(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記アキュムレータは、第1の端部が前記並進運動可能なアセンブリに結合され、第2の端部が前記並進運動可能なアセンブリに対して固定されているバネアセンブリを備え、前記バネアセンブリは、1つまたは複数のバネを備え、前記バネアセンブリのバネ定数は、調節可能である、請求項1に記載の往復圧縮機。
前記バネの共振周波数および前記バネの前記共振周波数の高調波のうちの一方に実質的に一致する周波数で往復運動するように連接棒が構成されている、請求項1乃至5のいずれかに記載の往復圧縮機。
前記アキュムレータは、第1の導体材料が前記並進運動可能なアセンブリに結合され、第2の導体材料が前記並進運動可能なアセンブリに対して固定されている少なくとも1つのキャパシタを備え、これにより、前記少なくとも1つのキャパシタは、移動する板を有し、また可変静電容量を有する、請求項1乃至6のいずれかに記載の往復圧縮機。
並進運動可能なアセンブリ、前記並進運動可能なアセンブリに結合されたアキュムレータ、および前記並進運動可能なアセンブリに結合された電磁駆動装置を備える往復圧縮機を動作させる方法であって、
前記並進運動可能なアセンブリを第1の移動方向に、前記電磁駆動装置を用いて力を前記並進運動可能なアセンブリに印加することによって加速することと、
前記並進運動可能なアセンブリを前記第1の移動方向に、前記並進運動可能なアセンブリに存在する運動エネルギーを前記アキュムレータに蓄積することによって減速することと、
前記並進運動可能なアセンブリを第2の移動方向に、前記アキュムレータに蓄積されたエネルギーから力を発生することによって加速することと、
を含み、
前記電磁駆動装置は、固定されたステータと、前記並進運動可能なアセンブリに結合された芯と、前記ステータと前記芯との間に配設された複数の磁極片と、を備える、
方法。
前記並進運動可能なアセンブリを前記第1の移動方向に、前記並進運動可能なアセンブリに存在する運動エネルギーを前記アキュムレータに蓄積することによって減速することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
前記アキュムレータは、可変アキュムレータであり、前記方法は前記並進運動可能なアセンブリの前記移動時に所望の量はエネルギーを蓄積するように前記アキュムレータを構成することをさらに含む、請求項13乃至15のいずれかに記載の方法。
前記アキュムレータは、可変アキュムレータであり、前記方法は、前記1または第2の移動距離のうちの一方を変化させ、作動時間を維持するように電磁アクチュエータを作動させることをさらに含む、請求項13乃至16のいずれかに記載の方法。
【背景技術】
【0002】
ガス圧縮機は、広くダイナミックガス圧縮機または容積式ガス圧縮機としてグループ分けされ得る。容積式圧縮機は、ガスによって占有されている容積を縮小することによってガス圧力を高める。容積式ガス圧縮機は、一定量のガスを圧縮室内に封じ込めることによって動作し、ガスによって占有されている容積を機械的に縮小し、それによってガスを圧縮し、圧縮されたガスを供給網内に送る。ガス圧力増大は、その量のガスによって占有される空間の容積減少に対応する。本明細書で使用されている場合、ガスという用語は、気体状態の物質、液体状態の物質、および液体状態と固体状態の両方をとる物質からなる混合物を含む。
【0003】
容積式圧縮機は、往復ピストンまたは回転コンポーネントのいずれかを使用してガスによって占有されている容積を機械的に縮小する。往復圧縮機は、第1の方向に圧縮ピストンを圧縮室内に押し込み、第2の方向にピストンを圧縮室から引き出し、ある体積のガスを圧縮して室を占有するようにすることを繰り返し行うことによってガスの体積を連続的に圧縮する。ピストンが圧縮室内に移動する毎に、ピストンは室の一部を掃気し、それによって、ガスによって占有される室の容積を縮小し、その中の圧力を上げる。次いで、圧縮ガスが室から出て、ピストンが室から引き出され、2回目のガス充填でガスが室に入りその後ピストンが往復運動する。
【0004】
往復圧縮機は、単動式または複動式のいずれかとすることができる。単動式圧縮機は、上で説明されているように、第1の方向でピストンを駆動するときのみ圧縮を行う。複動式圧縮機は、圧縮ピストンの正面と後面の両方に付随する圧縮室を備え、これによって、第1の方向と第2の方向の両方のピストン移動で圧縮を行う。
【0005】
往復圧縮機は、単段式または多段式のいずれかであってもよい。単段式圧縮機では、圧縮機は、上で説明されている第1のピストン移動などにおける、1回の機械的動作でガスの体積を圧縮する。多段式圧縮機では、圧縮機は、ガスを上で説明されている第1の移動においてピストンの正面で圧縮し、圧縮されたガスをピストンの後面に付随する室に移動し、上で説明されている第2の移動においてピストンの後面でガスをさらに圧縮することなどによって、複数の機械的動作でガスの体積を圧縮する。さらに他の多段式圧縮機は、複数の圧縮動作でガスを圧縮するように配置構成された複数の圧縮ピストンを備える。
【0006】
圧縮にピストンを使用する往復圧縮機には、いくつかの不利点がある。例えば、往復コンポーネントに付随する慣性力は、ピストン装備圧縮機では高い。連続的往復運動において、圧縮機駆動装置は、ピストンを一方向に加速し、停止し、次いで、反対方向に加速する。ピストンアセンブリが大きければ大きいほど、駆動装置はアセンブリの加速および減速を行うのにより大きな力を供給する必要がある。また、アセンブリの運動エネルギーは、典型的には行程の終わりに散逸する(および保存されない)ので、圧縮機は、本質的に、効率があまりよくない。そのようなエネルギー損失は、比較的短い行程を有する圧縮機では特に重大であり、ピストンアセンブリを加速することに付随する慣性負荷は、駆動アセンブリに加えられるピーク負荷である。その結果、圧縮機駆動装置によって発生する力の大半は、ガスを圧縮することには費やされず、むしろ、ピストンアセンブリを連続的に加速することに費やされる。
【0007】
