(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本実施の形態における駐輪装置10について、図面に従って説明する。以下の説明では、XYZ直交座標系を用いて説明することがあるものとする。また、架台20の長手方向をX方向とし、
図1において右側をX1側、それとは逆の左側をX2側とする。また、スロープ部材50の延伸方向をY方向とし、通常自転車の前輪が位置する側(前側とする)をY1側、それとは逆の通常自転車の後輪が位置する側(後ろ側とする)をY2側とする。また、上下方向をZ方向とし、上方側をZ1側、それとは逆の設置面が位置する側をZ2側とする。
【0014】
図1は、駐輪装置10の構成を示す斜視図である。
図2は、駐輪装置10の構成を示す分解斜視図である。
図1、
図2に示すように、駐輪装置10は、設置スペースに設置される架台20を有していて、この架台20には、取付台21が取り付けられる。取付台21には、装置本体部30が直接的または間接的に取り付けられる。すなわち、装置本体部30は、脚柱フレーム22を介して取付台21に取り付けられるものもあり(
図1左側参照)、その一方で装置本体部30は脚柱フレーム22を介さずに取付台21に直接取り付けられるものがある。
【0015】
特に、脚柱フレーム22を介して取り付けられる装置本体部30と、直接的に取付台21に取り付けられる装置本体部30とが、隣り合うことにより、隣り合う車両のハンドル同士の干渉を防ぐことができ、狭い空間により多くの車両を駐輪させることができる。
【0016】
ここで、架台20は、所定の厚みの金属板を、樋形状に折り曲げたものである。この架台20には、面積が広く設置スペースに接触する底板部20aと、その底板部20aの幅方向の両端側から上方に向かうように折れ曲がる一対のフランジ部20bとが設けられている。
【0017】
底板部20aには、所定間隔で複数の挿通孔20a1が設けられていて、この挿通孔20a1には後述するネジが差し込まれる。一方、設置スペース側には、ネジを捻じ込むための雌ネジ部を有する部分が存在している。それにより、設置スペースに対して、駐輪装置10を固定することが可能となっている。
【0018】
また、一対のフランジ部20bは、上下方向に延伸する垂直フランジ部20b1と、その垂直フランジ部20b1から底板部20aと対向するように折り曲げられた水平フランジ部20b2とを有している。水平フランジ部20b2には、所定の間隔で複数のネジ孔20cが設けられていて、取付台21の挿通孔21cにネジを挿通させることで、その取付台21を架台20に固定することが可能となっている。
【0019】
取付台21も、樋形状に折り曲げられている。この取付台21には、面積が広く上述した底板部20aと対向する上板部21aは設けられていて、さらに上板部21aの幅方向の両端側から下方に向かうように折れ曲がる側板部21bも設けられている。側板部21bは、フランジ部20bに係止することができ、それによって取付台21が位置ずれするのを規制している。
【0020】
図2に示すように、上板部21aの少なくとも隅部には、挿通孔21cが設けられている。挿通孔21cはネジを挿通させるものの、そのネジの頭部は挿通させない程度の直径を有している。そのため、挿通孔21cにネジを挿通させ、そのネジをネジ孔20cに捻じ込むことで、取付台21が架台20に取り付けられる。また、上板部21aには、複数のネジ孔21dも設けられている。ネジ孔21dには、脚柱フレーム22および後述するベース部材41を取り付けることを可能としている。
【0021】
図1および
図2に示すように、装置本体部30は、直接的に取付台21に取り付けることもできるが、脚柱フレーム22を介して取付台21に取り付けることもできる。脚柱フレーム22は、板状部材の折り曲げおよび組み付けによって、筒状に形成されている。なお、
図1および
図2に示すものでは、側面の一方側が開放している筒状部材221に、側板222を取り付けることにより、上端および下端が開放した筒状の脚柱フレーム22が形成されている。
【0022】
図1に示すように、脚柱フレーム22の下端側には、その脚柱フレーム22の長手に対して直交する向きに延伸する下側フランジ部22aが設けられていて、この下側フランジ部22aには、ネジが挿通する取付孔22a1が設けられていて、この取付孔22a1は、上述したネジ孔21dに対応する位置に設けられている。そのため、ネジを捻じ込むことにより、取付台21に対して脚柱フレーム22を固定することが可能となっている。
【0023】
また、
図2に示すように、脚柱フレーム22の上端側には、上側フランジ部22bが設けられていて、この上側フランジ部22bにも取付孔22b1が形成されている。そして、この取付孔22b1にネジを挿通させ、このネジをベース部材41のネジ孔に捻じ込むことにより、ベース部材41を脚柱フレーム22に固定することができる。
【0024】
次に、装置本体部30について説明する。
図3は、装置本体部30を示すと共に、メインカバー42をベース部材41から取り外した状態を示す斜視図である。
図3に示すように、装置本体部30は、ハウジング40を有していて、このハウジング40は、ベース部材41と、メインカバー42とを有している。すなわち、ベース部材41とメインカバー42とが取り付けられることによりハウジング40が構成され、そのハウジング40の内部に各種部材がネジ等を介して取り付けられた構成となっている。
【0025】
ベース部材41は、たとえば金属の板状部材をプレス加工する等により形成される。このベース部材41は、有底であるが上方側が開放した箱型形状に設けられている。ただし、後述するロック爪70をベース部材41の外部に飛び出させるために、切欠部41aが設けられている。また、後述するスロープ部材50をベース部材41に取り付けるために、ベース部材41のY2側の壁部は取り除かれている。
【0026】
また、ベース部材41のY1側には、タイヤガイド取付部41bが設けられている。タイヤガイド取付部41bは、後述するタイヤガイド53を取り付けるための部分である。そのため、ベース部材41のY1側に位置する一対の側壁の一部(
図2では切欠部41aに隣接する部分)をベース部材41の中心側に向けて所定長さだけそれぞれ折り曲げ、さらに下方側に向かうテーパ面を有するように折り曲げている。さらに、それぞれのタイヤガイド取付部41bには、貫通孔41cが設けられていて、この貫通孔41cに円柱状のタイヤガイド53がそれぞれ挿通される。
【0027】
なお、ベース部材41のうちタイヤガイド取付部41bの下方側には、
図2に示すような固定具43が取り付けられる。固定具43は、タイヤガイド53を周方向から締め付けるように固定する。そのため、この固定具43を介してタイヤガイド53の下方側が強固に取り付けられる。
【0028】
また、ベース部材41には、たとえばネジ等を介してメインカバー42が固定される。図示は省略するが、メインカバー42のうち外壁で囲まれた内部側には、さらに隔壁等が設けられていて、制御回路を有する制御基板140やギヤードモータ130等のような電気的に作動する部分に雨水等が侵入するのを防ぐ構成となっている。メインカバー42は、たとえば耐候性を有する樹脂等を材質として、所望の形状に形成されている。
【0029】
このメインカバー42の外部側には、一対の爪保護部42aが設けられている。爪保護部42aは、後述するロック爪70を覆うように保護する部分であるが、一対の爪保護部42aが互いに対向する部分は開口していて、閉じ状態となる際のロック爪70の動きを確保している。
図1および
図2では、一対のロック爪70が開いた状態が示されているが、このような開き状態でも、爪保護部42aによってロック爪70のうち互いに対向する部分以外が覆われている。
【0030】
また、メインカバー42の上面側には、ガイドスロープ42bが設けられている。ガイドスロープ42bは、スロープ部材50を進行してきた車輪SH(
図9等参照)をタイヤ受け部材80に向けてガイドするためのスロープであり、またタイヤ受け部材80に位置している車輪SHをスロープ部材50に向けてガイドするためのスロープでもある。そのため、ガイドスロープ42bは、Y1側からY2側に向かうにつれて、その高さが徐々に高くなるようなスロープ面を有している。
