列されたバーコートラベルとともに、サンプルを運搬システム220上のキャリアの中へ配置する。運搬システム220およびキャリアについてのさらなる詳細を以下で論議する。キャリアとは、運搬システムの中に存在することができ、1つ以上のサンプルコンテナまたは管を搬送または輸送することができる、任意の好適なデバイスを指すことができる。例示的なキャリアは、コンテナまたは管を保持することができる陥凹を含み得る。問題がサンプルに存在する場合(例えば、量が少なすぎる、バーコードが判読不可能である、試験情報がダウンロードされていない等)、サンプル管はエラー領域222に移動させられ、ユーザに問題が通知される。
【0034】
((c)遠心分離機モジュール)
サンプル管は、サンプルの分析前にサンプルが遠心分離を必要とすることを分配領域モジュール204が決定する場合に、
図2の分配領域204から遠心分離機モジュール206へ移動させられ得る。サンプル管が分配領域204から遠心分離機モジュール206へ輸送されるとき、サンプル管は、分配領域ロボットグリッパ218によって分配領域204において遠心分離機アダプタの中へ荷積みされる。アダプタは、遠心分離のための複数の管サイズを位置付け、保持し得る。アダプタは、アダプタがサンプル管で充填されると、分配領域204と遠心分離機モジュール206との間で移動するシャトル224の中に位置する。アダプタは、サンプルコンテナを保持するデバイスであり得、遠心分離機で使用されることができる。そのようなアダプタは、サンプルが配置され得る1つ以上のコンテナの保持を可能にする形状を有する単一の部品として構築されるが、それに限定されない、ポリマー材料で一般的に構築される。場合によっては、アダプタは、遠心分離機ロータの上または中に据え付けられたデバイスに挿入される。サンプルを保持する実験器具(例えば、サンプルコンテナまたは管)が、アダプタに挿入される。
【0035】
アダプタの中のサンプル管が、シャトル224を介して分配領域204から遠心分離機モジュール206に到着したとき、アダプタは、利用可能な遠心分離機バケットの中へ荷積みされる。アダプタの構成は、遠心分離バケットへの送達および遠心分離バケットからの除去の単純化を可能にする。遠心分離機バケットの中へ荷積みされると、サンプルは、遠心分離されることができる。遠心分離機モジュール206は、サンプルの温度を維持するように冷蔵される1つ以上の遠心分離機を含み得る。
図2では、2つの遠心分離機206−1および206−2が描写されている。遠心分離機は、そこから分析器およびピペッタが最大量の流体を一貫して吸引することができる、安定した沈殿層を生じる、揺動遠心分離機バケットロータを使用する。遠心分離が完了すると、アダプタは、遠心分離バケットから除去され、荷下ろし領域の中に配置されることができる。次いで、サンプル管は、荷下ろし領域中でアダプタから除去され、次のモジュールへの輸送のために運搬システム220上のキャリアの中に配置される。
【0036】
分配モジュール204において管をアダプタの中へ荷積みし、シャトル224を介してアダプタの中の管を遠心分離機モジュール206へ送り、アダプタを遠心分離機バケットの中へ荷積みし、サンプルを遠心分離し、遠心分離機バケットからアダプタを荷下ろしし、アダプタから管を荷下ろしするためのタイミングは、プロセスが連続的であり、分配領域204から遠心分離機モジュール206に到着するとサンプルの連続遠心分離を可能にするようなものである。遠心分離機が回転サイクルを完了すると、分配領域204の中の最後の管が、分配領域グリッパ218によってアダプタの中へ荷積みされ、シャトル224は、アダプタを遠心分離機モジュール206の中の遠心分離機に移動させる。同時に、遠心分離機上の自動ドアが開き、ロータが出入口における定位置にインデックス移動(index)されると、バケットへのアクセスを提供する。遠心分離機モジュール206の中の遠心分離機モジュールグリッパ226は、すでにバケットの中にあるアダプタを除去し、管が運搬システム220上のキャリアへ荷下ろしされるであろう領域にそのアダプタを移動させる。次に、遠心分離機モジュールグリッパ226は、分配領域204からの管が最近荷積みされたアダプタを選択し、それを空のバケットの中へ置く。ロータが次のバケットにインデックス移動されている間に、シャトル224が分配領域204に戻ったときに、以前に空にされたアダプタが、分配領域204からの管を荷積みするためにシャトル224上の開放位置に移動させられる。
【0037】
最終アダプタが遠心分離機の中へ荷積みされた後、ドアが閉じて回転サイクルが始まる。アダプタシャトル224は、分配領域204に戻り、遠心分離機モジュールグリッパ226は、バケットから除去されたアダプタから運搬システム220上のキャリアの中へ管を荷下ろしし始める。管がアダプタからキャリアへ移動させられると、沈殿層の高さが測定され、各管上のバーコードがキャリアと整列させられる。不十分な血清または血漿が存在する場合、管は、出力モジュール214の中に位置するエラー領域に送られるであろう。
【0038】
スケジューリングアルゴリズムが、遠心分離機モジュール206からのサンプルによる分析器の過剰荷積みを予測する場合、遠心分離機モジュールグリッパ226は、サンプルを荷下ろしし、アダプタから運搬システムにサンプルを分配することができる。いくつかの実施形態では、遠心分離機の全サイクル時間は、例えば、360秒以上であり得る。最適なTATおよびスループットを確保するために、遠心分離機は、例えば、360秒の遠心分離サイクルについて180秒、非同時に維持される。いくつかの実施形態では、下流プロセスは、遠心分離機アダプタからのサンプルの荷下ろしを防止しない。アダプタの中の全ての残りのサンプルが、利用不可能なプロセスに向かい、利用不可能なプロセスに依存している場合、サンプル管は、遠心分離器具の中の緩衝器に移動させるか、またはシステムの中の他の場所の別の緩衝領域に移動させることができる。
【0039】
遠心分離機モジュール206は、遠心分離機コントローラによって制御される自動遠心分離機を含み得る。自動遠心分離機は、複数の遠心分離機バケットまたはレセプタクルを搭載することができ、各アダプタが複数のサンプル管を受け取る。遠心分離機は、スピンドル、ロータアセンブリ、コントローラ、蓋、および随意に蓋駆動部に連結されたモータを含む。遠心分離機コントローラは、管、アダプタ、またはバケットのいずれかの自動配置および除去のための選択された位置において、スピンドルにインデックス移動させるか、または停止させる。蓋は、閉鎖位置および開放位置を有し、蓋は、遠心分離機コントローラからの指示に応答して開閉する。
【0040】
いくつかの実施形態では、荷積みされたバケットが遠心分離機の中に配置される前に、平衡システムにおいてバケットの平衡を保たれることができる。遠心分離機モジュール206の含まれた部分であり得る平衡システムは、複数のバケットを受け取り保持するための地点を有する計器と、複数対のバケットにおいて重量を均等化するために増分重量変化を各保管場所と相関させながら、バケットの空洞の中にサンプル管を選択的に置くための平衡コントローラとを備えている。平衡コントローラは、中央コントローラ内の平衡プログラムとして実装することができる。平衡プログラムは、サンプルコンテナ重量のデータベースを維持する。コンテナの重量がサンプルの重量と組み合わせられたとき、平衡プログラムは、それを配置する最適なアダプタ空洞を決定し、それにより、許容度以内に均衡のとれたロータを維持することができる。サンプル重量は、密度推定値と、入力から最初に取り上げる間に得られる液面レベル測定およびコンテナ幾何学形状から計算されるサンプル体積との積である。いくつかの実施形態では、平衡システムはまた、バケット間の重量変動を制限するために、バケットの中にダミー荷重の供給を含み得る。ダミー荷重は、重量変動を各一対のバケットの部材間で、例えば、10グラム以下に限定するために重量が計測され得る。
