(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6190455
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】少なくとも1つの液体輸送用チューブを有する飲料作成器具
(51)【国際特許分類】
A47J 31/44 20060101AFI20170821BHJP
【FI】
A47J31/44 410
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-522247(P2015-522247)
(86)(22)【出願日】2013年10月23日
(65)【公表番号】特表2015-526152(P2015-526152A)
(43)【公表日】2015年9月10日
(86)【国際出願番号】IB2013059566
(87)【国際公開番号】WO2014087272
(87)【国際公開日】20140612
【審査請求日】2015年1月14日
【審判番号】不服2016-1097(P2016-1097/J1)
【審判請求日】2016年1月26日
(31)【優先権主張番号】61/718,760
(32)【優先日】2012年10月26日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ブルースマ ロダン エンネ
(72)【発明者】
【氏名】フェアイエン フランシスカス ヘルマヌス
【合議体】
【審判長】
鳥居 稔
【審判官】
千壽 哲郎
【審判官】
佐々木 正章
(56)【参考文献】
【文献】
特公昭53−39609(JP,B1)
【文献】
特表2003−502195(JP,A)
【文献】
特開2003−65468(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料輸送用チューブであって、
長さ方向の一端と他端との間の少なくとも一部に、少なくとも一のスリットを備え、
前記少なくとも一部が前記スリットの位置で開けられた場合に、前記チューブが複数の部材に分かれることなく、該スリットの位置で開けられた内面を完全に平面状態に露出することができる、
飲料輸送用チューブ。
【請求項2】
前記チューブは真直ぐであり、前記スリットも真直ぐであり、前記スリットは前記チューブの長手方向に延在する、請求項1に記載の飲料輸送用チューブ。
【請求項3】
前記チューブは、フレキシブルな材料を有する、請求項1に記載の飲料輸送用チューブ。
【請求項4】
前記スリットの位置の前記チューブのエッジ部は、互いに当接する、請求項1に記載の飲料輸送用チューブ。
【請求項5】
前記スリットの位置の前記チューブのエッジ部は、互いに重なる、請求項1に記載の飲料輸送用チューブ。
【請求項6】
前記スリットは、前記一端から前記他端まで延在する、請求項1に記載の飲料輸送用チューブ。
【請求項7】
前記チューブの前記一端は、飲料を入れる容器と結合する、請求項1に記載の飲料輸送用チューブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの液体輸送用チューブを有する飲料作成器具に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料作成器具は、一般に知られている。とりわけ、飲料作成器具は、プロセスの結果として得られる飲料の原材料として飲料作成プロセスで用いられるべき液体を輸送するためのチューブシステムを有する。液体は、飲料作成プロセスでしばしば用いられる水である。液体の別の例は、ミルクである。
【0003】
本発明は、いわゆるミルク泡立て器を有する器具を含むさまざまな種類の飲料作成器具に適用できる。一般に、液体にフォーム(foam)と呼ばれるたくさんの泡を得る目的で液体を泡立たせることは、エア等のガスを液体に供給し、液体をガスと混合することを含む。特に、コーヒー及びコーヒー関連商品を作る分野では、自動化方式でミルクを泡立たせることができる器具が使用される。フォームを得るためにエアがミルクに供給されるミルクの泡立てプロセスと、ミルクの温度を上昇させるためにスチームがミルクに供給されるミルクの加熱プロセスとを組み合わせることは、よく知られた選択肢である。
【0004】