高圧天然ガスの用途では、圧縮機は、典型的には回転駆動される。次いで、回転駆動装置は、回転駆動装置と駆動軸の回転をピストンの直線的並進運動に変換するピストンとの間に機械的接続部を有し、典型的にはこれには連接棒が使用される。連接棒は、ピストンによって掃気される圧縮室の部分が一定となるように圧縮動作を制約する。したがって、駆動軸の速度を変えることなく圧縮されたガスの体積を変化させるために、ピストン装備圧縮機は、ターンダウンを備える。ターンダウンは、ピストンが中で往復する室の容積によって圧縮室の容積を変え、それによってそれぞれの行程で室内のガスが受ける圧縮を変える。ターンダウンには、調節に時間がかかること、および操作者がクランクを物理的に操作して圧縮室の容積を変えることができるように圧縮機をオフラインにすることすら必要であることなど、それ固有の不利点がある。
【0008】
容量調節可能圧縮機(adjustable capacity compressor)を実現する一代替的形態は、リニアモーター駆動式圧縮機である。このような圧縮機は、2005年12月付けのDeffenbaugh et al, DOE Award No. DE-FC26-04NT42269の下で作成されたAdvanced Reciprocating Compression Technology Final Report, SwRI Project No.18.11052(「ARCT Report」)において提案された。しかし、ARCT Reportで結論しているように、リニアモーターは、往復圧縮機を駆動するために使用することも可能であるが、現在のリニアモーター技術では、そのような圧縮機はより低速で動作し、比較的長い行程長を有する−したがって容量は小さく、従来の天然ガス供給システムには適していない−より小径のシリンダに制限されている。これらの制限は、一部には既存のリニアモーター技術によって達成可能な力の量が制限されていることにより、また一部には上述の連接棒の荷重の慣性負荷要件によるものである。
【0009】
したがって、必要な駆動力が、圧縮ピストンを加速するのに必要な慣性力ではなく、圧縮室内のガスを圧縮するのに必要な力によって駆動される往復圧縮機が求められている。また、既存のリニアモーター技術の能力の範囲内で必要な付随する駆動力があり大きな内径を有する往復圧縮機も求められている。最後に、既存のリニアモーター技術の能力の範囲内で必要な付随する駆動力があり短い行程長を有する往復圧縮機も求められている。
【0010】
本発明の他のさまざまな特徴、目的、および利点は、当業者には、本明細書の添付図面およびその詳細な説明から明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の詳細な説明では、出願の一部をなす、本発明のいくつかの実施形態を例示する、添付図面を参照する。これらの実施形態は、当業者がこれらの実施形態を実施できるように十分に詳しく説明されているが、他の実施形態を利用できること、また本発明の範囲から逸脱することなく論理的変更、機械的変更、電気的変更、および他の変更を行えることも理解されるであろう。したがって、以下の詳細な説明は、本発明の範囲を制限するものとして解釈されないものとする。
【0016】
図1および
図2は、往復圧縮機10を示している。圧縮機10は、シリンダ(ハウジング)14内に摺動可能に配設されているピストン12を備える。ピストンは、ヘッドエンドの方へ配向された第1の面16およびクランクエンドの方へ配向された第2の面18を有する。本明細書で使用されて場合、「ヘッドエンド」は、駆動アセンブリから最も遠いところにある圧縮アセンブリの端部を指す。また本明細書で使用される場合、「クランクエンド」は、駆動アセンブリに最も近いところにある圧縮アセンブリの端部を指す。合わせてピストン12およびシリンダ14は、第1および第2の容積可変圧縮室(20、22)を協働して画成し、それぞれの室(20、22)は複数の入口(24、26)を通してガス供給部(図示せず)と選択的に空気圧により連通する。それぞれの室(20、22)は、複数の出口(28、30)を通じてガス供給/伝達システム(図示せず)と選択的に空気圧で連通する。圧縮機10は、電磁駆動装置32も備え、駆動装置32はステータ34および芯36を有する。連接棒38は、駆動装置芯36をピストン12に取り付ける。まとめると、ピストン12、連接棒38、および芯36は、並進運動軸42に沿って往復可能に駆動されるように構成された並進運動可能なアセンブリ40を備える。
【0017】
本明細書の図面全体を通しての規約により、45度のハッシュマークを有する要素/アセンブリは、そのような識別記号を有しない要素/アセンブリに対して固定される。したがって、
図1および
図2に示されているように、ステータ34およびシリンダ(ハウジング)14は、並進運動可能なアセンブリ40に対して固定される。作動した後、ステータ34および芯36は、軸方向の力が並進運動可能なアセンブリ40に印加されるように連携し、それによって、アセンブリ40が軸42に沿って並進運動させられる。駆動装置32は、軸方向の力が逆転可能なように構成され、これにより、並進運動可能なアセンブリ40は軸42にそって前後に往復運動する。
【0018】
本明細書で使用される場合、「下死点」という用語は、ピストンが駆動アセンブリに隣接する端部で圧縮アセンブリ内に位置決めされる位置に関する配置構成を指す。本明細書で使用される場合、「上死点」という用語は、ピストンが駆動アセンブリの反対側の端部で圧縮アセンブリ内に位置決めされる位置に関する配置構成を指す。本明細書で使用される場合、「往復(運動)」という用語は、並進運動軸に沿ってピストンをヘッドエンドの方へ、次いでクランクエンドの方へ駆動する並進運動可能なアセンブリの移動を連続的に交互に行うことを指す。
【0019】
図1は、下死点に位置するピストン12を示している。
図2は、上死点に位置するピストン12を示している。ピストン12を
図1に示されている下死点位置から
図2に示されている上死点位置に移動するために、駆動装置32は、ヘッドエンド向き付け力44をアセンブリ40に印加する。力44は、軸42に沿ってアセンブリ40を駆動し、それによって、ピストン12を圧縮アセンブリのヘッドエンドの方へ移動し、