【0041】
他の実施形態では、計器は使用される必要がない。例えば、いくつかの実施形態では、サンプルコンテナおよびサンプルの重量を推定することができ、均衡がとれたロータを確保するように、アダプタを自動的に荷積みすることができる。場合によっては、サンプル管の写真が撮られ得、サンプル管の中のサンプルの液面レベルを決定することができる。サンプルコンテナ(例えば、サンプルコンテナ重量)および決定された液面レベルについての情報を使用して、その中にサンプルを伴うサンプル管の重量を推定することができる。そのような実施形態では、有利には、計器が必要とされない。さらに、ダミー荷重も必要とされないこともある。
【0042】
遠心分離機コントローラは、ロータスピンドル速度および持続時間を含む、遠心分離機回転プロファイルを受信して記憶すること、アクセス位置へロータサンプルステーションをインデックス移動させること、サイクルプロファイルに従ってロータを回転させること、アクセス位置に所定のサンプルステーションを伴ってロータを停止させること等のいくつかの機能を果たすように動作し得る。
【0043】
((d)キャップ除去機モジュール)
図2のキャップ除去機モジュール208は、分析される前に運搬システム220上のキャリアの中のサンプル管からキャップを取り除くことが可能である。キャップ除去機システムは、サンプル管を拘持し、サンプル管からキャップを除去し得る。キャップ除去機モジュール208は、分配モジュール204および遠心分離機モジュール206の後に続く。(例えば、サンプルが分別のみを必要とし得る)キャップ除去を必要としないサンプル管については、運搬システム220上のキャリアは、キャップ除去機モジュール208を迂回するであろう。キャップ除去を必要とするサンプル管については、キャップ除去機モジュール208は、サンプル管からキャップを除去し、キャップ除去機モジュール208のデッキより下側の生体有害廃棄物処分コンテナの中にキャップを置き得る。生体有害廃棄物処分コンテナは、生体有害廃棄物からユーザを保護するように、除去可能かつ交換可能である。
【0044】
((e)血清指数モジュール)
図2の血清指数モジュール210は、サンプルの血清指数を測定することが可能である。典型的には、この機能は、分析段階106中に果たされる。しかしながら、場合によっては、ある研究室は、サンプルを分析器に送達する前に任意の品質問題に対処することを好み得る。したがって、血清指数モジュール210は、検査されるべきであるサンプルのこの品質管理オプションを提供する。血清指数測定を必要としないサンプルについては、サンプルは、血清指数モジュール210を迂回し得る。
【0045】
血清指数測定が、典型的には、サンプルへのアクセスを必要とするため、血清指数モジュール210は、キャップ除去機モジュール208の後の次のモジュールであり得る。キャップ除去機モジュール208と同様に、血清指数モジュール210は、このモジュールのデッキより下側に生体有害廃棄物処分コンテナを有し得る。コンテナは、生体有害廃棄物からユーザを保護するように、除去可能かつ交換可能であり得る。
【0046】
((f)等分機モジュール)
図2の等分機モジュール212は、
図3でさらに詳細に描写されている。等分機モジュール212は、いくつの管が分析に必要とされるかに応じて、サンプル管304の中の一次サンプルを複数の二次サンプル管306に分割する。このモジュールは、一次サンプル管304の中のサンプルを二次サンプル管306のためのサンプルアリコートに分割するための1つ以上のピペッタ302を含み得る。
【0047】
示されるように、一次および二次サンプル管304、306は、除去し、および/または運搬システム220に導入することができるように、それぞれの回転可能な車輪の上にあり得る。ピペッタ302は、一次および二次サンプル管304、306を含むそれぞれの複数対の隣接する回転可能な車輪の間にあり得る。示されるように、等分機モジュールの構成要素の構成は、一次サンプル管304が等分機モジュールを離れる前に、サンプルアリコートを含む二次サンプル管306が、運搬システム220を介して等分機モジュールを離れることができるようなものである。
【0048】
等分機モジュール212はさらに、患者および試験情報を特定するバーコートラベルによる二次サンプル管306のラベル付けを促進する。バーコードラベルは、二次管準備ユニット(STPU)と呼ばれるデバイスの中において等分機モジュール212のデッキより下側で二次サンプル管306に取り付けられる。STPUは、1つ以上のピペッタ用のラベル付けされた管を生産することができる。新しい二次サンプル管は、ラックで等分機モジュール212に送達され、等分機モジュール212より下側の引き出しの中へ荷積みされることができる。ラベルは、ロール上で送達され、管に取り付ける前に等分機モジュール212のデッキより下側で印刷される。
【0049】
患者サンプルの汚染を最小限化するために、ピペッタ302は、使い捨て先端308を使用する。これらの先端は、デッキ上の引き出しの中へ荷積みされるラックの中に到着する。ピペッタ302は、これらのラックから使い捨て先端を荷積みし、一次管304からサンプルを吸引し310、サンプルを1つ以上の二次管306および/またはマイクロタイタープレート312の中へ分注する314。一実施形態では、先端は、特定の量(例えば、1ミリリットル)のサンプルに限定され得る。そのような場合において、特定の量を超える分注容量は、複数の吸引を必要とし得る。ピペット操作がサンプルについて終了すると、先端を廃棄物コンテナ320の中に配置することができる。
【0050】
吸引310および分注314中に管を管理するために、一次304および二次306管は、運搬システム220の移動レーンから除去され、補足レーンの上で列に入れられる。等分機モジュール212が、他のモジュールよりも遅い速度で動作し得るので、待ち行列は、システムの残りの部分への等分の影響を最小限化する。待ち行列プロセスは、運搬システム220に応じて変化し得るが、この実施形態では、一次管304を伴うキャリアが待ち行列車輪へ移送される。二次管306用の空のキャリアが、一次管304に隣接する別個の待ち行列車輪へ移送される。ラベル付けされた二次管306は、空のキャリアと整列するように回転するリフト318によって、デッキより下側から空のキャリアの中へ荷積みされる316。STPUは、バーコードがキャリアと適正に整列させられることを確実にするように、正しい配向で管をリフト318へ移送する。1つよりも多くのピペッタを有する等分機モジュール212の場合、リフト318は、キャリア(回転可能な車輪)の中に管を配置するように反対方向に回転する。
【0051】
((g)出力/分別機モジュール)
出力/分別機モジュール214は、引き出しまたは仕切りの中に位置するラックへ、および/またはラックから管を移送する。出力/分別機モジュール214はまた、分析前段階104の出力を取り扱うための構成要素として機能することもでき、また、サンプルが受ける分析の種類に基づいて管を分別するための分別機として機能することもできる。出力/分別機モジュール214は、管のラックを荷積みおよび/または荷下ろしする領域を含む。加えて、出力/分別機モジュール214上の引き出しのうちのいくつかが、入力として特定され、いくつかが、出力として特定され得る。分別機モードでは、単一のロボットグリッパを伴うユニットは、入力引き出しから管を選択し、バーコードを読み取り、成分サンプル構成要素の高さを測定し、管の写真を撮り、その製造業者、直径、高さ、およびキャップの色を記録するためにデータを分析する。研究室情報システム(LIS)から受信された情報に基づいて、グリッパは、適宜、バーコードを整列させながら、正しいラックの中に管を置く。エラー条件が識別された場合、管は、エラーラックの中に配置される。
【0052】
(3.分析段階)
