【実施例1】
【0009】
図1および
図2に示す一方の台車には、荷台となるベース部V1の上面に第1収納凹部10が設けられている。
該第1収納凹部10は、後述の掛止部材1を不使用時(折畳時)に掛止部材1がベース部V1の上面より突出しないように収納するもので、掛止部材1の使用時(展開時)には台車間に掛け渡すためにベース部V1の側端縁部で凹部が端面側で開放されている。
前記第1収納凹部10は、ベース部V1の内側に向かって伸びる第1凹部本体10Aと、該第1凹部本体10Aの先端側で交差して左右に折れ曲がる第1折曲り部10Bと、基端寄りで左右の一方(図示例では左側)に折れ曲がる第3折曲げ部10Cとが形成されており、上面は開放されている。
【0010】
また、
図1では同じ台車のベース部V1に、前記第1収納凹部10と並列に並んで第2収納凹部20が設けられているが、前記第1収納凹部10と対になる第2収納凹部20は、一方の台車と連結される他方の台車(
図9、
図10参照)のベース部V2に形成される。
一方の台車と他方の台車を相互に連結する場合には、各台車に第1収納凹部10と第2収納凹部20とが形成されている。
【0011】
第2収納凹部20は、後述の掛止部材1を使用時(展開時)に掛止部材1がベース部V1の上面より突出しないように収納するもので、掛止部材1の使用時(展開時)には台車間に掛け渡すためにベース部V1の側端縁部で凹部が端面側で開放されている。
前記第2収納凹部20は、ベース部V1の内側に向かって伸びる第2凹部本体20Aと、該第2凹部本体20Aの先端側で交差して左右に折れ曲がる第2折曲り部20Bとが形成されており、上面は開放されている。
【0012】
次に、掛止部材1は、不使用時には前記第1収納凹部10に収納され、使用時には第1収納凹部10と第2収納凹部20とに掛け渡されてそれぞれに嵌合される。
上記掛止部材1は、その端部に、前記第1凹部本体10Aの基端側に嵌合し同軸線上に延びる枢軸(図示例では後述のP1,P2、P3)が設けられている。
この掛止部材1は、基端側に前記枢軸を有して、第1凹部本体10Aまたは第2凹部本体20Aに嵌合可能に伸びる本体部1Aと、該本体部1Aから延びて前記第1折曲り部10または第2折曲り部20に嵌合可能に折れ曲がる拘束片部2と、該拘束片部2と分岐して空間部3を隔てて本体部1Aの一方の側面に沿って同一面状に延びるロック解除用のレバー片部4とを有している。
このレバー片部4は、前記本体部2から拘束片部2と分岐して拘束片部2との間に空間部3を有しており、レバー片部4には、その外側の側面に、凹凸係合する一方の係合構成部5が形成されている。
また、前記第1凹部本体10Aおよび第2凹部本体20Aには、前記一方の係合構成部5に対応して凹凸係合ずる他方の凹凸係合部11、21が形成されている。
本実施例では、一方の係合構成部5は、レバー片部4の側面から外方へ突出する突部からなり、他方の係合構成部11,21は、前記突部を係合可能な凹部(受部)からなっているが、この発明では凹凸の配置は逆であってもよい。
前記レバー片部4は、先端を把持して空間部3側へ移動させることで前記凹凸係合を解除しうるよう弾性を備えていることが好ましい。
【0013】
前記第1収納凹部10または第2収納凹部20には、凹部内に収納された掛止部材1が凹部から浮き上がったり抜け出たりしないように、掛止部材1の側壁の一部と略隙間無く接触して拘束する拘束壁部14、15、24、25を有している。
ここで、掛止部材1の拘束片部2は、台車の連結時には、連結側の第2収納凹部20の第2折曲り部20Bに掛止められるので、連結された台車が離反する方向に力が加わる場合に折曲り部分の掛止によって、連結された掛止部材1が外れることがない。
前記一方の拘束壁部14、24は、拘束片部2の先端側の略水平な第1側壁w1と、これと対峙する第2側壁w2と略隙間無く接しており、他方の拘束壁部15、25は、第2側壁w2に連接する本体部1Aの左右の第3〜第4側壁w3、w4と、前記レバー片4の基端側で第1枢軸P1が形成される突起部9の側壁w5と略隙間無く接しており、掛止部材1の上下左右方向の動きを規制している(
図9参照)。
また、第1収納凹部10または第2収納凹部20には、それぞれの凹部に嵌合し拘束された連結部材1のレバー片部4と拘束片部2とを把持して引き出すための第1スペース18、28と、第2スペース19、29とが左右にずれて配置されている。図示例では第1スペース18、28がベース部の内側で奥に配置され、第2スペース19、29がベース部の内側で手前になるように段違い状にずれて配置されている。