図1に示されている位置から
図2に示されている位置に移動する。
【0020】
ピストン12が下死点から上死点に並進運動している間に、第1のピストン面16が力をガスが占有している室20に印加し、それによってガスを加圧する。それと同時に、ピストン12が並進運動することでも、室22の容積が増大する。
図2に流れ矢印46によって示されているように、ピストン12によって圧縮されたガスは、室20から流れ出て、ガス分配/伝達システム(図示せず)内に流れ込む。同様に、
図2に流れ矢印48によって示されているように、圧縮されるべきガスは、ガス供給部(図示せず)において室22内に流れ込む。次いで、ピストンは、減速し、上死点で停止し、方向を逆転し、クランクエンド方向に加速し、軸42に沿って駆動装置12の方へ軸方向並進運動し、それによって類似の一連の事象が生じる。
【0021】
図3および
図4は、往復並進運動中に並進運動可能なアセンブリ40に作用する力を示している。
図3は、軸42に沿ってアセンブリ40の上で論じた並進運動中に配置構成されている力を示している。駆動装置32は、「F
Piston Face」とラベル付けされている、第1のピストン面16に加えられる力に打ち勝つのに十分な大きさを有する、
図3において「F
Drive」とラベル付けされている、論じられているヘッドエンドの方に配向された駆動力44を印加する。また駆動力44は、並進運動可能なアセンブリ40の質量を加速するのに十分な大きさも有し、この質量は
図3において「M
Translatable Assembly」とラベル付けされている。同様に、
図4は、並進運動可能なアセンブリ40に、軸42に沿ってアセンブリ40が並進運動している間に作用する力を示しており、これによりピストンは圧縮アセンブリのクランクエンドの方へ駆動される。
図4において、「F
Drive」は、「F
Piston Face」とラベル付けられている第2のピストン面18に加えられる力に打ち勝つのに十分な大きさを有する。また駆動力44は、並進運動可能なアセンブリ40の質量を加速するのに十分な大きさであり、この質量は
図4において「M
Translatable Assembly」とラベル付けされている。
図3および
図4のそれぞれにおいて、駆動装置32によって生み出される力は、以下の式を満たさなければならない。
【0022】
F
Drive=(M
Translatable Assembly)*α+F
Piston Face (式1)
ただし、αは、並進運動可能なアセンブリ40の加速度である。「(M
Translatable Assembly)*α」という項は、加速を受けたときに並進運動可能なアセンブリ40の往復運動する質量を加速するために打ち勝たなければならない慣性力を表す。
【0023】
図5は、シリンダを複数のセグメントに分割することによる例示的なピストン並進運動を示しており、それぞれのシリンダセグメントは異なるピストン加速度を有する。
図6は、
図5に示されているシリンダセグメントにおけるピストン加速度と時間との関係をグラフで示しており、共通時間軸において駆動力の相対的大きさとそれぞれのシリンダセグメントで必要な時間との関係を示すグラフをさらに含む。
【0024】
図5は、4本のシリンダ切断線(50、52、54、56)によって3つのセクション(A、B、C)に分けられた圧縮機シリンダ14を示している。切断線50および52は、室セクションAを画成し、切断線54および56は、室セクションCを画成し、切断線52および54は、室セクションBを画成する。
図6に示されているように、式1に関して、ピストン12がシリンダセクションA内の下死点にあるときに、駆動装置32は、(a)ピストンの第1の面16上に印加されたガス力に打ち勝つとともに、(b)並進運動可能アセンブリ40内に存在する慣性力を高めるのに十分な、ヘッドエンドに配向された力を印加し、それによってこれらは並進運動アセンブリ40を加速する。ピストン12がセクションBに入ると、必要な力は低下し、駆動装置32は(a)ピストンの第1の面16に印加されるガス力に打ち勝つだけで十分な力を供給する。並進運動可能なアセンブリ40の慣性は、シリンダセクションBでは一定である。ピストン12がセクションCに入ると、駆動装置32は再度、力の量を増やして供給し、これは(a)ピストンの第1の面16に印加されるガス力に打ち勝つとともに(b)並進運動可能なアセンブリ40に存在する慣性力を取り除くのに十分なものであり、これによってアセンブリ40の並進運動を減速し、アセンブリを停止させ、ピストンをその上死点位置に残す。
【0025】
図6は、上記の考察の速度および力の変化をグラフで示している。
図6は、時間に対してグラフにされた速度と力、x軸上に現れる時間、左y軸上に現れる速度、および右y軸上に現れる力を示している。シリンダ切断線(50、52、54、56)に対応する4本のグラフ切断線(50、52、54、56)は、グラフを3つのセクション(A、B、C)に分割し、それぞれのセクションは共通の駆動力レベルおよび並進運動可能なアセンブリの加速度を有する。
図5と同様に、
図6において、切断線50および52は、室セクションA内の力の印加およびピストンの加速を示すグラフ「A」の第1の部分を画成し、切断線52および54は、室セクションB内の力の印加およびピストンの加速を示すグラフ「B」の第2の部分を画成し、切断線54および56は、室セクションC内の駆動力の印加およびピストンの加速を示すグラフ「C」の第3の部分を画成する。「velocity」とラベル付けされている実線は、下死点から上死点への移動時のピストンの速度の軌跡58を示しているが、「Force」とラベル付けされている三角形のマーカーを有する破線は、下死点から上死点位置への移動時の駆動力印加の軌跡60を示している。
【0026】