図1および2(a)を再び参照すると、分析段階106は、サンプルを処理して結果を生成するために必要とされる実際の測定を行うことを含む。この段階は、典型的には、主に1つ以上の分析器具または分析器から成る。分析器具または分析器は、当技術分野で公知である任意の分析器具または分析器であり得る。典型的には、分析器は、標本に1種類以上の分析を選択的に行うための機構を備え得る。中央コントローラが、標本にどのような分析を行うかに関して分析器コントローラに指示することができるように、分析器のコントローラは、中央コントローラと通信している。各分析器のコントローラはまた、分析結果を中央コントローラのメモリに通信し得る。
【0053】
運搬システム220を介して一緒に接続された分析前104、分析1106、および分析後108段階に関連付けられる構成要素を有する研究室システムについては、サンプルは、出力/分別機モジュール214を過ぎて分析器の上へ移動し得る。キャリアが、その特定のサンプルのための目的分析器に到着したとき、キャリアは、主要移動レーンを離れ、運搬システム220への分析器のアクセス点の上流に待ち行列を形成する。管が依然として分配領域204の中にある間にスケジューラによって行われた計画により、ならびに分配204および遠心分離機206モジュールによる管の制御された解放により、待ち行列の長さは最小限である。
【0054】
(4.分析後段階)
研究室プロセスの最終段階は、分析後段階108である。この段階では、サンプルは、貯蔵のために準備され、貯蔵される。サンプルが必要とされる検査および分析を完了すると、サンプルはキャップを付けられて、貯蔵場所の中へ配置される。これは、サンプルおよび研究室プロセスに応じて、周囲蔵場所または冷蔵貯蔵場所のいずれかであり得る。また、接続された分析器を有するシステムを用いるユーザは、いくつかのサンプルについては、接続された低温貯蔵場所を、他のサンプルについては、オフラインの周囲貯蔵場所を所望し得る。しかしながら、接続されていない分析器を用いるユーザは、サンプルの全てをオフラインで貯蔵する可能性が高いであろう。
【0055】
(II.種々のサンプル輸送システム用の等分モジュール)
上記で論議されるように、等分機モジュールは、研究室自動化システムにおける一次管から二次管へのサンプルアリコートの準備で使用される。サンプルアリコートの準備のための等分プロセス中に、流体サンプルを含む一次サンプル管が吸引位置で提供される。空の二次サンプル管が、分注位置で提供される。可動ロボットアームに取り付けられ得るピペッタが、流体サンプルのアリコート体積を吸引するために使用される。次いで、吸引された体積は、ロボットアームの使用によって分注位置へ移送され、吸引された体積は、空の二次管の中に分注される。このプロセスは、より多くのサンプルアリコートが必要とされる場合に、追加の空の二次管について繰り返すことができる。
【0056】
本技術の等分機モジュールは、研究室自動化システムサンプルコンテナ取り扱いユニットの移動方向に対して、一次管の前に局在する二次管の待ち行列を可能にする。つまり、二次管は、流体サンプルの等分が追加の二次管について完了することを待つ必要なく、そのサンプルが二次管の中に分注されるとすぐに、等分機モジュールから離れ得る。
【0057】
分注ステップの直後に二次管を分注位置から解放することができ、かつ研究室自動化システムの中の指定標的位置へ直接移送することができる一方で、さらなるアリコートを生じることができるので、等分機モジュールの構成が有利である。加えて、任意の数の二次サンプル管を、提供された一次管から連続的に生成することができる。これは、研究室自動化システムにおけるサンプルの応答時間を短縮し、輸送システムおよび後続のプロセスステップの均質な最適化された負荷を生成する。
【0058】
以下で説明される、いくつかの具体的実施形態は、キャリアの実施例として「パック」を参照する。本発明の実施形態は、パックに限定されないが、本発明の実施形態によるキャリアは、任意の好適な形態であり得ることを理解されたい。
【0059】
図4は、本発明の実施形態による、アリコートモジュールを操作する方法を図示することができる、フローチャートを示す。本発明の実施形態は、
図4に示される具体的なステップに限定されないこと、または任意の特定のステップ順序に限定されないことを理解されたい。さらに、コンピュータの中のコンピュータ読み取り可能な媒体は、
図4内の、または本願で説明される、ステップのうちのいずれかを実行するようにコンピュータの中のプロセッサによって実行可能である、コードを備え得る。
【0060】
ステップ4470では、一次管が等分機モジュールの中の吸引位置へ輸送される。いくつかの実施形態では、一次管は、第1のパックの中で吸引位置へ輸送される。一次管は、進路上のパック、磁気パック、グリッパユニット等を含む、任意の好適な輸送システムを使用して、吸引位置へ輸送され得る。
【0061】
ステップ4472では、一次管が吸引位置へ輸送される前または後に、二次サンプル管が第2のパックの中へ荷積みされる。次いで、二次サンプル管を伴うパックが、等分機モジュールの中の分注位置へ輸送される(ステップ4474)。
【0062】
ステップ4476では、吸引位置に位置する一次管の中のサンプルのアリコート体積が、ピペッタによって吸引される。サンプルのアリコート体積は、等分機モジュールの中の分注位置に位置する二次サンプル管の中に分注される(ステップ4478)。
【0063】
ステップ4480では、次いで、一次サンプル管が等分機モジュールから離れる前または後に、第2のパックの中の二次サンプル管が、等分機モジュールから離れる(ステップ4484)。
【0064】
追加のサンプルアリコートが、ステップ4472から4484と同様に、一次管から採取され、他の二次管の中へ分注され得る。
【0065】
本発明の一実施形態は、二次サンプルコンテナを輸送するように構成されている第1のループ、および一次サンプルコンテナを輸送するように構成されている第2のループを備えている複数のループを備えている進路と、吸引位置に位置する一次サンプルコンテナの中のサンプルの第1のアリコート体積を吸引し、分注位置に位置する二次サンプルコンテナの中にサンプルの第1のアリコート体積を分注するように構成されるピペッタとを備えている等分機モジュールを対象とする。等分機モジュールは、一次サンプルコンテナの前に二次サンプルコンテナを等分機モジュールから離れさせるように構成される。
【0066】
一実施形態では、等分機モジュールは、磁気輸送システムを利用することができる。
図5(a)は、磁気輸送システムを使用した等分機モジュールのワークフローの実施例を描写する。
【0067】
図5(a)で示される等分機モジュールは、第1のループ4516(a)と、第2のループ4516(b)と、第1および第2のループ4516(a)、4516(b)の両方に含まれる共通進路部分4516(c)とを含む進路4516を備えている。進路システムは、いくつかのパックの中の磁気要素と相互作用する磁気要素を備え得る。パックは、標準コンベヤよりも速い、最大で毎秒2メートルの範囲内の速度で移動することができる。そのような進路は、Magnemotion
TMという商標の下で市販されている。
【0068】
図5(a)は、等分機モジュールの中のいくつかのパックを示す。それらは、空のパック4502、一次管を伴うパック4504、および二次管を伴うパック4506を含む。一次管からのサンプルの適切なアリコートで充填された二次管を伴うパック4508も示されている。示されるように、種々のパックは、ループ4516(a)、4516(b)の周囲で時計回りに進むことができ、直線状進路4511を介して等分機モジュールから退出し得る。他の実施形態では、パックは、反時計回り方向に移動することができる。
【0069】
