(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6190544
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】角部エアバリアを備える、分割ロータスタックの間隙
(51)【国際特許分類】
H02K 1/27 20060101AFI20170821BHJP
H02K 1/22 20060101ALI20170821BHJP
【FI】
H02K1/27 501K
H02K1/27 501M
H02K1/22 A
【請求項の数】13
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-555566(P2016-555566)
(86)(22)【出願日】2014年12月29日
(65)【公表番号】特表2017-505602(P2017-505602A)
(43)【公表日】2017年2月16日
(86)【国際出願番号】EP2014079388
(87)【国際公開番号】WO2015106946
(87)【国際公開日】20150723
【審査請求日】2016年9月1日
(31)【優先権主張番号】201400016
(32)【優先日】2014年1月14日
(33)【優先権主張国】SI
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516212854
【氏名又は名称】レトリカ ディー.ディー.
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガスパリン ロヴレンツェ
(72)【発明者】
【氏名】ビチッチ アラン
【審査官】
▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−162557(JP,A)
【文献】
特開2005−354798(JP,A)
【文献】
国際公開第2009/084151(WO,A1)
【文献】
特開2010−119287(JP,A)
【文献】
特開2013−223257(JP,A)
【文献】
特開2013−017281(JP,A)
【文献】
特開2010−161883(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 1/27
H02K 1/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータ(1)が回転する軸方向から見たとき、個別の磁極を有する1対の永久磁石(3A,3B)を挿入するための間隙が軸方向に形成されている、複数のセグメントを備えた電気モータのロータスタック(2)であって、
前記の各永久磁石(3A,3B)は、直方体の形状であり、
前記ロータスタック(2)の磁極の個別の間隙は、前記永久磁石対(3A,3B)が嵌合するように形状と寸法とが構成された間隙を有し、
前記軸方向から見たときにおいて、
前記永久磁石(3A,3B)が嵌合する前記個別の間隙は、さらに、少なくとも1つの中央接続要素(2C)と、少なくとも2つの側部接続要素(2SA,2SB)と、を備え、これら接続要素は前記ロータスタック(2)の内側部と外側部とを接続し、
前記側部接続要素(2SA,2SB)は、多角形のエアバリアを形成し、
前記エアバリアは、前記永久磁石対(3A,3B)が嵌合する前記間隙の最外方の角部において、個別の永久磁石(3A,3B)の少なくとも2つの辺に達すると共に、前記エアバリアの始点である開始接点(J1)と、前記エアバリアと前記永久磁石(3A,3B)の表面との交点である接点(J2およびJ3)と、を含む、少なくとも3点の接点を有し、
前記中央接続要素(2C)の最小幅(2C−T)および前記側部接続要素(2SA,2SB)の最小幅(2S−T)は、前記永久磁石の幅(3X)の0.2倍よりも小さく、
前記開始接点(J1)は、前記軸方向から見たときにおいて、中心が、前記永久磁石(3A,3B)の最外方の角部に位置し、半径が、前記永久磁石の高さ(3Y)の値の半分以下である、円形の第1の接点領域(J1PA)内に位置している、ことを特徴とするロータスタック(2)。
【請求項2】
請求項1において、