図6から明らかなように、駆動力の要件は、駆動アセンブリが並進運動可能なアセンブリ40を加速/減速しなければならないときに最高となる。これは、加速が変化しているグラフに示されている部分「A」および部分「C」における相対的に極端な力の軌跡の値で示される。結果として、2つのことが続く。第1に、並進運動可能なアセンブリを加速するために必要な力は、駆動アセンブリの力要件を決定し、利用可能な駆動アセンブリの技術に対する制限が、これにより、電磁作動ガス圧縮機の構造のサイズを制限する。第2に、式1によって決定される任意の電磁作動圧縮機について、ピーク力負荷を低減できる場合、圧縮機のサイズは、より強力な電磁アクチュエータを備えなくても大きくすることができる。
【0027】
圧縮機が並進運動方向を変化させる毎に、駆動装置は、(a)移動している並進運動可能なアセンブリを停止するまで減速し、それによって、移動している並進運動可能なアセンブリに存在する慣性力に打ち勝ち、(b)停止している並進運動可能なアセンブリを反対方向に加速し、それによって慣性力を並進運動可能なアセンブリに伝えなければならない。したがって、第2の移動で使用するため第1の移動に存在する慣性力を保存するメカニズムを圧縮機10に組み込むことが有利であろう。
【0028】
図7および
図8は、並進運動可能なアセンブリ140内に存在する慣性力を保存するように構成され、それによって一定の速度負荷に対して棒の加速ピーク負荷が有利に低減されている、圧縮機100の非限定的な一例を示している。
【0029】
図7は、アキュムレータ174を有する圧縮機を示している。アキュムレータ174は、第1の移動可能なフランジ162および第2の移動可能なフランジ172を画成する連接棒138を備える。アキュムレータ174は、開口168を有する支柱166をさらに備え、連接棒138は支柱166内に摺動可能に受け入れられる。アキュムレータ174は、第1の弾性部材164および第2の弾性部材170をさらに備える。
図7に示されているように、弾性部材164は、移動可能な第1のフランジ162と固定された支柱166との間に配設される。同様に、弾性部材170は、移動可能な第2のフランジ172の間に配設される。弾性部材は、並進運動可能なアセンブリ140が加速しているときに、弾性部材(164、170)がアセンブリ140上の駆動装置132の方向と実質的に同じ方向に向き付けられた力を印加するように構成され、これにより、他の方法ではアセンブリ140を加速するために駆動アセンブリで印加する必要のある力を低減する。弾力性部材は、そのような力を、圧縮されたバネ164および伸長されたバネ170としてそれぞれ例示的な実施形態に示されているように、それぞれの弛緩状態に戻すことによって印加する。
【0030】
同様にして、弾性部材は、並進運動可能なアセンブリ140が減速しているときに、弾性部材(164、170)が並進運動可能なアセンブリ140の運動の方向と実質的に反対の同じ方向に向き付けられた力を印加するように構成され、これにより、アセンブリ140の速度を減速し、他の方法ではアセンブリ140を減速するために駆動アセンブリ132でアセンブリ140に印加する必要のある力を低減する。弾性部材はそのような力を、それぞれの弛緩状態(図示せず)から変形されることによって印加する。したがって、アキュムレータ174は、アセンブリを減速することによって第1のアセンブリの移動時に移動している並進運動可能なアセンブリ140に存在している慣性を「預け」、第2のアセンブリの移動においてアセンブリを加速することによってその慣性をアセンブリ140に戻す技術的効果を有する。
【0031】
駆動装置132が軸142に沿って並進運動可能なアセンブリ140を加速する間隔中、アキュムレータ174は、駆動装置132と呼応して力を有利に印加し、それによって、駆動装置132が(a)ピストンの第1の面116に印加されるガス力に打ち勝ち、(b)並進運動可能なアセンブリ140に存在する慣性力を増大させるのを支援する。そのような加速間隔において、駆動装置132によって生み出される力は、以下の式を満たさなければならない。
【0032】
F
Drive=(M
TranslatableAssembly)*α+F
PistonFace−F
Accumulator (式2)
駆動装置132が軸142に沿って並進運動可能なアセンブリを減速する間隔中、アキュムレータ174は、駆動装置132と呼応して力を有利に印加し、それによって、駆動装置132が並進運動可能なアセンブリ140に存在する慣性力を取り除くのを支援し、それによってヘッドエンド方向でアセンブリ140を減速する。そのような減速間隔において、駆動装置132によって生み出される力は、以下の式を満たす。
【0033】
F
Drive=(M
TranslatableAssembly)*(−α)+F
PistonFace+F
Accumulator (式3)
式2および式3に示されているように、アキュムレータ174は、駆動装置132が並進運動可能なアセンブリ140を加速するために生み出す必要のある力を低減する技術的効果を有する。単一のバネを備えるアキュムレータについて式2および式3の「F
Accumulator」項を展開すると、駆動装置によって生み出される力は、以下の式を満たす。
【0034】
F
Drive=(M
TranslatableAssembly)*(−α)+F
PistonFace+(k*X) (式4)
ただし、kはバネ定数であり、Xは平衡位置からの並進運動可能な部材に接続されているバネ端部の変位量である。
図7および
図8に示されているバネ(164、170)は、例示に過ぎず、他の力を預けるデバイスも、本発明の範囲内にある。
【0035】
例えば、一実施形態では、第1の導体(図示せず)が固定され、第2の導体(図示せず)が並進運動可能なアセンブリに取り付けられているキャパシタ(図示せず)は、誘電体(例えば空気)によって分離される。このようにキャパシタは移動する板(詳細には、一方の板が他方の板に対して移動する)を有し、これにより可変静電容量を有する。この実施形態の一変形形態によれば、2枚の導体の間の誘電体占有距離は並進運動可能なアセンブリの並進運動とともに変動する。第1および第2の導体は一気に帯電され、圧縮機の動作中に絶縁されたままにされ得るか、または別々に帯電され、圧縮機の異なる動作期間中に絶縁されたままにされ得るか、または圧縮機の動作中に定電圧発生器に恒久的に接続され得るか、または圧縮機の動作中に可変電圧発生器に恒久的に接続され得る(典型的には、発電機の電圧は並進運動可能なアセンブリの発振周期に対してゆっくりと変動する)。そのようなアキュムレータは、並進運動可能なアセンブリの移動に対応する変化可能な電荷を蓄積し、キャパシタはこれによってアセンブリの慣性エネルギーを預け、また並進運動可能なアセンブリのその後の並進運動に動力を与えるための電荷を供給するように構成される。1つまたは複数のキャパシタを使用する場合に、バネ定数が一定であるか、または可変であるものとしてよい1つまたは複数のバネと併用することができる。