等分モジュールを操作する例示的な方法では、一次管4504が、等分のために主要進路上で本システムによって識別され、ループ4516(a)、4516(b)の合流点に隣接して、第2のループ4516(b)に近接する等分機の吸引点(A)に方向付けられる。空のパック4502は、ループ4516(a)に近接する二次管(B)のための等分機の荷積み点へ、一次管の後ろで本システムによって送られる。二次管は、ラベル付けされ、二次管(B)のための等分機の荷積み点において空のパック4506の中へ荷積みされ、分注点(C)に方向付けられる。次いで、サンプルは、(A)で一次管4504から吸引され、第1のループ4516(a)に近接する点(C)でパック4506の中の二次管の中へ分注される。点(A)および(C)におけるバーコード読み取り機(図示せず)は、点(A)および(C)においてサンプル管上のバーコードを読み取ることによって、正しい関連を検証する。二次管が完了したとき4508、直線状進路4511に進入することによって、その次の目的地へ解放され、次の二次管が分注点(C)に移動する。
【0070】
次いで、本プロセスは、本システムがさらに、空のパックを等分機モジュールへ経路指定する場合、任意の数の追加の二次管について完了することができる。最後の二次管が終了したとき、最後の二次管および一次管の両方が、スケジューラに従って、それらの次の目的地へ解放され、後続の二次および一次管は、それぞれ、分注(C)および吸引点(A)に移動させられる。次いで、本プロセスは、後続の二次および一次管について完了することができる。
【0071】
ループ状進路構成は、いくつかの利点を有する。それらは、等分機モジュールの中の吸引および分注点にパックを連続的かつ効率的に送給し、それにより、より速い処理をもたらす能力を含む。
【0072】
本発明の別の実施形態は、第1の進路と、第2の進路と、輸送路と、輸送路および第1の進路または第2の進路に近接する回転可能なゲートウェイデバイスと、第1の進路に近接する吸引位置に位置する一次サンプルコンテナの中のサンプルの第1のアリコート体積を吸引し、第2の進路に近接する分注位置に位置する二次サンプルコンテナの中にサンプルの第1のアリコート体積を分注するように構成されているピペッタとを備えている等分機モジュールを備えているシステムを対象とする。
【0073】
別の実施形態では、等分機モジュールは、上記で説明されるようにコンベヤ輸送システムとともに利用される。
図5(b)は、コンベヤ輸送システムを使用した等分機モジュールのワークフローの実施例を描写する。等分機モジュールは、一次管を伴うパック4522、ならびにサンプルアリコートを有する二次管を伴うパック4528を輸送することができるコンベヤ4588を備えている。本システムはまた、空のパック4524を伴うレーンまたはコンベヤを備え得る。
【0074】
いくつかの円形進路が、等分機モジュールの中に存在し得る。そのような進路は、一次サンプル管を伴うパックを輸送するための第1の円形進路4525と、空であるパック4524、空の二次管を伴うパック4526、およびサンプルアリコートを有する二次管を伴うパック4528のための第2の円形進路4527とを備え得る。進路4525および4527は、
図5(b)では円形であるが、任意の他の構成を伴う進路を使用することができる。場合によっては、進路は、無限ループ(例えば、円、卵形等)の形態であり得る。
【0075】
第1の円形進路4525の領域中で、バーコード読み取り機4523が、進路4525に隣接する吸引点(A)においてサンプル管上のバーコードを読み取るように存在し得る。パックマニピュレータ4584もまた、吸引点(A)においてパックの移動を制御するように、吸引点Aに存在し得る。
【0076】
第2の円形進路4527の領域中で、第1のバーコード読み取り機4568およびパックマニピュレータ4566が、二次管のための荷積み点(B)(進路4527に隣接する)において二次管上のバーコードを読み取るように存在し得る。また、第2の円形進路4527の領域中で、第2のバーコード読み取り機4529および第2のパックマニピュレータ4574が、進路4527に隣接する分注点(C)に存在し得る。パックマニピュレータ4523、4566、4574は、パックの中のサンプル管に動作を行う(例えば、吸引または分注する、またはサンプル管上のバーコードを読み取る)ことができるように、パックが停止または通過することを可能にする、枢動角度構造の形態であり得る。
【0077】
図5(b)に示される種々の進路は、FlexLink
TMという商標の下で販売されているコンベヤシステムを含む、任意の好適な輸送技術を利用し得る。コンベヤシステムは、直線、水平、および垂直に走る能力を与える、密接して嵌合するマルチフレックスプラスチックチェーンコンベヤに基づく。
【0078】
第1の回転可能なゲートウェイデバイス4530が、直線状進路4588および第1の円形進路4525に隣接し得る。第1の回転可能なゲートウェイデバイス4530は、その凹面4530(a)がパックの円形の縁を受け取り得るように、略三日月形を有し得る。第1の回転可能なゲートウェイデバイス4530は、直線状進路4588からパックを受け取り得、かつそれを第1の円形進路4525に方向付け得る。第1の回転可能なゲートウェイデバイス4530はまた、第1の円形進路4525からパックを受け取り得、かつそれを直線状進路4588に方向付け得る。第2の回転可能なゲートウェイデバイス4532もまた、凹面4532(a)を有し得、かつ同様に動作し、パックが第2の円形進路4527から直線状進路4588へ、またはその逆も同様に移行されることを可能にし得る。
【0079】
本発明の実施形態による回転可能なゲートウェイデバイスは、いくつかの利点を有する。グリッパと比較して、例えば、回転可能なゲートウェイデバイスは、あまり複雑ではなく、より少ない空間を占める。さらに、略三日月形の回転可能なゲートウェイデバイスは、パックが1つの進路から別の進路へ輸送される場合、パックに一時的にしっかりと係合するように、パックとともに協調的に構造化することができる。
【0080】
動作中、一次管4522は、等分のために主要進路4558上で本システムによって識別され、第1の円形進路4525に近接し得る、等分機の吸引点(A)に方向付けられる。第1の回転可能なゲートウェイデバイス4530は、一次管を伴うパック4522を受け取り、回転し、それを第1の円形進路4525に方向付け得る。空のパック4524は、一次管を伴うパックの後ろで主要進路4588に沿って、第2の円形進路4527に近接し得る二次管(B)のための等分の荷積み点へ本システムによって送られる。無限量の空のパックを任意の一次管に送ることができる。二次管は、ラベル付けされ、二次管のための等分機の荷積み点(B)において空のパック4526の中へ荷積みされ、第2の円形進路4527に近接する分注点(C)に方向付けられる。サンプルは、点(A)で一次管から吸引され、点(C)で二次管の中へ分注される。点(A)および(C)におけるバーコード読み取り機4523、4529は、正しい関連を検証する。二次管の中へのサンプルの等分が完了したとき4528、その次の目的地へ解放され、次の二次管が分注点(C)に移動する。第2の回転可能なゲートウェイデバイス4532は、第2の円形進路4527から、サンプルアリコート4528がある二次管を伴うパックを受け取り得、かつそれを直線状進路4558へ移行させ得、それによって等分ユニットから離れる。
【0081】
次いで、本プロセスは、本システムがさらに空のパックを等分機モジュールへ経路指定する場合に、任意の数の追加の二次管について完了することができる。最後の二次管が終了したとき、最後の二次管および一次管の両方が、それらの次の目的地へ解放され、後続の二次および一次管は、それぞれ、分注(C)および吸引点(A)に移動する。次いで、本プロセスは、後続の二次および一次管について完了することができる。
【0082】
図5(c)は、本発明の別の実施形態を示す。
図5(c)の等分機モジュールは、直線状輸送レーン4582を備えている。