実用的な実施形態では、ミルク泡立て器は、ミルクを入れるためのジャグを有する。ミルク泡立てプロセス、すなわち高温の泡立てられたミルクを作るためのプロセスの間、ミルクは、吸引チューブを通してジャグから吸引される。ミルク泡立てプロセスは、満足のいくやり方で行われ得るが、吸引チューブのアプリケーションは、主要な欠点を有する。吸引チューブは洗浄するのが難しいという事実である。更に、吸引チューブ内の残留ミルクは時間が経つと蒸発し、従って、ミルク泡立て器が動作した前回と洗浄行為との間がかなりの期間である場合、洗浄の問題は更に悪化する。完全性のために、なお、洗浄行為は、通常、多量の水を吸引チューブに流れさせることにより、チューブを水ですすぐことを含み、水は最適な洗浄効果を得るために高温である。
【0005】
US2006/0174771 A1は、ミルク用容器と、泡立て器と、バルブ組立体とを有するミルク泡立て器を開示する。泡立て器は、3つのチャネル、すなわち、スチーム供給チャネル、エア供給チャネル、及びミルク供給チャネルを備える。ミルク供給チャネルは、ミルクをミルク用容器から、ミルク泡立て器の動作中に実際のミルク泡立てプロセスが行われる混合チャネルへと輸送するための役割をし、水平延長部分を有する。とりわけ、US2006/0174771 A1は、泡立て器のチャネルに、少なくとも一部のナノ粒子が少なくとも部分的に銀又は銀化合物で構成されるナノ粒子から成る、疎水性であり撥油性でもある表面が設けられている場合、泡立て器は洗浄するのが容易で、抗菌作用を提供することを示す。
【0006】
洗浄性に関して、ミルク泡立て器が比較的汚染に影響されない場合であっても、定期的に洗浄されるべきであることが更に示されている。この点において、洗浄は、汚染に関する限りは重要である少なくとも導管、穴、及びチャネルは、熱湯で洗い流されるという洗い流し行為によって行うことができることが言及されている。言及される別の可能性は、汚染に関する限りは重要であるミルク供給チャネルの水平延長部分を含む泡立て器の内部部品を露出することが可能であるように、ミルク用容器から泡立て器を外すこと及び食器洗い機でこれら部品を洗浄することにある。
【0007】
US2006/0174771 A1は、ミルク輸送用チャネルを洗浄するのに煩わしい手段が説明された書類の一例に過ぎない。US2006/0174771 A1に見出すことができる情報は、このようなチャネルを洗浄することは、通常、定期的にチャネルを洗浄することを含むという事実を強調する。更に、まず第一にチャネルがミルク残留物で汚染される程度を減少させようとしてコストがかかる手段が提案され得ることも示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ミルクをミルク泡立て器に輸送するためのチャネルの洗浄に関連する問題への解決策を最小の追加コストで提供することが発明の目的である。この目的は、少なくとも一つの液体輸送用チューブであって、チューブの一端とチューブの他端との間にチューブの長さに沿って延在するスリットを備え、スリットの位置で開けることができる当該チューブを有する飲料作成器具を提供することによって達成される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
液体を輸送するのに使用されるチューブとなると、チューブが洗浄目的のために開けることができるようにチューブにスリットを設ける可能性を考えることは全く明白ではない。本発明は、液体輸送用チューブにスリットを有することは、使用中にチューブから液体が漏れる原因となるという先入観に反する。特に、本発明を強調する洞察によれば、使用中、スリットが完全に閉じた状態と、洗浄目的でスリットの位置でチューブが開いた状態とを有することが可能である。
【0010】
本発明による解決策がミルク泡立て器に適用された場合、ミルク泡立て器のユーザが、ミルク泡立て器のミルク供給チューブを洗浄するためにする必要があることは、ミルク泡立て器からミルク供給チューブを取り出し、チューブの内面を露出するために、例えばスリットに2本の指を挿入し、指を反対方向に動かすことによってチューブを引っ張って開け、チューブが開き状態にしたまま、水(熱湯)又は別の適切な洗浄液を内面に流れさせ、チューブを再び閉じ、チューブを再びミルク泡立て器の元の位置に戻すことのみである。これらの行為は、シンプルであり、ミルク泡立て器が清潔で使用するのに安全かどうかについてユーザが持つ疑念を全て取り除く。
【0011】
チューブにスリットを有することは、チューブの洗浄に関する技術で知られている解決策の安価な代替案であり、洗浄液の最小使用で最適な洗浄結果を得る選択肢を提供することが理解されるだろう。
【0012】
本発明のフレームワーク内で、チューブは、任意の適切な形状を有してもよく、スリットにも同じことが当てはまる。本発明による飲料作成器具の実用的な実施形態では、チューブは真直ぐで、スリットも同じく真直ぐで、チューブの長手方向に延在する。別の選択肢は、真直ぐなチューブと、チューブにらせん状のスリットとを有することである。