【0031】
また、メインカバー42には、開口部42cが設けられている。開口部42cは、後述するタイヤ受け部材80を挿通させるための開口部分である。本実施の形態では、開口部42cは、一対の爪保護部42a同士が対向している部分に、その一部が差し掛かるが、その他の部分は、一対の爪保護部42a同士が対向している部分よりもY1側に位置している。これは、後述するロックフレーム60のうちY1側の部位にタイヤ受け部材80が上下動可能に取り付けられているためである。
【0032】
さらに、メインカバー42のうち爪保護部42aよりも前側(Y1側)には、挿通孔42dが設けられていて、この挿通孔42dを介して後述するタイヤガイド53を挿通させている。
【0033】
ここで、ロックフレーム60のうちY2側の部位に、タイヤ受け部材80が上下動可能に取り付けられると、ロックレバー100の回動支点に近い位置に、タイヤ受け部材80が位置してしまい、ロックレバー100の回動角度を大きくする必要が生じる。しかしながら、ロックフレーム60のうちY1側の部位にタイヤ受け部材80が上下動可能に取り付けられると、ロックレバー100の回動支点から遠い位置に、タイヤ受け部材80を位置させることができ、それによってロックレバー100の回動角度を小さくすることができる。すなわち、開口部42cは、このような位置関係を考慮した位置に設けられている。
【0034】
次に、スロープ部材50について説明する。スロープ部材50は、地面等から自転車等の車輪SHを装置本体部30までガイドするための部材であり、たとえば金属板を折り曲げることで樋形状に形成されている。
図1に示す構成では、脚柱フレーム22に取り付けられた装置本体部30に対しては、長さの長いスロープ部材50が取り付けられている。一方、装置本体部30が取付台21に直接的に取り付けられた構成では、装置本体部30に対して長さの短いスロープ部材50が取り付けられている。
【0035】
なお、スロープ部材50のうち地面側の端部には、入口ガイド部材51が取り付けられる構成を採用しても良い(
図1および
図2では、長さの長いスロープ部材50に入口ガイド部材51が取り付けられている)。
【0036】
また、スロープ部材50のうち、装置本体部30側の端部には、持上ピン52が取り付けられる構成としても良い。持上ピン52は、スロープ部材50の底板とガイドスロープ42bのスロープ面のいずれよりも高い位置に設けられている。そのため、スロープ部材50を進行してきた車輪SHは、持上ピン52で上方に持ち上げられた後に、スロープ面に接し、さらに後述するタイヤ受け部材80へと進行する。
【0037】
このとき、持上ピン52で車輪SHが上方へ持ち上げられることで、車輪SHがタイヤ受け部材80に向かう勢いをつけることができ、それによってタイヤ受け部材80を良好に押し下げることができる。特に、脚柱フレーム22に装置本体部30が取り付けられているタイプでは、スロープ部材50を車輪SHが進行することによって、車輪SHにタイヤ受け部材80に向かう勢いがなくなる場合がある。特に、車両には、重力が作用するので、スロープ部材50を進行する車輪SHの勢いが衰えがちとなる。そのため、装置本体部30に車輪SHが到達しても、タイヤ受け部材80を良好に押し下げることができないことがある。しかしながら、持上ピン52を設けることで、車輪SHがタイヤ受け部材80に向かう勢いを確保することができ、タイヤ受け部材80を良好に押し下げることができる。
【0038】
次に、タイヤガイド53について説明する。
図1および
図2に示すように、タイヤガイド53は、円柱状またはパイプ状の金属部材を折返し地点を挟んで対称形状に曲げる等して形成されている。そのため、タイヤガイド53は、車輪SHを挟み込む状態で、車輪SHを支持することが可能となっている。このタイヤガイド53は、車輪SHを保持する部分であり、そのため上方に向かって延伸する上方延伸部53aと、その上方延伸部53aから前側(Y1側)に向かって延伸する前方延伸部53bとを有している。かかる構成により、車輪SHのリムやスポークに対してタイヤガイド53のいずれかの部位が接触する。それにより、手を離した状態でも、自転車等の車両を支持することが可能となっている。
【0039】
次に、ロックフレーム60について説明する。
図3に示すように、ロックフレーム60は、上述したベース部材41に対して、たとえばネジP1等を介して固定される。
図4は、ロックフレーム60、一対のロック爪70およびタイヤ受け部材80の構成を示す分解斜視図である。
図4に示すように、ロックフレーム60には、幅広部61と、側壁部62と、対向支持部63とが設けられている。幅広部61は、ロックフレーム60のうち最も幅広に設けられている部分である。この幅広部61には、一対のスリット61a,61bが設けられている。一対のスリット61a,61bは、幅広部61の下端側から上方に向かい所定の寸法だけ設けられている。これらスリット61a,61bには、後述するロックレバー100とセンサレバー110がそれぞれ位置し、これらのスリット61a,61b内でそれぞれ上下動する。
【0040】
また、幅広部61には、合計3つのネジ孔61cが設けられている。ネジ孔61cには、ネジP2が捻じ込まれるが、そのネジP2は、後述するタイヤ受け部材80の長孔83a(上下方向に長い孔)に位置する。それにより、タイヤ受け部材80がロックフレーム60に対して上下方向に摺動すると共に、その摺動範囲を規制することを可能としている。
【0041】
さらに、幅広部61の幅方向の中央部分には、その上縁部から下方に向かってU字形状に切り欠かれた凹部61dが設けられている。凹部61dには、後述するロック爪70とタイヤ受け部材80とを連結する連結部材S2が位置可能となっている。なお、ロック爪70の開閉に伴って、タイヤ受け部材80は上下動し、その上下動に伴って連結部材S2も凹部61dにおいて上下動する。
【0042】
加えて、幅広部61の幅方向(X方向)の縁部側かつ上方側には、支持孔61eが設けられている。支持孔61eは、後述する支持部材S1が挿入される孔部分であり、その支持部材S1を介してロック爪70が回動自在に支持される。
【0043】
また、側壁部62は、幅広部61の幅方向(X方向)の両端部から後ろ側(Y2側)に向かうように立設している部分である。すなわち、側壁部62は一対設けられている。それぞれの側壁部62には、ネジ孔62aが設けられている。そして、ベース部材41の図示を省略する貫通孔を介してネジP1を捻じ込む等により、ベース部材41にロックフレーム60を固定することができる。なお、側壁部62の幅寸法(Y方向の寸法)は、後述するロック爪70の対向板部71,72に対応した寸法に設けられている。具体的には、側壁部62の幅寸法は、一対の対向板部71,72の間の寸法よりも若干短く設けられていて、それによって一対の対向板部71,72の内部側に側壁部62が位置する構成となっている。
【0044】
また、それぞれの側壁部62の後端部(Y2側の端部)からは、幅方向(X方向)の中央側に向かうように、対向支持部63が設けられている。対向支持部63は、幅広部61と対向している部分であるが、その幅方向(X方向)の寸法は、さほど大きくはない。そのため、対向支持部63は一対設けられていて、それら一対の対向支持部63の間は開放した空間となっていて、その解放した空間には、後述するロックレバー100やセンサレバー110が入り込むことが十分に可能となっている。
【0045】
この対向支持部63のうち、上述した支持孔61eと対向する位置には、支持孔63aが設けられている。支持孔63aにも、ロック爪70の回動を支持する支持部材S1が挿入される。このように、一対の支持孔61e,63aに支持部材S1が挿入されることにより、ロック爪70は回動自在に支持される。
【0046】
次に、ロック爪70について説明する。
図5は、ロック爪70の構成を示す斜視図である。
図4および
図5に示すように、ロック爪70は、一対設けられていて、それらが支持部材S1を介してロックフレーム60に回動自在に支持されている。なお、
図4および