図5(b)の実施形態のように、本システムは、第1および第2の円形進路4572、4575を備えている。
【0083】
パック4570の中のいくつかの一次サンプルコンテナが、第1の円形進路4572の上にあり得、パック4576の中のいくつかの二次サンプルコンテナが、第2の円形進路4575の上にあり得る。パックは、進路の周囲で時計回り方向に移動し得る。
【0084】
棒の形態の第1の回転可能なゲートウェイデバイス4580は、第1の円形進路4572に隣接し、直線状輸送レーン4582と第1の円形進路4572との間にパックを方向付けることができる。第1の回転可能なゲートウェイデバイス4580は、第1の位置4580(a)、第2の位置4580(b)、および第3の位置4580(c)を含み得る。第1および第3の位置4580(a)、4580(c)は、方向転換位置であり得る。第1の円形進路4572から直線状輸送レーン4582へパック4570を移動させるために、パック4570が、パックマニピュレータ(図示せず)によって保持される一方で、回転可能なゲートウェイデバイス4580は、その第1の位置4580(a)に移動させられる。パック4570は、パックマニピュレータから解放され、その第1の位置4580(a)で回転可能なゲートウェイデバイス4580によって方向転換させられることにより、第1の円形進路457によって直線状輸送レーン4582に移動させられる。直線状輸送レーン4582から第1の円形進路4572へパック4570を移送するために、回転可能なゲートウェイデバイス4580は、パック4570が方向転換位置に到着する前に、その第3の位置4580(c)に移動させられる。パック4570が方向転換位置に到着するとすぐに、パック4570は、直線状輸送レーン4582から第1の円形進路4572へ、その第3の位置4580(c)で回転可能なゲートウェイデバイス4580によって方向転換させられる。第2の回転可能なゲートウェイデバイス4585は、第2の円形進路4575に隣接して位置付けられ、第1の回転可能なゲートウェイデバイス4580と同様に動作することができる。
【0085】
図5(b)に示される実施例のように、
図5(c)のシステムは、吸引が行われる点(A)と、パックの中への二次サンプルコンテナの荷積みが行われる点(B)と、一次サンプルコンテナから二次サンプルコンテナへのサンプルアリコートの分注が行われる点(C)とを含む。
図5(c)はまた、吸引点(A)と分注点(C)との間を移動することができるピペッタ4567も示す。
【0086】
本発明の別の実施形態は、吸引位置に位置する第1の独立して移動可能なパック内の一次サンプルコンテナの中のサンプルの第1のアリコート体積を吸引し、分注位置に位置する第2の独立して移動可能なパック内の二次サンプルコンテナの中にサンプルの第1のアリコート体積を分注するように構成されているピペッタを備えている、等分機モジュールを備えているシステムを対象とする。等分機モジュールは、一次サンプルコンテナの前に二次サンプルコンテナを等分機モジュールから離れさせるように構成される。
【0087】
図5(d)は、本発明の実施形態による、別の等分モジュールを示す。等分ステーションの一部である、2つの平行壁によって形成される、3つの直線状の平行レーン4592、4594、4596がある。主要輸送レーン4590は、レーン4592、4594、4596と垂直である。3つのレーンの端部における解放領域4598は、パックが3つのレーン4592、4594、4596の間を通過し、最終的に等分機モジュールから退出することを可能にする。
【0088】
動作中に、一次管4542は、等分のために主要進路上で本システムによって識別され、進路4594に近接する等分機の吸引点(A)に方向付けられる。空のパック4544は、進路4592に近接する二次管のための等分機の荷積み点(B)へ、一次管の後ろで本システムによって送られる。無限量を任意の一次管に送ることができる。二次管は、ラベル付けされ、二次管のための等分機の荷積み点(B)において空のパック4546の中へ荷積みされ、解放領域4598への入口で進路4592に近接する分注点(C)に方向付けられる。サンプルは、(A)で一次管から吸引され、点(C)で二次管の中へ分注される。点(A)および(C)におけるバーコード読み取り機は、正しい関連を検証する。二次管が完了したとき4548、その次の目的地へ解放され、次の二次管が分注点(C)に移動する。
【0089】
次いで、本プロセスは、本システムがさらに空のパックを等分機モジュールへ経路指定する場合に、任意の数の追加の二次管について完了することができる。最後の二次管が終了したとき、最後の二次管および一次管の両方が、それらの次の目的地へ解放され、後続の二次および一次管は、それぞれ、分注(C)および吸引点(A)に移動する。次いで、本プロセスは、後続の二次および一次管について完了することができる。
【0090】
図5(d)の実施形態で使用されるパックは、互いに独立して移動することができ、各々、各自のプロセッサ、メモリ、および通信インターフェースを含み得る。いくつかの実施形態では、パックは、無線通信機構を使用して、中央制御システムと通信し得る。この種類の輸送システムおよび他の好適な輸送システムに関するさらなる詳細は、あらゆる目的でそれらの全体において参照することにより全て本明細書に組み込まれる、米国仮特許出願第61/556,667号、第61/616,994号、第61/486,126号、およびPCT出願第PCT/US2012/037585号で見出すことができる。好適なパック輸送システムに関するさらなる詳細も、以下で提供される。場合によっては、パックは、概して「研究所製品輸送要素」と呼ばれ得る。
【0091】
パック輸送システムは、個々のサンプル管を輸送するための自律誘導機である。現在のチェーンまたはベルト駆動型輸送システムは、進路セグメント全体の速度を制御することしかできない。たとえ異なるまたは均等な調整可能速度を伴うチェーンを有することが可能であっても、各自の速度で各個々の進路を移動することは困難であり得る。換言すれば、最低速度または最低加速度/減速度を伴うパック輸送システムが、セグメント全体を規定するであろう。
【0092】
本技術のパック輸送システムは、自走式サンプル輸送ユニットである輸送システムを提供する。パック輸送システムは、必要な運動パラメータを使用してサンプルを移動させることができ、かつ互から独立してそうすることができる。パック輸送システムは、各サンプルを最大速度で輸送することができるので、敏感なサンプルのサンプルの質を犠牲にするか、またはそれを危険にさらす必要なく、異なるサンプル管の様々な状態(例えば、正常対緊急)でさえも、スループットを最大限化することによって効率を向上させる。加えて、パック輸送システムは、中央コントローラまたはローカル交差点コントローラによって管理され得る。
【0093】
図6は、パック輸送システムを利用した研究室輸送システムの移送経路配列の変形例の斜視部分図を示す。移送経路2710は、とりわけ、側面制限2712および平坦な水平ウェブ2713が可視的である。この実施例では、側面制限2712は、移送経路2710を少なくとも部分的に画定することができる、隆起壁の形態であり得る。この実施形態では、平坦な水平ウェブ2713の両横側に2つの隆起壁があり、壁およびウェブ2713は、移送経路2710を画定することができる。そのような壁は、研究所製品輸送要素の高さおよびその中で搬送されているサンプルに応じて、任意の好適な高さ、典型的には、約20mmを超えない高さであり得る。さらに、ウェブ2713は、任意の好適な横寸法であり得る。
【0094】
本技術の実施形態による移送経路はまた、他の領域に至り得る、1つ以上の分岐を有することもできる。例えば、
図6の移送経路2710は、分離処理ステーション、緩衝ステーション、または何らかの他のステーションに至る、横分岐2716を有することができる。
【0095】