【0013】
スリットは、チューブの全長に沿って、すなわちチューブの一端からチューブの他端まで延在してもよく、従ってチューブを完全に開けることが可能である。それにもかかわらず、本発明のフレームワーク内で、他の可能性が存在し、例えばスリットがチューブの端まで延在せず、その結果、周縁に沿って閉じる端部を有することができる可能性が存在し、これは、チューブを飲料作成器具の他の部品に接続する目的のために実用的である。端部がチューブの長手方向に大き過ぎない限り、チューブの主要部分を開けることができ、端部の位置でチューブの内側は、2つの側、すなわちチューブの外側から及びチューブの開いた部分から容易にアクセスできるということに基づいてチューブ全体を洗浄することが可能である。
【0014】
チューブがフレキシブルな材料を有することは有利である、なぜならば、この場合、チューブは、デフォルト状態でスリットが閉じている状態を有するからである。チューブがユーザによって開き状態にされる場合、ユーザは、デフォルト状態の戻ろうとするチューブの性向に対抗する力を及ぼす。ユーザがチューブを離すとすぐに、チューブは再びデフォルト状態になることが可能である。フレキシブルな材料の実用的な例は、シリコンであるが、このことは、多くの他の種類の材料が使用するのに適しているという事実を変えない。
【0015】
スリットの閉じた状態では、チューブは、スリットの両側に存在するチューブの2つの面がスリットの長さに沿って互いに接触している限り、漏れ防止であり得る。特に、一つの可能性は、スリットの閉じた状態は、スリットの位置に存在するチューブのエッジ部が互いに当接するという状況に基づいて得られる。別の可能性は、スリットの閉じた状態は、スリットの位置に存在するチューブのエッジ部が互いに重なるという状況に基づいて得られる。チューブの壁の厚さとチューブのフレキシブル性とは、第1の可能性が実際に実現され得るように選択される。更に、チューブに使用される材料の特性は、チューブの十分で液密な閉鎖に貢献する。例えば、材料は、表面にある種の粘性を有するように選択され、その結果、粘着効果が得られる。特に、材料はゴム材料でもよい。
【0016】
なお、本発明のフレームワーク内では、チューブをスリットの閉じた位置でぴったりと密閉するためのスリーブ又は別の種類のケーシングを使用することが可能であることに留意されたい。この場合、ケーシングは、チューブの正しい形状を維持する機能を有し、スリットを閉じるための面の間の接触が保証される。ケーシングは、フレキシブルな特性を有してもよい。例えば、真直ぐな又はわずかにカーブした液体輸送用チューブの外観を想定すると、ケーシングもチューブのような形状になり得、液体輸送用チューブは、一端でケーシングに挿入され、更に引っ張る及び/又は押すことによってチューブの更に上方に移動される。ケーシングを有することは、液密性を保証するために必須ではないが、洗浄目的でチューブをケーシングから取り除き、再びケーシングの中にチューブを挿入するのにユーザの労力を必要とするとしても、実用的な状況でチューブをケーシングと組み合わせるのが望ましいという事実を変えない。
【0017】
更に、スリットを閉じる別の可能性は、スリットの位置でのチューブのエッジ部が互いに係合するように適合されるチューブの実施形態に基づく。特に、エッジ部は、補完する形状を有し、エッジ部が互いに接触される場合、一方のエッジ部は、他方のエッジ部にぴったりと受け止められる。必要な接触を確立し、チューブのエッジ部の係合を実現する目的で、チューブは、更に、エッジ部を結合するジップ要素を有してもよく、ジップ要素は、エッジ部を受け止める凹部を有し、ジップ要素は、チューブの長さに沿って移動可能である。よって、チューブは、スリットに設けられたジップに基づいて開閉可能であってもよく、ジップは、例えばプラスチック製のジップロック(登録商標)でよく知られている種類でもよい。
【0018】
本発明によるチューブの端部を飲料作成器具の別の部品に接続する場合、チューブの端部を受け止め、適合させるためのスペースを有する部品を使用することが好ましく、特に、スリットがこの端部までずっと延在している場合、部品の包括的な機能に基づいて端部の形状が維持されるため、チューブが端部で引っ張り開けられないことを確実にする。
【0019】
本発明の上記及び他の態様は、本発明による飲料作成器具で使用されるチューブの基本的な実施形態、Tの形をしたチューブの実施形態、及びジップを有するチューブの実施形態の以下の詳細な説明から明らかになり、当該説明から解明されるだろう。
【0020】