図5に示すように、一対のロック爪70は、互いに若干異なる形状に形成されている。このため、以後の説明においては、一対のロック爪70を互いに区別する必要がある場合には、
図4において右側(
図5において左側)のロック爪70をロック爪70Aとし、
図4において左側(
図5において右側)のロック爪70をロック爪70Bとして説明する。
【0047】
ロック爪70には、一対の対向板部71,72が設けられていて、これらの対向板部71,72は、側板部73で連結されている。
図4から明らかなように、対向板部71は幅広部61と面的に対向または接触し、同様に対向板部72は対向支持部63と面的に対向または接触する。また、対向板部72の下方側には、支持孔72aが設けられている。支持孔72aには、上述した支持部材S1が挿入される。なお、支持部材S1は、ボルトS11とブッシュS12を備えていて、ボルトS11の外周側にブッシュS12が位置している。
【0048】
一方で、対向板部71のうち支持孔72aに対応する位置には、ネジ孔71aが設けられている。そのため、ボルトS11は、このネジ孔71aに捻じ込まれる。また、支持孔72a、支持孔61e,63aには、ブッシュS12が位置する。そのため、ロック爪70は、支持部材S1に対する開閉動作を良好に行える。
【0049】
なお、後述する
図9に示すように、ボルトS11の外周側であって対向板部71よりも前側(Y1側)の部位には、付勢バネS13が配置される。また、付勢バネS13の一端側は、ベース部材41の内壁に係止されると共に、付勢バネS13の他端側は対向板部71の内側の縁部に係止される。そして、一対のロック爪70に対して、互いに開き方向に向かうような付勢力を付勢バネS13が与えている。
【0050】
また、それぞれの対向板部71には、爪部74が設けられている。爪部74は、対向板部71の上方側に位置し、また幅方向(X方向)の中心側に向かうように設けられている。そして、一対のロック爪70が閉じ状態となる場合、
図10および
図11に示すように、爪部74同士が互いに近接し、その近接距離は、車輪SHのリムよりも十分に狭い幅となっている。このため、一対のロック爪70が閉じ状態となる場合、ロック爪70が開かない限りは、車輪SHが脱出不能の状態となる。
【0051】
また、それぞれのロック爪70には、開閉板部75がそれぞれ設けられている。一対の開閉板部75は、重なり部分に対応し、
図4および
図5に示すように重ねられた状態で用いられる。本実施の形態では、開閉板部75には、傾斜長孔75aが設けられている。傾斜長孔75aは、ロック爪70が開いている状態でも、また
図10および
図11に示すようなロック爪70が閉じている状態でも、常に水平方向に対して傾斜している。このため、ロック爪70の開き状態および閉じ状態のいずれであっても、後述する連結部材S2の傾斜長孔75aにおける位置が一義的に定まるように構成されている。
【0052】
また、開閉板部75の下縁側には、傾斜ガイド部75bが設けられている。さらに、開閉板部75のうち幅方向の中央側の縁部には、ロック辺部75cが設けられている。傾斜ガイド部75bは、後述するロックレバー100がロック辺部75cに向かうのをガイドする部分であり、円弧状に設けられている。この円弧状の傾斜ガイド部75bは、一対のロック爪70が開閉いずれの状態であっても、水平方向に対して傾斜している。また、傾斜ガイド部75bのうち幅方向(X方向)の外側の方が、同じく幅方向の中央側よりも下方側に位置している。それにより、後述するロックレバー100は、押圧バネB1による付勢によって、傾斜ガイド部75b同士が重なる部分の近傍に位置するが、この重なり部位に対向する部位には、上述したロックフレーム60のスリット61aが設けられている。
【0053】
また、ロック辺部75cは、一対のロック爪70が閉じ状態にあるときに、スリット61aの壁面と同等の位置に存在する部分である。すなわち、一対のロック爪70が閉じ状態にあるときには、後述するロックレバー100が入り込めるだけの隙間G(
図10および
図11参照)が、一対のロック辺部75cの間に形成される。なお、この隙間Gは、差込空間に対応する。
【0054】
しかも、このときのロック辺部75cは、スリット61aの縁部と略平行となっている。そのため、一対のロック爪70が閉じ状態となると、スリット61aに位置するロックレバー100は更に上方に移動して、一対のロック辺部75cの間の隙間Gに入り込む。そして、この隙間Gにロックレバー100が入り込んでしまうと、一対のロック爪70が開こうとしても、ロックレバー100とロック辺部75cとが干渉する。そのため、ロックレバー100が隙間Gの内部で下降しない限りは、一対のロック爪70は開くことが不能となっている。
【0055】
なお、隙間Gは、一対のロック爪70が開き状態のときには出現しないが、一対のロック爪70が閉じ状態のときには出現する。
【0056】
次に、タイヤ受け部材80について説明する。
図4に示すように、タイヤ受け部材80は、下側が開放した箱型形状に設けられている。具体的には、タイヤ受け部材80には、上方側に上面部81、前側(Y1側)に前面部82、後ろ側(Y2側)にガイド壁面部83、幅方向(X方向)の両側にそれぞれ側面部84が設けられている。それにより、タイヤ受け部材80は、下方側に開放した箱型形状となっている。
【0057】
これらのうち、上面部81は、車両のタイヤが載置される部分である。また、ガイド壁面部83には、長孔83aが設けられている。この長孔83aは、上下方向に長く、またこの長孔83aには、ロックフレーム60のネジ孔61cに捻じ込まれるネジP2が挿通される。そのため、タイヤ受け部材80は、長孔83aの長さの範囲だけロックフレーム60に対して上下方向に移動可能に設けられている。
【0058】
なお、本実施の形態では、長孔83aは、3つ設けられていて、それによってタイヤ受け部材80が傾斜せずに安定的に上下方向への摺動可能となっている。しかしながら、上下方向への摺動が安定的に行えるのであれば、長孔83aの個数は、幾つであっても良い。
【0059】
また、ガイド壁面部83には、連結孔83bが設けられている。連結孔83bには、連結部材S2が差し込まれる。ここで、連結部材S2は、ボルトS21とブッシュS22とナットS23とを備えていて、ボルトS21の外周側にブッシュS22が位置している。
【0060】
また、ガイド壁面部83には、下方突出部83cが設けられている。下方突出部83cは、下方突出部83cの一部を下方側に突出している部分であり、タイヤ受け部材80の中で最も下方に突出している部分である。上面部81に車輪SHが乗ると、タイヤ受け部材80が下降するが、そのとき、下方突出部83cの下縁部83c1は、センサレバー110を押し下げる。一方、上面部81に車輪SHが乗らない状態では、タイヤ受け部材80は上方側に位置していて、下縁部83c1はセンサレバー110から離れている。なお、下縁部83c1は、ロックレバー100は押し込まないように、その長さが設けられている。
【0061】
このように、下方突出部83cの下縁部83c1は、センサレバー110を押し込む部分となっている。また、ガイド壁面部83には、長孔83aのうちの1つが設けられている。
【0062】
次に、モータブラケット90について説明する。
図6は、モータブラケット90とその周囲の各部材を示す斜視図である。
図7は、モータブラケット90に取り付けられている各部材を示す斜視図である。
図6および
図7に示すように、ベース部材41の底部41dには、モータブラケット90がネジP3等を介して取り付けられている。すなわち、モータブラケット90は、底部91を有していて、その底部91と底部41dとをネジ固定等の手法によって固定している。また、モータブラケット90は、後述するギヤードモータ130を支持する部分も存在しており、また後述するロックレバー100やセンサレバー110の回動軸を軸支する部分も存在している。
【0063】