研究室輸送システムは、研究所製品輸送要素を誘導するか、または移動させるのに役立つことができる、任意の好適な数または種類のデバイスを使用することができる。
図6に示されるように、誘導導体2714を移送経路2710の下に配列することができる。誘導導体2714は、高周波交流電磁場を生成するために、高い周波数を供給されることができるように、高周波電圧源(図示せず)に電気的に連結されることができる。
【0096】
サンプルコンテナ2750(例えば、サンプル管)を輸送する研究所製品輸送要素2730は、移送経路2710上を移動することができる。しかしながら、研究所製品輸送要素2730は、例えば、サンプルコンテナ2750の中に含まれたサンプル材料の光学的調査を実行することができるように、定義された様式で連続して処理進路2718へ移送されることができる。
【0097】
研究所製品輸送要素2730の特に可能性の高い経路に沿って、導電体2714を提供することができる。しかしながら、研究所製品輸送要素2730は、独立して移動することができるので、それらは、導体2714によって規定される幾何学形状に拘束されない。研究所製品輸送要素2730の移動は、輸送要素2730の場所で導体2714を用いて生成される高周波電磁場が、対応するエネルギー伝送のために十分であるか、または研究所製品輸送要素2730がブリッジングのためのエネルギーアキュムレータ4044を有する限り、導体2714に依存していない。
【0098】
サンプルコンテナ2750は、任意の好適な形状または構成を有し得る。いくつかの実施形態では、サンプルコンテナ2750は、管の形態であり得る。場合によっては、カバー2752が、サンプルコンテナの上にあり得る一方で、他のサンプルコンテナは、それらの上にカバーを持たず、開いた状態で輸送される。
【0099】
図7は、本技術の実施形態による、研究所製品輸送要素2730の側面斜視図を示す。研究所製品輸送要素2730は、同様に円筒形であり得る、筐体2731の最上部に形成される円筒形の陥凹2733を有し得る、研究所製品輸送要素筐体2731を備えている。その上にカバー2752を伴うサンプルコンテナ2750は、円筒形の陥凹2733の中で受け取られ得る。スリットが、筐体2732の側面に形成され得る。スリット2731は、サンプルコンテナ2750の中に含まれるサンプル材料の光学的調査を可能にすることができ、陥凹2733と同一の広がりをもち得る。他の実施形態では、スリット2732は、陥凹2733と同一の広がりをもつ必要はなく、陥凹2733から独立して形成され得る。さらに、他の実施形態では、スリット2732は、何らかの他の形態(例えば、円)である開口であり得る。
【0100】
この実施例では、研究所製品輸送要素2730は、丸い水平断面を有し、移送経路2710または他の研究所製品輸送要素2730の制限2712に対する衝撃保護としての機能を果たす、ゴム細片2734を有する。
【0101】
図8は、
図7に示される視認方向IIIで研究所製品輸送要素2730の側断面図を示す。参照番号2736は、ゴム車輪またはゴムタイヤ付き車輪2738を駆動する、電気モータを表す。各々が1つの電気モータ2736によって個々に駆動される、2つの反対車輪2738が提供される。車輪2730は、移動デバイスの実施例であり得る。
【0102】
段部2735が
図8に示され、段部2735は。移送経路2710の制限2712の随意的に存在する側面突起で狭く構成される移送経路チャネルの中で協働することができ、例えば、サンプルコンテナ2750が陥凹2733から上向きに引き出されたときに、研究所製品輸送要素2730を押し下げる。
図8で図示される段部2735の使用は、「細密な位置付けおよび取り出し」という節でさらに詳細に説明することができる。いくつかの実施形態では、研究所製品輸送要素(図に示されていない)は、アンカ様要素を有することができる。アンカ様要素は、処理ステーションにとどまっている間に研究所製品輸送要素を固定するために、処理ステーションに進入すると移送経路の対応する噛合部品の中に係合する。
【0103】
研究所製品輸送要素2730はまた、距離センサ2737を備え得る。
図82では、距離センサ2737は、互に対してある角度でゴム細片2734の後ろに配列される、4つの距離センサを含み得る。1つの好ましい実施形態は、10°から30°の間、より好ましい実施形態では20°の互に対する角度関係で、前方に対面するセンサの全てを有することである。
【0104】
図9は、本技術の実施形態による、研究所製品輸送要素2730の底面斜視図を示す。誘導コイル2740は、移送経路の下の導電体2714から生成されることができる高周波電磁場から電磁エネルギーを受け取る働きをする。
【0105】
いくつかの実施形態では、研究所製品輸送要素2730がいくつかの車輪で転がるように、被駆動型ゴム車輪2738に加えて、1つ以上の支持車輪が提供されることが可能である。しかしながら、他の実施形態では、移動中に、研究所製品輸送要素の片側で引きずる状態のままになることができるように、いかなる追加の車輪も提供されない。これは、曲線状移動または各自の軸の周囲での回転を促進することができる。
【0106】
本技術の別の実施形態(図示せず)では、研究所製品輸送要素2730は、移送経路上で引きずることを回避するために、2つの被駆動型車輪2738にオフセットされて配列される、全ての方向に回転可能なボールの上で支持される。そのようなボールはまた、コンピュータマウスのように、位置検出のためにも使用することができる。
【0107】
図9に示される実施形態では、参照番号2742は、レーザ光を使用するコンピュータマウスのように、研究所製品輸送要素2730の移動を決定する位置検出器を表す。次いで、移動した表面は、対応する画像処理アルゴリズムを用いて、それらからの研究所製品輸送要素2730の移動を決定するために、組み込まれた光源および光センサで取り込まれた反射によって照射される。位置検出器2742は、CCDカメラおよび対応するソフトウェア、レーザマウスのようなレーザ、またはボール型マウスのようなボールおよびセンサを含むことができる。
【0108】
図10は、外側保護がない研究所製品輸送要素2730を示す。つまり、研究所製品輸送要素2730の内部要素を示すように筐体を除去することができる。
図10に示されるように、研究所製品輸送要素は、バッテリ2744を含み得る。バッテリ2744は、
図10に示される導電体2714の高周波電磁場によって生成され、
図9で見られるように誘導コイル2740へ伝達されるエネルギーが、過剰に制限されるか、または無効にされて、研究所製品輸送要素2730を駆動できない場合があるときに、研究所製品輸送要素2730を駆動するためにエネルギーを貯蔵する働きをする。これは、例えば、曲線または通過ゾーンの場合であり得る。
【0109】
研究所製品輸送要素2730はまた、制御ユニット(図示せず)、例えば、信号受信機(同様に図示せず)から信号を受信する、対応するマイクロプロセッサも備えている。信号受信機は、制御信号を受信するために、外部赤外光伝送機と協働する、赤外光受信機を含み得る。信号受信機の他の実施例は、無線センサを含み得る。
【0110】
しかしながら、制御信号はまた、対応する信号が、
図6で見られる導電体2714に供給されるときに、
図9で見られる誘導コイル2740を介して受信することもできる。そのような制御信号は、対応する周波数または振幅変調によってエネルギーを提供する高周波電磁場と区別されることができる。
【0111】
研究所製品輸送要素2730はまた、随意に、情報および信号を生成するために、図示されていない信号伝送機を有し得る。これは、例えば、個々の選択された研究所製品輸送要素2730の正確な局所化を可能にする。信号伝送機は、任意の好適な周波数および任意の好適な通信プロトコルを使用して、信号を伝送し得る。
【0112】