【0036】
有利には、バネを備える弾性部材を有する実施形態において、バネは、駆動装置が並進運動可能なアセンブリを作動させてバネの共振周波数で並進運動可能なアセンブリを励起するように構成される。次いで、バネは、共振周期を所望の作動時間と一致させるように設計され得る。あるいは、バネは、共振周期の高調波を所望の作動時間と一致させるように設計され得る。
【0037】
本発明の実施形態のバネが、弦巻バネに対する最も一般的な場合に対応する時間および空間に関して一定であるバネ定数を有することができ、あるいは、バネ定数は、特に長さに沿って時間および/または位置について変動し得る(すなわち、バネの圧縮度に依存する)ことに注目すべきである。
【0038】
図9は、行程を大きくし、作動時間を維持することによって圧縮機の容量を変化させ、それによって磁石の位置を最適化できるように構成された可変アキュムレータの一実施形態を示している。例示的な様式において、例示されているアキュムレータ174は、複数の選択可能な並列バネ(101、102、103、104、105、106、107、108、109)を有する弾性部材164を備える。1つの行程で使用されるバネの数を変更し、それによって式4に示されているバネ定数を変え、それによって行程長を変化させ、磁石の位置を最適化することができる。
【0039】
より一般的には、
図9の実施形態のアキュムレータは、第1の端部が並進運動可能なアセンブリに結合され、第2の端部が並進運動可能なアセンブリに対して固定されているバネアセンブリを備えると言える。このバネアセンブリは、複数のバネを備え、このバネアセンブリのバネ定数は、調節可能であり、実際、バネは、異なるバネ定数を有し、選択的に有効になるように並列に配置構成される。あるいは、バネアセンブリは、異なる長さを有し、異なる有効行程を有するように並列に配置構成された複数のバネを備えることができる(すなわち、並進運動可能なアセンブリの第1の変位範囲では、バネの第1のセットは並進運動可能なアセンブリ上で能動的であり、第2の変位範囲では、バネの第2のセットが能動的であり、第3の変位範囲では、バネの第3のセットが能動的であり、...)。「並列に配置構成される」という表現は、機能の観点から解釈されるべきであり、実際、バネの軸は、互いに平行である(さらに限定された場合として一致している)か、または互いに対して傾いていてもよい。
【0040】
図10および
図11は、与えられた速度のプロフィールを達成するために必要なピーク力に関して圧縮機10に勝る圧縮機100の有利な技術的効果を示している。
【0041】
図10は、4本のシリンダ切断線(150、152、154、156)によって3つのセクション(AA、BB、CC)に分けられた圧縮機シリンダ114を示している。切断線150および152は、室セクションAAを画成し、切断線152および154は、室セクションBBを画成し、切断線154および156は、室セクションCCを画成する。
図9に示されているように、式2に関して、ピストン112がシリンダセクションAA内の下死点にあるときに、駆動装置132は、(a)ピストンの第1の面116上に印加されたガス力に打ち勝つとともに、(b)並進運動可能アセンブリ40内に存在する慣性力を高めるのに十分な、ヘッドエンドに配向された力を印加し、これによって並進運動アセンブリ140をヘッドエンド方向に加速する。ピストン112がセクションBBに入ると、必要な力は低下し、駆動装置132は(a)ピストンの第1の面116に印加されるガス力に打ち勝つだけで十分な供給する。並進運動可能なアセンブリ140の慣性は、シリンダセクションBBでは一定である。ピストン112がセクションCCに入ると、駆動装置132は再度、式3によって決定される力の量を増やして供給し、これは(a)ピストンの第1の面116に印加されるガス力に打ち勝つとともに(b)並進運動可能なアセンブリ140に存在する慣性力を取り除くのに十分なものであり、これによってアセンブリ140の並進運動を減速し、アセンブリを停止させ、ピストンをその上死点位置に残す。
【0042】
図11は、上記の考察の速度および力の変化をグラフで示している。
図11は、時間に対してグラフにされた速度と力、x軸上に現れる時間、左y軸上に現れる速度、および右y軸上に現れる力を示している。シリンダ切断線(150、152、154、156)に対応する4本のグラフ切断線(150、152、154、156)は、グラフを3つのセクション(AA、BB、CC)に分割し、それぞれのセクションは共通の駆動力レベルおよび並進運動可能なアセンブリの加速度を有する。
図10と同様にして、
図11の切断線150および152は、室セクションA内の力の印加およびピストンの加速を示すグラフ「AA」の第1の部分を画成し、切断線152および154は、室セクションBB内の力の印加およびピストンの加速を示すグラフ「BB」の第2の部分を画成し、切断線154および156は、室セクションCC内の駆動力の印加およびピストンの加速を示すグラフ「CC」の第3の部分を画成する。「velocity」とラベル付けされている実線は、それぞれの圧縮機10および圧縮機100に共通の下死点から上死点への移動時のピストンの速度の軌跡を示している。「Force
10」とラベル付けされている三角形のマーカーを有する破線は、下死点から上死点位置への移動時の圧縮機10の駆動装置32による駆動力印加を示しているが、「Force
100」とラベル付けされている円形のマーカーを有する破線は、下死点から上死点位置へのピストン112の移動時の圧縮機100の駆動装置132による駆動力印加を示している。有利には、ピーク力要件は、圧縮機100については、「Force