モータブラケット90には、モータ支持部92が設けられている。モータ支持部92は、底部91のX2側の縁部から上方に向かって延出している。そして、このモータ支持部92には、ギヤードモータ130のギヤボックス132がネジ等を介して固定されている。また、モータブラケット90には、カム支持部93も設けられている。カム支持部93は、偏心カム120を軸支していると共にギヤードモータ130の出力軸133を軸支する部分であり、偏心カム120を挟んでモータ支持部92とは反対側に位置している。
【0064】
一方、底部91のうち、カム支持部93よりもX1側の縁部からは、基板支持部94が上方に向かうように延出している。基板支持部94には、上方延伸部94aと、一対の腕部94b(
図6では1つのみ図示)と、上方フランジ部94cとが設けられている。上方延伸部94aは、基板支持部94のうち最も大面積であり上方に向かい延伸している部分である。また、一対の腕部94bは、上方延伸部94aのY方向における両端部からX方向のX2側に向かって所定長さだけ突出している部分である。ただし、腕部94bは、底部91に対して所定の隙間を有する位置に設けられている。この腕部94bには、凹部94b1が設けられていて、その凹部94b1に制御基板140が入り込む。
【0065】
一方、上方フランジ部94cは、上方延伸部94aの上縁部から底部91と対向するように所定長さだけ突出している部分である。上方フランジ部94cには、基板固定具がネジ等を介して固定され、この基板固定具には制御基板140がネジ止め等により固定される。
【0066】
また、モータブラケット90には、軸支持部95が設けられている。軸支持部95は、ロックレバー100やセンサレバー110の回動軸S3を軸支する部分であり、所定間隔を有して一対設けられている。この軸支持部95も底部91のうちX方向の両縁部から上方に向かうように延出している。なお、ロックレバー100やセンサレバー110は、スリット61a,61bにそれぞれ入り込む。そのため、軸支持部95は、底部91のうち前側(Y1側)に設けられている。
【0067】
この軸支持部95には軸孔95aが設けられていて、その軸孔95aには後述する回動軸S3が差し込まれる。また、それぞれの軸支持部95の上縁からは、バネ受部95cが底部91と対向するように延出している。バネ受部95cは、押圧バネB1,B2の一端部を受け止める部分である。なお、バネ受部95cの後方側(Y2側)の隅部には、係止突起95c1も設けられていて、その係止突起95c1に押圧バネの一端部を位置させることで、その一端部が外れるのを防止している。また、押圧バネB1は、付勢手段に対応する。
【0068】
図8は、回動軸S3に支持されるロックレバー100およびセンサレバー110を示すと共に、偏心カム120を示す分解斜視図である。
図8に示すように、回動軸S3は、ネジS31と、ナットS32と、ブッシュS33,S34と、を有していて、ネジS31にブッシュS33,S34を挿通させ、その他端側にナットS32を捻じ込んでいる。
【0069】
ブッシュS33の外周側には、ロックレバー100が位置すると共に、
図9に示すような押圧バネB1も位置している。なお、押圧バネB1の他端側は、ロックレバー100に掛止されている。そして、押圧バネB1は、ロックレバー100に対し、その前側(Y1側)の端部が常に上方に向かうような付勢力を与えている。一方、ブッシュS34の外周側には、センサレバー110が位置すると共に、押圧バネB2も位置している。押圧バネB2の他端側は、センサレバー110に掛止されている。そして、押圧バネB2は、センサレバー110に対し、その前側(Y1側)の端部が常に上方に向かうような付勢力を与えている。
【0070】
続いて、ロックレバー100について説明する。ロックレバー100は、
図8に示すように、レバー本体部101と、底辺部102と、軸支部103と、カム当接部104とを有している。
【0071】
レバー本体部101は、ロックレバー100の中で最も長い部分である。このレバー本体部101は、スリット61aに入り込むが、さらにレバー本体部101の先端側は前側(Y1側)に長く延出する(
図9等参照)。本実施の形態では、レバー本体部101は、ベース部材41の前側(Y1側)の壁面付近まで延出していて、その延出の先端側には工具係合部101bが存在している。そのため、たとえば何らかの拍子に駐輪装置10が作動しなくなり、車輪SHをロックした状態でロックレバー100が動かなくなった場合には、ベース部材41の図示を省略する差込部(隙間等)から工具等を差し込んでその工具の先端をレバー本体部101に押し当てて、ロックレバー100を強制的にロック解除位置へと回動させることができる。
【0072】
また、底辺部102は、レバー本体部101の下縁側に位置する部分であり、レバー本体部101と軸支部103とを連結している部分である。軸支部103は、所定間隔を有する状態でレバー本体部101と対向している部分である。ここで、レバー本体部101および軸支部103には、それぞれ軸支孔101aおよび軸支孔103aが設けられている。軸支孔101aと軸支孔103aとは、互いに対向する位置に設けられていて、両者に回動軸S3が差し込まれる。それにより、ロックレバー100が回動軸S3で軸支される。
【0073】
また、レバー本体部101の後端側かつ上方側には、カム当接部104が設けられている。カム当接部104は、後述する偏心カム120に当接する部分である。すなわち、偏心カム120がカム当接部104に当接していない状態では、レバー本体部101は押圧バネB1からの付勢力により、レバー本体部101の前側(Y1側)の部分が上方側に向かおうとする。しかしながら、偏心カム120がカム当接部104に当接している状態では、押圧バネB1の付勢力に抗して、レバー本体部101の前側(Y1側)の部分は、下方に押し下げられる状態となる。
【0074】
後述する
図9等に示すように、カム当接部104は、回動軸S3の回転中心と偏心カム120が取り付けられている出力軸133の中心よりも上方側に位置している。このため、偏心カム120がカム当接部104を押し込むと、レバー本体部101のうち軸支孔101aよりも前側(Y1側)の部分が、下降する向きに回動する。しかも、レバー本体部101が一対のロック辺部75cの間に入り込んでいる状態で、偏心カム120が解除ポジションまで回動した場合には、レバー本体部101はロック辺部75cと対向しない下方側まで回動させられる。それにより、一対のロック爪70が閉じ状態でロックされているのを解除可能となっている。
【0075】
なお、偏心カム120がカム当接部104への非接触ポジションに位置する場合、偏心カム120とカム当接部104との間には、後述する
図14に示すような隙間SPが存在する状態となる。そのため、仮にロックレバー100に外力が加わった場合でも、その外力は、隙間SPで遮断され、外力がギヤードモータ130側に伝達しない構成となっている。
【0076】
次に、センサレバー110について説明する。センサレバー110は、ロックレバー100と類似した構成を有している。具体的には、センサレバー110は、レバー本体部111と、底辺部112と、軸支部113とを有している。レバー本体部111は、スリット61bに入り込む部分である。ただし、タイヤ受け部材80が下降してきた場合には、レバー本体部111のスリット61bに入り込んでいる部分が、下縁部83c1によって下降させられる。
【0077】
また、底辺部112は、上述した底辺部102と同様に、レバー本体部111の下縁側に位置する部分であり、レバー本体部111と軸支部113とを連結している部分である。軸支部113も、上述した軸支部103と同様に、所定間隔を有する状態でレバー本体部111と対向している部分である。レバー本体部111および軸支部113には、それぞれ軸支孔111aおよび軸支孔113aが設けられている。軸支孔111aと軸支孔113aとは、互いに対向する位置に設けられていて、両者に回動軸S3が差し込まれる。それにより、センサレバー110も、回動軸S3で軸支される。
【0078】
このセンサレバー110は、タイヤ受け部材80の下縁部83c1で押されていない状態では、レバー本体部111は押圧バネB2からの付勢力により、レバー本体部111の前側(Y1側)の部分が上方側に向かうような付勢力が常に与えられている。
【0079】