研究所製品輸送要素2730はまた、いくつかのセンサを有することもでき、それを用いて、処理ステーションにおける位置認識および細密な位置付け、進行路制限または他の研究所製品輸送要素の認識、または情報交換が可能である。例えば、側面制限2712または平坦な水平ウェブ2713のいずれか一方の上で、明確に識別可能なバーコードが、
図6に示される移送経路2710に提供されることができる。バーコードは、分岐の正確な位置または処理ステーションの正確な位置を認識するために、スキャナとして構成される1つ以上のセンサを伴う研究所製品輸送要素2730によって走査されることができる。移送経路2710の切り抜きを用いて、実施例が
図11に示されている。研究所製品輸送要素の対応するスキャナによって認識および識別することができる、バーコード2760が、分岐2716に位置する。このようにして、研究所製品輸送要素は、その位置に関する情報を得る。分岐、処理進路、処理ステーション等を明確に識別する、いくつかのそのようなコードが、移送経路2710に提供されることができる。
【0113】
そのような配向特徴の他の可能性は、2Dコード、カラーマーク、反射フィルム、トランスポンダシステム、または赤外光伝送機を含む。そのような配向特徴を感知することが可能である好適なセンサを、研究所製品輸送要素に組み込むことができる。
【0114】
研究所製品輸送要素2730は、表示ユニットを有することができる。これは、研究所製品輸送要素がどの経路を取っているか、どの研究室製品が輸送されているか、または欠陥が存在するかどうかに関する情報を表示することができる。さらに、信号伝送機および受信機を伴う、または表示および記録ユニットを伴う、研究所製品輸送要素2730はまた、内部通信伝送機を介して直接的に、または中央プロセッサを介してのいずれかで、互に情報を交換することもできる。
【0115】
研究所製品輸送要素2730の内部に、輸送された研究室製品についてのデータ、または進んでいる経路についてのデータを入力することができる、電流故障から保護された永久データメモリが提供されることができる。
【0116】
図で描写される研究所製品輸送要素2730の直径は、約6cmであり、約5.5cmの高さである。車輪2738は、研究所製品輸送要素2730から約1mm下向きに突出する。研究所製品輸送要素およびその特徴は、本技術の他の実施形態では他の好適な寸法を有し得る。
【0117】
本技術の実施形態による、研究所製品輸送要素2730はまた、加熱デバイス(図示せず)を有することもできる。加熱デバイスは、輸送中に所定の温度でサンプルを保つことができるか、または輸送中に、輸送されるサンプルの所定の温度処理を実行することができる。そのような加熱デバイスは、例えば、適切な配列で提供される、抵抗ワイヤを含むことができる。
【0118】
描写した変形例の本技術の実施形態による、研究室輸送システムを、例えば、以下のように使用することができる。
【0119】
サンプルコンテナ2750は、静止グリッパシステムまたは他のコンテナ輸送システムを使用することによって、荷積みステーションにおいて研究所製品輸送要素2730に挿入される。標的が、その信号受信機を介して研究所製品輸送要素に規定される。実際の移送経路2710の幾何学形状を符号化し、研究所製品輸送要素2730のメモリに入力することができる。研究所製品輸送要素2730の制御ユニットは、メモリに入力された移送経路の幾何学形状についてのデータを使用することによって、規定された目標を識別することができ、かつこの目標への理想的な経路を独立して確立することができる。研究所製品輸送要素2730が経路に沿ったその進行中に自らを配向することができるように、および必要であれば、その現在の位置をチェックするか、またはそれを補正するために、配向特徴、例えば、バーコード2760の場所もまた、メモリに入力される。
【0120】
開始信号が研究所製品輸送要素2730において誘導された後、研究所製品輸送要素2730は、そのメモリの中で確立される、事前に定義された経路上で移動させられる。方向の変更が行われるべき位置で、それがバーコード2760を取り過ぎる場合、スキャナで記録されるバーコード2760は、所望の方向への方向の変更を行うための信号として制御ユニットによって使用される。
【0121】
例えば、研究所製品輸送要素2730が、方向の変更が指図されている場所に到達する場合、対応する車輪2738が停止するか、またはよりゆっくりと回転するように、駆動モータ2736のうちの1つが停止または減速させられる。このようにして、研究所製品輸送要素2730は、曲線に沿って進行する。
【0122】
研究所製品輸送要素がその目的地(例えば、荷下ろしステーション)に、到達する場合、その目的地で、対応してプログラムされた研究室ロボットが研究所製品輸送要素2730から輸送されているサンプルコンテナ2750を除去することになっており、モータ2736が停止させられる。サンプルコンテナが研究室輸送要素の陥凹2733から除去されたときに、研究所製品輸送要素2730が移送経路から持ち上げられることを防止するために、移送経路2710の側方制限2712は、研究所製品輸送要素2730の段部2735と協働する、内向きの突起を有し得る。側方内向き突起は、サンプルコンテナと研究所製品輸送要素2730の陥凹2733との間に摩擦がある場合に、研究所製品輸送要素2730が上向きに持ち上げられることを防止することができる。
【0123】
いくつかの実施形態では、研究所製品輸送要素2730は、サンプルに物理、化学、または生物学的調査を行うために、サンプルコンテナ2750を処理または調査ステーションに運ぶ。光学的調査の場合、研究所製品輸送要素2730は、サンプルコンテナ2750を伴う側面上の光源に到達する。光源は、スリット2732を通してサンプルコンテナ2750の下部領域を照射することができ、サンプルから発せられた光は、その反対側に配列された検出器によって検出することができる。検出器または検出器に関連付けられる電子機器は、サンプルの吸収または蛍光特性を決定することができる。スリット2732が対応して配列された光源と正確に向かい合って位置するために、研究所製品輸送要素は、適宜、整列させられることができる。これは、ゴム車輪2738が反対方向に回転するように駆動することによって達成することができる。その結果として、スリットが調査のために対応する光源に向かい合って配列されるまで、研究所製品輸送要素2730は、各自の軸の周囲で回転する。スリットはまた、サンプルコンテナ2750の中の充填レベルを確立するために、または輸送された製品についての情報を含む、サンプル管の下部領域の中に随意で提供されるバーコードを読み取るために使用することもできる。
【0124】
研究所製品輸送要素2730はまた、サンプルコンテナを1つ以上の処理ステーションに運ぶこともできる。好適な処理ステーションは、等分ステーション、サンプルコンテナを閉鎖または開放するためのステーション、光学的調査を行うためのステーション等の上記で説明されるステーションを含む。研究室輸送システムは、例えば、図示されていないグリッパデバイスを使用した、研究室輸送要素2730から能動輸送システム(例えば、コンベヤベルト)上へのサンプルコンテナの移動によって、研究室輸送要素2730と相互作用する、能動輸送システムを含み得ることに留意されたい。
【0125】
代替として、または加えて、外部制御によって制御することができるように研究所製品輸送要素を構成することも可能である。この目的で、制御ユニットが使用され、制御ユニットは、リアルタイムで制御信号を電気モータ2736によって使用される駆動信号に変換するように構成されることができる。このようにして、外側から自動研究室プロセスに介入すること、および研究所製品輸送要素を迂回させるか、または分別することが可能である。
【0126】