本発明は、ここで、同一又は類似する部品が同一の参照符号によって示される図を参照して、より詳細に説明されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、チューブのスリットが閉じた状態で示されている本発明による飲料作成器具で使用するチューブの基本的な実施形態の斜視図を図式的に示す。
【
図2】
図2は、
図1に示されたチューブであって、スリットの位置で部分的に開いている当該チューブの斜視図を図式的に示す。
【
図3】
図3は、Tの形をしたチューブの実施形態の斜視図を図式的に示す。
【
図4】
図4は、チューブのエッジ部の重なる構成を表現するのに供する。
【
図5】
図5は、閉じた状態で示されるジップを有するチューブの実施形態の斜視図を図式的に示す。
【
図6】
図6は、ジップが開き状態で示される
図5に示すチューブの実施形態の斜視図を図式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1及び
図2は、本発明による飲料作成器具で使用するチューブ1の基本的な実施形態を示す。飲料作成器具は、任意の種類の飲料作成器具とすることができ、ミルク泡立て器が例として挙げられている。チューブ1は、器具の中で液体を輸送するのに適している。本発明は、特に、例えば液体がミルクである場合にチューブ1の洗浄可能性が重要な問題である状況に関連する。
【0023】
飲料作成器具の一般的な概念はよく知られているため、このような器具の詳細は、このテキストにおいて明らかにされない。本発明を理解する目的のために、飲料作成器具は、飲料を作成するのに必要な液体が飲料作成器具内を流れることを可能にする少なくとも1つのチューブを備えるという事実に着目することで十分である。特に、飲料作成器具は、多量の液体を入れるための容器を有してもよく、チューブは、液体を少なくとも1つの他の液体及び/又はガスと混ぜるために、液体を容器からスペース及び/又は別のチューブに輸送するのに使用される。以下に説明されるチューブの種類は、このような液体輸送用チューブとして利用するのに非常に良く適しており、チューブの一端は、容器に結合されるように適合される。
【0024】
図1及び
図2に示されるチューブ1は、平端面と、チューブ1の長手方向軸2の周りに円形の内周及び外周とを有する真直ぐなチューブである。チューブ1は、チューブ1の長さに沿って延在するスリット3が設けられている。示される例では、スリット3は、チューブ1の一端11からチューブ1の他端12に延在し、チューブ1の外面4のスリット3の切断線と、チューブ1の内面5のスリット3の切断線との両方は、チューブ1の長手方向軸2に実質的に平行に延在する。
【0025】
チューブ1は、シリコンなどのフレキシブルな材料でできている。
図1は、チューブ1のデフォルト状態を示し、これは、スリット3が、スリット3の
エッジ部31、32が互いに当接することに基づいて閉じる状態である。チューブ1は、普通のチューブを提供し、チューブ1の壁6を切断することによってチューブ1にスリット3を作ることで製造され、切断工具及びチューブ1は、チューブ1の長手方向軸2が延在する方向に互いに対して動かされる。この場合、チューブ1のデフォルト状態は、チューブ1が、前述に説明されたスリット3を有する以外は、基本チューブの形をしている状態であることが
保証される。
【0026】
チューブ1のデフォルト状態では、チューブ1は、液体の輸送の使用に適する。液体は、スリット3の
エッジ部31と
エッジ部32との間の経路よりもチューブ1の長手方向の経路を少ない抵抗で通る。
【0027】
チューブ1を洗浄したい場合、
図2に表されるように、チューブ1は、デフォルト状態から、スリット3のエッジ部31、32を互いに引き離すことにより、開き状態にされることができ、従って、開口部7が、スリット3の位置でチューブ1に得られる。スリット3のエッジ部31とエッジ部32との間の接触が失われると同時に、チューブ1を完全に平面状態にすることが可能であり、チューブ1に洗浄行為を実行するのが非常に容易である。完全性のために、なお、スリット3を有することは洗浄目的の観点で有利であるだけではない。例えば、チューブ1を開き状態にすることができるということに基づいて、チューブ1から障害物を取り除くことも可能である。
【0028】
なお、飲料作成器具におけるチューブ1の配置に関して、ほとんど何の労力無しにチューブ1は、器具から簡単に取り除かれ、再び器具の元の位置に戻され得るならば、実用的であることに留意されたい。チューブ1の端部11、12が摩擦に基づいてソケットに単純に保持される場合、例えば締め付け手段の更なる使用が省かれる場合、その結果、ユーザは、チューブ1を取り出す必要があるときに、端部11、12をこれらそれぞれのソケットから引き抜き、チューブを再び器具に配置し得るときに、端部11、12をこれらそれぞれのソケットに挿入すること以外に何もする必要がない。