前記エアバリアは、前記軸方向から見たときにおいて、多角形を構成する複数の直線線分からなる直線セグメントを有しており、前記開始接点(J1)が、中間角(α)から成る、前記直線セグメントによって画定される角部によって構成されている、ことを特徴とするロータスタック(2)。
【請求項3】
請求項2において、
前記中間角の角度が、30°から170°の範囲内である、ことを特徴とするロータスタック(2)。
【請求項4】
請求項1において、
前記軸方向から見たときにおいて、
前記エアバリアは、多角形を構成する複数の直線線分からなる直線セグメントによって画定される角部によって構成される5つの接点(J1,J2,J3,J4,J5)を有し、
これら接点は、前記開始始点(J1)から、前記永久磁石の中心面と平行なX方向における前記接点までの距離(J2Px,J3Px,J4Px,J5Px)と、前記X方向に直交したY方向における前記接点までの距離(J2Py,J3Py,J4Py,J5Py)と、によって画定され、前記直線セグメントによって画定される角部の中間角(α、β、γ)によってさらに画定されている、ことを特徴とするロータスタック(2)。
【請求項5】
請求項4において、
前記中間角の角度が、30°から170°の範囲内であるである、ことを特徴とするロータスタック(2)。
【請求項6】
請求項4または5において、
X方向における前記距離の絶対値(J2Px,J3Px,J4Px,J5Px)、および/または、Y方向における前記距離の絶対値(J2Py,J3Py,J4Py,J5Py)は、磁石用間隙の公称高さ(MPH)の3倍よりも小さいこと、を特徴とするロータスタック(2)。
【請求項7】
請求項1において、
前記軸方向から見たときにおいて、
前記間隙内の前記永久磁石(3A、3B)が、前記中央接続要素の、前記ロータの半径方向と平行な平面(RAC)に対して、傾斜角度(π)で傾斜している、ことを特徴とするロータスタック(2)。
【請求項8】
請求項7において、
前記傾斜角度(π)の値は、45°から135°の範囲内である、ことを特徴とするロータスタック(2)。
【請求項9】
請求項7または8において、
前記傾斜角度(π)が90°である、ことを特徴とするロータスタック(2)。
【請求項10】
請求項1において、
前記軸方向から見たときにおいて、
前記エアバリアは、多角形を構成する複数の直線線分からなる直線セグメントによって画定される角部によって構成される5つの接点(J1,J2,J3,J4,J5)を有し、
前記接点(J1,J2,J3,J4,およびJ5)を構成する角部は、丸められており、前記角部の丸みの丸み半径(JR1,JR2,およびJR3)の値は、前記磁石の高さ(3Y)の0.5倍よりも小さい、ことを特徴とするロータスタック(2)。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項において、
前記ロータスタック(2)は、軸方向に隣接する少なくとも2つのロータスタックセグメント(S1−2,S2−2)を有し、
隣接する前記ロータスタックセグメント(S1−2,S2−2)は、中心軸周りに、ずれ角度(Δ)分、互いにずれている、ことを特徴とするロータスタック(2)。
【請求項12】
請求項11において、
前記ずれ角度(Δ)が、0.5°から20°の範囲にある、ことを特徴とするロータスタック(2)。
【請求項13】
請求項12において、
前記ずれ角度(Δ)が5°である、ことを特徴とするロータスタック(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に記載の、電気モータのロータスタックに関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許出願公開第2012/0293033号明細書
では、開示された解決手段の主な欠点は、エアバリアの体積の増大に起因する、ロータスタックの積層の局所的な脆弱化に現われている。
【0003】
米国特許出願公開第2013/0270958号明細書からは、上述の種類のロータが知られている。このロータでは、個別の間隙が1つの磁石が挿入されるように設けられ、中央接続要素が、丸みのある形状の対向するエアバリアを形成している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