【0014】
この発明では、掛止部材1の枢軸は1本であってもよいが、掛止部材1を第1凹部本体10Aから着脱可能とするために枢軸が分割構造となっている。
即ち、本実施例では、前記掛止部材1の基端が、第1分岐部6と第2分岐部7に分かれ、間に空間部3が形成されている。
【0015】
第1分岐部6は左右に一対の第1、第2枢軸P1、P2が突設され、第2分岐部7には外側に第3枢軸P3が突設されている。
図示例では、第1分岐部6の基端は外方に折れ曲がって突出する突出部9が形成されその先端に第1枢軸P1が突設され、反対側には同一軸線上に第2枢軸P2が突設されている。
第1凹部本体10Aには掛止部材1の基端側を囲む周壁に、第1軸部P1と第3軸部P3を取り付ける第1、第3軸受部B1、B3が形成されている。
【0016】
前記第1、第2収納凹部10、20には、軸受保持用隆起部30が設けられている(
図6、
図7参照)。
軸受保持用隆起部30は、掛止部材1の折畳時の第1分岐部6と第2分岐部7の隙間部8に隙間無く嵌合する位置に配置されており、中央に第2枢軸P2を嵌合する第2軸受溝B2を有している。
そして、第2分岐部7と接する側壁が前記第2軸受溝B2と離間する方向に傾斜しており、第3枢軸3を第3軸受部B3に着脱しやすいようになっている。
【0017】
上記構成からなっているので、第1収納凹部10の第1凹部本体10Aと第2収納凹部20の第2凹部本体20Aとは、前者が掛止部材1の枢軸個所を有しているが後者は有していない点で異なり、これに応じて長さも異なるが、第1折曲り部10Bと第2折曲り部20Bとは、前記第1収納凹部10の枢軸の軸線を中心に対称形状となるように形成されている。
【0018】
また、本実施例では、軸受部分が形成される第1凹部本体10Aには、ベース部V1、V2間の連結時に掛止部材1の軸受部分が係合するように、第1凹部本体10Aの基端よりで折れ曲がる第3折曲げ部10Cが形成されている。
これに対応して、掛止部材1の第1分岐部6の基端側は第3折曲げ部10Cに嵌合するように折り曲げられており、その外側に第1枢軸P1が形成され、第3折曲げ部10Cに第1枢軸P1を軸受する第1軸受部B1が形成されている。
【0019】
これにより掛止部材1は、第1折曲げ部10Bと第3折曲げ部10Cによって折畳時に拘束され、展開時には第3折曲げ部10Cと第2折曲げ部20Bによって拘束されるので、台車のベース部V1、V2にどのような方向の動きが加わっても、折畳時および展開時のいずれも収納姿勢が保持され、また連結時には連結が外れることがない。
【0020】
この発明では、第1から第3枢軸P1〜P3に分割した例を示したが、枢軸は、第1収納凹部の基端側に形成された左右の軸受溝に軸支されるものであればよく1つまたは2つに分割された枢軸を用いてもよい。
また、枢軸と軸受溝との嵌合は、弾性を利用するものでも利用せずに圧入するもの、掛止めるものなどでもよい。
【0021】
本実施例では、連結する双方の台車のベース部構造を同一としたため、第1収納凹部10と第2収納凹部20を隣接して配置した。
これにより一方の台車に対して他方の台車の左右を反転させ、または前後を反転させることで、一方の連結側の台車のベース部V1と、他方の被連結側の台車のベース部V2の構造を変えることなく用いることができる。
また、図示例のように、同じ台車のベース部に、第1収納凹部10と第2収納凹部20を隣接して配置することで、一方の連結側の台車のベース部V1の第1収納凹部10に枢着された掛止部材1が、他方の被連結側の台車のベース部V2の第2収納凹部20に掛け止められ、他方の被連結側の台車V2の第1収納凹部10に枢着された掛止部材1が一方の連結側の台車のベース部V1の第2収納凹部20に掛け止められるので、双方向に掛止部材1,1を二重に掛け渡して連結することができる(
図9、
図10参照)。
【0022】
この発明では、連結する双方の台車のベース部構造を同一にしなくてもよく、連結側の台車のベース部V1に第1収納凹部10を設け、被連結側の台車のベース部V2に第2収納凹部20を設け、前記第1収納凹部10に枢着された掛止部材1を第2収納凹部20に掛止めて連結する構造であってもよい。
その他この発明は、上記実施例に限定されるものではなく、要するに、この発明の要旨を変更しない範囲で種々設計変更することができる。