【0029】
図1及び
図2に示されるチューブ1の基本的な実施形態では、デフォルト状態は、スリット3のエッジ部31、32の当接部を互いに含む。
図3及び
図4では、別の可能性が、すなわちデフォルト状態が、スリット3の位置でチューブ1のエッジ部33、34の重なりを含むことによる可能性が表されている。この場合、チューブ1は、内側エッジ部33の外面と外側エッジ部34の内面との間の接触に基づくデフォルト状態で液密である。付加的に、
図3は、チューブ1は、真直ぐな形を有する必要はないことを表すのに役立つ。特に、
図3は、例えばチューブ1がTの形をし、チューブ1が3つの端部11、12、13を有し、従って、チューブ1に接続されるべき他の3つのチューブの接合部として機能するのに適しているチューブ1の実施形態を示す。この実施形態では、チューブ1の全ての部分は、示される2つのカーブしたスリット3a、3bの存在に基づいて開けることができ、1つのスリット3aは、T形の底部にある端部13とT形の横アームの片側にある端部11との間に延び、別のスリット3bは、T形の底部にある端部13とT形の横アームの反対側にある端部12との間に延在する。
【0030】
図5及び
図6は、チューブ1の実施形態の示し、スリット3の閉じた状態は、ジップ機能に基づいて得られる。特に、スリット3の位置でチューブ1のエッジ部33、34は、互いを係合するのに適合され得、ジップ要素8は、エッジ部33、34を互いに接触させるために、又はエッジ部33とエッジ部34との間の係合をはずすために使用することができる。当然知られているジップの場合と同じく、ジップ要素8は、ジップの長さに沿って動くことができるように配置され、ジップ要素8は、一方向に動く間、ジップの開き機能を実行し、ジップ要素8は、別の方向に動く間、ジップの閉じ機能を実行する。知られているジップ要素のように、ジップ要素8は、エッジ部33、34を受け止めるための凹部(不図示)を有する。凹部は、好ましくはV形状に従って配置され、エッジ部33、34は、V形のアームに沿って距離を置き、エッジ部33、34は、V形の底部で結合されている。
【0031】
図6は、開き状態のチューブ1の可能な平面状の外観を示す。完全性のために、なお、平面状の外観は、容易な洗浄を可能にするだけではなく、例えば平面状の外観のチューブ1をリール上に巻き付ける可能性も提供する。これは、特に、飲料作成器具のコンテキストよりも別のコンテキストにおけるチューブ1のアプリケーションにとって特に便利である。
【0032】
当業者にとって、本発明の範囲は、前述に述べられた例に限定されないことは明らかであるが、添付された請求項に規定される本発明の範囲から逸脱すること無しにこれらの複数の修正及び変更が可能である。本発明は、図及び説明に詳細に例示され説明されてきたが、このような表現及び説明は、例示的又は説明的なものとしてのみ見なされ、限定的なものとして見なされない。本発明は、開示された実施形態に限定されない。
【0033】
開示された実施形態に対するバリエーションは、当業者により、請求項に係る発明を実施する際に、図面、開示内容、及び添付の請求項の精査から理解され、達成され得る。請求項において「有する(comprising)」なる単語は、他の構成要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は、複数を排除するものではない。特定の手段が相互に異なる従属請求項に引用されているという単なる事実は、これら手段の組み合わせを有利に使用することができないということを示すものではない。請求項における任意の参照符号は、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0034】
発明は、以下のように要約することができる。飲料作成器具は、少なくとも1つの液体輸送用チューブ1を有し、具体的には、チューブ1は、チューブ1の一端11、12、13とチューブ1の他端11、12、13との間に、チューブ1の長さに沿って延在するスリット3を備える。スリット3の位置で、チューブ1は開けることができ、これは、洗浄目的のために有利である。よって、チューブ1は、これら液体を輸送するためのシステムの汚染を引き起こす傾向がある液体が使用されるミルク泡立て器などの器具に非常に良く適する。チューブ1に弾性材料を使用することが可能であり、その結果、チューブ1は、平面状の外観を想定するように展開することができる。