モータ誘導電圧の高調波成分の含量の影響を効率的に低減するための技術的解決手段、および、ロータに内部配置された永久磁石を有するモータのトルク振動を低減するための技術的解決手段は提供されていない。
【0005】
本発明の目的は、ステータスタック上に集中巻線を有する電動モータ内の、ロータスタックのエアバリアである。このエアバリアは、その形状と位置によって、ロータの磁界形成の制御に寄与し、したがって、モータ誘導電圧の高調波成分の含量の低減、および、内部配置された永久磁石を有するモータのトルク振動の低減に寄与する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
IPMとして知られる内部永久磁石(interior permanent magnets)を備える電気機械および/または電気モータは、ハイブリッド車等への応用が確立されているという利点で、一般に知られている。基本的な概念では、IPM電気モータは、積層金属シートから製造され、多くのティースを有する形状のステータスタック(5)を備え、このティースに励磁巻線(4)が設けられている。同様に、積層金属シートから製造されるおよび/または組み立てられるロータスタック(2)が、シャフトおよび/またはロータスタック基部(1)に配置され、その組立体のセグメントには間隙が設けられ、この間隙内に永久磁石(3)が配置される。磁界を制御するために、ロータスタック(2)にはエアバリアが形成され、このエアバリアは、その形状により、アーマチュアとステータスタック(2,5)との間のエアバリア内の磁力線の進路に影響を及ぼす。本特許出願の主題は、ロータスタック(2)のエアバリアであって、このロータスタック(2)内では、永久磁石(3)が配設される個別の間隙がエアバリアを1つのみ備え、このエアバリアはロータスタック間隙(2)の個別の角部に配置され、これにより、磁界の形成に直接的に影響を与え、このようにしてモータの誘導電圧の高調波成分の含量の影響、および、内部永久磁石を備えるモータのトルク振動を低減する。
好ましい実施形態においては、磁界の個別の間隙は2つの部分に分割され、これらの2つの部分は分離され、および/または、中央接続要素(2C)により接続され、この中央接続要素(2C)は、実質的に、高速回転時のロータスタック(2)の機械的安定性に寄与する。
【0007】
以下、本発明を詳細に説明するとともに、技術的解決手段の
好ましい実施形態にかかる図についても説明する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、電気モータロータ(1)の軸の長手方向に沿った、電気モータの正面図である。
図1には、さらに、積層ロータからなるロータスタック(2)、任意の永久磁石(3)、および、関連するステータスタックティース(5)上の任意の巻線(4)に符合を付して示す。また、詳細
図Aの範囲も示されている。
【
図2】
図2は、
図1中のAの詳細図である。
図2には、ロータ(1)、ロータスタック(2)、側部接続要素(2SAおよび2SB)、中央接続要素(2C)、有極永久磁石の半分(3Aおよび3B)、巻線(4)、および、ステータスタック(5)に符合を付して示す。
【
図3】
図3は、永久磁石(3)が配設されたロータスタック(2)を示す。
図3には、より明確にするため、上図において示されていた電気モータの構成要素は示されていない。
図3は、さらに、中央接続要素の平面(RAC)、側部接続要素の平面(RAS)、および詳細
図Bの範囲も示されている。
【
図4】
図4は、Bの詳細図であり、ロータスタック(2)、側部接続要素(2SA,2SB)、中央接続要素(2C)、1対の永久磁石(3Aおよび3B)、個別の磁極における磁石用間隙の公称高さ(MPH)と磁石対の幅(MPW)に符合を付して示す。さらに、詳細
図Cの範囲も指定されている。
【
図5】
図5は、Cの詳細図であり、ロータスタック(2)、側部接続要素(2SB)、中央接続要素(2C)、磁石対のうちの1つ(3B)、磁石高さ(3Y)、磁石幅(3X)、中央接続要素の幅(2C−T)、側部接続要素の幅(2S−T)、中央接続要素の平面(RAC)、側部接続要素の平面(RAS)、エアバリアの接点および/または角部(J1,J2,J3,J4,およびJ5)、X方向におけるエアバリアの接点および/または角部の距離(J2Px,J3Px,J4Px,J5Px),Y方向におけるエアバリアの接点および/または角部の距離(J2Py,J3Py,J4Py,J5Py)、エアバリアの直線セグメントの中間角(α,β,γ)に符合を付して示す。さらに、