また、レバー本体部111の後端側かつ上方側には、センサ検出部114が設けられている。センサ検出部114は、後述する光電センサ150によって検出されるための部分である。すなわち、車輪SHがタイヤ受け部材80に乗らずに、タイヤ受け部材80が下降していない状態では、センサ検出部114が光電センサ150の投受光空間Lに差し掛からない。しかし、車輪SHがタイヤ受け部材80に乗ると、タイヤ受け部材80が下降して、センサレバー110が回動すると、センサ検出部114が上方に向かうように回動し、その回動によってセンサ検出部114が投受光空間Lに位置する。それにより、車輪SHがタイヤ受け部材80に乗ったか否かを検出することができる。
【0080】
次に、偏心カム120およびギヤードモータ130について説明する。偏心カム120は、出力軸133に取り付けられていて、この出力軸133の回転に伴って回転する。偏心カム120は、たとえば円筒または円柱状に設けられているカム本体部121を有しているが、そのカム本体部121に対する出力軸133の取付位置が偏心している。そのため、カム本体部121の外周面には、出力軸133の回転中心に近い部分と、出力軸133の回転中心から離れている部分とが存在している。そのため、カム本体部121が回転すると、カム当接部104に押し当てられる当接状態と、カム当接部104と非接触となって隙間SPが存在する状態(隙間形成状態)とが出現する。
【0081】
また、偏心カム120には、検出部122も設けられている。検出部122は、光電センサ150の投受光空間Lに入り込むことが可能な部分である。そのため、検出部122を光電センサ150で検出することにより、偏心カム120の回転位置を検出することができる。なお、検出部122がカム本体部121に取り付けられている回転方向の位置は、出力軸133の中心からカム本体部121の外周面までの半径が最も小さい位置となっている。なお、カム本体部121は円筒または円柱形状以外の形状(たとえば側面視したときに長円形状または楕円形状)であっても良い。
【0082】
図6に示すように、ギヤードモータ130は、モータ本体部131と、ギヤボックス132と、出力軸133とを有している。このギヤードモータ130は、駆動機構に対応する。モータ本体部131は、電力の供給によって駆動力を発生させる部分である。ギヤボックス132は、その内部に複数のギヤが収納されていて、モータ本体部131で発生した駆動力を減速等しながら出力軸133に向けて伝達する。出力軸133は、複数のギヤを経て駆動力を出力する部分であり、この出力軸133には偏心カム120が偏心した状態で取り付けられている。
【0083】
また、
図7に示すように、モータブラケット90には、制御基板140と、複数の光電センサ150とが取り付けられている。制御基板140には、モータ本体部131の駆動を制御する制御回路(図示省略;制御手段に対応)が搭載されていて、また外部機器に対して通信等を行うための通信回路等も搭載されている。なお、制御回路と通信回路は、たとえば1つのマイクロコンピュータ等で実現されても良い。その他、制御基板140には、各種のスイッチ等が搭載されていても良い。
【0084】
また、制御回路には、メモリが搭載されている。そして、そのメモリに記憶されているプログラム等を実行することで、光電センサ150Aからの検出信号が入力されてから所定時間のタイマカウントを行った後にギヤードモータ130を駆動させることが可能に設けられている。
【0085】
また、制御基板140には、検出手段としての光電センサ150が取り付けられている。光電センサ150は、たとえば投光部と受光部を有する投受光方式のセンサであり、透光部と受光部の間には、投受光空間Lが存在している。この投受光空間Lに、検出部122やセンサ検出部114が差し掛かると、受光部での受光レベルの変化により、検出部122やセンサ検出部114の回転方向が所定の位置に到来したことを検出することができる。
【0086】
ここで、本実施の形態では、光電センサ150は合計3つ設けられている。それらのうちの1つは、センサレバー110のセンサ検出部114を検出するものである。すなわち、タイヤ受け部材80に車輪SHが乗り、タイヤ受け部材80が下降すると、センサレバー110は回動軸S3を始点として回転させられるが、そのときセンサ検出部114は上昇する方向に回転し、投受光空間Lに到達する。すると、光電センサ150でセンサ検出部114が検出されることで、タイヤ受け部材80に車輪SHが載置されたと制御回路で判定する。以後の説明では、必要に応じて、センサ検出部114を検出する光電センサ150を、光電センサ150Aと称呼する。
【0087】
また、残りの2つの光電センサ150は、偏心カム120の検出部122を検出するものである。これら2つの光電センサ150は、制御基板140のうち、出力軸133を挟んで、概ね対称となる位置に配置されている。すなわち、偏心カム120の回転方向において、2つの光電センサ150の位置は、互いに概ね180度離れた反対側に位置している。
【0088】
加えて、1つの光電センサ150は、XZ平面においてカム当接部104に近い位置に配置されている。以下の説明では、必要に応じて、カム当接部104に近い側の光電センサ150を光電センサ150Bと称呼する。また、残りの光電センサ150は、光電センサ150Bとは180度反対の位置(カム当接部104から遠い位置)に配置されている。以下の説明では、必要に応じて、カム当接部104から遠い位置に配置されている光電センサ150を光電センサ150Cと称呼する。
【0089】
このように光電センサ150B,150Cを配置すると、光電センサ150Bにて検出部122が検出される場合には、カム当接部104側においては、出力軸133の回転中心とカム本体部121の外周面との距離が近い。そのため、カム本体部121の外周面は、カム当接部104には接触せず、両者の間に隙間SPが存在する状態となる。
【0090】
これとは逆に、光電センサ150Cにて検出部122が検出される場合には、カム当接部104側では、出力軸133の回転中心とカム本体部121の外周面との距離が離れている。そのため、カム本体部121の外周面は、カム当接部104を押圧し、その押圧によって、ロックレバー100は回動軸S3を支点として回転する。すると、レバー本体部101のうち回動軸S3よりも前側(Y1側)の部位は、下方に向かうように回動させられる。このとき、一対のロック辺部75cの間に隙間Gが形成されていても、レバー本体部101は、その隙間Gに入り込むことはできない。すなわち、一対のロック爪70のロックを行うことはできない。なお、光電センサ150B,150Cで検出された場合に、モータ本体部131の作動を停止させるように、制御回路で制御することも可能である。
【0091】
続いて、LEDランプユニット160について説明する。メインカバー42の上部側には、LEDランプユニット160が配置されている。LEDランプユニット160は、図示を省略する発光ダイオードを有していて、電流を導通させると点灯可能となっている。そして、この発光ダイオードをLEDカバーが覆うように設けられている。そして、たとえば車輪SHをロックしている使用状態のときには、制御回路は、発光ダイオードを点灯させるが、その逆に、車輪SHをロックしていない未使用状態のときに、発光ダイオードを点灯させるようにしても良い。
【0092】
<動作について>
以上のような構成を有する駐輪装置10の動作について、以下に説明する。
図9は、一対のロック爪70が開いている状態を示す正面図である。
図10は、
図9の状態のときのロックレバー100とセンサレバー110の位置関係を示す側面図であり、部分的に各部を透過させた状態を示す図である。
図9および
図10に示すように、自転車等の車両の車輪SHをタイヤ受け部材80の上面部81に位置させる前の状態では、付勢バネS13の付勢力によって、一対のロック爪70は開いている。
【0093】
また、この開き状態のときは、ロックレバー100のカム当接部104は、カム本体部121の外周面に押し込まれて、レバー本体部101はスリット61a内部で下方に位置した状態となっている。一方、センサレバー110は、タイヤ受け部材80の下縁部83c1で押し込まれていないので、レバー本体部111は、押圧バネB2の付勢力によってスリット61b内部で可能な限り上方側に位置している。