10」の軌跡が「Force
100」の軌跡から逸れるグラフに示されているように、AAとCCの両方の領域における圧縮機10よりも低く、間隙には「Reduced Force」とラベル付けされている。
図11に示されている有利な力要件は、例示的であり、非限定的であり、ピストンの行程の加速/減速および一定速度セグメントは、本明細書で開示されている発明の異なる実施形態では変動し得る。
【0043】
圧縮機100のさらに有利な効果は、既存のリニアモーター技術を、商業ベースで有用な容量を有する機械を構築できるように適合することができるという点である。
【0044】
例えば、第1の非限定的な実施形態では、圧縮機100は、同期リニアモーターを有する電磁駆動アセンブリ132を備える。この実施形態では、ステータ134は、複数の導電コイルを備え、芯136は、永久磁石を備える。複数の導電コイルは、同軸上に、軸142に対して平行に配置構成される。動作に関して、複数のコイル内の1つのコイルは、個別に通電することができ、それによって、磁力による推進力が発生して芯136を押し、それによって軸142に沿って並進運動可能なアセンブリ140を往復可能に駆動する。
【0045】
あるいは、第2の非限定的な実施形態では、圧縮機100は、非同期リニア誘導モーターを有する電磁駆動アセンブリ132を備える。この実施形態では、ステータ134は、複数の導電コイルと銅またはアルミニウムなどの導体材料から構築された反応板を備える芯136とを備える。複数の導電コイルは、実質的に同軸上に、または軸142に関して平行に配置構成される。複数のコイルは、3相AC電源(図示せず)に接続し、通電された後に、電流が反応板内に誘導されるように構成される。誘導電流は、コイルと相互作用する磁界を発生し、それによって芯136を押す推進力を発生し、それによって軸142に沿って並進運動可能なアセンブリ140を往復可能に駆動する。
【0046】
図12から
図17は、磁気歯車駆動装置によって電磁的に駆動される圧縮機の実施形態を示している。
【0047】
図12は、本発明の一実施形態による磁気歯車駆動装置232を示している。磁気歯車駆動装置232は、連接棒238に結合され、センサー(図示せず)または制御システム(図示せず)、またはこれらの組み合わせから発せられる信号に応答してシリンダ(ハウジング)214内に配設されているピストン212を往復可能に並進運動させるように構成されている。磁気歯車駆動装置232は、第1のステータと第2のステータとの間に配設された芯236を備え、ステータは
図11においてステータ234としてまとめて識別されている。芯236は、連接棒238に結合され、芯236、連接棒238、およびピストン212は並進運動可能なアセンブリ240を備える。
【0048】
図13は、本明細書で開示されている圧縮機に適した例示的な駆動装置332を示している。例示されている駆動装置実施形態では、駆動装置332は、移動可能な芯336およびステータ334を備える。図示されている実施形態において、芯336は、ステータ334に対して外向きに配設される。芯336は、圧縮機の連接棒338の一部を含み、連接棒338の表面378上に形成される交互配向(矢印で示されている)の複数の永久磁石376をさらに備える。ステータ334は、基部380および基部380に結合された複数の巻き線382を備える。連接棒338に設けられる永久磁石376の数および基部380に設けられる巻き線382の数は、圧縮機の用途に応じて変わり得る。有利には、この例示的な構成によって与えられるトルク密度は、圧縮機のサイズの著しい縮小を可能にし、その結果、コストおよび重量も低減され、これによって、並進運動可能なアセンブリ340(図示せず)の質量を減らすことによってピーク力要件を有利に下げられる。上で示されているように、連接棒338の一部を備える外側基部/内側は、磁気歯車装置が組み込まれている圧縮機300(図示せず)の可能な一構成である。これは、非限定的な構成である。別の例示的な実施形態では、駆動装置332は、外側永久磁石基部および連接棒の一部に配列されている巻き線を備える。このような一実施形態では、複数の永久磁石376が、基部380の内面に設けられている。
【0049】
図14は、本発明の別の例示的な実施形態による磁気歯車駆動装置432を示している。例示されている実施形態では、芯436は、連接棒438の一部、および連接棒438の一部の内面478に形成された交互配向(矢印で示されている)の複数の永久磁石476を備える。ステータ434は、基部480および基部480に結合された複数の巻き線482を備える。複数の静止している磁極片484は、複数の芯磁石476とステータの巻き線482との間に形成された空隙486内に配設される。圧縮機400(図示せず)要件に応じて、磁極片484を基部480に(例えば、ステータの芯材料と同じ積層板からの型押しによって)取り付けるか、または個別に取り付けることができる。一実施形態において、空隙が基部480と磁極片484との間に存在し得る。別の実施形態において、非磁性体が基部480と磁極片484との間に挿入され得る。静止している磁極片484は、永久磁石の芯436によって励起される磁界と静止している巻き線482によって励起される磁界との間のトルク伝達を円滑にする。永久磁石476の数、ステータ巻き線482、および磁極片484は、圧縮機の用途に応じて変えることができる。
【0050】
図15は、本発明の別の例示的な実施形態による磁気歯車駆動装置532を示している。例示されている実施形態では、芯536は、連接棒538の一部、および連接棒538の内面578に形成された交互配向(矢印で示されている)の複数の永久磁石576を備える。ステータ534は、基部580および基部580に結合された複数のステータの巻き線582を備える。複数の静止している磁極片584は、芯磁石576とステータの巻き線582との間に形成された空隙576内に配設される。例示されている実施形態では、磁極片584は、ステータの基部580に一体化される。前の実施形態で論じられているように、静止している磁極片584は、永久磁石の芯536によって励起される磁界と静止している巻き線582によって励起される磁界との間のトルク伝達を円滑にする。