図5には、磁石角部の丸み半径(RM)、磁石中心面(3−CL)、中央接続要素の平面(RAC)に対する磁石の傾斜角(π)に符合を付して示す。
【
図6】
図6は、Cの詳細図であり、エアバリアの角部直線セグメントが、丸み半径(JR1,JR2,JR3)で丸められている様子を示す。
図6にはさらに、ロータスタック(2)、側部接続要素(2SB)、中央接続要素(2C)、磁石対のうちの1つ(3B)、中央接続要素の平面(RAC)、側部接続要素の平面(RAS)、第1の接点領域(J1PA)の周縁、および、磁石角部の丸み半径(RM)に符合を付して示す。
【
図7】
図7は、ロータスタック(2)の組立体を示す等角図である。ロータスタック(2)は、同軸の2つのロータスタックセグメント(S1−2,S2−2)を含み、これらは中心軸周りに互いに対してずれている。
【
図8】
図8は、ロータスタック組立体(2)の正面図である。
図8はワイヤーモデルとして示されているので、実際には見えない縁部がハッチングした線で示されている。
図8には、ロータスタックの第1のセグメント(S1−2)、第1のロータスタックセグメントの中央接続要素の平面(RAC−S1)、第2のロータスタックセグメントの中央接続要素の面(RAC−S2)、第1のロータスタックセグメント内の任意の磁石(S1−3)、これと対になるおよび/または第2のロータスタックセグメント内の磁石(S2−3)に符合を付して示す。ロータスタックの第1および第2のセグメント(S1−2,S2−2)、ロータスタックの第1のセグメントの中央接続要素の平面(RAC−S1)、およびロータスタックの第2のセグメントの中央接続要素の平面(RAC−S2)は、中心軸周りに、ずれ角度(Δ)分だけずれている。
【発明を実施するための形態】
【0009】
内部永久磁石を備える同期モータの構造的および技術的特徴は、本明細書で取り扱う分野の専門家には周知であると思われるので、以下に記載の説明においては、本特許出願の主要な目的、すなわち、永久磁石(3A,3B)が配設される間隙と、ロータスタック(2)における付属のエアバリア(air barrier)とに焦点を当てる。
【0010】
好ましい実施形態における電気モータロータ(1)、および/または、より正確にはロータスタック(2)は、多数の磁界極を備え、この磁界極内において、永久磁石(3)がロータスタック(2)の内部に配置されている。高速回転と可能な限り高い磁界密度を実現しようとする傾向があるので、ロータスタック(2)は、その周縁に均等に配置された多くの永久磁石(3)を備える。永久磁石(3)が配設される間隙が形成されることにより、ロータスタック(2)は、電気モータのシャフトおよび/またはロータホルダ(1)に設けられる内側部と、ステータスタック(5)のティースとともにエアギャップを形成する外側部とに分割される。上記に関し、ロータスタック(2)内の永久磁石(3)同士がきつく隣り合わせに配置され、このため、側部接続要素(2S)および/または、より正確には側部接続要素の幅(2S−T)が、ロータスタック(2)の回転速度が高く直径が大きい場合に発生する半径方向力に対して、極めて小さくなる。ロータ(1)が高速で回転する際の、ロータスタック(2)の機械的安定性を確保するためには、
好ましい実施形態においては、磁極の個別の間隙は2つの対称な部分に分割され、このため、
図2に示すように、各極の永久磁石が2つの部分に等分されて、永久磁石対(3A,3B)の形で設けられる。したがって、永久磁石が1つ配設される、ロータスタック(2)の個別の間隙は、
好ましい実施形態においては、エアバリアを1つのみ備え、このエアバリアは、永久磁石(3A,3B)を配設するための間隙の最外方の角部に優先的に形成される。
【0011】
好ましい実施形態における永久磁石(3A,3B)は直方体の形状であり、技術的要件と制約とにより、
好ましい実施形態においては、磁石角部丸み半径(RM)で丸められた辺および/または角部を有する。ロータスタック(2)のセグメントは貫通孔を有し、この貫通孔は主に、永久磁石(3A,3B)を配設するための間隙の主要な特徴を表す。当該間隙は、セグメントをロータスタックに配置することにより形成される。永久磁石(3A,3B)が配設されるロータスタックの間隙(2)は、