【0094】
この状態から自転車等の車両の車輪SHをスロープ部材50に入れて、そのスロープ部材50に沿って車輪SHを上昇させると、車輪SHは持上ピン52に差し掛かる。そして、車輪SHが持上ピン52を乗り越えると、車輪SHはガイドスロープ42bを勢いをつけた状態で進行し、タイヤ受け部材80の上面部81に車輪SHが位置する。
【0095】
上面部81に車輪SHが載置されると、タイヤ受け部材80は降下するが、そのとき、タイヤ受け部材80の下縁部83c1がセンサレバー110のレバー本体部111を押し下げる。このときの状態が
図11および
図12に示されている。
図11は、一対のロック爪70が閉じている状態を示す正面図である。
図12は、
図11の状態のときのロックレバー100とセンサレバー110の位置関係を示す側面図であり、部分的に各部を透過させた状態を示す図である。
【0096】
図12に示すように、下縁部83c1がレバー本体部111を押し下げると、センサレバー110のセンサ検出部114が回動して、光電センサ150Aの投受光空間Lに差し掛かる。すると、光電センサ150Aは制御回路に検知信号を送信する。このようにして、制御基板140に存在する制御回路は、車輪SHがタイヤ受け部材80を押し下げたことを検知する。
【0097】
一方、連結部材S2によって、タイヤ受け部材80と一対のロック爪70とは連結されている。そのため、タイヤ受け部材80が降下すると、その降下にロック爪70も連動する。すなわち、タイヤ受け部材80が降下する前のときには、一対のロック爪70は、
図9に示すように開き状態となっているが、タイヤ受け部材80が降下すると、一対のロック爪70は
図11に示すような閉じ状態となる。すると、車輪SHのリムよりも爪部74同士の幅が狭くなるので、一対のロック爪70が開かない限り、車輪SHは脱出不能となる。
【0098】
また、一対のロック爪70が閉じ状態になると、一対のロック辺部75cの間には、隙間Gが形成される。そのため、レバー本体部101が上昇すれば、この隙間Gに入り込むことが可能となる。
【0099】
しかしながら、初期の閉じ状態では、偏心カム120の検出部122は、光電センサ150Cの投受光空間Lに差し掛かっている。そのため、カム本体部121の外周面は、カム当接部104を押し込んでいる。そのため、隙間Gにはレバー本体部101が入り込まない状態となっている。すなわち、いまだロック状態とはなっておらず、ロックが解除されたロック解除状態となっている。この状態のまま、予め設定された時間が経過すると、制御回路の制御によってモータ本体部131が駆動する。そして、検出部122が光電センサ150Cの投受光空間Lに位置する状態から光電センサ150Bの投受光空間Lに差し掛かり、それによって光電センサ150Bは検知信号を制御回路に送信する。
【0100】
すると、制御回路は、モータ本体部131の作動を停止させる。このときの状態が、
図13および
図14に示されている。
図13は、
図11に示す状態からさらにロックレバー100が回動したロック状態を示す正面図である。
図14は、
図13の状態のときのロックレバー100とセンサレバー110の位置関係を示す側面図であり、部分的に各部を透過させた状態を示す図である。
【0101】
図14に示すように、モータ本体部131の作動を停止させたとき、カム当接部104とカム本体部121との間には、隙間SPが存在する状態となっている。このときには、カム本体部121の外周面によるカム当接部104の押圧状態は解除されているので、押圧バネB1の付勢力によって、ロックレバー100は回動させられる。それにより、
図13および
図14に示すように、レバー本体部101は、スリット61aを上方に進行し、一対のロック辺部75cの間に形成されている隙間Gに入り込む。
【0102】
ここで、
図13において、閉じ状態にある一対のロック爪70を無理やり開けようとする場合、隙間Gが狭まる方向にそれぞれのロック辺部75cは向かう。しかしながら、既に隙間Gにレバー本体部101が入り込んでいる場合、レバー本体部101がロック辺部75cと干渉してしまい、一対のロック爪70を開くことが不能となる。特に、開閉板部75とレバー本体部101とは、直交する状態に配置されているので、一度ロック状態となると、一対のロック爪70を開くことが不能となる。
【0103】
一方、
図14に示すように、レバー本体部101の表面に対して、ロック辺部75cが垂直に当接しても、押圧バネB1の付勢力に抗してまでレバー本体部101を大きく回動させる力は作用しなく、少々ガタつく程度である。そのため、閉じ状態にある一対のロック爪70を無理やり開けようとしても、ロックレバー100は、
図14に示す状態から回動しないか、多少ガタつく程度しか移動しない。
【0104】
ここで、
図14に示すように、ロック状態においては、カム本体部121とカム当接部104の間には、隙間SPが存在している。そのため、ロックレバー100が多少ガタついても、その隙間SPがなくなる状態にはならないので、そのガタツキによる動きは、カム本体部121側には全く伝達されない。すなわち、一対のロック爪70を無理やり開けようとする力は、偏心カム120およびギヤードモータ130側には全く伝達されない状態となっている。
【0105】
<効果>
以上のような構成の駐輪装置10によれば、ギヤードモータ130等のような駆動機構に外力が伝達されるのを防止することが可能となる。特に、本実施の形態では、一対のロック爪70には、重なり部分に対応する開閉板部75が設けられていて、一対のロック爪70が閉じ状態となった場合には、それまでは出現していなかった差込空間に対応する隙間Gが開閉板部75のロック辺部75cの間に出現する。そして、この隙間Gにロックレバー100を差し込むことで、一対のロック爪70が開こうとするのを不能とするロック状態を実現できる。
【0106】
そして、このロック状態から、閉じ状態にある一対のロック爪70を無理やり開けようとしても、レバー本体部101がロック辺部75cと干渉してしまい、一対のロック爪70を開くことが不能となる。加えて、開閉板部75とレバー本体部101とは、直交する状態に配置されているので、外力を与えて無理やり開き状態にしようとしても、ロックレバー100をロック解除状態へとする向き(Y2側に戻す向き)への力が伝わらない。そのため、ギヤードモータ130等のような駆動機構に外力が伝達されるのを防止することが可能となる。
【0107】
また、本実施の形態では、ギヤードモータ130とロックレバー100の間の駆動伝達経路には、偏心カム120が配置されていて、ロックレバー100には、偏心カム120の外周面に当接可能なカム当接部104が設けられている。そして、カム当接部104は、偏心カム120の回動によって偏心カム120の外周面に当接する当接状態と、当該外周面に当接せずに隙間SPが形成される隙間形成状態とを生じさせることが可能である。そして、当接状態では、ロックレバー100が隙間Gに差し込まれるのが阻止されるロック解除状態となり、隙間形成状態では、ロックレバー100が隙間Gに差し込まれて、ロック状態となる。
【0108】
このため、偏心カム120の回動によって、ロック状態とロック解除状態とを良好に実現することができる。しかも、ロック状態では、カム当接部104とカム本体部121の外周面との間に隙間SPを形成することができるので、閉じ状態にある一対のロック爪70を無理やり開けようとして、ロックレバー100に振動等の外力が仮に伝達されたとしても、隙間SPの存在により、振動等の外力がギヤードモータ130側に伝達されるのを遮断することができる。それにより、ギヤードモータ130においてギヤ等の駆動要素が破損したりするのを防止可能となり、駐輪装置10の信頼性を高めることが可能となる。
【0109】