【0051】
図16は、本発明の別の例示的な実施形態による磁気歯車駆動装置632を示している。例示されている実施形態では、駆動装置632は、第1のステータ636と第2のステータ696との間に配設された移動可能な芯638を備える。芯638は、連接棒638の一部の中に組み込まれた複数の永久磁石676を備える。それぞれのステータは、基部(680、688)およびそれぞれの基部に結合された複数のステータの巻き線(628、690)を備える。例示されている実施形態では、静止している磁極片684の第1のセットは、芯磁石678とステータの巻き線682との間に形成された空隙686内に配設される。静止している磁極片692の第2のセットは、空隙694が芯磁石678と巻き線690との間に形成された状態で配設される。
図15に例示されている実施形態と同様に、静止している磁極片684の第1のセットは、ステータの第1の固定された基部680に一体化され得る。静止している磁極片692の第2のセットは、ステータの第2の固定された基部688に一体化され得る。
【0052】
図17は、本発明の別の例示的な実施形態による磁気歯車駆動装置732を示している。例示されている実施形態では、駆動装置732は、第1のステータ734と第2のステータ796との間に配設された移動可能な芯736を備える。芯736は、連接棒738の一部、連接棒の表面778に設けられた永久磁石776の第1のセット、および連接棒の表面778に設けられた永久磁石798の第2のセットを備える。第1のステータ734は、第1の固定された基部780および第1の固定された基部780に結合された複数のステータの巻き線782を備える。第2のステータ796は、第2の固定された基部796および第2の固定された基部788に結合された複数のステータの巻き線790を備える。
図15および
図16に例示されている実施形態と同様に、静止している磁極片(
図17には示されていない)は、ローターの磁石とステータの巻き線の間に配設されるか、またはステータの芯内に一体化され得る。
【0053】
上に示されているさまざまな磁気歯車駆動装置実施形態において、圧縮機の芯は、永久磁石の芯とともに実装される。しかし、一体化された磁石歯車装置も巻線界磁、りすかご、またはスイッチドリラクタンス磁極を有する芯を使用して達成されうることも企図されている。言い換えると、芯の磁界は、永久磁石の代わりに直流電力を使用する電磁石を用いて実装され得る。さらに、磁束変調デバイスとして働く静止している磁極片に関して、そのような片の形状は、例えば、卵形または台形の形状など、正方形の挿入物に加えて、他の挿入物の形状によって具現化され得る。上の実施形態において示されている構成は、例示することを目的として三相巻き線を含むものとして図示されている。また異なる数の相も使用することが可能であることをも理解されたい。
【0054】
有利には、
図12から
図17に示されている実施形態では、速度および/または圧縮機ピストンによって掃気される容積を、並進運動可能なアセンブリの移動時に通電される巻き線のタイミングおよび/または数を変えることによって変動させることが可能である。これにより、圧縮室の容積を(例えば、ターンダウンにより)物理的に再構成する必要性がなくなる。これらの機械では、圧縮シリンダのヘッドエンドを手動操作されるクランクで機械的に変位させることによって容量を制御し、この機能は、非一時的な機械可読媒体に記録されている命令のセットによりプログラムされるコントローラに適応されることはより困難である。本発明のいくつかの実施形態において、これらの命令によりコントローラに対して、(a)並進運動可能なアセンブリの並進運動で通電する巻き線のサブセットを選択すること、(b)並進運動可能なアセンブリを目標速度で並進運動させるために巻き線を順次通電することを指示する。一実施形態において、並進運動速度は、圧縮機がアキュムレータの弾性部材の共振周波数に実質的に等しい周波数で動作し、これにより弾性部材が並進運動可能な部材の慣性エネルギーを急速に蓄積/放出するようにさらに選択される。別の実施形態において、圧縮機は、弾性部材の共振周波数の高調波で動作し、これによってより多くの慣性エネルギーが蓄積されるが、弾性部材の共振周波数の場合より小さい。
【0055】
図18は、ソレノイド駆動装置832を有する電磁駆動圧縮機800の一実施形態を示す。
【0056】
図18は、双方向(BDE設計)電磁駆動装置832を有する例示的な圧縮機800を示している。駆動装置832は2つの芯を備え、第1の芯802は開口806を有し、第2の芯804は開口808を有する。これらの芯は鉄または優れた磁気特性を持つ任意の他の金属板から作られ、これにより駆動装置のサイズおよび重量を減らすことができる。一実施形態において、芯は、鉄コバルト合金から作られる。例示的な駆動装置832は、第1の芯802および「E字形」の形状を有する第2の芯804を備える。他のいくつかの実施形態では、芯は、限定はしないが「U字形」の形状を含む任意の他の好適な形状を有することができる。駆動装置832は、並進運動可能なアセンブリ840によって画成された板801をさらに備え、並進運動可能なアセンブリ840は開口806および開口808に摺動可能に受け入れられる。いくつかの実施形態において、駆動装置は4つの芯を備えることができる。第1の芯802は、第1の芯802内に配設された2つのコイル810のセットを含む。第2の芯804は、第2の芯804内に配設された2つのコイル803の別のセットを含む。いくつかの実施形態において、芯は、2つよりも多いコイルを備えることができる。圧縮機800は、並進運動軸842に沿った並進運動可能なアセンブリ840の移動を助けるために力を加えるように上で説明されているように構成されている第1の弾性部材864および第2の弾性部材870を有するアキュムレータ874をさらに備える。双方向駆動装置832は、並進運動可能なアセンブリ840と駆動可能に係合し、それによって、上で説明されているようにシリンダ(ハウジング)814内のピストン812を往復運動可能に駆動する。
【0057】