好ましい実施形態においては、多角形に形成される。この多角形は、その始点においては、永久磁石(3A,3B)の形状と寸法とに一致し、永久磁石(3A,3B)の最外方の角部におけるロータスタック間隙(2)には、エアバリアがさらに設けられる。このエアバリアは、磁力線の進路と形状とに直接的に影響する。
【0012】
図5の説明において、主要な特徴の理解と定義づけをより容易にする目的で、エアバリアを補助的に調節して多角形として図示されていることに注視されたい。
図5では、符号を付すのを容易にするために、エアバリアには、
図6のエアバリアの最終形状に図示および符号が付されるような、接点(J1,J4,およびJ5)の丸み(JR1,JR4,およびJR5)が示されていない。基本的な構造におけるエアバリアは、少なくとも3つの角部および/または接点(J1,J2,J3)を有する。第1の角部(J1)は、少なくとも3つの角部(J1,J2,J3)を有する多角形のエアバリアの始点であり、角部(J2およびJ3)は、永久磁石表面(3A,3B)との接点および/または交点である。エアバリアの多角形の始点および/または接点(J1)の位置は、第1の点の周縁(J1PA)の内部にある。この周縁の中心は、非常に外方の角部に、より正確には磁石(3A,3B)の辺の交点に位置し、第1の接点の周縁(J1PA)の半径は磁石高さ(3Y)の半分に達する。開始接点(J1)に対し、エアバリアの(角部および/または接点J1,J2,J3およびJ5により画定される)多角形のその他の角部の位置は、エアバリアの直線セグメントの中間角(α,β,γ)によってさらに一次元的に画定される。適切な場合には、エアバリアはより多くの角部を有し、直線線分の代わりに、短い線分で構成される多角形としての曲線形状であってもよい。このように構成しても、本発明の要旨は変わらない。
好ましい実施形態においては、磁石(3A,3B)を配設するための個別の間隙が、上述のようにエアバリアを1つのみ有し、各磁極および/または永久磁石(3A,3B)の各対が、ロータスタック(2)の外側部と内側部とを接続する中央接続要素(2C)を備えることに注視されたい。
【0013】
本特許出願の解決手段を理解するために、ロータ(1)に注目することもまた重要である。ロータ(1)は、中心軸周りに配列された多くのロータスタックおよび/またはセグメント(S1−2,S2−2)を含み得る。
好ましい実施形態においては、ロータ(1)は2つのセグメント(S1−2,S2−2)を備え、これらのセグメントは中心軸に対して、ロータスタックの隣接するセグメントのずれ角度(Δ)分ずれている。この角度は、
好ましい実施形態においては、0.5°から20°である。
【0014】
エアバリアに関する構造の範囲を画定するために、本願の以下の記載において、より正確には、使用されている特徴的な寸法および/またはパラメータを示す
図5および
図6において、各上下限値が設定される。
【0015】
この意味で、始点接点(J1)と各接点との間のX方向における間隙(J2Px,J3Px,J4Px,J5Px)の絶対値および/または始点(J1)と各接点との間のY方向における間隙(J2Py,J3Py,J4Py,J5Py)の値は、磁石用間隙の公称高さ(MPH)の3倍よりも小さい。エアバリアの直線線分の中間角(α,β,γ)も同様であり、この角度は30°から170°である。
好ましい実施形態においては、中央接続要素の最小幅(2C−T)および側部接続要素の最小幅(2S−T)は、磁石幅(3X)の0.2倍よりも小さい。中央接続要素の平面(RAC)に対する、磁石の傾斜角度(π)は、45°から135°の範囲内であり、
好ましくは90°である。丸み半径(JR3におけるJR1,JR2)および磁石角部丸み半径(RM)は、磁石高さ(3Y)の0.5倍よりも小さい。
【0016】
この分野の専門家であれば、記録に基づき、ロータスタック(2)の永久磁石(3A,3B)を挿入するための間隙内のバリアの形成および/または設計方法の任意の技術的パラメータ値を変更することにより、同様の結果を得ることができること、また、このことが、以下の特許請求の範囲から逸脱するものではないことを理解されたい。