また、例えば、無線プログラムインターフェースによって、研究所製品輸送要素2730の経路を完全に規定することも可能である。対応するプログラムを、研究所製品輸送要素2730のデータメモリに入力することができる。プログラムデータは、研究所製品輸送要素がその方向を変更するために、移送経路2710の制限2712の上に提供されるどの配向特徴(例えば、バーコード2760)を使用するべきかに関する情報を含むことができる。このようにして、対応するサンプルコンテナ2750を伴う研究所製品輸送要素2730の完全経路が確立され、研究所製品輸送要素2730にプログラムされる。
【0127】
研究所製品輸送要素2730に欠陥があるか、または動作不能になる場合、それは、ユーザによって移送経路2710から除去されることができ、随意に、新しい研究所製品輸送要素2730と交換されることができる。これが起こる場合、本システムに対する混乱は、有利に短く局所的である。さらに、たとえ介入が可能ではなくても、本システムは遮断されない。他の研究所製品輸送要素2730は、動作不能な研究所製品輸送要素の周囲を移動することができる。他の研究所製品輸送要素は、中央プロセッサからの対応する制御信号によって、または個々の研究所製品輸送要素2730のプログラミングを介して、他のそのような要素2730と通信するように促されることができる。例えば、研究所製品輸送要素は、欠陥、または静止している研究所製品輸送要素2730の存在を検出可能な対応するセンサを有し得、内部制御プロセッサのプログラミングを介して、その周囲で移動することができる。
【0128】
輸送経路上にあるとき、個々の研究所製品輸送要素2730はまた、光信号伝送機および受信機を介して、互いに通信することもできる。この通信は、直接起こることができ、研究室輸送システムの中央に提供された通信地点を介して行われる必要がない。このようにして、特に敏感なサンプルを伴う研究所製品輸送要素は、それが優先順位を有することを他の研究所製品輸送要素に知らせることができる。
【0129】
研究所製品輸送要素2730を移動させるために必要とされるエネルギーは、導電体2714に印加される高周波電圧によって生成される誘導コイル2740を介した電磁場から得ることができる。研究所製品輸送要素2730は、導電体2714を正確に辿る必要はない。相互作用は、車輪2738を駆動する駆動モータ2736を駆動するために、十分なエネルギーを電磁場から獲得することができるように、十分な持続時間であることのみ必要とする。これが可能ではないとき、研究所製品輸送要素2730は、導電体2714の電磁場が十分ではない、移送経路2710のそのような場所で、モータ2736を駆動する電力を供給するエネルギーアキュムレータ2744を有することができる。一方で、研究所製品輸送要素2730が導電体2714に接近して移動することができる直線ゾーンにおいて、電磁場からの過剰なエネルギーは、エネルギーアキュムレータ2744を充電するために利用することができる。
【0130】
本技術の他の実施形態は、研究所製品輸送要素2730の底部に感光性要素を有することができる。感光性要素は、移送経路上に配列される光の帯によって照射されることができる。感光性要素は、電気駆動力を提供するために使用されることができる。
【0131】
研究所製品輸送要素2730が、完全にエネルギーアキュムレータ2744からそれらの駆動力を得ることも可能である。エネルギーアキュムレータ2744は、処理ステーションにあり得る、対応する充電ステーションで充電することができる。
【0132】
VII.コンピュータアーキテクチャ
図を参照して本明細書で説明される種々の関与部分および要素は、本明細書で説明される機能を促進するように1つ以上のコンピュータ装置を操作し得る。任意のサーバ、プロセッサ、またはデータベースを含む、上記の説明における要素のうちのいずれかは、例えば、研究室自動化システムの機能ユニットおよびモジュール、輸送システム、スケジューラ、中央コントローラ、ローカルコントローラ等を操作および/または制御するための機能等の本明細書で説明される機能を促進するために、任意の好適な数のサブシステムを使用し得る。
【0133】
そのようなサブシステムまたは構成要素の実施例が、
図12に示されている。
図12に示されるサブシステムは、システムバス4445を介して相互接続される。プリンタ4444、キーボード4448、固定ディスク4449(またはコンピュータ読み取り可能な媒体を備えている他のメモリ)、ディスプレイアダプタ4442に連結されるモニタ4446、およびその他等の追加のサブシステムが示されている。I/Oコントローラ4441(プロセッサまたは他の好適なコントローラであり得る)に連結する、周辺機器および入出力(I/O)デバイスを、シリアルポート4484等の当技術分野で公知である任意の数の手段によってコンピュータシステムに接続することができる。例えば、シリアルポート4484または外部インターフェース4481は、コンピュータ装置をインターネット等の広域ネットワーク、マウス入力デバイス、またはスキャナに接続するために使用することができる。システムバスを介した相互接続は、中央プロセッサ4443が各サブシステムと通信すること、およびシステムメモリ4442または固定ディスク8409からの命令の実行、ならびにサブシステム間の情報の交換を制御することを可能にする。システムメモリ4442および/または固定ディスク4449は、コンピュータ読み取り可能な媒体を具現化し得る。
【0134】
本技術の実施形態は、上記の実施形態に限定されない。上記の側面のうちのいくつかに関する具体的詳細が、上記で提供される。具体的側面の具体的詳細は、本技術の実施形態の精神および範囲から逸脱することなく、任意の好適な様式で組み合わせられ得る。
【0135】
上記で説明されるような本技術は、モジュールまたは一体化様式で(有形の物理的媒体に記憶される)コンピュータソフトウェアを使用して制御論理の形態で実装することができると理解されたい。さらに、本技術は、任意の画像処理の形態および/または組み合わせで実装され得る。本明細書で提供される開示および教示に基づいて、当業者であれば、ハードウェア、ならびにハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせを使用して、本技術を実装する他の手段および/または方法を把握し、理解するであろう。
【0136】
本願で説明されるソフトウェア構成要素または機能のうちのいずれかは、例えば、Java(登録商標)、C++、またはPerl等の任意の好適なコンピュータ言語を使用して、例えば、従来の技法またはオブジェクト指向技法を使用して、プロセッサによって実行されるソフトウェアコードとして実装され得る。ソフトウェアコードは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、ハードドライブまたはフロッピー(登録商標)ディスク等の磁気媒体、またはCD−ROM等の光学媒体等のコンピュータ読み取り可能な媒体上に、一連の命令またはコマンドとして記憶され得る。任意のそのようなコンピュータ読み取り可能な媒体は、単一の計算装置上または内に位置し得、システムまたはネットワーク内の異なる計算装置上または内に存在し得る。
【0137】
上記の説明は、例証的であり、制限的ではない。本技術の多くの変形例が、本開示を精査すると当業者に明白となるであろう。したがって、本技術の範囲は、上記の説明を参照せずに決定されるべきであるが、代わりに、それらの全範囲または同等物とともに係属中の請求項を参照して決定されるべきである。
【0138】
任意の実施形態からの1つ以上の特徴が、本技術の範囲から逸脱することなく、任意の他の実施形態の1つ以上の特徴と組み合わせられ得る。
【0139】
1つ(「a」、「an」)または該(「the」)という記載は、特にそれとは反対に示されない限り、「1つ以上の」を意味することを目的としている。
【0140】
上述の全ての特許、特許出願、公開、および説明は、あらゆる目的でそれらの全体で参照することにより本明細書に組み込まれる。いかなるものも従来技術であると認められていない。