さらに、本実施の形態では、ロックレバー100には、ロック爪70およびタイヤ受け部材80を挟んで、偏心カム120が位置する側とは反対側(Y1側)に延伸し、そのY1側の端部には、ハウジング40に存在する隙間等の差込部に工具を差し込んだ場合に当該工具と係合する工具係合部101bが設けられている。このため、何らかの拍子に駐輪装置10が作動しなくなり、車輪SHをロックした状態でロックレバー100が動かなくなった場合でも、差込部(隙間等)から工具等を差し込んでその工具の先端をレバー本体部101に押し当てて、ロックレバー100を強制的にロック解除位置へと回動させることができ、車輪SHをロックしたままの状態となるのを防止できる。
【0110】
また、本実施の形態では、タイヤ受け部材80は、下縁部83c1でセンサレバー110と当接可能に設けられている。また、制御回路には、タイヤ受け部材80に車輪SHが載置されて当該タイヤ受け部80が降下した際にセンサレバー110を回動させる。そして、制御回路には、タイヤ受け部材80の降下に伴うセンサレバー110の回動を検出する光電センサ150Aからの検出信号が入力され、その検出信号が入力されてから所定時間のタイマカウントを行った後にギヤードモータ130を駆動させてロックレバー100を隙間Gに差し込んだロック状態を実現することができる。そのため、即座にロック状態とならないので、誤って車輪SHをタイヤ受け部材80に乗せた場合でも、車輪SHを脱出させることが可能となる。
【0111】
<変形例について>
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明は、これら以外にも、種々変形可能となっている。以下、それについて説明する。
【0112】
上述の実施の形態では、タイヤ受け部材80の上面部81を車輪SH(タイヤ)が乗ることで、タイヤ受け部材80が下降し、それによってセンサレバー110を押し下げ、またタイヤ受け部材80の下降に伴って、一対のロック爪70が開き状態から閉じ状態へと移行する。しかしながら、このようなタイヤ受け部材80を用いる代わりに、次のような構成を用いても良い。
【0113】
図15は、本発明の変形例に係る駐輪装置10の装置本体部30付近の構成を示す側断面図である。
図15に示す構成では、タイヤ受け部材80Sには、ガイド壁面部83Sは存在するものの、上面部81が存在しない構成となっている。そして、このガイド壁面部83Sの上端側には、タイヤレバー170が設けられている。タイヤレバー170は、一対の腕部171(
図15では1つの腕部171のみ図示)を有していて、その一対の腕部171の間には、車輪SHが位置する板状のレバー板部172が設けられていて、その板状のレバー板部172はY方向に長い長尺状に設けられている。
【0114】
なお、レバー軸173の両端側には、図示を省略する付勢バネが取り付けられている。この付勢バネは、レバー板部172が上昇するような(
図15で反時計周りとなるような)付勢力を与える。
【0115】
一対の腕部171には、レバー軸173を挿通させるための軸孔171aがそれぞれ設けられていて、それぞれの軸孔171aにレバー軸173が挿通されることで、このレバー軸173を支点として、タイヤレバー170が回動可能に設けられている。なお、レバー軸173は、スロープ部材50のうちY1側の側壁50aに取り付けられている。
【0116】
また、レバー板部172は、
図3に示すガイドスロープ42bに倣うような折り曲げ形状に設けられている。すなわち、レバー板部172のうちタイヤ受け部材80SよりもY2側の部位には、屈曲部172aが設けられていて、その屈曲部172aよりもY2側では急角度となるが、その屈曲部172aよりもY1側では傾斜角度が緩くなるように設けられている。そして、屈曲部172aよりもY1側におけるレバー板部172の下方には、タイヤ受け部材80Sが位置している。
【0117】
ここで、タイヤレバー170がタイヤ受け部材80Sを押し込んでいない状態では、レバー板部172において屈曲部172aよりもY1側に向かうにつれて、徐々に上昇するような配置に設けられている。一方で、レバー板部172に車輪SHが位置した場合には、レバー板部172はY1側に向かうにつれて大きく下降するように回動し、それによってタイヤ受け部材80を押し下げるように設けられている。
【0118】
このように構成する場合には、車輪SHの直径に関係なく、タイヤ受け部材80Sを押し下げて、一対のロック爪70を閉じ状態とすることが可能となる。特に、小径の車輪SHの場合には、Y1側に車輪SHを押し込んでも、タイヤ受け部材80の上面部81に車輪SHが良好に位置せずに、車輪SHがタイヤ受け部材80を押し込まない(下降させない)場合もあり得る。しかしながら、上述のように長尺状のレバー板部172を有するタイヤレバー170を用いる場合、小径の車輪SHがレバー板部172の上部に位置した場合でも、タイヤ受け部材80Sを確実に下方に向けて押し込むことが可能となる。それにより、一対のロック爪70の閉じ状態を確実に実現可能となる。
【0119】
なお、
図15に示す構成では、レバー板部172のY1側の端部側には、回り込み部174が設けられている。回り込み部174は、レバー板部172のY1側の端部から下降した後にY2側に向かうようなフック形状に設けられている。また、ベース部材41のY1側の壁面41eには、回り込み部174のY2側の端部と干渉するネジ等の干渉部材175が設けられている。干渉部材175は、レバー板部172が必要以上に上方に回動するのを規制する部材である。
【0120】
また、上述したようなタイヤ受け部材80,80Sを用いる代わりに、次のような構成を用いても良い。
図16は、本発明の別の変形例に係る駐輪装置10の装置本体部30付近の構成を示す側断面図であり、タイヤレバー170のX2側の構成を示す側断面図である。
図17は、本発明の別の変形例に係る駐輪装置10の装置本体部30付近の構成を示す側断面図であり、タイヤレバー170のX1側の構成を示す側断面図である。
【0121】
図16に示すように、タイヤレバー170のレバー板部172には、上昇ストッパ部176が、たとえばネジや溶接等によって一体的に固定されている。上昇ストッパ部176は、下方延伸部176aと、係止部176bとを有している。下方延伸部176aは、レバー板部172の下面から、さらに下方に向かって延伸している部分である。また、係止部176bは、下方延伸部176aの下端から折り曲げられている部分である。具体的には、係止部176bは、ロックフレーム60の幅広部61に向かうように折り曲げられている部分である。
【0122】
また、ロックフレーム60の幅広部61には、フック部61Tが設けられている。フック部61Tは、幅広部61から後ろ側(Y2側)に向かうように折り曲げられた部分である。このフック部61Tの下面側には、係止部176bの上面側が係止可能となっている。
【0123】
すなわち、レバー板部172に車輪SHが位置した場合には、レバー板部172の回動によって上昇ストッパ部176が下降する。そのため、係止部176bはフック部61Tには接触しない。しかしながら、レバー板部172から車輪SHが離れた場合には、レバー軸173に取り付けられている付勢バネにより、レバー板部172は上昇するように回動する。すなわち、タイヤレバー170は、
図16および
図17において反時計回りに回動させられる。しかしながら、かかる回動の回転範囲は、規制する必要がある。そのため、フック部61Tの下面側には係止部176bの上面側が係止して、それ以上反時計回りに回動するのを規制している。
【0124】
また、
図17に示すように、タイヤレバー170のレバー板部172には、押し込みレバー177が、たとえばネジや溶接等によって一体的に固定されている。押し込みレバー177は、センサレバー110Tを押し込む部分である。そのため、押し込みレバー177の下方側には、センサレバー110Tの押し込みに適した形状の押込縁部177aが設けられている。押込縁部177aは、
図17に示す構成では、後ろ側(Y2側)から前側(Y1側)に向かうにつれて、徐々に上昇するような傾斜している縁部である。
【0125】
また、押し込みレバー177には、押込縁部177aの前側(Y1側)で連続するように、維持縁部177bも設けられている。押込縁部177aは、後述する上方延伸部111Tを所定だけ押し下げたときに、係合片部111Taから外れるが、さらに押し込みレバー177が下降すると、係合片部111Taは、維持縁部177bに接触する。維持縁部177bは、押込縁部177aよりも傾斜角度が大きく設けられている。より詳細には、維持縁部177bは、レバー軸173を中心とした円弧形状か、その円弧形状に近似した形状に設けられている。