前節で論じられているように、本明細書で説明されている駆動装置の芯の形状は、例えば、「E字形」または「U字形」の形状とすることができる。非常に短い時間で芯内に高い電磁力を発生するために、ソレノイドの芯、ならびに板は、典型的には金属板から製造され、これにより、芯内に発生した渦電流が電磁力によって生じる磁束を減らす可能性のある渦電流効果を回避する。金属板からの芯の加工を十分にしやすくするために、好適な設計の構成が使用されるべきである。本明細書で説明されている例示的な「E字形」または「U字形」の形状の芯は、鉄板などの金属板から容易に加工できる。さらに、「E字形」の形状の芯は、コイルが通電された後に芯内に展開された磁極に対する大きな領域ももたらす。プランジャは、「E字形」芯の中心を通して揃えられているので、発生する磁力は、プランジャの両側に均一に分布し(「E字形」芯の中心に関するコイルの均一な配置により)、電磁力によるプランジャの移動は適宜バランスをとることができる。
【0058】
動作に関して、ピストン812は、第2の芯804内のコイル803を通る電流がオンになると下死点位置(
図18に示されている)をとる。コイル803が通電された後、並進運動可能なアセンブリ104は、第2の芯804(矢印805で示されている)の方へ引かれ、それによって、第2の弾性部材864を圧縮する。これは、
図18に例示されている。あるいは、ピストン812は、コイル803を通る電流がオフにされ、第1の芯802内のコイル810を通る電流がオンにされたときに、上死点位置(図示せず)をとる。その結果、並進運動可能なアセンブリ840は、第1の弾性部材864によって誘導される第1の芯802の方へ押され、ピストン812は上死点位置に並進する。有利には、駆動装置の双方向設計は、一方向設計に比べてより長い行程に対応することができ、従来のリニアモーターに比べて、行程の初期段階においてより高い力を出す。このより高い力は、行程の両方の終端位置(下死点または上死点のいずれか)において、予荷重がかかっている圧縮された弾性部材864または870が高い初期力を付与し、その力が並進運動可能なアセンブリ804および板802を反対側の芯の方へ押すという事実によるものである。したがって、バネ力は、有利には、板802と鉄芯802および804の間の大きな空隙により行程の始めに存在する、弱い磁力に加わり、初期力を高める。
【0059】
ソレノイド駆動装置実施形態(図示せず)において、芯の一方または両方は、並進運動軸に沿って独立して並進運動可能であるものとしてよいか。そのように調節可能であることにより、有利には、下死点位置と上死点位置との間のピストン移動距離を調節することができ、それによって、圧縮機の容量を調節することができる。別の実施形態において、周波数および並進運動速度は、上で説明されているようにアキュムレータの構成を補正することによって調節され得る。
【0060】
本明細書では、本発明のいくつかの特徴のみが例示され、説明されているが、当業者であれば、多くの修正形態および変形形態を思い付くであろう。例えば、
図19は、圧縮機601が第2のシリンダ(ハウジング)603、第2のピストン605を有する並進運動可能なアセンブリ611、ならびに駆動装置632のいずれかの側の第1のアキュムレータ607および第2のアキュムレータをさらに備える発明の一実施形態を示している。デバイスは、上で説明されているように動作し、有利には、圧縮シリンダ空間を倍にし、上で説明されている利点を組み込んでいる。同様に、
図20は、圧縮機801が第2のシリンダ(ハウジング)803、第2のピストン805を有する並進運動可能なアセンブリ811、ならびに駆動装置832のいずれかの側の第1のアキュムレータ807および第2のアキュムレータをさらに備える発明の一実施形態を示している。デバイスは、上で説明されているように動作し、有利には、圧縮シリンダ空間を倍にし、上で説明されている利点を組み込んでいる。したがって、付属の請求項は、本発明の真の精神の範囲内に収まるようなすべての修正形態および/または変形形態を対象とすることが意図されていると理解されたい。
【0061】
本発明の一実施形態において、往復圧縮機を動作させる方法は、並進運動可能なアセンブリを第1の方向に加速することを含む。加速は、実質的に動きのない状態から、力を、何らかの所望の速度に達するまで並進運動可能なアセンブリに印加することを含む。目標速度に到達した後、ガスが往復圧縮機の圧縮室を占有することによって並進運動可能なアセンブリのピストン面に印加される力に実質的に打ち勝つように力が印加される。並進運動可能なアセンブリを加速することで慣性が並進運動可能なアセンブリに付与され、並進運動可能なアセンブリに存在する運動エネルギーが増大する。
【0062】
この方法は、並進運動可能なアセンブリを、第1の方向に移動している間に減速することをさらに含む。並進運動可能なアセンブリを減速することは、上で説明されている弾性部材を変形させることなどによって、並進運動可能なアセンブリに存在する慣性の一部をアキュムレータに移すことによって達成される。並進運動可能なアセンブリを減速することで、並進運動可能なアセンブリに存在する慣性が減少し、第1の方向に移動しているときにアセンブリに付随する運動エネルギーが減少する。
【0063】
この方法は、それに加えて、アキュムレータに蓄積されたエネルギーを使用して並進運動可能なアセンブリを第2の方向に加速することを含む。一実施形態において、並進運動可能なアセンブリの第1の移動の際に変形された、弾性部材は弛緩して、元の状態に戻り、それによって、並進運動可能なアセンブリに力を印加し、第2の移動の際にアセンブリを加速する。
【0064】
当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、さまざまな変更を加えることができ、また等価物で置き換えることができることも理解するであろう。それに加えて、本発明の範囲から逸脱することなく、さまざまな修正を行って、特定の状況または材料を本発明の教示に適合させることができる。したがって、本発明は、開示されている特定の実施形態に限定されないことが意図されているが、本発明は、添付の特許請求の範囲内にあるすべての実施形態を含むことが意図されている。