【0126】
ここで、押込縁部177aが係合片部111Taから外れて、さらに押し込みレバー177が下降したときでも、維持縁部177bは係合片部111Taへ接触した状態を維持し、上方延伸部111Tが上昇するのを阻止している。
【0127】
一方、センサレバー110Tは、
図7等に示すようなセンサレバー110Tとは形状が異なっている。すなわち、
図17に示すように、センサレバー110Tのレバー本体部111の前側(Y1側)には、上方に向かって長く延伸する上方延伸部111Tが設けられている。また、上方延伸部111Tには、係合片部111Taが一体的に設けられている。係合片部111Taは、上方延伸部111Tに対して、直交するように折り曲げられている部分であり、この係合片部111Taの上端側が、上述した押込縁部177aに接触する。
【0128】
かかる
図17に示す構成では、車輪SHがレバー板部172に位置していなく、図示を省略する付勢バネの付勢力によってレバー板部172が上昇している状態では、センサレバー110Tは押圧バネB2の付勢力によって、
図17において反時計回りに回動させられる。このとき、押し込みレバー177は、上述したような、それ以上の上方への移動を規制された規制位置に位置している。また、この状態では、センサレバー110Tのセンサ検出部114(
図7等参照)は、光電センサ150Aの投受光空間Lに差し掛からない。
【0129】
しかしながら、車輪SHがレバー板部172に位置して、レバー板部172を押し下げると、押し込みレバー177の押込縁部177aが、係合片部111Taを押し下げる。それにより、センサレバー110Tが
図17において時計回りに回動させられる。このとき、センサレバー110Tのセンサ検出部114(
図7等参照)は、光電センサ150Aの投受光空間Lに差し掛かる。それにより、車輪SHがタイヤレバー170に乗ったことを検出することができる。
【0130】
ここで、センサレバー110Tのセンサ検出部114は、比較的少し回動することで、光電センサ150Aの投受光空間Lに差し掛かるように構成されている。すなわち、センサレバー110Tは、回動軸S3を中心に回動するが、押し込みレバー177が下降すると、係合片部111Taは前側(Y1側)かつ下方側(Z2側)に移動する。そのため、一定だけ回動すると、係合片部111Taの上端側は押込縁部177aとの当接状態から外れ、維持縁部177bと当接する状態となる。このように、係合片部111Taの上端側が押込縁部177aとの当接状態から外れることで、センサレバー110Tは比較的少しだけ回動するように構成されている。
【0131】
また、係合片部111Taの後ろ側(Y2側)の後壁面が、維持縁部177bと当接しているとき、センサレバー110Tのセンサ検出部114は、投受光空間Lに位置するように構成されている。すなわち、車輪SHがレバー板部172を若干でも押し下げると、その押し下げ状態を検知可能となっている。
【0132】
ここで、センサレバー110Tには、回転止め部110Taも設けられている。回転止め部110Taは、ベース部材41の底部に当接する部分であり、その当接によって、センサレバー110Tが
図17において時計回りに回転するのが阻止される。
【0133】
以上のような、
図16および
図17に示す構成によれば、車輪SHがレバー板部172に乗ると、レバー板部172および押し込みレバー177が下降して、センサレバー110Tを回動させる。それにより、センサ検出部114が投受光空間Lに位置し、車輪SHがレバー板部172に乗ったことが検知される。このとき、レバー板部172は、一対の開閉板部75の上端を押し下げるが、その押し下げによって、一対のロック爪70は閉じ状態となる。また、上記のように車輪SHが乗ったことが検知され、所定時間のタイマカウントを行った後に、制御回路での制御に基づいて、ギヤードモータ130が駆動される。そして、上述したように、ロックレバー100が隙間Gに入り込む。それにより、一対のロック爪70が開こうとするのを不能とするロック状態を実現できる。
【0134】
これとは逆に、車輪SHがレバー板部172に乗らない状態では、レバー板部172が上昇するので、押し込みレバー177は、上方延伸部111Tを押し下げない。そのため、センサ検出部114は投受光空間Lに位置しない。したがって、車輪SHがレバー板部172に乗っていないことが検知される。このときは、制御回路での制御に基づいて、ギヤードモータ130が駆動され、ロックレバー100は隙間Gに入り込まない位置に位置させられる。また、このとき、レバー板部172は一対の開閉板部75の上端側を押し下げないので、一対のロック爪70は開いた状態となる。
【0135】
ここで、たとえばいたずら等によって、車輪SHが持ち上げられる場合がある。そのような場合に、制御回路でロック解除状態と判定してしまうと、料金を払わずに自転車等が出庫される等の不具合が生じてしまう。
【0136】
これに対し、
図16および
図17に示す構成では、このような不具合を解消するような構成を実現している。具体的には、車輪SHを持ち上げた状態でも、車輪SHの高さ(リムとタイヤの合計高さ)が最小サイズのものよりも、爪部74とレバー板部172の間の間隔が狭く設けられている。そのため、車輪SHを持ち上げても、車輪SHのリム内周面が爪部74に干渉することで、レバー板部172は完全には上昇せずに、所定だけ下降した状態となる。
【0137】
ここで、レバー板部172が所定だけ下降すると、センサ検出部114が投受光空間Lするように設定されている。したがって、車輪SHを持ち上げても、制御回路では、車輪SHが入庫されたと判定するので、一対のロック爪70が閉じたロック状態を継続する。したがって、車輪SHがいたずら等で持ち上げられても、一対のロック爪70のロック状態は解除されないので、料金を払わずに自転車等が出庫される等の不具合を防ぐことができる。
【0138】
また、上述の実施の形態においては、重なり部分として開閉板部75が挙げられ、一対のロック爪70が閉じ状態となるときにロック辺部75cの間に存在する隙間Gを差込空間としている。しかしながら、差込空間は、隙間G以外の部分としても良い。たとえば、それぞれ開閉板部75に孔部をそれぞれ設け、一対のロック爪70が閉じ状態となったときにその孔部が連通する構成としても良い。このようにしても、閉じ状態となったときにはロックレバー100を差し込んでロック状態を実現可能となる。また、重なり部分は、開閉板部75以外の部分に設けるようにしても良い。
【0139】
また、上述の実施の形態では、検出手段として光電センサ150を用いたものについて説明している。しかしながら、検出手段は光電センサ150には限られず、種々のものが利用可能である。たとえば反射式の光学センサを用いても良く、磁気変化を検出する磁気センサを用いても良く、また磁歪センサを用いても良い。
【0140】
また、上述の実施の形態においては、付勢手段として押圧バネB1を用いたものについて説明しているが、かかる押圧バネB1のような捩じりバネではなく、コイルスプリングを付勢手段として用いて良く、板バネを付勢手段として用いても良く、その他、ゴム等、種々のものが付勢手段として利用可能である。
【0141】
また、上述の実施の形態では、駆動機構としてギヤードモータ130を用いている。しかしながら、駆動機構は、かかるギヤードモータ130には限られない。たとえば、モータとギヤ機構とが独立した構成であっても良く、ギヤ機構に代えてベルトやリンクのような別途の機械要素を用いる構成であっても良い。また、モータではなく、ソレノイドやエアシリンダ等のような他の駆動源を用いるようにしても良い。
【0142】
また、上述の実施の形態では、駐輪装置10は、主に自転車の車輪SHを保持する場合について説明している。しかしながら、駐輪装置10は、自転車の車輪SHを保持する場合には限られず、有するものであれば、いかなるものであっても良い。他のものとしては、自動二輪車、原動機付き自転車、一輪車、車椅子等がある。